説明

プロゲステロン受容体アンタゴニスト避妊レジメン及びキット

プロゲスチン、エストロゲン又は他のステロイド化合物の不在下での1又はそれ以上のPRアンタゴニストの連続21から27日間の送達、続いて作用薬なしの1から7日間を含む、避妊の方法を提供する。また、このレジメンの送達を容易にするための医薬上有用なキットについても述べる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
避妊薬としてのプロゲステロン受容体(PR)アンタゴニスト(RU−486又はミフェプリストン)の使用は1985年に初めて報告され、避妊薬としての他のPRアンタゴニストに関する研究はごくわずかしか報告されていない。過去19年間にわたり、学術グループ及び非営利機関(例えば世界保健機構(WHO)及び国立衛生研究所(NIH))によって研究が為されてきた。より低用量のミフェプリストンが使用される傾向にあった。多くの異なるレジメンが試みられたが、ミフェプリストンの連続投与が排卵を阻害するために最も信頼し得るものであった。
【0003】
ミフェプリストンの連続投与の効果は排卵率によって評価されてきた。低用量のミフェプリストン(2−10mg)の連続投与は、2つの試験:Spitz IM, et al, Fert & Steril. 59 (5):971-975, (May 1993) and Ledger et al, Hu Reprod, 7(7):945-950 (August 1992) において各投与群当り約5名という少数の被験者に関して1治療周期にわたって排卵を妨げることが示された。1mgの連続投与は、1つの試験では(Batista et al, Am J Obstet. Gynecol. 167(10): 60-65 (July 1992))11名の被験者の排卵を妨げると思われたが、別の試験 では(Croxatto et al, Hum Reprod., 8(1 ):201-207 (February 1993))5名の被験者に関して排卵を妨げなかった。ミフェプリストンを1周期より長く連続的に投与した最初の試験では(Croxatto et al, Hum Reprod, 13(4):793-798 (April 1998))、21名の女性のうち14名が、毎日1mgのミフェプリストンによる3ヶ月間の治療の間に少なくとも1回排卵があった。
【0004】
排卵を阻害するためにミフェプリストンを連続的に投与した2番目の試験は、2つの臨床施設で2及び5mgのミフェプリストンに関して実施された (Brown et al, J. Clin. Endocrinol. Metab. 87(1): 63-70 (January 2002))。エジンバラの施設では、4ヶ月間にわたる治療で、2及び5mgでそれぞれ周期の9.6%及び5.2%で排卵が起こった。上海の臨床施設では、2及び5mgでそれぞれ周期の2.5%及び1.2%で排卵が起こった。これらの低い排卵率は、プロゲスチン及びエストロゲンを含有するいくつかの低用量標準経口避妊薬(OC)に関して認められるものに比肩し得る。これらの標準OCは21日周期中投与され、その後7日間はプラセボが投与されるので、低い排卵率を有するPRアンタゴニストも、同様のレジメンで投与することができ、良好な避妊効果を提供することが期待される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1周期以上投与するとき、ミフェプリストンの連続レジメンは無月経の発生率を上昇させる。上記で引用したBrown et al(2002)は、2及び5mgのミフェプリストンで4ヶ月間治療した被験者において、無月経の発生率は、エジンバラの施設でそれぞれ65%及び88%、上海の施設では両方の用量で90%であった。全ての被験者が、4ヶ月間の治療停止後3週間以内に月経出血を報告した。無月経のこの高い割合は、毎月月経出血があることを望む多くの女性にとって受け入れられない。
【0006】
求められているのは、無月経を回避する避妊の方法である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、本発明は、連続21から27日間、唯一の作用薬としてPRアンタゴニストを送達し、続く1から7日間、作用薬の有効量が送達されないことを含む避妊レジメンを提供する。これらの1から7日間は、プラセボを投与し得る。一般に、第1期の完了後2−3日以内に(PRアンタゴニストが送達されない期間内に)、月経が起こる。
【0008】
さらなる態様では、本発明は、本発明のレジメン及び化合物を投与するための医薬上有用なキットを提供する。
【0009】
本発明の他の態様及び利点は、以下の本発明の詳細な説明から容易に明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
1つの態様では、本発明は妊娠可能年齢の雌性における避妊の方法を提供する。この方法は、無月経を避けることを望む雌性のために特に有用である。この方法では、排卵を妨げるためにPRアンタゴニスト又はPRアンタゴニストの組合せを唯一の作用薬(すなわち避妊薬(anti-contraceptive))として一定期間連日送達する。
【0011】
PRアンタゴニストは、PR受容体に結合して、プロゲステロン物質の活性を阻害するいかなる化合物でもあり得る。この開示においては、抗プロゲステロン物質とプロゲステロン受容体アンタゴニストは同義語と理解される。
【0012】
避妊及び本発明の避妊レジメンにおいて有用なPRアンタゴニストの例は、式I:
【化9】

[式中、R1は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、C3−C6アルケニル又はC3−C6アルキニルであり;R2及びR3は、水素、アルキル又は置換アルキルの中から独立して選択される;又はR2とR3は、ひとまとまりとして環を形成し、共に−CH2−(CH2n−CH2−[式中、nは0(すなわち化学結合)、1、2又は3である]を含み;R4は、水素又はハロゲンであり;R5は、水素であり;R6は、水素又はハロゲンであり;R7は、水素、アルキル又はハロゲンであり;R8は、水素であり;R9は、水素、アルキル、置換アルキル又はCOORAであり;及びRAは、アルキル又は置換アルキルである]
の化合物、又は製薬上許容されるその塩、プロドラッグ又は互変異性体を含む。
【0013】
1つの実施形態では、R1は、水素又はアルキルであり、及びR2とR3は、ひとまとまりとして環を形成し、共に−CH2−(CH2n−CH2−[式中、nは1又は2である]を含む。別の実施形態では、R2又はR3、又はその両方が、C1−C6アルキルである。例えばR2又はR3のいずれか又は両方がエチルであり得る。別の例では、R2又はR3、又はその両方がメチルである。別の実施形態では、R9は、置換又は非置換C1−C6アルキルである。例えばR9はメチル又はエチルであり得る。別の例では、R9は、フェニルで置換されたC1−C2である。さらに別の実施形態では、R9はCOORAである。1つの例では、RAはtert−ブチルである。
【0014】
別の実施形態では、構造がハロゲンを含む場合、ハロゲンはFである。しかし、他のハロゲン、例えばCl、I又はBrも選択し得る。1つの実施形態では、R6はFである。別の実施形態では、R4はFである。
【0015】
さらなる実施形態では、R1及び/又はR9が置換アルキルである場合、アルキルは、ハロゲン、ニトリル又はベンゼン環で置換されている。1つの実施形態では、R1がシクロアルキルである場合、それはC3−C6アルキルである。
【0016】
さらに別の実施形態では、PRアンタゴニストは、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(4−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7’−フルオロ−2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7−フルオロ−2−オキソ−1,3,3−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル、tert−ブチル−2−シアノ−5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−1−カルボキシレート、メチル−[5−(5−シアノ−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセテート、5−(1−エチル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1−プロプ−2−イン−1−イル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−[7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1(2−フェニルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(1−ベンジル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1−プロピル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7−フルオロ−1−イソブチル−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(7−フルオロ−1−イソプロピル−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(1−アリル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(1−シクロヘキシル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、5−(1−シクロペンチル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、又は製薬上許容されるその塩、互変異性体又はプロドラッグである。
【0017】
式Iの化合物は、オキシインドールを置換ピロールとカップリングすることによって製造される。詳細には、これらの化合物は、(a)置換オキシインドールをアルキル化すること;(b)(a)の生成物を臭素化すること;及び(b)の生成物を置換ピロールとカップリングすること、によって製造できる。
【0018】
望ましくは、式Iの化合物は、以下のスキームに従って市販の出発物質又は文献の手順を用いて調製できる出発物質から当業者によって容易に製造される。これらのスキームは、本発明の代表的化合物の製造を示す。これらの方法に関する変法又は当技術分野で公知の他の方法は、本明細書で提供する情報を考慮して当業者によって容易に使用され得る。
【化10】

【0019】
スキーム1に従って、適切に置換されたオキシインドール(1)を適切な塩基(通常2又はそれ以上のモル当量)及びアルキル化剤で処理して、置換オキシインドール(2)を得る。適切な塩基の範囲は、アルキルリチウム塩基、カリウム第三級ブトキシド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド及び同様の塩基を含む。前記塩基はまた、添加剤と共に使用してもよい。一般に本発明の化合物は、塩化リチウムの存在下に無水テトラヒドロフラン(THF)中でn−ブチルリチウムを塩基として使用して製造した。アルキル化剤は通常ハロゲン化アルキル(例えば臭化物又はヨウ化物)であるが、トリフレート、トシレート又はメシレートでもあり得る。1当量のアルキル化剤を使用する場合、生じるオキシインドールはモノ置換される。2当量であれば、オキシインドールはジ置換される。アルキル化剤が二官能性である場合(例えばアルキル鎖の両端にハロゲン化物又は他の脱離基)、スピロ環が生じる。
【0020】
その後、オキシインドール(2)を臭素化して化合物(3)を得る。臭素化は、酢酸ナトリウムなどの添加剤で緩衝し得る溶媒、例えば塩化メチレン又は酢酸中の臭素で好都合に実施される。臭素化はまた、N−ブロモスクシンイミド又はピリジニウムブロミドペルブロミド(pyridinium bromide per bromide)でも実施し得る。次に化合物(3)を、パラジウム触媒及び適切なカップリングパートナーの作用下で化合物(4)に変換する。カップリングパートナーは、ピロール(5)及びリチウムジイソプロピルアミド及びホウ酸トリアルキルからin situで形成し得るか、又はあらかじめ形成したボロン酸(6)であり得る。パラジウムのソースは通常テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)であるか、又は別の適切なソース、例えばトリブチルホスフィンの存在下でのパラジウムジベンジリデンアセトンである(Fu, G. C. et al. Journal of the American Chemical Society, 2000, 122, 4020、選択的触媒系については、Hartwig, J. F. et al. Journal of Organic Chemistry, 2002, 67, 5553も参照のこと)。塩基も反応に必要とされる;通常の選択は、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム、リン酸カリウム又は第三級アミン塩基、例えばトリエチルアミンである。溶媒の選択は、中でも特にTHF、ジメトキシエタン(DME)、ジオキサン、エタノール、水及びトルエンを含む。カップリングパートナー及び試薬の反応性に依存して、反応は、溶媒の沸点まで実施しうるか、又は必要に応じて、実際にはマイクロ波照射下で加速し得る。
【0021】
あるいは、化合物(1)から(3)は、その全体が参照して本明細書に組み込まれる、米国特許仮出願第60/676,149号及び同第60/676,381号に述べられている経路に従って製造できる。
【化11】

