説明

プロジェクター及びその点灯制御方法

【課題】2つのランプによる点灯といずれか一方のランプによる点灯とが可能なプロジェクターであって、2つのランプのうちの1つのランプのみによって画像投影を行う場合にも高いコントラストを有し高品位の画像を投射できるプロジェクターを提供すること。
【解決手段】プロジェクター100は、両光源ランプユニット10,20を用いて明るい画像の投射が可能であるだけでなく、2つの光源ランプユニット10,20のうち一方のみを点灯するとともに他方を消灯して投射する照明制御を制御装置90により行うことができる。特に、プロジェクター100は、2つのランプのうち一方のみを点灯する場合においても、コントラストに最も大きく影響する液晶ライトバルブ61gに対して高いコントラスト性を示す光源ランプユニット10を優先的に点灯させて光変調部の照明を行うことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのランプによる合成の照明と、いずれか一方のランプによる単独の照明とが可能なプロジェクター、及びその光源(ランプ等)の点灯制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のランプを用いて明るい画像投射を行うことが可能なプロジェクターであって、複数のランプのうち点灯時間の短いものを優先的に点灯させるものが知られている(特許文献1参照)。また、2つのランプのうち一方のランプを使用し、当該一方のランプの点灯時間を計時して所定時間経過後に、他方のランプに切り換えるプロジェクターも知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−36180号公報
【特許文献2】特開平11−149061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、液晶型のプロジェクターにおいて、光変調装置である液晶パネルには、入射光の角度によってスクリーン上に投射される画像のコントラストが低下してしまうという入射角度依存性がある。このため、2つのランプによる液晶パネルの照明が可能なプロジェクターにおいて、いずれか一方のランプのみを点灯する場合、例えば点灯時間を基準として点灯させるランプを選択すると、液晶パネルの角度依存性次第でコントラスト特性を相対的に劣化させる可能性があり、この場合、画像投射の画質が劣化する。
【0005】
そこで、本発明は、2つのランプによる合成の照明といずれか一方のランプによる単独の照明とが可能なプロジェクターであって、2つのランプのうちの1つのランプのみの照明によって画像投影を行う場合にも高いコントラストを有し高品位の画像を投射できるプロジェクター及びその点灯制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るプロジェクターは、互いに異なる位置に配置され、光源光をそれぞれ出射する第1及び第2のランプと、第1及び第2のランプからの光を互いに傾斜した状態で合成する合成部材と、合成部材の光路下流側に配置されて、第1及び第2のランプの少なくとも一方からの光によって照明可能であるとともに、第1のランプから出射されシステム光軸に対して第1の方向に傾斜した状態で入射する光に対する変調のコントラストが、第2のランプから出射されシステム光軸に対して第1の方向と異なる第2の方向に傾斜した状態で入射する光に対する変調のコントラストよりも高い光変調装置と、第1及び第2のランプの一方のみを点灯する1灯モードにおいて、光変調装置に対するコントラストの高い第1のランプを優先的に点灯させて光変調装置の照明を行わせる照明制御装置とを備える。
【0007】
上記プロジェクターでは、第1及び第2のランプの一方のみを点灯する1灯モードにおいて、光変調装置に関するコントラストをより高くする方向から光を入射させる第1のランプを優先的に点灯させて光変調装置の照明を行わせている。これにより、2つのランプのうち一方のみによって画像投影を行う場合にも良好なコントラストを得ることができ、高品位の画像を投射することができる。
【0008】
また、本発明の具体的な態様によれば、プロジェクターが、合成部材から出射した照明光を所定波長ごとに色分離して各色の光路に導く色分離導光光学系と、各色用光変調装置を各色の光路上に有し、各色の光路に導かれた各色光を各色用光変調装置によってそれぞれ変調される光変調部とを備え、各色用光変調装置のうち少なくとも1つが、上記光変調装置である。この場合、1灯モードにおいて良好なコントラスト特性を有するカラー画像の投影が可能となる。
【0009】
また、本発明の別の態様によれば、各色用光変調装置で、第1のランプからの光の入射方向に対応するコントラストが、第2のランプからの光の入射方向に対応するコントラストよりも高い。この場合、各色光いずれの変調においてもコントラストの高い状態で画像を形成することができる。
【0010】
また、本発明の別の態様によれば、各色用光変調装置が、赤色光、緑色光及び青色光をそれぞれ変調する3つの光変調装置であり、少なくとも緑色光を変調する光変調装置で、第1のランプからの光の入射方向に対応するコントラストが、第2のランプからの光の入射方向に対応するコントラストよりも高い。この場合、1灯モードにおいて、少なくともコントラストに最も影響のある緑色光の変調に関して、コントラストの高い状態で画像を形成することができる。
【0011】
また、本発明の別の態様によれば、光変調装置が、入射する光を変調する液晶パネルと、液晶パネルの入射側及び出射側に配置され所定の偏光のみ透過する一対の偏光フィルターとを含む。
【0012】
また、本発明の別の態様によれば、液晶パネルが、ツイスティッドネマティック(TN)型の液晶層を含み、第1のランプからの光の液晶パネルに対する入射方向と、液晶パネルの黒表示状態における液晶層の残留チルトの配向方向とのなす角が、第2のランプからの光の液晶パネルに対する入射方向と、残留チルトの配向方向とのなす角よりも小さい。ここで、ツイスティッドネマティック型の液晶での黒表示状態とは、クロスニコルに挟まれた液晶層に電圧を印加した状態とすることで得られる遮光状態を言う。残留チルトとは、電圧を印加しているにもかかわらず、液晶層を構成する液晶性化合物が液晶パネルの基板に対して完全には垂直にならずにチルト(傾き)が残った状態を言う。なお、このような残留チルトの配向方向は各液晶性化合物のチルト量を平均化した方向を意味するものとする。この場合、ツイスティッドネマティック型の液晶を用いることにより明るい画像形成ができ、さらに、1灯モードにおいても、点灯される第1のランプからの光の入射方向が液晶パネルの残留チルトの配向方向に比較的近いものとなっており、良好なコントラストを維持した画像の投射が可能になる。
【0013】
また、本発明の別の態様によれば、液晶パネルが、垂直配向型の液晶層を含み、第1のランプからの光の液晶パネルに対する入射方向と液晶パネルの黒表示状態における液晶層のプレチルトの配向方向とのなす角が、第2のランプからの光の液晶パネルに対する入射方向とプレチルトの配向方向とのなす角よりも小さい。ここで、垂直配向型の液晶での黒表示状態とは、クロスニコルに挟まれた液晶層に電圧を印加していない状態とすることで得られる遮光状態を言う。プレチルトとは、電圧を印加していない状態において、液晶層を構成する液晶性化合物が液晶パネルの基板に対して正確に垂直にならずにチルトしている(傾いている)状態を言う。この場合、垂直配向型の液晶を用いることにより比較的高コントラストの画像を投射することができ、さらに、1灯モードにおいても、点灯される第1のランプからの光の入射方向が液晶パネルのプレチルトの配向方向に比較的近いものとなっており、良好なコントラストを維持した画像の投射が可能になる。
