プロジェクタおよびプロジェクタの制御方法
【課題】データの秘匿性を保持しつつプロジェクタにデータを格納し、また、データの秘匿性を維持しつつ格納されたデータを投写表示する。
【解決手段】ファイルアイコンがプロジェクタアイコンへドラッグ・アンド・ドロップされることにより、パーソナルコンピュータPCからプロジェクタ10へのファイルの転送要求が発生すると、CPU50はパスワードの設定を要求する。CPU50は設定されたパスワードとファイルとを関連付けてプロジェクタ10の外部記憶装置に転送する。プロジェクタ10においてファイルを再生する場合には、プロジェクタ10は、ファイルに関連付けられたパスワードの入力を要求し、入力されたパスワードと設定されたパスワードとが符合した場合にはファイルの再生を実行する。
【解決手段】ファイルアイコンがプロジェクタアイコンへドラッグ・アンド・ドロップされることにより、パーソナルコンピュータPCからプロジェクタ10へのファイルの転送要求が発生すると、CPU50はパスワードの設定を要求する。CPU50は設定されたパスワードとファイルとを関連付けてプロジェクタ10の外部記憶装置に転送する。プロジェクタ10においてファイルを再生する場合には、プロジェクタ10は、ファイルに関連付けられたパスワードの入力を要求し、入力されたパスワードと設定されたパスワードとが符合した場合にはファイルの再生を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続可能な投写型表示装置、すなわちプロジェクタ、ネットワークを介した画像の表示方法、およびネットワークを介するプロジェクタの動作状態制御に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、投写型表示装置すなわちプロジェクタは、例えば、パーソナルコンピュータ等の画像生成装置と映像ケーブルを介して接続された状態でプレゼンテーション等に用いられてきた。パーソナルコンピュータによって生成されたアナログRGB信号は、映像ケーブルを介してプロジェクタに入力され、映像としてスクリーン等に投写されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−242055号公報
【0004】
このような使用条件下では、パーソナルコンピュータは、単にプロジェクタに対して映像信号を出力する機能を果たしているに過ぎないが、使用の都度、映像ケーブルを用いてパーソナルコンピュータとプロジェクタとを接続する作業は煩雑であるという問題があった。
【0005】
したがって、プロジェクタ側にプレゼンテーション用のデータを格納できれば便利である。特に、近年のネットワーク環境の発展を考慮すれば、ネットワークを介してプロジェクタに対して表示画像データを配信できれば更に便利である。また、プロジェクタ側にプレゼンテーション用データを格納する場合には、格納されたデータが第三者によって表示されないように保護することが望まれる。
【0006】
また、画像を投写表示するプロジェクタは、大画面表示が可能であることから、講演や会議、学校の授業等において広く利用されている。このプロジェクタは、通常、プロジェクタへの画像供給装置であり、また、プロジェクタの動作状態を制御する制御装置でもあるコンピュータによって、表示システムを構成することにより利用されている。制御装置としてのコンピュータとプロジェクタとは、従来、RS−232C等のインタ−フェースを介して接続されており、コンピュータによってプロジェクタの種々の制御が行われる。
【0007】
従来、ユーザがプロジェクタの動作状態を制御する場合、コンピュータにおいて専用のソフトウェアを実行することにより行われていた。あるいは、プロジェクタに付属のリモートコントローラ(以下、「リモコン」と呼ぶ。)によりプロジェクタの動作状態状態を制御していた。
【0008】
しかしながら、会議等の途中において、プロジェクタの動作状態を変更する場合、通常、制御装置を操作するオペレータによってその変更が行われる。このため、会議等のように複数の参加者がいる場合において、参加者の一人がプロジェクタの動作状態を変更させたい場合、オペレータにプロジェクタの動作状態の変更を依頼して変更しなければならなかった。
【0009】
このような手順でプロジェクタの動作状態を変更する場合、変更したい参加者とオペレータとの間で、変更の指示がうまく伝わらないこともある。また、変更したい参加者自身が制御装置を直接操作するためには、制御装置の設置されている位置に移動しなければならい。以上の点から、従来のプロジェクタを利用した表示システムには、操作性が悪いという問題があった。
【0010】
さらに、ユーザは、図30に示すように、リモコンRMを操作して、プロジェクタPJZに対して、種々の処理を実行させることができる。プロジェクタPJZは、画像供給装置1900から供給されたアナログ画像信号AV1に基づいて、スクリーンSC上に画像を投写表示する。ユーザは、例えば、リモコンRMを操作することにより、スクリーンSC上に投写表示される原画像ORG内にポインタ画像PPJなどの装飾画像を重畳させることができる。このように、原画像ORGに装飾画像を重畳することができれば、プレゼンテーションをより効果的に行うことができる。
【0011】
しかしながら、リモコンRMを用いて、プロジェクタPJZに対して、投写表示される画像の内容に関する処理を実行させるのは、困難であるという問題があった。これは、リモコンRMの操作性があまり高くないからである。さらに、リモコンRMを用いる場合には、複数人で一台のプロジェクタを用いて順次プレゼンテーションを行うときに、リモコンRMを各人で受け渡しする必要があるので、プレゼンテーションの交替を円滑に行うことが困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記問題および要望を解決するためになされたものであり、データの秘匿性を保持しつつプロジェクタにデータを格納することを目的とする。また、データの秘匿性を維持しつつ格納されたデータを投写表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、記憶装置を有する画像表示装置と計算機とがネットワークを介して接続されている画像表示システムを提供する。本発明の第1の態様に係る画像表示システムは、
データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、
前記画像表示装置によって表示させる表示データを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部から前記画像表示装置の記憶装置へ所望のデータを転送する際にパスワードの設定を促すパスワード設定要求部と、
前記入力部を介してパスワードが設定された場合には、設定されたパスワードと前記所望のデータとを関連付けて前記画像表示装置の記憶装置へ転送するデータ転送部とを備える前記計算機と、
前記転送されたパスワードと所望のデータとを前記記憶装置へ格納するデータ受け取り部と、
データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、
前記記憶装置に格納されたデータから表示を望む表示データが選択された際に、パスワードの入力を要求し、前記設定されたパスワードと前記入力部を介して入力されたパスワードとが符合するか否かを判定する認証部と、
前記両パスワードが符合すると判定した場合には、前記選択された表示データを投写表示させる投写表示部とを備える前記画像表示装置とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第1の態様に係る画像表示システムによれば、計算機から画像表示装置の記憶装置に対してデータを転送する際にはパスワードの設定が要求され、パスワードが設定された場合には、パスワードと関連付けられたデータが画像表示装置の記憶装置に対して転送される。また、画像表示装置においては、記憶装置に格納されたデータから表示データが選択された場合には、パスワードの入力を要求し、設定パスワードと入力パスワードとが符合する場合には表示データが投写表示される。したがって、画像表示装置の記憶装置にデータを格納する場合であってもデータの秘匿性を保持することができる。また、画像表示装置の記憶装置にデータを格納する画像表示装置において記憶装置に格納されているデータを表示する場合にも、データの秘匿性を維持しつつデータの表示を実行することができる。
【0015】
本発明の第1の態様に係る画像表示システムにおいて、前記計算機のデータ転送部は、前記入力部を介してパスワードが設定されなかった場合には、前記所望のデータのみを前記画像表示装置の記憶装置へ転送しても良い。かかる構成を備える場合には、パスワードの設定されないデータの転送を許容することができる。また、前記画像表示装置の投写表示部は、前記両パスワードが符合しないと判定した場合には、認証に失敗した旨を示す投写表示不許可画面を投写表示しても良い。かかる構成を備える場合には、誤入力、選択ミス等を報知することができる。
【0016】
本発明の第1の態様に係る画像表示システムにおいて、前記計算機はさらに、前記データ格納部に格納されているデータの一覧、および前記画像表示装置のアイコンを表示する表示画面を備え、前記パスワード設定要求部は、前記表示画面上において前記格納されているデータの一覧から前記所望のデータが、前記画像表示装置のアイコンへドラッグ・アンド・ドロップされた際にパスワードの設定を促しても良い。かかる構成を備える場合には、計算機から画像表示装置の記憶装置へのデータの転送を視覚的に行うことができ、その操作を容易化することができる。
【0017】
本発明の第1の態様に係る画像表示システムはさらに、前記ネットワークに接続されているファイルサーバを有し、前記計算機のデータ転送部は、前記入力部を介してパスワードが設定された場合には、設定されたパスワードと前記所望のデータとを関連付けて前記ファイルサーバへ転送しても良い。かかる構成を備える場合には、画像表示装置の記憶装置に格納できない容量の大きなデータをも格納することができる。
【0018】
本発明の第2の態様は、計算機を介してプロジェクタを用いて表示するデータを保存する方法を提供する。本発明の第2の態様に係るデータ保存方法は、表示するデータを決定し、前記決定されたデータを記憶装置に格納する要求が発生したか否かを判定し、前記格納する要求が発生したと判定した場合には、パスワードの設定を要求し、前記データを前記設定されたパスワードと関連付け、前記パスワードと関連付けられたデータを前記記憶装置に転送することを特徴とする。
【0019】
本発明の第2の態様に係るデータ保存法法によれば、データを記憶装置に格納する場合には、パスワードの設定を要求し、設定されたパスワードと関連付けたデータを記憶装置に転送して格納する。したがって、記憶装置にデータを格納する場合であってもデータの秘匿性を保持することができる。
【0020】
本発明の第2の態様に係るデータ保存方法において、前記計算機の表示画面上において前記記憶装置のアイコンへ前記決定されたデータのアイコンをドラッグ・アンド・ドロップが発生した場合には、前記記憶装置への前記データの格納要求が発生したと判定しても良い。かかる構成を備える場合には、表示画面上においてデータのアイコンを記憶装置のアイコンにドラッグ・アンド・ドロップするという一般的な操作とパスワード設定要求とを関連付けることができるので、特別な操作を必要とすることなくパスワードの設定を促すことができる。
【0021】
本発明の第2の態様に係るデータ保存方法において、前記記憶装置は前記プロジェクタに配置されていても良い。あるいは、前記記憶装置は、前記プロジェクタおよび前記計算機とネットワークを介して接続されているファイルサーバに配置されていても良い。記憶装置が投写表示装置に配置されている場合には、投写表示装置を単独で用いて格納されているデータを表示することができる。また、記憶装置がファイルサーバに配置されている場合には、大容量のデータを格納することができる。
【0022】
本発明の第3の態様は、パスワードと関連付けられたデータを含む表示データを画像表示装置において表示する方法を提供する。本発明の第3の態様に係るデータ表示方法は、前記表示データの中から表示を所望する表示データを特定し、前記特定された表示データがパスワードと関連付けられているか否かを判定し、前記特定された表示データがパスワードと関連付けられていると判定した場合には、前記表示データに関連付けられたパスワードの入力を要求し、前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合するか否かを判定し、前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合すると判定した場合には前記表示データを表示することを特徴とする。
【0023】
本発明の第3の態様によれば、パスワードと関連付けられている表示データの表示が要求されると関連付けられたパスワードの入力を要求し、入力されたパスワードと関連付けられたパスワードとが符合した場合に表示データを表示させる。したがって、入力されたパスワードと関連付けられたパスワードとが符合しない限り画像表示装置において表示データは表示されず、表示データの秘匿性を確保して表示データを表示することができる。
【0024】
本発明の第3の態様に係るデータ表示方法において、前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合しないと判定した場合には、前記表示データの表示を許可しない旨を表示しても良い。かかる構成を備える場合には、誤入力、選択ミス等を報知することができる。
【0025】
本発明の第4の態様は、データ保護機能を有する画像表示装置を提供する。本発明の第4の態様に係る画像表示装置は、データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、パスワードと関連付けられた表示データを含む表示データを格納する表示データ格納部と、前記パスワードと関連付けられた表示データの表示が要求された場合には、パスワードの入力を要求するパスワード要求部と、前記入力部を介して入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合するか否かを判定する認証部と、前記両パスワードが符合すると判定した場合には、前記表示が要求された表示データを投写表示する投写表示部とを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の第4の態様によれば、表示データ格納部に格納されているパスワードと関連付けられた表示データの表示が要求されると関連付けられたパスワードの入力を要求し、入力されたパスワードと関連付けられたパスワードとが符合した場合に表示データを投写表示させる。したがって、入力されたパスワードと関連付けられたパスワードとが符合しない限り画像表示装置において表示データは表示されず、画像表示装置の表示データ格納部に表示データを格納する場合であっても表示データの秘匿性を確保することができる。
【0027】
本発明の第5の態様は、表示データを格納する格納装置を有する画像表示装置を提供する。本発明の第5の態様に係る画像表示装置は、データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、前記格納装置に格納されているデータの一覧を表示するデータ一覧表示部と、前記データの一覧からデータが選択された場合には、選択されたデータと関連付けられたパスワードの入力画面を表示するパスワード入力画面表示部と、前記入力部を介して入力されたパスワードが選択されたデータに予め関連付けられている設定パスワードと一致するか否かを判定する認証部と、前記入力されたパスワードが設定パスワードと一致する場合には、選択されたデータを投写表示する投写表示部とを備えることを特徴とする。
【0028】
本発明の第5の態様によれば、データの一覧からデータが選択されると、パスワードの入力画面を表示し、入力されたパスワードと設定パスワードとが符合した場合にデータを投写表示させる。したがって、入力されたパスワードと設定パスワードとが符合しない限り画像表示装置においてデータは投写表示されず、画像表示装置の格納装置にデータを格納する場合であってもデータの秘匿性を確保することができる。
【0029】
本発明の第5の態様に係る画像表示装置はさらに、前記入力されたパスワードが設定パスワードと一致しない場合には、認証に失敗した旨を示す投写表示不許可画面を表示する不許可画面表示部を備えても良い。
【0030】
本発明の第6の態様は、コンピュータ上で実行される、プロジェクタを用いて表示するデータを保存するためのプログラムを記憶するコンピュータ読取り可能媒体を提供する。本発明の第6の態様に係るコンピュータ読取り可能媒体において、前記プログラムは、表示するデータを決定するステップと、前記決定されたデータを記憶装置に格納する要求が発生したか否かを判定するステップと、前記格納する要求が発生したと判定した場合には、パスワードの設定を要求するステップと、前記データを前記設定されたパスワードと関連付けるステップと、前記パスワードと関連付けられたデータを前記記憶装置に転送するステップとを備えることを特徴とする。
【0031】
本発明の第6の態様によれば、データを記憶装置に格納する場合には、パスワードの設定を要求し、設定されたパスワードと関連付けたデータを記憶装置に転送して格納する。したがって、記憶装置にデータを格納する場合であってもデータの秘匿性を保持することができる。
【0032】
本発明の第7の態様は、パスワードと関連付けられた表示データを画像表示装置において表示するためのプログラムを記憶するコンピュータ読取り可能媒体を提供する。本発明の第7の態様に係るコンピュータ読取り可能媒体において、前記プログラムは、複数の表示データの中から表示を所望する表示データを特定するステップと、前記特定された表示データがパスワードと関連付けられているか否かを判定するステップと、前記特定された表示データがパスワードと関連付けられていると判定した場合には、前記表示データに関連付けられたパスワードの入力を要求するステップと、前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合するか否かを判定するステップと、前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合すると判定した場合には前記表示データを表示するステップとを備えることを特徴とする。
【0033】
本発明の第7の態様によれば、複数の表示データの中から特定された表示データがパスワードと関連付けられている場合には、関連付けられたパスワードの入力を要求し、入力されたパスワードと関連付けられたパスワードとが符合する場合には表示データを表示する。したがって、複数の表示データが存在する場合であっても、各データはパスワードによって保護されており、入力されたパスワードと関連付けられたパスワードとが符合しない限り表示データは表示されることはない。
【0034】
また、本発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、プロジェクタの動作状態を制御するための操作性の向上を図る技術を提供することを目的とする。
【0035】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第8の態様は、ネットワーク接続可能なプロジェクタを提供する。本発明の第8の態様に係るプロジェクタは、画像を投写表示する投写表示部と、投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページ情報を配信可能なウェブサーバ部と、を備え、前記ウェブサーバ部は、ウェブクライアントに配信されて表示されたウェブページ上で入力された制御情報に応じて、前記投写表示部の動作状態を制御する制御信号を前記投写表示部に供給する制御信号供給部と、前記ウェブクライアントからの要求に応じて、前記投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページ情報を前記ウェブクライアントに配信するとともに、前記制御信号によって制御された前記投写表示部の動作状態を表す新たな動作状態情報を取得して、前記ウェブクライアントに配信されたウェブページ情報を更新するウェブページ制御部とを有することを特徴とする。
【0036】
本発明の第8の態様に係るプロジェクタでは、ウェブクライアント(ウェブブラウザと呼ばれることもある)に配信されたウェブページ上において入力された制御情報に応じて、投写表示部の動作状態を制御することができる。従って、ネットワークを介してプロジェクタの動作状態を容易に制御することができ、従来に比べてプロジェクタの動作状態を制御するための操作性の向上を図ることが可能である。
【0037】
ここで、前記ウェブページは、前記プロジェクタの動作状態を変更するためのボタンを含み、前記ボタンを押すことにより前記制御情報が前記プロジェクタに送信されることが好ましい。
【0038】
こうすれば、ユーザがウェブクライアントにおいて表示されたウェブページ上のボタンを押すことにより、動作状態を容易に変更することができる。
【0039】
なお、本発明の第8の態様は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、プロジェクタの動作状態制御方法、その方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現することができる。
【0040】
さらに、本発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、ユーザがプロジェクタに対して、投写表示される画像の内容に関する処理を容易に実行させることのできる技術を提供することを目的とする。
【0041】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第9の態様は、入力部を備える外部入力装置とネットワークを介して接続されるプロジェクタを提供する。本発明の第9の態様に係るプロジェクタは、
前記ネットワークと接続するためのネットワークインタフェース部と、
前記ネットワークを介して前記ネットワークインタフェース部に供給される操作情報であって、前記外部入力装置の前記入力部を操作することによって生成された前記操作情報に基づいて、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を実行し、投写表示される画像を表す画像データを生成するための画像データ生成部と、
前記画像データに応じて画像光を形成する電気光学装置と、
前記電気光学装置で得られた画像光を投写する投写光学系と、
を備えることを特徴とする。
【0042】
本発明の第9の態様に係るプロジェクタでは、ネットワークインタフェース部を介して供給される操作情報に基づいて、投写表示される画像の内容に関する処理を実行し、画像データを生成することができるので、ユーザは、外部入力装置に備えられた入力部を操作することによって、プロジェクタに対して、投写表示される画像の内容に関する処理を容易に実行させることが可能となる。
【0043】
また、ネットワークに複数台の外部入力装置を接続すれば、複数人で一台のプロジェクタを用いて順次プレゼンテーションを行うときに、プレゼンテーションの交替を円滑に行うことが可能となる。
【0044】
本発明の第9の態様に係るプロジェクタにおいて、
前記投写表示される画像は、原画像と原画像に重畳される装飾画像とで形成されており、
前記装飾画像を表す装飾画像データは、前記外部入力装置から供給されず、前記画像データ生成部によって準備され、
前記画像データ生成部は、前記外部入力装置から供給される前記操作情報に基づいて、前記原画像を表す原画像データと前記装飾画像データとを合成して前記画像データを生成することにより、前記原画像内の所定の位置に前記装飾画像を重畳することが好ましい。
【0045】
こうすれば、ユーザが外部入力装置に備えられた入力部を操作することによって、容易に、投写表示される原画像内に装飾画像を重畳させることができる。
【0046】
本発明の第9の態様に係るプロジェクタにおいて、
前記操作情報は、前記外部入力装置の前記入力部としてのポインティングデバイスを操作することによって生成される位置情報を少なくとも含んでおり、
前記画像データ生成部は、前記位置情報に基づいて、前記原画像内の所定の位置に、前記装飾画像としてのポインタ画像を重畳することが好ましい。
【0047】
こうすれば、ユーザが外部入力装置に備えられたポインティングデバイスを移動させることにより、投写表示される原画像内に重畳されるポインタ画像を容易に移動させることができる。
【0048】
本発明の第9の態様に係るプロジェクタにおいて、
前記位置情報は、前記ポインティングデバイスによって指示される座標値情報であることが好ましい。
【0049】
こうすれば、ポインティングデバイスによって指示される位置と、投写表示された原画像内に重畳されるポインタ画像の位置とを容易に対応付けることができる。
【0050】
本発明の第9の態様に係るプロジェクタにおいて、
前記操作情報は、さらに、前記ポインティングデバイスに設けられたスイッチを操作することによって生成されるスイッチ情報を含んでおり、
前記画像データ生成部は、
前記操作情報に含まれる前記位置情報と前記スイッチ情報とに基づいて、前記原画像内の指定された範囲において、前記ポインタ画像と異なる種類の装飾画像を重畳することが好ましい。
【0051】
このように、操作情報が位置情報とスイッチ情報とを含んでいれば、原画像内において範囲指定をすることができるので、指定された範囲において、ポインタ画像と異なる種類の装飾画像を重畳させることが可能となる。
【0052】
本発明の第9の態様に係るプロジェクタにおいて、
前記操作情報は、さらに、前記外部入力装置の前記入力部としてのキーボードを操作することによって生成されるキー情報を含んでおり、
前記画像データ生成部は、前記キー情報に基づいて、前記原画像内に、前記装飾画像としての符号画像を重畳することが好ましい。
【0053】
こうすれば、ユーザが外部入力装置に備えられたキーボードを操作することにより、容易に、投写表示される原画像内に文字などの符号画像を重畳させることが可能となる。
【0054】
本発明の第10の態様は、ネットワークを介して接続された外部入力装置とプロジェクタとを備える投写表示システムを提供する。本発明の第10の態様に係る投写表示システムは、
前記外部入力装置は、
入力部と、
ユーザによる前記入力部の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記ネットワークと接続し、前記操作情報を前記ネットワークを介して前記プロジェクタに供給するための第1のネットワークインタフェース部と、
を備え、
前記プロジェクタは、
前記ネットワークと接続するための第2のネットワークインタフェース部と、
前記ネットワークを介して前記第2のネットワークインタフェース部に供給される操作情報に基づいて、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を実行し、投写表示される画像を表す画像データを生成するための画像データ生成部と、
前記画像データに応じて画像光を形成する電気光学装置と、
前記電気光学装置で得られた画像光を投写する投写光学系と、
を備えることを特徴とする。
【0055】
本発明の第10の態様に係る投写表示システムは、本発明の第9の態様に係るプロジェクタを備えているので、本発明の第9の態様に係るプロジェクタを用いる場合と同様の作用・効果を奏し、ユーザは、外部入力装置に備えられた入力部を操作することによって、プロジェクタに対して、投写表示される画像の内容に関する処理を容易に実行させることが可能となる。
【0056】
また、本発明の第10の態様に係る投写表示システムにおいて、
前記外部入力装置は、さらに、表示部を備え、
前記操作情報生成部は、前記表示部に、前記ポインティングデバイスの操作に伴う前記操作情報を生成するための領域である操作情報生成領域を表示させ、前記操作情報生成領域内に、前記ポインティングデバイスに対応するポインタ画像が表示される場合にのみ前記ポインティングデバイスの操作を検出するようにしてもよい。
【0057】
こうすれば、操作情報生成領域内にポインタ画像が表示される場合にのみ操作情報が生成されるので、ユーザは、操作情報生成領域以外の領域にポインタ画像を表示させることにより、ポインティングデバイスを用いて他の操作を行うことが可能となる。
【0058】
また、本発明の第10の態様に係る投写表示システムにおいて、
前記操作情報生成領域は、投写表示される画像領域と対応付けられていることが好ましい。
【0059】
こうすれば、操作情報生成領域におけるポインタ画像の位置関係と、投写表示される画像領域におけるポインタ画像の位置関係とを、ほぼ一致させることが可能となる。
【0060】
本発明の第11の態様は、入力部を備える外部入力装置において、前記外部入力装置とネットワークを介して接続されるプロジェクタに供給される前記入力部の操作に伴う操作情報を生成するための操作情報生成方法を提供する。本発明の第11の態様に係る操作情報生成方法は、
(a)ユーザによる前記入力部の操作を検出する工程と、
(b)検出結果に基づいて前記操作情報を生成する工程と、
を備えることを特徴とする。
【0061】
こうすれば、ユーザが、外部入力装置に備えられた入力部を操作することによって、操作情報を生成することができる。また、この操作情報をプロジェクタに供給すれば、プロジェクタに対して、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を容易に実行させることが可能となる。
【0062】
本発明の第11の態様に係る方法において、
前記工程(a)は、前記外部入力装置に備えられた表示部に、
(a−1)前記入力部としてのポインティングデバイスの操作に伴う前記操作情報を生成するための領域である操作情報生成領域を表示させる工程と、
(a−2)前記操作情報生成領域内に、前記ポインティングデバイスに対応するポインタ画像が表示される場合にのみ前記ポインティングデバイスの操作を検出する工程と、
を含むことが好ましい。
【0063】
こうすれば、操作情報生成領域内にポインタ画像が表示される場合にのみ操作情報が生成されるので、ユーザは、操作情報生成領域以外の領域にポインタ画像を表示させることにより、ポインティングデバイスを用いて他の操作を行うことが可能となる。
【0064】
本発明の第12の態様は、入力部を備える外部入力装置において、前記外部入力装置とネットワークを介して接続されるプロジェクタに供給される前記入力部の操作に伴う操作情報を生成するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。本発明の第12の態様に係るコンピュータ読み取り可能媒体は、
ユーザによる前記入力部の操作を検出する機能と、
検出結果に基づいて前記操作情報を生成する機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録する。
【0065】
この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを外部入力装置が実行すれば、本発明の方法と同様に、ユーザが、外部入力装置に備えられた入力部を操作することによって、操作情報を生成することができる。また、この操作情報をプロジェクタに供給すれば、プロジェクタに対して、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を容易に実行させることが可能となる。
【0066】
なお、本発明の第9〜第12の態様は、プロジェクタや投写表示システムの機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の種々の態様で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1の実施例に係るプロジェクタがネットワークに接続されて構成される画像表示システムの構成例を示す説明図である。
【図2】第1の実施例に係るプロジェクタの内部回路構成を示すブロック図である。
【図3】パーソナルコンピュータPCからプロジェクタ10に対して表示データを転送する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】パーソナルコンピュータPCからプロジェクタ10に対して表示データを転送するために、パーソナルコンピュータPCの表示ディスプレイ54上にて実行される処理を示す説明図である。
【図5】図4に示す処理を終了した後に表示ディスプレイ54上に現れるパスワード設定画面の一例を示す説明図である。
【図6】プロジェクタ10において外部記憶装置41に格納されているデータファイルを再生する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】第1の実施例にて用いられるリモコン40を模式的に示す説明図である。
【図8】プロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、メニュー画面の一例を示す説明図である。
【図9】プロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、ファイル選択画面の一例を示す説明図である。
【図10】プロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、パスワード入力ボックスPB1の表示の一例を示す説明図である。
【図11】プロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、認証失敗表示ボックスPB2の表示の一例を示す説明図である。
【図12】プロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、再生不許可表示ボックスPB3の表示の一例を示す説明図である。
【図13】本発明の第2の実施例に係るプロジェクタの配置例を示す説明図である。
【図14】ASP端末20がウェブサーバ部として機能する場合の構成を示す機能ブロック図である。
【図15】ウェブサーバ部20から配信されてウェブブラウザCCで表示されるホームページを示す説明図である。
【図16】ウェブページとしてウェブブラウザCCに表示された動作状態設定メニュー画面を示す説明図である。
【図17】ウェブページとしてウェブブラウザCCに表示された映像設定画面を示す説明図である。
【図18】ウェブページとしてウェブブラウザCCに表示された音声設定画面を示す説明図である。
【図19】明るさを1段階アップさせた後の映像設定画面を示す説明図である。
【図20】本発明の第3実施例としての投写表示システムを示す説明図である。
【図21】図20のプロジェクタPJ1の概略構成を示す説明図である。
【図22】図20のコンピュータPC1の概略構成を示す説明図である。
