説明

ペイアウト率を切り替えるためのスイッチを備えるゲーミングマシンとその制御方法

【課題】遊技者にとって魅力的なペイアウト率の実現とマシン提供者(例えばカジノ)側の売り上げ確保との両立を図ること。
【解決手段】最大BETボタン35による規定上限数(例えば30枚)のBETに追加して、追加BETボタン38による追加BET(例えば5枚)を行うと、モード切替ボタン37によるベーシックゲームの第1消化時間から第2消化時間への切替が可能となる。第2消化時間では、開始されたベーシックゲームが第1消化時間よりも短い時間で終了する。ベーシックゲームの消化時間が第2消化時間である間、ゲーミングマシン1のペイアウト率は、第1消化時間であるときの第1ペイアウト率よりも高い第2ペイアウト率となる。第2ペイアウト率では、第1ペイアウト率よりもボーナスゲームの当籤確率が高くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単位ゲームを繰り返し実行するゲーミングマシンとその制御方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
単位ゲームを繰り返し実行するゲーミングマシンにおいては、従来から、ペイアウト率を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0058067号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、海外カジノにおいては、スロットマシンの人気が低下し、テーブルゲーム等に遊技者が集まる傾向にある。その要因の一つには、カジノ側が売り上げを確保するために、ペイアウト率の設定を低く抑えていることがあるものと思われる。
【0005】
また、単位ゲームにおける抽籤に当籤すると、ベーシックゲームからボーナスゲームに移行して集中的に大量のペイアウトが発生するスロットマシンでは、ボーナスゲームに比べてベーシックゲームにおけるペイアウトが極端に少ない。したがって、ペイアウト率の設定が低いスロットマシンでは、ボーナスゲームによる大量のペイアウトがなかなか発生せず、スロットマシンではプレイを楽しめないという遊技者の印象が強くなってしまう傾向がある。
【0006】
仮に、スロットマシンのペイアウト率の設定を高めに変更しても、遊技者はそのことを外見から判断できない。そのため、ペイアウト率を高めに設定しても、即座に遊技者がスロットマシンに集まることにはならない。また、カジノ側からしても、ペイアウト率を上げると売り上げが減ることになるので、ペイアウト率の設定を高くすることに対しては消極的にならざるを得ない。
【0007】
したがって、特許文献1の技術を利用しても、上述したスロットマシンの人気低下を解消する有効な対策を講じることはできない。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、遊技者にとって魅力的なペイアウト率の実現とマシン提供者(例えばカジノ)側の売り上げ確保との両立を図るのに適したゲーミングマシンとその制御方法とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため請求項1に記載した本発明のゲーミングマシンは、
単位ゲームを繰り返し実行するゲーミングマシンのペイアウト率を切り替える際に操作されるスイッチと、
前記スイッチの操作により前記ペイアウト率が第1ペイアウト率から該第1ペイアウト率よりも高い第2ペイアウト率に切り替えられているときに開始される前記単位ゲームの、開始から終了までに要する消化時間を、前記ペイアウト率が前記第1のペイアウト率に切り替えられているときよりも短くする処理を実行するコントローラと、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載した本発明のゲーミングマシンによれば、スイッチの操作によりゲーミングマシンのペイアウト率を第1ペイアウト率からそれよりも高い第2ペイアウト率に切り替えると、その後に開始される単位ゲームの開始から終了までに要する消化時間が、第1ペイアウト率であるときに開始される単位ゲームの消化時間よりも短くなる。
【0011】
したがって、ゲーミングマシンにおいて一定時間連続して単位ゲームを実行すると、第1ペイアウト率よりも第2ペイアウト率の方が、遊技者が多くのペイアウトを受けることになる。
【0012】
一方、単位ゲームの消化時間が第1ペイアウト率のときよりも第2ペイアウト率のときの方が短いので、連続して単位ゲームを実行した場合、一定時間中に実行できる単位ゲーム数は、第1ペイアウト率のときよりも第2ペイアウト率のときの方が多くなる。
【0013】
したがって、ゲーミングマシンの提供者(例えばカジノ)は、ゲーミングマシンで単位ゲームが連続して実行されている限り、ゲーミングマシンのペイアウト率が第1ペイアウト率からそれよりも高い第2ペイアウト率に切り替えられても、遊技者のベット分から遊技者に対するペイアウト分を差し引いた残りの利益を、ペイアウト率が第1ペイアウト率であるときと同等に得ることになる。
【0014】
このため、遊技者にとって魅力的なペイアウト率の実現とマシン提供者(例えばカジノ)側の売り上げ確保との両立を図ることができる。
【0015】
また、請求項2に記載した本発明のゲーミングマシンは、請求項1に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、遊技価値のベットを受け付ける受付デバイスと、前記単位ゲームに対する遊技価値のベットを前記受付デバイスが受け付けた際に前記単位ゲームの開始操作の検出を行う検出デバイスとをさらに備えており、前記コントローラが、前記検出デバイスが前記開始操作を検出したときに、前記単位ゲームを開始させる処理を実行すると共に、前記コントローラが、前記検出デバイスが前記開始操作を検出する前に、前記受付デバイスが前記単位ゲームに対する遊技価値のベットに加えて遊技価値の追加ベットを受け付けた際に、前記スイッチの操作による前記ペイアウト率の前記第1ペイアウト率から前記第2ペイアウト率への切り替えを受け付ける処理を実行することを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載した本発明のゲーミングマシンによれば、請求項1に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、遊技者が単位ゲームに対するベットとは別に追加ベットを行うことで、スイッチの操作によるペイアウト率の第1ペイアウト率から第2ペイアウト率への切り替えが可能となる。したがって、ペイアウト率の第1ペイアウト率から第2ペイアウト率への切り替えを、遊技者が自らの意志によって行えるようにすることができる。
【0017】
さらに、請求項3に記載した本発明のゲーミングマシンは、請求項1又は2に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、前記コントローラが、前記ペイアウト率が前記第2ペイアウト率に切り替えられているときに、前記単位ゲームにおけるベーシックゲームから該ベーシックゲームよりも遊技者に有利なボーナスゲームに移行する抽籤の当籤確率を、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときよりも高くする処理を実行することを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載した本発明のゲーミングマシンによれば、請求項1又は2に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、ペイアウト率を第1ペイアウト率からそれよりも高い第2ペイアウト率に切り替えると、ボーナスゲームの当籤確率が高くなって第1ペイアウト率のときよりも頻繁にボーナスゲームに当籤する可能性が高くなる。
【0019】
したがって、第1ペイアウト率から第2ペイアウト率への切り替えによるペイアウト率の増加を、ボーナスゲームの当籤頻度によって遊技者が認識し易くなる。このため、スイッチの操作によるペイアウト率の第1ペイアウト率から第2ペイアウト率への切り替えに対する遊技者の興味を向上させることができる。
【0020】
また、請求項4に記載した本発明のゲーミングマシンは、請求項3に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、前記コントローラが、前記ペイアウト率が前記第2ペイアウト率に切り替えられているときに前記抽籤に当籤した場合、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときとペイアウト量が同じ第1ボーナスゲームと、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときよりもペイアウト量が少ない第2ボーナスゲームとのいずれかに当籤させる処理を実行することを特徴とすることを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載した本発明のゲーミングマシンによれば、請求項3に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、ペイアウト率を第1ペイアウト率からそれよりも高い第2ペイアウト率に切り替えると、ボーナスゲームの当籤頻度が高くなる代わりに、一部のボーナスゲームが、第1ペイアウト率においてボーナスゲームに当籤したときに行われる第1ボーナスゲームよりもペイアウト量が少ない第2ボーナスゲームとなる。
【0022】
したがって、第1ペイアウト率よりも第2ペイアウト率においてボーナスゲームの当籤頻度を高くしても、その分遊技者へのペイアウト量が単純に高くなるのを防ぐことができる。これにより、遊技者のベット分から遊技者へのペイアウト分を差し引いたゲーミングマシンの提供者側が得る利益が、第2ペイアウト率のときに第1ペイアウト率のときよりも大きく減ってしまうのを防ぐことができる。
【0023】
さらに、請求項5に記載した本発明のゲーミングマシンは、請求項3又は4に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、前記コントローラが、前記ペイアウト率が前記第2ペイアウト率に切り替えられているときに、前記ゲーミングマシンにおけるペイアウト量の全体に対する前記ボーナスゲームによるペイアウト量の割合を、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときよりも高くする処理を実行することを特徴とする。
【0024】
請求項5に記載した本発明のゲーミングマシンによれば、請求項3又は4に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、ペイアウト率を第2ペイアウト率に切り替えると、ボーナスゲームの当籤頻度が高くなる一方で、ボーナスゲーム以外のベーシックゲームにおけるペイアウト量が第1ペイアウト率のときよりも低くなる。
【0025】
したがって、第1ペイアウト率のときにはベーシックゲームにおけるペイアウト量の割合が高く、第2ペイアウト率のときにはボーナスゲームにおけるペイアウト量の割合が高いという、ペイアウト率別の特徴をそれぞれに持たせることができる。
【0026】
また、請求項6に記載した本発明のゲーミングマシンは、請求項1、2、3、4又は5に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、前記コントローラが、前記ペイアウト率が前記第2ペイアウト率に切り替えられているときに、前記単位ゲームにおける演出の実行時間を、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときよりも短縮する処理を実行することを特徴とする。
【0027】
請求項6に記載した本発明のゲーミングマシンによれば、請求項1、2、3、4又は5に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、単位ゲームの消化時間が第1ペイアウト率のときよりも短い第2ペイアウト率で単位ゲームが実行されるときに、単位ゲームの演出が第1ペイアウト率のときと同じ実行時間で行われて単位ゲームの終了後も演出が継続してしまうのを、防止することができる。
【0028】
さらに、請求項7に記載した本発明のゲーミングマシンは、請求項1、2、3、4又は5に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、前記コントローラが、前記ペイアウト率が前記第2ペイアウト率に切り替えられているときに、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときの前記単位ゲームにおいて提示する第1演出よりも実行時間が短い第2演出を、前記単位ゲームにおいて提示する処理を実行することを特徴とする。
【0029】
請求項7に記載した本発明のゲーミングマシンによれば、請求項1、2、3、4又は5に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、単位ゲームの消化時間が第1ペイアウト率のときよりも短い第2ペイアウト率で単位ゲームが実行されるときに、単位ゲームの演出が第1ペイアウト率のときと同じ実行時間で行われて単位ゲームの終了後も演出が継続してしまうのを、防止することができる。
【0030】
その上、第1ペイアウト率のときと第2ペイアウト率のときとで、単位ゲームの際に実行される演出の内容が異なるので、演出の内容から現在のペイアウト率を遊技者やゲーミングマシンの周辺の人々に認識させることができる。
【0031】
また、請求項8に記載した本発明のゲーミングマシンは、請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、前記コントローラが、前記スイッチによる前記第2ペイアウト率から前記第1ペイアウト率への切り替え操作が行われたときと、前回の前記単位ゲームの終了から所定時間以上経過しても次の前記単位ゲームが開始されないときと、の少なくとも一方において、前記ペイアウト率を前記第2ペイアウト率から前記第1ペイアウト率に切り替える処理を実行することを特徴とする。
【0032】
請求項8に記載した本発明のゲーミングマシンによれば、請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、遊技者が自らの意志でスイッチの操作を行うことで、あるいは、遊技者が自らの意志でゲーミングマシンにおける単位ゲームの実行を所定時間以上連続して行わない(例えば、ゲーミングマシンでの遊技を終了する)ことで、第2ペイアウト率に切り替えられたゲーミングマシンのペイアウト率を、元の第1ペイアウト率に切り替えさせることができる。
【0033】
さらに、前記目的を達成するため請求項9に記載した本発明のゲーミングマシンは、
単位ゲームを繰り返し実行するゲーミングマシンのペイアウト率を切り替える際に操作されるスイッチと、
