説明

プルランフィルムおよび食用包装におけるそれらの使用

食用物品は、食品と該食品を包むフィルムを含んでなる。一態様において、該フィルムは、乾燥固形ベースで主要量のプルランと、少量のグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールの少なくとも2種を含んでなる。他の態様において、該フィルムは、乾燥固形ベースで主要量のプルラン、ゼラチンと、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールの少なくとも2種を含んでなり、塩も含有しうる。他の態様において、該フィルムは、主要量の少なくとも1種の食品用ワックスを含んでなる第一層;主要量のプルランを含み、更に少なくとも1種の可塑剤を含んでなる第二層;および水性プルラン組成物と実質的に非混和性であるが、プルラン表面に接着する少なくとも1種の界面活性剤を含んでなる第三層を含んでなる。他の態様において、該フィルムは、乾燥固形ベースで主要量のプルラン、少なくとも1種の塩(一部の場合では、少なくとも2種の塩)および少なくとも1種の可塑剤を含んでなる。他の態様において、該フィルムは剥離可能な可撓性基材へ接着された食用フィルムを含んでなり、該食用フィルムは、乾燥固形ベースで主要量のプルランおよび少なくとも1種の可塑剤を含んでなる。食用物品は、上記のようなフィルム形成組成物を調製し、フィルム形成組成物をフィルムへ形成し、および食品を該フィルムで包むことにより製造される。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
数タイプの包装物質は水に溶ける。例えば、ポリビニルアルコール(PVOH)フィルム製の水溶性ポーチが秤量済農薬およびコンクリート添加材を包装するために用いられてきた。これらのPVOHポーチはタンクまたはミキサーへ加えられ、そこで包装物質が溶解して内容物が放出される。PVOHポーチは秤量済洗濯石鹸および皿洗い洗剤でも用いられる。しかしながら、PVOHは食材でないため、PVOHテクノロジーはこれまで非食品分野に限定されてきた。
【0002】
食用フィルムはプルランのような他のフィルム形成ポリマーから作製されてきた。例えば、プルランおよび口中清涼剤を含有する食用ストリップがヒト消費用に販売されてきた。咳止め薬、ビタミン剤および栄養補助食品も食用ストリップの形で供給されてきた。
【0003】
プルランは、それを食用組成物での使用に適させるいくつかの性質を有している。しかしながら、プルランフィルムにおける1つの問題は、破断せずに伸びるそれらの限定された能力である。この問題は、他の物質をフィルム自体に散在させるのとは対照的に、他の物質を包めるプルランフィルムの能力を制限してしまう。包装フィルムの引張強度および伸び特性の検討では、1000グラム重超の強度および50%超の伸び率が商用包装に適したプルランベースフィルムを与えるらしいことを示している。
【0004】
プルランベースフィルムまたは組成物で他の物質を封入または包装する改良法について必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一面は、食品と該食品を包む水溶性フィルムを含んでなる食用物品である。該フィルムは、乾燥固形ベースで主要量のプルランと、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールからなる群より選択される少量の2種以上の構成要素とから本質的になる。この関係で“から本質的になる”とは、組成物が掲載されたもの以外の多糖類を本質的に含まないことを意味する。
【0006】
本発明の一部態様において、フィルムは乾燥固形ベースで約35〜80重量%プルランを含んでなる。一部態様において、フィルムは約40重量%以下で可塑剤混合物を含んでなる。可塑剤混合物として、一部態様では、グリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールの組合せを用いる。フィルムは、場合により、クエン酸、デンプンまたはデンプン誘導体(例えば、デキストリンまたはマルトデキストリン)、アルギネート、キサンタンガム、修飾セルロース、ポリデキストロースまたはそれら2種以上の組合せを更に含有しうる。
【0007】
食用物品の他の態様において、食品を包む水溶性フィルムは、乾燥固形ベースで主要量のプルラン、ゼラチン、およびグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールの少なくとも2種を含んでなる。場合により、フィルムは少なくとも1種の塩、例えばNaClも含有しうる。フィルムは、場合により、少なくとも1種の内部フィルム剥離剤も含有しうる。
【0008】
本発明の他の面は、上記の成分を含んでなる水溶性食用フィルムである。
【0009】
本発明の更に他の面は、水溶性食用フィルムを製造するための方法である。該方法は、(a)上記の様々な態様で記載されているようなフィルム形成組成物を調製し、(b)少なくとも1種の界面活性剤を含んでなる溶液または懸濁液で基材を被覆し、および(c)フィルム形成組成物を基材へ流延することを含んでなる。
【0010】
本発明の他の面は、食用物品を製造するための方法である。該方法は、上記の様々な態様で記載されているようなフィルム形成組成物を調製し、フィルム形成組成物を水溶性フィルムへ形成し、そして食品を該フィルムで包むことを含んでなる。フィルム形成組成物の諸成分は前記の通りである。
【0011】
本発明の一部態様において、フィルムは破断せずに少なくとも約50%または少なくとも約100%縦方向に伸ばすことができる。一態様では、食品の周りでシールされた封入物を形成するために、2枚のフィルム間に食品を置いて2枚のフィルムをヒートシールすることにより食品が包まれる。一方、食品の周りでシールされた封入物を形成するために、2枚のフィルム間に食品を置いてフィルムの少なくとも一部に水分および圧力を加えることにより食品が包まれることもある。用いられる他の特別な封入方法では、食品の周りでフィルムを真空成形する。
【0012】
本発明の他の面は、主要量の少なくとも1種の食品用ワックスを含んでなる第一層と、主要量のプルランを含み、更に少なくとも1種の可塑剤を含んでなる第二層と、水性プルラン組成物と実質的に非混和性であるが、プルラン表面に接着する少なくとも1種の界面活性剤とを含んでなる第三層を含んでなる食用フィルムである。少なくとも1種の界面活性剤は少なくとも部分的に結晶質である。一態様において、少なくとも1種の界面活性剤はステアロイル乳酸ナトリウムを含んでなる。一態様において、第二層は食品用ワックスの粒子を更に含んでなる。
【0013】
本発明の他の面は、食品と該食品を包む食用フィルムを含んでなる食用物品である。該フィルムは、先の段落で記載されているような、第一、第二および第三層を含んでなる。主要量の少なくとも1種の食品用ワックスを含んでなる第一層が、食品と接触している。
【0014】
本発明の他の面は、食用フィルムを製造するための方法である。該方法では、水性プルラン組成物と実質的に非混和性である主要量の少なくとも1種の界面活性剤を含んでなる溶液または懸濁液を基材に塗布し、少なくとも部分的に結晶質である主要量の乾燥界面活性剤を含んでなる第一層を形成するために該溶液または懸濁液を乾燥または濃縮し、プルラン、少なくとも1種の可塑剤および少なくとも1種の食品用ワックスを含んでなる水溶液または懸濁液を該乾燥界面活性剤層へ塗布し、該水溶液または懸濁液を乾燥または濃縮させ、それにより第二層および第三層が形成される。第二層は第一層の上にあり、第三層は第二層の上にある。第二層は可塑剤と主要量のプルランを含んでなり、第三層は主要量の食品用ワックスを含んでなる。
【0015】
本発明の更に他の面は、乾燥固形ベースで主要量のプルランと、少なくとも1種の塩と、少なくとも1種の可塑剤とを含んでなる食用フィルムである。一部の態様において、該フィルムは、例えばNaClおよびMgClのような、少なくとも2種の塩を含んでなる。
【0016】
本発明の他の面は、食品と該食品を包む食用フィルムとを含んでなる食用物品であり、該フィルムは先の段落で記載されている通りである。
【0017】
本発明の他の面は、剥離可能な可撓性基材へ接着された食用フィルムを含んでなるフィルム構造である。食用フィルムは、乾燥固形ベースで主要量のプルランと、少なくとも1種の可塑剤とを含んでなる。一部の態様において、可撓性基材は、例えばポリエステルフィルムのような、ポリマーフィルムを含んでなる。
【具体的態様の説明】
【0018】
本発明の一態様は、食品を含有した、口内で消費されうるまたは水に(完全にまたは部分的に)溶解しうる食用物品に関する。これらの物品はフィルム形成組成物製の外層または表面を有し、食品が外層内に包まれている。
【0019】
フィルム形成組成物は、乾燥固形ベースで主要量のプルランを含んでなる(この関係で“主要量”とは、組成物が他の成分よりも乾燥固形ベースで多くプルランを含有していることを意味する)。本発明の一態様において、フィルム形成組成物は乾燥固形ベースで約35〜80重量%のプルランを含んでなる。場合により、本発明の一部態様において、他のフィルム形成物質、例えばアルギネート類、キサンタンガム、修飾セルロース、ポリデキストロース、デンプンまたはデンプン誘導体(例えば、デキストリンまたはマルトデキストリン)およびこのような物質2種以上の組合せも、フィルム形成組成物に含有させうる。これらポリマーの1種以上の含有は、プルランのみの組成物と比較して、フィルム強度を高めかつコストを下げられる。
【0020】
フィルム形成組成物は少量の可塑剤、特に可塑剤のグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールの少なくとも2種も含有する(この関係で“少量”とは、組成物が乾燥固形ベースでプルランより少なく全可塑剤を含有していることを意味する)。本発明で使用に適した1種の市販ポリエチレングリコールは、ポリエチレングリコール分子量200(PEG200)である。本発明の一態様において、フィルム形成組成物は可塑剤のグリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールを含んでなる。例えば、フィルム形成組成物は乾燥固形ベースで約1〜30重量%グリセロール、約1〜30%プロピレングリコールおよび約1〜30%ソルビトールを含んでなる。これら物質の各々が市販されている。場合により、一部の態様において、該組成物は他の可塑剤も含有しうる。本発明の一態様において、フィルム形成組成物は約40重量%以下で可塑剤混合物を含んでなる。
【0021】
いかなる可塑剤も含有しない水中20%d.s.プルラン溶液は、Mylar上に流延してから10%以下の残留水分まで乾燥させた後、Mylarから剥がせる透明フィルムとなる。該フィルムは高い引張強度を示すが、それが破れる前に長さで約10%延伸および伸長しうるのみである。
【0022】
一般的に、可塑剤も含有するプルラン含有フィルムは、ある程度までは、可塑剤を含有しないプルランフィルムと比較して高い強度および伸びを示す。しかしながら、このレベルを超えてプルランフィルムの可塑剤含有率を増すと、引張強度の大きな減少に至ることが多い。例えば、流延および乾燥前にプルランポリマー溶液へ個別食品用可塑剤の添加は10%超の伸び率をフィルムに与えるが、引張強度の大きな減少という代償を払うことになる。
【0023】
意外にも、少なくとも2種の可塑剤グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールを含有するプルラン組成物が、比較的高い可塑剤濃度であっても、高い伸びおよび高い引張強度を有するプルランフィルムを生産するために用いうるとわかった。本発明の少なくとも一部の態様において、フィルムは破断せずに少なくとも約50%、一部の場合は少なくとも約100%伸ばすことができる。ある態様では、破断伸び率が少なくとも約200%、または少なくとも約300%である。本発明の一部態様では、フィルムの伸び特性に及ぼすこれらの増強が引張強度の実質的減少なしに得られる。
【0024】
本組成物は、食品で使用に適した1種以上の添加物、例えば充填剤、界面活性剤、安定剤、有機酸(例えばクエン酸)および調味料も含有しうる。
【0025】
本発明の1つの具体的態様は、乾燥固形ベースで主要量のプルランと、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールから選択される少量の2種以上の構成要素とから本質的になる、水溶性食用フィルム形成組成物である。この組成物は、1000グラム重を超える引張強度と50%を超える破断伸び率を示す、2.2ミル(0.0022インチまたは0.056mm)未満の厚さを有したフィルムへ形成される。
【0026】
本発明の他の具体的態様において、水溶性食用フィルム形成組成物は、乾燥固形ベースで主要量のプルランと、少量の(i)アルギネート類、セルロースエーテル類、修飾デンプンおよびそれらの組合せからなる群より選択される補助多糖、および(ii)グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールからなる群より選択される2種以上の構成要素とから本質的になる(この関係で“少量”とは、組成物が乾燥固形ベースでプルランより少なく全可塑剤を含有し、乾燥固形ベースでプルランより少なく全補助多糖も含有していることを意味する)。該組成物は、1000グラム重を超える引張強度と50%を超える破断伸び率を示す、2.2ミル未満の厚さを有したフィルムへ形成される。
【0027】
本発明の他の態様において、水溶性食用フィルムを形成するために用いられるフィルム形成組成物は、乾燥固形ベースで主要量のプルランを含んでなり、それより少ない量のゼラチンと、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールの少なくとも2種も含んでなる。二次ポリマーとしてゼラチンの使用は、フィルム強度を維持しながら伸びを維持または改善しうる。ゼラチンは、粘着性およびブロッキング性の増加なしに、フィルムに平滑表面を与える。ある態様において、フィルム形成組成物は、乾燥固形ベースで約35〜80重量%プルランおよび約0.5〜22.5重量%ゼラチンを含んでなる。場合により、該組成物は可塑剤グリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールを含んでなる。例えば、本発明の一部態様において、フィルム形成組成物は、乾燥固形ベースで約1〜30重量%グリセロール、約1〜30%プロピレングリコールおよび約1〜30%ソルビトールを含んでなる。
【0028】
場合により、本組成物は少なくとも1種の塩も含んでなる。フィルムへ塩の添加はフィルム伸びを改善することがわかった。典型的には、伸びを改善するために、ブロッキング性および粘着性のような表面特性が犠牲にされる。しかしながら、伸びを増すために塩が組成物に含有されたとき、表面特性は多くの場合に改善される。塩と適切レベルの伝統的可塑剤を含有したフィルムはブロッキングもべたつきもせず、したがってより容易に自らロールしうる。適切な塩の例にはNaClおよびKClがある。本発明のある態様で、フィルム形成組成物中における塩の濃度は乾燥固形ベースで約0.3〜15重量%である。〜10%またはそれ以上の塩分を有するフィルムは、乾燥時に表面へフィルムから少量の塩沈殿物としてパウダーフィニッシュ(powder finish)で濁る。それより低い〜5%またはそれ以下の塩分を有するフィルムは、フィルムから沈殿するいかなる残留塩もなく、良い伸びおよび表面特性を有している。
【0029】
他のオプションとして、フィルム形成組成物は、それが流延された基材表面からフィルムを剥がしやすくするために、少なくとも1種の内部フィルム剥離剤を含有しうる。内部フィルム剥離剤の適切な例としてはポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの組合せがあるが、それらに限定されない。ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートはPolysorbate 80として市販されている。
