説明

プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置

【課題】 プロセスカートリッジ、画像形成装置の小型化、現像離間リブがダメージを受けにくい構成にすることを目的とする。
【解決手段】 プロセスカートリッジを装置本体に装着した際に、本体側の突出部が作用してプロセスカートリッジ側の現像離間リブを突出させた後、本体側の第1力付与部材が作用してドラムと現像ローラの離間を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真感光体ドラムと電子写真感光体ドラムに作用する現像ローラとを接触離間可能なプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置においては、電子写真感光体ドラム及び電子写真感光体ドラムに作用する現像ローラを一体化して、画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずにユーザー自身で行うことができる。そのため、このプロセスカートリッジ方式は電子写真画像形成装置に広く用いられている。
【0003】
そして、画像形成する際は、現像ローラは所定圧で電子写真感光体ドラム方向に付勢された状態になっている。そして、現像ローラが感光体ドラムに接触して現像する接触現像方式においては、現像ローラの弾性層が感光体ドラム表面に所定圧で接触した状態となっている。
【0004】
そのため、プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着された状態で長時間使用されない場合に、現像ローラの弾性層が変形してしまう場合がある。これによって、現像時に画像のムラが発生する場合がある。また、現像ローラが感光体ドラムに接している為、現像ローラから感光体ドラムへ不用な現像剤が付着する場合がある。また、感光体ドラムと現像ローラとが、現像時以外にも接触して回転している為、感光体ドラムと現像ローラとの摺擦による、感光体ドラム、現像ローラ及び現像剤の劣化が促進される場合がある。
【0005】
上記問題を解決するための構成として、画像形成が行われない場合には、プロセスカートリッジに作用して、電子写真感光体ドラムと現像ローラとを離間させる機構を設けた画像形成装置が提案されている(特許文献1)。
【0006】
特許文献1においては、画像形成装置本体には4個のプロセスカートリッジが取り外し可能に装着されている。それぞれプロセスカートリッジは、感光体ドラムを有する感光体ユニットと、感光体ユニットに揺動可能に設けられた、現像ローラを支持する現像ユニットを有する。そして、画像形成装置本体に設けられた離間板が移動することによって、現像ユニットに設けられた力受け部が離間板から力を受ける。そして、現像ユニットが感光体ユニットに対して移動することで、現像ローラが感光体ドラムと接触した状態から離間した状態に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−167499
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来例において、現像ローラと感光体ドラムとを離間するための力受け部は、現像ユニットの外形から突出している。そのため、ユーザーがプロセスカートリッジを取り扱う際や、プロセスカートリッジを単体で輸送する際に、力受け部がダメージを受けやすい構成であった。また、電子写真感光体ドラムと現像ローラとが接触離間可能なプロセスカートリッジ、及び、プロセスカートリッジを着脱可能な画像形成装置本体の小型化を検討する上で、前記力受け部の存在が、小型化を阻害する要因になることがあった。
【0009】
本発明の目的は、小型化を実現できる、電子写真感光体ドラムと現像ローラとが接触離間可能なプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、電子写真感光体ドラムと現像ローラとが接触離間可能なプロセスカートリッジを取り扱う際や、プロセスカートリッジを単体で輸送する際に、力受け装置がダメージを受けにくい構成のプロセスカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための代表的な構成は、電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像ローラと、
前記電子写真感光体ドラムを支持するドラムフレームと、
前記現像ローラを支持する、前記ドラムフレームに対して移動可能な現像フレームであって、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムと接触する接触位置と、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムと離間する離間位置と、をとり得る現像フレームと、
第1の外力を受ける第1力受け部と、第2の外力を受ける第2力受け部を有する力受け装置であって、前記第2力受け部は前記現像フレームに対して移動可能で、前記第1力受け部が前記第1の外力を受けることによって、動作位置から退避した待機位置から、前記待機位置から突出した動作位置であって前記第2の外力を受けることによって前記現像フレームを前記接触位置から前記離間位置に移動させる為の動作位置に移動し、前記第2力受け部が前記待機位置から前記動作位置に移動する移動量は、前記第1力受け部が前記第1の外力を受けて移動する移動量よりも大きくなるように構成されている力受け装置と、を有することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するための他の代表的な構成は、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、
(a)移動可能に設けられた力付与部材と、
(b)本体当接部と、
(c)装着手段と、
(d)前記装着手段に取り外し可能に装着されたプロセスカートリッジであって、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像ローラと、
前記電子写真感光体ドラムを支持するドラムフレームと、
前記現像ローラを支持する、前記ドラムフレームに対して移動可能な現像フレームであって、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムと接触する接触位置と、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムと離間する離間位置と、をとり得る現像フレームと、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置の装置本体に装着された際に、前記本体当接部から第1の外力を受ける第1力受け部と、前記力付与部材が移動する際に前記力付与部材から第2の外力を受ける第2力受け部を有する力受け装置であって、前記第2力受け部は前記現像フレームに対して移動可能で、前記第1力受け部が前記第1の外力を受けることによって、待機位置から、前記待機位置から突出した動作位置であって前記第2の外力を受けることによって前記現像フレームを前記接触位置から前記離間位置に移動させる為の動作位置に移動し、前記第2力受け部が前記待機位置から前記動作位置に移動する移動量は、前記第1力受け部が前記第1の外力を受けて移動する移動量よりも大きくなるように構成されている力受け装置と、