【図23】図20の投写表示システムの利用形態の一例を示す説明図である。
【図24】プロジェクタPJ1とコンピュータPC1との処理手順を示すフローチャートである。
【図25】コンピュータPC1の表示部1350に表示される操作検出用ウィンドウDWを示す説明図である。
【図26】原画像ORG内のポインタ画像PPJを用いて、原画像ORG内にボックス画像PBを重畳する際の処理を示す説明図である。
【図27】ユーザが入力部1360としてのキーボードKBを操作することによって投写表示される画像を示す説明図である。
【図28】第4実施例における投写表示システムを示す説明図である。
【図29】スクリーンSC上に投写表示された原画像ORGの内容を直接編集する際の処理を示す説明図である。
【図30】従来のプロジェクタを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
第1の実施例:
以下、本発明に係るセキュリティ機能を有するプロジェクタ、およびこのプロジェクタがネットワークに接続されて構成される画像表示システムについて図面を参照しつつ、第1の実施例に基づいて説明する。
A.第1の実施例に係るプロジェクタの構成:
【0069】
図1および図2を参照して第1の実施例に係る投写型表示装置すなわちプロジェクタの概略構成の一例について説明する。図1は第1の実施例に係るプロジェクタがネットワークに接続されて構成される画像表示システムの構成例を示す説明図である。図2は第1の実施例に係るプロジェクタの内部回路構成を示すブロック図である。
【0070】
プロジェクタ10は、ネットワーク回線NLを介してファイルサーバFS、パーソナルコンピュータ(計算機)PCと接続されている。パーソナルコンピュータPCは、アプリケーションプログラムを実行するCPU50、アプリケーションプログラムを格納しているROM51、アプリケーションプログラム実行中の処理内容を一時的に格納するRAM52を備えている。パーソナルコンピュータPCはまた、アプリケーションプログラム終了時にアプリケーションプログラムによって生成したデータ(表示データ、ファイル)を格納する内蔵型ハードディスクドライブ(HDD)53、アプリケーションプログラムのユーザインターフェースを表示する表示ディスプレイ54を備えている。パーソナルコンピュータPCのHDD53に格納された表示データは、後述する手順によってプロジェクタ10またはファイルサーバFSに転送される。パーソナルコンピュータPCに対しては、例えば、キーボード551、マウス552といった無線式の外部入力装置55を介してコマンド、データが入力される。
【0071】
プロジェクタ10は、例えば、PCMCIA規格に準拠するメモリカードといった外部記憶装置41を備えており、パーソナルコンピュータPCから転送された表示データを格納する。プロジェクタ10に対しては、例えば、リモコン等の外部入力装置40を介してコマンド、データが入力される。ファイルサーバFSは、プロジェクタ10に代わって表示データを格納するサーバである。表示データを再生(投写)する場合には、プロジェクタ10がファイルサーバFSに対して該当表示データの転送を要求すると、要求された表示データはネットワーク回線NLを介してはファイルサーバFSからプロジェクタ10に転送される。
【0072】
図2を参照して第1の実施例に係るプロジェクタ10の内部構成について説明する。プロジェクタ10は、主としてASP端末としての機能を果たすASP端末部20と、主として従来のプロジェクタ機能を果たすプロジェクタ部30とを備えている。すなわち、第1の実施例に係るプロジェクタ10はASPに対応したASP端末として機能し得る。
【0073】
ASP端末部20は、ビュワーアプリケーション、ASPに対応したクライアントアプリケーションの実行を初めとする種々の演算処理を実行する第1中央処理装置(CPU)200、第1CPU200にて実行するビュワーアプリケーション、クライアントアプリケーションを初めとする種々のプログラムを格納する第1リードオンリメモリ(ROM)202、第1CPU200の演算結果、データ等を一時的に格納する第1ランダムアクセスメモリ(RAM)204を備えている。第1ROM202には、更に表示データを再生(投写表示)する際に実行する認証プログラムが格納されている。第1CPU200と第1ROM202とは単方向または双方向通信可能に接続されており、第1CPU200と第1RAM204とは双方向通信可能に接続されている。
【0074】
ASP端末部20は、第1CPU200と双方向通信可能に接続され、第1CPU200からの描画指令に基づいて画像データを生成するグラフィックスコントローラ210を備えている。グラフィックスコントローラ210は、画像を生成するためのLSIチップ(図示しない)、生成した画像(表示画像)を記憶するためのビデオメモリ、すなわち、第1フレームメモリ(VRAM)212を有している。
【0075】
ASP端末部20は、プロジェクタ10と外部装置との間でコマンドやデータを送受信するためのインターフェースとして、ネットワーク・インターフェース・コントローラ220、I/Oポート230、PCMCIA・インターフェース・コントローラ240、USBコントローラ250を備えている。ネットワーク・インターフェース・コントローラ220は、例えば、イーサネット(登録商標)規格に準拠したコントローラであり、ASP端末部20からネットワーク回線NLへ送信するコマンドやデータをネットワーク通信のプロトコルに従って適切な形式に変換し、あるいは、ネットワーク回線NLから受信した信号をASP端末部20での処理に適した形式に変換する。I/Oポート230は一般的な入出力ポートであり、識別回路232を介して無線入力装置234と接続されている他、外部入力装置40やプロジェクタ部30の第2CPU300と接続されている。無線入力装置244は、無線式の入力装置から無線送信された入力データを受信するための入力装置であり、識別装置232は無線入力装置234が受信した入力データが自身に向けて送信された入力データであるか否かを識別する。
【0076】
PCMCIA・インターフェース・コントローラ240は、PCMCIA規格に従ってASP端末部20から外部装置へデータを転送し、外部装置からASP端末部20へデータを転送するコントローラである。本実施例では、例えば、PCカードメモリが外部記憶装置41として接続されており、パーソナルコンピュータPCから転送された表示データは外部記憶装置41に格納される。USBコントローラ250は、USB規格に従ってASP端末部20と外部装置との間でデータを転送するコントローラであり、例えば、USBHUB252を介して外部入力装置40と接続される。
【0077】
ASP端末部20は、この他にASP端末部20における絶対時間を供給するリアルタイムクロック260、第1CPU200からの指令に基づいてサウンドデータを生成する音源262と接続されている。
【0078】
なお、ASP端末部20における第1CPU200、各コントローラ210等は、データおよびコマンドを伝達するバスを介して相互に接続されている。
【0079】
次に、プロジェクタ部30の構成について説明する。プロジェクタ部30は、所定のプログラムを実行してプロジェクタ部30の各回路を制御する第2中央処理装置(CPU)300、第2CPU300にて実行するプログラムを格納する第2リードオンリメモリ(ROM)302、第2CPU300の演算結果、データ等を一時的に格納する第2ランダムアクセスメモリ(RAM)304を備えている。第2CPU300と第2ROM302とは単方向または双方向通信可能に接続されており、第2CPU300と第2RAM304とは双方向通信可能に接続されている。また、第2CPU300と第1CPU200とはI/Oポート230を介して双方向通信可能に接続されており、第1CPU200と第2CPU300との間でデータやコマンドの送受信が可能である。
【0080】
プロジェクタ部30は、さらに、映像信号変換回路310、音声制御回路320、液晶(LCD)駆動回路330、光源駆動回路340、冷却ファン制御回路350、投写光学系360も備えている。
【0081】
映像信号変換回路310は、アナログ−ディジタル変換機能、デコード機能、同期信号分離機能、画像処理機能といった機能を実現する。すなわち、映像信号変換回路310は、外部映像信号入力端子312から入力されたアナログ映像信号をディジタル画像データに変換し、変換されたディジタル画像データを同期信号に同期して映像信号変換回路310内の図示しないフレームメモリに書き込み、あるいは、フレームメモリに書き込まれたディジタル画像データをフレームメモリから読み出す。アナログ映像信号としては、例えば、パーソナルコンピュータから出力されたRGB信号、ビデオテープレコーダ等から出力されたコンポジット映像信号が入力される。アナログ映像信号がコンポジット映像信号の場合には、映像信号変換回路310は、コンポジット映像信号を復調すると共にRGBの3色の色信号で構成されるコンポーネント映像信号および同期信号に分離し、コンポーネント映像信号をディジタル画像データに変換する。アナログ映像信号がパーソナルコンピュータから出力されたRGB信号の場合には、元々コンポーネント映像信号として入力されると共に同期信号も分離して入力されるので分離処理は不要であり、映像信号変換回路310は、コンポーネント映像信号をディジタル画像データに変換する。
【0082】
映像信号変換回路310には、ASP端末部20のグラフィックスコントローラ210から送信されたディジタル映像信号も入力される。かかる場合には、元々ディジタル映像信号として入力されると共に同期信号が分離して供給されるのでアナログ−ディジタル変換処理および分離処理は不要である。
【0083】
音声制御回路320は、外部音声信号入力端子322、スピーカ324、第2CPU300、およびASP端末部20の音源262と接続されている。音声制御回路320は、第2CPU300と接続されており、第2CPU300からの指令に従い、外部音声信号入力端子322または音源262から伝送された音声信号またはサウンドデータに基づいて生成した駆動信号によってスピーカ324を駆動する。
【0084】
LCD駆動回路330は、映像信号変換回路310によって処理された画像データを受け取り、受け取った画像データに応じてLCD332を駆動して光源342から照射された照明光を変調する。LCD332によって変調された照明光はレンズを含む投写光学系360を介して被投写面、例えば、投写スクリーン上に投写される。光源342には光源制御回路340が接続されており、光源制御回路340は、第2CPU300からの指令に従って光源342のオン、オフ等を制御する。光源342の背面には光源342に対して冷却風を送るための冷却ファン352が配置されている。冷却ファン352には冷却ファン制御回路350が接続されており、冷却ファン制御回路350は、第2CPU300からの指令に従って冷却ファン352の回転速度等を制御する。
【0085】
なお、ASP端末部20は、例えば1枚のプリント基板上に実装された形態を有し、プロジェクタに任意に着脱できるように構成されていることが好ましい。図2の構成から理解できるように、このプロジェクタは、ASP端末部20が装着されていない状態においても、外部から供給された映像信号に応じて画像を投写表示可能である。このように、ASP端末部20をプロジェクタに任意に着脱可能であれば、ASP端末部20の機能(ASP端末機能や後述する描画機能)を有するプロジェクタと、ASP端末部20の機能を有さないプロジェクタとを容易に構成することが可能である。
【0086】
B.第1の実施例に係るプロジェクタの基本的動作:
次に上記構成を備えるプロジェクタ10の基本的な動作について図1および図2を参照して説明する。
【0087】
ネットワーク回線NLを介してプロジェクタ10に入力された信号は、ASP端末部20のネットワーク・インターフェース・コントローラ220によってASP端末部20に適した形式に変換され、第1CPU200へデータおよびコマンドとして転送される。第1CPU200は、転送されたデータを第1RAM204に一時的に格納し、転送されたコマンドがASP端末部20に対するコマンドであるかプロジェクタ部30に対するコマンドであるかを判別する。転送されたコマンドがプロジェクタ部30に対するコマンドの場合には、第1CPU200はI/Oポート230を介してプロジェクタ部30の第2CPU300に対してコマンドを転送する。
【0088】
一方、転送されたコマンドがASP端末部20に対するコマンドの場合には、第1CPU200は、転送されたコマンドに基づいた演算処理を実行する。第1CPU200は、例えば、第1RAM204に格納されたデータを外部記憶装置41に格納する。また、第1CPU200は、外部記憶装置41に格納されているデータの再生要求(投写表示要求)がリモコン40等により入力された場合には、後述する認証プログラムを実行する。第1CPU200は、外部記憶装置41または第1RAM204に格納されたデータを読み出す(再生する)ために、適切なビュワーアプリケーションを第1ROM202から読み出して起動し、格納されているデータのユーザインターフェースデータを生成して描画コマンドと共に、グラフィックスコントローラ210に対して転送する。
【0089】
あるいは、プロジェクタ10がサーバ・ベース・コンピューティング(SBC)のクライアントとして機能する場合には、第1CPU200は、対応するクライアントアプリケーションを起動して、受信した専用フォーマットを有する表示画像データからユーザインターフェース画面データを生成するようにグラフィックスコントローラ210に描画コマンドを送信する。グラフィックスコントローラ210は、受信した描画コマンドに従いユーザインターフェースデータ、あるいは、表示画面データに基づいて表示すべきユーザインターフェース画像データ(以下「画像データ」という。)を生成し、グラフィックスコントローラ210内のVRAM212中に格納する。
【0090】
グラフィックスコントローラ210は、第1CPU200からの指令に従って、所定のタイミングにてグラフィックスコントローラ210のVRAM212に格納されている画像データを読み出し、プロジェクタ部30の映像信号変換回路310に転送する。第1CPU200は、USBHUB252、USBコントローラ250、I/Oポート230を介して外部入力装置40からコマンドまたはデータを受け取る。第1CPU200は、外部入力装置40またはネットワーク回線NLを介して受信したコマンドに従って、第1RAM204内に格納されているデータ、または、PCMCIA・インターフェース・コントローラ240を介してグラフィックスコントローラ210のVRAM212中に格納されている画像データを外部記憶装置41に格納する。
【0091】
映像信号変換回路310は、グラフィックスコントローラ210から画像データを受け取ると、既述の処理を実行してLCD駆動回路330に処理済みの画像データを転送する。LCD駆動回路330は、受け取った画像データに応じてLCD332を駆動制御して所望の画像データを投写スクリーン上に投写させる。
【0092】
第2CPU300は、例えば、ネットワーク回線NLからI/Oポート230を介して転送されたコマンドが光源342のオンを指示する場合には、光源制御回路340を介して光源342をオンする。第2CPU300は、冷却ファン制御回路350を介して光源342の温度に応じて冷却ファン352の作動状態(回転速度、回転タイミング等)を制御する。
【0093】
プロジェクタ10からネットワーク回線NLへのデータ送信は、第1CPU200の指令に従ってネットワーク・インターフェース・コントローラ220を介して実行される。
【0094】
C.第1の実施例に係るプロジェクタへ表示データを格納する手順およびプロジェクタを用いて表示データを表示する手順
【0095】
次に、上記構成を備えるプロジェクタ10に対してネットワークを介してパーソナルコンピュータPCから表示データ(ファイル)を転送する際に実行される処理について図1、図3〜図5を参照して説明する。図3はパーソナルコンピュータPCからプロジェクタ10に対して表示データを転送する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。図4はパーソナルコンピュータPCからプロジェクタ10に対して表示データを転送するために、パーソナルコンピュータPCの表示ディスプレイ54上にて実行される処理を示す説明図である。図5は図4に示す処理を終了した後に表示ディスプレイ54上に現れるパスワード設定画面の一例を示す説明図である。
【0096】
パーソナルコンピュータPC上にてアプリケーションを実行して生成されるプレゼンテーション用データ、ワードプロセッサ用データ等は、アプリケーション実行中はパーソナルコンピュータPC内のRAM52に一時的に格納されている。アプリケーション終了時には、パーソナルコンピュータPCの内蔵HDD53にデータファイルとして格納される。したがって、HDD53には過去に生成したデータファイルを含め複数のデータファイルが格納されている。
【0097】
図3に示す処理ルーチンにおいて、パーソナルコンピュータPCのCPU50は、ファイル保存要求の発生を待機し(ステップS100:No)、ファイル保存要求を検出の発生を検出すると(ステップS100:Yes)、ファイルの保存先の入力を要求する(ステップS110)。
【0098】
今日の一般的なOSでは、表示ディスプレイ54上に表されるグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)によって種々の操作を視覚的に実行可能となっている。このようなGUI環境では、図4に示すように、例えば、HDD53上に格納されている各ファイルに対応するファイルアイコンFLが表示ディスプレイ54上のウィンドウFWに表示され、また、転送先であるプロジェクタ10を示すアイコンPJが表示ディスプレイ54上に表示される。なお、HDD53上のファイルをプロジェクタ10に移動(転送)する場合には、所望のファイルアイコンFL上にマウスポインタMPを置き、マウス552の選択ボタンを押し下げたままの状態でマウスポインタMPをプロジェクタアイコンPJ上に移動させた後、選択ボタンを解放する。かかる操作は、ドラッグ・アンド・ドロップ(D&D)として周知のファイル移動操作である。
【0099】
パーソナルコンピュータPCのCPU50は、マウス552の選択ボタンが押し下げられたままでマウスポインタMPの座標位置がプロジェクタアイコンPJの領域と重なり、マウス552の選択ボタンが解放されると、ファイル保存要求の発生を検出する。
【0100】
パーソナルコンピュータPCのCPU50は、保存先がデフォルト値であるか否かを判定し(ステップS120)、保存先がデフォルト値であると判定した場合には(ステップS120:Yes)、図5に示すようにパスワードの設定を要求するパスワード入力ウィンドウPWを表示ディスプレイ54上に表示させる(ステップS130)。なお、デフォルト値として設定されている保存先はプロジェクタ10の外部記憶装置41であり、このデフォルト値は、本処理ルーチンの設定画面を通じて任意の保存先に変更可能である。
【0101】
パーソナルコンピュータPCのCPU50は、入力された保存先がデフォルト値と異なると判定した場合には(ステップS120:No)、保存先を変更して(ステップS140)、パスワードの設定を要求する(ステップS130)。本実施例では、例えば、ネットワーク回線NLを介してパーソナルコンピュータPCと接続されているファイルサーバFSへも所望のファイルを格納することができる。一般的に、プロジェクタ10の外部記憶装置41の記憶容量はそれほど大きくないので、大量のファイル(データ)を格納しなければならない場合には、ファイルサーバFSを利用すると都合が良い。
【0102】
パーソナルコンピュータPCのCPU50は、パスワードが設定されたか否かを判定し(ステップS150)、パスワードが設定されたと判定した場合には(ステップS150:Yes)、ドラッグ・アンド・ドロップされたファイルとパスワードとを関連付ける(ステップS160)。CPU50は、パスワードと関連付けられたファイルを保存先に転送して(ステップS170)、本処理ルーチンを終了する。転送されたファイルは、プロジェクタ10の外部記憶装置41、または、ファイルサーバFSに格納される。
【0103】
パスワードの設定に際しては、例えば、キーボード551を介して1〜5までの任意の5つ数字を入力すると、パスワード入力ウィンドウPWの入力欄PW1にはアスタリスクが表示される。確認のため、同一のパスワードを確認入力欄PW2に再入力し、「OK」ボタンをマウスポインタMPを介してクリックするとパスワードが設定される。パスワードの入力を必要としない場合には、入力欄PW1をブランクにしたまま「OK」ボタンをマウスポインタMPを介してクリックすると、パスワード入力ウィンドウPWが閉じる。なお、本実施例では、後述するリモートコントローラ(リモコン)40にて入力可能な数字が1〜5であることからパスワードの設定に用いる数字を1〜5に限定しているに過ぎず、リモコンの態様に従ってこの他の数字、または、文字等を組み合わせられることは言うまでもない。
【0104】
パーソナルコンピュータPCのCPU50は、パスワードの設定がされなかったと判定した場合には(ステップS150:No)、ファイルのみを保存先に転送して(ステップS170)、本処理ルーチンを終了する。転送されたファイルは、プロジェクタ10の外部記憶装置41、または、ファイルサーバFSに格納される。
【0105】
次に、プロジェクタ10にて外部記憶装置41に格納されている表示データを再生する際に実行される認証処理について図1、図2、図6〜図12を参照して説明する。図6は、プロジェクタ10において外部記憶装置41に格納されているデータファイル(表示データ)を再生する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。図7は本実施例にて用いられるリモコン40を模式的に示す説明図である。図8はプロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、メニュー画面の一例を示す説明図である。図9はプロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、ファイル選択画面の一例を示す説明図である。図10はプロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、パスワード入力ボックスPB1の表示の一例を示す説明図である。図11はプロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、認証失敗表示ボックスPB2の表示の一例を示す説明図である。図12はプロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、再生不許可表示ボックスPB3の表示の一例を示す説明図である。
【0106】
本処理ルーチンにて、コマンドを送信するリモコン40は、図7に示すように、予め割り当てられた機能を実行するファンクションキーとして機能する1〜5の数字キー401を備えている。リモコン40はまた、投写表示された画面SR上にてカーソルまたはポインタ位置を上下左右方向に移動させるためのジョイスティック402、メニュー呼び出しキー403、実行キー404等を備えている。なお、本処理ルーチンの開始前に、リモコン40のメニュー呼び出しキー403が操作されて、図8に示すようなメニュー画面が投写表示されているものとする。
【0107】
プロジェクタ10の第1CPU200は、リモコン40を介したファイル選択要求の入力を待機し(ステップS200:No)、ファイル選択要求が入力されると(ステップS200:Yes)、第2CPU300に対して図9に示すようなファイル選択画面を投写表示するよう要求する(ステップS210)。第1CPU200は、図8に示すメニュー画面においてジョイスティック402の操作により「2.ファイル選択」のメニューバーMB1が反転表示された状態にて、実行キー404が押し下げられるとファイル選択要求が発生(入力)されたものと判定する。
【0108】
第1CPU200は、選択ファイルの再生要求が発生したか否かを判定する(ステップS220)。第1CPU200は、図9に示すファイル選択画面においてジョイスティック402の操作により所望のファイル、ここでは「2.*****.ppt」のメニューバーMB2が反転表示された状態にて、実行キー404が押し下げられると選択ファイルの再生要求が発生(入力)されたものと判定する。
【0109】
第1CPU200は、選択ファイルの再生要求が発生したと判定すると(ステップS220:Yes)、図10に示すパスワード入力ボックスPB1を投写表示させるように第2CPU300に要求する(ステップS230)。パスワード入力ボックスPB1では、設定パスワードの入力が要求され、リモコン40のファンクションキー401を介して1〜5の数字の組み合わせからなるパスワードが入力される。第1CPU200は、入力されたパスワードが設定されたパスワードと符合するか否かを判定し(ステップS240)する。第1CPU200は、両パスワードが符合すると判定した場合には(ステップS240:Yes)、選択ファイルの描画処理をグラフィックスコントローラ210に要求して、選択ファイルの再生が開始される(ステップS250)。グラフィックスコントローラ210にて描画生成された画像データは、プロジェクタ部30の映像信号処理回路310、LCD駆動回路330、LCD332、投写光学系360を介してスクリーン上に投写表示される。
【0110】
第1CPU200は、リモコン40を介して入力されたパスワードが設定パスワードと一致しないと判定した場合には(ステップS240:No)、符合しなかった回数をカウントする不符合カウンタのカウンタ値Ceを1つインクリメントする(ステップS260)。なお、カウンタ値Ceとしては正の整数値を採るものとする。第1CPU200は、不符合カウンタ値Ceが4以上であるか否かを判定し(ステップS270)、不符合カウンタ値が3以下の場合には(ステップS270:No)、図11に示すような認証失敗表示ボックスPB2を表示するよう第2CPU300に要求する(ステップS280)。第1CPU200は、認証失敗表示ボックスPB2を表示したまま、パスワードの再入力を待機する。
【0111】
第1CPU200は、不符合カウンタ値Ceが4以上であると判定した場合には(ステップS270:Yes)、第2CPU300に対して図12に示すような再生不許可表示ボックスPB3を投写表示するよう要求し(ステップS290)、選択されたファイルの再生を実行しない。すなわち、不正なアクセスを防止するために、所定回数以上(本実施例では4回)パスワードの不符合が続いた場合には選択ファイルの再生を禁止するのである。再生不許可表示ボックスPB3の「OK」ボタンがマウス552(マウスポインタ)を介してクリックされると、第1CPU200は、ステップS300に移行する。
【0112】
最後に、第1CPU200は、不一致カウンタ値Ceを0にリセットし(ステップS300)、本処理ルーチンを終了する。
【0113】
第1CPU200は、選択ファイルの再生要求がないと判定した場合には(ステップS220:No)、本処理ルーチンを終了する。プロジェクタ10の外部記憶装置41に格納されているファイルを確認する場合等が該当する。
【0114】
以上説明したように、第1の実施例によれば、ネットワーク回線NLを介してプロジェクタ10の外部記憶装置41に対して表示データ(ファイル)を転送し、格納させることができる。したがって、予めプロジェクタ10の外部記憶装置41にプレゼンテーションに必要なデータファイルを格納しておくことにより、パーソナルコンピュータPCを接続することなく、プロジェクタ10を単独で用いてプレゼンテーションを実行することができる。これにより、プロジェクタ10を用いる都度、パーソナルコンピュータPCを接続する手間を省くことができる。
【0115】
また、上記第1の実施例では、パーソナルコンピュータPCにおいて、表示ディスプレイ54上にてファイルアイコンFLをプロジェクタアイコンPJにドラッグ・アンド・ドロップすれば、ファイルをプロジェクタ10に転送・保存することができるので、視覚的に簡易にファイル転送・保存操作を実行することができる。加えて、パーソナルコンピュータPCからプロジェクタ10へのファイル転送を開始する前に、パスワード設定ウィンドウPWが表示ディスプレイ54上に表示され、ファイルに関連付けるパスワードを設定することができるので、ファイルの秘匿性を保持することができる。
【0116】
さらに、上記第1の実施例では、プロジェクタ10は、ファイルの再生が指示された場合には、パスワード入力ボックスPB1を投写表示画面SR上に表示して設定されたパスワードの入力を促し、入力されたパスワードと設定されたパスワードとが符合した場合にだけファイルの再生を開始する。したがって、外部記憶装置41に格納されたファイルが第3者によって勝手に再生されることはなく、ファイルの秘匿性を維持することができる。また、多人数にてプロジェクタPJを共有する場合にも、使用の都度、ファイルを外部記憶装置41から消去する手間を省くことができる。すなわち、使用するファイルを外部記憶装置41に格納したままの状態で複数人にてプロジェクタ10を共有しても、各ファイルの秘匿性を保持することができる。
【0117】
また、第1の実施例では、設定できるパスワードをリモコン40にて入力可能な数字(1〜5)の組み合わせとしているので、プロジェクタ10側でパスワードを入力する際に、リモコン40以外の入力装置を用いる必要がない。
【0118】
第2の実施例:
第2の実施例に係るプロジェクタについて以下、説明する。なお、本発明の第2の実施例に係るプロジェクタの構成の説明では、主に相違点について説明し、第2の実施例に係るプロジェクタの構成のうち、第1の実施例に係るプロジェクタの構成と同一の構成については、第1の実施例において用いた符号と同一の符合を用いてその説明を省略する。
【0119】
D.第2の実施例に係るプロジェクタの配置:
図13は、本発明の第2の実施例に係るプロジェクタの配置例を示す説明図である。プロジェクタ10は、例えば、図13に示すように天井につり下げられて用いられる。このプロジェクタ10は、ネットワーク回線NLに接続されており、ネットワーク回線NLを介してサーバコンピュータSCやクライアントコンピュータCCとの間でデータやコマンドが送受信される。ユーザは、プロジェクタ10に対して、例えば、無線式キーボード401や無線式マウス402といった無線式の外部入力装置40を用いてコマンドやデータの入力が可能である。図示しない画像供給装置からプロジェクタ10に供給された映像は、投写スクリーンSCR上に投写される。
【0120】
また、本第2の実施例においては、ASP端末部20は、ウェブサーバ部としての機能を果たす。ウェブサーバ部としての機能には、投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページを配信可能な機能が含まれる。したがって、第1ROM210には、ビュワーアプリケーション等に加えて、ウェブページを公開するためのウェブアプリケーションが含まれている。したがって、ASP端末部20がウェブサーバ部として機能する場合には、第1CPU200は、ウェブサーバアプリケーションを第1ROM202から読み出して起動し、ウェブクライアント(ウェブブラウザとも呼ばれる)に対して指定されたウェブページ情報を配信する。
E.第2の実施例に係るプロジェクタの動作状態制御:
【0121】
図14は、ASP端末部20がウェブサーバ部として機能する場合の構成を示す機能ブロック図である。ASP端末部20は、第1CPU200が第1ROM202に格納されているウェブサーバアプリケーションを実行することにより、ウェブサーバ部として機能する。以下では、ASP端末部20をウェブサーバ部20とも呼ぶ。ウェブサーバ部20は、主に、全体の動作を制御する制御部21と、動作状態情報取得部22と、ページ情報配信部24と、ネットワーク入出力部26と、動作状態制御部27とで構成される。
【0122】
ネットワーク入出力部26は、ネットワークI/Fコントローラ220の動作を制御する機能を有している。動作状態情報取得部22は、プロジェクタ部30やASP端末部20の種々の動作状態を示す情報を動作状態情報23として取得する機能を有している。ASP端末部20の動作状態を示す情報は、第1ROM202、第1RAM204(図2)に格納されている。プロジェクタ部30の動作状態を示す情報は、第2ROM302、第2RAM304(図2)に格納されており、第2CPU300からI/Oポート230を介して転送される。
【0123】
ページ情報配信部24は、クライアントコンピュータCCにおいて実行されているウェブクライアント(ウェブブラウザとも呼ばれる)からの要求に対して、対応するウェブページを示すページ情報を、ページ情報データベース25のなかから選択して配信する機能を有している。また、配信すべきページ情報として、動作状態情報取得部22で取得した動作状態情報23が含まれている場合には、これを含めて配信する。
【0124】
動作状態制御部27は、ウェブブラウザから返送された制御情報(コマンド)に応じてASP端末部20の動作状態を制御するとともに、プロジェクタ部30の動作状態を制御する制御信号をプロジェクタ部30に供給する機能を有している。プロジェクタ部30は、供給された制御信号部に応じて対応する動作状態を制御する。また、ウェブブラウザから制御情報が返送された場合、これに併せてウェブページの更新命令も返送される。このため、動作状態制御部27によって動作状態が制御された場合には、動作状態情報取得部22によって、新たに動作状態情報23が取得され、ページ情報配信部24によって新たに取得された動作状態取得情報23を含むページ情報が配信されて、ウェブブラウザにおいて表示されるウェブページが更新される。なお、動作状態情報取得部22は、動作状態制御部27による制御の有無に関わりなく動作状態の変更を監視し、変更されていれば新しい動作状態情報を取得するようにしてもよい。
【0125】
なお、動作状態制御部27が本発明の制御信号供給部に相当し、動作状態情報取得部22とページ情報配信部24とが本発明のページ情報更新部に相当する。
【0126】
次に、クライアントコンピュータCCからプロジェクタの種々の動作状態を設定する手順について図15ないし図19を用いて説明する。クライアントコンピュータCCにおいて実行されるウェブブラウザ(以下では、単に「ウェブブラウザCC」と呼ぶ場合もある)において、ウェブサーバ部20に対応するURL(Uniform Resource Locator)を入力して指定すると、ウェブサーバ部20は、対応するホームページ情報をウェブブラウザCCに配信する。ウェブブラウザCCは、図15に示すホームページを表示する。
【0127】
