説明

プログラム自動更新システムおよび情報機器

【課題】空調監視制御装置が複数台通信接続されるような空調システムにおいて、自動バージョンアップ処理を行う場合に、ネットワークのトラフィックおよび空調監視制御装置の情報処理量を少なく抑えること。
【解決手段】プログラム自動更新システム1は、ネットワーク7と、第1情報機器3aおよび第2情報機器3b,3cを備える。第1情報機器の情報発信部は、起動時にプログラムの種別情報およびバージョン情報をネットワークに発信する。第2情報機器の情報要求信号発信部は、情報検出部において検出されたプログラムの種別情報が第2記憶部に記憶されているプログラムの種別情報と一致し且つ情報検出部において検出されたプログラムのバージョン情報が第2記憶部に記憶されているプログラムのバージョン情報よりも新しい場合にプログラム更新情報を要求する信号をネットワークに発信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムを自動で更新するシステムに関する。また、本発明は、そのシステムを構成する情報機器にも関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「ホスト装置とネットワークを介して接続された複数の印刷装置において、各印刷装置が、ネットワーク上にて自身と同じプログラムで動作している同一モデルのプリンタを検索し、その検索したプリンタのプログラムのバージョン情報を取得し、その取得したプログラムのバージョンと自身のプログラムのバージョンとの新旧を比較して、自身のプログラムのバージョンより新しいものであれば、その印刷装置からプログラムをダウンロードして自身のプログラムを更新する(書き換える)」という技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−215037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近年、図8に示されるように、空調監視制御装置103が複数台通信接続されるような空調システム101が実際に施工され運用されている。このような空調システム101において全ての空調監視制御装置103の空調監視制御プログラムをバージョンアップしたい場合、上記の技術を用いれば、1台の空調監視制御装置103の空調監視制御プログラムをサービスエンジニア等がバージョンアップ処理したときに、他の空調監視制御装置103の空調監視制御プログラムが自動的にバージョンアップされ、大変便利である。しかし、この技術では各空調監視制御装置103が他の空調監視制御装置103全てのバージョン情報を取得し、全てのバージョン情報について自身のバージョン情報との新旧を比較しなければならない。このため、この技術を用いると、必然的にネットワークのトラフィックおよび空調監視制御装置1台当たりの情報処理量が多くなってしまうという問題がある。
【0004】
本発明の課題は、空調監視制御装置のような情報機器が複数台通信接続されるような情報システムにおいて、上述したような自動バージョンアップ処理を行う場合に、ネットワークのトラフィックおよび情報機器1台当たりの情報処理量を少なく抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係るプログラム自動更新システムは、ネットワークと、第1情報機器および第2情報機器を備える。第1情報機器は、ネットワークに接続されている。なお、ここにいう「ネットワーク」は、有線のネットワークであってもよいし無線のネットワークであってもよい。そして、この第1情報機器は、第1記憶部、第1プログラム更新部、および情報発信部を有する。なお、ここにいう「情報機器」には、OA機器や設備機器の監視制御装置などが含まれる。また、ここにいう「設備機器」には、空調機などが含まれる。第1記憶部は、プログラムを記憶するためのものである。第1プログラム更新部は、プログラム更新情報に基づいてプログラムを更新する。なお、ここにいう「プログラム更新情報」とは、プログラムの一部または全部を書き換えてプログラムを更新するための情報である。また、このプログラム更新情報は、ネットワークに接続されるサーバ等のコンピュータや、第1情報機器に接続可能なリムーバブルディスクや外付け記憶装置などに保持されていてもよい。情報発信部は、起動時にプログラムの種別情報およびバージョン情報をネットワークに発信する。第2情報機器は、ネットワークに接続されている。そして、この第2情報機器は、第2記憶部、情報検出部、種別情報判定部、バージョン情報新旧判定部、情報要求信号発信部、第2プログラム更新部、および再起動実行部を有する。第2記憶部は、プログラムを記憶するためのものである。情報検出部は、ネットワークに発信されているプログラムの種別情報およびバージョン情報を検出する。種別情報判定部は、情報検出部において検出されたプログラムの種別情報が第2記憶部に記憶されているプログラムの種別情報と一致するか否か判定する。バージョン情報新旧判定部は、情報検出部において検出されたプログラムのバージョン情報が第2記憶部に記憶されているプログラムのバージョン情報よりも新しいか否かを判定する。情報要求信号発信部は、情報検出部において検出されたプログラムの種別情報が第2記憶部に記憶されているプログラムの種別情報と一致し且つ情報検出部において検出されたプログラムのバージョン情報が第2記憶部に記憶されているプログラムのバージョン情報よりも新しい場合にプログラム更新情報を要求する信号をネットワークに発信する。第2プログラム更新部は、プログラム更新情報に基づいて第2記憶部に記憶されているプログラムを更新する。再起動実行部は、第2プログラム更新部が第2記憶部に記憶されるプログラムを更新した後に再起動を実行する。
【0006】
