説明

プリント配線板およびその製造方法

【課題】ビアの開口パターンの外観品質を安定的に正確に検査することを可能とした、あるいはそのようなビアの開口パターンの不具合の発生と強い相関関係のある、ビアの開口にて露出するランド部における銅(Cu)の溶出の発生の有無を安定的に正確に検査することを可能とした、プリント配線板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】銅配線パターン3のうちの少なくとも1本は、ビア7の開口にて露出しているランド部5と、当該ランド部5とは別の位置にて当該ランド部5の露出面積よりも小さな面積で表面が露出するように設けられた銅(Cu)溶出検知用リード部9とに接続されており、銅(Cu)溶出検知用リード部9の表面に無電解錫(Sn)めっき膜が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部接続用やIC接続用のリード部やランド部等に連なる銅(Cu)配線パターン上にPSR(フォトソルダレジスト)膜を形成し、そのPSR膜で覆われることとなく露出している部分の各種リード部やランド部の表面上に選択的に無電解錫(Sn)めっき膜を形成してなる構造を有するプリント配線板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、この種のプリント配線板のなかでも、特に配線ピッチがファインなものとして、プリント配線板上に設けられたIC接続用のリード部にLCD(Liquid Crystal Display
device)駆動用ICの接続パッドを金−錫(Au−Sn)共晶によって接続する構造を
有する、COF(Chip On Film)と呼ばれる方式のプリント配線板がある。
COF方式のプリント配線板では、配線ピッチを20μmとする技術の実用化が、現在、鋭意進められている状況にある。配線ピッチをこのようにファインにすることが強く要請される主要な理由の一つとしては、ICの1個当りの処理信号数を増やして、できるだけ小さな面積のCOFに実装することにより、そのICやそれが実装されるCOFの外形寸法のさらなる小型化を促進すると共に、その総合的な製造コストや材料コストの低廉化を図る、ということがある。
【0003】
図5は、従来の液晶表示パネルなどに用いられているCOF方式のモジュール全体の概観を示したものである。絶縁性基板101としては、例えばポリイミドのような有機材料からなるフィルム基材などが用いられており、スタート材として、ラミネート、キャスティング、スパッタリング、蒸着などにより、銅(Cu)層が形成された2層CCL(Copper Clad Lamination)材を用いるのが一般的である。その銅層は、圧延や電解めっきによって所望の厚さに形成されており、それをフォトグラフィ法によってパターニングすることで、入力リード部102や出力リード部105、およびそれらとIC104とをIC接続用リード部(図示省略)を介して電気的に接続するための銅(Cu)配線パターン(図示省略)が形成される。銅配線パターンの殆どの部分は熱硬化型SR(Solder Resist)
膜103によって覆われている(以上、例えば特許文献1参照)。
特に、IC104と出力リード105とを結ぶ配線パターンが500本を超えるようになると、銅配線パターンには極めてファインな配線ピッチが要求されることとなる。その銅配線パターンや入力リード102および出力リード105の表面全面には、無電解錫めっき膜が施され、そのめっき膜の形成後に、熱硬化型のSRを、必要な形状に印刷〜ポストベークして形成するのが一般的である。その後、IC104を金−錫(Au−Sn)共晶接続し、その接続部等を封止材(図示省略)によって封止して、図5に示したモジユールの主要部が完成する。こうして完成したモジユールの出力リード105には、液晶表示パネルが、例えばACF(Anisotropic Conductive Film)を介して接続される。
【0004】
COFは一般に、配線ピッチをファイン化することができ、かつ安価で、電気的信頼性を高いものとすることができるという特質を有しており、熱硬化型のSRと無電解錫(Sn)めっきとが組み合わされて採用される場合が殆どであり、例えばいわゆる液晶TV(テレビジョン)に用いられる液晶表示パネルの分野では、そのような組み合せはデファクト・スタンダードとなっている。
無電解錫めっきは、例えば特許文献2にて提示されているように、銅箔をパターン加工してなる銅配線パターンからの銅(Cu)の溶出という不都合な特質を有している。このため、まず銅配線パターン全面に無電解錫めっきを施した後に、その銅配線パターンの所定位置を覆うように熱硬化型のSRを施す、という手順を踏むのが一般的となっている(従来の製造プロセスに関しては図示省略;以下同様)。
熱硬化型のSRを施した後は、無電解錫めっき膜の存在に因るウィスカの発生を防止するために、いわゆるベーキングを行うが、その際には、後のIC実装工程での金−錫共晶接続を良好なものとするために、ベーキング後の無電解錫めっき膜に所定量の純錫(Sn)層が残るような条件を満たすように、例えば130℃以下の温度でベークを行うようにしている。
