プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置
【課題】 対戦ゲームにおいて消極的なゲーム展開に陥ることを抑制する。
【解決手段】攻撃兵器の射程範囲に対戦相手のキャラクタを捕捉した時間に基づいて優勢ポイントをカウントする。制限時間に達しても、許容量以上のダメージを受けたキャラクタが無く敗者が決まっていない場合、優勢ポイントの大小に基づいて対戦ゲームの勝者を判定する。積極的に相手のキャラクタを射程範囲に捕らえて戦況を有利に運ぶことでもゲームの勝敗を決することが可能になることで、プレーヤに対してより積極的なプレースタイルを促し、停滞したゲーム展開を起り難くすることができる。
【解決手段】攻撃兵器の射程範囲に対戦相手のキャラクタを捕捉した時間に基づいて優勢ポイントをカウントする。制限時間に達しても、許容量以上のダメージを受けたキャラクタが無く敗者が決まっていない場合、優勢ポイントの大小に基づいて対戦ゲームの勝者を判定する。積極的に相手のキャラクタを射程範囲に捕らえて戦況を有利に運ぶことでもゲームの勝敗を決することが可能になることで、プレーヤに対してより積極的なプレースタイルを促し、停滞したゲーム展開を起り難くすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のプレーヤが各々キャラクタを操作してゲーム空間で対戦する対戦ゲームが知られている。
【0003】
例えば、プレーヤが、戦闘機などをモチーフとした飛行体キャラクタを操作して、ゲーム空間中に設定された攻撃目標を撃破したり、他の飛行体キャラクタと空中戦を楽しむフライトシューティングゲームでは、3次元仮想空間内に配置された飛行体キャラクタを操縦席やキャラクタの斜め後方から見た画像がゲーム画面として表示される。この際、飛行体キャラクタの運動や姿勢は、流体力学などの物理法則に則って演算されるので、プレーヤは、あたかも自身が飛行体に乗っている、或いは飛行体になったかのような浮揚感や飛翔感を感じながらリアルなシューティングゲームを楽しむことができる。特に、実在する戦闘機をモデルにした飛行体キャラクタを用いるものは、攻撃兵器の設定のリアルさとあいまって、きわめてリアルな空中戦を楽しむことができるようになっている(特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−38851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、プレーヤ対プレーヤの対戦ゲームの場合、お互いに負けることを意識して間合いを取り合ったまま時間が過ぎるといった消極的なゲーム展開となる場合が見られる。こうした場合、従来の対戦ゲームでは引き分け扱いとなる場合が多く、ゲームをしても盛り上がりに欠けるといった問題があった。特に先に挙げたフライトシューティングゲームの場合には、射程範囲を有する攻撃兵器を搭載する設定のものが多く、これを有効に作用させるためにはどうしても相手キャラクタの背後を狙う必要がある。そのためお互いの背後を追い掛け回し、ぐるぐるキャラクタが回るだけといった消極的な展開となる場合が多く見られる。
【0005】
本発明は、上述のような事情を鑑みて為されたものであり、対戦ゲームにおいて消極的なゲーム展開に陥ることを抑制することを目的とする。尚、上述の課題の背景として説明したフライトシューティングゲームは一例であり、本発明は他のゲームにおける同様の課題の解決をも図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、仮想空間中を移動する複数のキャラクタ(例えば、図2のプレーヤキャラクタCP、相手キャラクタCO)が、予め射程範囲が設定されている攻撃兵器を用いて互いを攻撃して攻撃相手にダメージを与えて対戦する対戦ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラム(例えば、図3のゲームプロラム602)であって、前記キャラクタ毎に、当該キャラクタの攻撃兵器の射程範囲に、他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段(例えば、図3の処理部200、図11のステップS104〜S106)、前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段、(例えば、図3の処理部200、図10のステップS24)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0007】
また他の発明として、仮想空間中を移動する複数のキャラクタが、予め射程範囲が設定されている攻撃兵器を用いて互いを攻撃して攻撃相手にダメージを与えて対戦する対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、前記キャラクタ毎に、当該キャラクタの攻撃兵器の射程範囲に、他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段と、前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段、とを備えたゲーム装置(例えば、ゲーム装置1400、1400−2)を構成してもよい。
【0008】
第1の発明または他の発明によれば、攻撃兵器の射程範囲に対戦相手などの他のキャラクタを捕捉した時間に基づいて対戦ゲームの進行を可変することができる。例えば、フライトシューティングゲームの場合であれば、積極的に相手の背後を取って射程範囲に捕らえて戦況を有利に運ぶことでもゲームの勝敗が付くことになる。別の見方をすれば、消極的なプレイをしていては、撃墜されることが無くとも負けになる可能性が有ることになる。すなわち、プレーヤは望むゲーム進行となるようにするためには、上手く他のキャラクタを攻撃兵器の射程範囲内に捕捉しなければならない。このことは、プレーヤに対してより積極的なプレースタイルを促すことにもなるので、停滞したゲーム展開を起り難くすることができる。
【0009】
第2の発明は、仮想空間中を移動する複数のキャラクタが対戦する対戦ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記キャラクタ毎に、当該キャラクタに予め対応付けられている所定の計時対象範囲(例えば、図6の射程範囲648c)に他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段(例えば、図3の処理部200、図6のステップS16)、前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段(例えば、図3の処理部200、図10のステップS24)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0010】
また他の発明として、仮想空間中を移動する複数のキャラクタが対戦する対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、前記キャラクタ毎に、当該キャラクタに予め対応付けられている所定の計時対象範囲に他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段と、前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段と、を備えたゲーム装置を構成してもよい。
【0011】
この第2の発明等によれば、キャラクタ毎に予め定められた計時対象範囲に他のキャラクタを捕捉した時間に応じてゲームの進行を可変させることができる。プレーヤにしてみれば、自身が望むゲーム進行となるようにするためには、計時対象範囲に上手く他のキャラクタを捕捉する必要に迫られる。したがって、プレーヤに対してより積極的なプレースタイルを促すことになるので、停滞したゲーム展開を起り難くすることができる。
【0012】
第3の発明は、第1又は2の発明のプログラムであって、前記ゲーム進行制御手段が、前記計時された時間に基づいて、勝者とするキャラクタを判定する(例えば、図12のステップS158〜S164)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【0013】
第3の発明によれば、第1又は2の発明と同様の効果を奏するとともに、計時された時間に基づいて、勝者とするキャラクタを判定することができる。すなわち、如何に上手く他のキャラクタを捕捉できるかでゲームの勝敗が決まる可能性がある。したがって、プレーヤにより一層積極的なプレイを促すことができる。
【0014】
第4の発明は、第1又は2の発明のプログラムであって、前記ゲーム進行制御手段が、前記計時された時間に基づいて、前記対戦ゲームの終了を判定する(例えば、図17のミッションクリア条件614c、図20のゲーム進行管理処理)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0015】
第4の発明によれば、第1又は2の発明と同様の効果を奏するとともに、計時された時間に基づいて対戦ゲームが終了することができる。対戦ゲームで勝利がかかっているので、プレーヤはより積極的且つ攻撃的なプレイをするようになり、消極的なゲーム展開に陥ることを抑制することができる。
【0016】
第5の発明は、第1又は2の発明のプログラムであって、前記ゲーム進行制御手段が、前記計時された時間に基づいて、所定の特典付与処理による特典付与対象とするキャラクタを特定して、当該特典付与処理を実行する(例えば、図18の付与特典設定データ616、図19のステップS17)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0017】
ここで言う特典付与とは、例えばゲーム成績を表す点数の付与や、ゲーム中で使用できるアイテムの付与、ゲーム中で使用できる新しい種類のキャラクタの追加といったもののことである。
【0018】
第5の発明によれば、第1又は2の発明と同様の効果を奏するとともに、計時された時間に基づいて特典が付与される。したがって、プレーヤにやる気を出させ、積極的なプレイを引き出すことができる。
【0019】
第6の発明は、第3の発明のプログラムであって、攻撃を受けたダメージ量をキャラクタ毎に管理するダメージ量管理手段(例えば、図3の処理部200、図8のダメージ値624f、図10のステップS18)、前記管理されているダメージ量が所定の許容量に達したキャラクタを敗者とする敗者判定手段(例えば、図3の処理部200、図12のステップS152〜S156)、前記対戦ゲームの経過時間を計時して所定の制限時間が経過したことを検出する制限時間経過検出手段(例えば、図3の処理部200、図12のステップS158)、として前記コンピュータを機能させ、前記ゲーム進行制御手段が、前記制限時間経過検出手段による検出がなされた際に、前記敗者判定手段により敗者とされていないキャラクタが2以上存在する場合に、当該2以上のキャラクタのうち、前記計時された時間に基づいて勝者を判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0020】
第6の発明によれば、第3の発明と同様の効果を奏するとともに、ゲームの経過時間が制限時間を超過した場合でも敗者とされていないキャラクタが2以上存在する場合、すなわち対戦する双方何れものダメージが許容量に達していない場合には、計時した時間に基づいて勝敗を判定することができる。したがって、制限時間内で勝敗が決しなかった場合には、何れが有利にゲーム運びをしていたかで勝敗を判定することができる。プレーヤの技量が近接している場合でも、少しでも相手より有利な展開を得られていれば勝者となることができるので、プレーヤにより一層の積極的なプレイを促すことになる。その結果、より一層スピーディで激しい対戦を実現させることができる。
【0021】
第7の発明は、第3又は6の発明のプログラムであって、前記計時された時間を所定のポイントに換算する換算手段(例えば、図3の処理部200、優勢ポイント換算テーブル612、図11のステップS110〜S112、ステップS126〜S128、ステップS142)、前記換算されたポイントを前記キャラクタ毎に積算する積算手段(例えば、図3の処理部200、優勢ポイントデータ630、図11のステップS110〜S112、ステップS126〜S128、ステップS142)、として前記コンピュータを機能させ、前記ゲーム進行制御手段が、前記積算されたポイントに基づくことで、前記計時された時間に基づいて勝者判定を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0022】
第7の発明によれば、第3又は6の発明と同様の効果を奏するとともに、相手側のキャラクタを捕捉した時間をポイントに換えて管理し、判定に用いることができる。したがって、ポイントの換算によって程度の差をつけることができるので、より判定に多様性を持たせることが可能になる。
【0023】
第8の発明は、第7の発明であって、前記捕捉時間計時手段が、捕捉開始から捕捉終了までの各捕捉毎に時間を計時し、前記換算手段が、前記捕捉時間計時手段による捕捉毎の時間それぞれをポイントに換算するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0024】
第8の発明によれば、第7の発明と同様の効果を奏するとともに、相手側のキャラクタを射程範囲に連続的に捕捉している時間をポイントに換算することができる。射程範囲にどれだけ連続的に相手を捕捉していられるかは、プレーヤの技量を示すものであるから、勝敗の判定にプレーヤの技量を反映させることができるようになる。よって、勝敗の判定を、プレーヤの実感に即したより納得の行くものにできる。
【0025】
第9の発明は、第8の発明のプログラムであって、前記換算手段が、前記捕捉時間計時手段により計時された時間の長さに応じて、ポイントへの換算率を変更するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0026】
第9の発明によれば、第8の発明と同様の効果を奏するとともに、相手キャラクタを連続して捕捉している時間の長さに応じたポイントを付与することができる。連続的に相手を捕捉するには、時間が長くなるほど高い技量を要求する。したがって、捕捉している連続時間の長さに応じてポイントの換算率を変更することで、プレーヤの技量の程度をより分かり易く反映させることができる。
【0027】
第10の発明は、第7又は8の発明のプログラムであって、前記換算手段が、当該捕捉したキャラクタの攻撃兵器の種類に応じて、ポイントへの換算率を変更するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0028】
第10の発明によれば、第7又は8の発明と同様の効果を奏するとともに、兵器の種類に応じてポイントの換算率が変化させることで、攻撃の仕方をポイントに反映させることができる。どういった攻撃方法を採るかでポイントが変わることにもなるので、プレーヤの攻撃スタイルが反映されたプレーヤにより一層の納得が得られる勝敗判定を実現できる。
【0029】
第11の発明は、第7〜10の何れか一つの発明のプログラムであって、前記積算手段が、当該捕捉したキャラクタのポイントに前記換算されたポイントを加算して積算するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0030】
第11の発明によれば、第7〜10の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、捕捉したキャラクタの側、すなわち対戦を有利に運んでいる側にポイントを加算し積算値に基づいて勝敗の判定をすることができる。よって、プレーヤにより積極的なプレイを促すことができる。
【0031】
第12の発明は、第7〜11の何れか一つの発明のプログラムであって、前記積算手段が、当該捕捉されたキャラクタのポイントから前記換算されたポイントを減算して積算するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0032】
第12の発明によれば、第7〜11の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、優勢ポイントの算出に減点方式の要素を加えることができる。加点方式でのみ優勢ポイントを算出する場合に、何人ものプレーヤが同時にゲームに参加するケースでは、よってたかって一人の弱いプレーヤを追い掛け回すといった消極的なゲーム展開が生じるのを未然に防ぐことができる。
【0033】
第13の発明は、第1〜12の何れか一つの発明のプログラムであって、時間の長さに応じて表示態様を変えて表示する所定の態様変化表示体の表示態様を、前記捕捉時間計時手段により計時された時間の長さに応じて変化させて表示制御する態様変化表示体表示制御手段(例えば、図3の処理部200、図9の捕捉ゲージデータ632、図10のステップS21)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0034】
第13の発明は、第1〜12の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、計時された時間の長さに応じて態様変化表示体の表示態様を変化させることができる。したがって、態様変化表示体の変化によって、計時された時間の長短をプレーヤに知らせることができる。
【0035】
第14の発明は、第1〜13の何れか一津の発明のプログラムであって、前記複数のキャラクタには、自プレーヤが操作する自キャラクタと、他プレーヤが操作する他キャラクタとが少なくとも含まれ、前記コンピュータは、他キャラクタを操作する他機(例えば、図1の相手ゲーム装置1400−2)と通信する通信手段(例えば、図3の通信部500)を備えており、前記通信手段に前記他機との間で所定の通信を行わせて、前記対戦ゲームを進行させる通信制御手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0036】
第14の発明によれば、第1〜13の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、離れた場所にいるプレーヤが、所謂対戦ゲームとしてゲーム楽しむことができる。
【0037】
第15の発明は、第1〜14の何れか一つの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0038】
第15の発明によれば、コンピュータで第1〜14の何れか一つの発明のプログラムを読み出して演算処理することによって、第1〜14の何れか一つの発明と同様の効果をコンピュータに実現させることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、ゲーム中に他のキャラクタを捕捉した時間に基づいてゲームの進行を可変することができる。プレーヤにとって見れば、望むようなゲーム進行となるためには、積極的に他のキャラクタを捕捉してゲームを有利に運ぶ必要がでてくる。したがって、プレーヤに対してより積極的なプレースタイルを促すこととなり、停滞したゲーム展開を起り難くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明を適用した第1実施形態について説明する。本実施形態では、プレーヤが他プレーヤとともに、仮想空間中に設けられたゲーム空間で戦闘機型のキャラクタで1対1の空中戦を楽しむ通信対戦ゲーム形式のフライトシューティングゲームを実行する場合を例に挙げて説明する。
【0041】
通信対戦ゲームを実現するシステム構成としては、例えば、(1)家庭に設置してあるパソコンや家庭用ゲーム機、ゲームセンターやアミューズメント施設等に設置される業務用ゲーム機等のゲーム装置を、インターネット網や専用線網等の有線/無線の通信回線を介してゲームサーバと接続する構成、(2)ゲームサーバを用いることなく複数のゲーム装置が通信回線を介して接続される構成、(3)複数のゲーム装置が通信回線を介して接続されるが、その内の1台がゲームサーバ機能を有する構成、(4)複数のゲーム装置が物理的に結合した、全体として1台のシステム(例えば業務用ゲーム機)となっている構成等が有る。
