説明

プリントシステムおよび処理方法およびコンピュータプログラムとその記憶媒体

【課題】従来のプリントシステムでは、プリントシステムで管理し、ユーザインターフェース上で表示するプリントジョブ情報の項目はあらかじめ決められており、ユーザは決められた項目でしかプリントジョブを識別することができなかった。
【解決手段】プリントジョブ情報の項目を自由に設定することを可能とし、前記項目に対応するプリントジョブ情報を指定して印刷した場合、前記プリントジョブ情報をプリントシステムで管理し、ユーザインターフェース上に表示することで、プリントジョブを所望する情報で識別することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の外部処理装置を用いた印刷処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプリントシステムでは、印刷が開始されると、印刷を実行したユーザ名などの項目を含むプリントジョブの情報が作成され、これらをプリントシステムで管理し、ユーザインターフェース上にこれらプリントジョブの情報を表示していた。例えば特許文献1に上記従来技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−080176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のプリントシステムでは、プリントシステムで管理し、ユーザインターフェース上で表示するプリントジョブ情報の項目はあらかじめ決められており、ユーザは決められた項目でしかプリントジョブを識別することができなかった。
【0004】
本発明は、以上の点に着目して成されたもので、プリントジョブ情報の項目を自由に設定することを可能とし、前記項目に対応するプリントジョブ情報を指定して印刷した場合、前記プリントジョブ情報をプリントシステムで管理し、ユーザインターフェース上に表示することで、プリントジョブを所望する情報で識別できるプリントシステムおよび処理方法およびコンピュータプログラムとその記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的下において、第1の発明は、複数の外部処理装置に対してプリントジョブデータを転送する転送手段と、複数の前記外部処理装置を監視する監視手段とを備えたプリントシステムにおいて、プリントジョブ情報の項目を設定する設定手段と、前記項目に対するプリントジョブの情報を設定して印刷する印刷手段と、前記プリントジョブの情報を管理する管理手段と、ユーザインターフェース上に、前記プリントジョブの情報を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【0006】
すなわち、本発明の技術内容は以下の構成を備えることにより前記課題を解決できた。
【0007】
(1)複数の外部処理装置に対してプリントジョブデータを転送する転送手段と、複数の前記外部処理装置を監視する監視手段とを備えたプリントシステムであって、プリントジョブ情報の項目を設定する第1設定手段と、前記項目に対するプリントジョブの情報を設定して印刷する印刷手段と、前記プリントジョブの情報を管理する管理手段と、ユーザインターフェース上に、前記プリントジョブの情報を表示する表示手段とを有することを特徴とするプリントシステム。
【0008】
(2)前記プリントジョブの情報によって異なるユーザインターフェースに表示するかを設定する第2設定手段と、異なるユーザインターフェース上に表示する表示手段とを有することを特徴とする前記(1)に記載のプリントシステム。
【0009】
(3)複数の外部処理装置に対してプリントジョブデータを転送する転送手段と、複数の前記外部処理装置を監視する監視手段とを備えたプリントシステムにおける処理方法であって、プリントジョブ情報の項目を設定する第1設定ステップと、前記項目に対するプリントジョブの情報を設定して印刷する印刷ステップと、前記プリントジョブの情報を管理する管理ステップと、ユーザインターフェース上に、前記プリントジョブの情報を表示する表示ステップとを有することを特徴とする処理方法。
【0010】
(4)前記プリントジョブの情報によって異なるユーザインターフェースに表示するかを設定する第2設定ステップを有し、異なるユーザインターフェース上に表示する第2表示ステップを有することを特徴とする前記(3)に記載の処理方法。
【0011】
