説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】集合を形成する個々を、個々に制御しているかのような臨場感溢れる表現を容易に実現すること。
【解決手段】16体の観客モデルMをレンダリングして生成した16枚の観客テクスチャTを、4枚ずつ組み合わせて各観客ポリゴンAPにマッピングする。そして、これら各観客ポリゴンAPをスタンド(観客席)に配置する。また、16体の観客モデルMは、それぞれモーションデータに従って動作が制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム画像を生成してゲームの進行を制御するゲーム装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
サッカーや野球等のスポーツゲームにおいて、群衆である観客の挙動は、ゲームの雰囲気を盛り上げ、プレーヤのゲームに対する没入感を深めるための重要な要素である。観客は、試合の進行に応じてそれぞれが様々な動き(動作)をするものであり、理想的には、観客を個々に制御することが望ましい。しかし、観客はあくまで背景であり、リアルタイムで進行するゲームでは、観客を個々に制御することは処理負荷が大きく肝心のゲーム進行に影響を与えてしまい、現実的ではない。そこで、処理負荷を軽減しつつ、観客個々の動きを表現する一つの方法として、観客を模したテクスチャを用意し、観客席に配置した多数のポリゴンにマッピングする方法が知られている。
【0003】
また、観客席に配置したポリゴンに観客を模したテクスチャをマッピングする方法の中には、時間経過に応じてポリゴンにマッピングするテクスチャの領域を可変することで、配置位置からポリゴンが押し込まれ或いは引き出されるかのような表示を行い、観客全体の躍動を表現する技術も知られている。このとき、マッピングするテクスチャの領域の大きさをゲーム進行に応じて決定することで、より臨場感のある観客の動きを表現可能となる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−42164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、マッピングするテクスチャの領域の大きさを変更するのみであり、テクスチャそのものを変更するものではない。このため、観客全体としての躍動は表現されるが、観客個々の動きを表現することはできず、リアルさに欠けるという問題がある。特に近年では、ゲーム装置の処理能力の飛躍的な向上に伴ってよりリアルな表現が求められる傾向にあり、観客の表現が、ゲームの進行に関わる選手等の表現に比較して余りにも貧弱であると、臨場感を損なう原因となる。また、この問題は、スポーツゲームにおける観客に限ることではなく、多数の人間の集合である群衆が表現され得る他のゲームにおいても同様である。更には、群衆に限ることなく、動物の集合である群れについても同様である。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、集合を形成する個々を、個々に制御しているかのような臨場感溢れる表現を容易に実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1の発明は、
コンピュータに、ゲーム空間の画像を生成してゲームの進行を制御させるためのプログラム(例えば、図15のゲームプログラム410)であって、
複数種類のモデル(例えば、図4の観客モデルM)それぞれの動きを制御するモデル制御手段(例えば、図15のモデル制御部212;図26のステップS7)、
前記複数種類のモデルそれぞれを象り、対応するモデルの動きに従動する形象オブジェクト(例えば、図4の観客テクスチャT)を、予め前記ゲーム空間に設定された集合配置位置(例えば、図2のスタンド12)に配置することで不特定多数のモデル集合を形成させる集合形成手段(例えば、図15の観客テクスチャ生成部215及び観客ポリゴン描画部216;図26のステップS11)、
前記集合形成手段により形成された集合を含む前記ゲーム空間の画像を生成する画像生成手段(例えば、図15の画像生成部230;図26のステップS23)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0007】
また、第14の発明は、
ゲーム空間の画像を生成してゲームの進行を制御するゲーム装置(例えば、図1,13の家庭用ゲーム装置1200)であって、
複数種類のモデルそれぞれの動きを制御するモデル制御手段(例えば、図15のモデル制御部212)と、
前記複数種類のモデルそれぞれを象り、対応するモデルの動きに従動する形象オブジェクトを、予め前記ゲーム空間に設定された集合配置位置に配置することで不特定多数のモデル集合を形成させる集合形成手段(例えば、図15の観客テクスチャ生成部215及び観客ポリゴン描画部216)と、
前記集合形成手段により形成された集合を含む前記ゲーム空間の画像を生成する画像生成手段(例えば、図15の画像生成部230)と、
を備えたゲーム装置である。
【0008】
この第1又は第14の発明によれば、ゲーム画像を生成して進行が制御されるゲームにおいて、動きがそれぞれ制御される複数種類のモデルそれぞれを象り、対応するモデルの動きに従動する形象オブジェクトが予め設定された集合配置位置に配置されることで、集合が形成される。つまり、集合は、複数種類のモデルそれぞれに対応する複数種類の形象オブジェクトにより形成され、各形象オブジェクトは対応するモデルの動きに従動する。これにより、複数種類のモデルそれぞれを異なる動作をするように制御することで、個々がそれぞれ異なる動きをする集合の表現が容易に実現可能となる。またこのとき、複数種類のモデルそれぞれの外見が異なるように設定することで、各モデルに対応する形象オブジェクトが異なり、これにより、個々が異なる外見をしているといった、よりリアルな集合の表現が可能となる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明のプログラムであって、
前記モデル制御手段により制御された前記各モデルの画像(例えば、図4の観客テクスチャT)を、当該モデルそれぞれに対して予め設定された視点(例えば、図4の視点CM)に基づいて生成するモデル画像生成手段(例えば、図15の観客テクスチャ生成部215;図26のステップS9)として前記コンピュータを機能させ、
前記集合形成手段が、前記モデル画像生成手段により生成されたモデルの画像を前記形象オブジェクトとして配置するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0010】
この第2の発明によれば、各モデルそれぞれに対して予め設定された視点に基づいて生成された当該各モデルの画像が、形象オブジェクトとして配置される。つまり、複数種類のモデルそれぞれの画像が形象オブジェクトとして配置されて集合が形成され、各画像が対応する各モデルの動きに従動して変化する。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明のプログラムであって、
前記集合形成手段が、
前記複数種類のモデルのうち、所定数のモデルの形象オブジェクトを組み合わせて隣接配置した単位集団(例えば、図4の観客ポリゴンAP)を複数種類編成する単位集団編成手段(例えば、図15の観客ポリゴン描画部216)を有し、
前記編成された複数種類の単位集団を配置することで集合を形成させる、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0012】
この第3の発明によれば、複数種類のモデルのうち、所定数のモデルの形象オブジェクトを組み合わせて隣接配置した単位集団が複数種類編成され、編成された複数種類の単位集団を配置することで集合が形成される。つまり、単位集団を配置することで、形象オブジェクトそのものを配置するよりも、個々が異なる多数の集合を容易に形成することが可能となる。
【0013】
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明のプログラムであって、
前記モデルは人型のモデルであり、
前記集合形成手段が、予め前記ゲーム空間に設定された群集配置位置を前記集合配置位置として、当該群集配置位置に前記形象オブジェクトを配置することで群衆を形成させる群衆形成手段を有し、