を有するプロセスカートリッジと
(e)前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、
電子写真感光体ドラムと現像ローラとが接触離間可能なプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置の小型化をおこなうことができる。さらに、前記プロセスカートリッジを取り扱う際や、前記プロセスカートリッジを単体で輸送する際に、電子写真感光体ドラムと現像ローラとを離間する為の力受け装置がダメージを受けにくい構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施例に係る、電子写真画像形成装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る、プロセスカートリッジの断面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る、電子写真画像形成装置の全体構成図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る、プロセスカートリッジ交換を説明する図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る、感光体ドラムの軸線方向からみたプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置本体の部分断面図である。
【図6】本発明の第1実施例に係る、プロセスカートリッジの動作説明図である。
【図7】本発明の第1実施例に係る、プロセスカートリッジの動作説明図である。
【図8】本発明の第1実施例に係る、感光体ドラムの軸線方向からみたプロセスカートリッジの断面図である。
【図9】本発明の第1実施例に係る、プロセスカートリッジの分解斜視図である。
【図10】aは、本発明の第1実施例に係る、駆動側からみたプロセスカートリッジの斜視図である。bは、本発明の第1実施例に係る、非駆動側からみたプロセスカートリッジの斜視図である。
【図11】本発明の第1実施例に係る、駆動側からみたプロセスカートリッジの斜視図である。
【図12】本発明の第2実施例に係る、プロセスカートリッジの動作説明図である。
【図13】本発明の第2実施例に係る、プロセスカートリッジの分解斜視図である。
【図14】本発明の第3実施例に係る、プロセスカートリッジの動作説明図である。
【図15】本発明の第3実施例に係る、プロセスカートリッジの分解斜視図である。
【図16】本発明の第1実施例に係る、電子写真画像形成装置の部分図である。
【図17】本発明の第1実施例に係る、電子写真画像形成装置の斜視図である。
【図18】本発明の第1実施例に係る、押圧部材動作説明図である。
【図19】本発明の第1実施例に係る、第1力付与部材動作説明図である。
【図20】本発明の第1実施例に係る、プロセスカートリッジの力受け装置を示す斜視図である。
【図21】本発明の第1実施例に係る、プロセスカートリッジの第2力受け部材が、第2力付与材に作用し移動した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施例)
本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置について図1〜4を用いて説明する。
【0016】
図1は、複数のプロセスカートリッジ50y,50m,50c、50k(以下、カートリッジ50という)を着脱可能に装着した電子写真画像形成装置(以下、装置本体という)100である。ここで、複数のカートリッジ50は、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色のトナー(現像剤)をそれぞれ収容している。また、図2は、カートリッジ単体の側断面図、図3及び図4は、装置本体100から各カートリッジ50を取り出す際の説明図である。
【0017】
{電子写真画像形成装置の全体構成}
装置本体100は、図1に示すように、レーザースキャナ10により、画像信号に基づいたレーザ光11が各々の電子写真感光体ドラム(以下、感光ドラムという)30y、30m、30c、30k表面に照射されて、静電潜像を形成する。そして静電潜像は各々の現像ローラ42により現像されて、トナー像(現像像)が各感光ドラム30表面に形成される。そして、転写ローラ18y、18m、18c、18kに電圧印加されることによって、感光ドラム30y、30m、30c、30kに形成された各色のトナー像がローラ20〜22に張架された転写ベルト19に順次転写される。その後、転写ベルト19に形成されたトナー像は、搬送手段である給送ローラ1によって搬送された記録媒体Pに、転写ローラ3によって転写される。その後、記録媒体Pは駆動ローラ及びヒータを内蔵した定着ローラから構成される定着ユニット6に搬送される。ここで、記録媒体Pに熱及び圧力を印加することによって、記録媒体Pに転写されたトナー像が定着される。その後、トナー像が定着された記録媒体は、排出ローラ対7によって排出部9に排出される。
【0018】
{プロセスカートリッジの全体構成}
次に本実施例のカートリッジ50について、図1及び図2及び図10を用いて説明する。ここで、各カートリッジ50は、色の異なるトナーTを収納している以外は同じ構成の為、以降はカートリッジ50yを用いて説明する。
【0019】
カートリッジ50yは、感光体ドラム30と、感光体ドラム30に作用するプロセス手段を備えている。ここで、プロセス手段は感光体ドラム30を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ32、感光体ドラム30に形成された潜像を現像する現像手段としての現像ローラ42、感光体ドラム30の表面に残留する残留トナーを除去するためのクリーニング手段としてのブレード33等がある。そして、カートリッジ50yは、ドラムユニット31と、現像ユニット41と、に分かれている。
【0020】
{ドラムユニットの構成}