(5)前記(3)又は(4)に記載の処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0012】
(6)前記(5)に記載のプログラムを格納したコンピュータ可読の記憶媒体。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明の請求項によれば、プリントシステムで管理し、ユーザインターフェース上で表示するプリントジョブ情報の項目はあらかじめ決められており、ユーザは決められた項目でしかプリントジョブを識別することができなかったという課題に対して、プリントジョブ情報の項目を自由に設定することを可能とし、前記項目に対応するプリントジョブ情報を指定して印刷した場合、前記プリントジョブ情報をプリントシステムで管理し、ユーザインターフェース上に表示することで、プリントジョブを所望する情報で識別することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
<印刷処理システムの構成例>
図1は、実施形態に係る印刷処理システムの構成を示す図である。
【0016】
同図において、101、102、103、104は、ネットワーク106に接続され、相互に通信可能なネットワークコンピュータであり、典型的にはパーソナルコンピュータ(PC)であり、それぞれイーサネット(登録商標)などのネットワークケーブルによってネットワーク106に接続され、アプリケーションプログラム等の各種のプログラムを実行可能であり、印刷データをプリンタに対応するプリンタ言語に変換する機能を有するプリンタドライバを搭載している。ここで、各コンピュータは複数のプリンタドライバをサポートするものとする。また、プリンタに対応するプリンタ言語に変換にした印刷データをネットワークプリンタ105に転送する機能を有する。
【0017】
105は、印刷制御装置としてのネットワークプリンタであり、図示しないネットワークインタフェースを介してネットワーク106と接続されており、クライアントコンピュータから送信されてくる印字データを含む印刷ジョブを解析し、1ページずつドットイメージに変換して印刷する。なお、同図にネットワークプリンタ105は1台しか示されていないが、他のネットワークプリンタが複数接続されているものとする。各ネットワークプリンタの機能は相違するものであってもよい。
【0018】
また、106はネットワークであり、コンピュータ101〜104、ネットワークプリンタ105等と接続している。
【0019】
<ネットワークコンピュータのハードウェア構成例>
図2は、コンピュータ101〜104の構成を説明するブロック図である。図2において、200は装置全体の制御を行うCPUであり、ハードディスク(HD)205に格納されているアプリケーションプログラム、プリンタドライバプログラム、OSや、本実施形態のネットワークプリンタ制御プログラム等を実行し、RAM202にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に格納する制御を行う。
【0020】
201は記憶手段としてのROMであり、内部には、基本I/Oプログラム等のプログラム、文書処理の際に使用するフォントデータ、テンプレート用データ等の各種データを記憶する。202は一時記憶手段としてのRAMであり、CPU200の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0021】
203は記憶媒体読み込み手段としてのFDドライブであり、後述する図5に示すようにFDドライブ203を通じて、記憶媒体としてのFD204に記憶されたプログラム等を本コンピュータにロードすることができる。204は記憶媒体であるフロッピ(登録商標)ディスク(FD)であり、コンピュータが読み取り可能にプログラムが格納された記憶媒体である。なお、記憶媒体はFDに限らず、CD−ROM、CDR、CDRW、PCカード、DVD、ICメモリカード、MO、メモリスティック等、任意である。
【0022】
205は外部記憶手段の一つであり、大容量メモリとして機能するハードディスク(HD)であり、アプリケーションプログラム、プリンタドライバプログラム、OS、ネットワークプリンタ制御プログラム、関連プログラム等を格納している。更に、スプール手段であるスプーラはここに確保される。スプール手段は、クライアントではクライアントスプーラのことであり、プリントサーバではサーバスプーラのことである。また、プリントサーバでは、クライアントから受けたジョブ情報を格納し、順序制御を行うためのテーブルもこの外部記憶手段に生成されて格納される。