前記画像生成手段が、前記群衆形成手段により形成された群衆を含む前記ゲーム空間の画像を生成する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0014】
この第4の発明によれば、人型であるモデルを象った形象オブジェクトが予め設定された群衆配置位置に配置されることで、群衆が形成される。これにより、個々がそれぞれ異なる動きをする群衆が容易に実現される。
【0015】
第5の発明は、第4の発明のプログラムであって、
前記ゲームは対戦ゲームであり、
前記複数種類のモデルには対戦する両者それぞれの応援モデル(例えば、図8の属性「Hサポ」或いは「Aサポ」の観客モデルM)が少なくとも含まれ、
前記群集配置位置のうち、対戦する両者それぞれを応援する応援場所(例えば、図7のゾーンZ3或いはZ7)を設定する応援場所設定手段(例えば、図15のゲーム演算部210)として前記コンピュータを機能させ、
前記群衆形成手段が、前記応援モデルの形象オブジェクトの配置密度を、前記応援場所設定手段により設定された応援場所に近いほど高くなるように、前記複数種類のモデルそれぞれの形象オブジェクトを配置するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0016】
この第4の発明によれば、対戦ゲームにおいて、対戦する両者それぞれの応援モデルの形象オブジェクトの配置密度が、該両者を応援する応援場所に近いほど高くなるように、複数種類のモデルそれぞれの形象オブジェクトが配置される。これにより、対戦する両者の応援場所にそれぞれを応援する個々が集まっているような、臨場感の溢れる群衆の表現が可能となる。
【0017】
第6の発明は、第4又は第5の発明のプログラムであって、
現在のゲーム進行状況を判定する進行状況判定手段(例えば、図15のモーション決定部213:図26のステップS13)として前記コンピュータを機能させ、
ゲーム進行状況に応じて予め定められた複数種類のモーション(例えば、図15のモーションデータ群422)の中から、前記判定された現在のゲーム進行状況に応じた、前記複数種類のモデルそれぞれに適用するモーションを選択するモーション選択手段(例えば、図15のモーション決定部213;図26のステップS15)として前記コンピュータを機能させ、
前記モデル制御手段が、前記選択されたモーションを適用することで前記複数種類のモデルそれぞれの動きを制御するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0018】
この第6の発明によれば、ゲーム進行状況に応じて予め定められた複数種類のモーションの中から、現在のゲーム進行状況に応じた、複数種類のモデルそれぞれに適用するモーションが選択され、選択されたモーションを適用することで複数種類のモデルそれぞれの動きが制御される。つまり、各モデルがゲーム進行状況に応じた動きを行い、形象オブジェクトが対応する各モデルの動きに従動する。これにより、リアルタイムでゲーム進行に応じた適切な動きをする群衆の表現が可能となる。
【0019】
第7の発明は、第6の発明のプログラムであって、
前記モーション選択手段が、モデルの種類に応じて、該モデルに適用するモーションを選択するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0020】
この第7の発明によれば、モデルの種類に応じて、該モデルに適用するモーションが選択される。これにより、各モデルに適用するモーションを、例えば該モデルの外見に応じたモーションとすることで、群衆を形成する個々がその特徴に応じた動きをするといった、よりリアルな群衆の表現が可能となる。
【0021】
第8の発明は、第1〜第7の何れかの発明のプログラムであって、
前記モデル制御手段が、前記モデルの動きを断続的に制御する断続制御手段(例えば、図15のモデル制御部212;図26のステップS5〜S7)を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0022】
この第8の発明によれば、モデルの動作が断続的に制御される。これにより、集合の表現にかかる処理負荷を軽減することが可能となる。このとき、各モデルの動きを断続的に制御する制御間隔を、例えば人間が見て気にならない程度に設定することが望ましい。
【0023】
第9の発明は、第8の発明のプログラムであって、
前記断続制御手段が、前記複数種類のモデルの制御タイミングが同一とならないように、前記複数種類のモデルそれぞれを断続的に制御するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0024】
この第9の発明によれば、複数種類のモデルの制御タイミングが同一とならないように、複数種類のモデルそれぞれが断続的に制御される。これにより、複数種類のモデルを、例えば所定数ずつ、タイミングをずらして順に動作制御することで、集合全体としての動きを滑らかにしつつ、集合の表現にかかる処理負荷の軽減が可能となる。
【0025】
第10の発明は、第8又は第9の発明のプログラムであって、
前記断続制御手段が、断続時間間隔を可変する断続間隔可変手段(例えば、図15の制御モード決定部214;図26のステップS17:YES〜S19)を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0026】
この第10の発明によれば、複数種類のモデルを断続的に制御する際の断続時間間隔が可変される。これにより、各モデルの断続時間間隔を、例えばゲーム進行に応じて変更することで、集合全体が熱狂したり或いは静観しているといった、より臨場感の溢れる集合の表現が可能となる。
【0027】
第11の発明は、第10の発明のプログラムであって、
前記画像生成手段が、所与の視点から見た前記ゲーム空間の画像を生成するように前記コンピュータを機能させ、
前記断続間隔可変手段が、前記視点と前記集合との距離に基づいて断続時間間隔を可変するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0028】
この第11の発明によれば、視点と集合との距離に基づいて、モデルを断続的に制御する際の断続時間間隔が可変される。この場合、例えば視点と集合との距離が長いほど断続時間間隔を長くすることで、集合個々のつぶさな表現を損なうことなく、集合全体の表現にかかる処理負荷の軽減が可能となる。
【0029】
第12の発明は、第10の発明のプログラムであって、
前記画像生成手段が、所与の視点から見た前記ゲーム空間の画像を生成するように前記コンピュータを機能させ、
前記断続間隔可変手段が、前記視点の画角に基づいて断続時間間隔を可変するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0030】
この第12の発明によれば、視点の画角に基づいて、モデルを断続的に制御する際の断続時間間隔が可変される。この場合、例えば視点の画角が画像における集合配置位置の割合がおおきくなるように設定されるほど断続時間間隔を長くすることで、集合個々のつぶさな表現を損なうことなく、集合全体の表現にかかる処理負荷の軽減が可能となる。
【0031】
第13の発明は、第1〜第12の何れかの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体(例えば、図15の記憶部400)である。
【0032】
ここで、情報記憶媒体とは、記憶されている情報をコンピュータが読み取り可能な、例えばハードディスクやMO、CD−ROM、DVD、メモリカード、ICメモリ等の記憶媒体である。従って、この第13の発明によれば、情報記憶媒体に記憶されている情報をコンピュータに読み取らせて演算処理を実行させることで、第1〜第12の何れかの発明と同様の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。尚、以下では、家庭用のゲーム装置でサッカーゲームを実行する場合を説明するが、本発明の適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
【0034】
[家庭用ゲーム装置]
図1は、本実施形態における家庭用ゲーム装置1200の概略外観図である。同図に示すように、家庭用ゲーム装置1200は、本体装置1210と、プレーヤがゲーム操作を入力するための方向キー1221やボタンスイッチ1222を有するゲームコントローラ1220と、スピーカ1231を有するディスプレイ1230とを備える。ゲームコントローラ1220は本体装置1210に接続され、ディスプレイ1230は、画像信号及び音信号を伝送可能なケーブル1201によって本体装置1210に接続されている。
