説明

ペプチダーゼ結合部分と結合しペプチダーゼ発現組織及び器官をイメージングする放射性イメージング部分

1又は複数のペプチダーゼを発現する組織及び器官をイメージングする複合体、方法及びキットを記載する。本発明の好ましい実施形態では、M(CO)[M=Tc又はRe]を結合可能な一連のジ−(2−ピリジルメチル)アミン(D)配位子をリシノプリル(L)に結合させた。様々な数のメチレン基(3、4、5及び7、それぞれD(C)L、D(C)L、D(C)L及びD(C)L)の脂肪族テザーを用いた。インビトロ阻害活性は、メチレン基の数が増加するほど増大した。D(C)L複合体は、D(C)Lよりも有意に強力であることが観察された。ACEに対するインビボ特異性は、組織分布研究及びガンマイメージング研究の両研究で分析し、高ACE含有組織内における局在性が示された。局在性は、リシノプリルによる前処理でブロックされた。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連発明の相互参照)
本出願は、2006年8月29日に出願された米国仮出願第60/823,884号の便益を主張し、そのすべての内容は、参照により本開示に含まれるものである。
【0002】
(謝辞)
本研究は、米国国立保健研究所(NIH)、米国保健社会福祉省からの助成金によるものである(1−R43−HL075918−01)。したがって、連邦政府は、本発明に関する一定の権利を有する。
【0003】
(序文)
様々な組織(血液を含む。)及び器官が、ペプチダーゼ(プロテアーゼ、プロテイナーゼ及びタンパク質分解酵素とも称される。)を様々なレベルで発現する。発現レベルは、その組織又は器官に関連する病態(又はその欠如)によって変化し得る。例えば、高レベルのアンジオテンシン変換酵素(angiotensin-converting enzyme、ACE)が、心不全患者の心筋で観察されている。
【0004】
MEROPSデータベース(http://merops.sanger.ac.uk/)は、ペプチダーゼ及びこれを阻害するタンパク質の情報源である。またMEROPSデータベースは、特定のペプチダーゼの小分子阻害物質の長大なリストも含んでいる。Rawlings, N.D., Morton, F.R. & Barrett, A.J. (2006) MEROPS: the peptidase database. Nucleic Acids Res 34, D270-D272を参照のこと。このデータベース(特に7.50版)の内容は、参照により本明細書に含まれるものとする。
【0005】
ペプチダーゼの阻害薬として、これらの分子(タンパク質のような高分子、又はペプチド及び既存の薬物若しくは薬物候補を含む小分子)もまたペプチダーゼと結合し特定の親和性を阻害する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ACE(代表的なペプチダーゼ)
虚血性心疾患及び発作に起因しうる死亡率が減少傾向にあるにもかかわらず、米国におけるうっ血性心不全の有病率とその死亡率は、この30年で略3倍となっている。(S.Y. Chai, F.A.O. Mendelsohn, G. Paxinos, Neuroscience, 20: 615-627 (1987)を参照のこと。)次の20年では、冠動脈心疾患による心不全が、全感染症を凌いで世界の主な死亡原因になるであろうと推定されている。(M.R. Cowie, D.A. Wood, A.J.S Coats, S.G. Thompson, P.A. Poole-Wilson, V. Suresh, G.C. Sutton, Eur. Heart J., 20: 421-428 (1999)を参照のこと。)
【0007】
したがって、心不全等の特定の病気の進行を診断、治療及びモニタするための新規のそしてより良い方法に対するニーズが存在する。
【0008】
リシノプリル(代表的なペプチダーゼ結合部分)
高血圧及びうっ血性心不全の治療に臨床的に用いられるACE阻害薬であるリシノプリル(Lisinopril)は、ACEを直接的に阻害することが示されてきた。うっ血性心不全患者の心臓切片におけるオートラジオグラフィーの予備結果に基づいて(V. Dilsizian, J. Shirani, Y.H-C. Lee, D. Kiesewetter, E.M. Jagoda, M.L. Loredo, W.C. Eckelman, Circulation, 104:17, 3276 (2001)を参照のこと。)、本発明の発明者は、ACEは、診断及び心不全の病期分類、更には治療に対する反応の確認、において魅力的な分子標的となりうると考えている。同様に、発明者は、特定の組織及び器官における他のペプチダーゼの過剰発現は、幅広い様々な病態の進行の診断、治療及びモニタに利用可能であると考えている。このような様々な病態には、限定を意図するものではないが、心不全、心筋症、肺疾患、腎臓機能障害、腎不全、炎症、アテローム性硬化、不安定性動脈プラーク又は新生物(例えば、乳癌、前立腺癌、胃癌、肝細胞癌、肺癌等)が含まれる。更に他の病態には、種々の循環器疾患が含まれ、これには一般的に、糖尿病性腎症、過剰組織ACE活性、インスリン非依存性糖尿病又は高血圧による慢性腎不全、高血圧性末梢血管疾患、気腫、(又は慢性閉塞性肺疾患、COPD)、等が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ペプチダーゼ結合部分(例えば、ペプチダーゼを阻害する物質)を、放射性医薬品部分(放射線療法及び放射性イメージング部分を含む。)又は光学イメージング部分と結合する一連の複合体に関する。ペプチダーゼには、限定を意図するものではないが、エキソペプチダーゼ、例えば、カルボキシペプチダーゼ及びアミノペプチダーゼ、並びにエンドペプチダーゼ、例えば、セリン−、システイン−、アスパラギン酸−及びメタロエンドペプチダーゼ、が含まれる。「部分(moiety)」は、他の部分とは独立して存在しうる分子である。したがって、ヒドロキシルやハロゲン化物等のようなだたの置換基(即ち、官能基)は、本発明で用いられる意味における「部分」にはあたらない。
【0010】
本発明の特定の態様では、金属キレート錯体と、ジペプチジルカルボキシペプチダーゼ(アンギオテンシン変換酵としても知られる。)の阻害薬であるリシノプリルと、の結合に基づく一連の複合体が記載されている。したがって、金属種(例えば、M(CO)[M=Tc又はRe、特にその非放射性及びラジオアイソトープ]コア)を結合可能な一連のリシノプリルベース配位子(詳細は後述)を合成し評価する。適切な配位子の例には、限定を意図するものではないが、ジ−(2−ピリジルメチレン)アミン、ジ−(2−キノリンメチレン)アミン、ジ−(2−イソキノリン)アミン、等が含まれ、これらは、リシノプリル又は他のペプチダーゼ結合部分に、例えば脂肪族テザー(aliphatic tether)を介して結合する。インビトロ分析により、脂肪族テザーに含まれるメチレン基の数が増加すると、阻害能が増大することが示されている。ACEのインビボ特異性についても、正常ラットを使用して遊離リシノプリル存在下又は非存在下で研究した。これらのインビボ研究は、高ACE含有組織中での放射性トレーサの局在性を示しており、この局在性は、遊離リシノプリルでの前処理によりブロックされることを示している。
【0011】
本発明の他の態様では、新規の一連の99mTc標識ACE阻害薬の調製が記載されている。これらの複合体は、インビボでのACE発現をモニタ可能であり、例えば循環器疾患、特にうっ血性心不全、の病期分類に有用となりえる。驚いたことに、一連の化合物の中で最も強力な化合物である99mTc−D(C)Lは、最も長いテザーを有している。この複合体は、例えば心不全に対するその診断能力及び病態分類能力を評価することを目的に、(例えば、心筋中でのACE発現を定量することにより)ACE過剰発現の動物モデルにおいて評価される。したがって、ACEを発現する組織又は器官のイメージング方法は、本発明の態様のひとつである。ACE発現の特定の場合では、肺組織、腎臓組織、心臓組織若しくは腫瘍組織又はこれらの組み合わせが開示されている。
【0012】
本発明はまた、ペプチダーゼ結合部分に結合した光学(例えば、蛍光、化学発光又はリン光)イメージング部分に関し、これは例えば、ジ−(2−キノリンメチレン)アミン又はジ−(2−イソキノリン)アミンを、ペプチダーゼ結合部分に繋留(tethered)されたキレート配位子として用いる非放射性(即ち、「cold」)のレニウムキレート錯体である。光学イメージングの適用例は、Wei L, Babich JW, Ouellette W, Zubieta J.のDeveloping the {M(CO)3}+ core for fluorescence applications: Rhenium tricarbonyl core complexes with benzimidazole, quinoline, and tryptophan derivatives. Inorg Chem. 2006 Apr 3;45(7): 3057-66 及びJames S, Maresca KP, Babich JW, Valliant JF, Doering L, Zubieta J.のIsostructural Re and 99mTc complexes of biotin derivatives for fluorescence and radioimaging studies. Bioconjug Chem. 2006 May-Jun; 17(3): 590-6に開示されている。本発明はまた、ペプチダーゼ結合部分との結合パートナーとして放射線治療部分を含む。ここで、用語「放射線治療部分(radiotherapeutic moiety)」は、放射線イメージング部分若しくは放射線治療部分又はその両方を含むものである。放射線治療部分の例としては、レニウム-186又はレニウム-188トリ(カルボニル)ジ-(2-ピリジルメチレン)アミンキレート錯体としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】リシノプリル(L)に結合したジ−(2−ピリジルメチル)アミン(D)キレートを調製するための合成スキームを示す。
【図2】インビトロ生化学分析におけるリシノプリル及びD(Cx)L化合物の用量曲線を示す。
【図3】正常及びリシノプリル前処理(1mg/kg,i.v.)スプラーグドーリーラットの15分後における99mTc−D(C)Lの組織分布を示す。
【図4】スプラーグドーリーラット中の99mTc−D(C)LのX線画像(左図:リシノプリル前処理なし、右図:リシノプリル前処理あり)を示す。
【図5】配位子及びこれに対応する配位子−金属錯体を示す。配位子及び配位子−金属錯体は、ペプチド配列のC末端又はN末端のいずれかに結合可能である。
【図6】アミノ官能基に付着する配位子及びこれに対応する配位子−金属錯体を示す。
【図7】カルボキシ官能基に付着する配位子及びこれに対応する配位子−金属錯体を示す。
【図8】キレート化ステップを含む、本発明の化合物の合成スキームを示す。
【図9】99mTc(CO)D(C)L(MIP−1037)の投与後10分における対照ラット(A)及びリシノプリル前処理ラット(B)におけるインビボ分布を示す全身平面画像の腹側像を示す。
【図10】リシノプリルで前処理したラット(B)では存在しない99mTc(CO)D(C)L(MIP−1037)投与後の対照ラット(A)における肺での活性を示す小動物用SPECT/CT画像を示す。
【図11】表IIの結果を示す棒グラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態では、ACE発現をイメージングするプローブを調製する。ACE阻害薬であるリシノプリル(「L」)を、開始薬理学的モチーフ(starting pharmacological motif)として用いた。M(CO)[M=Tc又はRe]に結合可能な配位子であるジ−(2−ピリジルメチル)アミン(「D」)は、リシノプリルのリシン残基のε−アミンにおけるアミド結合形成によりシリノプリル内に組み込まれる。配位子は、種々の数のメチレンスペーサー基(3、4、5及び7であり、それぞれD(C)L、D(C)L、D(C)L及びD(C)Lとする。)を含む脂肪族テザーを備えた。図1を参照されたい。
【0015】
ACE阻害は、比色分析を用いウサギ肺ACEについてインビトロで評価した。正常オススプラーグドーリーラットを用い、投与後15、60及び120分において、リシノプリル(1mg/kg,i.v.)の存在下(n=6/時点)又は非存在下(n=4/時点)における組織分布及びクリアランスを研究することにより、99mTc−D(C)LについてACEのインビボ特異性を測定した。
【実施例】
【0016】
尚、本明細書において引用される文献の内容は、本開示に含まれることとする。
【0017】
[複合体の調製]
リシノプリルは、LKT Laboratories(セントポール、ミネソタ)から入手した。すべての配位子は、既刊文献による方法に若干の変更を加えた方法に従って合成した。M.K. Levadala, S.R. Banerjee, K.P. Maresca, J.W. Babich, J. Zubieta, Synthesis, 11: 1759-1766 (2004); L. Wei, J. Babich, W.C. Eckelman, J. Zubieta, Inorg. Chem., 44: 2198-2209 (2005)を参照のこと。元素分析は、Desert Analytics(ツーソン、アリゾナ)により、エレクトロスプレー質量分析は、HT Laboratories(サンディエゴ、カリフォルニア)により、行った。

