説明

プロテインキナーゼ阻害剤としての化合物および組成物

本発明は、新種の化合物、上記化合物を含む医薬組成物および上記化合物を用いることにより、キナーゼ活性の異常または調節障害に関連した疾病または障害、特にAb1、BCR−Ab1、Bmx、CSK、TrkB、FGFR3、Fes、Lck、B−RAF、C−RAF、MKK6、SAPK2αおよびSAPK2βキナーゼの異常な活性化を伴う疾病または障害を処置または予防する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
関連出願の引用
本願は、35U.S.C.§119(e)のもと、2004年8月26日付け米国非仮特許出願(出願番号はまだ割当てられていない)および2003年8月28日付け出願の米国仮特許出願番号第60/498532号に対する優先権の利益を主張している。先行出願の開示内容については、出典明示により援用する。
【0002】
発明の分野
本発明は、キナーゼ活性の異常または調節障害に関連した疾病または障害、特にAb1、BCR−Ab1、Bmx、CSK、TrkB、FGFR3、Fes、Lck、B−RAF、C−RAF、MKK6、SAPK2αおよび/またはSAPK2βキナーゼの異常な活性化を伴う疾病または障害を処置または予防するための新種の化合物、上記化合物を含む医薬組成物および上記化合物の使用方法を提供する。
【0003】
背景
プロテインキナーゼは、広く多様な細胞過程の調節および細胞機能全体にわたる制御の維持において中心的な役割を演じるタンパク質の大きなファミリーを代表する。これらのキナーゼの部分的な非制限的リストには、受容体チロシンキナーゼ、例えば神経成長因子受容体、trkB、および線維芽細胞成長因子受容体、FGFR3、非受容体チロシンキナーゼ、例えばAb1および融合キナーゼBCR−Ab1、Lck、Csk、Fes、Bmxおよびc−src、およびセリン/トレオニンキナーゼ、例えばc−RAF、sgk、MAPキナーゼ(例、MKK4、MKK6など)、SAPK2αおよびSAPK2βが含まれる。異常なキナーゼ活性は、良性および悪性増殖性疾患ならびに免疫および神経系の不適切な活性化に起因する疾患を含む多くの疾患状態において観察されている。
【0004】
本発明の新規化合物は、1種またはそれ以上のプロテインキナーゼの活性を阻害するため、キナーゼ関連疾患の処置において有用であると期待される。
【0005】
発明の要約
一態様において、本発明は、式(I)
【化1】