図2、図10に示すように、ドラムユニット31は、感光体ドラム30、帯電ローラ32、ブレード33、廃トナー収納部35、ドラムフレーム34、カバー部材36、37で構成される。感光体ドラム30の長手方向の一端側は、図9に示すようにカバー部材36の支持部36bで回転可能に支持される。そして、感光体ドラム30の長手方向の他端側は、図10(a)、図10(b)に示すようにカバー部材37の支持部37bで回転可能に支持される。そして、カバー部材36、37は、ドラムフレーム34の長手方向の両端側で、ドラムフレーム34に固定されている。また、図10(a)に示すように、感光体ドラム30の長手方向の一端側には、感光体ドラム30に駆動力を伝達するためのカップリング部材30aが設けられている。カップリング部材30aは、カートリッジ50yが装置本体100に装着された際に、図4,図17に示す第一の本体カップリング部材105と係合する。そして、このカップリング部材30aに装置本体100に設けられた駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達されることによって、感光体ドラム30が図2に示すように、矢印u方向に回転する。また、帯電ローラ32は、感光体ドラム30に対し接触して従動回転できるように、ドラムフレーム34に支持されている。また、ブレード33は、感光体ドラム30の周表面に所定の圧力で当接するように、ドラムフレーム34に支持されている。さらに、カバー部材36、37には、現像ユニット41を揺動(移動)可能に支持するための、支持穴部36a(図9参照)、37a(図10(b)参照)が設けられる。
【0021】
{現像ユニットの構成}
現像ユニット41は、図2、図9に示すように、現像ローラ42、現像ブレード43、現像フレーム48、軸受ユニット45、カバー部材46で構成される。現像フレーム48は、現像ローラ42に供給するトナーを収納するトナー収納部49、及び、現像ローラ42周面のトナーの層厚を規制する現像ブレード43を有する。また、図9に示すように、軸受ユニット45は、現像フレーム48の長手方向一端側に固定され、端部に現像ローラギア69を有する現像ローラ42を回転可能に支持している。さらに、軸受ユニット45には、カップリング部材67から現像ローラギア69へ駆動力を伝達するアイドラギア68が設けられる。そしてカバー部材46は、カップリング部材67、アイドラギア68を覆うように、軸受ユニット45の長手方向の外側に固定されている。さらに、カバー部材46には、円筒部46bがカバー部材46の表面から突出して設けられている。そして、円筒部46bの内側の開口からは、カップリング部材67が露出している。ここで、カップリング部材67は、カートリッジ50yが装置本体100に装着された際に、図17に示す第二の本体カップリング部材106と係合し、装置本体100に設けられた駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達される。
【0022】
{ドラムユニットと現像ユニットの組立}
そして、図9〜図11に示すように、現像ユニット41とドラムユニット31とを組み付ける場合、一端側では支持穴部36aに円筒部46bの外径部を嵌合させ、他端側では支持穴部37aには現像フレーム48から突出して設けられた突出部48bを嵌合させる。そうすることで、現像ユニット41は、ドラムユニット31に対して回転可能に支持されることになる。また、図2に示すように、現像ユニット41は、円筒部46bを回転中心にして、現像ローラ42が感光体ドラム30に接触するように、弾性部材である加圧バネ95により付勢されている。即ち、加圧バネ95の付勢力によって、矢印G方向に現像ユニット41を押圧し、現像ユニット41は円筒部46b及び突出部48bを回転中心にして、モーメントHが働く。そのため、現像ローラ42を感光体ドラム30に所定圧で接触させることができる。このときの現像ユニット41の位置を接触位置とする。
【0023】
本実施例の加圧バネ95は、図10(a)に示すように、感光体ドラム30のカップリング部材30a、現像ローラギア69へ駆動力を伝達するカップリング部材67を設けた長手方向の一端側とは反対側である他端側に設けている。
【0024】
{力受け装置}
図2に示すように、カートリッジ50yには装置本体100内で、現像ローラ42と感光体ドラム30との当接、離間を行うための力受け装置90が設けられる。
【0025】
図6〜図8は、カバー部材36を取り除いたカートリッジ50yを、駆動側からみた側面図である。力受け装置90は、第1力受け部材71、第2力受け部材70から構成される。そして、カートリッジ50yが装置本体100に位置決めされない状況においては、図10(a)に示すようにカートリッジ50yの外形から突出しない位置で第2力受け部材70が待機位置に格納されている。カートリッジ50yが、後述するカートリッジトレイ13によって、装置本体100内へz2方向から進入した後、装置本体100の位置決め部101aに位置決めされる。その際に、第1力受け部材71が、後述する装置本体100に設けられた本体当接部である突出部180によって上方向に押される。即ち、第1力受け部材71が突出部180から第1の外力を受ける。それによって、図11に示すように第2力受部70は待機位置よりも高く突出する。
【0026】
また、図6、図7、図9に示すように、カートリッジ50yが位置決め部101aに位置決めされた状態において、第1力受け部材71は第2力受け部材70よりも下方に設けられている。そして、第1力受け部材71と第2力受部70はリンク機構によって構成されている。よって、第2力受部は回転中心70bを中心とし、第1力受け部材によって長丸穴70aに力を与えられ、回動するように構成されている。
【0027】
回転中心70bと力受け面70cとの間に長丸穴70aを設けることで、レバー比によって図7で示す第1力受け部材71の移動量h1よりも、第2力受け部材70の移動量h2を大きく設定する事が可能となる。ここでの移動量は、鉛直方向、即ち、第1力受け部材71が後述する力付与部材60に近づく方向である。
【0028】
つまり、突出部180を大きくしなくても、h2の移動量を大きくする事ができ、図1に示す装置本体100の小型化が可能になる。尚、力受け装置はカバー部材46に移動可能に支持されている。
【0029】
{電子写真画像形成装置本体の引き出し部材}
次に引き出し部材であるカートリッジトレイ13について説明する。
【0030】