【0022】
9=水素であるとき、代替的方法、スキーム2を使用し得る。すなわち臭化物(3)を上述した条件下に式(7)のピロールボロン酸と結合する。次に化合物(8)をニトリル(9)に変換し得る。これは、クロロスルホニルイソシアネートの作用とそれに続くDMFでの処理によって最も好都合に達成されるが、他の方法も使用し得る。その後t−ブチルカルボネート保護基を除去して、生成物(4)、R9=水素を得る。
【0023】
1が置換アルキル基であるべきであるときは、化合物(4)を溶媒、例えばTHF又はDMF中の適切な塩基(例えば水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド又は炭酸セシウム)で処理し、次に適切なアルキル化剤で処理する。アルキル化剤は通常、ハロゲン化アルキル又はスルホン酸アルキル(例えばトシレート、メシレート又はトリフレート)である。
【0024】
本発明において有用なPRアンタゴニストの他の例は、ミフェプリストン、オナプリストン、リロプリストン(M. Bygdeman et al, Acta Obstet. Gynecol. Scand., Suppl. 1997, 164:75-7)、 アソプリスニル(D. Demanno et al, Steroids, 68(10-13): 1019-1032 (November 2003); K. Schwalisz et al, Semin Reprod Med (May 2004); 22(2): 113-9)、及びCDB−2914 (P. Stratton et al. Hu Reproduction, 15(5): 1092-1099 (May 2000))を含む。
【0025】
1つの望ましい実施形態では、本発明のレジメン及びキットにおいて使用するPRアンタゴニストは、式:
【化12】

を有する、3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリル、又は製薬上許容されるその塩、エステル又は他のプロドラッグ形態である。この化合物及びそれを生産する方法は、参照して本明細書に組み込まれる、米国特許第6,566,358号;同第6,509,334号;及び同第6,713,478号に述べられている。
【0026】
別の望ましい実施形態では、PRアンタゴニストは、式:
【化13】

を有する、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル、又は製薬上許容されるその塩、エステル又は他のプロドラッグ形態である。
【0027】
さらなる実施形態では、当業者は、式II:
【化14】

[式中、
1及びR2は、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル、C3−C8シクロアルキル、置換C3−C8シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、CORA及びNRBCORAの中から選択される独立置換基である;
又はR1とR2は縮合して、
a)場合により置換された3から8員飽和スピロ環;
b)1又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を有する、場合により置換された3から8員スピロ環;または
c)O、S及びNの中から選択される1から3個のヘテロ原子を含む、場合により置換された3から8員ヘテロ環;
を形成し、a)、b)及びc)のスピロ環は、場合によりフッ素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6チオアルキル、−CF3、−OH、−CN、NH2、−NH(C1−C6アルキル)及び−N(C1−C6アルキル)2の中から選択される1から4個の基で置換されており;
Aは、H、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アリール、置換アリール、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル又は置換C1−C3アミノアルキルであり;
Bは、H、C1−C3アルキル又は置換C1−C3アルキルであり;
3は、H、OH、NH2、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C3−C6アルケニル、置換C3−C6アルケニル、アルキニル、置換アルキニル又はCORCであり;
Cは、H、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アリール、置換アリール、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル又は置換C1−C3アミノアルキルであり;
4は、H、ハロゲン、CN、NO2、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、アルキニル又は置換アルキニル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、アミノ、C1−C6アミノアルキル又は置換C1−C6アミノアルキルであり;
5は、a)及びb):
a)以下に示す置換基X、Y及びZを含む置換ベンゼン環:
【化15】

[式中、
Xは、ハロゲン、CN、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3チオアルコキシ、置換C1−C3チオアルコキシ、アミノ、C1−C3アミノアルキル、置換C1−C3アミノアルキル、NO2、C1−C3ペルフルオロアルキル、その骨格内に1から3個のヘテロ原子を含む5又は6員ヘテロ環、CORD、OCORD及びNRECORDの中から選択され;
Dは、H、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アリール、置換アリール、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル又は置換C1−C3アミノアルキルであり;
Eは、H、C1−C3アルキル又は置換C1−C3アルキルであり;
Y及びZは、H、ハロゲン、CN、NO2、アミノ、アミノアルキル、C1−C3アルコキシ、C1−C3アルキル及びC1−C3チオアルコキシの中から選択される独立置換基である];又は
b)その骨格内にO、S、SO、SO2またはNR6の中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有し、及びH、ハロゲン、CN、NO2、アミノ、C1−C3アルキル、C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル、CORF及びNRGCORFから選択される1又は2個の独立置換基を含む、5又は6員環
の中から選択され;
Fは、H、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アリール、置換アリール、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル又は置換C1−C3アミノアルキルであり;
Gは、H、C1−C3アルキル又は置換C1−C3アルキルであり;
6は、H又はC1−C3アルキルである]
のPRアンタゴニスト、又は製薬上許容されるその塩を使用することができる。
【0028】
別の実施形態では、本発明において使用する化合物は、式中、
1=R2で、CH3である;又は
1及びR2は、R1とR2が縮合して6員スピロ環を形成することによって構築される飽和スピロ環であり;
3は、H、OH、NH2、CH3、置換CH3又はCORCであり;
Cは、H、C1−C3アルキル又はC1−C4アルコキシであり;
4は、H、ハロゲン、NO2、CN又はC1−C3アルキルであり;
5は、以下に示す置換基X及びYを含むジ置換ベンゼン環:
【化16】