【0023】
206は指示入力手段であるキーボードであり、ユーザがクライアントコンピュータに対して、また、オペレータや管理者がプリントサーバに対して、デバイスの制御コマンドの命令等を入力指示するものである。207は表示手段であるディスプレイであり、キーボード206から入力したコマンドや、プリンタの状態等を表示したりするものである。
【0024】
208はシステムバスであり、クライアントやプリントサーバであるコンピュータ内のデータの流れを司るものである。209は入出力手段であるインタフェースであり、該インタフェース209を介して情報処理装置は外部装置とのデータのやり取りを行う。
【0025】
なお、上記コンピュータの構成はその一例であり、図2の構成例に限定されるものではない。例えば、データやプログラムの格納先は、その特徴に応じてROM、RAM、HDなどで変更することも可能である。
【0026】
図3は、図2に示したRAM202のメモリマップの一例を示す図であり、FD204からロードされる上記ネットワークプリンタ制御プログラムが、RAM202にロードされ実行可能となった状態のメモリマップである。
【0027】
なお、本実施形態では、ネットワークプリンタ制御プログラムおよび関連データをFD204から直接RAM202にロードして実行させる例を示すが、これ以外にも、ネットワークプリンタ制御プログラムを動作させる度に、既にネットワークプリンタ制御プログラムがFD204からインストールされているHD205から、RAM202にロードするようにしてもよい。また、本ネットワークプリンタ制御プログラムを記憶する媒体は、FD以外にCD−ROM、CDR、PCカード、DVD、ICメモリカードであってもよい。さらに、本ネットワークプリンタ制御プログラムをROM201に記憶しておき、これをメモリマップの一部となすように構成し、直接CPU200で実行することも可能である。また、以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアをもって、ハードウェア装置の代替として構成することもできる。
【0028】
また、以下では、本ネットワークプリンタ制御プログラムのことを、簡単に印刷制御プログラムまたはプリンタドライバと呼ぶこともある。印刷制御プログラムは、クライアントにおいては、印刷ジョブの印刷先の変更を指示したり、印刷順序を変更する指示をするための制御を行うプログラムを含む。一方、プリントサーバにおいては、印刷ジョブの順序制御を行ったり、印刷ジョブの印刷終了や印刷先変更要求などを通知するためのプログラムを含んでいる。また、このような制御を行う本実施形態の印刷制御プログラムは、クライアントにインストールされるモジュールと、プリントサーバにインストールされるモジュールを別々に分けてもよいし、ひとつの印刷制御プログラムが、実行される環境によりクライアント用として機能したり、プリントサーバ用として機能するようにしてもよい。あるいは、一台のコンピュータに、クライアント用の機能を持つモジュールとプリントサーバ用として機能するモジュールとをともにインストールし、同時にあるいは時分割で、擬似的に平行動作させる構成も可能である。
【0029】
301は基本I/Oプログラムであり、コンピュータの電源がONされたときに、HD205からOSがRAM202に読み込まれ、OSの動作を開始させるIPL(イニシャルプログラムローデイング)機能などを有しているプログラムが入っている領域である。302はオペレーティングシステム(OS)であり、303はネットワークプリンタ制御プログラムで、RAM202上に確保される領域に記憶される。304は関連データで、RAM202上に確保される領域に記憶される。305はワークエリアで、CPU200が本プリンタ制御プログラムを実行する領域が確保されている。
【0030】
図4は、図2に示したFD204のメモリマップの一例を示す図である。
【0031】
図4において、401はデータの情報を示すボリューム情報であり、402はディレクトリ情報、403は本実施形態で説明する印刷制御プログラムであるネットワークプリンタ制御プログラム、404はその関連データである。ネットワークプリンタ制御プログラム403は、本実施形態で説明するフローチャートに基づいてプログラム化したものであり、本実施形態では、クライアント及びサーバ共に、同様の構成をとっている。
【0032】