本発明は何れのシステム構成に対しても適用可能であるが、ここでは(2)の構成を例にとって説明する。尚ここで言う、通信回線とは、データ授受が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0042】
図1は、本実施形態におけるゲーム装置1400の外観例を示す図である。ゲーム装置1400は、例えば、プレーヤが携帯して使用する携帯型のゲーム装置である。
ゲーム装置1400は、プレーヤがゲーム操作を入力するための方向キー1402およびボタンスイッチ1404と、ディスプレイ1410と、スピーカ1412と、無線通信モジュール1414と、制御ユニット1420とが、筐体本体1401と一体に備えられている。また、筐体本体1401には、メモリカード1440を着脱自在に装着するためにスロット1406が備えられている。その他、図示しない内臓バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0043】
この携帯型のゲーム装置1400は、ゲーム処理を実行するために必要なプログラムやデータ等をメモリカード1440から読み出す構成であるが、無線通信モジュール1414を介して通信回線Nに接続し、外部の装置から取得する構成としても良い。
【0044】
制御ユニット1420は、CPUやICメモリなどを備え、メモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出し、これに従ってゲームプレーに必要な種々の演算処理を実行して装置各部を制御する。
【0045】
例えば、制御ユニット1420は、無線通信モジュール1414を制御して、無線通信可能なエリア内に在る対戦相手となるプレーヤ(以下、「相手プレーヤ」とも言う。)が操作する同種のゲーム装置1400−2(以下、適宜「相手ゲーム装置」とも言う。)との間で通信ネットワークを形成し、ゲームプレーに必要な各種データの交換を実現する。そして、方向キー1402やボタンスイッチ1404から入力される操作信号、無線通信モジュール1414によって対戦相手のゲーム装置1400−2から受信したデータ等に基づいて種々のゲーム処理を実行し、ゲーム画像の画像信号及びゲーム音の音信号を生成する。生成されたゲーム画像はディスプレイ1410に表示され、ゲーム音の音信号はスピーカ1412から音出力される。
プレーヤは、ディスプレイ1410に表示されるゲーム画像を見ながら方向キー1402やボタンスイッチ1404を操作し、相手プレーヤと対戦してゲームを楽しむことができる。
【0046】
図2は、本実施形態におけるゲームの概要を説明するための概念図である。
ゲーム空間1には、予め範囲が定められた地表2の上空にステージ空間4が設定されており、その内部にキャラクタなどの各種オブジェクトが配置されている。ステージ空間4は、テニスのコートや相撲の土俵に相当し、プレーヤキャラクタCPと相手キャラクタCOは、ステージ空間4の内部で空中戦をする。そして、仮想空間内を所与の仮想カメラCMから見た画像を元にゲーム画面が表示される。
【0047】
図3は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、ゲーム装置1400は、機能ブロックとして操作入力部100と、処理部200と、画像表示部300と、音出力部400と、通信部500と、記憶部600とを有している。
【0048】
操作入力部100は、ゲーム装置1400を操作するプレーヤが各種のゲーム操作を入力する。操作入力部100は、例えばボタンスイッチ、レバー、ダイヤル、マウス、キーボード、各種センサによって実現され、図1では、方向キー1402やボタンスイッチ1404がこれに該当する。操作入力部100から入力される操作信号は処理部200に出力される。
【0049】
処理部200は、ゲーム装置1400全体の制御および各機能部への指示、画像処理、音処理等の各種処理を行う。処理部200は、各種プロセッサ(CPU,DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)等のハードウェアによって、記憶部600に記憶されているシステムプログラムやゲームプログラム602、各種データに基づいて演算処理等することにより実現される。図1では、制御ユニット1420がこれに該当する。
【0050】
また、処理部200は、ゲーム演算部210と、画像生成部230と、音生成部250と、通信制御部270とを含み、1フレーム時間(1/60秒)で1枚の画像を生成して画像表示部300に表示出力させるとともに、適宜効果音やBGMを音出力部400に音出力させる。
【0051】
ゲーム演算部210は、操作入力部100から入力される操作信号、記憶部600から読み出したゲームプログラム602やデータ、或いは通信部500を介して通信接続される相手ゲーム装置1400−2から送信されるデータ等に基づいて、フライトシューティングゲームを実現するための種々のゲーム処理を実行し、処理結果を画像生成部230や音生成部250に出力する。ゲーム処理としては、例えばゲーム空間の設定処理、プレーヤキャラクタCPや相手キャラクタCOといったオブジェクトの配置処理、攻撃のヒットとそれに伴うダメージの算出処理、オブジェクトの接触判定処理、ゲーム結果の算出処理等が挙げられる。
そして、本実施形態のゲーム演算部210には、優勢ポイント算出部213と、捕捉ゲージ表示制御部215と、ゲーム進行管理部219とが含まれている。
【0052】
優勢ポイント算出部213は、プレーヤ側および相手側の夫々に設定された優勢ポイントを、キャラクタ間の攻撃によるダメージ計算にかかわらず、一方の側がゲームを優勢に展開していると判断される状況が発生するのに応じて、優勢側または劣勢側の少なくとも何れかのポイントを加点または減点する。
具体的には、本実施形態はフライトシューティングゲームなので、射程範囲内に相手を捕捉している連続時間や、相手をロックオンしている連続時間を計時し、これらを後述するキャラクタステータスデータ624に、連続捕捉時間624m、連続ロックオン時間624nとして記憶する。そしてこれらの捕捉時間に応じて、捕捉している側の優勢ポイントに加点し捕捉されている側の優勢ポイントを減点する。また、故意に敵前逃亡的な行為をする場合として、ステージ範囲604aを逸脱した側の優勢ポイントを減点する。
【0053】
捕捉ゲージ表示制御部215は、ゲーム画面中に表示される相手キャラクタCOの機影に付随させて捕捉ゲージ(例えば、機影を囲む枠体。)を表示させて、プレーヤに相手キャラクタCOを射程範囲に捕捉している、或いはロックオンしていることを知らせる。また、捕捉ゲージ表示制御部215は、連続捕捉時間624mの長さ、或いは連続ロックオン時間624nの長さに応じて、捕捉ゲージの表示態様を変化させるように表示制御する。尚、本実施形態では、連続捕捉時間624mの長さに応じて捕捉ゲージを表示制御する場合を例に挙げるが、連続ロックオン時間624nの長さに応じた表示制御も同様にして実現できるのは勿論である。
【0054】
ゲーム進行管理部219は、ゲームの進行を可変する機能部であって、本実施形態ではゲームの進行を左右するゲームの勝敗を判定する。具体的には、ゲームの制限時間内に、一方側のキャラクタが所定許容量以上のダメージを受けて撃墜された場合には、撃墜した側を勝利したと判定する。また、制限時間に達したにも拘らず何れの側も勝利していない場合には、各側の優勢ポイントに基づいて勝敗を決定する。
【0055】
画像生成部230は、例えば、CPUやDSP等のハードウェアやその制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部230は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像の画像信号を画像表示部300に出力する。
【0056】
音生成部250は、例えば、CPUやDSP等のハードウェアやその制御プログラムによって実現される。音生成部250は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて、ゲーム中に使用される効果音やBGM等のゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部400に出力する。
【0057】
画像表示部300は、画像生成部230から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、ブラウン管(CRT)、プロジェクターといった画像表示装置によって実現できる。図1ではディスプレイ1410がこれに該当する。プレーヤは、画像表示部300に表示されるゲーム画像を見ながら操作入力部100を操作してゲームを楽しむ。
【0058】
音出力部400は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力するための装置である。図1ではスピーカ1412がこれに該当する。
【0059】
通信部500は、外部(例えば、対戦相手のゲーム装置1400−2)とのデータ通信をする。通信部500の機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1では無線通信モジュール1414がこれに該当する。
【0060】
記憶部600は、処理部200にゲーム装置1400を統合的に制御させるためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム602及び各種データを格納する。記憶部600の機能は、例えばICメモリやハードディスク、メモリカード、光ディスク、CD−ROM、DVD−RAM等により実現される。図1では、メモリカード1440、制御ユニット1420に搭載されるICメモリ等がこれに該当する。
【0061】
本実施形態の記憶部600は、予め設定され記憶されているデータとして、ゲームプログラム602、ゲーム空間設定データ604、キャラクタデータ606、優勢ポイント換算テーブル612を記憶している。また、ゲームの進行に応じて生成・変更されるデータとしては、自プレーヤ操作データ620、相手プレーヤ操作データ622、キャラクタステータスデータ624、優勢ポイントデータ630、捕捉ゲージデータ632を記憶する。
【0062】
図4は、本実施形態におけるゲーム空間設定データ604のデータ構成例を示す図である。ゲーム空間設定データ604は、ゲーム空間を定義する情報を格納しており、ステージ範囲604aと、背景データ604bと、地表データ604cと、を含んでいる。
【0063】
ステージ範囲604aは、本発明のゲームを実行するに当って利用可能な限定領域の範囲を定義するゲーム空間座標系の座標範囲が格納されている。すなわち、ステージ範囲604aは、テニスのコートや相撲の土俵に相当する範囲を定義する。本実施形態では、図2のステージ空間4の範囲を特定するための座標値を格納する。背景データ604bは、ゲーム空間1の背景とする画像データである。地表データ604cは、地上の地形を定義するモデルデータであり、図2の地表2を定義するデータを格納する。尚、背景の一部として用いられるビル群などの構造物も地表データに適宜含むものとする。
【0064】
図5は、本実施形態におけるキャラクタデータ606のデータ構成例を示す図である。本実施形態は1対1の空中戦を行うゲームなので、キャラクタデータ606は、プレーヤキャラクタCPと相手キャラクタCOそれぞれに設定されている。
【0065】
キャラクタデータ606には、キャラクタ識別情報641に対応づけられて、所属勢力情報643、キャラクタオブジェクトデータ645、撃墜オブジェクトデータ646、初期能力値データ647、攻撃装備データ648および初期配置位置座標649が格納されている。
【0066】
キャラクタオブジェクトデータ645は、初期状態で用いられるプレーヤキャラクタCPのオブジェクトデータである。撃墜オブジェクトデータ646は、当該キャラクタが許容量以上のダメージを受けて使用不可になった場合(撃墜された場合)に用いられるオブジェクトデータである。本実施形態では、キャラクタオブジェクトデータ645は戦闘機を模したオブジェクトであり、撃墜オブジェクトデータ646はその戦闘機が破壊されて墜落する状態を表すオブジェクトである。
【0067】
初期能力値データ647は、当該キャラクタがゲーム中に発揮する能力の初期値が格納されている。例えば、移動の最高速度や最高加速度、ダメージの許容量を示す防御力などが定義されている。その他、適宜設定可能である。
【0068】
攻撃装備データ648は、当該キャラクタが装備する攻撃兵器に関する設定を格納している。例えば、図6に示すように、攻撃装備種類648aに対応付けて、当該攻撃兵器が当った場合に相手に与えるダメージ648bと、当該攻撃兵器の射程範囲648cが格納されている。射程範囲648cには、例えばキャラクタの位置座標をローカル座標原点とした座標範囲が設定されている。例えば、射程範囲STL1の場合は、キャラクタの前方に向かって拡開する円錐形の範囲が設定されている。射程範囲STL2はミサイル用なので、キャラクタの前方に例えば横断面が台形の角錐台形状の範囲が設定されている。
【0069】
初期配置位置座標649には、ゲームスタート時に当該キャラクタを配置するゲーム空間座標系の座標値が格納されている。本実施形態では、当該キャラクタの側の基地上空やその周辺が設定されている。
【0070】
図7は、本実施形態における優勢ポイント換算テーブル612のデータ構成例を示す図である。優勢ポイント換算テーブル612は、一方の側がゲームを優勢に展開していると判断される状況が発生するのに応じて、優勢側・劣勢側の優勢ポイントをどの程度変更するかを定義している。例えば、適用種別612aに対応づけて、当該適用種別の状態が時間的に連続して維持された連続捕捉時間612bに応じて異なる換算率で加点ポイント612bや減点ポイント612cが定義されている。具体的には、連続捕捉時間612bの経過に従って、所定の単位時間が経過する毎に所定のポイントを加点又は減点する。この単位時間当たりに加減するポイントのことを、本実施形態では、時間に対するポイントの意味で「換算率」と称している。本実施形態における所定の単位時間は、フレーム時間(1/60秒)である。
【0071】
以下具体的に、優勢ポイント換算テーブル612について説明する。当該テーブルは、適用種別612aとして「射程範囲への捕捉」「ロックオン」「ステージ範囲の逸脱」が設定されている。
「射程範囲への捕捉」は攻撃兵器の射程範囲に他のキャラクタを捕捉した場合に適用され、「ロックオン」は更にミサイル兵器の標的として固定した場合、所謂ロックオンした場合に適用される。いずれも、射程範囲に捕捉した側またはロックオンした側が優勢であるから優勢ポイントが加点され、捕捉された側またはロックオンされた側の優勢ポイントが減点される。
【0072】
ポイントの算出割合を定義する意味からは、加点ポイント612cと減点ポイント612dの何れか一方を設定する構成でも良い。しかし、本実施形態のように両方を設けることで、優勢ポイントの算出に加点方式と減点方式の両方の要素を加えることができる。これによって、加点方式でのみ優勢ポイントを算出する場合に、何人ものプレーヤが同時にゲームに参加するケースでは、よってたかって一人の弱いプレーヤを追い掛け回すといった消極的なゲーム展開が生じるのを未然に防ぐ効果が得られる。
【0073】
また、適用種別612aとして「射程範囲への捕捉」「ロックオン」どちらの場合も、連続時間が長くなるにつれてより高いポイントが得られるように設定されている。これは射程範囲に連続的に相手を捕捉するには、時間が長くなるほど高い技量を要求することを反映したものである。したがって、捕捉している連続時間の長さに応じてポイントの換算率を変更することで、プレーヤの技量の程度をより分かり易く優勢ポイントに反映させることができる。
【0074】
また、適用種別612a「射程範囲への捕捉」で設定されている加点ポイント612cおよび減点ポイント612dには、兵器の種類ごとに異なる値が設定されている。同図の例では、連続時間捕捉時間612bが「0〜1秒まで」の場合、ミサイルの射程範囲である場合には加点ポイントが「1」、機銃の射程範囲である場合には加点ポイントが「2」設定されている。減点ポイント612dについても同様である。これば、機銃の射程範囲はミサイルに比べて狭く、相手の機体にかなり接近する必要があり、プレーヤにより高い技量を要求するためであり、プレーヤの技量を優勢ポイントに的確に反映させることができる。
【0075】
尚、適用種別612aが「ロックオン」の場合、加点ポイントおよび減点ポイントは連続捕捉時間612bの関数として定義されているので、兵器の種類に応じて異なる倍率を定義しておくことで、同様に兵器ごとに異なる加点ポイントと減点ポイントを設定することができる。
【0076】
適用種別612aが「ステージ範囲の逸脱」の場合は、ステージ空間4の外に出た場合に、これを負の優勢とみなし、キャラクタがステージ空間外に位置する間、キャラクタの側の優勢ポイントを減点し続ける。
【0077】
自プレーヤ操作データ620は、プレーヤによる操作入力に基づく操作入力信号を一時的に格納している。例えば、キャラクタの姿勢、加速・減速、攻撃目標の選択、攻撃兵器の種類選択、攻撃兵器の使用操作など全てを記憶する。本実施形態では、通信対戦を行うので、自プレーヤ操作データ620は、所定時間サイクルで更新されて相手ゲーム装置1400−2に送信される。相手プレーヤ操作データ620は、相手ゲーム装置1400−2から受信したデータを格納している。相手プレーヤによる操作入力に基づく操作入力信号を格納しており、相手ゲーム装置1400−2における自プレーヤ操作データであるが、自プレーヤのゲーム装置1400で受信すると相手プレーヤ操作データ620として記憶される。
【0078】
図8は、本実施形態におけるキャラクタステータスデータ624のデータ構成例を示す図である。キャラクタステータスデータ624は、キャラクタ毎に設定されて、キャラクタの位置や姿勢、各種の状態を示す情報を格納する。例えば、キャラクタデータ606に対応づけられたキャラクタ識別情報624a毎に、所属勢力情報624b、配置位置座標値624c、姿勢値624d、装備情報624e、ダメージ値624f、連続捕捉時間624m、連続ロックオン時間624nを対応付けて格納する。
【0079】
所属勢力情報624bは、当該キャラクタが何れの勢力に属するかを示している。本実施形態では、1対1の対戦を想定しているので「α(プレーヤ側)」または「β(相手側)」が設定されている。
【0080】
配置位置座標値624cは、当該キャラクタの現在位置の座標値を格納している。姿勢値624dは、当該キャラクタの姿勢状態を示す値を格納している。本実施形態では、戦闘機のキャラクタを用いるので、例えばロール、ピッチ、ヨーの各値を格納している。
【0081】
装備情報624eは、攻撃兵器の残弾数など装備の状態に関する情報を格納する。
ダメージ値624fは、当該キャラクタが攻撃を受けた損害量をあらわす値を格納する。
【0082】
連続捕捉時間624mは、当該キャラクタが相手のキャラクタに対して有利にゲームを運び得る状況が連続的に発生している時間の長さを格納する。
連続ロックオン時間624nは、当該キャラクタが相手側のキャラクタを標的固定(ロックオン)している連続時間を格納する。
【0083】
優勢ポイントデータ630は、各勢力毎の優勢ポイントを格納する。ここでいう勢力とは、対戦する組やチームの意義を有する。本実施形態では、プレーヤ化キャラクタCPと相手キャラクタCOの1対1の空中戦を行うゲームなので、勢力はプレーヤ側と相手側の二つとみなされ、各勢力に属するキャラクタは夫々一つとなる。したがって、優勢ポイントデータ630は、プレーヤ側と相手側の双方の優勢ポイントデータを格納している。初期値は「0」である。
【0084】
捕捉ゲージデータ632は、ゲーム画面中に表示されるプレーヤキャラクタCP以外の他のキャラクタ(本実施形態では、相手キャラクタCO)の機影に付随させる表示物である捕捉ゲージのデータを格納する。捕捉ゲージは、当該他のキャラクタをプレーヤキャラクタCPが選択している攻撃兵器の射程範囲内に捕捉していることを示す。
【0085】
