説明

プリント配線板の製造方法及びプリント配線板

【課題】下孔内に絶縁材を充填する際の垂下を防止するプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】プリント配線板の製造方法は、低熱膨張率の導電性の基材2の面部に下孔3を形成する工程と、下孔3の底面側の基材2の面部2Cに剥離フィルム12を張り合わせることで、張り合わされたフィルム12で下孔3の底面側を閉塞する底部8を形成する工程とを実行する。更に、製造方法は、下孔3に絶縁材4を充填する工程と、絶縁材4が充填された下孔3内に複数のスルーホール5を形成する工程と実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板の製造方法及びプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、熱膨張率が3〜3.5ppm/℃程度のシリコンウエハに近い低熱膨張率のプリント配線板が求められている。例えば、基材のプリプレグ材に使用する繊維材料又は基材に使用する材料を適宜選択することで、プリント配線板の基材の低熱膨張化を図ろうとしている。しかしながら、このようなプリント配線板の基材は、概ね11ppm/℃以上の熱膨張率となるため、シリコンウエハに近い熱膨張率を得るのは難しい。
【0003】
そこで、改善方法として、ガラス繊維に代えて、約100GPaを超える高弾性率で、かつ、1ppm/℃以下の低熱膨張率のカーボン繊維等の無機繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグ材を基材に使用することが知られている。また、無機繊維の代わりに、インバー材等の低熱膨張特性の合金板をプリント配線板のコアに使用することも知られている。尚、無機繊維及びインバー材等の合金板は導電性材料である。
【0004】
そこで、このような改善方法を採用したプリント配線板について説明する。図20は、プリント配線板の一例の断面図である。図20に示すプリント配線板100は、カーボン繊維等の無機繊維又はインバー材等の低熱膨張率の導電性材料を基材101に使用している。プリント配線板100では、基材101の表面101A及び裏面101B上に絶縁層102で接着した銅箔をエッチングすることで配線層103が形成してある。プリント配線板100は、基材101が導電性材料であるため、表面101Aの配線層103と裏面101Bの配線層103との間を接続するスルーホール104を基材101から電気的に絶縁する構造が必要となる。従って、プリント配線板100では、配線層103を形成する前に、スルーホール104が形成される部分に大きめの下孔105を形成してエポキシ等の絶縁材106で穴埋めする。その結果、基材101とスルーホール104との間を絶縁材106で電気的に絶縁する二重構造となる。
【0005】
従って、導電性材料の基材101を使用したプリント配線板100では、スルーホール104と基材101との間を絶縁材106で絶縁することになる。しかしながら、プリント配線板100では、1個のスルーホール104を形成するのに1個の下孔105を要するため、スルーホール104の数を増やす場合、下孔105の数も増えて下孔105の配置スペース確保が求められる。そこで、スルーホール104の数に比して下孔105の数を抑えるため、1個の下孔105内に複数のスルーホール104を形成することも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−15654号公報
【特許文献2】特開2002−353588号公報
【特許文献3】特開2009−170500号公報
【特許文献4】特開2004−119691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、基材101の表面101A及び裏面101Bを貫き形成した下孔105の内部の表面積は、スルーホール104の内径の大きさに依存し、下孔105内に配置するスルーホール104の配置個数に応じて大きくなる。従って、下孔105内に溶融した絶縁材106を充填する充填工程では、下孔105の内径が大きくなると、下孔105内に充填する絶縁材106の量も多くなる。その結果、絶縁材106の量が多くなると、自重で下孔105の底面から絶縁材106が垂下してしまうため、下孔105内に絶縁材106を充填する際の作業負担が大である。しかも、配線層103を多層化した場合には、配線層103分の熱膨張率の増加を抑制するために低熱膨張率の基材101の厚みが大きくなる。そして、基材101の厚みが大きくなるに連れて、下孔105の内周の壁面積も広くなるため、下孔105内に充填する絶縁材106の量も多くなる。その結果、自重で下孔105の底面から絶縁材106が垂下してしまうことになる。
【0008】
そこで、下孔105内に充填する絶縁材106の垂下を防止するため、絶縁材106の粘性を高めることも考えられるが、その粘性を高めるにも限界がある。更に、絶縁材106の粘性を高め過ぎると、下孔105内に絶縁材106を充填する際に、絶縁材106が充填し辛くなって充填の作業負担が生じる。
【0009】
1つの側面では、下孔内に絶縁材を充填する際の作業負担を軽減できるプリント配線板の製造方法及びプリント配線板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一つの態様では、導電性材料の基材の面部に下孔を形成する工程と、前記下孔の底面側を閉塞する底部を形成する工程と、前記下孔に絶縁材を充填する工程と、前記絶縁材が充填された前記下孔内に複数の貫通孔を形成する工程とを含むようにした。
【発明の効果】
【0011】
下孔内に絶縁材を充填する際の作業負担を軽減した。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施例1のプリント配線板の一例を示す断面図である。
【図2】図2は、実施例1のプリント配線板の製造方法の一例を示す説明図である。
【図3】図3は、実施例1のプリント配線板の製造方法の一例を示す説明図である。
【図4】図4は、実施例1のプリント配線板の下孔に形成したスルーホールの一例を示す説明図である。
【図5】図5は、実施例1のプリント配線板(多層プリント配線板)の一例を示す断面図である。
【図6】図6は、実施例1のプリント配線板(ビルドアップ型プリント配線板)の一例を示す断面図である。
【図7】図7は、実施例2のプリント配線板の一例を示す断面図である。
【図8】図8は、実施例2のプリント配線板の製造方法の一例を示す説明図である。
【図9】図9は、実施例2のプリント配線板の製造方法の一例を示す説明図である。
【図10】図10は、実施例3のプリント配線板の製造方法の一例を示す説明図である。
【図11】図11は、実施例3のプリント配線板の製造方法の一例を示す説明図である。
【図12】図12は、実施例4のプリント配線板の製造方法の一例を示す説明図である。
【図13】図13は、実施例4のプリント配線板の製造方法の一例を示す説明図である。
【図14】図14は、実施例5のプリント配線板の一例を示す断面図である。
【図15】図15は、実施例5のプリント配線板の製造方法の一例を示す説明図である。
【図16】図16は、実施例5のプリント配線板の製造方法の一例を示す説明図である。
【図17】図17は、本実施例の下孔に形成したスルーホールの一例を示す説明図である。
【図18】図18は、本実施例の下孔に形成したスルーホールの一例を示す説明図である。
【図19】図19は、本実施例の下孔に形成したスルーホールの一例を示す説明図である。
