説明

プロジェクト管理システムおよびプロジェクト管理方法

【課題】複数のユーザによるプロジェクトの作成・編集を管理し、複数のユーザによる共同作業を容易にする。
【解決手段】プロジェクト管理システムは、ソフトウェアモジュールの情報セットであるプロジェクトとこのプロジェクトの属性情報とユーザ情報とを記憶する記憶手段、および記憶手段に記憶されている情報を管理する管理手段を備えた管理サーバ1と、ユーザの指示に応じてプロジェクトを作成又は編集する作成・編集手段、および作成又は編集された登録対象プロジェクトを記憶手段に登録すると共に、このプロジェクトの編集又は利用を許可する許可ユーザをユーザ情報が登録されたユーザの中から選択して、この許可ユーザの情報を登録対象プロジェクトの属性情報に設定する登録手段を備えたコンフィギュレーションノード2とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザによるプロジェクトの作成・編集を管理するプロジェクト管理システムおよびプロジェクト管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アクション定義、実行権限定義、ページ定義、画面レイアウト定義などを規定した設計情報(プログラム)を、クライアントの設計仕様へ変換してクライアントのアーキテクチャへの実装を容易にする情報処理システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に開示された情報処理システムでは、設計情報をクライアントの設計仕様へ変換する作業を定型化することで、開発を効率化できるようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−338477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された情報処理システムは、単一ユーザの作業を考慮したものに過ぎず、複数のユーザがプログラムを作成・編集する共同作業を考慮したものにはなっていないという問題点があった。複数のユーザによる共同作業の場合、各ユーザの作業を管理する手段が必要となるが、特許文献1に開示された情報処理システムではこのような管理手段については考慮されていない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、複数のユーザによるプロジェクト(ソフトウェアモジュール)の作成・編集を管理し、複数のユーザによる共同作業を容易にすることができるプロジェクト管理システムおよびプロジェクト管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプロジェクト管理システムは、ソフトウェアモジュールの情報セットであるプロジェクトとこのプロジェクトの属性情報とユーザ情報とを記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されている情報を管理する管理手段と、ユーザの指示に応じてプロジェクトを作成又は編集する作成・編集手段と、前記作成又は編集された登録対象プロジェクトを前記記憶手段に登録すると共に、このプロジェクトの編集又は利用を許可する許可ユーザを前記ユーザ情報が登録されたユーザの中から選択して、この許可ユーザの情報を前記登録対象プロジェクトの属性情報に設定する登録手段とを備えるものである。
また、本発明のプロジェクト管理システムの1構成例において、前記管理手段は、前記記憶手段に記憶された登録済みプロジェクトをユーザの指示に応じて前記作成・編集手段が編集中の場合は、このプロジェクトのステータスを編集モードに設定して他のユーザによる編集を禁止し、このプロジェクトの前記記憶手段への再登録に応じて前記編集モードを解除するものである。
また、本発明のプロジェクト管理システムの1構成例において、前記登録手段は、前記ユーザ情報が登録されたユーザの一覧を表示し、登録対象プロジェクトを作成又は編集したユーザの指示に応じて前記許可ユーザを選択するものである。
また、本発明のプロジェクト管理システムの1構成例において、前記登録手段は、前記ユーザの一覧と共に、前記プロジェクト属性情報に基づいて、各ユーザが編集又は利用を許可されている登録済みプロジェクトと、前記登録対象プロジェクトの最終更新日時と前記登録済みプロジェクトの最終更新日時との比較結果と、前記登録済みプロジェクトを登録したユーザとを表示するものである。
また、本発明のプロジェクト管理システムの1構成例において、前記プロジェクト属性情報は、少なくともプロジェクト名称、最終更新日時、プロジェクトの変更回数、許可ユーザの情報、編集モード情報を含むものである。