このプログラム自動更新システムでは、サービスエンジニア等が第1情報機器にプログラム更新情報を読み込ませた後、第1プログラム更新部を用いて第1記憶部に記憶されるプログラムを更新し第1情報機器に対して再起動命令を施すと、その再起動時に情報発信部が更新後のプログラムの種別情報およびバージョン情報をネットワークに発信する。すると、第2情報機器において、情報検出部が、そのプログラムの種別情報およびバージョン情報を検出する。そして、種別情報判定部が、情報検出部において検出されたプログラムの種別情報が第2記憶部に記憶されているプログラムの種別情報と一致するか否か判定する。また、バージョン情報新旧判定部が、情報検出部において検出されたプログラムのバージョン情報が第2記憶部に記憶されているプログラムのバージョン情報よりも新しいか否かを判定する。そして、情報検出部において検出されたプログラムの種別情報が第2記憶部に記憶されているプログラムの種別情報と一致し且つ情報検出部において検出されたプログラムのバージョン情報が第2記憶部に記憶されているプログラムのバージョン情報よりも新しい場合に、情報要求信号発信部が、プログラム更新情報を要求する信号をネットワークに発信する。そして、第2情報機器がプログラム更新情報を取得すると、第2プログラム更新部が、プログラム更新情報に基づいて第2記憶部に記憶されているプログラムを更新する。そして、最後に、再起動実行部が、第2プログラム更新部が第2記憶部に記憶されるプログラムを更新した後に再起動を実行する。つまり、このプログラム自動更新システムでは、第1情報機器にインストールされているプログラムが更新されると、そのバージョン情報が第2情報機器に自動的にディストリビュート(配布)され、第2情報機器においてバージョン情報の比較処理が実行されることになる。したがって、このプログラム自動更新システムは、従来のプログラム自動更新システムに比較して、ネットワークのトラフィックおよび情報機器1台当たりの情報処理量を少なく抑えることができる。
【0007】
第2発明に係る情報機器は、ネットワーク接続部、第1記憶部、第1プログラム更新部、および情報発信部を備える。ネットワーク接続部は、ネットワークに接続するためのものである。第1記憶部は、プログラムを記憶するためのものである。第1プログラム更新部は、プログラム更新情報に基づいてプログラムを更新する。なお、ここにいう「プログラム更新情報」とは、プログラムの一部または全部を書き換えてプログラムを更新するための情報である。情報発信部は、起動時にプログラムの種別情報およびバージョン情報をネットワークに発信する。
【0008】
この情報機器を第1発明に係る第2情報機器と共に利用すれば、第1発明に係るプログラム自動更新システムを構築することができる。このため、この情報機器に加えて、第1発明に係る第2情報機器を利用することができれば、従来のプログラム自動更新システムに比較して、ネットワークのトラフィックおよび情報機器1台当たりの情報処理量を少なく抑えることができるプログラム自動更新システムを構築することができる。
【0009】
第3発明に係る情報機器は、ネットワーク接続部、第2記憶部、情報検出部、種別情報判定部、バージョン情報新旧判定部、情報要求信号発信部、第2プログラム更新部、および再起動実行部を備える。ネットワーク接続部は、ネットワークに接続するためのものである。第2記憶部は、プログラムを記憶するためのものである。情報検出部は、ネットワークに発信されているプログラムの種別情報およびバージョン情報を検出する。種別情報判定部は、情報検出部において検出されたプログラムの種別情報が第2記憶部に記憶されているプログラムの種別情報と一致するか否か判定する。バージョン情報新旧判定部は、情報検出部において検出されたプログラムのバージョン情報が第2記憶部に記憶されているプログラムのバージョン情報よりも新しいか否かを判定する。情報要求信号発信部は、情報検出部において検出されたプログラムの種別情報が第2記憶部に記憶されているプログラムの種別情報と一致し且つ情報検出部において検出されたプログラムのバージョン情報が第2記憶部に記憶されているプログラムのバージョン情報よりも新しい場合にプログラム更新情報を要求する信号をネットワークに発信する。第2プログラム更新部は、プログラム更新情報に基づいて第2記憶部に記憶されているプログラムを更新する。再起動実行部は、第2プログラム更新部が第2記憶部に記憶されるプログラムを更新した後に再起動を実行する。
【0010】
この情報機器を第1発明に係る第1情報機器と共に利用すれば、第1発明に係るプログラム自動更新システムを構築することができる。このため、この情報機器に加えて、第1発明に係る第1情報機器を利用することができれば、従来のプログラム自動更新システムに比較して、ネットワークのトラフィックおよび情報機器1台当たりの情報処理量を少なく抑えることができるプログラム自動更新システムを構築することができる。
【0011】
第4発明に係る情報機器は、ネットワーク接続部、記憶部、プログラム更新部、情報発信部、情報検出部、種別情報判定部、バージョン情報新旧判定部、情報要求信号発信部、および再起動実行部を備える。ネットワーク接続部は、ネットワークに接続するためのものである。記憶部は、プログラムを記憶するためのものである。プログラム更新部は、プログラム更新情報に基づいてプログラムを更新する。なお、ここにいう「プログラム更新情報」とは、プログラムの一部または全部を書き換えてプログラムを更新するための情報である。情報発信部は、起動時にプログラムの種別情報およびバージョン情報をネットワークに発信する。情報検出部は、ネットワークに発信されているプログラムの種別情報およびバージョン情報を検出する。種別情報判定部は、情報検出部において検出されたプログラムの種別情報が記憶部に記憶されているプログラムの種別情報と一致するか否か判定する。バージョン情報新旧判定部は、情報検出部において検出されたプログラムのバージョン情報が記憶部に記憶されているプログラムのバージョン情報よりも新しいか否かを判定する。情報要求信号発信部は、情報検出部において検出されたプログラムの種別情報が記憶部に記憶されているプログラムの種別情報と一致し且つ情報検出部において検出されたプログラムのバージョン情報が記憶部に記憶されているプログラムのバージョン情報よりも新しい場合にプログラム更新情報を要求する信号を発信する。再起動実行部は、プログラム更新部が記憶部に記憶されるプログラムを更新した後に再起動を実行する。
【0012】