【0014】
上記課題を解決するため、本発明に係るプロジェクターの点灯制御方法は、互いに異なる位置に配置され、光源光をそれぞれ出射する第1及び第2の光源と、第1及び第2の光源からの光を互いに傾斜した状態で合成する合成部材と、合成部材の光路下流側に配置されて、第1及び第2の光源の少なくとも一方からの光によって照明可能であるとともに、第1の光源から出射されシステム光軸に対して第1の方向に傾斜した状態で入射する光に対する変調のコントラストと、第2の光源から出射されシステム光軸に対して第1の方向と異なる第2の方向に傾斜した状態で入射する光に対する変調のコントラストと、が異なる光変調装置と、を備えたプロジェクターの点灯制御方法において、第1及び第2の光源の一方のみを点灯する1灯点灯モードか、否かを判断する判断工程を備え、この判断工程によって、1灯点灯モードであると判断されたとき、光変調装置のコントラストが高くなる方向に入射させる光源を点灯させる。
【0015】
上記プロジェクターの点灯制御方法では、第1及び第2の光源の一方のみを点灯する1灯点灯モードにおいて、光変調装置に関するコントラストをより高くする方向から光を入射させる第1の光源を優先的に点灯させて光変調装置の照明を行わせている。これにより、2つの光源のうち一方のみによって画像投影を行う場合にも良好なコントラストを得ることができ、高品位の画像を投射することができる。
【0016】
上記課題を解決するため、本発明に係るプロジェクターの点灯制御方法は、互いに異なる位置に配置され、光源光をそれぞれ出射する第1及び第2の光源と、第1及び第2の光源からの光を互いに傾斜した状態で合成する合成部材と、合成部材の光路下流側に配置されて、第1及び第2の光源の少なくとも一方からの光によって照明可能であるとともに、第1の光源から出射されシステム光軸に対して第1の方向に傾斜した状態で入射する光に対する変調のコントラストと、第2の光源から出射されシステム光軸に対して第1の方向と異なる第2の方向に傾斜した状態で入射する光に対する変調のコントラストと、が異なる光変調装置と、を備えたプロジェクターの点灯制御方法において、第1及び第2の光源の一方のみを点灯する1灯点灯モードか、否かを判断する第1の判断工程を備え、第1の判断工程によって、1灯点灯モードであると判断されたとき、コントラストを優先させるモードか、否かをさらに判断する第2の判断工程を備え、第2の判断工程によって、コントラストを優先させるモードと判断されたときは、光変調装置のコントラストが高くなる方向に入射させる光源を点灯させる。
【0017】
上記プロジェクターの点灯制御方法では、第1及び第2の光源の一方のみを点灯する1灯点灯モードにおいて、光変調装置に関するコントラストをより高くする方向から光を入射させる第1の光源を優先的に点灯させて光変調装置の照明を行うか、否かを選択できる。
【0018】
また、本発明の具体的な態様によれば、第2の判断工程によって、コントラストを優先させないモードと判断されたときは、第1及び第2の光源の内、累積点灯時間が短い方の光源を点灯させる。この場合、光源の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態に係るプロジェクターを概念的に示す平面図である。
【図2】液晶ライトバルブの構造等について説明する拡大断面図である。
【図3】(A)〜(D)は、黒表示時におけるツイスティッドネマティック型の液晶の状態について説明する模式的な図である。
【図4】(A)、(B)は、プロジェクターの照明制御の一例について説明するための図及びフローチャートである。
【図5】照明制御の変形例について説明するフローチャートである。
【図6】(A)〜(D)は、黒表示時における垂直配向型の液晶の状態について説明する模式的な図である。
【図7】第3実施形態に係るプロジェクターを概念的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
以下、図1等を参照して、本発明の第1実施形態に係るプロジェクターについて詳細に説明する。
【0021】
〔1.プロジェクターの概要〕
図1に示すように、プロジェクター100は、照明光から像光を形成して画像投射を行う本体光学装置55と、装置全体の制御を行う制御装置90とを備えて構成される。このうち、本体光学装置55は、照明装置50、色分離導光光学系40、光変調部60、クロスダイクロイックプリズム70及び投射光学系80で構成される。
【0022】
〔2.プロジェクターの本体光学装置について〕
プロジェクター100の本体光学装置55のうち、照明装置50は、第1及び第2の光源ランプユニット10,20と、合成ミラー30と、平行化光学系34と、第1及び第2フライアイレンズ35,36と、偏光変換素子37と、重畳レンズ38とを備え、照明光を形成する。
【0023】
まず、照明装置50のうち、第1の光源ランプユニット10と第2の光源ランプユニット20とは、同一構造の光学系であり、照明装置50全体としてのシステム光軸OAに対して互いに対称に配置されている。第1及び第2の光源ランプユニット10,20は、可視光波長領域を含む光源光を発生させる発光源である第1及び第2の発光管11,21と、第1及び第2の発光管11,21から出射された光源光を反射する反射部材である第1及び第2のリフレクター12,22とをそれぞれ有しており、第1及び第2のランプとしてそれぞれ機能している。第1及び第2の発光管11,21は、例えば高圧水銀ランプ等の高圧放電ランプであり、図1のプロジェクター100に用いるにあたって像光形成の必要に足る光量を有する略白色の光源光を発生する。第1及び第2のリフレクター12,22は、回転楕円面型であり、各発光管11,21で発生した光源光を内面で反射する。より具体的には、第1及び第2のリフレクター12,22の内面は、楕円をその第1及び第2焦点を通る軸である光軸RX1,RX2の回りに回転させた回転楕円面となっており、凹の反射面として機能している。これにより、各リフレクター12,22は、第1及び第2の発光管11,21から発生した光源光をそれぞれ反射し、出射光IL1,IL2として、出射面12a,22aから集光するように合成ミラー30に向けて出射する。
【0024】