図5は、図2に示したFDドライブ203に対して挿入されるFD204との関係を示す図であり、図2と同一のものには同一の符号を付してある。図5において、FD204には、本実施形態で説明するネットワークプリンタ制御プログラムおよび関連データが格納されている。
【0033】
<印刷処理システムにおけるソフトウェア構成例>
ここで、本実施形態における用語の技術的意味について説明しておく。
【0034】
本実施形態において、アプリケーションにおける印刷指示に応じてWindows(登録商標)等のOSを介して出力される描画命令(一般的にDDI或いはGDIと呼ばれている)を解釈しページ記述言語を生成しデバイスへ出力させるようなプリンタドライバを通常プリンタドライバ、このときのデバイスを通常デバイスと呼ぶ。なお、OSとしてはWindows(登録商標)に限定されるものではなく、描画命令を備えるOSであれば適用可能であることは言うまでもない。また、デバイスであるプリンタとは区別してプリンタドライバとプリンタ出力ポートとの組み合わせをプリンタと呼ぶこともある。
【0035】
図6は、本システムのクライアントサーバモデルにおいて、文書などを印刷するアプリケーションから発行された描画コマンドを含む印刷ジョブが、印刷ジョブ制御システムにおいてどのように処理されるかを示した図である。
【0036】
通常、印刷の指示がされると、アプリケーションプログラムは一連の描画命令をOSを介して生成させる。この生成された描画命令はプリンタドライバを経て所定の形式に変換された後、ウィンドウズ(登録商標)スプーラ(Windows(登録商標) Spooler)に渡される。Windows(登録商標) Spoolerは、ユーザがユーザインターフェースを介して選択し指示したポートモニタにプリントジョブデータを渡して、プリンタデバイスに送信させる手順をとる。本実施形態では、今述べた通常の動作に対してユーザはあらかじめ印刷ジョブ制御システム用のポートモニタ621(以降、ジョブ制御ポートモニタと略記)を指定して印刷を指示する。
【0037】
アプリケーションプログラム601は一連の描画命令をOSを介して生成させる。ここで、OSを介して生成された描画命令は、PDL Driver602に引き渡させる。
【0038】
OSを介して生成された描画命令を受け取ったPDL Driver602では、デバイスで印刷するためのページ記述言語を生成し、プリンタデバイスへプリントジョブデータを送信する従来のポートモニタではなく、ジョブ制御ポートモニタ621にプリントジョブデータとして送信する。また、プリンタドライバインタフェースを介して設定された用紙サイズ、ステープル指示等の印刷設定情報も、ジョブ制御ポートモニタ621に送信される。
【0039】
ジョブ制御ポートモニタ621は、プリントジョブデータをプリンタデバイス105に送信するのではなく、印刷ジョブ制御システム用プリントサービス622(以降、ジョブ制御プリントサービスと略記)に送信する。プリントジョブデータは、印刷処理を行うよう設定されたPDL Driver602に対応するジョブ制御ポートモニタ621、ジョブ制御プリントサービス622を介して対応するデバイスに送信される。
【0040】
印刷ジョブ制御システム用プリントマネージャ623(以降、ジョブ制御プリントマネージャと略記)は、ユーザがジョブ制御プリントサービス622内部でプリントジョブがどのような状態にあるかを調べたり、プリントジョブを操作したりするためのユーザインターフェースを提供するプログラムである。ジョブ制御プリントマネージャ623は、ジョブ制御プリントサービス622のソフトウェアのインタフェース(API:Application Program Interface)を介して、ジョブ制御プリントサービス622と情報・指示をやり取りしている。更に詳細な処理としては、プリントマネージャ623がジョブ制御プリントサービス622に対してデバイスを指定してのイベントを発行し、ジョブ制御プリントサービス622は発行されたイベントに基づくデバイスのステータスを監視して、該監視に基づく結果をプリントマネージャ623に通知する。
【0041】
<Windows(登録商標)プリントシステムと印刷ジョブの関係>
次に、図7でWindows(登録商標)が提供するプリントシステムと印刷ジョブ制御システムにおける印刷ジョブの関係と処理概要をさらに詳しく述べる。
【0042】
図7に示すように、概念的には、プリンタドライバ602、スプーラ604、ジョブ制御ポートモニタ621は、ネットワークプリンタ105ごとに用意されている。OSがウィンドウズ(登録商標)の場合には、これらをまとめてウィンドウズ(登録商標)プリントシステム700と称する場合もある。