D(C4)L (1): 収率 = 40% (0.68 g). 1H NMR (CDCl3, ppm): 8.50 (m, 2H), 7.62 (m 2H), 7.43 (m, 2H), 7.13 (m, 8H), 3.85 (m, 4H), 3.69-2.60 (mm, 11H), 2.26-1.41 (mm, 16H). MS(ESI): m/z 674 (M+ +1), m/z 672 (M- -1). C37H48N6O6・1.5H2Oの分析計算値: C, 63.50; H, 7.35; N, 12.01; O, 17.15. 実測値: C, 63.44; H, 7.11; N, 12.24, O, 17.17. (MIP-1039)

D(C5)L (2): 収率 = 34% (0.61 g). 1H NMR (CDCl3, ppm): 8.51 (m, 2H), 7.65 (m 2H), 7.51 (m, 2H), 7.13 (m, 8H), 3.92 (d, 4H), 3.69-2.65 (mm, 11H), 2.27-1.46 (mm, 18H). MS(ESI): m/z 688 (M+ +1), m/z 686 (M- -1). C38H50N6O6・H2Oの分析計算値: C, 64.75; H, 7.44; N, 11.92; O, 15.89. 実測値: C, 64.77; H, 7.35; N, 11.92; O, 16.07. (MIP-1003)

D(C6)L (3): 収率 = 13% (0.23 g). 1H NMR (CDCl3, ppm): 8.50 (m, 2H), 7.64 (m 2H), 7.49 (m, 2H), 7.15 (m, 8H), 3.86 (d, 4H), 3.68-2.60 (mm, 11H), 2.26-1.41 (mm, 20H). MS(ESI): m/z 702 (M++1), m/z 700 (M- -1). C39H52N6O6・2.5H2Oの分析計算値: C, 62.80; H, 7.70; N, 11.27; O, 18.23. 実測値: C, 62.82; H, 7.47; N, 11.40; O, 17.91.

D(C8)L (4): 収率 = 35% (0.57 g). 1H NMR (CDCl3, ppm): 8.50 (d, 2H), 7.63 (m 2H), 7.50 (m, 2H), 7.13 (m, 8H), 3.85 (d, 4H), 3.69-2.53 (mm, 11H), 2.23-1.22 (mm, 24H). MS(ESI): m/z 730 (M++1), m/z 728 (M- -1). C41H56N6O6・H2Oの分析計算値: C, 65.93; H, 7.83; N, 11.25; O, 14.99. 実測値: C, 65.64; H, 8.21; N, 11.20; O, 14.48. (MIP-1037)

【0018】
[インビトロ分析]
各化合物の濃度範囲について、p−ヒドロキシベンゾイル-グリシンL−ヒスチジル−L−ロイシンのACE切断を阻害する能力を、市販されているインビトロ生化学分析を製造元(富士レビオ)の説明書通りに行って試験した。本分析用に選択したACE酵素源として、精製ウサギ肺ACE(Sigma)を1試料あたり3.3mU用いた。各実験では、リシノプリルをポジティブコントロールとして使用した。この分析により得られたデータの例を図2に示す。ウサギ肺ACEを用いたところ、リシノプリル、D(C)L、D(C)L、D(C)L及びD(C)LのIC50値は、それぞれ2.5nM、83.3nM、42.8nM、42.5nM及び19.5nMとなった。IC50値は、D(C)L(組織:19.5nM)はリシノプリル(組織:2.5nM)程能力がないが、D(C)L(組織:83.3nM)と比較すればより能力があることを示した。要約すれば、インビトロ分析により、ジピリジルとコアリシノプリル部分との間のメチレン基の数の増加に伴って活性が増大することが示された。
【0019】
同様に、任意のペプチダーゼの小分子阻害薬に結合したキレート部分に基づく複合体の能力を評価することができる。表1は、代表的なペプチダーゼをその基質と共に示している。表2は、選択されたペプチダーゼに対する代表的な小分子阻害薬を示している。特にACEに関連する病状及び小分子阻害薬についての更なる議論として、Moskowitz, D. W. Diabetes Technology & Therapeutics (2002) 4(4): 519-532を参照のこと。
【0020】
[インビボ分析]
99mTc−D(C)Lの組織分布及びクリアランスの定量分析を正常オススプラーグドーリーラットの複数のグループで行った。動物に、試験化合物の投与5分前にリシノプリル1mg/kgを与えて、標的器官の特異的な取り込みをブロックし、これにより推定される作用機構をインビボで示した。99mTc-D(C)Lは、試験したすべての組織において検出され、試験時間の経過に伴って着実に減少した。取り込みは肺において観察され、投与後15分で0.75±0.14%ID/gに近づいた(図3)。99mTc−D(C)Lは、腎臓、肝臓及び腸内の化合物レベルからも明らかなように、腎臓及び肝胆道の両方においてクリアランスを示した。放射性標識化合物の投与5分前のリシノプリル1mg/kgによる前処理により、肺における化合物の取り込み及び保持が減少した(0.11±0.02%ID/g)。これは、99mTc−D(C)LがインビボでACEと特異的に結合することを示唆している。
【0021】
画像研究として、動物をガンマカメラに配置し、ベースライン平面腹側画像(baseline planar anterior image)を1分間の5連続画像で得た。この化合物について肝臓及び胃腸管において強い信号が検出されたが、99mTc−D(C)Lは、リシノプリルでの前処理によりブロックされた肺取り込みを示し(図4)、組織分布研究における結果を支持した。
【0022】
[ACE比色分析プロトコル]
アンギオテンシン変換酵素(ACE)活性を、ACEカラーキット(富士レビオ)を製造元の説明書通りに用いて測定した。ACEは、p−ヒドロキシベンゾイル−グリシル−L−ヒスチジル−L−ロイシンに作用し、p−ヒドロキシベンゾイル−グリシンを生成する。このp−ヒドロキシベンゾイル−グリシンは、ヒプリカーゼによりp−ヒドロキシ安息香酸に変換される。p−ヒドロキシ安息香酸及び4−アミノアンチピリンを過ヨウ素酸ナトリウムを用いて酸化及び縮合により、キノンイミン染料(quinoneimine dye)を生成した。キノンイミン染料の濃度は、505nmの最大吸光度において定量的に測定される。このアッセイは、ACE比色分析においてレニウム標識ACE阻害薬に特異的な組織及び血漿を比較するように設計されている。
【0023】
ラット血清の調製:
正常ラットの血液を、心臓穿刺により注射器及び16ゲージ針を用いて抗凝固剤を用いずに採取し、15mL円錐管に移した。この管は、氷上で30分間冷却し、血液を凝固させた。凝固した血液を取り除き、残った血清を5000×gで10分間室温で遠心分離した。上澄みを回収し、0.22μmフィルターで濾過した。
【0024】
試薬の調製:
ACEカラーキットは、富士レビオから購入し、本アッセイは、製造元の説明書通りに行った。即ち、基質を緩衝液5.6mLで再構成し、ブランクとしてブランクをバッファ5.6mLで再構成し、停止溶液(stopper solution)15.5mLで展開液を再構成した。ウサギ肺ACE(Sigma A6778)を1unit/mL水の濃度に再構成した。
【0025】
試験法:
血清及び組織ACEの最適濃度を、試料チューブ又はブランクチューブに添加する濃度をそれぞれ次表のように変化させて測定した。
【0026】
0 2.5 5 10 15 20 μL血清
5 10 25 50 μL組織ACE
【0027】
その後、基質又はブランク溶液(125μL)を添加して、37℃で20分間インキュベートした。展開液を添加して、37℃で3分間インキュベートした。試験化合物の活性は、505nMにおける吸光度を分光光度計で測定することで測定した。血清ACE(25μL)及び組織ACE(3.3mUnit)の最適量を用いて、レニウム標識ACE阻害薬の特異性を測定した。リシノプリル及びカプトプリルを含有する試験化合物を調製し(50μMstock)、最終的な濃度が1μM〜0.1nM(10μL/アッセイチューブ)の範囲となるように連続的に10倍希釈を行った。本アッセイは、上述のように行った。
【0028】
表1.選択されたペプチダーゼ及びその基質

カルボキシペプチダーゼA1
基質:
Bz−Gly−Phe
Dns−Gly−Gly−Phe
Dns−Gly−Gly−Trp
Dns−Gly−Phe
Dns−Gly−Trp
Z−Gly−Gly−Leu
Z−Gly−Gly−Phe
Z−Gly−Gly−Val

カルボキシペプチダーゼA2
基質:
Z−Gly−Gly−Leu
Z−Gly−Gly−Phe
Z−Gly−Gly−Trp
Z−Gly−Trp

カルボキシペプチダーゼB
基質:
Bz−Gly−Arg Bz−Gly−Lys
フリルアクリロイル−Ala−Arg

肥満細胞カルボキシペプチダーゼA

カルボキシペプチダーゼD
基質:
ダンシル−Phe−Ala−Arg

カルボキシペプチダーゼE

カルボキシペプチダーゼG、カルボキシペプチダーゼG1、カルボキシペプチダーゼG2
基質:
葉酸

カルボキシペプチダーゼM

カルボキシペプチダーゼN

カルボキシペプチダーゼY

基質:
Z−Gly−Leu

カルボキシペプチダーゼZ

カルボキシペプチダーゼT

セリンカルボキシペプチダーゼA
基質:
Bz−Tyr−OEt
ダンシル−D−Tyr−Val−NH2
フリルアクリロイル−Phe−Phe
Z−Glu−Tyr
Z−Phe−Ala
Z−Phe−Leu
Z−Phe−Phe
【0029】
表2.選択されたペプチダーゼの小分子阻害薬

141W94
4-ヒドロキシ-5,6-ジヒドロ-2-ピロン誘導体(4-hydroxy-5,6-dihydro-2-pyrone derivative)

