説明

プリントシステム、画像形成装置、プリントサーバ、プリントデータ管理方法および画像形成方法

【課題】 少なくとも1つの画像形成装置のうちでプリント可能な画像形成装置でプリントさせること。
【解決手段】 少なくとも1つのMFPそれぞれは、プリント要求をプリントサーバに送信するプリント要求部(S52)と、プリントサーバから送信されるプリント条件を受信するプリント条件受信部(S53)と、プリント条件でプリント可能か否かを判断する能力判断部(S54)と、プリント可能と判断されることを条件に(S57でYES)、プリントサーバに画像データ送信要求を送信する画像データ要求部(S58)と、プリントサーバから画像データを受信する画像データ受信部(S59)と、受信されたプリント条件で受信された画像データの画像を形成するプリント制御部(S60)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリントシステム、画像形成装置、プリントサーバ、プリントデータ管理方法、画像形成方法に関し、特に、プリントサーバとそれに記憶されたプリントデータをプルプリントする画像形成装置とを含むプリントシステム、その画像形成装置およびプリントサーバ、そのプリントサーバで実行されるプリントデータ管理方法、その画像形成装置で実行される画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリントサーバにプリントデータを記憶しておき、MFP(Multi Function Peripheral)で代表される画像形成装置でプリントデータの画像を形成するプリント方法が知られており、このプリント方法は一般的にプルプリントと呼ばれる。複数のMFPが設置されている状態において、ユーザは複数のMFPのうち任意のMFPを選択してプルプリントさせることができる。
【0003】
例えば、特開2007−158867号公報(特許文献1)には、画像形成装置がファイルサーバにユーザ認証情報を送信し、ファイルサーバが受信したユーザ認証情報を認証サーバに送信し、認証サーバにおいて認証された場合に、ファイルサーバが画像形成装置に画像データを送信する画像形成装置が記載されている。
【0004】
しかしながら、ユーザがプルプリントさせようとする画像形成装置が低機能の場合、その画像形成装置で、ファイルサーバに画像データとともに記憶されているプリント条件でプリントできない場合がある。この場合は、ユーザがプルプリントさせようとする画像形成装置が実行可能な範囲内でしかプリントされないので、ユーザが事前に設定したプリント条件でプリントできない場合があるといった問題がある。
【特許文献1】特開2007−158867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、少なくとも1つの画像形成装置のうちでプリント可能な画像形成装置でプリントさせることが可能なプリントシステム、プリントサーバおよびプリントデータ管理方法を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、プリントサーバと画像形成装置間のデータの通信量を低減することが可能なプリントシステム、プリントサーバ、画像形成装置、プリントデータ管理方法および画像形成方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、プリントサーバに記憶されているプリントデータのうちでプリント可能なプリントデータを選択してプリントすることが可能な画像形成装置および画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、プリントシステムは、プリントデータを管理するプリントサーバと少なくとも1つの画像形成装置とを含むプリントシステムであって、プリントサーバは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、プリント条件と、画像データとを含むプリントデータを受信するプリントデータ受信手段と、受信されたプリントデータを記憶するプリントデータ記憶手段と、ユーザ識別情報を含むプリント要求を受信するプリント要求受信手段と、受信されたプリント要求に含まれるユーザ識別情報を含むプリントデータを抽出するプリントデータ抽出手段と、抽出されたプリントデータに含まれるプリント条件を、プリント要求の送信元に送信するプリント条件送信手段と、プリント要求の送信元から画像データ送信要求を受信することに応じて、抽出されたプリントデータに含まれる画像データを送信する画像データ送信手段と、を備え、少なくとも1つの画像形成装置それぞれは、ユーザによる操作を受け付ける操作受付手段と、操作受付手段により受け付けられたユーザ識別情報を含むプリント要求をプリントサーバに送信するプリント要求手段と、プリント要求の送信に応じて、プリントサーバから送信されるプリント条件を受信するプリント条件受信手段と、受信されたプリント条件でプリント可能か否かを判断する能力判断手段と、能力判断手段によりプリント可能と判断されることを条件に、プリントサーバに画像データ送信要求を送信する画像データ要求手段と、画像データ送信要求の送信に応じて、プリントサーバから送信される画像データを受信する画像データ受信手段と、受信されたプリント条件で受信された画像データの画像を形成するプリント制御手段と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、プリントサーバから画像形成装置にプリントデータに含まれる画像データとプリント条件のうちプリント条件が最初に送信され、画像形成装置においてプリント可能と判断される場合に、画像データがプリントサーバから画像形成装置に送信され、画像形成装置においてプリントされる。このため、少なくとも1つの画像形成装置のうちでプリント可能な画像形成装置でプリントさせることが可能なプリントシステムを提供することができる。また、プリントサーバから画像形成装置には、プリント可能な場合にプリントデータに含まれる画像データが送信され、プリント不可能な場合に画像データは送信されない。このため、プリントサーバと画像形成装置間のデータの通信量を低減することが可能なプリントシステムを提供することができる。
【0010】
好ましくは、少なくとも1つの画像形成装置それぞれは、能力判断手段によりプリント不可能と判断された場合に、判断結果を表示する判断結果表示手段をさらに備える。
【0011】
この局面に従えば、プリント不可能と判断された場合に、判断結果が表示されるので、ユーザにプリント条件でプリントできないことを通知することができる。
【0012】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置は、プリントデータを記憶可能なプリントサーバと通信可能な画像形成装置であって、ユーザによる操作を受け付ける操作受付手段と、操作受付手段により受け付けられたユーザ識別情報を含むプリント要求をプリントサーバに送信するプリント要求手段と、プリント要求の送信に応じて、プリントサーバから送信されるプリント条件を受信するプリント条件受信手段と、受信されたプリント条件でプリント可能か否かを判断する能力判断手段と、能力判断手段によりプリント可能と判断されることを条件に、プリントサーバに画像データ送信要求を送信する画像データ要求手段と、画像データ送信要求の送信に応じて、プリントサーバから送信される画像データを受信する画像データ受信手段と、受信されたプリント条件で受信された画像データの画像を形成するプリント制御手段と、を備える。
【0013】
この局面に従えば、ユーザ識別情報を含むプリント要求がプリントサーバに送信され、プリントサーバから送信されるプリント条件が受信されると、受信されたプリント条件でプリント可能か否かが判断され、プリント可能と判断されることを条件に、プリントサーバに画像データ送信要求が送信され、プリントサーバから送信される画像データが受信され、受信されたプリント条件で受信された画像データの画像が形成される。プリントサーバから最初にプリント条件が受信され、受信されたプリント条件でプリント可能と判断されることを条件に、プリントサーバから画像データが受信され、受信されたプリント条件で受信された画像データの画像がプリントされる。プリント条件でプリント不可能な場合は画像データの画像がプリントされないので、プリントサーバに記憶されているプリントデータのうちでプリント可能なプリントデータを選択してプリントすることが可能な画像形成装置を提供することができる。また、プリント不可能なプリントデータに含まれる画像データをプリントサーバから受信しないので、プリントサーバと画像形成装置間のデータの通信量を低減することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0014】
好ましくは、能力判断手段によりプリント不可能と判断された場合に、判断結果を表示する判断結果表示手段をさらに備える。
【0015】
この発明のさらに他の局面によれば、プリントサーバは、少なくとも1つの画像形成装置と通信可能であり、プリントデータを管理するプリントサーバであって、少なくとも1つの画像形成装置それぞれの能力情報を記憶する能力情報記憶手段と、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、プリント条件と、画像データとを含むプリントデータを受信するプリントデータ受信手段と、受信されたプリントデータを記憶するプリントデータ記憶手段と、少なくとも1つの画像形成装置のうちの送信元装置からユーザ識別情報を含むプリント要求を受信するプリント要求受信手段と、送信元装置の能力情報を抽出する能力情報抽出手段と、受信されたプリント要求に含まれるユーザ識別情報を含むプリントデータを抽出するプリントデータ抽出手段と、抽出された能力情報に基づいて抽出されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断する能力判断手段と、能力判断手段によりプリント可能と判断されることを条件に、送信元装置に抽出されたプリントデータを送信するプリントデータ送信手段と、を備える。
【0016】
この局面に従えば、少なくとも1つの画像形成装置それぞれの能力情報が記憶されており、プリントデータが受信されると、受信されたプリントデータが記憶され、送信元装置からプリント要求が受信されると、受信されたプリント要求に含まれるユーザ識別情報を含むプリントデータが抽出され、送信元装置の能力情報に基づいてプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能と判断されることを条件に、送信元装置に抽出されたプリントデータが送信される。このため、少なくとも1つの画像形成装置のうちでプリント可能なプリントデータのみが送信される。その結果、少なくとも1つの画像形成装置のうちでプリント可能な画像形成装置でプリントさせることが可能なプリントサーバを提供することができる。また、プリントサーバから画像形成装置には、プリントデータがプリント可能な場合に送信され、プリント不可能な場合には送信されない。このため、プリントサーバと画像形成装置間のデータの通信量を低減することが可能なプリントサーバを提供することができる。
【0017】
好ましくは、能力判断手段によりプリント可能でないと判断される場合、少なくとも1つの画像形成装置のうちから記憶された能力情報に基づいて抽出されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能な画像形成装置を特定する装置特定手段と、特定された画像形成装置を識別するための装置識別情報を送信元装置に送信する通知手段を、さらに備える。
【0018】
この局面に従えば、プリント可能でないと判断される場合、少なくとも1つの画像形成装置のうちからプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能な画像形成装置が特定され、特定された画像形成装置を識別するための装置識別情報が送信元装置に送信される。このため、プリント可能な画像形成装置を送信元装置を操作するユーザに知らせることができる。
【0019】