[式中、
Xは、ハロゲン、CN、メトキシ、NO2及び2−チアゾールの中から選択され;
Yは、H又はFである]
であるか、又はR5は、構造:
【化17】

[式中、
Uは、O、S又はNHであり;
X’は、UがNR6であるとき、X’はCNではないことを条件として、ハロゲン、CN又はNO2であり;
Y’は、H又はC1−C4アルキルである]
を有する5員環である、式I、及び製薬上許容される塩によって特徴付けられる。
【0029】
さらなる実施形態では、米国特許第6,509,334号;同第6,566,358号;及び同第6,713,478号の1,4−ジヒドロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−オン化合物は本発明において有用である。
【0030】
本発明における使用のための他の適切な化合物は、例えば米国特許第6,391,907号の1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン化合物、米国特許第6,417,214号の2,3−ジヒドロ−1H−インドール化合物、米国特許第6,380,235号に述べられているベンズイミダゾロン及びその類似体、米国特許第6,339,098号の2,1−ベンズイソチアゾリン2,2−ジオキシド、米国特許第6,306,851号及び同第6,441,019号に述べられているシクロカルバメート及びシクロアミド、米国特許第6,369,056号に述べられている環状尿素及び環状アミド誘導体、及び米国特許第6,358,948号に述べられているキナゾリノン及びベンズオキサジン誘導体を含む。本発明における使用のためのさらなる適切な化合物は、例えばORG−31710、 ORG−31376、ORG−33832、ORG−33245、ORG−33628、ORG−31806、RU−2992、RU−1479、RU−25056、RU−49295;ミフェプリストン/RU−486;RU−46556;CDB−4124;J−956;アソプリスニル/J−867;J−900;RWJ−26819;LG1127;LG120753;LG120830;LG1447;LG121046;CDB−2914;CGP−19984A;RTI−3021−012;RWJ−25333;ZK−112993;ZK−136796;ZK−114043;オナプリストン/ZK−28299;リロプリストン/ZK−98734;ZK−230211;ZK−136798; 及びZK−137316を含む。
【0031】
他の適切なPRアンタゴニストの例は、米国特許第6,391,907号;同第6,608,086号;同第6,417,214号;同第6,380,235号;同第6,339,098号;同第6,306,851号;同第6,369,056号;及び同第6,358,948号に見出し得る。
【0032】
「アルキル」という用語は、本明細書では、1から8個の炭素原子、望ましくは1−6個の炭素原子(すなわちC1、C2、C3、C4、C5又はC6)を有する直鎖及び分枝鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を指すために使用される;「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合及び2−8個の炭素原子、望ましくは2−6個の炭素原子を有する直鎖及び分枝鎖の両方のアルキル基を含むことが意図されている;「アルキニル」基は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合及び2−8個の炭素原子、望ましくは2−6個の炭素原子を有する直鎖及び分枝鎖の両方のアルキル基を含むことが意図されている。
【0033】
「置換アルキル」、「置換アルケニル」及び「置換アルキニル」という用語は、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アリール、ヘテロ環、置換アリール、置換ヘテロ環、アルコキシ、アリールオキシ、置換アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アルキルアミノ又はアリールチオを含む群から選択される1から3個の置換基を有する上述したアルキル、アルケニル及びアルキニルを指す。これらの置換基は、結合が安定な化学成分を構成することを条件として、アルキル、アルケニル又はアルキニル基のいずれの炭素にも結合し得る。
【0034】
本明細書で使用する「アシル」という用語は、カルボニル置換基、すなわちC(O)(R)基[式中、Rは、限定を伴わずに、アルキル、アルケニル及びアルキニル基を含む直鎖又は分枝鎖飽和脂肪族炭化水素基である]を指す。望ましくは、R基は1から約8個の炭素原子、より望ましくは1から約6個の炭素原子を有する。「置換アシル」という用語は、ハロゲン、CN、OH及びNO2を含む1又はそれ以上の基で置換されているアシル基を指す。
【0035】
「アリール」という用語は、本明細書では、単環又は、縮合又は連結された環の少なくとも一部が共役芳香族系を形成するように共に縮合又は連結された多芳香環であり得る芳香族系を指すために使用される。アリール基は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、テトラヒドロナフチル及びフェナントリルを含むが、これらに限定されない。
【0036】
「置換アリール」という用語は、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、置換アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アルキルアミノ又はアリールチオの中から選択される1から4個の置換基を有する上記で定義したアリールを指す。
【0037】
「ヘテロ環」という用語は、本明細書では、飽和、部分不飽和又は不飽和であり、及び炭素原子とN、O及びS原子の中から選択される1から4個のヘテロ原子から成る、安定な4−7員単環又は安定なヘテロ多環を表わすために使用される。N及びS原子は酸化されていてもよい。ヘテロ環はまた、上記で定義したヘテロ環のいずれかがアリール環に縮合しているいかなる多環も包含する。ヘテロ環は、生じる構造が化学的に安定であることを条件として、いずれのヘテロ原子又は炭素原子においても結合し得る。そのようなヘテロ環基は、限定を伴わずに、テトラヒドロフラン、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペリジニル、アゼピニル、ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、インドリル、キノリニル、チエニル、フリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド及びイソキノリニルを含む。
【0038】
「置換ヘテロ環」という用語は、本明細書では、限定を伴わずに、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、置換アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アルキルアミノ又はアリールチオの中から選択される1から4個の置換基を有する上記で定義したヘテロ環を表わすために使用される。
【0039】
本明細書で使用する「アリールチオ」という用語は、結合点が硫黄原子であるS(アリール)基を指し、前記アリール基は場合により置換されていてもよい。「アルコキシ」という用語は、本明細書では、Rがアルキル又は置換アルキルであるOR基を指すために使用される。「アリールオキシ」という用語は、本明細書では、Rがアリール又は置換アリールであるOR基を指すために使用される。「アルキルカルボニル」という用語は、本明細書では、Rがアルキル又は置換アルキルであるRCO基を指すために使用される。「アルキルカルボキシ」という用語は、本明細書では、Rがアルキル又は置換アルキルであるCOOR基を指すために使用される。「アミノアルキル」という用語は、1から8個の炭素原子を含む、アルキル又は置換アルキル基が同じか又は異なっていてもよく、結合点が窒素原子上にある、第二級及び第三級アミンの両方を指す。「ハロゲン」という用語は、Cl、Br、F又はIを指す。
【0040】
本発明の化合物は、1又はそれ以上の不斉中心を含むことができ、それゆえ光学異性体及びジアステレオマーを生じ得る。立体化学を考慮せずに示すが、化合物は、光学異性体及びジアステレオマー;ラセミ及び分割された鏡像異性的に純粋なR及びS立体異性体;R及びS立体異性体の他の混合物;及びそれらの製薬上許容される塩を包含し得る。
【0041】
本発明の化合物はまた、導かれる構造の生物活性によって特徴付けられる、本明細書で提供する構造の互変異性体を包含し得る。さらに、本発明の化合物は、製薬上又は生理的に許容される酸又は塩基から誘導される塩の形態で使用することができる。
【0042】
製薬上許容される塩は、有機及び無機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、及び同様の公知の許容される酸から形成され得る。塩はまた、無機塩基、望ましくはアルカリ金属塩、例えばナトリウム、リチウム又はカリウム、及び有機塩基、例えばアンモニウム、モノ−、ジ−及びトリメチルアンモニウム、モノ−、ジ−及びトリエチルアンモニウム、モノ−、ジ−及びトリプロピルアンモニウム(イソ及びノルマル)、エチルジメチルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム、シクロヘキシルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、ジベンジルアンモニウム、ピペリジニウム、モルホリニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、1−メチルピペリジニウム、4−エチルモルホリニウム、1−イソプロピルピロリジニウム、1,4−ジメチルピペラジニウム、1−n−ブチルピペリジニウム、2−メチルピペリジニウム、1−エチル−2−メチルピペリジニウム、モノ−、ジ−及びトリエタノールアンモニウム、エチルジエタノールアンモニウム、n−ブチルモノエタノールアンモニウム、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウム、フェニルモノエタノールアンモニウム等から形成され得る。
【0043】
生理的に許容されるアルカリ塩及びアルカリ土類金属塩は、限定を伴わずに、エステルの形態のナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウム塩、及びカルバメートを含み得る。そのような形態で送達されたとき、インビボで活性成分に変換する、他の従来の「プロドラッグ」形態も使用できる。
【0044】
これらの塩、並びに本発明の他の化合物は、そのような形態で投与されたとき、インビボで活性成分に変換する、エステル、カルバメートの形態及び他の従来の「プロドラッグ」形態であり得る。現在の好ましい実施形態では、前記プロドラッグはエステルである。例えばB. Testa and J. Caldwell, "Prodrugs Revisited: The "Ad Hoc" Approach as a Complement to Ligand Design", Medicinal Research Reviews, 16(3):233-241, ed., John Wiley & Sons (1996)参照。
【0045】
本明細書で論じる化合物はまた、本発明の化合物が細胞又は患者によってプロセシングされることによって形成される独自の生成物である「代謝産物」も包含する。望ましくは、代謝産物はインビボで形成される。
【0046】
本発明の方法は、月経周期の長さに対応する期間、すなわち23から35日間の範囲で、平均28日間、実施する。それ故、本発明の方法は、妊娠可能年齢の雌性に連続18から28日間にわたってPRアンタゴニストから成る作用薬の有効量を含有する1日投与単位を送達し、続いて連続1から7日間、有効量の作用薬を前記被験者に送達しないことを含む。
【0047】
PRアンタゴニストの「有効量」という用語は、避妊を妨げる用量である。理論に縛られることなく、これは主として排卵を妨げることによって達成される。PRアンタゴニストの「非有効量(no effective amount)」という用語は、有効量のPRアンタゴニストの送達に続く1から7日間を指すために使用される。この期間中、望ましくは、PRアンタゴニストは動物に全く送達されない。しかし、送達経路に依存して、持続放出製剤が「漏出しやすい」場合があり、この期間中、避妊には有効でない低用量のPRアンタゴニストを送達し続けることがある。「非有効量」という語句は、PRアンタゴニストが全く送達されないことを包含する。
【0048】
本発明によれば、雌性は、望ましくはヒトである。しかし、本明細書で使用するとき、雌性は非ヒト哺乳動物、例えばウシ又は家畜(livestock)、ウマ、ブタ、家畜(domestic animals)等を含み得る。
【0049】
1つの態様では、本発明の方法は、連続28日間、作用薬を含有する1日投与単位を送達することを含む。その実施形態では、レジメンは、連続21から27日間にわたって妊娠可能年齢の雌性にPRアンタゴニストを送達し、続いて連続1から7日間、前記被験者に有効量の作用薬を送達しない又は作用薬を全く送達しないことから成る。場合により、被験者に有効量の作用薬を送達しない1から7日間は、製薬上許容されるプラセボの1日投与単位の1から7日間の第2期の送達を含み得る。あるいは、この「プラセボ期間」中、プラセボを全く投与しない。
【0050】
1つの実施形態では、本発明の方法は、連続21日間、唯一の作用薬としてPRアンタゴニストを送達し、続く7日間、有効量の作用薬を送達しないことを含む。場合により、これらの7日間は、第2期の7日間の経口的に及び製薬上許容されるプラセボの1日投与単位を送達することができる。
【0051】
別の実施形態では、本発明の方法は、連続23日間、唯一の作用薬としてPRアンタゴニストを送達し、続く5日間、有効量の作用薬を送達しないことを含む。場合により、これらの5日間は、第2期の5日間の経口的に及び製薬上許容されるプラセボの1日投与単位を送達することができる。
【0052】
さらなる実施形態では、本発明の方法は、連続25日間、唯一の作用薬としてPRアンタゴニストを送達し、続く3日間、有効量の作用薬を送達しないことを含む。場合により、これらの3日間は、第2期の3日間の経口的に及び製薬上許容されるプラセボの1日投与単位を送達することができる。
【0053】
さらに別の実施形態では、本発明の方法は、連続27日間、唯一の作用薬としてPRアンタゴニストを送達し、続く1日は有効量の作用薬を送達しないことを含む。場合により、第2期の1日分の経口的に及び製薬上許容されるプラセボの1日投与単位を投与することができる。
【0054】
本発明はまた、製剤及びレジメンにおける、唯一の有効成分として1又はそれ以上のPRアンタゴニスト化合物を含有する医薬組成物の使用を含む。PRアンタゴニスト化合物は、製薬上許容される担体又は賦形剤と共に製剤される。
【0055】
適切には、本発明において使用するPRアンタゴニストは、例えば、特に経皮パッチ、外用クリーム又はゲル、膣リングを含む何らかの適切な送達装置による、例えば経皮、粘膜(鼻内、口腔、膣)、又は経口、非経口等を含む何らかの適切な経路による送達のために製剤される。
【0056】
本発明の化合物を上記用途に使用するとき、それらは、1又はそれ以上の製薬上許容される担体又は賦形剤、例えば溶媒、希釈剤等と組み合わせ得る。経口送達用に製剤するとき、PRアンタゴニスト化合物は、錠剤、カプセル、カプレット、ジェルタブ、分散性粉末、顆粒、又は例えば約0.05から5%の懸濁化剤を含む懸濁液、例えば約10から50%の糖を含むシロップ、及び例えば約20から50%のエタノールを含むエリキシル等の形態であり得る。非経口送達用に製剤するとき、組成物は、等張性媒質中に約0.05から5%の懸濁化剤を含む無菌注射用溶液又は懸濁液の形態で送達され得る。そのような医薬製剤は、例えば担体と組み合わせて約25から約90%の有効成分、より普通には約5−60重量%の有効成分を含み得る。
【0057】
使用する有効成分の有効用量は、使用する特定化合物、投与様式及び治療する状態の重症度に依存して異なり得る。しかし、一般には、本発明の化合物を約0.5から約500mg/kg動物体重、約1から約400mg/kg、約5から約300mg/kg、約10から約250mg/kg、約50から約200mg/kg、又は約100から150mg/kgの1日用量で、望ましくは毎日又は持続放出形態で投与するとき、満足し得る結果が得られる。
【0058】
大部分の大型哺乳動物に関しては、総1日用量は約1から200mg、好ましくは約2から80mgである。内用に適する投与形態は、製薬上許容される担体と密接に混合して、動物体重につき約0.5から約500mg、約1から約400mg、約5から約300mg、約10から約250mg、約50から約200mg、又は約100から150mgの活性化合物を含有する。この用量レジメンは、最適な治療効果を与えるように調整し得る。例えばいくつかの分割用量を毎日投与し得るか、又は治療状況の緊急性に応じて用量を比例的に低減し得る。
【0059】
これらの活性化合物(1又はそれ以上のPRアンタゴニスト)は経口的に投与し得る。有効成分の性質及び所望する特定の投与形態に応じて適宜に、固体担体はデンプン、ラクトース、リン酸二カルシウム、微結晶セルロース、スクロース及びカオリンを含み、一方液体担体は滅菌水、非イオン性界面活性剤、エタノール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、それらの適切な混合物、及び植物油又は食用油、例えばトウモロコシ、落花生及びゴマ油を含む。医薬組成物の製造において慣例的に使用されるアジュバント、例えば着香料、着色料、防腐剤、及び抗酸化剤、例えばビタミンE、アスコルビン酸、BHT及びBHAも好都合に含まれ得る。
【0060】
製造及び投与の容易さの見地から好ましい医薬組成物は、固体組成物、特に錠剤及び硬カプセル又は液体充填カプセルである。化合物の経口投与が好ましい。
【0061】
これらの活性化合物はまた、膣リングによっても投与し得る。適切には、膣リングの使用は28日周期に調節される。1つの実施形態では、リングを膣に挿入すると、リングは3週間その位置にとどまる。4週目に膣リングを除去し、月経が起こる。その次の週に新しいリングを挿入し、さらに3週間、次の期間まで装着する。別の実施形態では、膣リングを週に1回挿入し、連続3週間リングを交換する。その後、リングなしで1週間経過した後、新しいリングを挿入して新しいレジメンを開始する。さらに別の実施形態では、膣リングをより長い期間又はより短い期間挿入する。
【0062】
膣リングでの使用に関して、PRアンタゴニスト化合物は、膣リングによる送達について先に記述されている避妊化合物に関して述べられているのと同様の方法で製剤される。例えば米国特許第5,972,372号;同第6,126,958号;及び同第6,125,850号参照。
【0063】
場合により、PRアンタゴニスト組成物は、持続放出製剤での非経口送達用に製剤し、例えば1ヶ月に1回又は3ヶ月ごとに1回、注射によって投与することができる。
【0064】
本発明の別の態様では、抗プロゲスチン化合物は、適切な経路による、クリーム又はゲルによる送達用に製剤される。適切には、そのような経路のための担体は当業者に公知である。
【0065】