また、照明装置50のうち、合成ミラー30は、一対の第1及び第2のミラー板31,32により構成される合成部材である。第1及び第2のミラー板31,32は、いずれも同一構造で矩形板状の外形を有し、第1及び第2の光源ランプユニット10,20にそれぞれ傾斜した状態で対向しており、システム光軸OAに対して互いに対称に配置されている。第1のミラー板31は、第1の光源ランプユニット10からの出射光IL1のための第1の反射面30aを表側に有しており、第2のミラー板32は、第2の光源ランプユニット20からの出射光IL2のための第2の反射面30bを表側に有している。なお、各反射面30a,30bは、いずれもXZ平面に対して垂直である。合成ミラー30において、第1のミラー板31の端部と第2のミラー板32の端部とを突き合わせることにより合成ミラー30の先端部分であるエッジEGが形成されている。エッジEGは、システム光軸OAに対して直交するように配置されている。また、第1及び第2反射面30a,30bは、それぞれに対応するリフレクター12,22の第2焦点(不図示)近傍に配置されている。第1及び第2反射面30a,30bは、第1及び第2の光源ランプユニット10,20からそれぞれ出射され最も径を絞られた状態の出射光IL1,IL2を、略同一の方向に反射する。より詳しく説明すると、第1のミラー板31と第2のミラー板32とのなす角αは、例えば92°程度となっている。これにより、各光源ランプユニット10,20からそれぞれ出射された出射光IL1,IL2は、各反射面30a,30bにおいてシステム光軸OAに対してやや傾いた状態で反射される。つまり、照明光IL1,IL2の光軸RX1,RX2は、いずれもシステム光軸OAに対して微小角度θ(約2°)傾いた状態となって、システム光軸OA上で、かつ、第1フライアイレンズ35の前面に位置する交点FXで交差している。このように、合成ミラー30での反射により対向する方向からの出射光IL1,IL2が、互いに小角度2θ(約4°)を成しつつも略同一の方向(−Z方向)に反射されることで合成され、照明光SLが形成される。
【0025】
なお、合成ミラー30の反射面30a,30bは、第1及び第2のリフレクター12,22の第2焦点近傍に位置しているが、反射面30a,30b上における出射光IL1,IL2は、一点に集中するものとはならず、中心付近を最大照度として同心円状に広がる照度分布を有する状態となっている。
【0026】
平行化光学系34は、反射された光を合成する集光レンズであり、合成ミラー30での反射により1つの光束に合成された照明光SLの平行化を行う。平行化光学系34から出射された照明光SLは、略平行化された状態となって均一化光学系である第1及び第2フライアイレンズ35,36に入射する。第1及び第2レンズアレイ35,36は、それぞれマトリクス状に配置された複数の要素レンズからなる。このうち、第1レンズアレイ35を構成する要素レンズによって、平行化光学系34から出射された光束が複数の部分光束に分割される。また、第2レンズアレイ36を構成する要素レンズによって、第1レンズアレイ35からの各部分光束が適当な発散角で出射される。偏光変換素子37は、PBSのプリズムアレイ等で構成され、第2レンズアレイ36から出射した光源光を特定方向の直線偏光のみに変換して次段光学系に供給する。重畳レンズ38は、偏光変換素子37を経た照明光SLを全体として適宜収束させることにより、光変調部60に設けた各色用の光変調装置である液晶ライトバルブ61r,61g,61bに対する重畳照明を可能にする。
【0027】
以上のように、照明光SLは、出射光IL1,IL2を合成することによっても形成可能であるが、出射光IL1と出射光IL2のいずれか一方のみによっても形成可能である。つまり、第1及び第2の光源ランプユニット10,20のうち、例えば第1の光源ランプユニット10のみを点灯して、出射光IL1のみを出射させても、平行化光学系34から重畳レンズ38までの光学系により、ある程度平行化及び均一化された照明光SLを形成することができる。但し、このように1灯のランプのみを点灯する場合、各光源ランプユニット10,20いずれを用いる場合においても、出射光IL1または出射光IL2から形成される照明光SLの中心光束の方向は、システム光軸OAに対してそれぞれわずかではあるが角度のついた状態となっている。このため、第1の光源ランプユニット10からの光束と第2の光源ランプユニット20からの光束とは、被照射対象である各色用の液晶ライトバルブ61r,61g,61bに対して、システム光軸OAを基準としてそれぞれ異なる方向に傾斜した偏りのある状態で入射するものとなる。なお、この場合、点灯させるランプの数を減らすことで、消費電力を抑えることができる。
【0028】
色分離導光光学系40は、第1及び第2ダイクロイックミラー41a,41bと、反射ミラー42a,42b,42cと、3つのフィールドレンズ43a,43b,43cとを備え、光源ランプユニット20から出射された照明光を赤(R)色、緑(G)色、及び青(B)色の3色に分離するとともに、各色光を後段の液晶ライトバルブ61r,61g,61bへ導く。より詳しく説明すると、まず、第1ダイクロイックミラー41aは、RGBの3色のうちR色の照明光LRを反射しG色及びB色の照明光LG,LBを透過させる。また、第2ダイクロイックミラー41bは、GBの2色のうちG色の照明光LGを反射しB色の照明光LBを透過させる。この色分離導光光学系40において、第1ダイクロイックミラー41aで反射された照明光LRは、反射ミラー42aを経て入射角調節用のフィールドレンズ43aに入射する。また、第1ダイクロイックミラー41aを透過し、第2ダイクロイックミラー41bで反射された照明光LGは、入射角調節用のフィールドレンズ43bに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー41bを通過した照明光LBは、リレーレンズ44a,44b及び反射ミラー42b,42cを経て入射角調節用のフィールドレンズ43cに入射する。
【0029】
光変調部60は、3色の照明光LR,LG,LBがそれぞれ入射する3つの液晶ライトバルブ61r,61g,61bを備える。なお、後に詳述するように、各液晶ライトバルブ61r,61g,61bは、中央に配置される液晶パネルと、これを挟むように配置される一対の入射偏光フィルター及び出射偏光フィルターとを備えている。各液晶ライトバルブ61r,61g,61bにそれぞれ入射した各色光LR,LG,LBは、各液晶ライトバルブ61r,61g,61bに電気的信号として入力された駆動信号或いは制御信号に応じて、画素単位で強度変調される。
【0030】
クロスダイクロイックプリズム70は、カラー画像を合成するための光合成光学系であり、その内部には、R光反射用の第1ダイクロイック膜71と、B光反射用の第2ダイクロイック膜72とが、平面視X字状に配置されている。このクロスダイクロイックプリズム70は、液晶ライトバルブ61rからの赤色光LRを第1ダイクロイック膜71で反射して進行方向右側に出射させ、液晶ライトバルブ61gからの緑色光LGを両ダイクロイック膜71,72を介して直進・出射させ、液晶ライトバルブ61bからの青色光LBを第2ダイクロイック膜72で反射して進行方向左側に出射させる。
【0031】
ここで、光変調部60の3つの液晶ライトバルブ61r,61g,61bとクロスダイクロイックプリズム70との光学的配置関係について説明する。各液晶ライトバルブ61r,61g,61bには、詳しくは後述するが、照明光の入射角度の大きさや方位によってスクリーン上に投射される画像のコントラストが低下してしまうという入射角度依存性がある。このため、第1及び第2の光源ランプユニット10,20のうちいずれか一方のみを点灯させて画像を投射する場合、照明光に偏りが生じるので、どちらのランプを用いるかによって各液晶ライトバルブ61r,61g,61bのコントラストに差が出る可能性がある。一方、クロスダイクロイックプリズム70において、液晶ライトバルブ61gで変調された緑色光LGは、反射することなく出射されるが、液晶ライトバルブ61rで変調された赤色光LRと液晶ライトバルブ61bで変調された青色光LBとは、両ダイクロイック膜71,72でそれぞれ反射された後に出射される。従って、これに対応するように、液晶ライトバルブ61gの入射角度依存性と、液晶ライトバルブ61r,61bの入射角度依存性とでは、互いに左右反対となるように設計されている場合がある。この場合において、照明光に偏りが生じているときは、照明光の偏り方向即ち入射の主方向も各色の液晶ライトバルブ61r,61g,61bに対応して反転させることが原則として望ましい。しかしながら、コストその他の要因によって光学設計上の制限を受け、照明光の偏りを反転できない場合もあり、必ずしも全ての液晶ライトバルブ61r,61g,61bについて適切な方向から照明光を入射させることができるとは限らない。従って、ここでは、各色の液晶ライトバルブ61r,61g,61bのうち、光量が多く変調のコントラストにも最も大きな影響を与える液晶ライトバルブ61gを基準とする。そして、少なくとも液晶ライトバルブ61gについては、後述するコントラスト優先モードで点灯される第1の光源ランプユニット10からの光によって形成される像が、コントラスト優先モードで消灯される第2の光源ランプユニット20からの光によって形成される像よりも高コントラストとなるようなタイプであるものとする。