【0043】
ジョブ制御プリントサービス622には、ネットワークプリンタ105A〜105Cに対応する数のプリンタキュー701A、701B、701C及び出力ポート702A、702B、702Cが含まれている。この出力ポートには対応する印刷装置のIPアドレス又は名前解決(DNS:Domain Name System)で使用されるネームが関連付けられている。そして、このIPアドレス又はネームに基づきジョブの送信先が特定されジョブの送信(出力)が行なわれる。なお、本実施形態では、物理的な装置であるネットワーク単位にプリンタキューを設定することとしているが、本願発明はこれに限定されるものではなく、論理プリンタ単位にプリンタキューを設定してもよい。つまり、複数のネットワークプリンタに対して1つの論理プリンタを設定して、その論理プリンタについて1つのプリンタキューを設定しても良いし、更には、1つのネットワークプリンタに対して複数の論理プリンタを設定して、その複数の論理プリンタのそれぞれに対してプリンタキューを設定してもよい。
【0044】
プリントジョブをネットワークに転送する場合、アプリケーション601は、印刷機能を持つネットワークプリンタに対応するプリンタキューを指定して印刷指示を発行する。この印刷指示に基づいてプリンタドライバ602によって生成されたプリントジョブがジョブ制御ポートモニタ621からジョブ制御プリントサービス622に渡されると、そのプリントジョブのジョブ情報(後述)は、まずプリンタキュー701に保持される。そして、そのプリントジョブがネットワークプリンタ105に送られる。
【0045】
次に、本発明の実施形態における、印刷ジョブ制御システムにおける制御について説明する。
【0046】
図8は、本発明の実施形態における、ジョブ制御プリントサービス622が管理する設定情報ファイルの一例を示した図である。設定情報ファイル801は、ジョブ制御プリントサービス622またはジョブ制御プリントマネージャ623の実行中に参照される、印刷ジョブ制御システムの設定情報が定義されたファイルである。
【0047】
本実施形態で使用される設定情報ファイル801には、ユーザがジョブ制御プリントマネージャ623のプリントジョブの一覧で識別したい項目の項目名称802(例えば、職員名)とその項目ID803(例えば、0x0001)が記録される。項目名称802は、図13に示すようなユーザインターフェースを使ってユーザが任意に設定した名称が記録され、項目ID803は、ジョブ制御プリントサービス622であらかじめ決められたIDが記録される。なお、項目名称および項目IDは1つまたは複数存在してもよい。
【0048】
図9は、ジョブ制御プリントサービス622が管理する印刷ジョブ情報テーブルの構成の一例を示した図である。
【0049】
本実施形態で使用されるジョブ情報テーブル901は、ジョブ制御ポートモニタ621からプリントジョブデータがジョブ制御プリントサービスに送信されるとプリンタキュー701が作成する。ジョブID902は、プリンタキュー701が管理するジョブ情報テーブルに割り当てる任意のIDであり、ジョブを識別するIDとして使用される。ドキュメント名903は、アプリケーション601が印刷するドキュメントの名前で、ジョブ制御ポートモニタ621がジョブ制御プリントサービス622にプリントジョブデータを送信するときにプリンタキュー701に通知する。スプールファイルパス904は、ジョブ制御ポートモニタ621がジョブ制御プリントサービス622に送信したプリントジョブデータを、ジョブ制御サービスがHD205に保存したファイルパスである。印刷設定情報905は、プリンタドライバインタフェースを介して設定された用紙サイズ、ステープル指示等のネットワークプリンタ105で印刷を行うために必要なプリンタ機能の情報が登録される。ユーザデータ907は、アプリケーション601が印刷時にジョブ制御プリントサービスに対して指定した項目ID906に対応する文字列や数値のようなデータである。なお、項目IDおよびユーザデータは1つまたは複数存在するものとする。
【0050】
図10は、本実施形態においてジョブ制御プリントマネージャ623が起動され、プリントジョブのリストを表示する流れについて説明している。
【0051】
ジョブ制御プリントマネージャ623を起動すると、ステップS1001で、ジョブ制御プリントマネージャ623は設定情報ファイル801から項目名称802、項目ID803を読み込む。
【0052】