【図20】図20は、プリント配線板の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本願の開示するプリント配線板の製造方法及びプリント配線板の実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。
【実施例1】
【0014】
図1は、実施例1のプリント配線板の一例を示す断面図である。図1に示すプリント配線板1は、例えば、配線層を両面に形成した両面タイプの配線板である。プリント配線板1は、導電性材料の基材2と、基材2の面部2Aを貫き形成された下孔3とを有する。更に、プリント配線板1は、下孔3内に絶縁材4を充填して下孔3を穴埋めする穴埋め部4Aと、下孔3内の穴埋め部4Aに形成された複数のスルーホール5とを有する。更に、プリント配線板1は、基材2の面部2A上に形成された絶縁層6と、絶縁層6上に積層された銅箔をエッチングすることで形成された配線層7とを有する。
【0015】
基材2は、例えば、カーボン繊維の織布又は不織布等の複数のプリプレグ材を熱プレスして形成したカーボン繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforce Plastic)等の低熱膨張率の導電性基材である。尚、低熱膨張率とは、例えば、約5ppm/℃以下の熱膨張率である。基材2は、例えば、ガラスクロス等の基材に絶縁樹脂を含浸させて銅箔を張り合わせて積層したCCL(Copper Clad Laminate)の銅箔をエッチングで除去したアンクラッド材をコアとする。また、基材2は、カーボン繊維等の無機繊維の他に、アルミ+炭素の複合材、銅+炭素の複合材、銅+銀合金、鉄+ニッケルのインバー材等でも良い。更に、基材2は、鉄+ニッケル+コバルトのスーパーインバー材、鉄+コバルト+クロムのステンレスインバー材、鉄+プラチナのFe−Pt合金、鉄+鉛のFe−Pb合金等でも良い。
【0016】
絶縁材4には、例えば、エポキシ系の熱硬化性樹脂を使用する。尚、絶縁材4は、絶縁材4自体の熱膨張率を下げるためにシリカフィラーを混合した低熱膨張率の樹脂である。また、絶縁材4は、例えば、熱可塑性樹脂や紫外線硬化型樹脂等を使用しても良い。穴埋め部4Aは、下孔3内に充填された絶縁材4を熱硬化させることで、当該下孔3を穴埋めするものである。下孔3内の穴埋め部4Aには、基材2の面部2Aである表面2B及び裏面2C双方に配置した配線層7同士を導通する複数のスルーホール5が形成してある。
【0017】
次に、実施例1のプリント配線板1の製造方法について説明する。図2及び図3は、実施例1のプリント配線板1の製造方法の一例を示す説明図である。図2の(A)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、基材2を形成する基材形成工程を実行する。熱プレス装置は、カーボン繊維の織布又は不織布に合成樹脂を含浸させてBステージ化した複数のプリプレグ材11を複数積層する。尚、カーボン繊維は、例えば、熱膨張率が約0ppm/℃、弾性率が約370GPaの繊維を使用する。更に、このカーボン繊維は、FR4等で使用する樹脂を塗工しても、硬化後の低熱膨張基材(CFRP)の物性値で熱膨張率が約0ppm/℃、弾性率が約80GPaの特性が得られる。そして、熱プレス装置は、これら積層された複数のプリプレグ材11を熱プレスすることで、図2の(B)に示すように、低熱膨張率の基材2を形成する。次に、図2の(C)の製造方法では、図示せぬ穿孔装置を使用して、下孔形成工程を実行する。穿孔装置は、基材2の面部2Aに、表裏を貫通する所定サイズの下孔3を形成する。
【0018】
図2の(D)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、下孔3の底部8を形成する底部形成工程を実行する。熱プレス装置は、粘着層を備えた剥離フィルム12を基材2の裏面2Cに積層し、この粘着層で剥離フィルム12を基材2の裏面2Cに貼着する。尚、粘着層は、耐熱性及び剥離性を備えた、例えば、ポリイミドテープ等のアクリル系の粘着層である。剥離フィルム12は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等のフィルムである。その結果、剥離フィルム12は、図2の(E)に示すように、下孔3の底面側の開口を閉塞する底部8となる。
【0019】
更に、図2の(F)の製造方法では、図示せぬ真空印刷機等の充填装置を使用して、基材2の下孔3内に溶融した穴埋め用の絶縁材4を充填する充填工程を実行する。尚、絶縁材4は、例えば、その熱膨張率を低下させる目的でシリカフィラーを混合した熱膨張率が約33ppm/℃、弾性率が4.7GPaの樹脂を使用する。この際、剥離フィルム12は、下孔3内の底部8となるため、充填された絶縁材4の底面側への垂下を防止できる。真空印刷機は、真空状態でメタルマスクを使用して下孔3の位置に絶縁材4を印刷し、印刷後に絶縁材4を大気開放することで、下孔3内にボイドを発生させることなく、基材2の表面2B側から下孔3内に絶縁材4を充填する。
【0020】
図2の(G)の製造方法では、図示せぬ加熱装置を使用して、下孔3内に充填された絶縁材4を熱硬化させることで穴埋め部4Aを形成する。尚、絶縁材4は、例えば、約150℃で硬化する。従って、加熱装置は、下孔3内に充填された絶縁材4の温度を約150℃の状態で所定時間加熱することで、下孔3内に穴埋め部4Aを形成する。そして、基材2の裏面2Cに貼着した剥離フィルム12を剥離する。尚、下孔3内に充填された絶縁材4を熱硬化させた直後、加熱温度を下げずに基材2の裏面2Cに貼着した剥離フィルム12を剥離した場合、剥離フィルム12の粘着層を基材2の裏面2Cから残らず剥離できる。更に、図示せぬ研削装置は、例えば、バフロールを使用して、基材2の面部2A及び基材2上に突出する穴埋め部4Aの面を研削して平坦化する。その結果、銅箔積層工程やパターン形成工程等の後工程を円滑に行うことができる。
【0021】
更に、図3の(A)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、基材2の面部2A上に銅箔14を積層する銅箔積層工程を実行する。熱プレス装置は、基材2の面部2A上に接着用プリプレグ材13を配置し、更に、この接着用プリプレグ材13上に銅箔14を配置し、熱プレスを実行する。熱プレス装置は、熱プレスを実行することで、図3の(B)に示すように、接着用プリプレグ材13で基材2の面部2Aに絶縁層6を形成すると共に、この絶縁層6上に銅箔14を積層する。尚、接着用プリプレグ材13は、カーボン繊維の露出を防止する合成樹脂を含浸したガラス繊維を含有する素材である。
【0022】
更に、図3の(C)の製造方法では、図示せぬ穿孔装置を使用して、スルーホール形成工程を実行する。穿孔装置は、設計されたスルーホール5の配置構成に基づき、基材2の下孔3内に充填された絶縁材4の穴埋め部4Aに複数のスルーホール孔5Aを形成する。その結果、各スルーホール孔5Aは、絶縁材4の穴埋め部4Aによって、相互の絶縁性は勿論のこと、基材2との絶縁性も確保されることになる。更に、図3の(D)の製造方法では、図示せぬメッキ装置を使用して、スルーホール孔5Aの内周壁面に銅メッキを施す。メッキ装置は、スルーホール孔5Aの内周壁面に、例えば、熱膨張率が約17ppm/℃の銅メッキを施してスルーホール5を形成する。そして、図3の(E)の製造方法では、図示せぬパターニング装置を使用して、基材2の面部2Aの絶縁層6上に配線層7を形成するパターン形成工程を実行する。パターニング装置は、絶縁層6上に積層された銅箔14上にレジストを形成する。更に、パターニング装置は、絶縁層6上の銅箔14をエッチングすることで絶縁層6上に配線層7を形成する。その結果、実施例1のプリント配線板1が完成する。