具体的には、例えば、図9に示すように、連続捕捉時間624mの捕捉時間長632aに応じて異なる表示形態の捕捉ゲージを表示制御するためのゲージデータ632bが格納されている。表示形態とは、形状、大きさ、色、明度、およびそれらの変化を言う。例えば、同図の場合、捕捉時間長632aが0〜4秒未満の間に適用される捕捉ゲージG1は、機影(便宜上、ダミーを点線で表示している。)を囲む表示枠Gwが四角形、表示色が緑色で表示され、更に同枠の右上部に連続捕捉時間624mの値を表示する時間表示Gtが付与される。また、捕捉時間長632aが4秒以上の場合に適用される捕捉ゲージG2は、機影を囲む表示枠Gwが六角形、表示色がオレンジ色で表示され、同様に同枠の右上部時間表示Gtが付与される。尚、捕捉ゲージの形態を違えるためには、その他、表示枠の回転速度、表示枠の太さ、明滅の早さなどを異なるように適宜設定することができる。また、連続ロックオン時間624nの長さに応じた表示制御も同様にして実現できるのは勿論である。この場合、ロックオンした機体を表示する表示物、所謂ロックオンカーソル、ロックオンゲージの表示形態を可変させることで、捕捉ゲージとしての機能を果たすことができる。また、時間表示Gtの代わりに、優勢ポイントの加算値を表示する構成としても良い。
【0086】
次に、ゲーム装置1400の動作について説明する。
図10は、本実施形態における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。ここで説明される処理は、ゲーム装置1400および相手ゲーム装置1400−2のそれぞれの処理部200がゲームプログラム602を読み出して演算処理することによって実現され、ゲーム終了まで所定時間の処理サイクルで繰り返し実行される。
【0087】
まず、ゲーム装置1400の処理部200は、相手ゲーム装置1400−2と通信を確立する(ステップS2)。通信の確立は、適宜公知の技術を利用することで実現できる。
【0088】
次に、ゲーム装置1400および相手ゲーム装置1400−2のそれぞれで、どの勢力を操作対象とするかを選択し、選択結果を相互に送受信して交換する(ステップS4)。勢力の選択は、所謂「1CON(第1コントロール側の意)」「2CON(第2コントロール側の意)」の選択に該当する。本実施形態では、自プレーヤ側の勢力αを「1CON」、相手側の勢力βを「2CON」としている。
【0089】
次に、処理部200は、ゲーム空間設定データ604を参照して、仮想空間内にゲーム空間を形成し(ステップS6)、キャラクタデータ606を参照してキャラクタのオブジェクトを仮想空間内の初期配置位置に配置し、キャラクタステータスデータ624を生成し、記憶部600に記憶させる(ステップS8)。
【0090】
次に、処理部200は、ゲーム制限時間のカウントを開始して、ゲームをスタートさせ(ステップS10)、操作入力のデータを相互に送受信して交換する(ステップS12)。具体的には、ゲーム装置1400と相手ゲーム装置1400−2は、互いに操作入力部100からの操作入力のデータを自プレーヤ操作データ620に格納し相手に送信し、相手から受信した操作入力のデータを相手プレーヤ操作データ622に格納する。したがって、自プレーヤ操作データ620と相手プレーヤ操作データ622を参照することによって、互いの装置でプレーヤキャラクタCPおよび相手キャラクタCOがどのように操作されているかを求めることができる。
【0091】
次に、処理部200は、自プレーヤ操作データ620と相手プレーヤ操作データ622に基づいて各キャラクタのオブジェクトの移動を制御する(ステップS14)。この際、キャラクタステータスデータ624の配置位置情報624cや姿勢値624dを更新する。また、コンピュータ制御されるキャラクタが設定されている場合は、この段階で所定の思考ルーチンに従って移動制御される。
【0092】
次に、処理部200は、優勢ポイント算出処理を実行する(ステップS16)。図11は、本実施形態における優勢ポイント算出処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。同図に示すように、処理部200は全キャラクタについてループB(ステップS102〜S144)を実行する。
【0093】
具体的には、処理部200は、先ずループBの処理対象となっているキャラクタの全ての攻撃装備についてその射程範囲648cに、相手側のキャラクタが存在するか否かを判定する(ステップS104)。肯定の場合は(ステップS104のYES)、連続捕捉時間624mをカウント(加算)する(ステップS106)。
【0094】
否定判定の場合で(ステップS104のNO)、且つ連続捕捉時間624mが「0」でなければ(ステップS108のYES)、対象キャラクタの攻撃装備の射程範囲648cに、相手側のキャラクタが存在しないにもかかわらず、連続捕捉時間が「0」では無いので、前回の処理タイミングまでは射程範囲に相手側のキャラクタを捕捉していたが今回の処理タイミングでは射程範囲から外れている、すなわち連続して捕捉している状態が解除したと判断できる。そこで、処理部200は、ループBの処理対象キャラクタ側勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って加点する(ステップS110)。更に、相手側の勢力、すなわち射程圏内に捕捉されているキャラクタ側の勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って減点する(ステップS112)。そして、当該対象キャラクタの連続捕捉時間を「0」にリセットする(ステップS114)。
【0095】
一方、対象キャラクタの攻撃装備の射程範囲に、相手側のキャラクタが存在せず、且つ連続捕捉時間が「0」の場合(ステップS108のNO)、前回の処理タイミングでも今回の処理タイミングでも、相手側キャラクタを射程圏内に捉えていないと判断されるので、優勢ポイントの変更は行わない。
【0096】
次に、処理部200は、処理対象となっているキャラクタにロックオンされている相手側のキャラクタが存在するか否かを判定する(ステップS120)。肯定の場合は(ステップS120のYES)、連続ロックオン時間624nをカウント(加算)する(ステップS122)。
【0097】
否定判定の場合で(ステップS120のNO)、且つ連続ロックオン時間624nが「0」でなければ(ステップS124のYES)、対象キャラクタにロックオンされている相手側キャラクタが存在しないにもかかわらず、連続ロックオン時間624nが「0」では無いので、前回の処理タイミングまではロックオンしていたが今回の処理タイミングではロックオンが解除したと判断できる。そこで、処理部200は、ループBの処理対象キャラクタ側勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って加点する(ステップS126)。更に、ロックオンされているキャラクタ側の勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って減点する(ステップS128)。そして、当該対象キャラクタの連続ロックオン時間624nを「0」にリセットする(ステップS130)。
【0098】
一方、対象キャラクタの攻撃装備の射程範囲に、相手側のキャラクタが存在せず、且つ連続捕捉時間が「0」の場合(ステップS124のNO)、前回の処理タイミングでも今回の処理タイミングでも、相手側キャラクタをロックオンしていないと判断されるので、優勢ポイントの変更は行わない。
【0099】
優勢ポイント算出処理のここまでの処理によって、攻撃によって対戦相手にダメージを与えられたか否かにかかわらず攻撃に有利なポジションを取っているキャラクタが優勢な状況にあったと認め、攻撃元側の優勢ポイントを高め、攻撃先側の優勢ポイントを低くすることができる。
【0100】
次に、処理部200は、ループBの処理対象キャラクタが、ステージ範囲604aで設定された範囲外に位置するか否かを判定する(ステップS140)。肯定の場合(ステップS140のYES)、当該キャラクタ側の勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って減点する(ステップS142)。否定の場合には(ステップS140のNO)、優勢ポイントの変更はしない。
【0101】
全てのキャラクタについてループBの処理を実行したならば、優勢ポイント算出処理を終了して図10のフローに戻る。そして次に処理部200は、従来のフライトシューティングゲームと同様にして、各キャラクタのダメージを算出する(ステップS18)。許容量以上のダメージを受けたキャラクタは、撃墜されたキャラクタであり、当該キャラクタへの操作は受け付けられない。
【0102】
次に、処理部200は、仮想空間を仮想カメラから見た画像を生成して(ステップS20)、生成した画像に捕捉ゲージを描画する処理を実行し、ゲーム画面を生成する(ステップS21)。そして、画像表示部300にゲーム画像を表示させる(ステップS22)。具体的には、例えば図13に示すように、プレーヤキャラクタCPの機体後方に配置された仮想カメラから見た機体ビュー画像6或いはプレーヤキャラクタCPの操縦席に配置された仮想カメラから見たコックピットビュー画像を生成し、生成した画像中の他のキャラクタ、特に相手キャラクタCOの機影8に、捕捉ゲージGを付随させるように描画し、ゲーム画面を生成する。同図(a)の捕捉ゲージG1は、表示枠Gwが四角形、表示色が緑色で表示され、表示枠Gwの右上部時間表示Gtが1.4秒を示している。従って、プレーヤはまだ捕捉して間もないことを知ることができる。その後も積極的に攻撃位置を取ることで、相手キャラクタCOを射程範囲に捕捉したままとすると、同図(b)の捕捉ゲージG2の様に表示態様が変化する。捕捉ゲージG2は、表示枠Gwが六角形、表示色がオレンジ色で表示され、表示枠Gwの右上部時間表示Gtが4.4秒を示している。これによって、プレーヤは自分がどの程度の間、他のキャラクタを捕捉していたかを一瞥で知ることができる。このように、捕捉ゲージの表示態様が変化することで、優勢ポイントが加点され続けていることを示し、プレーヤに「もっと加点しよう」「もっと攻撃しよう」と思わせて積極的なプレイ姿勢を促すことができる。
【0103】
次に処理部200は、ゲーム進行管理処理を実行する(ステップS24)。
図12は、本実施形態におけるゲーム進行管理処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。同図に示すように、先ず処理部200は、ダメージが所定の許容値に達したキャラクタ、すなわち撃墜されたキャラクタを抽出する(ステップS152)。
【0104】
抽出されたキャラクタの数が「1」の場合(ステップS154の「1」)、処理部200は、当該抽出されたキャラクタ側の勢力が敗退したと判定する(ステップS156)。本実施形態におけるゲームの終了条件を満たすことになる。
【0105】
抽出されたキャラクタの数が「0」または「2」以上の場合(ステップS154の「0」または「2」以上)、更に処理部200はゲームの制限時間に達しているか否かを判定する(ステップS158)。
【0106】
ゲームの制限時間に到達していなければ(ステップS158のNO)、何れのキャラクタも撃墜されていないゲームの途中状態にあると判断されるので、勝敗を判定せずにゲーム進行管理処理を終了する。一方、制限時間に達している場合(ステップS158のYES)、各勢力の優勢ポイントを参照し、いずれか一方の優勢ポイントが多い場合には(ステップS160の「一方が多」)、優勢ポイントの多い勢力が勝利したと判定する(ステップS162)。本実施形態におけるゲームの終了条件を満たすことになる。また、優勢ポイントが同じ場合には(ステップS160の「同ポイント」)、引き分けと判定する(ステップS164)。これ場合もまた、本実施形態におけるゲームの終了条件を満たすことになる。
【0107】
図10のフローに戻って、ゲーム進行管理処理の結果、ゲーム終了条件を満たしていない場合には(ステップS26のNO)、ステップS12に戻る。ゲーム終了条件を満たしている場合には(ステップS26のYES)、ゲーム進行管理処理の勝敗結果を画面に表示させてゲームを終了する(ステップS28)。
【0108】
以上説明した一連の処理によって、制限時間に達しても勝敗が決していない場合、優勢ポイントの比較で勝敗を決めることができる。したがって、プレーヤに対してより積極的に攻撃を仕掛けるように働きかけることとなり、その結果、相手の攻撃を受け難いように互いに過度に間合いを取り合う状況や、双方のキャラクタが相手の後方をただ追いかけて回り続けるといったゲームが進行し難くなる状態を回避することができる。その結果、ゲーム展開を早めて、スピーディな魅力あるゲームとすることができる。
【0109】
図14を参照して、本実施形態におけるゲーム装置1400を実現するためのハードウェア構成の一例について説明する。ゲーム装置1400は、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、画像生成IC1010、音生成IC1008、I/Oポート1012,1014がシステムバス1016により相互にデータ入出力可能に接続されている。I/Oポート1012にはコントロール装置1022が、I/Oポート1014には通信装置1024が、それぞれ接続されている。
【0110】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、コントロール装置1022によって入力される信号等に従って、装置全体の制御や各種データ処理を行う。
【0111】
RAM1004は、CPU1000の作業領域等として用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002内の所与の内容、CPU1000の演算結果等が格納される。
【0112】
情報記憶媒体1006は、プログラム、画像データ、音データ、プレーデータ等が主に格納されるものであり、情報記憶媒体として、ROM等のメモリやハードディスクや、CD−ROM、DVD、ICカード、磁気ディスク、光ディスク等が用いられる。尚、この情報記憶媒体1006は、図3に示す記憶部600に相当するものである。
【0113】
また、この装置に設けられている画像生成IC1010と音生成IC1008により、音や画像の好適な出力が行えるようになっている。
【0114】
画像生成IC1010は、CPU1000の命令によって、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006等から送られる情報に基づいて画素情報を生成する集積回路であり、生成される表示信号は、表示装置1018に出力される。表示装置1018は、CRTやLCD、TV、プラズマディスプレイ、或いはプロジェクター等により実現され、図3に示す画像表示部300に相当する。
【0115】
また、音生成IC1008は、CPU1000の命令によって、情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報、RAM1004に格納される音データに応じた音信号を生成する集積回路であり、生成される音信号はスピーカ1020によって出力される。スピーカ1020は、図3に示す音出力部400に相当するものである。
【0116】
コントロール装置1022は、プレーヤがゲームに係る操作を入力するための装置であり、その機能は、レバー、ボタン、筐体等のハードウェアにより実現される。尚、このコントロール装置1022は、図3に示す操作入力部100に相当するものである。
【0117】
通信装置1024は装置内部で利用される情報を外部とやりとりするものであり、プログラムに応じた所与の情報を他の装置と送受すること等に利用される。尚、この通信装置1024は、図3に示す通信部500に相当するものである。
【0118】
そして、ゲーム処理等の上記した処理は、図3のゲームプログラム602等を格納した情報記憶媒体1006と、これらプログラムに従って動作するCPU1000、画像生成IC1010、音生成IC1008等によって実現される。CPU1000、画像生成IC1010、及び音生成IC1008は、図3に示す処理部200に相当するものであり、主にCPU1000が図3に示すゲーム演算部210に、画像生成IC1010が図3に示す画像生成部230に、音生成IC1008が図3に示す音生成部250に相当する。
【0119】
尚、画像生成IC1010、音生成IC1008等で行われる処理は、CPU1000或いは汎用のDSP等によりソフトウェア的に行ってもよい。この場合には、CPU1000が、図3に示す処理部200に相当することとなる。
【0120】
[第2実施形態]
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的に第1実施形態と同様の構成を有するが、プレーヤキャラクタとコンピュータ制御される味方キャラクタとでなる3つのチームが参戦し、各チームのプレーヤキャラクタそれぞれを3人のプレーヤが操って空中戦ゲームをする点が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与し、その説明は省略する。また、3つのチームでなく、2つのチームであっても、4以上のチームが参戦する形態でもよい。
【0121】
本実施形態では、参加人数分のゲーム装置1400が通信回線Nを介して互いにデータ通信可能に接続されたシステムを構成してゲームが実行される。
【0122】
機能ブロックも基本的には第1実施形態と同様であるが、キャラクタデータ606は参加人数分の3種類のキャラクタを設定しておく。また、相手プレーヤ操作データ620も同様に相手の人数分だけ設定される。
【0123】
優勢ポイントデータ630においても、参加人数分だけ3つの勢力それぞれの優勢ポイントを格納する。優勢ポイントは各々のキャラクタに設定されるのではなく、勢力毎に設けられるものである。したがって、例えば4人参戦で2人チーム二組の対戦を実行するとした場合でも、優勢ポイントは各チーム(各勢力)の合計ポイントとして優勢ポイントデータ630に格納されているので、そのまま3人以上の参戦にも対応することができる。
【0124】
処理の流れも基本的には第1実施形態と同様である。例えば、優勢ポイント算出処理の流れについては、図11における「相手側」を「射程範囲に存在するキャラクタの側」と読み換えることによって3人以上の参加に対応することができる。
【0125】
図15は、本実施形態におけるゲーム進行管理処理の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態のゲーム進行管理処理では、処理部200は先ず、図12のステップS152に代えて、当該勢力に所属するキャラクタ全てが許容量に達するダメージを受けている勢力を抽出する(ステップS151)。
【0126】
なお、本実施形態を、各人1つのキャラクタを操作して2人チーム2組が対戦するとしてもよい。その場合には、各チーム(各勢力)に2つのキャラクタが所属しているので、両方とも撃墜されているチームを抽出することになる。よって、何れか一方のキャラクタが撃墜されずに残っている場合には抽出されないことになる。
【0127】
そして、抽出された勢力の数が参加勢力数から「1」少ない値の場合(ステップS153の「参加勢力数−1」)、抽出された勢力が敗退したと判定する(ステップS157)。換言すると、抽出されなかった勢力がその他の勢力のキャラクタを全て撃墜し勝利したと判定する。一方、抽出された勢力の数が「0」の場合(ステップS153の「0」)、処理部200は第1実施形態のゲーム進行管理処理と同様の処理を実行する(ステップS160〜S164)。
【0128】
このように、本実施形態によれば3人以上のプレーヤがそれぞれ単独で構成される勢力として対戦するケースでも、3人以上のプレーヤがチームを組んで一つの勢力を形成して対戦するケースでも本発明を適用することができる。
【0129】
[第3実施形態]
次に本発明を適用した第3実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第1または第2実施形態と同様の構成を有するが、プレーヤキャラクタCP以外の他のキャラクタを特定の計時対象範囲に捕捉している時間に応じてゲームの終了を判定する点と、捕捉している時間に応じて特典を付与する点において特徴を有する。