図4に示すように、カートリッジトレイ13は、装置本体100に対して実質的に水平方向であるZ2、Z1方向に直線移動(押し込み/引き出し)可能に設けられている。そして、カートリッジトレイ13は、図1に示す装置本体100内の装着位置と、図4に示す前記装着位置から引き出された引き出し位置と、をとりうる。そして、カートリッジトレイ13が引き出し位置に位置する状態で、図4に示すように、各カートリッジ50が、カートリッジトレイ13に実質的に重力方向である矢印C方向からオペレータにより装着される。そして、各カートリッジ50は、その長手方向(感光ドラム30、現像ローラ42の軸線方向)がカートリッジトレイ13の移動方向と直交する方向となるように、移動方向に並べて配列されている。そして、各カートリッジ50は、カートリッジトレイ13に保持された状態で、カートリッジトレイ13と共に装置本体100内へ進入する。この時、各カートリッジ50は、下方に設けられた中間転写ベルト19と感光体ドラム30と隙間f2(図5)の距離を保った状態で移動する。そして、カートリッジトレイ13が装着位置に位置した際に、各カートリッジ50は、画像形成装置100内に設けられた位置決め部101a(図5及び図17参照)に位置決めされる。位置決め動作の詳細については後述する。したがって、ユーザーは、カートリッジトレイ13を進入させ、ドア12を閉じることにより、各カートリッジ50を装置本体100に確実に装着できる。このため、各カートリッジ50を個別にユーザーが装置本体100内へ装着する構成に対して、操作性が向上する。
【0031】
次に、カートリッジトレイ13の動作を図1,3,4,17を用いて説明する。
【0032】
図17では、カートリッジトレイ13の動作を分かりやすくするためにカートリッジは省略して説明する。
【0033】
カートリッジトレイ13は、トレイ保持部材14に対して引き出し可能に支持されている。そしてトレイ保持部材14は、開閉部材であるドア12の動きに連動して移動する。また、ドア12は装置本体100に回動中心12aを中心にして回転可能に設けられて、図1に示すように開口80を閉じる閉じ位置と、図3に示すように開口80を開放する開放位置と、の間を移動可能である。
【0034】
装置本体100に装着されたカートリッジを取り出す際は、ドア12を閉じ位置から開放位置に移動させる。ドア12が移動するのに伴って、ドア12に設けた係合部15が、回動中心12aを中心に時計回りに移動する。すると、図3に示すように係合部15が、トレイ保持部材14に設けた長穴14c内を下端14c2から上端14c1の方向に移動する。それに伴って、係合部15がトレイ保持部材14をz1方向に移動させる。その際に図4に示すように、トレイ保持部材14から突出した突起14d1、14d2が、装置本体100に設けられたガイド溝107にガイドされる。ガイド溝は、図16に示すように、水平部107a1と、水平部107a1とつながり上方に傾斜する傾斜部107a2、そして傾斜部107a2とつながる水平部107a3から構成される。したがって、ドア12を図1の閉じ位置から図3の開放位置に移動させると、突起14d1、14d2が水平部107a1、傾斜部107a2、水平部107a3の順でガイドされる。したがって、トレイ保持部材14は、z1方向に移動し、さらに、転写ベルト19から離れる方向である矢印y1方向に移動する。この状態でカートリッジトレイ13は、図4に示すように開口80を通り、矢印Z1方向に移動して装置本体100の外部へと引き出すことができる。図17はこの状態の斜視図である。
【0035】
逆に、装置本体100にカートリッジを装着する場合を説明する。図4に示すようにドア12が開放位置に位置する状態で、開口80を通過させ矢印Z2方向にカートリッジトレイ13を装置本体100内へ進入させる。その後、図1に示すようにドア12を閉じ位置に移動させる。ドア12が移動するのに伴って、ドア12に設けた係合部15が、回動中心12aを中心に反時計回りに移動する。すると、図1に示すように係合部15が、トレイ保持部材14に設けた長穴14c内を長穴14cの下端14c2方向に移動する。それに伴って、係合部15がトレイ保持部材14をz2方向に移動させる。したがって、図1に示すようにドア12を閉じ位置に移動させると、突起14d1、14d2(図4参照)が図16に示すように水平部107a3、傾斜部107a2、水平部107a1の順でガイドされる。したがって、図1に示すようにトレイ保持部材14は、z2方向に移動し、さらに、転写ベルト19に近づく方向である矢印y2方向に移動する。
【0036】
{プロセスカートリッジの電子写真画像形成装置本体への位置決め}
次に、カートリッジ50の装置本体100への位置決めについて図5、図17、図18を用いて説明する。ここで、
図17に示すように、装置本体100には各カートリッジ50を位置決めするための位置決め部101aが設けられる。位置決め部101aは、カートリッジの長手方向において転写ベルト19を挟んで各カートリッジ50に対してそれぞれ2箇所設けられている。また、図18(a)、図18(b)に示すように、押圧部材である押圧部材61が、トレイ保持部材14の上方において、装置本体100に設けた支持軸55に支持穴61dが嵌合することで回転可能に支持されている。
【0037】
そして、図18(a)、図18(b)に示すように、ドア12が開放位置から閉じ位置に移動する(X方向)にともなって、押圧部材61が矢印Z方向に移動する。そして、図20に示すように押圧部材61が、ドラムフレーム34の上面部を押圧する。これにより、カートリッジ50yは、図7の矢印P方向に付勢され、ドラムユニット31yに設けた被位置決め部31bが、装置本体100に設けられた位置決め部101aに当接し、カートリッジ50yが位置決めされる。そのほかのカートリッジ50m,50c、50kについても同様に位置決めがおこなわれる。
【0038】
また、ここで、ドア12の動きと連動してカートリッジ50が位置決め部101aに向かってが下降することで、装置本体に設けられた突出部180がカートリッジ50の下側に設けられた第1力受け部材71の力受部71cに当接する。即ち、第1力受け部材71は、カートリッジ50の鉛直方向下側において、突出部180から力を受けることになる。逆に、ドア12が閉じ位置から開放位置に移動する(Y方向)にともなって、押圧部材61は矢印J方向に移動する。そして、図5に示すように押圧部材61が、ドラムフレーム34の上面部から離間する。
【0039】
{電子写真画像形成装置本体の離間機構}
次に、第1力付与部60の動作説明をする。
【0040】
図1、図3に示すように、力付与部材60は、装置本体100の鉛直方向においては、各カートリッジ50の上方に設けられている。また、感光体ドラム30の軸線方向においては、カートリッジ50の長手方向の一端側に設けられた第2力受け部70に係合可能な位置に設けられている。
【0041】
そして、装置本体100に設けた駆動源であるモータ110の駆動力により、ギア111を介してギア112へ動力が伝達される。駆動力が伝達されたギア112は、矢印L方向に回転し、ギア112と一体的に設けられたカム部112aも矢印L方向に回転する。カム部112aは力付与部材60に設けられた移動力受け部60bと係合している。したがって、カム部112aの回転に伴い力付与部材60はE方向またはB方向に移動する。
【0042】
そして、図19(a)に示すように、力付与部材60が矢印E方向へ移動すると、図7に示すように係合リブ60yと力受け部材70とは離間する。したがって、現像ローラ42と感光体ドラム30とは接触した状態にある。このときの現像ユニット41の位置を接触位置とする。
【0043】