[式中、
Wは、CHおよびNから選択され、
Yは、C、SおよびS(O)から選択され、
Zは、−Y(O)NR−および−NRY(O)−から選択される二価基であって、Yは、C、SおよびS(O)から選択され、Rは水素およびC1−12アルキルから選択されるものとし、
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよび−NRから選択され、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され、Rは、C6−10アリール、C5−10ヘテロアリール、C3−12シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択されるか、またはRおよびRは、RおよびRの両方が結合している窒素と一緒になって、C3−8ヘテロシクロアルキルまたはC5−10ヘテロアリールを形成し、RまたはRおよびRの組み合わせのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XNR、−XC(O)NR、−XC(O)NRXOR、−XS(O)0−2NR、−XS(O)0−2、−XNRS(O)0−2、−XNRC(O)R、−XNRSR、−XP(O)NR、−XCR(OR)R、−XOC(O)R、−XORおよび−XORから選択される1〜3個の基により置換され得、Xは結合またはC1−12アルキレンであり、Rは、独立して水素およびC1−6アルキルから選択され、Rは、C6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択されるものとし、
は、水素およびC1−6アルキルから選択され、
は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、メルカプト、ハロ、ニトロおよびシアノから選択され、
nは、0、1または2であり、
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−12アルコキシ、ハロ−置換−C1−12アルコキシおよび−XR10から選択され、Xは、結合またはC1−6アルキレンであり、R10は、C6−10アリール、C5−10ヘテロアリール、C3−12シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され、R10のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される基により置換されていてもよく、
mは、1、2または3であり、フェニル環AおよびBは、独立して、−N=により置換された4個以下の−C=基を有し得るものとする]
で示される化合物、ならびにそのN−酸化物誘導体、プロドラッグ誘導体、保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物、および上記化合物の医薬上許容される塩および溶媒和物(例、水和物)を提供する。
【0006】
第2の態様において、本発明は、1種またはそれ以上の適切な賦形剤と混合した形で、式(I)の化合物またはそのN−酸化物誘導体、個々の異性体および異性体混合物、またはその医薬上許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0007】
第3の態様において、本発明は、キナーゼ活性、特にAb1、BCR−Ab1、Bmx、CSK、TrkB、FGFR3、Fes、Lck、B−RAF、C−RAF、MKK6、SAPK2αおよび/またはSAPK2β活性の阻害により、疾患の病状および/または総合的症状が予防、阻止または改善され得る、ヒトを含む動物における疾患の処置方法であって、式(I)の化合物またはそのN−酸化物誘導体、個々の異性体および異性体混合物、またはその医薬上許容される塩の治療有効量を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0008】
第4の態様において、本発明は、キナーゼ活性、特にAb1、BCR−Ab1、Bmx、CSK、TrkB、FGFR3、Fes、Lck、B−RAF、C−RAF、MKK6、SAPK2αおよび/またはSAPK2β活性が、疾患の病状および/または総合的症状の一因である、動物における疾患を処置するための医薬の製造における式(I)の化合物の使用に関するものである。
【0009】
第5の態様において、本発明は、式(I)の化合物およびそのN−酸化物誘導体、プロドラッグ誘導体、保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物、およびその医薬上許容される塩の製造方法を提供する。
【0010】
発明の詳細な記載
(定義)
一つの基として、および他の基、例えばハロ置換アルキルおよびアルコキシの構造成分としての「アルキル」は、直鎖または分枝状であり得る。C1−4−アルコキシには、メトキシ、エトキシなどがある。ハロ置換アルキルには、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどがある。特記しない場合、「アルキル」は、所望により−O−により中断されているかまたは所望により−OHにより置換され得る。
【0011】
「アリール」は、6〜10個の環炭素原子を含む単環式または縮合二環式芳香族環集合体を意味する。例えば、アリールは、フェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。「アリーレン」はアリール基から誘導された二価基を意味する。「ヘテロアリール」は、環構成員の1個またはそれ以上がヘテロ原子であるアリールとして定義される。例えば、ヘテロアリールには、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾ−イミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニルなどがある。
【0012】
「シクロアルキル」は、示された数の環原子を含む飽和または部分不飽和、単環式、縮合二環式または架橋多環式環集合体をいう。例えば、C3−10シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがある。「ヘテロシクロアルキル」は、本願で定義されているシクロアルキルであって、示された環炭素の1個またはそれ以上が、−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−(式中、Rは、水素、C1−4アルキルまたは窒素保護基である)から選択される部分により置換されているものをいう。例えば、本発明化合物を記載するのに本願で使用されているC3−8ヘテロシクロアルキルには、モルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカ−8−イルなどがある。
【0013】
「ハロゲン」(またはハロ)は、好ましくはクロロまたはフルオロを表すが、ブロモまたはヨードでもあり得る。
【0014】
「処置する」、「処置の」および「処置」は、病気および/またはそれに付随する症状を緩和または軽減する方法をいう。
【0015】
好ましい実施態様の記載
融合タンパク質BCR−Ab1は、Ab1プロト−オンコジーンをBcr遺伝子と融合させた相互転座の結果である。従って、BCR−Ab1は、マイトジェン活性の増加を通じてB細胞を形質転換し得る。この増加により、アポトーシスに対する感受性が低減化し、CML始原細胞の接着および回帰が改変される。本発明は、キナーゼ関連疾患、特にAb1、BCR−Ab1、Bmx、CSK、TrkB、FGFR3、Fes、Lck、B−RAF、C−RAF、MKK6、SAPK2αおよび/またはSAPK2βキナーゼ関連疾患の処置についての化合物、組成物および処置方法を提供する。例えば、白血病およびBCR−Ab1に関連した他の増殖性疾患は、BCR−Ab1の野生型および突然変異形態の阻害を通して処置され得る。
【0016】
一実施態様では、式(I)の化合物に関して、WはNであり、YはCであり、Zは−C(O)NR5−および−NRC(O)−から選択される二価基であって、Rは水素およびC1−6アルキルから選択される。
【0017】
別の実施態様では、は、水素、ハロ、ヒドロキシおよび−NRから選択され、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され、RはC6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択されるか、またはRおよびRは、RおよびRの両方が結合している窒素と一緒になって、C3−8ヘテロシクロアルキルを形成し、RまたはRおよびRの組み合わせのアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XNR、−XC(O)NR、−XC(O)NRXOR、−XS(O)NR、−XSR、−XNRS(O)、−XNRC(O)R、−XOC(O)R、−XORおよび−XORから選択される1〜3個の基により置換され得、Xは結合またはC1−6アルキレンであり、Rは水素またはC1−6アルキルであり、RはC6−10アリールである。
【0018】
さらなる実施態様では、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され、RはC1−6アルキルであり、nは1であり、そしてRは、ハロ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよび−XR10から選択され、Xは結合またはC1−6アルキレンであり、R10はC5−10ヘテロアリールおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され、R10のヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルは、所望によりC1−6アルキルにより置換されていてもよく、そしてmは1、2または3である。
【0019】
別の実施態様において、Zは、−C(O)NH−および−NHC(O)−から選択される二価基である。
【0020】
別の実施態様では、Rは、水素、ハロ、ヒドロキシおよび−NHRから選択され、Rはフェニルおよびピリジニルから選択されるか、またはRおよびRは、RおよびRの両方が結合している窒素と一緒になってモルホリノを形成し、RまたはRおよびRの組み合わせのアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジメチルアミノ、アミノ、アミノカルボニル、メチル−アミノカルボニル、アミノスルホニル、1−ヒドロキシ−エチル、ヒドロキシメチル、アセトキシ−メチル、メチル−スルファニル、フェノキシ、メチル−カルボキシ−メチル、ブチル−アミノ−スルホニル、メチル、イソプロペニル、メトキシ−エチル−アミノ−カルボニル、1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル、メチル−スルホニル−アミノおよびメチル−カルボニル−アミノから選択される1〜3個の基により置換され得、そしてRは水素またはメチルである。
【0021】
さらなる実施態様では、Rは、ハロ、トリフルオロメチルおよび−XR10から選択され、Xは結合またはメチレンであり、R10は、イミダゾリル、ピペラジニルおよびモルホリノから選択され、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルは所望によりメチルにより置換されていてもよい。
【0022】
本発明の好ましい化合物は、4−(3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [3−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド; 4−(4−トリフルオロメチル−1−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−スルファモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−スルファモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−フェニル]−アミド; 4−ヒドロキシ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(4−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 酢酸 3−(7−{2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニルカルバモイル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−ベンジルエステル; ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [3−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド; 4−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド; 4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [3−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド;
【0023】
4−(3−ブロモ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [3−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド; 4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−ブロモ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−メチルスルファニル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(ピリジン−3−イルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−フェノキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−ブチルスルファモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−フルオロ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−m−トリルアミノ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−シアノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 酢酸 3−(7−{2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニルカルバモイル}−7H−シクロペンタピリミジン−4−イルアミノ)−ベンジルエステル; 4−(3−イソプロペニル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−[3−(2−メトキシ−エチルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−[3−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−フェニル]−アミド; 4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−ヒドロキシ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−アセチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−スルファモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド;
【0024】
4−(4−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−メチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−アセチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−モルホリン−4−イル−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−モルホリン−4−イル−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−フェニル]−アミド; 4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 (3−{[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−メチル}−フェニル)−アミド; および 4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−3−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミドから選択される。