ステップS1002では、項目名称802および項目ID803が存在するかを判断し、存在する場合はステップS1003でジョブ制御プリントマネージャ623が提供するユーザインターフェースのプリントジョブのリスト項目に項目名称802を追加する。
【0053】
ステップS1004では、ジョブ制御プリントマネージャ623はジョブ制御プリントサービス622のAPIを介してジョブ制御プリントサービス622が管理するプリントジョブのリストおよび各プリントジョブに対応するジョブ情報テーブル901の情報を取得する。
【0054】
ステップS1005では、ジョブ制御プリントマネージャ623が提供する図14に示すようなユーザインターフェース上に、ステップS1004で取得したジョブ情報テーブル901の値を表示する。
【0055】
このとき、項目名称802(項目ID803)に対応するジョブ情報テーブル901のユーザデータ907も表示する。
【0056】
ステップS1006では、プリントマネージャ623がジョブ制御プリントサービス622に対してプリントジョブを指定してのイベントを登録する。
【0057】
ステップS1007では、ジョブ制御プリントサービス622がプリントジョブの状態が変化したかを判断し、状態が変化した場合、プリントマネージャ623に状態変化イベントを通知する。
【0058】
ステップS1008では、ステップS1007での状態変化イベントが印刷完了であるかを判断する。印刷完了の場合、ステップS1011へ移動する。
【0059】
ステップS1009では、ステップS1008で印刷完了イベントでなかった場合、プリントマネージャ623はジョブ制御プリントサービス622からジョブ情報テーブル901の情報を取得する。
【0060】
ステップS1010では、ジョブ制御プリントマネージャ623が提供するユーザインターフェースを、ステップS1009で取得したジョブ情報テーブル901の値で更新する。
【0061】
このとき、項目名称802(項目ID803)に対応するジョブ情報テーブル901のユーザデータ907も更新する。
【0062】
ステップS1011では、図15に示すような印刷完了通知のユーザインターフェースを表示してジョブ制御プリントマネージャ623のプリントジョブのリストから印刷が完了したプリントジョブを削除する。
【0063】
上の説明では、ユーザが設定した項目名称とそれに対応するプリントジョブのユーザデータを、ジョブ制御プリントマネージャが提供する1つのユーザインターフェース上のジョブリストに表示する方法で説明を行ってきた。
【0064】
しかし、ユーザデータ907によって別のユーザインターフェース上にジョブリストを表示する場合にも本発明は応用が可能である。
【0065】
以下、図面を参照して本発明のその他の実施形態について説明する。
【0066】
図11は、項目名称802、項目ID803に加えて、ユーザデータによって別のユーザインターフェースを表示するかを示す、表示切替フラグ804を追加した設定情報ファイル801の一例を示した図である。図示した例においては、表示切替フラグ804がセット(セット=1)された場合(図示した例では“職員名”に対する表示切替フラグ)、ユーザデータ907の値が等しい場合は同一のユーザインターフェース上に、異なる場合は別のユーザインターフェース上にプリントジョブのリストを表示する。
【0067】
なお、項目名称802および表示切替フラグ804は、図16に示すようなユーザインターフェースを使って設定される。
【0068】
図12は、本実施形態においてジョブ制御プリントマネージャ623が起動され、プリントジョブのリストを表示する流れについて説明している。
【0069】
ジョブ制御プリントマネージャ623を起動すると、ステップS1201で、ジョブ制御プリントマネージャ623は設定情報ファイル801から項目名称802、項目ID803、表示切替フラグ804を読み込む。
【0070】
ステップS1202では、項目名称802および項目ID803、表示切替フラグ804が存在するかを判断し、存在する場合はステップS1203でジョブ制御プリントマネージャ623が提供するユーザインターフェースのリスト項目に項目名称802を追加する。
【0071】
ステップS1204では、ジョブ制御プリントマネージャ623はジョブ制御プリントサービス622のAPIを介してジョブ制御プリントサービス622が管理するプリントジョブのリストおよび各プリントジョブに対応するジョブ情報テーブル901の情報を取得する。
【0072】
ステップS1205では、ステップS1204で取得したプリントジョブのリストのうち、ジョブ制御プリントマネージャ623のプリントジョブのリスト上にまだ表示していない、先頭のプリントジョブのジョブ情報テーブル901の値を表示する。