前記スイッチの操作により前記ペイアウト率が第1ペイアウト率よりも高い第2ペイアウト率に切り替えられているときに、前記ゲーミングマシンにおいて前記単位ゲームが実行されている稼働時間における、単位稼働時間当たりの前記単位ゲームに対する遊技価値の総ベット量からペイアウト量を差し引いた残量を、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときと実質的に同じにする処理を実行するコントローラと、
を備えることを特徴とする。
【0034】
請求項9に記載した本発明のゲーミングマシンによれば、スイッチの操作によりゲーミングマシンのペイアウト率を第1ペイアウト率からそれよりも高い第2ペイアウト率に切り替えても、ゲーミングマシンの提供者がゲーミングマシンの単位稼働時間当たりに受け取る遊技価値の量、つまり、単位稼働時間当たりの単位ゲームに対する遊技価値の総ベット量からペイアウト量を差し引いた残量は、実質的に同じ量になる。
【0035】
このため、遊技者にとって魅力的なペイアウト率の実現とマシン提供者(例えばカジノ)側の売り上げ確保との両立を図ることができる。
【0036】
また、前記目的を達成するため請求項10に記載した本発明のゲーミングマシンの制御方法は、
単位ゲームを繰り返し実行するゲーミングマシンの制御方法であって、
スイッチの操作に基づいて、ゲーミングマシンのペイアウト率を第1ペイアウト率から該第1ペイアウト率よりも高い第2ペイアウト率に切り替える段階と、
前記ペイアウト率が前記第2ペイアウト率に切り替えられているときに開始される前記単位ゲームの、開始から終了までに要する消化時間を、前記ペイアウト率が前記第1のペイアウト率に切り替えられているときよりも短くする段階と、
を含むことを特徴とする。
【0037】
請求項10に記載した本発明のゲーミングマシンの制御方法によれば、スイッチの操作によりゲーミングマシンのペイアウト率を第1ペイアウト率からそれよりも高い第2ペイアウト率に切り替えると、その後に開始される単位ゲームの開始から終了までに要する消化時間が、第1ペイアウト率であるときに開始される単位ゲームの消化時間よりも短くなる。
【0038】
したがって、ゲーミングマシンにおいて一定時間連続して単位ゲームを実行すると、第1ペイアウト率よりも第2ペイアウト率の方が、遊技者が多くのペイアウトを受けることになる。
【0039】
一方、単位ゲームの消化時間が第1ペイアウト率のときよりも第2ペイアウト率のときの方が短いので、連続して単位ゲームを実行した場合、一定時間中に実行できる単位ゲーム数は、第1ペイアウト率のときよりも第2ペイアウト率のときの方が多くなる。
【0040】
したがって、ゲーミングマシンの提供者(例えばカジノ)は、ゲーミングマシンで単位ゲームが連続して実行されている限り、ゲーミングマシンのペイアウト率が第1ペイアウト率からそれよりも高い第2ペイアウト率に切り替えられても、遊技者のベット分から遊技者に対するペイアウト分を差し引いた残りの利益を、ペイアウト率が第1ペイアウト率であるときと同等に得ることになる。
【0041】
このため、遊技者にとって魅力的なペイアウト率の実現とマシン提供者(例えばカジノ)側の売り上げ確保との両立を図ることができる。
【0042】
なお、単位ゲームを実行する際に、これと同期して映像や音声による演出が行われる場合、その演出がストーリー性を有していて、例えば単位ゲームの結果を予兆させるものであるとすると、遊技者はこの演出の内容(最終結果)に注目することになる。
【0043】
そのようなゲーミングマシンにおいて、単位ゲームの開始から終了までの消化時間が変わることになると、演出の内容を全て遊技者に提供することができなくなり、演出の内容によって遊技者に単位ゲームの結果を予兆させる上で支障となることが想定される。
【0044】
そこで、前記目的を達成するため請求項11に記載した本発明のゲーミングマシンは、
単位ゲームを繰り返し実行するゲーミングマシンにおける前記単位ゲームの開始から終了までに要する消化時間を切り替える際に操作されるスイッチと、
前記スイッチの操作により前記消化時間が第1消化時間から該第1消化時間よりも短い第2消化時間に切り替えられているときに、前記単位ゲームにおける演出の開始から終了までの実行時間を前記消化時間に同期して短縮する処理を実行するコントローラと、
を備えることを特徴とする。
【0045】
請求項11に記載した本発明のゲーミングマシンによれば、スイッチの操作により単位ゲームの消化時間が第1消化時間からそれよりも短い第2消化時間に切り替えられると、単位ゲームの消化時間の短縮に同期して、第2消化時間で実行される単位ゲームの演出の開始から終了までの実行時間も短縮されることになる。
【0046】
このため、単位ゲームの消化時間が第2消化時間に短縮されても、第2消化時間内に単位ゲームの演出を開始から終了まで実行させて、開始から終了までの演出の全内容を遊技者に提示することができる。
【0047】
また、請求項12に記載した本発明のゲーミングマシンは、請求項11に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、前記演出がストーリー性を有する動画画像であり、前記コントローラが、前記消化時間が前記第2消化時間に切り替えられているときに、前記第1消化時間を所要時間とする前記動画画像の再生速度を高くし、前記第2消化時間を所要時間として前記動画画像を再生する処理を実行することを特徴とする。
【0048】
請求項12に記載した本発明のゲーミングマシンによれば、請求項11に記載した本発明のゲーミングマシンにおいて、第2消化時間に短縮された単位ゲームの消化時間に同期して、単位ゲームの演出の開始から終了までの実行時間を短縮する際に、単位ゲームが第1消化時間で実行される際の演出と同じソースを用いることができるようになる。
【0049】
このため、単位ゲームの消化時間毎に演出のソースを個別に用意する必要をなくし、単位ゲームの演出に関して必要となるゲーミングマシンのデータ量が増加するのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0050】
本発明に係るゲーミングマシンとその制御方法によれば、遊技者にとって魅力的なペイアウト率の実現とマシン提供者側の売り上げ確保との両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの機能フローを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンを含むゲームシステムを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの全体構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンにおけるペイアウト率別の各種計算値を示す特性図である。
【図5】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンにおけるクレジット数の期待値を、第2ペイアウト率におけるベーシックゲーム数との関係で示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのベーシックゲームを第1消化時間で実行するときの演出画像の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのベーシックゲームを第2消化時間で実行するときの演出画像の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのベーシックゲームを第1消化時間で実行するときの、ボーナスゲーム抽籤に外れた場合の演出画像の例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのベーシックゲームを第1消化時間で実行するときの、ボーナスゲーム抽籤に当選した場合の演出画像の例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのリールの周面に描かれたシンボルの配列を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの内部構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル組合せテーブルを示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのメイン制御処理のフローチャートを示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの1ゲーム終了時初期化処理のフローチャートを示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのコイン投入・スタートチェック処理のフローチャートを示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのジャックポット関連処理のフローチャートを示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス関連処理のフローチャートを示す図である。
【図18】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル抽籤処理のフローチャートを示す図である。
【図19】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル表示制御処理のフローチャートを示す図である。
【図20】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの払出数決定処理のフローチャートを示す図である。
【図21】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランスチェック処理のフローチャートを示す図である。
【図22】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのボーナスゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【図23】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの小ボーナスゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【図24】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの大ボーナスゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【図25】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス選択処理のフローチャートを示す図である。
【図26】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンにおける大ボーナスのボーナスゲームの実行状態の一例を示す図である。
【図27】本発明の実施形態に係るゲーミングマシンにおける大ボーナスのボーナスゲームの実行状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0053】
[機能フロー図の説明]
図1を参照して、本実施形態に係るゲーミングマシンの基本的な機能について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの機能フローを示す図である。
【0054】
〈コイン投入・スタートチェック〉
まず、ゲーミングマシンは、BETボタンが遊技者により押されたか否かをチェックし、これと共に、ペイアウト率として第1ペイアウト率とこれよりも高い第2ペイアウト率とのどちらが選択されたかを、選択スイッチの操作に基づいてチェックする。続いて、スタートボタンが遊技者により押されたか否かを、スタートスイッチによりチェックする。
【0055】
〈抽籤処理・図柄決定処理〉
次に、ゲーミングマシンは、スタートボタンが遊技者により押されると、シンボル決定用乱数値を抽出し、ディスプレイ上に表示する複数のビデオリールのそれぞれに応じて、シンボル列のスクロールを停止させたときに遊技者に表示するシンボルを決定する。
【0056】
〈リール停止制御・シンボル表示〉
次に、ゲーミングマシンは、各ビデオリールのシンボル列のスクロールを開始させ、決定されたシンボルが遊技者に表示されるようにスクロールを停止させる。
【0057】
〈入賞判定〉
次に、ゲーミングマシンは、各ビデオリールのシンボル列のスクロールが停止されると、遊技者に表示されたシンボルの組合せが入賞に係るものであるか否かを判定する。入賞に係るものには、小当たりと入賞特別図柄(大当たり)とが含まれる。
【0058】
表示されたシンボルの組み合わせが入賞特別図柄である場合、第1ペイアウト率のときには無条件で大ボーナスとなる。第2ペイアウト率のときにはボーナス選択ゲームを実行した結果によって、大ボーナスと小ボーナスとのどちらか一方となる。大ボーナスは固定配当型のボーナスであり、大ボーナスの場合は、配当テーブルにしたがって配当を決定する。小ボーナスは、フリーゲーム型のボーナスである。フリーゲームは、コインを消費することなく、前述の停止予定シンボルの決定に係る抽籤が所定回数にわたって行われるゲームである。小ボーナスの場合は、フリーゲーム数の抽籤を行う。
【0059】
〈配当・払い出し〉
次に、ゲーミングマシンは、遊技者に表示されたシンボルの組合せが入賞に係るものであるとき、そのシンボルの組合せの種類に応じた特典を遊技者に与える。
【0060】
例えば、ゲーミングマシンは、コインの払い出しに係るシンボルの組合せが表示されたとき、そのシンボルの組合せに応じた数のコインを遊技者に払い出す。
【0061】
また、ゲーミングマシンは、ボーナスゲームトリガーに係るシンボルの組合せである入賞特別図柄が表示されたとき、ボーナスゲームを開始する。なお、本実施形態では、ボーナスゲームとして、大ボーナスゲーム(第1ボーナスゲーム)または小ボーナスゲーム(第2ボーナスゲーム)が行われる。
【0062】
また、ゲーミングマシンは、ジャックポットトリガーに係るシンボルの組合せが表示されたとき、ジャックポット額のコインを遊技者に払い出す。ジャックポットは、各ゲーミングマシンにおいて遊技者が消費したコインの一部をジャックポット額として累積していき、ジャックポットトリガーが成立したゲーミングマシンがあったとき、そのゲーミングマシンに対して、累積したジャックポット額のコインを払い出す機能をいう。
【0063】
ゲーミングマシンは、1回の遊技ごとに、ジャックポット額に蓄積する額(累積額)を算出し、外部制御装置へ送信する。外部制御装置は、各ゲーミングマシンから送信されてきた累積額をジャックポット額に累積していく。
【0064】
また、ゲーミングマシンには、上記特典のほか、ミステリーボーナスや、インシュランスといった特典が設けられている。
【0065】
ミステリーボーナスは、専用の抽籤に当籤することによって、予め定められた額のコインの払い出しが行われるものである。ゲーミングマシンは、スタートボタンが押されると、ミステリーボーナス用乱数値を抽出し、ミステリーボーナストリガーを成立させるか否かを抽籤により決定する。
【0066】