【0025】
式(I)のさらなる好ましい化合物は、下記実施例および表1で詳述されている。
【0026】
薬理学および有用性
本発明化合物は、プロテインチロシンキナーゼ活性をモジュレーションし、それら自体、Ab1、BCR−Ab1、Bmx、CSK、TrkB、FGFR3、Fes、Lck、B−RAF、C−RAF、MKK6、SAPK2αおよびSAPK2βキナーゼ活性が疾病の病状および/または総合的症状の一因となる疾病または障害の処置に有用である。
【0027】
エイブルソンチロシンキナーゼ(すなわち、Ab1、c−Ab1)は、細胞周期の調節、遺伝子傷害性ストレスに対する細胞性応答、およびインテグリンシグナリングを通した細胞環境についての情報の伝達に関与している。全体的にみて、Ab1タンパク質は、様々な細胞外および細胞内発生源からのシグナルを統合し、細胞周期およびアポトーシスに関する決定に影響を及ぼす細胞モジュールとしての複雑な役割を果たすと思われる。エイブルソンチロシンキナーゼは、サブタイプ誘導体、例えばチロシンキナーゼ活性の調節障害を伴うキメラ融合体(腫瘍タンパク質)BCR−Ab1またはv−Ab1を含む。BCR−Ab1は、慢性骨髄性白血病(CML)の95%および急性リンパ性白血病の10%の発病における重大な要因である。STI−571(グリーベック)は、発癌性BCR−Ab1チロシンキナーゼの阻害剤であり、慢性骨髄性白血病(CML)の処置に使用される。しかしながら、CMLの急性転化段階にある患者の中には、BCR−Ab1キナーゼにおける突然変異故にSTI−571に対して耐性を示す場合もある。22の突然変異において、現在までのところ、最もよく見られるのはG250E、E255V、T315I、F317LおよびM351Tであることが報告されている。
【0028】
本発明化合物は、ab1キナーゼ、特にv−ab1キナーゼを阻害する。本発明化合物はまた、野生型BCR−Ab1キナーゼおよびBCR−Ab1キナーゼの突然変異体を阻害するため、Bcr−ab1陽性癌および腫瘍疾患、例えば白血病(特に慢性骨髄性白血病および急性リンパ芽球性白血病、この場合特にアポトーシス作用機序が見出される)の処置に適切であり、また白血病性幹細胞のサブグループに対する効果ならびにこれらの細胞の除去(例えば骨髄除去)後における上記細胞のインビトロ精製および癌細胞を取り除いた後の細胞の再移植(例えば、精製骨髄細胞の再移植)についての可能性を示している。
【0029】
ニューロトロフィン受容体のtrkファミリー(trkA、trkB、trkC)は、ニューロンおよび非ニューロン組織の生存、成長および分化を促進する。TrkBタンパク質は、小腸および結腸における神経内分泌型細胞、膵臓のアルファ細胞、リンパ節および脾臓の単球およびマクロファージ、および表皮の顆粒層において発現される(Shibayamaおよび Koizumi、1996)。TrkBタンパク質の発現は、ウィルムス腫瘍および神経芽細胞腫の好ましくない進行と関連している。さらに、TkrBは、正常細胞ではなく癌性前立腺細胞で発現される。trk受容体のシグナリング経路下流は、Shc、活性化Ras、ERK−1およびERK−2遺伝子を通したMAPK活性化のカスケード、およびPLC−gammal変換経路を含む(Sugimoto et al.、2001)。
【0030】
Tecファミリーキナーゼ、Bmx、非受容体タンパク質−チロシンキナーゼは、哺乳類上皮癌細胞の増殖を制御する。
【0031】
線維芽細胞成長因子受容体3(FGFR3)は、骨の成長に対する負の調節効果および軟骨細胞増殖の阻害作用を有することが示された。死に至る形成異常は、線維芽細胞成長因子受容体3における種々の突然変異により誘発され、そして一突然変異体、TDIIFGFR3は、転写因子Stat1を活性化して、細胞周期阻害剤の発現、成長抑止および異常な骨発達をまねく構成的チロシンキナーゼ活性を有する(Su et al.、Nature、1997、386、288−292)。FGFR3はまた、多発性骨髄腫型癌で発現されることが多い。
【0032】
Lckは、T細胞シグナリングにおいてある一定の役割を演じる。Lck遺伝子を欠くマウスの場合、胸腺細胞発生能力が不十分である。T細胞シグナリングの正の活性化因子としてLckが機能することは、Lck阻害剤が自己免疫疾患、例えば慢性関節リウマチの処置に有用であり得ることを示唆している。
【0033】
JNKは、他のMAPKと一緒になって、癌、トロンビン誘導血小板凝集、免疫不全疾患、自己免疫疾患、細胞死、アレルギー、オステオポローシスおよび心臓病に対する細胞性応答の伝達においてある一定の役割を有すると考えられる。JNK経路の活性化に関連した治療標的には、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性関節リウマチ、喘息、変形性関節症、虚血、癌および神経変性疾患が含まれる。肝臓病または肝臓虚血症状の発現に関してJNK活性化が重要であることから、本発明化合物はまた様々な肝臓疾患を処置するのにも有用であり得る。また、JNKが様々な心臓ストレス形態に対する肥大応答を伝達することが示されたため、心臓血管疾患、例えば心筋梗塞またはうっ血性心不全におけるJNKについての役割も報告されている。JNKカスケードはまた、IL−2プロモーターの活性化を含むT細胞活性化においてある一定の役割を演じることが立証されている。すなわち、JNKの阻害剤は、病気に伴う免疫応答の改変に関する治療的価値を有し得る。様々な癌におけるJNK活性化についての役割もまた確立されており、癌におけるJNK阻害剤の使用についての可能性が示唆されている。例えば、構成的活性化JNKは、HTLV−1介在による腫瘍発生と関連している[Oncogene、13:135−42(1996)]。JNKは、カポジ肉腫(KS)においてある一定の役割を演じ得る。KS増殖に関与する他のサイトカイン、例えば血管内皮成長因子(VEGF)、IL−6およびTNFαの他の増殖作用もまた、JNKにより伝達され得る。さらに、p210 BCR−ABL形質転換細胞におけるc−jun遺伝子の調節作用は、JNKの活性と一致していることから、慢性骨髄性白血病(CML)に対する処置におけるJNK阻害剤についてのある一定の役割が示唆されている[Blood、92:2450−60(1998)]。
【0034】
ある種の異常な増殖状態は、raf発現と関連していると考えられているため、raf発現の阻害に応答していると考えられる。rafタンパク質の異常に高い発現レベルもまた、形質転換および異常な細胞増殖に関与している。これらの異常な増殖状態もまた、raf発現の阻害に応答性を示すと考えられる。例えば、全肺癌細胞系の60%は異常に高いレベルのc−raf mRNAおよびタンパク質を発現することが報告されているため、c−rafタンパク質の発現は、異常な細胞増殖においてある一定の役割を演じると考えられる。異常な増殖状態のさらなる例は、過剰増殖性疾患、例えば癌、腫瘍、過形成、肺線維症、新脈管形成、乾癬、アテローム性動脈硬化症および血管における平滑筋細胞増殖、例えば血管形成術後の狭窄または再狭窄である。rafがその一部である細胞シグナリング経路はまた、例えばT細胞増殖(T細胞活性化および成長)を特徴とする炎症性疾患、例えば組織移植拒絶、内毒素ショックおよび糸球体腎炎に関与している。
【0035】
ストレス活性化プロテインキナーゼ(SAPK)は、c−jun転写因子の活性化およびc−junにより調節される遺伝子の発現をもたらすシグナル伝達経路における最後から2番目の段階を代表する一群のプロテインキナーゼである。特に、c−junは、遺伝子毒性傷害により損傷を受けたDNAの修復に関与するタンパク質をコード化する遺伝子の転写に関与する。従って、細胞においてSAPK活性を阻害する薬剤は、DNA修復を阻止し、DNA損傷を誘導するかまたはDNA合成を阻止し、細胞のアポトーシスを誘導するかまたは細胞増殖を阻害する薬剤に対して細胞を感作する。
【0036】
マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)は、様々な細胞外シグナルに応答して転写因子、翻訳因子および他の標的分子を活性化する保存されたシグナル伝達経路の要員である。MAPKは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ類(MKK)による配列Thr−X−Tyrを有する二重リン酸化モチーフでのリン酸化により活性化される。より高等な真核生物では、MAPKシグナリングの生理学的役割は、細胞事象、例えば増殖、発癌、発生および分化と相関関係を示している。従って、これらの経路による(特にMKK4およびMKK6による)シグナル伝達の調節能力により、MAPKシグナリングに関連したヒト疾患、例えば炎症性疾患、自己免疫疾患および癌についての処置および予防的治療の開発が導かれ得る。
【0037】
Cskは、Src酵素のC−末端における単一チロシン残基をリン酸化することによりキナーゼ活性をダウンレギュレーションする(Okada et al.、J.Biol.Chem.266:24249−24252、1991;および Bergman et al.、EMBO J.11:2919−2924、1992)。この主たる調節機能により、Cskは、T細胞活性化、ニューロン発達、細胞骨格体制および細胞周期制御を含む多くの生物学的機能に直接的影響を有する。
【0038】
Fesファミリーからの非受容体チロシンキナーゼの活性に関連した病気の例には、間葉由来の腫瘍および造血器官由来の腫瘍があるが、これらに限定されるわけではない。
【0039】
上記によると、本発明は、さらに処置を必要とする対象において上記疾患または障害のいずれかを予防または処置する方法であって、対象に式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の治療有効量(下記「投与および医薬組成物」参照)を投与することを含む方法を提供する。上記使用のいずれについても、必要とされる投与量は、投与方法、処置される特定の状態および所望の効果により変動する。
【0040】
投与および医薬組成物
一般に、本発明化合物は、単独または1種またはそれ以上の治療剤と組み合わせて、当業界で公知の通常の許容される方法のいずれかにより治療有効量で投与される。治療有効量は、病気の重篤度、対象の年齢および相対的健康状態、使用される化合物の効力および他の因子により広い範囲で変化し得る。一般に、満足すべき結果は、全身的に体重1kg当たり約0.03〜2.5mgの一日投与量で得られると示されている。大型哺乳類、例えばヒトにおける指示一日用量は、約0.5mg〜約100mgの範囲であり、好都合には例えば一日4回までの分割用量または遅延形態で投与される。経口投与に適切な単位用量形態は、約1〜50mgの有効成分を含む。
【0041】
本発明化合物は、慣用的経路により、特に腸溶的、例えば錠剤またはカプセル剤の形態で例えば経口的に、または例えば注射可能溶液または懸濁液形態で非経口的に、例えばローション、ゲル、軟膏またはクリーム形態で局所的に、または鼻適用または坐剤形態での医薬組成物として投与され得る。少なくとも1種の医薬上許容される担体または希釈剤と共に本発明化合物の遊離形態または医薬上許容される塩形態を含む医薬組成物は、混合、造粒またはコーティング法による慣用的方法で製造され得る。例えば、経口組成物は、a)希釈剤、例えば、乳糖、デキストロース、しょ糖、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン、b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール、また錠剤についてはc)結合剤、例えば珪酸アルミニウムマグネシウム、澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび・またはポリビニルピロリドン、所望ならばd)崩壊剤、例えば澱粉、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または起沸性混合物;および/またはe)吸収剤、着色剤、香味料および甘味料と一緒に有効成分を含む錠剤またはゼラチンカプセル剤であり得る。注射可能組成物は、水性等張溶液または懸濁液であり得、坐剤は脂肪性エマルションまたは懸濁液から製造され得る。組成物は、滅菌され、および/またはアジュバント、例えば保存、安定、湿潤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調節用の塩および/または緩衝液を含み得る。さらに、それらはまた、他の治療上貴重な物質を含み得る。経皮適用に適切な製剤は、担体と共に本発明化合物の有効量を含む。担体は、宿主の皮膚への貫通を助ける吸収可能な薬理学上許容される溶媒を含み得る。例えば、経皮装置は、裏当て部材、化合物を所望により担体と含んでいてもよいレザーバー、所望による長期間にわたって予め定められた制御速度で宿主の皮膚へ化合物を送達するための速度制御バリアー、および皮膚への装置確保手段を含む包帯形態である。マトリックス経皮製剤もまた使用され得る。例えば皮膚および目への局所適用に適切な製剤は、好ましくは当業界でよく知られている水溶液、軟膏、クリームまたはゲルである。それらは可溶化剤、安定剤、浸透促進剤、緩衝液および保存剤を含み得る。
【0042】
本発明化合物は、1種またはそれ以上の治療剤(医薬組成物)と組み合わせて治療有効量で投与され得る。例えば、シクロスポリン、ラパマイシンまたはアスコマイシン、またはその免疫抑制性類似体、例えばシクロスポリンA(CsA)、シクロスポリンG、FK−506、ラパマイシン、または同等の化合物、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキセート、ブレキナール、レフルノミド、ミゾリビン、ミコフェノール酸、ミコフェノレートモフェチル、15−デオキシスペルグアリン、免疫抑制性抗体、特に白血球受容体、例えばMHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD25、CD28、B7、CD45、CD58またはそれらのリガンドについてのモノクローナル抗体、または他の免疫調節性化合物、例えばCTLA41gと組み合わせて使用されるとき、例えば、他の免疫調節性または抗炎症性物質との相乗効果が生じ得る。本発明化合物が他の治療と連係的に投与される場合、併用投与される化合物の投与量は、勿論使用される併用薬剤のタイプ、使用される特定薬剤、処置されている状態などにより異なる。
【0043】
本発明はまた、a)本明細書に開示されている本発明化合物の遊離形態または医薬上許容される塩形態である第一薬剤、およびb)少なくとも1種の併用薬剤を含む組み合わせ医薬品、例えばキットを提供する。キットは、その投与についての使用説明書を含み得る。
【0044】
本明細書で使用されている「併用投与」または「組み合わせ投与」などの語は、一患者への選択された治療剤の投与を包含することを意味し、薬剤が、必ずしも同一投与経路により、または同時に投与されるとは限らない治療法を含むものとする。
【0045】
本明細書で使用されている「組み合わせ医薬品」の語は、複数の有効成分を混合または組み合わせることにより得られ、有効成分の固定的および非固定的組み合わせの両方を包含する製品をいう。「固定的組み合わせ」の語は、有効成分、例えば式(I)の化合物および併用薬剤が両方とも単一物体または用量形態で同時に患者に投与されることを意味する。「非固定的組み合わせ」の語は、有効成分、例えば式(I)の化合物および併用薬剤が、別々の物質として同時に、平行してまたは連続的に、特定の時間制限を伴わずに患者に投与されることを意味し、その場合上記投与により、患者の体内において2化合物の治療有効レベルがもたらされる。後者はまた、カクテル療法、例えば3種またはそれ以上の有効成分の投与に適用される。
【0046】
本発明化合物の製造方法
本発明はまた、本発明化合物の製造方法を含む。記載されている反応では、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基を保護することが必要であり得、その場合、これらは、反応におけるそれらの望ましくない関与を回避するために、最終生成物において要望される。慣用的保護基は、標準的実施法に従って使用され得、例えばT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts 、“Protective Groups in Organic Chemistry”、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ、1999年、第3版参照。
【0047】
式(I)(式中、Rは−NRである)の化合物は、以下の反応スキームIに示した要領で進めることにより製造され得る:
反応スキームI
【化2】

