説明

ベルト搬送装置及び画像形成装置

【課題】ベルトスケールの検知を用いたベルトの搬送制御において、ベルトスケールを検知できる範囲を狭くする必要なく、かつ、ベルトの寄り方向が安定しない場合にベルトスケールの検知を維持できるようにする。
【解決手段】無端ベルトを、その搬送方向と直交する方向の2つの方向において限界まで移動させた時点でのベルトのエッジ位置をそれぞれ取得し、取得した2つのエッジ位置に基づいて、それらの位置の範囲内となる目標位置を算出し、その目標位置の所定範囲内に収まるように、ステコンローラを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端状のベルトの搬送を制御するベルト搬送装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置のなかには、無端状のベルト(無端ベルト。以下、単に「ベルト」ともいう)として例えば中間転写ベルト、感光体ベルト、用紙搬送ベルト等を用いて多色(カラー)画像を形成するカラー画像形成装置がある。また、この種のカラー画像形成装置には、例えば中間転写ベルト上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色に対応した画像形成ユニットを個別に備えた、タンデム型のカラー画像形成装置がある。
【0003】
一般に、無端ベルトは、所定数のローラで支持されている。そして、それらのうちのいずれかのローラが駆動ローラとして機能することで、無端ベルトが搬送(走行)させられる。無端ベルトを備えた画像形成装置には、無端ベルトの搬送を制御するベルト搬送装置が備えられている。
【0004】
ところで、無端ベルトを備えた画像形成装置では、搬送中の無端ベルトがその幅方向(無端ベルトの搬送方向と直交する方向。主走査方向、奥行き方向ともいう)に除々に移動する、「ベルトの寄り」が発生することがある。このベルトの寄りが、例えばタンデム型のカラー画像形成装置において無端状の中間転写ベルト上に各色の画像を重ねて転写する際に発生すると、各色の画像の相対的な位置ずれ、ひいては色ずれや色むら等の原因となる。そのため、高品位な出力画像(カラー画像)を得るには、ベルトの寄りを適切に修正する必要がある。
【0005】
なお、本明細書では、ベルトの寄りの速度、すなわち、搬送中の無端ベルトがその幅方向に除々に移動する速度のことを「寄り速度」と記す。寄り速度の計測では、無端ベルトの所定の一点で幅方向の位置を計測する。例えば、無端ベルトが1秒間に50μm移動した場合、50μm/sと表す。また、ベルトの寄りに対する制御が行われていない場合、寄り速度は、無端ベルトの搬送速度に比例して変化する。ベルトの寄りは、各ローラの平行度等で幾何学的に決まる。
【0006】
また、本明細書では、ベルトの寄りの方向、すなわち、搬送中の無端ベルトが幅方向において寄っていく方向のことを「寄り方向」と記す。この寄り方向としては、例えば、図3、図5、図6の両矢印yにおいて、ベルト1が存在する側を指し示している方向を「右方向」といい、ベルト1が存在しない側を指し示している方向を「左方向」という。
【0007】
上記ベルトの寄りでは、無端ベルトの架かっているローラの位置が変わると、寄り速度が変化し、安定するまで一定の時間がかかることが分かっている。よって、無端ベルトの張架姿勢を変更することで単色の作像とフルカラーの作像とを切り替えている接離動作が入った場合、ベルトの寄り方向や寄り速度が変化する。
【0008】
従って、単色(例えばBk)の作像からフルカラーの作像へ切り替えるときには、中間転写ベルトの寄りが原因で、一次転写位置が主走査方向に各色ずれてしまい、色ずれした異常画像が発生してしまう。
【0009】
このようなことから、ベルトの寄りを修正するための技術がいくつか提案されている。代表的な技術として、無端ベルトを支持するローラを傾き動作させてベルトの寄りを制御するステアリング方式(ステアリングコントロール機構)が知られている。このステアリング方式は、ベルトの寄りをリブやガイド等によって強制的に抑える寄りガイド方式に比べて、ベルトに加わる力が小さく、高い信頼性が得られる。
【0010】
ところで、ベルト自体を安定した速度で搬送するための技術として、ベルトスケールFBシステムが知られている。これは、ベルト自体にスケール(ベルトスケール、エンコーダという。例えば図5の1−1に示すもの)を備え、それをセンサで読み取った結果を基に、ベルトの厚み偏差や駆動ローラの振れを制御し、一次転写面上のベルト搬送速度を制御する技術である。このような技術例としては、例えば特許文献1に開示されているものがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、ベルトスケールFBシステムでは、ベルトスケールを、作像範囲及び転写紙に干渉しない位置(範囲)に備える必要がある。その理由は、ベルトスケールが、アルミ蒸着である場合、一次転写ローラに触れる位置にあると、放電する不具合が生じてしまうからである。また、ベルトスケールが、アルミ蒸着ではないとしても、厚みがあれば、作像される画像の品質に影響が出てしまうからである。
【0012】