【0005】
他方、リジット多層プリント配線板の分野では、ロジックICをフリップチップ実装する構造を有するリジット多層プリント配線板における、最外層の銅配線パターンの上にPSR膜を設け、そのPSR膜にフォトリソグラフィ法によって多数の微細な開口を設けることで、その開口にて露出した各種リード部等の表面に、ロジックICの接続パッドをはんだリフローで接続することができるようにしている。この方式は、C4とも呼ばれ、例えば外形寸法が比較的大きめで、かつ入出力端子数が500個以上のようないわゆる超多ピンのICにおける、その極めて多数の入出力用接続用パッドと、それに対応するリジッド多層プリント配線板における極めて多数のIC接続用のリード部とを、1つのリフロー工程で接続することが可能な構造として、最も適しているものと考えられる。
【0006】
ところで、近年提案されている新技術として、例えば500個以上のような極めて多数の接続用パッドを有するICが実装できるように、その接続用パッド数に対応した500個以上のIC接続用のリード部を設けることが要請されるプリント配線板において、PSR膜に微細なビアを二次元的に縦横に亘って配列形成し、その個々のビアの開口から、ランド部をそれぞれ露出させ、そのランド部の表面上に、例えばはんだバンプを設けることによって、一般的なプリント配線板と同様に、はんだリフロー接続し、他方、IC接続用のリードは、一般的なCOFと同様の、金−錫共晶接合によって接続する、という技術がある(この構成については図示省略)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−221590号公報
【特許文献2】特開2000−36521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような新技術を実用化するためには、PSR膜と無電解錫めっき膜とを組み合わせたCOF方式のプリント配線板の、さらに新しい構造や製造方法が必要となると考えられるが、その場合、特に、PSR膜のポストキュア温度は一般に150℃以上と熱硬化型のSR(Solder Resist)よりも高温なので、PSR膜を設けてポストキ
ュアを行う工程よりも前の工程で無電解錫めっきを施すと、PSR膜のポストキュアの際に、無電解錫めっき膜の皮膜全体に銅配線パターンの銅(Cu)が拡散し、その結果、ICとの金−錫共晶接続が不可能になるという致命的な不都合が生じてしまうこととなる。
これを防止するためには、例えば、さらにもう一回あるいは複数回追加で無電解錫めっきを施す、といった対策が必要になるが、左様な2回以上の無電解錫めっきを施すことは、そのプリント配線板の全体的な構造や製造プロセスの複雑化・煩雑化を招いてしまい、延いては製造コストや材料コストの低廉化の阻害要因となる。このため、一回の無電解錫めっきのみで済むように、PSR膜を設ける工程(特にそのポストキュア工程)より以降に、無電解錫めっきを施す、という工程順を踏むことが必要となる。
ところが、このような工程順を踏む製造方法では、例えばPSR膜に設けたビアの開口パターンの再現性が良好でなかった場合には、無電解錫めっきを施す工程で、銅配線パターンから銅(Cu)が溶出してしまうという問題が生じる。これは、一般的なPSRインクのうち、はんだリフロー接続に適しているのはネガ型のものであるが、そのネガ型のPSRインクを塗布またはPSRフィルムをラミネートしてなるPSR膜に微細なビアの開
口パターンを露光する際に、不可避的に露光光の回折現象が生じることに起因して、PSR開口部付近に現像残りや潜像形成不良などの不具合が発生しやすいことによるものと考えられる。而してこのような回折現象の発生自体を、露光装置の光学系を全面的に特殊なものに変更することなしに、根本的に回避または解消することは、実際上極めて困難もしくは実質的に不可能である。また、そのように露光装置の光学系を全面的に特殊なものに変更することは、極めて高いコストや手間が要求される上に、そのような光学系を技術的に開発〜実用化すること自体からして、ここでの本来の解決課題とは別の技術的困難さや煩雑さも多くなる虞がある。
【0009】
あるいは、そのようなPSR膜に形成される微細なビアのパターン不良の発生を外観検査によってチェックすることで品質管理を行って、出荷される製品としてのプリント配線板の品質を維持・保証する、という対処法も有効であると考えられる。
