説明

プリムラ・デンティキュラータの抽出物を含有する組成物およびそれの使用方法

【課題】アクネを処置し、かつ、皮膚上に油状物または孔が出現するのを減少させる。
【解決手段】本発明は、プリムラ・デンティキュラータの抽出物を含有する組成物と、アクネを処置するために、かつ、皮膚、毛髪および頭皮の上に油状物もしくは孔が出現するのを減少させるためにこの組成物を使用する方法とを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の背景〕
アクネ疾患(acne disorders)はしばしば、非炎症性タイプまたは炎症性タイプに分類される。非炎症性アクネは、密集状態のケラチン、皮脂および細菌から成る、閉鎖面皰(closed comedones)(稗粒腫(whiteheads))および開放面皰(open comedones)(黒にきび(blackheads))であって、濾胞管(follicular duct)を拡張させる、それら面皰によって特徴付けられる。面皰は、毛嚢脂腺管(pilo-sebaceous duct)が閉塞されるとき、および/または、皮脂腺による皮脂の産生が増大するとき、形成される。面皰が形成された後、細菌の増殖および/または皮脂の過剰産生に起因して、炎症が生じることがある。それらの細菌は典型的には、プロピオニバクテリウム属(Propionibacteria)(プロピオニバクテリウム・アクネス)のような嫌気性細菌である。炎症性アクネは、瘢痕化(scarring)を引き起こすことがある小節嚢胞性病変(nodulocystic lesions)、丘疹(papules)(にきび(pimples))および膿疱(pustules)によって特徴付けられる。皮脂の産生、ホルモン刺激、詰まった毛穴、および皮膚病原菌を含む幾つかの因子が、アクネの発症において重要な役割を果たすものと思われている。アクネを有する被験者の皮脂レベルは、対照被験者の皮脂レベルと比べて、約70%だけ増大する。
【0002】
本発明は、アクネを処置するのに、かつ、皮膚上に油状物(oil)または孔(pores)が出現するのを減少させるのに、プリムラ・デンティキュラータ(primula denticulata)の抽出物が局所的に有効であるという予期せぬ発見に関する。
【0003】
〔発明の概要〕
本発明は、1つの態様において、アクネを処置するか、または、皮膚上に油状物もしくは孔が出現するのを減少させる方法において、そのような処置を必要とする皮膚に、プリムラ・デンティキュラータの抽出物を含有する組成物を投与することによる、方法を特徴とする。
【0004】
本発明は、もう1つの態様において、(a)プリムラ・デンティキュラータの抽出物を含有する組成物と、(b)アクネを処置するために、または、皮膚上に油状物もしくは孔が出現するのを減少させるために前記組成物を皮膚に塗布することを使用者に指示している使用説明書とを含有する製品を特徴とする。
【0005】
本発明は、1つの態様において、プリムラ・デンティキュラータの抽出物を含有する組成物の普及を促進する方法において、アクネを処置するために、または、皮膚上に油状物もしくは孔が出現するのを減少させるために前記組成物を皮膚に塗布することを使用者に指示することによる、方法を特徴とする。
【0006】
本発明は、1つの態様において、アクネを処置するか、または、皮膚上に油状物もしくは孔が出現するのを軽減する方法において、そのような処置を必要とする皮膚に、アスパラガス・ラセモサス(Asparagus racemosus)の抽出物およびカテキン(catechin)含有抽出物を含有する組成物を投与することによる、方法を特徴とする。
【0007】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の詳細な記述、ならびに、特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0008】
〔発明の詳細な記述〕
当業者は、本明細書の記述に基づいて、本発明を十二分に利用することができるものと思う。次の具体的な諸実施形態は、単に説明に役立つものであって、残部の開示内容を少しも制限するものではないと解釈されるべきである。
【0009】
別段の定義がない限り、本明細書で用いられる科学技術用語は全て、本発明が属する技術分野の当業者によって通常に理解されている意味と同一の意味を有する。また、本明細書で言及される刊行物、特許出願明細書、特許明細書および他の参考文献はすべて、参照されることによって組み入れられる。別段の指摘がない限り、%は、重量%(すなわち%(W/W))を示す。
【0010】
〔定義〕
「アクネを処置すること(treating acne)」は、アクネもしくは酒さ(rosacea)を軽減すること、または、アクネもしくは酒さを防止することを意味する。
【0011】
「製品(product)」は、完成した包装形態の製品を意味する。1つの実施形態において、パッケージは、容器(例えば、組成物の入っているプラスチック、金属もしくはガラスの管または瓶(jar))である。製品は、追加の梱包材料(例えば、上記の容器を保管するためのプラスチック製箱または段ボール箱)を更に含有することができる。1つの実施形態において、製品は、皮膚疾患を処置するために(例えば、アクネを処置するために、または、皮膚上に油状物もしくは孔が出現するのを減少させるために)前記組成物を皮膚に塗布することを使用者に指示している使用説明書を含有する。
【0012】
「普及を促進すること(promoting)」は、普及を促進すること、宣伝すること、または、売り込むことを意味する。普及を促進することの例は、製品に関して行われる書面、視覚もしくは口頭による声明、または、商店、雑誌、新聞、ラジオ、テレビ、インターネット等において行われる書面、視覚もしくは口頭による声明を包含するが、それらに限定されない。
【0013】
アクネの処置法の普及を促進することについて、そのような声明の例は、「アクネを処置する」、「アクネを防止する」、「アクネ病変、面皰またはにきびを軽減する」、「アクネ病変、面皰またはにきびが出現するのを減少させる」、「アクネの吹き出物および傷が出現するのを減少させる」、「アクネの吹き出物および傷が出現するのを防止、抑制または調節する」ならびに「アクネの吹き出物および傷を軽減する」ことを包含するが、それらに限定されない。
【0014】
皮膚上に油状物(oil)が出現するのを減少させることの普及を促進することについて、そのような声明の例は、「皮脂が出現するのを減少させる」、「皮脂の産生を防止、抑制または調節する」、「皮脂を減少させる」、「油性皮膚/テカテカ光る皮膚(shiny skin)が出現するのを減少させる」、「脂ぎった皮膚(greasy skin)が出現するのを減少させる」ならびに「皮膚、髪または頭皮のてかりを軽減する」ことを包含するが、それらに限定されない。1つの実施形態において、前記組成物は、アクネを処置する必要のない皮膚(即ち、アクネを患っていない皮膚、または、頭皮/髪)に塗布される。
【0015】
皮膚上に孔(pores)が出現するのを減少させることの普及を促進することについて、そのような声明の例は、「孔の大きさを縮小する」、「孔が出現するのを最小限に抑える」、「孔の外観を改良する(refine)」、「孔の可視性(visibility)を減少させる」および「孔の開口を閉じる」ことを包含するが、それらに限定されない。1つの実施形態において、前記組成物は、アクネを処置する必要のない皮膚(即ち、アクネを患っていない皮膚)に塗布される。
【0016】
本明細書で用いられる「そのような処置が必要である皮膚に投与すること(administering to skin in need of such treatment)」は、そのような処置が必要である皮膚の領域、または、そのような処置が必要である皮膚の領域に近接した皮膚の領域に[例えば、手またはアプリケーター(例えば、ふき取り布(wipe)、チューブ、ローラ、噴霧器もしくはパッチ(patch)であるが、それらに限定されない)を用いることによって]接触することを意味する。