インシュランスは、ボーナスゲームが長期間行われていない状況から遊技者を救済することを目的として設けられる機能である。本実施形態では、インシュランスを有効とするか否かは、遊技者が任意に選択可能となっている。インシュランスを有効にする場合、所定のインシュランス加入額と引き換えになる。
【0067】
ゲーミングマシンは、インシュランスが有効とされた場合、遊技回数のカウントを開始する。そして、ゲーミングマシンは、ボーナスゲームなどによる多額の払い出しが行われることなく、カウントした遊技回数が予め定められた回数に達したとき、インシュランス用に設定された額の払い出しを行う。
【0068】
〈演出の決定〉
ゲーミングマシンは、ディスプレイによる画像の表示、ランプによる光の出力、及びスピーカによる音の出力によって演出を行う。ゲーミングマシンは、演出用乱数値を抽出し、抽籤により決定されたシンボルなどに基づいて、演出の内容を決定する。
【0069】
[ゲームシステムの全体]
ゲーミングマシンの基本的な機能についての説明は以上である。次に、図2を参照して、ゲーミングマシンを含むゲームシステムについて説明する。図2は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンを含むゲームシステムを示す図である。
【0070】
ゲームシステム300は、複数のゲーミングマシン1と、各ゲーミングマシン1と通信回線301を介して接続された外部制御装置200とを備えている。
【0071】
外部制御装置200は、複数のゲーミングマシン1を制御するものである。本実施形態において、外部制御装置200は、複数のゲーミングマシン1を有する遊技施設に設置されているいわゆるホールサーバである。各ゲーミングマシン1にはそれぞれ固有の識別番号が付されており、外部制御装置200は、識別番号により、各ゲーミングマシン1から送られてくるデータの出所を判別している。また、外部制御装置200からゲーミングマシン1にデータを送信する場合にも、識別番号を用いて送信先を指定している。
【0072】
なお、ゲームシステム300は、カジノ等の様々な遊技を行うことが可能な1つの遊技施設内に構築されてもよいし、複数の遊技施設間に構築されてもよい。また、1つの遊技施設内に構築される場合には、遊技施設のフロアやセクションごとにゲームシステム300が構築されてもよい。通信回線301は、有線であっても無線であってもよく、専用回線又は交換回線等を採用することが可能である。
【0073】
[ゲーミングマシンの全体構造]
本実施形態に係るゲームシステムについての説明は以上である。次に、図3を参照して、ゲーミングマシン1の全体構造について説明する。図3は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの全体構成を示す図である。
【0074】
ゲーミングマシン1では、遊技媒体として、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報が用いられる。また、本実施形態では、後述するバーコード付きチケットも用いられる。なお、遊技媒体はこれらに限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネーなどを採用することもできる。
【0075】
ゲーミングマシン1は、キャビネット11と、キャビネット11の上側に設置されたトップボックス12と、キャビネット11の前面に設けられたメインドア13とを備えている。
【0076】
メインドア13の中央には、下側画像表示パネル141が設けられている。下側画像表示パネル141は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。下側画像表示パネル141は、シンボル表示領域4を有する。シンボル表示領域4には、5つのビデオリール3(3a,3b,3c,3d,3e)が表示される。
【0077】
本実施形態において、ビデオリールとは、複数のシンボルがその周面に描かれた機械式リールの回転及び停止の動作を映像により表現するものである。各ビデオリール3には、予め定められた複数(本実施形態では22個)のシンボルからなるシンボル列が割り当てられている(後述の図10を参照)。
【0078】
シンボル表示領域4では、各ビデオリール3に割り当てられたシンボル列がそれぞれスクロールされ、所定時間の経過後、停止する。その結果、それぞれのシンボル列の一部(本実施形態では連続する3個のシンボル)が遊技者に表示される。
【0079】
シンボル表示領域4には、各ビデオリール3に応じて、上段、中段及び下段の3つの領域にそれぞれ1個のシンボルが表示される。つまり、シンボル表示領域4には、5列×3個の15個のシンボルが表示される。
【0080】
本実施形態では、上記3つの領域の何れかを各ビデオリール3に応じて選択し、それぞれを結んで形成されるラインを、入賞ラインとしている。
【0081】
なお、入賞ラインの具体的な態様は任意に採用することができるが、例えば各ビデオリール3に応じた中段の領域をそれぞれ結んでなる直線状のラインのほか、V字状や屈曲状のラインなどを採用することができる。また、入賞ラインの数についても、例えば27本など、任意に採用することができる。
【0082】
また、下側画像表示パネル141は、クレジット数表示領域142及びペイアウト数表示領域143を有する。クレジット数表示領域142には、遊技者が所有するコインであってゲーミングマシン1内部に預けられたコインの数(以下、クレジット数)が表示される。また、ペイアウト数表示領域143には、入賞が成立したときに遊技者に払い出されるコインの数(以下、払出数)が表示される。
【0083】
また、下側画像表示パネル141には、タッチパネル114が内蔵されている。遊技者は下側画像表示パネル141に触れることで各種の指示を入力することができる。
【0084】
下側画像表示パネル141の下方には、コントロールパネル30に配された各種ボタンをはじめ、遊技者による操作の対象となる各種装置が配されている。
【0085】
スタートボタン31は、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールを開始する際に用いられるものである。チェンジボタン32は、遊技施設の係員に両替を要求する際に用いられるものである。CASHOUTボタン33は、ゲーミングマシン1内部に預けられているコインをコイントレイ15に払い出す際に用いられるものである。
【0086】
1−BETボタン34及び最大BETボタン35は、ゲーミングマシン1内部に預けられているコインから遊技に用いるコインの数(以下、BET数)を決定するためのものである。1−BETボタン34は、上記BET数を1枚単位で決定する際に用いられるものである。最大BETボタン35は、上記BET数を規定上限数(例えば30枚)とする際に用いられるものである。
【0087】
追加BETボタン38は、遊技に対する規定上限数(例えば30枚)のBETに追加してコイン(例えば5枚)をBETする際に用いられるものである。このコイン(例えば5枚)の追加BETは、後述するモード切替ボタン37の操作によるベーシックゲームの消化時間の第1消化時間から第2消化時間への切替を、有効とするのに必要なコインのBETである。したがって、追加BETボタン38による追加BETは、遊技に対するBET数が規定上限数(例えば30枚)に達しているときにのみ有効となる。
【0088】
なお、ベーシックゲームの消化時間とは、ベーシックゲームにおける各ビデオリール3のシンボル列のスクロール開始から終了までの所要時間である。そして、第2消化時間は第1消化時間よりも短い。
【0089】
モード切替ボタン37は、ゲーミングマシン1が実行するベーシックゲームのモードを、消化時間が異なる別のモードに切り替える際に操作されるものである。ベーシックゲームとは、ゲーミングマシン1で実行される遊技(以下、単位ゲーム)の1つである。単位ゲームは、ベーシックゲームの他にボーナスゲームを含んでいる。ベーシックゲームは、後述するボーナスゲームトリガーのシンボルが入賞ライン上に揃うまでの間実行されるゲームである。ボーナスゲームは、ボーナスゲームトリガーのシンボルが入賞ライン上に揃うことで開始されるゲームである。
【0090】
ベーシックゲームの消化時間は、通常は第1消化時間である。そして、ベーシックゲームに対する規定上限数(例えば30枚)のBETに追加してコインの追加BET(例えば5枚)を行い、モード切替ボタン37を操作すると、ベーシックゲームの消化時間が第1消化時間からそれよりも短い第2消化時間に切り替わる。
【0091】
なお、ベーシックゲームの消化時間の第2消化時間から第1消化時間への切替も、モード切替ボタン37の操作で行えるようにしてもよい。その場合、第2消化時間から第1消化時間への切替は、第2消化時間で実行したベーシックゲームの終了後、次のベーシックゲームに対するBETを開始する前にモード切替ボタン37を操作することで、行えるようにすることができる。
【0092】
また、ベーシックゲームの消化時間の第2消化時間から第1消化時間への切替を、例えば、ゲーミングマシン1における単位ゲーム(ベーシックゲーム及びボーナスゲームを含む)が一定時間連続して実行されない場合に、自動的に行うようにすることもできる。
【0093】
本実施形態のゲーミングマシン1では、ベーシックゲームの消化時間が第1消化時間であるときには、ゲーミングマシン1のペイアウト率が第1ペイアウト率(90%)となる。一方、ベーシックゲームの消化時間が第2消化時間であるときには、ゲーミングマシン1のペイアウト率が第1ペイアウト率よりも高い第2ペイアウト率(98.6%)に切り替わる。
【0094】
ペイアウト率とは、スタートボタン31の操作により開始される単位ゲームにおいて遊技者に払い出されたコイン数を、単位ゲームに対してBETされたコイン数によって除した値である。ここで言う単位ゲームは、上述したベーシックゲームとボーナスゲームとを含んでいる。
【0095】
上述したように、ゲーミングマシン1のペイアウト率は、通常では第1ペイアウト率(90%)である。そして、必要なBET(例えば30枚+5枚=35枚)を行い、モード切替ボタン37の操作によりベーシックゲームの消化時間を第1消化時間から第2消化時間に切り替えると、ゲーミングマシン1のペイアウト率が第1ペイアウト率から第2ペイアウト率に切り替わる。
【0096】
なお、モード切替ボタン37の操作により、または自動的に、ベーシックゲームの消化時間が第2消化時間から第1消化時間に切り替わった場合には、ゲーミングマシン1のペイアウト率が第2ペイアウト率から第1ペイアウト率に切り替わることになる。
【0097】
次に、図4を参照して、第1ペイアウト率と第2ペイアウト率との相違点について説明する。図4は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンにおけるペイアウト率別の各種計算値を示す特性図である。
【0098】
まず、第1ペイアウト率(90%)では、ベースゲームにおけるペイアウト率が30%(ボーナスゲームにおけるペイアウト率が60%)である。これに対し、第2ペイアウト率(98.6%)では、ベースゲームにおけるペイアウト率が25.7%(ボーナスゲームにおけるペイアウト率が71.1%)である。即ち、第2ペイアウト率では、ボーナスゲームにおけるペイアウト率の比重を、第1ペイアウト率よりも高くしている。
【0099】
また、第2ペイアウト率では、ボーナスゲームの当籤確率が第1ペイアウト率(1/120)に比べて2倍(1/60)に上がっている。但し、第1ペイアウト率では、ボーナスゲームが全て払出し数の多い大(BIG)ボーナスであるのに対して、第2ペイアウト率では、大ボーナスよりも払出し数の少ない小(SMALL)ボーナスが、大ボーナスと共にボーナスゲームに混在する。
【0100】
第1,第2どちらのペイアウト率においても、ボーナスゲームは、入賞ライン上にボーナスゲームトリガーのシンボルが揃うことで成立する。第1ペイアウト率の場合は、直ちに大ボーナスのボーナスゲームに移行する。第2ペイアウト率の場合は、ボーナスゲームへの移行前にボーナス選択ゲームを実行し、大ボーナスと小ボーナスのどちらかを決定する。なお、図4では、大ボーナスと小ボーナスとの出現確率が8:2である場合を示している。
【0101】
大ボーナスにおける払出しの期待値は、第1ペイアウト率の場合では、基本BET(30枚)に対する73,7倍(2212枚)、第2ペイアウト率の場合では、基本BET(35枚)の69.9倍(2446枚)である。一方、小ボーナスにおける払出しの期待値は、第2ペイアウト率における基本BET(35枚)の17.5倍(612枚)であり、大ボーナスのおよそ4分の1である。
【0102】
第2ペイアウト率では、大ボーナスと小ボーナスとが混在するので、各払出しの期待値を単純平均した平均期待値は、基本BET(35枚)に対する43.7倍(1529枚)となる。一方、大ボーナスのみが出現する第1ペイアウト率では、ボーナスゲームの当籤確率が第2ペイアウト率の半分なので、大ボーナスの払出しの期待値の半分が平均期待値となる。その値は、基本BET(30枚)に対する36.9倍(1106枚)である。
【0103】
したがって、第1ペイアウト率の場合に比べて第2ペイアウト率の場合は、ボーナスゲームに頻繁に当籤することになる。また、ボーナスゲーム1回当たりの払出しの期待値は、小ボーナスが混在しないことから、見かけ上は第1ペイアウト率の方が第2ペイアウト率よりもの方が高い。しかし、第1ペイアウト率はボーナスゲームの当籤確率が第2ペイアウト率の半分しかないので、この当籤確率差を考慮した実質的なボーナスゲーム1回当たりの払出しの期待値は、第2ペイアウト率の方が第1ペイアウト率よりも高くなる。
【0104】
次に、図5を参照して、第2ペイアウト率におけるクレジット数(コイン数等)の遊技したゲーム数に応じた推移について説明する。図5は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンにおけるクレジット数の期待値を、第2ペイアウト率におけるベーシックゲーム数との関係で示す図である。
【0105】
第2ペイアウト率の場合、ボーナスゲームが大ボーナスとなるか小ボーナスとなるかによって、払出しの期待値に高低の幅が生じることになる。例えば、確率上60ゲーム毎にボーナスゲームに当籤するものと仮定し、180ゲームを行った場合を想定する。ここで、ボーナスゲームが毎回大ボーナスとなる場合は(図5中の太線)、ゲーム開始時に「0」であった通算クレジット数(コイン数等)が、計算上で「2147」となる。一方、ボーナスゲームが毎回小ボーナスとなる場合は(図5中の一点鎖線)、ゲーム開始時に「0」であった通算クレジット数(コイン数等)が、計算上で「−2298」となる。したがって、第2ペイアウト率においては、ボーナスゲームが大ボーナスとなる仮称ボーナスとなるかによって、最大約4400のクレジット差が生じることになる。
【0106】
以上に説明したように、第1ペイアウト率であるときと第2ペイアウト率であるときとでは、ボーナスゲームの当籤確率が異なり、また、ボーナスゲーム当籤時における小ボーナスの有無が異なる。したがって、本実施形態のゲーミングマシン1では、後で図18を参照して説明するシンボル抽籤処理を行う際に用いる抽籤用のテーブルが、ペイアウト率が第1ペイアウト率であるときと第2ペイアウト率であるときとで異なる。