ABT−378
ABT−538
Ac−Asp−Glu−Val−Asp−H
Ac−DEVD−CHO
Ac−Ile−Glu−Thr−Asp−H
Ac−Leu−Leu−Arg−H
Ac−Leu−Leu−Met−H
Ac−Leu−Leu−Nle−H
Ac−PRLNvs
Ac−Pro−Arg−Leu−AsnVS
Ac−Trp−Glu−His−Asp−H
Ac−Tyr−Val−Ala−Asp−H
Ac−WEHD−CHO
Ac−YVAD−CHO
アセトルファン(acetorphan)(プロドラッグ)
N−アセチル−アスパルチル−グルタミル−バリル−アスパルトアルデヒド(N-acetyl-aspartyl-glutamyl-valyl-aspartaldehyde)
N−アセチル−L−ロイシル−L−ロイシル−D,L−アルギニンアルデヒド(N-acetyl-L-leucyl-L-leucyl-D,L-argininaldehyde)
N−アセチル−トリプトファニル−グルタミル−ヒスチジニル−アスパルトアルデヒド(N-acetyl-tryptophanyl-glutamyl-histidinyl-aspartaldehyde)
アクチノニン(actinonin)
活性代謝物M8
Ada−Ahx3−L3VS
AdaAhx(3)L(3)VS
AEBSF
AG−1343
AG7088
アジェネラーゼ(Agenerase)
AGM−1470
アリスキレン(aliskiren)
ALLM
ALLN
アロフェニルノルスタチン(allophenylnorstatine)含有阻害薬
アマスタチン(amastatin)
[(2S, 3R)]−3−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチルヘキサノイル]−Val−Val−Asp([(2S, 3R)]-3-amino-2-hydroxy-5-methylhexanoyl]-Val-Val-Asp)
2−(5−アミノ−6−オキソ−2−フェニル−ピリミジン−1−イル)−N−[1−ヒドロキシ−3−メチル−1−(5−tert−ブチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)ブタン−2−イル]アセトアミド(2-(5-amino-6-oxo-2-phenyl-pyrimidin-1-yl)-N-[1-hydroxy-3-methyl-1-(5-tert-butyl-1,3,4-oxadiazol-2-yl)butan-2-yl]acetamide)
2−アミノ−N−[5−(6−ジメチルアミノプリン−9−イル)−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)オキソラン−3−イル]−3−(4−メトキシフェニル)プロパンアミド(2-amino-N-[5-(6-dimethylaminopurin-9-yl)-4-hydroxy-2-(hydroxymethyl)oxolan-3-yl]-3-(4-methoxyphenyl)propanamide)
アンプレナビル(amprenavir)
アンチパイン(antipain)
アプスタチン(apstatin)
アプティバス(Aptivus)
アルガトロバン(argatroban)
アルファメニンA(arphamenine A)
アルファメニンB(arphamenine B)
アタザナビル(atazanavir)
アジドベスタチン(azidobestatin)

バシトラシンA(bacitracin A)
バチマスタット(batimastat)
BB−2516
BB−94
ベンズアミジン(benzamidine)
{1S−ベンジル−4R−[1−(1S−カルバモイル−2−フェニルエチルカルバモイル)−1S−3− メチルブチルカルバモイル]−2R−ヒドロキシ− 5−フェニルペンチル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル({1S-benzyl-4R-[1-(1S-carbamoyl-2-phenylethylcarbamoyl)-1S-3-methylbutylcarbamoyl]-2R-hydroxy- 5-phenylpentyl}carbamic acid tert-butyl ester)
ベンジルオキシカルボニルフェニルアラニルアルギニルジアゾメタン(benzyloxycarbonylphenylalanylarginyldiazomethane)
ベンジルスルホニルフルオリド(benzylsulfonyl fluoride)
ベスタチン(bestatin)
ベスタチン類似体SL-387
ベスタチン、硫黄含有類似体
BILN2061
BMS−232632
BMS186716
Boc−Ile−Glu−Thr−Asp−H
ボルテゾミブ(bortezomib)
ブレカナビル(Brecanavir)
ブタビンダイド(butabindide)
N−[2−[5−(tert−ブチル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−(IRS)−1−(メチルエチル)−2−オキソエチル]−2−(5−アミノ−6−オキソ−2−フェニル−6H−ピリミジン−1−イル)アセトアミド(N-[2-[5-(tert-butyl)-1,3,4-oxadiazol-2-yl]-(IRS)-1-(methylethyl)-2-oxoethyl]-2-(5-amino-6-oxo-2-phenyl-6H-pyrimidin-1-ly)acetamide)
(2S)−N−[(2S,3R)−4−[(3S,4aS,8aS)−3−(tert−ブチルカルバモイル)−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル]−3−ヒドロキシ−1−フェニル−ブタン−2−イル]−2−(キノリン−2−カルボニルアミノ)ブタンジアミド((2S)-N-[(2S,3R)-4-[(3S,4aS,8aS)-3-(tert-butylcarbamoyl)-3,4,4a,5,6,7,8,8a-octahydro-1H-isoquinolin-2-yl]-3-hydroxy-1- phenyl-butan-2-yl]-2-(quinoline-2-carbonylamino)butanediamide)
Bz−Leu−Leu−Leu−COCHO
BzLLLCOCHO

CA074
カルパイン阻害剤I
カルパイン阻害剤II
カルパイン阻害剤III
カンドキサトリル(candoxatril)
カンドキサトリラート(candoxatrilat)
カプトプリル(captopril)
N−[(S)−1−カルボキシ−3−フェニルプロピル]−L−Ala−L−Pro(N-[(S)-1-carboxy-3-phenylpropyl]-L-Ala-L-Pro)
カテプシンL阻害薬カツヌマ(cathepsin L inhibitor Katunuma)
CGP−60536
p‐クロロ第二水銀安息香酸塩(p-chloromercuribenzoate)
キモスタチン(chymostatin)
シラスタチン(cilastatin)
CKD−731
クラストラクタシスチン ベータラクトン
CLIK148
CRA−013783
クリキシバン(Crixivan)
(1S,4R,6S,7Z,14S,18R)−14−シクロペンチオキシカルボニルアミノ−18−[2−(2−イソプロピルアミノ−チアゾール−4−イル)−7−メトキシキノリン−4−イルオキシ]−2,15−ジオキソ−3,16−ジアザトリシクロ[14.3.0.04.6]ノナデク−7−エン−4−カルボン酸((1S, 4R, 6S, 7Z, 14S, 18R)-14-cyclopentyloxycarbonylamino-18-[2-(2-isopropylamino-thiazol-4-yl)-7-methoxyquinolin-4-yloxy]-2,15-dioxo- 3,16-diazatricyclo[14.3.0.04.6 ]nonadec-7-ene-4-carboxylic acid)

D−2−メチル−3−メルカプトプロパノイル−L−Pro(D-2-methyl-3-mercaptopropanoyl-L-Pro)
D−Phe−Pro−Arg−CH(2)Cl
DANLME
DAPT
ダルナビル(darunavir)
DCI
DFP
1,3−ジ−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−ロイシル−L−ロイシル)アミノアセトン(1, 3-di-(N-benzyloxycarbonyl-L-leucyl-L-leucyl)aminoacetone)
ジアゾアセチル-D,L-ノルロイシンメチルエステル(diazoacetyl-D,L-norleucine methyl ester)
3,4−ジクロロイソクマリン(3,4-dichloroisocoumarin、DCI)
N−[N−(3,5−ジフルオロフェナセチル)−l−アラニル]−S−フェニルグリシンt−ブチルエステル(N-[N-(3,5-difluorophenacetyl)-l-alanyl]-S-phenylglycine t-butyl ester)
ジイソプロピルフルオロフォスフェート(diisopropyl fluorophosphate、DFP)
ジイソプロピルホスホノフルオリダート(diisopropyl phosphonofluoridate)
(2S)−N−[(2S,4S,5S)−5−[[2−(2,6−ジメチルフェノキシ)アセチル]アミノ]−4−ヒドロキシ−1,6−ジフェニル−ヘキサン−2−イル]−3−メチル−2−(2−オキソ−1,3−ジアジナン−1−イル)ブタンアミド((2S)-N-[(2S,4S,5S)-5-[[2-(2,6-dimethylphenoxy)acetyl]amino]-4-hydroxy-1,6- diphenyl-hexan-2- yl]-3-methyl-2-(2-oxo-1,3-diazinan-1-yl)butanamide)
N−[2−[4−(2,2−ジメチルプロピオニルオキシ)フェニルスルホニルアミノ]アミノ酢酸(N-[2-[4-(2,2-dimethylpropionyloxy)phenylsulfonylamino] aminoacetic acid)
4,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタ−8−イル[4−[(4−アミノフェニル)スルホニル−(2−メチルプロピル)アミノ]−3−ヒドロキシ−1−フェニル−ブタン−2−イル]アミノホルマート(4,6-dioxabicyclo[3.3.0]oct-8-yl [4-[(4-aminophenyl)sulfonyl-(2-methylpropyl)amino]-3-hydroxy-1-phenyl-butan-2-yl]aminoformate)
DPC423
DX−9065a

E−64
E64
E64c
E64d
EDTA
エラスポール(Elaspol)
エラスタチナル(elastatinal)
エナラプリル(enalapril)
エナラプリラート(enalaprilat)
Ep475
EPNP
1,2−エポキシ−3(p−ニトロフェノキシ)プロパン(1,2-epoxy-3(p-nitrophenoxy)propane)
EST
N−(2−エトキシ−5−オキソ−オキソラン−3−イル)−5−イソキノリン−1−イルカルボニルアミノ−2,6−ジオキソ−1,7−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカン−8−カルボキサミド(N-(2-ethoxy-5-oxo-oxolan-3-yl)-5-isoquinolin-1-ylcarbonylamino-2,6-dioxo-1,7-diazabicyclo[5.4.0]undecane-8-carboxamide)
1−[2−(1−エトキシカルボニル−3−フェニル−プロピル)アミノプロパノイル]ピロリジン−2−カルボン酸(1-[2-(1-ethoxycarbonyl-3-phenyl-propyl)aminopropanoyl]pyrrolidine-2-carboxylic acid)
エチル(+)−(2S,3S)−3−[(S)−3−メチル−1−(3−メチルブチルカルバモイル)ブチルカルバモイル]−2−オキシランカルボキシレート(ethyl(+)-(2S,3S)-3-[(S)-3-methyl-1-(3-methylbutylcarbamoyl)butylcarbomoyl]-2-oxiranecarboxylate)
N‐エチルマレイミド(N-ethylmaleimide)
1−メチルピロール−2,5−ジオン(1-ethylpyrrole-2,5-dione)

3−(5−フルオロ−3−インドリル)−2−メルカプト−(Z)−2−プロペン酸(3-(5-fluoro-3-indolyl)-2-mercapto-(Z)-2-propenoic acid)
4−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−6−メチル−5−(5−メチルオキサゾール−3−イル)カルボニルアミノ−4−オキソ−ヘプタノイル]アミノ−5−(2−オキソピロリジン−3−イル)−ペンタ−2−エノアート(4-[2-[(4-fluorophenyl)methyl]-6-methyl-5-(5-methyloxazol-3-yl)carbonylamino-4-oxo-heptanoyl]amino-5-(2-oxopyrrolidin-3-yl)-pent-2-enoate)
N−formyl−allo−Ile−Thr−Leu−Val−Pip−Leu−Pip
N−formyl−Val−Thr−Leu−Val−Pip−Leu−Pip
2−[2−(ホルミル−{アロ}−イソロイシル−スレオニル−ロイシル−バリル)−(ヘキサヒドロピラダジン−3−カルボニル)−ロイシル]−ヘキサヒドロピリダジン−3−カルボン酸(2-[2-(formyl-{allo}-isoleucyl-threonyl-leucyl-valyl)-(hexahydropyradazine-3-carbonyl)-leucyl]-hexahydropyridazine-3-carboxylic acid)
フォートベイス(Fortovase)
ホスアンプレナビル(Fosamprenavir)(プロドラッグ)
FPRCH2Cl
フマガロン(fumagalone)
フマギリン(fumagillin)

