説明

プローブ及び走査型プローブ顕微鏡並びにプローブの製造方法

【課題】 アスペクト比の高い凹凸を有する試料の表面形状を感度良く観察することが可能であるとともに、試料の電気特性を検出することが可能であるプローブを提供する。
【解決手段】 プローブ20は、先端部21aが先鋭化されるとともに基端部21bが略棒状に形成され、導電性を有し、試料上を走査される探針21と、探針21が先端部22aに突出して設けられるとともに、探針21と電気的に接続される配線29が配設されたカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部22bを、先端部22aが自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備えている。探針21の基端部21bの断面形状は、中空部30を有する略C形で、プローブ22の中心軸22dに対して略線対称となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、探針を試料の表面上に走査することにより、試料の表面形状などを測定することが可能なプローブ及びそのプローブを備えた走査型プローブ顕微鏡並びプローブの製造方法に関する。特に、試料の電気特性を測定することが可能なプローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、金属、半導体、セラミック、樹脂、高分子、生体材料、絶縁物等の試料を微小領域にて測定し、試料の表面形状、粘弾性などの物性情報の観察等を行う装置として、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)が知られている。走査型プローブ顕微鏡としては、AFMモード(Atomic Force Mode)やDFMモード(Dynamic Force Mode)などがある。AFMモードは、搭載されたプローブの片持ち梁状に支持されたカンチレバーの先端部に形成された探針を試料の表面上に走査し、試料の表面形状によって変位する探針の変位量を計測して、試料の表面形状を測定するものである。また、DFMモードでは、上述のカンチレバーを共振させて、その振幅変化、位相変化あるいは周波数変化により試料の表面形状を測定するものである。このような走査型プローブ顕微鏡において、近年、アスペクト比の大きい凹凸を表面に有する試料を正確に測定することが可能であるとともに、電気特性を測定する走査型プローブ顕微鏡が望まれている。
【0003】
アスペクト比の大きい凹凸を測定することが可能な走査型プローブ顕微鏡のプローブとしては、シリコン基板上に探針の先端部を円錐状に形成する。次に、マスクを用いたエッチングによって円錐状に形成された先端部の下に位置するシリコン基板を円柱状に切り出す。これにより、カンチレバーに配設された裾野部の径に対して、配設位置から先端部までの高さが2倍以上あるアスペクト比を有する探針が形成される(例えば、特許文献1参照)。このような、探針を有するプローブによれば、試料の表面上にアスペクト比の大きい凹凸があったとしても、探針自身のアスペクト比が大きいので、試料の表面の凹凸に従って、探針を走査させることができる。
【0004】
また、電気特性を測定することが可能であるものとしては、シリコンのマイクロ加工にて作製した探針の鋳型を電鋳法により作製し、その鋳型をもとに電鋳法を用いて同一形状の探針を導電性の金属材料により作製したプローブが提案されている。(例えば、特許文献2参照)。このようなプローブでは、探針とともにカンチレバーも導電性を有することで、試料の電気特性を測定することが可能であるとされている。
【特許文献1】特開平11−304824号公報
【特許文献1】特開平5−133739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前者のプローブにおいては、シリコン基板をエッチング等することにより探針が形成されるので、探針自体は、半導体であり電気抵抗が大きいので、試料表面の電気特性を検出する程度の導電性を有していない。また、アスペクト比の高い探針としているので、上述のように探針を形成した後、カンチレバーの表面に配線をパターニングするとともに、探針の表面に導電性を有する金属膜を形成させることは困難を極めた。
【0006】
また、後者のプローブにおいては、カンチレバー及び探針が電鋳法により導電性を有する金属で形成されているので、プローブの重量が大きくなってしまう問題があった。特に、アスペクト比の大きい探針とする場合、探針の体積は増大し、これに伴い重量も増大してしまう。このようなプローブの場合、特にDFMモードなどカンチレバーに振動を与える場合においては、重量の増大によって、共振周波数が低くなってしまい、また、振動時の慣性作用が増大し、検出感度が低下してしまう問題があった。さらに、特許文献2においては、導電性材料で探針を形成し、カンチレバーに接合する方法が開示されているが、探針自体の重量が増大してしまうことには変わりなく、また、探針の取り付け可能な大きさ、取り付け精度には限界があった。
【0007】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、アスペクト比の高い凹凸を有する試料の表面形状を感度良く観察することが可能であるとともに、試料の電気特性を検出することが可能であるプローブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明のプローブは、先端部が先鋭化されるとともに基端部が略棒状に形成され、導電性を有し、試料上を走査される探針と、該探針が先端部に突出して設けられるとともに、前記探針と電気的に接続される配線が配設されたカンチレバーと、該カンチレバーの基端部を、先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部とを備え、前記探針の基端部は、中空部を有する断面形状であることを特徴としている。
また、前記探針の基端部が切欠き部を有する断面形状としても良い。
【0009】