この発明のさらに他の局面によれば、画像形成装置は、プリントデータを記憶可能なプリントサーバと通信可能な画像形成装置であって、ユーザによる操作を受け付ける操作受付手段と、操作受付手段により受け付けられたユーザ識別情報を含むプリント要求をプリントサーバに送信するプリント要求手段と、プリント要求の送信に応じて、プリントサーバから送信されるプリントデータを受信するプリントデータ受信手段と、受信されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断する能力判断手段と、能力判断手段によりプリント可能と判断されることを条件に、プリント条件で、プリントデータに含まれる画像データの画像を形成するプリント制御手段と、を備える。
【0020】
この局面に従えば、ユーザ識別情報を含むプリント要求がプリントサーバに送信され、プリントサーバから送信されるプリントデータが受信され、受信されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断され、プリント可能と判断されることを条件に、プリント条件でプリントデータに含まれる画像データの画像が形成される。プリント条件でプリント不可能な場合は画像データの画像がプリントされないので、プリントサーバに記憶されているプリントデータのうちでプリント可能なプリントデータを選択してプリントすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0021】
好ましくは、能力判断手段によりプリント不可能と判断された場合に、判断結果を表示する判断結果表示手段をさらに備える。
【0022】
この発明のさらに他の局面によれば、画像形成方法は、プリントデータを記憶可能なプリントサーバと通信可能な画像形成装置で実行される画像形成方法あって、ユーザによる操作を受け付けるステップと、操作を受け付けるステップにおいて受け付けられたユーザ識別情報を含むプリント要求をプリントサーバに送信するステップと、プリント要求の送信に応じて、プリントサーバから送信されるプリント条件を受信するステップと、受信されたプリント条件でプリント可能か否かを判断するステップと、能力を判断するステップにおいて、プリント可能と判断されることを条件に、プリントサーバに画像データ送信要求を送信するステップと、画像データ送信要求の送信に応じて、プリントサーバから送信される画像データを受信するステップと、受信されたプリント条件で受信された画像データの画像を形成するステップと、を含む。
【0023】
この局面に従えば、プリントサーバに記憶されているプリントデータのうちでプリント可能なプリントデータを選択してプリントすることが可能な画像形成方法を提供することができる。また、プリントサーバと画像形成装置間のデータの通信量を低減することが可能な画像形成方法を提供することができる。
【0024】
この発明のさらに他の局面によれば、プリントデータ管理方法は、少なくとも1つの画像形成装置と通信可能であり、プリントデータを管理するプリントサーバで実行されるプリントデータ管理方法であって、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、プリント条件と、画像データとを含むプリントデータを受信するステップと、少なくとも1つの画像形成装置のうちの送信元装置からユーザ識別情報を含むプリント要求を受信するステップと、少なくとも1つの画像形成装置それぞれに対応して予め記憶された能力情報のうちから送信元装置の能力情報を抽出するステップと、受信されたプリントデータのうちから受信されたプリント要求に含まれるユーザ識別情報を含むプリントデータを抽出するステップと、抽出された能力情報に基づいて抽出されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断するステップと、判断するステップにおいてプリント可能と判断されることを条件に、送信元装置に抽出されたプリントデータを送信するステップと、を含む。
【0025】
この局面に従えば、少なくとも1つの画像形成装置のうちでプリント可能な画像形成装置でプリントさせることが可能なプリントデータ管理方法を提供することができる。また、プリントサーバと画像形成装置間のデータの通信量を低減することが可能なプリントデータ管理方法を提供することができる。
【0026】
この発明のさらに他の局面によれば、画像形成方法は、プリントデータを記憶可能なプリントサーバと通信可能な画像形成装置で実行される画像形成方法であって、ユーザによる操作を受け付けるステップと、受け付けるステップにより受け付けられたユーザ識別情報を含むプリント要求をプリントサーバに送信するステップと、プリント要求の送信に応じて、プリントサーバから送信されるプリントデータを受信するステップと、受信されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断するステップと、判断するステップにおいてプリント可能と判断されることを条件に、プリント条件で、プリントデータに含まれる画像データの画像を形成するステップと、を含む。
【0027】
この局面に従えば、プリントサーバに記憶されているプリントデータのうちでプリント可能なプリントデータを選択してプリントすることが可能な画像形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0029】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態におけるプリントシステムの全体概要を示す図である。図1を参照して、プリントシステムは、それぞれがネットワーク30に接続された画像形成装置としての複合機(以下、「MFP」という)1〜3と、プリントサーバ200と、認証サーバ300と、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)400〜402と、を含む。なお、図ではネットワーク30に3台のMFP(Multi Function Peripheral)1〜3が接続される例を示しているが、MFPの数はこれに限定されるものではなく、1台以上であればよい。また、MFP1〜3に代えて、画像を形成する機能を備えた装置であれば、例えば、ファクシミリ、プリンタ等であってもよい。ネットワーク30は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク30は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0030】
MFP1〜3は、それぞれが備える機能は同じであってもよく異なっていてもよいが、基本的には、原稿を読み取って画像データを出力する画像読取機能、画像データを処理する画像処理機能、画像データに基づいて紙などの用紙に画像を形成するための画像形成機能、画像形成後の用紙にパンチ穴加工、ソート処理等する後処理機能、ファクシミリ送受信機能のいずれかを少なくとも含む。MFP1〜3各々が有する機能は同じではない場合があるが、ここではMFP1が、他のMFP2〜3の少なくとも1つが有する機能を有している場合を例に説明する。
【0031】
PC400〜402、プリントサーバ200および認証サーバ300は、一般的なコンピュータである。本実施の形態におけるプリントシステムにおいては、PC400〜402において生成されたプリントデータを、プリントサーバ200に一時的に記憶し、MFP1〜3のいずれかでプリントする、いわゆるプルプリントを実行する。ここで、プルプリントを実行する場合のPC400〜402、プリントサーバ200および認証サーバ300それぞれの機能の概略を説明する。なお、プリントサーバ200が認証サーバ300を兼ねる場合がり、この場合には認証サーバ300は不要である。
【0032】
本実施の形態においては、PC400〜402のいずれかで生成されたプリントデータは、プリントサーバ200において記憶され、記憶されたプリントデータは、それに含まれるユーザ識別情報のユーザが、MFP1〜3のいずれかを操作する場合に、認証サーバ300において認証されることを条件に、MFP1〜3のうちユーザが操作するものから出力される。以下、このプルプリントについて詳細に説明する。
【0033】
PC400〜402それぞれは、ユーザにより使用され、アプリケーションプログラムを実行することにより、種々の処理を実行する。種々の処理は、使用するユーザを識別するログイン処理、プリントデータを生成し、プリントサーバ200に送信するプリント処理を含む。本実施の形態においては、PC400〜402それぞれは、ログイン処理を実行した後に、プリント処理を実行すると、それを使用するユーザを識別するためのユーザ識別情報と、画像データと、プリント条件とを含むプリントデータをプリントサーバ200に送信する。プリントサーバ200は、PC400〜402のいずれかからプリントデータを受信すると、それをハードディスクドライブ(HDD)に記憶する。なお、PC400〜402それぞれは、それを使用するユーザのユーザ識別情報ではなく、使用するユーザが指定したユーザ(送信先のユーザ)のユーザ識別情報と、画像データと、プリント条件とを含むプリントデータを送信するようにしてもよい。
【0034】
認証サーバ300は、MFP1〜3を使用するユーザを認証する処理を実行する。認証サーバ300は、ユーザごとに予め割り当てられた認証情報を含むユーザデータを記憶しており、MFP1〜3のいずれかから認証情報を受信すると、その認証情報を予め記憶されているユーザデータと比較し、両者が一致すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、両者が一致しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。ここで、認証情報は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報とパスワードとの組を含む。
【0035】
MFP1〜3それぞれは、それを使用するユーザがプルプリントを指示すると、そのユーザのユーザ識別情報を含むプリント要求をプリントサーバ200に送信し、プリントサーバ200から受信されるプリント条件に従って画像データをプリントする。プルプリントの指示は、MFP1〜3のいずれか、例えばMFP1にユーザがログインする操作によりMFP1に入力される。MFP1は、ユーザの認証に成功することに応じて、プルプリント指示が受け付けられたと認識する。また、MFP1にプルプリントを指示するためのボタンを予め設けておき、ユーザによりそのボタンが押下されると、プルプリント指示を受け付けるようにしてもよい。プリントサーバ200は、MFP1〜3のいずれかからプリント要求を受信すると、MFP1〜3のうちプリント要求を送信してきたものにプリント条件と、画像データとを別々に送信する。
【0036】
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図2を参照して、MFP1は、自動原稿搬送装置(ADF)21と、画像読取部22と、画像形成部24と、給紙部25と、後処理部26とを含む。また、MFP1は、その上面にユーザインターフェースとして用いられる操作パネル11を備えている。
【0037】
図3は、MFPのハード構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、MFP1は、情報処理部101と、ファクシミリ部27と、通信制御部28と、ADF21と、画像読取部22と、画像処理部23と、画像形成部24と、給紙部25と、後処理部26と、を含む。情報処理部101は、中央演算装置(CPU)111と、CPU111の作業領域として使用されるRAM(Random AcceSS Memory)112と、データを不揮発的に記憶するためのハードディスクドライブ(HDD)113と、表示部114と、操作部115と、データ通信制御部116と、データ入出力部117とを含む。CPU111は、データ入出力部117、データ通信制御部116、操作部115、表示部114、HDD113およびRAM112とそれぞれ接続され、情報処理部101の全体を制御する。また、CPU111は、ファクシミリ部27、通信制御部28、ADF21、画像読取部22、画像処理部23、画像形成部24、給紙部25および後処理部26と接続され、MFP1の全体を制御する。
【0038】
ADF21は、原稿台に搭載された複数枚の原稿をさばいて1枚ずつ順に、画像読取部22に搬送する。ADF21は、原稿の両面を画像読取部22に読み取らせるために、原稿を画像読取部22に搬送して表面を読み取らせた後、原稿を裏返して画像読取部22に搬送して裏面を読み取らせる。画像読取部22は、写真、文字、絵等の画像情報を原稿から光学的に読み取って画像データを取得する。画像形成部24は、画像データが入力されると、画像データに基づいて用紙等の用紙上に画像を印刷する。
【0039】