そして、ベルト上の限られた位置に備えられたベルトスケールは、例えば図2に示すようにベルトの寄り方向が安定しない場合、それに伴って、幅方向において左右に大きく変化する(蛇行する)。このとき、ベルトスケールが検知不可能な位置にまでベルトが寄ってしまうと、ベルトスケールFBシステムが成立しないという課題がある。上記“ベルトの寄り方向が安定しない”ことについて以下に補足する。ベルトの姿勢を作っているローラの数が変わると、ベルトはそれまでとは異なる方向に寄り始める。例えば、幅方向において、右方向にベルトが寄っている最中に、ローラの数が切り替えられると、今度は、ベルトが左方向に寄り始める。よって、寄り方向を安定させることができるローラの位置は大きく変化する。ベルト寄りを制御する際にはベルトの端部をセンサで検知するが、端部の真直度成分などの悪さや、設計上のレイアウト制約を理由として上記センサがベルト寄りを制御しているローラからいくらか離れた箇所に設けられることから、検知の反応が遅くなる。従って、ローラの姿勢が変わった直後は、安定せず大きくベルト位置が変動する。この大きな変動のことを“ベルトの寄り方向が安定しない”という。
【0013】
上記のようなベルトスケールが検知不可能な位置にまでベルトが寄ってしまう課題を解決するために、単純にメカ的な(部品毎の)バラツキを考慮してベルトスケールをセンサが検知できる範囲を設定することが考えられる。しかし、このようにすると、センサがベルトスケールを検知できる範囲が非常に狭くなるという問題が生じ、また、図2のようにローラの姿勢が変わった直後にベルトが大きく変動する場合に対応できない。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ベルトスケールの検知を用いたベルトの搬送制御において、ベルトスケールを検知できる範囲を狭くする必要なく、かつ、ベルトの寄り方向が安定しない場合にベルトスケールの検知を維持できるようにするベルト搬送装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
かかる目的を達成するために、本発明のベルト搬送装置は、複数のローラに張架された無端ベルトの搬送を制御する無端ベルト搬送装置であって、無端ベルトの搬送中に、無端ベルトのエッジ位置を検出するエッジ位置検出手段と、無端ベルトの搬送中に、無端ベルトにおいてその搬送方向に沿って設けられたベルトスケールを検出するベルトスケール検出手段と、無端ベルトの搬送中に、エッジ位置検出手段及びベルトスケール検出手段のそれぞれから検出結果を取得し、検出結果を基に無端ベルトの搬送を制御する制御手段と、を有し、制御手段は、無端ベルトを傾けて、その搬送方向と直交する方向のうちの一方向へ移動させていき、ベルトスケール検出手段から予め定められた検出結果が得られなくなった時点で、エッジ位置検出手段から得られた検出結果を第1のエッジ位置として取得し、無端ベルトを傾けて、その搬送方向と直交する方向のうち一方向と反対の方向へ移動させていき、ベルトスケール検出手段から予め定められた検出結果が得られなくなった時点で、エッジ位置検出手段から得られた検出結果を第2のエッジ位置として取得し、第1のエッジ位置と第2のエッジ位置に基づいて、それらの位置の範囲内となる目標位置を算出し、エッジ位置検出手段による検出結果が目標位置の所定範囲内に収まるように、無端ベルトの傾きを制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ベルトスケールの検知を用いたベルトの搬送制御において、ベルトスケールを検知できる範囲を狭くする必要なく、かつ、ベルトの寄り方向が安定しない場合にベルトスケールの検知を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】作像モード切替時にベルトの寄りが発生した際におけるステコンローラ制御モータの位置、無端ベルトの位置、寄り速度の一例を示すグラフである。
【図3】本発明の一実施形態に係るエッジセンサの一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るエッジセンサの一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るエッジセンサ及びベルトスケールFBセンサの配置例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るエッジセンサ及びベルトスケールFBセンサの配置例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の動作例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係るベルトスケールFBセンサがベルトスケール信号を検出できているときのパルスの一例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るベルトスケールFBセンサがベルトスケール信号を検出できなくなりつつあるときのパルスの一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るエッジセンサ及びベルトスケールFBセンサを感光体ベルトに配置した例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るエッジセンサ及びベルトスケールFBセンサを定着ベルトに配置した例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るエッジセンサ及びベルトスケールFBセンサを紙搬送ベルトに配置した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の構成例を示す概略図である。