この発明に係るプローブによれば、探針が導電性を有し、カンチレバー上に配設された配線と電気的に接続されているので、試料の表面形状を測定するとともに試料の電気特性を測定することができる。また、基端部が略棒状であるとともに先端部が先鋭化されているので、アスペクト比の高い探針とすることができ、それゆえにアスペクト比の高い凹凸に対して正確に追従し測定することができる。さらに、探針の基端部の断面形状を中空部あるいは切欠き部を有するものとすることで、探針の剛性を確保しつつ、探針の軽量化を図ることができる。このため、特に、DFMモードなどのカンチレバーを振動させる場合においては、プローブの共振振動数を高め、振動に伴って作用する慣性力を抑えることができる。
【0010】
また、上記のプローブにおいて、前記探針の基端部の断面形状は、前記カンチレバーの中心軸に対して略線対称であることが好ましいとされている。
この発明に係わるプローブによれば、探針の断面形状が略線対称なので、探針を走査させた際、探針自身の断面に偏った力が作用することがない。また、探針がカンチレバーに対して偏心していないので、ねじれなどの作用が走査方向によって偏ってカンチレバーに生じてしまうことも無く、安定した測定結果を得ることができる。
【0011】
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記のプローブと、前記試料の表面の形状に応じて変位する前記探針の変位データを検出する変位検出手段と、前記探針を前記試料に対して相対的に前記試料の表面に平行で、互いに略直交する二方向の走査及び前記試料の表面に垂直方向の移動を行う移動手段と、前記探針と前記試料との間に電圧を印加させる電圧源と、該電圧源によって印加された電圧により前記探針と前記試料との間に発生する電流または電気抵抗を測定する電気特性検出部とを備えることを特徴としている。
【0012】
この発明に係わる走査型プローブ顕微鏡によれば、導電性を有し、アスペクト比が高くかつ剛性を確保しつつ軽量化が図られた探針を備えたプローブを搭載している。このため、アスペクト比が高い凹凸を表面に有する試料の表面形状及び電気特性を感度良く測定することができる。
【0013】
また、上記の走査型プローブ顕微鏡において、前記探針を振動用周波数で共振または強制振動させる加振手段を備え、前記変位検出手段は、前記探針の振動状態を検出する振動検出手段であることを特徴としている。
この発明に係わる走査型プローブ顕微鏡によれば、DFMモードなどのカンチレバーを振動させて試料の表面形状を測定する場合において、カンチレバーの共振周波数が高まり、試料との相互作用を感度良く測定することができる。
【0014】
また、本発明は、先端部が先鋭化されるとともに、基端部が略棒状で中空部または切欠き部を有する断面形状に形成され、導電性を有し、試料上を走査される探針と、該探針が先端部に突出して設けられるとともに、前記探針と電気的に接続される配線が配設されたカンチレバーと、該カンチレバーの基端部を、先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部とを備えるプローブの製造方法であって、シリコン基板を切欠いて、前記カンチレバーを形成するカンチレバー形成工程と、前記カンチレバー上に前記絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記絶縁膜上に前記配線を形成する配線形成工程と、前記カンチレバーの前記配線上に前記探針を電鋳法によって形成し、前記先端部を電解研磨によって先鋭化させる探針形成工程と、前記シリコン基板を切欠いて、前記本体部を形成する本体部形成工程とを備え、前記探針形成工程は、前記先端部を電鋳法によって形成する工程と、前記基端部を電鋳法によって形成する工程の少なくとも2回の電鋳法による工程で構成されることを特徴としている。
【0015】
この発明に係わるプローブの製造方法によれば、カンチレバー形成工程において、カンチレバーを形成し、絶縁膜形成工程及び配線形成工程においてカンチレバー上に絶縁膜及び絶縁膜上に配線を形成することができる。そして、探針形成工程において、まず、中空部あるいは切欠き部を有する断面形状となるように、電鋳法によって基端部を形成する。次に、先端部の仕上がり形状に研磨しろを考慮した大きさのものを基端部に連続させて電鋳法により形成する。最後に先端部を電解研磨によって先鋭化させて探針を製作することができる。
【0016】
探針を電鋳法によって形成することで、カンチレバーと異なる材質で導電性を有する探針を精度良くかつ容易に形成することができる。また、別途形成した探針を接合する方法と比べて、微小な探針についても対応することができる。また、探針形成工程を少なくとも2回の工程とすることで、先端部を先鋭化させるとともに基端部は剛性を確保しつつ軽量化を図ることが可能な断面形状とすることができる。
【0017】
また、探針の基端部を外部と連通しない中空部を有する断面形状とする場合には、上記工程において以下のとおりとすればよい。すなわち、カンチレバー形成工程において、カンチレバーを形成するとともに、後工程の探針形成工程で形成される探針と対応する位置において、探針の基端部の中空部と同じ大きさの貫通孔をカンチレバーに形成する。そして、探針形成工程で探針を形成した後、カンチレバーの探針が形成される面と反対の面から中空部を形成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のプローブによれば、導電性を有し、アスペクト比の高い形状で、かつ剛性を確保しつつ軽量な探針とすることができる。このため、試料の電気特性を測定することが可能であるとともに、アスペクト比の高い凹凸を有する試料の表面形状を精度良く測定し、正確な観察像を得ることができる。特に、DFMモードなどのカンチレバーを振動させて観察する場合においては、共振周波数を高め、試料との相互作用を感度良く検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1の実施形態)
図1から図31は、この発明に係る第1の実施形態を示している。図1に走査型プローブ顕微鏡のブロック図を示す。また、図2にプローブの斜視図、図3に平面図、図4に断面図を示す。さらに、図5には探針の断面図を示す。図6から図31にはプローブの製造工程の工程図を示す。
【0020】