【0023】
図4は、実施例1のプリント配線板1の下孔3に形成したスルーホール5の一例を示す説明図である。図4に示す下孔3内の穴埋め部4Aには、7個のスルーホール5が形成してある。1個のスルーホールに対して1個の下孔を形成する従来の配置構成では、例えば、CFRPの低熱膨張率基材に形成するスルーホールの直径を0.35mmとした場合、スルーホールの位置精度を考慮すると、0.75mm〜0.8mmの下孔を形成する必要がある。下孔の直径Dを0.75mmとした場合、スルーホール1個当たりに要する下孔の面積は、D×π/4=0.75×π/4≒0.589(mm)となる。尚、下孔の直径0.75mmに対してスルーホールの直径0.35mmとした場合、基材とスルーホールとの間の絶縁性や、スルーホール相互間の絶縁性を保つのに0.2mmの間隔を要する。
【0024】
そこで、例えば、0.2mm以上の間隔(0.2mm〜0.21mm)を保持しながら7個のスルーホール5を形成したとする。この際、図4に示す下孔3の直径D1は、スルーホール5の直径D2を0.35mm、スルーホール5相互間の間隔L1を0.21mm、基材2及びスルーホール5間の間隔L2を0.20mmとした場合、次のような式となる。D1=(D2×3)+(L1×2)+(L2×2)=(0.35×3)+(0.21×2)+(0.2×2)となる。そして、下孔3の面積は、((D2×3)+(L1×2)+(L2×2))×π/4=((0.35×3)+(0.21×2)+(0.2×2))×π/4=1.87×π/4≒2.746(mm)となる。
【0025】
従って、下孔3内の1個当たりのスルーホール5に要する面積は、下孔3の面積の1/7、すなわち約0.392(mm)となる。従って、1個のスルーホールに対して1個の下孔を形成する配置構成に比較して、下孔3内の1個当たりのスルーホール5に要する下孔3の面積は33.4%削減できたことになる。その結果、下孔3にスルーホール5を配置する際の配置密度の向上が図れる。また、下孔3は、基材2とスルーホール5との間の絶縁性及び、スルーホール5相互間の絶縁性を確保するスルーホール5の配置構成を考えると、図4に示すように、下孔3の同心円の円周上に中心を有するスルーホール5を配置するのが望ましい。
【0026】
実施例1の製造方法では、基材2の裏面2Cに剥離フィルム12を貼着し、この剥離フィルム12で下孔3の開口を閉塞する底部8とし、絶縁材4の充填時に、底部8で下孔3内に充填された絶縁材4の垂下を防止できる。その結果、下孔3内に絶縁材4を充填する充填工程での作業負担を軽減することで、導電性の基材2の下孔3内に複数のスルーホール5を形成する際の作業負担が軽減できる。
【0027】
実施例1のプリント配線板1では、1個の下孔3内に複数のスルーホール5を形成するようにしたので、下孔3内の1個当たりのスルーホール5に要する下孔3の表面積を抑制できる。その結果、下孔3内の穴埋め部4Aの表面積が小さくなって、熱膨張率の高い絶縁材4の量が少なくなるため、プリント配線板1全体の低熱膨張率化に寄与できる。
【0028】
尚、上記実施例1では、図1に示すように両面タイプのプリント配線板1を例示したが、多層タイプのプリント配線板にも適用可能である。図5は、実施例1の多層プリント配線板の一例を示す断面図である。尚、図1に示すプリント配線板1と同一のものには同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図5に示す多層プリント配線板1Aでは、両面タイプのプリント配線板1の表裏に積層した配線層7上に、回路を形成した両面銅張板7Aを挟み込んでプリプレグ材料で積層することで多層構造とした。つまり、多層プリント配線板1Aにも本実施例を適用できる。
【0029】
更に、図6は、実施例1のプリント配線板(ビルドアップ型プリント配線板)の一例を示す断面図である。尚、図1に示すプリント配線板1と同一のものには同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図6に示すビルドアップ型プリント配線板1Bは、両面タイプのプリント配線板1に形成したスルーホール5内に穴埋め用の絶縁材4を充填して蓋メッキ51をした後、その配線層7上にビルドアップ配線層7Bを積層する構造とした。つまり、ビルドアップ型プリント配線板1Bにも本実施例を適用できる。
【0030】
尚、上記実施例1のプリント配線板1の製造方法では、基材2の底面側の面部2Aに剥離フィルム12を貼着し、この貼着した剥離フィルム12で下孔3の底面側の開口を閉塞する底部8とした。そこで、他の実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。
【実施例2】
【0031】
図7は、実施例2のプリント配線板の一例を示す断面図である。尚、実施例1のプリント配線板1と同一のものには同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図7に示すプリント配線板1Cは、第1の基材20A及び第2の基材20Bと、第1の基材20Aの面部に形成された第1の下孔3Aと、第2の基材20Bの面部に形成された第2の下孔3Bとを有する。更に、プリント配線板1Cは、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部同士を接着する接着シート30の絶縁層30Aを有する。
【0032】
更に、プリント配線板1Cは、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に充填された絶縁材4が熱硬化されることで形成され、第1の下孔3A及び第2の下孔3Bを穴埋めした穴埋め部4Bを有する。更に、プリント配線板1Cは、穴埋め部4Bに形成され、第1の下孔3A、絶縁層30A及び第2の下孔3Bを貫通する複数のスルーホール5を有する。更に、プリント配線板1Cは、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部に形成した絶縁層6と、絶縁層6上に形成した銅箔をエッチングすることで形成された配線層7とを有する。
【0033】
第1の基材20Aは、前述したCFRP等の低熱膨張率の導電性基材である。同様に、第2の基材20Bも、CFRP等の低熱膨張率の導電性基材である。絶縁層30Aは、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部間に配置された絶縁性の接着シート30で形成される。尚、接着シート30は、例えば、エポキシ系の材料に相当し、Bステージ化されたシートをラミネートしたものである。また、接着シート30は、例えば、ポリイミドフィルムに接着層を形成したシート、又は液晶ポリマー等の熱可塑系の材料を使用しても良い。絶縁層30Aは、第1の下孔3Aと第2の下孔3Bとが重なり合うように第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部同士を接合する。穴埋め部4Bは、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に充填された絶縁材4が熱硬化されることで形成され、第1の下孔3A及び第2の下孔3Bを穴埋めするものである。穴埋め部4Bには、第1の基材20A上の配線層7と第2の基材20B上の配線層7とを導通する複数のスルーホール5が形成してある。