[式中、
、R、R、R、W、Y、Z、mおよびnは、「発明の要約」で式(I)について記載した意味であり、Vはメチルスルホニル基、またはハロ基、例えばヨードまたはクロロ、好ましくはクロロを表す]
【0048】
式(I)の化合物は、60〜80℃の温度範囲で、適切な溶媒(例、n−ブタノール、酢酸など)の存在下、式2の化合物を式3の化合物と反応させることにより製造され得、完了するのに36時間程度までかかり得る。
【0049】
式(I)(式中、Yは炭素である)の化合物は、以下の反応スキームIIに示した要領で製造され得る:
反応スキームII
【化3】

[式中、
、R、R、R、W、Z、mおよびnは、「発明の要約」で式(I)について記載した意味であり、Lは脱離基である]
【0050】
式(I)の化合物は、0℃〜約90℃の温度範囲で、適切な溶媒(例、THFなど)の存在下、トリホスゲンまたはホスゲンおよび適切な塩基(例、DIEAなど)を用いて、式4の化合物を式5の化合物と反応させることにより製造され得、完了するのに24時間程度までかかり得る。
【0051】
反応スキームIおよびIIは、参考文献および下記実施例において典型的に示されている。
【0052】
本発明化合物の追加的製造方法
本発明化合物は、化合物の遊離塩基形態を医薬上許容される無機または有機酸と反応させることにより医薬上許容される酸付加塩として製造され得る。別法として、本発明化合物の医薬上許容される塩基付加塩は、化合物の遊離酸形態を医薬上許容される無機または有機塩基と反応させることにより製造され得る。別法として、本発明化合物の塩形態は、出発物質または中間体の塩を用いて製造され得る。
【0053】
本発明化合物の遊離酸または遊離塩基形態は、対応する塩基付加塩または酸付加塩形態からそれぞれ製造され得る。例えば、本発明化合物の酸付加塩形態は、適切な塩基(例、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより対応する遊離塩基に変換され得る。本発明化合物の塩基付加塩形態は、適切な酸(例、塩酸など)で処理することにより対応する遊離酸に変換され得る。
【0054】
本発明化合物の非酸化形態は、0〜80℃で適切な不活性有機溶媒(例、アセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中、還元剤(例、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウムなど)で処理することにより本発明化合物のN−酸化物から製造され得る。
【0055】
本発明化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に公知の方法により製造され得る(例、さらなる詳細については、Saulnier et al.、(1994)、Bioorganiic and Medicinal Chemistry Letters、第4巻、1985頁参照)。例えば、適切なプロドラッグは、本発明の非誘導体化化合物を適切なカルバミル化剤(例、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリデート、パラ−ニトロフェニルカーボネートなど)と反応させることにより製造され得る。
【0056】
本発明化合物の保護誘導体は、当業者に公知の手段により製造され得る。保護基の生成およびそれらの除去に適用可能な技術の詳細な説明は、T.W.Greene、“Protecting Groups in Organic Chemistry”、第3版(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ、インコーポレイテッド、1999)に記載されている。
【0057】
本発明化合物は、好都合には本発明製法中に溶媒和物(例、水和物)として製造または形成され得る。本発明化合物の水和物は、好都合には有機溶媒、例えばダイオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールを用いることにより、水性/有機溶媒混合物からの再結晶化により製造され得る。
【0058】
本発明化合物は、光学活性分割剤と化合物のラセミ混合物を反応させて一対のジアステレオマー化合物を形成させ、ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋な鏡像体を回収することにより、それらの個々の立体異性体として製造され得る。さらに鏡像体は、キラル分取HPLCにより、または鏡像異性的に純粋な試薬を用いて分離され得る。鏡像体の分割は本発明化合物の共有結合ジアステレオマー誘導体を用いて実施され得るが、解離可能な複合体(例、結晶性ジアステレオマー塩)が好ましい。ジアステレオマーは、独特な物理特性(例、融点、沸点、溶解度、反応性など)を有するため、これらの相違点を利用することにより容易に分離され得る。ジアステレオマーは、クロマトグラフィー、または好ましくは、溶解度の差異に基づいた分離/分割技術により分離され得る。次いで、光学的に純粋な鏡像体は、ラセミ化を誘発することのない実践的手段により、分割剤と一緒に回収される。化合物の立体異性体をそれらのラセミ混合物から分割するのに適用され得る技術のさらに詳細な説明は、Jean Jacques、Andre Collet、Samuel H.Wilen、“Enantiomers, Racemates and Resolutions”(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ、インコーポレイテッド、1981)に記載されている。
【0059】
要約すると、式(I)の化合物は、以下の工程を含む製法により製造され得る:
(a)反応スキームIおよびIIの工程、および
(b)所望により本発明化合物を医薬上許容される塩に変換し、
(c)所望により本発明化合物の塩形態を非塩形態に変換し、
(d)所望により本発明化合物の非酸化形態を医薬上許容されるN−酸化物に変換し、
(e)所望により本発明化合物のN−酸化物形態をその非酸化形態に変換し、
(f)所望により本発明化合物の個々の異性体を異性体の混合物から分割し、
(g)所望により本発明の非誘導体化化合物を医薬上許容されるプロドラッグ誘導体に変換し、そして
(h)所望により本発明化合物のプロドラッグ誘導体をその非誘導体化形態に変換する。
【0060】
出発物質の製造を具体的に記載していない場合、化合物は公知であるかまたは当業界で公知の方法と同様にしてまたは後記実施例で開示されている要領で製造され得る。
【0061】
当業者であれば、上記形質転換は本発明化合物の製造方法の代表的なものに過ぎず、他の公知方法でも同様に使用され得ることは容易に理解できるはずである。
【0062】
実施例
以下の実施例では、中間体の製法(参考例)および代表的な本発明化合物の製法(実施例)を詳細に記載しているが、これらは説明を目的としたものであって、本発明を制限するものではない。
【0063】
参考例1
4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド樹脂
【化4】

4−モルホリノアニリンをもつPAL樹脂(ミッドウェスト・バイオ−テック)(1g、1mmol)、DIEA(1.04mL、6mmol)、およびニトロベンゾイルクロリド(3mmol)を、CHCl(10mL)中で混合し、溶液を室温で16時間振とうする。生成した混合物を濾過し、樹脂をDMF(3×10mL)、CHCl(3×10mL)、MeOH(3×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥する。樹脂(10mg)を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(200μL)で処理する。LC−MSは唯一のピークを示した。観察されたMS(M+H)は328.1であり、計算されたMS(M+H)は328.12である。
【0064】
生成した樹脂を、NMP(10mL)中のSnCl・2HO(2.26g、10mmol)と混合し、48時間振とうする。溶液を濾過し、樹脂をNMP(3×10mL)、CHCl(3×10mL)、MeOH(3×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥することにより、固体支持4−アミノ−N−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−ベンズアミドを得る。この樹脂(10mg)を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(200μL)で処理する。LC−MSは唯一のピークを示した。観察されたMS(M+H)は298.1であり、計算されたMS(M+H)は298.15である。
【0065】
6−クロロ−7−デアザプリン(300mg、2mmol)、トリホスゲン(290mg、1mmol)およびDIEA(680μL、3.9mmol)を、0℃で2時間、THF(10mL)中で攪拌する。THFを蒸発により除去し、残さをTHF(10mL)に溶かす。溶液を4−アミノ−N−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−ベンズアミド樹脂と混合し、18時間振とうする。溶液を濾過し、樹脂をDMF(3×10mL)、CHCl(3×10mL)、MeOH(3×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥することにより、4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸−[4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド樹脂を得る。さらに、10mgの樹脂を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(200μL)で処理する。LC−MSは唯一のピークを示した。観察されたMS(M+H)は477.10であり、計算されたMS(M+H)は477.14である。4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸メチル−[4−(3−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド樹脂および4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸[3−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド樹脂も適切な出発物質を用いて同様の方法で製造される。
【0066】
参考例2
4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]フェニル}−アミド樹脂
【化5】