この情報機器は、第1発明に係るプログラム自動更新システムを構成する第1情報機器および第2情報機器の両方の機能を備えている。したがって、この情報機器をネットワークに接続すれば、第1発明に係るプログラム自動更新システムと同等のプログラム自動更新システムを構築することができる。さらに、この情報機器から構築されるプログラム自動更新システムでは、サービスエンジニア等は、第1情報機器を探索する手間を省くことできる。つまり、このプログラム自動更新システムでは、いずれの情報機器でプログラム更新作業を行っても全ての情報機器のプログラム更新を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
第1発明に係るプログラム自動更新システムは、従来のプログラム自動更新システムに比較して、ネットワークのトラフィックおよび情報機器1台当たりの情報処理量を少なく抑えることができる。
第2発明に係る情報機器に加えて、第1発明に係る第2情報機器を利用することができれば、従来のプログラム自動更新システムに比較して、ネットワークのトラフィックおよび情報機器1台当たりの情報処理量を少なく抑えることができるプログラム自動更新システムを構築することができる。
【0014】
第3発明に係る情報機器に加えて、第1発明に係る第1情報機器を利用することができれば、従来のプログラム自動更新システムに比較して、ネットワークのトラフィックおよび情報機器1台当たりの情報処理量を少なく抑えることができるプログラム自動更新システムを構築することができる。
第4発明に係る情報機器をネットワークに接続すれば、第1発明に係るプログラム自動更新システムと同等のプログラム自動更新システムを構築することができる。さらに、この情報機器から構築されるプログラム自動更新システムでは、サービスエンジニア等は、第1情報機器を探索する手間を省くことできる。つまり、このプログラム自動更新システムでは、いずれの情報機器でプログラム更新作業を行っても全ての情報機器のプログラム更新を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を用いながら、本発明の実施の形態に係る空調システムについて説明する。
〔空調システム〕
図1には本発明の実施の形態に係る空調システム1の簡易構成図を示す。
この空調システム1は、図1に示されるように、主に、マルチ式空気調和装置2、空調コントローラ3a,3b,3c、および監視制御コンピュータ5から構成される。以下、空調システム1の構成要素であるマルチ式空気調和装置2、空調コントローラ3a,3b,3c、および監視制御コンピュータ5について詳述する。
【0016】
(1)マルチ式空気調和装置
マルチ式空調機2では、図1に示されるように、1台(複数台であってもよい)の室外機20に対して複数台の室内機21が冷媒配管22および専用ネットワーク線7を介して接続される。
そして、この室内機21は、室内熱交換器(図示せず)や、膨張弁(図示せず)、および室内ファン(図示せず)を備えている。この室内機21では、室外機20から室内熱交換器に流入する低温低圧の液冷媒あるいは高温高圧のガス冷媒と、室内ファンにより吸い込まれた室内空気などとの間で熱交換が行われ、熱交換後の室内空気などが室内ファンにより室内に供給される。このようにして、これらの室内機21は、居室を冷房したり暖房したりする。
【0017】
(2)空調コントローラ
本発明の実施の形態において、空調コントローラは異なる符号3a、3b、3cで表されているが、いずれの空調コントローラ3a,3b,3cも同じ構成および同じ機能を備えている。
空調コントローラ3a,3b,3cは、マルチ式空気調和装置2の集中管理機器であって、図2に示されるように、主に、第1中央処理部31、第1RAM(Random Access Memory)32、第1EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)34、第1I/O制御部33、第1通信インターフェイス37、リムーバブルディスク用インターフェイス41、第1ディスプレイインターフェイス48、第1入力インターフェイス49、第1コネクタ38a、第2コネクタ38b、リムーバブルディスクスロット42、第1ディスプレイ46、および第1入力部47から構成されている。なお、ここで、第1中央処理部31、第1RAM32、第1EEPROM34、および第1I/O制御部33は、例えば、マイクロコンピュータであって、相互に第1バス線36によって接続されており、1つの集積回路を構成している。第1通信インターフェイス37、リムーバブルディスク用インターフェイス41、第1ディスプレイインターフェイス48、および第1入力インターフェイス49は、例えば、プリント回路基板等であって、第2バス線39a,39b,39c,39dを介して第1I/O制御部33に接続されている。第1コネクタ38aおよび第2コネクタ38bは、第1通信線40a,40bを介して第1通信インターフェイス37に接続されている。リムーバブルディスクスロット42は、第2通信線44を介してリムーバブルディスク用インターフェイス41に接続されている。第1ディスプレイ46は、第3通信線40cを介して第1ディスプレイインターフェイス48に接続されている。第1入力部47は、第4通信線40dを介して第1入力インターフェイス49に接続されている。
【0018】
第1中央処理部31は、主に、第1制御部31Aおよび第1演算部31Bを有する。第1制御部31Aは、図3に示されるように、第1EEPROM34に記憶されている空調管理プログラムや自動一括更新プログラム(全ての空調コントローラ3a,3b,3cにインストールされている空調管理プログラムを自動的に一括して更新するためのプログラム)等を読み込み(Fd6参照)、読み込んだ空調管理プログラムや自動一括更新プログラム等に従って第1演算部31B、第1RAM32、第1EEPROM34、または第1I/O制御部33に動作を指示する(Fc1〜Fc4参照)。第1演算部31Bは、図3に示されるように、第1制御部31Aの指示に従って第1制御部31A、第1RAM32、第1EEPROM34、またはリムーバブルディスク45から必要なデータを取得して(Fd1、Fd4、およびFd7参照)演算処理(例えば、算術演算処理や論理演算処理等)を行う。また、この第1演算部31Bは、第1制御部31Aの指示に従って、演算処理の処理結果データを第1制御部31Aに供給することができる(Fd2参照)。また、この第1演算部31Bは、第1制御部31Aの指示に従って、演算処理の処理結果データを第1RAM32や、第1EEPROM34、リムーバブルディスク45に書き込むことができる(Fd3参照)。