図1の例では、制御対象となる無端ベルトの例を中間転写ベルトとしている。まず、この図1について説明する。
【0020】
無端ベルトとしての中間転写ベルト1(像担持体の一例)は、駆動ローラ2、二次転写ローラ4及び従動ローラ51、52、53、54により、所定の張力をもって支持されている(張力により支持されている状態を「張架」という)。
【0021】
また、中間転写ベルト1上には、その搬送方向(走行方向)xに従って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色に対応した画像形成ユニット8、9、10、11が順に配置されている。これらの色順はY、M、Cに対しては問わない。
【0022】
各々の画像形成ユニット8、9、10、11は、画像形成装置の本体フレームに回転可能に支持された感光体ドラム(像担持体の一例)8a、9a、10a、11aと、各々の感光体ドラム8a、9a、10a、11aの表面をレーザビーム等で露光走査する画像書込部8b、9b、10b、11bと、を有している。
【0023】
各々の感光体ドラム8a、9a、10a、11aの周囲には、感光体ドラムの回転方向(図中において反時計廻り方向)に従って、帯電器8c、9c、10c、11c、現像器8d、9d、10d、11d、一次転写ローラ8e、9e、10e、11e、クリーナ8f、9f、10f、11fが順に配置されている。
【0024】
一次転写ローラ8e、9e、10e、11eのうち、搬送方向xの上流側にあるカラー作像用の3つの一次転写ローラ8e、9e、10eは、それらの下方に設けられたカラーブラケット7に保持される。カラーブラケット7の下方には接離機構6が備えられている。図示しない接離機構駆動モータにて接離機構6が駆動されると、カラーブラケット7に保持された一次転写ローラ8e、9e、10eの位置が、感光体ドラム8a、9a、10aとの距離が変化する。すなわち、接離機構6の駆動により、一次転写ローラ8e、9e、10eは、感光体ドラム8a、9a、10aに対し、接したり離れたりする。このようにして、単色の作像(単色作像モード)とフルカラーの作像(フルカラー作像モード)とを切り替える接離動作が実現される。なお、この接離動作によりベルトの寄りが発生することは上述の通りである。
【0025】
本実施形態の画像形成装置では、画像形成(作像)の対象となる記録媒体の例を用紙として説明するが、材質は紙に限定されない。用紙14は、給紙カセット50に収容されており、その給紙カセット50の用紙送出側に設けられたピックアップローラ15により一枚ずつ繰り出される。繰り出された用紙14は、所定数のローラ対16により図中の破線で示す経路(用紙搬送経路)を辿って搬送され、二次転写ローラ4の圧接位置へと送られる。
【0026】
続いて、上述のように構成された画像形成装置において、カラー画像を形成する場合の動作手順の概略を説明する。
【0027】
まず、画像形成ユニット8、9、10、11にて画像の書き込みが順に開始され、次いで、中間転写ベルト1上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色画像が順次重ね転写(一次転写)される。このようにして一つのカラー画像が形成される。
【0028】
その後、カラー画像は中間転写ベルト1の走行とともに二次転写ローラ4へと送り込まれ、そこで中間転写ベルト1上のカラー画像が用紙14に一括転写(二次転写)される。
【0029】
カラー画像が転写された用紙14は、用紙搬送系17によって定着器18に送られ、そこで画像の定着処理(加熱、加圧等)がなされたのち、図示せぬトレイに排出される。
【0030】
こうした一連の画像形成動作において、上述した中間転写ベルト1のベルトの寄りが発生すると、各々の画像形成ユニット8、9、10、11によって中間転写ベルト1上に転写される画像の位置に相対的なずれが生じ、これが出力画像(カラー画像)の色ずれや色むらとなって現れてしまう。
【0031】
そこで、本実施形態の画像形成装置は、上記ベルトの寄りを修正すべく、中間転写ベルト1の幅方向(搬送方向xと直交する方向。奥行き方向、主走査方向ともいう)の位置を検出するエッジセンサ13と、このエッジセンサ13による検出結果を基にステアリングローラ3を傾けるように制御する制御手段(例えば中央演算処理装置。図示せず)と、を有する。
【0032】
