説明

ベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体、その製造方法およびその誘導体を含む薬学的組成物

本発明はベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体、その製造方法およびその誘導体を含む薬学的組成物に関する。前記誘導体はナトリウム/水素交換チャンネルであるNHE−1に対して強力な抑制作用を示し、摘出された虚血心モデルにおいて虚血/再かん流による心臓損傷の機能回復を改善させ、in vivo虚血動物モデルにおいて、心筋梗塞のサイズを有意に減少させ、優れた心臓保護効果を示す。更に、神経細胞の壊死および死滅に対する保護効果を有し、in vivo脳虚血モデルにおいて、脳梗塞のサイズが有意に減少することで神経細胞および虚血脳に対する保護効果を示す。 また、前記誘導体は心筋梗塞、不整脈、狭心症などの虚血性心疾患、脳卒中などの脳血管疾患の予防および治療に有用に使用することができ、冠動脈バイパス術、経皮経管冠動脈形勢術などの施術時または血栓溶解剤などの再かん流療法に対する心臓保護剤などとして使用することができる。
【代表図】 なし

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体、その製造方法およびその誘導体を含む薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
急性心筋梗塞、不整脈、心不全などの虚血性心疾患が発生した後、冠動脈バイパス術、経皮経管冠動脈形成術などの外科施術または血栓溶解剤などの薬物療法による迅速な冠動脈の再かん流療法によりこれらの疾患を患う患者の生存率が増加する。しかし、再かん流療法後にも心筋梗塞または不整脈の再発率が高く、または心機能異常または神経認知機能の障害などを含む後遺症が残るという問題がある[Robert, M. (2003) Ann.Thorac. Surg.75: S700-708]。従って、心筋細胞の虚血性障害の進行を遅らせ、再かん流により誘発される損傷から保護することのできる心臓保護剤の開発が要求される[Kloner, R.A.; Rezkalla, S.H. (2004) J. Am. Coll. Cardiol. 44: 276-286]。
【0003】
NHE(sodium−hydrogen exchanger)は多様な細胞種から発現されるイオンチャンネルであり、細胞内のpH調節において重要な役割を行い、現在まで7個の亜型が確認され、心筋細胞の主亜型であるNHE−1は心筋虚血−再かん流の損傷において主要な役割を行う[Avkiran, M. et al., (2002) J. Am. Coll. Cardiol. 39: 747-753]。NHE−1は正常な生理的pH(=7.2)では作用を働かず、虚血を随伴した深刻な細胞内のアシドーシス(pH=6.4)により活性化する。活性NHE−1を通して水素イオンを排出し、細胞内のナトリウムイオンを増加させ、NCX(Na+/Ca2+ exchanger)が逆方向に作動し、結果的に細胞内のカルシウムイオンの濃度が高くなる。細胞内のカルシウムイオンの増加はプロテアーゼ、ホスホリパーゼ、エンドヌクレアーゼなどの酵素を活性化させ、タンパク質の分解、迅速な新陳代謝の妨害による活性酸素種(ROS)の増加、DNAの変形などを引き起こし、最終的に細胞損傷を引き起こす。結果的に、NHE−1の抑制により細胞内のナトリウムイオンの過負荷を減少させることで、細胞内のカルシウムイオンの過負荷を抑制し、虚血/再かん流による細胞損傷を保護することができる。しかし、増加した細胞内の水素イオン濃度は別のイオンチャンネルで調節することでNHE−1の抑制による細胞内アシドーシスを発生させない。
【0004】
NHE阻害剤として最初に知られた薬物は、利尿薬として使用されるパラジン誘導体アミロリドである[Benos, DJ. (1982) A. J. Physiol. 242: C131]。アミロリドはNHE−1に対する抑制作用があり、ラットの虚血心モデルにおいて、虚血/再かん流後に心機能の回復を増進させることが観察されたが、NHE−1以外にもNHE−2およびナトリウムチャンネルを抑制するなどの選択性が不足しているため心臓保護剤としては問題があった。
【0005】
従って、NHE−1に対して特効性を有する薬物を開発するための研究が行われ、Hoechst Marion Roussel(現在Aventis)によりNHE−1に対して高い特効性を有するベンゾイルグアニジン誘導体であるカリポリド(HOE−694)が開発された[Schloz, W. et. al., (1993) Br. J. Pharmacol. 109: 562]。現在まで知られた大部分のNHE−1抑制剤はアシルグアニジンであり、ゾニポリド(zoniporide)、サビポリド(sabiporide)、SM−20220、BMS−284640などの薬物が選択的NHE−1抑制剤として例示されている。
【0006】
NHE−1抑制剤は、細胞内のナトリウムとカルシウムイオンの過負荷を減少させることで、細胞死滅または懐死の減少、損傷された心筋機能の回復、不整脈の減少、代謝状態の改善などの虚血再かん流心臓に対して保護効果を有することが確認された[Karmazyn, M. (2002) Science & Medicine: 18-26]。従って、虚血/再かん流損傷に対する心臓保護剤として選択的なNHE−1抑制剤は、冠動脈バイパス術、経皮経管冠動脈形成術および/または急性心筋梗塞のための血栓溶解剤療法などに適用することができ、心不全、不整脈などの広範囲な虚血性心疾患の治療および予防効果が期待される。
【0007】
そこで、本発明の発明者はNHE−1に対して選択性がある薬物の研究を行い、選択的なNHE−1抑制剤としてベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体を発見し、これらが虚血/再かん流により誘発される心筋障害機能の回復に効果的であり、神経細胞の死滅に対する保護効果だけでなく、脳虚血および心虚血モデルにおいて、梗塞症のサイズを有意に減少させ、従って、優れた虚血性心臓疾患および脳疾患の治療および予防において非常に有用であることを確認し、本発明を完成するに至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体および薬学的に許容可能なその塩を提供することに目的がある。
また、本発明はベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体の製造方法を提供することに別の目的がある。
【0009】
また、本発明はベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジンまたは薬学的に許容可能なその塩を有効成分とする、虚血性心臓疾患および虚血性脳疾患の予防および治療用、および再かん流療法に対する心臓保護用薬学的組成物を提供することにまた別の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一特徴によると、ベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体および薬学的許容可能なその塩を提供する。
本発明の別の特徴によると、ベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体の製造方法を提供する。
本発明のまた別の特徴によると、ベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩を有効成分とする、虚血性心臓疾患および虚血性脳疾患の予防および治療用、および再かん流療法に対する心臓保護用薬学的組成物を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体は、ナトリウム/水素交換輸送体であるNHE−1に対して強力な抑制作用を有し、摘出された虚血心モデルにおいて虚血/再かん流による心臓機能の損傷回復を促進させ、in vivo虚血動物モデルにおいて、心筋梗塞のサイズを有意に減少させ、優れた心臓保護効果を示す。更に、神経細胞の壊死およびアポトーシスに対して保護効果を有し、in vivo脳虚血モデルにおいて、梗塞サイズを有意に減少させる。
【0012】
従って、本発明の薬学的組成物は、心筋梗塞、不整脈、狭心症などの虚血性心臓疾患、および脳卒中などの脳血管疾患の予防および治療に有用に使用することができ、冠動脈バイパス術および経皮経管冠動脈形成術などの心臓施術、または血栓溶解剤などの薬物を使用する再かん流療法に対する心臓保護剤として使用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は下記化学式1に表されるベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体および薬学的に許容可能なその塩を提供する。
化学式1
【0014】
【化1】

【0015】
前記式において、
1は、H、F、Cl、Br、I、CN、NO2、アミノ、または分岐鎖または直鎖であるC1〜C5アルキル、C1〜C5アルケニル、C1〜C5アルキニル、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5ハロアルキル、またはC6〜C14アリールであり、ここで、前記C6〜C14アリールは非置換、またはF、Cl、Br、I、CN、NO2、アミノ、および分岐鎖または直鎖であるC1〜C5アルキル、C1〜C5アルケニル、C1〜C5アルキニル、C1〜C5アルコキシ、およびC1〜C5ハロアルキルの中から選択された1種に置換され、
2はH、F、Cl、Br、I、CN、NO2、アミノ、または側鎖または直鎖であるC1〜C5アルキル、C1〜C5アルケニル、C1〜C5アルキニル、C1〜C5アルコキシ、またはC1〜C5ハロアルキルである。
【0016】
更に好ましくは、
1は、H、F、Cl、Br、I、CN、NO2、NH2、CF3、OCH3、分岐鎖または直鎖であるC1〜C3アルキル、C1〜C3アルケニル、またはC6〜C10アリールであり、ここで、前記C6〜C10アリールは非置換、またはF、Cl、Br、I、CN、NO2、NH2、CF3、OCH3、分岐鎖または直鎖であるC1〜C3アルキル、およびC1〜C3アルケニルの中から選択された1種に置換され、および
2はH、またはC1〜C3アルキルである。
【0017】
ここで、“アルコキシ”は側鎖または直鎖であるアルキル、アルケニル、またはアルキニルに置換された酸素ラジカルを意味する。
“ハロアルキル”はフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素原子のうち少なくとも1種に置換されたアルキルを意味する。
“アミノ”は−NH2、−NHR3または−NH34を含み、ここで、R3およびR4は各々独立的に直鎖または分岐鎖のC1〜C5アルキルである。
【0018】
前記化学式1に表される本発明のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体は、薬学的に許容可能な遊離酸により形成された薬学的に許容可能な塩の形態で使用され得る。遊離酸としては無機酸または有機酸を使用することができ、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸を含む無機酸が有用であり、好ましくは臭化水素酸を使用する。有機酸としては、クエン酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、酢酸、グリコン酸、コハク酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸、ガラクツロン酸、エンボン酸、グルタミン酸、またはアスパラギン酸を使用することができ、好ましくは、メタンスルホン酸を使用することができる。
【0019】
また、本発明の前記化学式1に表されるベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体は薬学的に許容される塩だけでなく、通常の方法により製造される塩、水和物および溶媒和物の形態で使用され得る。
本発明による付加塩は通常の方法で製造することができ、例えば、化学式1の化合物を水混和性有機溶媒、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、またはアセトニトリルなどに溶解し、過量の有機酸、または無機酸の酸水溶液を加えた後、沈殿させたり結晶化させて製造する。これらの付加塩は、溶液から溶媒や過量の酸を蒸発させたり、または沈殿物を吸引および濾過させることで得られる。
【0020】
更に好ましくは、ベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体またはその塩は下記化合物を含む。
1)(4−ブロモベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
2)[4−(2−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
3)[4−(3−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
4)[4−(4−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
5)[4−(2−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
6)[4−(3−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
【0021】
7)[4−(4−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
8)[4−(2−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
9)[4−(3−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
10)[4−(4−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
11)[4−(2−メトキシフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
12)[4−(3−メトキシフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
【0022】
13)[4−(4−メトキシフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
14)[4−(2−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
15)[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
16)[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
17)(4−フェニルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
【0023】
18)[4−(1−ナフタレニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩
19)[4−(3,5−ジクロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩
20)[4−(2,5−ジクロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジン、
21)[4−(2,3−ジクロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
22)[4−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
23)[4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
【0024】
24)[4−(3,5−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
25)[4−(2,5−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
26)[4−(2,3−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
27)[4−(3,4−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
28)[4−(2−メチル−5−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
29)[4−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
30)[4−(3,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
31)[4−(2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
【0025】
32)(4−クロロベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
33)(4−フルオロベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
34)(4−ヨードベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
35)(4−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
36)(4−ビニルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
37)(4−エチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
38)(4−イソプロピルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
39)(4−ニトロベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
【0026】
40)(4−アミノベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
41)(4−メトキシベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
42)(4−シアノベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
43)(4−トリフルオロメチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
44)(ベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
45)(4−ブロモ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
46)(4−クロロ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
【0027】
47)(4,5−ジメチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
48)(4−シアノ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸、
49)(4−ブロモ−6−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
50)(4,6−ジメチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、および
51)(4−シアノ−6−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
【0028】
また、本発明は、ベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体および薬学的に許容可能なその塩の製造方法を提供する。
本発明は下記反応式1に表される化学式1のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体の製造方法を提供する。
下記反応式1
【0029】
【化2】