【0035】
本体装置1210がゲーム処理を行うために必要なプログラムやデータ等を含むゲーム情報等は、例えば本体装置1210に着脱自在な情報記憶媒体であるCD−ROM1212やメモリカード1213、ICカード1214等に格納されている。尚、このゲーム情報等は、本体装置1210が具備する通信装置1215を介して通信回線Nに接続し、外部装置から取得することとしても良い。ここで、通信回線Nとは、データ授受が可能な通信路を意味する。即ち、通信回線Nとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方式については有線/無線を問わない。
【0036】
また、本体装置1210は、例えばCPU、ROMやRAM等のメモリを搭載した制御ユニット1211と、CD−ROM1212等の情報記憶媒体の読取装置とを具備する。本体装置1210は、CD−ROM1212等から読み出したゲーム情報と、ゲームコントローラ1220からの操作信号とに基づいて種々のゲーム処理を実行し、ゲーム画面の画像信号及びゲーム音の音信号を生成する。そして、生成した画像信号及び音信号をディスプレイ1230に出力して、ディスプレイ1230にゲーム画面を表示させるとともに、スピーカ1231からゲーム音を出力させる。プレーヤは、ディスプレイ1230に表示されたゲーム画面を見、スピーカ1231から出力されるゲーム音を聞きながら、ゲームコントローラ1220を操作してサッカーゲームを楽しむ。
【0037】
[原理]
本実施形態の原理を説明する。
図2(a)は、本実施形態のゲーム空間の俯瞰図である。ゲーム空間は、仮想三次元空間に、フィールド11と、フィールド11を取り囲むスタンド(観客席)12とから成るサッカースタジアム10が配置されて構築される。フィールド11に、対戦する2チーム(ホームチーム及びアウェーチーム)それぞれの選手やボール等のオブジェクトが配置されてサッカーの試合が行われる。そして、所与の仮想カメラから見たゲーム空間の様子が、ゲーム画像としてディスプレイ1230に表示される。
【0038】
同図(b)は、スタンド12の一部拡大図であり、同図(c)は、スタンド12の一部鉛直断面図である。本実施形態では、スタンド12に複数の観客ポリゴンAPを配置することで、スタンド12に存在する多数の群衆である観客が形成される。即ち、多数の観客ポリゴンAPが複数列を成してスタンド12を埋めるように配置され、各観客ポリゴンAPは、フィールド11に面して鉛直に配置される。これにより、階段状のスタンド12に多数の観客が並んで座って或いは立って試合を観戦している様子が表現される。
【0039】
図3は、観客ポリゴンAPの構成を示す図である。観客ポリゴンAPは、矩形状の板ポリゴンBPに観客テクスチャTをマッピングして生成される。詳細には、板ポリゴンBPを四等分した横一列の各領域に、4枚の観客テクスチャTを隣接させてマッピングして生成される。
【0040】
観客テクスチャTは、観客を模したオブジェクト(モデル)である観客モデルMをレンダリングして得られたテクスチャである。また、1つの観客ポリゴンAPにマッピングされる4枚の観客テクスチャTは、何れも異なる観客モデルMをレンダリングして得られたテクスチャであることが望ましいが、同一であっても良い。ここで、観客テクスチャTは、観客モデルMを象った形象オブジェクトであり、観客ポリゴンAPは、形象オブジェクトである観客テクスチャTを4枚隣接して配置した単位集団である。
【0041】
本実施形態では、16体の観客モデルMが用意される。16体の観客モデルMは、同一の関節構造を有しており、それぞれのモデル空間において、所定のモーションデータに従って動作制御される。モーションデータとは、関節構造を有するモデルの各関節の回転角度の変化を時系列に定義したデータである。このモーションデータを観客モデルMの各関節に適用することで、該観客モデルMに所定の動作(モーション)をさせることができる。
【0042】
図4は、観客モデルMに基づく観客ポリゴンAPの生成を示す図である。同図に示すように、用意された16体の観客モデルMのうちから、4体の観客モデルMが選択される。次いで、選択された4体の観客モデルMそれぞれについて、該観客モデルMに設定された視点(仮想カメラ)CMに基づくレンダリングが行われて、観客テクスチャTが生成される。そして、これら生成された4枚の観客テクスチャTが板ポリゴンBPにマッピングされて、観客ポリゴンAPが生成される。
【0043】
同図では、観客モデルM2をレンダリングして得られた観客テクスチャT2と、観客モデルM4をレンダリングして得られた観客テクスチャT4と、観客モデルM7をレンダリングして得られた観客テクスチャT7と、観客モデルM13をレンダリングして得られた観客テクスチャT13との4枚の観客テクスチャTが隣接してマッピングされて、観客ポリゴンAPが構成されている。
【0044】
スタンド12には、多数の観客ポリゴンAPが配置されている。各観客ポリゴンAPは、図5に示すように、様々に組み合わせた4枚の観客テクスチャTがマッピングされて構成される。即ち、16体の観客モデルM1〜M16それぞれをレンダリングして、16枚の観客テクスチャT1〜T16が生成される。各観客ポリゴンAPにマッピングされる4枚の観客テクスチャTの組み合わせは、該観客ポリゴンAPのゲーム空間(詳細には、スタンド12)における配置位置等によって定められ、ゲームを通じて固定である。
【0045】
また、スタンド12に配置される観客ポリゴンAPの総数は、観客モデルMの数(16体)に比較して遥かに多い。このため、1体の観客モデルMの観客テクスチャTが、複数の観客ポリゴンAPにマッピングされる。つまり、スタンド12には、同一の観客テクスチャTが同時に複数存在することとなる。例えば同図では、観客モデルM2の観客テクスチャT2が、観客ポリゴンAP11,AP19,AP30のそれぞれにマッピングされている。
【0046】
図6は、ゲーム画像の生成時間間隔であるフレーム(例えば、1/60秒)毎の観客ポリゴンAPの生成を示す図である。同図に示すように、各フレームFにおいて、16体の観客モデルM1〜M16それぞれをレンダリングして、16枚の観客テクスチャT1〜T16が生成される。そして、生成された16枚の観客テクスチャT1〜T16をマッピングして、複数の観客ポリゴンAPが生成される。但し、各観客ポリゴンAPにマッピングされる観客テクスチャTの観客モデルMの組み合わせ及びそのマッピング位置は固定である。
【0047】
例えば同図では、フレームF-Nにおいて、16体の観客モデルM1〜M16それぞれをレンダリングして、16枚の観客テクスチャT1〜T16が生成される。そして、これらの観客テクスチャT1〜T16をマッピングして、観客ポリゴンAPが生成される。また、フレームFにおいても同様に、16体の観客モデルM1〜M16それぞれをレンダリングして、16枚の観客テクスチャT1〜T16が生成される。そして、これらの観客テクスチャT1〜T16をマッピングして、観客ポリゴンAPが生成される。
【0048】
ここで、16体の観客モデルMは、それぞれ、モデル空間において指定されたモーションデータに従って動作が制御される。また、各観客モデルMには、それぞれ動作内容が異なるモーションデータが適用され、観客モデルMはそれぞれ異なる動作をする。つまり、生成される観客テクスチャTの内容は、対応する観客モデルMの動作に従動して変化し、観客テクスチャT毎にその内容が異なる。従って、1つの観客ポリゴンAPに着目した場合、その観客ポリゴンAPによって表される4体の観客モデルMが、それぞれ異なる動きをしている様子が表現される。
【0049】
このように構成される多数の観客ポリゴンAPが、スタンド12に配置される。これにより、スタンド12における観客を個々に動作制御しているかのような表現が容易に実現される。
【0050】
次に、観客ポリゴンAPの設定について説明する。観客ポリゴンAPの設定とは、該観客ポリゴンAPにマッピングする観客モデルMの組み合わせ、及びゲーム空間における配置位置を決定することである。
【0051】