【0019】
第1RAM32は、図3に示されるように、第1制御部31Aの指示に従って、各種データを第1制御部31Aに供給することができる(Fd5参照)。また、この第1RAM32は、各種データを第1I/O制御部33から取得して(Fd9参照)一時記憶したり、第1演算部31Bから送信されるデータ(Fd3参照)を一時記憶したりする。また、この第1RAM32は、第1制御部31Aの指示に応じて一時記憶しているデータを第1I/O制御部33に送信する(Fd8参照)。
【0020】
第1EEPROM34は、電気的に書き換え可能なROMであり、空調管理プログラムや自動一括更新プログラム等のプログラムや各種データを格納している。そして、この第1EEPROM34は、図3に示されるように、第1制御部31Aの指示に従って、それらを第1制御部31Aに供給する(Fd6参照)。また、この第1EEPROM34は、第1制御部31Aの指示に従って、各種データを第1演算部31Bに供給することができる(Fd7参照)。
【0021】
第1I/O制御部33は、マルチ式空調機2から送信されてくるデータや、後述する監視制御コンピュータ5から送信されるデータ、リムーバブルディスク45から送信されるデータ、第1入力部49により入力されるデータ等を第1RAM32へ入力したり(Fd9参照)、第1RAM32に記憶されている各種データや制御信号などをマルチ式空調機2や、監視制御コンピュータ5、リムーバブルディスク45、第1ディスプレイ46に送信したりする。
【0022】
第1通信インターフェイス37は、第1通信線40a,40bを介して第1コネクタ38aおよび第2コネクタ38bに接続されており、マルチ式空調機2から送信されてくるデータや、監視制御コンピュータ5から送信されるデータ等を受信すると同時にそれらのデータを第1中央処理部31が処理可能な形式に変換したり、第1I/O制御部33からマルチ式空調機2や監視制御コンピュータ5に出力されるデータおよび制御信号などを、マルチ式空調機2や監視制御コンピュータ5が処理可能な形式に変換したりする。
【0023】
第1コネクタ38aには、図2に示されるように、専用ネットワーク線7を介して室外機20が接続される。
第2コネクタ38bには、図2に示されるように、専用ネットワーク線7を介して監視制御コンピュータ5が接続される。
リムーバブルディスク用インターフェイス41は、第2通信線44を介してリムーバブルディスクスロット42に接続されており、リムーバブルディスク45から送信されてくるデータ等を第1中央処理部31が処理可能な形式に変換したり、第1I/O制御部33からリムーバブルディスク45に出力されるデータおよび制御信号などを、リムーバブルディスクスロット42が処理可能な形式に変換したりする。
【0024】
リムーバブルディスクスロット42は、リムーバブルディスク45を収容可能な空間であって、リムーバブルディスク45を収容した時にリムーバブルディスク45と電気的に接続状態となる接点を有する。なお、本実施の形態では、図2に示されるリムーバブルディスク45には新バージョンの空調管理プログラムが保存されている。なお、ここで、リムーバブルディスク45とは、例えば、フロッピーディスク(登録商標)、SDカード(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)、あるいはスマートメディア(登録商標)等の取り外し可能な記憶媒体である。
【0025】
第1ディスプレイインターフェイス48は、第3通信線40cを介して第1ディスプレイ46に接続されており、第1I/O制御部33から第1ディスプレイ46に出力されるデータや制御信号などを第1ディスプレイ46が処理可能な形式に変換する。
第1ディスプレイ46は、第1I/O制御部33から送られてくるデータを画面表示する。
【0026】
第1入力インターフェイス49は、第4通信線40dを介して第1入力部47に接続されており、第1入力部47から入力されるデータを第1中央処理部31が処理可能な形式に変換する。
第1入力部47は、例えば、キーボード等であり、サービスエンジニア等のデータ入力の際に利用される。
【0027】
(3)監視制御コンピュータ
監視制御コンピュータ5は、図4に示されるように、主に、本体50、第2入力装置64、および第2ディスプレイ65から構成されている。
本体50は、図4に示されるように、主に、第2中央処理部51、第2メインメモリ53、第2ハードディスク54、第2接続部52、第2IDEインターフェイス55、第2入力インターフェイス56、第2ディスプレイインターフェイス57、第2通信インターフェイス58、および第3コネクタ59から構成されている。そして、この本体50では、第2中央処理部51が第4バス線60を介して、第2メインメモリ53が第5バス線61を介して、各種インターフェイス55〜58が第6バス線62を介して第2接続部52に接続されている。
【0028】
ここで、第2中央処理部51は、例えば、マイクロプロセッサと呼ばれる半導体チップ等であって、主に、第2制御部51Aおよび第2演算部51Bから構成される(他に1次キャッシュメモリや2次キャッシュメモリ等を含んでいてもよい)。
第2メインメモリ53は、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)等の半導体チップである。第2接続部52は、チップセット等の半導体チップである。
【0029】