【0030】
前記式において、
1およびR2は化学式1で定義した通りであり、
Lは、グアニジンにより容易に置換される離脱基であり、ハロゲン、アルコキシ、アリルオキシ、スルホニルオキシ、およびカルボニルオキシから選ばれ、好ましくはハロゲン、アルコキシ、トシレート(−OSO2PhCH3)、またはメシレート(−OSO2CH3)である。
【0031】
前記反応式1において、カルボン酸誘導体(II)は離脱基Lに応じてエステル、ハロゲン化アシル、カルボン酸無水物誘導体であり得る。前記エステル誘導体は一般的なアルキルエステル(例、メチルエステル、エチルエステル)以外にも、活性エステル誘導体(例、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル)、またはスルホン酸エステル(トシレートエステル、メシレートエステル)を含む。このようなカルボン酸誘導体は通常的な公知方法にてカルボン酸から容易に製造することができる。
【0032】
前記反応式1において、
1)前記カルボン酸誘導体(II)がアルキルエステルや活性エステルの場合、
適切な溶媒を使用して定量または過量のグアニジンと反応させて化合物(I)を得る。
【0033】
この反応溶媒はメタノール、エタノール、またはイソプロパノールのようなアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、およびこれらの混合溶媒の中から選択して使用することができる。反応は常温から溶媒の沸点までの範囲で行う。
2)前記カルボン酸誘導体(II)がハロゲン化アシルまたは酸無水物である場合、
適切な溶媒と過量のグアニジンを反応させたり、または塩基存在下でグアニジンと反応させて化合物(I)を得る。この反応で使用される塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基、またはトリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基である。
【0034】
反応溶媒としてはベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)、またはこれらの混合溶媒を使用することができる。
前記反応式1において、出発物質として使用されるカルボン酸誘導体(II)は下記のような方法にて製造する。
1)前記反応式1において、カルボン酸誘導体(II)がメチルまたはエチルエステル(L=OMeまたはOEt)のような一般的なアルキルエステルであるメチルまたはエチルエステルであり、R1がH、ハロゲン(Br、Cl、F、I)、CN、NO2、NH2、アミノ、ハロアルキル、またはアルコキシである場合、
前記反応式1で使用したカルボン酸誘導体(II)のR1が水素、ハロゲン(Br、Cl、F、I)、シアノ、ニトロ、アミノ、ハロアルキル、またはアルコキシである場合、下記反応式2のように、化合物(IV)のホルミル化反応後、アルデヒド化合物(V)とメチルチオグリコレートの求核置換反応および分子環化反応を通して化合物(II−1)を製造する。
反応式2
【0035】
【化3】

【0036】
前記式において、
1は、H、ハロゲン(Br、Cl、F、I)、CN、NO2、アミノ、C1〜C5ハロアルキル、またはC1〜C5アルコキシであり、
2は、前記化学式1で定義した通りであり、
Lは、前記反応式1で定義した通りであり、そして
Xは、F、NO2、Cl、またはBrである。
【0037】
前記反応式2で使用されるアルデヒド化合物(V)は市販されている化合物を使用したり、塩基を使用してR1、R2およびXが適当に置換された化合物(IV)から製造する。ここで、前記塩基としてはリチウムジイソプロピルアミド(LDA)またはn−ブチルリチウムを使用して、R1およびX置換炭素原子の間に位置する炭素原子から水素を離脱させて形成された陰電荷がジメチルホルムアミド(DMF)またはギ酸メチルを攻撃してアルデヒド基を導入する公知の方法にて製造した。
【0038】
化合物(V)は、塩基の存在下において、求核置換反応を生じ、この反応では、メチルチオグリコレートのチオール基の、Xで置換された炭素原子への求核性攻撃により(ここで、Xは、ハロゲン(F、Cl、Br)またはニトロ基である)が生じ、メチルチオグリコレートが付加し、一方、X基は除去される。次いで、分子間環化反応が起こり、ここでは、エステルのアルファ水素イオンが離脱して、生じた陰電荷がアルデヒドを攻撃し、そして、脱水反応が生じる。すなわち、ベンゾチオフェン環化合物(II−1)が、一連の求核置換反応、分子間環化反応及び脱水反応を介して、化合物(V)から製造される。これらの反応に適する塩基として、炭酸カリウム、t−ブトキシドカリウムまたは水素化ナトリウムが好適である。一連の反応は、DMF、またはテトラヒドロフランまたはジオキサンのようなエーテル溶媒において、を使用することが好ましく、室温から溶媒の沸点までの範囲で行うことが好ましい。
【0039】
前記反応式2において、R1がアミノ基である化合物は、R1がニトロ基である化合物(II−1)から通常の還元反応にて製造される。
前記反応式2において、R1がCNである化合物(II−5)は下記反応式3の通り、R1がBrまたはIである化合物(II−4)から製造され得る。
反応式3
【0040】
【化4】

【0041】
前記式において、
2は、前記化学式1で定義した通りであり、
Lは、前記反応式1で定義した通りであり、
1は、BrまたはIである。
前記反応式3において、CN-の供給源としてCuCN、KCN、またはNaCNが使用され、特にCuCNが好ましい。
前記反応は触媒なしに、DMFまたは1−メチル−2−ピロリジノンのように沸点が高い溶媒、またはマイクロ波反応器で加熱して反応させることができる。反応温度は100〜220℃の範囲である。
【0042】
触媒を使用する場合はパラジウム触媒が好ましく、Pd2(dba)3またはPd(PPh34が更に好ましい。この時、反応を促進する付加物として、dppf(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)、Et4NCN、またはBu3SnClなどを使用することができる。パラジウム触媒を使用する場合、溶媒はジオキサンまたはテトラヒドロフランのようなエーテル、ベンゼンまたはトルエンのような芳香族炭化水素、CH3CN、またはDMFを単独に使用したり、混合して使用することができる。反応温度は常温から溶媒の沸点までの範囲である。
【0043】
2)前記反応式1において、カルボン酸誘導体(II)がメチルまたはエチルエステル(L=OMeまたはOEt)のような一般的なアルキルエステルであり、R1がアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリールである場合、下記反応式4のように、前記反応式2で製造した4−ハロベンゾチオフェン化合物(II−6)と、アリールおよびアルキルボロン酸、またはスタニルアリール(Stanylaryl)およびアルキル誘導体化合物(VI)を、金属触媒、特にパラジウム触媒の存在下でシュティレ型(Stille−type)結合またはスズキ型結合で反応させ、化合物(II−7)および(II−8)を製造する。
反応式4
【0044】
【化5】

【0045】
前記式において、
Lは、前記反応式1で定義した通りであり、
1は、Br、IまたはClであり、
YおよびZは、各々H、ハロゲン、CN、NO2、アミノ、分岐鎖または直鎖であるC1〜C5アルキル、C1〜C5アルケニル、C1〜C5アルキニル、C1〜C5アルコキシ、またはC1〜C5ハロアルキルであり、
1は、分岐鎖または直鎖であるC1〜C5アルキル、C1〜C5アルケニル、C1〜C5アルキニルまたはC6〜C14アリールであり、ここで、前記C6〜C14アリールは非置換、またはF、Cl、Br、I、CN、NO2、アミノ、分岐鎖または直鎖であるC1〜C5アルキル、C1〜C5アルケニル、C1〜C5アルキニル、C1〜C5アルコキシ、およびC1〜C5ハロアルキルからなる群から選択された1種の置換基で置換され、
2は、化学式1で定義した通りであり、
QはB(OH)2、BCl2、BBr、




【0046】
【化6】



【0047】
SnBu3、SnMe3、またはZnClである。
前記反応式4において、一般式(VI)のボロン酸またはスタニル化合物は市販されている化合物を使用するか、水酸化化合物から公知の方法にて製造される。
前記反応式4において、金属触媒としてはパラジウム、ニッケル、および白金着体を使用することができるが、パラジウム触媒を使用することが好ましい。パラジウム触媒としてはPd(PPh34、Pd−C、PdCl2(PPh32、Pd2(dba)3、PdCl2(dppf)、[PdCl(アリル)]2、Pd(OAc)2またはPdCl2を使用することができる。
【0048】
前記反応式4において、反応を促進して収率を高めるために、PPh3、P−(0−トリル)3、またはPBu3などのホスフィン、塩化リチウム、臭化リチウムまたはヨード化リチウムなどの塩を付加物として使用することができる。
前記反応式4において、スズキ型反応を行う場合は塩基を1〜3当量使用する。使用することのできる塩基としてはトリエチルアミンおよびイソプロピルエチルアミンのような第3級アミン有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化バリウムなどのような無機塩基がある。無機塩基が有機溶媒に溶解される場合、0.5〜4Mの水溶液を加える。
【0049】
前記反応式4の反応で、溶媒としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族溶媒、メタノール、エタノールのようなアルコール溶媒、DMF、アセトニトリル、または酢酸エチルを単独で使用したり、混合して使用することができる。反応は常温から溶媒の沸点までの範囲で行う。
前記反応式4において、R1がエチルを有する化合物である場合は、R1がビニルである化合物から通常の還元方法により製造することができる。
また、本発明は下記反応式5に表される化学式1のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体のまた別の製造方法を提供する。
反応式5