【0032】
投射光学系80は、投射レンズとして、クロスダイクロイックプリズム70で合成された像光をスクリーン(不図示)上にカラー画像として投射する。
【0033】
〔3.液晶ライトバルブの構造について〕
以下、図2等を参照して、液晶ライトバルブ61r,61g,61bの構造と性質について詳しく説明する。なお、3つの液晶ライトバルブ61r,61g,61bの構造は同様であるので、ここでは、コントラストの影響が最も大きい緑色光に対応する液晶ライトバルブ61gを一例として説明する。図2に示すように、液晶ライトバルブ61gは、光変調用の能動素子である液晶パネル62gと、液晶パネル62gの入射側に配置される入射偏光フィルター63gと、液晶パネル62gの出射側に配置される出射偏光フィルター64gとを備える。液晶ライトバルブ61gは、照明光である入射光SL1,SL2の強度の空間分布を変調して、変調光である出射光LOを出力する非発光型で透過型の光変調装置である。ここで、入射光SL1,SL2は、第1及び第2の光源ランプユニット10,20からの光の光束の主方向をそれぞれ示している。具体的には、図1において、光路に沿って見た場合、例えば第1の光源ランプユニット10から出射した出射光IL1の進行方向は、反射面30aを経た後、光路下流側でシステム光軸OAに対して紙面上やや左側に傾いた方向に偏って傾斜している。このため、液晶ライトバルブ61gに入射する成分のうち出射光IL1に由来する照明光(緑色光)は、重畳レンズ38及び第2ダイクロイックミラー41bを経ることで、光路下流側でシステム光軸OAに対して紙面上やや左側に傾いた方向即ち図2の入射光SL1の方向を光束の主方向として、液晶ライトバルブ61gに入射する。一方、図1の第2の光源ランプユニット20から出射した出射光IL2の進行方向は、反射面30bを経た後、光路下流側でシステム光軸OAに対して紙面上やや右側に傾いた方向に偏って傾斜しており、出射光IL2に由来する照明光は、システム光軸OAに対して紙面上やや左側に傾いた方向に偏って傾斜しており、図2に示す入射光SL2の方向を光束の主方向として、液晶ライトバルブ61gに入射する。なお、両光源ランプユニット10,20を用いる場合の光束の方向を平均化した入射光SL3は、液晶ライトバルブ61gの入射面に対して略垂直でシステム光軸OAに略平行となる。
【0034】
図2に示す液晶ライトバルブ61gにおいて、入射偏光フィルター63gは、第1偏光方向の直線偏光を選択的に透過させて液晶パネル62gに導く。ここで、第1偏光方向は、システム光軸OAに対して垂直な、紙面上で左右のz軸方向を意味する。液晶パネル62gは、これに入射した第1偏光方向の直線偏光を画像信号に応じて例えば部分的に第2偏光方向の直線偏光に変換する。ここで、第2偏光方向は、システム光軸OAに対して垂直で、かつ、第1偏光方向にも垂直なy軸方向を意味する。出射偏光フィルター64gは、液晶パネル62gを経て変調された第2偏光方向の直線偏光のみを選択的に透過させる。
【0035】
液晶パネル62gは、矩形の液晶デバイス82aと、液晶デバイス82aの光入射面に貼り付けられる平板状の入射側防塵板82dと、液晶デバイス82aの光出射面に貼り付けられる平板状の出射側防塵板82eとを備える。本体の液晶デバイス82aは、例えばツイスティッドネマティックモードや垂直配向モードで動作する液晶で構成される液晶層71を挟んで、入射側に第1基板72と、出射側に第2基板73とを備える。これらの基板72,73は、ともに平板状であり、入出射面の法線がシステム光軸OAすなわちx軸に平行(Gの場合)になるように配置されている。
【0036】
液晶パネル62gの光路上流に配置される入射偏光フィルター63gは、入出射面の法線がシステム光軸OA(x軸)に平行(Gの場合)になっている。入射偏光フィルター63gは、z軸方向に沿った第1偏光方向のP偏光のみを通過させる。つまり、入射偏光フィルター63gの偏光軸はz軸方向に延びている。
【0037】
一方、出射側に配置された出射偏光フィルター64gは、入出射面の法線がシステム光軸OAすなわちx軸に平行(Gの場合)になっている。出射偏光フィルター64gは、y軸方向に沿った第2偏光方向のS偏光のみを通過させる。つまり、出射偏光フィルター64gの偏光軸はy軸方向に延びている。
【0038】
以上の説明から明らかなように、入射偏光フィルター63gと、出射偏光フィルター64gとは、クロスニコル(直交ニコル)を構成するように配置されている。一対の偏光フィルター63g,64g間に挟まれた液晶デバイス82aは、例えば入射偏光フィルター63g側から入射した入射光SL1,SL2,SL3に対して、P偏光からS偏光への変化を入力信号に応じて画素単位で部分的に抑制し、P偏光からS偏光への旋光が維持された変調光を、出射光LOとして出射偏光フィルター64g側に出射する。
【0039】
液晶デバイス82aにおいて、第1基板72の液晶層71側の面上には、透明な共通電極75が設けられており、その上には、例えば配向膜76が形成されている。一方、第2基板73の液晶層71側の面上には、マトリクス状に配置された表示用電極としての複数の透明画素電極77と、各透明画素電極77に電気的に接続可能な配線(不図示)と、透明画素電極77及び配線の間に介在する薄膜トランジスタ(不図示)とが設けられており、その上には、例えば配向膜78が形成されている。この液晶デバイス82aを構成する各画素部分PPは、1つの透明画素電極77と、共通電極75の一部と、両配向膜76,78の一部と、液晶層71の一部とを含む。なお、第1基板72と共通電極75との間には、各画素部分PPを区分するように格子状のブラックマトリクス79が設けられている。
【0040】
以上のような構造の液晶パネル62gは、本体である液晶デバイス82a内の液晶の状態に応じて照明光に対する入射角度依存性を有する。つまり、様々な角度で入射する光に対して、その入射角度及び入射方位によってコントラストの特性に差が生じている。このため、互いに異なる第1方向と第2方向とにそれぞれ偏って入射する入射光SL1と入射光SL2とに対して、液晶パネル62gは、同程度のコントラスト特性を示すのではなく、例えば入射光SL1に対して入射光SL2よりも良好なコントラスト特性を示す。この入射光SL1,SL2の入射角度及び入射方位と、液晶層71の入射角度依存性によるコントラスト特性との関係については、液晶デバイス82a内での液晶の状態がツイスティッドネマティック型であるか垂直配向型であるか、さらには、それぞれの液晶のタイプにおける液晶層71の配向状態によって定まる。ここでは、液晶パネル62gがツイスティッドネマティック型の液晶パネルであるものとし、ツイスティッドネマティック型の液晶の場合における入射角度依存性について説明する。