図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡1は、試料Pを支持する試料支持部2と、試料Pを移動させる移動手段3と、移動手段3によって試料Pの表面(以下、試料表面S)上を相対的に走査される探針21を有するプローブ20と、プローブ20の探針21をこれに共振または強制振動する振動用周波数で振動させる加振手段4とを備えている。プローブ20は、探針21が先端部22aに突出して設けられるカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部22bを先端部22aが自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備えている。
【0021】
移動手段3は、試料支持部2を支持し、試料表面Sに平行で互いに略直交する2方向であるX、Y方向及び試料表面Sに垂直な方向であるZ方向に移動する試料可動部5と、試料可動部5を駆動させる駆動装置6とを備える。より詳しくは、移動手段3は、試料PをX、Y、Z方向に粗動移動させる粗動機構(不図示)及び微小移動させるXYスキャナ(不図示)及びZスキャナ(不図示)とで構成される。粗動機構に対応する駆動装置6としては、ステッピングモータなどである。また、XYスキャナ及びZスキャナに対応する駆動装置6としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなる圧電素子であり、電圧が印加されると、電圧印加量及び極性等に応じて試料PをXYZ方向に微小移動させることが可能である。また、加振手段4は、プローブ20に接続され所定の周波数及び振幅で振動するようにプローブ20を加振するPZTからなる圧電素子7と、圧電素子7に電圧を印加して圧電素子7を振動させる加振電源8とを備える。
【0022】
さらに、図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡1は、加振手段4によって加振されたプローブ20の探針21の振動状態を検出する振動検出手段9(変位検出手段)を備える。振動検出手段9は、探針21の裏面に形成された図示しない反射面(例えば、金やアルミニウム等の金属材料をコーティングして形成)にレーザ光Lを照射するレーザ光源10と、レーザ光源10の電源であるレーザ電源11と、反射面で反射したレーザ光Lを検出するフォトダイオード(光検出部)12とを備えている。フォトダイオード12で検出されるレーザ光Lは、DIF信号として出力され、プリアンプ13で増幅され、交流−直流変換器14によって直流変換され、コンピュータ15に送られる。コンピュータ15には、図示しないZ電圧フィードバック回路が備えられており、コンピュータ15に入力されたDIF信号に基づいて移動手段3のZスキャナ(不図示)に電圧を印加して試料PをZ方向に微小移動させる。
【0023】
また、図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡1は、プローブ20と試料Pとに接続され、探針21と試料Pとの間に電圧を印加させる電圧源16と、電圧源16によって印加された電圧により探針21と試料Pとの間に発生する電流または電気抵抗を測定する電気特性検出部17とを備える。また、コンピュータ15は、前述のように交流−直流変換器14と接続されているとともに、駆動装置6、レーザ電源11及び電気特性検出部17と接続されている。
【0024】
以上の構成により、走査型プローブ顕微鏡1は、以下に示すように、試料Pの表面形状及び電気特性を測定する。まず、コンピュータ15による制御のもとに加振電源8で圧電素子7を振動させるとともに、レーザ電源11でレーザ光源10からプローブ20のカンチレバー22の反射面にレーザ光Lを照射させる。カンチレバー22は圧電素子7から伝達される振動によって上下に振動し、これによりカンチレバー22で反射されフォトダイオード12で検出されるレーザ光Lは一定の振幅及び周波数の振動波形を形成する。この状態で、コンピュータ15による制御のもと、駆動装置6を駆動させて、試料PをX、Y方向に走査させて試料Pの表面形状及び電気特性を測定する。プローブ20の探針21が走査された位置に凹凸があると、フォトダイオード12で検出されるレーザ光Lの振動振幅が減衰される。この振動振幅は、DIF信号としてプリアンプ13で増幅され、交流−直流変換器14で直流に変換され、コンピュータ15に入力される。コンピュータ15には前述の図示しないZ電圧フィードバック回路が備えられており、DIF信号化された振動振幅が閾値を超えた場合、入力されたDIF信号に基づいて駆動装置6を駆動させ、振動振幅が閾値内で一定となるように試料可動部5をZ方向に可動し、調整する。これを駆動装置6によって試料PをX、Y方向に可動させて、繰り返すことによって試料Pの表面形状の測定を行う。
【0025】
さらに、試料Pの表面形状の測定と平行して、プローブ20と試料Pとの間には電圧が印加され、探針21と試料Pとの間に発生する電流または電気抵抗を測定する。これらの試料Pの表面形状及び電気特性の測定結果は、試料PのX、Y方向の走査位置とともにコンピュータ15によって表示される。
【0026】
次に、このような走査型プローブ顕微鏡1に搭載されるプローブ20の詳細の構成について説明する。図2はプローブ20の全体斜視図であるが、走査型プローブ顕微鏡1に搭載される向きと上下逆となるように記載されている。
図2に示すように、上述のようにプローブ20は、先端部21aが先鋭化されるとともに基端部21bが略棒状に形成された探針21と、探針21が先端部22aに突出して設けられたカンチレバー22と、カンチレバー22の基端部22bを先端部22aが自由端となるように片持ち状態で固定する本体部23とを備える。カンチレバー22及び本体部23は、シリコン基板、特に、シリコンからなるシリコン活性層24及びシリコン支持層25と、シリコン活性層24とシリコン支持層25とに介装され、SiOからなるBOX層26とを貼り合わせたSOI基板27(Silicon on Insulator)から形成されている。
【0027】