【0050】
【化7】

【0051】
前記式において、R1、R2は化1で定義した通りである。
前記反応式5において、カルボン酸化合物(III)は縮合剤の存在下でグアニジンと反応してベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン化合物(I)を製造する。
前記反応式5において、前記カルボン酸化合物(III)が適切な反応溶媒で縮合剤の存在下で当量または過量のグアニジンと反応して化合物(I)を製造する。反応温度は常温から溶媒の沸点までである。
【0052】
この時、使用される縮合剤としては、N,N−カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)、またはジフェニルホスホニルアジド(DPPA)である。
前記反応において、溶媒として、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンなどのエーテル溶媒、ベンゼンまたはトルエンなどの芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタンまたはクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素溶媒、またはDMFが単独で使用されたり、または混合して使用することができる。
前記反応式5の出発物質であるカルボン酸化合物(III)は塩基存在下で、前記反応式2〜4で製造したエステルを通常の方法により加水分解して製造することができる。
前記反応式1の出発物質であるカルボン酸誘導体(II)のうち、メチルまたはエチルエステル化合物以外の化合物は反応式5のカルボン酸化合物(III)から通常の方法により製造することができる。
【0053】
また、本発明は前記ベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩を有効成分として含有する虚血性心疾患および虚血性脳疾患の予防および治療、および再かん流療法に対する心臓保護に有用な薬学的組成物を提供する。
本発明の化合物は臨床投与時に経口または非経口の剤形にて投与することができ、通常、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を混ぜて剤形化される。本発明の化合物を経口投与するための固形製剤は錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチなどが含まれ、このような固形製剤は少なくとも一つの賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロース、ラクトースまたはゼラチンを混ぜて調剤される。一方、賦形剤以外にステアリン酸マグネシウム、タルクのような潤滑剤も加えられる。経口投与のための液状製剤としては懸濁剤、内用液、乳剤、シロップ剤などが含まれるが、単純希釈剤である水、流動パラフィン以外に、様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが本発明の経口投与用の液状製剤に含まれる。また、非経口投与用の製剤には滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤などが使用される。非水性溶剤および懸濁剤としては注入可能なプリピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、オレイン酸エチルのようなエステルを使用することができる。坐剤の基剤としてはウイテプゾール、マクロゴール、ツイーン61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロール、ゼラチンが含まれる。
【0054】
また、ヒトに対する本発明の化合物の投与量は患者の年齢、体重、性別、投与形態、健康状態および疾患程度により異なり得、体重が70kgである成人患者を基準にする時、一般的に0.1〜1,000mg/日の量を投与し、好ましくは1〜500mg/日の量を投与し、更に、医師または薬剤師の判断に応じて1日1回〜数回にわたり分割投与することもできる。
本発明のベンゾチオフェン−2‐カルボニルグアニジン誘導体および薬学的に許容可能なその塩は、ヒトNHE−1を発現させた細胞において、NHE−1に対して強力な抑制効果を示し、ランゲンドルフの摘出したラットの虚血心モデルでも、心臓機能(左心室拡張期血圧、LVDP)の回復を増進させ、虚血/再かん流に対して優れた心臓保護作用を示し、麻酔したラットを利用した虚血心筋梗塞モデルにおいて心筋梗塞のサイズを有意に減少させ、優れた抗虚血作用を示す。
【0055】
更に、本発明のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体および薬学的に許容可能なその塩は、グルタミン酸によって誘発されたラット胎仔の脳から摘出した大脳皮質神経細胞の損傷および壊死に対して保護作用を示し、虚血脳モデルにおいて、脳梗塞のサイズを減少させ、優れた抗虚血効果を示す。
従って、本発明の化合物はNHE−1に対する強力な抑制効果、および神経細胞損傷に対する保護作用、およびin vitroおよびin vivoモデルにおいて虚血/再かん流に対して優れた心臓保護作用および脳保護作用を示すため、心筋梗塞、不整脈、狭心症のような虚血性心疾患、脳卒中のような虚血性脳疾患の予防および治療に有用に使用され、冠動脈バイパス術、経皮経管冠動脈形成術のような冠動脈の再かん流療法に対する心臓保護剤、および/または心筋梗塞用の血栓溶解剤として使用することができる。
【実施例】
【0056】
以下、本発明の理解を深めるために好ましい実施例および実験例を提示するが、下記実施例および実験例は本発明をより容易に理解するために提供するのみであり、実施例により本発明の内容が限定されるわけではない。
本発明では赤外線分光法、核磁気共鳴分光法、質量分析、液体クロマトグラフィ法、X線結晶学、旋光度分光法、および典型元素の分析計算値と実測値の比較による元素分析を使用して分子構造を確認した。
反応式1〜5の化合物(II)は下記製造例を通して製造した。
【0057】
製造例1
4−ブロモベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0058】
(段階1)2,6−ジブロモベンゾアルデヒドの製造
窒素雰囲気下で、無水THF(70ml)にジイソプロピルアミン(8.3ml、59.34mmol)を加えた後、0℃でn−BuLi(1.6M、59.34mmol)を注射器で一滴ずつゆっくりと加えた。反応混合液を0℃で30分間攪拌した後、−78℃まで冷却し、滴下漏斗を使用してTHF(35ml)に1,3−ジブロモベンゼン(7g、29.67mmol)を徐々に滴下した。−78℃で30分間攪拌した後、DMF(4.6ml、59.34mmol)を徐々に加え、継続的に1時間攪拌させた。反応終了後、希薄H2SO4水溶液を加え、酢酸エチルで2度抽出した後、飽和NaCl溶液で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた後、濾過した。濾液を減圧下で濃縮させ、残留物をシリカゲルコラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=40:1)で精製し、白色固体の標記化合物(6.64g、25.16mmol、85%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 10.26(s、1H)、7.63(d、2H)、7.22(t、1H)
MS(m/z)M+=263(M+
【0059】
(段階2)4−ブロモベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
前記段階1で得られた化合物(6.64g、25.16mmol)をDMF(90ml)に溶かした後、炭化カリウム(7.65g、55.35mmol)およびメチルチオグリコレート(2.7ml、30.19mmol)を逐次加えた後、6時間攪拌しながら加熱、還流させた。反応終了後、室温まで冷却し、酢酸エチルで抽出した後、水と塩水で洗浄した。反応溶液をMgSO4で乾燥させた後、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルコラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=40:1)で精製し、白色固体の標記化合物(5.72g、21.09mmol、84%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.19(s、1H)、7.79(d、1H、J=8.2Hz)、7.58(d、1H、J=7.6Hz)、7.30(dd、1H、J=7.6,8.2Hz)、3.96(s、3H)
MS(m/z)M+=272(M+
【0060】
製造例2
4−(2−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
前記製造例1で得られた4−ブロモベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(150mg、0.55mmol)、Pd(PPh34(102mg、8mmol%)および2−クロロフェニルボロン酸(130mg、0.83mmol)をトルエン(3ml)に溶解した後、2M K2CO3(0.55ml、1.1mmol)を加え、16時間攪拌しながら加熱、還流させた。反応終了後、酢酸エチルで2度抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた後、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルコラムクロマトグラフィ(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=60:1)で精製し、白色固体の標記化合物(144mg、0.47mmol、86%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.87(d、1H、J=8.2Hz)、7.76(s、1H)、7.57〜7.32(m、6H)、3.90(s、3H)
【0061】
製造例3
4−(3−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0062】
3−クロロフェニルボロン酸(173mg、1.11mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(162mg、0.54mmol、73%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 8.09(s、1H)、7.87(d、1H、J=8.1Hz)、7.55〜7.35(m、6H)、3.94(s、3H)
MS(m/z)M+=302(M+
【0063】
製造例4
4−(4−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0064】
4−クロロフェニルボロン酸(260mg、1.66mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(178mg、0.62mmol、84%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.09(s、1H)、7.86(d、1H、J=8.2Hz)、7.56〜7.34(m、6H)、3.93(s、3H)
MS(m/z)M+=302(M+
【0065】
製造例5
4−(2−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0066】
2−フルオロフェニルボロン酸(232mg、1.66mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(233mg、0.81mmol、74%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.93(m、2H)、7.88〜7.19(m、6H)、3.91(s、3H)
MS(m/z)M+=286(M+
【0067】
製造例6
4−(3−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0068】
3−フルオロフェニルボロン酸(191mg、1.36mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、黄白色固体の標記化合物(135mg、0.47mmol、70%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.12(s、1H)、7.85(d、1H、J=8.4Hz)、7.56〜7.08(m、6H)、3.93(s、3H)
MS(m/z)M+=286(M+
【0069】
製造例7
4−(4−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0070】
4−フルオロフェニルボロン酸(155mg、1.11mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、黄白色固体の標記化合物(178mg、0.62mmol、84%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.09(s、1H)、7.83(d、1H、J=8.1Hz)、7.55〜7.15(m、6H)、3.92(s、3H)
MS(m/z)M+=286(M+
【0071】
製造例8
4−(2−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0072】
2−メチルフェニルボロン酸(226mg、1.66mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(280mg、0.99mmol、90%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.87(d、1H、J=8.4Hz)、7.70(s、1H)、7.51(dd、1H、J=7.2,8.2Hz)、7.36〜7.21(m、5H)、3.89(s、3H)、2.10(s、3H)
MS(m/z)M+=282(M+
【0073】
製造例9
4−(3−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0074】
3−メチルフェニルボロン酸(226mg、1.66mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(290mg、1.03mmol、93%)を得た。
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 8.15(s、1H)、7.83(d、1H、J=8.4Hz)、7.51(dd、1H、J=7.5,8.1Hz)、7.39〜7.25(m、5H)、3.92(s、3H)、2.45(s、3H)
MS(m/z)M+=282(M+
【0075】
製造例10
4−(4−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0076】
4−メチルフェニルボロン酸(150mg、1.11mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(205mg、0.73mmol、98%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.16(s、1H)、7.83(d、1H、J=8.0Hz)、7.54〜7.25(m、6H)、3.92(s、3H)、2.45(s、3H)
MS(m/z)M+=282(M+
【0077】
製造例11
4−(2−メトキシフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0078】
2−メトキシフェニルボロン酸(252mg、1.66mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(299mg、1.00mmol、91%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.86〜7.82(m、2H)、7.54〜7.03(m、6H)、3.90(s、3H)、3.75(s、3H)
MS(m/z)M+=298(M+
【0079】
製造例12
4−(3−メトキシフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0080】
3−メトキシフェニルボロン酸(135mg、1.11mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、黄白色固体の標記化合物(130mg、0.44mmol、59%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.16(s、1H)、7.87(d、1H、J=8.1Hz)、7.55〜7.37(m、3H)、7.15〜6.96(m、3H)、3.92(s、3H)、3.87(s、3H)
MS(m/z)M+=298(M+
【0081】
製造例13
4−(4−メトキシフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0082】
4−メトキシフェニルボロン酸(252mg、1.66mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(320mg、1.07mmol、97%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.15(s、1H)、7.79(d、1H、J=8.1Hz)、7.53〜7.44(m、3H)、7.35(d、1H、J=7.4Hz)、7.07〜7.00(m、2H)、3.92(s、3H)、3.89(s、3H)
【0083】
製造例14
4−(2−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0084】
2−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(315mg、1.66mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(170mg、0.51mmol、46%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.91〜7.80(m、2H)、7.63〜7.45(m、4H)、7.38〜7.28(m、2H)、3.89(s、3H)
MS(m/z)M+=336(M+
【0085】
製造例15
4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0086】
3−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(315mg、1.66mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(360mg、1.07mmol、97%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.05(s、1H)、7.91(d、1H、J=8.1Hz)、7.79〜7.50(m、5H)、7.38(d、1H、J=7.4Hz)、3.93(s、3H)
MS(m/z)M+=336(M+
【0087】
製造例16
4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0088】
4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(210mg、1.11mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(237mg、0.71mmol、95%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.08(s、1H)、7.89(d、1H、J=8.0Hz)、7.80〜7.65(m、4H)、7.55(dd、1H、J=7.4,8.2Hz)、7.38(d、1H、J=7.4Hz)、3.93(s、3H)
MS(m/z)M+=336(M+
【0089】
製造例17
4−フェニルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0090】
フェニルボロン酸(135mg、1.11mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(195mg、0.73mmol、98%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.15(s、1H)、7.85(d、1H、J=8.0Hz)、7.56〜7.37(m、7H)、3.92(s、3H)
MS(m/z)M+=268(M+
【0091】
製造例18
4−(1−ナフタレニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0092】
1−ナフタレンボロン酸(190mg、1.11mmol)を使用して製造例2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(172mg、0.54mmol、73%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.97〜7.92(m、3H)、7.62〜7.26(m、8H)、3.84(s、3H)
MS(m/z)M+=318(M+
【0093】
製造例19
4−(3,5−ジクロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0094】
前記製造例1で得られた4−ブロモベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(200mg、0.74mmol)、Pd(PPh34(68mg、8mmol%)および3,5−ジクロロフェニルボロン酸(212mg、1.11mmol)を1,2−ジメトキシエタン(4.2ml)に溶解した後、2M Ba(OH)2・H2O(210mg、1.11mmol)を加え、16時間攪拌しながら加熱、還流させた。反応終了後、酢酸エチルで2度抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた後、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルコラムクロマトグラフィ(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=60:1)で精製し、白色固体の標記化合物(137mg、0.41mmol、55%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.05(s、1H)、7.89(d、1H、J=8.4Hz)、7.56〜7.32(m、5H)、3.95(s、3H)
MS(m/z)M+=336(M+
【0095】
製造例20
4−(2,5−ジクロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0096】
2,5−ジクロロフェニルボロン酸(317mg、1.66mmol)を使用して製造例19と同様の方法で反応させ、黄白色固体の標記化合物(338mg、1.00mmol、91%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.92(d、1H、J=8.2Hz)、7.74(s、1H)、7.57〜7.26(m、5H)、3.92(s、3H)
MS(m/z)M+=336(M+
【0097】
製造例21
4−(2,3−ジクロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0098】
2,3−ジクロロフェニルボロン酸(317mg、1.66mmol)を使用して製造例19と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(283mg、0.84mmol、76%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.92(d、1H、J=8.2Hz)、7.74(s、1H)、7.57〜7.26(m、5H)、3.92(s、3H)
MS(m/z)M+=336(M+
【0099】
製造例22
4−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0100】
2−メトキシ−5−クロロフェニルボロン酸(309mg、1.66mmol)を使用して製造例19と同様の方法で反応させ、黄白色固体の標記化合物(320mg、0.96mmol、87%)を得た。
1H NMR(500MHz、CDCl3)δ 7.89(d、1H、J=8.0Hz)、7.82(s、1H)、7.54(dd、1H、J=7.7,8.1Hz)、7.36〜7.30(m、3H)、6.99(d、1H、J=8.7Hz)、3.94(s、3H)、3.78(s、3H)
MS(m/z)M+=332(M+
【0101】
製造例23
3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0102】
3−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸(289mg、1.66mmol)を使用して製造例19と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(330mg、1.03mmol、93%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.05(s、1H)、7.88(d、1H、J=8.0Hz)、7.59〜7.26(m、5H)、3.93(s、3H)
MS(m/z)M+=320(M+
【0103】
製造例24
4−(3,5−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0104】
3,5−ジフルオロフェニルボロン酸(262mg、1.66mmol)を使用して製造例19と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(262mg、0.92mmol、83%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.10(s、1H)、7.89(d、1H、J=8.4Hz)、7.53(dd、1H、J=7.4,8.0Hz)、7.35(d、1H、J=7.4Hz)7.09〜7.04(m、3H)、3.94(s、3H)
MS(m/z)M+=304(M+
【0105】
製造例25
4−(2,5−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0106】
2,5−ジフルオロフェニルボロン酸(262mg、1.66mmol)を使用して製造例19と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(263mg、0.86mmol、78%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.93〜7.89(m、2H)、7.54(dd、1H、J=7.6,8.0Hz)、7.38(d、1H、J=7.4Hz)、7.25〜7.10(m、3H)、3.93(s、3H)
MS(m/z)M+=304(M+
【0107】
製造例26
4−(2,3−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0108】
2,3−ジフルオロフェニルボロン酸(262mg、1.66mmol)を使用して製造例19と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(253mg、0.83mmol、75%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.94〜7.90(m、2H)、7.54(dd、1H、J=7.4,8.0Hz)、7.39(d、1H、J=7.4Hz)、7.30〜7.18(m、3H)、3.93(s、3H)
MS(m/z)M+=304(M+
【0109】
製造例27
4−(3,4−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0110】
3,4−ジフルオロフェニルボロン酸(262mg、1.66mmol)を使用して製造例19と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(325mg、1.07mmol、97%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.08(s、1H)、7.86(d、1H、J=8.0Hz)、7.56〜7.23(m、5H)、3.94(s、3H)
MS(m/z)M+=304(M+
【0111】
製造例28
4−(2−メチル−5−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0112】
2−メチル−5−フルオロフェニルボロン酸(256mg、1.66mmol)を使用して製造例19と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(310mg、1.03mmol、93%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.87(d、1H、J=8.0Hz)、7.68(s、1H)、7.51(dd、1H、J=7.2,8.2Hz)、7.31〜7.04(m、4H)、3.90(s、3H)、2.04(s、3H)
MS(m/z)M+=300(M+
【0113】
製造例29
4−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0114】
5−フルオロ−2−メチルフェニルボロン酸(256mg、1.66mmol)を使用して製造例19と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(321mg、1.07mmol、97%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.93〜7.85(m、2H)、7.52(dd、1H、J=7.4,7.4Hz)、7.39(d、1H、J=7.4Hz)、7.26〜7.05(m、3H)、3.92(s、3H)、2.39(s、3H)
MS(m/z)M+=300(M+
【0115】
製造例30
4−(3,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0116】
3,5−ジメチルフェニルボロン酸(249mg、1.66mmol)を使用して製造例19と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(280mg、0.95mmol、85%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.19(s、1H)、7.86(d、1H、J=8.0Hz)、7.53(dd、1H、J=7.6,8.0Hz)、7.39(d、1H、J=7.4Hz)、7.26〜7.05(m、3H)、3.92(s、3H)、2.39(s、3H)
MS(m/z)M+=300(M+
【0117】
製造例31
4−(2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0118】
2,5−ジメチルフェニルボロン酸(249mg、1.66mmol)を使用して製造例19と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(316mg、1.07mmol、96%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 7.84(d、1H、J=8.4Hz)、7.71(s、1H)、7.50(dd、1H、J=7.4,8.0Hz)、7.26〜7.05(m、4H)、3.89(s、3H)、2.36(s、3H)、2.04(s、3H)
MS(m/z)M+=296(M+
【0119】
製造例32
4−クロロベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0120】
2−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒド(960mg、5.17mmol)を使用して製造例1の段階2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(1.0g、4.39mmol、85%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.22(s、1H)、7.78〜7.73(m、1H)、7.43〜7.33(m、2H)、3.96(s、3H)
MS(m/z)M+=226(M+
【0121】
製造例33
4−フルオロベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0122】
2,6−ジフルオロベンズアルデヒド(570mg、4.01mmol)を使用して製造例1の段階2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(553mg、2.63mmol、66%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.26(s、1H)、7.73(d、1H、J=8.6Hz)、7.57〜7.46(m、1H)、7.20〜7.11(m、1H)、4.06(s、3H)
MS(m/z)M+=210(M+
【0123】
製造例34
4−ヨードベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0124】
(段階1)2−フルオロ−6−ヨードベンズアルデヒドの製造
3−ヨードフルオロベンゼン(2.0g、9.01mmol)を使用して製造例1の段階1と同様の方法で反応させ、黄色液体の標記化合物(2.0g、7.99mmol、89%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 10.15(s、1H)、7.83〜7.79(m、1H)、7.28〜7.12(m、2H)
【0125】
(段階2)4−ヨードベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
前記段階1で製造した2−フルオロ−6−ヨードベンズアルデヒド(1.0g、3.99mmol)を使用して製造例1の段階2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(1.15g、3.61mmol、90%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.11(s、1H)、7.84〜7.80(m、2H)、7.14(dd、1H、J=7.4,7.4Hz)、3.96(s、3H)
MS(m/z)M+=318(M+
【0126】
製造例35
4−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0127】
前記製造例1で得られた4−ブロモベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(200mg、0.74mmol)、Pd(PPh34(85mg、10mmol%)および炭酸カリウム(306mg、2.21mmol)をDMF(3ml)に溶解した後、トリメチルボロキシン(0.12ml、0.89mmol)を加え、16時間攪拌しながら加熱、還流させ、酢酸エチルで2度抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた後、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルコラムクロマトグラフィ(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=60:1)で精製し、黄白色固体の標記化合物(140mg、0.68mmol、92%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.15(s、1H)、7.69(d、1H、J=8.2Hz)、7.35(dd、1H、J=7.2,8.2Hz)、7.17(d、1H、J=7.2Hz)、3.95(s、3H)、2.63(s、3H)
MS(m/z)M+=206(M+
【0128】
製造例36
4−ビニルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0129】
前記製造例1で得られた4−ブロモベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(500mg、1.84mmol)およびPd(PPh34(170mg、8mmol%)をトルエン(8ml)に溶解した後、トリブチル(ビニル)スズ(0.81ml、2.76mmol)を加え、16時間攪拌しながら加熱、還流させ、酢酸エチルで2度抽出し、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させた後、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルコラムクロマトグラフィ(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=60:1)で精製し、黄白色固体の標記化合物(247mg、1.13mmol、61%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.29(s、1H)、7.77(d、1H、J=8.0Hz)、7.57〜7.40(m、2H)、7.29〜7.14(m、1H)、5.84(d、1H、J=17.6Hz)、5.46(d、1H、J=11.0Hz)、3.95(s、3H)
MS(m/z)M+=218(M+
【0130】
製造例37
4−エチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0131】
前記製造例36で得られた4−ビニルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(150mg、0.69mmol)をメタノール(7ml)に溶解した後、トリブチル(ビニル)スズ(0.81ml、2.76mmol)を加え、0.26MPa(40psi)の水素ガス存在下の室温で16時間50%Raney Ni(75mg)で水酸化させた。反応終了後、濾過してNi成分を除去し、濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルコラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、黄白色オイルの標記化合物(110mg、0.50mmol、72%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.19(s、1H)、7.69(d、1H、J=8.0Hz)、7.39(dd、1H、J=7.0,8.2Hz)、7.21(d、1H、J=6.8Hz)、3.95(s、3H)、2.99(q、2H)、1.35(t、3H)
MS(m/z)M+=220(M+
【0132】
製造例38
4−イソプロピルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0133】
高温、真空下で乾燥されたZnCl2(428mg、3.14mmol)をTHF(5ml)に溶かした後、2M塩化イソプロピルマグネシウム溶液(1.6ml、3.2mmol)THF溶液を一滴ずつ徐々に加え、50℃で3時間攪拌させて亜鉛スラリーを製造する。
【0134】
前記製造例34で得られた4−ヨードベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(500mg、1.57mmol)、CuI(36mg、0.19mmol)、およびPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(128mg、10mmol%)をTHF(5ml)に溶かした後、亜鉛スラリーをゆっくり加え、常温で16時間攪拌した。酢酸エチルで2度抽出し、1M塩酸水溶液、重炭酸ナトリウム飽和水溶液および食塩で洗浄し、MgSO4で乾燥させた後、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルコラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=60:1)で精製し、白黄色オイルの標記化合物(254mg、1.08mmol、69%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.24(s、1H)、7.71〜7.26(m、3H)、3.95(s、3H)、3.50(m、1H)、1.38(d、6H)
MS(m/z)M+=234(M+
【0135】
製造例39
4−ニトロベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0136】
2,6−ジニトロベンズアルデヒド(500mg、2.55mmol)を使用して製造例1の段階2と同様の方法で反応させ、黄色固体の標記化合物(323mg、1.36mmol、53%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.88(s、1H)、8.39(d、1H、J=8.0Hz)、8.18(d、1H、J=8.2Hz)、7.61(dd、1H、J=8.0,8.0Hz)、4.00(s、3H)
MS(m/z)M+=237(M+
【0137】
製造例40
4−アミノベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0138】
前記製造例39で得られた4−ニトロベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(185mg、0.78mmol)を使用して製造例37と同様の方法で反応させ、黄色固体の標記化合物(159mg、0.77mmol、98%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.44(s、1H)、7.22〜7.06(m、2H)、6.53(d、1H、J=7.6Hz)、6.02(s、2H)、3.85(s、3H)
MS(m/z)M+=207(M+
【0139】
製造例41
4−メトキシベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0140】
(段階1)2−フルオロ−6−メトキシベンズアルデヒドの製造
窒素雰囲気下で3−フルオロアニソール溶液(2.2g、17.44mmol)を無水THF(40ml)に溶かし、−78℃まで冷却した後、n−BuLi(1.6M、19.18mmol)をゆっくりと加えた。反応混合液を−78℃で1時間攪拌し、DMF(1.6ml、20.93mmol)を徐々に加えた後、1時間攪拌した。反応終了後、希釈H2SO4を加え、酢酸エチルで2度抽出した後、食塩で洗浄した。MgSO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルコラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、白色固体の標記化合物(1.48g、9.6mmol、55%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 10.43(s、1H)、7.54〜7.43(m、1H)、6.79〜6.68(m、2H)、3.93(s、3H)