エッジセンサ13(エッジ位置検出手段の一例)は、中間転写ベルト1の搬送経路上に配置され、中間転写ベルト1のエッジ位置(中間転写ベルト1の幅方向における端部)を検出するものである。エッジセンサ3の例としては、距離自体を計測できるものや、図4に示すように受光量を基にベルトのエッジ位置を検知できるものが挙げられる。また、エッジセンサ3は、例えば、中間転写ベルト3の搬送方向(搬送経路)Xにおいて、従動ローラ51から二次転写ローラ4までの間の所定の場所に配置される。
【0033】
このように、本実施形態の画像形成装置においてステアリングコントロールを行う場合、図示しない制御手段が、エッジセンサ13で検出された中間転写ベルト1のエッジ位置を基にステコンローラ3(又は駆動ローラ2)の傾きを制御する。これにより、中間転写ベルト1が傾動し、ベルトの寄りが修正(調整)される。上記制御手段としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)等が挙げられる。
【0034】
ここで、上記エッジセンサ13の例を説明する。図3は、エッジセンサ13の構成例を示す概略図である。
【0035】
図3において、中間転写ベルト1の一端部には、スプリング13aの引っ張り力をもって接触子13bの一端側が圧接状態に保持されている。この場合、スプリング13aによる接触子13bの圧接力は、中間転写ベルト1を変形させない程度の適度な大きさに設定されている。また、接触子13bは、その中間部位を支軸13cにて回動自在に支持され、その支軸13cを境にした接触子13bの他端側に変位センサ13dが対向状態に配設されている。
【0036】
図3に示すエッジセンサ13では、ベルトの寄りの発生時における中間転写ベルト1の幅方向yへの動きが、そのベルトエッジに圧接する接触子13bの動き(揺動動作)に置き換えられる。このとき、接触子13bの動き(変位)に対応して変位センサ13dの出力レベルが変動するため、そのセンサ出力に基づいて中間転写ベルト1のエッジ位置の変動を検出することができる。なお、センサ出力は上記制御手段へ出力される。制御手段は、そのセンサ出力を基に中間転写ベルト1のエッジ位置の変動を検出すると、上記ステアリングコントロールを実行する。
【0037】
なお、エッジセンサ13については、中間転写ベルト1の位置変動(ベルト寄り)に応じた出力を発生するものであれば、特にいずれの構成を採用してもかまわない。例えば、図4に示す構成でもよい。図4の構成例では、中間転写ベルト1のエッジ部分を介してLED(Light Emitting Diode)13eと光量センサ13fとを対向状態に配置している。そして、LED13eから出射された光が光量センサ13fに入射される光量に応じてセンサ出力レベルが変化する。なお、このセンサ出力は上記制御手段へ出力される。制御手段は、そのセンサ出力を基に中間転写ベルト1のエッジ位置の変動を検出すると、ステアリングコントロールを実行する。
【0038】
また、図1に示す本実施形態の画像形成装置は、上述したベルトスケールFBシステムが適用されている。すなわち、中間転写ベルト1には、作像範囲及び転写紙に干渉しない位置(範囲)に、中間転写ベルト1の搬送方向に沿ってベルトスケール(エンコーダ)が備えられている。ベルトスケールは、例えば図5に示す1−1のように備えられる。
【0039】
また、このベルトスケールを検出するセンサ(エンコーダセンサ)として、中間転写ベルト1の搬送経路上に、ベルトスケールFBセンサ20(ベルトスケール検出手段の一例)が配置されている。
【0040】
図1と図5とでは、ベルトスケールFBセンサ20の配置位置が異なるが、どちらの配置位置を採用してもよい。ただし、図1のように、ベルトスケールFBセンサ20がローラ51とローラ55の間に配置される一方で、エッジセンサ13が駆動ローラ2と二次転写ローラ4の間に配置されるというように、ベルトスケールFBセンサ20とエッジセンサ13がそれぞれ異なるローラ間にある場合、以下の問題がある。すなわち、各ローラ(センサ20と13の間にあるローラ)は、中間転写ベルト1に対する平行度の違いがある。すなわち、各ローラは、基本的に前後ベアリングで保持されているが、その取り付け穴がずれていることや、ローラ両端部の軸同士の同軸度が0ではないことから、本来真っ直ぐあるべきところをベルト搬送方向に対していくらか傾斜して取り付けられている。このため、ベルト寄りの発生は、部品のバラツキ上、防げないものである。このようなことから、“平行度”とは、傾斜を意味している。このような各ローラの平行度(傾斜)の違いにより、中間転写ベルト1は、斜めに歪んで張架させられるため、ベルトスケールFBセンサ20からエッジセンサ13までの幅方向の距離がばらつく。このことから、中間転写ベルト1が、ベルトスケールFBセンサ20の検出可能範囲外に寄ってしまう可能性が高くなるという問題がある。
【0041】
上記問題があることから、図5のように、ベルトスケールFBセンサ20とエッジセンサ13が、同じローラ間(ローラ21とローラ22の間)に配置されることが好ましい。ここでいう“同じローラ間”とは、ベルトを張架している各ローラが寄りを起こしているため、センサ同士がある2つの隣接するローラ間に配置されていることを指す。このような配置により、上記問題を解決できる。
【0042】