ユーザがウェブブラウザCCで表示されたホームページ上の動作状態設定アイコンWCを選択実行すると、その動作状態設定アイコンWCに割り付けられたURLが指定される。ウェブサーバ部20は、指定されたURLに対応するページ情報をページ情報データベース25の中から選択してウェブブラウザCCに配信する。ウェブブラウザCCは、図16に示すような動作状態設定メニュー画面をウェブページとして表示する。図16は、映像設定ボタンVBと、音声設定ボタンABと、高度設定ボタンHBと、情報表示ボタンIBと、全体初期化ボタンRBの5つの設定ボタンが選択可能なメニュー(Web Menu)として表示されている例を示している。
【0128】
ユーザが5つの設定ボタンの中から選択したい設定ボタンを押すことにより、その設定ボタンに割り付けられたURLが指定される。そして、ウェブサーバ部20が指定されたURLに対応するページ情報をページ情報データベース25の中から選択してウェブブラウザCCに配信することにより、ウェブブラウザCCには対応する設定画面がウェブページとして表示される。例えば、映像設定ボタンVBを押すと、図17に示すような映像設定画面が表示される。図17は、映像に関する制御可能な動作状態として、「明るさ」、「コントラスト」、シャープネス」、「ガンマ補正」の4つのメニューが表示されている例を示している。
【0129】
「明るさ」の設定画面としては、6段階の明るさの状態を表示可能な動作状態表示画面と、動作状態表示画面の左側に示された明るさマイナスボタンIDBと、動作状態表示の右側に示された明るさプラスボタンIUBとが表示されている。「コントラスト」、「シャープネス」についても「明るさ」と同様に表示されている。
【0130】
「ガンマ補正」については、「ダイナミック」、「ノーマル」、「ナチュラル」の3つの状態に対応する3つのラジオボタンが表示されている。
【0131】
また、図16の音声設定ボタンABを押すと、図18に示すような音声設定画面がウェブページとして表示される。図18は、音声に関する制御可能な動作状態として、「音量」、「高音」の強さ、「低音」の強さが表示されている例を示している。「音量」、「高音」、「低音」の設定画面についても、図17の「明るさ」と同様に表示されている。
【0132】
図16の他の設定ボタン、高度設定ボタンHBや、情報表示ボタンIB、全初期化ボタンRBについても、それぞれ対応するウェブ画面が表示される。高度設定ボタンHBを押すことにより、カラー設定や、プロジェクタの設置環境(天吊りか否か、リア投写か否か)等のプロジェクタに関する種々の設定画面が表示される。情報表示ボタンIBを押すことにより、プロジェクタの情報、例えば、ランプ点灯時間、映像の種類、解像度等の情報が表示される。全体初期化ボタンRBを押すことにより、プロジェクタの動作状態を初期状態とするための設定画面が表示される。
【0133】
次に、プロジェクタ10の動作状態を変更する場合について、図17の映像設定画面において映像の明るさを変更する場合を例に説明する。映像の明るさを現在の明るさよりも明るくする場合には明るさプラスボタンIUBを押し、暗くする場合には明るさマイナスボタンIDBを押すことにより行われる。明るさプラスボタンIUBを1回押すと、明るさIUBに割り付けられている明るさを1段階アップさせる制御情報(明るさアップ命令)が、ウェブサーバ部20に送信される。このとき、同時に、ウェブページの更新命令も送信されて、ウェブブラウザCCに表示されているウェブページとしての映像設定画面が一旦消示される。
【0134】
ウェブサーバ部20の動作状態制御部27(図14)は、送られてきた制御情報(コマンド)がプロジェクタ部30への情報かASP端末部20への情報かを判断する。明るさアップ命令は、プロジェクタ部30への命令であるのでプロジェクタ部30に転送される。プロジェクタ部30は、この命令に応じて映像の明るさのアップを実行する。これにより、プロジェクタ部30の動作状態が変更される。このとき、動作状態情報取得部22(図14)は、プロジェクタ部30の変更後の動作状態を示す情報を動作状態情報23として新たに取得する。ページ情報配信部24(図14)は、新たに取得された動作状態情報を含む、ページ情報をウェブブラウザCCに配信する。ウェブブラウザCCには、新たに取得された動作状態情報23に応じて更新されたウェブページとしての映像設定画面が表示される。図19は、明るさを1段階アップさせた後の映像設定画面を示している。明るさの動作状態表示が図17の位置から1段階明るい位置に変更されている(黒丸の位置が図17に対して1つ右にずれている)例を示している。
【0135】
映像の明るさを暗くする場合も同様に行うことができる。コントラストやシャープネスの設定も同様である。ガンマ補正の変更は、対応するラジオボタンの選択を行うことにより実行できる。
【0136】
上記説明では、映像設定画面における映像の明るさを例に説明しているが、他の種々の設定画面における設定も同様に行うことができる。
【0137】
以上説明したように、第2の実施例においては、ウェブサーバ部20によってクライアントコンピュータCCにより実行されるウェブブラウザに配信されて表示されるウェブページ上で、ユーザによって入力される制御情報に応じて、プロジェクタ10の種々の動作状態を制御することができる。これによりプロジェクタ10に対して離れた位置にいるユーザが容易にその動作状態を制御することができる。従って、本実施例のプロジェクタは、従来のプロジェクタに比べて、プロジェクタの動作状態を制御するための操作性の向上を図ることが可能である。
【0138】
なお、第2の実施例で説明したウェブページは、本発明を説明するための一例であり、これらに限定されるものではない。
【0139】
F.第3の実施例:
次に、本発明の第3の実施例に係るプロジェクタについて説明する。図20は、本発明の第3実施例としての投写表示システムを示す説明図である。この投写表示システムは、プロジェクタPJ1(すなわち投写型表示装置PJ1)とコンピュータPC1とを備えており、プロジェクタPJ1とコンピュータPC1とは、LANなどのネットワークNWを介して接続されている。なお、図20のコンピュータPC1が本発明における外部入力装置に相当する。
【0140】
図20に示すように、コンピュータPC1は、ポインティングデバイスとしてマウスMSを備えている。後述するように、マウスMSの操作に伴う操作情報OPSは、ネットワークNWを介してプロジェクタPJ1に供給される。プロジェクタPJ1は、操作情報OPSに基づいて、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を実行する。例えば、プロジェクタPJ1は、ネットワークNWを介して供給された操作情報OPSに基づいて、スクリーンSC上に表示された原画像ORG内にポインタ画像PPJを表示させることができる。なお、図20において、コンピュータPC1は、プロジェクタPJ1に対して、操作情報OPSを供給しており、投写表示される画像を形成する原画像ORGやポインタ画像PPJなどを表す画像データは供給していない。
【0141】
図21は、図20のプロジェクタPJ1の概略構成を示す説明図である。プロジェクタPJ1は、CPU1100と、外部記憶装置1102と、ROMやRAMなどの内部記憶装置1104と、アナログ画像信号入力部1108と、画像処理部1110と、液晶ライトバルブ駆動部1120と、液晶ライトバルブ1130と、装飾画像処理部1140と、メニュー画像処理部1150と、リモコン信号処理部1160と、メモリカードMCに格納された画像データなどを読み取るための読取装置1170と、ネットワークインタフェース部1180を備えている。CPU1100と、外部記憶装置1102と、内部記憶装置1104と、画像処理部1110と、装飾画像処理部1140と、メニュー画像処理部1150と、リモコン信号処理部1160と、読取装置1170と、ネットワークインタフェース部1180とは、バス1100bによって互いに接続されている。液晶ライトバルブ1130は、照明光学系11200によってほぼ均一に照明されており、液晶ライトバルブ1130において形成された画像光は、投写光学系1220によってスクリーンSC上に投写される。図21において、光学系11200,1220の図示は、簡略化されている。
【0142】
なお、本実施例のプロジェクタPJ1は、図示しないインターフェースを介して、キーボードやマウスなどの入力機器を接続することも可能である。
【0143】
アナログ画像信号入力部1108には、外部の画像供給装置(図示せず)からアナログ画像信号AV1が供給される。アナログ画像信号AV1としては、例えば、パーソナルコンピュータから供給されたコンピュータ画像を表すRGB信号や、ビデオレコーダやテレビジョン受信機から供給された動画を表すコンポジット画像信号などの画像信号が供給される。アナログ画像信号入力部1108は、アナログ画像信号AV1をAD変換し、ディジタル画像データDV1を出力する機能を有している。
【0144】
画像処理部1110は、原画像データと装飾画像データとを合成して合成画像データを生成する機能を有している。これにより、原画像データによって表される原画像ORG(図20)に、装飾画像データによって表されるポインタ画像PPJ(図20)などの装飾画像を重畳させることができる。原画像データは、画像処理部1110内の図示しないフレームメモリに一旦書き込まれる。画像処理部1110は、フレームメモリに書き込まれた原画像データを読み出す際に、原画像データと装飾画像データとを合成し、合成画像データDDVを液晶ライトバルブ駆動部1120に供給する。
【0145】
なお、原画像データとしては、アナログ画像信号入力部1108から供給される画像データDV1や、ネットワークインタフェース部1180を介してネットワークから供給される画像データ、メニュー画像処理部1150から供給されるメニュー画像データ、メモリカードMCから読み取られて読取装置1170から供給される画像データなどが用いられる。一方、装飾画像データとしては、装飾画像処理部1140から供給される装飾画像データが用いられる。
【0146】
ここで、装飾画像とは、原画像とは独立して準備される画像(付加画像)を意味しており、原画像に重畳(付加)されることによりスクリーンSC上に投写表示される。
【0147】
液晶ライトバルブ駆動部1120は、画像処理部1110から供給された合成画像データDDVに応じて、画像表示データSDを生成する。液晶ライトバルブ1130は、画像表示データSDによって駆動される。このとき、液晶ライトバルブ1130は、照明光学系11200からの光を変調し、画像を表す画像光を形成する。
【0148】
装飾画像処理部1140は、装飾画像を表す装飾画像データを生成して、画像処理部1110に供給する機能を有している。具体的には、装飾画像処理部1140は、ポインタ画像PPJ(図20)を表すポインタ画像データや、ポインタ画像PPJを用いて範囲指定することにより所望のサイズで作成される特定形状の画像(例えば、指差し画像)や描画画像(例えば、ボックス画像や囲み枠画像)などの種々の装飾画像データを生成して、画像処理部1110に供給する。
【0149】
メニュー画像処理部1150は、メニュー画像を表すメニュー画像データを生成して画像処理部1110に供給する機能を有している。ユーザは、メニュー画像に従って、プロジェクタPJ1に関する種々の設定を行うことができる。
【0150】
ネットワークインタフェース部1180は、プロジェクタPJ1をLANに接続し、コンピュータPC1からLANを介して供給される操作情報OPSを、バス1100bを介してCPU1100に供給する機能を有している。CPU1100は、操作情報OPSに基づいて、画像処理部1110や装飾画像処理部1140、メニュー画像処理部1150などを制御する。例えば、操作情報OPSに、原画像ORG内に重畳されるポインタ画像PPJ(図20)の位置を表す位置情報が含まれている場合には、装飾画像処理部1140は、ポインタ画像データを操作情報(位置情報)OPSに基づいて画像処理部1110に供給する。これにより、画像処理部1110は、原画像データとポインタ画像データとを操作情報(位置情報)OPSに基づいて合成することができ、この結果、原画像ORGの所定の位置にポインタ画像PPJが重畳されることとなる。また、ネットワークインタフェース部1180は、後述するように、LANを介して供給される画像データを原画像データとして画像処理部1110に供給する機能を有している。
【0151】
リモコン信号処理部1160(図21)は、リモコンRMからの制御信号に基づいてプロジェクタPJ1の各部の機能を制御する。例えば、リモコン信号処理部1160は、リモコンRMからの制御信号に基づいて、装飾画像処理部1140の機能を制御し、原画像ORG内の所定の位置にポインタ画像PPJを重畳させることができる。ただし、本実施例の投写表示システムでは、リモコンRMに代えて、LANに接続されたコンピュータPC1のマウスMS(図20)を操作することにより、原画像ORG内の所定の位置にポインタ画像PPJを重畳させることが可能となっている。
【0152】
なお、図21のCPU1100と画像処理部1110と装飾画像処理部1140とが、本発明における画像データ生成部に相当する。
【0153】
図22は、図20のコンピュータPC1の概略構成を示す説明図である。コンピュータPC1は、CPU11300と、外部記憶装置1310と、ROM1320と、RAM1330と、表示部1350と、マウスMSやキーボードKBなどの入力部1360とを備えている。また、コンピュータPC1は、LANと接続するためのネットワークインタフェース部1380を備えている。
【0154】
RAM1330内には、操作情報生成部1332の機能を実現するプログラムが格納されている。操作情報生成部1332は、ユーザによる入力部1360の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報OPSを生成する機能を有している。なお、生成された操作情報OPSは、ネットワークインタフェース部1380を介してプロジェクタPJ1に供給される。
【0155】
なお、上記の操作情報生成部1332の機能を実現するコンピュータプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。コンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータが読み取って直接実行するようにしてもよい。
【0156】
この明細書において、コンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。また、オペレーションシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェア装置を動作させるような場合には、そのハードウェア装置自体がコンピュータに相当する。ハードウェア装置は、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とを少なくとも備えている。コンピュータプログラムは、このようなコンピュータに、上述の各手段の機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0157】
なお、この発明における「記録媒体」としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0158】
図23は、図20の投写表示システムの利用形態の一例を示す説明図である。図23の投写表示システムでは、一台のプロジェクタPJ1と複数台のコンピュータPC1,PC2…とがLANを介して接続されている。この投写表示システムを用いれば、例えば、第1のコンピュータPC1においてマウスMSを移動させると、マウスMSの移動に伴って生成された操作情報OPSがLANを介してプロジェクタPJ1に供給されるので、プロジェクタPJ1は、スクリーンSC上に表示されている原画像ORG内に重畳されたポインタ画像PPJをマウスMSと連動させて移動させることができる。なお、他のコンピュータPC2,PC3…においても同様である。このような投写表示システムを用いれば、複数人で一台のプロジェクタPJ1を用いて順次プレゼンテーションを行う場合に、リモコンRMを各人で受け渡しする必要がないので、プレゼンテーションの交替を円滑に行うことができる。
【0159】
図24は、プロジェクタPJ1とコンピュータPC1との処理手順を示すフローチャートである。プロジェクタPJ1は、ステップT101において、スクリーンSC上に原画像ORGを表示している。
【0160】
コンピュータPC1は、ステップS1101において、入力部1360の操作に伴う操作情報OPSを生成するための操作情報生成プログラムを起動する。このとき、図22の外部記憶装置1310内に格納されていた操作情報生成プログラムは、RAM1330内に展開され、操作情報生成部1332として機能する。操作情報生成プログラムが起動すると、コンピュータPC1の表示部1350には、操作検出用ウィンドウDWが表示される。
【0161】
図25は、コンピュータPC1の表示部1350に表示される操作検出用ウィンドウDWを示す説明図である。図25に示す表示部1350では、操作検出用ウィンドウDWと、プレゼンテーションにおいて発表する内容などを記したメモを表示するメモ表示ウィンドウMWとが表示されている。
【0162】
操作検出用ウィンドウDWは、「PJ選択」ボタンB1と、「解像度選択」ボタンB2と、「メニュー」ボタンB3と、「開始」ボタンBSと、「終了」ボタンBEと、操作情報生成領域GAとを含んでいる。ここで、操作情報生成領域GAとは、マウスMSの操作に伴う操作情報OPSを生成するための領域を意味している。図25において、マウスMSに対応するポインタ画像PPCは、表示部1350の全領域内において表示されるが、ポインタ画像PPCが操作情報生成領域GA内に表示される場合にのみ、マウスMSの操作に伴う操作情報OPSが生成される。このようにすれば、ユーザが、操作情報生成領域GA以外の領域においてポインタ画像PPCを表示させてマウスMSを操作する場合には、マウスMSの操作情報OPSが生成されないので、マウスMSを用いて他の操作、例えば、メモ表示ウィンドウMWに表示させるメモを変更するなどの操作を行うことが可能となる。
【0163】
図24のステップS1102では、プロジェクタPJ1についての設定を行う。具体的には、ユーザが用いるプロジェクタを選択し、また、選択されたプロジェクタに適した解像度を設定する。
【0164】
ユーザが用いるプロジェクタの選択は、操作検出用ウィンドウDWに設けられた「PJ選択」ボタンB1を選択して実行される。「PJ選択」ボタンB1をマウスMSでクリックすると、プロジェクタを選択するための選択フィールド(図示せず)が表示される。LANに複数台のプロジェクタが接続されている場合には、選択フィールドには、複数台のプロジェクタの情報が表示される。ユーザは、選択フィールドに表示された一台あるいは複数台のプロジェクタの中から、ユーザが用いるプロジェクタ「PJ1」を選択する。
【0165】
プロジェクタPJ1に適した解像度の設定は、操作検出用ウィンドウDWに設けられた「解像度選択」ボタンB2を選択して実行される。「解像度選択」ボタンB2をマウスMSでクリックすると、解像度を選択するための選択フィールド(図示せず)が表示される。例えば、プロジェクタPJ1に備えられた液晶ライトバルブ1130(図21)の有効表示領域の解像度がXGA(1024×768)である場合には、プロジェクタPJ1の解像度として「XGA」を選択する。このように、プロジェクタPJ1の解像度を設定することにより、操作情報生成領域GAと、スクリーンSC上に投写表示される原画像ORGの画像領域とを対応付けることができる。すなわち、操作情報生成領域GA内におけるポインタ画像PPCの位置関係と、原画像ORG内におけるポインタ画像PPJの位置関係とをほぼ一致させることができる。
【0166】
ステップS1102において、プロジェクタPJ1についての設定が終了すると、ステップS1103において、コンピュータPC1は、操作情報OPSの送信開始を意味する開始情報を出力する。これは、ユーザが操作検出用ウィンドウDWに設けられた「開始」ボタンBSを選択することによって実行される。ユーザが「開始」ボタンBSを選択すると、開始情報がネットワークインタフェース部1380から出力され、LANを介してプロジェクタPJ1のネットワークインタフェース部1180に供給される。
【0167】
プロジェクタPJ1は、開始情報を受け取ると、ステップT102において、原画像ORG内にポインタ画像PPJを重畳表示するための準備を行う。具体的には、CPU1100が、ネットワークインタフェース部1180に供給された開始情報に基づいて、装飾画像処理部1140にポインタ画像データを準備させる。
【0168】
なお、図23において、プロジェクタPJ1に第1のコンピュータPC1からの開始情報が供給されると、プロジェクタPJ1は、後述する終了情報(ステップS1108)が供給されるまで、第1のコンピュータPC1からの操作情報OPSのみに基づいて処理を実行し、他のコンピュータPC2,PC3…からの情報を無視する。これにより、第1のコンピュータPC1によって、プロジェクタPJ1が独占されることとなる。
【0169】
ステップS1104では、ユーザが入力部1360としてのマウスMSを操作する。ここで、マウスMSの操作とは、ユーザがマウスMS自体を移動させる操作や、マウスMSに設けられたスイッチを押す操作などを意味している。
【0170】
ステップS1105では、入力部1360としてのマウスMSの操作を検出する。そして、ステップS1106では、ステップS1105における検出結果に基づいて操作情報OPSを生成する。
【0171】
前述のように、本実施例の操作情報生成部1332は、マウスMSに対応するポインタ画像PPCが操作検出用ウィンドウDWの操作情報生成領域GA内に表示される場合にのみ、マウスMSの操作を検出する。そして、操作情報生成領域GA内においてポインタ画像PPCが表示される位置を、設定されたプロジェクタPJ1の解像度(ステップS1102)応じて、座標値で求める。本実施例では、プロジェクタPJ1の解像度は、XGA(1024×768)に設定されているので、ポインタ画像PPCが操作情報生成領域GAの左上端に表示されている場合には座標値を(1,1)とし、中央に表示されている場合には座標値を(512,384)とし、右下端に表示されている場合には座標値を(1024,768)として求める。この座標値情報が、マウスMSの位置情報となり、操作情報OPSとして出力される。
【0172】
ステップS1107では、コンピュータPC1は、操作情報OPSを送信する。なお、操作情報OPSは、ネットワークインタフェース部1380(図22)によってネットワーク用のデータ形式に変換されて出力される。
【0173】
プロジェクタPJ1は、ステップT103において、操作情報OPSに基づいて、画像を表示する。具体的には、操作情報OPSに基づいて、原画像ORG内の所定の位置(すなわち、操作情報生成領域GA内におけるポインタ画像PPCの位置に対応する位置)にポインタ画像PPJを表示する。なお、コンピュータPC1は、プロジェクタPJ1に操作情報OPSを供給しているが、ポインタ画像PPJを表すポインタ画像データは供給していない。
【0174】
ステップS1104〜S1107,T103の処理を繰り返し実行することにより、マウスMSの移動と連動させて、スクリーンSC上に投写表示される原画像ORG内のポインタ画像PPJを移動させることができる。
【0175】
ステップS1108では、操作情報OPSの送信終了を意味する終了情報を出力する。これは、ユーザが操作検出用ウィンドウDWに設けられた「終了」ボタンBEを選択することによって実行される。ユーザが「終了」ボタンBEを選択すると、終了情報がネットワークインタフェース部1380から出力され、LANを介してプロジェクタPJ1のネットワークインタフェース部1180に供給される。
【0176】
プロジェクタPJ1は、終了情報を受け取ると、ステップT104において、原画像ORG内に重畳されたポインタ画像PPJを消去する。具体的には、CPU1100が、ネットワークインタフェース部1180に供給された終了情報に基づいて、装飾画像処理部1140にポインタ画像データの出力を中止させる。
【0177】
ところで、上記のステップS1104では、マウスMSを単に移動させる操作を実行する場合について説明したが、マウスMSに設けられたスイッチを押しながらマウスMSを移動させる操作を実行する場合には、投写表示される原画像ORG内において領域を指定することができる。本実施例のプロジェクタPJ1では、領域を指定することにより、ボックス画像や囲み枠画像などのポインタ画像と異なる種類の装飾画像を、原画像ORG内の指定領域に重畳することが可能となっている。この説明からも分かるように、ステップS1106においては、マウスMSの位置情報のみでなく、マウスMSのスイッチ情報も操作情報OPSとして生成される。
【0178】
図26は、原画像ORG内のポインタ画像PPJを用いて、原画像ORG内にボックス画像PBを重畳する際の処理を示す説明図である。ボックス画像PBのサイズは、原画像ORG内において、ボックス画像PBの対向する2つの頂点(始点および終点)を指定することによって決定される。図26(A−1)〜(A−3)は、操作検出用ウィンドウDW(図25)に含まれる操作情報生成領域GAを示している。図26(B−1)〜(B−3)は、プロジェクタPJ1によってスクリーンSC上に表示される原画像ORGを示している。
【0179】
図26(A−1)では、コンピュータPC1のマウスMSを操作して、領域を指定するための始点P1Cを指定する。これは、ユーザがマウスMSを移動させることにより、ポインタ画像PPCを始点P1Cに移動させ、マウスMSのスイッチを押すことによって行われる。このとき、図26(B−1)に示すように、原画像ORG内では、ポインタ画像PPJによって始点P1Jが指定される。原画像ORGにおいて始点P1Jが指定されると、ボックス画像PBの始点を意味する始点画像PSが始点P1J位置に重畳される。
【0180】
図26(A−2)では、ユーザがマウスMSのスイッチを押したまま、マウスMSを領域の終点P2Cに移動させる。このとき、操作情報生成領域GA内には、始点P1Cおよび終点P2Cを結ぶ線分を対角線とする枠が破線で表示されている。一方、原画像ORG内では、図26(B−2)に示すように、始点画像PSが表示されると、ポインタ画像PPJに代えて終点画像PEが表示され、終点画像PEを用いて原画像ORG内の終点P2Jが指定される。
【0181】
図26(A−3)では、ユーザがマウスMSのスイッチを押すのを中止する。このとき、図26(B−3)に示すように、原画像ORG内では、始点P1Jおよび終点P2Jによって設定された範囲にボックス画像PBが重畳される。
【0182】
なお、始点画像PSと、終点画像PEと、ボックス画像PBとのそれぞれの装飾画像を表す装飾画像データは、装飾画像処理部1140(図21)によって準備され、画像処理部1110に供給される。
【0183】
また、原画像ORGに重畳されるボックス画像PBなどの装飾画像の種類は、操作検出用ウィンドウDW(図25)に含まれる「メニュー」ボタンB3を選択することによって予め指定される。すなわち、ユーザがコンピュータPC1において「メニュー」ボタンB3を選択すると、メニュー表示開始情報がLANを介してプロジェクタPJ1に供給される。プロジェクタPJ1内のCPU1100は、ネットワークインタフェース部1180に供給されたメニュー表示開始情報に基づいて、メニュー画像処理部1150および画像処理部1110を制御し、メニュー画像を原画像ORGとしてスクリーンSC上に投写表示させる。ユーザは、原画像ORG(メニュー画像)内に重畳表示されるポインタ画像PPJを用いて、使用する装飾画像の種類を選択する。なお、リモコンRMを用いてメニュー画像を表示させて、リモコンRMを用いて使用する装飾画像の種類を選択することも可能である。
【0184】
上記では、コンピュータPC1の入力部1360として、マウスMSを操作する場合について説明したが、入力部1360としてキーボードKBを操作する場合にも操作情報OPSが生成される。すなわち、ステップS1104において、ユーザがキーボードKBを操作すると、ステップS1105,S1106において、操作情報生成部1332は、キー操作を検出し、検出結果に基づいてキー情報を含む操作情報OPSを生成する。プロジェクタPJ1は、ステップT103において、コンピュータPC1から供給された操作情報OPS(ステップS1107)に基づいて、画像を表示する。図27は、ユーザが入力部1360としてのキーボードKBを操作することによって投写表示される画像を示す説明図である。図27では、原画像ORG内のポインタ画像PPJで指定された位置付近には、キー情報と対応する「Here!」の文字からなる符号画像PMが重畳されている。このように、操作情報OPSにキー情報が含まれるようにすれば、原画像ORG内に、文字等の符号画像を重畳させることができるので、プレゼンテーションをより効果的に行うことが可能となる。符号画像を表す符号画像データは、装飾画像処理部1140によって準備され、画像処理部1110に供給される。
【0185】
なお、第3の実施例では、キーボードKBの操作も、操作検出用ウィンドウDW(図25)に含まれる操作情報生成領域GA内にポインタ画像PPCが存在する場合にのみ検出されるので、操作情報生成領域GA以外の領域にポインタ画像PPCを表示させることにより、キーボードKBを用いて他の操作、例えば、メモ表示ウィンドウMWのメモの内容を編集するなどの操作を行うことが可能となっている。
【0186】
以上説明したように、第3の実施例に従う投写表示システムは、ネットワークNWを介して接続された外部入力装置PC1とプロジェクタPJ1とを備えている。外部入力装置PC1は、ユーザによる入力部1360の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報OPSを生成する操作情報生成部1332を備えている。そして、プロジェクタPJ1は、ネットワークNWを介して供給される操作情報OPSに基づいて、原画像データによって表される原画像内の所定の位置に、装飾画像データによって表される装飾画像が重畳された画像を表す画像データDDVを生成する画像データ生成部1100,1110,1140を備えている。なお、前述したように、コンピュータPC1は、プロジェクタPJ1に操作情報OPSを供給しているが、原画像に重畳される装飾画像を表す装飾画像データは供給していない。これにより、ユーザは、外部入力装置PC1に備えられた入力部1360を操作することによって、容易に、原画像内に装飾画像を重畳させることが可能となる。
【0187】
G.第4の実施例:
第3実施例では、ユーザがコンピュータPC1(図22)の入力部1360を操作することによって、プロジェクタPJ1(すなわち投写型表示装置PJ1)に対して、投写表示される原画像ORG内にポインタ画像PPJやポインタ画像と異なる種類の装飾画像を重畳させる場合について説明したが、ユーザはコンピュータPC1の入力部1360を操作することによって、投写表示される原画像ORGの内容を直接編集することも可能である。
【0188】
これは、プロジェクタPJ1(図21)が、外部記憶装置1102にアプリケーションプログラムを格納することによって実現できる。すなわち、プロジェクタPJ1が、外部記憶装置1102に格納されたアプリケーションプログラムを起動させると、アプリケーションプログラムは、内部記憶装置(RAM)1104内に展開され、CPU1100によって実行される。アプリケーションプログラムによって生成された実行画面データは、画像処理部1110に供給され、原画像データとして用いられる。これにより、ユーザは、コンピュータPC1の入力部1360を操作することによって、アプリケーションプログラムによって生成される原画像(実行画像)ORGの内容を直接編集することが可能となる。
【0189】
ところで、近年、SBC(Server Based Computing)方式によるアプリケーションプログラムの利用が推進されている。従来では、いわゆるダウンロード方式によって、アプリケーションプログラムが利用されていた。ダウンロード方式によるアプリケーションプログラムの利用は、ユーザがサーバから所望のアプリケーションプログラムを動的にクライアント機にダウンロードし、ダウンロードしたアプリケーションプログラムをクライアント機上にインストールして、アプリケーションプログラムを利用するものである。
【0190】
一方、SBC方式によるアプリケーションプログラムの利用は、ユーザがアプリケーションプログラムをサーバ上で実行させ、クライアント機でサーバにおけるアプリケーションプログラムの実行画面を利用するものである。このとき、キーボードやマウスなどの操作情報がクライアント機からサーバに供給され、実行画面の更新データがサーバからクライアント機に供給される。これにより、アプリケーションプログラムの動作をクライアント機から切り離すことができるので、クライアント機の性能に依存せずにアプリケーションプログラムを利用することが可能となる。なお、実行画面データは、所定形式のデータで供給され、クライアント機は、供給された所定形式のデータに基づいて実行画面を表示させる。
【0191】
第4の実施例においては、プロジェクタPJ1(投写型表示装置PJ1)は、上記のクライアント機として機能することも可能である。この場合には、プロジェクタPJ1は、アプリケーションプログラム自体を格納しておく必要がないため、外部記憶装置1102や内部記憶装置1104の容量を比較的小さくすることができる。
【0192】
図28は、第4実施例における投写表示システムを示す説明図である。この投写表示システムは、プロジェクタPJ1(投写型表示装置PJ1)とコンピュータPC1とサーバSBとを備えており、プロジェクタPJ1とコンピュータPC1とサーバSBとは、ネットワークNWを介して接続されている。
【0193】
プロジェクタPJ1は、上記のクライアント機として機能し、サーバSBから供給されるアプリケーションプログラムの実行画面をスクリーンSC上に投写表示する。なお、プロジェクタPJ1の内部構成は、図21とほぼ同じであるため、詳細な説明は省略する。ただし、ネットワークインタフェース部1180(図21)は、内部に図示しないビューア部を備えており、ビューア部は、供給された所定形式のデータDTに基づいて実行画面を表す実行画面データを準備する。この実行画面データは、画像処理部1110(図21)に供給され、原画像データとして用いられる。
【0194】
この投写表示システムにおいても、プロジェクタPJ1が外部記憶装置1102にアプリケーションプログラムを格納している場合と同様に、ユーザはコンピュータPC1の入力部1360(図22)を操作することによって、投写表示される原画像(実行画面)ORGの内容を直接編集することができる。
【0195】
図29は、スクリーンSC上に投写表示された原画像ORGの内容を直接編集する際の処理を示す説明図である。なお、図29では、原画像ORGとして、文書作成プログラムによって生成された実行画面が表示されている。
【0196】
図29(A)では、ユーザは、コンピュータPC1に備えられたマウスMSを移動させて、投写表示される原画像(実行画面)ORG内の所望の位置にポインタ画像PPJを重畳させる。このとき、コンピュータPC1から供給される位置情報を含む操作情報OPSは、第1実施例と同様に、プロジェクタPJ1においてポインタ画像PPJの重畳処理に利用される。なお、図29(A)では、原画像ORG内の文字「M」の位置にポインタ画像PPJが重畳されている。