【0141】
(段階2)4−メトキシベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
前記段階1で製造した2−フルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(500mg、3.24mmol)を使用して製造例1の段階2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(345mg、1.55mmol、48%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.23(s、1H)、7.44〜7.34(m、2H)、6.77〜6.73(m、1H)、3.96(s、3H)、3.93(s、3H)
MS(m/z)M+=222(M+
【0142】
製造例42
4−シアノベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0143】
前記製造例1で得られた4−ブロモベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(2.0g、7.38mmol)をDMF(8ml)に溶かした後、マイクロ波合成器を使用して200℃で20分間CuCNと反応させた。反応終了後、8N塩酸を利用して反応液を酸性にした後、酢酸エチルで3度抽出し、塩水で洗浄した。無水MgSO4で乾燥し、濾過した後、濾液を減圧下で濃縮させ、シリカゲルコラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、白色固体の標記化合物(1.28g、5.89mmol、80%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.27(s、1H)、8.10(d、1H、J=8.0Hz)、7.78(d、1H、J=7.6Hz)、7.56(dd、1H、J=7.6,8.0Hz)、3.98(s、3H)
MS(m/z)M+=217(M+
【0144】
製造例43
ベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0145】
2−フルオロ−ベンズアルデヒド(500mg、4.03mmol)を使用して製造例1の段階2と同様の方法で反応させ、黄色固体の標記化合物(567mg、2.95mmol、73%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.06(s、1H)、7.90〜7.84(m、2H)、7.50〜7.36(m、2H)、3.94(s、3H)
MS(m/z)M+=192(M+
【0146】
製造例44
4−ブロモ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0147】
(段階1)2−ブロモ−3−メチル−6−フルオロベンズアルデヒドの製造
【0148】
2−ブロモ−4−フルオロトルエン(1.0g、5.29mmol)を使用して製造例1の段階1と同様の方法で反応させ、黄白色固体の標記化合物(1.1g、5.07mmol、96%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 10.39(s、1H)、7.45〜7.38(m、1H)、7.09〜6.99(m、1H)、2.43(s、3H)
【0149】
(段階2)4−ブロモ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0150】
前記段階1で製造した2−ブロモ−3−メチル−6−フルオロベンズアルデヒド(1.1g、5.07mmol)を使用して製造例1の段階2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(1.0g、3.51mmol、69%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.19(s、1H)、7.67(d、1H、J=8.4Hz)、7.32(d、1H、J=8.2Hz)、3.95(s、3H)、2.53(s、3H)
MS(m/z)M+=284(M+
【0151】
製造例45
4−クロロ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0152】
(段階1)2−クロロ−3−メチル−6−フルオロベンズアルデヒドの製造
2−クロロ−4−フルオロトルエン(1.0g、6.92mmol)を使用して製造例1の段階2と同様の方法で反応させ、黄白色固体の標記化合物(1.13g、6.55mmol、95%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 10.49(s、1H)、7.46〜7.39(m、1H)、7.05〜6.96(m、1H)、2.39(s、3H)
【0153】
(段階2)4−クロロ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
前記段階1で製造した2−クロロ−3−メチル−6−フルオロベンズアルデヒド(1.12g、6.49mmol)を使用して製造例1の段階2と同様の方法で反応させ、黄白色固体の標記化合物(1.03g、4.28mmol、66%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.20(s、1H)、7.64(d、1H、J=8.2Hz)、7.32(d、1H、J=8.4Hz)、3.95(s、3H)、2.50(s、3H)
MS(m/z)M+=240(M+
【0154】
製造例46
4,5−ジメチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0155】
前記製造例44で得られた4−ブロモ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(300mg、1.05mmol)、Pd(PPh34(49mg、4mmol%)、およびメチルボロン酸(94mg、1.58mmol)をトルエン(5ml)に溶かした後、2M炭酸カリウム(1ml、2.1mmol)を加え、16時間攪拌しながら加熱、還流させ、酢酸エチルで2度抽出し、塩水で洗浄した。MgSO4で乾燥させた後、濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、シリカゲルコラムクロマトグラフィ(ヘキサン:酢酸エチル=40:1)で精製し、白色固体の標記化合物(195mg、0.89mmol、84%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.15(s、1H)、7.58(d、1H、J=8.2Hz)、7.25(d、1H、J=8.2Hz)、3.94(s、3H)、2.52(s、3H)、2.38(s、3H)
MS(m/z)M+=220(M+
【0156】
製造例47
4−シアノ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0157】
前記製造例44で製造した2−ブロモ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(255mg、0.89mmol)を使用して製造例42と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(107mg、0.46mmol、52%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.23(s、1H)、7.95(d、1H、J=8.4Hz)、7.39(d、1H、J=8.4Hz)、3.98(s、3H)、2.69(s、3H)
MS(m/z)M+=231(M+
【0158】
製造例48
4−ブロモ−6−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0159】
(段階1)2,6−ジブロモ−4−メチルベンズアルデヒドの製造
3,5−ジブロモトルエン(1.0g、4.0mmol)を使用して製造例1の段階1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(662mg、2.38mmol、60%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 10.24(s、1H)、7.47(s、2H)、2.37(s、3H)
【0160】
(段階2)4−ブロモ−6−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
前記段階1で製造した2,6−ジブロモ−4−メチルベンズアルデヒド(660mg、2.37mmol)を使用して製造例1の段階2と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(557mg、1.95mmol、82%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.12(s、1H)、7.57(s、1H)、7.42(s、1H)、3.95(s、3H)、2.46(s、3H)
MS(m/z)M+=284(M+
【0161】
製造例49
4,6−ジメチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0162】
前記製造例48で製造した4−ブロモ−6−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(220mg、0.77mmol)を使用して製造例46と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(158mg、0.72mmol、93%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.12(s、1H)、7.50(s、1H)、7.04(s、1H)、3.96(s、3H)、2.61(s、3H)、2.46(s、3H)
MS(m/z)M+=220(M+
【0163】
製造例50
4−シアノ−6−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの製造
【0164】
前記製造例48で製造した4−ブロモ−6−メチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(260mg、0.91mmol)を使用して製造例42と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(135mg、0.58mmol、64%)を得た。
1H NMR(200MHz、CDCl3)δ 8.22(s、1H)、7.88(s、1H)、7.59(s、1H)、3.97(s、3H)、2.53(s、3H)
MS(m/z)M+=231(M+
【0165】
〔実施例1〕
(4−ブロモベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩
【0166】
前記製造例1で製造した化合物(88mg、0.32mmol)をDMF(3ml)に溶かした後、2Mグアニジンメタノール溶液(1ml、2.0mmol)を加え、常温で3時間反応させた。水を加えて反応を終了させた後、酢酸エチルで2度抽出し、塩水で洗浄した。MgSO4で乾燥させ、濾過した後、濾液を減圧下で濃縮し、残留物をアセトンに溶かした。メタンスルホン酸を2〜3滴加え、固体の標記化合物を析出した。生成された固体を濾過した後、エーテルで洗浄し、黄色固体の標記化合物(73mg、0.18mmol、57%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ 11.70(br s、1H)、8.40(s、1H)、8.31(br s、4H)、8.16(d、1H、J=8.1Hz)、7.78(d、1H、J=7.8Hz),7.51(dd、1H、J=7.8,7.8Hz)、2.37(s、3H)
MS(m/z)M+=299(M+
【0167】
〔実施例2〕
[4−(2−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0168】
前記製造例2で製造した化合物(200mg、0.66mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(125mg、0.29mmol、45%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ 7.86(d、1H、J=8.4Hz)、7.69(s、1H)、7.48〜7.19(m、6H)、2.49(s、3H)
MS(m/z)M+=329(M+
〔実施例3〕
【0169】
[4−(3−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0170】
前記製造例3で製造した化合物(95mg、0.31mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(85mg、0.20mmol、64%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ 8.37(s、1H)、8.19(d、1H、J=8.1Hz)、7.83〜7.62(m、6H)、2.84(s、3H)
MS(m/z)M+=329(M+
〔実施例4〕
【0171】
[4−(4−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0172】
前記製造例4で製造した化合物(200mg、0.66mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(110mg、0.26mmol、39%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ 11.61(br s、1H)、8.31(s、1H)、8.25(br s、4H)、8.16(d、1H、J=8.1Hz)、7.69〜7.46(m、6H)、2.33(s、3H)
MS(m/z)M+=329(M+
〔実施例5〕
【0173】
[4−(2−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0174】
前記製造例5で製造した化合物(185mg、0.65mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(144mg、0.35mmol、54%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ 11.51(br s、1H)、8.25(br、4H)、8.19(d、1H、J=8.1Hz)、8.09(s、1H)、7.71〜7.39(m、6H)、2.31(s、3H)
MS(m/z)M+=313(M+
【0175】
〔実施例6〕
[4−(3−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0176】
前記製造例6で製造した化合物(76mg、0.27mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(63mg、0.15mmol、58%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ8.28(s、1H)、8.05(d、1H、J=8.4Hz)、7.69〜7.26(m、6H)、2.71(s、3H)
MS(m/z)M+=313(M+
【0177】
〔実施例7〕
[4−(4−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0178】
前記製造例7で製造した化合物(118mg、0.41mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(115mg、0.28mmol、68%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.56(br s、1H)、8.35(br s、4H)、8.34(s、1H)、8.15(d、1H、J=8.1Hz)、7.70〜7.40(m、6H)、2.35(s、3H)
MS(m/z)M+=313(M+
【0179】
〔実施例8〕
[4−(2−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0180】
前記製造例8で製造した化合物(178mg、0.63mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(170mg、0.42mmol、67%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.42(br s、1H)、8.20(br s、4H)、8.14(d、1H、J=8.4Hz)、7.88(s、1H)、7.65(dd、1H、J=7.8,7.8Hz)、7.43〜7.27(m、5H)、2.30(s、3H)、2.08(s、3H)
MS(m/z)M+=309(M+
【0181】
〔実施例9〕
[4−(3−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0182】
前記製造例9で製造した化合物(127mg、0.45mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(93mg、0.23mmol、51%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.49(br s、1H)、8.33(s、1H)、8.23(br s、4H)、8.12(d、1H、J=8.1Hz)、7.65(dd、1H、J=7.2,7.8Hz)、7.48〜7.32(m、5H)、2.43(s、3H)、2.29(s、3H)
MS(m/z)M+=309(M+
【0183】
〔実施例10〕
[4−(4−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0184】
前記製造例10で製造した化合物(155mg、0.55mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(110mg、0.27mmol、49%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.47(br s、1H)、8.32〜8.09(m、6H)、7.64〜7.20(m、6H)、2.42(s、3H)、2.31(s、3H)
MS(m/z)M+=309(M+
【0185】
〔実施例11〕
[4−(2−メトキシフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0186】
前記製造例11で製造した化合物(172mg、0.58mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(110mg、0.26mmol、45%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.47(br s、1H)、8.22(br s、4H)、8.09(d、1H、J=7.5Hz)、7.99(s、1H)、7.62(m、1H)、7.50(dd、1H、J=7.8,8.4Hz)、7.39〜7.32(m、2H)、7.25(d、1H、J=7.8Hz)、7.13(dd、1H、J=7.2,7.2Hz)、3.73(s、3H)、2.30(s、3H)
MS(m/z)M+=325(M+
【0187】
〔実施例12〕
[4−(3−メトキシフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0188】
前記製造例12で製造した化合物(95mg、0.32mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、黄白色固体の標記化合物(65mg、0.15mmol、49%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.39(br s、1H)、8.24(s、1H)、8.12(br s、4H)、7.99(d、1H、J=8.1Hz)、7.52(dd、1H、J=7.5,8.1Hz)、7.39〜7.35(m、2H)、7.05〜6.94(m、3H)、3.71(s、3H)、2.18(s、3H)
MS(m/z)M+=325(M+
【0189】
〔実施例13〕
[4−(4−メトキシフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0190】
前記製造例13で製造した化合物(120mg、0.40mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(131mg、0.31mmol、77%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.48(br s、1H)、8.35(s、1H)、8.27(br s、4H)、8.09(d、1H、J=8.1Hz)、7.64(dd、1H、J=7.8,8.1Hz)、7.56(d、2H、J=8.4Hz)、7.45(d、1H、J=7.5Hz)、7.15(d、2H、J=8.4Hz)、3.86(s、3H)、2.31(s、3H)
MS(m/z)M+=325(M+
【0191】
〔実施例14〕
[4−(2−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0192】
前記製造例14で製造した化合物(120mg、0.36mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(77mg、0.17mmol、47%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.34(br s、1H)、8.22(br s、4H)、8.19(d、1H、J=7.2Hz)、7.97(d、1H、J=7.8Hz)、7.87〜7.64(m、4H)、7.53(d、1H、J=7.8Hz)、7.36(d、1H、J=6.3Hz)、2.30(s、3H)
MS(m/z)M+=363(M+
【0193】
〔実施例15〕
[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0194】
前記製造例15で製造した化合物(200mg、0.89mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(228mg、0.50mmol、56%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ8.20(s、1H)、8.08(d、1H、J=8.1Hz)、7.91〜7.80(m、4H)、7.69(dd、1H、J=7.5,7.5Hz)、7.53(d、1H、J=7.2Hz)、2.68(s、3H)
MS(m/z)M+=363(M+
【0195】
〔実施例16〕
[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0196】
前記製造例16で製造した化合物(150mg、0.45mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(130mg、0.28mmol、63%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.51(br s、1H)、8.32(s、1H)、8.28(br s、4H)、8.21(d、1H、J=8.4Hz)、7.97〜7.85(m、4H)、7.71(dd、1H、J=7.5,8.1Hz)、7.57(d、1H、J=7.2Hz)、2.31(s、3H)
MS(m/z)M+=363(M+
【0197】
〔実施例17〕
(4−フェニルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0198】
前記製造例17で製造した化合物(150mg、0.56mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(105mg、0.27mmol、48%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ8.28(s、1H)、7.99(d、1H、J=8.1Hz)、7.67〜7.47(m、7H)、2.68(s、3H)
MS(m/z)M+=296(M+
【0199】
〔実施例18〕
[4−(1−ナフタレニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0200】
前記製造例18で製造した化合物(120mg、0.38mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(100mg、0.23mmol、60%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.28(br s、1H)、8.57(br s、4H)、8.25(d、1H、J=8.1Hz)、8.09(dd、1H、J=8.1,8.1Hz)、7.79〜7.67(m、4H)、7.58〜7.43(m、5H)、2.29(s、3H)
MS(m/z)M+=345(M+
【0201】
〔実施例19〕
[4−(3,5−ジクロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0202】
前記製造例19で製造した化合物(94mg、0.28mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(80mg、0.17mmol、62%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.52(br s、1H)、8.24(br s、4H)、8.25(s、1H)、8.21(d、1H、J=8.1Hz)、7.79〜7.50(m、5H)、2.32(s、3H)
MS(m/z)M+=363(M+
【0203】
〔実施例20〕
[4−(2,5−ジクロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンの製造
【0204】
前記製造例20で製造した化合物(164mg、0.49mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させるが、メタンスルホン酸塩を作らず、残留物をシリカゲルクロマトグラフィ(MeOH:CH2Cl2=1:10)により生成し、白色固体の標記化合物(130mg、0.36mmol、73%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ8.02(d、1H、J=7.9Hz)、7.69(d、1H、J=8.3Hz)、7.62〜7.57(m、2H)、7.51(dd、1H、J=7.5,7.9Hz)、7.37(s、1H)、7.32(d、1H,J=7.2Hz)
MS(m/z)M+=363(M+
【0205】
〔実施例21〕
[4−(2,3−ジクロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0206】
前記製造例21で製造した化合物(200mg、0.59mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(130mg、0.28mmol、48%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.42(br s、1H)、8.32(br s、4H)、8.22(d、1H、J=7.8Hz)、7.89(s、1H)、7.82(d、1H、J=7.8Hz)、7.66(dd、1H、J=7.8,7.8Hz)、7.59〜7.43(m、3H)、2.31(s、3H)
MS(m/z)M+=363(M+
【0207】
〔実施例22〕
[4−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0208】
前記製造例22で製造した化合物(200mg、0.60mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(125mg、0.27mmol、46%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ7.92(d、1H)、7.81(s、1H)、7.54(dd、1H)、7.41〜7.23(m、3H)、7.12(d、1H)、3.67(s、3H)、2.60(s、3H)
MS(m/z)M+=360(M+
【0209】
〔実施例23〕
[4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0210】
前記製造例23で製造した化合物(160mg、0.50mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(110mg、0.25mmol、50%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.53(br s、1H)、8.30(br s、4H)、8.29(s、1H)、8.18(d、1H、J=8.4Hz)、7.85(d、1H、J=7.5Hz)、7.70〜7.53(m、3H)、7.52(d、1H、J=7.2Hz)、2.32(s、3H)
MS(m/z)M+=347(M+
【0211】
〔実施例24〕
[4−(3,5−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0212】
前記製造例24で製造した化合物(160mg、0.53mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(160mg、0.37mmol、71%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.52(br s、1H)、8.34(s、1H)、8.32(br s、4H)、8.21(d、1H、J=8.1Hz)、7.68(dd、1H、J=7.5,8.1Hz)、7.56(d、1H、J=7.2Hz)、7.45〜7.38(m、3H)、2.32(s、3H)
MS(m/z)M+=331(M+
【0213】
〔実施例25〕
[4−(2,5−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0214】
前記製造例25で製造した化合物(132mg、0.43mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(53mg、0.12mmol、29%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.47(br s、1H)、8.23〜8.09(m、6H)、7.69〜7.66(m、1H)、7.52〜7.43(m、4H)、2.30(s、3H)
MS(m/z)M+=331(M+
【0215】
〔実施例26〕
[4−(2,3−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0216】
前記製造例26で製造した化合物(150mg、0.49mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(148mg、0.35mmol、70%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.48(br s、1H)、8.35(br s、4H)、8.24(d、1H、J=8.1Hz)、8.11(s、1H)、7.71(dd、1H、J=7.5,7.8Hz)、7.64〜7.58(m、1H)、7.54(d、1H、J=7.2Hz)、7.45〜7.37(m、2H)、2.31(s、3H)
MS(m/z)M+=331(M+
【0217】
〔実施例27〕
[4−(3,4−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0218】
前記製造例27で製造した化合物(134mg、0.44mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(147mg、0.34mmol、78%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ8.24(s、1H)、8.05(d、1H、J=8.2Hz)、7.67〜7.42(m、5H)、2.69(s、3H)
MS(m/z)M+=331(M+
【0219】
〔実施例28〕
[4−(2−メチル−5−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0220】
前記製造例28で製造した化合物(140mg、0.47mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(75mg、0.18mmol、38%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.41(br s、1H)、8.35(br s、4H)、8.16(d、1H、J=7.2Hz)、7.88(s、1H)、7.65(dd、1H、J=7.2,8.4Hz)、7.48〜7.15(m、4H)、2.31(s、3H)、2.08(s、3H)
MS(m/z)M+=327(M+
【0221】
〔実施例29〕
[4−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0222】
前記製造例29で製造した化合物(160mg、0.53mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(142mg、0.34mmol、63%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.51(br s、1H)、8.31(br s、4H)、8.18(d、1H、J=8.1Hz)、8.09(s、1H)、7.67(dd、1H、J=7.8,7.8Hz)、7.48(d、1H、J=7.2Hz)、7.35〜7.29(m、3H)、2.39(s、3H)、2.31(s、3H)
MS(m/z)M+=327(M+
【0223】
〔実施例30〕
[4−(3,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0224】
前記製造例30で製造した化合物(155mg、0.52mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(95mg、0.23mmol、43%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.47(br s、1H)、8.33(s、1H)、8.20(br s、4H)、8.12(d、1H、J=8.1Hz)、7.64(dd、1H、J=6.9,8.1Hz)、7.45(d、1H、J=7.5Hz)、7.19〜7.15(m、3H)、2.39(s、6H)、2.30(s、3H)
MS(m/z)M+=323(M+
【0225】
〔実施例31〕
[4−(2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0226】
前記製造例31で製造した化合物(230mg、0.78mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(136mg、0.32mmol、42%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.43(br s、1H)、8.19(br s、4H)、8.13(d、1H、J=8.1Hz)、7.89(s、1H)、7.64(dd、1H、J=7.8,7.8Hz)、7.33〜7.29(m、2H)、7.22(d、1H、J=7.8Hz),7.09(s、1H)、2.33(s、3H)、2.31(s、3H)、2.01(s、3H)
MS(m/z)M+=323(M+
【0227】
〔実施例32〕
(4−クロロベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0228】
前記製造例32で製造した化合物(200mg、0.89mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(110mg、0.31mmol、36%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.66(br s、1H)、8.45(s、1H)、8.40(br s、4H)、8.13(d、1H、J=7.8Hz)、7.65〜7.56(m、2H)、2.34(s、3H)
【0229】
〔実施例33〕
(4−フルオロベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0230】
前記製造例33で製造した化合物(127mg、0.61mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(158mg、0.47mmol、77%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.60(br s、1H)、8.41(s、1H)、8.26(br s、4H)、7.99(d、1H、J=8.1Hz)、7.66〜7.59(m、1H)、7.35(dd、1H、J=7.8,8.1Hz)、2.36(s、3H)
MS(m/z)M+=237(M+
【0231】
〔実施例34〕
(4−ヨードベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0232】
前記製造例34で製造した化合物(200mg、0.63mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(107mg、0.24mmol、39%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.70(br s、1H)、8.32(s、1H)、8.29(br s、4H)、8.15(d、1H、J=8.1Hz)、7.96(d、1H、J=7.5Hz)、7.31(dd、1H、J=7.8,8.1Hz)、2.35(s、3H)
MS(m/z)M+=345(M+
【0233】
〔実施例35〕
(4−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0234】
前記製造例35で製造した化合物(95mg、0.46mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(43mg、0.13mmol、28%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.57(br s、1H)、8.42(s、1H)、8.29(br s、4H)、7.93(d、1H、J=8.4Hz)、7.47(dd、1H、J=7.5,7.8Hz)、7.32(d、1H、J=7.2Hz)、2.66(s、3H)、2.35(s、3H)
MS(m/z)M+=233(M+
【0235】
〔実施例36〕
(4−ビニルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0236】
前記製造例36で製造した化合物(78mg、0.36mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、黄白色固体の標記化合物(54mg、0.16mmol、44%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.69(br s、1H)、8.72(s、1H)、8.58(br s、4H)、8.19(d、1H、J=7.8Hz)、7.86(d、1H、J=7.2Hz)、7.72(dd、1H、J=7.5,7.5Hz)、7.44(dd、1H、J=10.8,11.1Hz)、6.18(d、1H、J=17.1Hz)、5.72(d、1H、J=11.1Hz)、2.48(s、3H)
MS(m/z)M+=245(M+
【0237】
〔実施例37〕
(4−エチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0238】
前記製造例37で製造した化合物(110mg、0.50mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(108mg、0.31mmol、63%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.54(br s、1H)、8.48(s、1H)、8.33(br s、4H)、7.93(d、1H、J=8.1Hz)、7.50(dd、1H、J=7.5,7.8Hz)、7.33(d、1H、J=7.2Hz)、2.99(q、2H)、2.36(s、3H)、1.31(t、3H)
MS(m/z)M+=247(M+
【0239】
〔実施例38〕
(4−イソプロピルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0240】
前記製造例38で製造した化合物(240mg、1.02mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(168mg、0.47mmol、46%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ8.49(s、1H)、7.82(d、1H、J=8.1Hz)、7.53(dd、1H、J=7.6,7.9Hz)、7.41(d、1H、J=7.4Hz)、3.58(m、1H)、2.73(s、3H)、1.43(d、6H)
MS(m/z)M+=261(M+
【0241】
〔実施例39〕
(4−ニトロベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0242】
前記製造例39で製造した化合物(100mg、0.42mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、黄色固体の標記化合物(81mg、0.23mmol、54%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.59(br s、1H)、8.95(s、1H)、8.64(d、1H、J=8.1Hz)、8.47(d、1H、J=7.8Hz)、8.27(br s、4H)、7.82(dd、1H、J=7.8,8.1Hz)、2.34(s、3H)
MS(m/z)M+=264(M+
【0243】
〔実施例40〕
(4−アミノベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0244】
前記製造例40で製造した化合物(115mg、0.56mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、黄色固体の標記化合物(70mg、0.21mmol、38%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.41(br s、1H)、8.48(s、1H)、8.24(br s、4H)、7.27〜7.14(m、2H)、6.59(d、1H、J=7.8Hz)
MS(m/z)M+=234(M+
【0245】
〔実施例41〕
(4−メトキシベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製