【0107】
また、ベーシックゲームの消化時間が第1消化時間であるときと第2消化時間であるときとでは、1回のベーシックゲームの開始から終了までの所要時間が異なる。具体的には、第1消化時間よりも第2消化時間の方が、ベーシックゲームの消化時間が短い。第1消化時間と第2消化時間は、第1消化時間でベーシックゲームを実行する第1ペイアウト率のときと、第2消化時間でベーシックゲームを実行する第2ペイアウト率のときとで、ゲームを連続一定時間実行した場合のゲーミングマシン1の売り上げが同じ程度となるように設定される。
【0108】
詳細には、ゲームを連続して実行した時間帯をゲーミングマシン1の稼働時間とした場合の、単位稼働時間当たりにおける消費コイン数から払出コイン数を差し引いた残コイン数が、第1ペイアウト率(第1消化時間)のときと第2ペイアウト率(第2消化時間)のときとで実質的に同じになるように、第1消化時間や第2消化時間が設定される。
【0109】
ここで、消費コイン数とは、ゲーム(ベーシックゲーム及びボーナスゲームを含む)に対するコインの総BET数のことである。また、払出コイン数とは、ゲーム(ベーシックゲーム及びボーナスゲームを含む)において払い出されたコイン数のことである。さらに、実質的に同じとは、両ペイアウト率における残コイン数の差が所定の許容誤差範囲内に収まる程度のことである。
【0110】
さらに、本実施形態のゲーミングマシン1では、ベーシックゲームの消化時間が第1消化時間であるときは、ベーシックゲーム中に下側画像表示パネル141や後述する上側画像表示パネル131において表示する演出画像の所要時間や、後述するスピーカ112から出力する演出音の所要時間を、第1消化時間と同じ時間としている。同様に、ベーシックゲームの消化時間が第2消化時間であるときは、演出画像の所要時間や演出音の所要時間を、第2消化時間と同じ時間としている。
【0111】
したがって、本実施形態のゲーミングマシン1では、ベーシックゲームを第1消化時間で実行するときと第2消化時間で実行するときとで、演出画像の所要時間や演出音の所要時間を異ならせている。演出画像や演出音の所要時間を異ならせるには、例えば、第1消化時間でベーシックゲームを実行するときに用いる演出画像や演出音とは内容が異なる別の演出画像や演出音を、第2消化時間でベーシックゲームを実行するときに用いる、という方法がある。
【0112】
次に、図6乃至図7を参照して、ベーシックゲームを第1消化時間で実行するときと第2消化時間で実行するときとで、内容が異なる演出画像をそれぞれ用いる場合について説明する。図6は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのベーシックゲームを第1消化時間で実行するときの演出画像の一例を示す図である。図7は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのベーシックゲームを第2消化時間で実行するときの演出画像の一例を示す図である。
【0113】
図6及び図7には、上側画像表示パネル131において表示する演出画像の一例を示している。これらの演出画像は、競走馬がスタートゴール間を競走する動画画像である。各演出画像におけるスタートゴールの距離は、ベーシックゲームの消化時間に比例している。したがって、ベーシックゲームを第1消化時間で実行するときの演出画像は、図6に示すように、スタートゴールの距離が長い。一方、ベーシックゲームを第2消化時間で実行するときの演出画像は、図7に示すように、スタートゴールの距離が短い。各演出画像において1着の競走馬がゴールを通過すると、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールが停止してベーシックゲームが終了する。
【0114】
次に、ベーシックゲームの終了時点で上側画像表示パネル131に表示される演出画像を、ベーシックゲームを第1消化時間で実行するときを例に取って説明する。図8は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのベーシックゲームを第1消化時間で実行するときの、ボーナスゲーム抽籤に外れた場合の演出画像の例を示す図である。図9は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのベーシックゲームを第1消化時間で実行するときの、ボーナスゲーム抽籤に当選した場合の演出画像の例を示す図である。
【0115】
ベーシックゲームにおいて入賞となるシンボルの組み合わせが入賞ライン上に揃わない場合は、図8に示すように、遊技者に対応する競走馬が2着以下でゴールする。この場合、演出画像には「You Lose」の文字が表示される。一方、ベーシックゲームにおいてボーナスゲームトリガーとなるシンボルの組み合わせが入賞ライン上に揃う場合は、図9に示すように、遊技者に対応する競走馬が1着でゴールする。この場合、演出画像には「Bonus Game Win」の文字が表示される。
【0116】
ベーシックゲームを第2消化時間で実行するときの演出画像についても同様で、ベーシックゲームにおいて入賞となるシンボルの組み合わせが入賞ライン上に揃わない場合は、遊技者に対応する競走馬が2着以下でゴールする。そして、演出画像には「You Lose」の文字が表示される。一方、ベーシックゲームにおいてボーナスゲームトリガーとなるシンボルの組み合わせが入賞ライン上に揃う場合は、遊技者に対応する競走馬が1着でゴールする。そして、演出画像には「Bonus Game Win」の文字が表示される。
【0117】
なお、ベーシックゲームを第1消化時間で実行するときの演出画像の再生速度は、演出画像の全編(図6から図8又は図9に内容が変化するまで)が第1消化時間を所要時間として再生されるのに適した速度である。そこで、この演出画像を、ベーシックゲームを第2消化時間で実行するときに、再生速度を高くして使用するようにしてもよい。
【0118】
その場合には、演出画像の全編(図6から図8又は図9に内容が変化するまで)が第2消化時間を所要時間として再生されるのに適した速度で、演出画像を高速再生することになる。このときは、演出画像に合わせてスピーカ112から出力する演出音も高速再生して、ベーシックゲームを第1消化時間で実施する場合より所要時間を短くすることになる。
【0119】
このようにすることで、ベーシックゲームを第1消化時間より短い第2消化時間で実行するときにも、図6から図8又は図9のように内容が変化する競馬というストーリー性のある演出画像を、そのストーリー性を損なうことなく遊技者に提示することができる。これにより、演出画像の内容変化によってベーシックゲームの結果に対する遊技者の期待を高める効果を、第1消化時間より短い第2消化時間で実行するベーシックゲームにおいても得られるようにすることができる。
【0120】
また、上述したようなストーリー性がない演出画像や演出音を使用する場合は、ベーシックゲームを第1消化時間で実行するときに用いる演出画像や演出音を、ベーシックゲームを第2消化時間で実行するときにもそのまま用いるようにしてもよい。その場合は、第2消化時間で実行したベーシックゲームが終了する時点で、演出画像や演出音を途中終了すればよい。
【0121】
コイン受入口36は、コインを受け入れるために設けられている。紙幣識別器115は、紙幣を受け入れるために設けられている。紙幣識別器115は、紙幣が適正であるか否かを選別し、適正な紙幣をキャビネット11内に受け入れる。なお、紙幣識別器115は、後述するバーコード付チケット175を読み取ることができるように構成されていてもよい。
【0122】
トップボックス12の前面には、上側画像表示パネル131が設けられている。上側画像表示パネル131は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。上側画像表示パネル131は、演出にかかる画像や、遊技の内容の紹介やルールの説明を示す画像が表示される。また、トップボックス12には、スピーカ112及びランプ111が設けられている。ゲーミングマシン1では、画像の表示、音の出力及び光の出力によって演出が実行される。
【0123】
上側画像表示パネル131の下方には、チケットプリンタ171と、カードスロット176と、データ表示器174と、キーパッド173とが設けられている。
【0124】
チケットプリンタ171は、クレジット数や日時やゲーミングマシン1の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット175として出力するものである。遊技者は、バーコード付チケット175をゲーミングマシンに読み取らせて遊技を行ったり、バーコード付チケット175を遊技施設の所定箇所(例えばカジノ内のキャッシャ)で紙幣等に交換したりすることができる。
【0125】
カードスロット176は、所定のデータが記憶されているカードを挿入するためのものである。例えば、カードには、遊技者を識別するためのデータ、遊技者が行った遊技の履歴に関するデータが記憶されている。
【0126】
カードスロット176に挿入されたカードは、後述のカードリーダ172によってデータの読み取り及びデータの書き込みが行われる。なお、カードには、コイン、紙幣又はクレジットに相当するデータが記憶されることとしてもよい。
【0127】
データ表示器174は、蛍光ディスプレイやLED等からなり、例えば、カードリーダ172が読み取ったデータや、遊技者によってキーパッド173を介して入力されたデータを表示するものである。キーパッド173は、チケット発行等に関する指示やデータを入力するためのものである。
【0128】
[ビデオリールのシンボル列]
ゲーミングマシン1の全体構造についての説明は以上である。次に、図10を参照して、ゲーミングマシン1のビデオリール3が有しているシンボル列の構成について説明する。図10は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのリールの周面に描かれたシンボルの配列を示す図である。
【0129】
第1ビデオリール3a、第2ビデオリール3b、第3ビデオリール3c、第4ビデオリール3d及び第5ビデオリール3eにはそれぞれ、コードナンバー「00」〜「21」に対応する22個のシンボルから構成されるシンボル列が割り当てられている。
【0130】
シンボルの種類には、「JACKPOT 7」、「BLUE 7」、「BELL」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」、「ORANGE」及び「APPLE」が設けられている。
【0131】
[ゲーミングマシンが備える回路の構成]
ゲーミングマシン1のビデオリール3が有するシンボル列の構成についての説明は以上である。次に、図11を参照して、ゲーミングマシン1が備える回路の構成について説明する。図11は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの内部構成を示すブロック図である。
【0132】
ゲーミングボード50は、内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM52及びブートROM53と、メモリカード54に対応したカードスロット55と、GAL(Generic Array Logic )56に対応したICソケット57とを備えている。
【0133】
メモリカード54は、不揮発性メモリからなり、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを記憶している。ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム、抽籤プログラム、画像や音による演出を実行するためのプログラムが含まれている(例えば後述の図13〜図25を参照)。また、上記ゲームプログラムには、各ビデオリール3に割り当てられたシンボル列の構成を規定するデータ(図10を参照)が含まれている。
【0134】
抽籤プログラムは、各ビデオリール3の停止予定シンボルを抽籤により決定するためのプログラムである。停止予定シンボルは、シンボル列を構成する22個のシンボルのうち、シンボル表示領域4により表示する3個のシンボルを決定するためのデータである。本実施形態のゲーミングマシン1は、シンボル表示領域4の各ビデオリール3に応じた3つの領域のうち、所定の領域(例えば、上段の領域)に表示するシンボルを、停止予定シンボルとして決定する。
【0135】
上記抽籤プログラムには、シンボル決定データが含まれている。シンボル決定データは、各ビデオリール3に応じて、シンボル列を構成する22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)のそれぞれが均等の確率(つまり、1/22)で決定されるように乱数値を規定するデータである。
【0136】
22個のシンボルのそれぞれが決定される確率は基本的に均等である。ただし、22個のシンボルの中に含まれる各種シンボルの個数が異なるので、各種シンボルが決定される確率は異なる(つまり、重みが生じる)。例えば、図10を参照すると、第1ビデオリール3aのシンボル列には、シンボル「JACKPOT 7」は1個含まれているのに対して、シンボル「ORANGE」は7個含まれている。したがって、前者は「1/22」の確率で決定されるのに対して、後者は「7/22」の確率で決定されることになる。
【0137】
なお、本実施の形態では、各ビデオリール3のシンボル列を構成するシンボルの個数が同じとなるようにデータが規定されているが、各ビデオリール3に応じて、シンボル列を構成するシンボルの個数が異なるようにしても良い。例えば、第1ビデオリール3aのシンボル列は22個のシンボルから構成される一方で、第2ビデオリール3bのシンボル列は30個のシンボルから構成されるようにしても良い。これにより、各ビデオリール3に応じて各種シンボルが決定される確率を設定する際の自由度が増す。
【0138】
また、カードスロット55は、メモリカード54を挿抜可能なように構成されており、IDEバスによってマザーボード70に接続されている。
【0139】
GAL56は、OR固定型アレイ構造を有するPLD(Programmable Logic Device )の一種である。GAL56は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えており、入力ポートに所定の入力があると、対応するデータを出力ポートから出力する。
【0140】
また、ICソケット57は、GAL56を着脱可能なように構成されており、PCIバスによってマザーボード70に接続されている。メモリカード54を別のプログラムが書き込まれたものに差し替えるか、又は、メモリカード54に書き込まれたプログラムを別のものに書き換えることによって、ゲーミングマシン1で行われる遊技の内容を変更することができる。
【0141】
内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM52及びブートROM53は、PCIバスによってマザーボード70に接続されている。PCIバスは、マザーボード70とゲーミングボード50との間の信号伝達を行うとともに、マザーボード70からゲーミングボード50への電力供給を行う。