給紙部25は、複数の給紙トレイを有し、指定された給紙トレイに格納した用紙を1枚ずつ画像形成部24に供給する。複数の給紙トレイそれぞれは、複数のサイズの用紙のうちから選ばれたサイズの用紙を、複数の方向のうちから選ばれた方向に収納する。
【0040】
後処理部26は、画像が形成された用紙を排紙する。後処理部26は、複数の排紙トレイを有し、ソート部、パンチ穴加工部、ステープル加工部を備えている。ソート部は、画像が形成された複数の用紙を複数の排紙トレイにソートして出力する。パンチ穴加工部は、用紙にパンチ穴を開ける。ステープル加工部は、画像が形成された複数の用紙をまとめるためにステープル加工する。
【0041】
画像処理部23は、CPU111により制御され、CPU111からの指示に基づき画像データを画像処理する。画像データは、画像読取部22が原稿を読み取って出力する画像データ、データ入出力部117によりプリントサーバ200、他のMFP2〜3のいずれかから受信される画像データ、HDD113に記憶されている画像データを含む。画像処理は、例えば、画像を拡大する拡大処理、画像を縮小する縮小処理、複数の画像を合成して1つの画像を生成する合成処理、画像を回転させて方向を変換する回転処理等である。
【0042】
表示部114は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro LumineScence DiSplay)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部115は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受付ける。操作部115は、表示部114上に設けられたタッチパネルをさらに含む。表示部114と操作部115とで、操作パネル11を構成する。
【0043】
データ通信制御部116は、データ入出力部117と接続される。データ通信制御部116は、CPU111からの指示に従って、データ入出力部117を制御して、データ入出力部117に接続された外部の機器との間でデータを送受信する。データ入出力部117は、TCP(TranSmiSSion Control Protocol)またはFTP(File TranSfer Protocol)等の通信プロトコルで通信するためのインターフェースであるLAN端子118、シリアル通信端子119を有する。
【0044】
LAN端子118に、ネットワーク30に接続するためのLANケーブルが接続される場合、データ通信制御部116は、データ入出力部117を制御してLAN端子118を介して接続されたプリントサーバ200、認証サーバ300およびMFP2〜3、PC400〜403と通信する。
【0045】
シリアル通信端子119に機器が接続された場合、データ通信制御部116は、データ入出力部117を制御して、接続された機器との間で通信してデータを入出力する。シリアル通信端子119には、フラッシュメモリを内蔵した外部メモリ119Aを接続可能である。外部メモリ119Aには、後述する画像形成プログラムが記憶されており、CPU111は、データ通信制御部116を制御して、外部メモリ119Aから画像形成プログラムを読出し、読み出した画像形成プログラムをRAM112に記憶し、実行する。
【0046】
なお、画像形成プログラムを記憶する記録媒体としては、外部メモリ119Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact DiSc−Read Only Memory)/MO(Magnetic Optical DiSc)/MD(Mini DiSc)/DVD(Digital VerSatile DiSc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(EraSable Programmable ROM)、EEPROM(Electronically EPROM)などの半導体メモリでもよい。さらに、CPU111がネットワーク30に接続されたプリントサーバ200から画像形成プログラムをダウンロードしてHDD113に記憶する、または、プリントサーバ200が画像形成プログラムをHDD113に書込みするようにして、HDD113に記憶された画像形成プログラムをRAM112にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0047】
ファクシミリ部27は、PSTN13に接続され、PSTN13にファクシミリデータを送信する、またはPSTN13からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部27は、受信したファクシミリデータを、HDD113に記憶するとともに、画像形成部24でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部24に出力する。これにより、画像形成部24は、ファクシミリ部27により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部27は、HDD113に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTN13に接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0048】
図4は、プリントサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、プリントサーバ200は、それぞれがバス208に接続され、プリントサーバ200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM202と、CPU201の作業領域として用いられるRAM203と、プリントサーバ200をネットワークに接続するためのネットワークI/F204と、大容量記憶装置としてのHDD205と、表示部206と、ユーザの操作の入力を受け付ける操作部207と、外部記憶装置209と、を含む。
【0049】
外部記憶装置209は、プリントデータ管理プログラムを記憶したCD−ROM(Compact DiSc−ROM)209Aが装着される。CPU201は、外部記憶装置209を介してCD−ROM209Aに記憶されたプリントデータ管理プログラムをRAM203にロードし、実行する。なお、プリントデータ管理プログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM209Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical DiSc)/MD(Mini DiSc)/DVD(Digital VerSatile DiSc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(、EEPROMなどの半導体メモリ等でもよい。また、HDD205に記憶されたプリントデータ管理プログラムをRAM203にロードして実行するようにしてもよい。この場合、プリントサーバ200が、ネットワーク30に接続された他のコンピュータからプリントデータ管理プログラムをダウンロードして、そのプリントデータ管理プログラムをHDD205に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0050】
図5は、プリントサーバ200が備えるCPUが有する機能の一例を示す機能ブロック図である。図5を参照して、CPU201は、プリントデータを受信するプリントデータ受信部211と、プリントデータを記憶するプリントデータ記憶部213と、プリント要求を受信するプリント要求受信部215と、処理するためのプリントデータを抽出するプリントデータ抽出部217と、プリントデータに含まれるプリント条件をプリント要求の送信元に送信するプリント条件送信部223と、画像データ送信要求を受信する画像データ要求受信部219と、プリントデータに含まれる画像データを送信する画像データ送信部221と、を含む。
【0051】
プリントデータ受信部211は、ネットワークI/F204を制御してプリントデータを受信する。ネットワークI/F204がPC400〜401のいずれかからプリントデータを受信すると、プリントデータを受け付け、それをプリントデータ記憶部213に出力する。プリントデータは、プリントを指示したユーザを識別するためのユーザ識別情報と、プリントの対象となる画像データと、プリントするための設定を示すプリント条件と、を含む。なお、プリントデータは、ユーザ識別情報を含まない場合があり、この場合、ユーザ識別情報とプリントデータとを受信し、それらの組をプリントデータ記憶部213に記憶する。
【0052】
プリントデータ記憶部213は、プリントデータ受信部211から入力されるプリントデータをHDD205に記憶する。これにより、プリントデータ271がHDDに記憶される。プリントデータ記憶部213は、プリントデータとユーザ識別情報との組が入力される場合、それらを関連付けてHDD205に記憶する。プリントデータ記憶部213は、プリントデータ受信部211からプリントデータが入力されるごとにプリントデータをHDD205に記憶する。このため、HDD205に複数のプリントデータが記憶される場合があり、その複数のプリントデータは、同一のユーザ識別情報を含む複数のプリントデータを含む場合がある。プリントデータは、プリントの対象となる画像データと、プリントするための設定であるプリント条件とを含む。プリント条件は、例えば、PJL(Printer Job Language)またはPDL(Page DeScription Language)で記述されている。
【0053】
図6は、プリントデータの一例を示す図である。図6を参照して、プリントデータ501は、PJLで記述されたプリント条件に続いて、画像データを含む。
【0054】
図5に戻って、プリント要求受信部215は、ネットワークI/F204を制御してプリント要求を受信する。ネットワークI/F204がMFP1〜3のいずれかからプリント要求を受信すると、プリント要求とMFP1〜3のうちプリント要求を送信してきものを識別するための装置識別情報とを受け付け、それらをプリントデータ抽出部217に出力する。以下の説明では、特に言及しない限りMFP1からプリント要求を受信する場合を例に説明する。プリント要求は、それを送信してきたMFP1を操作するユーザのユーザ識別情報を含む。装置識別情報は、その装置に割り当てられたネットワーク30におけるアドレスであり、ここでは、IP(Internet Protocol)アドレスを用いている。
【0055】
プリントデータ抽出部217は、HDD205に記憶されたプリントデータ271のうちからプリント要求に含まれるユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報を含むものを抽出し、抽出されたプリントデータを処理対象に設定する。プリントデータ抽出部217は、プリント要求に含まれるユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報を含むプリントデータ271がHDD205に複数記憶されている場合、それらをすべて処理対象に設定する。プリントデータ抽出部217は、処理対象に設定されたプリントデータとプリント要求を送信してきた装置の装置識別情報とをプリント条件送信部223および画像データ送信部221に出力する。
【0056】
プリント条件送信部223は、プリントデータ抽出部217から入力されるプリントデータに含まれるプリント条件とそのプリントデータを識別するためのデータ識別情報とをプリント要求の送信元に送信する。具体的には、プリントデータからそれに含まれるプリント条件を抽出し、ネットワークI/F204を制御して、MFP1〜3のうちプリントデータ抽出部217から入力される装置識別情報で特定されるもの、ここではMFP1に、プリント条件とデータ識別情報とを送信する。データ識別情報は、プリントデータに付与された識別情報であればよく、例えば、プリントデータに含まれる画像データを識別するためのファイル名である。プリントデータ抽出部217から複数のプリントデータが入力される場合に、プリントサーバ200および複数のプリント条件を受信するMFP1において、データ識別情報によって複数のプリント条件それぞれを区別することができる。
【0057】
プリント条件を受信するMFP1において実行される処理の詳細は後述するが、受信されるプリント条件に基づいてプリントが可能か否かを判断し、プリント可能と判断する場合に画像データ送信要求をプリントサーバ200に送信する。画像データ送信要求は、プリントデータを識別するためのデータ識別情報を含む。