【0030】
本発明のこの態様におけるフィルム形成組成物の他の詳細と食品を包むためのその使用は、他の態様に関して前記されている通りである。
【0031】
プルラン組成物を用いてフィルムを形成する技術は当業界で周知である。例えば、プルラン水溶液が平坦表面へ流延され、次いでフィルムを形成するために加熱および乾燥される。フィルムの厚さを制御する方法も周知である。
【0032】
本発明の一態様では、上記のようにフィルム形成組成物を調製し、少なくとも1種の界面活性剤を含んでなる溶液または懸濁液で基材(例えば、ステンレススチール表面)を被覆し、およびフィルム形成組成物を基材へ流延することを含んでなる方法により、水溶性食用フィルムが形成される。適切な加熱および/または乾燥後に、フィルムが基材から剥離される。
【0033】
ステンレススチール基材へ直接流延されるフィルムゲル、特に75〜125%破断伸び率を有するフィルムは、スチールからうまく離れないことが多い。これらタイプのフィルムは、それらを未処理スチールから離そうとすると、簡単に伸びて歪むようになることが多い。この問題を解消または軽減するために、剥離剤を含んでなる溶液または懸濁液でスチール基材が処理される。
【0034】
食品用界面活性剤(即ち、外部フィルム剥離剤)の溶液または懸濁液で基材の被覆は、基材からフィルムを剥がしやすくさせる。この目的に適した界面活性剤にはプロピレングリコールモノステアレート、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(例えば、Polysorbate 80)、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸の塩またはそれらの組合せがあるが、それらに限定されない。適切な界面活性剤は水および/またはアルコール(即ち、イソプロピルアルコール)の溶液または他の適切な溶媒系に10重量%以下の量で用いられる。
【0035】
食品を包むためにフィルム形成組成物が用いられる上で、多くの異なる手法がある。例えば、フォルムがポーチへ形成され、食品がポーチへ入れられ、次いでポーチの開口部が例えば熱および/または水分の適用によりシールされる。用いられる1つの具体的技術は、食品の周りでフィルムを真空成形することである。真空成形は、フィルムで製品を包む一部他の方法と比較して、張力下でフィルムウェブの極端な折曲げが少なくて済む利点を有している。
【0036】
本発明の食品用フィルムは、商用真空成形装置で食用パッケージの生産に成功するために必要な引張強度および伸び特性を有することができる。それらは多くの異なる形状を作れる能力も有し、少なくとも一部の他の商用フィルム形成物質よりも成功して複雑なモールドで使える。一部の態様で、該フィルムは1000グラム重を超える引張強度と50%を超える破断伸び率を示す。一部の態様で、該フィルムは75〜125%の破断伸び率を有する。
【0037】
調理用の水に溶解または分散させる必要があるものおよびヒト消費用の1回分パッケージで提供されるものを含めて、様々な食品が包まれる。このような食品の例には、粉末飲料ミックス(例えば、ココアドリンク製品、ソフトドリンク製品およびサイダードリンク製品)、粉末チーズ製品、粉末卵製品、キャンディ、乾燥スープおよびキャセロールミックス、食用色素およびスパイスがあるが、それらに限定されない。食品自体が水溶性のこともあるが、必ずしもそうでなくてよい。
【0038】
例えば、本フィルムは乾燥食材またはオイルベース液体食材の包装に利用される。該フィルムは水または含水食品への添加を要する食物の包装にも用いられる。これには、例えばドリンクミックス、ビタミンおよびミネラル添加物、着色料、調味料と、食品生産プラントでバッチ製造に際してまたは更には消費前に個人による食品調製に際して食品へ加えられるあらゆる他の材料を含む。
【0039】
本発明の食用フィルムは、少なくとも多くの態様において、べたつかずに高い伸びを有する。食品の包装に際するこのようなフィルムの使用は廃棄物を減らし、パッケージ全体として消費でき、捨てるものを何も残さない。バッチ調理に必要な材料を包装するために利用されるとき、加えられる材料の正確な量が知られる。パッケージ全体が製品に調理されることから、パッケージの内側へ貼り付くことによる材料のロスがなくなる。
【0040】
本発明の他の態様において、多層食用フィルムは、主要量の少なくとも1種の食品用ワックスを含んでなる第一層と、主要量のプルランを含み、更に少なくとも1種の可塑剤を含んでなる第二層と、第三層とを含んでなる。第三層は、水性プルラン組成物と実質的に非混和性であるが、プルラン表面に接着する少なくとも1種の界面活性剤を含んでなる。少なくとも1種の界面活性剤は、形態上、少なくとも部分的に結晶質である。界面活性剤は、例えばステアロイル乳酸ナトリウムである。一部の態様において、フィルム全体中で少なくとも1種の界面活性剤の濃度は約0.001〜0.1重量%、または一部の場合に約0.001〜0.05%である。第二層は場合により食品用ワックスの粒子も含む。
【0041】
本発明の他の態様の一部では、第二層が乾燥固形ベースで約35〜80重量%プルランを含み、可塑剤が第二層でグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールの少なくとも2種を含んでなる。1つの具体的態様において、第二層はグリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトール、例えば乾燥固形ベースで約1〜30重量%グリセロール、約1〜30%プロピレングリコールおよび約1〜30%ソルビトールを含んでなる。他のオプションとして、第二層は、プルランに加えて、二次フィルム形成物質、例えば乾燥固形ベースで約0.5〜22.5重量%ゼラチン、デンプン、デンプン誘導体、アルギネート、キサンタンガム、コラーゲン、ポリデキストロースまたはそれら2種以上の組合せを更に含有しうる。更に他のオプションとして、第二層は少なくとも1種の塩、例えばNaCl、MgClまたはそれらの組合せも含有しうる。塩が存在するならば、それは好ましくは第二層に乾燥固形ベースで約0.3〜15重量%の濃度で存在する。
【0042】
本発明の他の態様は食品と該食品を包む食用フィルムを含んでなる食用物品であり、ここで該フィルムは前記のような第一、第二および第三層を含んでなる。第一層が食品と接触している。
【0043】
本発明の他の態様は、食用フィルムを製造するための方法である。該方法は、
水性プルラン組成物と実質的に非混和性である主要量の少なくとも1種の界面活性剤を含んでなる溶液または懸濁液を基材に塗布し、
少なくとも部分的に結晶質である主要量の乾燥界面活性剤を含んでなる第一層を形成するために該溶液または懸濁液を乾燥または濃縮し、
プルラン、少なくとも1種の可塑剤および少なくとも1種の食品用ワックスを含んでなる水溶液または懸濁液を該乾燥界面活性剤層へ塗布し、そして
該水溶液または懸濁液を乾燥または濃縮させ、それにより第二層および第三層が形成されることを含んでなる。第二層は第一層の上にあり、第三層は第二層の上にある。第二層は可塑剤と主要量のプルランを含んでなり、第三層は主要量の食品用ワックスを含んでなる。
【0044】
この三層構造は、連続フィルム流延プロセスへ1回の通過で形成される。一態様において、該作業は最初に剥離剤としてステンレススチール流延表面へステアロイル乳酸ナトリウム(SSL,イソプロパノール中2%)のような界面活性剤の塗布を要する。流延前にSSLの乾燥剥離層を形成するように、溶媒が急速に蒸発する。次いで処方成分の1つとして食品用ワックスエマルジョンを含有するプルラン流延水溶液が流延表面へ薄い均一フィルムとして付着される。該フィルムは次いで制御された乾燥条件に付され、数分間で15重量%未満の水分へ乾燥される。乾燥プロセス時に、ワックス粒子はそれらの比較的低い表面エネルギーのためにフィルムの開放表面の方へ移動しやすい。フィルムが乾燥された後、ステンレススチール流延基材と接触していたフィルム表面で部分的結晶SSLの層がみられる。加えて、乾燥プロセス時に空気へ開放されたフィルムの表面でワックス粒子の層がみられる。これら2つの表面層間には、流延処方中で主にプルランと他の水溶性材料を含有した中間層がある。
【0045】
図1はこの三層フィルムの一態様を概略形で示している。フィルムとそれが流延される基材との界面にSSL結晶層10が位置する。フィルムの中心層は、プルランを含んでなるマトリックス16である。プルランマトリックス16とSSL結晶層10との間にSSLリッチ拡散層12もある。プルランマトリックス16内に複数のワックス粒子14があり、フィルム表面に薄いワックス層18がある。
【0046】
プルランフィルム処方物は約10重量%以下のワックスを含有しうるが、約5%未満のワックス含有率が通常好ましい。適切なワックスとしてはパラフィンロウおよび他の食品用ワックス、例えばカルナウバ、カンデリラまたは蜜ロウがある。界面活性剤SSLは、水性流延ゲルと非混和性であるが、プルランフィルム表面と良い接着性を示す何らかの界面活性剤と置き換えられる。
【0047】
表面(例えば、SSL)層はステンレススチール流延ベルトから乾燥フィルムの改良剥離性を付与するのみならず、食用パッケージの外側で用いられるフィルムの側にやや疎水性の特徴も付与する。このわずかな疎水性は環境湿度の変化に対するフィルムの感受性を低下させる。ポーチは水に不溶性となるほど疎水性にならない。
【0048】
ワックス層は、食用ポーチに含有される食品用充填物質と接触するフィルムの側に用いられる。ワックス層は充填物質とポーチ自体のフィルム層との間で水分移動を減らす。ワックス層はフィルムへ有意な抗ブロッキング性も付与する。このワックス層の他の追加利点は、それが高速加工作業に際して包装機と接触しているフィルムの滑りを高めることである。
【0049】
主にプルランの中間層は、三層フィルム構造の所要強度および可撓性を付与しうる。
【0050】
このように、この三層フィルムの様々な態様は改善された機能性、例えば環境湿度への抵抗性増加、食品用充填物質から包装フィルムへの水分移動の抵抗性増加、および高速包装装置でより容易にスライドする改善された滑りを付与しうる。これらの向上は包装された食品に改善された保存期限を付与し、フィルムを食用包装へ加工するために用いられる装置の範囲を広げられる。
【0051】
本発明の他の態様は、乾燥固形ベースで主要量のプルラン、少なくとも1種の塩および少なくとも1種の可塑剤を含んでなる食用フィルムである。一部の態様において、該フィルムは少なくとも2種の塩、例えばNaClおよびMgClの組合せを含んでなる。一部の態様では、少なくとも1種の塩が乾燥固形ベースで約0.3〜15重量%の濃度でフィルムに存在する。フィルムの可塑剤および他の成分は、本発明の他の態様に関して前記されている通りである。この態様のフィルムは、食用フィルムで包まれた食品を含んでなる食用物品を製造するために用いられる。
【0052】
本発明の他の態様は、剥離可能な可撓性基材へ接着された食用フィルムを含んでなるフィルム構造である。食用フィルムは、乾燥固形ベースで主要量のプルランおよび少なくとも1種の可塑剤を含んでなる。一部の態様で、可撓性基材は、例えばポリエステルフィルムのような、ポリマーフィルムを含んでなる。一態様において、可撓性基材は生物分解性ポリマーフィルム、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸およびグリコール酸のコポリマー、または2種のこのようなポリマーの混合物を含んでなるものである。可塑剤および他の成分は、本発明の他の態様に関して前記されている通りである。この態様のフィルムは、食用フィルムで包まれた食品を含んでなる食用物品を製造するために用いられる。
【0053】
図2はこのフィルム構造の一態様を示している。上記のようなプルランフィルム20がポリエステルフィルム22へ剥離可能に接着され、そこからそれが望ましいときに剥がされる。
【0054】
この二層フィルム構造は高速包装作業で特に有用である。従来の包装装置で食用フィルムを用いることに伴う潜在的問題は、包装フィルムが食用品の一部であることから、すべてのフィルム表面が清潔に保たれねばならないことである。包装フィルムの一表面が食品と接触し、他表面が暴露されて、環境から食品を保護している従来の包装戦略と、これは異なる。本発明の一態様において、食用フィルムの外表面は包装に際してポリエステル層で保護され、食用パッケージに含有された食品を用いる前に容易に取り除ける。
【0055】
ここで記載されたフィルムはいずれも、例えば図3に断面で示されているようなポーチを形成することで、食品を包装するために用いられ、ここでフィルム30は内部収納エリア32を取り囲み、そこに食品34が置かれる。フィルムの端部36は封入パッケージを形成するためにシールされる。
【実施例】
【0056】
下記実験法が下記実施例で用いられた。
【0057】
プルランおよび他のポリマー溶液の調製
10,000センチポイズ以下の粘度を有するポリマー溶液を調製した。水を容器へ入れて撹拌し、次いで乾燥ポリマー粉末を撹拌液体の渦へ時間をかけて加えた。撹拌を100〜1000rpmで30〜60分間続け、次いで溶液を使用前に少なくとも2時間静置させた。
【0058】
可塑剤および他の添加物の配合
望ましい比率および濃度とするために必要なだけポリマー溶液をブレンドし、次いでオリゴマー、可塑剤および他の添加物をミックスしながら時間をかけてポリマー溶液へニートで加えた。
【0059】
フィルム流延および乾燥
約1メートル/秒の速度でギャップ20〜40ミルのドローダウンバー(drawdown bar)を用いて機械または手で水溶液をMylarフィルム上へ流延した。溶液流延前にMylarフィルムを0.50in厚ガラスシートへ貼りつけた。プルランフィルムを乾燥させるために、全体アセンブリー(流延、Mylarおよびガラス)を140°Fおよび30%相対湿度(RH)にセットされた制御乾燥チャンバーへ2〜3時間置いた。
【0060】
フィルムコンディショニングおよび試験
試験前に、フィルムを70°Fおよび50%RHにセットされた制御環境チャンバーで1〜5(平均3)日間コンディショニングした。サンプルをZip-Locバッグ中の試験エリアへ移した。小型実験用Instron物理試験ユニットを用いて引張強度(グラム重)および%伸びについてサンプルを試験および評価した。試験では、楕円形先端部の金属プローブを1枚のしっかり保持されたフィルムの面に押し付ける。フィルムを破断させるために要する力の量と、フィルムを破断させるためにプローブが移動する距離が、物性を計算するために用いられる。
【0061】
真空成形によるポーチ生産
ダイを選択し、垂直可動フレーム下の台に置いた。1枚のフィルム(7in×11in)をフレームの底部に置いた。フレームの上部を下げ、底部にロックした。ダイを真空にし、フィルムをダイへ下げ、それに吸引させて、ポーチを形成し、次いでポーチを選択物質で満たした。
【0062】
ヒートシーリング
2枚目のフィルムをポーチの上にそっと置いた。ホットアイロン(200〜300°F)を充填エリアの端部で両フィルム上に手でプレスした。アイロンを適所に2〜5秒間保持した。
【0063】
モイスチャーシーリング
2枚目のフィルムをブロックの周りにラップし、濡れたペーパータオルへ素早くプレスした。軽く濡れたフィルムを既成形ポーチへ2〜5秒間プレスした。
【0064】
実施例1
次の添加物の1種以上と共にフィルムを製造するために林原製の市販プルラン(PI‐20)を用いた:グリセロール、プロピレングリコール(PPG)、Sorbitol Special(SorbS;SPI Pharma;40〜55%ソルビトール、15〜30%無水ソルビトールおよび1〜10%マンニトール)、Nu‐Col 2004(NC2004;Tate & Lyle修飾デンプン)、Star-Dri 5(Tate & Lyleマルトデキストリン)、MiraSperse 2000(MS2000;Tate & Lyle修飾デンプン)、DuraGel(Tate & Lyle修飾デンプン)、TenderJel C(Tate & Lyle修飾デンプン)およびアルギン酸ナトリウム。具体的組成が表1Aで示されている。
【表1A】