第2ハードディスク54には、図5に示されるように、オペレーティングシステム54a、デバイスドライバ54b、および空調管理アプリケーション54c等のプログラム等が格納されている。なお、この第2ハードディスク54は、外付けタイプであってもかまわない。オペレーティングシステム54aは、例えば、WINDOWS(登録商標)、MAC OS(登録商標)、OS/2、UNIX(登録商標)(例えば、Linux(登録商標)等)、あるいはBeOS(登録商標)等であって、各部52〜54、各種インターフェイス55〜58、各装置64,65等のハードウェア管理や、ユーザインターフェイスの提供、各種データの管理、アプリケーションの共通部分の処理等を行う。デバイスドライバ54bは、第2ハードディスク54、第2接続部52、および各装置64,65それぞれに対して用意されている専用プログラムであって、オペレーティングシステム54aが第2ハードディスク54、第2接続部52、および各装置64,65を制御するための橋渡しを行う。空調管理アプリケーション54cは、空調コントローラ3a,3b,3cから各種データを取得して第2ディスプレイ65上に表示したり、第2入力装置64により入力されたデータを空調コントローラ3a,3b,3cに送信したりするためのプログラムである。
【0030】
第2IDE(Integrated Drive Electronics)インターフェイス55は、第2ハードディスク54を第2接続部52に接続する。第2入力インターフェイス56は、例えば、PS/2、USB、IEEE1284、RS232、あるいはIrDA(Infrared Data Association)等のインターフェイスであって、第2メインメモリ53にデータを入力するためのキーボード、マウス、スキャナ、あるいはOCR(Optical Character Reader)等といった第2入力装置64を接続する。
【0031】
第2ディスプレイインターフェイス57は、例えば、AGP(Accelerated Graphics Port)、PCI(Peripheral Component Interconnect)、あるいはRS232等のインターフェイスであって、第2メインメモリ53から送信されてきたデータを文字や画像として表示するためのCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、あるいはプラズマディスプレイ等といった第2ディスプレイ65を接続する。
【0032】
第2通信インターフェイス58は、第5通信線63を介して第3コネクタ59に接続されており、空調コントローラ3a,3b,3cから送信されるデータ等を受信すると同時にそれらのデータを第2中央処理部51が処理可能な形式に変換したり、空調コントローラ3a,3b,3cに出力されるデータおよび制御信号などを、空調コントローラ3a,3b,3cが処理可能な形式に変換したりする。
【0033】
第3コネクタ59には、図4に示されるように、専用ネットワーク線7やルータ(図示せず)等を介して空調コントローラ3a,3b,3cが接続される。
次に、図6を用いて監視制御コンピュータ5の動作について説明する。
第2制御部51Aは、図6に示されるように、第2メインメモリ53に一時記憶されるプログラムを読み込み(Fd6参照)、読み込んだプログラムに従って各部52〜54および各装置64,65に動作を指示する(Fc1〜Fc6参照)。第2演算部51Bは、第2制御部51Aの命令に従って第2メインメモリ53から必要なデータを取得して(Fd2参照)演算処理(例えば、算術演算処理や論理演算処理等)を行う。第2メインメモリ53は、プログラムやデータ等を第2ハードディスク54から取得して(Fd4参照)一時記憶したり、第2入力装置64において入力されたデータを一時記憶したり(Fd1参照)、第2演算部51Bや第2通信インターフェイス58等から送信されるデータ等(Fd3およびFd9参照)を一時記憶したりする。また、この第2メインメモリ53は、第2制御部51Aの命令に応じて一時記憶しているデータ等を各部52〜54および各装置64,65に送信する(Fd2、Fd5、Fd7、およびFd8参照)。第2ハードディスク54は、第2制御部51Aの命令に応じて第2メインメモリ53にプログラムやデータ等を供給したり(Fd4参照)第2メインメモリ53から送信されるデータ等を格納したりする(Fd5参照)。
【0034】
〔空調コントローラの自動一括更新機能〕
ここでは、図7に示されるフローチャートを用いて空調コントローラ3a,3b,3cの自動一括更新機能について説明する。
本実施の形態では、専用ネットワーク線7によって通信接続されている全ての空調コントローラ3a,3b,3cの空調管理プログラムをバージョンアップするためには、サービスエンジニア等が、新バージョンの空調管理プログラムを格納したリムーバブルディスク45を携帯していずれか1台の空調コントローラ3a,3b,3cに赴く必要がある。以下、サービスエンジニア等は、符号3aの空調コントローラに赴くものとして説明する。
【0035】
サービスエンジニア等が、空調コントローラ3aに到着すると、第1ディスプレイ46を見ながら第1入力部47を操作して自動一括更新プログラムを起動させる。空調コントローラ3a,3b,3cにおいて自動一括更新プログラムが起動されると、第1ディスプレイ46上に、リムーバブルディスク45をリムーバブルディスクスロット42に挿入するように促すメッセージボックス(図示せず)が表示される。ここで、サービスエンジニア等が、携帯しているリムーバブルディスク45をリムーバブルディスクスロット42に挿入して、第1入力部47の所定のキーを押すと、第1中央処理部31が、自動一括更新プログラムに従って、リムーバブルディスク45から必要なデータを取得し、空調コントローラ3aの第1EEPROM34に格納されている旧バージョンの空調管理プログラムを更新して、新バージョンの空調管理プログラムとする。なお、ここで、リムーバブルディスク45は、サービスエンジニア等が空調コントローラ3a,3b,3cに到着したときに挿入されていてもかまわない。そして、このプログラム更新処理が終了すると、第1ディスプレイ46上に空調コントローラ3aの再起動を促すメッセージボックス(図示せず)が表示される。サービスエンジニア等が、このメッセージに従って、空調コントローラ3aを再起動すると、図7に示されるフローチャートに従って自動一括更新処理が行われる。なお、本実施の形態において、サービスエンジア等による上記のバージョンアップ処理を、以下、「手動バージョンアップ」と称する。
【0036】
図7において、ステップS1では、空調コントローラ3aにおいて、第1I/O制御部33が、第1制御部31Aの指示に従って、空調コントローラ3aの第1EEPROM34から空調管理プログラムの種別情報およびバージョン情報を取得して、自身のネットワークアドレスとともに他の空調コントローラ3b,3cに送信する(専用ネットワーク線にブロードキャストする)。