4−メチル−3−ニトロ−アナリンPAL樹脂(5g、5mmol)、DIEA(5.34mL、20mmol)、および4−(クロロメチル)−ベンゾイルクロリド(1.89g、10mmol)をCHCl(50mL)中で混合し、18時間室温で振とうする。溶液を濾過し、樹脂をDMF(3×50mL)、CHCl(3×50mL)、MeOH(3×50mL)で洗浄し、真空下で乾燥する。この樹脂(10mg)を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(200μL)で処理する。LC−MSは一つの主要ピークを示す。観察されたMS(M+H)は305.0であり、計算されたMS(M+H)は304.06である。
【0067】
樹脂をDMSO(50mL)中で1−メチルピペラジン(5.56mL、49.2mmol)と混合し、一晩振とうした後、濾過し、DMF(3×50mL)、CHCl(3×50mL)、MeOH(3×50mL)で洗浄し、真空下で乾燥する。この樹脂(10mg)を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(200μL)で処理する。LC−MSは唯一のピークを示す。観察されたMS(M+H)は369.2であり、計算されたMS(M+H)は369.18である。
【0068】
生成した樹脂を、NMP(50mL)中のSnCl・2HO(11.3g、50mmol)と混合し、48時間振とうする。溶液を濾過し、樹脂をNMP(3×50mL)、CHCl(3×50mL)、MeOH(3×50mL)で洗浄し、真空下で乾燥することにより、固体支持N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−N−メチル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドを得る。この樹脂(10mg)を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(200μL)で処理する。LC−MSは唯一のピークを示す:観察されたMS(M+H)は339.2であり、計算されたMS(M+H)は339.21である。
【0069】
6−クロロ−7−デアザプリン(1.50g、10mmol)、トリホスゲン(1.45g、5mmol)およびDIEA(3.4mL、19.5mmol)を、0℃で3時間、THF(50mL)中で攪拌する。THFを蒸発により除去後、残さをTHF(50mL)に溶かし、溶液をN−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−N−メチル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミド樹脂と混合し、18時間振とうする。溶液を濾過し、樹脂をDMF(3×50mL)、CHCl(3×50mL)、MeOH(3×50mL)で洗浄し、真空下で乾燥することにより、4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド樹脂を得る。この樹脂(10mg)を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(200μL)で処理する。LC−MS:観察されたMS(M+H)は518.20であり、計算されたMS(M+H)は518.2である。
【0070】
参考例3
4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド樹脂
【化6】

PAL樹脂4−メチル−3−ニトロ−アニリン(5g、5mmol)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(5.09g、20mmol)、DIEA(3.5mL、20mmol)、および3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−安息香酸(2.71g、10.0mmol)をDMF(50mL)中で混合し、18時間室温で振とうする。生成した混合物を濾過し、樹脂をDMF(3×50mL)、CHCl(3×50mL)、MeOH(3×50mL)で洗浄し、真空下で乾燥する。この樹脂10mgを30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(200μL)で処理する。LC−MSは唯一のピークを示す:観察されたMS(M+H)は405.1であり、計算されたMS(M+H)は405.11である。
【0071】
生成した樹脂を、NMP(50mL)中のSnCl・2HO(11.3g、50mmol)と混合し、室温で48時間振とうする。溶液を濾過し、樹脂をNMP(3×50mL)、CHCl(3×50mL)、MeOH(3×50mL)で洗浄し、真空下で乾燥することにより、N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド樹脂を得る。この樹脂(10mg)を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(200μL)で処理する。LC−MSは唯一のピークを示す:観察されたMS(M+H)は375.1であり、計算されたMS(M+H)は375.14である。
【0072】
6−クロロ−7−デアザプリン(1.50g、10mmol)、トリホスゲン(1.45g、5mmol)およびDIEA(3.4mL、20mmol)を、0℃で3時間、THF(50mL)中で攪拌する。THFを蒸発により除去し、残さをTHF(50mL)に溶かし、溶液をPal N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド樹脂(5g、5mmol)と混合し、室温で18時間振とうする。溶液を濾過し、樹脂をDMF(3×50mL)、CHCl(3×50mL)、MeOH(3×50mL)で洗浄し、真空下で乾燥することにより、4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド樹脂を得る。この樹脂(10mg)を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(200μL)で処理する。LC−MSは唯一のピークを示す:観察されたMS(M+H)は554.1であり、計算されたMS(M+H)は554.12である。
【0073】
参考例4
参考例3の液相合成は、室温で12時間攪拌しながら、DMF(15mL)中で3−ニトロ−4−メチルアニリン(3.00g、11.1mmol)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(5.49g、14.4mmol)、DIEA(5.00mL、28.8mmol)、および3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロ−メチル−安息香酸(2.02g、13.3mmol)を混合することにより達成される。水(150mL)を溶液に加え、明黄色沈澱物を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥することにより、4.3gの生成物を得る(収率97%)。LC−MSは唯一のピークを示した:観察されたMS(M+H)は405.1であり、計算されたMS(M+H)は405.11である。
【0074】
明黄色固体を、H下、MeOH(50mL)中で10−wt% Pd/C(600mg)と攪拌する。24時間後、懸濁した溶液を濾過し、Pd/CをMeOH(3×50mL)で洗浄する。MeOH溶液を合わせ、濃縮し、真空下で乾燥することにより、N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンズアミドを得る(3.5g、収率84%)。LC−MSは唯一のピークを示す:観察されたMS(M+H)は375.1であり、計算されたMS(M+H)は375.14である。
【0075】
6−クロロ−7−デアザプリン(3.9g、25.5mmol)、トリホスゲン(3.80g、12.8mmol)、およびDIEA(8.9mL、51mmol)を、0℃で3時間、THF(100mL)中で攪拌する。THFを蒸発により除去し、残さをTHF(100mL)に溶かす。溶液を、N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド(3.5g、9.3mmol)と混合し、室温で18時間振とうする。溶媒を蒸発させ、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl中2%のMeOH)により精製して、4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミドを得る(3.4g、収率65%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.07 (s, 1H), 10.71 (s, 1H), 9.62 (s, 1H), 8.99 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 8.46 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.24 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.62 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 2.47 (s, 3H), 2.37 (s, 3H); ESIMS m/z 554.1 (M+ + 1)。
【0076】
実施例1
4−(3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [3−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド
【化7】

n−ブタノール(2mL)中の参考例1と同様にして製造された、4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸[3−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド樹脂(50mg、0.05mmol)を、アセチルクロリド(17.8μL、0.25mmol)および3−トリフルオロメチル−アニリン(31μL、0.25mmol)と混合するか、または3−トリフルオロメチル−アニリンのHCl塩(50mg、0.25mmol)のみと混合し、80℃で24時間振とうする。生成した混合物を濾過し、樹脂を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(600μL)で処理した後、濾過し、CHCl(3×2mL)、MeOH(3×2mL)で洗浄する。次いで、洗浄液を合わせ、濃縮する。残さを分取HPLCで精製することにより、4−(3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [3−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド(19.0mg、収率64%)を得る。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.75 (s, 1H), 10.16 (s, 1H), 10.09 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.22 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.94 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.63 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.58 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 3.74 (t, J = 4.6 Hz, 4H), 3.08 (t, J = 4.7 Hz, 4H); ESIMS m/z 602.20 (M+ + 1)。
【0077】
実施例2
4−(4−トリフルオロメチル−1−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド
【化8】

