説明

プレス加工装置及びプレス加工装置を用いたワークの製造方法

【課題】 金型強度の低下を防止し、ワークの位置決め精度を向上し、ワークの曲がりを調整するためにプレス加工装置の停止が不要なプレス加工装置及びプレス加工装置を用いたワークの製造方法を提供すること。
【解決手段】
プレス加工装置は、ワーク1を押圧するパンチ2と、パンチ2と共にワーク1に基準部10、11とを設けて切り取り加工するダイス3と、を備えるプレス5と、ワーク1と、を押圧するパンチ22と、パンチ22と共に切り取り加工されたワーク1を潰し加工するダイス23と、基準部10、11とが当接するバックアップブロック24と、を備えるプレス25と、を有し、ダイス23とバックアップブロック24との間の隙間51を形成する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス加工装置及びプレス加工装置を用いたワークの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、ワークのプレス加工では、プレス位置でワークの両側に位置決め用のV字の切り取り加工と、潰し加工と、を同時に行い、後のプレス加工工程において二軸方向の位置決めを行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ワークを潰し加工するプレス加工装置では、ワークを潰し加工した後、切り取り加工される部位を、裏表両面から挟持するように押圧して位置決めを行う方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−125780号公報
【特許文献2】特開2004−1014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の位置決めを行う方法では、切り取り加工と潰し加工とを同時に行うため、従来の潰し金型に切り取り穴を設ける必要があり、金型強度の低下が懸念される。さらに切り取り加工と潰し加工を同時に行う際、板押さえを均一に行えなくなるため、ワークの位置決め精度が低下する問題がある。
【0006】
また、特許文献2の位置決めを行う方法では、ワークの形状を基準として切り取り加工の位置決めするため、ワークの位置決め精度が低下する問題がある。さらにワークの曲がりを調整するためには、プレス加工装置を停止してシムを交換する必要があり、早急にワークの曲がり調整ができない問題がある。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、金型強度の低下を防止し、ワークの位置決め精度を向上し、ワークの曲がりを調整するためにプレス加工装置の停止が不要なプレス加工装置及びプレス加工装置を用いたワークの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の課題解決手段は、ワークを押圧する第1のパンチと、前記第1のパンチと共に前記ワークに少なくとも1つの基準部を設けて切り取り加工する第1のダイスと、を備える第1のプレスと、前記ワークを押圧する第2のパンチと、前記第2のパンチと共に切り取り加工された前記ワークを潰し加工する第2のダイスと、前記基準部が当接するバックアップブロックと、を備える第2のプレスと、を有し、前記第2のパンチと前記バックアップブロックとの間及び前記第2のダイスと前記バックアップブロックとの間の少なくともいずれか一方に隙間が形成されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の課題解決手段は、前記基準部の前記バックアップブロック方向への突出量は、前記隙間より大きいことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第3の課題解決手段は、ワークを押圧する第1のパンチと、前記第1のパンチと共に前記ワークに少なくとも1つの基準部を設けて切り取り加工する第1のダイスと、を備える第1のプレスと、前記ワークを押圧する第2のパンチと、前記第2のパンチと共に切り取り加工された前記ワークを潰し加工する第2のダイスと、前記基準部が当接するバックアップブロックと、を備える第2のプレスと、を有し、前記第2のパンチと前記バックアップブロックとの間及び前記第2のダイスと前記バックアップブロックとの間の少なくともいずれか一方に隙間が形成されるプレス加工装置を用いたワークの製造方法であって、前記第1のプレスで前記基準部を前記ワークに設けて切り取り加工をする第1工程と、前記第2のプレスで前記基準部を基準に前記ワークを潰し加工をする第2工程とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第2のパンチとバックアップブロックとの間及び第2のダイスとバックアップブロックとの間の少なくともいずれか一方に隙間を形成することで、第2のプレスでワークを潰し加工する際に、ワークの一部を隙間に入り込ませることができる。