また、本発明のプロジェクト管理システムの1構成例において、前記ユーザ情報は、プロジェクトに対するユーザの権限を定めたユーザレベルの情報を含むものである。
【0007】
また、本発明は、ソフトウェアモジュールの情報セットであるプロジェクトとこのプロジェクトの属性情報とユーザ情報とを記憶手段に記憶させて管理するプロジェクト管理方法において、ユーザの指示に応じてプロジェクトを作成又は編集する作成・編集ステップと、前記作成又は編集された登録対象プロジェクトを前記記憶手段に登録すると共に、このプロジェクトの編集又は利用を許可する許可ユーザを前記ユーザ情報が登録されたユーザの中から選択して、この許可ユーザの情報を前記登録対象プロジェクトの属性情報に設定する登録ステップとを備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作成又は編集された登録対象プロジェクトを記憶手段に登録すると共に、このプロジェクトの編集又は利用を許可する許可ユーザをユーザ情報が登録されたユーザの中から選択して、この許可ユーザの情報を登録対象プロジェクトの属性情報に設定する登録手段を設けることにより、複数のユーザによるプロジェクトの作成・編集作業を容易に正しく行うことができる。
【0009】
また、本発明では、記憶手段に記憶された登録済みプロジェクトをユーザの指示に応じて作成・編集手段が編集中の場合は、このプロジェクトのステータスを編集モードに設定して他のユーザによる編集を禁止し、プロジェクトの記憶手段への再登録に応じて編集モードを解除することにより、複数のユーザが同時に同一のプロジェクトを編集することを防止することができる。
【0010】
また、本発明では、ユーザの一覧と共に、プロジェクト属性情報に基づいて、各ユーザが編集又は利用を許可されている登録済みプロジェクトと、登録対象プロジェクトの最終更新日時と登録済みプロジェクトの最終更新日時との比較結果と、登録済みプロジェクトを登録したユーザとを表示することにより、登録状況を明確に確認することができる。またどのユーザが他のユーザにどのようなプロジェクトを割りつけたのかを確認することができるので、複数のユーザによる共同作業をし易くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態では、アプリケーションソフトを実行する際に必要となるソフトウェアモジュールの情報セットをプロジェクトと呼ぶ。また、プロジェクトを作成又は編集し登録するユーザをコンフユーザ、プロジェクトのランタイム実行をすることを「利用」と称し、利用するユーザをエンドユーザ、コンフユーザとエンドユーザを区別しない場合を単にユーザと呼ぶ。
【0012】
図1は本発明の実施の形態に係るプロジェクト管理システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態のプロジェクト管理システムは、プロジェクト情報およびユーザ情報等を管理するデータベースである管理サーバ1と、コンフユーザがプロジェクトの作成および管理サーバ1へのプロジェクトの登録を行うコンピュータであるコンフィギュレーションノード2と、エンドユーザが使用するコンピュータであるエンドユーザノード3と、管理サーバ1とコンフィギュレーションノード2とエンドユーザノード3とを相互に接続するネットワーク4とから構成される。
【0013】
図2は管理サーバ1の構成を示すブロック図である。管理サーバ1は、管理サーバ全体を制御する制御部10と、プログラムやデータを記憶する記憶部11と、ネットワーク4を介してコンフィギュレーションノード2やエンドユーザノード3と通信するための送受信部12と、システムの管理者が管理サーバ1に対して情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力部13と、管理者に対して情報を表示するための表示部14とを有する。
【0014】
制御部10は、記憶部11に記憶されている情報を管理する管理手段を構成しており、ユーザ管理部100と、プロジェクト管理部101と、情報提供部102とを有する。
記憶部11には、制御部10の各種機能手段を実現するプログラム110と、プロジェクト情報111と、ユーザ情報112と、管理サーバ情報1にアクセスするための管理サーバ情報113とが記憶されている。
【0015】
プロジェクト情報111は、プロジェクト本体と、プロジェクト属性情報とからなる。プロジェクト本体としては、プロジェクトの一部を構成するソフトウェア部品であるコンポーネントの情報、プロジェクトが使用する画面(アプリケーションウィンドウ)の情報、コンポーネントの属性情報、アプリケーションウィンドウの属性情報などがある。プロジェクト属性情報としては、プロジェクト名称、プロジェクトの作成日時、最終更新日時、プロジェクトの変更回数(リビジョン)、管理サーバ1への登録日時、登録元コンフィギュレーションノード名、登録元ユーザID、登録元ユーザ名、プロジェクトの編集又は利用を許可されている許可ユーザID、許可ユーザ名、編集モード情報などがある。