先ず、図7に示すように、スタンド12が複数のゾーンに分割される。ここでは、メインスタンド中央に相当するゾーン「Z1」、メインスタンドのホームチームゴール裏寄りに相当するゾーン「Z2」、ホームチームゴール裏に相当するゾーン「Z3」、バックスタンドのホームチームゴール裏寄りに相当するゾーン「Z4」、バックスタンド中央に相当するゾーン「Z5」、バックスタンドのアウェーチームゴール裏寄りに相当するゾーン「Z6」、アウェーチームゴール裏に相当するゾーン「Z7」、及びメインスタンドのアウェーチームゴール裏寄りに相当するゾーン「Z8」の合計8つのゾーンに分割されることとする。
【0052】
また、図8に示すように、各観客モデルMが属性に応じて分類される。属性とは、該観客モデルMが応援するチームを示すものである。ここでは、ホームチームを応援している属性「Hサポ」、アウェーチームを応援している属性「Aサポ」、どちらでもない属性「一般」の3つの属性の何れかが設定されることとする。例えば、同図では、16体の観客モデルMのうち、5体の観客モデルM1〜M5に属性「Hサポ」が設定され、6体の観客モデルM6〜M11に属性「一般」が設定され、5体の観客モデルM12〜M16に属性「Aサポ」が設定されている。
【0053】
観客モデルMは、設定されている属性に応じた外見をしている。具体的には、属性「Hサポ」及び「Aサポ」の観客モデルMは、それぞれ応援しているチームのユニフォームやチームカラーの服を身に付けているといった外見をしており、属性「一般」の観客モデルMは、どちらのチームを応援しているのかわからないような外見をしている。
【0054】
また、図9に示すように、観客ポリゴンAPが種別に応じて分類される。種別とは、該観客ポリゴンAPにマッピングされる4体の観客モデルMの属性の組み合わせを示すものである。ここでは、ホームチームを応援する属性「Hサポ」の観客モデルMを多く含む種別「H1」及び「H2」、アウェーチームを応援する属性「Aサポ」の観客モデルMを多く含む種別「A1」及び「A2」、何れでもない種別「N」の5つの種別の何れかが設定されることとする。
【0055】
詳細には、種別「H1」は、該観客ポリゴンAPにマッピングされる4体の観客モデルMに、属性「Hサポ」の観客モデルMが3体以上含まれ、且つ属性「Aサポ」の観客モデルMが含まれない。種別「H2」は、観客ポリゴンAPにマッピングされる4体の観客モデルMに、属性「Hサポ」の観客モデルMが2体含まれ、且つ属性「Aサポ」の観客モデルMが含まれない。種別「A1」は、該観客ポリゴンAPにマッピングされる4体の観客モデルMに、属性「Aサポ」の観客モデルMが3体以上含まれ、且つ属性「Hサポ」の観客モデルMが含まれない。種別「A2」は、該観客ポリゴンAPにマッピングされる4体の観客モデルMに、属性「Aサポ」の観客モデルMが2体以上含まれ、且つ属性「Hサポ」の観客モデルMが含まれない。そして、種別「N」は、上記種別「H1」、「H2」、「A2」及び「A1」の何れにも該当しない。
【0056】
そして、スタンド12のゾーン毎に、各ゾーンに配置される全観客ポリゴンAPの属性の比率が所定の比率を満足するよう、配置される観客ポリゴンAPが決定される。図10は、各ゾーンに配置される観客ポリゴンAPの種別の比率の一例を示す図である。同図では、各ゾーンにおける全種別の合計を「1.0」とした比率で表されている。例えば、同図では、ゾーンZ1では、種別「H2」の観客ポリゴンAPが3割、種別「N」の観客ポリゴンAPが4割、及び種別「A2」の観客ポリゴンAPが3割の比率で配置される。
【0057】
各ゾーンにおける観客ポリゴンAPの種別の比率は、両チームの応援場所であるゴール裏に近いほど、該チームを応援する観客が多数集まるよう、定められている。具体的には、ホームチームを応援する観客、即ち属性「Hサポ」の観客モデルMの観客テクスチャTの密度が、ホームチームの応援場所であるゾーンZ3で最も密度が高く、次いで、その両隣のゾーンZ2,Z4が高くなるように設定される。また、アウェーチームを応援する観客、即ち属性「Aサポ」の観客モデルMの観客テクスチャTの密度が、アウェーチームの応援場所であるゾーンZ7で最も高く、次いで、その両隣のゾーンZ6,Z8が高くなるように設定される。
【0058】
また、図6の説明では、フレーム毎に全観客モデルMの動作を制御し、全観客モデルMの観客テクスチャTを生成することとした。つまり、フレーム毎にスタンド12に配置される全観客ポリゴンAPの観客テクスチャTが更新される。これを、1フレームにおいて全ての観客モデルMの動作を制御するのではなく、16体の観客モデルMのうち複数の観客モデルMの動作を制御する、即ち各観客モデルMの動作を断続的に制御するようにしても良い。
【0059】
図11は、観客モデルMの断続的な動作制御を説明する図である。同図では、1フレームにおいて2体の観客モデルMの動作を制御する場合を示している。同図によれば、例えばフレームFでは、観客モデルM1,M2の動作が制御され、観客テクスチャT1,T2が生成される。次のフレームFN+1では、観客モデルM3,M4の動作が制御され、観客テクスチャT3,T4が生成される。そして、フレームFN+8では、観客モデルM1,M2の動作が制御され、観客テクスチャT1,T2が生成される。つまり、各観客モデルMは、8フレーム毎に8フレームおきの動作をするように動作が制御され、対応する観客テクスチャTが生成(更新)される。
【0060】
このため、図12に示すように、1フレームにおいて、スタンド12に配置されている全観客ポリゴンAPのうち、幾つかの観客ポリゴンAPの観客テクスチャTのみが更新される。つまり、スタンド12における全観客が更新されるのではなく、観客の一部のみが更新される。
【0061】
図12は、スタンド12の一部概略図であり、複数の観客ポリゴンAPが配置されている。同図(a)はフレームFの状態を示しており、同図(b)は次のフレームFN+1の状態を示している。即ち、フレームFでは、同図(a)に示すように、幾つかの観客ポリゴンAPの観客テクスチャTが更新され、観客が部分的に更新されている。また、その次のフレームFN+1では、同図(b)に示すように、フレームFとは異なる幾つかの観客テクスチャTが更新され、フレームFとは異なる観客の部分が更新されている。そして、スタンド12においては、各観客が一斉に動くのではなくばらばらに動くため、常にスタンド12の観客が動いているようなリアリスティックな画像を低い演算負荷で生成できる。
【0062】
[画像]
図13は、観客テクスチャTの一例を示す画像であり、同図(a)、(b)とも、同一の観客モデルMを異なる視点CMでレンダリングした画像を示している。そして、図14は、フィールド11側から見たスタンド12の様子を示す画像である。スタンド12において、多数の観客ポリゴンAPが列を成して配置されて、多数の観客が表現されている。
【0063】
[機能構成]
図15は、本実施形態における家庭用ゲーム装置1200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、家庭用ゲーム装置1200は、機能的には、操作入力部100と、処理部200と、画像表示部330と、音出力部340と、記憶部400とを備えて構成される。
【0064】
操作入力部100は、プレーヤによる操作指示入力を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部200に出力する。この機能は、例えばボタンスイッチやレバー、ダイヤル、マウス、キーボード、各種センサ等によって実現される。図1では、ゲームコントローラ1220がこれに該当する。
【0065】
処理部200は、家庭用ゲーム装置1200の全体制御やゲームの進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。図1では、制御ユニット1211に実装されているCPU等がこれに該当する。
【0066】
また、処理部200は、主にゲームの実行に係る演算処理を行うゲーム演算部210と、ゲーム演算部210の処理によって求められた各種のデータに基づき、仮想カメラ等の所与の視点から見た仮想三次元空間(ゲーム空間)の画像を生成する画像生成部230と、効果音やBGM等のゲーム音を生成する音生成部240とを含んでいる。
【0067】
ゲーム演算部210は、操作入力部100から入力された操作信号や、記憶部400から読み出したプログラムやデータ等に基づいて種々のゲーム処理を実行する。ゲーム処理としては、例えば、仮想三次元空間にサッカースタジアムや選手、ボール等のオブジェクトを配置してゲーム空間を設定する処理、操作入力部100からの操作信号に基づくプレーヤキャラクタの制御、オブジェクトのヒット交差判定(ヒットチェック)、視点(仮想カメラ)の制御等がある。また、本実施形態では、ゲーム演算部210は、観客ポリゴン設定部211と、モデル制御部212と、モーション決定部213と、制御モード決定部214と、観客テクスチャ生成部215と、観客ポリゴン描画部216とを含んでいる。