そして、図19(b)に示すように、力付与部材60が矢印B方向へ移動すると、図8に示すように係合リブ60yと第2力受け部材70が当接して、第2力受け部材70が係合リブ60yから外力(第2の外力)を受ける。それによって、現像ユニット41を回転中心46bである軸を中心にして回転(移動)させ、現像ローラ42と感光体ドラム30とが離間した状態になる。このときの現像ユニット41の位置を離間位置とする。
【0044】
力付与部材60も押圧部材61と同様に、カートリッジトレイ13によって装置本体100内に進入する各カートリッジ50の上方にカートリッジ50の移動経路に臨んで設けられている。カートリッジ50が装置本体100内に進入する段階では、第2力受け部材70が待機位置に位置する状態(図5)で装着される。したがって、力付与部材60を各カートリッジ50の装着の際に干渉しないところまで、近づけることができ、無駄なスペースを無くすことができる。よって、装置本体100を鉛直方向、カートリッジ50yの長手方向(感光体ドラム30の軸線方向)ともに小型化することができる。
なお、詳細な動作については、後述する。
【0045】
{プロセスカートリッジの電子写真画像形成装置本体への装着、及び、力受け装置動作の説明}
次に、カートリッジ50の装置本体100への装着から、感光体ドラム30と現像ローラ42とが離間するまでの一連の動作について説明する。
【0046】
図4に示すように、各カートリッジ50は、引き出し位置に引き出されたカートリッジトレイ13に対して、カートリッジトレイ13の上面から矢印C方向に装着可能である。
【0047】
次に、カートリッジトレイ13を矢印Z2方向に移動さることによって、各カートリッジ50を、開口80を通過させ、装置本体100内に進入させる。即ち、本実施例においては、水平方向で、かつ、感光体ドラム30の軸線方向に対して交差する方向(略直交する方向)から、各カートリッジ50を装置本体100内に進入させることになる。
【0048】
ここで、図3に示すように、カートリッジ50yは、進入方向(装着方向)においてカートリッジトレイ13に一番下流側に装着されている。即ち、カートリッジ50yは、力付与部材60の各係合リブ60k、60cy、60mの下方を上流側から下流側に向かって通過することになる。
【0049】
仮に第2力受け部材70が突出した状態で進入する場合は、第2力受け部材70が、押圧部材61、力付与部材60と干渉しないように、押圧部材61、力付与部材60を上方に配置することが必要になる。しかし、第2力受け部材70が待機位置にあれば、第2力受け部材70の突出量を考慮することなく、押圧部材61、力付与部材60を各カートリッジ50に近づけることができる。したがって装置本体100の鉛直方向の小型化をすることが可能になる。また、図20に示したように、ドラム軸線方向で、力受け装置90と押圧部材61、力付与部材60とはオーバーラップする位置に設けられるため、カートリッジの長手方向の小型化をすることが可能になる。
【0050】
そして、カートリッジトレイ13を装置本体100内に進入させる際、図5に示すように、力付与部材60と第2力受け部材70との間は、隙間f1が確保されている。また、感光体ドラム30と転写ベルト19との間も隙間f2が確保されている。よって、各カートリッジ50は、装置本体100に干渉することなく進入することができる。
【0051】
その後、図1及び図18(b)に示すようにドア12を閉じ位置に移動させることによって、トレイ保持部材14は転写ベルト19に近づく方向(矢印y2方向)に移動する。その矢印y2方向の移動量の鉛直成分をf2としておく。それによって、各カートリッジ50も転写ベルト19に近づく方向に移動し、感光体ドラム30表面が、転写ベルト19表面に接触する。この状態では、力受け装置90と力付与部材60との間の隙間f1は、図5に示すように隙間f1と隙間f2が足された隙間f1+f2に広がることになる。
【0052】
また、ドア12を閉じ位置に移動させることによって、押圧部材61が移動して、押圧部材61によってドラムフレーム34の上面部が押圧される。これにより、図7に示すように、各カートリッジ50の位置決め部31bが、装置本体100に設けられた位置決め部101aに当接し、各カートリッジ50が装置本体100に位置決めされる。
【0053】
また、各カートリッジ50は、カートリッジトレイ13に設けた回転止め部13a(図17参照)に、図10に示すカバー部材36に設けた軸36dを係合させることで、装置本体100内での、図1矢印a方向への動きを規制される。
【0054】
ここで、力付与部材60は図6に示すように離間させる位置をホームポジションにしているが、それは以下の理由からである。各カートリッジ50が装置本体100に装着されて、画像形成をおこなわない場合は、図8の状態になる。即ち、力付与部材60は矢印B方向に移動し、第2力受け部材70を係合リブ60yが押圧した状態である。この状態で、感光ドラム30と現像ローラ42が離間する。そして、図8に示すように感光ドラム30と現像ローラ42が離間した状態で、カートリッジ50は装置本体100から取り外される。その後、カートリッジ50が再び装置本体100に装着された際は、力付与部材60は、図8に示した位置なので、図6に示すように第2力受け部材70が待機位置から移動する際にリブ60yに当接することになる。従って図6に示すように、第1力受け部材71に弾性部71bを一体的に設けることによって、第2力受け部材70が係合リブ60yと当接して移動が規制された分を吸収することができる。したがって、第2力受け部材70の移動が規制されても、力受け装置90が破損することはない。
【0055】
そして、力付与部材60が、図6の状態から図7に示すように矢印E方向する移動すると、第2力受け部材70は更に、カートリッジ50yの外方に移動して、係合リブ60yの移動経路内に進入することになる。このときの第2力受け部材70の位置を、突出位置(動作位置)とする。即ち、第2力受け部材70は突出位置において、当然、前述の待機位置よりも高く突出することになる。また、突出位置での第2力受け部材70の突出量は、力付与部材60と係合するためには、少なくとも隙間f1+f2よりも大きくする必要がある。そして、この力付与部材60の動作は、カートリッジ50が装置本体100に装着された後に、画像形成に入る前のタイミングでおこなわれる。
【0056】
次に、図8に示すように、力付与部材60が矢印B方向に移動することで、移動経路内に進入した第2力受け部材70の第2被押圧部である側面70cが係合リブ60y3から外力(第2の外力)を受ける。それによって、現像ユニット41は、回転中心46bである軸を中心にして回転(移動)し、現像ローラ42は感光体ドラム30から隙間αだけ離間する。ここで、第2力受け部材70は、突出位置において力付与部材60から外力(第2の外力)を受ける。即ち、仮に力付与部材がプロセスカートリッジ方向に移動し、現像ユニットに係合して現像離間をおこなう構成に比べて、現像ユニット41の回転中心46bである軸からの距離を大きくとることができる。したがって、現像ローラ42と感光体ドラム30を離間する為の駆動トルクを小さくすることが可能になる。