【0016】
ユーザ情報112としては、ユーザ名、ユーザID、管理サーバ1へのログインのためのログインパスワード、管理サーバ1に対するユーザの権限を定めたユーザレベルなどがある。例えばユーザレベル0は全ての操作が可能な管理者レベル、ユーザレベル3はユーザ情報は編集できないがプロジェクトの作成・編集ができるコンフユーザレベル、ユーザレベル5は管理サーバ1の情報は編集できないがプロジェクトを取得してランタイム実行に利用することができるエンドユーザレベルを表している。したがって、ユーザ情報112は、管理者レベルの権限を有するシステムの管理者がユーザ管理部100を用いて作成・編集し、記憶部11に登録することになる。
管理サーバ情報113としては、管理サーバ1の名称、IPアドレスなどがある。
【0017】
図3はコンフィギュレーションノード2の構成を示すブロック図である。コンフィギュレーションノード2は、コンフィギュレーションノード全体を制御する制御部20と、プログラムやデータを記憶する記憶部21と、ネットワーク4を介して管理サーバ1と通信するための送受信部22と、コンフユーザがコンフィギュレーションノード2に対して情報を入力するためのキーボードやマウス等の入力部23と、コンフユーザに対して情報を表示するための表示部24とを有する。
【0018】
制御部20は、プロジェクト作成部200と、情報取得部201と、プロジェクト登録部202と、プロジェクト編集部203とを有する。プロジェクト作成部200とプロジェクト編集部203とは作成・編集手段を構成し、プロジェクト登録部202は登録手段を構成している。
記憶部21には、制御部20の各種機能手段を実現するプログラム210と、プロジェクト情報211と、管理サーバ1から取得した管理サーバ情報212と、コンポーネントやアプリケーションウィンドウの情報の集まりであるライブラリ213とが記憶されている。
【0019】
プロジェクト情報211は、プロジェクト情報111と同様に、プロジェクト本体と、プロジェクト属性情報とからなる。ただし、管理サーバ1に登録されていないプロジェクト情報211については、登録日時、登録元コンフィギュレーションノード名、登録元ユーザID、登録元ユーザ名、許可ユーザID、許可ユーザ名などが設定されていないことは言うまでもない。
【0020】
[プロジェクト管理システムの動作の概略]
次に、本実施の形態のプロジェクト管理システムの動作について説明する。図4はプロジェクト管理システムの動作の概略を示すフローチャートである。
まず、コンフィギュレーションノード2の制御部20は、あらかじめ管理サーバ1から管理サーバ情報113を取得しておき、これを管理サーバ情報212として記憶部21に格納する。以後、コンフィギュレーションノード2は、管理サーバ情報212を基に管理サーバ1にアクセスする。
【0021】
コンフィギュレーションノード2は、コンフユーザの指示に従ってプロジェクトを作成する(図4ステップS1)。
プロジェクトは、ユーザごとに登録されるものであり、且つ複数ユーザへの一括登録が可能である。このため、コンフィギュレーションノード2は、プロジェクトの登録に先立って管理サーバ1に接続し、管理サーバ1が管理するユーザ情報112を取得する(ステップS2)。
【0022】
ユーザ情報112を取得したコンフィギュレーションノード2は、ステップS1で作成したプロジェクトの編集又は利用を許可する許可ユーザを、ユーザ情報112に登録されているユーザ中の編集又は利用の権限を有するユーザの中から選択して、プロジェクトを管理サーバ1に登録する(ステップS3)。
また、コンフィギュレーションノード2は、管理サーバ1に登録されているプロジェクトを適宜取得して編集することができる(ステップS4)。
【0023】
コンフィギュレーションノード2は、編集したプロジェクトを管理サーバ1に登録する場合には、ステップS2と同様にユーザ情報112を取得し(ステップS5)、編集したプロジェクトを管理サーバ1に登録する(ステップS6)。
エンドユーザは、ステップS3,S6で管理サーバ1に登録されたプロジェクトを適宜取得して実行することができる。
【0024】
[プロジェクトの作成の説明]
次に、コンフィギュレーションノード2によるプロジェクトの作成処理について説明する。コンフィギュレーションノード2のプロジェクト作成部200は、入力部23を操作するコンフユーザの指示に従って記憶部21のライブラリ213から、使用するコンポーネントとアプリケーションウィンドウを選択し、コンポーネントの属性情報とアプリケーションウィンドウの属性情報を設定する。プロジェクト作成部200は、こうして作成したプロジェクトをプロジェクト情報211として記憶部21に格納する。
