説明

プリントシール装置

【課題】 プリントシール装置において、極めて簡易にプリントシールによるブック状アルバムの作成を可能にする。
【解決手段】 プリントシールを印刷する際に、あらかじめタレントやキャラクタ等の画像データを記憶装置に格納しておき、ユーザが選択したユーザ画像とタレント画像(キャラクタ画像)とを交互に配置させるようにして、自分専用のブック状の製本アルバムが極めて簡易にできるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安価に簡易なブック状のアルバムが作成可能なプリントシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリントシール装置としては、特開2005−124643号公報(特許文献)等が知られている。
このようなプリントシール装置では、アミューズメント施設等の一部に設置され、カーテンやボックスで仕切られた空間内にカメラ、ディスプレイ装置、プリンタが配置されて、空間内で撮影さた人物の画像を印刷したシールを販売する形式のものが一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2005−124643号公報
前記従来のプリントシール装置において印刷されるシールは、葉書大のプリントシール用紙に、切手大に区画されるようにミシン目や区画線が形成されており、プリンタから排出される一枚のプリントシール用紙からミシン目に沿って手で切り離したり、ハサミで切り離すことによって、同一画像または複数種類画像のプリントシールを得ることができるものだった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、プリントシール装置における画像出力技術としては、上記の特許文献1に記載されたように、背景画像処理を工夫する等、プリントシール用紙に印刷される画像情報自体の処理技術に関するものが殆どであった。
そのため、排出されたプリントシール用紙に印刷され、画像毎に用紙を切り離してノートやシステム手帳のリフィル用紙に貼り付けてそれをプリントシールアルバムとして友人同士で閲覧し合うのが通例であった。
しかし、上記のようなプリントシールアルバムの作成は、別途ノートやシステム手帳のリフィル等の別部材が必要であり、さらに、切り離したシールの貼付位置を考えなければならず、アルバム作成に煩雑な作業を要した。
【0005】
本発明者はこのような点に鑑みて、プリントシール装置において、極めて簡易にプリントシールによるブック状のアルバムの作成が可能な技術を提供することを思い立った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、以下の手段を採用した。
本発明の請求項1は、画像データを入力して、当該画像を印刷したシールを排出するプリントシール装置であって、ユーザの指定により入力される任意の複数の画像からなる第1の画像データグループの入力を受け付ける画像入力手段と、前記第1の画像データグループとは異なる所定の複数の画像からなる第2の画像グループを記憶する所定画像データ記憶手段と、前記第1の画像データグループに属する画像データと、前記所定画像データ記憶手段から読み出した第2の画像グループに属する画像データとを、一方向に複数に縦列区画された個々の区画領域を有するプリント用紙上の各区画領域上に適宜配置して印刷出力する印刷手段と、前記第1の画像データグループに属する画像データと、前記第2の画像グループに属する画像データとのプリント用紙上の配置を制御する制御手段とからなり、前記制御手段は、印刷手段に対して、前記プリント用紙上の縦列区画された区画領域において、前記第1の画像グループに属する画像データと、前記第2の画像グループに属する画像データとを交互に配置するように制御するプリントシール装置である。
【0007】
このように、プリント用紙上に前記第1の画像グループに属する画像データ(この場合はたとえばユーザ自身の写真)と、前記第2の画像グループに属する画像データ(この場合はたとえばタレントやキャラクタの写真や画像)とを交互に配置することによって、プリント用紙の区画領域毎に山折り、谷折りを繰り返して裏面同士を貼り合わせてブック状のアルバムにした際に、タレントの写真(またはキャラクタの画像)とユーザの写真とが見開き状態で並んで配置されるため、別途ノートやシステム手帳のリフィル等を用意することなく、ユーザの好みに合わせたプリントシールによるブック状のアルバムが極めて簡易に作成することができる。
【0008】
本発明の請求項2は、前記プリント用紙は、裏面に粘着面が形成されているとともに、前記縦列区画された一端側の第1の区画領域とそれに続く第2の区画領域とを隔成する境界線が山折り、前記第2の区画領域とそれに続く第3の区画領域とを隔成する境界線が谷折り、前記第3の区画領域とそれに続く第4の区画領域とを隔成する境界線が山折りというように、境界線が山折りと谷折りを繰り返して裏面の粘着面同士を貼り合わせて見開きのブック状アルバムとなるように区画領域を隔成する境界線に山折りまたは谷折りの指示表示が印刷されていることを特徴とする請求項1記載のプリントシール装置である。