γ-セクレターゼ阻害剤II(gamma-secretase inhibitor II)
グロボマイシン(globomycin)
GW0385
GW433908
GW433908(プロドラッグ)

HMBA
HMBSA
1R−[1S,4R,5S]−1−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−プロピル−6−オキサ−2−アザビシクロ[3.2.1.]ヘプタン−3,7−ジオン(1R-[1S,4R,5S]-1-(1-hydroxy-2-methylpropyl)-4-propyl-6-oxa-2-azabicyclo[3.2.1.]heptane-3,7-dione)
(3S,4aS,8aS)−2−[(2R,3R)−2−ヒドロキシ−3−[(3−ヒドロキシ−2−メチル−ベンゾイル)アミノ]−4−フェニルスルファニル−ブチル]−N−tert−ブチル−3,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−1H−イソキノリン−3−カルボキサミド((3S,4aS,8aS)-2-[(2R,3R)-2-hydroxy-3-[(3-hydroxy-2-methyl-benzoyl)amino]-4-phenylsulfanyl-butyl]-N-tert- butyl-3,4,4a,5,6,7,8,8a-octahydro-1H-isoquinoline-3-carboxamide)
(4R)−3−[(2S,3S)−2−ヒドロキシ−3−[[(2R)−2−[(2−イソキノリン−5−イルオキシアセチル)アミノ]−3−メチルスルファニル−プロパノイル]アミノ]−4−フェニル−ブタノイル]−N−tert−ブチル−チアゾリジン−4−カルボキサミド((4R)-3-[(2S,3S)-2-hydroxy-3-[[(2R)-2-[(2-isoquinolin-5-yloxyacetyl)amino]-3-methylsulfanyl-propanoyl]amino]-4-phenyl-butanoyl]-N-tert-butyl-thiazolidine-4-carboxamide)
[1−[[3−ヒドロキシ−4−[(2−メトキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチル−ブタノイル)アミノ−[(4−ピリジン−2−イルフェニル)メチル]アミノ]−1−フェニル−ブタン−2−イル]カルバモイル]−2,2−ジメチル−プロピル]アミノホルマート([1-[[3-hydroxy-4-[(2-methoxycarbonylamino-3,3-dimethyl-butanoyl)amino-[(4-pyridin-2-ylphenyl)methyl]amino]-1-phenyl-butan-2-yl]carbamoyl]-2,2-dimethyl-propyl]aminoformate)
3−ヒドロキシ−4−[2−[3−ヒドロキシ−6−メチル−4−[3−メチル−2−[3−メチル−2−(3−メチルブタノイルアミノ)ブタノイル]アミノ−ブタノイル]アミノ−ヘプタノイル]アミノプロパノイルアミノ]−6−メチル−ヘプタン酸(3-hydroxy-4-[2-[3-hydroxy-6-methyl-4-[3-methyl-2-[3-methyl-2-(3-methylbutanoylamino)butanoyl]amino-butanoyl]amino- heptanoyl]aminopropanoylamino]-6-methyl-heptanoic acid)
(2S)−1−[(2S,4R)−2−ヒドロキシ−4−[[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]カルバモイル]−5−フェニル−ペンチル]−4−(ピリジン−3−イルメチル)−N−tert−ブチル−ピペラジン−2−カルボキサミド((2S)-1-[(2S,4R)-2-hydroxy-4-[[(1S,2R)-2-hydroxy-2,3-dihydro-1H-inden-1-yl]carbamoyl]-5-phenyl-pentyl]-4-(pyridin-3-ylmethyl)-N-tert-butyl-piperazine-2-carboxamide)
N−[3−[(1R)−1−[(6R)−2−ヒドロキシ−4−オキソ−6−フェネチル−6−プロピル−5H−ピラン−3−イル]プロピル]フェニル]−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−スルホンアミド(N-[3-[(1R)-1-[(6R)-2-hydroxy-4-oxo-6-phenethyl-6-propyl-5H-pyran-3-yl]propyl]phenyl]-5-(trifluoromethyl)pyridine-2-sulfonamide)
p−ヒドロキシメルクリベンゼンスルホナート(p-hydroxymercuribenzenesulfonate)
p−ヒドロキシメルクリベンゾアート(p-hydroxymercuribenzoate)

IDN−6556
インジナビル(indinavir)
インビラーゼ(invirase)
ヨードアセトアミド(iodoacetamide)
ヨードアセタート(iodoacetate)
2−ヨードアセタート(2-iodoacetate)
ヨードチロスタチン(iodotyrostatin)
イソバレリル−L−チロシル−L−バリル−DL−チロシナール(isovaleryl-L-tyrosyl-L-valyl-DL-tyrosinal)
N−イソバレリル−チロシル−ロイシル−チロシナール(N-isovaleryl-tyrosyl-leucyl-tyrosinal)

KNI−272
キノスタチン−272(kynostatin-272)

L−006235
L−709049
L−735,524
L685458
ラクタシスチン(lactacystin)
LAF237
ロイペプチン(leupeptin)
ロピナビル(lopinavir)
ロキスタチン(loxistatin)
LY−570310

マリマスタット(marimastat)
MD805
MDL28170
[3−メチル−1−(3−フェニル−2−ピラジン−2−イルカルボニルアミノ−プロパノイル)アミノ−ブチル]ボロン酸([3-methyl-1-(3-phenyl-2-pyrazin-2-ylcarbonylamino-propanoyl)amino-butyl]boronic acid)
4−メチルウンベリフェリルp−(NNN−トリメチルアンモニウム)シンナマート(4-methylumbelliferyl p-(NNN-trimethylammonium)cinnamate)
4−メチルウンベリフェリルp−グアニジノベンゾアート(4-methylumbelliferyl p-guanidinobenzoate)
MG−101
MG−262
MG132
MK−421
MK−422
MK−639
MK0791
MLN−341
MLN519
MQPA
MUGB
MUTMAC
MW167

N−[(S)−2−ベンジル−3[(S)(2−アミノ−4−メチルチオ)ブチルジチオ]−1−オキソプロピル]−L−フェニルアラニンベンジルエステル(N-[(S)-2-benzyl-3[(S)(2-amino-4- methylthio)butyl dithio]-1-oxopropyl]-L-phenylalanine benzyl ester)
ネルフィナビル(nelfinavir)
NEM
Nip−Leu−Leu−LeuVS−Me
ニトロベスタチン(nitrobestatin)
NLVS
ノービア(Norvir)
NPGB
NPI−0052
NVP−LAF237

オマパトリラト(omapatrilat)
オムラリド(omuralide)
ONO−5046
ONO−6818
OP
オバリシン(ovalicin)
6−オキソ−5−(3−フェニル−2−スルファニル−プロパノイル)アミノ−2−チア−7−アザビシクロ[5.4.0]ウンデカン−8−カルボン酸(6-oxo-5-(3-phenyl-2-sulfanyl-propanoyl)amino-2-thia-7-azabicyclo[5.4.0]undecane-8-carboxylic acid)
6−オキソ−6−デオキシフマギロール(6-oxo-6-deoxyfumagillol)
オキソラン−3−イル[4−[(4−アミノフェニル)スルホニル−(2−メチルプロピル)アミノ]−3−ヒドロキシ−1−フェニル−ブタン−2−イル]アミノホルマート(oxolan-3-yl [4-[(4-aminophenyl)sulfonyl-(2-methylpropyl)amino]-3- hydroxy-1-phenyl-butan-2-yl]aminoformate)

p−ニトロフェニル-p'-グアニジノベンゾアート(p-nitrophenyl-p'-guanidinobenzoate)
PCMB
PD150606
PD151746
ペファブロック(Pefabloc)
ペプスタチン(pepstatin)
ペプスタチンA(pepstatin A)
1,10−フェナントロリン(1,10-phenanthroline)
o−フェナントロリン(o-phenanthroline)
フェニルメタンスルホニルフルオリド(phenylmethane sulfonylfluoride)
2−(ホスホノメチル)ペンタン二酸(2-(phosphonomethyl)pentanedioic acid)
ホスホラミドン(phosphoramidon)
ピペラスタチン(piperastatin)
ピペラスタチンA(piperastatin A)
PMPA
PMSF
PNU−140690
ポストスタチン(poststatin)
PPACK
プラルナカサン(pralnacasan)
N−(L−3−trans−プロピルカルバモイルオキシラン−2−カルボニル)−L−イソロイシル−L−プロリン(N-(L-3-trans-propylcarbamoyloxirane-2-carbonyl)-L-isoleucyl-L-proline)
プロテアソーム阻害剤3(proteasome inhibitor 3)
プロテアソーム阻害剤III(proteasome inhibitor III)
PS−519
PS341
プソイドヨードチロスタチン(pseudo-iodotyrostatin)
プソイドチロスタチン(pseudo-tyrostatin)
PSI−3
PSI−III
プロマイシン(puromycin)

RB101(S)
retro−チオルファン[[[(R)−1−(メルカプトメチル)−2−フェニルエチル]アミノ]−3−オキソプロパン酸][HSCH2CH(CH2C6H5)NHCOCH2COOH](retro-thiorphan [[[(R)-1-(mercaptomethyl)-2-phenylethyl] amino]-3-oxopropanoic acid] [HSCH2CH(CH2C6H5)NHCOCH2COOH])
リトナビル(ritonavir)
RK−805
Ro31−8959
ルピントリビル(rupintrivir)
ルプリントリビル(ruprintrivir)

S−PI
S17092
サリノスポラミドA(salinosporamide A)
サキナビル(saquinavir)
SCH503034
SCH446211
SCH6
シベレスタット(sivelestat)
SPP100
SQ14225
SSR69071
スタチン(statine)

TBL(4)K
1,3−チアゾール−5−イルメチル[[3−ヒドロキシ−5−[[3−メチル−2−[[メチル−[(2−プロパン−2−イル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]カルバモイル]アミノ]−ブタノイル]アミノ]−1,6−ジフェニル−ヘキサン−2−イル]アミノ]ホルマート(1,3-thiazol-5-ylmethyl [[3-hydroxy-5-[[3-methyl-2-[[methyl-[(2-propan-2-yl-1,3-thiazol-4-yl)methyl]carbamoyl]amino]- butanoyl]amino]-1,6-diphenyl-hexan-2-yl]amino]formate)
チオルファン(thiorphan)
チオルファン[N−[(S)−2−(メルカプトメチル)−1−オキソ−3−フェニルプロピル]グリシン][HSCH2CH(CH2C6H5)CONHC−H2COOH](thiorphan [N-[(S)-2-(mercaptomethyl)-1-oxo-3-phenylpropyl]glycine] [HSCH2CH(CH2C6H5)CONHC-H2COOH])
チプラナビル(tipranavir)
TLCK
TMC−95
TMC−95A
TMC−95B
TMC−95C
TMC−95D
TMC114
TNP−470
Tos−LysCH(2)Cl(TLCK)
Tos−PheCH(2)Cl(TPCK)
TPCK
L−trans−エポキシスクシニル−ロイシルアミド(3−メチル)ブタン(L-trans-epoxysuccinyl-leucylamido(3-methyl)butane)
L−trans−エポキシスクシニル−ロイシルアミド(4−グアニジノ)ブタン(L-trans-epoxysuccinyl-leucylamido(4-guanidino)butane)
チロペプチンA(tyropeptin A)
チロペプチンB(tyropeptin B)
チロスタチン(tyrostatin)
チロスタチン(tyrostatin)