なお、プロジェクトの作成に使用するライブラリ213は、外部から適宜取り込むことが可能である。
【0025】
[ユーザ情報の取得の説明]
次に、コンフィギュレーションノード2の情報取得部201は、コンフユーザの指示によりプロジェクトの登録ウィザードが起動されると、送受信部22を介して管理サーバ1に接続し、管理サーバ1が管理する全てのプロジェクトのプロジェクト属性情報とユーザ情報112とを要求する。この要求に応じて、管理サーバ1の情報提供部102は、記憶部11に記憶されたプロジェクト属性情報とユーザ情報112とを送受信部12を介してコンフィギュレーションノード2に送信する。情報取得部201が取得したプロジェクト属性情報とユーザ情報112とは、登録処理の間、記憶部21に一時的に格納される。
【0026】
[プロジェクトの登録の説明]
続いて、コンフィギュレーションノード2のプロジェクト登録部202は、プロジェクトの登録処理を行う。図5はプロジェクト登録部202の構成を示すブロック図、図6はプロジェクト登録部202の動作を示すフローチャートである。
プロジェクト登録部202は、整合性判定部2020と、ユーザ指定部2021と、登録処理部2022とを有する。
【0027】
まず、整合性判定部2020は、図7に示すような登録ウィザード画面300を表示部24に表示させ、プロジェクト作成部200が作成したプロジェクト情報211の整合性を判定する(図6ステップS10)。すなわち、整合性判定部2020は、プロジェクト情報211に設定不足や設定の誤りが無いかどうかを判定する。この整合性の判定は、コンフユーザが入力部23を操作して画面300上でチェックボタン301をクリックすると開始される。
【0028】
判定結果は、登録ウィザード画面に表示される。ここで、整合性に異常が見つかった場合、コンフユーザは、登録ウィザードを一旦終了して、プロジェクト作成部200を用いてプロジェクト情報211を修正することになる。
次に、判定結果が正常な場合、ユーザ指定部2021は、図8に示すような登録ウィザード画面302を表示部24に表示させ、登録対象プロジェクト情報211の編集又は利用を許可する許可ユーザをコンフユーザに指定させる(ステップS11)。
【0029】
このとき、ユーザ指定部2021は、情報取得部201が取得したユーザ情報112とプロジェクト属性情報に基づいて、管理サーバ1が管理する編集又は利用の権限を有するユーザの一覧を画面302のユーザ情報欄303に表示すると共に、これらのユーザが編集又は利用を許可されている登録済みプロジェクトの名称をユーザ毎にプロジェクト情報欄304に表示する。また、ユーザ指定部2021は、プロジェクト情報欄304の各プロジェクトの最終更新日時を更新日時欄305に表示し、各プロジェクトを管理サーバ1に登録したユーザを登録ユーザ欄306に表示する。ユーザ情報欄303と登録ユーザ欄306のユーザ表示方法は、ラジオボタン307によって名前表示、ID表示のどちらかを選択できるようになっている。
【0030】
さらに、ユーザ指定部2021は、登録対象プロジェクトのIDとプロジェクト情報欄304の登録済みプロジェクトのIDが一致する場合、すなわち同一のプロジェクトである場合、登録対象プロジェクトの最終更新日時と登録済みプロジェクトの最終更新日時とを比較し、その比較結果を比較結果欄308に表示する。比較結果欄308には、登録対象プロジェクトよりも登録済みプロジェクトが古い場合は「古い」と表示され、登録対象プロジェクトよりも登録済みプロジェクトが新しい場合は「新しい」と表示され、登録対象プロジェクトと登録済みプロジェクトの更新日時が同じ場合は「一致」と表示される。なお、プロジェクトが登録されていないか、または登録対象プロジェクトと登録済みプロジェクトのIDが異なる場合は、比較結果欄308は空白となる。
【0031】
コンフユーザは、入力部23を操作し、登録対象プロジェクトの編集又は利用を許可する許可ユーザを画面302上のチェックボックス309によって選択し、登録ボタン310をクリックする。
登録ボタン310のクリックに応じて、登録処理部2022は、登録対象プロジェクト情報211と選択された許可ユーザのIDと許可ユーザ名とを送受信部22を介して管理サーバ1に送信する(ステップS12)。
【0032】
管理サーバ1のプロジェクト管理部101は、送受信部12を介して登録対象プロジェクト情報211を受信すると、この登録対象プロジェクト情報211に登録日時と登録元コンフィギュレーションノード名と登録元ユーザIDと登録元ユーザ名と許可ユーザIDと許可ユーザ名等を付加したものを、プロジェクト情報111として記憶部11に格納する。