【0073】
このとき、項目名称802(項目ID803)に対応するジョブ情報テーブル901のユーザデータ907も表示する。
【0074】
ステップS1206では、表示切替フラグの値が“1”であるユーザデータ907に対して、ジョブ制御プリントマネージャ623のジョブリスト上にまだ表示していないプリントジョブのユーザデータ907がステップS1205で表示したプリントジョブのユーザデータ907と等しいかを判断する。等しい場合、ステップS1207でジョブ制御プリントマネージャ623のプリントジョブのリスト上にジョブ情報テーブル901の値を表示する。
【0075】
ステップS1208では、ジョブ制御プリントマネージャ623のジョブリスト上にまだ表示していないプリントジョブをすべてステップS1206で調べたかを判断する。調べていないプリントジョブが存在する場合は、ステップS1206へ移動する。
【0076】
ステップS1209では、ジョブ制御プリントマネージャ623のジョブリスト上にまだ表示していないプリントジョブが存在するかを判断する。存在する場合はステップS1210で図17に示すように別のユーザインターフェースを表示してステップS1205へ移動する。存在しない場合はステップS1211へ移動する。
【0077】
ステップS1211では、プリントマネージャ623がジョブ制御プリントサービス622に対してプリントジョブを指定してのイベントを登録する。
【0078】
ステップS1212では、制御プリントサービス622がプリントジョブの状態が変化したかを判断し、状態が変化した場合、プリントマネージャ623に状態変化イベントを通知する。
【0079】
ステップS1213では、ステップS1212での状態変化イベントが印刷完了であるかを判断する。印刷完了の場合、ステップS1216へ移動する。
【0080】
ステップS1214では、ステップS1213で印刷完了イベントでなかった場合、プリントマネージャ623はジョブ制御プリントサービス622からジョブ情報テーブル901の情報を取得する。
【0081】
ステップS1215では、状態が変化したプリントジョブを表示しているジョブ制御プリントマネージャ623のプリントジョブのリストを、ステップS1214で取得したジョブ情報テーブル901の値で更新する。
【0082】
このとき、項目名称802(項目ID803)に対応するジョブ情報テーブル901のユーザデータ907も更新する。
【0083】
ステップS1216では、図15に示すような印刷完了通知のユーザインターフェースを表示してジョブ制御プリントマネージャ623のプリントジョブのリストから印刷が完了したプリントジョブを削除する。
【0084】
図13は、設定情報ファイル801に項目名称802を設定するためのユーザインターフェースの一例を示している。
【0085】
図14は、プリントジョブのリストを表示するためのジョブ制御プリントマネージャ623が提供するユーザインターフェースの一例を示している。
【0086】
図15は、ネットワークプリンタで印刷が完了したときに表示する完了通知のユーザインターフェースの一例を示している。
【0087】
図16は、設定情報ファイル801に項目名称802と表示切替フラグ804を設定するためのユーザインターフェースの一例を示している。
【0088】
図17は、表示切替フラグ804がセットされた場合における、プリントジョブのリストを表示するためのジョブ制御プリントマネージャ623が提供するユーザインターフェースの一例を示している。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明における印刷処理システムを示す構成図である。
【図2】本発明におけるネットワークコンピュータのハードウェア構成図である。
【図3】本発明におけるRAM202のメモリマップを表す図である。
【図4】本発明におけるFD204のメモリマップを表す図である。
【図5】本発明におけるFDドライブに対して挿入されるFDとの関係を示す図である。
【図6】本発明における印刷処理を示した図である。
【図7】本発明におけるWindows(登録商標)が提供するプリントシステムと印刷ジョブ制御システムにおける印刷ジョブの関係を示す図である。
【図8】本発明におけるジョブ制御プリントサービス622が管理する設定情報ファイルの一例を示した図である。
【図9】本発明におけるプリンタキューで管理するプリンタキュー情報を示す図である。