【0041】
以下、図2等を用いてツイスティッドネマティック型の液晶パネル62gにおける液晶の状態について説明する。なお、図3(A)〜3(D)は、ツイスティッドネマティック型の液晶層を構成する液晶性化合物の状態についての異なる4つの例を模式的に示している。図2の液晶パネル62gにおいて、液晶層71がツイスティッドネマティック型の液晶で構成される場合、電界を形成しない状態で、液晶層71を構成する液晶性化合物は、配向膜76,78の近傍では、その配向方向に沿って配置され、配向膜76,78から離れた部分では、システム光軸OA(x軸)に略垂直な状態でx軸方向に進むに従って、90°ねじれるように配列される。一方、x軸に沿った方向に適度な電界の存在する状態で、液晶層71を構成する液晶性化合物は、システム光軸OA(x軸)に略平行な状態に配列する。これにより、一対の偏光フィルター63g,64g間に挟まれた液晶層71をノーマリーホワイトモードで動作させることになり、電圧印加のオン状態で最大遮光状態(光オフ状態)を確保することができる。つまり、液晶パネル62gは、電圧を印加していない光オン状態の白表示時に、P偏光をS偏光に切替えて通過させる。また、液晶パネル62gは、電圧を印加した光オフ状態の黒表示時に、P偏光をそのまま変化させないで通過させる。
【0042】
光オフ状態の黒表示は、電圧印加のオン状態時になされるが、この際の遮光が不十分であるとコントラストが低下する。例えば図3(A)に示す黒表示時での液晶層内の液晶性化合物LCt,LCb,LCm等のうち、第1及び第2基板72,73から離れた中間層にある液晶性化合物LCmは、液晶パネル62gの基板72,73上に形成された配向膜76,78に対して完全には垂直にならず、チルト(傾き)が残留している。また、液晶層71を挟んでいる配向膜76,78付近の液晶性化合物LCt,LCbは、配向膜76,78に対してそれぞれ略平行でやや傾いた状態となっている。このように、現実の液晶層71では、電界に対して平行な理想的状態の配向状態となっておらず、チルトが残った状態(以下、残留チルトと呼ぶ。)が発生している。このような残留チルトのため、液晶パネル62gは、光の入射角度及び入射方位に依存するコントラスト特性を示す。なお、各液晶性化合物LCt,LCb,LCm等のチルト量は、各々異なるものであり、ここでは、各部のチルト量(傾きの度合い)を液晶層71の深さ方向(x方向)について集積して平均化した方向を残留チルトの配向方向とする。このような残留チルトの配向方向のシステム光軸OAに対する傾き方位は、中間層の液晶性化合物LCmの配向方向のシステム光軸OAに対する傾き方位と略一致している。従って、以下では、中間層にある液晶性化合物LCmの傾き方位によって、残留チルトの傾き方位を代表するものとして取り扱う。
【0043】
残留チルトの配向方向について詳細に考察すると、まず、ツイスティッドネマティック型の液晶の場合、配向膜76,78のラビングの向きによって液晶性化合物のねじれの状態が定まり、上記した残留チルトの配向方向は、このねじれの状態に応じて定まる。より具体的に説明すると、例えば、図3(A)の場合、一方の配向膜76では、実線矢印RB1の向き即ち−z方向にラビング処理がなされ、他方の配向膜78では、点線矢印RB2の向き即ち−y方向にラビング処理がなされている。この場合、配向膜76近傍の液晶性化合物LCtは、ラビング方向であるz方向に略沿って配列しているが、ラビングの向きと反対側の+z側がわずかに配向膜76側即ち−x方向に変位するように傾いている。一方、配向膜78近傍の液晶性化合物LCbは、ラビング方向であるy方向に略沿って配列しているが、ラビングの向きと反対側の+y側がわずかに配向膜78側即ち+x方向に変位するように傾いている。このため、黒表示時において、液晶層71の中間に位置する液晶性化合物LCmも、液晶層71の両端に位置する液晶性化合物LCt,LCbのチルトに従い、x軸に略平行な状態からわずかに傾いた状態となる。つまり、図3(A)の液晶性化合物LCmは、x軸正の向きに対して+y方向かつ−z方向に傾いている。従って、この場合、黒表示時での残留チルトの配向方向(液晶性化合物LCmによって代表される配向方向)に対応する方向が最も良好なコントラストを得ることのできる明視方向となる。ここでは、図2にも示す入射光SL1、SL2の傾きの方向が基準となることを考慮して、図3(A)中矢印CTで示すyz平面に平行な面内でのLCmの傾き方位をもって明視方向とする。この明視方向である矢印CTについて、入射光SL1と矢印CTとのなす角は、入射光SL2と矢印CTとのなす角よりも小さくなっている。つまり、入射光SL1のほうが矢印CTで示す明視方向の成分をより多く含んでいると考えられる。従って、入射光SL1の方向を中心方向とする第1の光源ランプユニット10を用いることで、より高品位な画像形成が可能となる。
【0044】
また、ツイスティッドネマティック型の液晶層における残留チルトの状態は、図3(A)の場合以外にも、図3(B)〜3(D)に示すように、ラビングの向きによって種々異なる。例えば、図3(B)では、入射側の配向膜76でのラビング処理の向きを示す矢印RB1が図3(A)とは異なる。この場合、矢印CTで示す明視方向は、図3(A)の場合と比べてz方向について反対となる。また、図3(C)及び3(D)に示すように、出射側の配向膜78でのラビング処理の向き(矢印RB2)が変わると、矢印CTで示す明視方向は、図3(A)及び3(B)の場合と比べてy方向について反対となる。いずれの場合においても、入射光SL1、SL2のうち、よりコントラストの高くなる入射方向の成分を含む光を選択することで高品位な画像形成が可能となる。なお、本実施形態のプロジェクター100において、液晶パネル62gは、図3(A)または3(C)のタイプとなっている。
【0045】
〔4.プロジェクターの制御装置〕
以下、図1に戻って、プロジェクター100の制御系である制御装置90について説明する。制御装置90は、画像処理部91、パネル駆動部92、記憶部93、光源駆動部94及び主制御部95を備え、プロジェクター100全体の制御を行う。画像処理部91は、外部からのビデオ信号等の外部画像信号を受け付け、各液晶ライトバルブ61r,61g,61bを駆動するための画像信号の生成・補正等の処理を行う。パネル駆動部92は、画像処理部91の出力に基づいて各液晶ライトバルブ61r,61g,61bを駆動する。記憶部93は、プログラム等を保持し、また、ユーザー等の指示命令である操作信号等の各種信号を一時記憶する。光源駆動部94は、操作信号に基づいて各光源ランプユニット10,20を動作させる。主制御部95は、制御装置90内の各機構を動作させてプロジェクター100全体の制御を統括する。なお、記憶部93のROM93aは、ランプの点灯モード等の予め記憶されたプログラムやコントラスト優先モードで点灯される第1の光源ランプユニット10を特定するデータ等を保持し、RAM93bは、入力された操作信号等を一時記憶するとともに、例えば各光源ランプユニット10,20の点灯時間を累積して記憶する。主制御部95は、マイクロコンピューターからなり、画像処理部91や光源駆動部94等を制御するために、ROM93a内に適宜用意されたプログラムに基づいて動作する。特に、このプロジェクター100では、両光源ランプユニット10,20ともに用いて照明をする場合に限らず、各光源ランプユニット10,20のいずれかを用いて照明をすることもでき、これらの異なる照明方法(照明モード)から1つの照明方法を選択可能となっている。つまり、制御装置90は、各光源ランプユニット10,20の点灯の優先順位等を定めて照明動作を制御する照明制御装置として機能する。