ところが、実際上、500個以上のような極めて多数の微細なビアの外観検査を、例えば倍率5〜50倍の実体顕微鏡等を用いて目視等によって行おうとしても、その個数が500個以上のように余りにも多く、かつそれらはPSR膜の形成されている領域内に二次元的に縦横に亘って配置されているので、その作業能率が低いものとならざるを得ないという問題がある。また、極めて微細なビアの品質を評価するに際して、その品質の良否を外観の目視によって安定的に正確に判定することは、その良否の境界が必ずしも明確ではないことなどに起因して、極めて困難なものとならざるを得ないという問題がある。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みて成されたもので、その目的は、特に銅配線パターン上の所定位置にPSR膜を設け、そのPSR膜に覆われておらずに露出したリード部や、PSR膜を貫通するように設けられたビアによって露出するように設けられたランド部の表面に無電解錫めっきを施してなるプリント配線板において、ビアの開口パターンの外観品質を安定的に正確に検査することを可能とする、あるいはそのようなビアの開口パターンの不具合の発生と強い相関関係のある、ビアの開口にて露出するランド部における銅(Cu)の溶出の発生の有無を安定的に正確に検査することを可能とする、プリント配線板およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のプリント配線板は、絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に設けられた、外部接続用および/またはIC接続用のリード部と、素子接続用のランド部と、前記リード部および/または前記ランド部に連なる銅(Cu)配線パターンと、前記銅配線パターン上を覆うように形成されたPSR(フォトソルダレジスト)膜と、前記PSR膜で覆われておらずに露出している前記リード部および前記PSR膜を貫通するように設けられたビアの開口にて露出している前記ランド部の表面に選択的に施された無電解錫(Sn)めっき膜と、を有するプリント配線板であって、前記銅配線パターンのうちの少なくとも1本は、前記ビアの開口にて露出している前記ランド部と、当該ランド部とは別の位置にて当該ランド部の露出面積よりも小さな面積で表面が露出するように設けられた銅(Cu)溶出検知用リード部とに接続されており、前記銅(Cu)溶出検知用リード部の表面に無電解錫(Sn)めっき膜が形成されていることを特徴としている。
本発明のプリント配線板の製造方法は、絶縁性基板上に、外部接続用および/またはIC接続用のリード部と、素子接続用のランド部と、前記リード部および/または前記ランド部に連なる銅(Cu)配線パターンを形成する工程と、前記銅配線パターン上を覆うようにPSR(フォトソルダレジスト)膜を形成する工程と、前記PSR膜で覆われておらずに露出しているリード部および前記PSR膜を貫通するように設けられたビアの開口にて露出しているランド部の表面に選択的に無電解錫(Sn)めっき膜を形成する工程と、を含んだプリント配線板の製造方法であって、前記銅配線パターンのうちの少なくとも1本を、前記ビアの開口にて露出しているランド部と、当該ランド部とは別の位置にて当該ランド部の露出面積よりも小さな面積で表面が露出するように設けられた銅(Cu)溶出
検知用リード部とに接続したパターンとして形成する工程と、前記PSR膜の形成後に、前記リード部の表面および前記ランド部の表面ならびに前記銅(Cu)溶出検知用リード部の表面に無電解錫(Sn)めっき膜を形成する工程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、銅配線パターンのうちの少なくとも1本は、ビアの開口にて露出しているランド部と、そのランド部とは別の位置にてそのランド部の露出面積よりも小さな面積で表面が露出するように設けられた銅(Cu)溶出検知用リード部とに接続されており、その銅溶出検知用リード部の表面にも無電解錫(Sn)めっき膜が形成されているようにしたので、無電解錫(Sn)めっきを施した際に、ビアの開口にて露出しているランド部の表面に銅(Cu)の溶出が発生した場合には、それに起因して銅溶出検知用リード部の表面に形成される無電解錫(Sn)めっき膜の膜厚が、銅(Cu)の溶出がなかった場合とは異なった膜厚となり、それに基づいて、ビアの開口パターンの外観品質を安定的に正確に検査することが可能となる。あるいは、そのようなビアの開口パターンの不具合の発生と強い相関関係のある、ビアの開口にて露出するランド部における銅(Cu)の溶出の発生の有無を安定的に正確に検査することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリント配線板の概観を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプリント配線板における、特に表面に無電解錫めっき膜が形成されたランド部およびIC接続用のインナーリード部ならびに銅溶出検知用リード部と、それらに連なると共にPSR膜に覆われた銅配線パターンとを、部分的に抽出・拡大して示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るプリント配線板における、銅溶出検知用リード部をIC接続用のインナーリード部で兼用した構成とした場合の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るプリント配線板における作用を模式的に示す図である。
【図5】従来のCOF方式のプリント配線板の概観の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係るプリント配線板およびその製造方法について、図面を参照して説明する。
