説明

プローブデータ収集システム、プローブデータ収集方法、プログラムおよびプログラム記録媒体

【課題】予め、カーナビ等の車載機で、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象とするとともに、同様の走行データの重複収集を防止する。
【解決手段】交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信し、その受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、リンクIDを通過する見込みのある車両を特定して、その特定した車両にプローブデータの収集を指示する。一方、特定した車両の車載機器が、プローブデータの収集指示を受信し、リンクIDを設定し、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する。そして、リンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、平均速度とを交通情報生成サーバに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等により計測された走行データを収集して交通情報に活用するプローブデータ収集システム、プローブデータ収集方法、プログラムおよびプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交通情報は、VICS(道路交通情報通信システム)センタ等から配信されていた。しかし、道路に固定センサが設置されていない区間では、情報が提供されないため、情報提供エリアが限定されていた。これに鑑みて、近年、走行している車両からデータを収集することで交通情報を生成するプローブデータ収集システム及びプローブデータ収集方法が実用化され始めた。
【0003】
このシステムでは、車両に搭載された車載機等の情報提供装置が車両の速度や走行軌跡等の走行データを記録して情報収集装置に送信し、情報収集装置において各情報提供装置から送信された走行データを集約、解析して交通情報を生成する。ところが、このシステムにおいて各情報提供装置から情報収集装置にデータを送信する手段として、携帯電話などを使用する方法を用いた場合には、データ送信に掛かる通信コストが莫大となるため、低コストで、効果的なデータ収集が求められている。
【0004】
そのため、プローブ車両と、プローブ車両に搭載されたカーナビ等の車載機と、車載機から走行データを受信し、交通情報を生成するセンタとを備え、センタが、出発地、目的地、走行ルート、通過予測時刻等が予め設定された車載機ごとにデータを送信する収集区間を決定するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−146645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、情報収集装置において収集対象を決定するため、情報提供装置には判定機能が必要なく安価にすることができる。また、複数の情報提供装置から同様の走行データを重複収集しないように収集対象を決定することができるため、重複収集による過剰なデータ収集を防ぐことができる。しかしながら、予め、カーナビ等の車載機で、出発地、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定された車両をプローブ車両とすることが必須の条件になっているため、必要なデータが十分に収集できないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、予め、カーナビ等の車載機で、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象とするとともに、同様の走行データの重複収集を防止できるプローブデータ収集システム、プローブデータ収集方法、プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記した課題を解決するために以下の事項を提案している。
【0008】
(1)本発明は、車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムであって、前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する位置情報受信手段と、該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定するプローブデータ収集車両特定手段と、該特定した車両にプローブデータの収集を指示する指示手段と、を備え、前記特定した車両の車載機器が、前記交通情報生成サーバに、前記直前の位置情報と前記現在の位置情報とを送信する位置情報送信手段と、該プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する設定手段と、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する算出手段と、前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記算出した平均速度とを前記交通情報生成サーバに送信するプローブデータ送信手段と、を備えたことを特徴とするプローブデータ収集システムを提案している。
【0009】
この発明によれば、交通情報生成サーバの位置情報受信手段が、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信し、プローブデータ収集車両特定手段が、その受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定して、指示手段が、その特定した車両にプローブデータの収集を指示する。特定した車両の車載機器の位置情報送信手段は、交通情報生成サーバに、直前の位置情報と現在の位置情報とを送信し、設定手段は、プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する。そして、算出手段は、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出し、プローブデータ送信手段は、プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、算出した平均速度とを交通情報生成サーバに送信する。したがって、プローブデータ収集車両特定手段が、プローブデータ収集車両を特定して、必要なプローブデータを収集することから、カーナビ等の車載機で、出発地、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象とする場合であっても、同様の走行データの重複収集を防止できる。
【0010】
(2)本発明は、(1)のプローブデータ収集システムについて、前記プローブデータ収集車両特定手段が特定する車両の台数が複数であることを特徴とするプローブデータ収集システムを提案している。
【0011】
この発明によれば、プローブデータ収集車両特定手段が特定する車両の台数が複数である。つまり、カーナビ等の車載機で、出発地、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象としているため、特定する車両の台数を複数にすることにより、必要なプローブデータの収集確率を高めることができる。
【0012】