本発明のさらに別の態様では、PRアンタゴニスト化合物は経皮パッチによって送達される。適切には、パッチの使用は28日周期に調節される。1つの実施形態では、パッチは適切な接着剤によって皮膚に適用され、1週間その位置にとどまり、合計3週間にわたって週に1回交換される。4週目にはパッチを適用せず、月経が起こる。その次の週に新しいパッチを適用して装着し、新しいレジメンを開始する。さらに別の実施形態では、パッチはより長い期間又はより短い期間、適用位置にとどまる。
【0066】
本発明はまた、本明細書で述べるレジメンにおける使用のために設計された医薬製剤のキット又は包装を含む。適切には、キットは本明細書で述べる1又はそれ以上のPRアンタゴニスト化合物を含む。
【0067】
1つの実施形態では、PRアンタゴニストは、ミフェプリストン、オナプリストン、リロプリストン、アソプリスニル、CDB−2914、及び上記に示す式I及びIIの中から選択される。別の実施形態では、PRアンタゴニストは、米国特許第6,391,907号;同第6,608,086号;同第6,417,214号;同第6,380,235号;同第6,339,098号;同第6,306,851号;同第6,369,056号;及び同第6,358,948号に述べられているものの中から選択される。
【0068】
さらなる実施形態では、PRアンタゴニストは、3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリルである。
【0069】
別の実施形態では、PRアンタゴニストは、5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルである。
【0070】
PRアンタゴニストは、本発明のキットにおける使用のために、所望の送達媒体及び経路用に製剤される点で有利である。例えばPRアンタゴニストは、上記で詳述したような、経口送達、非経口送達、膣リング、経皮送達又は粘膜送達用に製剤することができる。
【0071】
1つの実施形態では、本発明のキットは、28日周期にわたる連日経口投与、望ましくは1日1回の経口投与用に設計され、28日周期の各々の日に単一経口製剤又は経口製剤の組合せを服用することを指示するように構成される。望ましくは、各々のキットは、規定された各々の日に服用される経口錠剤を含む;望ましくは1個の経口錠剤は、指示される組み合わせ1日用量の各々を含む。例えば本発明のキットは、有効量の作用薬の21から27日分の1日投与単位及び、場合により、プラセボの1から7日分の1日投与単位及び、例えば使用のための指示書を含む、他の適切な構成要素を含み得る。
【0072】
本発明のキットは、好ましくは服用すべき順序に配置された毎日の用量単位を含むパック(例えばブリスターパック)である。
【0073】
別の実施形態では、本発明のキットは、28日周期にわたる膣リングによる週に1回又は月に1回投与用に設計される。適切には、そのようなキットは、月に1回周期のために必要な膣リングの各々、すなわち1から3個及び、例えば使用のための指示書を含む、他の適切な構成要素のための個別包装を含む。
【0074】
別の実施形態では、本発明のキットは、28日周期にわたる経皮パッチによる週に1回又は月に1回投与用に設計される。適切には、そのようなキットは、月に1回周期のために必要なパッチの各々、すなわち1から3個及び、例えば使用のための指示書を含む、他の適切な構成要素のための個別包装を含む。
【0075】
さらに別の実施形態では、本発明のキットは、PRアンタゴニストの非経口送達用に設計される。そのようなキットは、典型的には在宅での送達用に設計され、注射針、注射器及び他の適切な包装及び使用のための指示書を含み得る。
【0076】
さらに別の実施形態では、本発明のキットは、ゲル又はクリーム製剤のPRアンタゴニスト化合物を含む。場合により、キットは、適切な包装、例えばチューブ又は他の容器、塗布器、及び/又は使用のための指示書を含み得る。
【0077】
本明細書で述べるレジメン及びキットの各々では、レジメンにおける各々の医薬的に活性な成分の1日用量は、それが投与される各特定期の間固定されたままであることが好ましい。また、上述した1日投与単位は上述した順序で投与されるべきであり、第1期、続いて場合により第2期の順で投与されるべきであることは了解される。各レジメンのコンプライアンスを促進するのを助けるために、キットが、周期の最後の数日間のための上述したプラセボを含むことも好ましい。各々の包装又はキットが、28日周期の各々の日についての表示、例えばラベル貼付したブリスター包装、ダイアル式配薬器、又は当技術分野で公知の他の包装を有する、製薬上許容される包装を含む。
【0078】
これらの投与レジメンは、最適な治療効果を提供するように調整し得る。例えば各々の成分のいくつかの分割用量を毎日投与し得るか、又は治療状況の緊急性に応じて用量を比例的に増加又は低減し得る。本明細書での説明において、1日投与単位についての言及は、考慮される周期の各々の日の経過期間を通じて投与される分割単位も含み得る。
【0079】
以下の実施例は単なる説明であり、本発明への限定を意図しない。
(実施例)
【実施例1】
【0080】
5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A.2,6−ジフルオロニトロベンゼン
氷酢酸(50mL)中の2,6−ジフルオロアニリン(11.0g、85mmol)を、80℃で氷酢酸(250mL)中の過ホウ酸ナトリウム四水和物(65g、422mmol)の攪拌懸濁液に緩やかに添加した。温度を1時間80−90℃に保持した。冷却した反応混合物を水に注ぎ入れ、ジエチルエーテルで2回抽出して、併合(combined)有機層を重炭酸ナトリウム希釈溶液で洗い、乾燥して(MgSO4)、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:THF、9:1)によって精製し、生成物をヘキサンで洗って、2,6−ジフルオロニトロベンゼン(7.0g)を得、それを、さらなる検査を行わずに使用した。
【0081】
B.2−(3−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−マロン酸ジメチルエステル
無水ジメチルホルムアミド(DMF−50mL)中の2,6−ジフルオロニトロベンゼン(5.0g、31.44mmol)の溶液に、炭酸カリウム(4.41g、32mmol)及びジメチルマロネート(3.6mL、31.44mmol)を添加した。反応混合物を65℃に加熱し、24時間攪拌した。室温に冷却後、混合物を希塩酸水溶液で中和し、ジエチルエーテルで抽出して、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した。ヘキサン/酢酸エチル(95/5)からの結晶化によって2−(3−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−マロン酸ジメチルエステル(4.6g、54%)を得た。HRMS:C1110FNO6についての算定、271.0492;検出(ESI、[M+H]+)、272.0576。
【0082】
C.(3−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−酢酸
6N 塩酸(6N、200mL)200mL中の2−(3−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−マロン酸ジメチルエステル(12g、44mmol)を還流下で4時間加熱した。混合物を冷却し、水250mLで希釈して、ジエチルエーテルで抽出し、乾燥して(MgSO4)、減圧下で濃縮した。ヘキサン/酢酸エチル(95/5)からの結晶化によって(3−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−酢酸(7.6g、54%)を得、それを、さらなる検査を行わずに使用した。
【0083】
D.7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
(3−フルオロ−2−ニトロ−フェニル)−酢酸(9.6g、48mmol)を酢酸(100mL)に溶解し、50ポンド/平方インチ(psi)で24時間、10%活性炭担持パラジウム(1.3g)で水素化した。セライト(登録商標)試薬を通してのろ過によって触媒を除去し、溶媒を蒸発させた。次に混合物をエタノール(100mL)に溶解し、パラ−トルエンスルホン酸(50mg)を添加して、混合物を還流下で1時間加熱した。混合物を冷却し、水に注ぎ入れて、酢酸エチルで抽出し、乾燥して(MgSO4)、蒸発させた。固体をヘキサン/酢酸エチル(95/5)で粉砕して、7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(6g、83%)を得た。HRMS:C86FNOについての算定、151.0433;検出(ESI、[M+H]+)、152.0515。
【0084】
E.7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(7.3g、48mmol)及び塩化リチウム(6.67g、158mmol)をTHF(200mL)に溶解した。次に溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(2.5M、40mL、100mmol)を15分間かけて緩やかに添加した。−78℃で20分後、ヨウ化メチル(6mL、96mmol)を添加し、混合物を放置して室温に温めた。24時間後、混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出して、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 9/1、次に8/2)によって7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(4.1g、48%)を得た:HRMS:C1010FNOについての算定、179.0831;検出(ESI、[M+H]+)、180.0831。
【0085】
F.5−ブロモ−7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(4.1g、22.9mmol)を、室温でジクロロメタン(100mL)及び酢酸(2mL)に溶解した。臭素(1.2mL、23mmol)を添加し、溶液を24時間攪拌した。反応混合物をチオ硫酸ナトリウム溶液に注ぎ入れ、ジエチルエーテルで抽出して、乾燥し(MgSO4)、蒸発させて、粗生成物をヘキサンで粉砕して、5−ブロモ−7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(4.84g、82%)を得た:HRMS:C109BrFNOについての算定、256.9852;検出(ESI、[M−H]-)、255.9781。
【0086】
G.5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
5−ブロモ−7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(5.16g、20.0mmol)、1−メチル−5−シアノ−2−ピロールボロン酸(5.4g、36mmol)、KF(3.83g、66mmol)、及びPd2(dba)3モノクロロホルム付加物(516mg、0.500mmol)を、窒素下で200mL丸底フラスコに加えた。フラスコを密封し、窒素で5分間パージした。THF(50mL)を添加し、混合物を窒素でさらに5分間パージした。トリ−t−ブチルホスフィン(ヘキサン中10重量%)(2.97mL、1.00mmol)の溶液を注射器によって添加し、混合物を25℃で5時間強く攪拌した。混合物をEtOAc 250mLで希釈し、シリカゲルプラグを通してろ過して、EtOAc 200mLで洗浄し、濃縮して、粗褐色/黒色半固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(20%アセトン/ヘキサン)による精製によって表題化合物(4.5g、80%)をオフホワイト色固体として得た。HRMS:C1614FN3Oについての算定、283.1121;検出(ESI、[M−H]-)、282.1034。
【0087】
分析HPLC:主(Major)=210−370nmで98.9%、ウインドウ=286nm(最大吸収)で99.2%、保持時間=8.7分、85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液、pH=3.5/ACN+MeOH)10分間、4分間保持、Xterra(登録商標)RP18装置、3.5μ、150×4.6mm。
【実施例2】
【0088】
5−(4−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A.2−(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)−マロン酸ジメチルエステル
DMF中の2,3−ジフルオロニトロベンゼン(9g、56mmol)の溶液に、炭酸カリウム(13.8g、100mmol)及びジメチルマロネート(6.88mL、60mmol)を添加した。反応混合物を65℃に加熱し、24時間攪拌した。混合物を冷却し、希塩酸で中和して、ジエチルエーテルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して、減圧下で濃縮した。粗生成物をヘキサン/酢酸エチル(95/5)から再結晶化し、ろ過して、2−(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)−マロン酸ジメチルエステル(6.6g、43%)を得た。
【0089】
B.(2−フルオロ−6−ニトロフェニル)酢酸
2−(2−フルオロ−6−ニトロ−フェニル)−マロン酸ジメチルエステル(6.5g、23.98mmol)を6N 塩酸200mL中で24時間再還流した。吸引ろ過によって固体を収集し、乾燥して、表題化合物3.3gを54%収率で得た。
【0090】
C.4−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
(2−フルオロ−6−ニトロフェニル)酢酸(3.3g、16.6mmol)を酢酸(20mL)に溶解し、50psiで24時間、活性炭担持パラジウム(10%、0.5g)で水素化した。セライト(登録商標)試薬を通してのろ過によって触媒を除去し、メタノールで洗って、その後併合有機物を蒸発させた。次に反応混合物をエタノール(100mL)に溶解し、パラ−トルエンスルホン酸50mgを添加して、混合物を還流下で1時間加熱した。混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出して、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。固体をヘキサン/酢酸エチル(95/5)で粉砕して、4−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン1.7gを67%収率で得た:HRMS[M+H]+=152.0515。
【0091】
D.4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
4−フルオロ−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(3.4g、22.5mmol)及び塩化リチウム(2.7g、60mmol)をTHF(100mL)に溶解した。次に溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(7mL、ヘキサン中2.5M、15mmol)を15分間かけて緩やかに添加した。ヨウ化メチル(3.08mL、50mmol)を添加し、混合物を放置して室温に温めた。24時間後、混合物を水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出して、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 9/1、次に8/2)によって4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.0g、25%)を得た。
【0092】
E.5−ブロモ−4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1g、22.9mmol)を、室温でジクロロメタン(DCM)(50mL)及び酢酸(2mL)に溶解した。臭素(0.386mL、7.5mmol)を添加し、溶液を24時間攪拌した。反応混合物をチオ硫酸ナトリウム溶液に注ぎ入れ、ジエチルエーテルで抽出して、併合有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。粗生成物をヘキサンで粉砕して、5−ブロモ−4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.25g、87%)を得た:HRMS[M−H]-、255.9781。
【0093】
F.5−(4−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
5−ブロモ−4−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.25g、4.86mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.4g)をエチレングリコールジメチルエーテル(40mL)に溶解し、15分間攪拌した。N−メチル−5−シアノピロールボロン酸(2.0g、13.33mmol)及び炭酸カリウム(3.48g、25mmol)を添加し、次に水(20mL)を添加して、混合物を還流下で加熱した(24時間)。その後混合物を水に注ぎ入れ、希塩酸で中和して、酢酸エチルで抽出した。溶媒を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー;SiO2、ヘキサン/THF 9/1、次に7/3によって5−(4−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.060g、5%)を得た:HRMS:C1614FN3Oについての算定、283.1121;検出(ESI、[M+H]+)、284.1121。
【0094】
分析HPLC:保持時間=8.8分、純度=210−300nmで100%及び274nmで100%(最大吸収)、85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液、pH=3.5/ACN+MeOH)10分間、4分間保持、Xterra(登録商標)RP18装置、3.5μ、150×4.6mm。
【実施例3】
【0095】
5−(7’−フルオロ−2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A.7’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
7−フルオロオキシインドール(1.28g、8.50mmol)及び塩化リチウム(0.899g、21.3mmol)をTHF80mLに懸濁し、0℃に冷却した。n−ブチルリチウム(8.5mL、16.9mmol)を緩やかに添加し、混合物を20分間攪拌して、その後ジブロモエタン(0.73mL、8.5mmol)を添加した。混合物を25℃に温め、16時間攪拌した。飽和NH4Cl水溶液で反応を停止し、エーテルで希釈した。有機物を水、ブラインで洗い、MgSO4で乾燥して、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10%アセトン/ヘキサン)によって7’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン0.54g(36%)を白色固体として得た:HRMS:C108FNOについての算定、177.0590;検出(ESI、[M+H]+)、178.0659。