【0065】
フィルム特性の試験の結果が表1Bで示されている。
【表1B】

3種可塑剤(グリセロール、プロピレングリコールおよびSorbitol Special)の組合せを含有するフィルムは、サンプル1‐2および1‐3において高強度で50%超の伸びを示した。
【0066】
実施例2
プルランと表2Aで示された追加材料を含有するフィルムを製造した。
【表2A】

【0067】
これらフィルムの性質を調べるために試験を行い、結果が表2Bで示されている。
【表2B】

【0068】
主ポリマーとしてプルランとSTAR-DRI 5マルトデキストリンおよびアルギン酸ナトリウム(および場合によりNu‐Col 2004)製のフィルムは、高い引張強度を示した。主ポリマーとしてプルランとグリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトール(および場合によりクエン酸)を含有するフィルムで高い伸びがみられた。様々な厚さで、1000グラム重を超える引張強度と50%を超える破断伸び率のフィルムをもたらした。
【0069】
実施例3
実験真空成形包装装置で試験するために下記フィルムを製造した:
【表3A】

【0070】
フィルム特性を評価するために試験を行い、結果が表3Bで示されている。
【表3B】

【0071】
下記ダイを真空包装試験に用いた:
ダイ1)ハーフエッグ形状:L 2.50in×W 1.88in×D 0.69in‐端部からテーパー状に下降する最大深さ
ダイ2)長方形:L 4.50in×W 2.75in×D 0.50in‐端部から真直ぐ下降する均一深さ
ダイ3)ハーフチューブ:L 1.88in×W 0.75in×D 0.50in‐端部からテーパー状に下降する最大深さ
ダイ4)7個のハーフシリンダー:L 2.00in×W 0.75in×D 0.50in‐端部からテーパー状に下降する最大深さ、各シリンダーは0.38″離す
ダイ5)テーパー状正方形:L 1.88in×W 1.88in×D 0.75in‐端部からテーパー状に下降する最大深さ
【0072】
様々な食品を下記のようなフィルムで包み、食用水溶性パッケージを形成した。
実施例3‐1−ダイ#1を用いてフィルム#6の真空成形に成功し、約12gの微粉末ALLEGGRAFS74卵製品をポーチに充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#1を用いて成功した。
【0073】
実施例3‐2−ダイ#1を用いてフィルム#5の真空成形に成功し、約20gの微粉末Swiss Miss Hot Cocoa Mixをポーチに充填した。パッケージを閉じるためにフィルム#1を用いたが、ヒートシーリングに際する破損のため、不成功に終わった。
【0074】
実施例3‐3−ダイ#1を用いてフィルム#5の真空成形に成功し、約12gの微粉末ALLEGGRAFS74卵製品をポーチに充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#5を用いて成功した。
【0075】
実施例3‐4−ダイ#1を用いてフィルム#3の真空成形に成功し、約20gの微粉末Swiss Miss Hot Cocoa Mixをポーチに充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#3を用いて成功した。
【0076】
実施例3‐5−ダイ#1を用いてフィルム#4の真空成形に成功し、約12gの微粉末ALLEGGRAFS74卵製品をポーチに充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#4を用いて成功した。
【0077】
実施例3‐6−ダイ#2を用いてフィルム#4の真空成形に成功し、約28gの微粉末Swiss Miss Hot Cocoa Mixをポーチに充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#4を用いて成功した。このパッケージは真空成形領域の深部コーナーに微細孔を有することが後でわかった。
【0078】
実施例3‐7−ダイ#2を用いてフィルム#3の真空成形に成功し、約40gの微粉末Swiss Miss Hot Cocoa Mixをポーチに充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#3を用いて成功した。
【0079】
実施例3‐8−ダイ#2を用いてフィルム#4の真空成形に成功し、約28gの微粉末Swiss Miss Hot Cocoa Mixをポーチに充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#4を用いて成功した。このパッケージは実施例5〜6の再現であり、欠陥を示さなかった。
【0080】
実施例3‐9−ダイ#2を用いた真空成形にフィルム#1が不成功に終わった。フィルムは小片に砕けた。
【0081】
実施例3‐10−ダイ#2を用いてフィルム#2の真空成形に成功し、約24gの微粉末ALLEGGRAFS74卵製品をポーチに充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#4を用いて成功した。このパッケージはヒートシーリング欠陥のために漏れを有することが後でわかった。
【0082】
実施例3‐11−ダイ#3を用いてフィルム#5の真空成形に成功し、約5gの微粉末Crystal Light Soft Drink Mixをポーチに充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#4を用いて成功した。
【0083】
実施例3‐12−ダイ#4を用いてフィルム#5の真空成形に成功し、約5gの微粉末Crystal Light Soft Drink Mixをポーチ7個の各々に充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#5を用いて成功した。このフィルムは1回の真空成形作業で多数の隣接キャビティを充填することができた。
【0084】
実施例3‐13−ダイ#4を用いてフィルム#6の真空成形に成功し、約4gの微粉末Alpine Spiced Cider Sugar Free Drink Mixをポーチ7個の各々に充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#6を用いて成功した。このフィルムは1回の真空成形作業で多数の隣接キャビティを充填することができた。
【0085】
実施例3‐14−ダイ#4を用いてフィルム#4の真空成形に成功し、約5gの微粉末Easy Mac Cheese Powderをポーチ7個の各々に充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#4を用いて成功した。このフィルムはもちこたえていたが、その伸びの限界にあるようで、真空成形に際して聞き取れるほどストレスの徴候を呈した。
【0086】
実施例3‐15−ダイ#1を用いてフィルム#3の真空成形に成功し、約17gの微粉末Easy Mac Cheese Powderをポーチに充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#3を用いて成功した。
【0087】
実施例3‐16−ダイ#1を用いてフィルム#2の真空成形に成功し、約17gの微粉末Easy Mac Cheese Powderをポーチに充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#3を用いて成功した。このパッケージはヒートシーリング欠陥のために漏れを有することが後でわかった。
【0088】
実施例3‐17−ダイ#2を用いてフィルム#4の真空成形に成功し、約40gの微粉末Easy Mac Cheese Powderをポーチに充填した。ヒートシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#4を用いて成功した。このパッケージはヒートシーリング欠陥のために漏れを有することが後でわかった。
【0089】
実施例3‐18−ダイ#1を用いてフィルム#3の真空成形に成功し、約17gの微粉末Easy Mac Cheese Powderをポーチに充填した。ウォーターシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#3を用いて成功した。
【0090】
実施例3‐19−ダイ#5を用いてフィルム#5の真空成形に成功し、約8gの微粉末Easy Mac Cheese Powderをポーチに充填した。ウォーターシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#5を用いて成功した。
【0091】
実施例3‐20−ダイ#5を用いてフィルム#3(6ミル)の真空成形に成功し、約8gの微粉末Easy Mac Cheese Powderをポーチに充填した。ウォーターシーリングでパッケージを閉じるためにフィルム#3(6ミル)を用いて成功した。
【0092】
実施例3‐21−2ミル厚の青色ペパーミント風味フィルムを、次の材料(すべて%w/w,d.s.ベース)を用いて作製した:プルラン(PI‐20)50%、タピオカデキストリン(F4‐800)13%、グリセロール6%、プロピレングリコール13%およびソルビトール19%。実験用インパルスシーラーを用いてフィルムを小型1/2インチ四方ポーチに形成した。各ポーチを約0.25gのイチゴ風味Pop Rocksキャンディで充填し、シールした。こうして、この試験で食用ツーパート菓子を作製したところ、フィルムが口内で溶けるやいなや、フィルムの直接的フレーバーがPop Rocksキャンディのフレーバーおよび食味特性で置き換わった。
【0093】
実施例4
80g脱イオン水に15.46gプルランを溶解させることで100gフィルム溶液を調製する。これに1.142gグリセリン、2.28gソルビトール、0.572gプロピレングリコール、0.01gラウリル硫酸ナトリウム、0.01g Polysorbate-80および0.02g安息香酸ナトリウムを撹拌しながら加える。最後に、0.5g gelatin-1385Pを撹拌しながら加えた。溶液を70℃に30分間加熱してゼラチンを完全に溶解させる。ゼラチンを溶解状態に保てる室温まで溶液が冷えるように、それを継続的に撹拌する。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで処理済ステンレススチール上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのときスチールから剥がせる。
【0094】
実施例5
80g脱イオン水に14.76gプルランを溶解させることで100gフィルム溶液を調製する。これに1.334gグリセリン、2.66gソルビトール、0.2gプロピレングリコール、1g NaCl、0.01gラウリル硫酸ナトリウム、0.01g Polysorbate-80および0.02g安息香酸ナトリウムを撹拌しながら加える。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで処理済ステンレススチール上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのときスチールから剥がせる。
【0095】
実施例6
80g脱イオン水に14.96gプルランを溶解させることで100gフィルム溶液を調製する。これに1.6gソルビトール、1.4gポリエチレングリコール、2g NaCl、0.01gラウリル硫酸ナトリウム、0.01g Polysorbate-80および0.02g安息香酸ナトリウムを撹拌しながら加える。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで処理済ステンレススチール上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのときスチールから剥がせる。
【0096】
実施例7
実施例4〜6に従い製造されたフィルムサンプル(下記表でサンプル4a、5aおよび6aと表示)を、それらの引張強度および破断伸び%を調べるために試験した。同材料を含有するが、但しゼラチンまたは塩を含有しない比較フィルムサンプル(下記表でサンプル4b、5bおよび6bと表示)でも、同試験を行った。
【0097】
フィルム試験プロトコール
引張強度および破断伸びを測定するために、フィルムのサンプルを2枚のアルミニウムブロック間に置き、それをネジおよび蝶ナットで一緒にしっかりと保持する。該ブロックはそれらにあけられた同一パターンの5つの穴を有している。円筒形プローブをInstron試験ユニットのアームに取り付ける。プローブをフィルムに打ち込むことで試験を行う。サンプルを再荷重せず、1穴当たり1回の試験で、5回繰り返す。新たな穴をプローブと合わせるためにブロックを単に再位置決めする。計算には、すべてのランから平均化したデータを用いる。
【0098】
ロードセルで1gfが記録されたときに測定を開始するようにInstronソフトウェアをプログラムし、底板にあけられた穴を抜けてプローブがそれ以上に移動した距離を記録する。プローブが底板の穴を抜けて移動すると、フィルムは拡張して、最後に破れる。変形のみならず、ロードセルに加わるグラム重として、変形の過程でフィルムがうける抵抗も装置が記録する。フィルムがこの試験で引っ張られるよりむしろ押されているとしても、データは常套引張試験として扱える。
【0099】
フィルム歪は次のように調べられる。フィルムがプローブの先端部とブロックの支持端部との間で引き伸ばされる。試験サンプルの初期“長さ”が穴の半径(“a”)として規定される。拡張長さは、この初期長さと、プローブが移動した距離から計算される。拡張長さは本質的に直角三角形の斜辺であり、三角形の1辺として穴半径a、および第二辺としてプローブで移動した距離bを有する。フィルムの拡張長さc(斜辺)は次のように計算される:
=a+b
c=(a+b1/2
各穴の直径は13mmであり、そのため半径は6.5mmである。歪は次のように計算される:
歪=(拡張長さ,c−6.5)/6.5
伸び率は、分数よりむしろパーセンテージとして表示される歪である。
【0100】
プローブ先端部の断面積は0.0085cmである。引張強度を計算するために、破断力または最大荷重力が断面積で割られる。その力はグラムで記録されるため、Kgf/cmで結果を得るためにそれが1000で割られる。計算は次の通りである:
引張強度=最大力(gf)/0.0085cm/1000
【0101】
ブロッキング分析
フィルムのブロッキング性を測定するために、主観試験を用いる。この試験のために、3枚のフィルムを切り出し、1枚のMylar上に表裏を重ねて置き、次いで他のMylarでカバーする。フィルムへ加圧するために、1/2インチ厚シートのガラスを積重ね物の上に置く。1週間後にフィルムを剥がし、下記スケールで剥がしやすさについて評点する:
0:ブロッキング性なし
1:容易に離れる
2:やや力を加えると離れる
3:かなり力を加えると離れるが破れてしまい、または1枚のみが剥がれる。
4:完全に貼りつく。剥がれない。
これら試験の結果が下記表4で要約されている:
【表4】