【0130】
以下では、プレーヤはプレーヤキャラクタCPを操作して、コンピュータが制御するコンピュータキャラクタCOMと空中戦を戦うゲームを実行する場合を例に挙げて説明する。このゲームは、ミッションと称される小ゲームが複数集合して一つのゲームを形成し、一つのミッションを、コンピュータキャラクタCOMと対戦して勝利することや、特定のキャラクタを基準時間以上連続的に射程範囲に捕捉している、或いは基準時間以上連続的にロックオンしていることでクリア(ミッション終了)して次のミッションを実行する、所謂ミッションクリア形式のゲームである。尚、第1または第2実施形態と同様の構成要素については、同じ符号を付与して説明は省略する。
【0131】
図16は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、本実施形態では処理部200は、ゲーム演算部210の機能の一部として、特典付与処理部217とゲーム進行管理部218とを有する。記憶部600には、ミッション設定データ614と、付与特典設定データ616とを記憶している。
【0132】
ゲーム進行管理部218は、第1および第2実施形態のゲーム進行管理部219に相当し、ミッション設定データ614に従って、連続捕捉時間624mまたは連続ロックオン時間624nに応じて、ミッションをクリアできたか否かを判定する。そして、ミッション設定データ614に従って、ミッションをクリアできたと判定した場合には、次に実行すべきミッションを選択し、クリアできなかったと判定した場合には、ゲーム終了条件を満たしたと判定しゲームオーバとする。
具体的には、一つは、第1および第2実施形態と同様にして、他のキャラクタを撃墜することによって勝者を決定し、プレーヤキャラクタCPが勝者であればミッションをクリアしたと判定する機能、もう一つは捕捉した時間そのものを基準と照らしてミッションのクリア判定をする機能を有する。後者を換言すると、撃墜しなくとも特定のキャラクタを射程範囲内に捕捉しつづければミッションクリアと判定する。尚、以下では連続捕捉時間624mに基づいてミッションをクリアできたか否か、ゲームの進行を管理する場合を例に説明するが、連続ロックオン時間624nに基づいて判定する場合も同様にして実現できる。
【0133】
特典付与処理部217は、付与特典設定データ616を参照して、連続捕捉時間624mまたは連続ロックオン時間624nに応じて、プレーヤキャラクタCPに特典を付与する。ここで言う特典付与とは、例えばゲーム成績を表す点数の付与や、ゲーム中で使用できるアイテムの付与、ゲーム中で使用できる新しい種類のキャラクタの追加、ゲームプレイの制限時間の延長、ダメージの回復、攻撃力の一時的な増加、ヒット率の一時的な増加といったものが含まれる。以下では、連続捕捉時間624mに応じて特典を付与する例を挙げて説明するが、連続ロックオン時間624nに基づいて特典を付与する形態も同様に実現できる。
【0134】
図17は、本実施形態におけるミッション設定データ614のデータ構成例を示す図である。同図に示すように、ミッション識別番号614aに対応付けて、小ゲームの終了条件にあたるミッションクリア条件614bと、当該ミッションをクリアした場合の処理や次に実行するミッションを示すクリア時処理設定614cと、当該ミッションをクリアできなかった場合の処理や次に実行するミッションを示すミスクリア時処理設定614dとが対応付けられている。そのほか、ミッションのためのゲームステージの設定情報、登場するキャラクタの設定値、ゲーム制限時間、初期配置位置情報など、小ゲームを実行するに必要なデータが格納されている。
【0135】
具体的には、同図のミッション識別番号614aが「M001」の例では、特定キャラクタCS1を対戦相手として、制限時間4分以内で、連続捕捉時間624mが10秒以上を実現することがクリア条件として設定されている。そして、ミッションクリア時には「M002」のミッションを実行し、クリアできなかった場合には、ミッション「M003」を実行する設定となっている。ミッション識別番号614aが「M001」の例では、特定キャラクタCS2に対して4分以内で勝利することがクリア条件となっている。つまり、4分以内で特定キャラクタCS2を撃墜するか、第1及び第2実施形態と同様にして時間内に撃墜できなくとも、優勢ポイントで特定キャラクタを上回ることで勝利することが条件となっている。
【0136】
図18は、本実施形態における付与特典設定データ616のデータ構成例を示す図である。同図に示すように、連続捕捉時間長616aに対応して、特典内容616bが設定されている。連続捕捉時間長616aが「0〜2秒未満」の例では、特典内容616bが「ダメージ値「−2」」になっているので、キャラクタステータスデータ624のダメージ値624fを処理サイクルの都度「2」減算してダメージを回復させる。本実施形態における処理サイクルの所定の単位時間は、フレーム時間(1/60秒)である。連続捕捉時間長616aが「10秒」の例では、連続捕捉時間624mが10秒に達したならば、特典内容616bが「ミサイル段数「+10」」になっているので、キャラクタステータスデータ624の装備情報624eのミサイル段数を「10」加算する。
【0137】
図19は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、基本的には第1又は第2実施形態と同じ処理の流れを有するが、本実施形態では、通信対戦を行わないのでデータ通信に関する処理が省略されている。一方、本実施形態で追加或いは変更された処理としては次のようなステップがある。
【0138】
優勢ポイント算出処理を実行したならば(ステップS16)、処理部200は、特典付与処理を実行する(ステップS17)。すなわち、更新された連続捕捉時間624mに応じて付与特典設定データ616で設定された特典の付与を行う。
【0139】
また、処理部200は、ゲーム画面の表示処理の後(ステップS22)、第1又は第2実施形態のゲーム進行管理処理に相当するゲーム進行管理処理を実行する(ステップS25)。
【0140】
図20は、本実施形態におけるゲーム進行管理処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、処理部200は先ず、ミッション設定データ614を参照して、現在実行中のミッションに対応するミッションクリア条件614bを満たすか否かを判定する(ステップS172)。例えば、ミッション「M001」の場合には、ミッションクリア条件614bは「特定キャラクタCS1を対戦相手に、制限時間4分以内で、連続捕捉時間が10秒以上」である。したがって、制限時間到達時の連続捕捉時間624mが10秒に達していればミッションクリアとなる。また例えば、ミッション「M002」の場合には、ミッションクリア条件614bは「特定キャラクタCS2に対して4分以内で勝利」である。したがって、第1または第2実施形態のゲーム進行管理処理と同様の処理を行って、制限時間に4分に到達するまでに特定キャラクタCS2を撃墜した場合、ミッションクリアとなる。または、制限時間に到達した時点で撃墜できていな場合でも、プレーヤキャラクタCPの側の優勢ポイントと特定キャラクタ側の優勢ポイントとを比較した結果、プレーヤキャラクタCS側の優勢ポイントが上回っていれば、ミッションクリアとなる。
【0141】
そして、処理部200は、ミッションクリアならば(ステップS172のYES)、クリア時処理設定614cに従って特定の処理または次のミッションを実行する(ステップS174)。反対に、ミッションがクリアできなかった場合は(ステップS172のNO)、ミスクリア時処理設定614dに従って特定の処理または次のミッションを実行する(ステップS176)。
【0142】
ゲーム進行管理処理を実行したならば、処理部200はゲーム終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS26)。ミッションクリアならば、まだゲームは進行しているのでステップS14に戻る(ステップS26のNO)。一方、ミスクリア時処理設定614dでゲームオーバが設定されているなどによって、ミッションをクリアできなかったのに伴ってゲーム終了条件を満たす場合には、(ステップS26のYES)、ゲームオーバ処理をする(ステップS29)。
【0143】
以上、本実施形態によれば、第1又は第2実施形態と同様の効果を奏するとともに、更に連続捕捉時間624mといった計時された時間に基づいて、ミッションをクリアしたか否かを判定することができる。ミッションは小ゲームであるから、計時された時間に基づいて対戦ゲームを終了することができると言える。また、連続捕捉時間624mに基づいて特典を付与することができる。したがって、これらによって、プレーヤにやる気を出させて積極的なプレイを引き出すことができる。その結果、より一層消極的なゲーム展開に陥ることを抑制することができる。
【0144】
[変形例]
以上、本発明についての好適な実施形態について説明したが、本発明の適用形態は上記したものに限らず、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。
【0145】
例えば、第1実施形態では、複数の携帯型のゲーム装置1400、1400−2を通信接続させて対戦ゲームを行うとしたが、例えば図21に示すように一台の家庭用ゲーム装置1200に接続された二つのコントローラ1220−1,1220−2を2人のプレーヤが夫々操作して対戦する、所謂「2CONプレイ」のゲームに適用することもできる。
【0146】
この場合、図3で示したゲームプログラム602などの予め設定されているプログラムやデータ類は、CD−ROM1212やメモリカード1213といった装置本体1210に着脱自在な情報記憶媒体に記憶しておき、制御ユニット1211で読み出し演算処理してゲームを実行する。プログラムやデータは、通信モジュール1215を介して通信回線Nに接続された外部装置からダウンロードする構成であっても良いのは勿論である。そして、制御ユニット1211は、各プレーヤ向けに生成した2種類のゲーム画像を、例えば左右二つの表示領域に分けてディスプレイ1230に表示させ、生成したゲーム音をスピーカ1231から出力させる。そして、プレーヤは、ゲーム画像を見ながらコントローラ1220の方向キー1222およびボタンスイッチ1224を操作してゲームを楽しむ。尚、家庭用ゲーム装置1200に本発明を適用する場合には、上記した実施形態における処理の内、データの送受信による交換は実行しなくて良い。
【0147】
また、上記の実施形態では、戦闘機型のキャラクタを用いたフライトシミュレーションゲームを例に挙げたがこれに限るものではない。例えば、キャラクタは攻撃可能な装備をしたキャラクタであれば何れでもよく、自動車やオートバイ、戦車、船舶、宇宙船、ロボット、動物などその他の形態であっても良いのは勿論である。この際、捕捉時間を計時するための計時対象範囲として「攻撃兵器の射程範囲」という概念が適さない場合には、上記実施形態の射程範囲に換えて視界範囲などその他の範囲を設定するとしても良い。例えば、キャラクタが攻撃魔法を使用する魔法使いなどの場合がこれに該当する。そして、射程範囲に代えて視界範囲を設定する場合には、ゲーム画面と表示される範囲全域を視界範囲とすると画面内に表示される情報表示物(例えば、制限時間表示や得点表示など。)で見難くなるので、ゲーム画面で表示される範囲内の限定領域を視界範囲として設定すると良い。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】第1実施形態におけるゲーム装置の外観例を示す図。
【図2】第1実施形態におけるゲームの概要を説明するための概念図。
【図3】第1実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図4】ゲーム空間設定データのデータ構成例を示す図。
【図5】キャラクタデータのデータ構成例を示す図。
【図6】攻撃装備データのデータ構成例を示す図。
【図7】ポイント換算テーブルのデータ構成例を示す図。
【図8】キャラクタステータスデータのデータ構成例を示す図。
【図9】捕捉ゲージデータのデータ構成例を示す図。
【図10】第1実施形態における処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図11】第1実施形態における優勢ポイント算出処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図12】第1実施形態におけるゲーム進行管理処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図13】ゲーム画面の一例を示す画面図。
【図14】ゲーム装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【図15】第2実施形態におけるゲーム進行管理処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図16】第3実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図17】ミッション設定データのデータ構成例を示す図。
【図18】付与特典設定データのデータ構成例を示す図。
【図19】第3実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図20】第3実施形態におけるゲーム進行管理処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図21】ゲーム装置を家庭用ゲーム機に適用した場合の装置構成の一例を示す図。
【符号の説明】
【0149】
1 ゲーム空間
2 地表
4 ステージ空間
200 処理部
210 ゲーム演算部
213 優勢ポイント算出処理
219 ゲーム進行管理部
600 記憶部
602 ゲームプログラム
612 優勢ポイント換算テーブル
630 優勢ポイントデータ
1400 ゲーム装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のプレーヤが各々キャラクタを操作してゲーム空間で対戦する対戦ゲームが知られている。
【0003】
例えば、プレーヤが、戦闘機などをモチーフとした飛行体キャラクタを操作して、ゲーム空間中に設定された攻撃目標を撃破したり、他の飛行体キャラクタと空中戦を楽しむフライトシューティングゲームでは、3次元仮想空間内に配置された飛行体キャラクタを操縦席やキャラクタの斜め後方から見た画像がゲーム画面として表示される。この際、飛行体キャラクタの運動や姿勢は、流体力学などの物理法則に則って演算されるので、プレーヤは、あたかも自身が飛行体に乗っている、或いは飛行体になったかのような浮揚感や飛翔感を感じながらリアルなシューティングゲームを楽しむことができる。特に、実在する戦闘機をモデルにした飛行体キャラクタを用いるものは、攻撃兵器の設定のリアルさとあいまって、きわめてリアルな空中戦を楽しむことができるようになっている(特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−38851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、プレーヤ対プレーヤの対戦ゲームの場合、お互いに負けることを意識して間合いを取り合ったまま時間が過ぎるといった消極的なゲーム展開となる場合が見られる。こうした場合、従来の対戦ゲームでは引き分け扱いとなる場合が多く、ゲームをしても盛り上がりに欠けるといった問題があった。特に先に挙げたフライトシューティングゲームの場合には、射程範囲を有する攻撃兵器を搭載する設定のものが多く、これを有効に作用させるためにはどうしても相手キャラクタの背後を狙う必要がある。そのためお互いの背後を追い掛け回し、ぐるぐるキャラクタが回るだけといった消極的な展開となる場合が多く見られる。
【0005】
本発明は、上述のような事情を鑑みて為されたものであり、対戦ゲームにおいて消極的なゲーム展開に陥ることを抑制することを目的とする。尚、上述の課題の背景として説明したフライトシューティングゲームは一例であり、本発明は他のゲームにおける同様の課題の解決をも図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、仮想空間中を移動する複数のキャラクタ(例えば、図2のプレーヤキャラクタCP、相手キャラクタCO)が、予め射程範囲が設定されている攻撃兵器を用いて互いを攻撃して攻撃相手にダメージを与えて対戦する対戦ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラム(例えば、図3のゲームプロラム602)であって、前記キャラクタ毎に、当該キャラクタの攻撃兵器の射程範囲に、他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段(例えば、図3の処理部200、図11のステップS104〜S106)、前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段、(例えば、図3の処理部200、図10のステップS24)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0007】
また他の発明として、仮想空間中を移動する複数のキャラクタが、予め射程範囲が設定されている攻撃兵器を用いて互いを攻撃して攻撃相手にダメージを与えて対戦する対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、前記キャラクタ毎に、当該キャラクタの攻撃兵器の射程範囲に、他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段と、前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段、とを備えたゲーム装置(例えば、ゲーム装置1400、1400−2)を構成してもよい。
【0008】
第1の発明または他の発明によれば、攻撃兵器の射程範囲に対戦相手などの他のキャラクタを捕捉した時間に基づいて対戦ゲームの進行を可変することができる。例えば、フライトシューティングゲームの場合であれば、積極的に相手の背後を取って射程範囲に捕らえて戦況を有利に運ぶことでもゲームの勝敗が付くことになる。別の見方をすれば、消極的なプレイをしていては、撃墜されることが無くとも負けになる可能性が有ることになる。すなわち、プレーヤは望むゲーム進行となるようにするためには、上手く他のキャラクタを攻撃兵器の射程範囲内に捕捉しなければならない。このことは、プレーヤに対してより積極的なプレースタイルを促すことにもなるので、停滞したゲーム展開を起り難くすることができる。
【0009】
第2の発明は、仮想空間中を移動する複数のキャラクタが対戦する対戦ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記キャラクタ毎に、当該キャラクタに予め対応付けられている所定の計時対象範囲(例えば、図6の射程範囲648c)に他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段(例えば、図3の処理部200、図6のステップS16)、前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段(例えば、図3の処理部200、図10のステップS24)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0010】
また他の発明として、仮想空間中を移動する複数のキャラクタが対戦する対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、前記キャラクタ毎に、当該キャラクタに予め対応付けられている所定の計時対象範囲に他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段と、前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段と、を備えたゲーム装置を構成してもよい。
【0011】