このプリント配線板の主要部の構成は、図1、図2に示したように、絶縁性基板1の片面上に、外部接続用リード部2、銅(Cu)配線パターン3、IC4、ランド部5、PSR(フォトソルダレジスト)膜6、ビア7、インナーリード部8、銅(Cu)溶出検知用リード部9を備えている。
【0015】
さらに詳細には、このプリント配線板は、絶縁性基板1上に設けられた、外部接続用リード部2およびIC接続用のインナーリード部8と、素子接続用のランド部5と、外部接続用リード部2またはインナーリード部8もしくはランド部5のうち少なくともいずれか1種類に連なる銅配線パターン3と、その銅配線パターン3の主要部の上を覆うように形成されたPSR膜6と、そのPSR膜6で覆われておらずに露出している外部接続用リード部2の表面およびPSR膜6を貫通するように設けられたビア7の開口にて露出しているランド部5の表面に選択的に施された無電解錫(Sn)めっき膜(図示省略)とを有するプリント配線板であって、銅配線パターン3のうちの少なくとも1本が、ビア7の開口にて露出しているランド部5とそのランド部5とは別の位置に設けられてそのランド部5の露出面積よりも小さな面積で表面が露出している銅溶出検知用リード部9とに接続されており、その銅溶出検知用リード部9の表面にも無電解錫めっき膜が形成されている。ここで、本発明の実施の形態では、望ましい一態様として、ランド部5に連なっている全ての銅配線パターン3が、銅溶出検知用リード部9にも連なるように設けられている構成を
主眼に置いて説明するものとする。
【0016】
それら外部接続用リード部2、ランド部5、インナーリード部8、銅溶出検知用リード部9の各表面上に施された無電解錫めっき膜は、一回のめっきプロセスによって形成された一回めっき膜であり、そのめっき膜の厚さ方向における実質的な組成上の構成は、図示は省略するが、表面から順に、銅(Cu)を含まない純錫(Sn)めっき領域と、銅(Cu)が拡散した銅拡散錫めっき領域とを含んだ構成となっており、かつその電解錫めっき膜全体の膜厚が、0.10μm以上0.60μm以下となっている。
このような膜厚とすることが望ましい理由は、錫めっき厚が0.10μm以下では、ベーク時に純錫層を残すことが困難であり、また市販の錫めっき液では、0.6μm以上の錫めっき厚を確保することが困難であるからである。
【0017】
絶縁性基板1は、例えばポリイミド樹脂フィルムのような有機材料を含んだ材質のものであり、銅配線パターン3は、配線ピッチが40μm以下となっている。
また、銅配線パターン3は、配線ピッチが40μm以下の部分を含んでおり、かつその配線ピッチが40μm以下の部分では、その銅配線パターン3の立体的なトップ幅が2μm以下となっている。
このような配線ピッチとすることが望ましい理由は、PSR膜6から露出している銅溶出検知用リード部9の表面積(錫めっき面積)が小さいほど、ランド部での銅の溶出に対する感度が向上するので、ファインピッチであればあるほど好ましいからである。
また、このようなトップ幅とすることが望ましい理由は、自動外観検査機や測定器が安定的に銅溶出検知用リード部9のトップ幅を認識することができ、かつその銅溶出検知用リード部9の表面積(錫めっき面積)を小さくすることができるからである。
【0018】
PSR膜6には、所定の位置ごとに、ランド部5の表面を露出させるためのビア7の開口が、例えば円形のような所定の微細な直径を有するパターン形状で設けられている。そのPSR膜6の下に銅配線パターン3が形成されている。PSR膜6の膜厚は、銅配線パターン3の表面から8μm以上20μm以下の厚さにすることが望ましい。
このような膜厚とすることが望ましい理由は、PSR膜6の電気的信頼性を確保するためには8μm以上の厚さであることが望ましく、かつそのPSR膜6に安定的に正確にビアホールを形成するためには20μm以下の厚さであることが望ましいからである。
ここで、PSR膜6の上には、さらに1層以上のPSR膜(図示省略)を積層するようにしてもよい。
【0019】
インナーリード8は、IC4の接続用パッドに対して金−錫共晶接続されるように設定された接続用リード部である。銅溶出検知用リード部9は、後述するような作用によって、ビア7で露出しているランド部5の表面に銅(Cu)の溶出が発生した場合に、それをこのランド部5の表面に形成される無電解錫めっき膜の異常析出として検知するために設けられたものである。
IC4の入出力端子数(ピン数)が500本の場合には、一般に、それに対応してインナーリード部8、ランド部5、ビア7も、それぞれ500個を設けることが必要となる場合が多い。このような極めて多数のランド部5が、広い範囲に亘って二次元的に縦横に配置されている場合、その1個ずつを実体顕微鏡で外観検査していくことは、作業能率が極めて悪いものとなる。しかし、それとは対照的に、図2に一例を示したように、限られた狭い範囲内にファインピッチで整然と配列形成されている銅溶出検知用リード部9を、その表面に設けられた無電解錫めっき膜の析出異常に着目して実体顕微鏡で外観検査した方が、例えば10倍以上のような高い効率で外観検査することが可能となるのである。