【0034】
次に、実施例2のプリント配線板1Cの製造方法について説明する。図8及び図9は、実施例2のプリント配線板1Cの製造方法の一例を示す説明図である。図8の(A)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、第1の基材20A及び第2の基材20Bを形成する基材形成工程を実行する。熱プレス装置は、複数のプリプレグ材11を積層し、これら積層されたプリプレグ材11を熱プレスすることで、図8の(B)に示すように、低熱膨張率の第1の基材20A及び第2の基材20Bを形成する。次に、図8の(C)の製造方法では、図示せぬ穿孔装置を使用して、下孔形成工程を実行する。穿孔装置は、第1の基材20Aの面部に表裏に貫通する第1の下孔3Aを形成すると共に、第2の基材20Bの面部に表裏に貫通する第2の下孔3Bを形成する。
【0035】
図8の(D)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部同士を接合する接合工程を実行する。熱プレス装置は、第1の下孔3A及び第2の下孔3B同士が重なり合うように、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部間に絶縁性の接着シート30を配置する。更に、熱プレス装置は、第1の基材20A及び第2の基材20B間の接着シート30に熱プレスして第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部同士を接合する絶縁層30Aを形成する。その結果、絶縁層30Aは、図8の(E)に示すように、第1の基材20Aの面部及び第2の基材20Bの面部を接着すると共に、第1の下孔3A及び第2の下孔3Bの開口を閉塞する底部8となる。
【0036】
図8の(F)の製造方法では、図示せぬ充填装置を使用して、充填工程を実行する。充填装置は、例えば、第1の基材20Aの第1の下孔3Aの開口側を天方向に向け、第1の基材20Aの第1の下孔3A内に溶融した絶縁材4を充填する。この際、絶縁層30Aは、第1の下孔3Aの底部8となるため、第1の下孔3A内に充填された絶縁材4の開口側の垂下を防止できる。更に、図示せぬ加熱装置は、第1の下孔3A内に充填された絶縁材4を熱硬化させる。充填装置は、第1の下孔3A内に充填された絶縁材4を熱硬化させた後、第2の下孔3Bの開口側を天方向に向ける。更に、充填装置は、図8の(G)に示すように、第2の基材20Bの第2の下孔3B内に溶融した絶縁材4を充填する。この際、絶縁層30Aは、第2の下孔3Bの底部8となるため、第2の下孔3B内に充填された絶縁材4の開口側への垂下を防止できる。更に、加熱装置は、第2の下孔3B内に充填された絶縁材4を熱硬化させる。その結果、加熱装置は、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に、熱硬化された絶縁材4で穴埋め部4Bを形成する。更に、図示せぬ研削装置は、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部及び面部上に突出する穴埋め部4Bの面を研削して平坦化する。その結果、銅箔積層工程やパターン形成工程等の後工程を円滑に行うことができる。
【0037】
尚、図8の(F)及び(G)の製造方法では、第1の下孔3A内に充填された絶縁材4を熱硬化させた後、第2の下孔3B内に絶縁材4を充填して熱硬化させた。しかしながら、加熱装置は、第1の下孔3A内に充填された絶縁材4を完全に熱硬化せず、第1の下孔3A内に充填された絶縁材4が開口側に垂れない程度に熱硬化させる仮熱硬化を行うようにしても良い。更に、充填装置は、第1の下孔3A内に充填された絶縁材4の仮熱硬化後、第2の下孔3B内に絶縁材4を充填する。そして、加熱装置は、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内の絶縁材4を完全に熱硬化させる。この場合、第1の下孔3A及び第2の下孔3Bの異なるタイミングでの絶縁材4の熱硬化で発生し得るプリント配線板1Cの反りを抑制できる。また、絶縁材4に紫外線硬化型の絶縁材を使用した場合、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に充填した絶縁材4を仮熱硬化させた後、完全に熱硬化させる本ベークを実行するようにしても良い。
【0038】
また、図9の(A)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部に銅箔14を積層する銅箔積層工程を実行する。熱プレス装置は、基材2の面部に接着用プリプレグ材13を配置し、更に、この接着用プリプレグ材13上に銅箔14を配置し、熱プレスを実行する。熱プレス装置は、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部に絶縁層6を形成すると共に、この絶縁層6上に銅箔14を積層する。更に、図9の(B)の製造方法では、図示せぬ穿孔装置を使用して、スルーホール形成工程を実行する。穿孔装置は、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に充填された絶縁材4の穴埋め部4Bに複数のスルーホール孔5Aを形成する。その結果、各スルーホール孔5Aは、絶縁材4の穴埋め部4Bによって、相互の絶縁性は勿論のこと、第1の基材20A及び第2の基材20Bとの絶縁性も確保されることになる。
【0039】
更に、図9の(C)の製造方法では、図示せぬメッキ装置を使用して、スルーホール孔5Aの内周壁面に銅メッキを施してスルーホール5を形成する。そして、図9の(D)の製造方法では、図示せぬパターニング装置を使用して、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部の絶縁層6上に配線層7を形成するパターン形成工程を実行する。その結果、実施例2のプリント配線板1Cが完成する。
【0040】
実施例2の製造方法では、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部同士を接合する絶縁層30Aで第1の下孔3A及び第2の下孔3Bの底部8となし、この底部8で第1の下孔3A及び第2の下孔3Bに充填された絶縁材4の開口側への垂下を防止する。その結果、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に絶縁材4を充填する充填工程での作業負担を軽減することで、導電性の第1の基材20A及び第2の基材20Bの第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に複数のスルーホール5を形成する際の作業負担が軽減できる。
【0041】
実施例2のプリント配線板1Cでは、第1の下孔3A及び第2の下孔3Bで1個の下孔3となし、この下孔3内に複数のスルーホール5を形成するようにしたので、下孔3内の1個当たりのスルーホール5に要する下孔3の表面積を抑制できる。その結果、下孔3内の穴埋め部4Bの表面積が小さくなって、熱膨張率の高い絶縁材4の量が少なくなるため、プリント配線板1C全体の低熱膨張率化に寄与できる。
【0042】
本実施例においてアンクラッド材を絶縁樹脂材料のコアに用いた理由は、下孔3を加工した第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部同士を単純にプリプレグ材等で張り合わせた場合でも、次の効果が得られる。低粘度化した樹脂分がその表面張力などで下孔3の中に流動し、積層後プリプレグのガラスクロスが露出してボイドとなる問題や、樹脂分が流動して下孔3から液垂れする問題を改善できる。