【0096】
分析HPLC:保持時間=6.6分、210−370nm、Xterra(登録商標)RP18装置、3.5μ、150×4.6mm、40C 85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液、pH=3.5/ACN+MeOH)10分間、4分間保持、1.2mL/分、5μL注入。
【0097】
B.5’−ブロモ−7’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
7’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(0.54g、3.05mmol)をCH2Cl220mLに溶解し、酢酸ナトリウム(0.28g、3.36mmol)、次いで臭素(0.173mL、3.36mmol)を添加した。混合物を25℃で16時間攪拌し、その後エーテルで希釈して、Na233、重炭酸ナトリウム、水、ブラインで洗い、MgSO4で乾燥して、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(15%アセトン/ヘキサン)によって精製して、5’−ブロモ−7’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(0.64g、82%)を白色固体として得た。
【0098】
分析HPLC:保持時間=8.4分、210−370nm、Xterra(登録商標)RP18装置、3.5μ、150×4.6mm、40C 85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液、pH=3.5/ACN+MeOH)10分間、4分間保持、1.2mL/分、5μL注入。
【0099】
C.5−(7’−フルオロ−2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
5’−ブロモ−7’−フルオロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(0.60g、2.3mmol)、1−メチル−5−シアノ−2−ピロールボロン酸(0.63g、4.2mmol)、KF(0.44g、7.6mmol)、及びPd2(dba)3モノクロロホルム付加物(60mg、0.058mmol)をバイアルに加え、その後窒素でパージした。THF(5.5mL)を添加し、混合物を窒素でさらに5分間パージした。トリ−t−ブチルホスフィン(ヘキサン中10重量%)(0.342mL、0.115mmol)の溶液を注射器によって添加し、混合物を25℃で2.5時間強く攪拌した。混合物をEtOAc 100mLで希釈し、シリカゲルプラグを通してろ過して、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(25%アセトン/ヘキサン)による精製によって表題化合物(0.53g、83%)を白色固体として得た。融点228−231℃。
【0100】
分析HPLC:保持時間=8.6分、210−370nm、Xterra(登録商標)RP18装置、3.5μ、150×4.6mm、40℃ 85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液、pH=3.5/ACN+MeOH)10分間、4分間保持、1.2mL/分、5μL注入。
【実施例4】
【0101】
5−(7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A.7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
7−フルオロオキシインドール(1.51g、10mmol)及び塩化リチウム(1.06g、25mmol)をTHF30mLに懸濁し、0℃に冷却した。n−ブチルリチウム(10mL、20mmol)を緩やかに添加し、混合物を20分間攪拌した。ヨードメタン(1.24mL、20mmol)を添加し、混合物を0℃で1時間攪拌して、その後25℃に温め、16時間攪拌した。飽和NH4Cl水溶液で反応を停止し、酢酸エチルで希釈した。有機物を水、飽和NaCl水溶液で洗い、MgSO4で乾燥して、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5%アセトン/ヘキサン)によって表題化合物0.12g(7%)を白色固体として得た。
【0102】
HRMS:C1112FNOについての算定、193.0903;検出(ESI、[M+H]+)、194.0976。
【0103】
B.5−ブロモ−7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(0.10g、0.52mmol)をCH2Cl25mLに溶解し、酢酸ナトリウム(47mg、0.56mmol)、次いで臭素(0.029mL、0.56mmol)を添加した。混合物を25℃で16時間攪拌し、その後シリカゲルカラムに直接負荷した。カラムをCH2Cl2250mL及び5%アセトン/CH2Cl2250mLで溶出して、表題化合物(116mg)を白色固体として得た(82%)。
【0104】
HRMS:C1111BrFNOについての算定、271.0008;検出(ESI、[M+H]+)、272.0088;
分析HPLC:保持時間=9.4分、210−370nm、Xterra(登録商標)RP18装置、3.5μ、150×4.6mm、40℃ 85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液、pH=3.5/ACN+MeOH)10分間、4分間保持、1.2mL/分、5μL注入。
【0105】
C.5−(7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
5−ブロモ−7−フルオロ−1,3,3−トリメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(0.10g、0.36mmol)、1−メチル−5−シアノ−2−ピロールボロン酸(95mg、0.63mmol)及びKF(69mg、1.19mmol)をジオキサン1mLに懸濁した。Pd2(dba)3モノクロロホルム付加物(3.1mg、0.003mmol)及びPd(P(t−Bu)32(4.6mg、0.009mmol)を添加し、混合物を45℃で6時間強く攪拌した。混合物をEtOAc 100mLで希釈し、シリカゲルプラグを通してろ過して、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(2%アセトン/ヘキサン)による精製によって表題化合物(30mg、28%)を黄褐色固体として得た。
【0106】
HRMS:C1716FN3Oについての算定、297.1277;検出(ESI、[M+H]+)、298.1366;
分析HPLC:保持時間=9.4分、210−370nm、Xterra(登録商標)RP18装置、3.5μ、150×4.6mm、40℃ 85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液、pH=3.5/ACN+MeOH)10分間、4分間保持、1.2mL/分、5μL注入。
【実施例5】
【0107】
5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
A.tert−ブチル2−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−1−カルボキシレート
バイアルに5−ブロモ−7−フルオロ−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.0g、3.5mmol)、1−tert−ブトキシカルボニル−2−ピロールボロン酸(1.12g、5.3mmol)、KF(0.67g、11.5mmol)及びPd2(dba)3モノクロロホルム付加物(54mg、0.053mmol)を負荷し、窒素雰囲気下に置いた。THF(8mL)を添加し、混合物を窒素で5分間パージした。P(t−Bu)3(ヘキサン中10重量%溶液、0.370mL、0.126mmol)を注射器によって添加し、混合物を25℃で16時間攪拌した。混合物をEtOAcで希釈し、シリカゲルプラグを通してろ過して、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(25%ヘキサン/CH2Cl2500mL、次に100%CH2Cl2500mL、次に5%酢酸エチル/CH2Cl2500mL)による精製によって表題化合物(1.06g、88%)を無色結晶として得た。
【0108】
HRMS:C1921FN23+Hについての算定、345.16145;検出(ESI、[M+H]+)、345.1629。
分析HPLC:保持時間=10.0分、210−370nm、Xterra(登録商標)RP18装置、3.5μ、150×4.6mm、40C 85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液、pH=3.5/ACN+MeOH)10分間、4分間保持、1.2mL/分、5μL注入。
【0109】
B.tert−ブチル2−シアノ−5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−1−カルボキシレート
tert−ブチル2−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−1−カルボキシレート(1.0g、2.9mmol)の攪拌溶液にクロロスルホニルイソシアネート(0.28mL、3.2mmol)を添加した。混合物を25℃で2時間攪拌し、次にDMF(0.21mL、2.9mmol)を添加して、混合物をさらに1時間攪拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、NaHCO3、水、飽和NaCl水溶液で洗って、MgSO4で乾燥し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(2%MeOH/CH2Cl2)によって表題化合物0.23g(21%)を白色固体として得た。
【0110】
HRMS:C2020FN33+Hについての算定、370.15670;検出(ESI、[M+H]+)、370.1554。
分析HPLC:保持時間=9.5分、210−370nm、Xterra(登録商標)RP18装置、3.5μ、150×4.6mm、40℃ 85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液、pH=3.5/ACN+MeOH)10分間、4分間保持、1.2mL/分、5μL注入。
【0111】
C.5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル
tert−ブチル2−シアノ−5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−1−カルボキシレート(0.18g、0.50mmol)をジメチルアセトアミド10mLに溶解し、この溶液を180℃に1時間加熱した。混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈して、水、飽和NaCl水溶液で洗い、MgSO4で乾燥して、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(25%アセトン/ヘキサン)によって表題化合物0.121g(91%)を白色固体として得た。
【0112】
HRMS:C1512FN3O+Hについての算定、270.10426;検出(ESI、[M+H]+)、270.1053。
分析HPLC:保持時間=8.7分、210−370nm、Xterra(登録商標)RP18装置、3.5μ、150×4.6mm、40C 85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液、pH=3.5/ACN+MeOH)10分間、4分間保持、1.2mL/分、5μL注入。
【実施例6】
【0113】
5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリルのアルキル化のための一般手順
無水THF(2mL)中の5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(0.10g、0.35mmol)の溶液にカリウムtert−ブトキシド(THF中1M溶液、1mL、1mmol)を添加した。混合物を室温で1時間攪拌した。この時間後に、適切なアルキル化剤(ヨウ化アルキル又は臭化アルキル)(0.5mmol)を注射器によって添加した。生じた混合物を一晩攪拌し、その後蒸発させて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、勾配溶出)による精製に供した。
【0114】
化合物を高解像能質量分析及びHPLCによって特性決定した。使用したHPLC条件は次の通りであった:Xterra(登録商標)RP18カラム、3.5μ、150×4.6mm、流速1.2mL/分、移動相組成85/15−5/95(ギ酸アンモニウム緩衝液、pH=3.5/ACN+MeOH);検出:210−370nm。
【0115】
以下の化合物をこの手順によって製造した:
A.メチル−[5−(5−シアノ−1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセテート
得られた量:0.087g
アルキル化剤:ブロモ酢酸メチル(0.047mL)
分析HPLC純度:99.7%
分析HPLC保持時間:9.2分
HRMS:C1918FN33+Hについての算定、356.14050;検出(ESI、[M+H]+)、356.142。
【0116】
B.5−(1−エチル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.0723g
アルキル化剤:ヨウ化エチル(0.040mL)
分析HPLC純度:99.9%
分析HPLC保持時間:9.8分
HRMS:C1818FN3O+Hについての算定、312.15067;検出(ESI、[M+H]+)、312.1524;(δ=6ppm)。
【0117】
C.5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1−プロプ−2−イン−1−イル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.050g
アルキル化剤:臭化プロパルギル(0.045mL)
分析HPLC純度:95.9%
分析HPLC保持時間:9.5分
HRMS:C1916FN3O+Hについての算定、322.13502;検出(ESI、[M+H]+)、322.135。
【0118】
D.5−[7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1(2−フェニルエチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.041g
アルキル化剤:臭化フェネチル(0.067mL)
分析HPLC純度:100%
分析HPLC保持時間:10.8分
HRMS:C2422FN3O+Hについての算定、388.18197;検出(ESI、[M+H]+)、388.1806。
【0119】
E.5−(1−ベンジル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.0766g
アルキル化剤:臭化ベンジル(0.059mL)
分析HPLC純度:100%
分析HPLC保持時間:10.5分
HRMS:C2320FN3O+Hについての算定、374.16632;検出(ESI、[M+H]+)、374.1685;(δ=6ppm)。
【0120】
F.5−(7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−1−プロピル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.070g
アルキル化剤:ヨードプロパン(0.049mL)
分析HPLC純度:100%
分析HPLC保持時間:10.3分
HRMS:C1920FN3O+Hについての算定、326.16632;検出(ESI、[M+H]+)、326.1652。
【0121】
G.5−(7−フルオロ−1−イソブチル−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.0662g
アルキル化剤:2−メチルヨードプロパン(0.060mL)
分析HPLC純度:100%
分析HPLC保持時間:10.6分
HRMS:C2022FN3O+Hについての算定、340.18197;検出(ESI、[M+H]+)、340.1838。
【0122】
H.5−(7−フルオロ−1−イソプロピル−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.055g
アルキル化剤:ヨウ化イソプロピル(0.049mL)
分析HPLC純度:98.8%
分析HPLC保持時間:10.3分
HRMS:C1920FN3O+Hについての算定、326.16632;検出(ESI、[M+H]+)、326.1661。
【0123】
I.5−(1−アリル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.077g
アルキル化剤:ヨウ化アリル(0.045mL)
分析HPLC純度:99.6%
分析HPLC保持時間:9.9分
HRMS:C1918FN3O+Hについての算定、324.15067;検出(ESI、[M+H]+)、324.1512。
【0124】
J.5−(1−シクロヘキシル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.0037g
アルキル化剤:ヨウ化シクロヘキシル(0.064mL)
分析HPLC純度:94.3%
分析HPLC保持時間:11.2分
HRMS:C2224FN3O+Hについての算定、366.19762;検出(ESI、[M+H]+)、366.1978。
【0125】
K.5−(1−シクロペンチル−7−フルオロ−3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル
得られた量:0.034g
アルキル化剤:ヨウ化シクロペンチル(0.057mL)
分析HPLC純度:100%
分析HPLC保持時間:10.9分
HRMS:C2122FN3O+Hについての算定、352.18197;検出(ESI、[M+H]+)、352.184;(δ=6ppm)。
【実施例7】
【0126】
PRアンタゴニストを用いる周期レジメン
21日レジメンでの表1の各化合物の3つの用量、次いで7日間のプラセボ丸薬、及び比較物質(Mircetteの製品名で米国において市販されている、配合ステロイドOCデソゲストレル(DSG)150μg/20μgエチニルエストラジオールを21日間、次いで2日間のプラセボ丸剤、次に5日間のEE10μg)から成る第2相無作為化二重盲検多施設用量設定試験を計画する。
【表1】