【0246】
前記製造例41で製造した化合物(188mg、0.85mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(145mg、0.42mmol、50%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.44(br s、1H)、8.42(s、1H)、8.20(br s、4H)、7.65(d、1H、J=8.1Hz)、7.55(dd、1H、J=8.1,8.1Hz)、7.03(d、1H、J=7.8Hz)、3.99(s、3H)、2.34(s、3H)
MS(m/z)M+=249(M+
【0247】
〔実施例42〕
(4−シアノベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0248】
前記製造例42で製造した化合物(1.76g、8.1mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(2.4g、7.12mmol、88%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ8.38(s、1H)、8.31(d、1H、J=8.3Hz)、7.89(d、1H、J=7.4Hz)、7.64(dd、1H、J=7.4,8.2Hz)、2.66(s、3H)
MS(m/z)M+=244(M+
【0249】
〔実施例43〕
(4−トリフルオロメチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0250】
トリフルオロメチルベンゾチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(138mg、0.67mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(170mg、0.51mmol、77%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.68(br s、1H)、8.51(d、1H、J=8.4Hz)、8.47(s、1H)、8.34(br s、4H)、7.94(d、1H、J=7.2Hz)、7.75(dd、1H、J=7.2,8.4Hz)、2.35(s、3H)
MS(m/z)M+=287(M+
【0251】
〔実施例44〕
(ベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0252】
前記製造例43で製造した化合物(200mg、1.04mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(113mg、0.36mmol、35%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.58(br s、1H)、8.37(s、1H)、8.28(br s、4H)、8.14〜8.09(m、2H)、7.61〜7.50(m、2H)、2.39(s、3H)
MS(m/z)M+=218(M+
【0253】
〔実施例45〕
(4−ブロモ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0254】
前記製造例44で製造した化合物(200mg、0.70mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(195mg、0.48mmol、68%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO)δ11.65(br s、1H)、8.39(s、1H)、8.27(br s、4H)、8.05(d、1H、J=8.1Hz)、7.56(d、1H、J=8.4Hz)、2.50(s、3H)、2.36(s、3H)
MS(m/z)M+=313(M+
【0255】
〔実施例46〕
(4−クロロ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0256】
前記製造例45で製造した化合物(200mg、0.83mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(260mg、0.71mmol、86%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ8.40(s、1H)、7.85(d、1H、J=8.3Hz)、7.51(d、1H、J=8.3Hz)、2.73(s、3H)、2.54(s、3H)
MS(m/z)M+=267(M+
【0257】
〔実施例47〕
(4,5−ジメチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0258】
前記製造例46で製造した化合物(90mg、0.41mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(98mg、0.29mmol、70%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ8.62(s、1H)、7.92(d、1H、J=8.2Hz)、7.59(d、1H、J=8.3Hz)、2.94(s、3H)、2.84(s、3H)、2.65(s、3H)
MS(m/z)M+=313(M+
【0259】
〔実施例48〕
(4−シアノ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0260】
前記製造例47で製造した化合物(80mg、0.35mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(78mg、0.22mmol、64%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ8.36(s、1H)、8.21(d、1H、J=8.4Hz)、7.61(d、1H、J=8.4Hz)、2.72(s、3H)、2.71(s、3H)
MS(m/z)M+=313(M+
【0261】
〔実施例49〕
(4−シアノ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0262】
前記製造例48で製造した化合物(100mg、0.35mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(108mg、0.27mmol、75%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ8.48(s、1H)、7.97(s、1H)、7.75(s、1H)、2.89(s、3H)、2.67(s、3H)
MS(m/z)M+=313(M+
【0263】
〔実施例50〕
(4,6−ジメチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0264】
前記製造例49で製造した化合物(125mg、0.57mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(75mg、0.22mmol、39%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ8.31(s、1H)、7.61(s、1H)、7.15(s、1H)、2.72(s、3H)、2.66(s、3H)、2.47(s、3H)
MS(m/z)M+=247(M+
【0265】
〔実施例51〕
(4−シアノ−6−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩の製造
【0266】
前記製造例50で製造した化合物(110mg、0.48mmol)を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、白色固体の標記化合物(135mg、0.38mmol、80%)を得た。
1H NMR(300MHz、CD3OD)δ8.38(s、1H)、8.16(s、1H)、7.83(s、1H)、2.73(s、3H)、2.57(s、3H)
MS(m/z)M+=258(M+
【0267】
実施例により製造された本発明の化合物を下記表1に表した。