【0020】
ここで、銅溶出検知用リード部9は、そのパターン加工精度上の不都合等が生じることのない範囲内で、インナーリード8や外部接続用リード部2よりもファインピッチに形成
することが望ましい。そのようにすることにより、上記の如く実体顕微鏡で外観検査を行う際の作業能率を、さらに高いものとすることが可能となる。また、銅溶出検知用リード部9自体は、基本的に、外部との電気的接続等には何ら関与しないものなのであるから、例えばモジュールの状態になるなどして完成した最終製品では、IC4の実装後にポッティング樹脂等によって封止または被覆された状態にしてもよい。
【0021】
あるいは、銅溶出検知用リード部9は、IC接続用リード部であるインナーリード部8の露出面積をランド部5の露出面積よりも小さくすることが可能である場合には、図3に一例を示したように、インナーリード部8と兼用としてもよい。その場合のインナーリード8兼銅溶出検知用リード部9の配線ピッチは、銅配線パターン3や、それに連なる図2に示した構造における銅溶出検知用リード部9の場合と同様に、40μm以下とすることが望ましい。
【0022】
このプリント配線板の製造方法における主要部は、次のようなものである。
絶縁性基板1上に、外部接続用リード部2と、ランド部5と、インナーリード部8と、それらのうちの少なくともいずれか1種類に連なる銅配線パターン3を形成する工程と、銅配線パターン3上を覆うようにPSR膜6を形成する工程と、PSR膜6で覆われておらずに露出している外部接続用リード部2、インナーリード部8、PSR膜6を貫通するように設けられたビア7の開口にて露出しているランド部5の、各表面に一回の無電解錫めっきプロセスによって選択的に無電解錫めっき膜を形成する工程とを含んだプリント配線板の製造方法であって、銅配線パターン3のうちの少なくとも1本を、ビア7の開口にて露出しているランド部5と、そのランド部5とは別の位置にてそのランド部5の露出面積よりも小さな面積で表面が露出するように設けられた銅溶出検知用リード部9とに接続したパターンとして形成する工程と、PSR膜6の形成後に、外部接続用リード部2、インナーリード部8、ランド部5の各表面ならびに銅溶出検知用リード部9の表面に、無電解錫めっき膜を形成する工程とを含んでいる。
【0023】
そして、上記の製造方法によって製造されたプリント配線板では、無電解錫めっき膜を形成した後、銅溶出検知用リード部9の表面に形成された無電解錫めっき膜の膜厚に基づいて、ランド部5の表面における銅(Cu)の溶出の有無の判定またはそのランド部5のビア7の開口のパターン再現性の良否判定を行うことができるようになっている。
【0024】
ここで、上記の製造方法の主要な流れにおいて、PSR膜6を形成する前に、プラズマを用いた洗浄、および/または過酸化水素、硫酸、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムのいずれかの薬剤を含む処理液を用いた洗浄を、その製造中のプリント配線板上に施すことは、望ましい一態様である。
また、無電解錫めっきについては、PSR膜6のポストベーク温度が150℃以上と高く、その温度では銅(Cu)が無電解錫めっき膜中に拡散し、遂には全層(全厚さ)に亘って純錫(Sn)層が消滅してしまう虞が高い。このため、PSR膜6のポストベーク後に、無電解錫めっき膜の形成を行うという手順を踏むことが必要となる。また、IC4の超多端子化(いわゆる超多ピン化)に対応するためには、例えば500個を超えるビア7を形成する必要があるが、その場合、各個片の実装パッケージの小型化や低コスト化のために、ビア7の直径は例えば250μm以下のような超小径化・超小面積化が要求されるので、熱硬化型SRインクの印刷による塗布で形成される方式の熱硬化型SR膜では、良好な開口パターン形状を得ることは実際上不可能である。このため、PSR膜6を用い、それにフォトリソグラフィ法によってパターン加工を施して、微細なビア7の形成を行うことが得策となる。
【0025】
このプリント配線板の製造方法においては、銅配線パターン3のパターン加工を行う工程までは、一般的な液晶表示パネル用のCOFのようなプリント配線板などの製造方法で
用いられるプロセスと同様の一般的なプロセスを適用可能である。
そのパターン加工工程では、フォトリソグラフィ法およびエッチング法によってパターン加工を行って銅配線パターン3を形成するようにすることは、望ましい具体的一態様である。その場合、エッチング液としては、塩化第二鉄系、または塩化第二銅系のものが利用可能である。また、そのようなエッチング液に曝されることとなるので、絶縁性基板1の材質としては、そのようなエッチング液等の薬剤や水分・湿気等に対する物性変動の少ないものが望ましい。また、PSR膜6のポストベークやモジュール製造時(IC4の実装時など)の加熱に耐えられる耐熱性も必要である。それらの条件に適合する絶縁性基板1の具体的な材料基材としては、例えばポリイミド系の基材が適格である。
【0026】