【0012】
この場合、第2のプレスを構成する第2のパンチ、第2のダイス、バックアップブロック(金型)に作用する応力が低減するため、第2のパンチ、第2のダイス、バックアップブロックの強度低下を防止できる。また、ワークの一部が隙間に入ることにより、ワークに残留する応力が低減されることから、金型からワークが取り出された際、残留応力によるワークの変形(金型で規制されたワークの寸法に対する成形されたワークの寸法の差)を低減できる。また、第2のプレスでは、ワークに設けた基準部をバックアップブロックに当接して潰し加工の基準とするため、ワークの位置決め精度を向上させることができる。よって、ワークの曲がり等を調整するためにプレス加工装置の停止が不要になる。
【0013】
また、本発明の第2の課題解決手段によれば、基準部のバックアップブロック方向への突出量(基準部の高さ)を隙間より大きくすることで、ワークに設けた基準部をバックアップブロックに当接して潰し加工の基準とする際に、ワークの一部が隙間に入り込む流動性を良好にでき、また基準部のバックアップブロック方向への変形を抑えることができる。
【0014】
また、本発明の第3の課題解決手段によれば、第1工程で第1のプレスで基準部をワークに設けて切り取り加工し、第2工程で第2のプレスで基準部を基準にワークを潰し加工をすることで、第2工程でワークの一部を隙間に入り込ませることができる。
【0015】
この場合、第2のプレスを構成する第2のパンチ、第2のダイス、バックアップブロック(金型)に作用する応力が低減するため、第2のパンチ、第2のダイス、バックアップブロック強度の低下を防止できる。また、ワークの一部が隙間に入ることにより、ワークに残留する応力が低減されることから、金型からワークが取り出された際、残留応力によるワークの変形(金型で規制されたワークの寸法に対する成形されたワークの寸法の差)を低減できる。また、第2工程ではワークに設けた基準部をバックアップブロックに当接して潰し加工の基準とするため、ワークの位置決め精度を向上させることができる。よって、ワークの曲がり等を調整するためにプレス加工装置の停止が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る第1のプレスの側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る第2のプレスで潰し加工をした後のワークの部分拡大図である。
【図3】本発明の実施形態に係る第2のプレスの側面部分の拡大図である。
【図4】本発明の実施形態に係る第1のプレスで切り取り加工した後のワークの平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る第2のプレスで潰し加工した後のワークの拡大図である。
【図6】本発明の実施形態に係る第3のプレスで切り取り加工した後のワーク拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。順送プレスのワーク幅方向をX方向、プレス順送方向をY方向、パンチ押圧方向をZ方向とする。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係るプレス5(第1のプレス)の側面図である。プレス5は、ワーク1をZ方向に押圧するパンチ2(第1のパンチ)と、パンチ2と共にワーク1に基準部10、11とを設けて切り取り加工するダイス3(第1のダイス)と、を備える。
【0019】
パンチ2は、切り取り加工される前の板状のワーク1をダイス3に押さえつけるための板押さえ部201と、板押さえ201とダイス3との間で挟持されたワーク1の厚み方向に沿ってワーク1の一部を切り取るパンチ部202と、を有する。パンチ部202は、板押さえ201とワーク1とが当接する面に対して出没可能に設けられている。パンチ部202の先端面が、ワーク1の一部を切り取るための面となる。
【0020】
ダイス3は、パンチ部202がワーク1を貫通した後、パンチ部202の先端が挿入される孔部301を有している。
【0021】
また、図1に示された第1のプレスにより切り取り加工されたワーク1は、図4に示されるように、Y方向と反対(バックアップブロック方向)に突出する2つの基準部10、11と、を有する。本実施形態の基準部10、11では、ワーク1の外形を形成する端面(側面)から突出している。この基準部10、11の突出する高さ(突出量)は、ワーク1の厚さと同等としている。