【0102】
データは、ゼラチンおよび塩の双方が伸びを改善しうることを示している。ゼラチンフィルムはブロッキング性に対抗するために通常他の添加物を要するが、ゼラチンは類似フィルムほどブロッキング性を悪くさせないが、伸びを低下させる。データは塩が伸びを劇的に改善しうることも示し、低レベルの可塑剤と併用された場合、それはブロッキング性も大きく改善しうる。
【0103】
実施例8
5gのステアロイル乳酸ナトリウムを95gイソプロピルアルコールへ溶解させることにより、100g界面活性剤溶液を調製する。これを次いでステンレススチール上に均一薄層で噴霧または塗布し、液体を蒸発させる。フィルムゲルを次いで処理済表面上に流延し、乾燥させる。
【0104】
実施例9
5gのプロピレングリコールモノステアレートを95gイソプロピルアルコールへ溶解させることにより、100g界面活性剤溶液を調製する。これを次いでステンレススチール上に均一薄層で噴霧または塗布し、液体を蒸発させる。フィルムゲルを次いで処理済表面上に流延し、乾燥させる。
【0105】
実施例10
5gのラウリル硫酸ナトリウムを95g脱イオン水へ溶解させることにより、100g界面活性剤溶液を調製する。これを次いでステンレススチール上に均一薄層で噴霧または塗布し、液体を蒸発させる。フィルムゲルを次いで処理済表面上に流延し、乾燥させる。
【0106】
実施例11
5gのPolysorbate-80を95g脱イオン水へ溶解させることにより、100g界面活性剤溶液を調製する。これを次いでステンレススチール上に均一薄層で噴霧または塗布し、液体を蒸発させる。フィルムゲルを次いで処理済表面上に流延し、乾燥させる。
【0107】
実施例12
実施例8〜11で調製された溶液を試験するために、別なシートのステンレススチールを各界面活性剤溶液で拭き、液体を蒸発させる。これは各ステンレススチール片上に均一被覆表面を残す。未処理スチールで剥がすことが難しいとわかった6種の異なるフィルムゲルを調製し、4枚の異なるスチール表面上に流延した。フィルムゲルを次のように処方した:
【0108】
フィルムサンプル12‐1
14.96gプルランを80g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。これに2.26gジグリセロール、2.26gポリエチレングリコール、0.5g NaCl、0.01gラウリル硫酸ナトリウム、0.01g Polysorbate-80および0.02g安息香酸ナトリウムを撹拌しながら加える。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで4枚の異なる処理済ステンレススチールシート上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。
【0109】
フィルムサンプル12‐2
14.96gプルランを80g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。これに1gジグリセロール、1gポリエチレングリコール、3g NaCl、0.01gラウリル硫酸ナトリウム、0.01g Polysorbate-80および0.02g安息香酸ナトリウムを撹拌しながら加える。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで4枚の異なる処理済ステンレススチールシート上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。
【0110】
フィルムサンプル12‐3
14.96gプルランを80g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。これに2gジグリセロール、2gポリエチレングリコール、1g KCl、0.01gラウリル硫酸ナトリウム、0.01g Polysorbate-80および0.02g安息香酸ナトリウムを撹拌しながら加える。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで4枚の異なる処理済ステンレススチールシート上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。
【0111】
フィルムサンプル12‐4
14.96gプルランを80g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。これに2gジグリセロール、2gポリエチレングリコール、1g NaSO、0.01gラウリル硫酸ナトリウム、0.01g Polysorbate-80および0.02g安息香酸ナトリウムを撹拌しながら加える。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで4枚の異なる処理済ステンレススチールシート上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。
【0112】
フィルムサンプル12‐5
14.96gプルランを80g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。これに2.26gジグリセロール、2.26gソルビトール、0.5g NaCl、0.01gラウリル硫酸ナトリウム、0.01g Polysorbate-80および0.02g安息香酸ナトリウムを撹拌しながら加える。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで4枚の異なる処理済ステンレススチールシート上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。
【0113】
フィルムサンプル12‐6
14.96gプルランを80g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。これに1.5gジグリセロール、1.5gソルビトール、2g NaCl、0.01gラウリル硫酸ナトリウム、0.01g Polysorbate-80および0.02g安息香酸ナトリウムを撹拌しながら加える。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで4枚の異なる処理済ステンレススチールシート上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。
【0114】
乾燥後、フィルムをすべて22.5℃および45%相対湿度で18時間にわたり環境チャンバーで硬化させた。フィルムを次いでステンレススチールから剥がし、各フィルムで剥がしやすさについてランク付けしたが、1は最も容易および4は最も困難である。結果が表5で示されている。
【表5】

実施例8および9の溶液が、スチール基材からフィルムの最も容易な剥離を行えた。しかしながら、実施例10および11の溶液も全く容易に剥がれ、商業向けセッティングでスチールベルトからの除去にも用いられた。
【0115】
実施例13
実施例1〜3で示されたものと類似したフィルムを作製した。これらのフィルムは次の通りであった:
フィルム13‐1. 15.26gプルランを80g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。ゼラチンを完全に溶解させるために、溶液を70℃に30分間加熱する。ゼラチンを溶解状態に保てる室温まで冷えるように、溶液を継続的に撹拌する。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで処理済ステンレススチール上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのとき使用のためスチールから容易に剥がせる。
【0116】
フィルム13‐2. 15.76gプルランを80g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで処理済ステンレススチール上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのとき使用のためスチールから容易に剥がせる。
【0117】
フィルム13‐3. 15.14gプルランを80g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで処理済ステンレススチール上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのとき使用のためスチールから容易に剥がせる。
【0118】
フィルム13‐4. 16.14gプルランを80g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで処理済ステンレススチール上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのとき使用のためスチールから容易に剥がせる。
【0119】
フィルム13‐5. 17.14gプルランを80g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。ゲルを次いで処理済ステンレススチール上に流延し、7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのとき使用のためスチールから容易に剥がせる。
【0120】
これら5枚のフィルムが、Bluehill 2ソフトウェアを用いてASTM D882法により、Instron 5542テスターで引張試験をうけた。各試験に用いられるゲージ長さ、フィルム厚および歪速度が下記表で示されている。多数のサンプルを各フィルムでランし、得られたデータをそのソフトウェアで計算する。各フィルムの引張強度および破断伸び率をこれらの計算から求める。結果が下記表6で示されている。
【表6】

【0121】
上記表でみられるように、ゼラチンおよび塩は双方ともプルランフィルムの伸びを大きく改善する。双方とも21%可塑剤を含有したフィルム13‐1および13‐2は、かなり異なる伸び値を示した。ゼラチン不在(フィルム2)のときフィルムはわずか8.4%の破断伸びを有し、ゼラチン存在のとき破断伸びは150.3%に増加する。すべてが14%可塑剤のみを含有するフィルム13‐3、13‐4および13‐5も、広く異なる伸びを示す。この低可塑剤レベルのとき、5%塩のみの添加では伸びの増加がほとんどみられない。しかしながら、10%塩を加えたとき、破断伸びは110%に飛躍する。これら高レベルの塩で強度が大きく低下した。やや高レベルの伝統的可塑剤のフィルムで5%塩の添加も、前記実施例でみられるように、かなり良い伸びを呈する。
【0122】
実施例14
15.56gプルランを80g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。この溶液に1.20gグリセリン、3.2gポリエチレングリコール(PEG)200、0.01gラウリル硫酸ナトリウム、0.01g Polysorbate-80および0.02g安息香酸ナトリウムを撹拌しながら加える。ゲルが均一粘稠度になるまで、撹拌を室温で続ける。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。次いでイソプロパノールに溶解された2%ステアロイル乳酸ナトリウム(SSL)で処理されたステンレススチール表面上にゲルを流延する。流延フィルムを7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのとき評価および使用のためスチールから容易に剥がせる。
【0123】
実施例15
15.36gプルランを79.72g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。この溶液に1.20gグリセリン、3.2g PEG200、0.01gラウリル硫酸ナトリウム、0.01g Polysorbate-80、0.02g安息香酸ナトリウムおよび0.48gの41.5%パラフィンロウエマルジョンを撹拌しながら加える。ゲルが均一粘稠度になるまで、撹拌を室温で続ける。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。次いでイソプロパノールに溶解された2% SSLで処理されたステンレススチール表面上にゲルを流延する。流延フィルムを7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのとき評価および使用のためスチールから容易に剥がせる。
【0124】
実施例16
15.16gプルランを79.44g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。この溶液に1.20gグリセリン、3.2g PEG200、0.01gラウリル硫酸ナトリウム、0.01g Polysorbate-80、0.02g安息香酸ナトリウムおよび0.96gの41.5%パラフィンロウエマルジョンを撹拌しながら加える。ゲルが均一粘稠度になるまで、撹拌を室温で続ける。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。次いでイソプロパノールに溶解された2% SSLで処理されたステンレススチール表面上にゲルを流延する。流延フィルムを7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのとき評価および使用のためスチールから容易に剥がせる。
【0125】
実施例17
20.447gプルランを72.190g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。この溶液に1.080gグリセリン、2.160g PEG200、2.700gソルビトール、0.054gの10%食品用シリコーンエマルジョン、0.014g Polysorbate-80、0.027g安息香酸ナトリウムおよび1.301gの41.5%パラフィンロウエマルジョンを撹拌しながら加える。ゲルが均一粘稠度になるまで、撹拌を室温で続ける。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。次いでイソプロパノールに溶解された2% SSLで処理されたステンレススチール表面上にゲルを流延する。流延フィルムを7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのとき評価および使用のためスチールから容易に剥がせる。
【0126】
実施例18
15.36gプルランを79.96g脱イオン水へ溶解させることにより、100gフィルム溶液を調製する。この溶液に1.00gグリセリン、2.40g PEG200、1.20gソルビトール、0.04gの10%食品用シリコーンエマルジョン、0.01g Polysorbate-80および0.02g安息香酸ナトリウムを撹拌しながら加える。ゲルが均一粘稠度になるまで、撹拌を室温で続ける。一夜静置または遠心することによりゲルを脱気させる。次いでイソプロパノールに溶解された2% SSLで処理されたステンレススチール表面上にゲルを流延する。流延フィルムを7.5〜9.5%の水分レベルまで乾燥させる。フィルムはそのとき評価および使用のためスチールから容易に剥がせる。
これら5種の処方(実施例14〜18)は、ワックス含有プルランフィルム処方およびそれらの無ワックスアナログの例である。
【0127】
実施例19
ポリマー薄フィルムは、加圧下で自己接着するまたは“ブロッキングする”傾向を示すことがある。この傾向を示さないフィルムは、バッキングまたはサポートなしで、自ら流延およびロールされる。プルランフィルムで自己接着性を試験するために、比較的迅速で手軽な分析のための操作を開発した:1″四方で3枚を流延プルランフィルムから切り出し、スタガード配置でクローズドサイドからオープンサイドへMylarシート上に積み重ねた。他の表面への正方形フィルムの接着を防ぐために、積重ねサンプルを2枚目のMylarシートでカバーした。自ら巻いたときフィルムがうける場合と似た圧力を加えるために、ガラスの22″×14″×0.5″シート5枚を積重ねサンプルのロットの上に置いた。表面ブロッキングのレベルまたは正方形の各サンプル3枚が互いに接着する度合を評価するために、サンプルを24時間後に調べた。24時間後に互いに不可逆的接着しなかったサンプルを1週間経過後に再評価した。
【0128】
試験結果は5ポイントスケールでスコアを付けることにより表示した:
0‐表面接着なし
1‐フィルムが貼りつくが、3枚すべての正方形が最少の力で剥がれる
2‐フィルムが貼りつくが、3枚すべての正方形が中度の力で剥がれる
3‐フィルムが貼りつくが、3枚すべての正方形が相当の力で剥がれ、フィルムを損傷させる
4‐3枚すべての正方形が完全に接着し、離れない
この試験手順を用いたところ、実施例14〜16で詳述されたフィルムのブロッキングスコアは次の通りである:
【表7】

プルランフィルム処方中ワックス含有率の増加が自己接着する傾向を減少させることは、表7のデータから明らかである。
【0129】
実施例20
多くの商用包装作業では、フィルムパッケージをヒートシールしてそれらを閉じている。熱でシールしうるプルランフィルムの能力を測定するために、下記試験を行った。この目的のために、2″×0.5″フィルム片を異なる三方向で一緒にシールし、次いで手で引き離した。フィルムをオープンフェース・トゥ・オープンフェース(フロント・トゥ・フロント)、クローズドフェース・トゥ・クローズドフェース(バック・トゥ・バック)およびオープンフェース・トゥ・クローズドフェース(フロント・トゥ・バック)でシールした。
【0130】
シールを5ポイントスケールで評価した:
0‐シールが剥がれる前にフィルムが破れる
1‐フィルムが破れる前にシールが部分的に剥がれる
2‐シールが力で完全に剥がれる;フィルムは破れない
3‐シールが最少の力で完全に剥がれる;フィルムは破れない
4‐フィルムは全くシールを形成しない
この試験法を用いたところ、実施例14〜16で詳述されたフィルムのヒートシールスコアは次の通りである:
【表8】