すなわち、センサ20とセンサ13の間のベルトにおいて幅方向の距離のばらつきが小さくすることができる。
【0043】
また、よりベルトスケールの中央を狙いとした制御を行うことができる。つまり、センサ間にローラがある分だけベルトに寄りが発生するが、それは経時においても発生する。経時でローラの磨耗や軸受け部の磨耗により図7の制御フロー(詳細は後述)を行って中央値を算出しているが、その値が経時でずれてくるおそれがある。そのような経時での変動も抑えることが可能である。
【0044】
なお、図5に示す中間転写ベルト1の下方におけるベルトスケールFBセンサ20とエッジセンサ13の配置例を示したのが図6である。図5では、ベルトスケールFBセンサ20及びベルトスケール1−1が中間転写ベルト1の上面にあるように図示されているが、実際には図6に示すように、上面の反対面側(図5で言えば、ローラ21、22がある側)に存在している。
【0045】
上述した制御手段は、ベルトスケールFBセンサ20の検出結果を基に、中間転写ベルト1の厚み偏差や駆動ローラ2の振れを制御し、一次転写面上のベルト搬送速度を制御する。すなわち、制御手段は、上述したステアリングコントロール機能に加え、駆動ローラ2の駆動を制御することで中間転写ベルト1の搬送速度を制御するベルト走行コントロール機能も備えている。
【0046】
以上のようなことから、制御手段、ベルトスケールFBセンサ20と駆動ローラ2、エッジセンサ13とステコンローラ3は、中間転写ベルト1の搬送を制御する「ベルト搬送装置」と呼ぶことができる。なお、上記制御手段は、画像形成装置の制御手段(画像形成動作の制御など、画像形成装置全体の制御を行うもの)と別体又は一体(共通)のいずれであってもよい。
【0047】
このように、本実施形態の画像形成装置は、ステアリングコントロール機能とベルトスケールFBシステム(ベルト走行コントロール機能)を実現している。しかし、このような機能だけでは、以下の問題がある。
【0048】
ここで、図2において、作像モードの切り替え時の接離動作によりベルトの寄りが発生した際の、エッジセンサ13の出力結果(中間転写ベルト1の位置)と、ステコンローラ3の駆動源(ステコンローラ制御モータ)として用いたステッピングモータの位置と、を時系列に示した一例をグラフに示す。この図2は、ステアリングコントロールを行ったとしても、作像モードの切り替え(接離動作)に伴う急激な中間転写ベルト1の位置の変動に対しては十分な制御を行うことが難しいことを示していると言える。また、このような急激なベルト位置の変動時に作像した画像は色ずれなどの異常画像が発生することは明白である。
【0049】
また、ベルトスケールは、図5、図6に示すように中間転写ベルト1の端部に描かれていることが多い(作像範囲及び転写紙等に干渉しないようにするため)。よって、ベルトの寄りが発生することで(例えば、ベルトが図6の矢印yが示す右方向へずれていくことで)、ベルトスケールFBセンサ20の焦点位置を外れると、スケール信号を検知することが困難となる。
【0050】
そこで、本実施形態の画像形成装置では、図7に示す制御フロー(ベルトの搬送を調整するための調整モード)を行うことで、上述した問題を解決する。以下、図7について説明する。
【0051】
制御手段は、まず、図示しないモータにより駆動ローラ2の駆動を開始させ、中間転写ベルト1の搬送を開始させるとともに、ステコンローラ3の角度を変えて傾斜させる(S1)。この中間転写ベルト1の搬送開始により、エッジセンサ13及びベルトスケールFBセンサ20はそれぞれ、検出結果を制御手段への出力を開始する。
【0052】
中間転写ベルト1は、その幅方向の一方向(片側)へ寄っていく(S2)。ここでは例として、図6において、矢印yが示す方向のうち図中の右側方向へ中間転写ベルト1が移動していく。
【0053】
S2のときのベルトスケールFBセンサ20の検出結果の例を図8、図9に示す。S2においてベルトの寄りが発生させられた時点では、例えば図6に示すようにベルトスケールFBセンサ20はスケール信号を検出できるので、図8に示すように一定間隔のパルスとなる。その後、さらにベルトの寄りが進行すると、ベルトスケールがセンサによる検出(読み取り)可能範囲から外れていくので、次第にベルトスケールFBセンサ20はスケール信号を検出できなくなる。このとき、図9に示すように、パルス抜け(High又はLowのいずれかのパルスの抜け)が発生する。このようなことから、本実施形態では、図9に示すようなパルス抜けが一定数発生した時点を、ベルトスケールの検出可能範囲の限界とする必要がある。この一定数は、予め実験・検証により取得され(搬送速度に比例した理想的なパルス数が取得される)、後述するS3、S5の「所定数」として用いるようにする。
【0054】