【0058】
画像データ要求受信部219は、プリント条件を送信したMFP1から画像データ送信要求が送信される場合、ネットワークI/F204を制御して、その画像データ送信要求を受信する。画像データ要求受信部219は、ネットワークI/F204がMFP1から画像データ送信要求を受信すると、画像データ送信部221に送信指示を出力する。送信指示は、MFP1から受信された画像データ送信要求に含まれるデータ識別情報と同一のデータ識別情報を含む。これにより、プリントデータ抽出部217において複数のプリントデータが処理対象に設定される場合であっても、処理対象に設定された複数のプリントデータのうちから画像データ送信要求に含まれるデータ識別情報によって1つのプリントデータを特定することができる。
【0059】
画像データ送信部221は、画像データ要求受信部219から送信指示が入力されると、プリントデータ抽出部217から入力されるプリントデータのうち、送信指示に含まれるデータ識別情報と同一のデータ識別情報のプリントデータを抽出する。そして、画像データ送信部221は、抽出されたプリントデータに含まれる画像データとそのプリントデータを識別するためのデータ識別情報とをプリント要求の送信元に送信する。具体的には、プリントデータからそれに含まれる画像データを抽出し、ネットワークI/F204を制御して、MFP1〜3のうちプリントデータ抽出部217から入力される装置識別情報で特定されるもの、ここではMFP1に、画像データを送信する。これによって、MFP1において、画像データの画像がプリント条件に従ってプリントされる。
【0060】
図7は、MFPが備えるCPUの機能の一例を示す機能ブロック図である。図7を参照して、MFP1が備えるCPU111は、ユーザの操作を受け付ける操作受付部51と、ユーザを認証するためのユーザ認証部53と、認証されたユーザのユーザ識別情報を含むプリント要求をプリントサーバに送信するプリント要求部55と、プリント要求の送信に応じてプリントサーバから送信されるプリント条件を受信するプリント条件受信部57と、プリント条件でプリント可能か否かを判断する能力判断部59と、判断結果を表示する判断結果表示部61と、プリントサーバに画像データ送信要求を送信する画像データ要求部63と、画像データ送信要求の送信に応じてプリントサーバから送信される画像データを受信する画像データ受信部65と、プリント条件に従って画像データの画像を形成するプリント制御部67と、を含む。
【0061】
操作受付部51は、MFP1を操作するユーザが操作部115に入力する操作を受け付け、受け付けた操作をユーザ認証部53および画像データ要求部63に出力する。
【0062】
ユーザ認証部53は、MFP1を操作するユーザを認証する。具体的には、ユーザが操作部115に認証情報を入力すると、操作受付部51から認証情報を受け付け、受け付けた認証情報をデータ通信制御部116を介して認証サーバ300に送信し、認証サーバ300に認証させる。ここでは、認証情報は、ユーザIDとパスワードとを含む。ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報であり、ユーザごとに予め定められている。
【0063】
認証サーバ300は、認証情報を受信すると、その認証情報を予め記憶されているユーザデータと比較し、両者が一致すれば認証成功を示す認証結果を返信するが、両者が一致しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。ここで、ユーザデータは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報とパスワードとを含む。
【0064】
ユーザ認証部53は、データ通信制御部116が認証サーバ300から認証結果を受信すると、その認証結果を受け付ける。ユーザ認証部53は、認証結果が認証成功を示す場合、プリント要求部55にユーザ識別情報を出力するが、認証結果が認証失敗を示す場合、エラーメッセージを表示部114に表示する。ユーザ認証部53により認証成功を示す認証結果が受信された場合、その後に操作部115に入力される操作は、認証されたユーザによる操作として受け付けられる。
【0065】
なお、認証情報は、ユーザの指紋、静脈パターン、虹彩等の生体情報であってもよい。この場合、MFP1には、生体情報を読み取るための読取装置が接続され、認証サーバ300に記憶されるユーザデータは、ユーザ識別情報と生体情報とを含む。そして、ユーザ認証部53は、読取装置により読み取られた生体情報が入力される。ユーザ認証部53は、入力された認証情報をデータ通信制御部116を介して認証サーバ300に送信し、認証サーバ300に認証させる。認証サーバ300は、認証情報を受信すると、その認証情報を予め記憶されているユーザデータの生体情報と比較し、両者が一致すれば認証成功を示す認証結果および認証されたユーザのユーザ識別情報とを返信するが、両者が一致しなければ認証失敗を示す認証結果を返信する。
【0066】
プリント要求部55は、ユーザ認証部53からユーザ識別情報が入力されると、データ通信制御部116を介してプリントサーバ200にプリント要求を送信する。プリント要求は、ユーザ認証部53から入力されるユーザ識別情報を含む。上述したようにプリントサーバ200は、プリント要求を受信すると、HDD205に記憶されているプリントデータのうちから、プリント要求に含まれるユーザ識別情報を含むプリントデータを抽出し、抽出されたプリントデータのプリント条件とデータ識別情報との組を返信する。プリントサーバ200が送信するプリント条件は、プリント要求に含まれるユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報を含むので、ユーザ認証部53により認証されたユーザに関連するプリントデータに含まれるプリント条件である。
【0067】
プリント条件受信部57は、データ通信制御部116を制御して、プリントサーバ200が送信するプリント条件とデータ識別情報との組を受信し、それらを能力判断部59およびプリント制御部67に出力する。
【0068】
能力判断部59は、プリント条件受信部57から入力されるプリント条件でプリント可能か否かを判断する。能力判断部59は、プリント条件を解析し、自装置が実行可能な機能を示す能力情報に基づいて、プリント条件に記述されている設定のすべてを実行可能か否かを判断する。プリント条件に自装置が実行することのできない機能を実行するための設定が少なくとも1つ記述されている場合、プリント可能でないと判断する。能力判断部59は、判断結果を判断結果表示部61と画像データ要求部63とに出力する。
【0069】
判断結果表示部61は、判断結果を表示部114に表示する。判断結果は、データ識別情報と実行可否とを含む。判断結果表示部61は、実行可能のデータ識別情報を選択可能な状態で表示し、実行可能でないデータ識別情報を選択不可能な状態で表示する。ユーザは、操作部115に、選択可能な状態で表示される実行可否が実行可能なデータ識別情報を選択する操作を入力することができる。操作受付部51は、実行可能なデータ識別情報を選択する操作が操作部115に入力されると、選択されたデータ識別情報を画像データ要求部63に出力する。
【0070】
画像データ要求部63は、操作受付部51からデータ識別情報が入力されると、能力判断部59から入力される判断結果において、データ識別情報に対応する実行可否が実行可であるか否かを判断し、実行可であれば操作受付部51から入力されるデータ識別情報と同じデータ識別情報を含む画像データ送信要求をプリントサーバ200にデータ通信制御部116を介して送信する。
【0071】
上述したようにプリントサーバ200は、画像データ送信要求を受信すると、HDD205に記憶されているプリントデータのうちから、画像データ送信要求に含まれるユーザ識別情報と同じユーザ識別情報を含むプリントデータを抽出し、抽出されたプリントデータに含まれる画像データとプリントデータのデータ識別情報との組を返信する。プリントサーバ200が送信する画像データは、画像データ送信要求に含まれるユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報を含むので、ユーザ認証部53により認証されたユーザに関連するプリントデータに含まれる画像データである。
【0072】
画像データ受信部65は、データ通信制御部116を制御して、プリントサーバ200が送信する画像データとデータ識別情報との組を受信し、それらをプリント制御部67に出力する。
【0073】
プリント制御部67は、画像データ受信部65から画像データとデータ識別情報との組が入力されると、プリント条件受信部57から入力されるプリント条件とデータ識別情報との組のうちから、画像データ受信部65から入力されるデータ識別情報と同じデータ識別情報を含む組を抽出し、その組に含まれるプリント条件を抽出する。そして、プリント制御部67は、画像データ受信部65から入力される画像データと、プリント条件受信部57から入力されるプリント条件とデータ識別情報との組のうちから抽出されたプリント条件とを、画像形成部24に出力し、画像形成部24に画像データの画像をプリント条件に従って形成させる。
【0074】
なお、判断結果表示部61が実行可能でないデータ識別情報を選択不可能な状態で表示するようにしたが、実行可能でないデータ識別情報を実行可能でないことを示す印とともに選択可能に表示するようにして、ユーザにより選択されることを条件にプリントするようにしてもよい。この場合、ユーザは、操作部115に、実行可否が実行不可能なデータ識別情報を選択する操作を入力することができ、操作受付部51は、実行不可能なデータ識別情報を選択する操作が操作部115に入力されると、選択されたデータ識別情報を画像データ要求部63に出力する。そして、画像データ要求部63は、操作受付部51からデータ識別情報が入力されると、操作受付部51から入力されるデータ識別情報と同じデータ識別情報を含む画像データ送信要求をプリントサーバ200にデータ通信制御部116を介して送信する。
【0075】
図8は、プリントデータ管理処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。プリントデータ管理処理は、プリントサーバ200が備えるCPU201が、プリントデータ管理プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。図8を参照して、CPU201は、ネットワークI/F204がPC400〜401のいずれかからプリントデータを受信したか否かを判断する(ステップS01)。プリントデータを受信したならば処理をステップS02に進めるが、そうでなければステップS02をスキップして処理をステップS03に進める。プリントデータは、プリントを指示したユーザのユーザ識別情報と、プリントの対象となる画像データと、プリント条件とを含む。
【0076】
ステップS02においては、受信されたプリントデータをHDD205に記憶する。これにより、HDD205にプリントデータ271が記憶される。次のステップS03においては、ネットワークI/F204がMFP1〜3のいずれかからプリント要求を受信したか否かを判断する。プリント要求を受信したならば処理をステップS04に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ここでは、MFP1からプリント要求を受信する場合について説明する。
【0077】
ステップS04においては、HDD205に記憶されているプリントデータ271のうちから、ステップS03において受信されたプリント要求に含まれるユーザ識別情報と同じユーザ識別情報を含むプリントデータを抽出する。そして次のステップS05においては、ステップS04においてプリントデータが抽出されたか否かを判断する。プリントデータが抽出されたならば処理をステップS06に進めるが、そうでなければ処理をステップS09に進める。
【0078】
ステップS06においては、ステップS04において抽出されたプリントデータに含まれるプリント条件と抽出されたプリントデータを識別するためのデータ識別情報との組を、ステップS03において受信されたプリント要求を送信してきたMFP1にネットワークI/F204を介して送信し、処理をステップS07に進める。一方、ステップS09においては、プリントデータが存在しないことを示す信号をステップS03において受信されたプリント要求を送信してきたMFP1にネットワークI/F204を介して送信し、処理をステップS07に進める。