ウベニメクス(Ubenimex)
UIC−94017
UK−69,578
UK−73,967
UK−79,300

ベルケイド(Velcade)
ビルダグリプチン(vildagliptin)
ビラセプト(Viracept、メシル酸ネルフィナビル(nelfinavir mesylate))
VX−740
VX478
VX950

Z−Leu−Leu−leucinal
Z−Leu−Leu−LeuVS
(Z−LL)(2)ケトン((Z-LL)(2) ketone)
Z−Phe−Arg−ジアゾメタン(Z-Phe-Arg-diazomethane)
Z−Val−Phe−H
ZD−8321(好中球エラスターゼ阻害薬、neutrophil elastase inhibitor)
ZL(3)VS
ZL3VS
【0030】
尚、興味の対象となる任意のペプチダーゼに対する利用可能な他の阻害薬について、種々の方法を用いて評価してもよい。典型的なプロトコルのいくつかを以下に示す。
【0031】
[カルボキシペプチダーゼA1及びA2]
カルボキシペプチダーゼA(CPA)は、ポリペプチド鎖のC末端に隣接するペプチド結合を加水分解する膵メタロペプチダーゼである。カルボキシペプチダーゼA1(CPA1)及びカルボキシペプチダーゼA2(CPA2)は、ペプチド基質に対する特異性において異なる。前者(従来のA型に割り当て可能)は、脂肪族及び芳香族残基を広く選択するのに対し、後者は、芳香族残基に対してより限定的である。芳香族の又は分岐した側鎖を有するC末端Lアミノ酸は、ペプチド鎖を優先的に切断する。反応速度の測定は、Folk及びSchirmer(1963)の方法に基づいて行う。Folk, J.及びSchirmer, E. J. Biol. Chem. (1963) 238:3884-94を参照のこと。hippuryl−L−フェニルアラニン(Sigma H6875)の加水分解速度は、254nmにおける吸光度の増加を測定することにより測定した。1ユニットは、特定条件下、pH7.5、25℃で1分間あたりhippuryl−L−フェニルアラニン1マイクロモルを加水分解する。
【0032】
基質
1mM hippuryl−L−フェニルアラニン溶解25mM Tris−HCl、pH7.5、0.5M塩化ナトリウム含む。
【0033】
酵素
CPA1は、Sigmaを通じて購入可能である(C5358)。或いは、hCPA1は、Laethem等、Arch Biochem Biophys (1996) 332(1): 8-18に記載の手順で精製可能である。hCPA2は、Reverter等、J. Biol. Chem. (1998) 273(6): 3535-41に記載の手順で精製可能である。
【0034】
手順
CPAストック溶液は、10%塩化リチウムに溶解し、最終濃度を1−3unit/mLとする。CPAの濃度は、278nmにおける吸光度の測定により算出可能である(mg/mL=A278x0.515)。基質は、hippuryl−L−フェニルアラニン(1mM)溶解アッセイバッファ(25mM Tris−HCl、0.5M塩化ナトリウム、pH7.5)である。基質2.0mLを各キュベットにピペットで分取して、分光光度計内25℃3〜4分間インキュベートし、温度平衡とし、あればブランク速度を確立する。希釈した酵素0.1mLを添加し、3〜5分間におけるA254の増加を記録する。ΔA254/分を、得られた曲線の初期直線部分から測定する。試験化合物の阻害活性を、1μM〜0.1nMの範囲の濃度での存在下の反応速度の測定により分析する。
【0035】
計算
【0036】
【数1】

【0037】
アッセイの出典はWorthington Biochemである。詳細については、http://www.worthington-biochem.com/COA/default.htmLを参照のこと。
【0038】
[カルボキシペプチダーゼB]
カルボキシペプチダーゼB(CPB)は、塩基性アミノ酸であるリシン、アルギニン及びオルニチンのポリペプチドのC末端からの加水分解を触媒する。活性は、Folk及びSchirmer(1963)の分光光度法により測定し、即ち、反応速度は、hippuryl−L−アルギニンの加水分解による254nmにおける吸光度の増加により測定される。1ユニットは、特定条件下、pH7.65、25℃で1分間あたりhippuryl−L−フェニルアラニン1マイクロモルの加水分解を引き起こす。
【0039】
基質
1mM hippuryl−L−アルギニン溶解25mM Tris−HCl、pH7.65、0.1M塩化ナトリウムを含む。
【0040】
酵素
CPBは、Sigmaを通じて購入可能である(C9584)。ストック溶液は、試薬用水で希釈して1−5unit/mLの濃度とする。
【0041】
手順
基質2.9mLをキュベットにピペットで分取して、分光光度計内25℃3〜4分間インキュベートし、温度平衡とし、あればブランク速度を確立する。希釈した酵素0.1mLを添加し、3〜4分間におけるA254の増加を記録する。ΔA254/分を、得られた曲線の初期直線部分から測定する。試験化合物の阻害活性を、1μM〜0.1nMの範囲の濃度での存在下の反応速度の測定により分析する。
【0042】
計算
【0043】
【数2】

【0044】
アッセイの出典はWorthington Biochemである。詳細については、http://www.worthington-biochem.com/COB/default.htmLを参照のこと。
【0045】
或いは、Sigma-Aldrichによるプロトコル、http://www.sigmaaldrich.com/img/assets/18160/Carboxypeptidase_B.pdf#search=%22carboxypeptidase%20b%20assay%22を用いる。
【0046】
[カルボキシペプチダーゼD]
カルボキシペプチダーゼD(CPD)は、3つの相同カルボキシペプチダーゼ活性部位ドメイン及びカルボキシル末端の疎水性膜貫通アンカーを有する180−kDaの一本鎖糖タンパク質である。単一アミノ酸をペプチド及びタンパク質のC末端から切断し、C末端アルギニン又はリシンに対して厳密な特異性を示す。CPD活性は、エンドポイント蛍光測定を用いて測定する。
【0047】
基質
CPD基質のダンシル−L−アラニル−L−アルギニンは、塩化ダンシルを、ジペプチド、アラニン−アルギニンと上述のように反応させて合成する。Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1982) 79:3886-3890; Life Sci. (1982) 31:1841-1844; Methods Enzymol. (1995) 248:663-675を参照のこと。
【0048】
酵素
CPD活性は、MCF−7細胞可溶化物中で測定する。MCF−7細胞[(10−20)×10]は、0.1M酢酸ナトリウムバッファ(pH5.6)中で21ゲージ針でホモジナイズする。全細胞可溶化物又は細胞成分画分を得、TritonX−100を各画分に添加して、最終濃度を0.1%(v/v)とする。試料は、その後の分析まで−20℃で保管する。
【0049】
手順
氷冷酵素試料(全量50μL中に1μLあたり60−80ngのタンパク質)を、150μLの0.1M酢酸ナトリウムバッファ(pH5.6)と共に37℃で5分間プレインキュベートする。このアッセイは、予め平衡化(37℃)した(50μLの0.1M酢酸ナトリウムバッファ、pH5.6、中の)ダンシル−L−アラニル−L−アルギニン基質の添加により開始される。37℃でのインキュベート(CPD−Nについては6分間、CPDについては10分間)の後、本反応を150μLの1Mクエン酸の添加により終了させ、試料を氷上に配置する。生成したダンシル−L−アラニンを、クロロホルムで抽出することで、より親水性の基質であるダンシル−L−アラニル−L−アルギニンから分離する。クロロホルム層の蛍光を、クロロホルムブランクと比較して、340nm励起波長及び495nm蛍光を測定する。ダンシル−L−アラニン(Tokyo Chemical Industry America、ポートランド、オレゴン、米国)を様々な濃度で用いて、各アッセイについて検量線を作成し、抽出効率の変動を補正する。阻害薬には、MGTA(DL−2−メルカプトメチル−3−グアニジノエチルチオプロパン酸、Calbiochem、ラ・ホーヤ、カリフォルニア、米国)及びOP(1,10−フェナントロリン、Sigma)を用いる。CP活性は、10μM MGTAの存在下又は非存在下での活性の違いとして測定する。特異的な活性SAは、タンパク質1mgあたりのVmax(μmol/min=unit)として算出する(即ち、SA=unit/mgタンパク質)。Kmは63uMとなり、Vmax=27umol/minである。試験化合物の阻害活性を、1μM〜0.1nMの範囲の濃度で分析する。
出典は、Biochem J. (2005) 390(Pt 3): 665-73 http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pubmed&pubmedid=15918796である。
【0050】
[カルボキシペプチダーゼE]
カルボキシペプチダーゼE(CPE)は、細胞内タンパク質分解により切断されたペプチドホルモンの塩基性残基を、C末端から切断するプロセシング酵素である。この酵素は、神経及び内分泌細胞のゴルジ及び分泌顆粒に専ら存在する。
【0051】
基質
Dns−Phe−Ala−Argは、Fricker Methods Neurosci. (1995) 23:237-250による方法で調製可能である。
【0052】
酵素
カルボキシペプチダーゼEは、これまでに確立された手順で精製及び単離が可能である。J. Biol. Chem. (1996) 271(8): 30619-30624を参照のこと。
【0053】
手順
カルボキシペプチダーゼアッセイとして、25μLの酵素を、50mM NaAc(pH5.5)及び200μMダンシル−Phe−Ala−Arg基質と合わせて最終的な体積を250μLとする。加えて、1mMのCoCl又は1μMのグアニジノエチルメルカプトコハク酸(GEMSA)のいずれかをチューブに含んだ。試料を阻害薬と共に15分間4℃でプレインキュベートし、その後、基質を添加し、チューブを1時間37℃でインキュベートする。60分間のインキュベートに続き、100μLの0.5M HCl及び2mLのクロロホルムを添加し、チューブを混合し、その後、500×gで2分間遠心分離する。クロロホルム層における蛍光(励起350nm、蛍光500nm)の測定から、生成物の量を測定する。メタロカルボキシペプチダーゼ活性を、Co2+(CPEの活性化剤)の存在下及びGEMSA(CPEの阻害薬)の存在下で測定した活性の差として定義する。これらの実験では、カルボキシペプチダーゼ活性は、酵素を含むチューブとバッファ及び基質のみを含むチューブとの蛍光の差として定義し、酵素、バッファ及び基質を含み2価イオン又は阻害薬を含まない対照チューブの%として表す。試験化合物の阻害活性を、1μM〜0.1nMの範囲の濃度で分析する。
出典は、J. Biol. Chem. (1996) 271(8): 30619-24 http://www.jbc.org/cgi/content/full/271/48/30619?ijkey=9114ecbb2b0629a51b4b2c5782deeec9ed63a931である。
【0054】
[カルボキシペプチダーゼG]
カルボキシペプチダーゼGは、リソソームのチオール依存性プロテアーゼであり、これは、g−グルタミルプテロイルポリ−g−グルタミン酸を徐々に切断して、プテロイル−a−グルタミン酸(葉酸)及び遊離グルタミン酸を生成する。g−グルタミル結合に対して特に特異的であるが、C末端アミノ酸に対しては特異的ではないと考えられている。J. Biol. Chem. (1967) 242:2933を参照のこと。
【0055】
基質
(+)アメトプテリンは、Sigma-Aldrichから購入可能である(A7019)。
【0056】
酵素
カルボキシペプチダーゼGは、Sigma-Aldrichから購入可能である(C9658)。1ユニットは、1分間あたり、pH7.3、30℃で1.0uモルのグルタミン酸を(+)アメトプテリンから加水分解する。
【0057】
手順
2.8mLの50mM Tris−HClバッファに、0.1mM塩化亜鉛と共に、pH7.3、30℃で0.1mLの1.8mM(+)アメトプテリンを添加する。反転させて混合し、30℃に平衡化する。適切に温度調節された分光光度計を用いて、A320nmを一定となるまでモニタする。その後、0.3−0.6unit/mL水含有0.1mL酵素を添加する。その直後に、反転させて混合し、試験試料及びブランク両方の最大線形速度を用いてΔ320nm/分における減少を記録する。試験化合物の阻害活性を、1μM〜0.1nMの範囲の濃度で分析する。
【0058】
計算
【0059】
【数3】