また、図3及び図4(図3におけるA−A断面)に示すとおり、カンチレバー22の表面22cには、絶縁膜28が形成され、絶縁膜28上において先端部22aから基端部22bにかけて配線29が形成されている。絶縁膜28は、SiOからなるシリコン酸化膜である。また、配線29は、アルミニウムからなる金属膜である。なお、配線29は、アルミニウムに限ること無く、導電性を有する各種金属で形成することが可能であり、例えば、ニッケル、金、銅などでも良い。探針21は、カンチレバー22の表面22cの先端部22aの配線29上に突出して設けられている。探針21は、ニッケルで形成されており、導電性を有している。なお、探針21を形成する材料は、ニッケルに限らず導電性を有して、後述する電鋳法で形成可能な材料であれば良く、例えば、金、銅、ロジウム、パラジウム、タングステンなどでもよい。また、図5は図4におけるB−B断面を示しており、探針21の基端部21bの断面は、中空部30及び切欠き部31を有しており、略C形の断面形状に形成されている。さらに、図2に示すように、探針21は、基端部21bの切欠き部31がカンチレバー22の先端部22a側を向くようにカンチレバー22に設けられており、基端部21bの断面形状はカンチレバー22の中心軸22dに対して略線対称となっている。
【0028】
この実施形態のプローブ20では、探針21が導電性を有していて、配線29に接続されているので、配線29を介して図1に示す電圧源16と接続して、試料Pの電気特性を測定することができる。また、探針21は先端部21aが先鋭化されるとともに基端部21bが略棒状に形成されているので、アスペクト比の高い探針とすることができる。このため、試料Pがアスペクト比の高い凹凸を有する表面形状であったとしても、探針21が凹凸に対して正確に追従し、凹凸の深さ、幅を高い精度で測定し、正確な観察像を得ることができる。
【0029】
また、探針21の基端部21bの断面形状は、中空部30及び切欠き部31を有する略C形とすることで、探針21の剛性を確保しつつ軽量化を図ることができる。このため、プローブ20は加振手段4によって振動させられるが、カンチレバー22の共振周波数を高め、振動に伴って作用する慣性力を抑えることができ、これにより試料Pとの相互作用を感度良く検出することができる。また、探針21はカンチレバー22の中心軸22d上に設けられており、かつ基端部21bの断面は中心軸22dに対して略線対称な形状となっている。このため、探針21を試料表面Sに走査する際、探針21の基端部21bの断面に偏った力が作用することがない。また、ねじれなどの作用が走査方向によって偏ってカンチレバー22に生じてしまうことも無く、安定した測定結果を得ることができる。
【0030】
次に、この実施形態のプローブ20の製造方法について説明する。前述のとおり、プローブ20のカンチレバー22及び本体部23は、シリコン活性層24、BOX層26、シリコン支持層25から構成されるSOI基板27から形成される。ここで、シリコン活性層24の厚さはカンチレバー22の厚さに設定され、また、BOX層26及びシリコン支持層25の厚さは本体部23の厚さに設定されている。以下、順に説明する。
【0031】
図6から図8に示すように、カンチレバー形成工程において、カンチレバー22を形成する。まず、図6に示すように、フォトリソグラフィ技術によって、カンチレバー22を形成する範囲にフォトレジスト膜32を形成する。そして、図7に示すとおり、フォトレジスト膜32をマスクとして、シリコン活性層24をBOX層26に達するまでエッチングすることで、カンチレバー22となる部分の周囲の範囲のシリコン活性層24を切欠く。そして、図8に示すとおり、フォトレジスト膜32を除去することでカンチレバー22が形成される。フォトレジスト膜としては、ポジ型でもネガ型でも良い。カンチレバー22をエッチングする方法としては、ドライエッチングでもウェットエッチングでもいずれの方法でも良いが、ドライエッチングが好適である。ドライエッチングであれば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)やDRIE(Deep Reactive Ion Etching)などがある。またウェットエッチングであれば、水酸化カリウム(KOH)やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のアルカリ性エッチャントによる異方性エッチングなどがある。
【0032】
次に、図9に示すように、絶縁膜形成工程において、カンチレバー22の表面22c上に絶縁膜28を形成する。絶縁膜28は熱酸化法によって形成される。また、この際、カンチレバー22の裏面側、つまりシリコン支持層25の表面のうち、本体部23となる部分にも酸化膜33を形成する。すなわち、図9に示すように、シリコン支持層25の表面の全面に、絶縁膜28を形成するのと同時に酸化膜33を形成する。次に、図10に示すように、本体部23の裏面23aの部分及びカンチレバー22が形成された側の全体をフォトレジスト膜34でパターニングする。そして、図11に示すように、フォトレジスト膜34がパターニングされた部分以外の酸化膜33をフッ酸によって除去し、最後に、図12示すように、フォトレジスト膜34を除去する。
【0033】
次に、図13から図16に示すように、配線形成工程において、絶縁膜28上に配線29を形成する。まず、図13に示すように、配線29となるアルミニウム膜をスパッタリング法によって全面に形成する。次に、図14に示すように、配線29となる部分をフォトレジスト膜35でパターニングする。そして、図15に示すように、フォトレジスト膜35が形成されていない範囲をエッチングして、最後に、図16に示すように、フォトレジスト膜35を除去することによって配線29が形成される。
【0034】
なお、配線29となるアルミニウム膜を形成する方法は、スパッタリング法に限らず、蒸着法としても良い。また、あらかじめ配線29でない範囲にフォトレジスト膜を形成し、配線29の範囲のみをスパッタリング法あるいは蒸着法によって成膜する方法としても良い。
【0035】
次に、図17から図28に示すように、探針形成工程において、配線29上に探針21を形成する。探針形成工程は、基端部形成工程と、先端部形成工程の2工程で構成される。図17から図19は、基端部形成工程を示している。まず、図17に示すように、カンチレバー22側全体に探針21の基端部21bの高さと略等しい厚さのフォトレジスト膜36を形成する。フォトレジスト膜36としては、ポジレジストとネガレジストがあるが、紫外線、電子ビームあるいはレーザ等で照射された部分のパターンが残るネガレジストが好適であり、例えば、SU−8(化薬マイクロケム株式会社製SU−8シリーズ)などがある。そして、図18に示すように、探針21の基端部21bの位置に、基端部21bの断面形状と等しくなるようにマスク37をマスキングする。ここでは、基端部21bの断面形状が略C形であるので、略C形にマスキングする。そして、図19に示すように、フォトレジスト膜36を露光し、マスク37を除去する。このようにすることで、探針21の基端部21bが形成される範囲に未露光範囲38が形成される。