【0127】
各施設当り約16名の被験者で、約20施設が参加する。
【0128】
試験は2部から成る。試験の第1部(1−84日目)は、周期調節、副作用及び代謝データを評価すると共に、表2の化合物が卵巣抑制を生じさせる能力を評価する。第2部(85−168日目)は、周期調節、副作用及び代謝データを収集するために被験者の追跡を継続する。各々の被験者は、被験者のスクリーニング期間の長さに依存して、9ヶ月間まで参加する。8回の周期を観察する。最初の周期を排卵の基線観察とする。6回の処置周期の後に、排卵の回復を評価するための1回の処置後観察周期を実施する。試験者は、約9ヶ月間被験者を試験に登録する。
【0129】
被験者は、無作為化時に18歳以上36歳未満の健常女性とする。被験者は、流産後及び非母乳栄養(nonbreastfeeding)の分娩後被験者を除く、処置前観察周期への登録に先立つ3ヶ月間、規則正しい(24−32日間)自然発生月経周期を有していなければならない。全ての被験者に関して処置前観察周期は、試験前スクリーニングの完了後の次の自然発生月経の1日目(第1回来院)に始まる。
【0130】
処置前観察周期は対照周期である;いかなる試験物質も投与しない。各々の被験者は、月経出血の第1日目に試験物質を開始する(第1被験者パックのみ)。各々の被験者パックは、表2の化合物又はステロイド配合OC比較物質を含む。被験者は、6周期の間、3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリルを1日1回21日間(1日目から21日目まで)、続いてプラセボ丸剤を7日間(22日目から28日目まで)、経口的に服用する。ステロイド配合OC比較物質、DSG150μgに割り当てられた被験者は、6周期の間、試験物質を1日1回21日間(1日目から21日目まで)、続いてプラセボ丸剤を2日間(22日目から23日目まで)、続いてEE10μgを5日間(24日目から28日目まで)経口的に服用する。また、試験物質を投与せず、排卵の回復を評価する処置後周期も存在する。
【0131】
各々の被験者は以下の1つを摂取するように無作為に割り当てられる:
処置
A 表2の化合物10mgを21日間、続いてプラセボ丸剤を7日間
B 表2の化合物20mgを21日間、続いてプラセボ丸剤を7日間
C 表2の化合物30mgを21日間、続いてプラセボ丸剤を7日間
D デソゲストレル150μgを21日間、続いてプラセボ丸剤を2日間、続いて EE10μgを5日間。
【0132】
各々の被験者は、月経出血の第1日目に試験物質を開始する(第1被験者パックのみ)。被験者は、1日1回28日間、毎日ほぼ同じ時間に試験物質を経口的に服用する。その後の全ての被験者パックは、前の丸剤パックの28日目の翌日に開始する。被験者は、処置周期の間中断することなく毎日試験物質を服用する。
【0133】
本発明のレジメンを摂取する1又はそれ以上の処置群A、B及びCは有効な避妊、排卵の阻害を経験し、全ての群で処置の各々の月の第4週に月経が起こると予想される。
【実施例8】
【0134】
3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリルPRアンタゴニスト化合物を使用する周期レジメン
21日レジメンでの3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリルの3つの用量、次いで7日間のプラセボ丸薬、及び比較物質(Mircetteの製品名で米国において市販されている、配合ステロイドOCデソゲストレル(DSG)150μg/20μgエチニルエストラジオールを21日間、次いで2日間のプラセボ丸剤、次に5日間のEE10μg)から成る第2相無作為化二重盲検多施設用量設定試験を計画する。
【0135】
各施設当り約16名の被験者で、約20施設が参加する。
【0136】
試験は2部から成る。試験の第1部(1−84日目)は、周期調節、副作用及び代謝データを評価すると共に、3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリルが卵巣抑制を生じさせる能力を評価する。第2部(85−168日目)は、周期調節、副作用及び代謝データを収集するために被験者の追跡を継続する。各々の被験者は、被験者のスクリーニング期間の長さに依存して、9ヶ月間まで参加する。8回の周期を観察する。最初の周期を排卵の基線観察とする。6回の処置周期の後に、排卵の回復を評価するための1回の処置後観察周期を実施する。試験者は、約9ヶ月間被験者を試験に登録する。
【0137】
被験者は、無作為化時に18歳以上36歳未満の健常女性とする。被験者は、流産後及び非母乳栄養の分娩後被験者を除く、処置前観察周期への登録に先立つ3ヶ月間、規則正しい(24−32日間)自然発生月経周期を有していなければならない。全ての被験者に関して処置前観察周期は、試験前スクリーニングの完了後の次の自然発生月経の1日目(第1回来院)に始まる。
【0138】
処置前観察周期は対照周期である;いかなる試験物質も投与しない。各々の被験者は、月経出血の第1日目に試験物質を開始する(第1被験者パックのみ)。各々の被験者パックは、3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリル又はステロイド配合OC比較物質を含む。被験者は、6周期の間、3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリルを1日1回21日間(1日目から21日目まで)、続いてプラセボ丸剤を7日間(22日目から28日目まで)、経口的に服用する。ステロイド配合OC比較物質、DSG150μgに割り当てられた被験者は、6周期の間、試験物質を1日1回21日間(1日目から21日目まで)、続いてプラセボ丸剤を2日間(22日目から23日目まで)、続いてEE10μgを5日間(24日目から28日目まで)経口的に服用する。また、試験物質を投与せず、排卵の回復を評価する処置後周期も存在する。
【0139】
各々の被験者は以下の1つを摂取するように無作為に割り当てられる:
処置
A 3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H− ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリル10mgを21 日間、続いてプラセボ丸剤を7日間
B 3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H− ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリル20mgを21 日間、続いてプラセボ丸剤を7日間
C 3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H− ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリル30mgを21 日間、続いてプラセボ丸剤を7日間
D デソゲストレル150μgを21日間、続いてプラセボ丸剤を2日間、続いてE E10μgを5日間。
【0140】
各々の被験者は、月経出血の第1日目に試験物質を開始する(第1被験者パックのみ)。被験者は、1日1回28日間、毎日ほぼ同じ時間に試験物質を経口的に服用する。その後の全ての被験者パックは、前の丸剤パックの28日目の翌日に開始する。被験者は、処置周期の間中断することなく毎日試験物質を服用する。
【0141】
本発明のレジメンを摂取する1又はそれ以上の処置群A、B及びCは有効な避妊、排卵の阻害を経験し、全ての群で処置の各々の月の第4週に月経が起こると予想される。
【実施例9】
【0142】
本発明のキット
28ブリスター容器を有するブリスターパックは、ボール紙、板紙、箔又はプラスチックの裏打ちで作製し、適切なカバーに封入する。ブリスター容器は、各々が3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリル10mgの1日用量を提供する一続きの21個の丸剤、続いてプラセボ丸剤の1日用量の7日分(又は7個の空のブリスター)を収納するように準備する。各々のブリスター容器は、好都合には、例えば有効成分を含有する21個の1日投与単位の最初の1個から始まって7個の空のブリスターまで又は作用薬を含有しない7個の1日投与単位まで、番号を付すか又はさもなければ印を付けてもよい。
【0143】
本明細書において引用する全ての公表文献及び配列表は、参照して本明細書に組み込まれる。特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の趣旨から逸脱することなく変更を実施し得ることは認識される。そのような変更は添付の特許請求の範囲内に含まれることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排卵を阻害し、妊娠可能年齢の雌性に連続28日間投与可能な、避妊のための薬剤の製造におけるPRアンタゴニストの使用であって、
(a)各々の1日投与単位が前記PRアンタゴニストから成る作用薬を含有する、作用薬の1日投与単位の21から27日分の第1期、
(b)製薬上許容されるプラセボの1日投与単位の1から7日分の第2期、
但し、1日投与単位の合計は28である
を含む工程に従った、前記使用。
【請求項2】
妊娠可能年齢の雌性に連続28日間投与可能な、避妊のための薬剤の製造におけるPRアンタゴニスト、3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリルの使用であって、
(a)各々の1日投与単位が、前記PRアンタゴニスト又は製薬上許容されるその塩から成る作用薬を含有する、作用薬の1日投与単位の21から27日分の第1期、及び
(b)製薬上許容されるプラセボの1日投与単位の1から7日分の第2期、但し1日投与単位の合計は28である
を含む工程に従った、前記使用。
【請求項3】
(a)21日分の1日投与単位の第1期;
(b)7日分の経口的に及び製薬上許容されるプラセボの1日投与単位の第2期
を含む、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
(a)23日分の1日投与単位の第1期;
(b)5日分の経口的に及び製薬上許容されるプラセボの1日投与単位の第2期
を含む、請求項2に記載の使用。
【請求項5】
(a)25日分の1日投与単位の第1期;
(b)3日分の経口的に及び製薬上許容されるプラセボの1日投与単位の第2期
を含む、請求項2に記載の使用。
【請求項6】
(a)27日分の1日投与単位の第1期;
(b)1日分の経口的に及び製薬上許容されるプラセボの1日投与単位の第2期
を含む、請求項2に記載の使用。
【請求項7】
妊娠可能年齢の雌性に連続28日間投与可能な、避妊のための薬剤の製造におけるPRアンタゴニストの使用であって、
(a)各々の1日投与単位が、前記PRアンタゴニストから成る作用薬を含有する、21から27日分の作用薬の1日投与単位の第1期、及び
(b)場合により、有効量の作用薬を投与しない1から7日間の第2期、但し、連続日数の合計期間は28日間である
を含む工程に従った、前記使用。
【請求項8】
PRアンタゴニストが、ミフェプリストン、オナプリストン、リロプリストン、アソプリスニル、CDB−2914、5−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル;1−メチル−5−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロブタン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル;1−メチル−5−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル;5−(3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル;5−[(3R)−3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル;5−[(3S)−3−エチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル;1−メチル−5−(2’−オキソ−1’,2’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,3’−インドール]−5’−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル;5−[(3R)−3−エチル−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル;5−[(3S)−3−エチル−3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル]−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル;及び1−メチル−5−(1,3,3−トリメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル、式I:
【化1】