制御手段は、ベルトスケールFBセンサ20から図8、図9に示すような検出結果を入力すると、そのパルス抜け数が所定数(予め定められた数)を超えたかを判断する(S3)。なおこのとき、制御手段は、ベルトスケールFBセンサ20の検出結果を入力するものの、その検出結果を基に上記判断を行うのであって、ベルトスケールを用いた制御は行わない。すなわち、図7のフローでは、ベルトスケールを用いた中間転写ベルト1の搬送制御は行われない。図7のフローにてベルトスケールを用いた制御を行ってしまうと、パルスが抜けている=搬送速度が遅いと制御手段が検知してしまうためである。よって、図7の調整モードでは、例えば、駆動ローラ2の同軸上に別のエンコーダホイールを持っている場合や、通常のFG付きのDCブラシレスモータやパルス数で回転するが決まるSTMなどのモータでベルトスケールを用いない制御を行うことになる。
【0055】
制御手段は、そのパルス抜け数が所定数を超えたら(ベルトスケールが、センサ20の検出可能範囲の限界に達したら)(S3/YES)、その時点でエッジセンサ13から入力された検出結果(中間転写ベルト1のエッジ位置)を、エッジセンサ読取値A(第1のエッジ位置の一例)として、所定の記憶手段に保存する(S4)。所定の記憶手段は、例えばRAM(Random Access Memory)等の主記憶装置が挙げられる。
【0056】
次に、制御手段は、ステコンローラ3の角度を変えて、S2のときとは逆方向へステコンローラ3を傾けるように制御する(S5)。これにより、中間転写ベルト1は、その幅方向の一方向(片側)へ寄っていく(S6)。ここでは例として、図6において、矢印yが示す方向のうち図中の左側方向へ中間転写ベルト1が移動していく。
【0057】
S5の後、制御手段は、ベルトスケールFBセンサ20からの検出結果を入力し、パルスが正常値(予め定められた数)に戻ったかを判断する(S7)。
【0058】
制御手段は、パルスが正常値に戻ったら(S7/YES)、制御手段は、S3と同様にして、ベルトスケールFBセンサ20から図8、図9に示すような検出結果を入力し、そのパルス抜け数が所定数(予め定められた数)を超えたかを判断する(S8)。
【0059】
制御手段は、そのパルス抜け数が所定数を超えたら(ベルトスケールが、センサ20の検出可能範囲の限界に達したら)(S8/YES)、その時点でエッジセンサ13から入力された検出結果(中間転写ベルト1のエッジ位置)を、エッジセンサ読取値B(第2のエッジ位置の一例)として、所定の記憶手段に保存する(S9)。
【0060】
制御手段は、(センサ読取値A+センサ読取値B)/2を算出し、その結果を目標値(2つのセンサ読取値の中央値。目標位置の一例)とし、ステアリングコントロールを行う(S10)。すなわち、制御手段は、エッジセンサ13からの検出結果がその目標値を維持し続けるように、ステコンローラ3の傾きを制御する。なお、図7の調整モード終了後は、以降の作像時において、S10で得られた目標値を保つようにステコン制御(ステコンローラ3の傾き制御)が行われることになる。図7の調整モードが再度実施されるのは、エッジセンサ13やベルトスケールFBセンサ20が交換されたとき、ベルトが交換されたときである。
【0061】
その後、制御手段は、所定時間(予め定められた値)の間、目標値−所定値(予め定められた値)<エッジセンサ読取値<目標値+所定値(予め定められた値)となったかを判断する(S11)。ここでの「エッジ読取値」とは、S10でのステコン制御の開始後にエッジセンサ13で検知される値である。
【0062】
なお、S11の判断は以下の理由で行われている。すなわち、エッジ読取値が目標値にならないと、ベルトの搬送が停止しないという制御ではいつまでたっても停止しないおそれがある。例えばPID制御でいうと、P制御のみではオーバーシュートしないので、エッジ読取値は永遠に目標値には至らないことになる。従って、本実施形態では、S10のステコン制御の開始後、エッジセンサ読取値が、目標値の付近まで至ったら(S11/YES)、ベルトの搬送を停止させるようにしている(S12)。目標値の付近というのはスケール幅などから、図2のような突然のベルト位置の変動が発生してもベルトスケール検知ができない領域になるように求められた数値であるため、どのようなベルトユニットであるかによりS11で用いられる所定値は変わることになる。
【0063】
また、S11において「所定時間」を設けているのは、制御の作り方によっては非常にオーバーシュートが大きくなることもあるので、一瞬目標値に入ってもまだ安定していないことが考えられるためである。
【0064】
S11の判断の結果、所定時間の間、エッジセンサ読取値が目標値−所定値より大きく、目標値+所定値よりも小さくなった場合(S11/YES)、制御手段は、駆動ローラ2の駆動を停止させ、中間転写ベルト1の搬送を停止させるとともに、ステコンローラ3の角度をデフォルト値に戻し、傾斜を停止させる(S12)。これにより、一連の調整モードは、正常終了する。これ以降、中間転写ベルト1は、上記目標値に従ってステコン制御される(このときは、ベルトスケールを用いた制御も行われる)。
【0065】
S11の判断の結果、所定時間の間、エッジセンサ読取値が目標値−所定値より大きく、目標値+所定値よりも小さくならなかった場合(S11/NO)、制御手段は、エラーを通知する(S13)。すなわち、調整モードは異常処理となる。エラー通知は、例えば、画像形成装置の表示部や放音部等を介して行われるようにしてもよい。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によれば、ベルトスケールの検知を用いたベルトの搬送制御において、ベルトスケールを検知できる範囲を狭くする必要なく、かつ、ベルトの寄り方向が安定しない場合にベルトスケールの検知を維持できる。