【0131】
表8のデータは、プルランフィルム処方中ワックスの存在が強いシールを形成しうるフィルムの能力を増加させることを示している。第二に、上記“B”で示されるフィルムのクローズド表面に係わるシールがオープン表面とオープン表面とで形成されたシールほど良くなかったことも、結果は示している。実施例14において、フィルムのクローズドおよびオープン表面間で唯一の差異はクローズド表面におけるSSLの存在である。SSLはしたがって、処理表面が係わるとき、シール強度の低下に関与するらしい。クローズド表面が係わるときのみシール強度の低下が生じることは、SSLが水性流延ゲルと非混和性であり、クローズド表面に存在したままであることの示唆である。
【0132】
実施例21
商用包装分野では、包装が正しく進行するようフィルムがあるレベルの滑りを示すような手法でフィルムが機械に通される。滑りの程度は摩擦係数として表示される。
【0133】
この試験は、摩擦係数アタッチメント(Model #2810‐005)を用いてInstron 5542で行う。試験はASTM D1894に従い、方法コントロールおよび分析のためにBluehill 2ソフトウェアを利用する。この方法により、試験されるフィルムでスレッド(2.5in,200g)をラップし、試験台へ置く。試験台を望ましい試験物質でカバーする。フィルムでフィルムの滑りを試験するために台をフィルムでカバーし、スチールでフィルムの滑りを試験するためにそれをステンレススチールシート(4.5″×15″)でもカバーする。スレッドを次いで150mm/minの速度でトウ・ラインにより台に沿い引く。トウ・ラインをフックアセンブリーでInstronのロードセルに接続し、スレッドを引くために必要な力を測定する。
【0134】
各完全試験のために3回のランを行い、それらの結果を最終計算のために平均化する。摩擦係数は、スレッドを引くために必要な力をスレッドの重さで割ることにより計算する。静摩擦係数はスレッド移動を開始させるために必要な力の量であり、最初のピークからの最大力を用いて計算する。動摩擦係数はスレッド移動を保つために必要な力として規定され、次の10インチの試験で力を平均化してそれをスレッド重さで割ることにより計算する。すべての計算をBluehill 2ソフトウェアにより行う。
【0135】
商用包装作業による使用でワックス含有プルランフィルムおよび石油化学ベースフィルムに関する摩擦係数試験結果の概要は次の通りである:
【表9】

【0136】
表9で示されたデータは、無ワックスのプルランフィルムがワックス含有フィルムまたは市販パッカーから得られるフィルムより高い摩擦係数値、ひいてはかなり少ない滑りを有することを示している。第二に、無ワックスフィルムがフロント表面関係の全試験で少ない滑りを有するとしても、バック表面のみに係わる試験はワックス含有フィルムで相当試験と類似したCoF値を有する。これは、SSLがフィルムの背面の滑り特性に関与することを示唆している。第三に、ワックス含有フィルムのCoF値は、市販パッカーで現在用いられているフィルムに関するものと類似し、ほとんどの場合でそれより良い。
【0137】
実施例22
上記のように生産されたフィルムの三層構造に関する目視証拠をOlympic BX‐51光学顕微鏡を用いて得た。フィルム表面を反射部分交差偏光および完全交差偏光下において倍率40×でみた。SSLで処理された表面に流延されなかった、ワックスを含有しないプルランフィルムの表面は、反射およびやや交差偏光した反射光の双方下でみたとき、滑らかで比較的特色がなかった。このフィルム表面でいかなる結晶物質の証拠もなかった。
【0138】
SSLで処理された表面に流延された、ワックスを含有するプルランフィルムのオープンまたは最上表面は、反射完全交差偏光下でみたとき、明らかに目視しうる粗粒度ワックスドメインを有していた。この表面でSSL細結晶の不在にも気づいた。
【0139】
先の段落で記載された同フィルムのクローズド表面を類似光条件下で再びみた。フィルムのこの表面で粗いワックスドメインの目視証拠はなかったが、SSLの微細結晶をみることができた。これらの観察から、SSLがフィルムのクローズド表面に存在したままで、ワックス粒子がフィルムのオープン表面上に集まり、その間に単純可塑化プルラン層を残していることがわかる。この三層構造は処理表面上で1回の被覆により得られるが、加工条件および計画された塗布法が要求するように、多数回の被覆でも得られた。
【0140】
実施例23
6種の異なる水溶性タンパク質をフィルムでそれらの使用について試験した。これらのフィルムは、18.575gプルラン、1.875gグリセロール、3.625gソルビトール、0.25gプロピレングリコール、0.025gラウリル硫酸ナトリウム、0.025g安息香酸ナトリウムおよび0.625gの下記水溶性タンパク質の1種を75gの水に溶解させることにより、すべて作製した:
a)Nitta Gelatin製のGelatin 1385P
b)PB Gelatins製のInstagel
c)Seiwa Kasei Co.,LTD製の加水分解エンドウタンパク質Promois WJ
d)Seiwa Kasei Co.,LTD製の加水分解大豆タンパク質Promois WS
e)Seiwa Kasei Co.,LTD製の加水分解ゴマタンパク質Promois SIG
f)Seiwa Kasei Co.,LTD製の加水分解乳タンパク質Promois Hydromilk
得られたゲルを脱気し、ステンレススチール上に流延し、65℃および25%の相対湿度で1時間15分にわたり環境チャンバー中で乾燥させた。その後チャンバーを一夜硬化のために22.5℃および45%の相対湿度にリセットした。フィルムを次いでスチールから取り出し、試験した。引張強度および伸びをInstron装置でプローブ法により、および水分をKarl Fischerオーブン法分析により、すべてについて試験した。
【0141】
先の実施例では、ゼラチンが引張強度の有意な低下なしに伸びを改善するように働くことを示している。他の水溶性タンパク質が機械的性質に同タイプの効果を有するかどうかを調べるために、これら他のタンパク質を試験した。結果が下記表10で示されている。
【表10】

【0142】
試験されたタンパク質はいずれもゼラチンほど良く働かなかった。それらはすべて伸びを低下させ、それらのほとんどが引張強度も低下させた。しかしながら、これらのタンパク質はゲルの固化なしにゲルへうまく加えられた。
【0143】
様々な塩を含有した食用フィルム処方
先の実施例では、食卓塩NaClの添加がプルランフィルムで伸びを有意に改善することを示している。他の塩も、それらがプルランフィルムに同様の効果を有するかどうかを調べるために、様々な濃度レベルで試験した。実施例24〜28のフィルムを記載されたように作製し、次いで試験した。試験には、Instronでプローブ法による機械的試験、Karl Fischer水分分析および溶解試験を含めた。
【0144】
プルランフィルムの溶解性を迅速に調べるために“迅速溶解分析”と称される試験法を開発した。該方法では単にストップウォッチ、撹拌プレート、ビーカー、撹拌棒および温度計を用いる。冷水試験で用いられる水の温度は5〜15℃の範囲内であり、熱水試験でそれは65〜75℃の範囲内である。熱または冷水のビーカーを撹拌プレート上に置き、中度ペースで撹拌する。温度を温度計で測り、記録する。大きさ約1インチ四方の1枚のフィルムを切り出し、水に落とす。フィルムが水に入るとすぐにタイマーを始動させる。フィルムが完全に溶解した時間を記録する。装置を浄化し、次の試験を始める前に新鮮水を得る。
【0145】
実施例24
コントロールとして用いるために、塩を含有しないフィルムを最初に作製した。このフィルムは、19.7125gプルラン、0.75gグリセロール、2.5gソルビトール、2gポリエチレングリコール(200MW)、0.0125gラウリル硫酸ナトリウムおよび0.025g安息香酸ナトリウムを75gの水に溶解させることで作製した。ゲルをステンレススチール上に流延し、65℃および25%の相対湿度で1時間15分にわたり環境チャンバー中で乾燥させた。その後チャンバーを一夜硬化のために22.5℃および45%の相対湿度にリセットした。フィルムを次いでスチールから取り出し、試験した。
【0146】
実施例25
1.25%(dsb)の3種の異なる塩を含有する3種のフィルムを作製した。これらのフィルムは、19.4gプルラン、0.75gグリセロール、2.5gソルビトール、2gポリエチレングリコール(200MW)、0.0125gラウリル硫酸ナトリウム、0.025g安息香酸ナトリウムおよび0.3125gの下記塩の1種を75gの水に溶解させることで作製した。
NaCl
MgCl
CaCl
ゲルをすべてステンレススチール上に流延し、65℃および25%の相対湿度で1時間15分にわたり環境チャンバー中で乾燥させた。その後チャンバーを一夜硬化のために22.5℃および45%の相対湿度にリセットした。フィルムを次いでスチールから取り出し、試験した。
【0147】
実施例26
2.5%の6種の異なる塩を含有する6種のフィルムを作製した。これらのフィルムは、19.0875gプルラン、0.75gグリセロール、2.5gソルビトール、2gポリエチレングリコール(200MW)、0.0125gラウリル硫酸ナトリウム、0.025g安息香酸ナトリウムおよび0.625gの下記塩の1種を75gの水に溶解させることで作製した。
NaCl
MgCl
CaCl
KCl
LiCl
NaSO
ゲルをすべてステンレススチール上に流延し、65℃および25%の相対湿度で1時間15分にわたり環境チャンバー中で乾燥させた。その後チャンバーを一夜硬化のために22.5℃および45%の相対湿度にリセットした。フィルムを次いでスチールから取り出し、試験した。
【0148】
実施例27
5%の4種の異なる塩を含有する4種のフィルムを作製した。これらのフィルムは、18.4625gプルラン、0.75gグリセロール、2.5gソルビトール、2gポリエチレングリコール(200MW)、0.0125gラウリル硫酸ナトリウム、0.025g安息香酸ナトリウムおよび1.25gの下記塩の1種を75gの水に溶解させることで作製した。
NaCl
KCl
LiCl
NaSO
ゲルをすべてステンレススチール上に流延し、65℃および25%の相対湿度で1時間15分にわたり環境チャンバー中で乾燥させた。その後チャンバーを一夜硬化のために22.5℃および45%の相対湿度にリセットした。フィルムを次いでスチールから取り出し、試験した。
【0149】
実施例28
異なる割合で塩NaClおよびMgClの組合せを含有するフィルムを作製した。これらのフィルムは次のように作製した:
a)このフィルムは、19.0875gプルラン、0.75gグリセロール、2.5gソルビトール、2gポリエチレングリコール(200MW)、0.0125gラウリル硫酸ナトリウム、0.025g安息香酸ナトリウム、0.3125g NaClおよび0.3125g MgClを75gの水に溶解させることで作製した。ゲルをステンレススチール上に流延し、65℃および25%の相対湿度で1時間15分にわたり環境チャンバー中で乾燥させた。その後チャンバーを一夜硬化のために22.5℃および45%の相対湿度にリセットした。フィルムを次いでスチールから取り出し、試験した。
【0150】
b)このフィルムは、18.775gプルラン、0.75gグリセロール、2.5gソルビトール、2gポリエチレングリコール(200MW)、0.0125gラウリル硫酸ナトリウム、0.025g安息香酸ナトリウム、0.625g NaClおよび0.3125g MgClを75gの水に溶解させることで作製した。ゲルをステンレススチール上に流延し、65℃および25%の相対湿度で1時間15分にわたり環境チャンバー中で乾燥させた。その後チャンバーを一夜硬化のために22.5℃および45%の相対湿度にリセットした。フィルムを次いでスチールから取り出し、試験した。
【0151】
先の実施例からの結果の要約が以下で示されている:
【表11】