【0022】
図2は、本発明の実施形態に係るプレス25(第2のプレス)で潰し加工をした後のワーク1の部分拡大図である。ワーク1には、基準部10、11との間でY方向と反対に突出するワーク突出部7が形成される。プレス25は、ワーク1と、基準部10、11とが当接して位置決めをするバックアップブロック24と、の間に隙間51を有する。基準部10、11とのY方向と反対方向への突出量(基準部の高さ)は、隙間51より大きい。
【0023】
図3は、本発明の実施形態に係るプレス25の側面部分の拡大図である。プレス25は、プレス5で切り取り加工されたワーク1をZ方向に押圧するパンチ22(第2のパンチ)と、パンチ22と共にワーク1を潰し加工するダイス23(第2のダイス)と、基準部10、11とが当接するバックアップブロック24と、を備える。ダイス23とバックアップブロック24との間には、隙間51が形成される。ワーク1は、プレス25に潰し加工されて厚みが薄くなり、鍛造プレス成形品となる。ワーク1が、潰し加工されると、ワーク1の一部が突出してワーク突出部7を形成すると共にZ方向にも突出して隙間51に流入する。
【0024】
このように、プレス25での潰し加工は、バックアップブロック24に対してワーク1の基準部10、11を当接させた状態で、ワーク1を厚み方向に潰す。その際、厚み方向に潰されたワーク1は、面方向、すなわち、潰される方向に対して垂直方向に広がり、ワーク1の外形が広がるように変形する。しかし、本実施形態では、ダイス23とバックアップブロック24との間に隙間51が設けられている。そのため、ワーク1は、潰される際に、ワーク1の一部が隙間51に流れ込むように変形するため、ワーク1が面方向に広がる変形を抑制させることができる。また、潰し加工される際、パンチ22とダイス23により基準部10、11の全体が潰されることがないので、基準部10、11付近のワーク外形寸法の変形(潰し加工前のワーク外形に対して外側方向に広がる変形)を抑制させることができる。したがって、プレス25による潰し加工の後工程で、この基準部10、11を基準にワーク1を加工することにより、後工程でのワーク1の位置決め精度を向上させることができる。
【0025】
図4は、本発明の実施形態に係るプレス5で切り取り加工した後のワーク1の平面図である。ワーク1は、X方向に延在し、Y方向に屈曲し、さらにX方向と反対に突出する剣先12を有し、略L字形状を呈する。また、ワーク1は、X方向に延在する部分に、Y方向と反対に突出する2つの基準部10、11と、を有する。また、ワーク1は、X方向と反対に、ワーク1を順送するためのライナー8を有する。なお、図4の100は、プレス5による切り取り加工により切り取られた部分を示す。
【0026】
図5は、本発明の実施形態に係るプレス25で潰し加工した後のワーク1の拡大図である。ワーク突出部7は、基準部10、11とを避けてY方向と反対に突出する。一方、剣先12の周囲では、ワーク全体が潰し加工されるため、加工前のワーク外形に対して外側方向にワーク形状が広がる。よって、剣先12の周囲には、加工前のワーク外形に対して外側方向に広がるワーク突出部70が形成されている。なお、バックアップブロック24と基準部11とが接する位置から剣先12先端までの所望のY方向の寸法Aが得られる。
【0027】
図6は、プレス25で潰し加工をした後、図示しないプレスで、ワーク突出部70、およびワーク突出部7と基準部10、11とを切り取り加工した後のワーク1の拡大図である。なお、ワーク1は、ワーク突出部7と基準部10、11とを切り取り加工された後、ライナー8から切り離される。
【0028】
本実施形態の製造方法の動作について説明する。まず、図示しないアンコイラ、レベラ、ロールフィーダで引き伸ばされたワーク1(例えば厚さ1.5〜3ミリメートル、ビッカース硬度90〜150の板状の鋼板)は、プレスが1回転する毎に1ピッチずつ、順々にプレス5に送られて成形が行われる。
【0029】
ワーク1は、プレス5でパンチ2とダイス3によって、図4に示すように略L字形状でかつ、X方向と反対に突出する剣先12と、Y方向と反対に突出する基準部10、11と、を有し、ライナー8と接続された状態に切り取り加工(第1工程)される。
【0030】
次にワーク1は、プレス25へと送られ、パンチ22とダイス23とによって、基準部10、11とがバックアップブロック24に当接した状態で位置決めされ、ワーク1の全体をZ方向に強圧するよう潰し加工(第2工程)される。
【0031】