【0036】
次に、図20から図28に示す先端部形成工程を行う。まず、図20に示すように、フォトレジスト膜36上の全面に、少なくとも探針21の先端部21aの高さ以上の厚さのフォトレジスト膜39を形成する。フォトレジスト膜39としては、ポジレジストとネガレジストがあるが、紫外線、電子ビームあるいはレーザ等で照射された部分のパターンが残るネガレジストが好適であり、例えば、SU−8(化薬マイクロケム株式会社製SU−8シリーズ)などがある。次に、図21に示すように、探針21の先端部21aの位置に、少なくとも先端部21aの基端部21b側の断面形状よりも大となる範囲にマスク40をマスキングする。そして、図22に示すように、フォトレジスト膜39を露光し、マスク40を除去する。このようにすることで、探針21の先端部21aが形成される範囲に、研磨しろ41aを含んだ未露光範囲41が形成される。
【0037】
次に、図23に示すように、現像液を滴下して、基端部形成工程における未露光範囲38と、先端部形成工程における未露光範囲41とを同時に溶かし込む。次に、図24に示すように、配線29を一方の電極として電解液に浸潤させて、電鋳法によりニッケルを空洞となった未露光範囲38、41に電鋳する。そして、図25に示すように、フォトレジスト膜36、39を除去することで、探針21の基端部21bと、先端部21aの研磨しろ41aを含んだものとが形成される。
【0038】
次に、図26に示すように、カンチレバー22側の全面に、先鋭化された先端部21aの裾となる位置21cと上面の位置とが一致するようにフォトレジスト膜42を形成する。そして、フォトレジスト膜42から露出する探針21の先端部21aを電解研磨によって、研磨しろ41aを研磨し、先鋭化させる。最後に、図28に示すように、フォトレジスト膜42を除去すれば、先端部21aが先鋭化され、基端部21bが略棒状で、中空部30及び切欠き部31を有し、略C形の断面形状である探針21が形成される。
【0039】
次に、図29から図31に示すように、本体部形成工程において、本体部23を形成する。まず、図29に示すように、探針21、配線29が配設されたカンチレバー22を保護するため、カンチレバー22側の全面にフォトレジスト膜43を形成する。次に、図30に示すように、絶縁膜形成工程で形成した酸化膜33をマスクとして、本体部23以外のシリコン支持層25をエッチングする。この場合、ドライエッチングでもウェットエッチングでもいずれでも構わないが、ウェットエッチングが好適である。そして、図31に示すように、フッ酸によってSiO層である酸化膜33及び本体部23以外のBOX層26を除去し、フォトレジスト膜43を除去すれば、図4に示すプローブ20が製作される。
【0040】
以上のように、カンチレバー22を上述のカンチレバー形成工程で、探針21を上述の探針形成工程で形成することにより、カンチレバー22の形成と探針21の形成とを完全に別工程することができる。このため、カンチレバー22をSOI基板27から形成し、探針21を電鋳法によって導電性を有するニッケルから形成することができる。さらに、配線形成工程は、探針形成工程に先立って探針21が形成されていない状態で行うことができるので、配線29を容易に形成することができる。また、探針形成工程を基端部形成工程と先端部形成工程の2回に工程に分けて探針21を形成することにより、先端部21aと基端部21bとで断面形状の異なる探針21を形成することができる。なお、上述の各工程において、フォトレジスト膜を露光させることでパターニングするが、これに限らず、電子ビームなどによる直接描画する方法でも構わない。
【0041】
図32は、この実施形態の第1の変形例で、探針44の基端部44aの断面図を示している。この変形例の探針44の基端部44aの断面形状は、4箇所の切欠き部45を有することで、リブ46、47が略直交し、十字形に形成されている。このように、切欠き部45によって軽量化を図るとともに、リブ46、47が略直交して配される断面構造となり、直交する2方向の剛性を確保することができる。
【0042】
また、図33は、この実施形態の第2の変形例で、探針48の基端部48aの断面図を示している。この変形例の探針48の基端部48aの断面形状は、3箇所の切欠き部49を有することで、リブ50、51、52が略等角で放射状に形成されている。第1の変形例同様に、切欠き部49によって軽量化を図るとともに、リブ50、51、52が略等角に放射状に配される断面構造とすることで、直交する2方向の剛性を確保することができる。なお、探針の基端部の断面形状は、上述のC形、十字形、放射状に限られるものでは無い。例えば、略棒状の部材が切欠かれることで、複数の柱状の部材が延設される構造としても良い。少なくとも切欠き部を有する断面形状であれば、探針の剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができ、上述の製造工程で製造することができる。そして、カンチレバー22の中心軸22dに対して略線対称となるような断面形状かつ設置位置であることが好ましい。
【0043】
(第2の実施形態)
図34から図61は、この発明に係る第2の実施形態を示している。図34にプローブの断面図、図35に探針の断面図を示す。また、図36から図61にはプローブの製造工程の工程図を示す。この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0044】
図34に示すとおり、この実施形態のプローブ60は、第1の実施形態同様に、導電性を有する探針61と、SOI基板27から形成され、配線62が配設されたカンチレバー63及び本体部64とを備える。図示しないが、探針61はカンチレバー63の中心軸上に設けられている。また、カンチレバー63と配線62との間には絶縁膜65が介装されている。探針61の先端部61aは先鋭化されている。また、図34及び図35(図34のC−C断面)に示すように、探針61の基端部61bは略棒状で、中空部66を有する円環状の断面形状である。また、カンチレバー63、配線62及び絶縁膜65には、探針61の中空部66と連通する貫通孔67が形成されている。