【0057】
また、本実施例では弾性部71bを第1力受け部材71に設けたが、前述の位置変動を吸収できれば他の場所でも良いく、弾性を有する別部材を設けても良い。例えば第2力受け部材70と第1力受け部材71の間、或いは第2力受け部材70を弾性体で構成して自らが変形する事で位置変動を吸収しても良い。
【0058】
次に、画像形成をおこなう際は、現像ローラ42と感光体ドラム30とを接触させる為に、力付与部材60を矢印E方向に移動させる。これにより図7に示すように、第2力受け部材70が係合リブ60yから力を受けない状態になる。したがって、現像ユニット41とドラムユニット31との間に設けられたバネ95の付勢力によって、現像ローラ42と感光体ドラム30とが接触して各カートリッジ50が画像形成可能な状態になる。この時、現像ローラ42と感光体ドラム30とが接触する前に、感光体ドラム30は回転し、また、現像ローラ42も、装置本体100からの駆動力をカップリング部67で受け回転をする。これは、図10(a)に示すように、円筒部46bと同軸に、カップリング部67を設け、円筒部46bを中心に現像ユニット41が移動した場合であっても、カップリング部67位置を変えない構成にしたために可能となった。このように、現像ローラ42と感光体ドラム30とが接触する前に、感光体ドラム30と現像ローラ42を回転させている。このため、現像ローラ42と感光体ドラム30とが接触するときに、感光体ドラム30と現像ローラ42とのそれぞれの周面の速度差を少なくできるので、感光体ドラム30及び現像ローラ42が消耗するのを少なくできる。そして、画像形成が終了した際は、前述したように力付与部材60が矢印B方向に移動することで、現像ローラ42と感光体ドラム30とを離間させる。そして離間した後に、現像ローラ42と感光体ドラム30は回転を停止する。このため、同様に感光体ドラム30と現像ローラ42とのそれぞれの周面の速度差を少なくできるので、感光体ドラム30及び現像ローラ42が消耗するのを少なくできる。したがって、結果として画像品質をより向上させることができる。
【0059】
次に、カートリッジ50を装置本体100への装着から取り出す際の動作について説明する。
【0060】
ドア12を閉じ位置から開放位置に移動させるにともなってトレイ保持部材14が図3、図4に示すように転写ベルト19から離れる方向に上げられる。これにより、カートリッジ50が持ち上げられ、感光体ドラム30は転写ベルト19から離れる。また、前述したように、押圧部材61が図5のJ方向に回転し、押圧部材61はドラムユニットから離間する。即ち、突出部180と第1力受け部材71とが離間するので、第2力受け部材70を突出する力もなくなる。
【0061】
そして、第2力受け部材70は、図21に示すように、カートリッジ当接部である斜面70y2と第2の力付与部材60の斜面60y2と接触し、カートリッジが引き出される際に斜面の分力により、軸70aを中心に待機位置(非動作位置)に戻る事が出来る。尚、後述で示す他の実施形態のようにバネを設けて戻り力を発生させ第2力受け部材を元の位置に戻すように構成しても良いが第1の実施例においては最も部品点数を少なく構成した例として、前述のバネを設けない構成を示した。
【0062】
以上説明したように、現像ユニット41を移動させるための第2力受け部材70を、カートリッジ50が装置本体100内に装着され、ドア12が閉じ位置に移動した際に、現像ユニット41から外方に突出させるように構成した。したがって、カートリッジ50を小さく構成することができる。また、第2力受け部材70が待機位置にある状態で装着されるので、装置本体100は、各カートリッジ50の移動のために必要な空間の領域は小さくてすむ。即ち、開口80の大きさを小さくすることができ、また、力付与部材60を各カートリッジ50に近づけることができる。したがって装置本体100を鉛直方向に小型化することができる。また、図20に示したように、ドラム軸線方向において力受け装置90と押圧部材61、力付与部材60とはオーバーラップする位置に設けられるため、カートリッジの長手方向の小型化をすることが可能になる。
【0063】
また、各カートリッジ50をユーザーが取り扱う際や、単体で輸送する際に、第2力受け部材70が待機位置にあるので、第2力受け部材70がダメージを受けにくく、破損することを防ぐことができる。
【0064】
本実施例では突出部180の位置をカートリッジの下方の装置本体に設けたが、カートリッジの装着過程で第1力受け部材71と当接すればどこでも良い。また、突出部180の形状も力受け部71cに当接し、第1力受け部材71が移動できれば良い。したがって、力受け部71cをカバー部材46から突出させても良い。その際は、カートリッジ50yには装置本体100内に装着される過程において、装置本体100に当接することのないように、力受け部71cの突出量を設定する必要がある。
【0065】
(第2実施例)
次に他の実施例について図12〜図13を用いて説明する。
【0066】
第1力受け部471cを有する第1レバー部材471と、第2力受け部470cを有する第2レバー部材470と噛合うギア部材472を設けている。この構成によって、第1レバー部材の移動量以上に、第2レバー部材の移動量を増幅させることができる。
【0067】
ギア部材472は段ギアとなっており、第1レバー部材471と噛合うギアの歯数n1と第2レバー部材470と噛合うギアの歯数をn2としn2>n1とすると移動量の増幅が可能となる。具体的な動作について説明すると、
図12(a)で示すようにカートリッジ挿入途中では第2レバー部材470はカートリッジ内部に退避状態である。そしてカートリッジ450が画像形成装置本体101の位置決め部101aに位置決めされる際に、第1力受け部471cが突起180から外力(第1の外力)を受ける。そして、第1力受け部471cがF2方向に上昇することで、ギア部材472が回転し、この回転力によって第2レバー部材470が上昇する。そして、カートリッジが装着部101aに位置決めされた際に、第2レバー部材470は図12(b)に示すように突出位置に位置する。突出位置においては、第1の実施形態と同様に、レバー部材470の第2力受け部470cは係合リブ60y3から外力(第2の外力)を受ける。
【0068】
また、本構成においては常に第2レバー部材470が待機位置に戻るようにコイルバネ473を設けている。その理由は斜面60y1の分力だけで470cを元の位置に戻す事が設計上困難な場合を想定したためである(例えばカートリッジを引き出す力が増す場合など)。したがって、第1の実施例のように、設計上コイルバネ473を省略しても良い。
【0069】