【0197】
図29(B)では、ユーザは、マウスMSに設けられたスイッチを押し(クリックし)、原画像(実行画面)ORG内の所望の位置にカーソルCSを表示させる。このとき、コンピュータPC1から供給されるスイッチ情報を含む操作情報OPSは、一旦、プロジェクタPJ1に供給され、プロジェクタPJ1は、供給された操作情報OPSをネットワークNWを介してサーバSBに送信する。サーバSBは、マウスMSの位置情報やスイッチ情報などを含む操作情報OPSに従って、文書作成プログラムによって生成される実行画面内の所定の位置にカーソルを表示させる。そして、サーバSBは、カーソルが表示された更新画面を、ネットワークNWを介してプロジェクタPJ1に供給し、プロジェクタPJ1は、更新画面を原画像ORGとしてスクリーンSC上に投写表示させる。なお、このときにも、図29(B)に示すように、プロジェクタPJ1は、操作情報OPSに基づいて、原画像(更新画面)ORG内にポインタ画像PPJを重畳表示させている。
【0198】
図29(C)では、ユーザが、コンピュータPC1に備えられたキーボードKBのキーを操作することによって、原画像ORG内のカーソル位置に文字等を入力する。このとき、コンピュータPC1から供給されるキー情報を含む操作情報OPSは、一旦、プロジェクタPJ1に供給され、プロジェクタPJ1は、供給された操作情報OPSをネットワークNWを介してサーバSBに送信する。サーバSBは、キーボードKBのキー情報を含む操作情報OPSに従って、文書作成プログラムによって生成される実行画面内のカーソル位置において、文字等の入力を行う。そして、サーバSBは、編集された更新画面を、ネットワークNWを介してプロジェクタPJ1に供給し、プロジェクタPJ1は、更新画面を原画像ORGとしてスクリーンSC上に投写表示させる。なお、図29(C)では、文字「K」,「M」の間に文字「L」が挿入された原画像(更新画面)ORGが表示されている。
【0199】
図29(A)〜(C)に示すように、ユーザは、コンピュータPC1に備えられた入力部1360を操作することによって、投写表示される原画像(実行画面)ORGの内容を直接編集することができる。なお、図29では、プロジェクタPJ1が、サーバSBから供給されるアプリケーションプログラムの実行画面をスクリーンSC上に投写表示する場合について説明したが、プロジェクタPJ1が、内部記憶装置1104内に格納されたアプリケーションプログラムによって生成される実行画面を投写表示する場合にも、原画像(実行画面)ORGの内容を直接編集することができる。前者の場合には、前述のように、コンピュータPC1に備えられる外部記憶装置1102や内部記憶装置1104の容量は比較的小さくて済むという利点がある。一方、後者の場合には、プロジェクタPJ1は、コンピュータPC1から一旦供給された操作情報OPSを、サーバSBに送信しなくて済むという利点がある。なお、プロジェクタPJ1からサーバSBへの操作信号OPSの供給処理は、プロジェクタPJ1内のCPU1100がネットワークインタフェース部1180に実行させる。
【0200】
なお、第3の実施例では、原画像ORG内にポインタ画像PPJが重畳された位置で入力部1360を操作すると、ポインタ画像PPJと異なる種類の装飾画像を原画像ORGに重畳させることができる。一方、第4の実施例では、原画像ORG内にポインタ画像PPJが重畳された位置で入力部1360を操作すると、原画像(実行画面)ORGの内容を編集することができる。なお、第4の実施例においても、原画像(実行画面)ORGにポインタ画像PPJと異なる種類の装飾画像を原画像ORGに重畳させることもできる。すなわち、プロジェクタPJ1は、ポインタ画像PPJが原画像ORGに重畳された後に供給された操作情報OPSに基づいて、装飾画像を原画像ORGに重畳させる処理(装飾モード)と、原画像(実行画面)ORGの内容を直接編集する処理(編集モード)とを区別して実行する。なお、このような処理モードの切り替えは、メニュー画像において行われ、設定された処理モードに応じて、CPU1100(図21)が各部を制御する。
【0201】
以上説明したように、第4の実施例においても、投写表示システムは、ネットワークNWを介して接続された外部入力装置PC1とプロジェクタPJ1とを備えている。外部入力装置PC1は、ユーザによる入力部1360の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報OPSを生成する操作情報生成部1332を備えている。そして、プロジェクタPJ1は、ネットワークNWを介して供給される操作情報OPSに基づいて、原画像内の所定の位置にポインタ画像が重畳され、また、原画像(実行画面)ORGの内容が編集された画像を表す画像データDDVを生成する画像データ生成部1100,1110,1140を備えている。このように、ユーザは、外部入力装置PC1に備えられた入力部1360を操作することによって、プロジェクタPJ1に対して、投写表示される画像の内容に関する処理を容易に実行させることが可能となる。
【0202】
以上、第1〜第4の実施例に基づき本発明に係るプロジェクタおよび投写表示システム、並びに、その方法および記録媒体について説明してきたが、上記した実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0203】
(1)例えば、第1の実施例では、表示ディスプレイ54上にてファイルアイコンFLをプロジェクタアイコンPJへドラッグ・アンド・ドロップした場合の転送・保存先をプロジェクタ10とした場合の例について説明したが、ネットワーク上に接続されているファイルサーバFSに対して転送・保存するようにしても良い。例えば、多人数にてプレゼンテーションを行うような場合には、プロジェクタ10の外部記憶装置41には全てのファイルデータを格納しきれない場合があり、かかる場合には、ファイルサーバFSに予め必要なファイルを格納することにより必要なファイルを保存しておくことができる。
【0204】
(2)ファイルの再生に当たっては、例えば、次のように処理することができる。プロジェクタ10は、ファイルサーバFSに格納されているファイル情報を予め取得しておき、ファイル選択時にはファイル選択画面上にファイル情報を表示する。プロジェクタ10は、ファイルサーバFSに格納されているファイルが選択されると、ファイルサーバFSに対して選択ファイルの転送要求を送信する。プロジェクタ10は選択ファイルを受信した後、投写表示を実行する。
【0205】
(3)また、パーソナルコンピュータPCがPCMCIAスロットを有する場合には、パーソナルコンピュータPCからのファイルの転送先をPCMCIAスロットに格納されているPCメモリカードとしても良い。かかる場合には、プロジェクタ10がネットワークに接続されていない場合であっても、パーソナルコンピュータPCにおいてPCメモリカードにファイルを転送した後に、プロジェクタ10にPCメモリカードを差し込むことによって、上記実施例と同等の作用効果を得ることができる。PCメモリカードにファイルを転送する際には、パスワードの設定が要求されることは言うまでもない。
【0206】
(4)また、第1の実施例では、1〜5の数字を用いてパスワードを設定しているが、この制限は既述のようにリモコン40によって入力可能な数字に対応したに過ぎず、リモコン40によって1〜5以外の数字、文字等が入力できる場合には1〜5以外の数字、文字等を用いてパスワードを設定できることは言うまでもない。例えば、リモコン40に液晶の表示窓を設けておき、ジョイスティック402を用いて文字等のパスワードを入力するようにしても良い。あるいは、無線式キーボード等を用いて各種数字、文字を入力するようにしても良い。
【0207】
(5)さらに、第1の実施例では、パスワードの設定されたファイルをパスワードと関連付けてプロジェクタ10の外部記憶装置41に転送しているが、パーソナルコンピュータPCにて転送ファイルを暗号化してプロジェクタ10に転送し、プロジェクタ10にて復号するようにしてもよい。かかる場合には、ネットワーク回線NLを通じたファイル転送時におけるセキュリティレベルを向上することができる。
【0208】
(6)また、第1の実施例における表示ディスプレイ54上の表示画面、並びに、投写表示画面SRは例示に過ぎず、実施に当たっては適宜、変更され得ることは言うまでもない。
【0209】
(7)既述のように、第1の実施例ではネットワーク端末部に対してASP端末部20という名称を用いているが、プロジェクタ10は必ずしもASP端末である必要はない。例えば、ネットワークを介してアプリケーション・データ(ファイル)を受け取り、ビュワーアプリケーションによってファイルを開いてその表示画面を投写してもよい。かかる場合には、プロジェクタ10側でファイル形式を判断して自動的に最適なビュワーを起動してもよく、あるいは、サーバからプロジェクタ10に対してファイルと共に適切なビュワーを起動させる起動コマンドを同時に供給してもよい。
【0210】
(8)第1の実施例では、ASP端末部20およびプロジェクタ部30にそれぞれCPU、RAM、ROMを備えているが、ASP端末部20にのみ備えるようにしてもよい。かかる場合には、ASP端末部20におけるCPUがプロジェクタ部30の制御を実行する。
【0211】
(9)また、第1の実施例では、プロジェクタ部30において、外部映像信号入力端子312、および外部音声信号入力端子322が備えられているが、ネットワーク接続専用プロジェクタとする場合には、省略してもよい。かかる場合にはネットワーク回線NLを介して、画像データ、音声データが供給されるからである。
【0212】
(10)第1の実施例では、種々のインターフェース・コントローラが備えられているが、ネットワーク・インターフェース・コントローラ220を除いて、適宜省略可能であることは言うまでもない。
【0213】
(11)第3および第4実施例では、コンピュータPC1は、入力部1360として、マウスMSを備えているが、マウスMSに代えて、タブレットや、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティックなどの他のポインティングデバイスを備えるようにしてもよい。これらのポインティングデバイスも、マウスMSと同様の機能を有しており、本発明におけるポインティングデバイスに相当する。
【0214】
(12)第3および第4実施例では、入力部1360としてのマウスMSを用いて、原画像ORG内のポインタ画像PPJの重畳位置を指定しているが、入力部1360としてマウスMSが備えられていない場合には、キーボードKBの方向キーを用いて、ポインタ画像PPJの重畳位置を指定するようにしてもよい。あるいは、テンキーを用いて、ポインタ画像PPJの重畳位置を座標値で指定するようにしてもよい。このように、キーボードKBの方向キーやテンキーなども、本発明におけるポインティングデバイスとして機能する。
【0215】
(13)第3および第4実施例では、操作情報OPSに含まれるマウスMSの位置情報は、座標値で表されているが、位置情報は移動量を示すベクトル値で表されていてもよい。ただし、この場合には、双方向で通信することが好ましい。すなわち、マウスMSを移動させることによって生成される一連の位置情報のうちの一部がプロジェクタPJ1に供給されない場合に、位置情報がベクトル値で表されていると、操作情報生成領域GA内におけるポインタ画像PPCの位置関係と投写表示された原画像ORG内におけるポインタ画像PPJの位置関係とが一致しなくなってしまう。このように、位置情報が移動量を示すベクトル値で表される場合には、プロジェクタPJ1は、操作情報OPSを受信する毎に、コンピュータPC1に受取信号を送信すればよい。そして、コンピュータPC1は、受取信号を受信していない場合には、再度、操作情報OPSを送信すればよい。一方、位置情報が座標値で表されていると、マウスMSを移動させることによって生成される一連の位置情報のうちの一部がプロジェクタPJ1に供給されない場合にも、操作情報生成領域GA内におけるポインタ画像PPCの位置関係と投写表示された原画像ORG内におけるポインタ画像PPJの位置関係とをほぼ一致させることができる。したがって、位置情報が座標値で表される場合には、コンピュータPC1からプロジェクタPJ1への単方向の通信で済むという利点がある。一般には、操作情報OPSは、コンピュータPC1からプロジェクタPJ1への単方向通信によって送信されてもよいし、プロジェクタPJ1とコンピュータPC1との双方向通信によって送信されてもよい。
【0216】
(14)第3および第4実施例では、コンピュータPC1のRAM1330内に格納された操作情報生成部1332は、表示部1350に操作情報生成領域GA(図25)を表示させているが、操作情報生成領域GAは表示させなくてもよい。この場合には、マウスMSの操作に伴う操作情報OPSは、表示部1350の全表示領域のうちのどこかにポインタ画像PPCが表示されていれば生成される。
【0217】
(15)また、第3および第4実施例では、コンピュータPC1は、表示部1350を備えているが、表示部1350は省略してもよい。本発明の外部入力装置は、一般に、入力部と、ユーザによる入力部の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、ネットワークと接続し、操作情報をネットワークを介してプロジェクタに供給するためのネットワークインタフェース部とを備えていればよい。
【0218】
(16)第3および第4実施例では、ユーザは、コンピュータPC1の入力部1360を操作することによって、ポインタ画像PPJなどの装飾画像を原画像ORGに重畳させたり、アプリケーションプログラムによって生成された原画像(実行画面)ORGの内容を直接編集したりしている。ユーザは、コンピュータPC1の入力部1360を操作することによって、プロジェクタPJ1に投写表示される画像に関する他の処理を実行させることも可能である。
【0219】
例えば、プロジェクタPJ1が画像データを外部記憶装置1102に保存する際にデータ名の入力が必要な場合には、ユーザは、コンピュータPC1に備えられたキーボードKBを操作することにより、データ名入力画面においてデータ名を入力して表示させることができる。
【0220】
また、プロジェクタPJ1が原画像データとしてメモリカードMC内に格納された画像データを使用する際にパスワード入力が必要な場合には、ユーザは、コンピュータPC1に備えられたキーボードKBを操作することにより、パスワード入力画面においてパスワードを入力して表示させることができる。なお、このとき、投写表示されるパスワード入力画面には、ユーザが入力した符号と異なる「*」などの符号が表示されることが好ましい。
【0221】
このように、本発明のプロジェクタに備えられる画像データ生成部としては、一般に、ネットワークを介してネットワークインタフェース部に供給される操作情報であって、外部入力装置の入力部を操作することによって生成された操作情報に基づいて、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を実行し、投写表示される画像を表す画像データを生成するようなものであればよい。
【0222】
なお、画像データ生成部における投写表示される画像の内容に関する所定の処理とは、操作情報に基づいて、原画像データによって表される原画像内の所定の位置に、装飾画像データによって表される装飾画像を重畳するなどの、画像の表示内容(すなわち、画像内の絵柄)が変更されるような処理を意味している。
【0223】
(17)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、2つのCPU200,300(図2)の機能の一部を専用のハードウェア回路で実行するようにすることもできる。
【0224】
(18)上記各実施例では、透過型液晶パネルを利用したプロジェクタの構成について説明したが、本発明は、他のタイプのプロジェクタにも適用可能である。他のタイプのプロジェクタとしては、反射型液晶パネルを利用したものや、マイクロミラーデバイス(テキサスインスツルメント社の商標)を用いたもの、また、CRTを用いたものなどがある。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続可能な投写型表示装置、すなわちプロジェクタ、ネットワークを介した画像の表示方法、およびネットワークを介するプロジェクタの動作状態制御に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、投写型表示装置すなわちプロジェクタは、例えば、パーソナルコンピュータ等の画像生成装置と映像ケーブルを介して接続された状態でプレゼンテーション等に用いられてきた。パーソナルコンピュータによって生成されたアナログRGB信号は、映像ケーブルを介してプロジェクタに入力され、映像としてスクリーン等に投写されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−242055号公報
【0004】
このような使用条件下では、パーソナルコンピュータは、単にプロジェクタに対して映像信号を出力する機能を果たしているに過ぎないが、使用の都度、映像ケーブルを用いてパーソナルコンピュータとプロジェクタとを接続する作業は煩雑であるという問題があった。
【0005】
したがって、プロジェクタ側にプレゼンテーション用のデータを格納できれば便利である。特に、近年のネットワーク環境の発展を考慮すれば、ネットワークを介してプロジェクタに対して表示画像データを配信できれば更に便利である。また、プロジェクタ側にプレゼンテーション用データを格納する場合には、格納されたデータが第三者によって表示されないように保護することが望まれる。
【0006】
また、画像を投写表示するプロジェクタは、大画面表示が可能であることから、講演や会議、学校の授業等において広く利用されている。このプロジェクタは、通常、プロジェクタへの画像供給装置であり、また、プロジェクタの動作状態を制御する制御装置でもあるコンピュータによって、表示システムを構成することにより利用されている。制御装置としてのコンピュータとプロジェクタとは、従来、RS−232C等のインタ−フェースを介して接続されており、コンピュータによってプロジェクタの種々の制御が行われる。
【0007】
従来、ユーザがプロジェクタの動作状態を制御する場合、コンピュータにおいて専用のソフトウェアを実行することにより行われていた。あるいは、プロジェクタに付属のリモートコントローラ(以下、「リモコン」と呼ぶ。)によりプロジェクタの動作状態状態を制御していた。
【0008】
しかしながら、会議等の途中において、プロジェクタの動作状態を変更する場合、通常、制御装置を操作するオペレータによってその変更が行われる。このため、会議等のように複数の参加者がいる場合において、参加者の一人がプロジェクタの動作状態を変更させたい場合、オペレータにプロジェクタの動作状態の変更を依頼して変更しなければならなかった。
【0009】
このような手順でプロジェクタの動作状態を変更する場合、変更したい参加者とオペレータとの間で、変更の指示がうまく伝わらないこともある。また、変更したい参加者自身が制御装置を直接操作するためには、制御装置の設置されている位置に移動しなければならい。以上の点から、従来のプロジェクタを利用した表示システムには、操作性が悪いという問題があった。
【0010】
さらに、ユーザは、図30に示すように、リモコンRMを操作して、プロジェクタPJZに対して、種々の処理を実行させることができる。プロジェクタPJZは、画像供給装置1900から供給されたアナログ画像信号AV1に基づいて、スクリーンSC上に画像を投写表示する。ユーザは、例えば、リモコンRMを操作することにより、スクリーンSC上に投写表示される原画像ORG内にポインタ画像PPJなどの装飾画像を重畳させることができる。このように、原画像ORGに装飾画像を重畳することができれば、プレゼンテーションをより効果的に行うことができる。
【0011】
しかしながら、リモコンRMを用いて、プロジェクタPJZに対して、投写表示される画像の内容に関する処理を実行させるのは、困難であるという問題があった。これは、リモコンRMの操作性があまり高くないからである。さらに、リモコンRMを用いる場合には、複数人で一台のプロジェクタを用いて順次プレゼンテーションを行うときに、リモコンRMを各人で受け渡しする必要があるので、プレゼンテーションの交替を円滑に行うことが困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記問題および要望を解決するためになされたものであり、データの秘匿性を保持しつつプロジェクタにデータを格納することを目的とする。また、データの秘匿性を維持しつつ格納されたデータを投写表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、記憶装置を有する画像表示装置と計算機とがネットワークを介して接続されている画像表示システムを提供する。本発明の第1の態様に係る画像表示システムは、
データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、
前記画像表示装置によって表示させる表示データを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部から前記画像表示装置の記憶装置へ所望のデータを転送する際にパスワードの設定を促すパスワード設定要求部と、
前記入力部を介してパスワードが設定された場合には、設定されたパスワードと前記所望のデータとを関連付けて前記画像表示装置の記憶装置へ転送するデータ転送部とを備える前記計算機と、
前記転送されたパスワードと所望のデータとを前記記憶装置へ格納するデータ受け取り部と、
データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、
前記記憶装置に格納されたデータから表示を望む表示データが選択された際に、パスワードの入力を要求し、前記設定されたパスワードと前記入力部を介して入力されたパスワードとが符合するか否かを判定する認証部と、
前記両パスワードが符合すると判定した場合には、前記選択された表示データを投写表示させる投写表示部とを備える前記画像表示装置とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第1の態様に係る画像表示システムによれば、計算機から画像表示装置の記憶装置に対してデータを転送する際にはパスワードの設定が要求され、パスワードが設定された場合には、パスワードと関連付けられたデータが画像表示装置の記憶装置に対して転送される。また、画像表示装置においては、記憶装置に格納されたデータから表示データが選択された場合には、パスワードの入力を要求し、設定パスワードと入力パスワードとが符合する場合には表示データが投写表示される。したがって、画像表示装置の記憶装置にデータを格納する場合であってもデータの秘匿性を保持することができる。また、画像表示装置の記憶装置にデータを格納する画像表示装置において記憶装置に格納されているデータを表示する場合にも、データの秘匿性を維持しつつデータの表示を実行することができる。
【0015】
本発明の第1の態様に係る画像表示システムにおいて、前記計算機のデータ転送部は、前記入力部を介してパスワードが設定されなかった場合には、前記所望のデータのみを前記画像表示装置の記憶装置へ転送しても良い。かかる構成を備える場合には、パスワードの設定されないデータの転送を許容することができる。また、前記画像表示装置の投写表示部は、前記両パスワードが符合しないと判定した場合には、認証に失敗した旨を示す投写表示不許可画面を投写表示しても良い。かかる構成を備える場合には、誤入力、選択ミス等を報知することができる。
【0016】
本発明の第1の態様に係る画像表示システムにおいて、前記計算機はさらに、前記データ格納部に格納されているデータの一覧、および前記画像表示装置のアイコンを表示する表示画面を備え、前記パスワード設定要求部は、前記表示画面上において前記格納されているデータの一覧から前記所望のデータが、前記画像表示装置のアイコンへドラッグ・アンド・ドロップされた際にパスワードの設定を促しても良い。かかる構成を備える場合には、計算機から画像表示装置の記憶装置へのデータの転送を視覚的に行うことができ、その操作を容易化することができる。
【0017】
本発明の第1の態様に係る画像表示システムはさらに、前記ネットワークに接続されているファイルサーバを有し、前記計算機のデータ転送部は、前記入力部を介してパスワードが設定された場合には、設定されたパスワードと前記所望のデータとを関連付けて前記ファイルサーバへ転送しても良い。かかる構成を備える場合には、画像表示装置の記憶装置に格納できない容量の大きなデータをも格納することができる。
【0018】
本発明の第2の態様は、計算機を介してプロジェクタを用いて表示するデータを保存する方法を提供する。本発明の第2の態様に係るデータ保存方法は、表示するデータを決定し、前記決定されたデータを記憶装置に格納する要求が発生したか否かを判定し、前記格納する要求が発生したと判定した場合には、パスワードの設定を要求し、前記データを前記設定されたパスワードと関連付け、前記パスワードと関連付けられたデータを前記記憶装置に転送することを特徴とする。
【0019】
本発明の第2の態様に係るデータ保存法法によれば、データを記憶装置に格納する場合には、パスワードの設定を要求し、設定されたパスワードと関連付けたデータを記憶装置に転送して格納する。したがって、記憶装置にデータを格納する場合であってもデータの秘匿性を保持することができる。
【0020】
本発明の第2の態様に係るデータ保存方法において、前記計算機の表示画面上において前記記憶装置のアイコンへ前記決定されたデータのアイコンをドラッグ・アンド・ドロップが発生した場合には、前記記憶装置への前記データの格納要求が発生したと判定しても良い。かかる構成を備える場合には、表示画面上においてデータのアイコンを記憶装置のアイコンにドラッグ・アンド・ドロップするという一般的な操作とパスワード設定要求とを関連付けることができるので、特別な操作を必要とすることなくパスワードの設定を促すことができる。
【0021】
本発明の第2の態様に係るデータ保存方法において、前記記憶装置は前記プロジェクタに配置されていても良い。あるいは、前記記憶装置は、前記プロジェクタおよび前記計算機とネットワークを介して接続されているファイルサーバに配置されていても良い。記憶装置が投写表示装置に配置されている場合には、投写表示装置を単独で用いて格納されているデータを表示することができる。また、記憶装置がファイルサーバに配置されている場合には、大容量のデータを格納することができる。
【0022】
本発明の第3の態様は、パスワードと関連付けられたデータを含む表示データを画像表示装置において表示する方法を提供する。本発明の第3の態様に係るデータ表示方法は、前記表示データの中から表示を所望する表示データを特定し、前記特定された表示データがパスワードと関連付けられているか否かを判定し、前記特定された表示データがパスワードと関連付けられていると判定した場合には、前記表示データに関連付けられたパスワードの入力を要求し、前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合するか否かを判定し、前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合すると判定した場合には前記表示データを表示することを特徴とする。
【0023】
本発明の第3の態様によれば、パスワードと関連付けられている表示データの表示が要求されると関連付けられたパスワードの入力を要求し、入力されたパスワードと関連付けられたパスワードとが符合した場合に表示データを表示させる。したがって、入力されたパスワードと関連付けられたパスワードとが符合しない限り画像表示装置において表示データは表示されず、表示データの秘匿性を確保して表示データを表示することができる。
【0024】
本発明の第3の態様に係るデータ表示方法において、前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合しないと判定した場合には、前記表示データの表示を許可しない旨を表示しても良い。かかる構成を備える場合には、誤入力、選択ミス等を報知することができる。
【0025】
本発明の第4の態様は、データ保護機能を有する画像表示装置を提供する。本発明の第4の態様に係る画像表示装置は、データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、パスワードと関連付けられた表示データを含む表示データを格納する表示データ格納部と、前記パスワードと関連付けられた表示データの表示が要求された場合には、パスワードの入力を要求するパスワード要求部と、前記入力部を介して入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合するか否かを判定する認証部と、前記両パスワードが符合すると判定した場合には、前記表示が要求された表示データを投写表示する投写表示部とを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の第4の態様によれば、表示データ格納部に格納されているパスワードと関連付けられた表示データの表示が要求されると関連付けられたパスワードの入力を要求し、入力されたパスワードと関連付けられたパスワードとが符合した場合に表示データを投写表示させる。したがって、入力されたパスワードと関連付けられたパスワードとが符合しない限り画像表示装置において表示データは表示されず、画像表示装置の表示データ格納部に表示データを格納する場合であっても表示データの秘匿性を確保することができる。
【0027】
本発明の第5の態様は、表示データを格納する格納装置を有する画像表示装置を提供する。本発明の第5の態様に係る画像表示装置は、データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、前記格納装置に格納されているデータの一覧を表示するデータ一覧表示部と、前記データの一覧からデータが選択された場合には、選択されたデータと関連付けられたパスワードの入力画面を表示するパスワード入力画面表示部と、前記入力部を介して入力されたパスワードが選択されたデータに予め関連付けられている設定パスワードと一致するか否かを判定する認証部と、前記入力されたパスワードが設定パスワードと一致する場合には、選択されたデータを投写表示する投写表示部とを備えることを特徴とする。
【0028】
本発明の第5の態様によれば、データの一覧からデータが選択されると、パスワードの入力画面を表示し、入力されたパスワードと設定パスワードとが符合した場合にデータを投写表示させる。したがって、入力されたパスワードと設定パスワードとが符合しない限り画像表示装置においてデータは投写表示されず、画像表示装置の格納装置にデータを格納する場合であってもデータの秘匿性を確保することができる。
【0029】
本発明の第5の態様に係る画像表示装置はさらに、前記入力されたパスワードが設定パスワードと一致しない場合には、認証に失敗した旨を示す投写表示不許可画面を表示する不許可画面表示部を備えても良い。
【0030】
本発明の第6の態様は、コンピュータ上で実行される、プロジェクタを用いて表示するデータを保存するためのプログラムを記憶するコンピュータ読取り可能媒体を提供する。本発明の第6の態様に係るコンピュータ読取り可能媒体において、前記プログラムは、表示するデータを決定するステップと、前記決定されたデータを記憶装置に格納する要求が発生したか否かを判定するステップと、前記格納する要求が発生したと判定した場合には、パスワードの設定を要求するステップと、前記データを前記設定されたパスワードと関連付けるステップと、前記パスワードと関連付けられたデータを前記記憶装置に転送するステップとを備えることを特徴とする。
【0031】
本発明の第6の態様によれば、データを記憶装置に格納する場合には、パスワードの設定を要求し、設定されたパスワードと関連付けたデータを記憶装置に転送して格納する。したがって、記憶装置にデータを格納する場合であってもデータの秘匿性を保持することができる。
【0032】
本発明の第7の態様は、パスワードと関連付けられた表示データを画像表示装置において表示するためのプログラムを記憶するコンピュータ読取り可能媒体を提供する。本発明の第7の態様に係るコンピュータ読取り可能媒体において、前記プログラムは、複数の表示データの中から表示を所望する表示データを特定するステップと、前記特定された表示データがパスワードと関連付けられているか否かを判定するステップと、前記特定された表示データがパスワードと関連付けられていると判定した場合には、前記表示データに関連付けられたパスワードの入力を要求するステップと、前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合するか否かを判定するステップと、前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合すると判定した場合には前記表示データを表示するステップとを備えることを特徴とする。
【0033】
本発明の第7の態様によれば、複数の表示データの中から特定された表示データがパスワードと関連付けられている場合には、関連付けられたパスワードの入力を要求し、入力されたパスワードと関連付けられたパスワードとが符合する場合には表示データを表示する。したがって、複数の表示データが存在する場合であっても、各データはパスワードによって保護されており、入力されたパスワードと関連付けられたパスワードとが符合しない限り表示データは表示されることはない。
【0034】
また、本発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、プロジェクタの動作状態を制御するための操作性の向上を図る技術を提供することを目的とする。
【0035】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第8の態様は、ネットワーク接続可能なプロジェクタを提供する。本発明の第8の態様に係るプロジェクタは、画像を投写表示する投写表示部と、投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページ情報を配信可能なウェブサーバ部と、を備え、前記ウェブサーバ部は、ウェブクライアントに配信されて表示されたウェブページ上で入力された制御情報に応じて、前記投写表示部の動作状態を制御する制御信号を前記投写表示部に供給する制御信号供給部と、前記ウェブクライアントからの要求に応じて、前記投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページ情報を前記ウェブクライアントに配信するとともに、前記制御信号によって制御された前記投写表示部の動作状態を表す新たな動作状態情報を取得して、前記ウェブクライアントに配信されたウェブページ情報を更新するウェブページ制御部とを有することを特徴とする。