【0043】
本実施例では、実際に製造する際に使用する低熱膨張プリプレグが、カーボン繊維に樹脂を含浸させた材料であり、熱硬化後の特性としては、弾性率が約68GPa、熱膨張率1ppm/℃のCFRP材料である。低熱膨張プリプレグを複数合わせて(実際には5枚)積層して得られた0.85mmの板厚の材料2枚(第1の基材20A及び第2の基材20B)を使用して、アンクラッド材が100μm、接着層が約60μmの材料により張り合わせて得られたコア材料を用いた。そして、図4に示すようなスルーホール5の配置構成をした結果、この低熱膨張コア部分(表面の配線層7を含まない)の熱膨張率の測定値は、4.75ppm/℃となった。これに対して、従来方法で製造したコア部分の熱膨張率を測定した結果が5.45ppm/℃であったため、約13%の熱膨張率の改善が得られた。これは、あくまで、0.85mmの基材を使用した場合であるので、低熱膨張基材を張り合わせる絶縁層の厚さに対して、低熱膨張材料の厚さの比率が増加すると、更に効果が大きくなると考えられる。
【0044】
尚、上記実施例1の製造方法では、基材2の裏面2Cに貼着された剥離フィルム12で下孔3の底部8を形成するようにしたが、基材2の裏面2Cに銅箔14を積層する絶縁層30Aで下孔3の底部8を形成するようにしても良い。そこで、この場合の実施の形態につき、実施例3として以下に説明する。
【実施例3】
【0045】
図10及び図11は、実施例3のプリント配線板1Dの製造方法の一例を示す説明図である。尚、実施例1のプリント配線板1と同一のものには同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【0046】
図10の(A)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、基材2を形成する基材形成工程を実行する。熱プレス装置は、低熱膨張率の複数のプリプレグ材11を積層し、これら積層された複数のプリプレグ材11を熱プレスすることで、低熱膨張率の基材2を形成する。次に、図10の(B)の製造方法では、図示せぬ穿孔装置を使用して、基材2の面部2Aに表裏に貫通する下孔3を形成する下孔形成工程を実行する。
【0047】
図10の(C)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、底部形成工程を実行する。熱プレス装置は、下孔3が形成された基材2の裏面2C上に接着用プリプレグ材13Aを配置し、更に、この接着用プリプレグ材13A上に銅箔14を配置し、熱プレスを実行する。その結果、熱プレス装置は、基材2の裏面2Cに絶縁層6Aを形成すると共に、この絶縁層6A上に銅箔14を積層する。その結果、絶縁層6Aは、下孔3の底面側の開口を閉塞する底部8となる。
【0048】
更に、図10の(D)の製造方法では、図示せぬ充填装置を使用して、基材2の下孔3内に溶融した絶縁材4を充填する充填工程を実行する。この際、絶縁層6Aは、下孔3の底部8となるため、充填された絶縁材4の底面側への垂下を防止できる。加熱装置は、下孔3内に充填された絶縁材4を熱硬化させることで、下孔3内に穴埋め部4Cを形成する。更に、図示せぬ研削装置は、基材2の面部2A及び基材2上に突出する穴埋め部4Cの面を研削して平坦化する。その結果、銅箔積層工程やパターン形成工程等の後工程を円滑に行うことができる。
【0049】
図10の(E)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、基材2の表面2B上に銅箔14を積層する銅箔積層工程を実行する。熱プレス装置は、基材2の面部2A上に接着用プリプレグ材13を配置し、更に、この接着用プリプレグ材13上に銅箔14を配置し、熱プレスを実行する。熱プレス装置は、基材2の面部2Aに絶縁層6を形成すると共に、この絶縁層6上に銅箔14を積層する。更に、図11の(A)の製造方法では、図示せぬ穿孔装置を使用して、スルーホール形成工程を実行する。穿孔装置は、基材2の下孔3内に充填された絶縁材4の穴埋め部4Cに複数のスルーホール孔5Aを形成する。その結果、各スルーホール孔5Aは、絶縁材4の穴埋め部4Cによって、相互の絶縁性は勿論のこと、基材2との絶縁性も確保されることになる。更に、図11の(B)の製造方法では、図示せぬメッキ装置を使用して、スルーホール孔5Aの内周壁面に銅メッキを施してスルーホール5を形成する。そして、図示せぬパターニング装置は、図11の(C)に示すように、基材2の面部2Aの絶縁層6及び6A上に配線層7を形成するパターン形成工程を実行する。その結果、実施例3のプリント配線装置1Dが完成する。
【0050】
実施例3の製造方法では、基材2の裏面2Cに形成した、銅箔14を積層する絶縁層6Aを下孔3の開口を閉塞する底部8となし、この底部8で下孔3内に充填された絶縁材4の垂下を防止できる。その結果、下孔3内に絶縁材4を充填する充填工程での作業負担を軽減することで、導電性材料の基材2の下孔3内に複数のスルーホール5を形成する際の作業負担が軽減できる。
【0051】
実施例3のプリント配線板1Dでは、1個の下孔3内に複数のスルーホール5を形成するようにしたので、下孔3内の1個当たりのスルーホール5に要する下孔3の表面積を抑制できる。その結果、下孔3内の穴埋め部4Cの表面積が小さくなって、熱膨張率の高い絶縁材4の量が少なくなるため、プリント配線板1D全体の低熱膨張率化に寄与できる。
【0052】
尚、上記実施例1の製造方法では、基材2の裏面2Cに貼着した剥離フィルム12で下孔3の底部8を形成するようにしたが、剥離フィルム12等の別部材を用いることなく、下孔3の底部8を形成するようにして良い。そこで、この場合の実施の形態につき、実施例4として以下に説明する。
【実施例4】
【0053】
図12及び図13は、実施例4のプリント配線板の製造方法の一例を示す説明図である。尚、上記実施例1のプリント配線板1と同一のものには同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【0054】
図12の(A)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、基材2を形成する基材形成工程を実行する。熱プレス装置は、低熱膨張率の複数のプリプレグ材11を積層し、これら積層されたプリプレグ材11に熱プレスすることで、低熱膨張率の基材2を形成する。次に、図12の(B)の製造方法では、図示せぬ穿孔装置を使用して、基材2の面部2Aに、底部33Aを備えた下孔33を形成する下孔形成工程を実行する。
【0055】
図12の(C)の製造方法では、図示せぬ充填装置を使用して、基材2の下孔33内に溶融した絶縁材4を充填する充填工程を実行する。この際、下孔33の底部33は、充填された絶縁材4の底面側への垂下を防止できる。加熱装置は、下孔33内に充填された絶縁材4を熱硬化させる。図12の(D)の製造方法では、下孔33内に充填された絶縁材4を熱硬化させた後、図示せぬ穿孔装置を使用して、絶縁材4が充填された下孔33の底部33Aを除去することで、絶縁材4が充填された下孔33と連通する除去孔33Bを形成する。
【0056】