この第2の発明等によれば、キャラクタ毎に予め定められた計時対象範囲に他のキャラクタを捕捉した時間に応じてゲームの進行を可変させることができる。プレーヤにしてみれば、自身が望むゲーム進行となるようにするためには、計時対象範囲に上手く他のキャラクタを捕捉する必要に迫られる。したがって、プレーヤに対してより積極的なプレースタイルを促すことになるので、停滞したゲーム展開を起り難くすることができる。
【0012】
第3の発明は、第1又は2の発明のプログラムであって、前記ゲーム進行制御手段が、前記計時された時間に基づいて、勝者とするキャラクタを判定する(例えば、図12のステップS158〜S164)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【0013】
第3の発明によれば、第1又は2の発明と同様の効果を奏するとともに、計時された時間に基づいて、勝者とするキャラクタを判定することができる。すなわち、如何に上手く他のキャラクタを捕捉できるかでゲームの勝敗が決まる可能性がある。したがって、プレーヤにより一層積極的なプレイを促すことができる。
【0014】
第4の発明は、第1又は2の発明のプログラムであって、前記ゲーム進行制御手段が、前記計時された時間に基づいて、前記対戦ゲームの終了を判定する(例えば、図17のミッションクリア条件614c、図20のゲーム進行管理処理)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0015】
第4の発明によれば、第1又は2の発明と同様の効果を奏するとともに、計時された時間に基づいて対戦ゲームが終了することができる。対戦ゲームで勝利がかかっているので、プレーヤはより積極的且つ攻撃的なプレイをするようになり、消極的なゲーム展開に陥ることを抑制することができる。
【0016】
第5の発明は、第1又は2の発明のプログラムであって、前記ゲーム進行制御手段が、前記計時された時間に基づいて、所定の特典付与処理による特典付与対象とするキャラクタを特定して、当該特典付与処理を実行する(例えば、図18の付与特典設定データ616、図19のステップS17)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0017】
ここで言う特典付与とは、例えばゲーム成績を表す点数の付与や、ゲーム中で使用できるアイテムの付与、ゲーム中で使用できる新しい種類のキャラクタの追加といったもののことである。
【0018】
第5の発明によれば、第1又は2の発明と同様の効果を奏するとともに、計時された時間に基づいて特典が付与される。したがって、プレーヤにやる気を出させ、積極的なプレイを引き出すことができる。
【0019】
第6の発明は、第3の発明のプログラムであって、攻撃を受けたダメージ量をキャラクタ毎に管理するダメージ量管理手段(例えば、図3の処理部200、図8のダメージ値624f、図10のステップS18)、前記管理されているダメージ量が所定の許容量に達したキャラクタを敗者とする敗者判定手段(例えば、図3の処理部200、図12のステップS152〜S156)、前記対戦ゲームの経過時間を計時して所定の制限時間が経過したことを検出する制限時間経過検出手段(例えば、図3の処理部200、図12のステップS158)、として前記コンピュータを機能させ、前記ゲーム進行制御手段が、前記制限時間経過検出手段による検出がなされた際に、前記敗者判定手段により敗者とされていないキャラクタが2以上存在する場合に、当該2以上のキャラクタのうち、前記計時された時間に基づいて勝者を判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0020】
第6の発明によれば、第3の発明と同様の効果を奏するとともに、ゲームの経過時間が制限時間を超過した場合でも敗者とされていないキャラクタが2以上存在する場合、すなわち対戦する双方何れものダメージが許容量に達していない場合には、計時した時間に基づいて勝敗を判定することができる。したがって、制限時間内で勝敗が決しなかった場合には、何れが有利にゲーム運びをしていたかで勝敗を判定することができる。プレーヤの技量が近接している場合でも、少しでも相手より有利な展開を得られていれば勝者となることができるので、プレーヤにより一層の積極的なプレイを促すことになる。その結果、より一層スピーディで激しい対戦を実現させることができる。
【0021】
第7の発明は、第3又は6の発明のプログラムであって、前記計時された時間を所定のポイントに換算する換算手段(例えば、図3の処理部200、優勢ポイント換算テーブル612、図11のステップS110〜S112、ステップS126〜S128、ステップS142)、前記換算されたポイントを前記キャラクタ毎に積算する積算手段(例えば、図3の処理部200、優勢ポイントデータ630、図11のステップS110〜S112、ステップS126〜S128、ステップS142)、として前記コンピュータを機能させ、前記ゲーム進行制御手段が、前記積算されたポイントに基づくことで、前記計時された時間に基づいて勝者判定を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0022】
第7の発明によれば、第3又は6の発明と同様の効果を奏するとともに、相手側のキャラクタを捕捉した時間をポイントに換えて管理し、判定に用いることができる。したがって、ポイントの換算によって程度の差をつけることができるので、より判定に多様性を持たせることが可能になる。
【0023】
第8の発明は、第7の発明であって、前記捕捉時間計時手段が、捕捉開始から捕捉終了までの各捕捉毎に時間を計時し、前記換算手段が、前記捕捉時間計時手段による捕捉毎の時間それぞれをポイントに換算するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0024】
第8の発明によれば、第7の発明と同様の効果を奏するとともに、相手側のキャラクタを射程範囲に連続的に捕捉している時間をポイントに換算することができる。射程範囲にどれだけ連続的に相手を捕捉していられるかは、プレーヤの技量を示すものであるから、勝敗の判定にプレーヤの技量を反映させることができるようになる。よって、勝敗の判定を、プレーヤの実感に即したより納得の行くものにできる。
【0025】
第9の発明は、第8の発明のプログラムであって、前記換算手段が、前記捕捉時間計時手段により計時された時間の長さに応じて、ポイントへの換算率を変更するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0026】
第9の発明によれば、第8の発明と同様の効果を奏するとともに、相手キャラクタを連続して捕捉している時間の長さに応じたポイントを付与することができる。連続的に相手を捕捉するには、時間が長くなるほど高い技量を要求する。したがって、捕捉している連続時間の長さに応じてポイントの換算率を変更することで、プレーヤの技量の程度をより分かり易く反映させることができる。
【0027】
第10の発明は、第7又は8の発明のプログラムであって、前記換算手段が、当該捕捉したキャラクタの攻撃兵器の種類に応じて、ポイントへの換算率を変更するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0028】
第10の発明によれば、第7又は8の発明と同様の効果を奏するとともに、兵器の種類に応じてポイントの換算率が変化させることで、攻撃の仕方をポイントに反映させることができる。どういった攻撃方法を採るかでポイントが変わることにもなるので、プレーヤの攻撃スタイルが反映されたプレーヤにより一層の納得が得られる勝敗判定を実現できる。
【0029】
第11の発明は、第7〜10の何れか一つの発明のプログラムであって、前記積算手段が、当該捕捉したキャラクタのポイントに前記換算されたポイントを加算して積算するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0030】
第11の発明によれば、第7〜10の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、捕捉したキャラクタの側、すなわち対戦を有利に運んでいる側にポイントを加算し積算値に基づいて勝敗の判定をすることができる。よって、プレーヤにより積極的なプレイを促すことができる。
【0031】
第12の発明は、第7〜11の何れか一つの発明のプログラムであって、前記積算手段が、当該捕捉されたキャラクタのポイントから前記換算されたポイントを減算して積算するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0032】
第12の発明によれば、第7〜11の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、優勢ポイントの算出に減点方式の要素を加えることができる。加点方式でのみ優勢ポイントを算出する場合に、何人ものプレーヤが同時にゲームに参加するケースでは、よってたかって一人の弱いプレーヤを追い掛け回すといった消極的なゲーム展開が生じるのを未然に防ぐことができる。
【0033】
第13の発明は、第1〜12の何れか一つの発明のプログラムであって、時間の長さに応じて表示態様を変えて表示する所定の態様変化表示体の表示態様を、前記捕捉時間計時手段により計時された時間の長さに応じて変化させて表示制御する態様変化表示体表示制御手段(例えば、図3の処理部200、図9の捕捉ゲージデータ632、図10のステップS21)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0034】
第13の発明は、第1〜12の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、計時された時間の長さに応じて態様変化表示体の表示態様を変化させることができる。したがって、態様変化表示体の変化によって、計時された時間の長短をプレーヤに知らせることができる。
【0035】
第14の発明は、第1〜13の何れか一津の発明のプログラムであって、前記複数のキャラクタには、自プレーヤが操作する自キャラクタと、他プレーヤが操作する他キャラクタとが少なくとも含まれ、前記コンピュータは、他キャラクタを操作する他機(例えば、図1の相手ゲーム装置1400−2)と通信する通信手段(例えば、図3の通信部500)を備えており、前記通信手段に前記他機との間で所定の通信を行わせて、前記対戦ゲームを進行させる通信制御手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0036】
第14の発明によれば、第1〜13の何れか一つの発明と同様の効果を奏するとともに、離れた場所にいるプレーヤが、所謂対戦ゲームとしてゲーム楽しむことができる。
【0037】
第15の発明は、第1〜14の何れか一つの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0038】
第15の発明によれば、コンピュータで第1〜14の何れか一つの発明のプログラムを読み出して演算処理することによって、第1〜14の何れか一つの発明と同様の効果をコンピュータに実現させることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、ゲーム中に他のキャラクタを捕捉した時間に基づいてゲームの進行を可変することができる。プレーヤにとって見れば、望むようなゲーム進行となるためには、積極的に他のキャラクタを捕捉してゲームを有利に運ぶ必要がでてくる。したがって、プレーヤに対してより積極的なプレースタイルを促すこととなり、停滞したゲーム展開を起り難くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明を適用した第1実施形態について説明する。本実施形態では、プレーヤが他プレーヤとともに、仮想空間中に設けられたゲーム空間で戦闘機型のキャラクタで1対1の空中戦を楽しむ通信対戦ゲーム形式のフライトシューティングゲームを実行する場合を例に挙げて説明する。
【0041】
通信対戦ゲームを実現するシステム構成としては、例えば、(1)家庭に設置してあるパソコンや家庭用ゲーム機、ゲームセンターやアミューズメント施設等に設置される業務用ゲーム機等のゲーム装置を、インターネット網や専用線網等の有線/無線の通信回線を介してゲームサーバと接続する構成、(2)ゲームサーバを用いることなく複数のゲーム装置が通信回線を介して接続される構成、(3)複数のゲーム装置が通信回線を介して接続されるが、その内の1台がゲームサーバ機能を有する構成、(4)複数のゲーム装置が物理的に結合した、全体として1台のシステム(例えば業務用ゲーム機)となっている構成等が有る。
本発明は何れのシステム構成に対しても適用可能であるが、ここでは(2)の構成を例にとって説明する。尚ここで言う、通信回線とは、データ授受が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0042】
図1は、本実施形態におけるゲーム装置1400の外観例を示す図である。ゲーム装置1400は、例えば、プレーヤが携帯して使用する携帯型のゲーム装置である。
ゲーム装置1400は、プレーヤがゲーム操作を入力するための方向キー1402およびボタンスイッチ1404と、ディスプレイ1410と、スピーカ1412と、無線通信モジュール1414と、制御ユニット1420とが、筐体本体1401と一体に備えられている。また、筐体本体1401には、メモリカード1440を着脱自在に装着するためにスロット1406が備えられている。その他、図示しない内臓バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0043】
この携帯型のゲーム装置1400は、ゲーム処理を実行するために必要なプログラムやデータ等をメモリカード1440から読み出す構成であるが、無線通信モジュール1414を介して通信回線Nに接続し、外部の装置から取得する構成としても良い。
【0044】
制御ユニット1420は、CPUやICメモリなどを備え、メモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出し、これに従ってゲームプレーに必要な種々の演算処理を実行して装置各部を制御する。
【0045】
例えば、制御ユニット1420は、無線通信モジュール1414を制御して、無線通信可能なエリア内に在る対戦相手となるプレーヤ(以下、「相手プレーヤ」とも言う。)が操作する同種のゲーム装置1400−2(以下、適宜「相手ゲーム装置」とも言う。)との間で通信ネットワークを形成し、ゲームプレーに必要な各種データの交換を実現する。そして、方向キー1402やボタンスイッチ1404から入力される操作信号、無線通信モジュール1414によって対戦相手のゲーム装置1400−2から受信したデータ等に基づいて種々のゲーム処理を実行し、ゲーム画像の画像信号及びゲーム音の音信号を生成する。生成されたゲーム画像はディスプレイ1410に表示され、ゲーム音の音信号はスピーカ1412から音出力される。
プレーヤは、ディスプレイ1410に表示されるゲーム画像を見ながら方向キー1402やボタンスイッチ1404を操作し、相手プレーヤと対戦してゲームを楽しむことができる。
【0046】
図2は、本実施形態におけるゲームの概要を説明するための概念図である。
ゲーム空間1には、予め範囲が定められた地表2の上空にステージ空間4が設定されており、その内部にキャラクタなどの各種オブジェクトが配置されている。ステージ空間4は、テニスのコートや相撲の土俵に相当し、プレーヤキャラクタCPと相手キャラクタCOは、ステージ空間4の内部で空中戦をする。そして、仮想空間内を所与の仮想カメラCMから見た画像を元にゲーム画面が表示される。
【0047】
図3は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、ゲーム装置1400は、機能ブロックとして操作入力部100と、処理部200と、画像表示部300と、音出力部400と、通信部500と、記憶部600とを有している。
【0048】
操作入力部100は、ゲーム装置1400を操作するプレーヤが各種のゲーム操作を入力する。操作入力部100は、例えばボタンスイッチ、レバー、ダイヤル、マウス、キーボード、各種センサによって実現され、図1では、方向キー1402やボタンスイッチ1404がこれに該当する。操作入力部100から入力される操作信号は処理部200に出力される。
【0049】
処理部200は、ゲーム装置1400全体の制御および各機能部への指示、画像処理、音処理等の各種処理を行う。処理部200は、各種プロセッサ(CPU,DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)等のハードウェアによって、記憶部600に記憶されているシステムプログラムやゲームプログラム602、各種データに基づいて演算処理等することにより実現される。図1では、制御ユニット1420がこれに該当する。
【0050】
また、処理部200は、ゲーム演算部210と、画像生成部230と、音生成部250と、通信制御部270とを含み、1フレーム時間(1/60秒)で1枚の画像を生成して画像表示部300に表示出力させるとともに、適宜効果音やBGMを音出力部400に音出力させる。
【0051】
ゲーム演算部210は、操作入力部100から入力される操作信号、記憶部600から読み出したゲームプログラム602やデータ、或いは通信部500を介して通信接続される相手ゲーム装置1400−2から送信されるデータ等に基づいて、フライトシューティングゲームを実現するための種々のゲーム処理を実行し、処理結果を画像生成部230や音生成部250に出力する。ゲーム処理としては、例えばゲーム空間の設定処理、プレーヤキャラクタCPや相手キャラクタCOといったオブジェクトの配置処理、攻撃のヒットとそれに伴うダメージの算出処理、オブジェクトの接触判定処理、ゲーム結果の算出処理等が挙げられる。
そして、本実施形態のゲーム演算部210には、優勢ポイント算出部213と、捕捉ゲージ表示制御部215と、ゲーム進行管理部219とが含まれている。
【0052】
優勢ポイント算出部213は、プレーヤ側および相手側の夫々に設定された優勢ポイントを、キャラクタ間の攻撃によるダメージ計算にかかわらず、一方の側がゲームを優勢に展開していると判断される状況が発生するのに応じて、優勢側または劣勢側の少なくとも何れかのポイントを加点または減点する。
具体的には、本実施形態はフライトシューティングゲームなので、射程範囲内に相手を捕捉している連続時間や、相手をロックオンしている連続時間を計時し、これらを後述するキャラクタステータスデータ624に、連続捕捉時間624m、連続ロックオン時間624nとして記憶する。そしてこれらの捕捉時間に応じて、捕捉している側の優勢ポイントに加点し捕捉されている側の優勢ポイントを減点する。また、故意に敵前逃亡的な行為をする場合として、ステージ範囲604aを逸脱した側の優勢ポイントを減点する。
【0053】
捕捉ゲージ表示制御部215は、ゲーム画面中に表示される相手キャラクタCOの機影に付随させて捕捉ゲージ(例えば、機影を囲む枠体。)を表示させて、プレーヤに相手キャラクタCOを射程範囲に捕捉している、或いはロックオンしていることを知らせる。また、捕捉ゲージ表示制御部215は、連続捕捉時間624mの長さ、或いは連続ロックオン時間624nの長さに応じて、捕捉ゲージの表示態様を変化させるように表示制御する。尚、本実施形態では、連続捕捉時間624mの長さに応じて捕捉ゲージを表示制御する場合を例に挙げるが、連続ロックオン時間624nの長さに応じた表示制御も同様にして実現できるのは勿論である。
【0054】
ゲーム進行管理部219は、ゲームの進行を可変する機能部であって、本実施形態ではゲームの進行を左右するゲームの勝敗を判定する。具体的には、ゲームの制限時間内に、一方側のキャラクタが所定許容量以上のダメージを受けて撃墜された場合には、撃墜した側を勝利したと判定する。また、制限時間に達したにも拘らず何れの側も勝利していない場合には、各側の優勢ポイントに基づいて勝敗を決定する。
【0055】