注記:すべてのフィルム厚は2.1〜3.1ミルの範囲であった。
【0152】
表11では、実施例を塩含有率で分類している。ほとんどの場合に、塩の添加は全レベルにおいて強度を維持しながら伸びを改善している。これの唯一の例外は、高レベルの塩化カルシウムおよび硫酸ナトリウムを含有したフィルムの場合である。全塩の添加が冷水溶解時間を改善していることも明らかである。KClの1例が高いのは水中でサンプルの凝集のせいらしく、長い溶解時間に至っている。数種の塩フィルムが有意に高レベルの水分を有していることに留意することも重要である。塩は水を保持して保湿剤として作用しやすく、フィルムの伸びを改善する上で役立つ。
【0153】
フィルムへ高レベルの塩を配合しても、高レベルの伸びへ常につながるわけではないことがわかった。一部の塩では、高レベルほどフィルム内で脆さにつながりやすい。このため、塩が加えられているものに基づき加えられる塩の量を最適にすることが有用である。各塩は、ルーチン実験で決められる、それ自体の最適レベルを有している。NaClの場合、このレベルは約2.5%である。高レベルの塩の含有は塩で溶解時間に有意な影響を与えないことも留意すべきである。塩の含有は溶解時間を改善する;しかしながら、加えられる塩の量に比例しない。塩化カルシウムおよび硫酸ナトリウムが、試験されたものの中で機械的性質に及ぼす影響が最少で済む2種の塩である。塩化リチウムが機械的性質に最大の影響を及ぼした。
【0154】
塩化ナトリウムおよび塩化マグネシウムが最も一貫した結果を与えているようであり、食品で常用されている。最良の可能なフィルムを決めるために、2種の混合物が更に良いフィルムを与えるかどうかをみる上でこれら2種を組み合わせた。表12のデータで示されているように、それらは伸びを改善する。しかしながら、多い塩化ナトリウムの添加は強度を低下させ、フィルムの脆さにつながる。フィルム28aが、低水分条件のとき、良い感触、無粘着性でほとんど脆さのない良いフィルムであった。1.25%の濃度で塩化ナトリウムおよび塩化マグネシウムを双方とも含有するフィルムが、これまで試験された塩含有フィルムのすべての中で最良の結果を与えているらしいとわかった。しかしながら、他の塩も単独では良い結果を与えている。
【表12】