こうして、プロジェクトの登録が完了する。登録処理部2022は、管理サーバ1のプロジェクト管理部101から登録結果情報を受けて、登録結果を登録ウィザード画面に表示する。
【0033】
[プロジェクトの編集の説明]
次に、コンフィギュレーションノード2によるプロジェクトの編集処理について説明する。図9はコンフィギュレーションノード2のプロジェクト編集部203の構成を示すブロック図、図10はプロジェクト編集部203の動作を示すフローチャートである。
プロジェクト編集部203は、プロジェクト指定部2030と、プロジェクト取得方法指定部2031と、プロジェクト取得部2032と、編集処理部2033とを有する。
【0034】
まず、コンフィギュレーションノード2の情報取得部201は、コンフユーザの指示によりプロジェクトの取得ウィザードが起動されると、送受信部22を介して管理サーバ1に接続し、管理サーバ1が管理する全てのプロジェクトのプロジェクト属性情報を要求する。この要求に応じて、管理サーバ1の情報提供部102は、記憶部11に記憶されたプロジェクト属性情報を送受信部12を介してコンフィギュレーションノード2に送信する。情報取得部201が取得したプロジェクト属性情報は、記憶部21に一時的に格納される。
【0035】
続いて、プロジェクト指定部2030は、図11に示すような取得ウィザード画面400を表示部24に表示させ、取得したいプロジェクトをコンフユーザに指定させる(図10ステップS20)。このとき、プロジェクト指定部2030は、情報取得部201が取得したプロジェクト属性情報に基づいて、取得ウィザード画面400に登録済みプロジェクト名、プロジェクトの最終更新日時、許可ユーザ名、許可ユーザID、および登録元ユーザ名を表示する。
【0036】
そして、プロジェクト指定部2030は、コンフユーザが入力部23を操作して、取得ウィザード画面400上で取得したいプロジェクトを選択すると、この選択されたプロジェクトの編集モード情報を詳細ステータス欄401に表示する。
編集モード情報が示すプロジェクトのステータスとしては、編集モードと、編集モード解除とがある。さらに、編集モードとしては、当該コンフィギュレーションノード2のコンフユーザによる編集モードと、他のコンフィギュレーションノードのコンフユーザによる編集モードとがある。
【0037】
初期状態ではプロジェクトのステータスは、編集モード解除となっている。これに対して、コンフィギュレーションノード2のコンフユーザが編集のためにプロジェクトを取得すると、管理サーバ1のプロジェクト管理部101は、このプロジェクトのステータスを当該コンフユーザによる編集モードとする。また、プロジェクト管理部101は、他のコンフユーザが編集のためにプロジェクトを取得すれば、このプロジェクトのステータスを他のコンフユーザによる編集モードとする。
【0038】
ステータスが編集モードに切り換えられたプロジェクトは、一人のコンフユーザが専有して編集することになり、別のコンフユーザが同時に編集することはできない。ただし、他のユーザが編集モードにしているプロジェクトを閲覧することは可能である。複数のユーザが同時に同一のプロジェクトに書き込みを行うと、書き込みに失敗するユーザが出てしまい、編集作業が無駄になってしまう。本実施の形態では、編集モード機能を設けることにより、複数のユーザが同時に同一のプロジェクトを編集することを防止することができる。
【0039】
次に、プロジェクト取得方法指定部2031は、取得ウィザード画面400上でプロジェクトが選択された状態で、コンフユーザが続行ボタン402をクリックすると、選択されたプロジェクトの編集モード情報を確認し、プロジェクトのステータスが編集モード解除又は当該コンフユーザによる編集モードであれば、プロジェクトの取得方法をコンフユーザに指定させる(ステップS21)。
【0040】
プロジェクトの取得方法としては、マスタプロジェクトとして取得する方法と、管理サーバ1で管理されているマスタプロジェクトとは別のプロジェクトとして取得する方法がある。マスタプロジェクトとして取得する場合には、取得したプロジェクトの編集後に管理サーバ1のプロジェクトが上書きされる。一方、別のプロジェクトとして取得する場合には、マスタプロジェクトの複製を編集することになり、編集後のプロジェクトが新規のプロジェクトとして管理サーバ1に登録される。
なお、前記のとおり、選択されたプロジェクトのステータスが他ユーザによる編集モードの場合は、プロジェクトを取得できないので、プロジェクトの取得方法指定に進むことなく処理が中止される。
【0041】
プロジェクトが取得可能である場合、プロジェクト取得部2032は、送受信部22を介して管理サーバ1に接続し、ステップS20で指定されたプロジェクトを要求する(ステップS22)。この要求に応じて、管理サーバ1の情報提供部102は、指定されたプロジェクト情報111を送受信部12を介してコンフィギュレーションノード2に送信する。プロジェクト取得部2032は、受信したプロジェクト情報をプロジェクト情報211として記憶部21に格納する。