【0046】
〔5.プロジェクターの照明制御について〕
以下、制御装置90によるプロジェクター100の照明制御について説明する。なお、照明光の被照射対象については、既述のように、3つの液晶ライトバルブ61r,61g,61bのうち、コントラストに最も影響を及ぼす液晶ライトバルブ61gを基準とし、液晶ライトバルブ61gは、第1の光源ランプユニット10からの光に対して、第2の光源ランプユニット20からの光よりも良好な変調のコントラストを示すものとする。つまり、第1及び第2の光源ランプユニット10,20の一方のみを点灯するとともに他方を消灯する1灯モード(1灯点灯モード)においては、第1の光源ランプユニット10を点灯させることで、変調のコントラストを高い状態に維持できる。
【0047】
プロジェクター100は、照明のモード選択のために、図4(A)に例示する照明の点灯モードを選択するためのメニュー画面MNを、プロジェクター100の筐体表面に形成される操作用のパネル画面(不図示)上に表示し、或いは投影画像として表示する。プロジェクター100のユーザーは、いずれのモードによる照明を行うかを選択できる。ここでは、両光源ランプユニット10,20をともに用いる多灯モード(通常モード)による照明を行うか、どちらか一方のみを用いる1灯モード(省電力モード)による照明を行うかを選択できる。さらに、1灯モードについては、投影画像のコントラストの良さを優先するモードで照明を行うか、ランプの寿命を延ばすために各光源ランプユニット10,20のうち点灯時間の短いほうを優先するモードで照明を行うかを選択できる。つまり、プロジェクター100のユーザーは、メニュー画面MN上のカーソルCUを操作ボタン等(不図示)により適宜操作して、照明の点灯モードである多灯モード、コントラスト優先モード及び点灯時間優先モードの3つから1つを選択できる。例えば、これらのモードのうち、コントラスト優先モードを選択した場合、両光源ランプユニット10,20のうち、よりコントラスト特性の優れた状態で画像投射を可能にする光源ランプユニット10のみによる点灯動作が行われる。
【0048】
図4(B)は、以上のような照明の点灯モードの選択に応じた制御装置90による光源制御の動作について説明するためのフローチャートである。まず、制御装置90の主制御部95において、ユーザーからの操作信号として、照明の点灯モードの選択についての信号が入力されたか否かを確認する点灯モード選択処理を行う(ステップS1)。ステップS1において、信号の入力が確認されると、主制御部95は、点灯モードの種類を判断する(ステップS2、S3)。具体的には、まず、選択された点灯モードが、多灯モード(通常モード)であるか、1灯モード(省電力モード)であるかを判断し(ステップS2)、さらに、1灯モードである場合(ステップS2、Yes)には、コントラスト優先モードであるか点灯時間優先モードであるかを判断する(ステップS3)。なお、この際、主制御部95は、当該操作信号を記憶部93のRAM93bに一時記憶するとともに、当該操作信号に応じたプログラムをROM93aから読み出す。ステップS3において、コントラスト優先モードが選択されたと判断した場合(ステップS3、Yes)、主制御部95は、ROM93aからランプに関するデータを読み出すとともにプログラムに従ってコントラスト優先モード時のランプとして用いるべき第1の光源ランプユニット10のみによる点灯動作を行う(ステップS4)。
【0049】
一方、ステップS3において、点灯時間優先モードが選択されたと判断した場合(ステップS3、No)、主制御部95は、記憶部93のRAM93bに蓄積された各光源ランプユニット10,20の点灯時間を読み出して、点灯させるべきランプ即ち使用時間の短いランプがいずれであるか判断する(ステップS5)。主制御部95は、各光源ランプユニット10,20のうち、ステップS5においてより短い時間しか使用されていないとされた側のランプのみによる点灯動作を行う(ステップS6)。なお、主制御部95は、ステップS2において、多灯モード(通常モード)であると判断した場合(ステップS2、No)、ランプの選択をすることなく、両光源ランプユニット10,20による点灯動作を行う(ステップS7)。
【0050】
上記の図4(A)及び4(B)において示した例では、1灯モードにおいて、コントラスト優先モードと点灯時間優先モードとを選択可能としているが、1灯モードのときは、必ずコントラスト優先モードで点灯動作をするものとしてもよい。つまり、図5のフローチャートに示すように、主制御部95は、点灯モード選択処理を行うと(ステップS101)、選択された点灯モードが多灯モードであるか1灯モードであるかを判断し(ステップS102)、1灯モードが選択されたと判断した場合(ステップS102、Yes)には、コントラストを優先する第1の光源ランプユニット10のみによる点灯動作を行う(ステップS104)ものとしてもよい。なお、主制御部95は、ステップS102において多灯モードが選択されたと判断した場合(ステップS102、No)には、両光源ランプユニット10,20による点灯動作を行う(ステップS107)。以上のような照明制御においても、1灯モードにおけるコントラスト特性の維持を図ることが可能である。
【0051】
以上説明したように、第1実施形態に係るプロジェクター100は、制御装置90により、両光源ランプユニット10,20を用いて明るい画像の投射が可能であるだけでなく、2つの光源ランプユニット10、20のうち一方のみを点灯するとともに他方を消灯して投射する照明制御を行うことができる。特に、本実施形態のプロジェクター100は、2つのランプのうち一方のみを点灯する場合においても、コントラストに最も大きく影響する液晶ライトバルブ61gに対して高いコントラスト性を示す光源ランプユニット10を優先的に点灯させて光変調部の照明を行うことが可能である。これにより、良好な変調のコントラストを維持することができる。
【0052】
〔第2実施形態〕
以下、図2等を参照して、第2実施形態に係るプロジェクターについて説明する。なお、本実施形態に係るプロジェクターは、図1のプロジェクター100の変形例であり、液晶パネルの内部構造を除き、プロジェクター100と同様であるので、液晶パネルの構造以外の構成については、図示及び説明を省略する。
【0053】
本実施形態におけるプロジェクター100の液晶パネル62gは、垂直配向型の液晶パネルである。つまり、プロジェクター100の液晶パネル62gは、外観上の構成について図2に示すものと共通となっているが、用いる液晶のタイプや動作態様について図2に一例として示されたツイスティッドネマティック型の液晶とは異なっている。より具体的には、例えば、図2において、一対の偏光フィルター63g,64g間に挟まれた液晶デバイス82aは、入射偏光フィルター63g側から入射した入射光SL1,SL2,SL3を入力信号に応じて、画素単位で部分的にP偏光からS偏光に変化させ、S偏光すなわち変化後の変調光を出射光LOとして、出射偏光フィルター64g側に出射する。
【0054】