n−ブタノール(2mL)中の参考例2と同様にして製造された、4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}アミド樹脂(50mg、0.05mmol)を、アセチルクロリド(17.8μL、0.25mmol)および4−(トリフルオロメチル)アニリン(31μL、0.25mmol)と混合するか、または4−トリフルオロメチル−アニリン塩酸塩(49.4mg、0.25mmol)のみと混合し、80℃で24時間振とうする。生成した混合物を濾過し、樹脂を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(600μL)で処理した後、濾過し、CHCl(3×2mL)、MeOH(3×2mL)で洗浄する。次いで、洗浄液を合わせ、濃縮する。残さを分取HPLCで精製することにより、4−(4−トリフルオロメチル−1−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド(18.6mg、収率58%)を得る。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.47 (s, 1H), 10.34 (s, 1H), 10.16 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.15 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.03 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.93 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.59 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.30 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 4.01 (s, 2H), 3.80-3.20 (m, 8H), 2.83 (s, 3H), 2.46 (s, 3H); ESIMS m/z 643.20 (M+ + 1)。
【0078】
実施例3
4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}アミド
【化9】

n−ブタノール(2mL)中の参考例3と同様にして製造された、4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}アミド樹脂(50mg、0.05mmol)を、N,N−ジメチル−1,3−フェニレンジアミン二塩酸塩(52.3mg、0.25mmol)と混合するかまたはアセチルクロリド(17.8μL、0.25mmol)およびアニリンと混合し、80℃で24時間振とうする。生成した混合物を濾過し、樹脂を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(600μL)で処理した後、濾過し、CHCl(3×2mL)、MeOH(3×2mL)で洗浄する。次いで、洗浄液を合わせ、濃縮する。残さを分取HPLC−MSで精製することにより、4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}アミド(23.2mg、収率71%)を得る。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.60 (s, 1H), 10.65 (s, 1H), 9.68 (s, 1H), 9.61 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.82 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 2.92 (s, 6H), 2.45 (s, 3H), 2.35 (s, 3H); ESIMS m/z 654.2 (M+ + 1)。
【0079】
実施例4
4−(3−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド
【化10】

n−ブタノール(2mL)中の参考例2と同様にして製造された、4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド樹脂(50mg、0.05mmol)を、アセチルクロリド(17.8μL、0.25mmol)および3−アミノベンズアミド(34mg、0.25mmol)と混合し、80℃で24時間振とうする。生成した混合物を濾過し、樹脂を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(600μL)で処理した後、濾過し、CHCl(3×2mL)、MeOH(3×2mL)で洗浄する。次いで、洗浄液を合わせ、濃縮する。残さを分取HPLC−MSで精製することにより、4−(3−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド(18.5mg、収率60%)を得る。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ11.52 (s, 1H), 10.31 (s, 1H), 9.99 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.52 (d, J = 1.71 Hz, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.12 (d, J = 7.59 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.98 (d, J = 8.02 Hz, 2H), 7.87 (d, J = 3.89 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 17.87, 9.00 Hz, 2H), 7.49 (d, J = 7.98 Hz, 2H), 7.47 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.29 (d, J = 8.48 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 3.89 Hz, 1H), 3.75 (s, 2H), 3.43-2.79 (m, 8H), 2.50 (s, 3H), 2.49 (s, 3H); ESIMS m/z 618.20 (M+ + 1)。
【0080】
実施例5
4−(3−スルファモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド
【化11】

n−ブタノール(2mL)中の参考例2と同様にして製造された、4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド樹脂(50mg、0.05mmol)を、アセチルクロリド(17.8μL、0.25mmol)および3−アミノベンゼンスルホンアミド(43mg、0.25mmol)と混合し、80℃で24時間振とうする。生成した混合物を濾過し、樹脂を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(600μL)で処理した後、濾過し、CHCl(3×2mL)、MeOH(3×2mL)で洗浄する。次いで、洗浄液をn−ブタノールと合わせ、濃縮する。残さを分取HPLC−MSで精製することにより、4−(3−スルファモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド(18.0mg、収率55%)を得る。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.45 (s, 1H), 10.27 (s, 1H), 10.09 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.17 (d, J = 7.95 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 7.94, 2H), 7.87 (d, J = 3.85 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 7.61, 15.51 Hz, 2H), 7.52 (s, 1H), 7.45 (d, J = 7.88 Hz, 2H), 7.37 (s, 2H), 7.25 (d, J = 8.30 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 3.88 Hz, 1H), 3.69 (s, 2H), 3.54-3.3.17 (m, 2H), 3.01-2.93 (m, 6H), 2.75 (s, 3H), 2.41 (s, 3H); ESIMS m/z 654.20 (M+ + 1)。
【0081】
実施例6
4−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド
【化12】

n−ブタノール(2mL)中の参考例3と同様にして製造された、4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}アミド樹脂(50mg、0.05mmol)を、アセチルクロリド(17.8μL、0.25mmol)および3−(1−ヒドロキシエチル)アニリン(34mg、0.25mmol)と混合し、80℃で24時間振とうする。生成した混合物を濾過し、樹脂を30分間TFA/CHCl/HO(45/50/5)(600μL)で処理した後、濾過し、CHCl(3×2mL)、MeOH(3×2mL)で洗浄する。次いで、洗浄液をn−ブタノールと合わせ、濃縮する。残さを分取HPLC−MSで精製することにより、4−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミドを得る(16.6mg、収率51%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.60 (s, 1H), 10.68 (s, 1H), 9.85 (s, 1H), 9.62 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.85 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 7.70 (s, 1H), 7.61 (dd, J = 6.5, 8.2 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.33 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.09 (s, 1H), 7.08 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 4.75 (q, J = 6.4 Hz, 1H), 2.47 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 1.36 (d, J = 6.4 Hz, 3H); ESIMS m/z 655.2 (M+ + 1)。
【0082】
実施例7
4−(3−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド
【化13】

氷酢酸(2mL)中、参考例3と同様にして製造された、4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}アミド(50mg、0.09mmol)を、3−アミノベンズアミド(24.5mg、0.18mmol)と混合し、24時間80℃で振とうする。生成した混合物を直接分取HPLC−MSで精製することにより、4−(3−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミドを得る(42.9mg、収率73%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.54 (s, 1H), 10.65 (s, 1H), 9.96 (s, 1H), 9.68 (s, 1H), 8.59 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.19 (d, J = 10.1 Hz, 2H), 8.09 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.83 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 7.43 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.30 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.34 (s, 3H); ESIMS m/z 654.1 (M+ + 1)。
【0083】
実施例8
4−(3−スルファモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド
【化14】