【0079】
ステップS07においては、ネットワークI/F204がプリント要求を送信してきたMFP1から画像データ送信要求を受信したか否かを判断する。画像データ送信要求を受信したならば処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ステップS08においては、ステップS04において抽出されたプリントデータに含まれる画像データとプリントデータのデータ識別情報との組を、プリント要求を送信してきたMFP1にネットワークI/F204を介して送信し、処理をステップS01に戻す。
【0080】
図9は、プルプリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。プルプリント処理は、MFP1〜3それぞれが備えるCPUが画像形成プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。ここでは、MFP1が備えるCPU111が画像形成プログラムを実行する場合に、CPU111により実行されるプルプリント処理について説明する。図9を参照して、CPU111は、ユーザがログインしたか否かを判断する(ステップS51)。操作部115にユーザ識別情報とパスワードとが入力され、ユーザ認証に成功したか否かを判断する。ユーザ認証に成功したならばユーザがログインしたと判断する。ユーザがログインするまで待機状態となり(ステップS51でNO)、ユーザがログインしたならば(ステップS51でYES)、処理をステップS52に進める。
【0081】
ステップS52においては、ログインしたユーザのユーザ識別情報を含むプリント要求を、データ通信制御部116を介してプリントサーバ200に送信する。次のステップS53においては、プリント要求の送信に応じてプリントサーバ200からプリント条件とデータ識別情報とを受信したか否かを判断する。プリント条件とデータ識別情報とを受信したならば(ステップS53でYES)、処理をステップS54に進めるが、それらを受信しなければ(ステップS53でNO)、処理をステップS61に進める。
【0082】
ステップS54においては、受信されたプリント条件でプリント可能か否かを判断する。具体的には、プリント条件を解析し、自装置が実行可能な機能を示す能力情報に基づいて、プリント条件に記述されている設定のすべてを実行可能か否かを判断する。プリント条件に自装置が実行することのできない機能を実行するための設定が少なくとも1つ記述されている場合、プリント可能でないと判断する。
【0083】
ステップS55においては、判断結果を選択可能に表示部114に表示する。判断結果は、プリントデータを識別するためのデータ識別情報と実行可否とを含む。次のステップS56においては、判断結果に含まれるデータ識別情報が選択されたか否かを判断する。表示されたデータ識別情報が指示されると、指示されたデータ識別情報が選択されたと判断する。
【0084】
次のステップS57においては、選択されたデータ識別情報に対応するプリントデータをプリント可能か否かを判断する。ステップS54の能力判断処理において、選択されたデータ識別情報に対応するプリント条件がプリント可能であれば、処理をステップS58に進めるが、そうでなければ処理をステップS61に進める。
【0085】
ステップS58においては、ステップS56において選択されたデータ識別情報を含む画像データ送信要求をプリントサーバ200にデータ通信制御部116を介して送信する。次のステップS59においては、画像データ送信要求の送信に応じて、プリントサーバ200から画像データとデータ識別情報とを受信したか否かを判断する。画像データとデータ識別情報とを受信したならば(ステップS59でYES)、処理をステップS60に進めるが、それらを受信しなければ(ステップS59でNO)、処理をステップS61に進める。
【0086】
ステップS60においては、ステップS53において受信されたプリント条件とステップS59において受信された画像データとを画像形成部24に出力し、画像データの画像をプリント条件に従ってプリントさせる。ステップS53において複数のプリント条件が受信される場合があり、その場合に画像データとともに画像形成部24に出力するプリントを条件は、ステップS59において受信される画像データとともに受信されるデータ識別情報と組になるプリント条件である。
【0087】
次のステップS61においては、操作を受け付けたか否かを判断する。操作部115がユーザによる操作を受け付けるまで待機状態となり、操作を受け付けたならば処理をステップS62に進める。ステップS62においては、受け付けられた操作に従って通常の処理を実行する。例えば、コピーを指示する操作を受け付けたならば、コピー処理を実行し、ファクシミリ送信を指示する操作を受け付けたならばファクシミリ送信処理を実行する。次のステップS63においては、ユーザがログアウトしたか否かを判断する。ユーザが操作部115にログアウトする操作を入力したならば、ログアウトしたと判断する。ユーザがログアウトしたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS61に戻す。
【0088】
以上説明したように第1の実施の形態におけるプリントシステムにおいて、プリントサーバ200は、PC400〜402のいずれかからプリントデータを受信すると、プリントデータをHDD205に記憶する。MFP1〜3のうち例えばMFP1において、ユーザがログインすると、プリント要求がMFP1からプリントサーバ200に送信される。プリントサーバ200からMFP1にプリントデータに含まれる画像データとプリント条件のうちプリント条件が最初に送信され、MFP1においてプリント可能と判断される場合に、画像データがプリントサーバ200からMFP1に送信され、MFP1においてプリントされる。このため、MFP1〜3のうちでプリント可能なMFPのみでプリントデータをプリントさせることができる。また、プリントサーバ200からMFP1〜3それぞれには、プリント可能な場合にプリントデータに含まれる画像データが送信され、プリント不可能な場合に画像データは送信されない。このため、プリントサーバ200とMFP1〜3との間のデータの通信量を低減することができる。
【0089】
また、MFP1〜3それぞれは、プリントサーバ200から受信されるプリント条件でプリント不可能と判断された場合に、プリント不可能であることを表示するので、ユーザにプリント条件でプリントできないことを通知することができる。
【0090】
また、MFP1〜3それぞれは、プリントサーバ200から最初にプリント条件を受信し、受信されたプリント条件でプリント可能と判断されることを条件に、プリントサーバ200から画像データを受信する。このため、プリント条件でプリント不可能な場合は画像データを受信することなくプリントしないので、プリントサーバ200に記憶されているプリントデータのうちでプリント可能なプリントデータを選択してプリントすることができる。
【0091】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態におけるプリントシステムは、MFP1〜3それぞれにおいて自装置が有する機能でプリントを実行可能か否かを判断するようにした。第2の実施の形態におけるプリントシステムは、プリントサーバ200においてMFP1〜3それぞれが自装置が有する機能でプリントを実行可能か否かを判断するようにしたものである。第2の実施の形態におけるプリントシステムにおいて、MFP1〜3、プリントサーバ200、認証サーバ300およびPC400〜402それぞれのハードウェア構成は第1の実施の形態におけるプリントシステムのそれらと同じなのでここでは説明を繰り返さない。以下、第1の実施の形態におけるプリントシステムと異なる点を主に説明する。
【0092】
図10は、第2の実施の形態におけるプリントサーバが備えるCPUが有する機能の一例を示す機能ブロック図である。図10を参照して、第2の実施の形態におけるプリントサーバ200が備えるCPU201Aは、プリントデータ受信部211と、プリントデータ記憶部213と、MFP1〜3それぞれの能力情報を取得する能力情報取得部225と、能力情報を記憶する能力情報記憶部227と、プリント要求を受信するプリント要求受信部215と、処理するためのプリントデータを抽出するプリントデータ抽出部217と、能力情報を抽出する能力情報抽出部231と、能力判断部233と、プリントデータを送信するプリントデータ送信部235と、装置特定部237と、通知部239と、を含む。
【0093】
プリントデータ受信部211、プリントデータ記憶部213、プリント要求受信部215、プリントデータ抽出部217は、図5に示したものと同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0094】
能力情報取得部225は、MFP1〜3それぞれから能力情報を取得する。能力情報は、MFP1〜3それぞれが実行可能な処理を定義する情報であり、例えば、画像形成処理、後処理、先鋭化処理などの画像処理それぞれについて実行可能か否かを定義する。画像形成処理においては、プリント可能な用紙サイズ、プリントモード等を含む。用紙サイズを定義する能力情報は、プリント可能な用紙のサイズのすべてを定義する。プリントモードを定義する能力情報は、フルカラーのプリントおよびモノクロのプリントそれぞれの実行可否、両面に[プリントする両面プリントおよび片面にプリントする片面プリントそれぞれの実行可否を定義する。後処理を定義する能力情報は、プリントされた用紙を並べて排紙するソート処理の実行可否、排紙された複数の用紙にステープル針を打ち込むステープル処理の実行可否、排紙された用紙に穴を空けるパンチ処理の実行可否、排紙された用紙を折り畳む折り畳み処理の実行可否を定義する。ステープル処理を定義する能力情報は、ステープル針を打ち込む位置が複数ある場合、複数の位置毎に実行可否を定義する。折り畳み処理を定義する能力情報は、折り畳みの形態がZ折、中折、三つ折の複数ある場合、複数の形態毎に実行可否を定義する。なお、能力情報は、これらに限定されることなく、他の処理の実行可否を定義するものであってもよい。
【0095】
能力情報取得部225は、ネットワークI/F204を介して、MFP1〜3それぞれに能力情報の取得要求を送信し、MFP1〜3それぞれが返信する能力情報をネットワークI/F204が受信すると、それらを取得する。能力情報取得部225は、能力情報を取得すると、能力情報と、MFP1〜3のうちそれを送信してきたものを識別するための装置識別情報とを、能力情報記憶部227に出力する。能力情報取得部225が、能力情報送信要求を送信するMFP1〜3は、予めプリントサーバ200に登録しておくようにしてもよいし、ブロードキャストモードで能力情報を送信するようにし、返信のあった装置の能力情報を取得するようにしてもよい。
【0096】
能力情報記憶部227は、能力情報取得部225から能力情報と装置識別情報とが入力されると、能力情報を装置識別情報と関連付けてHDD205に記憶する。これにより、HDD205に能力情報273が記憶される。例えば、能力情報のファイル名に装置識別情報を含めるようにして関連付けする。
【0097】
図11は、能力情報の一例を示す図である。図11を参照して、能力情報は、MFP1〜MFP3毎に、実行可能な処理を定義する。ここでは、MFP1に対して定義される能力情報は、1つのステープル針を打ち込むステープル(1点)処理、2つのステープル針を打ち込むステープル(2点)処理、ソート処理、両面プリント処理、折り畳みの形態がZ折、中折、三つ折の折り畳み処理が実行可能であることを定義している。MFP2に対して定義される能力情報は、ソート処理、両面プリント処理が実行可能であることを定義している。MFP3に対して定義される能力情報は、両面プリント処理およびステープル(1点)処理が実行可能であることを定義している。
【0098】
図10に戻って、プリント要求受信部215は、第1の実施の形態におけるプリント要求受信部215と同様にプリント要求を受信する。プリント要求受信部215は、受信されたプリント要求をプリントデータ抽出部217に出力し、プリント要求を送信してきた装置の装置識別情報を能力情報抽出部231、プリントデータ送信部235および通知部239に出力する。プリント要求は、MFP1〜3のうちプリント要求を送信してきたものを操作するユーザのユーザ識別情報を含む。
【0099】