画像生成部230は、例えば、CPUやDSP等のハードウェアやその制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部230は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像の画像信号を画像表示部300に出力する。
【0056】
音生成部250は、例えば、CPUやDSP等のハードウェアやその制御プログラムによって実現される。音生成部250は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて、ゲーム中に使用される効果音やBGM等のゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部400に出力する。
【0057】
画像表示部300は、画像生成部230から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、ブラウン管(CRT)、プロジェクターといった画像表示装置によって実現できる。図1ではディスプレイ1410がこれに該当する。プレーヤは、画像表示部300に表示されるゲーム画像を見ながら操作入力部100を操作してゲームを楽しむ。
【0058】
音出力部400は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力するための装置である。図1ではスピーカ1412がこれに該当する。
【0059】
通信部500は、外部(例えば、対戦相手のゲーム装置1400−2)とのデータ通信をする。通信部500の機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1では無線通信モジュール1414がこれに該当する。
【0060】
記憶部600は、処理部200にゲーム装置1400を統合的に制御させるためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム602及び各種データを格納する。記憶部600の機能は、例えばICメモリやハードディスク、メモリカード、光ディスク、CD−ROM、DVD−RAM等により実現される。図1では、メモリカード1440、制御ユニット1420に搭載されるICメモリ等がこれに該当する。
【0061】
本実施形態の記憶部600は、予め設定され記憶されているデータとして、ゲームプログラム602、ゲーム空間設定データ604、キャラクタデータ606、優勢ポイント換算テーブル612を記憶している。また、ゲームの進行に応じて生成・変更されるデータとしては、自プレーヤ操作データ620、相手プレーヤ操作データ622、キャラクタステータスデータ624、優勢ポイントデータ630、捕捉ゲージデータ632を記憶する。
【0062】
図4は、本実施形態におけるゲーム空間設定データ604のデータ構成例を示す図である。ゲーム空間設定データ604は、ゲーム空間を定義する情報を格納しており、ステージ範囲604aと、背景データ604bと、地表データ604cと、を含んでいる。
【0063】
ステージ範囲604aは、本発明のゲームを実行するに当って利用可能な限定領域の範囲を定義するゲーム空間座標系の座標範囲が格納されている。すなわち、ステージ範囲604aは、テニスのコートや相撲の土俵に相当する範囲を定義する。本実施形態では、図2のステージ空間4の範囲を特定するための座標値を格納する。背景データ604bは、ゲーム空間1の背景とする画像データである。地表データ604cは、地上の地形を定義するモデルデータであり、図2の地表2を定義するデータを格納する。尚、背景の一部として用いられるビル群などの構造物も地表データに適宜含むものとする。
【0064】
図5は、本実施形態におけるキャラクタデータ606のデータ構成例を示す図である。本実施形態は1対1の空中戦を行うゲームなので、キャラクタデータ606は、プレーヤキャラクタCPと相手キャラクタCOそれぞれに設定されている。
【0065】
キャラクタデータ606には、キャラクタ識別情報641に対応づけられて、所属勢力情報643、キャラクタオブジェクトデータ645、撃墜オブジェクトデータ646、初期能力値データ647、攻撃装備データ648および初期配置位置座標649が格納されている。
【0066】
キャラクタオブジェクトデータ645は、初期状態で用いられるプレーヤキャラクタCPのオブジェクトデータである。撃墜オブジェクトデータ646は、当該キャラクタが許容量以上のダメージを受けて使用不可になった場合(撃墜された場合)に用いられるオブジェクトデータである。本実施形態では、キャラクタオブジェクトデータ645は戦闘機を模したオブジェクトであり、撃墜オブジェクトデータ646はその戦闘機が破壊されて墜落する状態を表すオブジェクトである。
【0067】
初期能力値データ647は、当該キャラクタがゲーム中に発揮する能力の初期値が格納されている。例えば、移動の最高速度や最高加速度、ダメージの許容量を示す防御力などが定義されている。その他、適宜設定可能である。
【0068】
攻撃装備データ648は、当該キャラクタが装備する攻撃兵器に関する設定を格納している。例えば、図6に示すように、攻撃装備種類648aに対応付けて、当該攻撃兵器が当った場合に相手に与えるダメージ648bと、当該攻撃兵器の射程範囲648cが格納されている。射程範囲648cには、例えばキャラクタの位置座標をローカル座標原点とした座標範囲が設定されている。例えば、射程範囲STL1の場合は、キャラクタの前方に向かって拡開する円錐形の範囲が設定されている。射程範囲STL2はミサイル用なので、キャラクタの前方に例えば横断面が台形の角錐台形状の範囲が設定されている。
【0069】
初期配置位置座標649には、ゲームスタート時に当該キャラクタを配置するゲーム空間座標系の座標値が格納されている。本実施形態では、当該キャラクタの側の基地上空やその周辺が設定されている。
【0070】
図7は、本実施形態における優勢ポイント換算テーブル612のデータ構成例を示す図である。優勢ポイント換算テーブル612は、一方の側がゲームを優勢に展開していると判断される状況が発生するのに応じて、優勢側・劣勢側の優勢ポイントをどの程度変更するかを定義している。例えば、適用種別612aに対応づけて、当該適用種別の状態が時間的に連続して維持された連続捕捉時間612bに応じて異なる換算率で加点ポイント612bや減点ポイント612cが定義されている。具体的には、連続捕捉時間612bの経過に従って、所定の単位時間が経過する毎に所定のポイントを加点又は減点する。この単位時間当たりに加減するポイントのことを、本実施形態では、時間に対するポイントの意味で「換算率」と称している。本実施形態における所定の単位時間は、フレーム時間(1/60秒)である。
【0071】
以下具体的に、優勢ポイント換算テーブル612について説明する。当該テーブルは、適用種別612aとして「射程範囲への捕捉」「ロックオン」「ステージ範囲の逸脱」が設定されている。
「射程範囲への捕捉」は攻撃兵器の射程範囲に他のキャラクタを捕捉した場合に適用され、「ロックオン」は更にミサイル兵器の標的として固定した場合、所謂ロックオンした場合に適用される。いずれも、射程範囲に捕捉した側またはロックオンした側が優勢であるから優勢ポイントが加点され、捕捉された側またはロックオンされた側の優勢ポイントが減点される。
【0072】
ポイントの算出割合を定義する意味からは、加点ポイント612cと減点ポイント612dの何れか一方を設定する構成でも良い。しかし、本実施形態のように両方を設けることで、優勢ポイントの算出に加点方式と減点方式の両方の要素を加えることができる。これによって、加点方式でのみ優勢ポイントを算出する場合に、何人ものプレーヤが同時にゲームに参加するケースでは、よってたかって一人の弱いプレーヤを追い掛け回すといった消極的なゲーム展開が生じるのを未然に防ぐ効果が得られる。
【0073】
また、適用種別612aとして「射程範囲への捕捉」「ロックオン」どちらの場合も、連続時間が長くなるにつれてより高いポイントが得られるように設定されている。これは射程範囲に連続的に相手を捕捉するには、時間が長くなるほど高い技量を要求することを反映したものである。したがって、捕捉している連続時間の長さに応じてポイントの換算率を変更することで、プレーヤの技量の程度をより分かり易く優勢ポイントに反映させることができる。
【0074】
また、適用種別612a「射程範囲への捕捉」で設定されている加点ポイント612cおよび減点ポイント612dには、兵器の種類ごとに異なる値が設定されている。同図の例では、連続時間捕捉時間612bが「0〜1秒まで」の場合、ミサイルの射程範囲である場合には加点ポイントが「1」、機銃の射程範囲である場合には加点ポイントが「2」設定されている。減点ポイント612dについても同様である。これば、機銃の射程範囲はミサイルに比べて狭く、相手の機体にかなり接近する必要があり、プレーヤにより高い技量を要求するためであり、プレーヤの技量を優勢ポイントに的確に反映させることができる。
【0075】
尚、適用種別612aが「ロックオン」の場合、加点ポイントおよび減点ポイントは連続捕捉時間612bの関数として定義されているので、兵器の種類に応じて異なる倍率を定義しておくことで、同様に兵器ごとに異なる加点ポイントと減点ポイントを設定することができる。
【0076】
適用種別612aが「ステージ範囲の逸脱」の場合は、ステージ空間4の外に出た場合に、これを負の優勢とみなし、キャラクタがステージ空間外に位置する間、キャラクタの側の優勢ポイントを減点し続ける。
【0077】
自プレーヤ操作データ620は、プレーヤによる操作入力に基づく操作入力信号を一時的に格納している。例えば、キャラクタの姿勢、加速・減速、攻撃目標の選択、攻撃兵器の種類選択、攻撃兵器の使用操作など全てを記憶する。本実施形態では、通信対戦を行うので、自プレーヤ操作データ620は、所定時間サイクルで更新されて相手ゲーム装置1400−2に送信される。相手プレーヤ操作データ620は、相手ゲーム装置1400−2から受信したデータを格納している。相手プレーヤによる操作入力に基づく操作入力信号を格納しており、相手ゲーム装置1400−2における自プレーヤ操作データであるが、自プレーヤのゲーム装置1400で受信すると相手プレーヤ操作データ620として記憶される。
【0078】
図8は、本実施形態におけるキャラクタステータスデータ624のデータ構成例を示す図である。キャラクタステータスデータ624は、キャラクタ毎に設定されて、キャラクタの位置や姿勢、各種の状態を示す情報を格納する。例えば、キャラクタデータ606に対応づけられたキャラクタ識別情報624a毎に、所属勢力情報624b、配置位置座標値624c、姿勢値624d、装備情報624e、ダメージ値624f、連続捕捉時間624m、連続ロックオン時間624nを対応付けて格納する。
【0079】
所属勢力情報624bは、当該キャラクタが何れの勢力に属するかを示している。本実施形態では、1対1の対戦を想定しているので「α(プレーヤ側)」または「β(相手側)」が設定されている。
【0080】
配置位置座標値624cは、当該キャラクタの現在位置の座標値を格納している。姿勢値624dは、当該キャラクタの姿勢状態を示す値を格納している。本実施形態では、戦闘機のキャラクタを用いるので、例えばロール、ピッチ、ヨーの各値を格納している。
【0081】
装備情報624eは、攻撃兵器の残弾数など装備の状態に関する情報を格納する。
ダメージ値624fは、当該キャラクタが攻撃を受けた損害量をあらわす値を格納する。
【0082】
連続捕捉時間624mは、当該キャラクタが相手のキャラクタに対して有利にゲームを運び得る状況が連続的に発生している時間の長さを格納する。
連続ロックオン時間624nは、当該キャラクタが相手側のキャラクタを標的固定(ロックオン)している連続時間を格納する。
【0083】
優勢ポイントデータ630は、各勢力毎の優勢ポイントを格納する。ここでいう勢力とは、対戦する組やチームの意義を有する。本実施形態では、プレーヤ化キャラクタCPと相手キャラクタCOの1対1の空中戦を行うゲームなので、勢力はプレーヤ側と相手側の二つとみなされ、各勢力に属するキャラクタは夫々一つとなる。したがって、優勢ポイントデータ630は、プレーヤ側と相手側の双方の優勢ポイントデータを格納している。初期値は「0」である。
【0084】
捕捉ゲージデータ632は、ゲーム画面中に表示されるプレーヤキャラクタCP以外の他のキャラクタ(本実施形態では、相手キャラクタCO)の機影に付随させる表示物である捕捉ゲージのデータを格納する。捕捉ゲージは、当該他のキャラクタをプレーヤキャラクタCPが選択している攻撃兵器の射程範囲内に捕捉していることを示す。
【0085】
具体的には、例えば、図9に示すように、連続捕捉時間624mの捕捉時間長632aに応じて異なる表示形態の捕捉ゲージを表示制御するためのゲージデータ632bが格納されている。表示形態とは、形状、大きさ、色、明度、およびそれらの変化を言う。例えば、同図の場合、捕捉時間長632aが0〜4秒未満の間に適用される捕捉ゲージG1は、機影(便宜上、ダミーを点線で表示している。)を囲む表示枠Gwが四角形、表示色が緑色で表示され、更に同枠の右上部に連続捕捉時間624mの値を表示する時間表示Gtが付与される。また、捕捉時間長632aが4秒以上の場合に適用される捕捉ゲージG2は、機影を囲む表示枠Gwが六角形、表示色がオレンジ色で表示され、同様に同枠の右上部時間表示Gtが付与される。尚、捕捉ゲージの形態を違えるためには、その他、表示枠の回転速度、表示枠の太さ、明滅の早さなどを異なるように適宜設定することができる。また、連続ロックオン時間624nの長さに応じた表示制御も同様にして実現できるのは勿論である。この場合、ロックオンした機体を表示する表示物、所謂ロックオンカーソル、ロックオンゲージの表示形態を可変させることで、捕捉ゲージとしての機能を果たすことができる。また、時間表示Gtの代わりに、優勢ポイントの加算値を表示する構成としても良い。
【0086】
次に、ゲーム装置1400の動作について説明する。
図10は、本実施形態における処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。ここで説明される処理は、ゲーム装置1400および相手ゲーム装置1400−2のそれぞれの処理部200がゲームプログラム602を読み出して演算処理することによって実現され、ゲーム終了まで所定時間の処理サイクルで繰り返し実行される。
【0087】
まず、ゲーム装置1400の処理部200は、相手ゲーム装置1400−2と通信を確立する(ステップS2)。通信の確立は、適宜公知の技術を利用することで実現できる。
【0088】
次に、ゲーム装置1400および相手ゲーム装置1400−2のそれぞれで、どの勢力を操作対象とするかを選択し、選択結果を相互に送受信して交換する(ステップS4)。勢力の選択は、所謂「1CON(第1コントロール側の意)」「2CON(第2コントロール側の意)」の選択に該当する。本実施形態では、自プレーヤ側の勢力αを「1CON」、相手側の勢力βを「2CON」としている。
【0089】
次に、処理部200は、ゲーム空間設定データ604を参照して、仮想空間内にゲーム空間を形成し(ステップS6)、キャラクタデータ606を参照してキャラクタのオブジェクトを仮想空間内の初期配置位置に配置し、キャラクタステータスデータ624を生成し、記憶部600に記憶させる(ステップS8)。
【0090】
次に、処理部200は、ゲーム制限時間のカウントを開始して、ゲームをスタートさせ(ステップS10)、操作入力のデータを相互に送受信して交換する(ステップS12)。具体的には、ゲーム装置1400と相手ゲーム装置1400−2は、互いに操作入力部100からの操作入力のデータを自プレーヤ操作データ620に格納し相手に送信し、相手から受信した操作入力のデータを相手プレーヤ操作データ622に格納する。したがって、自プレーヤ操作データ620と相手プレーヤ操作データ622を参照することによって、互いの装置でプレーヤキャラクタCPおよび相手キャラクタCOがどのように操作されているかを求めることができる。
【0091】
次に、処理部200は、自プレーヤ操作データ620と相手プレーヤ操作データ622に基づいて各キャラクタのオブジェクトの移動を制御する(ステップS14)。この際、キャラクタステータスデータ624の配置位置情報624cや姿勢値624dを更新する。また、コンピュータ制御されるキャラクタが設定されている場合は、この段階で所定の思考ルーチンに従って移動制御される。
【0092】
次に、処理部200は、優勢ポイント算出処理を実行する(ステップS16)。図11は、本実施形態における優勢ポイント算出処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。同図に示すように、処理部200は全キャラクタについてループB(ステップS102〜S144)を実行する。
【0093】
具体的には、処理部200は、先ずループBの処理対象となっているキャラクタの全ての攻撃装備についてその射程範囲648cに、相手側のキャラクタが存在するか否かを判定する(ステップS104)。肯定の場合は(ステップS104のYES)、連続捕捉時間624mをカウント(加算)する(ステップS106)。
【0094】
否定判定の場合で(ステップS104のNO)、且つ連続捕捉時間624mが「0」でなければ(ステップS108のYES)、対象キャラクタの攻撃装備の射程範囲648cに、相手側のキャラクタが存在しないにもかかわらず、連続捕捉時間が「0」では無いので、前回の処理タイミングまでは射程範囲に相手側のキャラクタを捕捉していたが今回の処理タイミングでは射程範囲から外れている、すなわち連続して捕捉している状態が解除したと判断できる。そこで、処理部200は、ループBの処理対象キャラクタ側勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って加点する(ステップS110)。更に、相手側の勢力、すなわち射程圏内に捕捉されているキャラクタ側の勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って減点する(ステップS112)。そして、当該対象キャラクタの連続捕捉時間を「0」にリセットする(ステップS114)。
【0095】
一方、対象キャラクタの攻撃装備の射程範囲に、相手側のキャラクタが存在せず、且つ連続捕捉時間が「0」の場合(ステップS108のNO)、前回の処理タイミングでも今回の処理タイミングでも、相手側キャラクタを射程圏内に捉えていないと判断されるので、優勢ポイントの変更は行わない。
【0096】
次に、処理部200は、処理対象となっているキャラクタにロックオンされている相手側のキャラクタが存在するか否かを判定する(ステップS120)。肯定の場合は(ステップS120のYES)、連続ロックオン時間624nをカウント(加算)する(ステップS122)。
【0097】
否定判定の場合で(ステップS120のNO)、且つ連続ロックオン時間624nが「0」でなければ(ステップS124のYES)、対象キャラクタにロックオンされている相手側キャラクタが存在しないにもかかわらず、連続ロックオン時間624nが「0」では無いので、前回の処理タイミングまではロックオンしていたが今回の処理タイミングではロックオンが解除したと判断できる。そこで、処理部200は、ループBの処理対象キャラクタ側勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って加点する(ステップS126)。更に、ロックオンされているキャラクタ側の勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って減点する(ステップS128)。そして、当該対象キャラクタの連続ロックオン時間624nを「0」にリセットする(ステップS130)。
【0098】
一方、対象キャラクタの攻撃装備の射程範囲に、相手側のキャラクタが存在せず、且つ連続捕捉時間が「0」の場合(ステップS124のNO)、前回の処理タイミングでも今回の処理タイミングでも、相手側キャラクタをロックオンしていないと判断されるので、優勢ポイントの変更は行わない。
【0099】
優勢ポイント算出処理のここまでの処理によって、攻撃によって対戦相手にダメージを与えられたか否かにかかわらず攻撃に有利なポジションを取っているキャラクタが優勢な状況にあったと認め、攻撃元側の優勢ポイントを高め、攻撃先側の優勢ポイントを低くすることができる。