(3)本発明は、車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムであって、前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する位置情報受信手段と、該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定するプローブデータ収集車両特定手段と、該特定した車両にプローブデータの収集を指示する指示手段と、を備え、前記特定した車両の車載機器が、前記交通情報生成サーバに、前記直前の位置情報と前記現在の位置情報とを送信する位置情報送信手段と、該プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する設定手段と、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する算出手段と、該算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベースと、該データベースを用いて、プローブデータの収集区間の交通情報を検出する検出手段と、前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記検出した交通状況とを前記交通情報生成サーバに送信するプローブデータ送信手段と、を備えたことを特徴とするプローブデータ収集システムを提案している。
【0013】
この発明によれば、交通情報生成サーバの位置情報受信手段が、任意の区画に分割され、それぞれの区間についての固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信し、プローブデータ収集車両特定手段が、その受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定して、指示手段が、その特定した車両にプローブデータの収集を指示する。特定した車両の車載機器の位置情報送信手段は、交通情報生成サーバに、直前の位置情報と現在の位置情報とを送信し、設定手段は、プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する。算出手段は、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出し、検出手段は、算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベースを用いて、プローブデータの収集区間の交通状況を検出する。そして、プローブデータ送信手段が、プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、検出した交通状況と、を交通情報生成サーバに送信する。したがって、プローブデータ収集車両特定手段が、プローブデータ収集車両を特定して、必要なプローブデータを収集することから、カーナビ等の車載機で、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象とする場合であっても、同様の走行データの重複収集を防止できる。また、車載機器が、交通情報生成サーバに検出した交通状況を送信するため、交通情報生成サーバの処理負荷が軽減できる。
【0014】
(4)本発明は、(3)のプローブデータ収集システムについて、前記プローブデータ収集車両特定手段が特定する車両の台数が複数であることを特徴とするプローブデータ収集システムを提案している。
【0015】
この発明によれば、プローブデータ収集車両特定手段が特定する車両の台数が複数である。つまり、カーナビ等の車載機で、出発地、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象としているため、特定する車両の台数が複数にすることにより、必要なプローブデータの収集確率を高めることが出来る。
【0016】
(5)本発明は、車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムにおけるプローブデータ収集方法であって、前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する第1のステップと、該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する第2のステップと、該特定した車両にプローブデータの収集を指示する第3のステップと、前記特定した車両の車載機器が、前記プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する第4のステップと、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する第5のステップと、前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記算出した平均速度とを前記交通情報生成サーバに送信する第6のステップと、を備えたことを特徴とするプローブデータ収集方法を提案している。
【0017】
この発明によれば、交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信し、その受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定して、その特定した車両にプローブデータの収集を指示する。一方、特定した車両の車載機器が、プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定し、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する。そして、プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、算出した平均速度と交通情報生成サーバに送信する。したがって、プローブデータ収集車両特定手段が、プローブデ−タ収集車両を特定して、必要なプローブデータを収集することから、カーナビ等の車載機で、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象とする場合であっても、同様の走行データの重複収集を防止できる。
【0018】
(6)本発明は、車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムおけるプローブデータ収集方法であって、前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する第1のステップと、該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する第2のステップと、該特定して車両にプローブデータの収集を指示する第3のステップと、前記特定した車両の車載機器が、前記プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する第4のステップと、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する第5のステップと、該算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベースを用いて、プローブデータの収集区間の交通状況を検出する第6のステップと、前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記検出した交通状況と、を前記交通情報生成サーバに送信する第7のステップと、を備えたことを特徴とするプローブデータ収集方法を提案している。
【0019】