【0068】
観客ポリゴン設定部211は、ゲーム開始に先立ち、サッカースタジアム10のスタンド12に配置する観客ポリゴンAPの設定を行う。具体的には、先ず、観客モデルデータ421及びポリゴン種別テーブル423を参照して、4体の観客モデルMを組み合わせた各種別の観客ポリゴンAPを複数作成する。次いで、ゾーン/ポリゴン割当テーブル424を参照して、作成した各観客ポリゴンAPの配置位置を決定する。
【0069】
観客モデルデータ421は、各観客モデルMに関するデータである。図16に、観客モデルデータ421のデータ構成の一例を示す。同図によれば、観客モデルデータ421は、16体の観客モデルMそれぞれについて、識別番号であるモデルNo.421aと、モデルデータ421bと、属性421cとを対応付けて格納している。この観客モデルデータ421は、予め設定された固定データである。
【0070】
ポリゴン種別テーブル423は、観客ポリゴンAPの種別を定義したデータテーブルである。図17に、ポリゴン種別テーブル423のデータ構成の一例を示す。同図によれば、ポリゴン種別テーブル423は、観客ポリゴンAPの種別423aと、条件423bとを対応付けて格納している。条件423bは、4体の観客モデルMの属性の組み合わせの条件が格納される。このポリゴン種別テーブル423は、予め設定された固定データである。
【0071】
観客ポリゴン設定部211は、種別毎に、属性の組み合わせがポリゴン種別テーブル423で定められた条件を満足する4体の観客モデルMの組み合わせ及びその観客テクスチャTのマッピング位置を決定することで、複数の観客ポリゴンAPを作成する。
【0072】
ゾーン/ポリゴン割当テーブル424は、スタンド12の各ゾーンへの観客ポリゴンAPの配置を定義するデータテーブルである。図18に、ゾーン/ポリゴン割当テーブル424のデータ構成の一例を示す。同図によれば、ゾーン/ポリゴン割当テーブル424は、スタンド12のゾーン424bと、配置される観客ポリゴンAPの種別424aの割合を対応付けて格納している。種別424aの割合は、合計を「1.0」とした割合で格納されている。このゾーン/ポリゴン割当テーブル424は、予め設定された固定データである。
【0073】
観客ポリゴン設定部211は、スタンド12の各ゾーンに配置される観客ポリゴンAPの種別毎の比率が、ゾーン/ポリゴン割当テーブル424で定められた比率を満足するよう、作成した各観客ポリゴンAPのゲーム空間における配置位置を決定する。このとき、1つの観客ポリゴンAPが複数位置に配置されることとしても良い。
【0074】
観客ポリゴン設定部211により設定された観客ポリゴンAPのデータは、観客ポリゴン設定データ432に格納される。図19に、観客ポリゴン設定データ432のデータ構成の一例を示す。同図によれば、観客ポリゴン設定データ432は、観客ポリゴンAPの種別432a毎に、観客ポリゴン432bと、観客モデル432cと、配置位置432dとを対応付けて格納している。
【0075】
観客ポリゴン432bは、観客ポリゴンAPの識別番号であるポリゴンNo.が格納される。観客モデル432cは、観客ポリゴン432bに対応する4体の観客モデルMのモデルNo.が、そのマッピング位置の順に格納される。配置位置432dは、観客ポリゴン432bのゲーム空間における配置位置をワールド座標系で表現した座標値が格納される。対応する観客ポリゴン432bが複数位置に配置される場合、配置位置432dには該当する複数の座標値が格納される。
【0076】
モデル制御部212は、各観客モデルMを、それぞれのモデル空間で動作制御する。具体的には、制御モードデータ434を参照し、現在の動作制御モードに従って、16体の観客モデルMのうちから動作制御の対象とする観客モデルMを選択する。そして、選択した各観客モデルMについて、モデル/モーション対応データ431を参照し、対応付けられているモーションデータに従って動作を制御する。
【0077】
ここで、動作制御モードとは、1フレームにおいて何体の観客モデルMの動作を制御するかを指定するモードであり、ここでは、16体の観客モデルM全てを動作制御する「全制御モード」、16体の観客モデルMのうち、所定数ずつ順に動作制御する「断続制御モード」、16体の観客モデルM全てを動作制御しない「停止モード」、の3つのモードがあるとする。
【0078】
制御モードデータ434は、観客モデルMの動作制御モードの値を格納したデータである。図20に、制御モードデータ434のデータ構成の一例を示す。同図によれば、制御モードデータ434には、動作制御モードとして、全制御モードを表す「全制御」、断続制御モードを表す「断続」、及び停止モードを表す「停止」の何れかの値が格納される。また、この制御モードデータ434は、制御モード決定部214により更新される。
【0079】
モデル/モーション対応データ431とは、各観客モデルMに適用するモーションデータを示すデータテーブルである。図21に、モデル/モーション対応データ431のデータ構成の一例を示す。同図によれば、モデル/モーション対応データ431は、観客モデル431aと、適用モーション431bとを対応付けて格納している。観客モデル431aは、観客モデルMのモデルNo.が格納される。適用モーション431bは、モーションの名称が格納される。尚、このモデル/モーション対応データ431は、モーション決定部213により更新される。
【0080】
各観客モデルMに適用するモーションデータは、モーションデータ群422に格納されている。モーションデータ群422は、各観客モデルMに適用するモーションデータの集合である。図22に、モーションデータ群422のデータ構成の一例を示す。同図によれば、モーションデータ群422は、複数のモーション群を含んでおり、各モーション群は、同一の感情を表したモーションではあるがその内容が異なる複数のモーションデータから成る。例えば同図では、複数の歓喜モーションデータから成る歓喜モーション群422a、複数の応援モーションデータから成る応援モーション群422b、複数の落胆モーションから成る落胆モーション群422c等を含んでいる。
【0081】
モーション決定部213は、現在のゲームの進行状況に応じて、各観客モデルMに適用するモーションパターンを決定(変更)する。具体的には、モーション切替タイミングテーブル425を参照して、定められたイベントが発生したと判断すると、該発生したイベントに応じて各観客モデルMに適用するモーションを変更する。
【0082】
モーション切替タイミングテーブル425は、各観客モデルMに適用するモーションパターンの切り替えのタイミングを定義したデータテーブルである。図23に、モーション切替タイミングテーブル425のデータ構成の一例を示す。同図によれば、モーション切替タイミングテーブル425は、イベント425aと、モーション425bと、継続期間425cとを対応付けて格納している。
【0083】
イベント425aは、ゲーム中に発生する、観客の挙動が変化するきっかけとなる出来事であり、例えばゴールやコーナーキック(CK)、フリーキック(FK)、スローイン等がある。モーション425bは、観客モデルMに適用するモーションの名称を、観客モデルMの属性(Hサポ、一般及びAサポ)毎に格納する。継続期間425cは、対応するイベント425aが発生した後、各観客モデルMへのモーション425bの適用を継続する期限である。
【0084】
モーション決定部213は、モーション切替タイミングテーブル425で定められたイベントが発生すると、各観客モデルMに適用するモーションを、発生したイベントに対応付けられている属性に応じたモーションに変更して、モデル/モーション対応データ431を更新する。
【0085】
制御モード決定部214は、ゲームの進行状況に応じて、観客モデルMの動作制御モードを決定(変更)する。具体的には、モード切替タイミングテーブル426を参照して、定められたイベントが発生したと判断すると、該発生したイベントに応じて、観客モデルMの動作制御モードを変更する。
【0086】