【0036】
本発明の第8の態様に係るプロジェクタでは、ウェブクライアント(ウェブブラウザと呼ばれることもある)に配信されたウェブページ上において入力された制御情報に応じて、投写表示部の動作状態を制御することができる。従って、ネットワークを介してプロジェクタの動作状態を容易に制御することができ、従来に比べてプロジェクタの動作状態を制御するための操作性の向上を図ることが可能である。
【0037】
ここで、前記ウェブページは、前記プロジェクタの動作状態を変更するためのボタンを含み、前記ボタンを押すことにより前記制御情報が前記プロジェクタに送信されることが好ましい。
【0038】
こうすれば、ユーザがウェブクライアントにおいて表示されたウェブページ上のボタンを押すことにより、動作状態を容易に変更することができる。
【0039】
なお、本発明の第8の態様は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、プロジェクタの動作状態制御方法、その方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の態様で実現することができる。
【0040】
さらに、本発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、ユーザがプロジェクタに対して、投写表示される画像の内容に関する処理を容易に実行させることのできる技術を提供することを目的とする。
【0041】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第9の態様は、入力部を備える外部入力装置とネットワークを介して接続されるプロジェクタを提供する。本発明の第9の態様に係るプロジェクタは、
前記ネットワークと接続するためのネットワークインタフェース部と、
前記ネットワークを介して前記ネットワークインタフェース部に供給される操作情報であって、前記外部入力装置の前記入力部を操作することによって生成された前記操作情報に基づいて、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を実行し、投写表示される画像を表す画像データを生成するための画像データ生成部と、
前記画像データに応じて画像光を形成する電気光学装置と、
前記電気光学装置で得られた画像光を投写する投写光学系と、
を備えることを特徴とする。
【0042】
本発明の第9の態様に係るプロジェクタでは、ネットワークインタフェース部を介して供給される操作情報に基づいて、投写表示される画像の内容に関する処理を実行し、画像データを生成することができるので、ユーザは、外部入力装置に備えられた入力部を操作することによって、プロジェクタに対して、投写表示される画像の内容に関する処理を容易に実行させることが可能となる。
【0043】
また、ネットワークに複数台の外部入力装置を接続すれば、複数人で一台のプロジェクタを用いて順次プレゼンテーションを行うときに、プレゼンテーションの交替を円滑に行うことが可能となる。
【0044】
本発明の第9の態様に係るプロジェクタにおいて、
前記投写表示される画像は、原画像と原画像に重畳される装飾画像とで形成されており、
前記装飾画像を表す装飾画像データは、前記外部入力装置から供給されず、前記画像データ生成部によって準備され、
前記画像データ生成部は、前記外部入力装置から供給される前記操作情報に基づいて、前記原画像を表す原画像データと前記装飾画像データとを合成して前記画像データを生成することにより、前記原画像内の所定の位置に前記装飾画像を重畳することが好ましい。
【0045】
こうすれば、ユーザが外部入力装置に備えられた入力部を操作することによって、容易に、投写表示される原画像内に装飾画像を重畳させることができる。
【0046】
本発明の第9の態様に係るプロジェクタにおいて、
前記操作情報は、前記外部入力装置の前記入力部としてのポインティングデバイスを操作することによって生成される位置情報を少なくとも含んでおり、
前記画像データ生成部は、前記位置情報に基づいて、前記原画像内の所定の位置に、前記装飾画像としてのポインタ画像を重畳することが好ましい。
【0047】
こうすれば、ユーザが外部入力装置に備えられたポインティングデバイスを移動させることにより、投写表示される原画像内に重畳されるポインタ画像を容易に移動させることができる。
【0048】
本発明の第9の態様に係るプロジェクタにおいて、
前記位置情報は、前記ポインティングデバイスによって指示される座標値情報であることが好ましい。
【0049】
こうすれば、ポインティングデバイスによって指示される位置と、投写表示された原画像内に重畳されるポインタ画像の位置とを容易に対応付けることができる。
【0050】
本発明の第9の態様に係るプロジェクタにおいて、
前記操作情報は、さらに、前記ポインティングデバイスに設けられたスイッチを操作することによって生成されるスイッチ情報を含んでおり、
前記画像データ生成部は、
前記操作情報に含まれる前記位置情報と前記スイッチ情報とに基づいて、前記原画像内の指定された範囲において、前記ポインタ画像と異なる種類の装飾画像を重畳することが好ましい。
【0051】
このように、操作情報が位置情報とスイッチ情報とを含んでいれば、原画像内において範囲指定をすることができるので、指定された範囲において、ポインタ画像と異なる種類の装飾画像を重畳させることが可能となる。
【0052】
本発明の第9の態様に係るプロジェクタにおいて、
前記操作情報は、さらに、前記外部入力装置の前記入力部としてのキーボードを操作することによって生成されるキー情報を含んでおり、
前記画像データ生成部は、前記キー情報に基づいて、前記原画像内に、前記装飾画像としての符号画像を重畳することが好ましい。
【0053】
こうすれば、ユーザが外部入力装置に備えられたキーボードを操作することにより、容易に、投写表示される原画像内に文字などの符号画像を重畳させることが可能となる。
【0054】
本発明の第10の態様は、ネットワークを介して接続された外部入力装置とプロジェクタとを備える投写表示システムを提供する。本発明の第10の態様に係る投写表示システムは、
前記外部入力装置は、
入力部と、
ユーザによる前記入力部の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記ネットワークと接続し、前記操作情報を前記ネットワークを介して前記プロジェクタに供給するための第1のネットワークインタフェース部と、
を備え、
前記プロジェクタは、
前記ネットワークと接続するための第2のネットワークインタフェース部と、
前記ネットワークを介して前記第2のネットワークインタフェース部に供給される操作情報に基づいて、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を実行し、投写表示される画像を表す画像データを生成するための画像データ生成部と、
前記画像データに応じて画像光を形成する電気光学装置と、
前記電気光学装置で得られた画像光を投写する投写光学系と、
を備えることを特徴とする。
【0055】
本発明の第10の態様に係る投写表示システムは、本発明の第9の態様に係るプロジェクタを備えているので、本発明の第9の態様に係るプロジェクタを用いる場合と同様の作用・効果を奏し、ユーザは、外部入力装置に備えられた入力部を操作することによって、プロジェクタに対して、投写表示される画像の内容に関する処理を容易に実行させることが可能となる。
【0056】
また、本発明の第10の態様に係る投写表示システムにおいて、
前記外部入力装置は、さらに、表示部を備え、
前記操作情報生成部は、前記表示部に、前記ポインティングデバイスの操作に伴う前記操作情報を生成するための領域である操作情報生成領域を表示させ、前記操作情報生成領域内に、前記ポインティングデバイスに対応するポインタ画像が表示される場合にのみ前記ポインティングデバイスの操作を検出するようにしてもよい。
【0057】
こうすれば、操作情報生成領域内にポインタ画像が表示される場合にのみ操作情報が生成されるので、ユーザは、操作情報生成領域以外の領域にポインタ画像を表示させることにより、ポインティングデバイスを用いて他の操作を行うことが可能となる。
【0058】
また、本発明の第10の態様に係る投写表示システムにおいて、
前記操作情報生成領域は、投写表示される画像領域と対応付けられていることが好ましい。
【0059】
こうすれば、操作情報生成領域におけるポインタ画像の位置関係と、投写表示される画像領域におけるポインタ画像の位置関係とを、ほぼ一致させることが可能となる。
【0060】
本発明の第11の態様は、入力部を備える外部入力装置において、前記外部入力装置とネットワークを介して接続されるプロジェクタに供給される前記入力部の操作に伴う操作情報を生成するための操作情報生成方法を提供する。本発明の第11の態様に係る操作情報生成方法は、
(a)ユーザによる前記入力部の操作を検出する工程と、
(b)検出結果に基づいて前記操作情報を生成する工程と、
を備えることを特徴とする。
【0061】
こうすれば、ユーザが、外部入力装置に備えられた入力部を操作することによって、操作情報を生成することができる。また、この操作情報をプロジェクタに供給すれば、プロジェクタに対して、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を容易に実行させることが可能となる。
【0062】
本発明の第11の態様に係る方法において、
前記工程(a)は、前記外部入力装置に備えられた表示部に、
(a−1)前記入力部としてのポインティングデバイスの操作に伴う前記操作情報を生成するための領域である操作情報生成領域を表示させる工程と、
(a−2)前記操作情報生成領域内に、前記ポインティングデバイスに対応するポインタ画像が表示される場合にのみ前記ポインティングデバイスの操作を検出する工程と、
を含むことが好ましい。
【0063】
こうすれば、操作情報生成領域内にポインタ画像が表示される場合にのみ操作情報が生成されるので、ユーザは、操作情報生成領域以外の領域にポインタ画像を表示させることにより、ポインティングデバイスを用いて他の操作を行うことが可能となる。
【0064】
本発明の第12の態様は、入力部を備える外部入力装置において、前記外部入力装置とネットワークを介して接続されるプロジェクタに供給される前記入力部の操作に伴う操作情報を生成するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。本発明の第12の態様に係るコンピュータ読み取り可能媒体は、
ユーザによる前記入力部の操作を検出する機能と、
検出結果に基づいて前記操作情報を生成する機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録する。
【0065】
この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを外部入力装置が実行すれば、本発明の方法と同様に、ユーザが、外部入力装置に備えられた入力部を操作することによって、操作情報を生成することができる。また、この操作情報をプロジェクタに供給すれば、プロジェクタに対して、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を容易に実行させることが可能となる。
【0066】
なお、本発明の第9〜第12の態様は、プロジェクタや投写表示システムの機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の種々の態様で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1の実施例に係るプロジェクタがネットワークに接続されて構成される画像表示システムの構成例を示す説明図である。
【図2】第1の実施例に係るプロジェクタの内部回路構成を示すブロック図である。
【図3】パーソナルコンピュータPCからプロジェクタ10に対して表示データを転送する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】パーソナルコンピュータPCからプロジェクタ10に対して表示データを転送するために、パーソナルコンピュータPCの表示ディスプレイ54上にて実行される処理を示す説明図である。
【図5】図4に示す処理を終了した後に表示ディスプレイ54上に現れるパスワード設定画面の一例を示す説明図である。
【図6】プロジェクタ10において外部記憶装置41に格納されているデータファイルを再生する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】第1の実施例にて用いられるリモコン40を模式的に示す説明図である。
【図8】プロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、メニュー画面の一例を示す説明図である。
【図9】プロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、ファイル選択画面の一例を示す説明図である。
【図10】プロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、パスワード入力ボックスPB1の表示の一例を示す説明図である。
【図11】プロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、認証失敗表示ボックスPB2の表示の一例を示す説明図である。
【図12】プロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、再生不許可表示ボックスPB3の表示の一例を示す説明図である。
【図13】本発明の第2の実施例に係るプロジェクタの配置例を示す説明図である。
【図14】ASP端末20がウェブサーバ部として機能する場合の構成を示す機能ブロック図である。
【図15】ウェブサーバ部20から配信されてウェブブラウザCCで表示されるホームページを示す説明図である。
【図16】ウェブページとしてウェブブラウザCCに表示された動作状態設定メニュー画面を示す説明図である。
【図17】ウェブページとしてウェブブラウザCCに表示された映像設定画面を示す説明図である。
【図18】ウェブページとしてウェブブラウザCCに表示された音声設定画面を示す説明図である。
【図19】明るさを1段階アップさせた後の映像設定画面を示す説明図である。
【図20】本発明の第3実施例としての投写表示システムを示す説明図である。
【図21】図20のプロジェクタPJ1の概略構成を示す説明図である。
【図22】図20のコンピュータPC1の概略構成を示す説明図である。
【図23】図20の投写表示システムの利用形態の一例を示す説明図である。
【図24】プロジェクタPJ1とコンピュータPC1との処理手順を示すフローチャートである。
【図25】コンピュータPC1の表示部1350に表示される操作検出用ウィンドウDWを示す説明図である。
【図26】原画像ORG内のポインタ画像PPJを用いて、原画像ORG内にボックス画像PBを重畳する際の処理を示す説明図である。
【図27】ユーザが入力部1360としてのキーボードKBを操作することによって投写表示される画像を示す説明図である。
【図28】第4実施例における投写表示システムを示す説明図である。
【図29】スクリーンSC上に投写表示された原画像ORGの内容を直接編集する際の処理を示す説明図である。
【図30】従来のプロジェクタを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
第1の実施例:
以下、本発明に係るセキュリティ機能を有するプロジェクタ、およびこのプロジェクタがネットワークに接続されて構成される画像表示システムについて図面を参照しつつ、第1の実施例に基づいて説明する。
A.第1の実施例に係るプロジェクタの構成:
【0069】
図1および図2を参照して第1の実施例に係る投写型表示装置すなわちプロジェクタの概略構成の一例について説明する。図1は第1の実施例に係るプロジェクタがネットワークに接続されて構成される画像表示システムの構成例を示す説明図である。図2は第1の実施例に係るプロジェクタの内部回路構成を示すブロック図である。
【0070】
プロジェクタ10は、ネットワーク回線NLを介してファイルサーバFS、パーソナルコンピュータ(計算機)PCと接続されている。パーソナルコンピュータPCは、アプリケーションプログラムを実行するCPU50、アプリケーションプログラムを格納しているROM51、アプリケーションプログラム実行中の処理内容を一時的に格納するRAM52を備えている。パーソナルコンピュータPCはまた、アプリケーションプログラム終了時にアプリケーションプログラムによって生成したデータ(表示データ、ファイル)を格納する内蔵型ハードディスクドライブ(HDD)53、アプリケーションプログラムのユーザインターフェースを表示する表示ディスプレイ54を備えている。パーソナルコンピュータPCのHDD53に格納された表示データは、後述する手順によってプロジェクタ10またはファイルサーバFSに転送される。パーソナルコンピュータPCに対しては、例えば、キーボード551、マウス552といった無線式の外部入力装置55を介してコマンド、データが入力される。
【0071】
プロジェクタ10は、例えば、PCMCIA規格に準拠するメモリカードといった外部記憶装置41を備えており、パーソナルコンピュータPCから転送された表示データを格納する。プロジェクタ10に対しては、例えば、リモコン等の外部入力装置40を介してコマンド、データが入力される。ファイルサーバFSは、プロジェクタ10に代わって表示データを格納するサーバである。表示データを再生(投写)する場合には、プロジェクタ10がファイルサーバFSに対して該当表示データの転送を要求すると、要求された表示データはネットワーク回線NLを介してはファイルサーバFSからプロジェクタ10に転送される。
【0072】
図2を参照して第1の実施例に係るプロジェクタ10の内部構成について説明する。プロジェクタ10は、主としてASP端末としての機能を果たすASP端末部20と、主として従来のプロジェクタ機能を果たすプロジェクタ部30とを備えている。すなわち、第1の実施例に係るプロジェクタ10はASPに対応したASP端末として機能し得る。
【0073】
ASP端末部20は、ビュワーアプリケーション、ASPに対応したクライアントアプリケーションの実行を初めとする種々の演算処理を実行する第1中央処理装置(CPU)200、第1CPU200にて実行するビュワーアプリケーション、クライアントアプリケーションを初めとする種々のプログラムを格納する第1リードオンリメモリ(ROM)202、第1CPU200の演算結果、データ等を一時的に格納する第1ランダムアクセスメモリ(RAM)204を備えている。第1ROM202には、更に表示データを再生(投写表示)する際に実行する認証プログラムが格納されている。第1CPU200と第1ROM202とは単方向または双方向通信可能に接続されており、第1CPU200と第1RAM204とは双方向通信可能に接続されている。
【0074】
ASP端末部20は、第1CPU200と双方向通信可能に接続され、第1CPU200からの描画指令に基づいて画像データを生成するグラフィックスコントローラ210を備えている。グラフィックスコントローラ210は、画像を生成するためのLSIチップ(図示しない)、生成した画像(表示画像)を記憶するためのビデオメモリ、すなわち、第1フレームメモリ(VRAM)212を有している。
【0075】
ASP端末部20は、プロジェクタ10と外部装置との間でコマンドやデータを送受信するためのインターフェースとして、ネットワーク・インターフェース・コントローラ220、I/Oポート230、PCMCIA・インターフェース・コントローラ240、USBコントローラ250を備えている。ネットワーク・インターフェース・コントローラ220は、例えば、イーサネット(登録商標)規格に準拠したコントローラであり、ASP端末部20からネットワーク回線NLへ送信するコマンドやデータをネットワーク通信のプロトコルに従って適切な形式に変換し、あるいは、ネットワーク回線NLから受信した信号をASP端末部20での処理に適した形式に変換する。I/Oポート230は一般的な入出力ポートであり、識別回路232を介して無線入力装置234と接続されている他、外部入力装置40やプロジェクタ部30の第2CPU300と接続されている。無線入力装置244は、無線式の入力装置から無線送信された入力データを受信するための入力装置であり、識別装置232は無線入力装置234が受信した入力データが自身に向けて送信された入力データであるか否かを識別する。
【0076】
PCMCIA・インターフェース・コントローラ240は、PCMCIA規格に従ってASP端末部20から外部装置へデータを転送し、外部装置からASP端末部20へデータを転送するコントローラである。本実施例では、例えば、PCカードメモリが外部記憶装置41として接続されており、パーソナルコンピュータPCから転送された表示データは外部記憶装置41に格納される。USBコントローラ250は、USB規格に従ってASP端末部20と外部装置との間でデータを転送するコントローラであり、例えば、USBHUB252を介して外部入力装置40と接続される。
【0077】
ASP端末部20は、この他にASP端末部20における絶対時間を供給するリアルタイムクロック260、第1CPU200からの指令に基づいてサウンドデータを生成する音源262と接続されている。
【0078】
なお、ASP端末部20における第1CPU200、各コントローラ210等は、データおよびコマンドを伝達するバスを介して相互に接続されている。
【0079】
次に、プロジェクタ部30の構成について説明する。プロジェクタ部30は、所定のプログラムを実行してプロジェクタ部30の各回路を制御する第2中央処理装置(CPU)300、第2CPU300にて実行するプログラムを格納する第2リードオンリメモリ(ROM)302、第2CPU300の演算結果、データ等を一時的に格納する第2ランダムアクセスメモリ(RAM)304を備えている。第2CPU300と第2ROM302とは単方向または双方向通信可能に接続されており、第2CPU300と第2RAM304とは双方向通信可能に接続されている。また、第2CPU300と第1CPU200とはI/Oポート230を介して双方向通信可能に接続されており、第1CPU200と第2CPU300との間でデータやコマンドの送受信が可能である。
【0080】
プロジェクタ部30は、さらに、映像信号変換回路310、音声制御回路320、液晶(LCD)駆動回路330、光源駆動回路340、冷却ファン制御回路350、投写光学系360も備えている。
【0081】
映像信号変換回路310は、アナログ−ディジタル変換機能、デコード機能、同期信号分離機能、画像処理機能といった機能を実現する。すなわち、映像信号変換回路310は、外部映像信号入力端子312から入力されたアナログ映像信号をディジタル画像データに変換し、変換されたディジタル画像データを同期信号に同期して映像信号変換回路310内の図示しないフレームメモリに書き込み、あるいは、フレームメモリに書き込まれたディジタル画像データをフレームメモリから読み出す。アナログ映像信号としては、例えば、パーソナルコンピュータから出力されたRGB信号、ビデオテープレコーダ等から出力されたコンポジット映像信号が入力される。アナログ映像信号がコンポジット映像信号の場合には、映像信号変換回路310は、コンポジット映像信号を復調すると共にRGBの3色の色信号で構成されるコンポーネント映像信号および同期信号に分離し、コンポーネント映像信号をディジタル画像データに変換する。アナログ映像信号がパーソナルコンピュータから出力されたRGB信号の場合には、元々コンポーネント映像信号として入力されると共に同期信号も分離して入力されるので分離処理は不要であり、映像信号変換回路310は、コンポーネント映像信号をディジタル画像データに変換する。
【0082】
映像信号変換回路310には、ASP端末部20のグラフィックスコントローラ210から送信されたディジタル映像信号も入力される。かかる場合には、元々ディジタル映像信号として入力されると共に同期信号が分離して供給されるのでアナログ−ディジタル変換処理および分離処理は不要である。
【0083】
音声制御回路320は、外部音声信号入力端子322、スピーカ324、第2CPU300、およびASP端末部20の音源262と接続されている。音声制御回路320は、第2CPU300と接続されており、第2CPU300からの指令に従い、外部音声信号入力端子322または音源262から伝送された音声信号またはサウンドデータに基づいて生成した駆動信号によってスピーカ324を駆動する。
【0084】
LCD駆動回路330は、映像信号変換回路310によって処理された画像データを受け取り、受け取った画像データに応じてLCD332を駆動して光源342から照射された照明光を変調する。LCD332によって変調された照明光はレンズを含む投写光学系360を介して被投写面、例えば、投写スクリーン上に投写される。光源342には光源制御回路340が接続されており、光源制御回路340は、第2CPU300からの指令に従って光源342のオン、オフ等を制御する。光源342の背面には光源342に対して冷却風を送るための冷却ファン352が配置されている。冷却ファン352には冷却ファン制御回路350が接続されており、冷却ファン制御回路350は、第2CPU300からの指令に従って冷却ファン352の回転速度等を制御する。
【0085】
なお、ASP端末部20は、例えば1枚のプリント基板上に実装された形態を有し、プロジェクタに任意に着脱できるように構成されていることが好ましい。図2の構成から理解できるように、このプロジェクタは、ASP端末部20が装着されていない状態においても、外部から供給された映像信号に応じて画像を投写表示可能である。このように、ASP端末部20をプロジェクタに任意に着脱可能であれば、ASP端末部20の機能(ASP端末機能や後述する描画機能)を有するプロジェクタと、ASP端末部20の機能を有さないプロジェクタとを容易に構成することが可能である。
【0086】
B.第1の実施例に係るプロジェクタの基本的動作:
次に上記構成を備えるプロジェクタ10の基本的な動作について図1および図2を参照して説明する。
【0087】
ネットワーク回線NLを介してプロジェクタ10に入力された信号は、ASP端末部20のネットワーク・インターフェース・コントローラ220によってASP端末部20に適した形式に変換され、第1CPU200へデータおよびコマンドとして転送される。第1CPU200は、転送されたデータを第1RAM204に一時的に格納し、転送されたコマンドがASP端末部20に対するコマンドであるかプロジェクタ部30に対するコマンドであるかを判別する。転送されたコマンドがプロジェクタ部30に対するコマンドの場合には、第1CPU200はI/Oポート230を介してプロジェクタ部30の第2CPU300に対してコマンドを転送する。
【0088】
一方、転送されたコマンドがASP端末部20に対するコマンドの場合には、第1CPU200は、転送されたコマンドに基づいた演算処理を実行する。第1CPU200は、例えば、第1RAM204に格納されたデータを外部記憶装置41に格納する。また、第1CPU200は、外部記憶装置41に格納されているデータの再生要求(投写表示要求)がリモコン40等により入力された場合には、後述する認証プログラムを実行する。第1CPU200は、外部記憶装置41または第1RAM204に格納されたデータを読み出す(再生する)ために、適切なビュワーアプリケーションを第1ROM202から読み出して起動し、格納されているデータのユーザインターフェースデータを生成して描画コマンドと共に、グラフィックスコントローラ210に対して転送する。
【0089】
あるいは、プロジェクタ10がサーバ・ベース・コンピューティング(SBC)のクライアントとして機能する場合には、第1CPU200は、対応するクライアントアプリケーションを起動して、受信した専用フォーマットを有する表示画像データからユーザインターフェース画面データを生成するようにグラフィックスコントローラ210に描画コマンドを送信する。グラフィックスコントローラ210は、受信した描画コマンドに従いユーザインターフェースデータ、あるいは、表示画面データに基づいて表示すべきユーザインターフェース画像データ(以下「画像データ」という。)を生成し、グラフィックスコントローラ210内のVRAM212中に格納する。
【0090】
グラフィックスコントローラ210は、第1CPU200からの指令に従って、所定のタイミングにてグラフィックスコントローラ210のVRAM212に格納されている画像データを読み出し、プロジェクタ部30の映像信号変換回路310に転送する。第1CPU200は、USBHUB252、USBコントローラ250、I/Oポート230を介して外部入力装置40からコマンドまたはデータを受け取る。第1CPU200は、外部入力装置40またはネットワーク回線NLを介して受信したコマンドに従って、第1RAM204内に格納されているデータ、または、PCMCIA・インターフェース・コントローラ240を介してグラフィックスコントローラ210のVRAM212中に格納されている画像データを外部記憶装置41に格納する。
【0091】
映像信号変換回路310は、グラフィックスコントローラ210から画像データを受け取ると、既述の処理を実行してLCD駆動回路330に処理済みの画像データを転送する。LCD駆動回路330は、受け取った画像データに応じてLCD332を駆動制御して所望の画像データを投写スクリーン上に投写させる。
【0092】
第2CPU300は、例えば、ネットワーク回線NLからI/Oポート230を介して転送されたコマンドが光源342のオンを指示する場合には、光源制御回路340を介して光源342をオンする。第2CPU300は、冷却ファン制御回路350を介して光源342の温度に応じて冷却ファン352の作動状態(回転速度、回転タイミング等)を制御する。
【0093】
プロジェクタ10からネットワーク回線NLへのデータ送信は、第1CPU200の指令に従ってネットワーク・インターフェース・コントローラ220を介して実行される。
【0094】
C.第1の実施例に係るプロジェクタへ表示データを格納する手順およびプロジェクタを用いて表示データを表示する手順
【0095】
次に、上記構成を備えるプロジェクタ10に対してネットワークを介してパーソナルコンピュータPCから表示データ(ファイル)を転送する際に実行される処理について図1、図3〜図5を参照して説明する。図3はパーソナルコンピュータPCからプロジェクタ10に対して表示データを転送する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。図4はパーソナルコンピュータPCからプロジェクタ10に対して表示データを転送するために、パーソナルコンピュータPCの表示ディスプレイ54上にて実行される処理を示す説明図である。図5は図4に示す処理を終了した後に表示ディスプレイ54上に現れるパスワード設定画面の一例を示す説明図である。
【0096】
パーソナルコンピュータPC上にてアプリケーションを実行して生成されるプレゼンテーション用データ、ワードプロセッサ用データ等は、アプリケーション実行中はパーソナルコンピュータPC内のRAM52に一時的に格納されている。アプリケーション終了時には、パーソナルコンピュータPCの内蔵HDD53にデータファイルとして格納される。したがって、HDD53には過去に生成したデータファイルを含め複数のデータファイルが格納されている。
【0097】
図3に示す処理ルーチンにおいて、パーソナルコンピュータPCのCPU50は、ファイル保存要求の発生を待機し(ステップS100:No)、ファイル保存要求を検出の発生を検出すると(ステップS100:Yes)、ファイルの保存先の入力を要求する(ステップS110)。
【0098】
今日の一般的なOSでは、表示ディスプレイ54上に表されるグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)によって種々の操作を視覚的に実行可能となっている。このようなGUI環境では、図4に示すように、例えば、HDD53上に格納されている各ファイルに対応するファイルアイコンFLが表示ディスプレイ54上のウィンドウFWに表示され、また、転送先であるプロジェクタ10を示すアイコンPJが表示ディスプレイ54上に表示される。なお、HDD53上のファイルをプロジェクタ10に移動(転送)する場合には、所望のファイルアイコンFL上にマウスポインタMPを置き、マウス552の選択ボタンを押し下げたままの状態でマウスポインタMPをプロジェクタアイコンPJ上に移動させた後、選択ボタンを解放する。かかる操作は、ドラッグ・アンド・ドロップ(D&D)として周知のファイル移動操作である。
【0099】
パーソナルコンピュータPCのCPU50は、マウス552の選択ボタンが押し下げられたままでマウスポインタMPの座標位置がプロジェクタアイコンPJの領域と重なり、マウス552の選択ボタンが解放されると、ファイル保存要求の発生を検出する。
【0100】
パーソナルコンピュータPCのCPU50は、保存先がデフォルト値であるか否かを判定し(ステップS120)、保存先がデフォルト値であると判定した場合には(ステップS120:Yes)、図5に示すようにパスワードの設定を要求するパスワード入力ウィンドウPWを表示ディスプレイ54上に表示させる(ステップS130)。なお、デフォルト値として設定されている保存先はプロジェクタ10の外部記憶装置41であり、このデフォルト値は、本処理ルーチンの設定画面を通じて任意の保存先に変更可能である。
【0101】
パーソナルコンピュータPCのCPU50は、入力された保存先がデフォルト値と異なると判定した場合には(ステップS120:No)、保存先を変更して(ステップS140)、パスワードの設定を要求する(ステップS130)。本実施例では、例えば、ネットワーク回線NLを介してパーソナルコンピュータPCと接続されているファイルサーバFSへも所望のファイルを格納することができる。一般的に、プロジェクタ10の外部記憶装置41の記憶容量はそれほど大きくないので、大量のファイル(データ)を格納しなければならない場合には、ファイルサーバFSを利用すると都合が良い。
【0102】
パーソナルコンピュータPCのCPU50は、パスワードが設定されたか否かを判定し(ステップS150)、パスワードが設定されたと判定した場合には(ステップS150:Yes)、ドラッグ・アンド・ドロップされたファイルとパスワードとを関連付ける(ステップS160)。CPU50は、パスワードと関連付けられたファイルを保存先に転送して(ステップS170)、本処理ルーチンを終了する。転送されたファイルは、プロジェクタ10の外部記憶装置41、または、ファイルサーバFSに格納される。