【図10】本発明におけるジョブ制御プリントマネージャが起動され、プリントジョブのリストを表示する処理を示すフローチャートである。
【図11】図8で示した設定情報ファイルに表示切替フラグを追加した設定情報ファイルの一例を示した図である。
【図12】本発明におけるジョブ制御プリントマネージャが起動され、ユーザデータによって別のユーザインターフェース上にプリントジョブのリストを表示する場合の処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明における設定情報ファイルに項目名称を設定するためのユーザインターフェースの一例を示している。
【図14】本発明におけるプリントジョブのリストを表示するためのジョブ制御プリントマネージャが提供するユーザインターフェースの一例を示している。
【図15】本発明におけるネットワークプリンタで印刷が完了したときに表示する完了通知のユーザインターフェースの一例を示している。
【図16】本発明における設定情報ファイルに項目名称と表示切替フラグを設定するためのユーザインターフェースの一例を示している。
【図17】ユーザデータによって別のユーザインターフェース上にプリントジョブのリストを表示する場合のジョブ制御プリントマネージャが提供するユーザインターフェースの一例を示している。
【符号の説明】
【0090】
101〜104 コンピュータ
105 ネットワークプリンタ
106 ネットワーク
200 CPU
201 ROM
202 RAM
203 FDドライブ
204 FD
205 ハードディスク(HD)
206 キーボード
207 ディスプレイ
208 システムバス
209 インタフェース
301 基本I/Oプログラム
302 オペレーティングシステム(OS)
303 ネットワークプリンタ制御プログラム
304 関連データ
305 ワークエリア
401 ボリューム情報
402 ディレクトリ情報
403 ネットワークプリンタ制御プログラム
404 関連データ
601 アプリケーションプログラム
602 PDL Driver
604 スプーラ
621 ジョブ制御ポートモニタ
622 ジョブ制御プリントサービス
623 プリントマネージャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外部処理装置に対してプリントジョブデータを転送する転送手段と、複数の前記外部処理装置を監視する監視手段とを備えたプリントシステムであって、
プリントジョブ情報の項目を設定する第1設定手段と、
前記項目に対するプリントジョブの情報を設定して印刷する印刷手段と、
前記プリントジョブの情報を管理する管理手段と、
ユーザインターフェース上に、前記プリントジョブの情報を表示する表示手段とを有することを特徴とするプリントシステム。
【請求項2】
前記プリントジョブの情報によって異なるユーザインターフェースに表示するかを設定する第2設定手段と、
異なるユーザインターフェース上に表示する表示手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のプリントシステム。
【請求項3】
複数の外部処理装置に対してプリントジョブデータを転送する転送手段と、複数の前記外部処理装置を監視する監視手段とを備えたプリントシステムにおける処理方法であって、
プリントジョブ情報の項目を設定する第1設定ステップと、
前記項目に対するプリントジョブの情報を設定して印刷する印刷ステップと、
前記プリントジョブの情報を管理する管理ステップと、
ユーザインターフェース上に、前記プリントジョブの情報を表示する表示ステップとを有することを特徴とする処理方法。
【請求項4】
前記プリントジョブの情報によって異なるユーザインターフェースに表示するかを設定する第2設定ステップを有し、異なるユーザインターフェース上に表示する第2表示ステップを有することを特徴とする請求項3に記載の処理方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを格納したコンピュータ可読の記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−3964(P2006−3964A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−176920(P2004−176920)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】