【0037】
ステップS2では、他の空調コントローラ3b,3cにおいて、第1I/O制御部33が、空調コントローラ3aから送信されてきた(専用ネットワークにブロードキャストされた)空調管理プログラムの種別情報およびバージョン情報を取得して、第1RAM32に書き込む。
ステップS3では、他の空調コントローラ3b,3cにおいて、第1演算部31Bが、第1制御部31Aの指示に従って、第1RAM32から、空調コントローラ3aにインストールされている空調管理プログラムの種別情報およびバージョン情報を取得するとともに、自身の第1EEPROM34から空調管理プログラムの種別情報およびバージョン情報を取得する。
【0038】
ステップS4では、他の空調コントローラ3b,3cにおいて、第1演算部31Bが、第1制御部31Aの指示に従って、空調コントローラ3aから送信されてきた空調管理プログラムの種別情報と、自身の空調管理プログラムの種別情報とが一致するか否かを判定する。ステップS4における第1演算部31Bの判定の結果、空調コントローラ3aから送信されてきた空調管理プログラムの種別情報と、自身の空調管理プログラムの種別情報とが一致する場合、処理はステップS5に移る。ステップS4における第1演算部31Bの判定の結果、空調コントローラ3aから送信されてきた空調管理プログラムの種別情報と、自身の空調管理プログラムの種別情報とが一致しない場合、処理は終了する。
【0039】
ステップS5では、他の空調コントローラ3b,3cにおいて、第1演算部31Bが、第1制御部31Aの指示に従って、空調コントローラ3aから送信されてきた空調管理プログラムのバージョン情報が、自身の空調管理プログラムのバージョン情報よりも新しいか否かを判定する。ステップS5における第1演算部31Bの判定の結果、空調コントローラ3aから送信されてきた空調管理プログラムのバージョン情報が、自身の空調管理プログラムのバージョン情報よりも新しい場合、処理はステップS6に移る。ステップS5における第1演算部31Bの判定の結果、空調コントローラ3aから送信されてきた空調管理プログラムのバージョン情報が、自身の空調管理プログラムのバージョン情報と一致するか、自身の空調管理プログラムのバージョン情報よりも古い場合、処理は終了する。
【0040】
ステップS6では、他の空調コントローラ3b,3cにおいて、第1I/O制御部33が、第1制御部31Aの指示に従って、自身の空調プログラムを更新するために必要なデータを要求するための信号である更新データ要求信号を自身のネットワークアドレスとともに空調コントローラ3aに送信する(ステップS1で送信されたネットワークアドレスを利用)。
【0041】
ステップS7では、空調コントローラ3aにおいて、第1I/O制御部33が、第1制御部31Aの指示に従って、リムーバブルディスク45から新バージョンの空調管理プログラムを取得して、更新データ要求信号の発信元に送信する(ステップS6で送信されたネットワークアドレスを利用)。
ステップS8では、更新データ要求信号の発信元の空調コントローラ3b,3cにおいて、第1I/O制御部33が、空調コントローラ3aから送信されてきた新バージョンの空調管理プログラムを取得して、第1RAM32に書き込む。
【0042】
ステップS9では、更新データ要求信号の発信元の空調コントローラ3b,3cにおいて、第1中央処理部31が、第1RAM32から必要なデータを取得し、空調コントローラ3b,3cの第1EEPROM34に格納されている旧バージョンの空調管理プログラムを更新して、新バージョンの空調管理プログラムとする。
ステップS10では、更新データ要求信号の発信元の空調コントローラ3b,3cにおいて、第1制御部31Aが、空調コントローラ3b,3cをリブートする。
【0043】
なお、本実施の形態において、図7に示されているフローチャートに従って行われる上記のバージョンアップ処理を、以下、「自動バージョンアップ」と称する。
〔空調システムの特徴〕
(1)
本実施の形態に係る空調システム1では、サービスエンジニア等が空調コントローラ3aに新バージョンの空調管理プログラムを読み込ませた後、第1制御部31Aにより第1EEPROM34に記憶される空調管理プログラムを更新し空調コントローラ3aに対して再起動命令を施すと、その再起動時に第1I/O制御部33が更新後の空調管理プログラムの種別情報およびバージョン情報を他の空調コントローラ3b,3cに送信する。すると、他の空調コントローラ3b,3cにおいて、第1I/O制御部33が、その空調管理プログラムの種別情報およびバージョン情報を取得する。そして、第1演算部31Bが、第1I/O制御部33により取得された空調管理プログラムの種別情報が第1EEPROM34に記憶されている空調管理プログラムの種別情報と一致するか否か判定する。また、第1演算部31Bが、第1I/O制御部33により取得された空調管理プログラムのバージョン情報が第1EEPROM34に記憶されている空調管理プログラムのバージョン情報よりも新しいか否かを判定する。そして、第1I/O制御部33により取得された空調管理プログラムの種別情報が第1EEPROM34に記憶されている空調管理プログラムの種別情報と一致し且つ第1I/O制御部33により取得された空調管理プログラムのバージョン情報が第1EEPROM34に記憶されている空調管理プログラムのバージョン情報よりも新しい場合に、第1I/O制御部33が、更新データ要求信号を空調コントローラ3aに送信する。そして、空調コントローラ3b,3cが新バージョンの空調管理プログラムを取得すると、第1制御部31Aが、第1EEPROM34に記憶されている空調管理プログラムを更新して新バージョンにする。そして、最後に、第1制御部31Aが、再起動を実行する。つまり、この空調システム1では、空調コントローラ3aにインストールされている空調管理プログラムが更新されると、そのバージョン情報が他の空調コントローラ3b,3cに自動的にディストリビュート(配布)され、他の空調コントローラ3b,3cにおいてバージョン情報の比較処理が実行されることになる。したがって、この空調システム1では、空調コントローラ3a,3b,3cにインストールされる空調管理プログラムを更新するに際して、従来の空調システム1よりも、専用ネットワーク線7のトラフィックおよび空調コントローラ1台当たりの情報処理量を少なく抑えることができる。