【0067】
すなわち、単純にメカ的なバラツキを考慮してスケールをセンサが検知できる範囲を設定するとなれば、ベルトの幅方向において非常に狭い範囲しかベルトスケールを検知できないことになり、制御も難しくなるし、図2のようなモードの切り替え時に大きく変動する場合は対応ができない。しかし、本実施形態では、そのようなメカ的なバラツキではなく、ベルト毎、機械ごとにベルトスケールを検知できる範囲を設定し、その中央値を制御の目標値とすることで、ベルトスケールを読み取れる範囲を広く設定でき、制御が簡単になり(急激な動きでベルトの寄りを補正しなくても済むなど、より安定した制御を作りこむことができる)、スケール信号が検知できないなどの不具合も防止できる(図2のような挙動があってもベルトスケールが読み取れない範囲に行くことが減る)ようになる。
【0068】
また、ベルトやセンサを交換した際に、図7の制御フローを行うことで、目標値をその都度設定できる。
【0069】
なお、上記説明では、図7のフローにより制御対象となる無端ベルトの例を、図1における中間転写ベルト1として説明したが、これに限定されない。その他の無端ベルトの例を図10、図11、図12にそれぞれ示す。
【0070】
図10は、感光体29の感光体ベルト29−1を制御対象とした例を示している。図10に示すように、感光体ベルト29−1の搬送経路上に、エッジセンサ13とベルトスケールFBセンサ20を配置する。ステコンローラは、感光体ベルト29−1を張架しているローラのいずれかである。基本的にステアリングコントロールは、2対のローラがあれば実現できる。また、感光体ベルト29−1には、図5の1−1のようなベルトスケールが備えられている。このような構成において、図示しない制御手段が、図7の制御フローを実行することで、上述した中間転写ベルトの場合と同様の効果を得ることができる。
【0071】
図11は、定着器18の定着ベルト18−1を制御対象とした例を示している。図11に示すように、定着ベルト18−1の搬送経路上に、エッジセンサ13とベルトスケールFBセンサ20を配置する。ステコンローラは、定着ベルト18−1を張架しているローラのいずれかである。また、定着ベルト18−1には、図5の1−1のようなベルトスケールが備えられている。このような構成において、図示しない制御手段が、図7の制御フローを実行することで、上述した中間転写ベルトの場合と同様の効果を得ることができる。
【0072】
図12は、図1に示した中間転写方式ではなく、転写紙(記録媒体の一例)に直接転写する方式において、紙搬送ベルト30(記録媒体搬送ベルトの一例)を制御対象とした例を示している。図12に示すように、紙搬送ベルト30の搬送経路上に、エッジセンサ13とベルトスケールFBセンサ20を配置する。ステコンローラは、紙搬送ベルト30を張架しているローラのいずれかである。また、紙搬送ベルト30には、図5の1−1のようなベルトスケールが備えられている。このような構成において、図示しない制御手段が、図7の制御フローを実行することで、上述した中間転写ベルトの場合と同様の効果を得ることができる。
【0073】
また、本実施形態の画像形成装置において、以下のような変形例も考えられる。
【0074】
例えば無端ベルトを構成する材質の線膨張係数が高い場合、温度の上昇とともに無端ベルトの幅方向が変化し、ベルトスケールFBセンサの検知可能範囲外に無端ベルトが寄ってしまうおそれが高くなる。これを解決するために、本変形例では、無端ベルトの搬送制御に用いる目標値を温度毎に設定できるようにすることで、よりベルトスケールの中央を狙いとした制御(ベルトスケールの検知を維持する制御)を可能にする。
【0075】
そのために、例えば、サーミスタ等をベルトスケールFBセンサ20の基板上に設けるようにし、図示しない制御手段が、サーミスタにより検出された温度を基に目標値を設定するようにする。制御手段による目標値の設定は、例えば、以下のようにして行われる。
【0076】
目標値となる数値がステアリングコントロール中に変化する。基本的には線膨張係数により距離は変化するので、
ベルトの線膨張係数:α1
中転フレーム(鉄)の線膨張係数:α2
奥行き方向のエンコーダセンサとステコンセンサ間距離:L
目標値を設定した時のサーミスタ温度:T0
現状のサーミスタ温度:T
T0での目標値:β0
Tでの目標値:β、とすると、
β=β0+(α2−α1)×L×(T−T0)の式によって温度毎の目標値が算出可能である。制御手段は、上記式にて算出した値を目標値として設定し、その目標値に基づいて無端ベルトの搬送を制御する。
【0077】
以上のことから、本変形例によれば、温度変化が大きく、線膨脹係数も大きいような場合、温度毎に目標値を設定することで、よりベルトスケールの中央を狙いとした制御が可能となる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0079】