図12の(E)の製造方法では、図示せぬ充填装置を使用して、除去孔33B内に溶融した絶縁材4を充填する。この際、先に熱硬化させた絶縁材4で除去孔33B内に充填された絶縁材4の垂下を防止できる。更に、加熱装置は、除去孔33B内に充填された絶縁材4を熱硬化させる。その結果、加熱装置は、除去孔33B内に充填された絶縁材4を熱硬化することで穴埋め部4Dを形成する。更に、図示せぬ研削装置は、基材2の面部2A及び基材2上に突出する穴埋め部4Dの面を研削して平坦化する。その結果、銅箔積層工程やパターン形成工程等の後工程を円滑に行うことができる。
【0057】
図13の(A)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、基材2の面部2A上に銅箔14を積層する銅箔積層工程を実行する。熱プレス装置は、基材2の面部2A上に接着用プリプレグ材13を配置し、更に、この接着用プリプレグ材13上に銅箔14を配置し、熱プレスを実行する。熱プレス装置は、基材2の面部2Aに絶縁層6を形成すると共に、この絶縁層6上に銅箔14を積層する。更に、図13の(B)の製造方法では、図示せぬ穿孔装置を使用して、スルーホール形成工程を実行する。穿孔装置は、基材2の下孔33内に充填された絶縁材4の穴埋め部4Dに複数のスルーホール孔5Aを形成する。その結果、各スルーホール孔5Aは、絶縁材4の穴埋め部4Dによって、相互の絶縁性は勿論のこと、基材2との絶縁性も確保されることになる。更に、図13の(C)の製造方法では、図示せぬメッキ装置を使用して、スルーホール孔5Aの内周壁面に銅メッキを施してスルーホール5を形成する。そして、図13の(D)の製造方法では、図示せぬパターニング装置を使用して、基材2の面部2Aの絶縁層6上に配線層7を形成するパターン形成工程を実行する。その結果、実施例4のプリント配線板1Eが完成する。
【0058】
実施例4の製造方法では、底部33Aを備えた有底の下孔33を基材2に形成し、下孔33内に絶縁材4を充填する。底部33Aで下孔33内に充填された絶縁材4の垂下を防止できる。更に、製造方法では、下孔33内に充填された絶縁材4を熱硬化させた後、下孔33の底部33Aを除去して除去孔33Bを形成し、除去孔33B内に絶縁材4を充填する。下孔33内の先に熱硬化された絶縁材4で除去孔33B内に充填された絶縁材4の垂下を防止できる。その結果、下孔3内に絶縁材4を充填する充填工程での作業負担を軽減することで、導電性材料の基材2の下孔3内に複数のスルーホール5を形成する際の作業負担が軽減できる。
【0059】
実施例4のプリント配線板1Eでは、1個の下孔33内に複数のスルーホール5を形成するようにしたので、下孔33内の1個当たりのスルーホール5に要する下孔33の表面積を抑制できる。その結果、下孔33内の穴埋め部4Dの表面積が小さくなって、熱膨張率の高い絶縁材4の量が少なくなるため、プリント配線板1E全体の低熱膨張率化に寄与できる。
【0060】
尚、上記実施例2の製造方法では、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部同士を絶縁層30Aで接着するようにしたが、絶縁層30Aの代わりに、多層プリント配線板で第1の下孔20A及び第2の下孔20Bの開口を閉塞する底部8としても良い。そこで、この場合の実施の形態につき、実施例5として以下に説明する。
【実施例5】
【0061】
図14は、実施例5のプリント配線板1Fの一例を示す断面図である。図15及び図16は、実施例5のプリント配線板1Fの製造方法の一例を示す説明図である。尚、上記実施例2のプリント配線板1Cと同一のものには同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。図14に示すプリント配線板1Fは、第1の基材20A及び第2の基材20Bと、第1の下孔3A及び第2の下孔3Bと、第1の基材20Aの面部と第2の基材20Bの面部との間に絶縁性の接着層40を介在して積層された両面配線層41とを有する。
【0062】
更に、プリント配線板1Fは、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に絶縁材4を充填して熱硬化されることで形成され、第1の下孔3A及び第2の下孔3Bを穴埋めした穴埋め部4Eを有する。更に、プリント配線板1Fは、穴埋め部4Eに形成され、第1の下孔3A、両面配線層41及び第2の下孔3Bを貫通する複数のスルーホール5を有する。更に、プリント配線板1Fは、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部に形成された絶縁層6と、絶縁層6上に積層された銅箔をエッチングすることで形成された配線層7とを有する。
【0063】
両面配線層41は、例えば、両面に配線した配線板である。接着層40は、両面配線層41の表面上に配置された接着用プリプレグ材40Aと、両面配線層41の裏面上に配置された接着用プリプレグ材40Bとで形成される。第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部間に、接着用プリプレグ材40A,40Bに挟まれた両面配線層41を熱プレスすることで接着層40を形成する。そして、接着層40は、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部同士を接合する。尚、接着層40は、第1の下孔3Aと第2の下孔3Bとが重なり合うように第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部同士を接合する。穴埋め部4Eは、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に充填された絶縁材4を熱硬化させて第1の下孔3A及び第2の下孔3Bを穴埋めするものである。穴埋め部4Eには、第1の基材20A上の配線層7と第2の基材20B上の配線層7とを導通する複数のスルーホール5が形成してある。
【0064】
次に、実施例5のプリント配線板1Fの製造方法について説明する。図15及び図16は、実施例5のプリント配線板1Fの製造方法の一例を示す説明図である。図15の(A)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、複数のプリプレグ材11を積層し、これら積層されたプリプレグ材11を熱プレスすることで、図15の(B)に示すように、低熱膨張率の第1の基材20A及び第2の基材20Bを形成する。次に、図15の(C)の製造方法では、図示せぬ穿孔装置を使用して、下孔形成工程を実行する。穿孔装置は、第1の基材20Aの面部に表裏に貫通する第1の下孔3Aを形成すると共に、第2の基材20Bの面部に表裏に貫通する第2の下孔3Bを形成する。
【0065】
図15の(D)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部同士を接合する接合工程を実行する。熱プレス装置は、第1の下孔3A及び第2の下孔3B同士が重なり合うように、第1の基材20Aと第2の基材20Bとの間に、両面を接着用プリプレグ材40A、40Bで挟んだ両面配線層41を配置する。つまり、熱プレス装置は、第1の基材20Aの面部と両面配線層41の表面との間に接着用プリプレグ材40Aを配置すると共に、第2の基材20Bの面部と両面配線層41の裏面との間に接着用プリプレグ材40Bを配置する。熱プレス装置は、第1の基材20Aの面部と両面配線層41との間に接着層40を形成すると共に、第2の基材20Bの面部と両面配線層41との間に接着層40を形成する。その結果、接着層40は、図15の(E)に示すように、第1の基材20Aの面部と両面配線層41との間、更に、第2の基材20Bの面部と両面配線層41との間を接着すると共に、第1の下孔3A及び第2の下孔3Bの開口を閉塞する底部8となる。