【0044】
(2)
本実施の形態に係る空調システム1を構成する空調コントローラ3a,3b,3cは、いずれも同一の仕様である。このため、サービスエンジニア等は、空調管理プログラムをバージョンアップする際、任意の空調コントローラ3a,3b,3cを最初のバージョンアップの対象として選択することができる。また、手動バージョンアップ専用機および自動バージョンアップ専用機を別々に製造する必要がないので、空調コントローラ3a,3b,3cの製造コスト増を抑制することができる。
【0045】
〔変形例〕
(A)
先の実施の形態に係る空調システム1では、空調コントローラ3a,3b,3cが専用ネットワーク線7で通信接続されていたが、オープンネットワークにより空調コントローラ3a,3b,3cを通信接続するようにしてもよい。
【0046】
(B)
先の実施の形態に係る空調システム1では、全ての空調コントローラ3a,3b,3cが同一仕様であり、サービスエンジニア等は、空調管理プログラムをバージョンアップする際、任意の空調コントローラ3a,3b,3cを最初の手動バージョンアップの対象として選択することができた。しかし、手動バージョンアップ(最初の1台目のバージョンアップ)専用機と自動バージョンアップ専用機とを分けて設けてもかまわない。具体的には、自動一括更新プログラムを手動バージョンアップルーチンおよび情報発信ルーチン(図7のステップS1およびステップS7のルーチン)と自動バージョンアップルーチン(図7のフローチャートに示すステップのうちステップS2〜ステップS6およびステップS8〜ステップS10のルーチン)とに分け、手動バージョンアップルーチンおよび情報発信ルーチンを手動バージョンアップ専用機にインストールし、自動バージョンアップルーチンを自動バージョンアップ専用機にインストールすればよい。ここで、手動バージョンアップ専用機は1台用意すれば十分であるが、複数台用意しておいてもかまわない。
【0047】
(C)
先の実施の形態に係る空調システム1では、ステップS6において、第1I/O制御部33が、第1制御部31Aの指示に従って、更新データ要求信号を自身のネットワークアドレスとともに空調コントローラ3aに送信した。しかし、ここで、監視制御コンピュータ5等の情報処理装置の記憶媒体(例えば、第2ハードディスク54等)に予め新バージョンの空調管理プログラムを置いておき、第1I/O制御部33が、更新データ要求信号を自身のネットワークアドレスとともに監視制御コンピュータ5等の情報処理装置に送信するようにしてもかまわない。なお、かかる場合、当然ながら、ステップS7では、監視制御コンピュータ5等の情報処理装置が他の空調コントローラ3b,3cに新バージョンの空調管理プログラムを提供することになる。
【0048】
(D)
先の実施の形態に係る空調システム1では、手動バージョンアップ時に、新バージョンの空調管理プログラムが記憶されたリムーバルディスク45を必要としたが、これに代えて、新バージョンの空調管理プログラムを監視制御コンピュータ5等の情報処理装置の記憶媒体(例えば、第2ハードディスク54等)に予め置いておき、サービスエンジニア等が、いずれかの空調コントローラ3a,3b,3cから手動でその情報処理装置にアクセスし、その新バージョンの空調管理プログラムをその空調コントローラ3a,3b,3cにダウンロードするようにしてもよい。
【0049】
(E)
先の実施の形態に係る空調システム1では、最初の1台目の空調コントローラ3a,3b,3cは、サービスエンジニア等により手動でバージョンアップされたが、これに代えて、例えば、最初の1台目の空調コントローラ3a,3b,3cがネットワーク経由などで自動的にバージョンアップされるようにしてもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係るプログラム自動更新システムは、従来のプログラム自動更新システムに比較して、ネットワークのトラフィックおよび情報機器1台当たりの情報処理量を少なく抑えることができるという特徴を有し、同一のプログラムがインストールされる情報処理機器が複数存在する情報処理システムに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態に係る空調システムを表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る空調システムを構成する空調コントローラの内部構造を表すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る空調システムを構成する空調コントローラにおけるデータおよび制御信号の流れを表すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る空調システムを構成する監視制御コンピュータの内部構造を表すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る空調システムを構成する監視制御コンピュータの第2ハードディスクのイメージ図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る空調システムを構成する監視制御コンピュータにおけるデータおよび制御信号の流れを表すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る空調システムにおいて実行される自動一括更新処理の流れを表すフローチャートである。
【図8】従来の空調システムを表すブロック図である。
【符号の説明】
【0052】
1 空調システム(プログラム自動更新システム)
3a,3b,3c 空調コントローラ(第1情報機器、第2情報機器、情報機器)
7 専用ネットワーク線(ネットワーク)
31A 第1制御部(第1プログラム更新部、第2プログラム更新部、プログラム更新部、再起動実行部)
31B 第1演算部(種別情報判定部、バージョン情報新旧判定部)