[式中、
1は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、C3−C6アルケニル又はC3−C6アルキニルであり;
2及びR3は、各々独立して水素、アルキル及び置換アルキルから成る群より選択される;又は
2及びR3は、ひとまとまりとして環を形成し、共に−CH2−(CH2n−CH2−[式中、nは0、1、2又は3である]を含み;
4は、水素又はハロゲンであり;
5は、水素であり;
6は、水素又はハロゲンであり;
7は、水素、アルキル又はハロゲンであり;
8は、水素であり;
9は、水素、アルキル、置換アルキル又はCOORAであり;
Aは、アルキル又は置換アルキルである]
の化合物、及び式II:
【化2】

[式中、
1及びR2は、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル、C3−C8シクロアルキル、置換C3−C8シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、CORA及びNRBCORAから成る群より選択される独立置換基である;
又はR1とR2は縮合して、
a)炭素系3から8員飽和スピロ環;
b)その骨格内に1又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を有する炭素系3から8員スピロ環;又は
c)その骨格内にO、S及びNから成る群より選択される1から3個のヘテロ原子を有する炭素系3から8員ヘテロ環;
を形成し、a)、b)及びc)のスピロ環は、場合によりフッ素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6チオアルキル、CF3、OH、CN、NH2、NH(C1−C6アルキル)及びN(C1−C6アルキル)2から成る群より選択される1から4個の基で置換されており;
Aは、H、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アリール、置換アリール、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル又は置換C1−C3アミノアルキルであり;
Bは、H、C1−C3アルキル又は置換C1−C3アルキルであり;
3は、H、OH、NH2、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C3−C6アルケニル、置換C3−C6アルケニル、アルキニル、置換アルキニル又はCORCであり;
Cは、H、C1−C4アルキル、置換C1−C4アルキル、アリール、置換アリール、C1−C4アルコキシ、置換C1−C4アルコキシ、C1−C4アミノアルキル又は置換C1−C4アミノアルキルであり;
4は、H、ハロゲン、CN、NO2、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、アルキニル、置換アルキニル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、アミノ、C1−C6アミノアルキル又は置換C1−C6アミノアルキルであり;
5は、(i)及び(ii):
(i)以下に示す置換基X、Y及びZを有する置換ベンゼン環:
【化3】

