説明

プレクトラム保持具

受け止め手段(9)を有するリング(6)の形状をしたプレクトラム保持具及びプレクトラムである。リングは使用者の人差指に配置されて、リングの外周縁に位置する平坦表面(8)に当接してプレクトラムを保持するように具体化される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象はプレクトラム保持具及びプレクトラムである。
【背景技術】
【0002】
ギター又はベースを使用する演奏家は、自分の指により、又はプレクトラムすなわち仲介物により、自分の楽器の弦を振動させる。プレクトラムすなわち仲介物とは、使用者の親指と人差指との間に保持されるタブのことであり、これにより、指が使用されて楽器の弦が振動する際に得られる音とは異なる音を得ることが可能となる。ギターやベースを使用する演奏家は、一時的に自分の指で演奏した後に素早くプレクトラムや仲介物の使用に切り換えること、及びその逆のことを好都合だと思うだろう。
【特許文献1】独国特許発明第314513号明細書
【特許文献2】米国特許第3442169号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0016439号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2002/178891号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10231271号明細書
【特許文献6】米国特許発明第3789720号明細書
【特許文献7】米国特許第6140564号明細書
【特許文献8】独国実用新案第8506896号明細書
【特許文献9】独国実用新案第20114315号明細書
【発明の開示】
【0003】
本発明の目的は、使用者がプレクトラムを下に置く必要なしに、プレクトラムによる使用から、プレクトラムによらない使用すなわち指による使用に切り換えることを可能にすることにある。一方、使用者が自分の指による使用の後にプレクトラムに戻りたいと望む場合、使用者は自分がプレクトラムを置いた場所を見つけてそれを拾い上げ、親指と人差指の間に戻さなければならない。本発明の目的は、この不都合をなくし、使用者が自分の指の近くにプレクトラムを保持し、即座にそれを拾い上げて戻すことを可能にすることにある。
【0004】
本発明に係るプレクトラム保持具は、使用者の人差指に配置されるように設計されたリングの形状をしており、リングは、プレクトラムをその外表面に当接させて保持するように設計された固定手段を有する。
【0005】
固定手段は平坦な磁性表面を有してもよく、プレクトラムがその面に当接して配置され、プレクトラム自体は、磁性表面と協働するように設計された少なくとも1つの導電部を有する。プレクトラムの導電部は金属板から構成されてもよい。
【0006】
金属板は、所定位置にある磁性表面上に配置されるように設計された細長い形状部を有してもよい。
【0007】
または、プレクトラム保持具は、平坦表面と、プレクトラムを平坦表面に当接させて押し付けて保持するように設計されたスプリングタブとを有する固定手段を有してもよい。
【0008】
プレクトラム保持具は閉じたリングの形状であってもよく、また平坦表面に対向した開口を備えるリングの形状であってもよい。この場合、リングは、その固定手段を備える前記表面と、使用者の人差指を掴む2つの可撓性アームとから構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
例えば、図1は、本発明の対象であるプレクトラム保持具の2つの実施例を示す。
【0010】
図面の中で、図1は細長い円盤形状のプレクトラムすなわち仲介物を示す。プレクトラム1は、通常はプラスチックから製造され、図4に示すように、使用者の親指と人差指との間に保持されるように設計される。それはギター又はベースの弦を振動させるために使用される。図1に示されているように、プレクトラム1は、プレクトラムに恒久的に施された細長い導電表面を有する。この導電表面2は、通常は金属板である。明らかなことだが、金属表面2は、プレクトラム1の一部を形成する一体的な導電部によって置き換えられてもよい。または、プレクトラム1が導電材料から製造されてもよい。
【0011】
図2に示されているプレクトラム保持具3は、リング4の形状であり、その外周に平坦表面を備えている。表面5は、プレクトラム1の金属表面2を引き寄せるように設計された磁性表面である。図面に示されているように、表面2及び5は細長いので、プレクトラムは、リング3の近くに持っていかれると自動的に図5に示される位置に配置される。
【0012】