【0017】
本明細書で用いられる「組成物(composition)」は、皮膚に投与するのに適した組成物を意味する。
【0018】
本明細書で用いられる「化粧用に許容される(cosmetically-acceptable)」は、その用語が表示する諸成分が、過度の毒性、配合禁忌(incompatibility)、不安定性、炎症、アレルギー反応、等を引き起こすことなく、皮膚と接触して使用されるのに適していることを意味する。
【0019】
本明細書で用いられる「安全かつ有効な量(safe and effective amount)」は、組織弾性(tissue elasticity)の増大を引き起こすのに十分であるが、重篤な副作用を回避するよう十分少ない、化合物、キャリヤまたは組成物の量を意味する。化合物または組成物の安全かつ有効な量は、処置されている領域;最終使用者の年齢、健康状態および皮膚タイプ;処置の期間および性質;使用された具体的な化合物または組成物;使用された、特定の化粧用に許容されるキャリヤ;ならびに、類似の諸要因によって変化する。
【0020】
プリムラ・デンティキュラータの抽出物
本発明の組成物は、プリムラ・デンティキュラータの抽出物を含有する。「プリムラ・デンティキュラータ抽出物」または「プリムラ・デンティキュラータの抽出物」は、プリムラ・デンティキュラータから分離される諸化合物の混合物を意味する。そのような化合物の例は、サポゲニン類(sapogenins)、フラボン類(flavones)およびカルコン類(chalcones)を包含するが、それらに限定されない。
【0021】
以下に概説されるように、出願人らは、(プリムラ・デンティキュラータ植物体に存在する)プリミン(primin)、2−メトキシ−6−ペンチル−1,4−ベンゾキノンが、脂質生成活性(lipogenic activity)を実際に有する(例えば、皮脂の産生を増大する)ことを見出だした。プリミンは、プリムラに起因する幾つかのアレルギー反応を引き起こすので、プリミンが希薄化された抽出物(primin-reduced extracts)から作られた局所用組成物は、非刺激性であり、かつ高品質であるものと期待される。したがって、1つの実施形態において、プリムラ・デンティキュラータ抽出物は、プリミンを実質的に含有しない[例えば、プリミンを0.1重量%未満(例えば、プリミンを0.01重量%未満)含有するか、または、プリミンを全く含有しない]。1つの実施形態において、前記組成物は、プリミンを実質的に含有しない[例えば、プリミンを0.01重量%未満(例えば、プリミンを0.001重量%未満)含有するか、または、プリミンを全く含有しない]。
【0022】
アスパラガス抽出物
本発明の組成物は、アスパラガスの抽出物を含有することがある。「アスパラガス抽出物(asparagus extract)」または「アスパラガスの抽出物(an extract of asparagus)」は、アスパラガス(Asparagus)[クサスギカズラ科(Asparagaceae family)]から単離された諸化合物の混合物である。1つの実施形態において、アスパラガス・ラセモサス(Asparagus racemosus)[シャタバリ(Shatavari)]が、本発明の組成物に使用される。アスパラガス・ラセモサスは、アーユルベーダのテキスト(Ayurvedic texts)において、胃潰瘍、消化不良の予防および処置を行うために、かつ、催乳剤として、推奨されている。
【0023】
アスパラガス抽出物中に存在する諸化合物の例は、ステロイド系サポニン(steroidal saponins)、サポゲニン(sapogenins)およびフラボン類(flavones)を包含するが、それらに限定されない。
【0024】
フジ抽出物
本発明の組成物は、フジの抽出物を含有することがある。「フジ抽出物(Wisteria extract)」または「フジの抽出物(an extract of Wisteria)」は、フジ(Wisteria)[マメ科(Papilionaceae family)]から単離された諸化合物の混合物を意味する。1つの実施形態において、ノダフジ(Wisteria floribundae)[フジ(Japanese Wisteria)]が、本発明の組成物に使用される。ヤマフジ(Wisteria brachybotrys)、アメリカフジ(Wisteria frutescens)、ケンタッキーフジ(Wisteria macrostachya)、シナフジ(Wisteria sinensis)、ウィステリア・ベヌスタ(Wisteria venusta)、ウィステリア・ビロサ(Wisteria villosa)を包含するが、それらに限定されない、フジ属からの他の種は、本発明の組成物に使用される場合がある。
【0025】
フジ抽出物に存在する化合物の例は、ベツリン(betulin)、ベツリン酸およびフラボン類を包含するが、それらに限定されない。
【0026】
組成物
本発明は、皮脂の産生、および、皮脂産生によって誘発される疾患の軽減または抑制を改善する組成物であって、プリムラ・デンティキュラータ植物体の抽出物;あるいは、プリムラ・デンティキュラータの抽出物と、1種以上のカテキン類、もしくは、カテキン類含有の植物抽出物との組合せ[例えば、プリムラ・デンティキュラータ植物体の抽出物とアルピニア・ガランガ(Alpinia galanga)植物体の抽出物との組合せ、または、プリムラ・デンティキュラータおよび緑茶からの諸植物抽出物の組合せ];を含有する、組成物を概して含む。もう1つの実施形態において、本発明は、アスパラガス植物体の抽出物と、1種以上のカテキン類、または、カテキン類含有の植物抽出物との組合せ[例えば、アスパラガス植物体の抽出物とアルピニア・ガランガ植物体の抽出物との組合せ、もしくは、アスパラガスおよび緑茶からの諸植物抽出物の組合せ]を含有する組成物を含む。
【0027】
もう1つの実施形態において、本発明は、フジ植物抽出物と、1種以上のカテキン類、または、カテキン類含有の植物抽出物との組合せ[例えば、フジ植物抽出物とアルピニア・ガランガ植物抽出物との組合せ、または、アスパラガスおよび緑茶からの諸植物抽出物の組合せ]を含有する組成物を含む。
【0028】
そのような組成物は、多数のスキンケア目的のいずれのためにも使用することができる。それらの目的は、(例えば、皮膚の外観を改善することによって)健常な皮膚に恩恵を提供することを包含するが、それらに限定されない。本発明の組成物は、皮脂の過剰産生;油性皮膚;ならびに、それらの結果として発現する、アクネおよび面皰の形成のような皮膚疾患;の影響を軽減しながら、薬学的容態(pharmaceutical conditions)(例えば、炎症)に対して治療的に使用することもできる。
【0029】
本発明で使用される植物体および植物部位は、商業的源から入手することができる。例えば、プリムラ植物体は、米国および英国における様々な永続的苗床(perennial nurseries)[例えば、ブルーストーン・ペレニアルズ・インコーポレイティッド(Bluestone Perennials, Inc.)(オハイオ州マディソン(Madison OH))]から入手することができる。アルピニア・ガランガの種子は、U.C.メディスン社(U.C. Medicine)(ニューヨーク州ミネオラ(Mineola, NY))から購入することができる。緑茶およびアスパラガスは、サビンサ・コーポレーション(Sabinsa Corporation)(ニュージャージー州ピスカタウェイ(Piscataway, NJ))から入手することができる。カテキン類は、例えば、インドフィン社(Indofine)(ニュージャージー州サマービル(Somerville, NJ))またはアルドリッチ社(Aldrich)(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee, WI))から市販されている。
【0030】