【0268】
【表1】






【0269】






【0270】





【0271】
本発明による化学式1に表される化合物について下記のような実験を通して様々な生化学的および薬理活性を調査した。
【0272】
実験例1
NHE−1抑制効果
【0273】
本発明のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体の細胞内でのNHE−1抑制効果を測定するために、下記のような実験を実施した。
【0274】
CCL39から由来されたPS120細胞にヒトNHE−1を発現させ、10%ウシ胎仔血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン(100×溶液)、1%L−グルタミン(200mM水溶液)が補足されたDMEM(Dulbecco‘s modified Eagle’s medium)で前記ヒトNHE‐1が発現された細胞を培養した。100mmディッシュで育てたPS120/NHE−1細胞を約80〜90%の密集度でトリプシンにて処置した後、PBSで1回、ナトリウムのない緩衝液(138.2mM Choline Chloride、4.9mM KCl、1.5mM CaCl2・2H2O、1.2mM MgSO4・7H2O、1.2mM KH2PO4、15mM D−グルコース、20mM HEPES、pH7.4)で1回洗浄した。これを遠心分離し、沈殿物を20mM NH4Clおよび10μM BCECF−AM[2',7'−ビス(2−カルボキシエチル)−5,6−カルボキシ−フルオロセインアセトキシメチルエステル]を含有するナトリウムのない緩衝液に浮遊させた後、37℃、CO2培養器で30分間培養させた。遠心分離をして得た後、NH4Clおよび細胞外に残っているBCECF−AMを除去するためにPS120/NHE−1細胞をナトリウムのない緩衝液で1回洗浄し、2.5×104細胞/10μlの密度で懸濁し、再生するまで4℃の暗室に保管した。96ウェルマイクロプレートに180μl HBS緩衝液(137mM NaCl、4.9mM KCl、1.5mM CaCl2・2H2O、1.2mM MgSO4・7H2O、1.2mM KH2PO4、15mM D−グルコース、20mM HEPES、pH7.4)と10μl DMSOまたは10μl DMSOまたは本発明の化合物溶液(0.03〜10μM)10μlをDMSOに溶解し、分注してよく混合した後、細胞内アシドーシスが誘発されたPS120/NHE−1細胞を10μlずつ添加して攪拌させた。細胞を添加して4分後、蛍光分光光度計(GEMINI−XS;Molecular Device)を使用して蛍光(励起:485/444nm、放出:535nm)を測定した。測定された蛍光値は、高−K+/ニゲリシン技術を利用してpH値に換算した。NH4Cl予備パルスで細胞内アシドーシスを誘発させた細胞はNHE−1の作動により正常のpH値に回復されるが、この時、細胞内アシドーシスの回復を50%抑制させる化合物の濃度を求め(IC50値)、NHE−1に対する化合物の抑制効果を測定した。対照物質としてカリポリド(cariporide)を使用した。
【0275】
結果は表2(本発明の化合物のNHE−1抑制効果)に表した。