【0060】
3=アッセイの体積(ミリリットル)
df=希釈ファクター
8.3=320nmにおける基質及び生成物間のミリモル吸光係数の差
10.1=使用した酵素の体積(ミリリットル)
出典は、Sigma-Aldrich酵素アッセイhttp://www.sigmaaldrich.com/sigma/enzyme%20assay/c9658enz.pdfである。
【0061】
[カルボキシペプチダーゼM]
カルボキシペプチダーゼM(CPM)は、細胞外グリコシルホスファチジルイノシトールアンカー型膜糖タンパク質である。このタンパク質は、亜鉛メタロカルボキシペプチダーゼのCPN/Eサブファミリーのメンバーである。これは、例えばリシン及びアルギニンなどのC末端塩基性残基を、最後から2番目にアラニンを含有するペプチドから特異的に除去する。細胞表面上のペプチドホルモン及び成長因子の活性の制御において、並びに細胞外タンパク質の膜局在型分解において、重要な役割を演じていると考えられる(Braz J Med Biol Res 2006 39:211-217)。
【0062】
基質
ダンシル−Ala−Argは、ジペプチドAla−Argをダンシル化することで合成可能である(Methods in Neurosciences: Peptide Technology" (P. M. Conn, ed.), Vol. 6, p. 373. Academic Press, Orlando, Florida, 1991.)
【0063】
酵素
カルボキシペプチダーゼMは、Tan等(Methods Enzymol 1995 248:663-675)により記載された方法に従って、単離精製される。
【0064】
手順
125μLのバッファ(0.2M HEPES[4−(2−ヒドロキシエチル)−l−ピペラジンエタンスルホン酸],pH7.0,0.2%(v/v)TritonX−100を含む)5〜50/uLの酵素、0又は25μLの100mM MGTA及び0〜70μLの水を添加して最終的な体積を200μLとする。反応の各セットについて、1酵素ブランク(基質を含まず)及び1基質ブランク(酵素を含まず)を用意する。反応の特異性を確実にするために、試料を2−メルカプトメチル−3−グアニジノエチルチオプロパン酸(2-mercaptomethyl-3-guanidinoethylthiopropanoic、MGTA)阻害薬の有り無しでプレインキュベートすることもできる。試料は、氷上で5〜10分間プレインキュベートし、その後、50μLの1.0mMダンシル−Ala−Arg(4.64mg/10mL水又は希釈10mMストック溶液1:10)を添加して反応を開始する。試料は、37℃で活性に応じて15分間〜3時間インキュベートし、150μLの停止液(NaOHでpH3.1に調整した1.0Mクエン酸)を添加して反応を停止させる。クロロホルム(1.0mL)を各チューブに添加し、15秒間勢いよく混合して、ダンシル−Ala生成物を抽出し、その後800gで10分間遠心分離して層を分離させる。クロロホルム層(下層)における蛍光を、340nm励起波長及び495nm蛍光においてクロロホルムブランクと比較して測定する。試験化合物の阻害活性を、1μM〜0.1nMの範囲の濃度で分析する。
【0065】
計算
カルボキシペプチダーゼ活性を、無抑制試料及び10mM MGTAで阻害した試料間の蛍光の差として定義する。蛍光単位(FU)を、FU対ダンシル−Ala(Sigma D0125)濃度について検量線を作成することで、基質(ナノモル)に変換する。
出典は、Methods Enzymol (1995) 248:663-675である。
【0066】
[カルボキシペプチダーゼN]
カルボキシペプチダーゼN(CPN)は、タンパク質を分解から保護する2つの酵素的に活性なサブユニット(CPN1)及び2つの大きなサブユニット(CPN2)からなる血漿亜鉛メタロプロテアーゼである。CPNは、カルボキシル末端アルギニン及びリシンを、例えば、補体アナフィラトキシン、キニン及びクレアチンキナーゼMM(CK−MM)など、血流に含まれる最後から2番目にアラニンを含有するペプチドから切断する。アミノ酸を1つのみ除去することで、CPNは、ペプチド活性及びレセプター結合を変化させる能力を有する(Mol Immunol (2004) 40:785-93)。
【0067】
基質
フリルアクリロイル(FA)−Ala−Lysは、Sigmaから購入可能である(F5882)。
【0068】
酵素
カルボキシペプチダーゼNは、Skidgel Methods Enzymol (1995) 248:653-63に記載された方法に従って精製可能である。
【0069】
手順
0.5M NaC1バッファを含有する0.5mLの0.1M HEPES(pH7.75)、0.1mLの5mM FA−Ala−Lys(18.23mg/10mL水)及び十分な水を添加し、最終的な体積を1.0mLとする。混合物を水浴で37℃に加温し、酵素試料を添加して短時間混合し、その後、その溶液を、記録分光光度計の温度調節された(37℃)チャンバー内で予め温めたキュベットに迅速に移す。336nmにおける吸光度の変化は、約2〜3分にわたり連続的に記録される。試験化合物の阻害活性を、1μM〜0.1nMの範囲の濃度で分析する。
出典は、Methods Enzymol (1995) 248:653-63である。
【0070】
[カルボキシペプチダーゼT]
カルボキシペプチダーゼT(CPT)は、サーモアクチノマイセス・ブルガリス(Thermoactinomyces vulgaris)により分泌されることが発見されている。ペプチド基質に対するCPT特異性は、カルボキシペプチダーゼA及びBの特徴の組み合わせであり、したがって、この酵素は、カルボキシペプチダーゼAのように、C末端中性、好ましくは疎水性、アミノ酸、更には陽性基を側鎖に有するアルギニン及びリシン残基を切断する。
【0071】
酵素
カルボキシペプチダーゼTは、Stepanov Methods Enzymol (1995) 248:675-83に記載された方法によって精製可能である。
【0072】
基質
Dnp−Ala−Ala−Arg−OHの合成は、上述の手順を通じて成される。Biokhimiya (1973) 38:790を参照のこと。
【0073】
手順
1mLの0.5mM基質溶液溶解0.1M Tris−HC1バッファ(pH7.5)に、10〜100μLの酵素溶液を添加する。この混合物を10〜60分間37℃でインキュベートし、その後0.2mLの50%CH3COOHを添加して反応を停止させる。この混合物を、1M CH3COOHで予め平衡化された2mLのSPSephadexC−25を含むマイクロカラム(綿で栓をしたEppendoff自動ピペットからプラスチックコーン)に定量的に移す。カラムを1M CH3COOH(2回、1mL)で洗浄する。洗液をまとめ、溶液のA360を測定する。Dnp−Ala−Ala−OH濃度を測定するために、15000のモル吸光値(extinction value)(e360)を用いる。1活性ユニットは、特定の条件下で1分間あたり1〜molの基質を加水分解する酵素の量に等しい。試験化合物の阻害活性を、1μM〜0.1nMの範囲の濃度で分析する。
出典は、Methods Enzymol (1995) 248:675-683である。
【0074】
[カルボキシペプチダーゼY]
カルボキシペプチダーゼY(CPDY)は、サッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)から単離され、極めて幅広い脱離基(例えば、アミノ酸、p−ニトロアニリン、及び種々のアルコール)との加水分解を触媒することが発見されている、64kDaセリンカルボキシペプチダーゼである。本アッセイでは、ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニル−L−ロイシンの酵素加水分解の間に遊離したロイシンの速度を測定する。
【0075】
基質
ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニル−L−ロイシンは、Sigmaから購入可能である(C1141)。備考:ベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニル−L−ロイシンは、バッファとの混合前に、0.5mLのDMSO(ジメチルスルホキシド)を用いて溶解する。
【0076】
酵素
カルボキシペプチダーゼYはSigmaより入手可能である(C3888)。酵素の1mg/mL溶液を試薬用水を用いて準備する。
【0077】
手順
1.0mLの1mMベンジルオキシカルボニル−L−フェニルアラニル−L−ロイシン溶解50mMリン酸ナトリウム、0.15M塩化ナトリウム、pH6.5基質溶液を添加する。10分間25℃でプレインキュベートする。50μLの酵素を添加して酵素反応を開始する。25℃で10分間反応させる。1.0mLのニンヒドリン試薬(各50mLの4%ニンヒドリン溶解メチル・セロソルブ及び0.2Mクエン酸ナトリウム(pH5.0)−7.1mM塩化第一スズを混合して調製する。)を添加する。10テストチューブのそれぞれを15分間撹拌する。すべてのチューブを熱湯の湯浴に15分間配置する。チューブを湯浴から取り出し、30℃未満に冷却する。5.0mLの50%プロパノール溶液を各テストチューブに添加してよく混合する。すべてのチューブについて570nmにおける光学濃度を読む。ロイシンを様々な濃度で用いて、各アッセイについて検量線を作成する。試験化合物の阻害活性を、1μM〜0.1nMの範囲の濃度で分析する。
【0078】
計算
【0079】
【数4】