【0042】
編集処理部2033は、プロジェクト取得部2032が取得したプロジェクト情報211に対しコンフユーザの指示に応じて各種データの追加、修正、削除などの編集を行う(ステップS23)。編集終了後、編集処理部2033は、このプロジェクト情報211の最終更新日時とリビジョンとを更新する。
以上で、プロジェクト編集部203の処理が終了する。
【0043】
プロジェクト編集後の情報取得部201とプロジェクト登録部202による登録処理は、先に説明した新規登録の場合と同様であるので、詳細な説明は詳細する。
プロジェクト登録部202は、ステップS21においてマスタプロジェクトとして取得する方法が指定された場合、編集されたプロジェクト情報211をマスタプロジェクト情報として管理サーバ1に送信し、別のプロジェクトとして取得する方法が指定された場合、編集されたプロジェクト情報211を新規のプロジェクト情報として管理サーバ1に送信する。これに応じて、管理サーバ1のプロジェクト管理部101は、プロジェクト情報111を上書き又は新規登録する。このプロジェクト情報の上書き又は新規登録の時点で、当該プロジェクトのステータスは編集モード解除となる。
【0044】
以上のように、本実施の形態では、プロジェクト情報とユーザ情報を管理サーバ1で管理し、コンフィギュレーションノード2で作成又は編集したプロジェクトを、複数のユーザ情報の中から選択した許可ユーザに対して割り付けるようにしたので、複数のユーザによるプロジェクトの作成・編集作業を容易に行うことができる。
【0045】
なお、本実施の形態の管理サーバ1とコンフィギュレーションノード2とエンドユーザノード3とは、それぞれCPU、記憶装置および外部とのインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。各々のコンピュータにおいて、本発明のプロジェクト管理方法を実現させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供される。CPUは、記録媒体から読み込んだプログラムを記憶装置に書き込み、プログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
【0046】
また、本実施の形態では、管理サーバ1とコンフィギュレーションノード2とを別の装置として説明したが、管理サーバ1とコンフィギュレーションノード2とを1台の装置、すなわちスタンドアローンのコンピュータで実現してもよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、プログラム等の情報を複数のユーザで作成又は編集できるように管理する技術に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態に係るプロジェクト管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプロジェクト管理システムの管理サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るプロジェクト管理システムのコンフィギュレーションノードの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るプロジェクト管理システムの動作の概略を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係るコンフィギュレーションノードのプロジェクト登録部の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るコンフィギュレーションノードのプロジェクト登録部の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態においてプロジェクトの登録時にコンフィギュレーションノードに表示される登録ウィザード画面を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態において整合性判定後にコンフィギュレーションノードに表示される登録ウィザード画面を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るコンフィギュレーションノードのプロジェクト編集部の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るコンフィギュレーションノードのプロジェクト編集部の