【0142】
ROM52には、認証プログラムが記憶される。ブートROM53には、予備認証プログラム及びCPU51が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
【0143】
認証プログラムは、ゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。予備認証プログラムは、上記認証プログラムを認証するためのプログラムである。認証プログラム及び予備認証プログラムは、対象となるプログラムが改竄されていないことの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。
【0144】
マザーボード70は、メインCPU71と、ROM72と、RAM73と、通信インターフェイス82とを備えている。
【0145】
ROM72は、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU71により実行されるBIOS等のプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインCPU71によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われる。また、ゲーミングボード50を介して、メモリカード54に記憶されているゲームプログラム及びゲームシステムプログラムの取込処理が開始される。
【0146】
RAM73には、メインCPU71が動作する際に用いられるデータやプログラムが記憶される。例えば、前述のゲームプログラム及びゲームシステムプログラムや認証プログラムの取込処理を行った際、これらを記憶することができる。また、RAM73には、上記プログラムを実行する際の作業用の領域が設けられている。例えば、遊技回数、BET数、払出数、クレジット数などを記憶する領域や、抽籤により決定したシンボル(コードナンバー)を記憶する領域、各種のフラグを記憶する領域などが設けられている。
【0147】
通信インターフェイス82は、通信回線301を介して、サーバ等の外部制御装置200との通信を行うためのものである。また、マザーボード70には、後述するドアPCB(Printed Circuit Board )90及び本体PCB110が、それぞれUSBによって接続されている。さらに、マザーボード70には、電源ユニット81が接続されている。
【0148】
電源ユニット81からマザーボード70に電力が供給されると、マザーボード70のメインCPU71が起動するとともに、PCIバスを介してゲーミングボード50に電力が供給されてCPU51が起動される。
【0149】
ドアPCB90及び本体PCB110には、スイッチやセンサなどの入力装置や、メインCPU71により動作が制御される周辺装置が接続されている。
【0150】
ドアPCB90には、コントロールパネル30、リバータ91、コインカウンタ92C及び冷陰極管93が接続されている。
【0151】
コントロールパネル30には、前述の各ボタンに対応して、スタートスイッチ31S、チェンジスイッチ32S、CASHOUTスイッチ33S、1−BETスイッチ34S、最大BETスイッチ35S、モード切替スイッチ37S及び追加BETスイッチ38Sが設けられている。各スイッチは、対応するボタンが遊技者によって押されたことを検出し、メインCPU71に対して信号を出力する。
【0152】
コインカウンタ92Cは、コイン受入口36に入れられたコインが材質や形状等が適正であるか否かを選別し、適正なコインを検出したとき、メインCPU71に対して信号を出力する。また、適正でないコインは、コイン払出口15Aから排出される。
【0153】
リバータ91は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ92Cによって選別された適正なコインを、ホッパー113又はキャッシュボックス(図示せず)に振り分ける。ホッパー113がコインで満たされていない場合はホッパー113に、ホッパー113がコインで満たされている場合はキャッシュボックスに振り分けられる。
【0154】
冷陰極管93は、上側画像表示パネル131及び下側画像表示パネル141の背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて点灯する。
【0155】
本体PCB110には、ランプ111、スピーカ112、ホッパー113、コイン検出部113S、タッチパネル114、紙幣識別器115、グラフィックボード130、チケットプリンタ171、カードリーダ172、キースイッチ173S及びデータ表示器174が接続されている。
【0156】
ランプ111は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて点灯する。スピーカ112は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいてBGM等の音を出力する。
【0157】
ホッパー113は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて動作し、指定された払出数のコインをコイン払出口15Aからコイントレイ15に払い出す。コイン検出部113Sは、ホッパー113により払い出されるコインを検出し、メインCPU71に対して信号を出力する。
【0158】
タッチパネル114は、下側画像表示パネル141上で遊技者の指などが触れた位置を検出し、その検出した位置に対応した信号をメインCPU71に対して出力する。紙幣識別器115は、適正な紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額に応じた信号をメインCPU71に対して出力する。
【0159】
グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル131及び下側画像表示パネル141のそれぞれにより行う画像の表示を制御する。下側画像表示パネル141のシンボル表示領域4には、5つのビデオリール3が表示され、各ビデオリール3が有するシンボル列のスクロール及びその停止の動作が表示される。グラフィックボード130は、画像データを生成するVDPや、VDPによって生成される画像データを記憶するビデオRAM等を備えている。下側画像表示パネル141のクレジット数表示領域142には、RAM73に記憶されているクレジット数が表示される。下側画像表示パネル141のペイアウト数表示領域143には、コインの払出数が表示される。
【0160】
また、グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、画像データを生成するVDP(Video Display Processor )や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM等を備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード54から読み出されてRAM73に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。ベーシックゲームの消化時間毎に内容が異なる演出画像の画像データも、このゲームプログラム内に含まれている。
【0161】
チケットプリンタ171は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、RAM73に記憶されたクレジット数、日時やゲーミングマシン1の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット175として出力する。
【0162】
カードリーダ172は、カードスロット176に入れられたカードについて、記憶されているデータを読み取ってメインCPU71へ送信したり、メインCPU71からの制御信号に基づいてデータの書き込みを行ったりする。
【0163】
キースイッチ173Sは、キーパッド173に設けられており、キーパッド173が遊技者によって操作されたとき、所定の信号をメインCPU71へ出力する。
【0164】
データ表示器174は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、カードリーダ172が読み取ったデータや、遊技者によってキーパッド173を介して入力されたデータを表示する。
【0165】
[シンボル組合せテーブルの構成]
ゲーミングマシン1の回路構成についての説明は以上である。次に、図12を参照して、シンボル組合せテーブルについて説明する。図12は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル組合せテーブルを示す図である。
【0166】
シンボル組合せテーブルは、入賞に係るシンボルの図柄の組合せと払出数とを規定している。ゲーミングマシン1では、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールが停止され、入賞ライン上に表示されるシンボルの組合せが、シンボル組合せテーブルにより規定されているシンボルの組合せと一致する場合に、入賞が成立する。そして、入賞役に応じて、コインの払い出しやボーナスゲームの開始といった特典が遊技者に与えられる。なお、入賞ライン上に表示されたシンボルの組合せが、シンボル組合せテーブルにより規定されているシンボルの組合せの何れとも一致しない場合には、入賞が不成立(いわゆるハズレ)となる。
【0167】
基本的に、それぞれのビデオリール3により入賞ライン上に表示されるシンボルが全て、「JACKPOT 7」、「APPLE」、「BLUE 7」、「BELL」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」及び「ORANGE」のうちの1種類のシンボルである場合、入賞が成立する。ただし、「CHERRY」及び「ORANGE」の各種類のシンボルについては、一方の種類のシンボルが1つ又は3つ、ビデオリール3により入賞ライン上に表示された場合にも、入賞が成立する。
【0168】
例えば、全てのビデオリール3によりシンボル「BLUE 7」が入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞役は「BLUE」となり、払出数として「10」が決定される。そして、決定された払出数に基づいてコインの払い出しが行われる。コインの払い出しは、コイン払出口15Aから実際にコインを排出するか、クレジット数に加算するか、又はバーコードチケットを発行することによって行われる。
【0169】
「JACKPOT 7」は、ジャックポットトリガーに係るシンボルである。全てのビデオリール3によりシンボル「JACKPOT 7」が入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞役は「ジャックポット」となり、払出数としてジャックポット額が決定される。
【0170】
「APPLE」は、ボーナスゲームトリガーに係るシンボルである。全てのビデオリール3によりシンボル「APPLE」が入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞役は「ボーナスゲーム」となり、次回の遊技からボーナスゲームが開始される。
【0171】
[プログラムの内容]
シンボル組合せテーブルについての説明は以上である。次に、図13〜図25を参照して、ゲーミングマシン1により実行されるプログラムについて説明する。
【0172】
〈メイン制御処理〉
まず、図13を参照して、メイン制御処理について説明する。図13は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのメイン制御処理のフローチャートを示す図である。
【0173】
はじめに、ゲーミングマシン1に電源が投入されると、メインCPU71は、ゲーミングボード50を介して、メモリカード54から認証したゲームプログラム及びゲームシステムプログラムを読み出し、RAM73に書き込む(ステップ11)。
【0174】
次に、メインCPU71は、後で図14を参照して説明する1ゲーム終了時初期化処理を行う(ステップS12)。例えば、BET数や抽籤により決定されたシンボルなど、RAM73の作業領域において1回の遊技ごとに不要となるデータのクリアなどが行われる。
【0175】
次に、メインCPU71は、後で図15を参照して説明するコイン投入・スタートチェック処理を行う(ステップS13)。この処理では、BETスイッチやスタートスイッチの入力のチェックなどが行われる。
【0176】
次に、メインCPU71は、後で図18を参照して説明するシンボル抽籤処理を行う(ステップS14)。この処理では、シンボル決定用乱数値に基づいて停止予定シンボルが決定される。
【0177】
次に、メインCPU71は、ミステリーボーナス抽籤処理を行う(ステップS15)。この処理では、ミステリーボーナストリガーを成立させるか否かを決定する抽籤が行われる。例えば、メインCPU71は、「0〜99」の範囲からミステリーボーナス用乱数値を抽出し、抽出された乱数値が「0」である場合に、ミステリーボーナストリガーを成立させる。
【0178】
次に、メインCPU71は、演出内容決定処理を行う(ステップS16)。メインCPU71は、演出用乱数値を抽出し、予め定められた複数の演出内容の何れかを抽籤により決定する。ベーシックゲームを第1消化時間で実行するときと第2消化時間で実行するときとで、ベーシックゲーム中に表示する演出画像を異なる内容のものとする場合は、この演出内容決定処理において抽籤により決定する演出画像が、ベーシックゲームを第1消化時間で実行するときと第2消化時間で実行するときとで異なることになる。
【0179】
次に、メインCPU71は、後で図19を参照して説明するシンボル表示制御処理を行う(ステップS17)。この処理では、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールが開始され、ステップS14のシンボル抽籤処理において決定された停止予定シンボルが所定の位置(例えば、シンボル表示領域4における上段の領域)に停止される。つまり、停止予定シンボルを含む4つのシンボルがシンボル表示領域4内に表示される。例えば、停止予定シンボルがコードナンバー「10」のシンボルであり、これを上段の領域に表示する場合であれば、コードナンバー「11」及び「12」の各シンボルがシンボル表示領域4内の中段及び下段のそれぞれに表示される。
【0180】
次に、メインCPU71は、後で図20を参照して説明する払出数決定処理を行う(ステップS18)。この処理では、入賞ライン上に表示されたシンボルの組合せに基づいて払出数が決定され、RAM73に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0181】
次に、メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否かを判別する(ステップS19)。メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したと判別したときには、後で図23を参照して説明するボーナスゲーム処理を行う(ステップS20)。