【0100】
次に、処理部200は、ループBの処理対象キャラクタが、ステージ範囲604aで設定された範囲外に位置するか否かを判定する(ステップS140)。肯定の場合(ステップS140のYES)、当該キャラクタ側の勢力の優勢ポイントを、優勢ポイント換算テーブル612に従って減点する(ステップS142)。否定の場合には(ステップS140のNO)、優勢ポイントの変更はしない。
【0101】
全てのキャラクタについてループBの処理を実行したならば、優勢ポイント算出処理を終了して図10のフローに戻る。そして次に処理部200は、従来のフライトシューティングゲームと同様にして、各キャラクタのダメージを算出する(ステップS18)。許容量以上のダメージを受けたキャラクタは、撃墜されたキャラクタであり、当該キャラクタへの操作は受け付けられない。
【0102】
次に、処理部200は、仮想空間を仮想カメラから見た画像を生成して(ステップS20)、生成した画像に捕捉ゲージを描画する処理を実行し、ゲーム画面を生成する(ステップS21)。そして、画像表示部300にゲーム画像を表示させる(ステップS22)。具体的には、例えば図13に示すように、プレーヤキャラクタCPの機体後方に配置された仮想カメラから見た機体ビュー画像6或いはプレーヤキャラクタCPの操縦席に配置された仮想カメラから見たコックピットビュー画像を生成し、生成した画像中の他のキャラクタ、特に相手キャラクタCOの機影8に、捕捉ゲージGを付随させるように描画し、ゲーム画面を生成する。同図(a)の捕捉ゲージG1は、表示枠Gwが四角形、表示色が緑色で表示され、表示枠Gwの右上部時間表示Gtが1.4秒を示している。従って、プレーヤはまだ捕捉して間もないことを知ることができる。その後も積極的に攻撃位置を取ることで、相手キャラクタCOを射程範囲に捕捉したままとすると、同図(b)の捕捉ゲージG2の様に表示態様が変化する。捕捉ゲージG2は、表示枠Gwが六角形、表示色がオレンジ色で表示され、表示枠Gwの右上部時間表示Gtが4.4秒を示している。これによって、プレーヤは自分がどの程度の間、他のキャラクタを捕捉していたかを一瞥で知ることができる。このように、捕捉ゲージの表示態様が変化することで、優勢ポイントが加点され続けていることを示し、プレーヤに「もっと加点しよう」「もっと攻撃しよう」と思わせて積極的なプレイ姿勢を促すことができる。
【0103】
次に処理部200は、ゲーム進行管理処理を実行する(ステップS24)。
図12は、本実施形態におけるゲーム進行管理処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。同図に示すように、先ず処理部200は、ダメージが所定の許容値に達したキャラクタ、すなわち撃墜されたキャラクタを抽出する(ステップS152)。
【0104】
抽出されたキャラクタの数が「1」の場合(ステップS154の「1」)、処理部200は、当該抽出されたキャラクタ側の勢力が敗退したと判定する(ステップS156)。本実施形態におけるゲームの終了条件を満たすことになる。
【0105】
抽出されたキャラクタの数が「0」または「2」以上の場合(ステップS154の「0」または「2」以上)、更に処理部200はゲームの制限時間に達しているか否かを判定する(ステップS158)。
【0106】
ゲームの制限時間に到達していなければ(ステップS158のNO)、何れのキャラクタも撃墜されていないゲームの途中状態にあると判断されるので、勝敗を判定せずにゲーム進行管理処理を終了する。一方、制限時間に達している場合(ステップS158のYES)、各勢力の優勢ポイントを参照し、いずれか一方の優勢ポイントが多い場合には(ステップS160の「一方が多」)、優勢ポイントの多い勢力が勝利したと判定する(ステップS162)。本実施形態におけるゲームの終了条件を満たすことになる。また、優勢ポイントが同じ場合には(ステップS160の「同ポイント」)、引き分けと判定する(ステップS164)。これ場合もまた、本実施形態におけるゲームの終了条件を満たすことになる。
【0107】
図10のフローに戻って、ゲーム進行管理処理の結果、ゲーム終了条件を満たしていない場合には(ステップS26のNO)、ステップS12に戻る。ゲーム終了条件を満たしている場合には(ステップS26のYES)、ゲーム進行管理処理の勝敗結果を画面に表示させてゲームを終了する(ステップS28)。
【0108】
以上説明した一連の処理によって、制限時間に達しても勝敗が決していない場合、優勢ポイントの比較で勝敗を決めることができる。したがって、プレーヤに対してより積極的に攻撃を仕掛けるように働きかけることとなり、その結果、相手の攻撃を受け難いように互いに過度に間合いを取り合う状況や、双方のキャラクタが相手の後方をただ追いかけて回り続けるといったゲームが進行し難くなる状態を回避することができる。その結果、ゲーム展開を早めて、スピーディな魅力あるゲームとすることができる。
【0109】
図14を参照して、本実施形態におけるゲーム装置1400を実現するためのハードウェア構成の一例について説明する。ゲーム装置1400は、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、画像生成IC1010、音生成IC1008、I/Oポート1012,1014がシステムバス1016により相互にデータ入出力可能に接続されている。I/Oポート1012にはコントロール装置1022が、I/Oポート1014には通信装置1024が、それぞれ接続されている。
【0110】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、コントロール装置1022によって入力される信号等に従って、装置全体の制御や各種データ処理を行う。
【0111】
RAM1004は、CPU1000の作業領域等として用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002内の所与の内容、CPU1000の演算結果等が格納される。
【0112】
情報記憶媒体1006は、プログラム、画像データ、音データ、プレーデータ等が主に格納されるものであり、情報記憶媒体として、ROM等のメモリやハードディスクや、CD−ROM、DVD、ICカード、磁気ディスク、光ディスク等が用いられる。尚、この情報記憶媒体1006は、図3に示す記憶部600に相当するものである。
【0113】
また、この装置に設けられている画像生成IC1010と音生成IC1008により、音や画像の好適な出力が行えるようになっている。
【0114】
画像生成IC1010は、CPU1000の命令によって、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006等から送られる情報に基づいて画素情報を生成する集積回路であり、生成される表示信号は、表示装置1018に出力される。表示装置1018は、CRTやLCD、TV、プラズマディスプレイ、或いはプロジェクター等により実現され、図3に示す画像表示部300に相当する。
【0115】
また、音生成IC1008は、CPU1000の命令によって、情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報、RAM1004に格納される音データに応じた音信号を生成する集積回路であり、生成される音信号はスピーカ1020によって出力される。スピーカ1020は、図3に示す音出力部400に相当するものである。
【0116】
コントロール装置1022は、プレーヤがゲームに係る操作を入力するための装置であり、その機能は、レバー、ボタン、筐体等のハードウェアにより実現される。尚、このコントロール装置1022は、図3に示す操作入力部100に相当するものである。
【0117】
通信装置1024は装置内部で利用される情報を外部とやりとりするものであり、プログラムに応じた所与の情報を他の装置と送受すること等に利用される。尚、この通信装置1024は、図3に示す通信部500に相当するものである。
【0118】
そして、ゲーム処理等の上記した処理は、図3のゲームプログラム602等を格納した情報記憶媒体1006と、これらプログラムに従って動作するCPU1000、画像生成IC1010、音生成IC1008等によって実現される。CPU1000、画像生成IC1010、及び音生成IC1008は、図3に示す処理部200に相当するものであり、主にCPU1000が図3に示すゲーム演算部210に、画像生成IC1010が図3に示す画像生成部230に、音生成IC1008が図3に示す音生成部250に相当する。
【0119】
尚、画像生成IC1010、音生成IC1008等で行われる処理は、CPU1000或いは汎用のDSP等によりソフトウェア的に行ってもよい。この場合には、CPU1000が、図3に示す処理部200に相当することとなる。
【0120】
[第2実施形態]
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的に第1実施形態と同様の構成を有するが、プレーヤキャラクタとコンピュータ制御される味方キャラクタとでなる3つのチームが参戦し、各チームのプレーヤキャラクタそれぞれを3人のプレーヤが操って空中戦ゲームをする点が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与し、その説明は省略する。また、3つのチームでなく、2つのチームであっても、4以上のチームが参戦する形態でもよい。
【0121】
本実施形態では、参加人数分のゲーム装置1400が通信回線Nを介して互いにデータ通信可能に接続されたシステムを構成してゲームが実行される。
【0122】
機能ブロックも基本的には第1実施形態と同様であるが、キャラクタデータ606は参加人数分の3種類のキャラクタを設定しておく。また、相手プレーヤ操作データ620も同様に相手の人数分だけ設定される。
【0123】
優勢ポイントデータ630においても、参加人数分だけ3つの勢力それぞれの優勢ポイントを格納する。優勢ポイントは各々のキャラクタに設定されるのではなく、勢力毎に設けられるものである。したがって、例えば4人参戦で2人チーム二組の対戦を実行するとした場合でも、優勢ポイントは各チーム(各勢力)の合計ポイントとして優勢ポイントデータ630に格納されているので、そのまま3人以上の参戦にも対応することができる。
【0124】
処理の流れも基本的には第1実施形態と同様である。例えば、優勢ポイント算出処理の流れについては、図11における「相手側」を「射程範囲に存在するキャラクタの側」と読み換えることによって3人以上の参加に対応することができる。
【0125】
図15は、本実施形態におけるゲーム進行管理処理の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態のゲーム進行管理処理では、処理部200は先ず、図12のステップS152に代えて、当該勢力に所属するキャラクタ全てが許容量に達するダメージを受けている勢力を抽出する(ステップS151)。
【0126】
なお、本実施形態を、各人1つのキャラクタを操作して2人チーム2組が対戦するとしてもよい。その場合には、各チーム(各勢力)に2つのキャラクタが所属しているので、両方とも撃墜されているチームを抽出することになる。よって、何れか一方のキャラクタが撃墜されずに残っている場合には抽出されないことになる。
【0127】
そして、抽出された勢力の数が参加勢力数から「1」少ない値の場合(ステップS153の「参加勢力数−1」)、抽出された勢力が敗退したと判定する(ステップS157)。換言すると、抽出されなかった勢力がその他の勢力のキャラクタを全て撃墜し勝利したと判定する。一方、抽出された勢力の数が「0」の場合(ステップS153の「0」)、処理部200は第1実施形態のゲーム進行管理処理と同様の処理を実行する(ステップS160〜S164)。
【0128】
このように、本実施形態によれば3人以上のプレーヤがそれぞれ単独で構成される勢力として対戦するケースでも、3人以上のプレーヤがチームを組んで一つの勢力を形成して対戦するケースでも本発明を適用することができる。
【0129】
[第3実施形態]
次に本発明を適用した第3実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第1または第2実施形態と同様の構成を有するが、プレーヤキャラクタCP以外の他のキャラクタを特定の計時対象範囲に捕捉している時間に応じてゲームの終了を判定する点と、捕捉している時間に応じて特典を付与する点において特徴を有する。
【0130】
以下では、プレーヤはプレーヤキャラクタCPを操作して、コンピュータが制御するコンピュータキャラクタCOMと空中戦を戦うゲームを実行する場合を例に挙げて説明する。このゲームは、ミッションと称される小ゲームが複数集合して一つのゲームを形成し、一つのミッションを、コンピュータキャラクタCOMと対戦して勝利することや、特定のキャラクタを基準時間以上連続的に射程範囲に捕捉している、或いは基準時間以上連続的にロックオンしていることでクリア(ミッション終了)して次のミッションを実行する、所謂ミッションクリア形式のゲームである。尚、第1または第2実施形態と同様の構成要素については、同じ符号を付与して説明は省略する。
【0131】
図16は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、本実施形態では処理部200は、ゲーム演算部210の機能の一部として、特典付与処理部217とゲーム進行管理部218とを有する。記憶部600には、ミッション設定データ614と、付与特典設定データ616とを記憶している。
【0132】
ゲーム進行管理部218は、第1および第2実施形態のゲーム進行管理部219に相当し、ミッション設定データ614に従って、連続捕捉時間624mまたは連続ロックオン時間624nに応じて、ミッションをクリアできたか否かを判定する。そして、ミッション設定データ614に従って、ミッションをクリアできたと判定した場合には、次に実行すべきミッションを選択し、クリアできなかったと判定した場合には、ゲーム終了条件を満たしたと判定しゲームオーバとする。
具体的には、一つは、第1および第2実施形態と同様にして、他のキャラクタを撃墜することによって勝者を決定し、プレーヤキャラクタCPが勝者であればミッションをクリアしたと判定する機能、もう一つは捕捉した時間そのものを基準と照らしてミッションのクリア判定をする機能を有する。後者を換言すると、撃墜しなくとも特定のキャラクタを射程範囲内に捕捉しつづければミッションクリアと判定する。尚、以下では連続捕捉時間624mに基づいてミッションをクリアできたか否か、ゲームの進行を管理する場合を例に説明するが、連続ロックオン時間624nに基づいて判定する場合も同様にして実現できる。
【0133】
特典付与処理部217は、付与特典設定データ616を参照して、連続捕捉時間624mまたは連続ロックオン時間624nに応じて、プレーヤキャラクタCPに特典を付与する。ここで言う特典付与とは、例えばゲーム成績を表す点数の付与や、ゲーム中で使用できるアイテムの付与、ゲーム中で使用できる新しい種類のキャラクタの追加、ゲームプレイの制限時間の延長、ダメージの回復、攻撃力の一時的な増加、ヒット率の一時的な増加といったものが含まれる。以下では、連続捕捉時間624mに応じて特典を付与する例を挙げて説明するが、連続ロックオン時間624nに基づいて特典を付与する形態も同様に実現できる。
【0134】
図17は、本実施形態におけるミッション設定データ614のデータ構成例を示す図である。同図に示すように、ミッション識別番号614aに対応付けて、小ゲームの終了条件にあたるミッションクリア条件614bと、当該ミッションをクリアした場合の処理や次に実行するミッションを示すクリア時処理設定614cと、当該ミッションをクリアできなかった場合の処理や次に実行するミッションを示すミスクリア時処理設定614dとが対応付けられている。そのほか、ミッションのためのゲームステージの設定情報、登場するキャラクタの設定値、ゲーム制限時間、初期配置位置情報など、小ゲームを実行するに必要なデータが格納されている。
【0135】
具体的には、同図のミッション識別番号614aが「M001」の例では、特定キャラクタCS1を対戦相手として、制限時間4分以内で、連続捕捉時間624mが10秒以上を実現することがクリア条件として設定されている。そして、ミッションクリア時には「M002」のミッションを実行し、クリアできなかった場合には、ミッション「M003」を実行する設定となっている。ミッション識別番号614aが「M001」の例では、特定キャラクタCS2に対して4分以内で勝利することがクリア条件となっている。つまり、4分以内で特定キャラクタCS2を撃墜するか、第1及び第2実施形態と同様にして時間内に撃墜できなくとも、優勢ポイントで特定キャラクタを上回ることで勝利することが条件となっている。
【0136】
図18は、本実施形態における付与特典設定データ616のデータ構成例を示す図である。同図に示すように、連続捕捉時間長616aに対応して、特典内容616bが設定されている。連続捕捉時間長616aが「0〜2秒未満」の例では、特典内容616bが「ダメージ値「−2」」になっているので、キャラクタステータスデータ624のダメージ値624fを処理サイクルの都度「2」減算してダメージを回復させる。本実施形態における処理サイクルの所定の単位時間は、フレーム時間(1/60秒)である。連続捕捉時間長616aが「10秒」の例では、連続捕捉時間624mが10秒に達したならば、特典内容616bが「ミサイル段数「+10」」になっているので、キャラクタステータスデータ624の装備情報624eのミサイル段数を「10」加算する。
【0137】
図19は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、基本的には第1又は第2実施形態と同じ処理の流れを有するが、本実施形態では、通信対戦を行わないのでデータ通信に関する処理が省略されている。一方、本実施形態で追加或いは変更された処理としては次のようなステップがある。
【0138】
優勢ポイント算出処理を実行したならば(ステップS16)、処理部200は、特典付与処理を実行する(ステップS17)。すなわち、更新された連続捕捉時間624mに応じて付与特典設定データ616で設定された特典の付与を行う。
【0139】
また、処理部200は、ゲーム画面の表示処理の後(ステップS22)、第1又は第2実施形態のゲーム進行管理処理に相当するゲーム進行管理処理を実行する(ステップS25)。
【0140】
図20は、本実施形態におけるゲーム進行管理処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、処理部200は先ず、ミッション設定データ614を参照して、現在実行中のミッションに対応するミッションクリア条件614bを満たすか否かを判定する(ステップS172)。例えば、ミッション「M001」の場合には、ミッションクリア条件614bは「特定キャラクタCS1を対戦相手に、制限時間4分以内で、連続捕捉時間が10秒以上」である。したがって、制限時間到達時の連続捕捉時間624mが10秒に達していればミッションクリアとなる。また例えば、ミッション「M002」の場合には、ミッションクリア条件614bは「特定キャラクタCS2に対して4分以内で勝利」である。したがって、第1または第2実施形態のゲーム進行管理処理と同様の処理を行って、制限時間に4分に到達するまでに特定キャラクタCS2を撃墜した場合、ミッションクリアとなる。または、制限時間に到達した時点で撃墜できていな場合でも、プレーヤキャラクタCPの側の優勢ポイントと特定キャラクタ側の優勢ポイントとを比較した結果、プレーヤキャラクタCS側の優勢ポイントが上回っていれば、ミッションクリアとなる。
【0141】
そして、処理部200は、ミッションクリアならば(ステップS172のYES)、クリア時処理設定614cに従って特定の処理または次のミッションを実行する(ステップS174)。反対に、ミッションがクリアできなかった場合は(ステップS172のNO)、ミスクリア時処理設定614dに従って特定の処理または次のミッションを実行する(ステップS176)。