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態においてプロジェクトの編集時にコンフィギュレーションノードに表示される取得ウィザード画面を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1…管理サーバ、2…コンフィギュレーションノード、3…エンドユーザノード、4…ネットワーク、10,20…制御部、11,21…記憶部、12,22…送受信部、13,23…入力部、14,24…表示部、100…ユーザ管理部、101…プロジェクト管理部、102…情報提供部、200…プロジェクト作成部、201…情報取得部、202…プロジェクト登録部、203…プロジェクト編集部、2020…整合性判定部、2021…ユーザ指定部、2022…登録処理部、2030…プロジェクト指定部、2031…プロジェクト取得方法指定部、2032…プロジェクト取得部、2033…編集処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアモジュールの情報セットであるプロジェクトとこのプロジェクトの属性情報とユーザ情報とを記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶されている情報を管理する管理手段と、
ユーザの指示に応じてプロジェクトを作成又は編集する作成・編集手段と、
前記作成又は編集された登録対象プロジェクトを前記記憶手段に登録すると共に、このプロジェクトの編集又は利用を許可する許可ユーザを前記ユーザ情報が登録されたユーザの中から選択して、この許可ユーザの情報を前記登録対象プロジェクトの属性情報に設定する登録手段とを備えることを特徴とするプロジェクト管理システム。
【請求項2】
請求項1記載のプロジェクト管理システムにおいて、
前記管理手段は、前記記憶手段に記憶された登録済みプロジェクトをユーザの指示に応じて前記作成・編集手段が編集中の場合は、このプロジェクトのステータスを編集モードに設定して他のユーザによる編集を禁止し、このプロジェクトの前記記憶手段への再登録に応じて前記編集モードを解除することを特徴とするプロジェクト管理システム。
【請求項3】
請求項1記載のプロジェクト管理システムにおいて、
前記登録手段は、前記ユーザ情報が登録されたユーザの一覧を表示し、登録対象プロジェクトを作成又は編集したユーザの指示に応じて前記許可ユーザを選択することを特徴とするプロジェクト管理システム。
【請求項4】
請求項3記載のプロジェクト管理システムにおいて、
前記登録手段は、前記ユーザの一覧と共に、前記プロジェクト属性情報に基づいて、各ユーザが編集又は利用を許可されている登録済みプロジェクトと、前記登録対象プロジェクトの最終更新日時と前記登録済みプロジェクトの最終更新日時との比較結果と、前記登録済みプロジェクトを登録したユーザとを表示することを特徴とするプロジェクト管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプロジェクト管理システムにおいて、
前記プロジェクト属性情報は、少なくともプロジェクト名称、最終更新日時、プロジェクトの変更回数、許可ユーザの情報、編集モード情報を含むことを特徴とするプロジェクト管理システム。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプロジェクト管理システムにおいて、
前記ユーザ情報は、プロジェクトに対するユーザの権限を定めたユーザレベルの情報を含むことを特徴とするプロジェクト管理システム。
【請求項7】
ソフトウェアモジュールの情報セットであるプロジェクトとこのプロジェクトの属性情報とユーザ情報とを記憶手段に記憶させて管理するプロジェクト管理方法において、
ユーザの指示に応じてプロジェクトを作成又は編集する作成・編集ステップと、
前記作成又は編集された登録対象プロジェクトを前記記憶手段に登録すると共に、このプロジェクトの編集又は利用を許可する許可ユーザを前記ユーザ情報が登録されたユーザの中から選択して、この許可ユーザの情報を前記登録対象プロジェクトの属性情報に設定する登録ステップとを備えることを特徴とするプロジェクト管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図8】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−116435(P2009−116435A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285928(P2007−285928)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】