能力情報抽出部231は、HDD205に記憶された能力情報273のうちから、プリント要求受信部215から入力される装置識別情報と関連付けられた能力情報273を抽出し、抽出された能力情報273と装置識別情報との組を能力判断部233に出力する。
【0100】
プリントデータ抽出部217は、HDD205に記憶されたプリントデータ271のうちからプリント要求に含まれるユーザ識別情報と同一のユーザ識別情報を含むものを抽出し、抽出されたプリントデータを能力判断部233に出力する。
【0101】
能力判断部233は、プリントデータ抽出部217から入力されるプリントデータに含まれるプリント条件と、能力情報抽出部231から入力される能力情報とを比較し、プリント条件でプリント可能か否かを判断する。能力情報で実行可能に定義される処理がプリント条件で定義された処理のすべてを含んでいれば、プリント可能と判断する。能力判断部233は、プリント可能と判断する場合、プリントデータ抽出部217により抽出されたプリントデータをプリントデータ送信部235に出力する。
【0102】
また、能力判断部233は、プリントデータ抽出部217から入力されるプリントデータに含まれるプリント条件と、能力情報抽出部231から入力される能力情報とを比較し、プリント条件でプリント可能でないと判断する場合、プリントデータ抽出部217から入力されるプリントデータに含まれるプリント条件を、HDD205に記憶されている能力情報273とそれぞれ比較し、プリントデータを識別するためのデータ識別情報と比較結果とを装置特定部237に出力する。比較結果は、装置ごとのプリント可否を含み、具体的には、装置識別情報とプリント可否とを含む。
【0103】
装置特定部237は、比較結果に基づいて、プリント条件でプリント可能な装置を特定する。そして、特定した装置の装置識別情報とプリントデータを識別するためのデータ識別情報との組を通知部239に出力する。プリント可能な装置が複数の場合、装置識別情報とデータ識別情報との組は、プリント可能な複数の装置の装置識別情報を含む。
【0104】
通知部239は、装置特定部237から入力される装置識別情報とデータ識別情報との組を一覧情報として、プリント要求の送信元に送信する。具体的には、ネットワークI/F204を制御して、MFP1〜3のうちプリント要求受信部215より入力される装置識別情報で特定されるものに、プリント可能な装置の装置識別情報とデータ識別情報との組を送信する。
【0105】
プリントデータ送信部235は、能力判断部233から入力されるプリントデータを、プリント要求の送信元に送信する。具体的には、ネットワークI/F204を制御して、MFP1〜3のうちプリント要求受信部215より入力される装置識別情報で特定されるものにプリントデータを送信する。これにより、MFP1〜3のうちプリント要求の送信元の装置においてプリントデータに含まれるプリント条件に従って、画像データがプリントされる。
【0106】
図12は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示す機能ブロック図である。MFP1〜3それぞれが備えるCPUの機能は同じなので、ここでは、MFP1が備えるCPU111Aについて説明する。図12を参照して、第2の実施の形態におけるMFP1が備えるCPU111Aは、操作受付部51と、ユーザ認証部53と、プリント要求部55と、プリントデータ受信部71と、プリント制御部67と、一覧受信部73と、を含む。
【0107】
操作受付部51、ユーザ認証部53、プリント要求部55、およびプリント制御部67は、図7に示したものと同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0108】
プリントデータ受信部71は、データ通信制御部116を制御して、プリントサーバ200が送信するプリントデータを受信し、それをプリント制御部67に出力する。
【0109】
プリント制御部67は、プリントデータ受信部71からプリントデータが入力されると、プリントデータに含まれるプリント条件および画像データを画像形成部24に出力し、画像形成部24に画像データの画像をプリント条件に従って形成させる。
【0110】
一覧受信部73は、データ通信制御部116を制御して、プリントサーバ200が送信する一覧情報を受信し、それを表示部114に表示する。一覧情報は、プリントデータのデータ識別情報とプリント可能な装置の装置識別情報とを含むので、MFP1を操作するユーザに対して、プリントデータをMFP1でプリントすることができないことを通知することができるとともに、プリントデータをプリントすることのできる装置を通知することができる。
【0111】
図13は、一覧情報の一例を示す図である。図13を参照して、一覧情報は、プリントデータ毎に、文書名の項目と、サイズの項目と、印刷設定の項目と、印刷可能装置の項目とを含む。文書名の項目は、プリントデータを識別するためのデータ識別情報が設定される。サイズの項目は、プリントデータのデータ量が設定される。印刷設定の項目は、自装置がプリント可能な場合に「可」が設定され、プリント不可能な場合に「不可」が設定される。印刷可能装置の項目は、自装置以外の別の装置でプリント可能な装置の装置識別情報が設定される。図13においては、MFP2に表示される一覧情報を示している。データ識別情報が「TestDoc.doc」および「文書.xls」それぞれのプリントデータは、印刷設定の項目が「可」に設定されているので、自装置MFP2においてプリント可能であることを示している。一方、データ識別情報が「秘文書.doc」のプリントデータは、印刷設定の項目が「不可」に設定されているので、自装置MFP2においてプリント不可能であることを示し、別の装置MFP1においてプリント可能であることを示している。また、データ識別情報が「PAT.txt」のプリントデータは、印刷設定の項目が「不可」に設定されているので、自装置MFP2においてプリント不可能であることを示し、別の装置MFP3においてプリント可能であることを示している。
【0112】
図14は、プリントデータ管理処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。プリントデータ管理処理は、第2の実施の形態におけるプリントサーバ200が備えるCPU201Aが、プリントデータ管理プログラムを実行することにより、CPU201Aにより実行される処理である。図14を参照して、CPU201Aは、MFP1〜3それぞれの能力情報を取得する(ステップS11)。具体的には、ネットワークI/F204を介して、MFP1〜3それぞれに能力情報の送信要求を送信し、MFP1〜3それぞれから能力情報を受信する。次のステップS12においては、取得された能力情報をHDD205に記憶する。
【0113】
ステップS13においては、PC400〜401のいずれかからプリントデータを受信したか否かを判断する。プリントデータを受信したならば処理をステップS14に進めるが、そうでなければステップS14をスキップして処理をステップS15に進める。ステップS14においては、受信されたプリントデータをHDD205に記憶する。これにより、HDD205にプリントデータ271が記憶される。
【0114】
ステップS15においては、ネットワークI/F204がMFP1〜3のいずれかからプリント要求を受信したか否かを判断する。プリント要求を受信したならば処理をステップS16に進めるが、そうでなければ処理をステップS13に戻す。ここでは、MFP1からプリント要求を受信する場合について説明する。
【0115】
ステップS16においては、HDD205に記憶されているプリントデータ271のうちから、ステップS15において受信されたプリント要求に含まれるユーザ識別情報と同じユーザ識別情報を含むプリントデータを抽出する。そして次のステップS17においては、ステップS12においてHDD205に記憶された能力情報273のうち、ステップS15において受信されたプリント要求を送信してきた装置、ここではMFP1の能力情報を参照して、MFP1がプリントデータをプリント可能か否かを判断する。
【0116】
ステップS18においては、ステップS17における判断結果に基づいて処理を分岐させる。プリント要求を送信してきたMFP1がプリントデータをプリント可能と判断される場合は、処理をステップS19に進め、そうでない場合は、処理をステップS20に進める。ステップS19においては、ステップS16において抽出されたプリントデータを、プリント要求を送信してきたMFP1に送信し、処理をステップS13に戻す。
【0117】
ステップS20においては、一覧情報を生成する。具体的には、ステップS16において抽出されたプリントデータに含まれるプリント条件を、ステップS12においてHDD205に記憶された能力情報273とそれぞれ比較し、プリント条件でプリント可能な装置を特定する。特定した装置、換言すればプリント可能な装置の装置識別情報とプリントデータを識別するためのデータ識別情報との組を一覧情報として生成する。次のステップS21においては、一覧情報をプリント要求を送信してきたMFP1に送信し、処理をステップS13に戻す。
【0118】
図15は、プルプリント処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。プルプリント処理は、第2の実施の形態におけるMFP1〜3それぞれが備えるCPU111Aが画像形成プログラムを実行することにより、CPU111Aにより実行される処理である。ここでは、第2の実施の形態におけるMFP1が備えるCPU111Aが画像形成プログラムを実行する場合に、CPU111Aにより実行されるプルプリント処理について説明する。
【0119】
図15を参照して、図9に示したプルプリント処理と異なる点は、ステップS53〜ステップS59に代えて、ステップS71〜ステップS73が実行される点である。図15を参照して、ステップS71においては、プリント要求の送信に応じてプリントサーバ200からプリントデータを受信したか否かを判断する。プリントデータを受信したならば(ステップS71でYES)、処理をステップS60に進めるが、そうでなければ(ステップS71でNO)、処理をステップS72に進める。
【0120】
ステップS72においては、プリント要求の送信に応じてプリントサーバ200から一覧情報を受信したか否かを判断する。一覧情報を受信したならば(ステップS72でYES)、処理をステップS73に進めるが、そうでなければ(ステップS72でNO)、ステップS73をスキップして処理をステップS61に進める。ステップS73においては、受信された一覧情報を表示部114に表示し、処理をステップS61に進める。一覧情報を見るユーザに対して、プリントサーバ200にプリントデータが記憶されていることを通知することができるとともに、MFP1〜3のうち、そのときユーザが操作しているMFP、ここではMFP1においてそのプリントデータをプリントすることができないことを通知することができる。さらに、MFP1〜3のうち、そのプリントデータをプリントすることのできるMFPを通知することができる。
【0121】
第2の実施の形態におけるプリントシステムにおいて、プリントサーバ200は、MFP1〜3それぞれの能力情報を取得し、MFP1〜3のうち送信元装置、例えばMFP1からプリント要求が受信されると、受信されたプリント要求に含まれるユーザ識別情報を含むプリントデータを抽出し、送信元装置MFP1の能力情報に基づいてプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能と判断されることを条件に、送信元装置MFP1に抽出されたプリントデータを送信する。このため、MFP1でプリント可能なプリントデータのみが送信されるので、MFP1〜3のうちでプリント可能なMFPでプリントさせることができる。また、プリントサーバ200からMFP1〜3それぞれには、プリントデータがプリント可能な場合に送信され、プリント不可能な場合には送信されない。このため、プリントサーバ200とMFP1〜3との間のデータの通信量を低減することができる。
【0122】
さらに、プリントサーバ200は、送信元装置MFP1においてプリント可能でないと判断する場合、他のMFP2または3のうちからプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能なMFPを特定し、特定されたMFPを識別するための装置識別情報を送信元装置MFP1に送信する。このため、MFP1を操作するユーザに、別のMFP2または3のうちプリント可能なMFPを知らせることができる。