本発明で有用な組成物には、哺乳類の皮膚(例えば、ヒト皮膚)のような標的組織に投与するのに適した製剤が包含される。1つの実施形態において、該組成物は、安全かつ有効な量の(i)プリムラ・デンティキュラータの抽出物と(ii)化粧用に許容されるキャリヤとを含有する。1つの実施形態において、化粧用に許容されるキャリヤは、該組成物の約50重量%〜約99.99重量%(例えば、該組成物の約80重量%〜約99重量%)である。
【0031】
前記組成物は、種々様々な製品タイプに作ることができる。それらの製品タイプは、溶液、懸濁液、ローション、クリーム、ゲル、収斂用化粧水(toners)、棒状の物(sticks)、噴霧液、軟膏、クレンジング・リキッド洗浄液およびクレンジング・ソリッドバー(cleansing liquid washes and solid bars)、シャンプーおよびヘアコンディショナー、ペースト、フォーム(foams)、粉末、ムース(mousses)、髭剃り用クリーム(shaving creams)、ふき取り布(wipes)、ストリップ(strips)、パッチ、動力付きパッチ(powered patches)、創傷用包帯(wound dressing)およびガーゼ付き絆創膏、ヒドロゲル、膜形成性製品(film-forming products)、顔面マスクおよび皮膚マスク、ファンデーション、アイライナー(eyeliners)、およびアイシャドウ(eye shadows)等の化粧品、ならびに、同類のものを包含するが、それらに限定されない。これらの製品タイプは、化粧用に許容される幾種類かのキャリヤを含有することができる。それらキャリヤは、溶液、懸濁液、エマルション(例えば、マイクロエマルションおよびナノエマルション)、ゲル、固体、ならびに、リポソーム(liposomes)を包含するが、それらに限定されない。下記のものは、そのようなキャリヤの非限定的な実施例である。当業者は、他の諸キャリヤを調剤することができる。
【0032】
本発明で有用な組成物は、溶液として調剤することができる。溶液は典型的には、水性溶媒または有機溶媒を(例えば、化粧用に許容される水性溶媒または有機溶媒を約50%〜約99.99%、または、約90%〜約99%)含有する。適切な有機溶媒の例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(200〜600)、ポリプロピレングリコール(425〜2025)、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトールエステル、1,2,6−ヘキサントリオール、エタノール、および、それらの混合物が包含される。
【0033】
ローションは、そのような溶液から作ることができる。ローションは典型的には、1種以上の皮膚軟化剤を約1%〜約20%(例えば、約5%〜約10%)、および、水を約50%〜約90%(例えば、約60%〜約80%)含有する。本明細書で用いられる「皮膚軟化剤(emollients)」とは、乾燥を防止または軽減するだけでなく、皮膚または髪を保護するためにも使用される材料をいう。皮膚軟化剤の例は、国際化粧品成分辞典(the International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook),ウェニンガー(Wenninger)およびマキューエン(McEwen)編集,第1656頁〜1661頁、1626頁および第1654頁〜1655頁[ザ・コスメティック・トイレトリ・アンド・フレイグランス協会(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Assoc.),ワシントンDC,第7版(1997)](以下、「ICIハンドブック」という)に開示されているものを包含するが、それらに限定されない。
【0034】
溶液から調剤することのできるもう1つのタイプの製品は、クリームである。クリームは典型的には、1種以上の皮膚軟化剤を約5%〜約50%(例えば、約10%〜約20%)、および、水を約45%〜約85%(例えば、約50%〜約75%)含有する。
【0035】
溶液から調剤することのできる更にもう1つのタイプの製品は、軟膏である。軟膏は、動物油、植物油、合成油または半固形炭化水素の単一基剤を含有することができる。軟膏は、1種以上の皮膚軟化剤を約2%〜約10%、更に、1種以上の増粘剤を約0.1%〜約2%含有することができる。増粘剤の例は、ICIハンドブック,第1693頁〜1697頁に開示されているものを包含するが、それらに限定されない。
【0036】
本発明で有用な組成物は、エマルションとしても調剤することができる。キャリヤがエマルションである場合、該キャリヤの約1%〜約10%(例えば、約2%〜約5%)は、1種以上の乳化剤を含む。エマルションは、非イオン性、アニオン性またはカチオン性であってもよい。エマルションの例は、ICIハンドブック,第1673頁〜1686頁に開示されているものを包含するが、それらに限定されない。
【0037】
ローションおよびクリームは、エマルションとして調剤することができる。そのようなローションは典型的には、1種以上の乳化剤を約0.5%〜約5%含有するのに対して、そのようなクリームは典型的には、1種以上の皮膚軟化剤を約1%〜約20%(例えば、約5%〜約10%)、水を約20%〜約80%(例えば、約30%〜約70%)、および、1種以上の乳化剤を約1%〜約10%(例えば、約2%〜約5%)含有するであろう。
【0038】
水中油型単一エマルションおよび油中水型単一エマルションのスキンケア製剤(例えば、ローションおよびクリーム)は、当該技術分野では周知であり、しかも、主題発明において有用である。水中油中水型または油中水中油型のような多相エマルション組成物もまた、主題発明において有用である。そのような単一エマルションまたは多相エマルションは通常、必須成分として、水分、皮膚軟化剤および乳化剤を含有する。
【0039】
本発明の組成物はまた、ゲル(例えば、1種以上の適切なゲル化剤を用いた、水性ゲル、アルコールゲル、アルコール/ウォーターゲル、または、オイルゲル)として調合することもできる。水性ゲルおよび/またはアルコールゲルを得るための適切なゲル化剤は、天然ガム;アクリル酸とアクリレートとのポリマー;アクリル酸とアクリレートとの共重合体;ならびに、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース)を包含するが、それらに限定されない。オイル(例えば、鉱油)のための適切なゲル化剤は、水素化されたブチレン/エチレン/スチレン共重合体、水素化されたエチレン/プロピレン/スチレン共重合体を包含するが、それらに限定されない。そのようなゲルは典型的には、そのようなゲル化剤を約0.1重量%〜5重量%含有する。
【0040】
本発明の組成物はまた、調剤して固形製剤(例えば、ワックスベースの棒状物、棒状石鹸組成物、粉末、および、粉末含有ふき取り布)にすることもできる。
【0041】
主題発明で有用な組成物は、前述の諸成分に加えて、種々様々な追加的な油溶性物質および/または水溶性物質であって、皮膚に使用するための組成物の中に通常使用されている、該物質を、それらの技術分野で確立されている濃度(their art-established levels)で含有することができる。
【0042】
追加的な化粧用活性薬剤
1つの実施形態において、前記組成物は、上記の諸化合物に加えて、別の化粧用活性薬剤を更に含有する。「化粧用活性薬剤(cosmetically active agent)」は、組織に対する化粧品の効果または治療効果を有する化合物(例えば、合成化合物、または、天然源から単離された化合物、または、複数種の化合物の混合物を含有する天然抽出物)を意味する。該化合物は、色調を明るくする薬剤(lightening agents)、色調を暗くする薬剤(darkening agents)[例えば、セルフタンニング薬剤(self-tanning agents)]、抗アクネ剤、光沢抑制剤(shine control agents)、抗菌剤(例えば、抗酵母剤(anti-yeast agents)、抗真菌剤、抗細菌剤)、抗炎症剤、抗寄生虫剤、外用鎮痛剤、日焼け止め剤、光防護剤(photoprotectors)、酸化防止剤、角質溶解剤、洗浄剤/界面活性剤、保湿剤、栄養剤、ビタミン類、エネルギー増強剤、制汗剤、収斂剤、体臭防止剤、脱毛剤、育毛増進剤、発毛遅延剤、引き締め剤(firming agents)、抗べんち剤(anti-callous agents)、皮膚調整剤(agents for skin conditioning)、抗セルライト剤(anti-cellulite agents)、フッ化物、および、臭気抑制剤(例えば、臭気マスキング剤またはpH調整剤)を包含するが、それらに限定されない