【0182】
次に、メインCPU71は、ステップS20の処理の後、又はステップS19においてボーナスゲームトリガーが成立していないと判別したときには、ミステリーボーナストリガーが成立したか否かを判別する(ステップS21)。メインCPU71は、ミステリーボーナストリガーが成立したと判別したときには、ミステリーボーナス処理を行う(ステップS22)。この処理では、ミステリーボーナス用に設定された払出数(例えば300)がRAM73に設けられた払出数記憶領域に格納される。
【0183】
メインCPU71は、ステップS22の処理の後、又はステップS21においてミステリーボーナストリガーが成立していないと判別したときには、後で図21を参照して説明するインシュランスチェック処理を行う(ステップS23)。この処理では、インシュランスによる払い出しを行うか否かがチェックされる。
【0184】
次に、メインCPU71は、払出処理を行う(ステップS24)。メインCPU71は、払出数記憶領域に格納されている値を、RAM73に設けられているクレジット数記憶領域に格納されている値に加算する。なお、CASHOUTスイッチ33Sの入力に基づいてホッパー113の駆動を制御し、払出数記憶領域に格納されている値に応じたコインをコイン払出口15Aから排出するようにしても良い。また、チケットプリンタ171の駆動を制御し、払出数記憶領域に格納されている値が記録されたバーコード付チケットを発行するようにしても良い。この処理が行われた後、ステップS12に移る。
【0185】
〈1ゲーム終了時初期化処理〉
次に、図14を参照して、図13のステップS12における1ゲーム終了時初期化処理について説明する。図14は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの1ゲーム終了時初期化処理のフローチャートを示す図である。
【0186】
はじめに、メインCPU71は、ベーシックゲームの消化時間の設定が第2消化時間であるか否かを判別する(ステップS31)。メインCPU71は、第2消化時間でないと判別したときには、1ゲーム終了時初期化処理を終了する。一方で、メインCPU71は、第2消化時間であると判別したときには、第2消化時間から第1消化時間にベーシックゲームのモードを切り替える条件が成立したか否かを判別する(ステップS32)。
【0187】
例えば、モード切替ボタン37の操作をメインCPU71が検出したり、ゲーミングマシン1における単位ゲームの一定時間連続不実行をメインCPU71が検出すると、この条件は成立する。メインCPU71は、条件が成立していないと判別したときには、1ゲーム終了時初期化処理を終了する。一方で、メインCPU71は、条件が成立したと判別したときには、ベーシックゲームの消化時間を第2消化時間から第1消化時間に切り替える(ステップS33)。この処理が行われると、1ゲーム終了時初期化処理を終了する。
【0188】
〈コイン投入・スタートチェック処理〉
次に、図15を参照して、図13のステップS13におけるコイン投入・スタートチェック処理について説明する。図15は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのコイン投入・スタートチェック処理のフローチャートを示す図である。
【0189】
はじめに、メインCPU71は、コインカウンタ92Cによりコインの投入を検出したか否かを判別する(ステップS41)。メインCPU71は、コインの投入を検出したと判別したときには、クレジット数記憶領域に格納されている値を加算する(ステップS42)。なお、コインの投入に加えて、紙幣識別器115により紙幣の投入を検出したか否かを判別し、紙幣の投入を検出したと判別したときに、紙幣に応じた値をクレジット数記憶領域に格納されている値に加算するようにしても良い。
【0190】
メインCPU71は、ステップS42の後、又はステップS41においてコインの投入を検出していないと判別したときには、クレジット数記憶領域に格納されている値は0であるか否かを判別する(ステップS43)。メインCPU71は、クレジット数記憶領域に格納されている値は0ではないと判別したときには、BETボタン(1−BETボタン34、最大BETボタン35)の操作受付を許可する(ステップS44)。
【0191】
次に、メインCPU71は、BETボタンの操作を検出したか否かを判別する(ステップS45)。メインCPU71は、BETボタンが遊技者によって押されたことをBETスイッチ(1−BETスイッチ34S、最大BETスイッチ35S)により検出したときは、BETボタンの種別に基づいて、RAM73に設けられているBET数記憶領域に格納されている値を加算し、クレジット数記憶領域に格納されている値を減算する(ステップS46)。
【0192】
次に、メインCPU71は、BET数記憶領域に格納されている値は最大であるか否かを判別する(ステップS47)。メインCPU71は、BET数記憶領域に格納されている値は最大であると判別したときには、BET数記憶領域に格納されている値の更新を禁止し、最大BETフラグをオンにする(ステップS48)。メインCPU71は、ステップS48の後、又はステップS47においてBET数記憶領域に格納されている値は最大ではないと判別したときには、最大BETフラグがオンであるか否かを判別する(ステップS49)。
【0193】
メインCPU71は、最大BETフラグがオンであると判別したときには、追加BETボタン38の操作を検出したか否かを判別する(ステップS50)。メインCPU71は、メインCPU71は、追加BETボタン38が遊技者によって押されたことを追加BETスイッチ38Sにより検出したときは、モード切替ボタン37の操作を検出したか否かを判別する(ステップS51)。
【0194】
メインCPU71は、モード切替ボタン37が遊技者によって押されたことをモード切替スイッチ37Sにより検出したときは、ベーシックゲームの消化時間を第1消化時間から第2消化時間に切り替える(ステップS52)。メインCPU71は、ステップS52の後、ステップS49において最大BETフラグがオンでないと判別したとき、ステップS50において最大BETフラグがオンでないと判別したとき、又はステップS51においてモード切替ボタン37の操作を検出していないと判別したときには、スタートボタン31の操作受付を許可する(ステップS53)。
【0195】
メインCPU71は、ステップS53の後、ステップS45においてBETボタンの操作を検出していないと判別したとき、又はステップS43においてクレジット数記憶領域に格納されている値は0であると判別したときには、スタートボタン31の操作を検出したか否かを判別する(ステップS54)。メインCPU71は、スタートボタン31の操作を検出していないと判別したときには、ステップS41に移る。
【0196】
次に、メインCPU71は、スタートボタン31の操作を検出したと判別したときには、後で図16を参照して説明するジャックポット関連処理を行う(ステップS55)。この処理では、ジャックポット額に累積する額が算出され、外部制御装置200に送信される。
【0197】
次に、メインCPU71は、後で図17を参照して説明するインシュランス関連処理を行う(ステップS56)。この処理では、インシュランスによる払い出しが行われる契機となる遊技回数のカウントが行われる。この処理が行われると、コイン投入・スタートチェック処理を終了する。
【0198】
〈ジャックポット関連処理〉
次に、図16を参照して、図15のステップS55におけるジャックポット関連処理について説明する。図16は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのジャックポット関連処理のフローチャートを示す図である。
【0199】
はじめに、メインCPU71は、累積額を算出する(ステップS71)。メインCPU71は、BET数記憶領域に格納されている値と予め設定された累積割合との積を求め、ジャックポット額への累積額を算出する。
【0200】
次に、メインCPU71は、算出された累積額を外部制御装置200に対して送信する(ステップS72)。外部制御装置200は、累積額を受信すると、ジャックポット額を更新する。この処理が行われると、ジャックポット関連処理を終了する。
【0201】
〈インシュランス関連処理〉
次に、図17を参照して、図15のステップS56におけるインシュランス関連処理について説明する。図17は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス関連処理のフローチャートを示す図である。
【0202】
はじめに、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS91)。インシュランス有効フラグは、後で図25を参照して説明するインシュランス選択処理において、遊技者によりインシュランスを有効にする指示が入力されたときにオンにセットされる。
【0203】
メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンではないと判別したときには、インシュランス関連処理を終了する。一方で、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであると判別したときには、RAM73に設けられているインシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値を更新する(ステップS92)。インシュランス用遊技回数記憶領域は、インシュランスによる払い出しが行われるまでの遊技回数を記憶する領域である。ステップS92の処理において、メインCPU71は、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値に1を加算する。この処理が行われると、インシュランス関連処理を終了する。
【0204】
〈シンボル抽籤処理〉
次に、図18を参照して、図13のステップS14におけるシンボル抽籤処理について説明する。図18は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのシンボル抽籤処理のフローチャートを示す図である。
【0205】
はじめに、メインCPU71は、シンボル決定用の乱数値を抽出する(ステップS111)。次に、メインCPU71は、各ビデオリール3の停止予定シンボルを抽籤により決定する(ステップS112)。メインCPU71は、各ビデオリール3に応じて抽籤を行い、22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)の何れかを停止予定シンボルとして決定する。
【0206】
このとき、メインCPU71は、現在のベーシックゲームの消化時間が第1消化時間である場合は、第1ペイアウト率に対応する抽籤テーブルを用いて各ビデオリール3の停止予定シンボルを決定する。また、現在のベーシックゲームの消化時間が第2消化時間である場合は、第2ペイアウト率に対応する抽籤テーブルを用いて各ビデオリール3の停止予定シンボルを決定する。
【0207】
次に、メインCPU71は、決定した各ビデオリール3の停止予定シンボルをRAM73に設けられているシンボル格納領域に格納する(ステップS113)。次に、メインCPU71は、シンボル組合せテーブル(図12)を参照し、シンボル格納領域に基づいて入賞役を判定する(ステップS114)。メインCPU71は、各ビデオリール3により入賞ライン上に表示されるシンボルの組合せと、シンボル組合せテーブルに規定されているシンボルの組合せとが一致するか否かを判定し、入賞役を決定する。この処理が行われると、シンボル抽籤処理を終了する。
【0208】
〈シンボル表示制御処理〉
次に、図19を参照して、図13のステップS17におけるシンボル表示制御処理について説明する。図19は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの払出数決定処理のフローチャートを示す図である。
【0209】
はじめに、メインCPU71は、下側画像表示パネル141のシンボル表示領域4に表示した各ビデオリール3のシンボル列のスクロールを開始する(ステップS131)。次に、メインCPU71は、前述のシンボル格納領域に基づいて、各ビデオリール3のシンボル列のスクロールを停止する(ステップS132)。
【0210】
このとき、メインCPU71は、現在のベーシックゲームの消化時間が第1消化時間である場合は、各ビデオリール3のシンボル列のスクロール開始から第1消化時間の経過後に、スクロールを停止する。また、現在のベーシックゲームの消化時間が第2消化時間である場合は、各ビデオリール3のシンボル列のスクロール開始から第2消化時間の経過後に、スクロールを停止する。この処理が行われると、シンボル表示制御処理を終了する。
【0211】
〈払出数決定処理〉
次に、図20を参照して、図13のステップS18における払出数決定処理について説明する。図20は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの払出数決定処理のフローチャートを示す図である。
【0212】
はじめに、メインCPU71は、入賞役はジャックポットであるか否かを判別する(ステップS151)。メインCPU71は、入賞役はジャックポットではないと判別したときには、入賞役に対応する払出数を決定する(ステップS152)。例えば、入賞役が「BELL」であるとき、払出数として「8」が決定される(図12を参照)。なお、ハズレのときは払出数として「0」が決定される。次に、メインCPU71は、決定した払出数を払出数記憶領域に格納する(ステップS153)。この処理が行われると、払出数決定処理を終了する。
【0213】
メインCPU71は、入賞役はジャックポットであると判別したときには、ジャックポットの入賞があった旨を外部制御装置200に対して通知する(ステップS154)。なお、外部制御装置200は、通知を受けると、それまでに更新してきたジャックポット額をゲーミングマシン1に対して送信する。このとき、ジャックポット額の一部(例えば80パーセント)を払い出しの対象とし、残り(例えば20パーセント)を次回のジャックポットトリガー成立時に備えて繰り越すようにしても良い。
【0214】
次に、メインCPU71は、外部制御装置200よりジャックポット額を受信する(ステップS155)。次に、メインCPU71は、受信したジャックポット額を払出数記憶領域に格納する(ステップS156)。この処理が行われると、払出数決定処理を終了する。
【0215】
〈インシュランスチェック処理〉
次に、図21を参照して、図13のステップS23におけるインシュランスチェック処理について説明する。図21は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランスチェック処理のフローチャートを示す図である。
【0216】
はじめに、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS171)。メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンではないと判別したときには、インシュランスチェック処理を終了する。