そして、上記の条件をほぼ満たすCCL(Copper Clad Lamination)材としては、スパッタ法によって形成されたものが好適である(例えば、商品名;エスパーフレックス/住友金属鉱山社製、または商品名;メタロイヤル/東レアドバンストフィルム社製など)。
【0027】
銅配線パターン3のパターン加工後は、PSR膜6用のインク材料をスクリーン印刷法によってこの製造中のプリント配線板上に塗布することとなるが、その前処理として、銅配線パターン3の表面上に付着・残存している虞のある有機物の残渣や汚染物質等を除去するために、例えばアルカリ性の過マンガン酸カリウム液などを用いて弱いデスミアを施すことや、硫酸を用いて銅配線パターン3の表面の酸化膜の除去を行うことは、最終的に得られるCOFモジュールの電気的信頼性を確保するために有効である。
使用可能なPSR膜6用のインク材料としては、具体的に実験等を行って確認したところ、モジュールの出力側の接続がはんだリフローによって成されるように設定されている場合には、太陽インキ社製のPSR−4000シリーズが、はんだリフロー工程との相性がよく、好適であった。あるいは、はんだリフロー時のブリッジ対策としてPSR膜6を2層以上の積層構造とする場合には、PSR膜6の第1層目のポストベークを10〜100%実施した後に、2層目以降の形成を行うようにすることが望ましい。
【0028】
PSR膜6を塗布、ポストベークした後、そのPSR膜6に対してフォトリソグラフィ法によってパターン加工を施して、各ランド部5の表面を所定の寸法および開口パターン形状で露出させる微細なビア7等を形成する。
【0029】
このようにしてPSR膜6を形成した後、PSR膜6で覆われることなく露出している外部接続用リード部2、ランド部5、インナーリード部8、銅溶出検知用リード部9の各表面に、無電解錫(Sn)めっきを施すこととなるが、この無電解錫めっき工程で用いられるめっき液としては、具体的には、市販の無電解錫(Sn)めっき液を用いることが可能である。
この工程で形成する無電解錫めっき膜の膜厚は、0.4〜0.5μm程度が好適である。これは、0.5μm超のように厚過ぎると、その無電解錫めっき膜の外観不良等が発生しやすくなり、また逆に0.4μm未満のように薄過ぎると、その無電解錫めっき膜に対するポストベーク後に、実用上十分な純錫(Sn)層を残すことが困難になるからである。そのポストベークプロセスは、100℃以上130℃以下の温度範囲内で行うものとし、意図的に銅配線パターン3から銅(Cu)原子を無電解錫めっき膜内へと拡散させることで、無電解錫めっき膜からのウィスカの発生を抑止ないしは解消する。なお、このポストベークプロセスでは、無電解錫めっき膜における純錫(Sn)領域が0.1μm〜0.2μm程度の厚さで残るようにすることが望ましい。
【0030】
本発明の実施の形態に係るプリント配線板およびその製造方法では、ビア7の開口から露出しているランド部5における銅(Cu)の溶出を、簡易に、正確かつ能率よく検知(検査)することができる。その作用について、図4の模式図に即して説明する。
実装されるIC4の接続用パッド数が、例えば500個以上のように極めて多い揚合に
は、それに対応して、プリント配線板側のビア7の開口寸法は、例えば直径250μm以下のように微細径化・微細面積化を余儀なくされる。そして、ビア7が小面積であるほど、それを形成するためのPSR膜6の露光工程における露光光の回折の悪影響に因って、完成したビア7のパターン再現性に問題が生じやすくなる。特に、このプリント配線板およびその製造方法で好適なPSR膜6はネガ型(光が当たったところが硬化して、現像時に溶けないで残る)なので、ビア7の開口付近には、同心円状に現像残り等に起因したパターン形成不良が発生する虞(不都合な事象の発生確率)が高くなる。
【0031】
そのようなパターン形成不良がビア7の開口付近に生じると、無電解錫めっき膜の形成時に、いわゆる隙間腐食のような形で局部電池10が生じて、錫(Sn)めっき膜が形成されるよりも速い反応速度で、ランド部5における局部電池10が生じている部分の表面から銅(Cu)が銅イオン(Cu2+)12となって溶出する。
そうすると、銅配線パターン3の内部では、銅イオン12が抜け出した分だけ、電子(e)11が過剰な状態になる。そして、ビア7の開口は極めて小径であることから、めっき液の循環や供給が難しい傾向にあるため、ビア7の開口付近では錫イオン(Sn2+)13aが不足気味になり、ビア7の開口付近つまりランド部5の表面における、無電解錫めっき膜の成長は遅くなる。他方、それに比べて、PSR膜6の端部や比較的大きめの開口部にて露出している銅溶出検知用リード部9、外部接続用リード部2、インナーリード部8の各表面では、めっき液の循環や供給が円滑に行われやすいので、錫イオン(Sn2+)13bの供給も十分に行われることとなる。
【0032】