【0009】
これによれば、プリント用紙に山折り・谷折りの指示線が付加されているため、ブック状のアルバム製作が初めてのユーザであっても、極めて簡易にプリントシールによるブック状のアルバムが製作できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、極めて簡易にプリントシールによるブック状のアルバムの製作が可能なプリントシール装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】 本発明の実施形態におけるプリントシール装置のシステム構成図
【図2】 実施形態のプリントシール装置の外観図
【図3】 実施形態のプリント用紙の平面図
【図4】 実施形態の印刷済みのプリント用紙を台紙から剥離してブック状に折り畳む状態を示す説明図
【図5】 実施形態のブック状のアルバムの説明図(1)
【図6】 実施形態のブック状のアルバムの説明図(2)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の最良の実施形態を図面を用いて説明する。
本発明のプリントシール装置は、図2に示すようにアミューズメント施設や、デパート、量販店等に設置される屋内設置型の機器であり、ディスプレイパネルと、料金投入口と、媒体接続口と、シール排出口とを有している。
当該プリントシール装置のシステム構成は図1に示す通りであり、汎用のパーソナルコンピュータとディスプレイパネルと印刷装置のそれぞれの機能が組み合わされたものである。
【0013】
当該システムは、中央処理装置(CPU)を中心にメインメモリ(MM)、ハードディスク装置(HD)、ディスプレイパネル(DISP)、印刷装置(PRN)、媒体接続ユニット(MDU)、料金管理ユニット(CMU)等がバス(BUS)によって接続されている。
ハードディスク装置には、オペレーティングシステム(OS)とともにアプリケーションプログラム(APL)、タレント画像ファイル(第2の画像グループに属する画像データ)が画像データベースに格納されている。
ディスプレイパネル(DISP)は、タッチパネル機能を備えており、画面に表示された入力指示の選択画像(アイコン等)をユーザが指先でタッチすることによって、画像データの選択や、印刷出力を指示できるようになっている。
【0014】
媒体接続ユニット(MDU)は、たとえばSDカードリーダやUSBメモリ等のメディア(媒体)の接続端子であり前記媒体接続口から挿入されたこれらのメディアからユーザの写真画像(第1のグループに属する画像データ、たとえばJPEG形式の画像ファイル)を読み出す機能を有している。
印刷装置(PRN)は、用紙ストッカを備えたカラー印刷装置であり、中央処理装置(CPU)からの指示により、用紙ストッカから給紙されたシール用紙に前記ユーザの写真画像(第1のグループに属する画像データ)とタレント画像ファイル(第2の画像グループに属する画像データ)とを後述のように縦列印刷する。
【0015】
シール用紙35は、図3(a)に示すように、一方向に複数に縦列区画された個々の区画領域(30〜34)を有しており、その裏面は同図(b)に示すように粘着層36が形成されており、印刷時および排出時には当該粘着層36にはシリコーンオイルが塗布された剥離可能な台紙37が貼付されている。
本実施形態では、当該シール用紙35の表面は当該区画領域は8個の画像区画領域(30、31a、31b、32a、32b、33a、33b、34)を有している。この区画領域同士を隔成する境界線には、当該境界線を中心に「山折り」(2点鎖線)または「谷折り」(破線)の指示表示が印刷されている。このような指示表示はシール用紙35にあらかじめ印字しておいてもよいし、印刷装置(PRN)での印刷時に画像の印刷と同時に印字してもよい。
【0016】
次に、本実施形態の処理手順を説明する。
ユーザが所定の料金を料金投入口から投入すると料金管理ユニット(CMU)がこれを検出し、中央処理装置(CPU)に対してアプリケーションプログラム(APL)の割り込み処理を発生させる。
中央処理装置(CPU)は当該割り込み処理によって、媒体接続口にユーザが保持するメディア(たとえばSDカードやUDBメモリ)が接続されているか否かを媒体接続ユニット(MDU)を通じて監視する。このとき、媒体の接続が検出できないときには、ディスプレイパネル(DISP)に「SDカードやUSBメモリを接続して下さい。」等の表示を行いユーザのメディアの接続を促す。
メディアの接続が検出されたときには、当該メディアから画像データ(第2の画像グループに属する画像データ、ここではユーザの写真画像)を読み出して、サムネイル画像を生成し、ディスプレイパネル(DISP)に表示し、ユーザのタッチ操作によって、アルバムに収録したい画像を選択させる。
【0017】
次に、中央処理装置(CPU)は、ハードディスク装置(HD)からタレント画像ファイル(第2の画像グループに属する画像データ、タレント画像データ)を読み出して、サムネイル画像を生成し、ディスプレイパネル(DISP)に表示し、ユーザのタッチ操作によって、アルバムに収録したい画像を選択させる。このときタレント画像ファイル(第2の画像グループに属する画像データ)については、あらかじめ設定された画像データの組み合わせだけを選択可能としてもよいし、ユーザに任意に画像データを選択させてもよい。