この発明によれば、交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信し、その受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定して、その特定した車両にプローブデータの収集を指示する。一方で、特定した車両の車載機器が、プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する。そして、算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベースを用いて、プローブデータの収集区間の交通状況を検出して、プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、検出した交通状況と、を前記交通情報生成サーバに送信する。したがって、プローブデータ収集車両特定手段が、プローブデータ収集車両を特定して、必要なプローブデータを収集することから、カーナビ等の車載機器で、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象とする場合であっても、同様の走行データの重複収集を防止できる。また、車載機器が、交通情報生成サーバに検出した交通状況を送信するため、交通情報生成サーバの処理負荷が軽減できる。
【0020】
(7)本発明は、車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムにおけるプローブデータ収集方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画に付いて固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する第1のステップと、該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する第2のステップと、該特定した車両にプローブデータの収集を指示する第3のステップと、前記特定した車両の車載機器が、前記プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する第4のステップと、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する第5のステップと、前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記算出した平均速度とを前記交通情報生成サーバに送信する第6のステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0021】
この発明によれば、交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画に付いて固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信し、その受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定して、その特定した車両にプローブデータの収集を指示する。一方、特定した車両の車載機器が、プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定し、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する。そして、プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、算出した平均速度とを交通情報生成サーバに送信する。したがって、プローブデータ収集車両特定手段が、プローブデータ収集車両を特定して、必要なプローブデータを収集することから、カーナビ等の車載機で、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象とする場合であっても、同様の走行データの重複収集を防止できる。
【0022】
(8)本発明は、車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムおけるプローブデータ収集方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する第1のステップと、該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する第2のステップと、該特定した車両にプローブデータの収集を指示する第3のステップと、前記特定した車両の車載機器が、前記プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する第4のステップと、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する第5のステップと、該算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベースを用いて、プローブデータの収集区間の交通状況を検出する第6のステップと、前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記検出した交通状況と、を前記交通情報生成サーバに送信する第7のステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0023】
この発明によれば、交通情報生成サーバが、任意区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信し、その受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定して、その特定した車両にプローブデータの収集を指示する。一方で、特定した車両の車載機器が、プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定し、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する。そして、算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベースを用いて、プローブデータの収集区間の交通状況を検出して、プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、検出した交通状況と、を前記交通情報生成サーバに送信する。したがって、プローブデータ収集車両特定手段が、プローブデータ収集車両を特定して、必要なプローブデータを収集することから、カーナビ等の車載機で、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象とする場合であっても、同様の走行データの重複収集を防止できる。また、車載機器が、交通情報生成サーバに検出した交通状況を送信するため、交通情報生成サーバの処理負荷が軽減できる。
【0024】
(9)本発明は、車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムにおけるプローブデータ収集方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納するプログラム記録媒体であって、前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する第1のステップと、該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する第2のステップと、該特定した車両にプローブデータの収集を指示する第3のステップと、前記特定した車両の車載機器が、前記プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する第4のステップと、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する第5のステップと、前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記算出した平均速度と、を前記交通情報生成サーバに送信する第6のステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納するプログラム記録媒体を提案している。