【0043】
1つの実施形態において、前記の化粧用活性薬剤は、ヒドロキシ酸、過酸化ベンゾイル、D−パンテノール、メトキシ桂皮酸オクチル、二酸化チタン、サリチル酸オクチル、ホモサラート(homosalate)、アボベンゾン(avobenzone)、カロテノイド、フリーラジカル捕捉剤、スピン捕捉剤(spin trap)、レチノイドおよびレチノイド前駆物質(例えば、レチノール、パルミチン酸レチニル)、セラミド、ポリ不飽和脂肪酸、必須脂肪酸、酵素、酵素阻害剤、ミネラル、ホルモン(例えば、エストロゲン)、ステロイド(例えば、ヒドロコーチゾン)、2−ジメチルアミノエタノール、銅塩(例えば、塩化銅)、銅含有ペプチド(例えば、Cu:Gly−His−Lys)、補酵素Q10、アミノ酸(例えば、プロリン)、ビタミン類、ラクトビオン酸、アセチル補酵素A、ナイアシン、リボフラビン、チアミン、リボース、電子輸送体(electron transporters)(例えば、NADHおよびFADH2)、他の植物抽出物(例えば、アロエベラ、ナツシロギクおよび大豆)、ならびに、それらの誘導体および混合物から成る群から選ばれるが、それらに限定されない。化粧用活性薬剤は典型的には、本発明の組成物の中に、該組成物の約0.001重量%〜約20重量%、例えば、約0.005重量%〜約10重量%(例えば、約0.01重量%〜約5重量%)、の量で存在する。
【0044】
ビタミン類の例は、ビタミンA、ビタミンB群(例えば、ビタミンB、ビタミンBおよびビタミンB12)、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンE(例えば、α、γまたはδ-トコフェロール)、ならびに、それらの誘導体(塩およびエステル)および混合物を包含するが、それらに限定されない。
【0045】
ヒドロキシ酸の例は、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸および酒石酸を包含するが、それらに限定されない。
【0046】
酸化防止剤の例は、水溶性酸化防止剤、例えば、スルフヒドリル化合物(sulfhydryl compounds)およびそれらの誘導体(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウムおよびN−アセチル−システイン);リポ酸およびジヒドロリポ酸;レスベラトロール(resveratrol);ラクトフェリン;ならびに、アスコルビン酸およびアスコルビン酸誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビルおよびアスコルビルポリペプチド(ascorbyl polypeptide));を包含するが、それらに限定されない。本発明の組成物に使用するのに適した油溶性酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン;レチノイド(例えば、レチノールおよびパルミチン酸レチニル(retinyl palmitate));様々なタイプのトコフェロール[例えば、α−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、および、それらのエステル(例えば、酢酸エステル)]、ならびに、それらの混合物;トコトリエノール;ならびに、ユビキノン;を包含するが、それらに限定されない。本発明の組成物に使用するのに適した酸化防止剤を含有する天然抽出物は、フラボノイド、イソフラボノイドならびにそれらの誘導体(例えば、ゲニステイン(genistein)およびダイゼイン(diadzein))を含有する抽出物(例えば、大豆抽出物およびクローバー抽出物);レスベラトロール(resveratrol)を含有する抽出物;ならびに、同類のもの;を包含するが、それらに限定されない。そのような天然抽出物の例は、ブドウの種、緑茶、松の樹皮、およびプロポリス(propolis)を包含する。
【0047】
酵素の例は、プロテアーゼ(例えば、真菌プロテアーゼ、細菌プロテアーゼまたは哺乳類プロテアーゼ)を包含するが、それらに限定されない。そのようなプロテアーゼの例は、ペプシン;カテプシン;ヒト尿酸プロテアーゼ;ニューロスポラ・オリゼー(Neurospora oryzae)、ムコール・プシルス(Mucor pusillus)、ムコール・ミエヘイ(Mucor miehei)、リゾプス・キネンシス(Rhizopus chinensis)またはエンダチア・パラシティカ(Endothia parasitica)に由来する真菌プロテアーゼ;ならびに、細菌プロテアーゼリゾプスペプシン(bacterial proteases rhizopuspepsin)、ペニシロペプシン(penicillopepsin)およびエンドシアペプシン(endothiapepsin);を包含するが、それらに限定されない。更に、それらプロテアーゼは、遺伝工学的手法および遺伝子工学技術を含むプロセスによって誘導することができる。
【0048】
真菌抽出物の例は、ニューロスポラ・オリゼー(Neurospora oryzae)、ムコール・プシルス、ムコール・ミエヘイ、リゾプス・キネンシスまたはエンダチア・パラシティカ・ムコール・ミエヘイ(Endothia parasitica Mucor Miehei)に由来する抽出物を包含するが、それらに限定されない。そのようなプロテアーゼおよび真菌抽出物を含有する組成物の例は、米国特許第5,976,556号明細書に開示されている。
【0049】
抗アクネ剤
本発明は、1つの実施形態において、抗アクネ剤を含有する局所用組成物に関する。抗アクネ剤は、(米国連邦政府官報(the Federal Register),第56巻,第152号,第37622頁〜37635頁、および、米国連邦政府官報,第56巻,第159号,第41008頁〜41020頁に言及されているような)アクネの局所処置に対して米国食品医薬品局(the U.S. Food and Drug Administration)によって認可されている化合物を意味する。抗アクネ剤の例は、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、イオウ、レチノイン酸、カンジダボンビコラ/グルコース/ナタネ油脂肪酸メチル発酵物(candida bombicola/glucose/methyl rapeseedate ferment)、ピート水(peat water)、レゾルシノール(resorcinol)、シルト(silt)、ピート(peat)、ペルメチン(permethin)、アゼライン酸(azelaic acid)、クリンダマイシン(clindamycin)、アダパレン(adapalene)、エリスロマイシン(erythromycin)、スルファセタミドナトリウム(sodium sulfacetamide)およびそれらの組合せを包含するが、それらに限定されない。該組成物中の抗アクネ剤の量は、1つの実施形態において、該組成物の全重量に基づき、約0.01重量%〜約10重量%(例えば、約0.1重量%〜約5重量%、または、約0.5重量%〜約2重量%)である。
【0050】
カテキン類