【0217】
メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであると判別したときには、所定の入賞役が成立したか否かを判別する(ステップS172)。本実施形態では、所定の入賞役として「ボーナスゲームトリガー」、「ジャックポット」及び「ミステリーボーナス」を対象としている。
【0218】
メインCPU71は、所定の入賞役が成立していないと判別したときには、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値が所定回数(例えば300)に達したか否かを判別する(ステップS173)。メインCPU71は、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値が所定回数に達していないと判別したときには、インシュランスチェック処理を終了する。
【0219】
メインCPU71は、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値が所定回数に達したと判別したときには、インシュランス額に基づいて払出処理を行う(ステップS174)。メインCPU71は、インシュランス額として予め定められた額(例えば200)をクレジット数記憶領域に格納されている値に加算する。
【0220】
メインCPU71は、ステップS174の後、又はステップS172において所定の入賞役が成立したと判別したときには、インシュランス用遊技回数記憶領域に格納されている値をリセットする(ステップS175)。次に、メインCPU71は、インシュランス有効フラグをオフにする(ステップS176)。この処理が行われると、インシュランスチェック処理を終了する。
【0221】
〈ボーナスゲーム処理〉
次に、図22を参照して、図13のステップS20におけるボーナスゲーム処理について説明する。図22は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのボーナスゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【0222】
はじめに、メインCPU71は、ベーシックゲームの消化時間の設定が第2消化時間であるか否かを判別する(ステップS181)。メインCPU71は、第2消化時間であると判別したときには、ボーナスゲームを大ボーナスとするか小ボーナスとするかを抽籤により決定するボーナス選択抽籤処理を行う(ステップS182)。
【0223】
次に、メインCPU71は、ボーナス選択ゲームの内容決定処理を行う(ステップS183)。この処理では、ステップS182のボーナス選択抽籤処理において抽籤により決定したボーナス(大ボーナス又は小ボーナス)を選択結果とする内容に、ボーナス選択ゲームの内容を決定する。次に、メインCPU71は、ステップS183の処理で決定したボーナス選択ゲームの内容を下側画像表示パネル141に表示するボーナス選択ゲーム表示制御処理を行う(ステップS184)。
【0224】
次に、メインCPU71は、ステップS182のボーナス選択抽籤処理において抽籤により決定したボーナスが大ボーナスであるか否かを判別する(ステップS185)。メインCPU71は、大ボーナスでないと判別したときには、後で図23を参照して説明する小ボーナスゲーム処理を行う(ステップS186)。この処理が行われると、ボーナスゲーム処理を終了する。
【0225】
一方、メインCPU71は、ステップS181において第2消化時間でないと判別したときと、ステップS185において大ボーナスであると判別したときには、後で図24を参照して説明する大ボーナスゲーム処理を行う(ステップS187)。この処理が行われると、ボーナスゲーム処理を終了する。
【0226】
〈小ボーナスゲーム処理〉
次に、図23を参照して、図22のステップS186における小ボーナスゲーム処理について説明する。図23は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの小ボーナスゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【0227】
はじめに、メインCPU71は、ボーナスゲーム数を決定する(ステップS191)。メインCPU71は、ボーナスゲーム数決定用乱数値を抽出し、例えば「50」、「70」及び「100」といった複数種類のボーナスゲーム数の何れかを抽籤により決定する。
【0228】
次に、メインCPU71は、決定したボーナスゲーム数をRAM73に設けられているボーナスゲーム数記憶領域に格納する(ステップS192)。
【0229】
次に、メインCPU71は、図13を参照して説明したステップS12の処理と同様に、1ゲーム終了時初期化処理を行う(ステップS193)。次に、メインCPU71は、図18を参照して説明したシンボル抽籤処理を行う(ステップS194)。次に、メインCPU71は、図13を参照して説明したステップS16の処理と同様に、演出内容決定処理を行う(ステップS195)。次に、メインCPU71は、図19を参照して説明したシンボル表示制御処理を行う(ステップS196)。次に、メインCPU71は、図20を参照して説明した払出数決定処理を行う(ステップS197)。
【0230】
次に、メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否かを判別する(ステップS198)。メインCPU71は、ボーナスゲームトリガーが成立したと判別したときには、追加するボーナスゲーム数の決定が行われる(ステップS199)。この決定は、前述のステップS191の処理と同様にして行われる。次に、メインCPU71は、決定した追加のボーナスゲーム数をボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値に加算する(ステップS200)。
【0231】
メインCPU71は、ステップS200の処理の後、又はステップS198においてボーナスゲームトリガーが成立していないと判別したときには、払出処理を行う(ステップS201)。この払出処理では、メインCPU71は、前述のステップS197の払出数決定処理にて払出数記憶領域に格納された値を、ボーナス用払出数記憶領域に格納されている値に加算する。ボーナス用払出数記憶領域は、ボーナスゲーム中に決定された払出数の合計を記憶する領域である。
【0232】
そして、小ボーナスゲーム処理が終了すると、メインCPU71は、図13を参照して説明したステップS24の払出処理にて、ボーナス用払出数記憶領域に格納されている値をRAM73に設けられているクレジット数記憶領域に格納されている値に加算する。つまり、小ボーナスのボーナスゲームにおいて決定された払出数の合計がまとめて払い出されることになる。なお、コイン払出口15Aからコインを排出するようにしても良いし、バーコード付チケットを発行するようにしても良い。
【0233】
次に、メインCPU71は、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値を1減算する(ステップS202)。次に、メインCPU71は、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値は0であるか否かを判別する(ステップS203)。メインCPU71は、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値は0ではないと判別したときには、ステップS193の処理に移る。一方で、ボーナスゲーム数記憶領域に格納されている値は0であると判別したときには、小ボーナスゲーム処理を終了する。小ボーナスゲーム処理が終了すると、図13を参照して説明したS21の処理に移る。
【0234】
〈大ボーナスゲーム処理〉
次に、図24を参照して、図22のステップS187における大ボーナスゲーム処理について説明する。図24は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの大ボーナスゲーム処理のフローチャートを示す図である。
【0235】
はじめに、メインCPU71は、大ボーナスの配当内容を決定する(ステップS211)。メインCPU71は、大ボーナス配当決定用乱数値を3つ抽出する。この乱数値は、大ボーナスのボーナスゲームにおける遊技者の操作によって選択する3つの値に対応する。
【0236】
図26及び図27は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンにおける大ボーナスのボーナスゲームの実行状態の一例を示す図である。図26及び図27に示すゲーミングマシン1では、上側画像表示パネル131がゲーミングマシン1のゲーム内容に応じてカスタマイズされている。
【0237】
図26に示すゲーミングマシン1では、大ボーナスのボーナスゲーム時に、上側画像表示パネル131の火山の噴火状態を示す「100」から「2000」までの9ステップの領域を、ボーナスゲームの配当を決定するのに使用する。そして、下側画像表示パネル141に表示する10個の火山から3つを遊技者がタッチ操作により選んで、選んだ火山に割り当てた噴火状態のステップアップ数を取得する。最後に、取得した3つのステップアップ数の合計値に応じて、上側画像表示パネル131の火山の噴火状態をステップアップし、到達したステップに対応する値(例えば7ステップ目に到達した場合は「1500」)によって、ボーナスゲームの配当を決定する。
【0238】
また、図27に示すゲーミングマシン1では、大ボーナスのボーナスゲーム時に、上側画像表示パネル131の内側と外側のルーレットを、ボーナスゲームの配当を決定するのに使用する。そして、下側画像表示パネル141に表示する10個の宝石から3つを遊技者がタッチ操作により選んで、選んだ宝石に割り当てたルーレットの進みコマ数を取得する。次に、取得した3つの進みコマ数の合計値に応じて、上側画像表示パネル131の内側のルーレットを「START」から進め、到達した箇所の値(例えば「START」から14コマ目に到達した場合は「200」)を取得する。最後に、取得した値(「200」)に、外側のルーレットを用いて抽籤により決定される倍率を乗じた値を、ボーナスゲームの配当として決定する。
【0239】
したがって、ステップS211においてメインCPU71は、図26や図27のゲーミングマシン1において大ボーナスのボーナスゲームを行う際に取得する3つの値(ステップアップ数又は進みコマ数)を、抽籤により決定する。また、ステップS211においてメインCPU71は、決定した3つの値により、大ボーナスの配当を大ボーナスゲームによる入賞役として決定する。
【0240】
次に、メインCPU71は、大ボーナス内容決定処理を行う(ステップS212)。この処理では、ステップS211の処理において抽籤により決定した3つの値(ステップアップ数又は進みコマ数)を選択結果とする内容に、大ボーナスゲームの内容を決定する。次に、メインCPU71は、ステップS212の処理で決定した大ボーナスゲームの内容を下側画像表示パネル141に表示するボー大ナスゲーム表示制御処理を行う(ステップS213)。次に、メインCPU71は、図20を参照して説明した払出数決定処理を行う(ステップS214)。この処理が行われると、大ボーナスゲーム処理を終了する。大ボーナスゲーム処理が終了すると、図13を参照して説明したS21の処理に移る。
【0241】
〈インシュランス選択処理〉
次に、図25を参照して、インシュランス選択処理について説明する。図25は、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンのインシュランス選択処理のフローチャートを示す図である。
【0242】
はじめに、メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS221)。メインCPU71は、インシュランス有効フラグはオンではないと判別したときには、インシュランス無効画像を表示する(ステップS222)。メインCPU71は、インシュランス無効画像を表示する指令をグラフィックボード130に対して送信する。グラフィックボード130は、その指令に基づいて、インシュランス無効画像を生成し、下側画像表示パネル141に表示する。
【0243】
インシュランス無効画像としては、例えば、「INSURANCE BET $1.00 TOUCH TO BET」を示す画像が表示される。この画像は、インシュランスを有効にするか否かの選択を遊技者に促すとともに、インシュランスを有効にするために必要な額を遊技者に知らせるための画像である。遊技者は、タッチパネル114上の所定箇所に触れることによって、インシュランスを有効にする旨の指示を入力することができる。
【0244】
続いて、メインCPU71は、インシュランス有効指示入力が有るか否かを判別する(ステップS223)。メインCPU71は、インシュランス有効指示入力がないと判別したときには、インシュランス有効フラグはオフのまま、ステップS221に移る。その一方で、メインCPU71は、インシュランス有効指示入力が有ると判別したときには、インシュランス有効フラグをオンにする(ステップS224)。
【0245】
次に、メインCPU71は、クレジット数記憶領域に格納されている値からインシュランス加入値を減算する(ステップS225)。本実施形態では、例えば1ドルに相当する値がクレジット数記憶領域に格納されている値から減算される。メインCPU71は、ステップS225の後、又はステップS221においてインシュランス有効フラグはオンであると判別したときには、インシュランス有効画像を表示する(ステップS226)。
【0246】
インシュランス有効画像としては、例えば、「INSURANCE継続中 WIN 200 CREDIT」を示す画像が表示される。この画像は、インシュランスが有効である旨、及びインシュランスの条件が満たされると「200」の値がクレジット数記憶領域に格納されている値に加算される旨を遊技者に知らせる画像である。この処理が行われると、ステップS221に移る。
【0247】
以上に説明した本実施形態のゲーミングマシン1によれば、モード切替ボタン37の操作によってベーシックゲームの消化時間を第1消化時間とそれよりも短い第2消化時間とに切り替えると、ゲーミングマシン1のペイアウト率を第1ペイアウト率とそれよりも高い第2ペイアウト率とに切り替わる。
【0248】
したがって、ゲーミングマシン1において一定時間連続してベーシックゲームを実行すると、第1ペイアウト率よりも第2ペイアウト率の方が、遊技者が多くのペイアウトを受けることになる。
【0249】
一方、ベーシックゲームの消化時間が第1ペイアウト率のときよりも第2ペイアウト率のときの方が短いので、連続してベーシックゲームを実行した場合、一定時間中に実行できるベーシックゲーム数は、第1ペイアウト率のときよりも第2ペイアウト率のときの方が多くなる。
【0250】
したがって、ゲーミングマシンの提供者(例えばカジノ)は、ゲーミングマシン1でベーシックゲームが連続して実行されている限り、ゲーミングマシン1のペイアウト率が第1ペイアウト率からそれよりも高い第2ペイアウト率に切り替えられても、遊技者のベット分から遊技者に対するペイアウト分を差し引いた残りの利益を、ペイアウト率が第1ペイアウト率であるときと同等に得ることになる。