【0123】
<第3の実施の形態>
第1の実施の形態におけるプリントシステムは、プリントサーバ200からプリント条件を受信し、プリント可能な場合に画像データを受信するようにした。第3の実施の形態におけるプリントシステムは、プリントサーバ200からプリントデータを受信し、プリント可能な場合にプリントするが、プリント不可能な場合にプリントしないようにしたものである。第3の実施の形態におけるプリントシステムにおいて、MFP1〜3、プリントサーバ200、認証サーバ300およびPC400〜402それぞれのハードウェア構成は第1の実施の形態におけるプリントシステムのそれらと同じなのでここでは説明を繰り返さない。以下、第1の実施の形態におけるプリントシステムと異なる点を主に説明する。
【0124】
第3の実施の形態におけるプリントシステムにおいて、プリントサーバ200が備えるCPU201は、図5に示した機能と異なる点は、プリント条件送信部223に代えてプリントデータを送信するプリントデータ送信部を有する点、画像データ要求受信部219および画像データ送信部221を有しない点である。すなわち、第3の実施の形態におけるプリントサーバ200は、MFP1〜3のいずれかからプリント要求を受信すると、プリントデータ送信部がプリント要求に含まれるユーザ識別情報を含むプリントデータを、MFP1〜3のうちプリント要求を送信してきたものに送信する。
【0125】
図16は、第3の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す機能ブロック図である。第3の実施の形態におけるMFP1〜3それぞれが備えるCPUの機能は同じなので、ここでは、MFP1が備えるCPU111Bについて説明する。図16を参照して、図7に示した機能ブロック図と異なる点は、能力判断部59およびプリント制御部67がそれぞれ能力判断部59Aおよびプリント制御部67Aに変更された点、プリントデータ受信部71Aが追加された点、プリント条件受信部57、画像データ要求部63および画像データ受信部65が削除された点である。
【0126】
プリントデータ受信部71Aは、データ通信制御部116を制御して、プリントサーバ200が送信するプリントデータを受信し、それを能力判断部59Aおよびプリント制御部67に出力する。
【0127】
能力判断部59Aは、プリントデータ受信部71Aから入力されるプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断する。能力判断部59Aは、プリント条件を解析し、自装置が実行可能な機能を示す能力情報に基づいて、プリント条件に記述されている設定のすべてを実行可能か否かを判断する。能力判断部59Aは、判断結果を判断結果表示部61とプリント制御部67Aとに出力する。
【0128】
プリント制御部67Aは、プリントデータ受信部71からプリントデータが入力され、能力判断部59Aから判断結果が入力される。プリント制御部67Aは、判断結果がプリント可能を示すことを条件に、プリントデータに含まれるプリント条件および画像データを画像形成部24に出力し、画像形成部24に画像データの画像をプリント条件に従って形成させる。
【0129】
なお、判断結果表示部61が実行可能でないデータ識別情報を選択不可能な状態で表示するようにしたが、実行可能でないデータ識別情報を実行可能でないことを示す印とともに選択可能に表示するようにして、ユーザにより選択されることを条件にプリントするようにしてもよい。この場合、ユーザは、操作部115に、実行可否が実行不可能なデータ識別情報を選択する操作を入力することができ、操作受付部51は、実行不可能なデータ識別情報を選択する操作が操作部115に入力されると、選択されたデータ識別情報をプリント制御部67Aに出力する。そして、プリント制御部67Aは、判断結果がプリント不可能を示す場合、それがユーザにより選択され、操作受付部51からデータ識別情報が入力されることを条件に、プリントデータに含まれるプリント条件および画像データを画像形成部24に出力し、画像形成部24に画像データの画像をプリント条件に従って形成させる。
【0130】
図17は、プリントデータ管理処理の流れの一例を示す第3のフローチャートである。プリントデータ管理処理は、第3の実施の形態におけるプリントサーバ200が備えるCPU201が、プリントデータ管理プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。図17を参照して、図8に示した処理と異なる点は、ステップS06が変更されてステップS06Aとなった点、ステップS07およびステップS08が削除された点である。
【0131】
図17を参照して、ステップS05において、プリントデータが抽出されたならば処理をステップS06Aに進めるが、そうでなければ処理をステップS09に進める。ステップS06Aにおいては、ステップS04において抽出されたプリントデータを、ステップS03において受信されたプリント要求を送信してきたMFP1にネットワークI/F204を介して送信し、処理をステップS01に戻す。一方、ステップS09においては、プリントデータが存在しないことを示す信号をステップS03において受信されたプリント要求を送信してきたMFP1にネットワークI/F204を介して送信し、処理をステップS01に進戻す。
【0132】
図18は、プルプリント処理の流れの一例を示す第3のフローチャートである。プルプリント処理は、第3の実施の形態におけるMFP1〜3それぞれが備えるCPU111Bが画像形成プログラムを実行することにより、CPU111Bにより実行される処理である。ここでは、第3の実施の形態におけるMFP1が備えるCPU111Bが画像形成プログラムを実行する場合に、CPU111Bにより実行されるプルプリント処理について説明する。
【0133】
図18を参照して、図9に示したプルプリント処理と異なる点は、ステップS53が変更されてステップS53Aとなった点、ステップS58およびステップS59が削除された点である。図18を参照して、ステップS53Aにおいては、プリント要求の送信に応じてプリントサーバ200からプリントデータを受信したか否かを判断する。プリントデータを受信したならば(ステップS53AでYES)、処理をステップS54に進めるが、受信しなければ(ステップS53AでNO)、処理をステップS61に進める。
【0134】
第3の実施の形態におけるプリントシステムにおいて、MFP1〜3それぞれは、プリント要求をプリントサーバ200に送信し、プリントサーバ200からプリントデータが受信されると、プリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断し、プリント可能と判断されることを条件に、プリント条件でプリントデータに含まれる画像データの画像をプリントする。プリント条件でプリント不可能な場合は画像データの画像をプリントしないので、プリントサーバ200に記憶されているプリントデータのうちでプリント可能なプリントデータを選択してプリントすることができる。
【0135】
また、プリントデータをプリント不可能と判断する場合に、プリント不可能であることを表示するので、ユーザにプリント条件でプリントできないことを通知することができる。
【0136】
なお、上述した実施の形態においては、プリントシステムについて説明したが、図8、図14および図17に示した処理をプリントサーバ200に実行させるプリントデータ管理方法、そのプリントデータ管理方法をコンピュータに実行させるためのプリントデータ管理プログラム、図9、図15および図18に示した処理をMFP1〜3に実行させる画像形成方法、その画像形成方法をコンピュータに実行させるための画像形成プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0137】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0138】
<付記>
(1) 前記画像データ要求手段は、前記能力判断手段によりプリント不可能と判断された場合は、前記操作受付手段によりプリント指示が受け付けられることを条件に、前記画像データ送信要求を送信する、請求項2に記載のプリントシステム。
(2) 前記画像データ要求手段は、前記能力判断手段によりプリント不可能と判断された場合に、前記操作受付手段によりプリント指示が受け付けられることを条件に、前記画像データ送信要求を送信する、請求項4に記載の画像形成装置。
(3) 前記プリント制御手段は、前記能力判断手段によりプリント不可能と判断された場合に、前記操作受付手段によりプリント指示が受け付けられることを条件に、前記画像データの画像をプリントする、請求項9に記載の画像形成装置。
(4) プリントデータを記憶可能なプリントサーバと通信可能な画像形成装置を制御するコンピュータで実行される画像形成プログラムであって、
ユーザによる操作を受け付けるステップと、
前記操作を受け付けるステップにおいて受け付けられたユーザ識別情報を含むプリント要求を前記プリントサーバに送信するステップと、
前記プリント要求の送信に応じて、前記プリントサーバから送信される前記プリント条件を受信するステップと、
前記受信されたプリント条件でプリント可能か否かを判断するステップと、
前記能力を判断するステップにおいて、プリント可能と判断されることを条件に、前記プリントサーバに画像データ送信要求を送信するステップと、
前記画像データ送信要求の送信に応じて、前記プリントサーバから送信される前記画像データを受信するステップと、
前記受信されたプリント条件で前記受信された画像データの画像を形成するステップと、を前期コンピュータに実行させる画像形成プログラム。
(5) 少なくとも1つの画像形成装置と通信可能であり、プリントデータを管理するプリントサーバを制御するコンピュータで実行されるプリントデータ管理プログラムであって、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、プリント条件と、画像データとを含むプリントデータを受信するステップと、
前記少なくとも1つの画像形成装置のうちの送信元装置からユーザ識別情報を含むプリント要求を受信するステップと、
前記少なくとも1つの画像形成装置それぞれに対応して予め記憶された能力情報のうちから前記送信元装置の能力情報を抽出するステップと、
前記受信されたプリントデータのうちから前記受信されたプリント要求に含まれるユーザ識別情報を含むプリントデータを抽出するステップと、
前記抽出された能力情報に基づいて前記抽出されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断するステップと、
前記判断するステップにおいてプリント可能と判断されることを条件に、前記送信元装置に前記抽出されたプリントデータを送信するステップと、を前記コンピュータに実行させるプリントデータ管理プログラム。
(6) プリントデータを記憶可能なプリントサーバと通信可能な画像形成装置を制御するコンピュータで実行される画像形成プログラムであって、
ユーザによる操作を受け付けるステップと、
前記受け付けるステップにおいて受け付けられたユーザ識別情報を含むプリント要求を前記プリントサーバに送信するステップと、
前記プリント要求の送信に応じて、前記プリントサーバから送信されるプリントデータを受信するステップと、
前記受信されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断するステップと、
前記判断するステップにおいてプリント可能と判断されることを条件に、前記プリント条件で、前記プリントデータに含まれる画像データの画像を形成するステップと、を前記コンピュータに実行させる画像形成プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の実施の形態におけるプリントシステムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観を示す斜視図である。
【図3】MFPのハード構成の一例を示すブロック図である。
【図4】プリントサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】プリントサーバ200が備えるCPUが有する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】プリントデータの一例を示す図である。