【0066】
図15の(F)の製造方法では、図示せぬ充填装置を使用して充填工程を実行する。充填装置は、例えば、第1の基材20Aの第1の下孔3Aの開口側を天方向に向け、第1の基材20Aの第1の下孔3A内に溶融した絶縁材4を充填する。この際、接着層40は、第1の下孔3Aの底部8となるため、第1の下孔3A内に充填された絶縁材4の垂下を防止できる。加熱装置は、第1の下孔3A内に充填された絶縁材4を熱硬化させる。尚、充填装置は、第1の下孔3A内に充填された絶縁材4を熱硬化させた後、第2の下孔3Bの開口側を天方向に向ける。更に、充填装置は、図15の(G)に示すように、第2の基材20Bの第2の下孔3B内に溶融した絶縁材4を充填する。この際、接着層40は、第2の下孔3Bの底部8となるため、第2の下孔3B内に充填された絶縁材4の垂下を防止できる。更に、加熱装置は、第2の下孔3B内に充填された絶縁材4を熱硬化させる。その結果、加熱装置は、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に、熱硬化された絶縁材4で穴埋め部4Eを形成する。更に、図示せぬ研削装置は、基材2の面部2A及び基材2上に突出する穴埋め部4Eの面を研削して平坦化する。その結果、銅箔積層工程やパターン形成工程等の後工程を円滑に行うことができる。
【0067】
図16の(A)の製造方法では、図示せぬ熱プレス装置を使用して、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部に銅箔14を積層する銅箔積層工程を実行する。熱プレス装置は、基材2の面部に接着用プリプレグ材13を配置し、更に、この接着用プリプレグ材13上に銅箔14を配置し、熱プレスを実行する。熱プレス装置は、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部に絶縁層6を形成すると共に、この絶縁層6上に銅箔14を積層する。更に、図16の(B)の製造方法では、図示せぬ穿孔装置を使用して、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に充填された絶縁材4の穴埋め部4Eに複数のスルーホール孔5Aを形成する。その結果、各スルーホール孔5Aは、絶縁材4の穴埋め部4Eによって、相互の絶縁性は勿論のこと、第1の基材20A及び第2の基材20Bとの絶縁性も確保されることになる。
【0068】
更に、図16の(C)の製造方法では、図示せぬメッキ装置を使用して、スルーホール孔5Aの内周壁面に銅メッキを施してスルーホール5を形成する。そして、図16の(D)の製造方法では、図示せぬパターニング装置を使用して、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部の絶縁層6上に配線層7を形成するパターン形成工程を実行する。その結果、実施例5のプリント配線板1Fが完成する。
【0069】
実施例5の製造方法では、第1の基材20A及び第2の基材20Bの面部同士を、両面配線層41を挟む接着層40で接合し、各接着層40で第1の下孔3A及び第2の下孔3Bの開口を閉塞する底部8となす。更に、製造方法では、この底部8で第1の下孔3A及び第2の下孔3Bに充填された絶縁材4の垂下を防止できる。その結果、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に絶縁材4を充填する充填工程での作業負担を軽減することで、導電性の第1の基材20A及び第2の基材20Bの第1の下孔3A及び第2の下孔3B内に複数のスルーホール5を形成する際の作業負担が軽減できる。
【0070】
実施例5のプリント配線板1Fでは、第1の下孔3A及び第2の下孔3Bで1個の下孔3となし、この下孔3内に複数のスルーホール5が形成してある。従って、1個の下孔に1個のスルーホールを形成する配置構成の従来技術に比較して、下孔3内の1個当たりのスルーホール5に要する下孔3の表面積を抑制できる。その結果、第1の下孔3A及び第2の下孔3B内の穴埋め部4Eの表面積が小さくなって、熱膨張率の高い絶縁材4の量が少なくなるため、プリント配線板1F全体の低熱膨張率化に寄与できる。
【0071】
尚、上記実施例1乃至5では、図4に示すように1個の下孔3に対して7個のスルーホール5を形成する配置構成としたが、次に説明する配置構成にしても良い。図17乃至図19は、1個の下孔3に対して複数のスルーホール5を形成する際の一例を示す説明図である。図17に示すスルーホール5の配置構成は、円形の下孔3に合計23個のスルーホール5を形成した例である。図18に示すスルーホール5の配置構成は、矩形の下孔3Dに縦列に5個、横列に5個の5×5の合計25個のスルーホール5を形成した正規格子の配置構成の例である。図19に示すスルーホール5の配置構成は、矩形の下孔3Dに合計25個のスルーホール5を形成した千鳥格子の配置構成の例である。
【0072】
上記実施例では、プリント配線板1(1A〜1F)を例に挙げて説明したが、開示技術は、プリント配線板を試験するプロブカードに適用しても良い。
【0073】
また、上記実施例では、プリント配線板を製造する材料の熱膨張率、弾性率や寸法等の数値を具体的に明記したが、これら明記した数値は本願発明の一例に過ぎず、これら数値によって本願発明の技術的思想が限定されてしまうようなことは到底ない。
【0074】
以上、本実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0075】
(付記1)導電性材料の基材の面部に下孔を形成する工程と、
前記下孔の底面側を閉塞する底部を形成する工程と、
前記下孔に絶縁材を充填する工程と、
前記絶縁材が充填された前記下孔内に複数の貫通孔を形成する工程と
を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【0076】
(付記2)前記底部を形成する工程は、
前記下孔の底面側の前記基材の面部にフィルムを張り合わせることで、張り合わされた前記フィルムで前記底部を形成することを特徴とする付記1に記載のプリント配線板の製造方法。
【0077】
(付記3)前記下孔を形成する工程は、
前記基材を第1の基材及び第2の基材で形成し、前記第1の基材の面部に第1の下孔を形成すると共に、前記第1の基材と前記第2の基材との積層時に前記第1の下孔と前記下孔を形成する第2の下孔を前記第2の基材の面部に形成し、
前記底部を形成する工程は、
前記第1の基材と前記第2の基材との間に絶縁材を積層して前記第1の基材と前記第2の基材との間に絶縁層を形成し、形成された前記絶縁層で前記底部を形成することを特徴とする付記1に記載のプリント配線板の製造方法。
【0078】
(付記4)前記絶縁材を充填する工程は、
前記第1の基材の前記第1の下孔内に前記絶縁材を充填し、充填された前記絶縁材を予備的に硬化させた後、前記第2の基材の前記第2の下孔内に前記絶縁材を充填して前記第1の下孔及び前記第2の下孔内に充填された前記絶縁材を硬化させることを特徴とする付記3に記載のプリント配線板の製造方法。
【0079】
(付記5)前記絶縁材を充填する工程は、
前記第1の基材の前記第1の下孔内に前記絶縁材を充填し、充填された前記絶縁材を硬化させた後、前記第2の基材の前記第2の下孔内に前記絶縁材を充填して、前記第2の下孔内に充填された前記絶縁材を硬化させることを特徴とする付記3に記載のプリント配線板の製造方法。
【0080】
(付記6)前記絶縁層は、