本発明の組成物は、1つの実施形態において、合成カテキンを更に含有する。用語「カテキン(catechin)」とは、フラボノイド類のフラバン−3−オール(flavan-3-ol)類に属するポリフェノール物質をいう。カテキン類は、合成により作られることができるか、または、天然に作られることがある(例えば、植物抽出物の一部)。典型的なカテキン類は、カテキン(C)、カテキンガレート(catechin gallate)(CG)、エピカテキン(epicatechin)(EC)、ガロカテキン(gallocatechin)(GC)、ガロカテキンガレート(gallocatechin gallate)(GCG)、エピガロカテキン(epigallocatechin)(EGC)、エピカテキンガレート(epicatechin gallate)(ECG)およびエピガロカテキンガレート(epigallocatechin gallate)(EGCG)を包含するが、それらに限定されない。カテキン類の含有量を有する典型的な植物体は、カテキュー(Catechu)、緑茶[カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)、カメリア・オレイフェラ(Camellia oleifera)]、ヴィティスヴィニヘラ(Vitis vinifera)、ブドウ[ヴィティスヴィニヘラ(Vitis vinifera)]、キンミズヒキ(agrimony)[西洋キンミズヒキ(Agrimonia eupatoria)]、綿[ワタ(Gossypium sp)]、クロフサスグリ(black currant)[クロスグリ(Ribes nigrum)]、コケモモ(cowberry)[コケモモ(Vaccinium vitis-idaea var. minus)]、アルピニア・ガランガ(Alpinia galanga)およびアルピニア・カツマダ(Alpinia katsumada)を包含するが、それらに限定されない。他の植物体は、ジェームズA.デューク(James A. Duke):「GRASハーブおよび他の実用植物の植物化学物質成分のハンドブック(the Handbook of Phytochemical Constituents of GRAS Herbs and Other Economic Plants)」,(CRC出版)(1992)に記述されている。
【0051】
植物抽出物
本発明の組成物は、1つの実施形態において、もう1種の植物抽出物を更に含有する。「植物抽出物(plant extract)」は、植物から単離された諸化合物の混合物を意味する。そのような諸化合物は、植物体の1つ以上の部位(例えば、該植物体の全植物体、花、種子、根、根茎、茎、果実および/または葉)から、そのような植物体の一部分を物理的に取り外すことによって、例えば、該植物体の花を粉砕することによって、単離することができる。そのような諸化合物はまた、当該技術分野で周知の抽出法を用いることによって、(例えば、有機溶媒(例えば、低級のC〜Cアルコール、C〜Cアルキルポリオール、C〜Cアルキルケトン、C〜Cアルキルエーテル、酢酸C〜Cアルキルエステル、および、クロロホルム)、ならびに/または、無機溶媒(例えば、水;塩酸のような無機酸;および、水酸化ナトリウムのような無機塩基)を使用することによって)植物体から単離することができる。
【0052】
1つの実施形態において、植物抽出物(例えば、アルピニア抽出物、緑茶抽出物、ナツシロギク抽出物、キンミズヒキ(agrimony)抽出物、綿抽出物、ブドウ抽出物、クロフサスグリ(black currant)抽出物、コケモモ(cowberry)抽出物または大豆抽出物)は、組成物中に、該組成物の約0.001重量%〜約20重量%の量で、とりわけ、約0.1重量%〜約10重量%の量で存在する。特に明記されない限り、抽出物の重量は、該抽出物の乾燥重量を示す。
【0053】
ナツシロギク抽出物
本発明の組成物は、1つの実施形態において、ナツシロギク抽出物を更に含有する。「ナツシロギク抽出物(feverfew extract)」は、ナツシロギクから単離される諸化合物の混合物を意味する。そのような諸化合物の例は、アピゲニン−7−グルコシド、アピゲニン−7−グルクロニド、1−β−ヒドロキシアルブスクリン(1-β-hydroxyarbusculin)、6−ヒドロキシケンペロール−3,7−4'−トリメチルエーテル(6-hydroxykaempferol-3,7-4'-trimethylether(タネチン(Tanetin))、6−ヒドロキシケンペロール−3,7−ジメチルエーテル(6-hydroxykaempferol-3,7-dimethyl ether)、8−β−レイノシン(8-β-reynosin)、10−エピカニン(10-epicanin)、アスコルビン酸、β−カロテン、カルシウム、クロム、クリサンセモライド(chrysanthemolide)、クリサンセモミン(chrysanthemomin)、クリサルテン−A(chrysarten-A)、クリサルテン−C(chrsyarten-c)、クリソエリオール−7−グルクロニド(chrysoeriol-7-glucuronide)、コバルト、コスモシイン(cosmosiin)、エポキシアルテモリン(epoxyartemorin)、ルテオリン−7−グルコシド、ルテオリン−7−グルクロニド、マングノリオリド(mangnoliolide)、パルテノライド(parthenolide)、クエルセタゲンチン−3,7,3'−トリメチルエーテル(quercetagentin-3,7,3'- trimethylether)、クエルセタゲチン−3',7−ジメチルエーテル(quercetagetin-3'7-dimethylether)、レイノシン(reynosin)、タナパルシン(tanaparthin)、タナパルシン−1α,4α−エポキシド、タナパルシン−1β,4β−エポキシド、β−コスツノリド(β-costunolide)、3−β−ヒドロキシ-パルテノライド(3-β-hydroxy-parthenolide)、および3,7,3'−トリメトキシクエルセタゲチン(3,7,3'-trimethoxyquercetagetin)を包含するが、それらに限定されない。ナツシロギク植物体に存在するα−不飽和γ−ラクトン(例えば、パルテノライド)は、アレルギー反応を引き起こすことが知られている。したがって、1つの実施形態において、ナツシロギク抽出物は、アレルギーを引き起こすα−不飽和γ−ラクトンを実質的に含有しない。パルテノライドを実質的に含有しないナツシロギク抽出物の調製は、米国特許出願第20040105905号明細書の実施例1に開示されている。
【0054】
大豆抽出物
本発明の組成物は、1つの実施形態において、大豆抽出物を更に含有する。「大豆抽出物(soybean extract)」は、大豆から単離された諸化合物の混合物を意味する。大豆抽出物は、大豆の一部分(例えば、脂質低減大豆粉末または濾過豆乳などの大豆の抽出物)のみを含有する場合があるか、または、大豆全体(大豆の粉砕粉末)を含有する場合がある。大豆抽出物は、流体(例えば、豆乳)、または固体(例えば、大豆粉末もしくは豆乳粉末)である場合がある。
【0055】
大豆抽出物は、大豆粉末である場合がある。大豆粉末は、乾燥大豆を粉砕することによって作ることができる。大豆粉末は、凍結乾燥させることができる。豆乳および豆乳粉末もまた、有用な大豆抽出物である。豆乳は、大豆由来固形分と水との組合せであり、その混合物は、濾過して取り除かれた不溶性成分の一部または全部を有する。豆乳粉末は、蒸発済み豆乳であり、1つの実施形態において、該豆乳粉末は、凍結乾燥された形態または噴霧乾燥された形態である。豆乳の製造方法は、次の3つの方法を包含するが、それらに限定されない。第1に、豆乳は、大豆を水に入れ、それら大豆に水を吸収させることによって作ることができる。次いで、膨潤した大豆を粉砕し、次いで、追加の水を添加する。次いで、その混合物を濾過して、あらゆる不溶性残渣を除去することができる。第2に、豆乳は、大豆粉末からも調製することができる。大豆粉末を水と十分に(例えば、少なくとも1時間の間)混合し、次いで、それら混合物を濾過処理し、不溶性残渣を除去することができる。第3に、豆乳は、水を添加することによって、豆乳粉末から戻された(reconstituted)ものであってもよい。豆乳は、大豆由来固形分を約1重量%〜約50重量%(例えば、約5重量%〜約20重量%)含有することができる。