【0045】
このように、中空部66を有し円環状の断面とすることで、探針61の剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができる。このため、第1の実施形態同様、カンチレバー63の共振周波数を高め、振動に伴って作用する慣性力を抑えることができ、これにより試料Pとの相互作用を感度良く検出することができる。また、円環状とすることで、いずれの方向に対する剛性も等しくすることができ、均一な測定が可能であるといえる。
【0046】
なお、探針61の基端部61bの断面形状は、上述の円環状に限ることは無く、例えば、三角形あるいは四角形などの多角形形状で、中空部66を有する構造であれば同様に、探針の剛性を確保しつつ、軽量化を図ることができる。そして、カンチレバー63の中心軸に対して略線対称となるような断面形状かつ設置位置であることが好ましい。
【0047】
次に、この実施形態のプローブ60の製造方法について説明する。この実施形態において、前述した実施形態と同様の工程については詳細の説明を省略する。
【0048】
図36から図38に示すように、カンチレバー形成工程において、カンチレバー63を形成する。まず、図36に示すように、カンチレバー63を形成する範囲にフォトレジスト膜68を形成する。この際、貫通孔67が形成される位置にはフォトレジスト膜68を形成しない。そして、図37及び図38に示すとおり、フォトレジスト膜68をマスクとしてエッチングし、フォトレジスト膜68を除去することでカンチレバー63が形成される。
【0049】
次に、図39から図42に示すように、絶縁膜形成工程を行う。図39に示すように、カンチレバー63側の全面及び本体部64側の全面に絶縁膜65及び酸化膜69を形成する。そして、図40に示すように、絶縁膜65と酸化膜69のうち本体部64の裏面の部分にフォトレジスト膜70とをパターニングし、図41に示すようにパターニングされた部分以外の酸化膜69を除去する。最後に、図42に示すように、フォトレジスト膜70を除去する。
【0050】
次に、図43から図46に示すように、配線形成工程において、絶縁膜65上に配線62を形成する。まず、図43に示すように、配線62となるアルミニウム膜を形成し、図44に示すように、配線62となる部分をフォトレジスト膜71でパターニングする。この際、貫通孔67となる部分はパターニングしない。そして、図45に示すように、フォトレジスト膜71が形成されていない範囲をエッチングして、最後に、図46に示すように、フォトレジスト膜71を除去することによって配線62が形成される。
【0051】
次に、図47から図58に示すように、探針形成工程において、配線62上に探針61を形成する。探針形成工程は、基端部形成工程と、先端部形成工程の2工程で構成される。図47から図49は、基端部形成工程を示している。まず、図47に示すように、フォトレジスト膜72を形成する。フォトレジスト膜72としては、ポジレジストとネガレジストがあるが、紫外線、電子ビームあるいはレーザ等で照射された部分のパターンが残るネガレジストが好適であり、例えば、SU−8(化薬マイクロケム株式会社製SU−8シリーズ)などがある。そして、図48に示すように、探針61の基端部61bの位置に、基端部61bの断面形状と等しくなるようにマスク73をマスキングする。ここでは、基端部61bの断面形状が円環状であるので、円環状にマスキングする。そして、図49に示すように、フォトレジスト膜72を露光し、マスク73を除去する。このようにすることで、探針61の基端部61bが形成される範囲に未露光範囲74が形成される。
【0052】
次に、図50から図58に示す先端部形成工程を行う。まず、図50に示すように、フォトレジスト膜72上にフォトレジスト膜75を形成する。フォトレジスト膜75としては、ポジレジストとネガレジストがあるが、紫外線、電子ビームあるいはレーザ等で照射された部分のパターンが残るネガレジストが好適であり、例えば、SU−8(化薬マイクロケム株式会社製SU−8シリーズ)などがある。次に、図51に示すように、探針61の先端部61aの位置に、少なくとも先端部61aの基端部61b側の断面形状よりも大となる範囲にマスク76をマスキングする。そして、図52に示すように、フォトレジスト膜75を露光し、マスク76を除去する。このようにすることで、探針61の先端部61aが形成される範囲に研磨しろ77aを含んだ未露光範囲77が形成される。
【0053】
次に、図53に示すように、未露光範囲74と未露光範囲77とを現像し、図54に示すように、電鋳法により、ニッケルを空洞となった未露光範囲74、77に電鋳する。そして、図55に示すように、フォトレジスト膜72、75を除去することで、探針61の基端部61bと、先端部61aの研磨しろ71aを含んだものとが形成される。この際、探針61の中空部66に位置するフォトレジスト膜72aのみが残される。
【0054】
次に、図56に示すように、カンチレバー63側の全面に、先鋭化された先端部61aの裾となる位置61cと上面の位置とが一致するようにフォトレジスト膜78を形成する。そして、電解研磨によって、フォトレジスト膜78から露出する探針61の先端部61aの研磨しろ77aを研磨し、先鋭化させる。そして、図58に示すように、フォトレジスト膜78を除去する。
【0055】
次に、図59から図61に示すように、本体部形成工程において、本体部64を形成する。まず、図59に示すように、カンチレバー63側の全面にフォトレジスト膜79を形成し、図60に示すように、酸化膜69をマスクとして、本体部64以外のシリコン支持層25をエッチングする。そして、図61に示すように、フッ酸によってSiO層である酸化膜69及び本体部64以外のBOX層26を除去する。最後に、カンチレバー63側のフォトレジスト膜79を除去し、中空部66のフォトレジスト膜72aをカンチレバー63の裏面側から除去すれば、図34に示すプローブ60が製作される。
【0056】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0057】
なお、プローブのカンチレバー及び本体部はSOI基板から形成されるものとしたが、これに限ることは無く、樹脂、半導体、ガラス、あるいは金属に絶縁膜をコートしたものなどでも良い。また、プローブの製造工程の中で、探針形成工程において、先端部と基端部の2工程に分けられるとしたが、これに限ることは無い。基端部をさらに複数の工程に分けることで、基端部の断面形状を変化させることも可能である。