【0025】
この発明によれば、交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画に付いて固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信し、その受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定して、その特定した車両にプローブデータの収集を指示する。一方、特定した車両の車載機器が、プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定し、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する。そして、プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、算出した平均速度とを交通情報生成サーバに送信する。したがって、プローブデータ収集車両特定手段が、プローブデータ収集車両を特定して、必要なプローブデータを収集することから、カーナビ等の車載機で、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象とする場合であっても、同様の走行データの重複収集を防止できる。
【0026】
(10)本発明は、車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムおけるプローブデータ収集方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納するプログラム記録媒体であって、前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する第1のステップと、該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する第2のステップと、該特定して車両にプローブデータの収集を指示する第3のステップと、前記特定した車両の車載機器が、前記プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する第4のステップと、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する第5のステップと、該算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベースを用いて、プローブデータの収集区間の交通状況を検出する第6のステップと、前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記検出した交通状況と、を前記交通情報生成サーバに送信する第7のステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納するプログラム記録媒体を提案している。
【0027】
この発明によれば、交通情報生成サーバが、任意区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信し、その受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定して、その特定した車両にプローブデータの収集を指示する。一方で、特定した車両の車載機器が、プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定し、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する。そして、算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベースを用いて、プローブデータの収集区間の交通状況を検出して、プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、検出した交通状況と、を前記交通情報生成サーバに送信する。したがって、プローブデータ収集車両特定手段が、プローブデータ収集車両を特定して、必要なプローブデータを収集することから、カーナビ等の車載機で、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象とする場合であっても、同様の走行データの重複収集を防止できる。また、車載機器が、交通情報生成サーバに検出した交通状況を送信するため、交通情報生成サーバの処理負荷が軽減できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、予め、カーナビ等の車載機で、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象とする場合であっても、同様の走行データを重複して収集することを防止して、プローブデータの削減を図ることができるという効果がある。
【0029】
また、交通情報生成サーバから車載機器に収集すべきリンクIDの箇所を指定して、プローブデータの収集を行うことから、通信費用を削減できるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下の、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載を持って、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0031】
<第1の実施形態>
図1から図5を用いて、本発明に係るプローブデータ収集システムの第1の実施形態について、説明する。
【0032】
<プローブデータ収集システムの構成>
本実施形態に係るプローブデータ収集システムは、図1に示すように、複数の車両に搭載された車載機器1a、1b、・・・、1nと、交通情報生成サーバ2から構成されており、これらは、ネットワーク3を介して、接続されている。なお、より具体的には、車載機器1a、1b、・・・、1nは、カーナビゲーション装置等であり、交通情報生成サーバ2との通信には、携帯端末等を用いることができる。
【0033】
また、本実施形態においては、車両において、カーナビゲーション装置等を用いた行先設定がなされていない場合を想定している。そのため、図2に示すように、地図データを任意の区画(図2ではnKM×nKmの区画)に区切り、それぞれの区画にIDを付与し、収集したいプローブデータをリンクIDデータに置き換えて、処理を行っている。
【0034】
車載機器1a、1b、・・・、1nは、交通情報生成サーバ2から指示された所定のプローブデータを収集し、これを交通情報生成サーバ2に送信する。交通情報生成サーバ2は、収集すべきプローブデータと車両の位置情報とにより、車両を特定し、必要なプローブデータの収集を促す。
【0035】
<車載機器の構成>
次に、図3を用いて、車載機器の構成について説明する。
【0036】
本実施形態に係る車載機器は、図3に示すように、受信部11と、リンクID設定部12と、位置情報検出部13と、平均速度算出部14と、時刻情報検出部15と、送信部16から構成されている。
【0037】
受信部11は、交通情報生成サーバ2からプローブデータの収集指示を受信する。リンクID設定部12は、プローブデータの収集指示に基づいて、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する。位置情報検出部13は、カーナビゲーション機能を備え、GPS等で直前の位置情報と現在の位置情報を検出する。なお、現在の位置情報は、進行方向の推定のため、現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報とする。