【0056】
大豆の既知の諸活性成分は、イソフラボン、フィトエストロゲン(phytoestrogens)、ゲニステイン(genistein)、ダイゼイン(daidzein)、グリシテイン(glycitein)、サポニンおよびフィトステロール(phytosterols)を包含するが、それらに限定されない。本発明で有用な大豆抽出物は、それら大豆の地理的起源(geographic origin)、日光暴露、収穫期、等とは関係なく、あらゆる大豆種から製造することができる。しかし、特定の系統、地理的起源または成長条件が好ましいだろう。例えば、大豆トリプシンインヒビター(STI)含有量もしくはイソフラボン含有量にとりわけ富んでいる大豆系統、または、該大豆中でSTIもしくはイソフラボンが富化する結果となる成長条件が好ましいであろうが、それらに限定されない。
【0057】
1つの実施形態において、大豆抽出物は、非変性大豆抽出物である。「変性(denaturation)」は、バンタム医学辞典(the Bantam Medical Dictionary)(1990年版)に、「熱、X線または化学薬品によって引き起こされる、タンパク質の物理的性質および生理学的性質の変化」と定義されている。これらの変化には、(酵素の場合の)活性の喪失、および、(抗原の場合の)抗原性の喪失(または変化)が包含される。「非変性植物抽出物(non-denatured plant extract)」は、植物から抽出された生成物または植物由来生成物であって、そのような植物抽出物を誘導するための加工処理(例えば、温度、抽出媒体)によって、該植物のプロテアーゼ阻害活性(protease inhibitory activity)が排除されなかった、該生成物を意味する。そのようなプロテアーゼの1種は、トリプシンである。本発明に係る大豆抽出物の非変性状態は、1つの実施形態において、損なわれていない大豆トリプシンインヒビター(STI)タンパク質の存在によって、または、該大豆抽出物のトリプシン阻害活性によって測定される。
【0058】
本発明の組成物に有用な大豆抽出物が独特の臭気を有することがあることに注目すべきである。必要に応じて、該抽出物の臭気は、臭気を低減することが知られている特定系統の大豆に由来する大豆製品を使用することによって低減することができる。それらの大豆は、リポキシゲナーゼ−2−欠乏大豆(lipoxygenase-2-deficient beans)、変性糖プロファイル(modified sugar profile)を有する大豆、および同類のものを包含するが、それらに限定されない。該製剤中の酸素濃度を低減するプロセスもまた、該臭気を低減することができる。臭気をマスキングするために、様々なマスキング剤または香料をも使用することができる。豆乳を作る1つの方法は、大豆を、脱イオン水または精製水に数時間の間浸漬し、次いで、該大豆を十分に水和させた後、少量の水を添加して該大豆を粉砕するものである。該粉砕プロセスによって、豆乳を抽出することができる。該豆乳は、回収の後、濾過して、豆殻のあらゆる残留部分を除去することができる。
【0059】
下記の諸製剤に使用される豆乳は、上記のような新鮮な豆乳であってもよく、または、大豆粉末と水とから調製してもよい。該大豆粉末は、大豆から粉砕され、かつ凍結乾燥されるか、噴霧乾燥されるか、またはフリーズドライにされることもでき、得られた豆乳は、濾過してもよいし、または、濾過しなくてもよい。そのような調製豆乳は、乾燥大豆粉末を約1重量%〜約90重量%有することがある。もう1つの実施例は、水を添加することを必要とする、凍結乾燥させた豆乳、噴霧乾燥させた豆乳、またはフリーズドライ製法の豆乳から作られ、濾過もしくは均質化を行って、または、濾過も均質化も行わないで仕上げられた豆乳粉末を使用することである。下記製剤中の諸活性成分を創り出すために、他の大豆抽出法を使うこともできるであろう。例えば、それら活性成分は、大豆のセリンプロテアーゼ阻害活性が保持されるようなやり方で、好ましくは、タンパク質の大豆トリプシンインヒビター(STI)が元の状態のままで残存するようなやり方で、エタノール/水の混合物を用いて粉砕した大豆から抽出し、次いで、その抽出物からエタノールを除去することができるであろう。1つの実施形態において、本発明で利用される大豆抽出物は、該大豆抽出物1g当り約1,000cfu未満(例えば、1g当り約100cfu未満)の微生物含有量を有する。
【0060】
大豆抽出物は、γ線に暴露することができる。大豆抽出物は、約2〜約30kGyのγ線(例えば、約5〜約10kGyのγ線)に暴露することができる。そのような処理によって、大豆抽出物の微生物含有量は減少し、同時に、該大豆抽出物の生物的活性(biological activity)(例えば、セリンプロテアーゼ阻害活性)は維持される。γ線による大豆抽出物の処理によって、本組成物の化粧品の優雅さ(cosmetic elegance)が保持される。例えば、天然色素は保持され、かつ、あまり強い悪臭は誘発されない。
【0061】
大豆抽出物のプロテアーゼ阻害活性をも維持する他の抗菌処理過程であって、単独またはγ線照射との併用で実施することのできる、抗菌処理過程は、X線、高エネルギー電子線、高エネルギー陽子線、紫外線、静水圧への暴露;および、抗菌活性を有する化学薬品の添加;および、それらの組み合わせ;を包含するが、それらに限定されない。
【0062】
他の物質
他の様々な物質が、主題発明において有用な組成物の中に存在することもある。これらの物質には、湿潤剤、タンパク質およびポリペプチド、防腐剤、ならびに、アルカリ化剤が包含される。そのような薬剤の例は、ICIハンドブック,第1650頁〜1667頁に開示されている。本発明の組成物は、キレート化剤(例えば、EDTA)および防腐剤(例えば、パラベン(parabens))を更に含有することができる。適切な防腐剤およびキレート化剤の例は、ICIハンドブック,第1626頁、第1654頁〜1655頁に記載されている。更に、本発明において有用な組成物は、通常の化粧品助剤[例えば、着色剤(例えば、染料および顔料)、乳白剤(例えば、二酸化チタン)、ならびに、香料]を含有することができる。
【0063】
ミネラルウォーター
本発明の組成物は、ミネラルウォーター[例えば、エビアン(Evian)(登録商標)ミネラルウォーター(フランス国、エビアン)等の、天然に鉱物質が含有されてきたミネラルウォーター]を使用して調製することができる。1つの実施形態において、ミネラルウォーターは、少なくとも約200mg/リットル(例えば、約300mg/リットル〜約1000mg/リットル)の鉱化度(mineralization)を有する。1つの実施形態において、該ミネラルウォーターは、カルシウムを少なくとも約10mg/リットル、および/または、マグネシウムを少なくとも約5mg/リットル含有する。
【0064】
使用方法
本発明による組成物は、皮膚の様々な容態を処置するために使用することができる。それらの容態は、アクネを包含するが、それらに限定されない。1つの実施形態において、本組成物は、他の皮脂疾患[例えば、高脂質血症、アンドロゲン過剰症(hyperandrogenia)、脂漏症、脂漏性皮膚炎、頭部脂漏症、湿疹様脂漏症、顔面脂漏症(seborrhea faciei)、油性脂漏症、乾性脂漏症、新生児鱗状脂漏症、脂腺増殖症、酒さ、濾胞性発疹(follicular rash)、ニキビダニ(demodex folliculorum)、油性皮膚、角質嚢腫、偽鬚髯毛嚢炎(Pseudofolliculitis barbae)および多毛症]を処置するために使用される。
【0065】
本発明の組成物はまた、皮膚(例えば、顔、頭皮または毛髪)の上に孔または油状物が出現するのを減少させるために使用することができる。
【0066】
本発明の組成物は更に、アクネ病変、面皰もしくはにきびを軽減するために;アクネ病変、面皰もしくはにきびが出現するのを減少させるために;アクネの吹き出物および傷が出現するのを減少させるために;アクネの吹き出物および傷が出現するのを防止、抑制、または、調節するために;かつ、吹き出物および傷を軽減するために;使用することができる。