【0058】
また、プローブに振動を与えて試料の表面形状を測定するDFMモードの走査型プローブ顕微鏡としたが、これに限ることは無く、探針の変位を直接測定するAFMモードに使用するものとしても、アスペクト比の高い凹凸を感度良く測定することができる。また、探針の振動状態(変位)を測定する振動検出手段(変位検出手段)をレーザ光Lによる光てこ方式としたが、これに限ることは無い。例えば、カンチレバーの撓みを測定する歪抵抗(撓み測定部)をカンチレバーの基端部に備え(自己検知型カンチレバー)、歪抵抗で測定した撓み変化に基づいて探針の振動状態(変位)を測定するものとしても良い。このような構成とすることで、カンチレバーにレーザ光Lを反射させる反射面を設ける必要がないので、カンチレバーの形状に制限を受ける必要がなく、プローブの設計の自由度が向上し、製造し易い。また、レーザ光源等の大がかりな装置が不要なので、装置コスト及び装置スペースの削減を図ることができる。
【0059】
また、プローブには、探針が1つ設けられるものとしたが、これに限ることは無く、複数の探針を突出して設けることで、アレイ化したプローブとしても良い。さらに、プローブは走査型プローブ顕微鏡に備えられるものとしたが、これに限ることは無く、例えば、半導体検査プローブカードに備えられるプローブとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の第1の実施形態の走査型プローブ顕微鏡のブロック図である。
【図2】この発明の第1の実施形態のプローブの斜視図である。
【図3】この発明の第1の実施形態のプローブの平面図である。
【図4】この発明の第1の実施形態のプローブの断面図である。
【図5】この発明の第1の実施形態の探針の断面図である。
【図6】この発明の第1の実施形態のプローブのカンチレバー形成工程を示す工程図である。
【図7】この発明の第1の実施形態のプローブのカンチレバー形成工程を示す工程図である。
【図8】この発明の第1の実施形態のプローブのカンチレバー形成工程を示す工程図である。
【図9】この発明の第1の実施形態のプローブの絶縁膜形成工程を示す工程図である。
【図10】この発明の第1の実施形態のプローブの絶縁膜形成工程を示す工程図である。
【図11】この発明の第1の実施形態のプローブの絶縁膜形成工程を示す工程図である。
【図12】この発明の第1の実施形態のプローブの絶縁膜形成工程を示す工程図である。
【図13】この発明の第1の実施形態のプローブの配線形成工程を示す工程図である。
【図14】この発明の第1の実施形態のプローブの配線形成工程を示す工程図である。
【図15】この発明の第1の実施形態のプローブの配線形成工程を示す工程図である。
【図16】この発明の第1の実施形態のプローブの配線形成工程を示す工程図である。
【図17】この発明の第1の実施形態のプローブの探針形成工程(基端部)を示す工程図である。
【図18】この発明の第1の実施形態のプローブの探針形成工程(基端部)を示す工程図である。
【図19】この発明の第1の実施形態のプローブの探針形成工程(基端部)を示す工程図である。
【図20】この発明の第1の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図21】この発明の第1の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図22】この発明の第1の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図23】この発明の第1の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図24】この発明の第1の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図25】この発明の第1の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図26】この発明の第1の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図27】この発明の第1の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図28】この発明の第1の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図29】この発明の第1の実施形態のプローブの本体部形成工程を示す工程図である。
【図30】この発明の第1の実施形態のプローブの本体部形成工程を示す工程図である。
【図31】この発明の第1の実施形態のプローブの本体部形成工程を示す工程図である。
【図32】この発明の第1の実施形態の第1の変形例の探針の断面図である。
【図33】この発明の第1の実施形態の第2の変形例の探針の断面図である。
【図34】この発明の第2の実施形態のプローブの断面図である。
【図35】この発明の第2の実施形態の探針の断面図である。
【図36】この発明の第2の実施形態のプローブのカンチレバー形成工程を示す工程図である。
【図37】この発明の第2の実施形態のプローブのカンチレバー形成工程を示す工程図である。
【図38】この発明の第2の実施形態のプローブのカンチレバー形成工程を示す工程図である。
【図39】この発明の第2の実施形態のプローブの絶縁膜形成工程を示す工程図である。
【図40】この発明の第2の実施形態のプローブの絶縁膜形成工程を示す工程図である。
【図41】この発明の第2の実施形態のプローブの絶縁膜形成工程を示す工程図である。
【図42】この発明の第2の実施形態のプローブの絶縁膜形成工程を示す工程図である。
【図43】この発明の第2の実施形態のプローブの配線形成工程を示す工程図である。
【図44】この発明の第2の実施形態のプローブの配線形成工程を示す工程図である。
【図45】この発明の第2の実施形態のプローブの配線形成工程を示す工程図である。
【図46】この発明の第2の実施形態のプローブの配線形成工程を示す工程図である。
【図47】この発明の第2の実施形態のプローブの探針形成工程(基端部)を示す工程図である。