【0155】
実施例29
プルランフィルムを流延し、2ミルポリエステルフィルムのシート上で乾燥させた。乾燥されたプルランフィルム層は厚さ約4ミルであり、ポリエステル基材へ接着したままにさせた。この二層構造体の4.5インチ幅ロール2本を、プルラン層が内側(充填物質と接触)およびポリエステル層が外側となるように、Transwrap縦型フィルシール包装機へ入れた。機械のヒートシーリングジョーを125℃の定温にセットした。機械を作動させ、二層フィルム構造体を食品用充填物質含有の4.5インチ×5.5インチポーチにうまく形成した。食品ポーチを形成するためにプルラン層のシーリングは、保護ポリエステル層を介して加熱することにより、うまく行えた。保護ポリエステルフィルム層は最終ポーチに接着したままであったが、食用ポーチとその内容物を調理へ用いる前に、ポーチから容易に剥がせた。
【0156】
本発明のある態様に関する先の記載は、すべての可能な態様の包括的リストとなるものではない。当業者であれば、下記請求の範囲内に属するここで記載された具体的態様に修正を加えうることがわかるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の一態様による、多層フィルムの概略図である。
【図2】本発明の一態様による、剥離可能な可撓性基材上におけるフィルムの概略図である。
【図3】食品を含有する、本発明の一態様によるフィルム製の、ポーチの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品と該食品を包む水溶性フィルムを含んでなる食用物品であって、フィルムが、乾燥固形ベースで主要量のプルランと、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールから選択される少量の2種以上の構成要素とから本質的になる、食用物品。
【請求項2】
フィルムが乾燥固形ベースで約35〜80重量%プルランを含んでなる、請求項1に記載の食用物品。
【請求項3】
フィルムがグリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールを含んでなる、請求項1に記載の食用物品。
【請求項4】
フィルムが、乾燥固形ベースで、約1〜30重量%グリセロール、約1〜30%プロピレングリコールおよび約1〜30%ソルビトールを含んでなる、請求項3に記載の食用物品。
【請求項5】
フィルムがクエン酸を更に含んでなる、請求項1に記載の食用物品。
【請求項6】
フィルムがデンプンまたはデンプン誘導体を更に含んでなる、請求項1に記載の食用物品。
【請求項7】
デンプン誘導体がデキストリンまたはマルトデキストリンである、請求項6に記載の食用物品。
【請求項8】
フィルムが、アルギネート、キサンタンガム、コラーゲン、ポリデキストロースまたはそれら2種以上の組合せを更に含んでなる、請求項1に記載の食用物品。
【請求項9】
食品が、粉末飲料ミックス、キャンディ、粉末チーズ製品、粉末卵製品、乾燥スープおよびキャセロールミックス、食用色素およびスパイスから選択される、請求項1に記載の食用物品。
【請求項10】
乾燥固形ベースで主要量のプルランと、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールから選択される少量の2種以上の構成要素とから本質的になる、フィルム形成組成物を調製し、
フィルム形成組成物を水溶性フィルムへ形成し、そして
食品を該フィルムで包むこと
を含んでなる、食用物品を製造するための方法。
【請求項11】
フィルムが、破断せずに少なくとも約50%縦方向に伸ばすことができる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
フィルムが、破断せずに少なくとも約100%縦方向に伸ばすことができる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
フィルム形成組成物が、流延によりフィルムへ形成される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
食品の周りでシールされた封入物を形成するために、2枚のフィルム間に食品を置いて2枚のフィルムをヒートシールすることにより、食品が包まれる、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
食品の周りでシールされた封入物を形成するために、2枚のフィルム間に食品を置いてフィルムの少なくとも一部に水分および圧力を加えることにより、食品が包まれる、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
食品の周りでフィルムを真空成形することにより、食品が包まれる、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
フィルム形成組成物が乾燥固形ベースで約35〜80重量%プルランを含んでなる、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
フィルムがグリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールを含んでなる、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
フィルム形成組成物が、乾燥固形ベースで、約1〜30重量%グリセロール、約1〜30%プロピレングリコールおよび約1〜30%ソルビトールを含んでなる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
フィルム形成組成物がクエン酸を更に含んでなる、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
フィルム形成組成物がデンプンまたはデンプン誘導体を更に含んでなる、請求項10に記載の方法。
【請求項22】
デンプン誘導体がデキストリンまたはマルトデキストリンである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
フィルム形成組成物が、アルギネート、キサンタンガム、コラーゲン、ポリデキストロースまたはそれら2種以上の組合せを更に含んでなる、請求項10に記載の方法。
【請求項24】
食品が、粉末飲料ミックス、キャンディ、粉末チーズ製品、粉末卵製品、乾燥スープおよびキャセロールミックス、食用色素およびスパイスから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項25】
フィルムが、1000グラム重を超える引張強度と50%を超える破断伸び率を示す、請求項10に記載の方法。
【請求項26】
フィルム形成組成物が、アルギネート類、セルロースエーテル類、修飾デンプンおよびそれらの組合せからなる群より選択される少量の補助多糖を更に含み、フィルムが1000グラム重を超える引張強度と50%を超える破断伸び率を示す、請求項10に記載の方法。
【請求項27】
乾燥固形ベースで主要量のプルランと、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールから選択される少量の2種以上の構成要素とから本質的になり、組成物が1000グラム重を超える引張強度と50%を超える破断伸び率を示す2.2ミル未満の厚さを有したフィルムへ形成されることができる、水溶性食用フィルム形成組成物。
【請求項28】
乾燥固形ベースで主要量のプルランと、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールから選択される少量の2種以上の構成要素とから本質的になり、2.2ミル未満の厚さを有し、フィルムが1000グラム重を超える引張強度と50%を超える破断伸び率を示す、水溶性食用フィルム。
【請求項29】
乾燥固形ベースで主要量のプルランと、少量の(i)アルギネート類、セルロースエーテル類、修飾デンプンおよびそれらの組合せからなる群より選択される補助多糖、および(ii)グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールからなる群より選択される2種以上の構成要素とから本質的になり、組成物が1000グラム重を超える引張強度と50%を超える破断伸び率を示す2.2ミル未満の厚さを有したフィルムへ形成しうる、水溶性食用フィルム形成組成物。
【請求項30】
乾燥固形ベースで主要量のプルランと、少量の(i)アルギネート類、セルロースエーテル類、修飾デンプンおよびそれらの組合せからなる群より選択される補助多糖、および(ii)グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールからなる群より選択される2種以上の構成要素とから本質的になり、2.2ミル未満の厚さを有し、フィルムが1000グラム重を超える引張強度と50%を超える破断伸び率を示す、水溶性食用フィルム。
【請求項31】
食品と該食品を包む水溶性フィルムを含んでなる食用物品であって、フィルムが、乾燥固形ベースで主要量のプルランと、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールから選択される少量の2種以上の構成要素とから本質的になり、フィルムが2.2ミル未満の厚さを有し、1000グラム重を超える引張強度と50%を超える破断伸び率を示す、食用物品。
【請求項32】
フィルムが、アルギネート類、セルロースエーテル類、修飾デンプンおよびそれらの組合せからなる群より選択される少量の補助多糖を更に含んでなる、請求項31に記載の食用物品。
【請求項33】
乾燥固形ベースで主要量のプルランと、
ゼラチンと、
グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールの少なくとも2種と
を含んでなる、水溶性食用フィルム。
【請求項34】
フィルムが乾燥固形ベースで約35〜80重量%プルランを含んでなる、請求項33に記載のフィルム。
【請求項35】
フィルムが乾燥固形ベースで約0.5〜22.5重量%ゼラチンを含んでなる、請求項33に記載のフィルム。
【請求項36】
フィルムがグリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールを含んでなる、請求項33に記載のフィルム。
【請求項37】
フィルムが、乾燥固形ベースで、約1〜30重量%グリセロール、約1〜30%プロピレングリコールおよび約1〜30%ソルビトールを含んでなる、請求項36に記載のフィルム。
【請求項38】
少なくとも1種の塩を更に含んでなる、請求項33に記載のフィルム。
【請求項39】
少なくとも1種の塩がNaClを含んでなる、請求項38に記載のフィルム。
【請求項40】
少なくとも1種の塩が、乾燥固形ベースで約0.3〜15重量%の濃度で、フィルムに存在している、請求項38に記載のフィルム。
【請求項41】
少なくとも1種の内部フィルム剥離剤を更に含んでなる、請求項38に記載のフィルム。
【請求項42】
少なくとも1種の内部フィルム剥離剤が、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ラウリル硫酸ナトリウムまたはそれらの組合せを含んでなる、請求項41に記載のフィルム。
【請求項43】
食品と、該食品を包む請求項33〜42のいずれか一項に記載の水溶性フィルムを含んでなる、食用物品。
【請求項44】
食品が、粉末飲料ミックス、キャンディ、粉末チーズ製品、粉末卵製品、乾燥スープおよびキャセロールミックス、食用色素およびスパイスから選択される、請求項43に記載の食用物品。
【請求項45】
(a)乾燥固形ベースで主要量のプルランと、
ゼラチンと、
グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールの少なくとも2種と
を含んでなるフィルム形成組成物を調製し、
(b)少なくとも1種の界面活性剤を含んでなる溶液または懸濁液で基材を被覆し、そして
(c)フィルム形成組成物を基材へ流延すること
を含んでなる、水溶性食用フィルムを製造するための方法。
【請求項46】
少なくとも1種の界面活性剤が、プロピレングリコールモノステアレート、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸の少なくとも1種の塩またはそれらの組合せを含んでなる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
フィルム形成組成物が乾燥固形ベースで約35〜80重量%プルランを含んでなる、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
フィルム形成組成物が乾燥固形ベースで約0.5〜22.5重量%ゼラチンを含んでなる、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
フィルム形成組成物がグリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールを含んでなる、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
フィルム形成組成物が、乾燥固形ベースで、約1〜30重量%グリセロール、約1〜30%プロピレングリコールおよび約1〜30%ソルビトールを含んでなる、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