【0251】
このため、遊技者にとって魅力的なペイアウト率の実現とゲーミングマシン1の提供者(例えばカジノ)側の売り上げ確保との両立を図ることができる。
【0252】
なお、本実施形態で採用した、ベーシックゲームの消化時間をモード切替ボタン37の操作によって第1消化時間と第2消化時間との間で切り替えると、これと連動してゲーミングマシン1のペイアウト率が第1ペイアウト率と第2ペイアウト率との間で切り替わる構成は、省略してもよい。
【0253】
また、本実施形態では、モード切替ボタン37による第1消化時間から第2消化時間へのベーシックゲームの消化時間の切替操作によって、第1ペイアウト率から第2ペイアウト率にゲーミングマシン1のペイアウト率を切り替えるのに、追加BETボタン38の操作による追加BETを必要とする構成とした。この構成は省略してもよいが、省略せずに設けることで、遊技者の自らの意志でゲーミングマシン1のペイアウト率を第1ペイアウト率から第2ペイアウト率に切り替えられる構成とすることができる。
【0254】
さらに、本実施形態では、第2ペイアウト率の方が第1ペイアウト率のときよりも、ボーナスゲームの当籤確率が高くなるようにした。この構成は省略することができる。しかし、省略せずにこの構成を設けることで、第1ペイアウト率から第2ペイアウト率への切り替えによるペイアウト率の増加を、ボーナスゲームの当籤頻度によって遊技者が認識し易くなる。このため、モード切替ボタン37の操作によるペイアウト率の第1ペイアウト率から第2ペイアウト率への切り替えに対する遊技者の興味を向上させることができる。
【0255】
さらに、本実施形態では、ボーナスゲームの当籤確率が高い第2ペイアウト率において、第1ペイアウト率のときには存在しない小ボーナスが大ボーナスと共に選択的に発生するようにした。この構成は省略することができる。しかし、省略せずにこの構成を設けることで、第1ペイアウト率よりも第2ペイアウト率においてボーナスゲームの当籤頻度を高くしても、その分遊技者へのペイアウト量が単純に高くなるのを防ぐことができる。これにより、遊技者のベット分から遊技者へのペイアウト分を差し引いたゲーミングマシン1の提供者側が得る利益が、第2ペイアウト率のときに第1ペイアウト率のときよりも大きく減ってしまうのを防ぐことができる。
【0256】
また、本実施形態では、第2ペイアウト率のときに、第1ペイアウト率のときよりもボーナスゲームによるペイアウト量の割合を高くする構成とした。この構成は省略することができる。しかし、省略せずにこの構成を設けることで、第1ペイアウト率のときにはベーシックゲームにおけるペイアウト量の割合が高く、第2ペイアウト率のときにはボーナスゲームにおけるペイアウト量の割合が高いという、ペイアウト率別の特徴をそれぞれに持たせることができる。
【0257】
さらに、本実施形態では、ベーシックゲームの消化時間が第2消化時間であるときに、ベーシックゲームの演出画像や演出音の実行時間を、ベーシックゲームの消化時間が第1消化時間であるときよりも短くする構成とした。この構成は省略することができる。しかし、省略せずにこの構成を設けることで、ベーシックゲームが第2消化時間で実行されるときに、第1消化時間でベーシックゲームが行われるときと同じ所要時間でベーシックゲームの演出が行われて、ベーシックゲームの終了後も演出が継続してしまうのを、防止することができる。
【0258】
なお、ベーシックゲームの消化時間が第2消化時間であるときに、ベーシックゲームの演出画像や演出音の実行時間を、ベーシックゲームの消化時間が第1消化時間であるときよりも短くする際に、演出画像や演出音のソースは、それぞれの実行時間に合わせた個別のものを利用してもよい(図6及び図7参照)。しかし、ベーシックゲームの消化時間が第2消化時間であるときも、ベーシックゲームの消化時間が第1消化時間であるときと同じソースの演出画像(図6、図8、及び、図9参照)や演出音を用いれば、ソースの共通化によりデータ量の増加を防ぐことができる。
【0259】
また、本実施形態では、モード切替ボタン37の操作をメインCPU71が検出したり、ゲーミングマシン1における単位ゲームの一定時間連続不実行をメインCPU71が検出して、条件が成立すると、第2消化時間から第1消化時間にベーシックゲームのモードを切り替えて、ゲーミングマシン1のペイアウト率も第2ペイアウト率から第1ペイアウト率に切り替える構成とした。この構成は省略することができる。しかし、省略せずにこの構成を設けることで、遊技者の自らの意志で、ベーシックゲームの消化時間を第2消化時間から元の第1消化時間に戻し、かつ、ゲーミングマシン1のペイアウト率を第2ペイアウト率から元の第1ペイアウト率に戻すことができる。
【0260】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0261】
例えば、上述した実施形態では、単位ゲームとしてスロットゲームを例にとって説明した。しかし、本発明は、カードゲームを始めとするその他多種のゲームを単位ゲームとして実行する種々のゲーミングマシンにも適用することができる。
【0262】
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、特許請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判断し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を充分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
【0263】
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップでは、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各ステップにおける処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各ステップにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップを行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
【産業上の利用可能性】
【0264】
遊技者にとって魅力的なペイアウト率の実現とマシン提供者(例えばカジノ)側の売り上げ確保との両立を図る上で極めて有用である。
【符号の説明】
【0265】
1 ゲーミングマシン
3 ビデオリール
3a 第1ビデオリール
3b 第2ビデオリール
3c 第3ビデオリール
3d 第4ビデオリール
3e 第5ビデオリール
4 シンボル表示領域
11 キャビネット
12 トップボックス
13 メインドア
15 コイントレイ
15A コイン払出口
30 コントロールパネル
31 スタートボタン
31S スタートスイッチ
32 チェンジボタン
32S チェンジスイッチ
33 CASHOUTボタン
33S CASHOUTスイッチ
34 BETボタン
34S BETスイッチ
35 最大BETボタン
35S 最大BETスイッチ
36 コイン受入口
37 モード切替ボタン
37S モード切替スイッチ
38 追加BETボタン
38S 追加BETスイッチ
50 ゲーミングボード
51 CPU
52 ROM
53 ROM
54 メモリカード
55 カードスロット
56 GAL
57 ICソケット
70 マザーボード
71 CPU
72 ROM
73 RAM
81 電源ユニット
82 通信インターフェイス
90 ドアPCB
91 リバータ
92C コインカウンタ
93 冷陰極管
110 PCB
111 ランプ
112 スピーカ
113 ホッパー
113S コイン検出部
114 タッチパネル
115 紙幣識別器
130 グラフィックボード
131 上側画像表示パネル
141 下側画像表示パネル
142 クレジット数表示領域
143 ペイアウト数表示領域
171 チケットプリンタ
172 カードリーダ
173 キーパッド
173S キースイッチ
174 データ表示器
175 バーコード付チケット
176 カードスロット
200 外部制御装置
300 ゲームシステム
301 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位ゲームを繰り返し実行するゲーミングマシンのペイアウト率を切り替える際に操作されるスイッチと、
前記スイッチの操作により前記ペイアウト率が第1ペイアウト率から該第1ペイアウト率よりも高い第2ペイアウト率に切り替えられているときに開始される前記単位ゲームの、開始から終了までに要する消化時間を、前記ペイアウト率が前記第1のペイアウト率に切り替えられているときよりも短くする処理を実行するコントローラと、
を備えることを特徴とするゲーミングマシン。
【請求項2】
遊技価値のベットを受け付ける受付デバイスと、前記単位ゲームに対する遊技価値のベットを前記受付デバイスが受け付けた際に前記単位ゲームの開始操作の検出を行う検出デバイスとをさらに備えており、前記コントローラは、前記検出デバイスが前記開始操作を検出したときに、前記単位ゲームを開始させる処理を実行すると共に、前記コントローラは、前記検出デバイスが前記開始操作を検出する前に、前記受付デバイスが前記単位ゲームに対する遊技価値のベットに加えて遊技価値の追加ベットを受け付けた際に、前記スイッチの操作による前記ペイアウト率の前記第1ペイアウト率から前記第2ペイアウト率への切り替えを受け付ける処理を実行することを特徴とする請求項1記載のゲーミングマシン。
【請求項3】
前記コントローラは、前記ペイアウト率が前記第2ペイアウト率に切り替えられているときに、前記単位ゲームにおけるベーシックゲームから該ベーシックゲームよりも遊技者に有利なボーナスゲームに移行する抽籤の当籤確率を、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときよりも高くする処理を実行することを特徴とする請求項1又は2記載のゲーミングマシン。
【請求項4】
前記コントローラは、前記ペイアウト率が前記第2ペイアウト率に切り替えられているときに前記抽籤に当籤した場合、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときとペイアウト量が同じ第1ボーナスゲームと、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときよりもペイアウト量が少ない第2ボーナスゲームとのいずれかに当籤させる処理を実行することを特徴とする請求項3記載のゲーミングマシン。
【請求項5】
前記コントローラは、前記ペイアウト率が前記第2ペイアウト率に切り替えられているときに、前記ゲーミングマシンにおけるペイアウト量の全体に対する前記ボーナスゲームによるペイアウト量の割合を、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときよりも高くする処理を実行することを特徴とする請求項3又は4記載のゲーミングマシン。
【請求項6】
前記コントローラは、前記ペイアウト率が前記第2ペイアウト率に切り替えられているときに、前記単位ゲームにおける演出の実行時間を、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときよりも短縮する処理を実行することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のゲーミングマシン。
【請求項7】
前記コントローラは、前記ペイアウト率が前記第2ペイアウト率に切り替えられているときに、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときの前記単位ゲームにおいて提示する第1演出よりも実行時間が短い第2演出を、前記単位ゲームにおいて提示する処理を実行することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のゲーミングマシン。
【請求項8】
前記コントローラは、前記スイッチによる前記第2ペイアウト率から前記第1ペイアウト率への切り替え操作が行われたときと、前回の前記単位ゲームの終了から所定時間以上経過しても次の前記単位ゲームが開始されないときと、の少なくとも一方において、前記ペイアウト率を前記第2ペイアウト率から前記第1ペイアウト率に切り替える処理を実行することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のゲーミングマシン。
【請求項9】
単位ゲームを繰り返し実行するゲーミングマシンのペイアウト率を切り替える際に操作されるスイッチと、
前記スイッチの操作により前記ペイアウト率が第1ペイアウト率よりも高い第2ペイアウト率に切り替えられているときに、前記ゲーミングマシンにおいて前記単位ゲームが実行されている稼働時間における、単位稼働時間当たりの前記単位ゲームに対する遊技価値の総ベット量からペイアウト量を差し引いた残量を、前記ペイアウト率が前記第1ペイアウト率に切り替えられているときと実質的に同じにする処理を実行するコントローラと、
を備えることを特徴とするゲーミングマシン。
【請求項10】
単位ゲームを繰り返し実行するゲーミングマシンの制御方法であって、
スイッチの操作に基づいて、ゲーミングマシンのペイアウト率を第1ペイアウト率から該第1ペイアウト率よりも高い第2ペイアウト率に切り替える段階と、
前記ペイアウト率が前記第2ペイアウト率に切り替えられているときに開始される前記単位ゲームの、開始から終了までに要する消化時間を、前記ペイアウト率が前記第1のペイアウト率に切り替えられているときよりも短くする段階と、
を含むことを特徴とするゲーミングマシンの制御方法。
【請求項11】
単位ゲームを繰り返し実行するゲーミングマシンにおける前記単位ゲームの開始から終了までに要する消化時間を切り替える際に操作されるスイッチと、
前記スイッチの操作により前記消化時間が第1消化時間から該第1消化時間よりも短い第2消化時間に切り替えられているときに、前記単位ゲームにおける演出の開始から終了までの実行時間を前記消化時間に同期して短縮する処理を実行するコントローラと、
を備えることを特徴とするゲーミングマシン。
【請求項12】
前記演出はストーリー性を有する動画画像であり、前記コントローラは、前記消化時間が前記第2消化時間に切り替えられているときに、前記第1消化時間を所要時間とする前記動画画像の再生速度を高くし、前記第2消化時間を所要時間として前記動画画像を再生する処理を実行することを特徴とする請求項11記載のゲーミングマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−135922(P2011−135922A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296013(P2009−296013)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【Fターム(参考)】