モード切替タイミングテーブル426は、観客モデルMの動作制御モードの切り替えタイミングを定義したデータテーブルである。図24に、モード切替タイミングテーブル426のデータ構成の一例を示す。同図によれば、モード切替タイミングテーブル426は、イベント426aと、動作制御モード426bとを対応付けて格納している。イベント426aは、ゲーム中に発生する、動作制御モードを変更すべききっかけとなる出来事であり、例えば、キックオフやゴール、コーナーキック、フリーキック、スローイン等がある。
【0087】
ここで、イベント426aと動作制御モード426bとの対応付けは、主にイベントの発生による観客の反応の程度や、ゲーム画面におけるスタンド12の表示の程度に応じて定められる。具体的には、例えば、スタンド12が殆どゲーム画面に映らずプレーヤに着目されない通常時(インプレー時)には停止モードとする。そして、ゴール時のように、観客の反応が大きく観客個々の挙動を強調して表現する必要があるときには全制御モードとし、また、フリーキック時のように、ゴール時ほど観客の反応は大きくないけれども無反応は望ましくないときには断続制御モードとする。
【0088】
制御モード決定部214は、このモード切替タイミングテーブル426で定められたイベントが発生すると、発生したイベントに対応付けられている動作制御モードに変更し、制御モードデータ434を更新する。
【0089】
観客テクスチャ生成部215は、各観客モデルMの観客テクスチャTを生成する。具体的には、モデル制御部212により動作制御の対象とされた観客モデルMそれぞれについて、それぞれのモデル空間において、該観客モデルMに設定された視点CMを基にレンダリングを行って観客テクスチャTを生成する。観客テクスチャ生成部215により生成された観客テクスチャTは、観客テクスチャデータ433に格納される。
【0090】
図25に、観客テクスチャデータ433のデータ構成の一例を示す。同図によれば、観客テクスチャデータ433は、観客モデル433aと、観客テクスチャ433bとを対応付けて格納している。観客モデル433aは、観客モデルMのモデルNo.が格納される。この観客テクスチャデータ433は、フレーム毎に、観客テクスチャ生成部215により生成された観客テクスチャTが格納されて更新される。
【0091】
観客ポリゴン描画部216は、各観客ポリゴンAPに観客テクスチャTをマッピングして、該観客ポリゴンAPを描画(レンダリング)する。具体的には、フレーム毎に、各観客ポリゴンAPについて、観客テクスチャデータ433に格納されている、観客ポリゴン設定データ432に定められている観客テクスチャTをマッピングする。
【0092】
画像生成部230は、ゲーム演算部210による演算結果に基づき、ゲーム画面を表示するためのゲーム画像(3DCG画像)を生成し、生成した画像の画像信号を画像表示部330に出力する。画像表示部330は、画像生成部230からの画像信号に基づいて、例えば1/60秒毎に1フレームの画面を再描画しながらゲーム画面を表示する。この機能は、例えばCRT、LCD、ELD、PDP、HMD等のハードウェアによって実現される。図1では、ディスプレイ1230がこれに該当する。
【0093】
音生成部240は、ゲーム中に使用される効果音やBGM等のゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部340に出力する。音出力部340は、音生成部240からの音信号に基づいてBGMや効果音等のゲーム音声を出力する。この機能は、例えばスピーカ等によって実現される。図1では、スピーカ1231がこれに相当する。
【0094】
記憶部400は、処理部200に家庭用ゲーム装置1200を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、CD−ROM、DVD、MO、RAM、VRAM等によって実現される。図1では、制御ユニット1211に実装されているROMやRAM等がこれに該当する。
【0095】
また、記憶部400は、処理部200をゲーム演算部210として機能させるためのゲームプログラム410及びゲームデータを記憶する。ゲームプログラム410には、スタンド12における観客の制御を実現するための観客制御プログラム411が含まれている。また、ゲームデータには、観客モデルデータ421と、モーションデータ群422と、ポリゴン種別テーブル423と、ゾーン/ポリゴン割当テーブル424と、モーション切替タイミングテーブル425と、モード切替タイミングテーブル426と、モデル/モーション対応データ431と、観客ポリゴン設定データ432と、観客テクスチャデータ433と、制御モードデータ434とが含まれている。
【0096】
[処理の流れ]
次に、処理の流れを説明する。
図26は、本実施形態におけるゲーム処理の流れを説明するためのフローチャートである。この処理は、処理部200がゲームプログラム410を実行することで実現される。尚、サッカーゲームの進行に関する処理は従来と同様であるため、ここでは説明を省略し、スタンド12における観客の制御に関する処理を中心に説明する。
【0097】
同図によれば、先ず、ゲーム演算部210が、仮想三次元空間にサッカースタジアム10や選手、ボール等のオブジェクトを配置してゲーム空間を設定する(ステップS1)。次に、観客ポリゴン設定部211が、スタンド12に配置する各観客ポリゴンAPを設定する。即ち、観客モデルデータ421及びポリゴン種別テーブル423に従って、種別毎に、観客モデルMを4体選択し組み合わせた観客ポリゴンAPを作成し、ゾーン/ポリゴン割当テーブル424に従って、作成した各観客ポリゴンAPのゲーム空間における配置位置を決定する。各観客ポリゴンAPの設定内容は、観客ポリゴン設定データ432に格納される(ステップS3)。
【0098】
続いて、ゲーム演算部210はゲームを開始し、ゲーム終了までの間、フレーム毎にループAを実行する。ループAでは、モデル制御部212が、制御モードデータ434で指定される動作制御モードに従って、動作制御の対象とする観客モデルMを決定する(ステップS5)。そして、制御対象として決定した各観客モデルMの動作を、モデル/モーション対応データ431で定められたモーションデータに従って制御する(ステップS7)。
【0099】
次いで、観客テクスチャ生成部215が、モデル制御部212により動作制御の対象とされた各観客モデルMをレンダリングして、観客テクスチャTを生成する。生成された観客テクスチャTは、観客テクスチャデータ433に格納される(ステップS9)。そして、観客ポリゴン描画部216が、観客ポリゴン設定データ432に従って、各観客ポリゴンAPに、観客テクスチャデータ433に格納されている各観客テクスチャTをマッピングする(ステップS11)。
【0100】
また、モーション決定部213が、モーション切替タイミングテーブル425を参照して、各観客モデルMへの適用モーションを変更すべきイベントが発生したか否かを判断する(ステップS13)。該当するイベントが発生したならば(ステップS13:YES)、各観客モデルMへの適用モーションを該発生したイベントに応じたモーションに変更して、モデル/モーション対応データ431を更新する(ステップS15)。
【0101】
また、制御モード決定部214が、モード切替タイミングテーブル426を参照して、動作制御モードを変更すべきイベントが発生したか否かを判断する(ステップS17)。該当するイベントが発生したならば(ステップS17:YES)、該発生イベントに応じた動作制御モードに変更し、制御モードデータ434を更新する(ステップS19)。
【0102】
また、ゲーム演算部210が、両チームの選手やボール等の制御を行う(ステップS21)。その後、画像生成部230がゲーム画像を生成して画像表示部330に表示させるとともに、音生成部240がゲーム音を生成して音出力部340から表示させる(ステップS23)。
【0103】
以上がループAの処理である。ループAが終了すると、ゲーム演算部210は、試合の勝敗等の結果表示を行う(ステップS25)。以上の処理が終了すると、ゲーム処理は終了となる。
【0104】
[ハードウェア構成]
図27は、本実施の形態における家庭用ゲーム装置1200のハードウェア構成の一例を示す図である。同図によれば、家庭用ゲーム装置1200は、CPU1000と、ROM1002と、RAM1004と、情報記憶媒体1006と、画像生成IC1008と、音生成IC1010と、I/Oポート1012,1014とを有し、システムバス1016により相互にデータの入出力が可能に接続されている。また、画像生成IC1008には表示装置1018が接続され、音生成IC1010にはスピーカ1020が接続され、I/Oポート1012にはコントロール装置1022が接続され、I/Oポート1014には通信装置1215が接続されている。