【0103】
パスワードの設定に際しては、例えば、キーボード551を介して1〜5までの任意の5つ数字を入力すると、パスワード入力ウィンドウPWの入力欄PW1にはアスタリスクが表示される。確認のため、同一のパスワードを確認入力欄PW2に再入力し、「OK」ボタンをマウスポインタMPを介してクリックするとパスワードが設定される。パスワードの入力を必要としない場合には、入力欄PW1をブランクにしたまま「OK」ボタンをマウスポインタMPを介してクリックすると、パスワード入力ウィンドウPWが閉じる。なお、本実施例では、後述するリモートコントローラ(リモコン)40にて入力可能な数字が1〜5であることからパスワードの設定に用いる数字を1〜5に限定しているに過ぎず、リモコンの態様に従ってこの他の数字、または、文字等を組み合わせられることは言うまでもない。
【0104】
パーソナルコンピュータPCのCPU50は、パスワードの設定がされなかったと判定した場合には(ステップS150:No)、ファイルのみを保存先に転送して(ステップS170)、本処理ルーチンを終了する。転送されたファイルは、プロジェクタ10の外部記憶装置41、または、ファイルサーバFSに格納される。
【0105】
次に、プロジェクタ10にて外部記憶装置41に格納されている表示データを再生する際に実行される認証処理について図1、図2、図6〜図12を参照して説明する。図6は、プロジェクタ10において外部記憶装置41に格納されているデータファイル(表示データ)を再生する際に実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。図7は本実施例にて用いられるリモコン40を模式的に示す説明図である。図8はプロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、メニュー画面の一例を示す説明図である。図9はプロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、ファイル選択画面の一例を示す説明図である。図10はプロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、パスワード入力ボックスPB1の表示の一例を示す説明図である。図11はプロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、認証失敗表示ボックスPB2の表示の一例を示す説明図である。図12はプロジェクタ10の投写表示画面SRのうち、再生不許可表示ボックスPB3の表示の一例を示す説明図である。
【0106】
本処理ルーチンにて、コマンドを送信するリモコン40は、図7に示すように、予め割り当てられた機能を実行するファンクションキーとして機能する1〜5の数字キー401を備えている。リモコン40はまた、投写表示された画面SR上にてカーソルまたはポインタ位置を上下左右方向に移動させるためのジョイスティック402、メニュー呼び出しキー403、実行キー404等を備えている。なお、本処理ルーチンの開始前に、リモコン40のメニュー呼び出しキー403が操作されて、図8に示すようなメニュー画面が投写表示されているものとする。
【0107】
プロジェクタ10の第1CPU200は、リモコン40を介したファイル選択要求の入力を待機し(ステップS200:No)、ファイル選択要求が入力されると(ステップS200:Yes)、第2CPU300に対して図9に示すようなファイル選択画面を投写表示するよう要求する(ステップS210)。第1CPU200は、図8に示すメニュー画面においてジョイスティック402の操作により「2.ファイル選択」のメニューバーMB1が反転表示された状態にて、実行キー404が押し下げられるとファイル選択要求が発生(入力)されたものと判定する。
【0108】
第1CPU200は、選択ファイルの再生要求が発生したか否かを判定する(ステップS220)。第1CPU200は、図9に示すファイル選択画面においてジョイスティック402の操作により所望のファイル、ここでは「2.*****.ppt」のメニューバーMB2が反転表示された状態にて、実行キー404が押し下げられると選択ファイルの再生要求が発生(入力)されたものと判定する。
【0109】
第1CPU200は、選択ファイルの再生要求が発生したと判定すると(ステップS220:Yes)、図10に示すパスワード入力ボックスPB1を投写表示させるように第2CPU300に要求する(ステップS230)。パスワード入力ボックスPB1では、設定パスワードの入力が要求され、リモコン40のファンクションキー401を介して1〜5の数字の組み合わせからなるパスワードが入力される。第1CPU200は、入力されたパスワードが設定されたパスワードと符合するか否かを判定し(ステップS240)する。第1CPU200は、両パスワードが符合すると判定した場合には(ステップS240:Yes)、選択ファイルの描画処理をグラフィックスコントローラ210に要求して、選択ファイルの再生が開始される(ステップS250)。グラフィックスコントローラ210にて描画生成された画像データは、プロジェクタ部30の映像信号処理回路310、LCD駆動回路330、LCD332、投写光学系360を介してスクリーン上に投写表示される。
【0110】
第1CPU200は、リモコン40を介して入力されたパスワードが設定パスワードと一致しないと判定した場合には(ステップS240:No)、符合しなかった回数をカウントする不符合カウンタのカウンタ値Ceを1つインクリメントする(ステップS260)。なお、カウンタ値Ceとしては正の整数値を採るものとする。第1CPU200は、不符合カウンタ値Ceが4以上であるか否かを判定し(ステップS270)、不符合カウンタ値が3以下の場合には(ステップS270:No)、図11に示すような認証失敗表示ボックスPB2を表示するよう第2CPU300に要求する(ステップS280)。第1CPU200は、認証失敗表示ボックスPB2を表示したまま、パスワードの再入力を待機する。
【0111】
第1CPU200は、不符合カウンタ値Ceが4以上であると判定した場合には(ステップS270:Yes)、第2CPU300に対して図12に示すような再生不許可表示ボックスPB3を投写表示するよう要求し(ステップS290)、選択されたファイルの再生を実行しない。すなわち、不正なアクセスを防止するために、所定回数以上(本実施例では4回)パスワードの不符合が続いた場合には選択ファイルの再生を禁止するのである。再生不許可表示ボックスPB3の「OK」ボタンがマウス552(マウスポインタ)を介してクリックされると、第1CPU200は、ステップS300に移行する。
【0112】
最後に、第1CPU200は、不一致カウンタ値Ceを0にリセットし(ステップS300)、本処理ルーチンを終了する。
【0113】
第1CPU200は、選択ファイルの再生要求がないと判定した場合には(ステップS220:No)、本処理ルーチンを終了する。プロジェクタ10の外部記憶装置41に格納されているファイルを確認する場合等が該当する。
【0114】
以上説明したように、第1の実施例によれば、ネットワーク回線NLを介してプロジェクタ10の外部記憶装置41に対して表示データ(ファイル)を転送し、格納させることができる。したがって、予めプロジェクタ10の外部記憶装置41にプレゼンテーションに必要なデータファイルを格納しておくことにより、パーソナルコンピュータPCを接続することなく、プロジェクタ10を単独で用いてプレゼンテーションを実行することができる。これにより、プロジェクタ10を用いる都度、パーソナルコンピュータPCを接続する手間を省くことができる。
【0115】
また、上記第1の実施例では、パーソナルコンピュータPCにおいて、表示ディスプレイ54上にてファイルアイコンFLをプロジェクタアイコンPJにドラッグ・アンド・ドロップすれば、ファイルをプロジェクタ10に転送・保存することができるので、視覚的に簡易にファイル転送・保存操作を実行することができる。加えて、パーソナルコンピュータPCからプロジェクタ10へのファイル転送を開始する前に、パスワード設定ウィンドウPWが表示ディスプレイ54上に表示され、ファイルに関連付けるパスワードを設定することができるので、ファイルの秘匿性を保持することができる。
【0116】
さらに、上記第1の実施例では、プロジェクタ10は、ファイルの再生が指示された場合には、パスワード入力ボックスPB1を投写表示画面SR上に表示して設定されたパスワードの入力を促し、入力されたパスワードと設定されたパスワードとが符合した場合にだけファイルの再生を開始する。したがって、外部記憶装置41に格納されたファイルが第3者によって勝手に再生されることはなく、ファイルの秘匿性を維持することができる。また、多人数にてプロジェクタPJを共有する場合にも、使用の都度、ファイルを外部記憶装置41から消去する手間を省くことができる。すなわち、使用するファイルを外部記憶装置41に格納したままの状態で複数人にてプロジェクタ10を共有しても、各ファイルの秘匿性を保持することができる。
【0117】
また、第1の実施例では、設定できるパスワードをリモコン40にて入力可能な数字(1〜5)の組み合わせとしているので、プロジェクタ10側でパスワードを入力する際に、リモコン40以外の入力装置を用いる必要がない。
【0118】
第2の実施例:
第2の実施例に係るプロジェクタについて以下、説明する。なお、本発明の第2の実施例に係るプロジェクタの構成の説明では、主に相違点について説明し、第2の実施例に係るプロジェクタの構成のうち、第1の実施例に係るプロジェクタの構成と同一の構成については、第1の実施例において用いた符号と同一の符合を用いてその説明を省略する。
【0119】
D.第2の実施例に係るプロジェクタの配置:
図13は、本発明の第2の実施例に係るプロジェクタの配置例を示す説明図である。プロジェクタ10は、例えば、図13に示すように天井につり下げられて用いられる。このプロジェクタ10は、ネットワーク回線NLに接続されており、ネットワーク回線NLを介してサーバコンピュータSCやクライアントコンピュータCCとの間でデータやコマンドが送受信される。ユーザは、プロジェクタ10に対して、例えば、無線式キーボード401や無線式マウス402といった無線式の外部入力装置40を用いてコマンドやデータの入力が可能である。図示しない画像供給装置からプロジェクタ10に供給された映像は、投写スクリーンSCR上に投写される。
【0120】
また、本第2の実施例においては、ASP端末部20は、ウェブサーバ部としての機能を果たす。ウェブサーバ部としての機能には、投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページを配信可能な機能が含まれる。したがって、第1ROM210には、ビュワーアプリケーション等に加えて、ウェブページを公開するためのウェブアプリケーションが含まれている。したがって、ASP端末部20がウェブサーバ部として機能する場合には、第1CPU200は、ウェブサーバアプリケーションを第1ROM202から読み出して起動し、ウェブクライアント(ウェブブラウザとも呼ばれる)に対して指定されたウェブページ情報を配信する。
E.第2の実施例に係るプロジェクタの動作状態制御:
【0121】
図14は、ASP端末部20がウェブサーバ部として機能する場合の構成を示す機能ブロック図である。ASP端末部20は、第1CPU200が第1ROM202に格納されているウェブサーバアプリケーションを実行することにより、ウェブサーバ部として機能する。以下では、ASP端末部20をウェブサーバ部20とも呼ぶ。ウェブサーバ部20は、主に、全体の動作を制御する制御部21と、動作状態情報取得部22と、ページ情報配信部24と、ネットワーク入出力部26と、動作状態制御部27とで構成される。
【0122】
ネットワーク入出力部26は、ネットワークI/Fコントローラ220の動作を制御する機能を有している。動作状態情報取得部22は、プロジェクタ部30やASP端末部20の種々の動作状態を示す情報を動作状態情報23として取得する機能を有している。ASP端末部20の動作状態を示す情報は、第1ROM202、第1RAM204(図2)に格納されている。プロジェクタ部30の動作状態を示す情報は、第2ROM302、第2RAM304(図2)に格納されており、第2CPU300からI/Oポート230を介して転送される。
【0123】
ページ情報配信部24は、クライアントコンピュータCCにおいて実行されているウェブクライアント(ウェブブラウザとも呼ばれる)からの要求に対して、対応するウェブページを示すページ情報を、ページ情報データベース25のなかから選択して配信する機能を有している。また、配信すべきページ情報として、動作状態情報取得部22で取得した動作状態情報23が含まれている場合には、これを含めて配信する。
【0124】
動作状態制御部27は、ウェブブラウザから返送された制御情報(コマンド)に応じてASP端末部20の動作状態を制御するとともに、プロジェクタ部30の動作状態を制御する制御信号をプロジェクタ部30に供給する機能を有している。プロジェクタ部30は、供給された制御信号部に応じて対応する動作状態を制御する。また、ウェブブラウザから制御情報が返送された場合、これに併せてウェブページの更新命令も返送される。このため、動作状態制御部27によって動作状態が制御された場合には、動作状態情報取得部22によって、新たに動作状態情報23が取得され、ページ情報配信部24によって新たに取得された動作状態取得情報23を含むページ情報が配信されて、ウェブブラウザにおいて表示されるウェブページが更新される。なお、動作状態情報取得部22は、動作状態制御部27による制御の有無に関わりなく動作状態の変更を監視し、変更されていれば新しい動作状態情報を取得するようにしてもよい。
【0125】
なお、動作状態制御部27が本発明の制御信号供給部に相当し、動作状態情報取得部22とページ情報配信部24とが本発明のページ情報更新部に相当する。
【0126】
次に、クライアントコンピュータCCからプロジェクタの種々の動作状態を設定する手順について図15ないし図19を用いて説明する。クライアントコンピュータCCにおいて実行されるウェブブラウザ(以下では、単に「ウェブブラウザCC」と呼ぶ場合もある)において、ウェブサーバ部20に対応するURL(Uniform Resource Locator)を入力して指定すると、ウェブサーバ部20は、対応するホームページ情報をウェブブラウザCCに配信する。ウェブブラウザCCは、図15に示すホームページを表示する。
【0127】
ユーザがウェブブラウザCCで表示されたホームページ上の動作状態設定アイコンWCを選択実行すると、その動作状態設定アイコンWCに割り付けられたURLが指定される。ウェブサーバ部20は、指定されたURLに対応するページ情報をページ情報データベース25の中から選択してウェブブラウザCCに配信する。ウェブブラウザCCは、図16に示すような動作状態設定メニュー画面をウェブページとして表示する。図16は、映像設定ボタンVBと、音声設定ボタンABと、高度設定ボタンHBと、情報表示ボタンIBと、全体初期化ボタンRBの5つの設定ボタンが選択可能なメニュー(Web Menu)として表示されている例を示している。
【0128】
ユーザが5つの設定ボタンの中から選択したい設定ボタンを押すことにより、その設定ボタンに割り付けられたURLが指定される。そして、ウェブサーバ部20が指定されたURLに対応するページ情報をページ情報データベース25の中から選択してウェブブラウザCCに配信することにより、ウェブブラウザCCには対応する設定画面がウェブページとして表示される。例えば、映像設定ボタンVBを押すと、図17に示すような映像設定画面が表示される。図17は、映像に関する制御可能な動作状態として、「明るさ」、「コントラスト」、シャープネス」、「ガンマ補正」の4つのメニューが表示されている例を示している。
【0129】
「明るさ」の設定画面としては、6段階の明るさの状態を表示可能な動作状態表示画面と、動作状態表示画面の左側に示された明るさマイナスボタンIDBと、動作状態表示の右側に示された明るさプラスボタンIUBとが表示されている。「コントラスト」、「シャープネス」についても「明るさ」と同様に表示されている。
【0130】
「ガンマ補正」については、「ダイナミック」、「ノーマル」、「ナチュラル」の3つの状態に対応する3つのラジオボタンが表示されている。
【0131】
また、図16の音声設定ボタンABを押すと、図18に示すような音声設定画面がウェブページとして表示される。図18は、音声に関する制御可能な動作状態として、「音量」、「高音」の強さ、「低音」の強さが表示されている例を示している。「音量」、「高音」、「低音」の設定画面についても、図17の「明るさ」と同様に表示されている。
【0132】
図16の他の設定ボタン、高度設定ボタンHBや、情報表示ボタンIB、全初期化ボタンRBについても、それぞれ対応するウェブ画面が表示される。高度設定ボタンHBを押すことにより、カラー設定や、プロジェクタの設置環境(天吊りか否か、リア投写か否か)等のプロジェクタに関する種々の設定画面が表示される。情報表示ボタンIBを押すことにより、プロジェクタの情報、例えば、ランプ点灯時間、映像の種類、解像度等の情報が表示される。全体初期化ボタンRBを押すことにより、プロジェクタの動作状態を初期状態とするための設定画面が表示される。
【0133】
次に、プロジェクタ10の動作状態を変更する場合について、図17の映像設定画面において映像の明るさを変更する場合を例に説明する。映像の明るさを現在の明るさよりも明るくする場合には明るさプラスボタンIUBを押し、暗くする場合には明るさマイナスボタンIDBを押すことにより行われる。明るさプラスボタンIUBを1回押すと、明るさIUBに割り付けられている明るさを1段階アップさせる制御情報(明るさアップ命令)が、ウェブサーバ部20に送信される。このとき、同時に、ウェブページの更新命令も送信されて、ウェブブラウザCCに表示されているウェブページとしての映像設定画面が一旦消示される。
【0134】
ウェブサーバ部20の動作状態制御部27(図14)は、送られてきた制御情報(コマンド)がプロジェクタ部30への情報かASP端末部20への情報かを判断する。明るさアップ命令は、プロジェクタ部30への命令であるのでプロジェクタ部30に転送される。プロジェクタ部30は、この命令に応じて映像の明るさのアップを実行する。これにより、プロジェクタ部30の動作状態が変更される。このとき、動作状態情報取得部22(図14)は、プロジェクタ部30の変更後の動作状態を示す情報を動作状態情報23として新たに取得する。ページ情報配信部24(図14)は、新たに取得された動作状態情報を含む、ページ情報をウェブブラウザCCに配信する。ウェブブラウザCCには、新たに取得された動作状態情報23に応じて更新されたウェブページとしての映像設定画面が表示される。図19は、明るさを1段階アップさせた後の映像設定画面を示している。明るさの動作状態表示が図17の位置から1段階明るい位置に変更されている(黒丸の位置が図17に対して1つ右にずれている)例を示している。
【0135】
映像の明るさを暗くする場合も同様に行うことができる。コントラストやシャープネスの設定も同様である。ガンマ補正の変更は、対応するラジオボタンの選択を行うことにより実行できる。
【0136】
上記説明では、映像設定画面における映像の明るさを例に説明しているが、他の種々の設定画面における設定も同様に行うことができる。
【0137】
以上説明したように、第2の実施例においては、ウェブサーバ部20によってクライアントコンピュータCCにより実行されるウェブブラウザに配信されて表示されるウェブページ上で、ユーザによって入力される制御情報に応じて、プロジェクタ10の種々の動作状態を制御することができる。これによりプロジェクタ10に対して離れた位置にいるユーザが容易にその動作状態を制御することができる。従って、本実施例のプロジェクタは、従来のプロジェクタに比べて、プロジェクタの動作状態を制御するための操作性の向上を図ることが可能である。
【0138】
なお、第2の実施例で説明したウェブページは、本発明を説明するための一例であり、これらに限定されるものではない。
【0139】
F.第3の実施例:
次に、本発明の第3の実施例に係るプロジェクタについて説明する。図20は、本発明の第3実施例としての投写表示システムを示す説明図である。この投写表示システムは、プロジェクタPJ1(すなわち投写型表示装置PJ1)とコンピュータPC1とを備えており、プロジェクタPJ1とコンピュータPC1とは、LANなどのネットワークNWを介して接続されている。なお、図20のコンピュータPC1が本発明における外部入力装置に相当する。
【0140】
図20に示すように、コンピュータPC1は、ポインティングデバイスとしてマウスMSを備えている。後述するように、マウスMSの操作に伴う操作情報OPSは、ネットワークNWを介してプロジェクタPJ1に供給される。プロジェクタPJ1は、操作情報OPSに基づいて、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を実行する。例えば、プロジェクタPJ1は、ネットワークNWを介して供給された操作情報OPSに基づいて、スクリーンSC上に表示された原画像ORG内にポインタ画像PPJを表示させることができる。なお、図20において、コンピュータPC1は、プロジェクタPJ1に対して、操作情報OPSを供給しており、投写表示される画像を形成する原画像ORGやポインタ画像PPJなどを表す画像データは供給していない。
【0141】
図21は、図20のプロジェクタPJ1の概略構成を示す説明図である。プロジェクタPJ1は、CPU1100と、外部記憶装置1102と、ROMやRAMなどの内部記憶装置1104と、アナログ画像信号入力部1108と、画像処理部1110と、液晶ライトバルブ駆動部1120と、液晶ライトバルブ1130と、装飾画像処理部1140と、メニュー画像処理部1150と、リモコン信号処理部1160と、メモリカードMCに格納された画像データなどを読み取るための読取装置1170と、ネットワークインタフェース部1180を備えている。CPU1100と、外部記憶装置1102と、内部記憶装置1104と、画像処理部1110と、装飾画像処理部1140と、メニュー画像処理部1150と、リモコン信号処理部1160と、読取装置1170と、ネットワークインタフェース部1180とは、バス1100bによって互いに接続されている。液晶ライトバルブ1130は、照明光学系11200によってほぼ均一に照明されており、液晶ライトバルブ1130において形成された画像光は、投写光学系1220によってスクリーンSC上に投写される。図21において、光学系11200,1220の図示は、簡略化されている。
【0142】
なお、本実施例のプロジェクタPJ1は、図示しないインターフェースを介して、キーボードやマウスなどの入力機器を接続することも可能である。
【0143】
アナログ画像信号入力部1108には、外部の画像供給装置(図示せず)からアナログ画像信号AV1が供給される。アナログ画像信号AV1としては、例えば、パーソナルコンピュータから供給されたコンピュータ画像を表すRGB信号や、ビデオレコーダやテレビジョン受信機から供給された動画を表すコンポジット画像信号などの画像信号が供給される。アナログ画像信号入力部1108は、アナログ画像信号AV1をAD変換し、ディジタル画像データDV1を出力する機能を有している。
【0144】
画像処理部1110は、原画像データと装飾画像データとを合成して合成画像データを生成する機能を有している。これにより、原画像データによって表される原画像ORG(図20)に、装飾画像データによって表されるポインタ画像PPJ(図20)などの装飾画像を重畳させることができる。原画像データは、画像処理部1110内の図示しないフレームメモリに一旦書き込まれる。画像処理部1110は、フレームメモリに書き込まれた原画像データを読み出す際に、原画像データと装飾画像データとを合成し、合成画像データDDVを液晶ライトバルブ駆動部1120に供給する。
【0145】
なお、原画像データとしては、アナログ画像信号入力部1108から供給される画像データDV1や、ネットワークインタフェース部1180を介してネットワークから供給される画像データ、メニュー画像処理部1150から供給されるメニュー画像データ、メモリカードMCから読み取られて読取装置1170から供給される画像データなどが用いられる。一方、装飾画像データとしては、装飾画像処理部1140から供給される装飾画像データが用いられる。
【0146】
ここで、装飾画像とは、原画像とは独立して準備される画像(付加画像)を意味しており、原画像に重畳(付加)されることによりスクリーンSC上に投写表示される。
【0147】
液晶ライトバルブ駆動部1120は、画像処理部1110から供給された合成画像データDDVに応じて、画像表示データSDを生成する。液晶ライトバルブ1130は、画像表示データSDによって駆動される。このとき、液晶ライトバルブ1130は、照明光学系11200からの光を変調し、画像を表す画像光を形成する。
【0148】
装飾画像処理部1140は、装飾画像を表す装飾画像データを生成して、画像処理部1110に供給する機能を有している。具体的には、装飾画像処理部1140は、ポインタ画像PPJ(図20)を表すポインタ画像データや、ポインタ画像PPJを用いて範囲指定することにより所望のサイズで作成される特定形状の画像(例えば、指差し画像)や描画画像(例えば、ボックス画像や囲み枠画像)などの種々の装飾画像データを生成して、画像処理部1110に供給する。
【0149】
メニュー画像処理部1150は、メニュー画像を表すメニュー画像データを生成して画像処理部1110に供給する機能を有している。ユーザは、メニュー画像に従って、プロジェクタPJ1に関する種々の設定を行うことができる。
【0150】
ネットワークインタフェース部1180は、プロジェクタPJ1をLANに接続し、コンピュータPC1からLANを介して供給される操作情報OPSを、バス1100bを介してCPU1100に供給する機能を有している。CPU1100は、操作情報OPSに基づいて、画像処理部1110や装飾画像処理部1140、メニュー画像処理部1150などを制御する。例えば、操作情報OPSに、原画像ORG内に重畳されるポインタ画像PPJ(図20)の位置を表す位置情報が含まれている場合には、装飾画像処理部1140は、ポインタ画像データを操作情報(位置情報)OPSに基づいて画像処理部1110に供給する。これにより、画像処理部1110は、原画像データとポインタ画像データとを操作情報(位置情報)OPSに基づいて合成することができ、この結果、原画像ORGの所定の位置にポインタ画像PPJが重畳されることとなる。また、ネットワークインタフェース部1180は、後述するように、LANを介して供給される画像データを原画像データとして画像処理部1110に供給する機能を有している。
【0151】
リモコン信号処理部1160(図21)は、リモコンRMからの制御信号に基づいてプロジェクタPJ1の各部の機能を制御する。例えば、リモコン信号処理部1160は、リモコンRMからの制御信号に基づいて、装飾画像処理部1140の機能を制御し、原画像ORG内の所定の位置にポインタ画像PPJを重畳させることができる。ただし、本実施例の投写表示システムでは、リモコンRMに代えて、LANに接続されたコンピュータPC1のマウスMS(図20)を操作することにより、原画像ORG内の所定の位置にポインタ画像PPJを重畳させることが可能となっている。
【0152】
なお、図21のCPU1100と画像処理部1110と装飾画像処理部1140とが、本発明における画像データ生成部に相当する。
【0153】
図22は、図20のコンピュータPC1の概略構成を示す説明図である。コンピュータPC1は、CPU11300と、外部記憶装置1310と、ROM1320と、RAM1330と、表示部1350と、マウスMSやキーボードKBなどの入力部1360とを備えている。また、コンピュータPC1は、LANと接続するためのネットワークインタフェース部1380を備えている。
【0154】
RAM1330内には、操作情報生成部1332の機能を実現するプログラムが格納されている。操作情報生成部1332は、ユーザによる入力部1360の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報OPSを生成する機能を有している。なお、生成された操作情報OPSは、ネットワークインタフェース部1380を介してプロジェクタPJ1に供給される。
【0155】
なお、上記の操作情報生成部1332の機能を実現するコンピュータプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。コンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータが読み取って直接実行するようにしてもよい。
【0156】
この明細書において、コンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。また、オペレーションシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェア装置を動作させるような場合には、そのハードウェア装置自体がコンピュータに相当する。ハードウェア装置は、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とを少なくとも備えている。コンピュータプログラムは、このようなコンピュータに、上述の各手段の機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0157】
なお、この発明における「記録媒体」としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0158】
図23は、図20の投写表示システムの利用形態の一例を示す説明図である。図23の投写表示システムでは、一台のプロジェクタPJ1と複数台のコンピュータPC1,PC2…とがLANを介して接続されている。この投写表示システムを用いれば、例えば、第1のコンピュータPC1においてマウスMSを移動させると、マウスMSの移動に伴って生成された操作情報OPSがLANを介してプロジェクタPJ1に供給されるので、プロジェクタPJ1は、スクリーンSC上に表示されている原画像ORG内に重畳されたポインタ画像PPJをマウスMSと連動させて移動させることができる。なお、他のコンピュータPC2,PC3…においても同様である。このような投写表示システムを用いれば、複数人で一台のプロジェクタPJ1を用いて順次プレゼンテーションを行う場合に、リモコンRMを各人で受け渡しする必要がないので、プレゼンテーションの交替を円滑に行うことができる。
【0159】
図24は、プロジェクタPJ1とコンピュータPC1との処理手順を示すフローチャートである。プロジェクタPJ1は、ステップT101において、スクリーンSC上に原画像ORGを表示している。
【0160】
コンピュータPC1は、ステップS1101において、入力部1360の操作に伴う操作情報OPSを生成するための操作情報生成プログラムを起動する。このとき、図22の外部記憶装置1310内に格納されていた操作情報生成プログラムは、RAM1330内に展開され、操作情報生成部1332として機能する。操作情報生成プログラムが起動すると、コンピュータPC1の表示部1350には、操作検出用ウィンドウDWが表示される。
【0161】
図25は、コンピュータPC1の表示部1350に表示される操作検出用ウィンドウDWを示す説明図である。図25に示す表示部1350では、操作検出用ウィンドウDWと、プレゼンテーションにおいて発表する内容などを記したメモを表示するメモ表示ウィンドウMWとが表示されている。
【0162】
操作検出用ウィンドウDWは、「PJ選択」ボタンB1と、「解像度選択」ボタンB2と、「メニュー」ボタンB3と、「開始」ボタンBSと、「終了」ボタンBEと、操作情報生成領域GAとを含んでいる。ここで、操作情報生成領域GAとは、マウスMSの操作に伴う操作情報OPSを生成するための領域を意味している。図25において、マウスMSに対応するポインタ画像PPCは、表示部1350の全領域内において表示されるが、ポインタ画像PPCが操作情報生成領域GA内に表示される場合にのみ、マウスMSの操作に伴う操作情報OPSが生成される。このようにすれば、ユーザが、操作情報生成領域GA以外の領域においてポインタ画像PPCを表示させてマウスMSを操作する場合には、マウスMSの操作情報OPSが生成されないので、マウスMSを用いて他の操作、例えば、メモ表示ウィンドウMWに表示させるメモを変更するなどの操作を行うことが可能となる。
【0163】
図24のステップS1102では、プロジェクタPJ1についての設定を行う。具体的には、ユーザが用いるプロジェクタを選択し、また、選択されたプロジェクタに適した解像度を設定する。
【0164】
ユーザが用いるプロジェクタの選択は、操作検出用ウィンドウDWに設けられた「PJ選択」ボタンB1を選択して実行される。「PJ選択」ボタンB1をマウスMSでクリックすると、プロジェクタを選択するための選択フィールド(図示せず)が表示される。LANに複数台のプロジェクタが接続されている場合には、選択フィールドには、複数台のプロジェクタの情報が表示される。ユーザは、選択フィールドに表示された一台あるいは複数台のプロジェクタの中から、ユーザが用いるプロジェクタ「PJ1」を選択する。
【0165】
プロジェクタPJ1に適した解像度の設定は、操作検出用ウィンドウDWに設けられた「解像度選択」ボタンB2を選択して実行される。「解像度選択」ボタンB2をマウスMSでクリックすると、解像度を選択するための選択フィールド(図示せず)が表示される。例えば、プロジェクタPJ1に備えられた液晶ライトバルブ1130(図21)の有効表示領域の解像度がXGA(1024×768)である場合には、プロジェクタPJ1の解像度として「XGA」を選択する。このように、プロジェクタPJ1の解像度を設定することにより、操作情報生成領域GAと、スクリーンSC上に投写表示される原画像ORGの画像領域とを対応付けることができる。すなわち、操作情報生成領域GA内におけるポインタ画像PPCの位置関係と、原画像ORG内におけるポインタ画像PPJの位置関係とをほぼ一致させることができる。
【0166】
ステップS1102において、プロジェクタPJ1についての設定が終了すると、ステップS1103において、コンピュータPC1は、操作情報OPSの送信開始を意味する開始情報を出力する。これは、ユーザが操作検出用ウィンドウDWに設けられた「開始」ボタンBSを選択することによって実行される。ユーザが「開始」ボタンBSを選択すると、開始情報がネットワークインタフェース部1380から出力され、LANを介してプロジェクタPJ1のネットワークインタフェース部1180に供給される。
【0167】