剣先12の厚みは、潰し加工前と比較して1/1.5〜1/6の範囲内に薄肉化される。また、剣先12は、薄肉化されることで加工硬度及び組織の緻密化が図られ、ワーク1の材質にもよるが、硬度が1.3〜3倍程度に増加する。
【0032】
ワーク1は、潰し加工され薄肉化されることで、基準部10、11との間に、押し広げられたワーク突出部7を、Y方向と反対に突出させ、隙間51に流入させる。また同様に剣先12周囲にワーク突出部70を突出させる。なお、ワーク突出部7と、ワーク突出部70とは、X方向及びY方向に突出すると同時に、Z方向にも突出し、隙間51に流入する。
【0033】
そしてワーク1は、基準部10、11を基準として切り取り加工部の位置決めが行われ、図示しない第3のプレスにより、剣先12周囲のワーク突出部70を切り取り加工して、この加工により形成されたワーク1の端面を第2の基準部とする。さらにワーク1は、図示しない第4のプレスにより、第2の基準部を基準として切り取り加工部の位置決めが行われ、ワーク1のワーク突出部7と、基準部10、11と、ライナー8と、を切り取り加工する。
【0034】
本実施形態の効果について説明する。パンチ23とバックアップブロック24との間に隙間51を形成することで、プレス25でワーク1を潰し加工する際に、ワーク突出部7が隙間51に入り込み、プレス25を構成するパンチ22、ダイス23、バックアップブロック24(金型)に作用する応力が低減するため、パンチ22、ダイス23、バックアップブロック24の強度低下を防止できる。また、ワーク1の一部が隙間に入ることにより、ワーク1に残留する応力が低減されることから、金型からワークが取り出された際、残留応力によるワークの変形(金型で規制されたワークの寸法に対する成形されたワークの寸法の差)を低減できる。また、プレス25では、ワーク1に設けた基準部10、11とをバックアップブロック24に当接して潰し加工の基準とするため、ワーク1の位置決め精度(寸法A)が向上し、ワーク1の曲がり等を調整するためにプレス加工装置の停止が不要になる。
【0035】
また、基準部10、11とのY方向と反対への突出量を隙間51より大きくすることで、ワーク1に設けた基準部10、11とをバックアップブロック24に当接して潰し加工の基準とする際に、ワーク突出部7が隙間51に入り込む流動性を良好にでき、また基準部10、11とのバックアップブロック24方向への変形を抑えることができる。
【0036】
更に、上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
【0037】
(付記項1)板状鋼板から所望の外形をしたワークを形成するプレス加工装置において、前記板状鋼板を押圧する可動金型(第1のパンチ)と、該可動金型と共に前記板状鋼板を挟持する固定金型(第1のダイス)を有し、前記可動金型を前記固定金型の方向へ可動させ、少なくとも1つの基準部を有する第1のワークを切り取り加工する第1のプレスと、
前記基準部を当接させる位置合わせ面を有する位置決め部材(バックアップブロック)、前記基準部を前記位置合わせ面に当接させた状態で前記第1のワークを押圧する第2の可動金型(第2のパンチ)、および該第2の可動金型と共に前記鋼板を挟持する第2の固定金型(第2のダイス)とを有し、第2の可動金型を第2の固定金型の方向へ可動させ、前記第1のワークを潰し加工あるいは切り取り加工して第2のワークを形成する第2のプレスと、を備え、
前記第2の可動金型と前記ブロックとの間および前記第2の固定金型と前記ブロックとの間の少なくともいずれか一方に隙間が設けられていること、を特徴とするプレス加工装置。
【0038】
この場合、第1のワークの一部に、第2のプレスを行う際の位置決めをするための基準部を設けたことにより、第2のプレスを行う際に、第1のワークの加工位置を精度良く決めることができる。特に、第1のプレスにより、第1のワークの一部が板状鋼板の縁部と一部がつながった第1のワークを板状鋼板から形成する場合、つまり、第1のワークの周囲がほとんど切り取られる(打ち抜かれる)場合、板状鋼板の縁部を固定したとしても、第1のワークは、板状鋼板の縁部と一部しかつながっていないため、位置が固定されにくい。しかし、本願の発明によれば、第2のプレスにおいて、第1のワークを加工する際、その加工位置を精度良く固定(設定)することができる。よって、ワークの曲がり等を調整するためにプレス加工装置の停止が不要になる。つまり、複数のプレス加工が連続して行われるプレス加工装置において、位置合わせをするための工程を廃止あるいは短縮することができる。
【0039】
(付記項2)付記項1において、前記基準部は、前記第1のワークの端面(プレスされる面に対する側面)から厚み方向に対して垂直方向に突出した突起部であると良い。