【図48】この発明の第2の実施形態のプローブの探針形成工程(基端部)を示す工程図である。
【図49】この発明の第2の実施形態のプローブの探針形成工程(基端部)を示す工程図である。
【図50】この発明の第2の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図51】この発明の第2の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図52】この発明の第2の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図53】この発明の第2の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図54】この発明の第2の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図55】この発明の第2の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図56】この発明の第2の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図57】この発明の第2の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図58】この発明の第2の実施形態のプローブの探針形成工程(先端部)を示す工程図である。
【図59】この発明の第2の実施形態のプローブの本体部形成工程を示す工程図である。
【図60】この発明の第2の実施形態のプローブの本体部形成工程を示す工程図である。
【図61】この発明の第2の実施形態のプローブの本体部形成工程を示す工程図である。
【符号の説明】
【0061】
1 走査型プローブ顕微鏡
3 移動手段
4 加振手段
16 電圧源
17 電気特性検出部
20、60 プローブ
21、44、48、61 探針
21a、61a 先端部
21b、44a、48a、61b 基端部
22、63 カンチレバー
22a 先端部
22b 基端部
22d 中心軸
23、64 本体部
27 SOI基板(シリコン基板)
28、65 絶縁膜
29、62 配線
30、66 中空部
31、45、49 切欠き部
P 試料
S 試料表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部が先鋭化されるとともに基端部が略棒状に形成され、導電性を有し、試料上を走査される探針と、
該探針が先端部に突出して設けられるとともに、前記探針と電気的に接続される配線が配設されたカンチレバーと、
該カンチレバーの基端部を、先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部とを備え、
前記探針の基端部は、中空部を有する断面形状であることを特徴とするプローブ。
【請求項2】
先端部が先鋭化されるとともに基端部が略棒状に形成され、導電性を有し、試料上を走査される探針と、
該探針が先端部に突出して設けられるとともに、前記探針と電気的に接続される配線が配設されたカンチレバーと、
該カンチレバーの基端部を、先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部とを備え、
前記探針の基端部は、切欠き部を有する断面形状であることを特徴とするプローブ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプローブにおいて、
前記探針の基端部の断面形状は、前記カンチレバーの中心軸に対して略線対称であることを特徴とするプローブ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のプローブと、
前記試料の表面の形状に応じて変位する前記探針の変位データを検出する変位検出手段と、
前記探針を前記試料に対して相対的に前記試料の表面に平行で、互いに略直交する二方向の走査及び前記試料の表面に垂直方向の移動を行う移動手段と、
前記探針と前記試料との間に電圧を印加させる電圧源と、
該電圧源によって印加された電圧により前記探針と前記試料との間に発生する電流または電気抵抗を測定する電気特性検出部とを備えることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
【請求項5】
請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
前記探針を振動用周波数で共振または強制振動させる加振手段を備え、
前記変位検出手段は、前記探針の振動状態を検出する振動検出手段であることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
【請求項6】
先端部が先鋭化されるとともに、基端部が略棒状で中空部または切欠き部を有する断面形状に形成され、導電性を有し、試料上を走査される探針と、該探針が先端部に突出して設けられるとともに、前記探針と電気的に接続される配線が配設されたカンチレバーと、該カンチレバーの基端部を、先端部が自由端となるように片持ち状態で固定する本体部とを備えるプローブの製造方法であって、
シリコン基板を切欠いて、前記カンチレバーを形成するカンチレバー形成工程と、
前記カンチレバー上に前記絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記絶縁膜上に前記配線を形成する配線形成工程と、
前記カンチレバーの前記配線上に前記探針を電鋳法によって形成し、前記先端部を電解研磨によって先鋭化させる探針形成工程と、
前記シリコン基板を切欠いて、前記本体部を形成する本体部形成工程とを備え、
前記探針形成工程は、前記先端部を電鋳法によって形成する工程と、前記基端部を電鋳法によって形成する工程の少なくとも2回の電鋳法による工程で構成されることを特徴とするプローブの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【公開番号】特開2007−114033(P2007−114033A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305401(P2005−305401)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】