その結果、銅配線パターン3内の過剰な電子11は、ランド部5における局部電池10で発生した後、矢印14で模式的に示したように銅配線パターン3を通って、ランド部5とは別の、例えばPSR膜6の端部にて露出するように設けられた銅溶出検知用リード部9の位置へと移動し、その表面で錫イオン13bと結合して、無電解錫めっき膜(図示省略)となる。このような銅(Cu)が溶出したことで生じる過剰な電子11の振舞いによって、銅溶出検知用リード部9の表面における無電解錫めっき膜の形成速度が、ランド部5の表面における無電解錫めっき膜の形成速度よりも速くなる。ここで銅配線パターン3内を矢印14で示したように移動する過剰な電子11の量が一定と仮定すると(つまり銅配線パターン3からの電子11の漏出や他の部位等からの電子の流入が全くないものとすると)、銅配線パターン3に連なる銅溶出検知用リード部9や外部接続用リード部2やインナーリード部8の各表面では、その露出面積が小さいほど、無電解錫めっき膜の成長速度が増して、異常析出が発生しやすくなる。
【0033】
このことから、ビア7の開口にて露出しているランド部5に銅配線パターン3を介して連なる銅溶出検知用リード部9を、例えばPSR膜6の端部のような、めっき液の循環が円滑に行われる部位に、露出面積を小さめに設けることにより、微細なビア7にて露出しているランド部5に発生した銅(Cu)の溶出を、銅溶出検知用リード部9の表面における無電解錫めっき膜の異常析出(あるいはその膜厚の増大)という明確な外観に基づいて、検知(あるいは検査もしくは判定)することが可能となる。
【0034】
また、その検知精度をより高いものとするためには、銅溶出検知用リード部9の露出面積を、より小さなものとすればよいことになる。そのような小さな表面積にする具体的な手段としては、(1)そのボトム幅を小さくする、(2)そのトップ幅を小さくする、(3)その露出長さを短くする、(4)その厚さを薄くする(銅溶出検知用リード部9の側面にも着膜するので)、という手段を個別に用いるか、もしくはそれらを適宜に組み合わせて用いるようにすればよい。
【0035】
但し、銅配線パターン3やその他各種パターンの寸法や形状を自動測定装置等によって測定・検査する場合には、銅配線パターン3等のトップ幅は、測定結果の信頼性を確保す
るために、約1μm以上とすることが望ましい。また、ボトム幅については、銅配線パターン3等の厚さと同等かそれ以上とすることが、機械的強度の確保の点で望ましいが、実装の際に外力が加わらない部位の場合などについては、この限りでない。
【0036】
なお、絶縁性基板1の基材として、ポリイミド樹脂フィルム以外で使用可能な有機材料としては、例えばポリアミドイミド系、アラミド系のものも挙げることができる。 また
、所定以上の剛性を有する材料を用いることが要請される場合には、例えばガラスクロスにエポキシ系やBTレジン系の樹脂を組み合わせた基板材料等を用いることが可能である。
また、銅配線パターン3のパターン形成法としては、エッチング法のようなサブトラクティブ法以外にも、アディテイブ法やセミアディティブ法を用いることも可能である。
また、PSR膜6のインク材料の塗布方法としては、インクコータを用いた方法等を用いることが可能である。あるいは、絶縁性基板1上にインク材料を塗布するのではなく、銅配線パターン3が形成された絶縁性基板1上にドライフィルムPSRをラミネートするようにしてもよい。
また、PSR膜6にビア7の開口を形成する方法としては、フォトリソグラフィ法以外にも、正確にビーム径やエネルギ密度等を調節することなどが必要とされるが、レーザビーム照射法などを用いることも可能である。そしてこのレーザビーム照射法を用いる場合には、PSRではなく熱硬化型SRを使用することも可能となる。また、そのような熱硬化型SRとしてポリイミド系のものを用いる場合には、薬液によるエッチングプロセスによって、ビア7の開口を形成することも可能である。
【0037】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るプリント配線板およびその製造方法によれば、PSR膜6に設けられたビア7の開口にて露出するランド部5の表面で発生する銅(Cu)の溶出の発生の有無を、そのランド部5に銅配線パターン3を介して連なるように設けられた銅溶出検知用リード部9の表面における無電解錫めっき膜の析出異常に着目して、簡易かつ明確に検知することが可能となる。また、その銅溶出検知用リード部9の表面における無電解錫めっき膜の析出異常の発生の程度、つまり銅溶出の検知感度は、主にその銅溶出検知用リード部9の露出面積を小さくすることによって、より高感度なものとすることができるので、そのような露出面積を適宜に所望の大きさに調節することにより、ランド部5の表面で発生する銅(Cu)の溶出の発生の有無を判定する境界(閾値)を適宜に所望のレベルに設定・調節することも可能となる。
そして、その結果、実体顕微鏡で外観検査を行う際に、1個ずつビア7の開口にて露出しているランド部5を検査する代りに、比較的狭い限定された範囲内に整然とファインピッチで一列に配列形成されている一纏まりの銅溶出検知用リード部9の一群を、その列に単純に沿って検査するだけで済むこととなる。そしてまた、実体顕微鏡の一視野内で、多数の銅溶出検知用リード部9を整然と目視確認することが可能となるので、外観検査の効率を、個々のランド部5の一つ一つを探しながら確認していた従来技術の場合と比較して、飛躍的に高いものとすることが可能となる。また、同じパターン形状の銅溶出検知用リード部9を整然と配列形成してなるものとすることにより、実体顕微鏡の一視野内で、一つの銅溶出検知用リード部9の外観や膜厚を他の銅溶出検知用リード部9のそれと比較して確認・検査することが可能となるので、その外観検査における異常の発見を、さらに容易かつ確実なものとすることができ、延いてはその外観検査の精度や信頼性の向上にも寄与することが可能となる。