例えば、上述した実施形態における動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0080】
ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させてもよい。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。
【0081】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、MO(Magneto Optical)ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
【0082】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送してもよい。または、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送してもよい。コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0083】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【符号の説明】
【0084】
1 中間転写ベルト
1−1 ベルトスケール
2 駆動ローラ
3 ステコンローラ
4 二次転写ローラ
6 接離機構
7 カラーブラケット
8、9、10、11 画像形成ユニット
8a、9a、10a、11a、29 感光体
8b、9b、10b、11b 画像書込部
8c、9c、10c、11c 帯電器
8d、9d、10d、11d 現像器
8e、9e、10e、11e 一次転写ローラ
13 エッジセンサ
13a スプリング
13b 接触子
13c 支軸
13d 変位センサ
13e LED
13f 光量センサ
14 用紙
15 ピックアップローラ
16 ローラ対
17 用紙搬送系
18 定着器
18−1 定着ベルト
20 ベルトスケールFBセンサ
21、22、51、52、53、54、55 ローラ
29 感光体ベルト
30 紙搬送ベルト
50 給紙カセット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特開2010−217301号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のローラに張架された無端ベルトの搬送を制御する無端ベルト搬送装置であって、
前記無端ベルトの搬送中に、当該無端ベルトのエッジ位置を検出するエッジ位置検出手段と、
前記無端ベルトの搬送中に、当該無端ベルトにおいてその搬送方向に沿って設けられたベルトスケールを検出するベルトスケール検出手段と、
前記無端ベルトの搬送中に、前記エッジ位置検出手段及び前記ベルトスケール検出手段のそれぞれから検出結果を取得し、当該検出結果を基に前記無端ベルトの搬送を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記無端ベルトを傾けて、その搬送方向と直交する方向のうちの一方向へ移動させていき、前記ベルトスケール検出手段から予め定められた検出結果が得られなくなった時点で、前記エッジ位置検出手段から得られた検出結果を第1のエッジ位置として取得し、
前記無端ベルトを傾けて、その搬送方向と直交する方向のうち前記一方向と反対の方向へ移動させていき、前記ベルトスケール検出手段から予め定められた検出結果が得られなくなった時点で、前記エッジ位置検出手段から得られた検出結果を第2のエッジ位置として取得し、
前記第1のエッジ位置と前記第2のエッジ位置に基づいて、それらの位置の範囲内となる目標位置を算出し、
前記エッジ位置検出手段による検出結果が前記目標位置の所定範囲内に収まるように、前記無端ベルトの傾きを制御することを特徴とする無端ベルト搬送装置。
【請求項2】
前記エッジ位置検出手段及び前記ベルトスケール検出手段は、
前記複数のローラのうちの同じローラ間に配置されることを特徴とする請求項1記載のベルト搬送装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記無端ベルトの搬送経路における所定位置で検出された温度毎に、前記目標位置を設定することを特徴とする請求項1又は2記載のベルト搬送装置。
【請求項4】
前記無端ベルトは、
中間転写ベルト、感光体ベルト、定着ベルト、記録媒体搬送ベルトのいずれかであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のベルト搬送装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のベルト搬送装置を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−33132(P2013−33132A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169216(P2011−169216)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】