【0142】
ゲーム進行管理処理を実行したならば、処理部200はゲーム終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS26)。ミッションクリアならば、まだゲームは進行しているのでステップS14に戻る(ステップS26のNO)。一方、ミスクリア時処理設定614dでゲームオーバが設定されているなどによって、ミッションをクリアできなかったのに伴ってゲーム終了条件を満たす場合には、(ステップS26のYES)、ゲームオーバ処理をする(ステップS29)。
【0143】
以上、本実施形態によれば、第1又は第2実施形態と同様の効果を奏するとともに、更に連続捕捉時間624mといった計時された時間に基づいて、ミッションをクリアしたか否かを判定することができる。ミッションは小ゲームであるから、計時された時間に基づいて対戦ゲームを終了することができると言える。また、連続捕捉時間624mに基づいて特典を付与することができる。したがって、これらによって、プレーヤにやる気を出させて積極的なプレイを引き出すことができる。その結果、より一層消極的なゲーム展開に陥ることを抑制することができる。
【0144】
[変形例]
以上、本発明についての好適な実施形態について説明したが、本発明の適用形態は上記したものに限らず、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。
【0145】
例えば、第1実施形態では、複数の携帯型のゲーム装置1400、1400−2を通信接続させて対戦ゲームを行うとしたが、例えば図21に示すように一台の家庭用ゲーム装置1200に接続された二つのコントローラ1220−1,1220−2を2人のプレーヤが夫々操作して対戦する、所謂「2CONプレイ」のゲームに適用することもできる。
【0146】
この場合、図3で示したゲームプログラム602などの予め設定されているプログラムやデータ類は、CD−ROM1212やメモリカード1213といった装置本体1210に着脱自在な情報記憶媒体に記憶しておき、制御ユニット1211で読み出し演算処理してゲームを実行する。プログラムやデータは、通信モジュール1215を介して通信回線Nに接続された外部装置からダウンロードする構成であっても良いのは勿論である。そして、制御ユニット1211は、各プレーヤ向けに生成した2種類のゲーム画像を、例えば左右二つの表示領域に分けてディスプレイ1230に表示させ、生成したゲーム音をスピーカ1231から出力させる。そして、プレーヤは、ゲーム画像を見ながらコントローラ1220の方向キー1222およびボタンスイッチ1224を操作してゲームを楽しむ。尚、家庭用ゲーム装置1200に本発明を適用する場合には、上記した実施形態における処理の内、データの送受信による交換は実行しなくて良い。
【0147】
また、上記の実施形態では、戦闘機型のキャラクタを用いたフライトシミュレーションゲームを例に挙げたがこれに限るものではない。例えば、キャラクタは攻撃可能な装備をしたキャラクタであれば何れでもよく、自動車やオートバイ、戦車、船舶、宇宙船、ロボット、動物などその他の形態であっても良いのは勿論である。この際、捕捉時間を計時するための計時対象範囲として「攻撃兵器の射程範囲」という概念が適さない場合には、上記実施形態の射程範囲に換えて視界範囲などその他の範囲を設定するとしても良い。例えば、キャラクタが攻撃魔法を使用する魔法使いなどの場合がこれに該当する。そして、射程範囲に代えて視界範囲を設定する場合には、ゲーム画面と表示される範囲全域を視界範囲とすると画面内に表示される情報表示物(例えば、制限時間表示や得点表示など。)で見難くなるので、ゲーム画面で表示される範囲内の限定領域を視界範囲として設定すると良い。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】第1実施形態におけるゲーム装置の外観例を示す図。
【図2】第1実施形態におけるゲームの概要を説明するための概念図。
【図3】第1実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図4】ゲーム空間設定データのデータ構成例を示す図。
【図5】キャラクタデータのデータ構成例を示す図。
【図6】攻撃装備データのデータ構成例を示す図。
【図7】ポイント換算テーブルのデータ構成例を示す図。
【図8】キャラクタステータスデータのデータ構成例を示す図。
【図9】捕捉ゲージデータのデータ構成例を示す図。
【図10】第1実施形態における処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図11】第1実施形態における優勢ポイント算出処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図12】第1実施形態におけるゲーム進行管理処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図13】ゲーム画面の一例を示す画面図。
【図14】ゲーム装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【図15】第2実施形態におけるゲーム進行管理処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図16】第3実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図17】ミッション設定データのデータ構成例を示す図。
【図18】付与特典設定データのデータ構成例を示す図。
【図19】第3実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図20】第3実施形態におけるゲーム進行管理処理の流れの一例を説明するためのフローチャート。
【図21】ゲーム装置を家庭用ゲーム機に適用した場合の装置構成の一例を示す図。
【符号の説明】
【0149】
1 ゲーム空間
2 地表
4 ステージ空間
200 処理部
210 ゲーム演算部
213 優勢ポイント算出処理
219 ゲーム進行管理部
600 記憶部
602 ゲームプログラム
612 優勢ポイント換算テーブル
630 優勢ポイントデータ
1400 ゲーム装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間中を移動する複数のキャラクタが、予め射程範囲が設定されている攻撃兵器を用いて互いを攻撃して攻撃相手にダメージを与えて対戦する対戦ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記キャラクタ毎に、当該キャラクタの攻撃兵器の射程範囲に、他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段、
前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
仮想空間中を移動する複数のキャラクタが対戦する対戦ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記キャラクタ毎に、当該キャラクタに予め対応付けられている所定の計時対象範囲に他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段、
前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項3】
前記ゲーム進行制御手段が、前記計時された時間に基づいて、勝者とするキャラクタを判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム進行制御手段が、前記計時された時間に基づいて、前記対戦ゲームの終了を判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ゲーム進行制御手段が、前記計時された時間に基づいて、所定の特典付与処理による特典付与対象とするキャラクタを特定して、当該特典付与処理を実行するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項6】
攻撃を受けたダメージ量をキャラクタ毎に管理するダメージ量管理手段、
前記管理されているダメージ量が所定の許容量に達したキャラクタを敗者とする敗者判定手段、
前記対戦ゲームの経過時間を計時して所定の制限時間が経過したことを検出する制限時間経過検出手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記制限時間経過検出手段による検出がなされた際に、前記敗者判定手段により敗者とされていないキャラクタが2以上存在する場合に、当該2以上のキャラクタのうち、前記計時された時間に基づいて勝者を判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項3に記載のプログラム。
【請求項7】
前記計時された時間を所定のポイントに換算する換算手段、
前記換算されたポイントを前記キャラクタ毎に積算する積算手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記積算されたポイントに基づくことで、前記計時された時間に基づいて勝者判定を行うように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項3又は6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記捕捉時間計時手段が、捕捉開始から捕捉終了までの各捕捉毎に時間を計時し、
前記換算手段が、前記捕捉時間計時手段による捕捉毎の時間それぞれをポイントに換算する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記換算手段が、前記捕捉時間計時手段により計時された時間の長さに応じて、ポイントへの換算率を変更するように前記コンピュータを機能させるための請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記換算手段が、当該捕捉したキャラクタの攻撃兵器の種類に応じて、ポイントへの換算率を変更するように前記コンピュータを機能させるための請求項7又は8に記載のプログラム。
【請求項11】
前記積算手段が、当該捕捉したキャラクタのポイントに前記換算されたポイントを加算して積算するように前記コンピュータを機能させるための請求項7〜10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記積算手段が、当該捕捉されたキャラクタのポイントから前記換算されたポイントを減算して積算するように前記コンピュータを機能させるための請求項7〜11の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
時間の長さに応じて表示態様を変えて表示する所定の態様変化表示体の表示態様を、前記捕捉時間計時手段により計時された時間の長さに応じて変化させて表示制御する態様変化表示体表示制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜12の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記複数のキャラクタには、自プレーヤが操作する自キャラクタと、他プレーヤが操作する他キャラクタとが少なくとも含まれ、
前記コンピュータは、他キャラクタを操作する他機と通信する通信手段を備えており、
前記通信手段に前記他機との間で所定の通信を行わせて、前記対戦ゲームを進行させる通信制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜13の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項16】
仮想空間中を移動する複数のキャラクタが、予め射程範囲が設定されている攻撃兵器を用いて互いを攻撃して攻撃相手にダメージを与えて対戦する対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、
前記キャラクタ毎に、当該キャラクタの攻撃兵器の射程範囲に、他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段と、
前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段と、
を備えたゲーム装置。
【請求項17】
仮想空間中を移動する複数のキャラクタが対戦する対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、
前記キャラクタ毎に、当該キャラクタに予め対応付けられている所定の計時対象範囲に他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段と、
前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段と、
を備えたゲーム装置。
【請求項1】
仮想空間中を移動する複数のキャラクタが、予め射程範囲が設定されている攻撃兵器を用いて互いを攻撃して攻撃相手にダメージを与えて対戦する対戦ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記キャラクタ毎に、当該キャラクタの攻撃兵器の射程範囲に、他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段、
前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
仮想空間中を移動する複数のキャラクタが対戦する対戦ゲームをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記キャラクタ毎に、当該キャラクタに予め対応付けられている所定の計時対象範囲に他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段、
前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項3】
前記ゲーム進行制御手段が、前記計時された時間に基づいて、勝者とするキャラクタを判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム進行制御手段が、前記計時された時間に基づいて、前記対戦ゲームの終了を判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ゲーム進行制御手段が、前記計時された時間に基づいて、所定の特典付与処理による特典付与対象とするキャラクタを特定して、当該特典付与処理を実行するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項6】
攻撃を受けたダメージ量をキャラクタ毎に管理するダメージ量管理手段、
前記管理されているダメージ量が所定の許容量に達したキャラクタを敗者とする敗者判定手段、
前記対戦ゲームの経過時間を計時して所定の制限時間が経過したことを検出する制限時間経過検出手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記制限時間経過検出手段による検出がなされた際に、前記敗者判定手段により敗者とされていないキャラクタが2以上存在する場合に、当該2以上のキャラクタのうち、前記計時された時間に基づいて勝者を判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項3に記載のプログラム。
【請求項7】
前記計時された時間を所定のポイントに換算する換算手段、
前記換算されたポイントを前記キャラクタ毎に積算する積算手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記積算されたポイントに基づくことで、前記計時された時間に基づいて勝者判定を行うように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項3又は6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記捕捉時間計時手段が、捕捉開始から捕捉終了までの各捕捉毎に時間を計時し、
前記換算手段が、前記捕捉時間計時手段による捕捉毎の時間それぞれをポイントに換算する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記換算手段が、前記捕捉時間計時手段により計時された時間の長さに応じて、ポイントへの換算率を変更するように前記コンピュータを機能させるための請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記換算手段が、当該捕捉したキャラクタの攻撃兵器の種類に応じて、ポイントへの換算率を変更するように前記コンピュータを機能させるための請求項7又は8に記載のプログラム。
【請求項11】
前記積算手段が、当該捕捉したキャラクタのポイントに前記換算されたポイントを加算して積算するように前記コンピュータを機能させるための請求項7〜10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記積算手段が、当該捕捉されたキャラクタのポイントから前記換算されたポイントを減算して積算するように前記コンピュータを機能させるための請求項7〜11の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
時間の長さに応じて表示態様を変えて表示する所定の態様変化表示体の表示態様を、前記捕捉時間計時手段により計時された時間の長さに応じて変化させて表示制御する態様変化表示体表示制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜12の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記複数のキャラクタには、自プレーヤが操作する自キャラクタと、他プレーヤが操作する他キャラクタとが少なくとも含まれ、
前記コンピュータは、他キャラクタを操作する他機と通信する通信手段を備えており、
前記通信手段に前記他機との間で所定の通信を行わせて、前記対戦ゲームを進行させる通信制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜13の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項16】
仮想空間中を移動する複数のキャラクタが、予め射程範囲が設定されている攻撃兵器を用いて互いを攻撃して攻撃相手にダメージを与えて対戦する対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、
前記キャラクタ毎に、当該キャラクタの攻撃兵器の射程範囲に、他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段と、
前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段と、
を備えたゲーム装置。
【請求項17】
仮想空間中を移動する複数のキャラクタが対戦する対戦ゲームを実行するゲーム装置であって、
前記キャラクタ毎に、当該キャラクタに予め対応付けられている所定の計時対象範囲に他のキャラクタを捕捉した時間を計時する捕捉時間計時手段と、
前記計時された時間に基づいて、ゲーム進行を可変に制御するゲーム進行制御手段と、
を備えたゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2007−301094(P2007−301094A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131696(P2006−131696)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】
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