以下、図2等を用いて、垂直配向型の液晶の構造及び垂直配向型の液晶の場合における入射角度依存性について説明する。なお、図6(A)〜6(D)は、垂直配向型の液晶層を構成する液晶性化合物の状態についての異なる4つの例を模式的に示している。図2の液晶デバイス82aにおいて、液晶層71が垂直配向型の液晶で構成される場合、電界の存在しない状態で、液晶層71を構成する液晶性化合物は、システム光軸OA(x軸)に略平行な状態に配列する。一方、x軸に沿った方向に適度な電界を形成した場合、液晶層71を構成する液晶性化合物は、システム光軸OA(x軸)に略平行な状態から例えばxy面内の所定方位に向けて傾けられる。これにより、一対の偏光フィルター63g,64g間に挟まれた液晶層71をノーマリーブラックモードで動作させることになり、電圧非印加のオフ状態で最大遮光状態(光オフ状態)を確保することができる。つまり、液晶パネル62gは、光オフ状態の黒表示時に、P偏光をそのまま変化させないで通過させる。また、液晶パネル62gは、光オン状態の白表示時に、P偏光をS偏光に切替えて通過させる。
【0055】
光オフ状態の黒表示は、電圧印加のオフ状態時になされるが、例えば図6(A)に示す黒表示時での液晶層内液晶性化合物LCaは、液晶パネル62gの基板の一部である配向膜76,78に対して完全には垂直にならず、チルトした状態(プレチルト状態)となっている。例えば図6(A)の場合、黒表示時において液晶性化合物LCaは、x軸正の向きに対して+y方向かつ−z方向に傾いている。従って、プレチルト状態の液晶性化合物LCaに沿った方向が最も良好なコントラストを得ることのできる明視方向となる。ここでは、図中矢印CTで示すyz平面に平行な面内でのLCaの傾き方位をもって明視方向とする。図6(B)〜6(D)の場合についても同様で、いずれも液晶性化合物LCaに沿った方向に対応する矢印CTで示す方向が最も良好なコントラストを得ることのできる明視方向となる。いずれの場合においても、矢印CTの方向により多くの成分を含む照明光を選択することで、より高品位な画像形成が可能となる。なお、本実施形態のプロジェクター100において、液晶パネル62gは、矢印CTと入射光SL1とのなす角が小さくなるように設定されており、図6(A)または6(C)のタイプとなっている。
【0056】
〔第3実施形態〕
以下、図7を参照して、第3実施形態に係るプロジェクターの動作について説明する。本実施形態に係るプロジェクター200は、図1のプロジェクター100の変形例であり、図7に示すように、本体光学装置155と、制御装置90とを備えて構成される。このうち、本体光学装置155は、照明装置50、色分離導光光学系140、光変調部60、クロスダイクロイックプリズム70及び投射光学系80で構成される。ここで、プロジェクター200は、色分離導光光学系140以外の構造について、プロジェクター100と同様の構造を有するので、説明を省略する。
【0057】
色分離導光光学系140は、クロスダイクロイックミラー141aと、ダイクロイックミラー141bと、反射ミラー142a,142b,142c,142d,142eと、3つのフィールドレンズ143a,143b,143cとを備え、光源ランプユニット20から出射された照明光を赤(R)色、緑(G)色、及び青(B)色の3色に分離するとともに、各色光を後段の液晶ライトバルブ61r,61g,61bへ導く。より詳しく説明すると、まず、クロスダイクロイックミラー141aは、第1ダイクロイックミラー141cと第2ダイクロイックミラー141dとを交差させて形成したものである。このうち第1ダイクロイックミラー141cは、RGBの3色のうちR色及びG色の照明光LR,LGを反射しB色の照明光LBを透過させる。一方、第2ダイクロイックミラー141dは、B色の照明光LBを反射しR色及びG色の照明光LR,LGを透過させる。また、ダイクロイックミラー141bは、反射ミラー142aを経て入射したRGの2色のうちG色の照明光LGを反射しR色の照明光LRを透過させる。この色分離導光光学系140において、ダイクロイックミラー141bを透過した照明光LRは、反射ミラー142bを経て入射角調節用のフィールドレンズ143aに入射する。また、ダイクロイックミラー141bで反射された照明光LGは、反射ミラー142cを経て入射角調節用のフィールドレンズ143bに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー141dで反射された照明光LBは、反射ミラー142d,142eを経て入射角調節用のフィールドレンズ143cに入射する。なお、この場合、各色の光路はいずれも等光路長となるため、リレーレンズを要さない。
【0058】
以上のように、プロジェクター200の場合、色分離導光光学系140において各色光間での光路長が等しくなり、さらに、色分離導光光学系140の光路の形状は、対称性を有し、ミラー等による反射の回数も等しいものとすることができる。従って、各液晶ライトバルブ61r,61g,61bに入射する照明光LR,LG,LBの入射角度を揃えることができる。具体的には、液晶ライトバルブ61gが図3(A)または3(C)のタイプの液晶層71を内蔵する場合、液晶ライトバルブ61r,61bは、図3(B)または3(D)のタイプの液晶層71を内蔵することになる。これにより、光学設計において、例えば液晶ライトバルブ61gに限らず、各色用の光変調装置である液晶ライトバルブ61r,61g,61bの全てについて、良好な変調のコントラストを示すようにすることができる。つまり、第1の光源ランプユニット10からの光の入射方向が、第2の光源ランプユニット20からの光の入射方向よりも液晶ライトバルブ61r,61g,61bを高コントラストなものとする方向となるように、照明光LR,LG,LBの入射角度と液晶ライトバルブ61r,61g,61bの入射角度依存性とを対応付けることができる。
【0059】
本願発明は、上記の各実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0060】
まず、上記第1実施形態において、液晶ライトバルブ61r,61g,61bのうち、液晶ライトバルブ61gを基準としているが、これに限らず、緑色光以外の色光を変調する液晶ライトバルブ61r,61bを基準としてもよい。また、本実施形態では、第1の光源ランプユニット10からの光がコントラストを高くするものとなっているが、用いる液晶パネルの特性が異なる場合(例えば、図3(B)または3(D)のタイプの液晶を用いる場合)には、第2の光源ランプユニット20からの光を用いるほうがコントラストの高い画像を得られることもある。いずれにおいても、記憶部93のROM93aにおいて予めランプを特定するためのデータを保持しておくことで適切な選択がなされる。
【0061】
また、上記実施形態に係る照明装置50等では、合成ミラー30を2枚のミラー板31、32により構成しているが、発熱等の問題がなければ、プリズムにより合成ミラー30を形成することも可能である。つまり、大きなプリズムを互いに垂直な面で切り出すことにより、合成ミラー30としての反射面を有するプリズムを形成してもよい。また、反射面30aと反射面30bとのなす角度αも92°程度としているが、垂直であってもよい。この場合、例えば光軸RX1、RX2をシステム光軸OAに対して垂直ではなく、傾けた状態とすることで、同様の構成が可能となる。
【0062】
また、例えば照明装置50では、各リフレクター12、22の内面を回転楕円面により構成しているが、当該回転楕円面を補正した自由曲面を各リフレクター12、22の内面として用いてもよい。
【0063】
また、各光源ランプユニット10、20と合成ミラー30との間にIR光やUV光を除去するための光カットフィルターを別途設けるものとしてもよい。