【0038】
平均速度算出部14は、該当するリンクIDの通過時間を計測し、その走行距離から平均速度を算出する。時刻情報検出部15は、時計機能により、プローブデータ収集区間を走行したときの時刻情報を検出する。
【0039】
送信部16は、交通情報生成サーバ2に、直前の位置情報と現在の位置情報とを送信するとともに、プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、算出した平均速度とを送信する。
【0040】
<交通情報生成サーバの構成>
本実施形態に係る交通情報生成サーバは、図4に示すように、受信部21と、収集車両特定部22と、送信部23と、プローブデータベース(DB)24とから構成されている。
【0041】
受信部21は、各車両の車載機器1a、1b、・・・、1nから直前の位置情報と現在の位置情報とを受信するとともに、特定した車載機器1a、1b、・・・、1nが、プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、算出した平均速度とを受信する。
【0042】
収集車両特定部22は、受信した位置情報に基づいて、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する。なお、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両の特定は、直近の地図IDの位置情報と現在の位置情報とから進行方向の推定を行って決定する。また、収集車両特定部22は、一度に、複数の車両を特定してもよい。つまり、カーナビ等の車載機で、出発地、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていない車両を対象としているため、特定する車両の台数を複数にすることにより、必要なプローブデータの収集確率を高めることができる。
【0043】
送信部23は、特定した車両に、車両の走行が予想される地図ID中の収集すべき候補である複数のリンクIDを指示して、プローブデータの収集を指示する旨の情報を送信する。プローブデータデータベース(DB)24は、受信部21が受信したプローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、算出した平均速度とを記憶する記憶装置である。このプローブデータデータベース(DB)24に記憶された情報に基づいて、交通情報生成サーバは、図示しない交通情報生成機能により、交通情報を生成、更新する。
【0044】
<プローブデータ収集システムの処理>
次に、図5を用いて、プローブデータ収集システムの処理について、説明する。
【0045】
まず、交通情報生成サーバ2の受信部21が、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の車載機器1a、1b、・・・、1nから直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する(ステップS101)。
【0046】
交通情報生成サーバ2の収集車両特定部22は、受信した位置情報に基づいて、直近の地図IDの位置情報と現在の位置情報とから進行方向の推定を行い、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定し(ステップS102)、送信部23が、特定した車両に車両の走行が予想される地図ID中の収集すべき候補である複数のリンクIDを指示して、プローブデータの収集を指示する(ステップS103)。
【0047】
一方、特定した車両の車載機器の受信部11は、プローブデータの収集指示を受信し、リンクID設定部12が、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する(ステップS104)。そして、平均速度算出部14が、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出し(ステップS105)、送信部16が、プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、算出した平均速度とを交通情報生成サーバに送信する(ステップS106)。
【0048】
以下、説明したように、本実施形態によれば、収集車両特定部が、受信した位置情報に基づいて、直近の地図IDの位置情報と現在の位置情報とから進行方向の推定を行い、プローブデータ収集車両を特定して、必要なプローブデータを収集することから、カーナビ等の車載機で、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていな車両を対象とする場合であっても、同様の走行データの重複収集を防止することができる。
【0049】
<第2の実施形態>
図6および図7を用いて、本発明に係るプローブデータ収集システムの第2の実施形態について、説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態と同様のシステム構成を有するが、車載機器の機能に第1の実施形態とは、異なる機能を有するため、その相違部分について、説明する。
【0050】
<車載機器の構成>
本実施形態に係る車載機器は、第1の実施形態に係る車載機器に対して、交通状況検出部17と、交通状況データベース(DB)18をさらに備えている。
【0051】
交通状況検出部17は、平均速度算出部14が算出した平均速度に対応する交通状況を交通状況データベース(DB)18から検出する。ここで、交通状況データベース(DB)18は、車両の平均速度と交通状況とを対応づけて記憶するデータベースである。こうした構成を採用することにより、交通情報生成サーバの処理負荷が軽減できる。
【0052】
<プローブデータ収集システムの処理>
次に、図7を用いて、プローブデータ収集システムの処理について、説明する。
【0053】
まず、交通情報生成サーバ2の受信部21が、任意の区画に分割され、それぞれの区画に付いて固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の車載機器1a、1b、・・・、1nから直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する(ステップS201)。
【0054】
交通情報生成サーバ2の収集車両特定部22は、受信した位置情報に基づいて、直近の地図IDの位置情報と現在の位置情報とから進行方向の推定を行い、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定し(ステップS202)、送信部23が、特定した車両に車両の走行が予想される地図ID中の収集すべき候補である複数のリンクIDを指示して、プローブデータの収集を指示する(ステップS203)。
【0055】
一方、特定した車両の車載機器の受信部11は、プローブデータに収集指示を受信し、リンクIDを設定部12が、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する(ステップS204)。
【0056】
そして、平均速度算出部14が、該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出し(ステップS205)、算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベース18を用いて、プローブデータの収集区間の交通状況を検出する(ステップS206)。送信部16は、プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、検出した交通状況とを交通情報生成サーバ2に送信する(ステップS207)。