本実施例ではコイルバネを設けた場合について説明していく。この場合、レバー部材471と一体的に構成された弾性部471bの力よりも小さい力でないと第1力受け部材は移動出来なくなってしまうため、コイルバネ473で発生する力F1、弾性部471bで発生する力F2とすると
F1<F2
となるように決定すれば良い。
【0070】
尚、本実施例においては、軸受ユニット445と一体的に固定されるカバー部材446にギア部材472を回転可能に支持し、その後、第2レバー部材470、次いで、第1レバー部材471を噛合わせて組立てるように構成されている。また、装置本体の形状は第1の実施形態と同一であり、離間動作に必要な力受け部は第2レバー部材470の先端470c部である。その他は、第1の実施形態と同様である。
【0071】
以上のように、本実施例で示した力受け装置は、第1実施例と同様の効果を得ることが出来る。また、本実施例の構成にする事で、ギア比を変えることで第2レバー部材470の移動量を容易に変えることが出来る。
【0072】
また、本実施例においても前述と同様にカートリッジを引き出す際に斜面60y2と第2力受け部材470が接触して引き出される事で、矢印F1の方向に移動して、格納されるため、戻しばね473を省略することも可能である。
【0073】
(第3実施例)
次に第3実施例について本実施例は、第1力受け部材をドラムユニット531に設けた場合について図14,図15を用いて説明する。まず組立方法を説明する。本実施例において第1力受け部材571はドラムユニット531に組込み、第2力受け部材570及びロッド部材574はカバー部材546に組込まれている。その後軸受部材545と結合され、最後に各ユニットはカバー部材536を用いて結合され、組立完了である。
【0074】
さらに詳細に図14〜15を用いて説明する。図14に示すように、本実施例では装置本体に本体当接部である突出部5180をドラムユニットと対向する側に設けている。また、同様に第1力受け部材571もこれに応じてドラムユニット531に構成している。
【0075】
ドラムユニットには第1力受け部571cを有する第1力受け部材571が移動可能に設けられている。また、ロッド571と当接して回動中心574aを中心に移動する、ロッド部材574が設けられている。さらに、これと長丸穴570bで係合し、回転中心を570aとする第2力受け部材570が現像ユニット側に設けられている。
【0076】
そしてカートリッジ550が画像形成装置本体101の位置決め部101aに位置決めされる際に、第1力受け部571cが突起5180から外力(第1の外力)を受ける。そして、本構成において図14(b)で示すように第1力受け部材571が矢印l方向に移動することでロッド部材574は矢印m方向(時計周り方向)に回転し、次いで第2力受け部材570は回転中心を570aとして矢印n方向に上昇する。ここで長丸穴570bは離間時の回動中心と同心状となっているため、現像ユニット541が離間動作に入った時でもロッド部材574に力が掛かることが無い構成としている。また、本実施例においても戻しばね573を設けているが、設計方法によっては省略することも可能である。
【0077】
本実施例においても、リンク機構のレバー比を適切に選択することで
第2力受け部材の移動量>第1力受け部材の移動量 を実現させることが出来る。
【0078】
また、本実施例においても前述と同様にカートリッジを引き出す際に斜面60y2と第2力受け部材570が接触して引き出される事で、矢印nと反対の方向に移動して、格納されるため、戻しばね573を省略することも可能である。
【符号の説明】
【0079】
12 ドア
13 カートリッジトレイ
14 トレイ保持部材
15 係合部
19 転写ベルト
30 電子写真感光体ドラム
31 ドラムユニット
36 カバー部材
37 カバー部材
41 現像ユニット
42 現像ローラ
50 プロセスカートリッジ
55 支持軸
60 第1力付与部材
61 押圧部材
62 連結部材
67 カップリング部材
68 ギア
69 現像ローラギア
70 第2力受け部材
71 第1力受け部材
80 開口
90 力受け装置
95 加圧バネ
100 電子写真画像形成装置本体
101a 位置決め部
105 第1のカップリング部材
106 第2のカップリング部材
110 モータ
111 ギア
112 ギア
112a カム部
470 第2のレバー部材
471 第1のレバー部材
570 第2力受け部材
571 第1力受け部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像ローラと、
前記電子写真感光体ドラムを支持するドラムフレームと、
前記現像ローラを支持する、前記ドラムフレームに対して移動可能な現像フレームであって、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムと接触する接触位置と、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムと離間する離間位置と、をとり得る現像フレームと、
第1の外力を受ける第1力受け部と、第2の外力を受ける第2力受け部を有する力受け装置であって、前記第2力受け部は前記現像フレームに対して移動可能で、前記第1力受け部が前記第1の外力を受けることによって、待機位置から、前記待機位置から突出した動作位置であって前記第2の外力を受けることによって前記現像フレームを前記接触位置から前記離間位置に移動させる為の動作位置に移動し、前記第2力受け部が前記待機位置から前記動作位置に移動する移動量は、前記第1力受け部が前記第1の外力を受けて移動する移動量よりも大きくなるように構成されている力受け装置と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記力受け装置は、前記第1力受け部を有する第1レバー部材と、前記第1レバー部材と噛合って回転するギア部材と、前記ギア部材と噛合って移動する、前記第2力受け部を有する第2レバー部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記力受け装置は、回転中心を中心に回転するレバー部材であって、一端側に前記第1力受け部を有し、他端側に前記第2力受け部を有することを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記第1力受け部は、前記ドラムフレームに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記力受け装置は、前記現像フレームに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記第1力受け部は、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記装置本体に当接して前記第1の外力を受けることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記第