【0276】
【表2】

【0277】
表2に表された通り、対照物質であるカリポリドは0.68μMのIC50を示し、NHE−1に対する優れた抑制効果を表した。本発明の化合物のうち実施例1、3、19、23、32〜39、41〜43および45〜47の化合物は3.0μM以下のIC50のNHE−1の抑制を表し、特に、実施例1、32、34、36、37、43および45の化合物は0.5μM以下のIC50を表し、カリポリドより強力なNHE−1抑制効果を表した。
従って、本発明の化合物はNHE−1に対して強力な抑制効果を有するため、虚血/再かん流による損傷に対する心臓保護剤として有用に使用することができる。
【0278】
実験例2
摘出されたラットの虚血心モデルに対する心臓保護効果
【0279】
本発明のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体が心臓保護作用を示すかを調べるために、ランゲンドルフのラットから摘出した心臓標本に対して下記のような実験を実施した。
オスのラット(300〜450g、韓国化学研究院実験動物室)にペントバルビタール・ナトリウム100mg/kgを腹腔内に注射して麻酔を行った後、ヘパリン1000U/kgを静脈投与し、心臓を摘出した。具体的に、気管切開を行い、気管カニューレ(PE240)を気管に挿入し、げっ歯類の人工呼吸器(rodent ventilator)を利用して人工呼吸させ、その状態で開胸術を行い、心臓を素早く摘出した後、ランゲンドルフ装置に吊るし、一定のかん流圧(85mmHg)下で95%O2/5%CO2で飽和された37℃の生理液(modified Krebs−Henseleit bicarbonate buffer;組成<mM/L>:116NaCl、4.7KCl、1.1MgCO4、1.17KH2PO4、24.9NaHCO3、2.52CaCl2、8.32グルコース、2.0ピルビン酸塩)を使用して大動脈カニューレを逆行させてかん流させた。
【0280】
エタノールと蒸留水の混合液(1:1vol/vol)で充填されたラテックス風船と連結されたカテーテル先端マノメーターを、左心房を切開して左心室に挿入し、風船に伝達される脳室内圧を変換器にて等積に測定し、増幅器(Plugsys bridge amplifier)で処理し、記録計(Linearcorder mark 8 WR3500)に記録した。心臓を15分間安定化させた後、左心室拡張末期圧(LVEDP)を5mmHgで与え、その風船の容積を初期基準期間適応させ、実験期間維持させた。
【0281】
基準心臓収縮機能、心拍数(HR)および冠血流(CF)を左心室収縮間隔により定めた。摘出された心臓の収縮機能を評価する指標である左心室発生圧(LVDP)は左心室収縮期圧(LVSP)と左心室拡張末期圧(LVEDP)の差異から算出した。生体内の心臓と異なり、ランゲンドルフ心臓は心拍出量を測定することのできないため、間接的に心仕事量を調べる重要な指標であるRPP(rate−pressure product)は心拍数にLVDPをかけて計算した。心臓の温度は実験期間にかけて、95%O2/5%CO2が持続的に供給される37℃の生理液に心臓を漬けることで一定に維持させた。安定化させた後、心臓は本発明の化合物または対照薬物をHBS緩衝液で希釈したDMSO溶液(DMSOの最終濃度0.04%)に溶かした溶液、または溶媒(陰性対照群;0.04%DMSO)のみで10分間かん流させた後、心臓収縮機能と心拍数および冠血流を再度測定した。かん流液の供給を30分間完全に遮断し、心臓に対する広範囲の虚血(global ischemia)を誘発させ、30分間再かん流させた後、指標(LVDP、HR、LVEDPおよびCF)を再測定した。再かん流後、再かん流液中の乳酸塩脱水素酵素(LDH)の総濃度をキットを利用して測定し、虚血心筋損傷の指標とした。陰性対照群を溶媒のみで処理し、陽性対照物質としてカリポリドを使用した。
【0282】
結果は表3(本発明の化合物の心臓保護効果)に表した。












【0283】
【表3】

【0284】
表3に表した通り、ラットの摘出心臓を利用した虚血/再かん流心臓実験において、陰性対照群では心臓の収縮機能の指標であるRPP(LVDP×HR)が虚血誘発前の15.5%と著しく低下し、虚血/再かん流による心筋の収縮を表し、心臓保護作用の指標である再かん流左心室拡張末期圧も陰性対照群において、5mmHgから55.3mmHgと有意に増加された。細胞損傷の指標となる乳酸塩脱水素酵素(LHD)の再かん流時の遊離量は33.6μ/gであった。
カリポリド10μM処置群は再かん流後の心筋収縮機能(LVDP×HR)が虚血誘発前の69.8%で、陰性対照群に比べて著しく改善された。カリポリド処理群の左心室拡張末期圧は22.4mmHgと陰性対照群より有意に低く、虚血心の保護効果を有することが分かり、再かん流時のLDH遊離量も対照群と比べて19.3μ/gと有意に低下した。
【0285】
実施例1、32〜39、42、43、45および47の細胞実験で、NHE−1に対する抑制効果が優れていた化合物を各々10μM処置することにより、虚血/再かん流による心臓損傷に対する保護効果が有意に改善された。実施例32、34、39、42および43の化合物は心臓収縮力、左心室拡張末期圧、乳酸塩脱水素酵素の遊離などの全ての指標においてカリポリドと類似または優れた改善効果を表した。特に、実施例39、42、43の化合物は心臓収縮力が虚血誘発前に比べて各々73.3、82.3、80.6%、左心室拡張末期圧が11.3、6.0、5.8mmHg、乳酸塩脱水素酵素の遊離量が10.8、14.7、5.2μ/gと、すべての指標においてカリポリドに比べて虚血/再かん流心臓に対する保護効果が優れていた。
【0286】
従って、本発明の化合物は虚血/再かん流損傷による心臓機能の回復を効果的に増進させることで虚血心に対する保護効果が優れているため、虚血性心疾患に係る疾患の予防および治療に有用に使用されることができる。
【0287】
実験例3
ラットのin vivo虚血心モデルに対する心臓保護作用
【0288】
本発明のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体がin vivo虚血心において心臓を保護する効果を有するかを調べるために、ラットに対する抗虚血効果(心筋梗塞減少)を下記のような実験を通して調査を行った。
【0289】
各オスのラット(350〜450g、韓国化学研究院実験動物室)にペントバルビタール・ナトリウム75mg/kgを腹腔注射をして麻酔をかけた。気管切開術を実施した後、チューブを期間に挿入し、10ml/kgの一回心拍出量、1分当り60心拍数で人工呼吸を行った。大腿静脈および大腿動脈にカニューレを挿入し、各々化合物の投与および血圧測定に利用した。一方、虚血性心筋損傷モデルにおいて、ラットの体温は結果に重要な影響を及ぼし、直腸に挿入した体温測定用探針と抗温被覆調節ユニット(Homeotherimic blanket control unit)を使用してラットの体温を37℃に一定に維持させた。その後、実験期間を通して、ラットの平均動脈圧と心拍数を測定し続けた。この時、血圧測定にはステーサムP23XL圧力変換器(Grass Ins.,MA,米国)を使用し、心拍数測定には心電図/心拍数カプラー(Hugo Sachs Electronic,独)を使用した。また、グラフテックリニアコーダーWR3310(Hugo Sachs Electronic,独)を使用して全変化を連続的に記録した。
【0290】
左冠状動脈はSelye H.の方法により塞いだ。具体的に、左開胸術により各ラットの胸を一部開いた後、左手の中指でラットの右側胸部を圧迫して心臓を外部に押し出し、左手の親指と人差し指で心臓を軽く固定した。その後、5−0絹糸結紮で左前下降枝動脈(LAD)を縫合した後、心臓を胸腔に再位置させて縫合糸の両端を外部に位置させた。縫合糸の両端はPEチューブ(PE100,2.5cm)に通過させた後、20分間放置して安定化させた。大腿静脈に挿入されたカニューレを通して賦形剤または本発明の化合物を投与し、薬物の効果が充分に表れるように30分間放置した。この時、対照群としてカリポリドを使用した。その後、PEチューブに通しておいた縫合糸の両端を止血鉗糸で強く引っ張り、PEチューブを冠状動脈に対して垂直に圧力を加えた後、45分間放置し、冠状動脈を閉塞させた後、止血鉗子を除去して90分間再かん流させた。
【0291】
前記方法により冠状動脈を再閉塞し、1%エバンスブルー溶液2mlを静脈注射をした。その後、過量のペントバルビタールを静脈注射してラットを屠殺させて心臓を取り出し、左心室を摘出した心臓から除去し、心尖部から5〜6個の切片に切断し、各切片の質量を測定した。各心臓切片の表面はコンパクト微細映像測定装置(compact micro vision system)であるハイスコープ(Hi−scope)を利用してキャプチャーし、画像分析用プログラムを利用して青色に着色された正常面積と着色されなかった領域の面積を分析した。各切片の総面積に対して着色されなかった領域の面積比を求め、これに各切片の質量をかけて各切片の危険領域であるAAR(area at risk)を計算した。各切片に対するAARの和を総左心室の質量で割り、下記数学式1によりAAR(%)を求めた。
【0292】
数学式1
(数1)
AAR(%)=[(各切片に対するAARの和)/(総左心室質量)]×100
【0293】
また、心臓切片を1%2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム塩(TTC)リン酸緩衝溶液(pH7.4)の中で37℃で15分間培養させ、10%ホルマリン溶液で20〜24時間固定させた。2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム塩は補因子であるNADHの存在下で心筋の脱水素酵素により還元され、ホルマザン染料を形成し、結局、組織の正常部位が赤レンガ色を帯びるようになる。反面、組織の梗塞部位は脱水素酵素と補助因子が不足するため、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム塩が還元されず、従って赤色を帯びない。
【0294】
前記のように、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム塩の利点により、各切片の正常領域および梗塞サイズ(IS)を前記AARと同様の方法で求めて分析した。このように求めた各切片に対する梗塞サイズの和を総AAR質量または総左心室質量で割り、下記数学式2によりIS(%)を求めた。この実験モデルにおいては、IS(%)が低いほど梗塞サイズが小さいため化合物の抗虚血効果が更に強いと判定された。
【0295】
数学式2
(数2)
IS(%)=
[(各切片に対する梗塞サイズの和)/(全体左心室または総AARの質量)]×100
【0296】
結果を表4(本発明の化合物の心臓保護効果(in vivo))に表した。
【0297】
【表4】