【0057】
以下、説明したように、本実施形態によれば、収集車両特定部が、受信した位置情報に基づいて、直近の地図IDの位置情報と現在の位置情報とから進行方向の推定を行い、プローブデータ収集車両を特定して、必要なプローブデータを収集することから、カーナビ等の車載機で、目的地、走行ルート、通過予想時刻等が設定されていな車両を対象とする場合であっても、同様の走行データの重複収集を防止することができる。
【0058】
次に、図8および図9を用いて、出発地点の地図IDにより車両の進行方向を推定する場合と、直前の地図IDにより車両の進行方向を推定する場合とを比較して説明する。
【0059】
図8は、出発地点の地図IDにより車両の進行方向を推定する方法を示している。図中、白い丸印は出発地点を示し、灰色の丸印はサーバに送信する位置情報を示している。また、点線の矢印は、走行ルートを、太線の矢印は、収集したいリンクIDを、幅付きの矢印は、推定した進行方向を示している。
【0060】
出発地点の地図IDにより車両の進行方向を推定する方法では、出発地点とサーバに送信する位置情報とにより進行方向を推定するため、図8からもわかるように、次の地図IDに対する予想精度が低いという問題がある。
【0061】
一方で、本発明が採用する直前の地図IDにより車両の進行方向を推定する方法では、図9に示すように、点線の矢印で示す走行ルートと幅付きの矢印で示す推定した進行方向との誤差が小さい。したがって、次の地図IDに対する予想精度が高いため、収集したいリンクIDを効率的に収集することができる。
【0062】
なお、これらプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを車載機器、交通情報生成サーバのそれぞれ(いずれもコンピュータシステム)に読み込ませ、実行することによって本発明のプローブデータ収集システムを実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0063】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する情報を有する媒体のことをいう。
【0064】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0065】
以下の、この発明の実施形態につき、図面を参照して記述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態に係るプローブデータ収集システムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る地図データの区分に関する図である。
【図3】第1の実施形態に係る車載機器の構成図である。
【図4】第1の実施形態に係る交通情報生成サーバの構成図である。
【図5】第1の実施形態に係るプローブデータ収集システムの処理フローである。
【図6】第2の実施形態に係る車載機器の構成図である。
【図7】第2の実施形態に係るプローブデータ収集システムの処理フローである。
【図8】出発地点の地図IDにより車両の進行方向を推定する場合の概念図である。
【図9】直前の地図IDにより車両の進行方向を推定する場合の概念図である。
【符号の説明】
【0067】
1a、1b、・・・、1n・・・車載機器
2・・・交通情報生成サーバ
3・・・ネットワーク
11、21・・・受信部
12・・・リンクID設定部
13・・・位置情報検出部
14・・・平均速度算出部
15・・・時刻情報検出部
16・・・送信部
17・・・交通状況検出部
18・・・交通状況データベース
22・・・収集車両特定部
23・・・送信部
24・・・プローブデータデータベース(DB)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムであって、
前記交通情報生成サーバが、
任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する位置情報受信手段と、
該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定するプローブデータ収集車両特定手段と、
該特定した車両にプローブデータの収集を指示する指示手段と、
を備え、
前記特定した車両の車載機器が、
前記交通情報生成サーバに、前記直前の位置情報と前記現在の位置情報とを送信する位置情報送信手段と、
該プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する設定手段と、
該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する算出手段と、
前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記算出した平均速度とを前記交通情報生成サーバに送信するプローブデータ送信手段と、
を備えたことを特徴とするプローブデータ収集システム。
【請求項2】
前記プローブデータ収集車両特定手段が特定する車両の台数が複数であることを特徴とする請求項1に記載のプローブデータ収集システム。
【請求項3】
車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムであって、
前記交通情報生成サーバが、
任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する位置情報受信手段と、
該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定するプローブデータ収集車両特定手段と、
該特定した車両にプローブデータの収集を指示する指示手段と、
を備え、
前記特定した車両の車載機器が、
前記交通情報生成サーバに、前記直前の位置情報と前記現在の位置情報とを送信する位置情報送信手段と、
該プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する設定手段と、
該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する算出手段と、
該算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベースと、
該データベースを用いて、プローブデータの収集区間の交通情報を検出する検出手段と、
前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記検出した交通状況とを前記交通情報生成サーバに送信するプローブデータ送信手段と、
を備えたことを特徴とするプローブデータ収集システム。
【請求項4】
前記プローブデータ収集車両特定手段が特定する車両の台数が複数であることを特徴とする請求項3に記載のプローブデータ収集システム。
【請求項5】
車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムにおけるプローブデータ収集方法であって、
前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する第1のステップと、
該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する第2のステップと、
該特定した車両にプローブデータの収集を指示する第3のステップと、
前記特定した車両の車載機器が、前記プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する第4のステップと、