氷酢酸(2mL)中、参考例3と同様にして製造された、4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}アミド(50mg、0.09mmol)を、3−アミノベンゼンスルホンアミド(31mg、0.18mmol)と混合し、24時間80℃で振とうする。生成した混合物を直接分取HPLC−MSで精製することにより、4−(3−スルファモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミドを得る(35.3mg、収率57%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.51 (s, 1H), 10.64 (s, 1H), 10.10 (s, 1H), 9.58 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.17 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.87 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 7.59 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.53 (d, 5.9 Hz, 1H), 7.37 (s, 2H), 7.30 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 3.9 Hz, 1H), 2.44 (s, 3H), 2.33 (s, 3H); ESIMS m/z 690.1 (M+ + 1)。
【0084】
適切な出発物質を用いて、上記実施例に記載された手順を反復することにより、表1に示された、以下の式(I)で示される化合物が得られる。
【0085】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【0086】
検定法
本発明化合物を検定にかけて、親32D細胞の場合と比較したBCR−Ab1を発現する32D細胞(32D−p210)の細胞増殖を選択的に阻害する能力を測定する。これらのBCR−Ab1形質転換細胞の増殖を選択的に阻害する化合物を、BCR−Ab1の野生型または突然変異形態を発現するBa/F3細胞に対する抗増殖活性について試験する。さらに、化合物を検定にかけて、B−RAFを阻害するそれらの能力を測定する。
【0087】
細胞性BCR−Ab1依存的増殖の阻害(高スループット法)
使用されるマウス細胞系は、BCR−Ab1 cDNAにより形質転換された32D造血始原細胞系(32D−p210)である。これらの細胞を、ペニシリン50μg/mL、ストレプトマイシン50μg/mLおよびL−グルタミン200mMを補ったRPMI/10%胎児ウシ血清(RPMI/FCS)中で維持する。IL3の供給源として15%のWEHI条件培地を加えて、非形質転換32D細胞を同様に維持する。
【0088】
50μlの32Dまたは32D−p210細胞懸濁液を、グレイナー384ウェルマイクロプレート(ブラック)において1ウェル当たり5000細胞の密度で平板培養する。試験化合物(DMSOストック溶液中1mM)50nLを、各ウェルに加える(STI571は陽性対照として含まれる)。細胞を、37℃、5%COで72時間インキュベーションする。60%アラマーブルー溶液(テック・ダイアグノスティクス)10μLを各ウェルに加え、細胞をさらに24時間インキュベーションする。アクウェスト(Acquest、登録商標)システム(モレキュラー・ディヴァイシーズ)を用いて蛍光強度(530nmで励起、580nmで放射)を定量する。
【0089】
細胞性BCR−Ab1依存的増殖の阻害
32D−p210細胞を、1ウェル当たり15000細胞の密度で96ウェルTCプレートに平板培養する。試験化合物の2倍系列希釈液50μL(Cmaxは40μM)を各ウェルに加える(STI571は陽性対照として含まれる)。37℃、5%COで48時間細胞をインキュベーション後、15μLのMTT(プロメガ)を各ウェルに加え、細胞をさらに5時間インキュベーションする。570nmでの光学密度を分光測光法により定量し、50%阻害に要求される化合物濃度であるIC50値を用量応答曲線から測定する。
【0090】
細胞周期分布に対する作用
32Dおよび32D−p210細胞を、5mLの培地中、1ウェル当たり2.5×10細胞で6ウェルTCプレートに平板培養し、1または10μMの試験化合物を加える(STI571は対照として含まれる)。次いで、細胞を37℃、5%COで24または48時間インキュベーションする。細胞懸濁液2mlをPBSで洗浄し、1時間70%EtOHに固定し、PBS/EDTA/リボヌクレアーゼAで30分間処理する。よう化プロピジウム(Cf=10μg/ml)を加え、FACScalibur(登録商標)システム(BDバイオサイエンシーズ)でのフローサイトメトリーにより蛍光強度を定量する。本発明の試験化合物は、32D−p210細胞に対してアポトーシス作用を示すが、32D親細胞においてアポトーシスを誘導することはない。
【0091】
細胞性BCR−Ab1自己リン酸化に対する作用
c−abl特異的捕捉抗体および抗ホスホチロシン抗体を用いる捕捉Elisaにより、BCR−Ab1自己リン酸化を定量する。32D−p210細胞を、50μLの培地において1ウェル当たり2×10細胞で96ウェルTCプレートに平板培養する。試験化合物の2倍系列希釈液50μL(Cmaxは10μMである)を、各ウェルに加える(STI571は、陽性対照として含まれる)。細胞を37℃、5%COで90分間インキュベーションする。次いで、細胞を1時間氷上で、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤を含む150μLの溶菌緩衝液(50mMのトリス−HCl、pH7.4、150mMのNaCl、5mMのEDTA、1mMのEGTAおよび1%NP−40)により処理する。細胞ライゼート50μLを、先に抗abl特異抗体でコーティングし、遮断しておいた96ウェルのオプティプレートに加える。プレートを4℃で4時間インキュベーションする。TBS−トウィーン20緩衝液で洗浄後、アルカリ性ホスファターゼコンジュゲート抗ホスホチロシン抗体50μLを加え、プレートをさらに4℃で一晩インキュベーションする。TBS−トウィーン20緩衝液で洗浄後、ルミネセンス基質90μLを加え、アクウェスト(Acquest、登録商標)システム(モレキュラー・ディヴァイシーズ)を用いてルミネセンスを定量する。BCR−Ab1発現細胞の増殖を阻害する本発明の試験化合物は、用量依存的に細胞性BCR−Ab1自己リン酸化を阻害する。
【0092】
BCR−Ab1の突然変異形態を発現する細胞の増殖に対する作用
本発明化合物を、STI571に対する耐性を付与するか感受性の低下をまねくBCR−Ab1の野生型または突然変異形態(G250E、E255V、T315I、F317L、M351T)を発現するBa/F3細胞に対するそれらの抗増殖作用について試験する。突然変異体−BCR−Ab1発現細胞および非形質転換細胞に対するこれらの化合物の抗増殖作用を、上記要領により(IL3を欠く培地中)10、3.3、1.1および0.37μMで試験した。形質転換細胞に対する毒性を欠く化合物のIC50値を、上記で得られた用量応答曲線から測定した。
【0093】
B−RAF
本発明化合物を、それらのB−RAF活性阻害能力について試験する。黒壁および透明底の384ウェルマキシソープ(MaxiSorp)プレート(NUNC)で検定を実施する。基質、IκBαをDPBS中で希釈(1:750)し、15μLを各ウェルに加える。プレートを一晩4℃でインキュベーションし、EMBLAプレート洗浄機を用いてTBST(25mMのトリス、pH8.0、150mMのNaClおよび0.05%のトウィーン−20)で3回洗浄する。プレートを室温で3時間スーパーブロック(15μL/ウェル)により遮断し、TBSTで3回洗浄し、軽くたたいて乾燥させる。20μMのATP(10μL)を含む検定緩衝液を各ウェルに加え、続いて100nLまたは500nLの化合物を加える。B−RAFを検定緩衝液中で希釈し(1μLから25μLへ)、10μLの希釈B−RAFを各ウェルに加える(0.4μg/ウェル)。プレートを室温で2.5時間インキュベーションする。TBSTで6回プレートを洗浄することにより、キナーゼ反応を停止させる。Phosph−IκBα(Ser32/36)抗体をスーパーブロックで希釈(1:10000)し、15μLを各ウェルに加える。プレートを4℃で一晩インキュベーションし、TBSTで6回洗浄する。AP−コンジュゲートヤギ−抗マウスIgGを、スーパーブロックで希釈し(1:1500)、15μLを各ウェルに加える。プレートを室温で1時間インキュベーションし、TBSTで6回洗浄する。15μLのアトフォス(Attophos)AP基質を各ウェルに加え、プレートを室温で15分間インキュベーションする。蛍光強度Nanxin BBTアニオン(505二色鏡)を用いて、プレートをアクウェストまたはアナリストGTで読取る。
【0094】
アップステート・キナーゼプロファイラー(Upstate KinaseProfiler、登録商標)−ラジオ−酵素フィルター結合検定法
本発明化合物を、一連のキナーゼ類の個々の要員(キナーゼの部分的な非限定的リストには、BMX、CSK、TrkB、FGFR3、Fes、Lck、B−RAF、C−RAF、MKK6、SAPK2αおよびSAPK2βが含まれる)を阻害するそれらの能力について評価する。この一般的プロトコルに従って、10μMの最終濃度で化合物をデュプリケイトで試験する。ただし、キナーゼ緩衝液組成物および基質は、「アップステート・キナーゼプロファイラー」(Upstate KinaseProfiler、登録商標)パネルに含まれる種々のキナーゼについて変化するものとする。この一般的プロトコルに従って、10μMの最終濃度で化合物をデュプリケイトで試験する。ただし、キナーゼ緩衝液組成物および基質は、アップステート・キナーゼプロファイラー(Upstate KinaseProfiler、登録商標)パネルに含まれる種々のキナーゼについて変化するものとする。キナーゼ緩衝液(2.5μL、10×−必要ならばMnCl含有)、活性キナーゼ(0.001〜0.01単位、2.5μL)、キナーゼ緩衝液中の特異的またはポリ(Glu4−Tyr)ペプチド(5〜500μMまたは.01mg/ml)およびキナーゼ緩衝液(50μM、5μL)を、氷上のエッペンドルフで混合する。Mg/ATPミックス(10μL;67.5(または33.75)mMのMgCl、450(または225)μMのATPおよび1μCi/μl[γ−32P]−ATP(3000Ci/mmol))を加え、反応物を約30℃で約10分間インキュベーションする。反応混合物を、2cm×2cmのP81(ホスホセルロース、正に荷電したペプチド基質の場合)またはホワットマンNo.1(ポリ(Glu4−Tyr)ペプチド基質の場合)四角い紙片へスポット(20μL)する。四角い検定紙を4回各々5分間0.75%リン酸で洗浄し、アセトンで1回5分間洗浄する。四角い検定紙をシンチレーションバイアルへ移し、5mlシンチレーションカクテルを加え、ペプチド基質への32P取込(cpm)を、ベックマンシンチレーション計数管で定量する。阻害パーセンテージを各反応について計算する。
【0095】
式(I)の化合物の遊離形態または医薬上許容される塩形態は、例えば、本明細書記載のインビトロ試験で示されているように、貴重な薬理学的特性を呈する。例えば、式(I)の化合物は、好ましくは野生型BCR−Ab1およびG250E、E255V、T315I、F317LおよびM351T BCR−Ab1突然変異体について1×10−10〜1×10 −5Mの範囲、好ましくは100nM未満のIC50を示す。例えば:4−(3−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド(実施例7)は、野生型、G250E、E255V、T315I、F317LおよびM351T BCR−Ab1についてそれぞれ5nM、47nM、31nM、115nM、9nMおよび5nMのIC50を有する。10μMの濃度で、化合物は、Ab1、BCR−Ab1、Bmx、CSK、TrkB、FGFR3、Fes、Lck、B−RAF、C−RAF、MKK6、SAPK2αおよびSAPK2βキナーゼの活性を50%より大、好ましくは75%を越える割合で阻害する。例えば、4−(3−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド(実施例7)は、Bmx(100%)、c−Raf(99%)、CSK(100%)、Fes(98%)、FGFR3(95%)、Lck(96%)、MKK6(98%)、SAPK2α(100%)、SAPK2β(100%)およびTrkB(98%)の阻害パーセンテージを示す。
【0096】
4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸{2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}アミド(実施例3)は、野生型、G250E、E255V、T315I、F317LおよびM351T BCR−Ab1についてそれぞれ22nM、170nM、220nM、370nM、50nMおよび29nMのIC50を有する。化合物は、B−Rafについては32nMのIC50を有する。10μMの濃度で、化合物は、Bmx(100%)、c−Raf(83%)、CSK(90%)、Fes(82%)、Lck(95%)、SAPK2β(95%)およびTrkB(100%)の阻害パーセンテージを示す。
【0097】
本明細書に記載されている実施例および実施態様は、説明を目的としているのに過ぎず、それに照らして様々な修正または変形を加えることは、当業者に容易に想到されるものであり、それらも本願の精神および範囲内並びに添付の請求の範囲内に包含されることは言うまでもない。本明細書で引用されている出版物、特許および特許出願については、出典明示により援用する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
Wは、CHおよびNから選択され、
Yは、C、SおよびS(O)から選択され、
Zは、−Y(O)NR−および−NRY(O)−から選択される二価基であって、Yは、C、SおよびS(O)から選択され、Rは水素およびC1−12アルキルから選択されるものとし、