【0018】
次に、中央処理装置(CPU)は、前記ユーザの写真画像と、タレント画像データとを前記シール用紙35上に交互に配置して印刷するよう、印刷装置(PRN)に指示する。
印刷装置は、前記指示にしたがって、用紙ストッカから給紙されたシール用紙35の表面にユーザの写真画像とタレント画像データとの印刷を行う。
本実施形態では、中央処理装置(CPU)は、シール用紙35上の縦列方向に連続する区画領域において、谷折りが指示された境界線の左側(31a、32a、33a)にタレント画像データを印刷し、右側(31b、32b、33b)にユーザの写真画像を印刷するよう指示している。一方、左端の区画領域30には表紙画像を印刷し、右端の区画領域34には裏表紙画像を印刷してもよい。ここで、表紙画像は前記タレント画像データにアルバムのタイトルとなる文字を挿入したものが好ましい。このタイトルの文字はタッチパネルからユーザに入力させてもよい。
このように印刷されたシール用紙35は、シール排出口から排出されて一連の処理が終了する。
【0019】
上記印刷済みのシール用紙35を受け取ったユーザは裏面の台紙37を剥離するとともに、シール用紙35に印字された山折り・谷折りの指示線通りに当該シール用紙35を図4に示すように折り畳む。
これによって、シール用紙35は図5に示すようなブック状のアルバムとなる。このときに前述のように、谷折りが指示された境界線の左側にタレント画像データが印刷され、右側にユーザの写真画像が印刷されているため、当該アルバムは図6のように、見開き状態でタレント画像とユーザ写真画像とが左右に並んだ状態で製本されて、自分専用の写真アルバムを得ることができる。
【0020】
以上、本発明を実施形態に沿って説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、シール用紙の裏面の粘着面は、粘着面同士が接触する構造となるため弱粘着性の接着剤でかまわない。
また、シール用紙の裏面の全面に粘着面を設ける必要はなく、たとえば、縦列方向に連続的に設けられた区画領域の一つおきの裏面のみを粘着面としてもよい。つまりブック状のアルバム形式とした場合には裏面同士を接着するが、相対する裏面双方が粘着面である必要はなく、片方のみが粘着面であれば十分である。このようにすることによって、粘着材料の使用量を抑えることも可能である。
なお、本実施形態のプリントシール装置ではユーザの写真画像はメディアから読み込んだ場合で説明したが、当該プリントシール装置の箱体の前面にカメラを装着して、当該プリントシール装置自体で撮影した写真画像を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、プリントシール装置に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力して、当該画像を印刷したシールを排出するプリントシール装置であって、
ユーザの指定により入力される任意の複数の画像からなる第1の画像データグループの入力を受け付ける画像入力手段と、
前記第1の画像データグループとは異なる所定の複数の画像からなる第2の画像グループを記憶する所定画像データ記憶手段と、
前記第1の画像データグループに属する画像データと、前記所定画像データ記憶手段から読み出した第2の画像グループに属する画像データとを、一方向に複数に縦列区画された個々の区画領域を有するプリント用紙上の各区画領域上に適宜配置して印刷出力する印刷手段と、
前記第1の画像データグループに属する画像データと、前記第2の画像グループに属する画像データとのプリント用紙上の配置を制御する制御手段とからなり、
前記制御手段は、印刷手段に対して、前記プリント用紙上の縦列区画された区画領域において、前記第1の画像グループに属する画像データと、前記第2の画像グループに属する画像データとを交互に配置するように制御するプリントシール装置。
【請求項2】
前記プリント用紙は、裏面に粘着面が形成されているとともに、前記縦列区画された一端側の第1の区画領域とそれに続く第2の区画領域とを隔成する境界線が山折り、前記第2の区画領域とそれに続く第3の区画領域とを隔成する境界線が谷折り、前記第3の区画領域とそれに続く第4の区画領域とを隔成する境界線が山折りというように、境界線が山折りと谷折りを繰り返して裏面の粘着面同士を貼り合わせて見開きブック状のアルバムとなるように区画領域を隔成する境界線に山折りまたは谷折りの指示表示が印刷されていることを特徴とする請求項1記載のプリントシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−148280(P2011−148280A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24728(P2010−24728)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(510033468)
【Fターム(参考)】