2力受け部は、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記装置本体に移動可能に設けられた力付与部材から前記第2の外力を受けることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記第1力受け部は、前記プロセスカートリッジの鉛直方向下側において、前記装置本体に当接して前記第1の外力を受けることを特徴とする請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に位置決めされた状態において、前記第1力受け部は、前記第2力受け部よりも下方に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記プロセスカートリッジは、水平方向、かつ、前記電子写真感光体ドラムの軸線方向と交差する方向から、前記電子写真画像形成装置本体に設けられた開口を通過させて前記装置本体に着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
前記プロセスカートリッジは、前記装置本体に移動可能に設けられた引き出し部材であって、前記装置本体の内側の装着位置と、前記装着位置から引き出された、前記プロセスカートリッジを装着可能な引き出し位置と、をとり得る引き出し部材に前記引き出し位置において装着可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項12】
前記力受け部材は、前記待機位置においては前記プロセスカートリッジが前記装置本体に進入することを可能にし、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記待機位置から前記動作位置に移動することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項13】
前記ドラムフレームと前記現像フレームとは、回転中心を中心にして移動可能に設けられ、前記動作位置において前記力受け部材は前記待機位置よりも前記回転中心から離れた位置まで移動することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項14】
前記力受け装置は、前記力付与部材に近づく方向において、前記第2力受け部の移動量が、前記第1力受け部の移動量よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項15】
前記ドラムフレームは、カバー部材を介して前記感光体ドラムを回転可能に支持することを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項16】
前記現像フレームは、軸受けを介して前記現像ローラを回転可能に支持することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項17】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、
(a)移動可能に設けられた力付与部材と、
(b)本体当接部と、
(c)装着手段と、
(d)前記装着手段に取り外し可能に装着されたプロセスカートリッジであって、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する現像ローラと、
前記電子写真感光体ドラムを支持するドラムフレームと、
前記現像ローラを支持する、前記ドラムフレームに対して移動可能な現像フレームであって、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムと接触する接触位置と、前記現像ローラが前記電子写真感光体ドラムと離間する離間位置と、をとり得る現像フレームと、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置の装置本体に装着された際に、前記本体当接部から第1の外力を受ける第1力受け部と、前記力付与部材が移動する際に前記力付与部材から第2の外力を受ける第2力受け部を有する力受け装置であって、前記第2力受け部は前記現像フレームに対して移動可能で、前記第1力受け部が前記第1の外力を受けることによって、待機位置から、前記待機位置から突出した動作位置であって前記第2の外力を受けることによって前記現像フレームを前記接触位置から前記離間位置に移動させる為の動作位置に移動し、前記第2力受け部が前記待機位置から前記動作位置に移動する移動量は、前記第1力受け部が前記第1の外力を受けて移動する移動量よりも大きくなるように構成されている力受け装置と、
を有するプロセスカートリッジと
(e)前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項18】
前記第1力受け部は、前記プロセスカートリッジの鉛直方向下側において、前記本体当接部に当接して前記第1の外力を受けることを特徴とする請求項17に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項19】
前記プロセスカートリッジは、水平方向、かつ、前記電子写真感光体ドラムの軸線方向と交差する方向から、前記電子写真画像形成装置の装置本体に設けられた開口を通過させて前記装置本体に着脱可能であることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項20】
前記プロセスカートリッジは、前記装置本体に移動可能に設けられた引き出し部材であって、前記装置本体の内側の装着位置と、前記装着位置から引き出された、前記プロセスカートリッジを装着可能な引き出し位置と、をとり得る引き出し部材に前記引き出し位置において装着可能であることを特徴とする請求項17乃至請求項19のいずれかに記載の電子写真画像形成装置。
【請求項21】
前記力受け部材は、前記待機位置においては前記プロセスカートリッジが前記装置本体に進入することを可能にし、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記待機位置から前記動作位置に移動することを特徴とする請求項17乃至請求項20のいずれかに記載の電子写真画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−92077(P2010−92077A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14496(P2010−14496)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【分割の表示】特願2008−162311(P2008−162311)の分割
【原出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】