プロジェクタPJ1は、開始情報を受け取ると、ステップT102において、原画像ORG内にポインタ画像PPJを重畳表示するための準備を行う。具体的には、CPU1100が、ネットワークインタフェース部1180に供給された開始情報に基づいて、装飾画像処理部1140にポインタ画像データを準備させる。
【0168】
なお、図23において、プロジェクタPJ1に第1のコンピュータPC1からの開始情報が供給されると、プロジェクタPJ1は、後述する終了情報(ステップS1108)が供給されるまで、第1のコンピュータPC1からの操作情報OPSのみに基づいて処理を実行し、他のコンピュータPC2,PC3…からの情報を無視する。これにより、第1のコンピュータPC1によって、プロジェクタPJ1が独占されることとなる。
【0169】
ステップS1104では、ユーザが入力部1360としてのマウスMSを操作する。ここで、マウスMSの操作とは、ユーザがマウスMS自体を移動させる操作や、マウスMSに設けられたスイッチを押す操作などを意味している。
【0170】
ステップS1105では、入力部1360としてのマウスMSの操作を検出する。そして、ステップS1106では、ステップS1105における検出結果に基づいて操作情報OPSを生成する。
【0171】
前述のように、本実施例の操作情報生成部1332は、マウスMSに対応するポインタ画像PPCが操作検出用ウィンドウDWの操作情報生成領域GA内に表示される場合にのみ、マウスMSの操作を検出する。そして、操作情報生成領域GA内においてポインタ画像PPCが表示される位置を、設定されたプロジェクタPJ1の解像度(ステップS1102)応じて、座標値で求める。本実施例では、プロジェクタPJ1の解像度は、XGA(1024×768)に設定されているので、ポインタ画像PPCが操作情報生成領域GAの左上端に表示されている場合には座標値を(1,1)とし、中央に表示されている場合には座標値を(512,384)とし、右下端に表示されている場合には座標値を(1024,768)として求める。この座標値情報が、マウスMSの位置情報となり、操作情報OPSとして出力される。
【0172】
ステップS1107では、コンピュータPC1は、操作情報OPSを送信する。なお、操作情報OPSは、ネットワークインタフェース部1380(図22)によってネットワーク用のデータ形式に変換されて出力される。
【0173】
プロジェクタPJ1は、ステップT103において、操作情報OPSに基づいて、画像を表示する。具体的には、操作情報OPSに基づいて、原画像ORG内の所定の位置(すなわち、操作情報生成領域GA内におけるポインタ画像PPCの位置に対応する位置)にポインタ画像PPJを表示する。なお、コンピュータPC1は、プロジェクタPJ1に操作情報OPSを供給しているが、ポインタ画像PPJを表すポインタ画像データは供給していない。
【0174】
ステップS1104〜S1107,T103の処理を繰り返し実行することにより、マウスMSの移動と連動させて、スクリーンSC上に投写表示される原画像ORG内のポインタ画像PPJを移動させることができる。
【0175】
ステップS1108では、操作情報OPSの送信終了を意味する終了情報を出力する。これは、ユーザが操作検出用ウィンドウDWに設けられた「終了」ボタンBEを選択することによって実行される。ユーザが「終了」ボタンBEを選択すると、終了情報がネットワークインタフェース部1380から出力され、LANを介してプロジェクタPJ1のネットワークインタフェース部1180に供給される。
【0176】
プロジェクタPJ1は、終了情報を受け取ると、ステップT104において、原画像ORG内に重畳されたポインタ画像PPJを消去する。具体的には、CPU1100が、ネットワークインタフェース部1180に供給された終了情報に基づいて、装飾画像処理部1140にポインタ画像データの出力を中止させる。
【0177】
ところで、上記のステップS1104では、マウスMSを単に移動させる操作を実行する場合について説明したが、マウスMSに設けられたスイッチを押しながらマウスMSを移動させる操作を実行する場合には、投写表示される原画像ORG内において領域を指定することができる。本実施例のプロジェクタPJ1では、領域を指定することにより、ボックス画像や囲み枠画像などのポインタ画像と異なる種類の装飾画像を、原画像ORG内の指定領域に重畳することが可能となっている。この説明からも分かるように、ステップS1106においては、マウスMSの位置情報のみでなく、マウスMSのスイッチ情報も操作情報OPSとして生成される。
【0178】
図26は、原画像ORG内のポインタ画像PPJを用いて、原画像ORG内にボックス画像PBを重畳する際の処理を示す説明図である。ボックス画像PBのサイズは、原画像ORG内において、ボックス画像PBの対向する2つの頂点(始点および終点)を指定することによって決定される。図26(A−1)〜(A−3)は、操作検出用ウィンドウDW(図25)に含まれる操作情報生成領域GAを示している。図26(B−1)〜(B−3)は、プロジェクタPJ1によってスクリーンSC上に表示される原画像ORGを示している。
【0179】
図26(A−1)では、コンピュータPC1のマウスMSを操作して、領域を指定するための始点P1Cを指定する。これは、ユーザがマウスMSを移動させることにより、ポインタ画像PPCを始点P1Cに移動させ、マウスMSのスイッチを押すことによって行われる。このとき、図26(B−1)に示すように、原画像ORG内では、ポインタ画像PPJによって始点P1Jが指定される。原画像ORGにおいて始点P1Jが指定されると、ボックス画像PBの始点を意味する始点画像PSが始点P1J位置に重畳される。
【0180】
図26(A−2)では、ユーザがマウスMSのスイッチを押したまま、マウスMSを領域の終点P2Cに移動させる。このとき、操作情報生成領域GA内には、始点P1Cおよび終点P2Cを結ぶ線分を対角線とする枠が破線で表示されている。一方、原画像ORG内では、図26(B−2)に示すように、始点画像PSが表示されると、ポインタ画像PPJに代えて終点画像PEが表示され、終点画像PEを用いて原画像ORG内の終点P2Jが指定される。
【0181】
図26(A−3)では、ユーザがマウスMSのスイッチを押すのを中止する。このとき、図26(B−3)に示すように、原画像ORG内では、始点P1Jおよび終点P2Jによって設定された範囲にボックス画像PBが重畳される。
【0182】
なお、始点画像PSと、終点画像PEと、ボックス画像PBとのそれぞれの装飾画像を表す装飾画像データは、装飾画像処理部1140(図21)によって準備され、画像処理部1110に供給される。
【0183】
また、原画像ORGに重畳されるボックス画像PBなどの装飾画像の種類は、操作検出用ウィンドウDW(図25)に含まれる「メニュー」ボタンB3を選択することによって予め指定される。すなわち、ユーザがコンピュータPC1において「メニュー」ボタンB3を選択すると、メニュー表示開始情報がLANを介してプロジェクタPJ1に供給される。プロジェクタPJ1内のCPU1100は、ネットワークインタフェース部1180に供給されたメニュー表示開始情報に基づいて、メニュー画像処理部1150および画像処理部1110を制御し、メニュー画像を原画像ORGとしてスクリーンSC上に投写表示させる。ユーザは、原画像ORG(メニュー画像)内に重畳表示されるポインタ画像PPJを用いて、使用する装飾画像の種類を選択する。なお、リモコンRMを用いてメニュー画像を表示させて、リモコンRMを用いて使用する装飾画像の種類を選択することも可能である。
【0184】
上記では、コンピュータPC1の入力部1360として、マウスMSを操作する場合について説明したが、入力部1360としてキーボードKBを操作する場合にも操作情報OPSが生成される。すなわち、ステップS1104において、ユーザがキーボードKBを操作すると、ステップS1105,S1106において、操作情報生成部1332は、キー操作を検出し、検出結果に基づいてキー情報を含む操作情報OPSを生成する。プロジェクタPJ1は、ステップT103において、コンピュータPC1から供給された操作情報OPS(ステップS1107)に基づいて、画像を表示する。図27は、ユーザが入力部1360としてのキーボードKBを操作することによって投写表示される画像を示す説明図である。図27では、原画像ORG内のポインタ画像PPJで指定された位置付近には、キー情報と対応する「Here!」の文字からなる符号画像PMが重畳されている。このように、操作情報OPSにキー情報が含まれるようにすれば、原画像ORG内に、文字等の符号画像を重畳させることができるので、プレゼンテーションをより効果的に行うことが可能となる。符号画像を表す符号画像データは、装飾画像処理部1140によって準備され、画像処理部1110に供給される。
【0185】
なお、第3の実施例では、キーボードKBの操作も、操作検出用ウィンドウDW(図25)に含まれる操作情報生成領域GA内にポインタ画像PPCが存在する場合にのみ検出されるので、操作情報生成領域GA以外の領域にポインタ画像PPCを表示させることにより、キーボードKBを用いて他の操作、例えば、メモ表示ウィンドウMWのメモの内容を編集するなどの操作を行うことが可能となっている。
【0186】
以上説明したように、第3の実施例に従う投写表示システムは、ネットワークNWを介して接続された外部入力装置PC1とプロジェクタPJ1とを備えている。外部入力装置PC1は、ユーザによる入力部1360の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報OPSを生成する操作情報生成部1332を備えている。そして、プロジェクタPJ1は、ネットワークNWを介して供給される操作情報OPSに基づいて、原画像データによって表される原画像内の所定の位置に、装飾画像データによって表される装飾画像が重畳された画像を表す画像データDDVを生成する画像データ生成部1100,1110,1140を備えている。なお、前述したように、コンピュータPC1は、プロジェクタPJ1に操作情報OPSを供給しているが、原画像に重畳される装飾画像を表す装飾画像データは供給していない。これにより、ユーザは、外部入力装置PC1に備えられた入力部1360を操作することによって、容易に、原画像内に装飾画像を重畳させることが可能となる。
【0187】
G.第4の実施例:
第3実施例では、ユーザがコンピュータPC1(図22)の入力部1360を操作することによって、プロジェクタPJ1(すなわち投写型表示装置PJ1)に対して、投写表示される原画像ORG内にポインタ画像PPJやポインタ画像と異なる種類の装飾画像を重畳させる場合について説明したが、ユーザはコンピュータPC1の入力部1360を操作することによって、投写表示される原画像ORGの内容を直接編集することも可能である。
【0188】
これは、プロジェクタPJ1(図21)が、外部記憶装置1102にアプリケーションプログラムを格納することによって実現できる。すなわち、プロジェクタPJ1が、外部記憶装置1102に格納されたアプリケーションプログラムを起動させると、アプリケーションプログラムは、内部記憶装置(RAM)1104内に展開され、CPU1100によって実行される。アプリケーションプログラムによって生成された実行画面データは、画像処理部1110に供給され、原画像データとして用いられる。これにより、ユーザは、コンピュータPC1の入力部1360を操作することによって、アプリケーションプログラムによって生成される原画像(実行画像)ORGの内容を直接編集することが可能となる。
【0189】
ところで、近年、SBC(Server Based Computing)方式によるアプリケーションプログラムの利用が推進されている。従来では、いわゆるダウンロード方式によって、アプリケーションプログラムが利用されていた。ダウンロード方式によるアプリケーションプログラムの利用は、ユーザがサーバから所望のアプリケーションプログラムを動的にクライアント機にダウンロードし、ダウンロードしたアプリケーションプログラムをクライアント機上にインストールして、アプリケーションプログラムを利用するものである。
【0190】
一方、SBC方式によるアプリケーションプログラムの利用は、ユーザがアプリケーションプログラムをサーバ上で実行させ、クライアント機でサーバにおけるアプリケーションプログラムの実行画面を利用するものである。このとき、キーボードやマウスなどの操作情報がクライアント機からサーバに供給され、実行画面の更新データがサーバからクライアント機に供給される。これにより、アプリケーションプログラムの動作をクライアント機から切り離すことができるので、クライアント機の性能に依存せずにアプリケーションプログラムを利用することが可能となる。なお、実行画面データは、所定形式のデータで供給され、クライアント機は、供給された所定形式のデータに基づいて実行画面を表示させる。
【0191】
第4の実施例においては、プロジェクタPJ1(投写型表示装置PJ1)は、上記のクライアント機として機能することも可能である。この場合には、プロジェクタPJ1は、アプリケーションプログラム自体を格納しておく必要がないため、外部記憶装置1102や内部記憶装置1104の容量を比較的小さくすることができる。
【0192】
図28は、第4実施例における投写表示システムを示す説明図である。この投写表示システムは、プロジェクタPJ1(投写型表示装置PJ1)とコンピュータPC1とサーバSBとを備えており、プロジェクタPJ1とコンピュータPC1とサーバSBとは、ネットワークNWを介して接続されている。
【0193】
プロジェクタPJ1は、上記のクライアント機として機能し、サーバSBから供給されるアプリケーションプログラムの実行画面をスクリーンSC上に投写表示する。なお、プロジェクタPJ1の内部構成は、図21とほぼ同じであるため、詳細な説明は省略する。ただし、ネットワークインタフェース部1180(図21)は、内部に図示しないビューア部を備えており、ビューア部は、供給された所定形式のデータDTに基づいて実行画面を表す実行画面データを準備する。この実行画面データは、画像処理部1110(図21)に供給され、原画像データとして用いられる。
【0194】
この投写表示システムにおいても、プロジェクタPJ1が外部記憶装置1102にアプリケーションプログラムを格納している場合と同様に、ユーザはコンピュータPC1の入力部1360(図22)を操作することによって、投写表示される原画像(実行画面)ORGの内容を直接編集することができる。
【0195】
図29は、スクリーンSC上に投写表示された原画像ORGの内容を直接編集する際の処理を示す説明図である。なお、図29では、原画像ORGとして、文書作成プログラムによって生成された実行画面が表示されている。
【0196】
図29(A)では、ユーザは、コンピュータPC1に備えられたマウスMSを移動させて、投写表示される原画像(実行画面)ORG内の所望の位置にポインタ画像PPJを重畳させる。このとき、コンピュータPC1から供給される位置情報を含む操作情報OPSは、第1実施例と同様に、プロジェクタPJ1においてポインタ画像PPJの重畳処理に利用される。なお、図29(A)では、原画像ORG内の文字「M」の位置にポインタ画像PPJが重畳されている。
【0197】
図29(B)では、ユーザは、マウスMSに設けられたスイッチを押し(クリックし)、原画像(実行画面)ORG内の所望の位置にカーソルCSを表示させる。このとき、コンピュータPC1から供給されるスイッチ情報を含む操作情報OPSは、一旦、プロジェクタPJ1に供給され、プロジェクタPJ1は、供給された操作情報OPSをネットワークNWを介してサーバSBに送信する。サーバSBは、マウスMSの位置情報やスイッチ情報などを含む操作情報OPSに従って、文書作成プログラムによって生成される実行画面内の所定の位置にカーソルを表示させる。そして、サーバSBは、カーソルが表示された更新画面を、ネットワークNWを介してプロジェクタPJ1に供給し、プロジェクタPJ1は、更新画面を原画像ORGとしてスクリーンSC上に投写表示させる。なお、このときにも、図29(B)に示すように、プロジェクタPJ1は、操作情報OPSに基づいて、原画像(更新画面)ORG内にポインタ画像PPJを重畳表示させている。
【0198】
図29(C)では、ユーザが、コンピュータPC1に備えられたキーボードKBのキーを操作することによって、原画像ORG内のカーソル位置に文字等を入力する。このとき、コンピュータPC1から供給されるキー情報を含む操作情報OPSは、一旦、プロジェクタPJ1に供給され、プロジェクタPJ1は、供給された操作情報OPSをネットワークNWを介してサーバSBに送信する。サーバSBは、キーボードKBのキー情報を含む操作情報OPSに従って、文書作成プログラムによって生成される実行画面内のカーソル位置において、文字等の入力を行う。そして、サーバSBは、編集された更新画面を、ネットワークNWを介してプロジェクタPJ1に供給し、プロジェクタPJ1は、更新画面を原画像ORGとしてスクリーンSC上に投写表示させる。なお、図29(C)では、文字「K」,「M」の間に文字「L」が挿入された原画像(更新画面)ORGが表示されている。
【0199】
図29(A)〜(C)に示すように、ユーザは、コンピュータPC1に備えられた入力部1360を操作することによって、投写表示される原画像(実行画面)ORGの内容を直接編集することができる。なお、図29では、プロジェクタPJ1が、サーバSBから供給されるアプリケーションプログラムの実行画面をスクリーンSC上に投写表示する場合について説明したが、プロジェクタPJ1が、内部記憶装置1104内に格納されたアプリケーションプログラムによって生成される実行画面を投写表示する場合にも、原画像(実行画面)ORGの内容を直接編集することができる。前者の場合には、前述のように、コンピュータPC1に備えられる外部記憶装置1102や内部記憶装置1104の容量は比較的小さくて済むという利点がある。一方、後者の場合には、プロジェクタPJ1は、コンピュータPC1から一旦供給された操作情報OPSを、サーバSBに送信しなくて済むという利点がある。なお、プロジェクタPJ1からサーバSBへの操作信号OPSの供給処理は、プロジェクタPJ1内のCPU1100がネットワークインタフェース部1180に実行させる。
【0200】
なお、第3の実施例では、原画像ORG内にポインタ画像PPJが重畳された位置で入力部1360を操作すると、ポインタ画像PPJと異なる種類の装飾画像を原画像ORGに重畳させることができる。一方、第4の実施例では、原画像ORG内にポインタ画像PPJが重畳された位置で入力部1360を操作すると、原画像(実行画面)ORGの内容を編集することができる。なお、第4の実施例においても、原画像(実行画面)ORGにポインタ画像PPJと異なる種類の装飾画像を原画像ORGに重畳させることもできる。すなわち、プロジェクタPJ1は、ポインタ画像PPJが原画像ORGに重畳された後に供給された操作情報OPSに基づいて、装飾画像を原画像ORGに重畳させる処理(装飾モード)と、原画像(実行画面)ORGの内容を直接編集する処理(編集モード)とを区別して実行する。なお、このような処理モードの切り替えは、メニュー画像において行われ、設定された処理モードに応じて、CPU1100(図21)が各部を制御する。
【0201】
以上説明したように、第4の実施例においても、投写表示システムは、ネットワークNWを介して接続された外部入力装置PC1とプロジェクタPJ1とを備えている。外部入力装置PC1は、ユーザによる入力部1360の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報OPSを生成する操作情報生成部1332を備えている。そして、プロジェクタPJ1は、ネットワークNWを介して供給される操作情報OPSに基づいて、原画像内の所定の位置にポインタ画像が重畳され、また、原画像(実行画面)ORGの内容が編集された画像を表す画像データDDVを生成する画像データ生成部1100,1110,1140を備えている。このように、ユーザは、外部入力装置PC1に備えられた入力部1360を操作することによって、プロジェクタPJ1に対して、投写表示される画像の内容に関する処理を容易に実行させることが可能となる。
【0202】
以上、第1〜第4の実施例に基づき本発明に係るプロジェクタおよび投写表示システム、並びに、その方法および記録媒体について説明してきたが、上記した実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0203】
(1)例えば、第1の実施例では、表示ディスプレイ54上にてファイルアイコンFLをプロジェクタアイコンPJへドラッグ・アンド・ドロップした場合の転送・保存先をプロジェクタ10とした場合の例について説明したが、ネットワーク上に接続されているファイルサーバFSに対して転送・保存するようにしても良い。例えば、多人数にてプレゼンテーションを行うような場合には、プロジェクタ10の外部記憶装置41には全てのファイルデータを格納しきれない場合があり、かかる場合には、ファイルサーバFSに予め必要なファイルを格納することにより必要なファイルを保存しておくことができる。
【0204】
(2)ファイルの再生に当たっては、例えば、次のように処理することができる。プロジェクタ10は、ファイルサーバFSに格納されているファイル情報を予め取得しておき、ファイル選択時にはファイル選択画面上にファイル情報を表示する。プロジェクタ10は、ファイルサーバFSに格納されているファイルが選択されると、ファイルサーバFSに対して選択ファイルの転送要求を送信する。プロジェクタ10は選択ファイルを受信した後、投写表示を実行する。
【0205】
(3)また、パーソナルコンピュータPCがPCMCIAスロットを有する場合には、パーソナルコンピュータPCからのファイルの転送先をPCMCIAスロットに格納されているPCメモリカードとしても良い。かかる場合には、プロジェクタ10がネットワークに接続されていない場合であっても、パーソナルコンピュータPCにおいてPCメモリカードにファイルを転送した後に、プロジェクタ10にPCメモリカードを差し込むことによって、上記実施例と同等の作用効果を得ることができる。PCメモリカードにファイルを転送する際には、パスワードの設定が要求されることは言うまでもない。
【0206】
(4)また、第1の実施例では、1〜5の数字を用いてパスワードを設定しているが、この制限は既述のようにリモコン40によって入力可能な数字に対応したに過ぎず、リモコン40によって1〜5以外の数字、文字等が入力できる場合には1〜5以外の数字、文字等を用いてパスワードを設定できることは言うまでもない。例えば、リモコン40に液晶の表示窓を設けておき、ジョイスティック402を用いて文字等のパスワードを入力するようにしても良い。あるいは、無線式キーボード等を用いて各種数字、文字を入力するようにしても良い。
【0207】
(5)さらに、第1の実施例では、パスワードの設定されたファイルをパスワードと関連付けてプロジェクタ10の外部記憶装置41に転送しているが、パーソナルコンピュータPCにて転送ファイルを暗号化してプロジェクタ10に転送し、プロジェクタ10にて復号するようにしてもよい。かかる場合には、ネットワーク回線NLを通じたファイル転送時におけるセキュリティレベルを向上することができる。
【0208】
(6)また、第1の実施例における表示ディスプレイ54上の表示画面、並びに、投写表示画面SRは例示に過ぎず、実施に当たっては適宜、変更され得ることは言うまでもない。
【0209】
(7)既述のように、第1の実施例ではネットワーク端末部に対してASP端末部20という名称を用いているが、プロジェクタ10は必ずしもASP端末である必要はない。例えば、ネットワークを介してアプリケーション・データ(ファイル)を受け取り、ビュワーアプリケーションによってファイルを開いてその表示画面を投写してもよい。かかる場合には、プロジェクタ10側でファイル形式を判断して自動的に最適なビュワーを起動してもよく、あるいは、サーバからプロジェクタ10に対してファイルと共に適切なビュワーを起動させる起動コマンドを同時に供給してもよい。
【0210】
(8)第1の実施例では、ASP端末部20およびプロジェクタ部30にそれぞれCPU、RAM、ROMを備えているが、ASP端末部20にのみ備えるようにしてもよい。かかる場合には、ASP端末部20におけるCPUがプロジェクタ部30の制御を実行する。
【0211】
(9)また、第1の実施例では、プロジェクタ部30において、外部映像信号入力端子312、および外部音声信号入力端子322が備えられているが、ネットワーク接続専用プロジェクタとする場合には、省略してもよい。かかる場合にはネットワーク回線NLを介して、画像データ、音声データが供給されるからである。
【0212】
(10)第1の実施例では、種々のインターフェース・コントローラが備えられているが、ネットワーク・インターフェース・コントローラ220を除いて、適宜省略可能であることは言うまでもない。
【0213】
(11)第3および第4実施例では、コンピュータPC1は、入力部1360として、マウスMSを備えているが、マウスMSに代えて、タブレットや、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティックなどの他のポインティングデバイスを備えるようにしてもよい。これらのポインティングデバイスも、マウスMSと同様の機能を有しており、本発明におけるポインティングデバイスに相当する。
【0214】
(12)第3および第4実施例では、入力部1360としてのマウスMSを用いて、原画像ORG内のポインタ画像PPJの重畳位置を指定しているが、入力部1360としてマウスMSが備えられていない場合には、キーボードKBの方向キーを用いて、ポインタ画像PPJの重畳位置を指定するようにしてもよい。あるいは、テンキーを用いて、ポインタ画像PPJの重畳位置を座標値で指定するようにしてもよい。このように、キーボードKBの方向キーやテンキーなども、本発明におけるポインティングデバイスとして機能する。
【0215】
(13)第3および第4実施例では、操作情報OPSに含まれるマウスMSの位置情報は、座標値で表されているが、位置情報は移動量を示すベクトル値で表されていてもよい。ただし、この場合には、双方向で通信することが好ましい。すなわち、マウスMSを移動させることによって生成される一連の位置情報のうちの一部がプロジェクタPJ1に供給されない場合に、位置情報がベクトル値で表されていると、操作情報生成領域GA内におけるポインタ画像PPCの位置関係と投写表示された原画像ORG内におけるポインタ画像PPJの位置関係とが一致しなくなってしまう。このように、位置情報が移動量を示すベクトル値で表される場合には、プロジェクタPJ1は、操作情報OPSを受信する毎に、コンピュータPC1に受取信号を送信すればよい。そして、コンピュータPC1は、受取信号を受信していない場合には、再度、操作情報OPSを送信すればよい。一方、位置情報が座標値で表されていると、マウスMSを移動させることによって生成される一連の位置情報のうちの一部がプロジェクタPJ1に供給されない場合にも、操作情報生成領域GA内におけるポインタ画像PPCの位置関係と投写表示された原画像ORG内におけるポインタ画像PPJの位置関係とをほぼ一致させることができる。したがって、位置情報が座標値で表される場合には、コンピュータPC1からプロジェクタPJ1への単方向の通信で済むという利点がある。一般には、操作情報OPSは、コンピュータPC1からプロジェクタPJ1への単方向通信によって送信されてもよいし、プロジェクタPJ1とコンピュータPC1との双方向通信によって送信されてもよい。
【0216】
(14)第3および第4実施例では、コンピュータPC1のRAM1330内に格納された操作情報生成部1332は、表示部1350に操作情報生成領域GA(図25)を表示させているが、操作情報生成領域GAは表示させなくてもよい。この場合には、マウスMSの操作に伴う操作情報OPSは、表示部1350の全表示領域のうちのどこかにポインタ画像PPCが表示されていれば生成される。
【0217】
(15)また、第3および第4実施例では、コンピュータPC1は、表示部1350を備えているが、表示部1350は省略してもよい。本発明の外部入力装置は、一般に、入力部と、ユーザによる入力部の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、ネットワークと接続し、操作情報をネットワークを介してプロジェクタに供給するためのネットワークインタフェース部とを備えていればよい。
【0218】
(16)第3および第4実施例では、ユーザは、コンピュータPC1の入力部1360を操作することによって、ポインタ画像PPJなどの装飾画像を原画像ORGに重畳させたり、アプリケーションプログラムによって生成された原画像(実行画面)ORGの内容を直接編集したりしている。ユーザは、コンピュータPC1の入力部1360を操作することによって、プロジェクタPJ1に投写表示される画像に関する他の処理を実行させることも可能である。
【0219】
例えば、プロジェクタPJ1が画像データを外部記憶装置1102に保存する際にデータ名の入力が必要な場合には、ユーザは、コンピュータPC1に備えられたキーボードKBを操作することにより、データ名入力画面においてデータ名を入力して表示させることができる。
【0220】
また、プロジェクタPJ1が原画像データとしてメモリカードMC内に格納された画像データを使用する際にパスワード入力が必要な場合には、ユーザは、コンピュータPC1に備えられたキーボードKBを操作することにより、パスワード入力画面においてパスワードを入力して表示させることができる。なお、このとき、投写表示されるパスワード入力画面には、ユーザが入力した符号と異なる「*」などの符号が表示されることが好ましい。
【0221】
このように、本発明のプロジェクタに備えられる画像データ生成部としては、一般に、ネットワークを介してネットワークインタフェース部に供給される操作情報であって、外部入力装置の入力部を操作することによって生成された操作情報に基づいて、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を実行し、投写表示される画像を表す画像データを生成するようなものであればよい。
【0222】
なお、画像データ生成部における投写表示される画像の内容に関する所定の処理とは、操作情報に基づいて、原画像データによって表される原画像内の所定の位置に、装飾画像データによって表される装飾画像を重畳するなどの、画像の表示内容(すなわち、画像内の絵柄)が変更されるような処理を意味している。
【0223】
(17)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、2つのCPU200,300(図2)の機能の一部を専用のハードウェア回路で実行するようにすることもできる。
【0224】
(18)上記各実施例では、透過型液晶パネルを利用したプロジェクタの構成について説明したが、本発明は、他のタイプのプロジェクタにも適用可能である。他のタイプのプロジェクタとしては、反射型液晶パネルを利用したものや、マイクロミラーデバイス(テキサスインスツルメント社の商標)を用いたもの、また、CRTを用いたものなどがある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計算機と記憶装置を有する画像表示装置とがネットワークを介して接続されている画像表示システムであって、
前記計算機は
データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、
前記画像表示装置によって表示させる表示データを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部から前記画像表示装置の記憶装置へ所望のデータを転送する際にパスワードの設定を促すパスワード設定要求部と、
前記入力部を介してパスワードが設定された場合には、設定されたパスワードと前記所望のデータとを関連付けて前記画像表示装置の記憶装置へ転送するデータ転送部とを備え、
前記画像表示装置は
前記転送されたパスワードと所望のデータとを前記記憶装置へ格納するデータ受け取り部と、
データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、
前記記憶装置に格納されたデータから表示を望む表示データが選択された際に、パスワードの入力を要求し、前記設定されたパスワードと前記入力部を介して入力されたパスワードとが符合するか否かを判定する認証部と、
前記両パスワードが符合すると判定した場合には、前記選択された表示データを投写表示させる投写表示部とを備える
画像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示システムにおいて、
前記計算機のデータ転送部は、前記入力部を介してパスワードが設定されなかった場合には、前記所望のデータのみを前記画像表示装置の記憶装置へ転送することを特徴とする画像表示システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像表示システムにおいて、
前記画像表示装置の投写表示部は、前記両パスワードが符合しないと判定した場合には、認証に失敗した旨を示す投写表示不許可画面を投写表示することを特徴とする画像表示システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像表示システムにおいて、
前記計算機はさらに、前記データ格納部に格納されているデータの一覧、および前記画像表示装置のアイコンを表示する表示画面を備え、
前記パスワード設定要求部は、前記表示画面上において前記格納されているデータの一覧から前記所望のデータが、前記画像表示装置のアイコンへドラッグ・アンド・ドロップされた際にパスワードの設定を促すことを特徴とする画像表示システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像表示システムはさらに、前記ネットワークに接続されているファイルサーバを有し、
前記計算機のデータ転送部は、前記入力部を介してパスワードが設定された場合には、設定されたパスワードと前記所望のデータとを関連付けて前記ファイルサーバへ転送することを特徴とする画像表示システム。
【請求項6】
計算機を介してプロジェクタを用いて表示するデータを保存する方法であって、
表示するデータを決定し、
前記決定されたデータを記憶装置に格納する要求が発生したか否かを判定し、
前記格納する要求が発生したと判定した場合には、パスワードの設定を要求し、
前記データを前記設定されたパスワードと関連付け、
前記パスワードと関連付けられたデータを前記記憶装置に転送するデータ保存方法。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ保存方法において、
前記計算機の表示画面上において前記記憶装置のアイコンへ前記決定されたデータのアイコンをドラッグ・アンド・ドロップが発生した場合には、前記記憶装置への前記データの格納要求が発生したと判定することを特徴とするデータ保存方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載のデータ保存方法において、