33 第1I/O制御部(情報発信部、情報検出部、情報要求信号発信部)
34 第1EEPROM(第1記憶部、第2記憶部、記憶部)
38b 第2コネクタ(ネットワーク接続部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク(7)と、
前記ネットワークに接続され、プログラムを記憶するための第1記憶部(34)と、前記プログラムの一部または全部を書き換えて前記プログラムを更新するための情報であるプログラム更新情報に基づいて前記プログラムを更新する第1プログラム更新部(31A)と、起動時に前記プログラムの種別情報およびバージョン情報を前記ネットワークに発信する情報発信部(33)とを有する第1情報機器(3a)と、
前記ネットワークに接続され、前記プログラムを記憶するための第2記憶部(34)と、前記ネットワークに発信されている前記プログラムの前記種別情報および前記バージョン情報を検出する情報検出部(33)と、前記情報検出部において検出された前記プログラムの前記種別情報が前記第2記憶部に記憶されている前記プログラムの前記種別情報と一致するか否か判定する種別情報判定部(31B)と、前記情報検出部において検出された前記プログラムの前記バージョン情報が前記第2記憶部に記憶されている前記プログラムの前記バージョン情報よりも新しいか否かを判定するバージョン情報新旧判定部(31B)と、前記情報検出部において検出された前記プログラムの前記種別情報が前記第2記憶部に記憶されている前記プログラムの前記種別情報と一致し且つ前記情報検出部において検出された前記プログラムの前記バージョン情報が前記第2記憶部に記憶されている前記プログラムの前記バージョン情報よりも新しい場合に前記プログラム更新情報を要求する信号を前記ネットワークに発信する情報要求信号発信部(33)と、前記プログラム更新情報に基づいて前記第2記憶部に記憶されている前記プログラムを更新する第2プログラム更新部(31A)と、前記第2プログラム更新部が前記第2記憶部に記憶される前記プログラムを更新した後に再起動を実行する再起動実行部(31A)とを有する第2情報機器(3b,3c)と、
を備える、プログラム自動更新システム(1)。
【請求項2】
ネットワークに接続するためのネットワーク接続部(38b)と、
プログラムを記憶するための第1記憶部(34)と、
前記プログラムの一部または全部を書き換えて前記プログラムを更新するための情報であるプログラム更新情報に基づいて前記プログラムを更新する第1プログラム更新部(31A)と、
起動時に前記プログラムの種別情報およびバージョン情報を前記ネットワークに発信する情報発信部(33)と、
を備える、情報機器(3a,3b,3c)。
【請求項3】
ネットワークに接続するためのネットワーク接続部(38b)と、
プログラムを記憶するための第2記憶部(34)と、
前記ネットワークに発信されているプログラムの前記種別情報および前記バージョン情報を検出する情報検出部(33)と、
前記情報検出部において検出された前記プログラムの前記種別情報が前記第2記憶部に記憶されている前記プログラムの前記種別情報と一致するか否か判定する種別情報判定部(31B)と、
前記情報検出部において検出された前記プログラムの前記バージョン情報が前記第2記憶部に記憶されている前記プログラムの前記バージョン情報よりも新しいか否かを判定するバージョン情報新旧判定部(31B)と、
前記情報検出部において検出された前記プログラムの前記種別情報が前記第2記憶部に記憶されている前記プログラムの前記種別情報と一致し且つ前記情報検出部において検出された前記プログラムの前記バージョン情報が前記第2記憶部に記憶されている前記プログラムの前記バージョン情報よりも新しい場合に前記プログラム更新情報を要求する信号を前記ネットワークに発信する情報要求信号発信部(33)と、
前記プログラム更新情報に基づいて前記第2記憶部に記憶されている前記プログラムを更新する第2プログラム更新部(31A)と、
前記第2プログラム更新部が前記第2記憶部に記憶される前記プログラムを更新した後に再起動を実行する再起動実行部(31A)と、
を備える、情報機器(3a,3b,3c)。
【請求項4】
ネットワークに接続するためのネットワーク接続部(38b)と、
前記プログラムを記憶するための記憶部(34)と、
プログラムの一部または全部を書き換えて前記プログラムを更新するための情報であるプログラム更新情報に基づいて前記プログラムを更新するプログラム更新部(31A)と、
起動時に前記プログラムの種別情報およびバージョン情報を前記ネットワークに発信する情報発信部(33)と、
前記ネットワークに発信されている前記プログラムの前記種別情報および前記バージョン情報を検出する情報検出部(33)と、
前記情報検出部において検出された前記プログラムの前記種別情報が前記記憶部に記憶されている前記プログラムの前記種別情報と一致するか否か判定する種別情報判定部(31B)と、
前記情報検出部において検出された前記プログラムの前記バージョン情報が前記記憶部に記憶されている前記プログラムの前記バージョン情報よりも新しいか否かを判定するバージョン情報新旧判定部(31B)と、
前記情報検出部において検出された前記プログラムの前記種別情報が前記記憶部に記憶されている前記プログラムの前記種別情報と一致し且つ前記情報検出部において検出された前記プログラムの前記バージョン情報が前記記憶部に記憶されている前記プログラムの前記バージョン情報よりも新しい場合に前記プログラム更新情報を要求する信号を発信する情報要求信号発信部(33)と、
前記プログラム更新部が前記記憶部に記憶される前記プログラムを更新した後に再起動を実行する再起動実行部(31A)と、
を備える、情報機器(3a,3b,3c)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−79764(P2007−79764A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264901(P2005−264901)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】