第1の絶縁層と、第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間に配置された配線層とを積層して構成し、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層で前記底部を形成することを特徴とする付記3〜5の何れか一つに記載のプリント配線板の製造方法。
【0081】
(付記7)前記底部を形成する工程は、
前記下孔を形成する工程にて前記基材の面部に有底の前記下孔を形成し、前記下孔の底面側で前記底部を形成し、
前記絶縁材を充填する工程は、
前記下孔に前記絶縁材を充填し、充填された前記絶縁材を硬化させた後、前記下孔の底部を除去して第3の下孔を形成する工程と、
前記第3の下孔に前記絶縁材を充填する工程と
を含むことを特徴とする付記1に記載のプリント配線板の製造方法。
【0082】
(付記8)前記底部を形成する工程は、
前記下孔の底面側の前記基材の面部に絶縁層を形成し、形成された前記絶縁層で前記底部を形成することを特徴とする付記1に記載のプリント配線板の製造方法。
【0083】
(付記9)前記貫通孔を形成する工程は、
前記下孔内の当該下孔と同心円上の円の円周上に中心を有する複数の貫通孔を形成することを特徴とする付記1〜8の何れか一つに記載のプリント配線板の製造方法。
【0084】
(付記10)前記基材は、
低熱膨張率の導電性材料で構成することを特徴とする付記1〜9の何れか一つに記載のプリント配線板の製造方法。
【0085】
(付記11)前記基材は、
カーボン繊維の織布又は不織布のプリプレグ材、又は、インバー材で構成することを特徴とする付記10に記載のプリント配線板の製造方法。
【0086】
(付記12)導電性材料の第1の基材及び第2の基材と、
前記第1の基材の面部に形成された第1の下孔と、
前記第2の基材の面部に形成された第2の下孔と、
前記第1の下孔及び前記第2の下孔同士が重なり合って前記第1の基材及び前記第2の基材の面部同士を接合し、前記第1の下孔及び前記第2の下孔の開口を閉塞する底部と成す絶縁層と、
前記第1の下孔及び前記第2の下孔内に絶縁材を充填することで形成され、前記第1の下孔及び前記第2の下孔を穴埋めした穴埋め部と、
前記第1の下孔及び前記第2の下孔内の前記穴埋め部に形成され、前記第1の下孔、前記絶縁層及び前記第2の下孔を貫通する複数の貫通孔と
を有することを特徴とするプリント配線板。
【符号の説明】
【0087】
1 プリント配線板
1A〜1F プリント配線板
2 基材
2A 面部
2B 表面
2C 裏面
3 下孔
3A 第1の下孔
3B 第2の下孔
4 絶縁材
4A 穴埋め部
5 スルーホール
6、6A 絶縁層
7 配線層
8 底部
12 剥離フィルム
20A 第1の基材
20B 第2の基材
30A 絶縁層
33 下孔
33A 底部
33B 除去孔
40 接着層
41 両面配線層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料の基材の面部に下孔を形成する工程と、
前記下孔の底面側を閉塞する底部を形成する工程と、
前記下孔に絶縁材を充填する工程と、
前記絶縁材が充填された前記下孔内に複数の貫通孔を形成する工程と
を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
前記底部を形成する工程は、
前記下孔の底面側の前記基材の面部にフィルムを張り合わせることで、張り合わされた前記フィルムで前記底部を形成することを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
前記下孔を形成する工程は、
前記基材を第1の基材及び第2の基材で形成し、前記第1の基材の面部に第1の下孔を形成すると共に、前記第1の基材と前記第2の基材との積層時に前記第1の下孔と前記下孔を形成する第2の下孔を前記第2の基材の面部に形成し、
前記底部を形成する工程は、
前記第1の基材と前記第2の基材との間に絶縁材を積層して前記第1の基材と前記第2の基材との間に絶縁層を形成し、形成された前記絶縁層で前記底部を形成することを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
前記絶縁材を充填する工程は、
前記第1の基材の前記第1の下孔内に前記絶縁材を充填し、充填された前記絶縁材を予備的に硬化させた後、前記第2の基材の前記第2の下孔内に前記絶縁材を充填して前記第1の下孔及び前記第2の下孔内に充填された前記絶縁材を硬化させることを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
前記絶縁層は、
第1の絶縁層と、第2の絶縁層と、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間に配置された配線層とを積層して構成し、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層で前記底部を形成することを特徴とする請求項3又は4に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
前記底部を形成する工程は、
前記下孔を形成する工程にて前記基材の面部に有底の前記下孔を形成し、前記下孔の底面側で前記底部を形成し、
前記絶縁材を充填する工程は、
前記下孔に前記絶縁材を充填し、充填された前記絶縁材を硬化させた後、前記下孔の底部を除去して第3の下孔を形成する工程と、
前記第3の下孔に前記絶縁材を充填する工程と
を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項7】
前記底部を形成する工程は、
前記下孔の底面側の前記基材の面部に絶縁層を形成し、形成された前記絶縁層で前記底部を形成することを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項8】
前記貫通孔を形成する工程は、
前記下孔内の当該下孔と同心円上の円の円周上に中心を有する複数の貫通孔を形成することを特徴とする請求項1〜7の何れか一つに記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項9】
前記基材は、
低熱膨張率の導電性材料で構成することを特徴とする請求項1〜8の何れか一つに記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項10】
導電性材料の第1の基材及び第2の基材と、
前記第1の基材の面部に形成された第1の下孔と、
前記第2の基材の面部に形成された第2の下孔と、
前記第1の下孔及び前記第2の下孔同士が重なり合って前記第1の基材及び前記第2の基材の面部同士を接合し、前記第1の下孔及び前記第2の下孔の開口を閉塞する底部と成す絶縁層と、
前記第1の下孔及び前記第2の下孔内に絶縁材を充填することで形成され、前記第1の下孔及び前記第2の下孔を穴埋めした穴埋め部と、
前記第1の下孔及び前記第2の下孔内の前記穴埋め部に形成され、前記第1の下孔、前記絶縁層及び前記第2の下孔を貫通する複数の貫通孔と
を有することを特徴とするプリント配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−174874(P2012−174874A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35113(P2011−35113)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】