【0067】
本発明の組成物はまた、皮膚上に油状物が出現するのを減少させる[例えば、皮脂が出現するのを減少させる;皮脂を産生するのを防止する、抑制するか、または調節する;皮脂を軽減する;油性皮膚/テカテカ光る皮膚(shiny skin)が出現するのを減少させる;脂ぎった皮膚が出現するのを減少させる;皮膚、毛髪または頭皮の上のてかりを軽減する]のを促進するために使用することができる。
【0068】
本発明の組成物は、アクネを処置する必要のない皮膚(即ち、アクネを患っていない皮膚)または頭皮/毛髪に塗布することができる。
【0069】
本発明のそのような組成物を含有する組成物および製剤は、当業者に周知である手順(methodology)を用いて調製することができる。
【0070】
実施例1−プリムラ・デンティキュラータの葉の抽出および分別
プリムラ・デンティキュラータ(primula denticulata)[他に、ドラムスティック・プリムローズ(drumstick primrose)として知られている]の葉(25g)を、室温で1:1のジクロロエタン/メタノールを用いて、一晩中、撹拌しながら抽出した。真空下、溶媒を濾過し蒸発させた後、抽出物9gを得た。
【0071】
抽出後に得られた粗抽出物5gを、ダイヤイオン(Diaion)(登録商標)HP−20樹脂[ペンシルベニア州ベレフォンテ(Bellefonte)、スペルコ社(Spelco)]20g、およびメタノール100mLと混合した。溶媒を除去した後、抽出物とダイヤイオン(登録商標)HP−20樹脂との混合物を、ダイヤイオン(登録商標)HP−20樹脂100gを詰めたカラムに装填し、次いで、水1リットル、メタノール1.2リットル、およびアセトン1リットルで溶出した。メタノール留分を蒸発させて、抽出物1.92gを得た。
【0072】
上記のメタノール留分からの残渣は、C18−逆相シリカゲル・カートリッジ[イリノイ州ディアフィールド(Deerfield)、オールテック・アソシエイツ・インコーポレイティッド(Alltech Associates Inc)]を用いた固相抽出(SPE)によって、10種の留分に更に分別した。残渣572mgは、10gC18シリカゲルSPEカートリッジに装填し、次いで、傾斜を持った30mLアリコート(20、40、45、50、55、60、65、70、90および100%のアセトニトリル/水の各々)で溶出した。50〜65%の溶出液で得られた諸留分は混合した。
【0073】
実施例2−アルピニア・ガランガの種子の抽出および分別
ガランガル(Galangal)[アルピニア・ガランガ(Alpinia galanga)]の種子(200g)を、室温で1:1のジクロロエタン/メタノール1リットルを用いて、一晩中、撹拌しながら抽出した。真空下、溶媒を濾過し蒸発させた後、抽出物18gを得た。
【0074】
上記で得られた粗抽出物2gを、ダイヤイオンHP−20樹脂[ペンシルベニア州ベレフォンテ、スペルコ社]8g、およびメタノール40mLと混合した。溶媒を除去した後、抽出物とHP−20樹脂との混合物を、ダイヤイオンHP−20樹脂40gを詰めたカラムに装填し、次いで、HOで予備調整した。HP−20を詰めたカラムは、水400mL、メタノール500mL、およびアセトン400mLで溶出した。メタノール留分を蒸発させて、抽出物1.6gを得た。
【0075】
前記メタノール留分は、C18−逆相シリカゲル・カートリッジ(イリノイ州ディアフィールド、オールテック・アソシエイツ・インコーポレイティッド)を用いた固相抽出(SPE)を使用して、10種の留分に更に分別した。残渣922mgは、10g−C18シリカゲルSPEカートリッジに装填し、次いで、30mLアリコート(20、40、45、50、55、60、65、70、90および100%のアセトニトリル/水の各々)で溶出した。20〜40%の溶出液で得られた諸留分は混合した。
【0076】
実施例3−生体外皮脂細胞(Sebocyte)脂質生成分析
美容整形外科手術を受けている複数の被術者から得られた顔面皮膚の試料を使用した。到着後直ちに、採皮刀(dermatome)によって得られた、上表部0.4mmの皮膚部分を除去し、次いで、(皮脂腺に富むことが予め分かっていた)第2の0.4mmの皮膚部分を使用して、脂腺細胞を分離した。その組織は、ペニシリンおよびストレプトマイシンと10%仔ウシ血清とを含有するダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco's Modified Eagle Medium)(DMEM)で、ディスパーゼ(Dispase)を用いて37℃で20分間消化させ、次いで、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で0.3%トリプシン/0.1%エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用いて37℃で10分間消化させた。該組織を外科用メスの刃で力強く擦り取ることによって、単個細胞懸濁液(single cell suspensions)を得た。それらの放出された細胞(released cells)は、マイトマイシンCで不活性化された3T3線維芽細胞の支持細胞層(feeder layer)の上に接種し、次いで、成長培地において37℃で3日間培養した。該成長培地は、DMEMおよびF12培地(3:1)、L−グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、ペニシリン、ストレプトマイシン、8%ウシ胎仔血清、2%熱不活性化ヒト血清、上皮細胞成長因子、インスリン、ヒドロコーチゾン(hydrocortisone)を含有し、更に、コレラ毒素(ChT)を含有するか、または含有しなかった。ChTで処理した培養物は、3日間低血清培地に移し、次いで、更に7日間無血清培地に移して、脂質形成および脂質蓄積(lipid formation and storage)を誘導したのに対し、ChTで処理しなかった培養物は、10日間成長培地(非誘導条件)に保持された。該低血清培地は、DMEMおよびF12培地(3:1)であって、L−グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、ペニシリン、ストレプトマイシン、2%熱不活性化ウシ血清および2%熱不活性化ヒト血清、1Xインスリン−トランスフェリン−セレン、1X微量元素が補足されたものから成った。該無血清培地は、DMEMおよびF12培地(3:1)であって、L−グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、ペニシリン、ストレプトマイシン、1Xインスリン−トランスフェリン−セレン、1X微量元素、3,3',5−トリヨード−L−チロニン・ナトリウム(3,3',5-triiodo-L-thyronine sodium)が補足されたものを含有した。ナイルレッド染色(Nile Red staining)によって中性脂質分析を行うために、細胞は、96ウェルプレート中で成長させ、また、薄層クロマトグラフィーによって脂質分析を行うために、細胞は、6ウェルプレート中で成長させ、次いで、培養の末期に引っ掻くこと(scraping)によって収穫した。
【0077】
皮脂細胞の分化および脂質産生の阻害剤または刺激薬の試験
試験されるべき化合物、ホルモン類、または、ホルモン類の混合物(即ち、ウシ下垂体抽出物)は、無血清培地に添加される初期において、培養物に添加された。これらの物質の脂腺培養物に及ぼす影響、即ち、脂腺性脂質(sebaceous lipid)の蓄積および合成に関する(1)目視観察結果ならびに(2)評価を鑑定するために、2つの基準を用いた。脂質蓄積の評価は、ナイルレッド法(Nile red method)を用いて達成した。この方法は、ナイルレッドによる中性脂質の視覚化と、535nmの励起、580nmの発光での蛍光をプレートリーダー(plate reader)を用いて読み取ることによる定量とに依存する。脂質の合成は、14C−酢酸塩を用いた放射性標識(radioactive labeling)によって鑑定し、次いで、4.1ソフトウェアを用いたバイオラッド・ホスホイメージャー(Bio Rad Phosphoimager)[モレキュラーイメージャー(Molecular Imager),FX]によって定量化した。