フィルム形成組成物が少なくとも1種の塩を更に含んでなる、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
少なくとも1種の塩がNaClを含んでなる、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
少なくとも1種の塩が、乾燥固形ベースで約0.3〜15重量%の濃度で、フィルム形成組成物に存在している、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
フィルム形成組成物が少なくとも1種の内部フィルム剥離剤を更に含んでなる、請求項45に記載の方法。
【請求項55】
少なくとも1種の内部フィルム剥離剤が、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ラウリル硫酸ナトリウムまたはそれらの組合せを含んでなる、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
請求項45〜55のいずれか一項に記載の方法に従い水溶性フィルムを形成し、
食品を該フィルムで包むこと
を含んでなる、食用物品を製造するための方法。
【請求項57】
フィルムが、破断せずに少なくとも約50%縦方向に伸ばすことができる、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
食品の周りでシールされた封入物を形成するために、2枚のフィルム間に食品を置いて2枚のフィルムをヒートシールすることにより、食品が包まれる、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
食品の周りでシールされた封入物を形成するために、2枚のフィルム間に食品を置いてフィルムの少なくとも一部に水分および圧力を加えることにより、食品が包まれる、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
食品の周りでフィルムを真空成形することにより、食品が包まれる、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
食品が、粉末飲料ミックス、キャンディ、粉末チーズ製品、粉末卵製品、乾燥スープおよびキャセロールミックス、食用色素およびスパイスから選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
主要量の少なくとも1種の食品用ワックスを含んでなる第一層と、
主要量のプルランを含み、更に少なくとも1種の可塑剤を含んでなる第二層と、
水性プルラン組成物と実質的に非混和性であるが、プルラン表面に接着する少なくとも1種の界面活性剤を含んでなり、少なくとも1種の界面活性剤が少なくとも部分的に結晶質である第三層と
を含んでなる、食用フィルム。
【請求項63】
少なくとも1種の界面活性剤がステアロイル乳酸ナトリウムを含んでなる、請求項62に記載のフィルム。
【請求項64】
第二層が食品用ワックスの粒子を更に含んでなる、請求項62に記載のフィルム。
【請求項65】
第二層が乾燥固形ベースで約35〜80重量%プルランを含んでなる、請求項62に記載のフィルム。
【請求項66】
第二層中の可塑剤が、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールの少なくとも2種を含んでなる、請求項62に記載のフィルム。
【請求項67】
第二層が乾燥固形ベースで約0.5〜22.5重量%ゼラチンを含んでなる、請求項62に記載のフィルム。
【請求項68】
第二層が、デンプン、デンプン誘導体、アルギネート、キサンタンガム、コラーゲン、ポリデキストロースまたはそれら2種以上の組合せを更に含んでなる、請求項62に記載のフィルム。
【請求項69】
第二層がグリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールを含んでなる、請求項62に記載のフィルム。
【請求項70】
第二層が、乾燥固形ベースで、約1〜30重量%グリセロール、約1〜30%プロピレングリコールおよび約1〜30%ソルビトールを含んでなる、請求項69に記載のフィルム。
【請求項71】
第二層が少なくとも1種の塩を更に含んでなる、請求項62に記載のフィルム。
【請求項72】
少なくとも1種の塩がNaCl、MgClまたはそれらの組合せを含んでなる、請求項71に記載のフィルム。
【請求項73】
少なくとも1種の塩が、乾燥固形ベースで約0.3〜15重量%の濃度で、第二層に存在している、請求項71に記載のフィルム。
【請求項74】
少なくとも1種の界面活性剤がフィルムの約0.001〜0.1重量%である、請求項62に記載のフィルム。
【請求項75】
食品と、該食品を包む請求項62〜74のいずれか一項に記載の食用フィルムを含んでなる、食用物品。
【請求項76】
食品が、粉末飲料ミックス、キャンディ、粉末チーズ製品、粉末卵製品、乾燥スープおよびキャセロールミックス、食用色素およびスパイスから選択される、請求項75に記載の食用物品。
【請求項77】
食用フィルムを製造するための方法であって、
水性プルラン組成物と実質的に非混和性である主要量の少なくとも1種の界面活性剤を含んでなる溶液または懸濁液を基材に塗布し、
少なくとも部分的に結晶質である主要量の乾燥界面活性剤を含んでなる第一層を形成するために該溶液または懸濁液を乾燥または濃縮し、
プルランと、少なくとも1種の可塑剤と、少なくとも1種の食品用ワックスとを含んでなる水溶液または懸濁液を該乾燥界面活性剤層へ塗布し、そして
該水溶液または懸濁液を乾燥または濃縮させ、それにより第二層および第三層が形成され、第二層が第一層の上にあり、第三層が第二層の上にあり、第二層が可塑剤と主要量のプルランとを含んでなり、第三層が主要量の食品用ワックスを含んでなる、方法。
【請求項78】
少なくとも1種の界面活性剤がステアロイル乳酸ナトリウムを含んでなる、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
第二層が食品用ワックスの粒子を更に含んでなる、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
第二層が乾燥固形ベースで約35〜80重量%プルランを含んでなる、請求項77に記載の方法。
【請求項81】
第二層中の可塑剤が、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールの少なくとも2種を含んでなる、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
第二層が乾燥固形ベースで約0.5〜22.5重量%ゼラチンを含んでなる、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
第二層が、デンプン、デンプン誘導体、アルギネート、キサンタンガム、コラーゲン、ポリデキストロースまたはそれら2種以上の組合せを更に含んでなる、請求項77に記載の方法。
【請求項84】
第二層がグリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールを含んでなる、請求項77に記載の方法。
【請求項85】
第二層が、乾燥固形ベースで、約1〜30重量%グリセロール、約1〜30%プロピレングリコールおよび約1〜30%ソルビトールを含んでなる、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
第二層が少なくとも1種の塩を更に含んでなる、請求項77に記載の方法。
【請求項87】
少なくとも1種の塩がNaCl、MgClまたはそれらの組合せを含んでなる、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
少なくとも1種の塩が、乾燥固形ベースで約0.3〜15重量%の濃度で、第二層に存在している、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
乾燥固形ベースで主要量のプルランと、
少なくとも1種の塩と、
少なくとも1種の可塑剤と
を含んでなる、食用フィルム。
【請求項90】
フィルムが少なくとも2種の塩を含んでなる、請求項89に記載のフィルム。
【請求項91】
少なくとも2種の塩がNaClおよびMgClを含んでなる、請求項90に記載のフィルム。
【請求項92】
少なくとも1種の塩が、乾燥固形ベースで約0.3〜15重量%の濃度で、フィルムに存在している、請求項89に記載のフィルム。
【請求項93】
少なくとも1種の可塑剤が、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコールおよびそれらの組合せから選択される、請求項89に記載のフィルム。
【請求項94】
フィルムが、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールの少なくとも2種を含んでなる、請求項93に記載のフィルム。
【請求項95】
フィルムが、乾燥固形ベースで約35〜80重量%プルランを含んでなる、請求項89に記載のフィルム。
【請求項96】
フィルムが、乾燥固形ベースで約0.5〜22.5重量%ゼラチンを含んでなる、請求項89に記載のフィルム。
【請求項97】
少なくとも1種の内部フィルム剥離剤を更に含んでなる、請求項89に記載のフィルム。
【請求項98】
少なくとも1種の内部フィルム剥離剤が、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ラウリル硫酸ナトリウムまたはそれらの組合せを含んでなる、請求項97に記載のフィルム。
【請求項99】
食品と、該食品を包む請求項89〜98のいずれか一項に記載の食用フィルムを含んでなる、食用物品。
【請求項100】
剥離可能な可撓性基材に接着される食用フィルムを含んでなるフィルム構造物であって、該食用フィルムが、
乾燥固形ベースで主要量のプルランと、
少なくとも1種の可塑剤と
を含んでなる、フィルム構造物。
【請求項101】
可撓性基材がポリマーフィルムである、請求項100に記載のフィルム構造物。
【請求項102】
可撓性基材がポリエステルフィルムである、請求項100に記載のフィルム構造物。
【請求項103】
食用フィルムが少なくとも1種の塩を含んでなる、請求項100に記載のフィルム構造物。
【請求項104】
食用フィルムが少なくとも2種の塩を含んでなる、請求項103に記載のフィルム構造物。
【請求項105】
少なくとも2種の塩が、NaClとMgClを含んでなる、請求項104に記載のフィルム構造体。
【請求項106】
少なくとも1種の塩が、乾燥固形ベースで約0.3〜15重量%の濃度で、食用フィルムに存在している、請求項103に記載のフィルム構造体。
【請求項107】
少なくとも1種の可塑剤が、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコールおよびそれらの組合せから選択される、請求項100に記載のフィルム構造体。
【請求項108】
フィルムが、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールおよびポリエチレングリコールの少なくとも2種を含んでなる、請求項107に記載のフィルム構造体。
【請求項109】
食用フィルムが、乾燥固形ベースで約35〜80重量%プルランを含んでなる、請求項100に記載のフィルム構造体。
【請求項110】
食用フィルムが、乾燥固形ベースで約0.5〜22.5重量%ゼラチンを含んでなる、請求項100に記載のフィルム構造体。
【請求項111】
少なくとも1種の内部フィルム剥離剤を更に含んでなる、請求項100に記載のフィルム構造体。
【請求項112】
少なくとも1種の内部フィルム剥離剤が、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ラウリル硫酸ナトリウムまたはそれらの組合せを含んでなる、請求項111に記載のフィルム構造体。
【請求項113】
可撓性基材が生物分解性ポリマーフィルムを含んでなる、請求項111に記載のフィルム構造体。
【請求項114】
生物分解性ポリマーフィルムが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸およびグリコール酸のコポリマー、またはこれらの2種以上の混合物を含んでなる、請求項113に記載のフィルム構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−539719(P2009−539719A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515467(P2009−515467)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/013841
【国際公開番号】WO2007/149276
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(505410597)テイト アンド ライル イングレディエンツ アメリカス インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】