該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する第5のステップと、
前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記算出した平均速度とを前記交通情報生成サーバに送信する第6のステップと、
を備えたことを特徴とするプローブデータ収集方法。
【請求項6】
車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムおけるプローブデータ収集方法であって、
前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する第1のステップと、
該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する第2のステップと、
該特定して車両にプローブデータの収集を指示する第3のステップと、
前記特定した車両の車載機器が、前記プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する第4のステップと、
該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する第5のステップと、
該算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベースを用いて、プローブデータの収集区間の交通状況を検出する第6のステップと、
前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記検出した交通状況と、を前記交通情報生成サーバに送信する第7のステップと、
を備えたことを特徴とするプローブデータ収集方法。
【請求項7】
車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムにおけるプローブデータ収集方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画に付いて固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する第1のステップと、
該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する第2のステップと、
該特定した車両にプローブデータの収集を指示する第3のステップと、
前記特定した車両の車載機器が、前記プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する第4のステップと、
該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する第5のステップと、
前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記算出した平均速度とを前記交通情報生成サーバに送信する第6のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムおけるプローブデータ収集方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する第1のステップと、
該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する第2のステップと、
該特定した車両にプローブデータの収集を指示する第3のステップと、
前記特定した車両の車載機器が、前記プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する第4のステップと、
該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する第5のステップと、
該算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベースを用いて、プローブデータの収集区間の交通状況を検出する第6のステップと、
前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記検出した交通状況と、を前記交通情報生成サーバに送信する第7のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムにおけるプローブデータ収集方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納するプログラム記録媒体であって、
前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する第1のステップと、
該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する第2のステップと、
該特定した車両にプローブデータの収集を指示する第3のステップと、
前記特定した車両の車載機器が、前記プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する第4のステップと、
該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する第5のステップと、
前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記算出した平均速度とを前記交通情報生成サーバに送信する第6のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納するプログラム記録媒体。
【請求項10】
車載機器と、交通情報生成サーバとからなるプローブデータ収集システムおけるプローブデータ収集方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納するプログラム記録媒体であって、
前記交通情報生成サーバが、任意の区画に分割され、それぞれの区画について固有のIDが付された地図情報に基づいて、各車両の前記車載機器から直前の位置情報と現在の地図IDに入ってから所定時間経過後の位置情報である現在の位置情報とを受信する第1のステップと、
該受信した直近の地図IDの位置情報と現在の地図IDの位置情報とから進行方向の地図IDを推定して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを通過する見込みのある車両を特定する第2のステップと、
該特定して車両にプローブデータの収集を指示する第3のステップと、
前記特定した車両の車載機器が、前記プローブデータの収集指示を受信して、プローブデータの収集区間に相当するリンクIDを設定する第4のステップと、
該当するリンクIDの通過時間を計測し、平均速度を算出する第5のステップと、
該算出した平均速度と交通状況とを関連付けて記憶するデータベースを用いて、プローブデータの収集区間の交通状況を検出する第6のステップと、
前記プローブデータの収集を行った区間のリンクIDと、当該区間を通過したときの時刻情報と、前記検出した交通状況と、を前記交通情報生成サーバに送信する第7のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納するプログラム記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−44543(P2010−44543A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207600(P2008−207600)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】