【符号の説明】
【0038】
1 絶縁性基板
2 外部接続用リード部
3 銅配線パターン
4 IC
5 ランド部
6 PSR膜
7 ビア
8 インナーリード部
9 銅溶出検知用リード部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に設けられた、外部接続用および/またはIC接続用のリード部と、素子接続用のランド部と、前記リード部および/または前記ランド部に連なる銅(Cu)配線パターンと、前記銅配線パターン上を覆うように形成されたPSR(フォトソルダレジスト)膜と、前記PSR膜を貫通するように設けられたビアの開口にて露出している前記ランド部の表面および前記PSR膜で覆われておらずに露出している前記リード部の表面に選択的に施された無電解錫(Sn)めっき膜とを有するプリント配線板であって、
前記銅配線パターンのうちの少なくとも1本は、前記ビアの開口にて露出している前記ランド部と、当該ランド部とは別の位置にて当該ランド部の露出面積よりも小さな面積で表面が露出するように設けられた銅(Cu)溶出検知用リード部とに接続されており、かつ当該銅(Cu)溶出検知用リード部の表面に無電解錫めっき膜が形成されている
ことを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】
請求項1記載のプリント配線板において、
前記無電解錫(Sn)めっき膜は、一回のめっきプロセスによって形成された一回めっき膜であり、当該めっき膜は、表面から順に、銅(Cu)を含まない純錫(Sn)めっき領域と、銅(Cu)が拡散した銅拡散錫めっき領域とを含んだ構成となっており、かつ当該無電解錫(Sn)めっき膜全体の膜厚が、0.10μm以上0.60μm以下である
ことを特徴とするプリント配線板。
【請求項3】
請求項1または2記載のプリント配線板において、
前記絶縁性基板は、有機材料を含んだ材質からなるものであり、
前記銅配線パターンは、配線ピッチが40μm以下の部分を有する
ことを特徴とするプリント配線板。
【請求項4】
請求項3記載のプリント配線板において、
前記配線ピッチが40μm以下の部分では、その配線パターンのトップ幅が2μm以下の部分がある
ことを特徴とするプリント配線板。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちいずれか1つの項に記載のプリント配線板において、
前記PSR膜の上に、さらに1層以上のPSR膜を積層してなる
ことを特徴とするプリント配線板。
【請求項6】
絶縁性基板上に、外部接続用および/またはIC接続用のリード部と、素子接続用のランド部と、前記リード部および/または前記ランド部に連なる銅(Cu)配線パターンを形成する工程と、前記銅配線パターン上を覆うようにPSR(フォトソルダレジスト)膜を形成する工程と、前記PSR膜で覆われておらずに露出しているリード部および前記PSR膜を貫通するように設けられたビアの開口にて露出している前記ランド部の表面に選択的に無電解錫(Sn)めっき膜を形成する工程とを含んだプリント配線板の製造方法であって、
前記銅配線パターンのうちの少なくとも1本を、前記ビアの開口にて露出しているランド部と、当該ランド部とは別の位置にて当該ランド部の露出面積よりも小さな面積で表面が露出するように設けられた銅(Cu)溶出検知用リード部とに接続したパターンとして形成する工程と、
前記PSR膜の形成後に、前記リード部の表面および前記ランド部の表面ならびに前記銅(Cu)溶出検知用リード部の表面に、無電解錫(Sn)めっき膜を形成する工程と
を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載のプリント配線板の製造方法において、
前記無電解錫(Sn)めっき膜を形成した後、前記銅(Cu)溶出検知用リード部の表面に形成された無電解錫(Sn)めっき膜の膜厚に基づいて、前記ランド部の表面における銅(Cu)の溶出の有無の判定および/または前記ランド部のビアの開口のパターン再現性の良否の判定を行う工程を含む
ことを特徴とするプリント配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−66181(P2011−66181A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215263(P2009−215263)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【出願人】(300055719)日立電線ファインテック株式会社 (96)
【Fターム(参考)】