【0080】
出典は、Worthington Biochemである。http://www.worthington-biochem.com/COY/default.htmLを参照のこと。
【0081】
[カルボキシペプチダーゼZ]
カルボキシペプチダーゼZ(CPZ)は、メタロカルボキシペプチダーゼのカルボキシペプチダーゼEサブファミリーのメンバーである。これらのZn−依存性酵素は、一般的にタンパク質の細胞内外の処理と関係するが、CPZの特異的な基質はあまりよく知られておらず、しかしながら、C末端アルギニンを切断することは示されており、Wntシグナル伝達経路に関係している。Development (2003) 130(21): 5103-11を参照のこと。
【0082】
基質
ダンシル−Phe−Ala−Argは、Fricker Methods Neurosci. (1995) 23:237-250の方法により準備可能である。
【0083】
酵素
カルボキシペプチダーゼZcDNAは、AT−20細胞及び上述のようにアフィニティークロマトグラフィーで精製されたタンパク質に、安定的に形質移入可能である。Biochem Biophys Res Comm. (1999) 256:256-8を参照のこと。
【0084】
手順
CPZ活性は、最終的なバッファ体積を250μLとした100mM、pH7.4 Tris−Clバッファに溶解した0.2mMダンシル−Phe−Ala−Argを用いてアッセイする。37℃で3時間の後、100μLの0.5M HClで反応を停止させ、その後2mLのクロロホルムを添加する。混合及び300×gで2分間の遠心分離の後、生成物の量をクロロホルム層の蛍光を測定することで測定する。阻害薬の効果を試験するために、精製したCPZを、バッファ、基質及び阻害薬の混合物に添加し、50mM Tris−Cl、pH7.4、100uMダンシル−Phe−Ala−Arg及び指示された濃度の阻害薬とした最終濃度を得る。反応を、37℃で1時間インキュベートする。インキュベーションの後、100μLの0.5M HCl及び2mLのクロロホルムを添加し、チューブを混合して、その後500×gで2分間遠心分離する。生成物の量を、クロロホルム層の蛍光(励起350nm、蛍光500nm)を測定することで測定する。酵素を含まない対照反応も行う。大量のCPEを使用して反応を行い、基質の生成物への完全な変換に対応する蛍光を測定する。Km値を、ダンシル−Phe−Ala−Arg及びダンシル−Pro−Ala−Argで0.025〜1.6mMの濃度範囲を用いて、測定する。
出典は、Biochemical and Biophysical Research Communications (1999) 256:564-568である。
【0085】
[セリンカルボキシペプチダーゼA]
セリンカルボキシペプチダーゼAは、哺乳類カテプシンA(mammalian cathepsin A)、リソソームカルボキシペプチダーゼA及びリソソーム防御タンパク質とも呼ばれ、元来は酸性pHでZ−Glu−Tyrを加水分解する酵素と定義される。また、この酵素は、中性pHでエステラーゼ及びデアミダーゼ活性を示す。カテプシンAはインビトロで例えばZ−Phe−Leu、アンギオテンシンII、サブスタンスP及びエンドセリンI等の合成及び生物活性双方のペプチドホルモンを幅広く加水分解できるので、カテプシンAの生理学的な基質は未だ明らかとなっていないが、カテプシンAは、ペプチドホルモンのインビボ代謝に関係することが示唆されている。カテプシンA活性のアッセイの原理は、HPLCで分離した後に行う基質N−DNS−Phe−Leuからの酵素標識N−DNS−Pheの蛍光分析測定に基づく。
【0086】
酵素
0.25Mスクロースに溶解したネズミ腎臓ホモジネートを100000×gで80分間遠心分離したものを酵素の源として使用した。
【0087】
基質
N−DNS−Phe−Leuを、Wiedmeier J. Chromatogr. (1982) 231:410により発表された方法に従って合成した。
【0088】
手順
反応混合物は、50mM酢酸ナトリウムバッファ(pH4.6)、40μM N−DNS−Phe−Leu及び酵素並びに水を含み、反応物の全体積は250μLとする。37℃でインキュベートし、沸騰水中で5分間95℃に加熱して反応を停止させる。遠心分離の後、内部標準としてN−DNS−NLeuを透明な上澄みに添加し、得られた混合物の一定分量を、Chikuma等のJ Chrom B: Biomed Sci and Apps (1999) 728(1): 59-65に従ってHPLCで分析する。N−DNS−Pheのピーク高を測定し、内部標準として添加したN−DNS−NLeuのピーク高からピコモルに変換する。酵素活性の1ユニットは、1分間37℃で1pmolの基質を対応する生成物に変換するために必要な酵素の量として定義される。試験化合物の阻害活性を、1μM〜0.1nMの範囲の濃度で分析する。
出典は、J. Chrom. B: Biomed. Sci. and Apps. (1999) 728(1): 59-65である。
【0089】
メタノール(xxmL)に溶解したD(Cx)L(1eq)を含む丸底フラスコに、[Re(CO)(HO)]Br(1eq)を添加した。反応を、80℃に加熱し、4時間撹拌した。冷却時に、溶媒を除去し試料をHPLCで精製した。試料を、H NMR及び質量分析法で分析した。

Re(CO)3D(C4)L (5): 収率= 23% (0.4 g). 1H NMR (CDCl3, ppm): 8.77 (m, 2H), 7.91 (m 2H), 7.61 (m, 2H), 7.35 (m, 2H), 7.13 (m, 5H), 5.00 (m, 4H), 4.12-2.60 (mm, 11H), 2.26-1.41 (mm, 16H). MS(ESI): m/z 944 (M+H)+, m/z 942 (M-H)+.

Re(CO)3D(C5)L (6): 収率= 34% (0.61 g). 1H NMR (CDCl3, ppm): 8.77 (m, 2H), 7.91 (m 2H), 7.61 (m, 2H), 7.35 (m, 2H), 7.13 (m, 5H), 3.92 (d, 4H), 3.69-2.65 (mm, 11H), 2.27-1.46 (mm, 18H). MS(ESI): m/z 688 (M+H) +, m/z 686 (M-H)+.

Re(CO)3D(C8)L (7): 収率= 55% (0.40 g). 1H NMR (CDCl3, ppm): 8.50 (d, 2H), 7.63 (m 2H), 7.50 (m, 2H), 7.13 (m, 8H), 3.85 (d, 4H), 3.69-2.53 (mm, 11H), 2.23-1.22 (mm, 24H). MS(ESI): m/z 730 (M+ +H)+. m/z 728 (M-H)+.
【0090】
99mTc(CO)D(Cx)Lの基本手順
【0091】
99mTc(CO)(HO)を、既刊文献[6]に記載の手順を用いてIsolinkキットによって調製した。金属錯体のラット血漿安定性を試験するために、単離した99mTc(CO)D(Cx)Lを1mLのラット血漿中において37℃で5分、60分、24時間インキュベートした。所望の時点で、インキュベートした混合物の一定分量(400μL)を採取した。アセトニトリル(800μL)の添加により、沈殿物を得て、15000rpmで5分間遠心分離した。上澄みを回収し、窒素蒸気下で濃縮した。残った残渣を10%エタノール/生理食塩水に溶解し、HPLCにより分析して化合物の安定性を測定した(図4)。
【0092】
インビトロACE活性アッセイ
試験化合物のACE活性阻害能力を、富士レビオ社のACEカラーキットを製造元の説明書通りに用いて測定した。精製したウサギ肺ACE(3.3mUnit、Sigma Chemicals)を、基質の溶液中において20分間37℃で、1μM〜0.1nMの濃度の試験化合物と共にインキュベートした。展開液を添加し、分光光度計で505nmを読む前に試料を更に5分間37℃でインキュベートした。
【0093】
ラット組織分布
99mTc(CO)D(C)L(MIP−1037)の組織分布研究を、オススプラーグドーリーラットの複数グループで行った(n=5/時点)。MIP−1037は、0.1mLの一定体積で50μCi/kgのボーラス投与(約10μCi/匹)として、尾静脈から投与した。実験動物は、投与後10分、30分、1時間及び2時間に、二酸化炭素で窒息させて安楽死させた。組織(血液、心臓、肺、肝臓、脾臓、腎臓、大腸及び小腸(内容物を含む。)、精巣、骨格筋並びに脂肪)を解剖し、切除し、湿重量を計量し、プラスチックチューブに移し、自動γ−カウンター(LKB Model 1282, Wallac Oy, フィンランド)で測定した。%ID/gとして示される組織の時間−99mTc(CO)D(C)L(MIP−1037)放射能濃度は、1分間あたりの減衰補正測定値を投与量%に変換し、組織又は器官試料の重量で除算して求めた。更に、投与量の一定分量を測定し、各組織試料中の1分間あたりの測定値を、器官あたりの投与量%に変換した。
【0094】
イメージング
6スプラーグドーリーラットをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg、i.p)で麻酔し、99mTc(CO)D(C)L(MIP−1037)単体処理グループ又はリシノプリル/99mTc(CO)D(C)L(MIP−1037)処理グループに無作為に割り当てた(n=3/group)。全6実験動物をガンマカメラに配置し、低エネルギー汎用コリメータ付きDSX−LIデュアルヘッド型γカメラ(SMV America)及びミニガンマカメラMGC500(TeraRecon Inc.)を各実験動物に用いてベースライン平面腹側画像を1分間の5連続画像で得た。リシノプリル(0.5mg/kg,i.v.)は、実験動物(n=3)に対して、99mTc(CO)D(C)L(MIP−1037)投与の5分前に投与した。5分後、5mCi/kg 99mTc(CO)D(C)L(MIP−1037)を全実験動物(n=6)に静脈投与し、投与後10、30、60分に1分間の5平面腹側画像を得た。
【0095】
更に、小動物用SPECT/CTを利用した99mTc(CO)D(C)L(MIP−1037)取り込みの解剖学的局在性には、ピンホールコリメータ付きX−SPECT小動物用スキャナー(Gamma Medica, Inc.、ノースリッジ、カリフォルニア)を用いた。ラットに99mTc(CO)D(C)L(MIP−1037)単体又はリシノプリルと共に(99mTc(CO)D(C)L(MIP−1037)の投与5分前に)投与し、処理グループ(n=2/group)ラットは、イソフルオラン/酸素混合物で麻酔した。後の画像融合時に必要となる全体的な不動性を保証するために、麻酔した実験動物を、特別な装置に固定した。呼吸ベルトを用いて呼吸数を測定することで麻酔深度をモニタした。直腸プローブで体温を制御し、熱伝対(thermocoupler)及び温エアスチームで37℃に維持した。SPECTデータを取得し製造元のソフトウェアを用いて再構成した。SPECT及びCTデータの融合は標準的な方法で行った。
【0096】
表Iに示すように、精製ウサギ肺ACEについてインビトロで評価した各Re−錯体の阻害活性は、テザーの長さ(メチレンスペーサーユニットの数)にともなって直接的に変化し、リシノプリルIC50=4nMと比較して、Re(CO)D(C)L(MIP−1037);IC50=3nM、Re(CO)D(C)L(MIP−1003);IC50=144nM)、及びRe(CO)D(C)L(MIP−1039);IC50=1,146nM)であった。7炭素メチレンスペーサーテザーの類似体であるMIP−1037は、親分子であるリシノプリルに相当する活性を示す。
【0097】
【表1】

【0098】
表IIは、99mTc(CO)D(C)L(MIP−1037)のラット組織分布を示す。全試験組織において様々な濃度で放射性トレーサが検出され、時間経過後直ぐに減少した。取り込みは、高ACE発現組織である肺で最も多く、投与後10分に15.2%ID/gに達し、2時間経過後も3.93%ID/g残った。クリアランスは、腸における放射性標識の増加により示されるように肝胆道経路を介したものが主であると考えられた。MIP−1037の取り込みは、0.6mg/kg非放射性標識リシノプリルとの混注により肺及び他の組織において劇的に減少し、特異的な結合を証明するものとなった。ラット血漿のHPLC分析は、錯体は、有意な分解を伴わず24時間にわたり安定することを示した。
【0099】
【表2】