【0078】
肥大した細胞は、明視野顕微鏡法(bright field light microscopy)において、細胞中に黄色がかった複数の円として現れる脂質顆粒を示すので、脂質蓄積の形態評価は、容易に認識された。皮脂細胞における中性脂質の蓄積/阻害の定量は、ナイルレッド結合分析(Nile red binding assay)によって成し遂げた。手短に言えば、皮脂細胞を試験化合物に暴露した後、それら細胞は、DMSOとプルロニック(Pluronic)F127とを含有するハンクス緩衝生理食塩水の中で、1μMナイルレッドと相互に作用することができた。4時間の間、インキュベートし、洗浄し、次いで、一晩中、インキュベートした後、蛍光プレートリーダーを用いて、535nmの励起および580nmの発光で蛍光を読み取り、次いで、導入薬(induction agent)(即ち、コレラ毒素)と比較した。それらの化合物が細胞成長に対して阻害効果を有するか否かを決定するため、細胞計数を行った。
【0079】
上記手順の後、本発明に係る抽出物を試験して、脂質蓄積に関する目視評価およびナイルレッド評価を得た。
【0080】
表1の結果は、プリムラ・デンティキュラータが、皮脂細胞中の脂質生成を阻害することを示す。緑茶は本質的に活性を有さないが、緑茶とプリムラ・デンティキュラータとを組み合わせることによって、脂質生成の相乗的阻害が示される。
【0081】
プリミン(primin)は、プリムラ属の植物体中に一般的に見出だされる皮膚感作性物質(skin sensitizer)であるが、脂質生成活性を有する(表2)。
【表1】

【表2】

【0082】
アスパラガス・ラセモサスの抽出物を緑茶の抽出物と組み合わせると、結果的に脂肪細胞(adipoytes)における脂質生成の相乗的阻害が生じる(表3)。
【表3】

【0083】
〔実施の態様〕
(1)アクネを処置するか、または、皮膚上に油状物もしくは孔が出現するのを減少させる方法において、
そのような処置を必要とする皮膚に、プリムラ・デンティキュラータの抽出物を含有する組成物を投与する段階、
を含む、方法。
(2)実施態様1に記載の方法において、
アクネを処置する段階、
を含む、方法。
(3)実施態様1に記載の方法において、
アクネを処置する必要のない皮膚において、前記皮膚上に油状物または孔が出現するのを減少させる段階、
を含む、方法。
(4)実施態様1に記載の方法において、
前記組成物は、プリミンを約0.001重量%未満含有する、方法。
(5)実施態様2に記載の方法において、
前記組成物は、プリミンを約0.001重量%未満含有する、方法。
(6)実施態様3に記載の方法において、
前記組成物は、プリミンを約0.001重量%未満含有する、方法。
(7)実施態様1に記載の方法において、
前記組成物は、サリチル酸、または過酸化ベンゾイルを更に含有する、方法。
(8)実施態様2に記載の方法において、
前記組成物は、サリチル酸、または過酸化ベンゾイルを更に含有する、方法。
(9)実施態様3に記載の方法において、
前記組成物は、サリチル酸、または過酸化ベンゾイルを更に含有する、方法。
(10)実施態様4に記載の方法において、
前記組成物は、サリチル酸、または過酸化ベンゾイルを更に含有する、方法。
【0084】
(11)実施態様1に記載の方法において、
前記組成物は、緑茶の抽出物、またはアルピニアの抽出物を更に含有する、方法。
(12)実施態様2に記載の方法において、
前記組成物は、緑茶の抽出物、またはアルピニアの抽出物を更に含有する、方法。
(13)実施態様3に記載の方法において、
前記組成物は、緑茶の抽出物、またはアルピニアの抽出物を更に含有する、方法。
(14)実施態様4に記載の方法において、
前記組成物は、緑茶の抽出物、またはアルピニアの抽出物を更に含有する、方法。
(15)実施態様7に記載の方法において、
前記組成物は、緑茶の抽出物、またはアルピニアの抽出物を更に含有する、方法。
(16)実施態様11に記載の方法において、
前記組成物は、緑茶の抽出物、またはアルピニアの抽出物を更に含有する、方法。
(17)製品において、
(a)プリムラ・デンティキュラータの抽出物を含有する組成物と、
(b)アクネを処置するために、または、皮膚上に油状物もしくは孔が出現するのを減少させるために前記組成物を前記皮膚に塗布することを使用者に指示している使用説明書と、
を備える、製品。
(18)実施態様17に記載の製品において、
前記使用説明書は、アクネを処置するために前記組成物を塗布することを前記使用者に指示している、製品。
(19)実施態様プリムラ・デンティキュラータの抽出物を含有する組成物の普及を促進する方法において、
アクネを処置するために、または、皮膚上に油状物もしくは孔が出現するのを減少させるために前記組成物を前記皮膚に塗布することを使用者に指示する段階、
を含む、方法。
(20)実施態様19に記載の方法において、
アクネを処置するために前記組成物を塗布することを前記使用者に指示する段階、
を含む、方法。
【0085】
(21)実施態様15に記載の方法において、
前記組成物は、サリチル酸、または過酸化ベンゾイルを更に含有する、方法。
(22)実施態様アクネを処置するか、または、皮膚上に油状物もしくは孔が出現するのを軽減する方法において、
そのような処置を必要とする皮膚に、アスパラガス・ラセモサスの抽出物およびカテキン含有抽出物を含有する組成物を投与する段階、
を含む、方法。
(23)実施態様22に記載の方法において、
アクネを処置する段階、
を含む、方法。
(24)実施態様22に記載の方法において、
アクネを処置する必要のない皮膚において、前記皮膚上に油状物または孔が出現するのを減少させる段階、
を含む、方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクネを処置するか、または、皮膚上に油状物もしくは孔が出現するのを減少させる方法において、
そのような処置を必要とする皮膚に、プリムラ・デンティキュラータの抽出物を含有する組成物を投与する段階、
を含む、方法。
【請求項2】
製品において、
(a)プリムラ・デンティキュラータの抽出物を含有する組成物と、
(b)アクネを処置するために、または、皮膚上に油状物もしくは孔が出現するのを減少させるために前記組成物を前記皮膚に塗布することを使用者に指示している使用説明書と、
を備える、製品。
【請求項3】
請求項2に記載の製品において、
前記使用説明書は、アクネを処置するために前記組成物を塗布することを前記使用者に指示している、製品。
【請求項4】
プリムラ・デンティキュラータの抽出物を含有する組成物の普及を促進する方法において、
アクネを処置するために、または、皮膚上に油状物もしくは孔が出現するのを減少させるために前記組成物を前記皮膚に塗布することを使用者に指示する段階、
を含む、方法。

【公開番号】特開2008−195708(P2008−195708A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−360(P2008−360)
【出願日】平成20年1月7日(2008.1.7)
【出願人】(598039367)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (79)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Companies,Inc.
【住所又は居所原語表記】Grandview Road,Skillman,New Jersey 08558,United States of America
【Fターム(参考)】