【0040】
この場合、第2のプレスが行われる際、突起部の高さに相当する隙間が、位置決め面と第1のワークの端面との間に形成される。そのため、第1のワークの一部が隙間に入ることにより、ワークに残留する応力が低減されることから、金型から第2のワークとして取り出された際、残留応力によるワークの変形(金型で規制されたワークの寸法に対する成形された第2のワークの寸法の差)を低減できる。よって、第2のワークを加工する際に、第2のワークの位置決め精度を向上させることができる。
【0041】
(付記項3)付記項2において、前記第1のワークには、第1のワークが前記板状鋼板の縁部とのつながり部(ライナー)を持つ一方部(端部)と、前記板状鋼板の縁部とのつながり部を持たない他方部(端部)とを有し、
前記突起部は、前記一方部と前記他方部の中間位置よりも前記他方部側に設けられていると良い。
【0042】
この場合、第1のワークを位置決めするのに好適である。また、第2のワークの寸法精度を高めるのに好適である。更に、第二のワークを加工する際の位置決め精度を高めるのに好適である。
【0043】
(付記項4)付記項2において、前記第1のワークには、第1のワークが前記板状鋼板の縁部とのつながり部(ライナー)を持つ一方部(端部)と、前記板状鋼板の縁部とのつながり部を持たない他方部(端部)とを有し、
前記突起部は2つあり、第1の突起部は前記一方部と前記他方部の中間位置よりも前記他方部側に設けられ、第2の突起部は前記中間位置よりも前記一方部側に設けられていると良い。
【0044】
この場合、第1のワークを位置決めするのに好適である。また、第2のワークの寸法精度を高めるのに好適である。更に、第二のワークを加工する際の位置決め精度を高めるのに好適である。
【0045】
なお、本発明のプレス加工装置は、上記実施形態に基づいて説明されているが、実施形態に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形、変更及び改良が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 ワーク
2 パンチ(第1のパンチ)
3 ダイス(第1のダイス)
5 プレス(第1のプレス)
7 ワーク突出部
8 ライナー
10 基準部
11 基準部
12 剣先
22 パンチ(第2のパンチ)
23 ダイス(第2のダイス)
24 バックアップブロック
25 プレス(第2のプレス)
51 隙間
70 ワーク突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを押圧する第1のパンチと、前記第1のパンチと共に前記ワークに少なくとも1つの基準部を設けて切り取り加工する第1のダイスと、を備える第1のプレスと、
前記ワークを押圧する第2のパンチと、前記第2のパンチと共に切り取り加工された前記ワークを潰し加工する第2のダイスと、前記基準部が当接するバックアップブロックと、を備える第2のプレスと、を有し、
前記第2のパンチと前記バックアップブロックとの間及び前記第2のダイスと前記バックアップブロックとの間の少なくともいずれか一方に隙間が形成されるプレス加工装置。
【請求項2】
前記基準部の前記バックアップブロック方向への突出量は、前記隙間より大きいことを特徴とする、請求項1に記載のプレス加工装置。
【請求項3】
ワークを押圧する第1のパンチと、前記第1のパンチと共に前記ワークに少なくとも1つの基準部を設けて切り取り加工する第1のダイスと、を備える第1のプレスと、
前記ワークを押圧する第2のパンチと、前記第2のパンチと共に切り取り加工された前記ワークを潰し加工する第2のダイスと、前記基準部が当接するバックアップブロックと、を備える第2のプレスと、を有し、
前記第2のパンチと前記バックアップブロックとの間及び前記第2のダイスと前記バックアップブロックとの間の少なくともいずれか一方に隙間が形成されるプレス加工装置を用いたワークの製造方法であって、
前記第1のプレスで前記基準部を前記ワークに設けて切り取り加工をする第1工程と、
前記第2のプレスで前記基準部を基準に前記ワークを潰し加工をする第2工程と
を備えたプレス加工装置を用いたワークの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−110954(P2012−110954A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263977(P2010−263977)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】