【0298】
表4に表される通り、in vivo虚血心筋損傷モデルにおいても、本発明の化合物は危険領域に対する心筋梗塞率が有意に減少されることを確認することができた。
具体的に、賦形剤投与群は危険領域(AAR)に対する心筋梗塞率(IS/AAR、%)が58.6%であり、心筋損傷が非常に深刻であることが確認された。陽性対照物質であるカリポリドを投与した場合、心筋梗塞率は0.1および0.3mg/Kgの投与により各々40.5、37.9%と、有意のある抗虚血作用を示した。
【0299】
実施例1、32、33、34、35、47および48の化合物は各々0.1mg/Kgの投与で50%以下の心筋梗塞率を示し、陰性対照群より有意に減少した。特に、NHE−1に対する抑制効果が優れ、摘出されたラットの虚血/再かん流心臓モデルにおいて非常に高い機能回復を見せた実施例42の化合物は、0.1および0.3mg/Kgの投与により各々36.9および34.4%の心筋梗塞率を示し、カリポリドと比較して優れた虚血心臓保護効果を表した。
【0300】
従って、本発明の化合物はin vivo虚血心モデルにおいて、心筋梗塞率を減少させることが確認され、虚血心に対する保護作用が優れているため、心筋梗塞、不整脈、狭心症などの虚血性心疾患の予防および治療に有用に使用することができ、冠動脈バイパス術、経皮経管冠動脈形成術などの心臓施術時の心臓保護剤として効果的に使用することができる。
【0301】
実験例4
神経細胞の保護作用
本発明のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体がグルタミン酸により誘発された神経細胞の損傷および壊死を抑制する作用を調べるために、下記のような実験を行った。
【0302】
生後14日のラット胎仔の脳から大脳皮質神経細胞を摘出し、37℃、5%CO2の雰囲気下でEagles‘s MEMで培養した。培養3〜4日にグリア細胞(glial cell)の過度成長を防ぐために10μMサイトシン−β−アラビノフラノシド(AraC)を培地に加えた。NeuN(neuronal nuclei、specific neuronal markers)およびGFAP(glial fibrillary acidic protein、glial cell markers)で染色を行うことで80%以上の細胞が神経細胞であることを確認した。培養7〜9日に100μMグルタミン酸で処理を行い細胞毒性を誘導し、この時、化合物を同時に添加して陰性対照群は賦形剤のみを使用した。細胞壊死はグルタミン酸の処理20時間後に、乳素脱水素酵素(LDH)の遊離量により決定され、細胞死滅においてはグルタミン酸の処理12時間後のTUNEL(Terminal deoxynucleotidyl transferase UTP nick end labeling)陽性細胞を測定した。
結果は表5(本発明の化合物のグルタミン酸による神経毒性に対する神経細胞の保護効果)に表した。
【0303】
【表5】

【0304】
表5に表される通り、実施例42の化合物は神経細胞壊死および細胞死滅を用量依存的に抑制することで、グルタミン酸により誘発された神経毒性に対する神経細胞保護作用を示した。
従って、本発明の化合物は優れた神経細胞保護作用を有するため、神経細胞の損傷または壊死により誘発された脳卒中または脳外傷のような脳虚血疾患の神経保護剤として効果的に使用することができる。
【0305】
実験例5
ラットのin vivo脳虚血モデルに対する脳保護効果
本発明のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体が虚血−再かん流による脳損傷から脳を保護する効果を調べるために下記のような実験を行った。
オスのSDラット(350±50g、三育実験動物室)に麻酔をかけた後、ヘパリンを腹腔内に注射した。右側の頚動脈を60分間閉鎖して虚血を引き起こした後、24時間再かん流を行った。化合物および賦形剤を閉鎖20分前に静脈注射した。
【0306】
24時間再かん流を行った後、致死量のペントバルビタール・ナトリウムで麻酔させ、気をつけて脳を摘出し、2mm間隔で切った。得られた冠状切片は2%2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム塩溶液を使用して37℃で20分間染色した。染色された切片は映像分析器(BAS image 1500)を使用して全体の脳面積に対する壊死面積を%で表した。更に、脳浮腫に対する化合物の心臓保護効果は虚血を引き起こした右脳半球の容積と比較して左脳半球の容積を%で表した。
結果は表6(虚血/再かん流による脳損傷に対する脳保護効果)に表した。
【0307】
【表6】

【0308】
表6に表される通り、実施例42の化合物は虚血/再かん流により誘発された脳梗塞だけでなく脳浮腫も各々0.1mg/kgおよび0.3mg/kgの注射にて有意に減少させた。
従って、本発明の化合物は虚血/再かん流による脳損傷を保護する作用が優れているため、脳卒中などの虚血脳損傷により誘発される様々な疾患の治療に有用に使用されることができる。
【0309】
実験例6
ラットに対する急性経口毒性実験
本発明のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体の急性経口毒性を調べるために、下記のような実験を行った。
生後6週の特定病原体未感染の(SPF)SD系ラットを使用して実験を実施した。群当り2匹ずつの動物に実施例1〜51から得られた化合物を各々0.5%メチルセルロース溶液に懸濁して10mg/kg・mlの容量で経口投与した。
経口投与後、動物の斃死可否、臨床症状、体重変化などを観察して血液学的検査と血液生化学的検査を実施し、剖検して肉眼で腹腔臓器と胸腔臓器の異常可否を観察した。
【0310】
特記な臨床症状も斃死した動物も観察されず、更に、体重変化、血液検査、血液性化学検査、剖検所見でも急性毒性は観察されなかった。以上の結果、実験された化合物は全てのラットで10mg/kgまで毒性を示さず、経口投与最小致死量(LD50)は100mg/kg以上である安全な物質と判断された。
一方、本発明による化合物は目的に従って様々な形態に製剤化が可能である。下記は本発明による化合物を活性成分として含有させた製剤化方法を例示したものであるが、本発明がこれに限定されるわけではない。
【0311】
製剤例1
錠剤(直接加圧)
活性成分5.0mgを篩にかけた後、ラクトース14.1mg、クロスポピドンUSNF0.8mgおよびステアリン酸マグネシウム0.1mgを混合して加圧して錠剤を製造した。
【0312】
製剤例2
錠剤(湿式組立)
活性成分5.0mgを篩にかけた後、ラクトース16.0mg、澱粉4.0mgを混合した。ポリソルベート80溶液0.3mgを純粋な水に溶解させた後、前記混合物を添加した。微粒化して乾燥させ、微粒を篩にかけた後、コロイド状二酸化ケイ素2.7mgおよびステアリン酸マグネシウム2.0mgと混ぜた。微粒を加圧して錠剤を製造した。
【0313】
製剤例3
粉末とカプセル剤
本発明の化合物5.0mgを篩にかけた後、ラクトース14.8mg、ポリビニルピロリドン10.0mgおよびステアリン酸マグネシウム0.2mgを混合した。前記混合物を適当な装置を使用して硬質なNo.5ゼラチンカプセルに充填させてカプセル剤を製造した。
【0314】
製剤例4
注射剤
本発明の化合物100mg、マンニトール180mg、Na2HPO4・12H2O 26mgおよび蒸留水2974mgを含有させ、注射剤を製造した。
【産業上の利用可能性】
【0315】
本発明のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体はナトリウム/水素交換チャンネルであるNHE−1に対して強力な抑制作用を示し、摘出された虚血心モデルにおいて虚血/再かん流による心臓損傷の機能回復を改善させ、in vivo虚血動物モデルにおいて、心筋梗塞のサイズを有意に減少させ、優れた心臓保護効果を示す。更に、神経細胞の壊死および死滅に対する保護効果を有し、in vivo脳虚血モデルにおいて、脳梗塞のサイズが有意に減少することで神経細胞および虚血脳に対する保護効果を示す。
【0316】
従って、本発明の薬学的組成物は心筋梗塞、不整脈、狭心症などの虚血性心疾患、脳卒中などの脳血管疾患の予防および治療に有用に使用することができ、冠動脈バイパス術、経皮経管冠動脈形勢術などの施術時または血栓溶解剤などの再かん流療法に対する心臓保護剤などとして使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1に表されるベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩。
化学式1
【化1】

前記式において、
1は、H、F、Cl、Br、I、CN、NO2、アミノ、または分岐鎖または直鎖のC1〜C5アルキル、C1〜C5アルケニル、C1〜C5アルキニル、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5ハロアルキル、またはC6〜C14アリールであり、ここで、前記C6〜C14アリールは非置換、またはF、Cl、Br、I、CN、NO2、アミノ、および分岐鎖または直鎖であるC1〜C5アルキル、C1〜C5アルケニル、C1〜C5アルキニル、C1〜C5アルコキシ、およびC1〜C5ハロアルキルの中から選択された1種の置換基に置換され、
2は、H、F、Cl、Br、I、CN、NO2、アミノ、または側鎖または直鎖のC1〜C5アルキル、C1〜C5アルケニル、C1〜C5アルキニル、C1〜C5アルコキシ、またはC1〜C5ハロアルキルである。
【請求項2】
前記化学式1のR1は、H、F、Cl、Br、I、CN、NO2、NH2、CF3、OCH3、分岐鎖または直鎖のC1〜C3アルキル、C1〜C3アルケニル、またはC6〜C10アリールであり、ここで、前記C6〜C10アリールは、非置換、またはF、Cl、Br、I、CN、NO2、NH2、CF3、OCH3、分岐鎖または直鎖のC1〜C3アルキル、およびC1〜C3アルケニルからなる群から選択された1種の置換基で置換され、および
2は、H、またはC1〜C3アルキルであることを特徴とする、請求項1記載のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的塩。
【請求項3】
前記薬学的に許容可能な塩が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸の中から選択される無機酸、またはクエン酸、酢酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、グリコン酸、コハク酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸、ガラクツロン酸、エンボン酸、グルタミン酸およびアスパラギン酸の中から選択される有機酸であることを特徴とする、請求項1記載のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項4】
薬学的に許容可能な塩は塩酸またはメタンスルホン酸の塩であることを特徴とする、請求項1記載のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項5】
前記ベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩が、
1)(4−ブロモベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
2)[4−(2−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
3)[4−(3−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
4)[4−(4−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
5)[4−(2−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
6)[4−(3−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
7)[4−(4−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
8)[4−(2−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
9)[4−(3−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
10)[4−(4−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
11)[4−(2−メトキシフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
12)[4−(3−メトキシフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
13)[4−(4−メトキシフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
14)[4−(2−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
15)[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
16)[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
17)(4−フェニルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
18)[4−(1−ナフタレニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩
19)[4−(3,5−ジクロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩
20)[4−(2,5−ジクロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジン、
21)[4−(2,3−ジクロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
22)[4−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
23)[4−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
24)[4−(3,5−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
25)[4−(2,5−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
26)[4−(2,3−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
27)[4−(3,4−ジフルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
28)[4−(2−メチル−5−フルオロフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
29)[4−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
30)[4−(3,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
31)[4−(2,5−ジメチルフェニル)ベンゾチオフェン−2−カルボニル]グアニジンメタンスルホン酸塩、
32)(4−クロロベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
33)(4−フルオロベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
34)(4−ヨードベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
35)(4−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
36)(4−ビニルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
37)(4−エチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
38)(4−イソプロピルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
39)(4−ニトロベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
40)(4−アミノベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
41)(4−メトキシベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
42)(4−シアノベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
43)(4−トリフルオロメチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
44)(ベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
45)(4−ブロモ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
46)(4−クロロ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
47)(4,5−ジメチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
48)(4−シアノ−5−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸、
49)(4−ブロモ−6−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
50)(4,6−ジメチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、および
51)(4−シアノ−6−メチルベンゾチオフェン−2−カルボニル)グアニジンメタンスルホン酸塩、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項6】
下記反応式1のように、カルボン酸誘導体(II)と過量のグアニジンと反応させるか、または塩基存在下でグアニジンと反応させて化合物(I)を得ることを特徴とするベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体および薬学的に許容可能なその塩の製造方法。
反応式1
【化2】

前記反応式1において、
1およびR2は、各々請求項1の化学式1で定義した通りであり、Lは、グアニジンに容易に置換される離脱基である。
【請求項7】
前記Lは、ハロゲン、水酸基、アルコキシ基、メシレートおよびトシレートの中から選択されることを特徴とする、請求項6記載の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩を有効成分として含有するNHE(ナトリウム/水素交換輸送体−1)抑制剤。
【請求項9】
請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩を有効成分として含有する神経細胞保護剤。
【請求項10】
請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩を有効成分として含有する虚血性心疾患の予防および治療用薬学的組成物。
【請求項11】
前記虚血性心疾患が、心筋梗塞、不整脈および狭心症を含むことを特徴とする、請求項10記載の薬学的組成物。
【請求項12】
請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩を有効成分として含有する再かん流療法時の虚血/再かん流損傷に対する心臓保護剤。
【請求項13】
前記再かん流療法が、冠動脈バイパス術、経皮経管冠動脈形成術のような心臓施術およびその組合せ、または血栓溶解剤を含む薬物療法であることを特徴とする、請求項12記載の心臓保護剤。
【請求項14】
請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のベンゾチオフェン−2−カルボニルグアニジン誘導体または薬学的に許容可能なその塩を有効成分として含有する虚血性脳疾患の予防および治療用薬学的組成物。
【請求項15】
前記虚血性脳疾患が、脳卒中および脳外傷を含むことを特徴とする、請求項14記載の薬学的組成物。

【公表番号】特表2008−525523(P2008−525523A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549250(P2007−549250)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【国際出願番号】PCT/KR2005/004573
【国際公開番号】WO2006/071047
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(398043850)コリア リサーチ インスティテュート オブ ケミカル テクノロジー (21)
【出願人】(500296882)ユーユー インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】