【図7】MFPが備えるCPUの機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図8】プリントデータ管理処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。
【図9】プルプリント処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態におけるプリントサーバが備えるCPUが有する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図11】能力情報の一例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図13】一覧情報の一例を示す図である。
【図14】プリントデータ管理処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
【図15】プルプリント処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
【図16】第3の実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図17】プリントデータ管理処理の流れの一例を示す第3のフローチャートである。
【図18】プルプリント処理の流れの一例を示す第3のフローチャートである。
【符号の説明】
【0140】
1〜3 MFP、11 操作パネル、21 ADF、22 画像読取部、23 画像処理部、24 画像形成部、25 給紙部、26 後処理部、27 ファクシミリ部、28 通信制御部、30 ネットワーク、51 操作受付部、53 ユーザ認証部、55 プリント要求部、57 プリント条件受信部、59,59A 能力判断部、61 判断結果表示部、63 画像データ要求部、65 画像データ受信部、67,67A プリント制御部、71,71A プリントデータ受信部、73 一覧受信部、101 情報処理部、111 CPU、112 RAM、113 HDD、114 表示部、115 操作部、116 データ通信制御部、117 データ入出力部、119 シリアル通信端子、200 プリントサーバ、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 ネットワークI/F、205 HDD、206 表示部、207 操作部、208 バス、209 外部記憶装置、211 プリントデータ受信部、213 プリントデータ記憶部、215 プリント要求受信部、217 プリントデータ抽出部、219 画像データ要求受信部、221 画像データ送信部、223 プリント条件送信部、225 能力情報取得部、227 能力情報記憶部、231 能力情報抽出部、233 能力判断部、235 プリントデータ送信部、237 装置特定部、239 通知部、271 プリントデータ、273 能力情報、300 認証サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントデータを管理するプリントサーバと少なくとも1つの画像形成装置とを含むプリントシステムであって、
前記プリントサーバは、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、プリント条件と、画像データとを含むプリントデータを受信するプリントデータ受信手段と、
前記受信されたプリントデータを記憶するプリントデータ記憶手段と、
ユーザ識別情報を含むプリント要求を受信するプリント要求受信手段と、
前記受信されたプリント要求に含まれるユーザ識別情報を含むプリントデータを抽出するプリントデータ抽出手段と、
前記抽出されたプリントデータに含まれるプリント条件を、前記プリント要求の送信元に送信するプリント条件送信手段と、
前記プリント要求の送信元から画像データ送信要求を受信することに応じて、前記抽出されたプリントデータに含まれる画像データを送信する画像データ送信手段と、を備え、
前記少なくとも1つの画像形成装置それぞれは、
ユーザによる操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けられたユーザ識別情報を含むプリント要求を前記プリントサーバに送信するプリント要求手段と、
前記プリント要求の送信に応じて、前記プリントサーバから送信される前記プリント条件を受信するプリント条件受信手段と、
前記受信されたプリント条件でプリント可能か否かを判断する能力判断手段と、
前記能力判断手段によりプリント可能と判断されることを条件に、前記プリントサーバに画像データ送信要求を送信する画像データ要求手段と、
前記画像データ送信要求の送信に応じて、前記プリントサーバから送信される前記画像データを受信する画像データ受信手段と、
前記受信されたプリント条件で前記受信された画像データの画像を形成するプリント制御手段と、を備えたプリントシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの画像形成装置それぞれは、前記能力判断手段によりプリント不可能と判断された場合に、判断結果を表示する判断結果表示手段をさらに備えた、請求項1に記載のプリントシステム。
【請求項3】
プリントデータを記憶可能なプリントサーバと通信可能な画像形成装置であって、
ユーザによる操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けられたユーザ識別情報を含むプリント要求を前記プリントサーバに送信するプリント要求手段と、
前記プリント要求の送信に応じて、前記プリントサーバから送信される前記プリント条件を受信するプリント条件受信手段と、
前記受信されたプリント条件でプリント可能か否かを判断する能力判断手段と、
前記能力判断手段によりプリント可能と判断されることを条件に、前記プリントサーバに画像データ送信要求を送信する画像データ要求手段と、
前記画像データ送信要求の送信に応じて、前記プリントサーバから送信される前記画像データを受信する画像データ受信手段と、
前記受信されたプリント条件で前記受信された画像データの画像を形成するプリント制御手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項4】
前記能力判断手段によりプリント不可能と判断された場合に、判断結果を表示する判断結果表示手段をさらに備えた、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
少なくとも1つの画像形成装置と通信可能であり、プリントデータを管理するプリントサーバであって、
前記少なくとも1つの画像形成装置それぞれの能力情報を記憶する能力情報記憶手段と、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、プリント条件と、画像データとを含むプリントデータを受信するプリントデータ受信手段と、
前記受信されたプリントデータを記憶するプリントデータ記憶手段と、
前記少なくとも1つの画像形成装置のうちの送信元装置からユーザ識別情報を含むプリント要求を受信するプリント要求受信手段と、
前記送信元装置の能力情報を抽出する能力情報抽出手段と、
前記受信されたプリント要求に含まれるユーザ識別情報を含むプリントデータを抽出するプリントデータ抽出手段と、
前記抽出された能力情報に基づいて前記抽出されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断する能力判断手段と、
前記能力判断手段によりプリント可能と判断されることを条件に、前記送信元装置に前記抽出されたプリントデータを送信するプリントデータ送信手段と、を備えたプリントサーバ。
【請求項6】
前記能力判断手段によりプリント可能でないと判断される場合、前記少なくとも1つの画像形成装置のうちから前記記憶された能力情報に基づいて前記抽出されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能な画像形成装置を特定する装置特定手段と、
前記特定された画像形成装置を識別するための装置識別情報を前記送信元装置に送信する通知手段を、さらに備えた請求項5に記載のプリントサーバ。
【請求項7】
プリントデータを記憶可能なプリントサーバと通信可能な画像形成装置であって、
ユーザによる操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けられたユーザ識別情報を含むプリント要求を前記プリントサーバに送信するプリント要求手段と、
前記プリント要求の送信に応じて、前記プリントサーバから送信されるプリントデータを受信するプリントデータ受信手段と、
前記受信されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断する能力判断手段と、
前記能力判断手段によりプリント可能と判断されることを条件に、前記プリント条件で、前記プリントデータに含まれる画像データの画像を形成するプリント制御手段と、を備えた画像形成装置。
【請求項8】
前記能力判断手段によりプリント不可能と判断された場合に、判断結果を表示する判断結果表示手段をさらに備えた、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
プリントデータを記憶可能なプリントサーバと通信可能な画像形成装置で実行される画像形成方法あって、
ユーザによる操作を受け付けるステップと、
前記操作を受け付けるステップにおいて受け付けられたユーザ識別情報を含むプリント要求を前記プリントサーバに送信するステップと、
前記プリント要求の送信に応じて、前記プリントサーバから送信される前記プリント条件を受信するステップと、
前記受信されたプリント条件でプリント可能か否かを判断するステップと、
前記能力を判断するステップにおいて、プリント可能と判断されることを条件に、前記プリントサーバに画像データ送信要求を送信するステップと、
前記画像データ送信要求の送信に応じて、前記プリントサーバから送信される前記画像データを受信するステップと、
前記受信されたプリント条件で前記受信された画像データの画像を形成するステップと、を含む画像形成方法。
【請求項10】
少なくとも1つの画像形成装置と通信可能であり、プリントデータを管理するプリントサーバで実行されるプリントデータ管理方法であって、
ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、プリント条件と、画像データとを含むプリントデータを受信するステップと、
前記少なくとも1つの画像形成装置のうちの送信元装置からユーザ識別情報を含むプリント要求を受信するステップと、
前記少なくとも1つの画像形成装置それぞれに対応して予め記憶された能力情報のうちから前記送信元装置の能力情報を抽出するステップと、
前記受信されたプリントデータのうちから前記受信されたプリント要求に含まれるユーザ識別情報を含むプリントデータを抽出するステップと、
前記抽出された能力情報に基づいて前記抽出されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断するステップと、
前記判断するステップにおいてプリント可能と判断されることを条件に、前記送信元装置に前記抽出されたプリントデータを送信するステップと、を含むプリントデータ管理方法。
【請求項11】
プリントデータを記憶可能なプリントサーバと通信可能な画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
ユーザによる操作を受け付けるステップと、
前記受け付けるステップにより受け付けられたユーザ識別情報を含むプリント要求を前記プリントサーバに送信するステップと、
前記プリント要求の送信に応じて、前記プリントサーバから送信されるプリントデータを受信するステップと、
前記受信されたプリントデータに含まれるプリント条件でプリント可能か否かを判断するステップと、
前記判断するステップにおいてプリント可能と判断されることを条件に、前記プリント条件で、前記プリントデータに含まれる画像データの画像を形成するステップと、を含む画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−208266(P2010−208266A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59332(P2009−59332)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】