【0064】
また、各光源ランプユニット10、20に用いる各発光管11、21として、高圧水銀ランプに代えて、例えばメタルハライドランプ等他の高圧放電ランプを用いてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、プロジェクター100,200に透過型液晶ライトバルブを用いた場合の例について説明したが、反射型液晶ライトバルブを用いたプロジェクターにも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0066】
100,200…プロジェクター、 55,155…本体光学装置、 90…制御装置、 50…照明装置、 10,20…光源ランプユニット、 11,21…発光管、 12、22…リフレクター、 30…合成ミラー、 40,140…色分離導光光学系、 60…光変調部、 61r,61g,61b…液晶ライトバルブ、 62g…液晶パネル、 63g,64g…偏光フィルター、 71…液晶層、 70…クロスダイクロイックプリズム、 80…投射光学系、 LCt,LCb,LCm,LCa…液晶性化合物、 IL1,IL2…出射光、 SL…照明光、 SL1,SL2,SL3…入射光、 RX1,RX2…ランプユニットの光軸、 OA…システム光軸、 FX…交点、 θ,α…角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる位置に配置され、光源光をそれぞれ出射する第1及び第2のランプと、
前記第1及び第2のランプからの光を互いに傾斜した状態で合成する合成部材と、
前記合成部材の光路下流側に配置されて、前記第1及び第2のランプの少なくとも一方からの光によって照明可能であるとともに、前記第1のランプから出射されシステム光軸に対して第1の方向に傾斜した状態で入射する光に対する変調のコントラストが、前記第2のランプから出射され前記システム光軸に対して前記第1の方向と異なる第2の方向に傾斜した状態で入射する光に対する変調のコントラストよりも高い光変調装置と、
前記第1及び第2のランプの一方のみを点灯する1灯モードにおいて、前記光変調装置に対するコントラストの高い第1のランプを優先的に点灯させて前記光変調装置の照明を行わせる照明制御装置と
を備えるプロジェクター。
【請求項2】
前記合成部材から出射した照明光を所定波長ごとに色分離して各色の光路に導く色分離導光光学系と、
各色用光変調装置を前記各色の光路上に有し、前記各色の光路に導かれた各色光を前記各色用光変調装置によってそれぞれ変調される光変調部と
を備え、
前記各色用光変調装置のうち少なくとも1つは、前記光変調装置である請求項1記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記各色用光変調装置で、前記第1のランプからの光の入射方向に対応するコントラストは、前記第2のランプからの光の入射方向に対応するコントラストよりも高い、請求項2記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記各色用光変調装置は、赤色光、緑色光及び青色光をそれぞれ変調する3つの光変調装置であり、少なくとも緑色光を変調する光変調装置で、前記第1のランプからの光の入射方向に対応するコントラストは、前記第2のランプからの光の入射方向に対応するコントラストよりも高い、請求項2記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記光変調装置は、入射する光を変調する液晶パネルと、前記液晶パネルの入射側及び出射側に配置され所定の偏光のみ透過する一対の偏光フィルターとを含む、請求項1から請求項4までのいずれか一項記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記液晶パネルは、ツイスティッドネマティック型の液晶層を含み、
前記第1のランプからの光の前記液晶パネルに対する入射方向と、前記液晶パネルの黒表示状態における前記液晶層の残留チルトの配向方向とのなす角が、前記第2のランプからの光の前記液晶パネルに対する入射方向と、前記残留チルトの配向方向とのなす角よりも小さい、請求項5記載のプロジェクター。
【請求項7】
前記液晶パネルは、垂直配向型の液晶層を含み、
前記第1のランプからの光の前記液晶パネルに対する入射方向と前記液晶パネルの黒表示状態における前記液晶層のプレチルトの配向方向とのなす角が、前記第2のランプからの光の前記液晶パネルに対する入射方向と前記プレチルトの配向方向とのなす角よりも小さい、請求項5記載のプロジェクター。
【請求項8】
互いに異なる位置に配置され、光源光をそれぞれ出射する第1及び第2の光源と、前記第1及び第2の光源からの光を互いに傾斜した状態で合成する合成部材と、前記合成部材の光路下流側に配置されて、前記第1及び第2の光源の少なくとも一方からの光によって照明可能であるとともに、前記第1の光源から出射されシステム光軸に対して第1の方向に傾斜した状態で入射する光に対する変調のコントラストと、前記第2の光源から出射され前記システム光軸に対して前記第1の方向と異なる第2の方向に傾斜した状態で入射する光に対する変調のコントラストと、が異なる光変調装置と、を備えたプロジェクターの点灯制御方法において、
前記第1及び第2の光源の一方のみを点灯する1灯点灯モードか、否かを判断する判断工程を備え、
この判断工程によって、前記1灯点灯モードであると判断されたとき、前記光変調装置の前記コントラストが高くなる方向に入射させる光源を点灯させることを特徴とするプロジェクターの点灯制御方法。
【請求項9】
互いに異なる位置に配置され、光源光をそれぞれ出射する第1及び第2の光源と、前記第1及び第2の光源からの光を互いに傾斜した状態で合成する合成部材と、前記合成部材の光路下流側に配置されて、前記第1及び第2の光源の少なくとも一方からの光によって照明可能であるとともに、前記第1の光源から出射されシステム光軸に対して第1の方向に傾斜した状態で入射する光に対する変調のコントラストと、前記第2の光源から出射され前記システム光軸に対して前記第1の方向と異なる第2の方向に傾斜した状態で入射する光に対する変調のコントラストと、が異なる光変調装置と、を備えたプロジェクターの点灯制御方法において、
前記第1及び第2の光源の一方のみを点灯する1灯点灯モードか、否かを判断する第1の判断工程を備え、
前記第1の判断工程によって、前記1灯点灯モードであると判断されたとき、前記コントラストを優先させるモードか、否かをさらに判断する第2の判断工程を備え、
前記第2の判断工程によって、前記コントラストを優先させるモードと判断されたときは、前記光変調装置の前記コントラストが高くなる方向に入射させる光源を点灯させることを特徴とするプロジェクターの点灯制御方法。
【請求項10】
前記第2の判断工程によって、前記コントラストを優先させないモードと判断されたときは、前記第1及び第2の光源の内、累積点灯時間が短い方の光源を点灯させることを特徴とする請求項9記載のプロジェクターの点灯制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−190938(P2010−190938A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32363(P2009−32363)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】