【0105】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されているプログラムやデータ、ROM1002に格納されているシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)やデータ、コントロール装置1022によって入力される入力信号等に従って、装置全体の制御や各種データ処理を行う。このCPU1000は、図1の制御ユニット1211に搭載されているCPU、図15の処理部200に該当する。
【0106】
ROM1002、RAM1004及び情報記憶媒体1006は、図15の記憶部400に該当する。ROM1002は、家庭用ゲーム装置1200のシステムプログラムや、図15の記憶部400に記憶されている情報の内、特に、予め設定されているプログラムやデータ等を記憶する。RAM1004は、CPU1000の作業領域として用いられ、例えば、ROM1002や情報記憶媒体1006の所与の内容、1フレーム分の画像データ、CPU1000による演算結果等が格納される。また、情報記憶媒体1006は、ICメモリカードや本体装置に着脱自在なハードディスクユニット、MO等によって実現される。
【0107】
画像生成IC1008は、CPU1000からの画像情報に基づいて表示装置1018に表示するゲーム画面の画素情報を生成する集積回路である。表示装置1018は、画像生成IC1008で生成された画素情報に基づくゲーム画面を表示する。この画像生成IC1008は、図15の画像生成部230に該当し、表示装置1018は、図15の画像表示部330、図15のディスプレイ1230に該当する。
【0108】
音生成IC1010は、情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報に基づいて効果音やBGM等のゲーム音を生成する集積回路であり、生成されたゲーム音はスピーカ1020によって出力される。この音生成IC1010は、図15の音生成部240に該当し、スピーカ1231は、図15の音出力部340、図1のスピーカ1231に該当する。
【0109】
尚、画像生成IC1008、音生成IC1010等で行われる処理は、CPU1000或いは汎用のDSP等によってソフトウェア的に実行されることとしても良い。
【0110】
コントロール装置1022は、プレーヤがゲームの進行に応じて種々のゲーム操作を入力するための装置である。このコントロール装置1022は、図15の操作入力部100、図1のゲームコントローラ1220に該当する。
【0111】
通信装置1215は、家庭用ゲーム装置1200内部で使用される各種情報を外部とやり取りするための装置であり、他のゲーム装置と接続されてゲームプログラムに応じた所与の情報を送受信したり、通信回線を介してゲームプログラム等の情報を送受信する等に利用される。この通信装置1215は、図1の本体装置1210に具備される通信装置に該当する。
【0112】
[作用・効果]
以上、本実施形態によれば、16体の観客モデルMをレンダリングして生成した16枚の観客テクスチャTのうち、4枚を選択し組み合わせてマッピングすることで、多数の観客ポリゴンAPが生成される。そして、これら各観客ポリゴンAPがスタンド12に配置される。また、16体の観客モデルMは、それぞれ異なるモーションデータに従って動作が制御される。これにより、個々がそれぞれ異なる動きをする観客の表現が容易に実現される。
【0113】
[変形例]
尚、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0114】
(A)観客モデルMの数、及び観客テクスチャTの枚数
例えば、上述した実施形態では、16体の観客モデルMを用意することとしたが、これは何体であっても構わない。また、観客ポリゴンAPに4枚の観客テクスチャTをマッピングすることとしたが、これは何枚であっても構わない。
【0115】
(B)形象オブジェクト
また、上述した実施形態では、形象オブジェクトとして、観客テクスチャTをマッピングした複数の観客ポリゴンAPをゲーム空間に配置することとしたが、ゲーム装置の処理能力が許容されるならば、観客ポリゴンAPではなく、観客モデルMの複製(コピー)であって該観客モデルMの動作に従動する複製モデルを配置することとしても良い。このとき、複製モデルを、例えば種類が異なる4体選択し組み合わせて1つの単位集団とし、この単位集団をゲーム空間に配置する。
【0116】
(C)動作制御モード
また、上述した実施形態では、観客モデルMの動作制御時間間隔を決定する動作制御モードを、ゲーム中における所定のイベント(出来事)の発生により変更することとしたが、視点(仮想カメラ)に応じて変更することとしても良い。
【0117】
具体的には、視点とスタンド12との距離や、視点の画角に応じて変更する。例えば、視点とスタンド12との距離に応じて変更する場合、この距離が遠いほど、ゲーム画面における観客個々の挙動をつぶさに表現する必要がないため、観客モデルMの動作制御時間間隔を長くする。つまり、視点とスタンド12とが近い、即ち視点とスタンド12との距離が所定の近距離以下であり、ゲーム画面において観客個々がはっきり表示されるときには全制御モードとする。また、視点とスタンド12とが遠い、即ち視点とスタンド12との距離が所定の遠距離以上であるときには停止モードとし、それ以外では断続制御モードとする。
【0118】
また、視点の画角に応じて変更する場合、この視点の視野におけるスタンド12の割合、即ちゲーム画面におけるスタンド12の割合が大きいほど、ゲーム画面における観客の表現の重要性が高いため、観客モデルMの動作制御時間間隔を短くする。つまり、視点の視野にスタンド12が殆ど入らない、即ちスタンド12がゲーム画面に殆ど映らない場合には停止モードとする。また、視点の視野におけるスタンド12の割合が所定割合以上、即ちゲーム画面におけるスタンド12の割合が所定割合以上であるときには全制御モードとし、それ以外では断続制御モードとする。
【0119】
(D)適用するゲーム
また、上述した実施形態では、サッカーゲームに適用した場合を説明したが、野球等のスポーツゲーム、カーレースといった他のゲーム等、群衆を表現するゲーム全般に適用可能なのは勿論である。
【0120】
(E)適用する集合
また、上述した実施形態では、群衆である観客を表現する場合について説明したが、群衆に限らず、例えば牛や馬等の動物、ロボット等の群れにといった他の集合についても同様に適用可能である。更に、動物の群れではなく、樹木の集合体である森林、燃え上がる森林や炎、風になびく草原等についても同様に適用可能である。
【0121】
(F)適用するゲーム装置
また、上述した実施形態では、本発明を家庭用ゲーム装置に適用した場合について説明したが、図1に示した家庭用ゲーム装置1200のみではなく、業務用ゲーム装置や携帯型ゲーム装置、多数のプレーヤが参加する大型アトラクション装置等の種々の装置にも同様に適用できる。
【0122】
例えば図28は、本発明を業務用ゲーム装置に適用した一例を示す外観図である。同図によれば、業務用ゲーム装置1300は、ゲーム画面を表示するディスプレイ1302と、ゲームの効果音やBGMを出力するスピーカ1304と、前後左右方向を入力するジョイスティック1306と、プッシュボタン1308と、演算処理によって業務用ゲーム装置1300を統合的に制御して所与のゲームを実行する制御ユニット1310とを備える。
【0123】
制御ユニット1310は、CPU等の演算処理装置と、業務用ゲーム装置1300の制御及びゲームの実行に必要なプログラムやデータが格納されたROMを搭載する。制御ユニット1310に搭載されるCPUは、ROMに記憶されたプログラムやデータを適宜読み出して演算処理することによって、ゲーム処理等の種々の処理を実行する。プレーヤは、ディスプレイ1302に表示されたゲーム画面を見て、スピーカ1304から出力されるゲーム音声を聞きながら、ジョイスティック1306やプッシュボタン1308を操作してサッカーゲームを楽しむ。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】家庭用ゲーム装置の外観図。
【図2】ゲーム空間の構成図。
【図3】観客ポリゴンの構成図。
【図4】観客ポリゴンの生成の説明図。
【図5】観客ポリゴンの生成の説明図。