[式中、
Xは、H、ハロゲン、CN、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3チオアルコキシ、置換C1−C3チオアルコキシ、アミノ、C1−C3アミノアルキル、置換C1−C3アミノアルキル、NO2、C1−C3ペルフルオロアルキル、その骨格内にO、S及びNから成る群より選択される1から3個のヘテロ原子を含む5又は6員ヘテロ環、CORD、OCORD及びNRECORDから成る群より選択され;
Dは、H、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アリール、置換アリール、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル又は置換C1−C3アミノアルキルであり;
Eは、H、C1−C3アルキル又は置換C1−C3アルキルであり;
Y及びZは、H、ハロゲン、CN、NO2、アミノ、アミノアルキル、C1−C3アルコキシ、C1−C4アルキル及びC1−C3チオアルコキシから成る群より選択される独立置換基であり;
但し、X、Y及びZの全部がHというわけではない];及び
(ii)その骨格内にO、S、SO、SO2及びNR6から成る群より選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有し、及びH、ハロゲン、CN、NO2、アミノ、C1−C4アルキル、C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル、CORF及びNRGCORFから成る群より選択される1又は2個の独立置換基を含む、5又は6員環
から成る群より選択され;
Fは、H、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アリール、置換アリール、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル又は置換C1−C3アミノアルキルであり;
Gは、H、C1−C3アルキル又は置換C1−C3アルキルであり;
6は、H、C1−C3アルキル又はC1−C4CO2アルキルである]
の化合物、又は製薬上許容されるその塩から成る群より選択される、請求項1または7に記載の使用。
【請求項9】
妊娠可能年齢の雌性に連続28日間投与可能である、避妊のためのPRアンタゴニスト、3−クロロ−5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−6−イル)−ベンゾニトリルの使用であって、
(a)各々の1日投与単位が前記PRアンタゴニストから成る作用薬を含有する、21から27日分の作用薬の1日投与単位の第1期、及び
(b)場合により、有効量の作用薬を投与しない1から7日間の第2期、但し連続日数の合計期間は28日間である
を含む工程に従った、前記使用。
【請求項10】
(a)各々の1日投与単位が、PRアンタゴニストから成る作用薬を含有する、21から27日分の作用薬の1日投与単位;
(b)製薬上許容されるプラセボの1から7日分の1日投与単位、但し1日投与単位の合計は28である;及び
(c)前記1日投与単位のための1又はそれ以上の包装
を含む、医薬上有用なキット。
【請求項11】
(a)各々の1日投与単位が、式:
【化4】

を有するPRアンタゴニスト又は製薬上許容されるその塩から成る作用薬を含有する、21から27日分の作用薬の1日投与単位;
(b)製薬上許容されるプラセボの1から7日分の1日投与単位、但し1日投与単位の合計は28である;及び
(c)前記1日投与単位のための1又はそれ以上の包装
を含む、医薬上有用なキット。
【請求項12】
(a)21日分の1日投与単位;及び
(b)経口的に及び製薬上許容されるプラセボの7日分の1日投与単位
を含む、請求項10又は11に記載のキット。
【請求項13】
(a)23日分の1日投与単位;及び
(b)経口的に及び製薬上許容されるプラセボの5日分の1日投与単位
を含む、請求項10又は11に記載のキット。
【請求項14】
(a)25日分の1日投与単位;及び
(b)経口的に及び製薬上許容されるプラセボの3日分の1日投与単位
を含む、請求項10又は11に記載のキット。
【請求項15】
(a)27日分の1日投与単位;及び
(b)経口的に及び製薬上許容されるプラセボの1日分の1日投与単位
を含む、請求項10又は11に記載のキット。
【請求項16】
(a)経皮又は粘膜送達に適合させた、PRアンタゴニストから成る作用薬の21から27日分の1日投与単位;及び
(b)前記1日投与単位のための1又はそれ以上の包装
を含む、医薬上有用なキット。
【請求項17】
PRアンタゴニストが、ミフェプリストン、オナプリストン、リロプリストン、アソプリスニル、CDB−2914、式I:
【化5】

[式中、
1は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、C3−C6アルケニル又はC3−C6アルキニルであり;
2及びR3は、各々独立して水素、アルキル及び置換アルキルから成る群より選択される;
又はR2及びR3は、ひとまとまりとして環−CH2−(CH2n−CH2−を形成し;
nは0、1又は2であり;
4は、水素であり;
5は、水素であり;
6は、水素であり;
7は、水素又はアルキルであり;
8は、水素であり;
9は、水素、アルキル、置換アルキル又はCOORAであり;
Aは、アルキル又は置換アルキルである]
の化合物、及び式II:
【化6】

[式中、
1及びR2は、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル、C3−C8シクロアルキル、置換C3−C8シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、CORA及びNRBCORAから成る群より選択される独立置換基である;
又はR1とR2は縮合して、
a)炭素系3から8員飽和スピロ環;
b)その骨格内に1又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を有する炭素系3から8員スピロ環;又は
c)その骨格内にO、S及びNから成る群より選択される1から3個のヘテロ原子を有する炭素系3から8員ヘテロ環;
を形成し、a)、b)及びc)のスピロ環は、場合によりフッ素、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6チオアルキル、CF3、OH、CN、NH2、NH(C1−C6アルキル)及びN(C1−C6アルキル)2から成る群より選択される1から4個の基で置換されており;
Aは、H、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アリール、置換アリール、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル又は置換C1−C3アミノアルキルであり;
Bは、H、C1−C3アルキル又は置換C1−C3アルキルであり;
3は、H、OH、NH2、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C3−C6アルケニル、置換C3−C6アルケニル、アルキニル、置換アルキニル又はCORCであり;
Cは、H、C1−C4アルキル、置換C1−C4アルキル、アリール、置換アリール、C1−C4アルコキシ、置換C1−C4アルコキシ、C1−C4アミノアルキル又は置換C1−C4アミノアルキルであり;
4は、H、ハロゲン、CN、NO2、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、アルキニル、置換アルキニル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、アミノ、C1−C6アミノアルキル又は置換C1−C6アミノアルキルであり;
5は、(i)及び(ii):
(i)以下に示す置換基X、Y及びZを有する置換ベンゼン環:
【化7】

[式中、
Xは、H、ハロゲン、CN、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3チオアルコキシ、置換C1−C3チオアルコキシ、アミノ、C1−C3アミノアルキル、置換C1−C3アミノアルキル、NO2、C1−C3ペルフルオロアルキル、その骨格内にO、S及びNから成る群より選択される1から3個のヘテロ原子を含む5又は6員ヘテロ環、CORD、OCORD及びNRECORDから成る群より選択され;
Dは、H、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アリール、置換アリール、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル又は置換C1−C3アミノアルキルであり;
Eは、H、C1−C3アルキル又は置換C1−C3アルキルであり;
Y及びZは、H、ハロゲン、CN、NO2、アミノ、アミノアルキル、C1−C3アルコキシ、C1−C4アルキル及びC1−C3チオアルコキシから成る群より選択される独立置換基であり;
但し、X、Y及びZの全てがHというわけではない];及び
(ii)その骨格内にO、S、SO、SO2及びNR6から成る群より選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有し、及びH、ハロゲン、CN、NO2、アミノ、C1−C4アルキル、C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル、CORF及びNRGCORFから成る群より選択される1又は2個の独立置換基を含む、5員又は6員環
から成る群より選択され;
Fは、H、C1−C3アルキル、置換C1−C3アルキル、アリール、置換アリール、C1−C3アルコキシ、置換C1−C3アルコキシ、C1−C3アミノアルキル又は置換C1−C3アミノアルキルであり;
Gは、H、C1−C3アルキル又は置換C1−C3アルキルであり;
6は、H、C1−C3アルキル又はC1−C4CO2アルキルである]
の化合物、又は製薬上許容されるその塩から成る群より選択される、請求項10又は16に記載のキット。
【請求項18】
(a)経皮又は粘膜送達に適合させた、式:
【化8】

を有するPRアンタゴニスト又は製薬上許容されるその塩から成る作用薬の1−27日分の1日投与単位;及び
(b)前記1日投与単位のための1又はそれ以上の包装
を含む、医薬上有用なキット。
【請求項19】
妊娠可能年齢の雌性に連続21から27日間、PRアンタゴニストから成る作用薬の有効量を含有する1日投与単位を送達し、続いて連続1から7日間、作用薬の有効量を前記被験者に送達しないことを含む、妊娠可能年齢の雌性における避妊の方法。

【公表番号】特表2008−505906(P2008−505906A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520434(P2007−520434)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/023798
【国際公開番号】WO2006/017075
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】