前記記憶装置は前記プロジェクタに配置されていることを特徴とするデータ保存方法。
【請求項9】
請求項6または7に記載のデータ保存方法において、
前記プロジェクタおよび前記計算機とネットワークを介して接続されているファイルサーバに前記記憶装置が配置されていることを特徴とするデータ保存方法。
【請求項10】
パスワードと関連付けられたデータを含む表示データを画像表示装置において表示する方法であって、
前記表示データの中から表示を所望する表示データを特定し、
前記特定された表示データがパスワードと関連付けられているか否かを判定し、
前記特定された表示データがパスワードと関連付けられていると判定した場合には、前記表示データに関連付けられたパスワードの入力を要求し、
前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合するか否かを判定し、
前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合すると判定した場合には前記表示データを表示する方法。
【請求項11】
請求項10に記載のデータ表示方法において、
前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合しないと判定した場合には、前記表示データの表示を許可しない旨を表示することを特徴とするデータ表示方法。
【請求項12】
データ保護機能を有する画像表示装置であって、
データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、
パスワードと関連付けられた表示データを含む表示データを格納する表示データ格納部と、
前記パスワードと関連付けられた表示データの表示が要求された場合には、パスワードの入力を要求するパスワード要求部と、
前記入力部を介して入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合するか否かを判定する認証部と、
前記両パスワードが符合すると判定した場合には、前記表示が要求された表示データを投写表示する投写表示部とを備える画像表示装置。
【請求項13】
表示データを格納する格納装置を有する画像表示装置であって、
データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、
前記格納装置に格納されているデータの一覧を表示するデータ一覧表示部と、
前記データの一覧からデータが選択された場合には、選択されたデータと関連付けられたパスワードの入力画面を表示するパスワード入力画面表示部と、
前記入力部を介して入力されたパスワードが選択されたデータに予め関連付けられている設定パスワードと一致するか否かを判定する認証部と、
前記入力されたパスワードが設定パスワードと一致する場合には、選択されたデータを投写表示する投写表示部とを備える画像表示装置。
【請求項14】
請求項13に記載の画像表示装置はさらに、
前記入力されたパスワードが設定パスワードと一致しない場合には、認証に失敗した旨を示す投写表示不許可画面を表示する不許可画面表示部を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項15】
コンピュータ上で実行される、プロジェクタを用いて表示するデータを保存するためのプログラムを記憶するコンピュータ読取り可能媒体であって、前記プログラムは、
表示するデータを決定するステップと、
前記決定されたデータを記憶装置に格納する要求が発生したか否かを判定するステップと、
前記格納する要求が発生したと判定した場合には、パスワードの設定を要求するステップと、
前記データを前記設定されたパスワードと関連付けるステップと、
前記パスワードと関連付けられたデータを前記記憶装置に転送するステップとをコンピュータによって実現させる、コンピュータ読取り可能媒体。
【請求項16】
パスワードと関連付けられた表示データを画像表示装置において表示するためのプログラムを記憶するコンピュータ読取り可能媒体であって、前記プログラムは、
複数の表示データの中から表示を所望する表示データを特定するステップと、
前記特定された表示データがパスワードと関連付けられているか否かを判定するステップと、
前記特定された表示データがパスワードと関連付けられていると判定した場合には、前記表示データに関連付けられたパスワードの入力を要求するステップと、
前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合するか否かを判定するステップと、
前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合すると判定した場合には前記表示データを表示するステップとをコンピュータによって実現させる、コンピュータ読取り可能媒体。
【請求項17】
ネットワーク接続可能なプロジェクタであって、
画像を投写表示する投写表示部と、
投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページ情報を配信可能なウェブサーバ部と、を備え、
前記ウェブサーバ部は、
ウェブクライアントからの要求に応じて、前記投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページ情報をウェブクライアントに配信するページ情報配信部と、
前記ウェブクライアントに配信されて表示されたウェブページ上で入力されて返送された制御情報に応じて、前記投写表示部の動作状態を制御する制御信号を前記投写表示部に供給する制御信号供給部と、
前記制御信号によって制御された前記投写表示部の動作状態を表す新たな動作状態情報を取得して、前記ウェブクライアントに配信されたウェブページ情報を更新するページ情報更新部と、を有する、
プロジェクタ。
【請求項18】
投写表示部とウェブサーバ部とを有するプロジェクタの動作状態をネットワークを介して制御する制御方法であって、
(a)ウェブクライアントからの要求に応じて、前記投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページ情報をウェブクライアントに配信する工程と、
(b)前記ウェブクライアントに配信されて表示されたウェブページ上で入力された制御情報に応じて、前記投写表示部の動作状態を制御する制御信号を前記投写表示部に供給する工程と、
(c)前記制御信号によって制御された前記投写表示部の動作状態を表す新たな動作状態情報を取得して、前記ウェブクライアントに配信されたウェブページ情報を更新する工程と、
を備える制御方法。
【請求項19】
請求項18に記載の制御方法であって、
前記ウェブページは、前記プロジェクタの動作状態を変更するためのボタンを含み、前記ボタンを押すことにより前記制御情報が前記プロジェクタに送信される、制御方法。
【請求項20】
投写表示部とウェブサーバ部とを有するプロジェクタにおいて、ネットワークを介してプロジェクタの動作状態を制御するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体であって、
ウェブクライアントからの要求に応じて、前記投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページ情報をウェブクライアントに配信する機能と、
前記ウェブクライアントに配信されて表示されたウェブページ上で入力されて返送された制御情報に応じて、前記投写表示部の動作状態を制御する制御信号を前記投写表示部に供給する機能と、
前記制御信号によって制御された前記投写表示部の動作状態を表す新たな動作状態情報を取得して、前記ウェブクライアントに配信されたウェブページ情報を更新する機能と、
を実現するためのプログラムを記録した記録媒体。
【請求項21】
入力部を備える外部入力装置とネットワークを介して接続されるプロジェクタであって、
前記ネットワークと接続するためのネットワークインタフェース部と、
前記ネットワークを介して前記ネットワークインタフェース部に供給される操作情報であって、前記外部入力装置の前記入力部を操作することによって生成された前記操作情報に基づいて、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を実行し、投写表示される画像を表す画像データを生成するための画像データ生成部と、
前記画像データに応じて画像光を形成する電気光学装置と、
前記電気光学装置で得られた画像光を投写する投写光学系と、
を備えることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項22】
請求項21に記載のプロジェクタであって、
前記投写表示される画像は、原画像と原画像に重畳される装飾画像とで形成されており、
前記装飾画像を表す装飾画像データは、前記外部入力装置から供給されず、前記画像データ生成部によって準備され、
前記画像データ生成部は、前記外部入力装置から供給される前記操作情報に基づいて、前記原画像を表す原画像データと前記装飾画像データとを合成して前記画像データを生成することにより、前記原画像内の所定の位置に前記装飾画像を重畳する、プロジェクタ。
【請求項23】
請求項22に記載のプロジェクタであって、
前記操作情報は、前記外部入力装置の前記入力部としてのポインティングデバイスを操作することによって生成される位置情報を少なくとも含んでおり、
前記画像データ生成部は、前記位置情報に基づいて、前記原画像内の所定の位置に、前記装飾画像としてのポインタ画像を重畳する、プロジェクタ。
【請求項24】
請求項23に記載のプロジェクタであって、
前記位置情報は、前記ポインティングデバイスによって指示される座標値情報である、プロジェクタ。
【請求項25】
請求項23または24に記載のプロジェクタであって、
前記操作情報は、さらに、前記ポインティングデバイスに設けられたスイッチを操作することによって生成されるスイッチ情報を含んでおり、
前記画像データ生成部は、
前記操作情報に含まれる前記位置情報と前記スイッチ情報とに基づいて、前記原画像内の指定された範囲において、前記ポインタ画像と異なる種類の装飾画像を重畳する、プロジェクタ。
【請求項26】
請求項25に記載のプロジェクタであって、
前記操作情報は、さらに、前記外部入力装置の前記入力部としてのキーボードを操作することによって生成されるキー情報を含んでおり、
前記画像データ生成部は、前記キー情報に基づいて、前記原画像内に、前記装飾画像としての符号画像を重畳する、プロジェクタ。
【請求項27】
ネットワークを介して接続された外部入力装置とプロジェクタとを備える投写表示システムであって、
前記外部入力装置は、
入力部と、
ユーザによる前記入力部の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記ネットワークと接続し、前記操作情報を前記ネットワークを介して前記プロジェクタに供給するための第1のネットワークインタフェース部と、
を備え、
前記プロジェクタは、
前記ネットワークと接続するための第2のネットワークインタフェース部と、
前記ネットワークを介して前記第2のネットワークインタフェース部に供給される操作情報に基づいて、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を実行し、投写表示される画像を表す画像データを生成するための画像データ生成部と、
前記画像データに応じて画像光を形成する電気光学装置と、
前記電気光学装置で得られた画像光を投写する投写光学系と、
を備えることを特徴とする投写表示システム。
【請求項28】
請求項27に記載の投写表示システムであって、
前記投写表示される画像は、原画像と原画像に重畳される装飾画像とで形成されており、
前記装飾画像を表す装飾画像データは、前記外部入力装置から供給されず、前記画像データ生成部によって準備され、
前記画像データ生成部は、前記外部入力装置から供給される前記操作情報に基づいて、前記原画像を表す原画像データと前記装飾画像データとを合成して前記画像データを生成することにより、前記原画像内の所定の位置に前記装飾画像を重畳する、投写表示システム。
【請求項29】
請求項28に記載の投写表示システムであって、
前記入力部は、ポインティングデバイスを含み、
前記操作情報は、前記ポインティングデバイスを操作することによって生成される位置情報を少なくとも含んでおり、
前記画像データ生成部は、前記位置情報に基づいて、前記原画像内の所定の位置に、前記装飾画像としてのポインタ画像を重畳する、投写表示システム。
【請求項30】
請求項29に記載の投写表示システムであって、
前記外部入力装置は、さらに、表示部を備え、
前記操作情報生成部は、前記表示部に、前記ポインティングデバイスの操作に伴う前記操作情報を生成するための領域である操作情報生成領域を表示させ、前記操作情報生成領域内に、前記ポインティングデバイスに対応するポインタ画像が表示される場合にのみ前記ポインティングデバイスの操作を検出する、投写表示システム。
【請求項31】
請求項30に記載の投写表示システムであって、
前記操作情報生成領域は、投写表示される画像領域と対応付けられている、投写表示システム。
【請求項32】
入力部を備える外部入力装置において、前記外部入力装置とネットワークを介して接続されるプロジェクタに供給される前記入力部の操作に伴う操作情報を生成するための操作情報生成方法であって、
(a)ユーザによる前記入力部の操作を検出する工程と、
(b)検出結果に基づいて前記操作情報を生成する工程と、
を備えることを特徴とする操作情報生成方法。
【請求項33】
請求項32に記載の操作情報生成方法であって、
前記工程(a)は、前記外部入力装置に備えられた表示部に、
(a−1)前記入力部としてのポインティングデバイスの操作に伴う前記操作情報を生成するための領域である操作情報生成領域を表示させる工程と、
(a−2)前記操作情報生成領域内に、前記ポインティングデバイスに対応するポインタ画像が表示される場合にのみ前記ポインティングデバイスの操作を検出する工程と、
を含む、操作情報生成方法。
【請求項34】
入力部を備える外部入力装置において、前記外部入力装置とネットワークを介して接続されるプロジェクタに供給される前記入力部の操作に伴う操作情報を生成するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
ユーザによる前記入力部の操作を検出する機能と、
検出結果に基づいて前記操作情報を生成する機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項35】
請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記入力部の操作を検出する機能は、前記外部入力装置に備えられた表示部に、
前記入力部としてのポインティングデバイスの操作に伴う前記操作情報を生成するための領域である操作情報生成領域を表示させる機能と、
前記操作情報生成領域内に、前記ポインティングデバイスに対応するポインタ画像が表示される場合にのみ前記ポインティングデバイスの操作を検出する機能と、
を備える、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
計算機と記憶装置を有する画像表示装置とがネットワークを介して接続されている画像表示システムであって、
前記計算機は
データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、
前記画像表示装置によって表示させる表示データを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部から前記画像表示装置の記憶装置へ所望のデータを転送する際にパスワードの設定を促すパスワード設定要求部と、
前記入力部を介してパスワードが設定された場合には、設定されたパスワードと前記所望のデータとを関連付けて前記画像表示装置の記憶装置へ転送するデータ転送部とを備え、
前記画像表示装置は
前記転送されたパスワードと所望のデータとを前記記憶装置へ格納するデータ受け取り部と、
データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、
前記記憶装置に格納されたデータから表示を望む表示データが選択された際に、パスワードの入力を要求し、前記設定されたパスワードと前記入力部を介して入力されたパスワードとが符合するか否かを判定する認証部と、
前記両パスワードが符合すると判定した場合には、前記選択された表示データを投写表示させる投写表示部とを備える
画像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示システムにおいて、
前記計算機のデータ転送部は、前記入力部を介してパスワードが設定されなかった場合には、前記所望のデータのみを前記画像表示装置の記憶装置へ転送することを特徴とする画像表示システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像表示システムにおいて、
前記画像表示装置の投写表示部は、前記両パスワードが符合しないと判定した場合には、認証に失敗した旨を示す投写表示不許可画面を投写表示することを特徴とする画像表示システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像表示システムにおいて、
前記計算機はさらに、前記データ格納部に格納されているデータの一覧、および前記画像表示装置のアイコンを表示する表示画面を備え、
前記パスワード設定要求部は、前記表示画面上において前記格納されているデータの一覧から前記所望のデータが、前記画像表示装置のアイコンへドラッグ・アンド・ドロップされた際にパスワードの設定を促すことを特徴とする画像表示システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の画像表示システムはさらに、前記ネットワークに接続されているファイルサーバを有し、
前記計算機のデータ転送部は、前記入力部を介してパスワードが設定された場合には、設定されたパスワードと前記所望のデータとを関連付けて前記ファイルサーバへ転送することを特徴とする画像表示システム。
【請求項6】
計算機を介してプロジェクタを用いて表示するデータを保存する方法であって、
表示するデータを決定し、
前記決定されたデータを記憶装置に格納する要求が発生したか否かを判定し、
前記格納する要求が発生したと判定した場合には、パスワードの設定を要求し、
前記データを前記設定されたパスワードと関連付け、
前記パスワードと関連付けられたデータを前記記憶装置に転送するデータ保存方法。
【請求項7】
請求項6に記載のデータ保存方法において、
前記計算機の表示画面上において前記記憶装置のアイコンへ前記決定されたデータのアイコンをドラッグ・アンド・ドロップが発生した場合には、前記記憶装置への前記データの格納要求が発生したと判定することを特徴とするデータ保存方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載のデータ保存方法において、
前記記憶装置は前記プロジェクタに配置されていることを特徴とするデータ保存方法。
【請求項9】
請求項6または7に記載のデータ保存方法において、
前記プロジェクタおよび前記計算機とネットワークを介して接続されているファイルサーバに前記記憶装置が配置されていることを特徴とするデータ保存方法。
【請求項10】
パスワードと関連付けられたデータを含む表示データを画像表示装置において表示する方法であって、
前記表示データの中から表示を所望する表示データを特定し、
前記特定された表示データがパスワードと関連付けられているか否かを判定し、
前記特定された表示データがパスワードと関連付けられていると判定した場合には、前記表示データに関連付けられたパスワードの入力を要求し、
前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合するか否かを判定し、
前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合すると判定した場合には前記表示データを表示する方法。
【請求項11】
請求項10に記載のデータ表示方法において、
前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合しないと判定した場合には、前記表示データの表示を許可しない旨を表示することを特徴とするデータ表示方法。
【請求項12】
データ保護機能を有する画像表示装置であって、
データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、
パスワードと関連付けられた表示データを含む表示データを格納する表示データ格納部と、
前記パスワードと関連付けられた表示データの表示が要求された場合には、パスワードの入力を要求するパスワード要求部と、
前記入力部を介して入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合するか否かを判定する認証部と、
前記両パスワードが符合すると判定した場合には、前記表示が要求された表示データを投写表示する投写表示部とを備える画像表示装置。
【請求項13】
表示データを格納する格納装置を有する画像表示装置であって、
データおよびコマンドの少なくとも一方を入力するための入力部と、
前記格納装置に格納されているデータの一覧を表示するデータ一覧表示部と、
前記データの一覧からデータが選択された場合には、選択されたデータと関連付けられたパスワードの入力画面を表示するパスワード入力画面表示部と、
前記入力部を介して入力されたパスワードが選択されたデータに予め関連付けられている設定パスワードと一致するか否かを判定する認証部と、
前記入力されたパスワードが設定パスワードと一致する場合には、選択されたデータを投写表示する投写表示部とを備える画像表示装置。
【請求項14】
請求項13に記載の画像表示装置はさらに、
前記入力されたパスワードが設定パスワードと一致しない場合には、認証に失敗した旨を示す投写表示不許可画面を表示する不許可画面表示部を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項15】
コンピュータ上で実行される、プロジェクタを用いて表示するデータを保存するためのプログラムを記憶するコンピュータ読取り可能媒体であって、前記プログラムは、
表示するデータを決定するステップと、
前記決定されたデータを記憶装置に格納する要求が発生したか否かを判定するステップと、
前記格納する要求が発生したと判定した場合には、パスワードの設定を要求するステップと、
前記データを前記設定されたパスワードと関連付けるステップと、
前記パスワードと関連付けられたデータを前記記憶装置に転送するステップとをコンピュータによって実現させる、コンピュータ読取り可能媒体。
【請求項16】
パスワードと関連付けられた表示データを画像表示装置において表示するためのプログラムを記憶するコンピュータ読取り可能媒体であって、前記プログラムは、
複数の表示データの中から表示を所望する表示データを特定するステップと、
前記特定された表示データがパスワードと関連付けられているか否かを判定するステップと、
前記特定された表示データがパスワードと関連付けられていると判定した場合には、前記表示データに関連付けられたパスワードの入力を要求するステップと、
前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合するか否かを判定するステップと、
前記入力されたパスワードと前記表示データに関連付けられたパスワードとが符合すると判定した場合には前記表示データを表示するステップとをコンピュータによって実現させる、コンピュータ読取り可能媒体。
【請求項17】
ネットワーク接続可能なプロジェクタであって、
画像を投写表示する投写表示部と、
投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページ情報を配信可能なウェブサーバ部と、を備え、
前記ウェブサーバ部は、
ウェブクライアントからの要求に応じて、前記投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページ情報をウェブクライアントに配信するページ情報配信部と、
前記ウェブクライアントに配信されて表示されたウェブページ上で入力されて返送された制御情報に応じて、前記投写表示部の動作状態を制御する制御信号を前記投写表示部に供給する制御信号供給部と、
前記制御信号によって制御された前記投写表示部の動作状態を表す新たな動作状態情報を取得して、前記ウェブクライアントに配信されたウェブページ情報を更新するページ情報更新部と、を有する、
プロジェクタ。
【請求項18】
投写表示部とウェブサーバ部とを有するプロジェクタの動作状態をネットワークを介して制御する制御方法であって、
(a)ウェブクライアントからの要求に応じて、前記投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページ情報をウェブクライアントに配信する工程と、
(b)前記ウェブクライアントに配信されて表示されたウェブページ上で入力された制御情報に応じて、前記投写表示部の動作状態を制御する制御信号を前記投写表示部に供給する工程と、
(c)前記制御信号によって制御された前記投写表示部の動作状態を表す新たな動作状態情報を取得して、前記ウェブクライアントに配信されたウェブページ情報を更新する工程と、
を備える制御方法。
【請求項19】
請求項18に記載の制御方法であって、
前記ウェブページは、前記プロジェクタの動作状態を変更するためのボタンを含み、前記ボタンを押すことにより前記制御情報が前記プロジェクタに送信される、制御方法。
【請求項20】
投写表示部とウェブサーバ部とを有するプロジェクタにおいて、ネットワークを介してプロジェクタの動作状態を制御するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体であって、
ウェブクライアントからの要求に応じて、前記投写表示部の動作状態を表す動作状態情報を含むウェブページ情報をウェブクライアントに配信する機能と、
前記ウェブクライアントに配信されて表示されたウェブページ上で入力されて返送された制御情報に応じて、前記投写表示部の動作状態を制御する制御信号を前記投写表示部に供給する機能と、
前記制御信号によって制御された前記投写表示部の動作状態を表す新たな動作状態情報を取得して、前記ウェブクライアントに配信されたウェブページ情報を更新する機能と、
を実現するためのプログラムを記録した記録媒体。
【請求項21】
入力部を備える外部入力装置とネットワークを介して接続されるプロジェクタであって、
前記ネットワークと接続するためのネットワークインタフェース部と、
前記ネットワークを介して前記ネットワークインタフェース部に供給される操作情報であって、前記外部入力装置の前記入力部を操作することによって生成された前記操作情報に基づいて、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を実行し、投写表示される画像を表す画像データを生成するための画像データ生成部と、
前記画像データに応じて画像光を形成する電気光学装置と、
前記電気光学装置で得られた画像光を投写する投写光学系と、
を備えることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項22】
請求項21に記載のプロジェクタであって、
前記投写表示される画像は、原画像と原画像に重畳される装飾画像とで形成されており、
前記装飾画像を表す装飾画像データは、前記外部入力装置から供給されず、前記画像データ生成部によって準備され、
前記画像データ生成部は、前記外部入力装置から供給される前記操作情報に基づいて、前記原画像を表す原画像データと前記装飾画像データとを合成して前記画像データを生成することにより、前記原画像内の所定の位置に前記装飾画像を重畳する、プロジェクタ。
【請求項23】
請求項22に記載のプロジェクタであって、
前記操作情報は、前記外部入力装置の前記入力部としてのポインティングデバイスを操作することによって生成される位置情報を少なくとも含んでおり、
前記画像データ生成部は、前記位置情報に基づいて、前記原画像内の所定の位置に、前記装飾画像としてのポインタ画像を重畳する、プロジェクタ。
【請求項24】
請求項23に記載のプロジェクタであって、
前記位置情報は、前記ポインティングデバイスによって指示される座標値情報である、プロジェクタ。
【請求項25】
請求項23または24に記載のプロジェクタであって、
前記操作情報は、さらに、前記ポインティングデバイスに設けられたスイッチを操作することによって生成されるスイッチ情報を含んでおり、
前記画像データ生成部は、
前記操作情報に含まれる前記位置情報と前記スイッチ情報とに基づいて、前記原画像内の指定された範囲において、前記ポインタ画像と異なる種類の装飾画像を重畳する、プロジェクタ。
【請求項26】
請求項25に記載のプロジェクタであって、
前記操作情報は、さらに、前記外部入力装置の前記入力部としてのキーボードを操作することによって生成されるキー情報を含んでおり、
前記画像データ生成部は、前記キー情報に基づいて、前記原画像内に、前記装飾画像としての符号画像を重畳する、プロジェクタ。
【請求項27】
ネットワークを介して接続された外部入力装置とプロジェクタとを備える投写表示システムであって、
前記外部入力装置は、
入力部と、
ユーザによる前記入力部の操作を検出し、検出結果に基づいて操作情報を生成する操作情報生成部と、
前記ネットワークと接続し、前記操作情報を前記ネットワークを介して前記プロジェクタに供給するための第1のネットワークインタフェース部と、
を備え、
前記プロジェクタは、
前記ネットワークと接続するための第2のネットワークインタフェース部と、
前記ネットワークを介して前記第2のネットワークインタフェース部に供給される操作情報に基づいて、投写表示される画像の内容に関する所定の処理を実行し、投写表示される画像を表す画像データを生成するための画像データ生成部と、
前記画像データに応じて画像光を形成する電気光学装置と、
前記電気光学装置で得られた画像光を投写する投写光学系と、
を備えることを特徴とする投写表示システム。
【請求項28】
請求項27に記載の投写表示システムであって、
前記投写表示される画像は、原画像と原画像に重畳される装飾画像とで形成されており、
前記装飾画像を表す装飾画像データは、前記外部入力装置から供給されず、前記画像データ生成部によって準備され、
前記画像データ生成部は、前記外部入力装置から供給される前記操作情報に基づいて、前記原画像を表す原画像データと前記装飾画像データとを合成して前記画像データを生成することにより、前記原画像内の所定の位置に前記装飾画像を重畳する、投写表示システム。
【請求項29】
請求項28に記載の投写表示システムであって、
前記入力部は、ポインティングデバイスを含み、
前記操作情報は、前記ポインティングデバイスを操作することによって生成される位置情報を少なくとも含んでおり、
前記画像データ生成部は、前記位置情報に基づいて、前記原画像内の所定の位置に、前記装飾画像としてのポインタ画像を重畳する、投写表示システム。
【請求項30】
請求項29に記載の投写表示システムであって、
前記外部入力装置は、さらに、表示部を備え、
前記操作情報生成部は、前記表示部に、前記ポインティングデバイスの操作に伴う前記操作情報を生成するための領域である操作情報生成領域を表示させ、前記操作情報生成領域内に、前記ポインティングデバイスに対応するポインタ画像が表示される場合にのみ前記ポインティングデバイスの操作を検出する、投写表示システム。
【請求項31】
請求項30に記載の投写表示システムであって、
前記操作情報生成領域は、投写表示される画像領域と対応付けられている、投写表示システム。
【請求項32】
入力部を備える外部入力装置において、前記外部入力装置とネットワークを介して接続されるプロジェクタに供給される前記入力部の操作に伴う操作情報を生成するための操作情報生成方法であって、
(a)ユーザによる前記入力部の操作を検出する工程と、
(b)検出結果に基づいて前記操作情報を生成する工程と、
を備えることを特徴とする操作情報生成方法。
【請求項33】
請求項32に記載の操作情報生成方法であって、
前記工程(a)は、前記外部入力装置に備えられた表示部に、
(a−1)前記入力部としてのポインティングデバイスの操作に伴う前記操作情報を生成するための領域である操作情報生成領域を表示させる工程と、
(a−2)前記操作情報生成領域内に、前記ポインティングデバイスに対応するポインタ画像が表示される場合にのみ前記ポインティングデバイスの操作を検出する工程と、
を含む、操作情報生成方法。
【請求項34】
入力部を備える外部入力装置において、前記外部入力装置とネットワークを介して接続されるプロジェクタに供給される前記入力部の操作に伴う操作情報を生成するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
ユーザによる前記入力部の操作を検出する機能と、
検出結果に基づいて前記操作情報を生成する機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項35】
請求項34に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記入力部の操作を検出する機能は、前記外部入力装置に備えられた表示部に、
前記入力部としてのポインティングデバイスの操作に伴う前記操作情報を生成するための領域である操作情報生成領域を表示させる機能と、
前記操作情報生成領域内に、前記ポインティングデバイスに対応するポインタ画像が表示される場合にのみ前記ポインティングデバイスの操作を検出する機能と、
を備える、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−133370(P2012−133370A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−287389(P2011−287389)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【分割の表示】特願2007−213215(P2007−213215)の分割
【原出願日】平成13年5月31日(2001.5.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【分割の表示】特願2007−213215(P2007−213215)の分割
【原出願日】平成13年5月31日(2001.5.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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