【図6】フレーム毎の観客ポリゴンの生成の説明図。
【図7】スタンドのゾーン分けの説明図。
【図8】観客モデルの属性の説明図。
【図9】観客ポリゴンの種別の説明図。
【図10】各ゾーンに配置される観客ポリゴンの種別の比率の例。
【図11】観客モデルの断続的な動作制御の説明図。
【図12】スタンドにおける観客テクスチャの更新例。
【図13】観客テクスチャの画像例。
【図14】観客ポリゴンが配置されたスタンドの画像例。
【図15】家庭用ゲーム装置の機能構成図。
【図16】観客モデルデータのデータ構成例。
【図17】ポリゴン種別テーブルのデータ構成例。
【図18】ゾーン/ポリゴン割当テーブルのデータ構成例。
【図19】観客ポリゴン設定データのデータ構成例。
【図20】制御モードデータのデータ構成例。
【図21】モデル/モーション対応データのデータ構成例。
【図22】モーションデータ群のデータ構成例。
【図23】モーション切替タイミングテーブルのデータ構成例。
【図24】モード切替タイミングテーブルのデータ構成例。
【図25】観客テクスチャデータのデータ構成例。
【図26】ゲーム処理の流れ図。
【図27】ハードウェア構成図。
【図28】業務用ゲーム装置の外観図。
【符号の説明】
【0125】
1200 家庭用ゲーム装置
100 操作入力部
200 処理部
210 ゲーム演算部
211 観客ポリゴン設定部
212 モデル制御部
213 モーション決定部
214 制御モード決定部
215 観客テクスチャ生成部
216 観客ポリゴン描画部
230 画像生成部
240 音生成部
330 画像表示部
340 音出力部
400 記憶部
410 ゲームプログラム
411 観客制御プログラム
421 観客モデルデータ
422 モーションデータ群
423 ポリゴン種別テーブル
424 ゾーン/ポリゴン割当テーブル
425 モーション切替タイミングテーブル
426 モード切替タイミングテーブル
431 モデル/モーション対応データ
432 観客ポリゴン設定データ
433 観客テクスチャデータ
434 制御モードデータ
10 サッカースタジアム
11 フィールド
12 スタンド
Z(Z1〜Z8) ゾーン
M(M1〜M16) 観客モデル
AP 観客ポリゴン
BP 板ポリゴン
T(T1〜T16) 観客テクスチャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、ゲーム空間の画像を生成してゲームの進行を制御させるためのプログラムであって、
複数種類のモデルそれぞれの動きを制御するモデル制御手段、
前記複数種類のモデルそれぞれを象り、対応するモデルの動きに従動する形象オブジェクトを、予め前記ゲーム空間に設定された集合配置位置に配置することで不特定多数のモデル集合を形成させる集合形成手段、
前記集合形成手段により形成された集合を含む前記ゲーム空間の画像を生成する画像生成手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記モデル制御手段により制御された前記各モデルの画像を、当該モデルそれぞれに対して予め設定された視点に基づいて生成するモデル画像生成手段として前記コンピュータを機能させ、
前記集合形成手段が、前記モデル画像生成手段により生成されたモデルの画像を前記形象オブジェクトとして配置するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記集合形成手段が、
前記複数種類のモデルのうち、所定数のモデルの形象オブジェクトを組み合わせて隣接配置した単位集団を複数種類編成する単位集団編成手段を有し、
前記編成された複数種類の単位集団を配置することで集合を形成させる、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記モデルは人型のモデルであり、
前記集合形成手段が、予め前記ゲーム空間に設定された群集配置位置を前記集合配置位置として、当該群集配置位置に前記形象オブジェクトを配置することで群衆を形成させる群衆形成手段を有し、
前記画像生成手段が、前記群衆形成手段により形成された群衆を含む前記ゲーム空間の画像を生成する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ゲームは対戦ゲームであり、
前記複数種類のモデルには対戦する両者それぞれの応援モデルが少なくとも含まれ、
前記群衆配置位置のうち、対戦する両者それぞれを応援する応援場所を設定する応援場所設定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記群衆形成手段が、前記応援モデルの形象オブジェクトの配置密度を、前記応援場所設定手段により設定された応援場所に近いほど高くなるように、前記複数種類のモデルそれぞれの形象オブジェクトを配置するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
現在のゲーム進行状況を判定する進行状況判定手段として前記コンピュータを機能させ、
ゲーム進行状況に応じて予め定められた複数種類のモーションの中から、前記判定された現在のゲーム進行状況に応じた、前記複数種類のモデルそれぞれに適用するモーションを選択するモーション選択手段として前記コンピュータを機能させ、
前記モデル制御手段が、前記選択されたモーションを適用することで前記複数種類のモデルそれぞれの動きを制御するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項4又は5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記モーション選択手段が、モデルの種類に応じて、該モデルに適用するモーションを選択するように前記コンピュータを機能させるための請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記モデル制御手段が、前記モデルの動きを断続的に制御する断続制御手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記断続制御手段が、前記複数種類のモデルの制御タイミングが同一とならないように、前記複数種類のモデルそれぞれを断続的に制御するように前記コンピュータを機能させるための請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記断続制御手段が、断続時間間隔を可変する断続間隔可変手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項8又は9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記画像生成手段が、所与の視点から見た前記ゲーム空間の画像を生成するように前記居コンピュータを機能させ、
前記断続間隔可変手段が、前記視点と前記集合との距離に基づいて断続時間間隔を可変するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記画像生成手段が、所与の視点から見た前記ゲーム空間の画像を生成するように前記コンピュータを機能させ、
前記断続間隔可変手段が、前記視点の画角に基づいて断続時間間隔を可変するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項10に記載のプログラム。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項14】
ゲーム空間の画像を生成してゲームの進行を制御するゲーム装置であって、
複数種類のモデルそれぞれの動きを制御するモデル制御手段と、
前記複数種類のモデルそれぞれを象り、対応するモデルの動きに従動する形象オブジェクトを、予め前記ゲーム空間に設定された集合配置位置に配置することで不特定多数のモデル集合を形成させる集合形成手段と、
前記集合形成手段により形成された集合を含む前記ゲーム空間の画像を生成する画像生成手段と、
を備えるゲーム装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−222413(P2007−222413A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47339(P2006−47339)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】