プレクトラム保持具の使用は非常に簡単であり、図4及び5に具体的に示されている。これらの図において、プレクトラム保持具は、使用者の親指と人差指との間に保持され、これは図4に示されている。使用者がプレクトラムの使用をもはや望まない場合は、使用者はプレクトラム1を、自分の親指によってプレクトラム保持具3の表面5に当接するように持っていく。この場合、プレクトラムは図5に示される位置に保持され、その後使用者は自分の指によって演奏を続けることができる。使用者が再びプレクトラム1を使用したいと望む場合には、使用者は自分の親指を使ってプレクトラム1を自分の人差指沿いにスライドさせ、それを自分の親指と人差指との間に再び受け取ることができる。
【0013】
図3の実施例において、プレクトラム保持具6はまた、図2の実施例に非常に類似したリング形状である。プレクトラム保持具6はまた、プレクトラムを保持するように設計された平坦表面8を有する。表面8はスプリングタブ9によって部分的に覆われており、スプリングタブ9は、プレクトラム1が表面8とタブ9との間に挿入された後に保持されるように設計されている。プレクトラム6は、図2のプレクトラムと同様に使用される。自分の親指と人差指との間にプレクトラムを保持している使用者が自分の指によって演奏したいと望む場合、使用者はプレクトラム1を自分に親指によって表面10に当接するように持っていき、前記プレクトラムがタブ9によって保持される。一方、使用者がプレクトラムを再び受け取りたいと望む場合は、使用者は自分の親指を自分の人差指の第1関節位置まで持っていき、プレクトラム1に圧力を及ぼし、及び自分の親指によってそれを自分の人差指の先まで下ろしていくだけでよい。
【0014】
図3に示されているリング6は、プレクトラム保持具の、表面8を支える部分に対向する開口部7を有してもよい。この場合、リングは、図3の線10沿いに断たれ、したがって、平坦表面8を支える中央部分の両側に配置される2つのアーム11及び12の形状になる。好ましくは、アーム11及び12は所定の可撓性を有して使用者の人差指を掴む。
【0015】
プレクトラムすなわち仲介物は、図3に係るプレクトラム保持具の実施例で使用される場合は、図1に示されるような導電表面2を有しない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】プレクトラムすなわち仲介物を示す。
【図2】プレクトラム保持具の第1実施例を示す。
【図3】プレクトラム保持具の第2実施例を示す。
【図4】プレクトラム保持具を自分の人差指に装着し、自分の指にプレクトラムを保持している使用者の手を示す。
【図5】使用者の手を示す。プレクトラムが配置されてプレクトラム保持具により保持されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレクトラム保持具及びプレクトラムであって、
プレクトラム保持具は、使用者の人差指に配置されるように設計されたリング(3;6)の形状であり、リング(3;6)は、その外表面に当接してプレクトラム(1)を保持するように設計された固定手段(2,5;8,9)を有することを特徴とするプレクトラム保持具及びプレクトラム。
【請求項2】
固定手段は平坦な磁性表面(5)を有し、平坦な磁性表面(5)に当接してプレクトラム(1)が配置されて、プレクトラム(1)自体は、リング(3)の磁性表面(5)と協働するように設計された少なくとも1つの導電部(2)を有することを特徴とする請求項1に記載のプレクトラム保持具。
【請求項3】
プレクトラムの導電部(2)は金属板であることを特徴とする請求項2に記載のプレクトラム保持具。
【請求項4】
金属板(2)は、所定位置の磁性表面(5)に配置されるように設計された細長い形状部を有することを特徴とする請求項3に記載のプレクトラム保持具。
【請求項5】
固定手段は、平坦表面(8)と、プレクトラムを平坦表面(8)に当接させて押し付けて保持するように設計されたスプリングタブ(9)とを有することを特徴とする請求項1に記載のプレクトラム保持具。
【請求項6】
リングは平坦表面(8)に対向する開口(7)を有し、リングはその固定手段を備える前記表面(8)と、使用者の人差指を掴む2つの可撓性アーム(11,12)とから構成されることを特徴とする請求項1に記載のプレクトラム保持具。
【請求項7】
プレクトラムは導電材料から製造されることを特徴とする請求項2に記載のプレクトラム保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−506993(P2007−506993A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519786(P2006−519786)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006522
【国際公開番号】WO2005/015535
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(505463320)
【出願人】(505463331)
【Fターム(参考)】