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよび−NRから選択され、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され、Rは、C6−10アリール、C5−10ヘテロアリール、C3−12シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択されるか、またはRおよびRは、RおよびRの両方が結合している窒素と一緒になって、C3−8ヘテロシクロアルキルまたはC5−10ヘテロアリールを形成し、RまたはRおよびRの組み合わせのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XNR、−XC(O)NR、−XC(O)NRXOR、−XS(O)0−2NR、−XS(O)0−2、−XNRS(O)0−2、−XNRC(O)R、−XNRSR、−XP(O)NR、−XCR(OR)R、−XOC(O)R、−XORおよび−XORから選択される1〜3個の基により置換され得、Xは結合またはC1−12アルキレンであり、Rは、独立して水素およびC1−6アルキルから選択され、Rは、C6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択されるものとし、
は、水素およびC1−6アルキルから選択され、
は、水素、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C1−6アルコキシ、メルカプト、ハロ、ニトロおよびシアノから選択され、
nは、0、1または2であり、
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−12アルコキシ、ハロ−置換−C1−12アルコキシおよび−XR10から選択され、Xは、結合またはC1−6アルキレンであり、R10は、C6−10アリール、C5−10ヘテロアリール、C3−12シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され、R10のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される基により置換されていてもよく、
mは、1、2または3であり、フェニル環AおよびBは、独立して、−N=により置換された4個以下の−C=基を有し得るものとする]
で示される化合物、およびその医薬上許容される塩、水和物、溶媒和物および異性体。
【請求項2】
WがNであり、
YがCであり、
Zが−C(O)NR5−および−NRC(O)−から選択される二価基であって、Rが水素およびC1−6アルキルから選択され、
が、水素、ハロ、ヒドロキシおよび−NRから選択され、Rが、水素およびC1−6アルキルから選択され、RがC6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択されるか、またはRおよびRが、RおよびRの両方が結合している窒素と一緒になって、C3−8ヘテロシクロアルキルを形成し、RまたはRおよびRの組み合わせのアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルが、所望により、ハロ、シアノ、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XNR、−XC(O)NR、−XC(O)NRXOR、−XS(O)NR、−XSR、−XNRS(O)、−XNRC(O)R、−XOC(O)R、−XORおよび−XORから選択される1〜3個の基により置換され得、Xが結合またはC1−6アルキレンであり、Rが水素またはC1−6アルキルであり、RがC6−10アリールであり
が、水素またはC1−6アルキルであり、
が、C1−6アルキルであり、
nが1であり、そして
が、ハロ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよび−XR10から選択され、Xが結合またはC1−6アルキレンであり、R10がC5−10ヘテロアリールおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され、R10のヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルが所望によりC1−6アルキルにより置換されていてもよく、mが1、2または3である、
請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Zが、−C(O)NH−および−NHC(O)−から選択される二価基である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
が、水素、ハロ、ヒドロキシおよび−NHRから選択され、Rがフェニルおよびピリジニルから選択されるか、またはRおよびRが、RおよびRの両方が結合している窒素と一緒になってモルホリノを形成し、RまたはRおよびRの組み合わせのアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルが、所望により、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジメチルアミノ、アミノ、アミノカルボニル、メチル−アミノカルボニル、アミノスルホニル、1−ヒドロキシ−エチル、ヒドロキシメチル、アセトキシ−メチル、メチル−スルファニル、フェノキシ、メチル−カルボキシ−メチル、ブチル−アミノ−スルホニル、メチル、イソプロペニル、メトキシ−エチル−アミノ−カルボニル、1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル、メチル−スルホニル−アミノおよびメチル−カルボニル−アミノから選択される1〜3個の基により置換され得、そしてRが水素またはメチルである、請求項2記載の化合物。
【請求項5】
が、ハロ、トリフルオロメチルおよび−XR10から選択され、Xが結合またはメチレンであり、R10が、イミダゾリル、ピペラジニルおよびモルホリノから選択され、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルが所望によりメチルにより置換されていてもよい、請求項2記載の化合物。
【請求項6】
4−(3−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [3−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド; 4−(4−トリフルオロメチル−1−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−スルファモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−スルファモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−フェニル]−アミド; 4−ヒドロキシ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(4−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 酢酸 3−(7−{2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニルカルバモイル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)−ベンジルエステル; ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [3−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド; 4−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [4−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド; 4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [3−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド; 4−(3−ブロモ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [3−(4−モルホリン−4−イル−フェニルカルバモイル)−フェニル]−アミド; 4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−ブロモ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−メチルスルファニル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(ピリジン−3−イルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−フェノキシ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−ブチルスルファモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(4−フルオロ−2−メチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−フルオロ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−m−トリルアミノ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−シアノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 酢酸 3−(7−{2−メチル−5−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンゾイルアミノ]−フェニルカルバモイル}−7H−シクロペンタピリミジン−4−イルアミノ)−ベンジルエステル; 4−(3−イソプロペニル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−[3−(2−メトキシ−エチルカルバモイル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−[3−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−フェニル]−アミド; 4−クロロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−ヒドロキシ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−[3−(1−ヒドロキシ−エチル)−フェニルアミノ]−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−ヒドロキシメチル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−アセチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−スルファモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(4−カルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [2−メチル−5−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−アミド; 4−(3−メチルカルバモイル−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−アセチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−(3−メタンスルホニルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−モルホリン−4−イル−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−5−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミド; 4−モルホリン−4−イル−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 [5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ)−2−メチル−フェニル]−アミド; 4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 (3−{[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−メチル}−フェニル)−アミド; および 4−(3−ジメチルアミノ−フェニルアミノ)−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−カルボン酸 {2−メチル−3−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾイルアミノ]−フェニル}−アミドから選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
医薬上許容される賦形剤と組み合わせて請求項1記載の化合物の治療有効量を含む医薬組成物。
【請求項8】
キナーゼ活性の阻害により、疾患の病状および/または総合的症状が予防、阻止または改善され得る、動物における疾患の処置方法であって、請求項1記載の化合物の治療有効量を動物に投与することを含む方法。
【請求項9】
キナーゼが、Ab1、BCR−Ab1、Bmx、CSK、TrkB、FGFR3、Fes、Lck、B−RAF、C−RAF、MKK6、SAPK2αおよび/またはSAPK2βキナーゼから選択される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
Ab1、BCR−Ab1、Bmx、CSK、TrkB、FGFR3、Fes、Lck、B−RAF、C−RAF、MKK6、SAPK2αおよび/またはSAPK2βのキナーゼ活性が疾患の病状および/または総合的症状の一因となる、動物における疾患を処置するための医薬の製造における請求項1記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−504159(P2007−504159A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524903(P2006−524903)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/027997
【国際公開番号】WO2005/039486
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】