【0100】
全身イメージングを用いて、MIP−1037がインビボでの非侵襲的なACE活性モニタに使用可能であるか否かを測定した。上述のように、リシノプリルでの前処理の有無のラットをインビボイメージングプロトコルに用いた。各実験動物について各イメージング時点で肺、肝臓、小腸及びバックグラウンド(軟部組織)に関心領域(Regions of interest、ROI)を設定した。各ROIは、カウントで示し、また、ROIは同時点におけるバックグラウンドでノーマライズした。図9は、MIP−1037投与後10分に取得したインビボ腹側全身平面画像を示している。投与後10分における初期対照画像は、肺、肝臓、小腸及び膀胱において、リシノプリルで前処理することによりブロックされる放射性トレーサの取り込みが高いことを示した。
【0101】
加えて、小動物用SPECT/CT(Gamma Medica, Inc.、ノースリッジ、カリフォルニア)イメージング研究を、放射性トレーサの解剖学的局在性を明らかにするためにおこなった。全身平面イメージングプロトコルと同様に、リシノプリルによる前処理を行ったラットと行わなかったラットとにMIP−1037を与えた。図10に示されるように、リシノプリルによる前処理によりブロックされる肺活性が顕著に認められ、これは、MIP−1037が組織(肺)ACEにインビボで特異的に結合することを示している。前処理グループ及び対照グループの画像を比較すると、肺におけるMIP−1037の取り込みは、ROIにおけるカウントにより示されたように60分の観察時間にわたって有意に減少した。肺における放射性トレーサの取り込みは、投与60分後に略見られなくなった。加えて、MIP−1037の取り込みの有意な減少が、膀胱で10、30及び60分において、並びに小腸で30及び60分において、確認された。肝臓の取り込みは、一過性のもので、この器官からの洗い流しは極めて速く多量であり、ほとんどすべての放射能が、投与後60分に小腸に完全に排出された。
【0102】
メチレン基が変化するD(Cx)L型の配位子を用いてM(CO)錯体を生成した。最も能力の在る化合物であるM(CO)D(C)Lを、99m−Tcを用いてインビボで試験した。組織分布研究からは、例えば肺のような高ACE発現の器官は、高取り込みであることが示された。リシノプリルで前処理を行った研究からは、この化合物は実際にACE特異的であることが示された。平面カメラ画像及びμSPECT/CTイメージングは、インビボにおける結果が確認された。結論として、リシノプリルと同様の効力を有する高親和性Tc−99m標識ACE阻害薬が設計された。体内分布、薬理学的ブロッキング研究及び画像分析は、インビボにおいてACEとの特異的な相互作用を示した。この物質は、関連病態におけるACE調節のモニタリングに有用であると考えられる。
【0103】
以上、本発明は、好ましい複数の実施形態の詳細な説明により記載及び例示を行った。しかしながら、当業者であれば本発明の範囲内の他の実施形態に関しても明らかであり、本発明は上述の好ましい複数の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、特許請求の範囲に相当する範囲と一致するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性医薬品部分又は光学イメージング部分に結合したペプチダーゼ結合部分を含んで構成される化合物。
【請求項2】
前記放射性医薬品部分は、放射線イメージング部分若しくは放射線治療部分又はその両方を含んで構成される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記ペプチダーゼ結合部分は、エキソペプチダーゼ又はエンドペプチダーゼ阻害薬から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記ペプチダーゼ結合部分は、カルボキシペプチダーゼ結合部分を含んで構成され、
該カルボキシペプチダーゼ結合部分は、言い換えると、カルボキシペプチダーゼA1、カルボキシペプチダーゼA2、カルボキシペプチダーゼB、肥満細胞カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼD、カルボキシペプチダーゼE、カルボキシペプチダーゼM、カルボキシペプチダーゼN、又はカルボキシペプチダーゼZ、の阻害薬からなる群より選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記カルボキシペプチダーゼ結合部分は、ACE結合部分を含んで構成される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
前記ACE結合部分は、アラセプリル(alacepril)、ベナゼプリル(benazepril)、カプトプリル(captopril)、セロナプリル(ceronapril)、シラザプリル(cilazapril)、デラプリル(delapril)、エナラプリル(enalapril)、エナラプリラート(enalaprilat)、フォシノプリル(fosinopril)、イミダプリル(imidapril)、リシノプリル(lisinopril)、モエキシプリル(moexipril)、モベルチプリル(moveltipril)、ペントプリル(pentopril)、ペリンドプリル(perindopril)、キナプリル(quinapril)、ラミプリル(ramipril)、レンチアプリル(rentiapril)、スピラプリル(spirapril)、テモカプリル(temocapril)、トランドラプリル(trandolapril)又はゾフェノプリル(zofenopril)からなる群より選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記放射線イメージング部分は、放射性核種キレート錯体を含んで構成される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記放射性核種は、テクネチウム又はレニウムから選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
前記放射性核種は、テクネチウム−99m、レニウム−186又はレニウム−188から選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
前記放射線イメージング部分は、(テクネチウム−99m)Tc(CO)又は(レニウム−186/188)Re(CO)キレート錯体を含んで構成される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
前記ACE結合部分は、組織ACEを血清ACEよりも強く阻害する、請求項5に記載の化合物。
【請求項12】
ACEのIC50阻害は、20nM未満である、請求項5に記載の化合物。
【請求項13】
前記ペプチダーゼ結合部分及び前記放射線イメージング部分は、アミド、エステル、アミン又はエーテル結合を介して結合される、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
哺乳類の1又は複数の器官若しくは組織又はその両方のイメージング方法であって、
放射線イメージング部分又は光学イメージング部分に結合したペプチダーゼ結合部分を含んで構成される化合物の有効量を哺乳類に投与すること、及び
前記哺乳類の1又は複数の器官若しくは組織又はその両方の画像を取得すること、
を含んで構成される方法。
【請求項15】
前記化合物は、静脈内投与される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物は、非放射性レニウム標識又はテクネチウム−99m標識D(C4)L(1)、D(C5)L(2)、D(C6)L(3)又はD(C8)L(4)からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方は、肺組織を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方は、腎臓組織を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方は、心臓組織を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方は、腫瘍組織を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方は、不安定プラーク状態を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方は、アテローム硬化状態を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方は、炎症状態を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
(i)金属キレート部分に結合したペプチダーゼ結合部分を含んで構成される化合物と、
(ii)放射性核種と、
を含んで構成されるキット。
【請求項25】
前記放射性核種は、テクネチウム−99m、レニウム−186又はレニウム−188若しくはこれらの組み合わせから選択される、請求項24に記載のキット。
【請求項26】
哺乳類の1又は複数の器官若しくは組織又はその両方に関連する病態を病期分類する方法であって、
(i)放射線イメージング部分に結合したペプチダーゼ結合部分を含んで構成される化合物の有効量を哺乳類に投与すること、
(ii)前記哺乳類の前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方の画像を取得すること、
(iii)前記画像から、前記哺乳類の前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方に存在するペプチダーゼの量を測定すること、並びに
(iv)前記測定した量及び対照量を利用して、前記病態の分類に達すること、
を含んで構成される方法。
【請求項27】
前記病態は、心不全、心筋症、肺疾患、腎臓機能障害、腎不全、炎症、アテローム硬化、不安定動脈プラーク又は新生物からなる群より選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
哺乳類の1又は複数の器官若しくは組織又はその両方に関連する病態の治療に対する前記哺乳類の反応をモニタする方法であって、
(i)放射線イメージング部分に結合したペプチダーゼ結合部分を含んで構成される化合物の有効量を哺乳類に投与すること、
(ii)前記哺乳類の前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方の画像を取得すること、
(iii)前記画像から、前記哺乳類の前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方に存在するペプチダーゼの量を測定すること、並びに
(iv)前記測定した量及び対照量を利用して、治療に対する前記哺乳類の反応を、もしあるならば、測定すること、
を含んで構成される方法。
【請求項29】
前記対照量は、正常なグループに見られる量から求める、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記対照量は、前記哺乳類の前記1又は複数の器官に見られるベースライン量から求める、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記対照量は、正常なグループに見られる量から求める、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記対照量は、前記哺乳類の前記1又は複数の器官に見られるベースライン量から求める、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
哺乳類の1又は複数の器官若しくは組織又はその両方におけるペプチダーゼの発現を定量する方法であって、
放射線イメージング部分と結合したペプチダーゼ結合部分を含む化合物の有効量を哺乳類に投与すること、
前記哺乳類の前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方の画像を取得すること、並びに
前記画像及び一連の標準画像から、前記哺乳類の前記1又は複数の器官若しくは組織又はその両方における前記ペプチダーゼの発現量を定量すること、
を含んで構成される方法。
【請求項34】
この方法を必要としている哺乳類に放射線治療を行う方法であって、
放射線治療部分に結合したペプチダーゼ結合部分を含んで構成される化合物の有効量を哺乳類に投与すること、
を含んで構成される方法。
【請求項35】
前記化合物は、静脈内投与される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記哺乳類は、新生物状態を患っている、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
下記の一般式で示される化合物。
(PBM)n−(LIN)−(CHE)m
[式中、
PBMは、ペプチダーゼ結合部分を含んで構成され、
nは、1、2又は3であり、
LINは、共有結合、−CH−、−NH−、又は長さが炭素原子2−20の直鎖若しくは分岐鎖であり、前記鎖に又は前記鎖内には、1−6の、アミノ基、酸素、硫黄、カルボニル基、尿素若しくはアミドを含むヘテロ原子、芳香環基、脂環(cyclic aliphatic ring)基、芳香族複素環基又は複素脂環(heterocyclic aliphatic ring)基、が任意に結合し、前記1又は複数のPBMを前記1以上のCHEに共有結合し、
CHEは、放射性核種を結合可能な単座、二座又は多座配位子であり得るキレート部分を含んで構成され、
mは、1、2又は3である。]
【請求項38】
前記ペプチダーゼ結合部分は、カルボキシペプチダーゼA1、カルボキシペプチダーゼA2、カルボキシペプチダーゼB、肥満細胞カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼD、カルボキシペプチダーゼE、カルボキシペプチダーゼM、カルボキシペプチダーゼN、又はカルボキシペプチダーゼZ、の阻害薬である、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
前記ペプチダーゼ結合部分は、アラセプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、モベルチプリル、ペントプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、レンチアプリル、スピラプリル、テモカプリル、トランドラプリル又はゾフェノプリルである、請求項37に記載の化合物。
【請求項40】
前記リンカーは2−15原子鎖であって、
前記鎖の1−6原子は、アミノ基、酸素、硫黄、カルボニル基、尿素又はアミドであり、前記鎖の残りの原子は炭素である、
請求項37に記載の化合物。
【請求項41】
前記リンカーは、リシン又はリシン類似体を含んで構成され、例えば、前記リシン類似体は、図6及び7に示されるものである、請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
前記放射性核種は、Tc又はReである、請求項37に記載の化合物。
【請求項43】
前記CHE部分は、ピリジルメチレンアミン、キノリンメチレンアミン、イソキノリンアミン、ピリジン−2−イルメチルアミノ酢酸、イソキノリン−3−イルメチルアミノ酢酸、チアゾール−2−イルメチルアミン及びチアゾール−2−イルメチルアミノ酢酸、又はTcと結合されて示される下記構造のキレート剤である、請求項37に記載の化合物。
【化1】

[式中、
は、O、H、OH、アルコキシ基又はO−アルキル基から選択され、
は、薬剤的に許容できる複素環基を表し、これは例えば、1−2の窒素、酸素又は硫黄原子を含む五又は六員環である。]
【化2】

[式中、
は、O、H、OH、アルコキシ基又はO−アルキル基から選択され、
は、薬剤的に許容できる複素環基を表し、これは例えば、1−2の窒素、酸素又は硫黄原子を含む五又は六員環であり、
10及びR11は、互いに独立して水素、アルキル基又は置換アルキル基を表し、
12は、アリール基、アルキル基又は複素環基から選択される。]
【化3】

[式中、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20は、互いに独立して水素又はメチル基を表す。]
【化4】


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図11】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2010−502646(P2010−502646A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526898(P2009−526898)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/077161
【国際公開番号】WO2008/028000
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(502250905)バイオストリーム セラピューティクス インコーポレーティッド (4)
【Fターム(参考)】