説明

ペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体、その製造方法、およびこれを含む組成物

本発明は、ペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩、前記ビタミンC誘導体の製造方法、およびこれを含む組成物に関するものである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2006年6月22日付けで出願された大韓民国特許出願第2006−0056580号の優先権を主張し、前記出願明細書は、本明細書に参照事項として含まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ペプチド分子を有する安定化ビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩、ビタミンC誘導体の製造方法、およびこれを含む組成物に関する。
【0003】
皮膚は、保護機能、障壁機能、温度調節機能、排泄機能、呼吸機能などを行う器官であって、表皮、真皮、下皮からなる。表皮は、最も薄い層で、ケラチン生成細胞およびメラニン細胞からなる。真皮は、皮膚の約95%を占めて、皮膚の保湿および保護をする層である。真皮は、皮膚の弾力(シワ)に重要な役割を果たすタンパク質繊維であるコラーゲン、エラスチンを含む。真皮は、血管、神経、アレルギー反応に関与する肥満細胞およびNa−PCAまたはヒアルロン酸などの天然保湿因子も含んでいる。下皮は、表皮および真皮への栄養の供給、体型の決定、体温の維持、外部的衝撃の吸収、および下皮下の細胞の保護などの役割を果たす。
【0004】
皮膚は年をとるのに伴って、内因性または外因性の原因によって皮膚機能が急激に低下する。老化の進行に伴い、皮膚の構成成分である表皮、真皮、および下皮の厚さが薄くなり、ならびにコラーゲンおよびエラスチンが薄くなって弾力が低下して、シワができる。また、皮膚の障壁機能を担う脂質障壁(Lipid barrier)の脂質組成および含有量が変化して、皮膚の水分含有量が低下して、皮膚が乾燥するなどの生理的変化が結果として生じる。また、しみ、そばかす、色素沈着、その他の多様な皮膚病変が誘発される。
【0005】
このような皮膚の老化による問題を解決するために、皮膚改善効果を有する多様な有効成分およびこれを含む組成物が研究されている。
【0006】
ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチンなどの抗酸化ビタミンは、皮膚の老化を抑制するのに使用されている。このうちのビタミンCは、皮膚のシワの改善、しみ/そばかす/肝斑などの色素沈着改善、紫外線(UV)遮断による免疫体系強化、坑酸化活性、コラーゲンの形成促進などに効果があることが知られている。ビタミンCの体内での機能は、下記の通りである。
【0007】
ビタミンCは、紫外線、特にUV Aに対する遮断機能が優れている(Darr,D.et al.,1996,Acta Derm.Venereol.(Strckh).76:264−268;Black,H.S.etal.,1975,J.Invest.Dermatol.65:412−414)。また、ビタミンCは、UV Bによって誘発される皮膚の損傷を保護する役割を果たす。UV Bの照射前にビタミンCを豚および人間の皮膚に塗布して、ここにUV Bを照射した場合、紅斑および日焼け現象が防止される(Darr,D.etal.,1992,Brit.J.Dermatil.127:247−253;Murry,J.et al.,1991,J.Invest.Dermatol.96:587)。
【0008】
ビタミンCは、皮膚、血液、およびその他の組織で、化学的汚染、喫煙、特に紫外線(UV)によって産生される活性酸素種(ROS)を中和させる強力な生体抗酸化剤として作用する。このような作用は、ビタミンCが2つの電子を受け入れてデヒドロ−L−アスコルビン酸に容易に酸化する構造であることに起因するものである。ビタミンCは、皮膚の非酵素的抗酸化剤防御システムの重要な要素である。ビタミンCが高濃度で存在する場合に、一重項酸素(singlet oxygen)、スーパーオキシド陰イオン(superoxide anion)、ヒドロキシラジカル(hydroxy radical)などのROSがタンパク質、核酸、細胞膜脂質または他の体成分を酸化または変成させる前に、これらを中和させる役割を果たす(Buettner,G.R.etal.1996.Cadenas,E.,Packer,L.,eds.Handbook of antioxidants.pp.91−115)。
【0009】
ビタミンCを角質層に経皮的に供給した場合、ビタミンCによってコラーゲンの合成が促進されるため、皮膚光沢、皮膚色、シワおよび皮膚の弾力を改善する(米国特許第4,983,382号)。コラーゲンポリペプチドの10%程度を占めるヒドロキシプロリンは、プロリンヒドロキシラーゼ(proline hydroxylase)によって生合成されるが、この酵素の補助因子(cofactor)としてビタミンCが作用する(Tomita,Y.et al.,1980,J.Invest.Dermatol.75(5):379−382)。つまり、ビタミンCは、プロリンヒドロキシラーゼの活性を促進して、ヒドロキシプロリンの合成を促進することによって、三重螺旋構造のコラーゲンの生合成を促進して、皮膚のシワの減少および皮膚状態を改善する。
【0010】
ビタミンCはメラニンの形成に重要なチロシナーゼ(tyrosinase)の活性およびメラニンの形成を抑制するため、優れた美白効果を提供する(Tomita,Y.et al.,1980,J.Invset.Dermatol.75(5);379−382)。
【0011】
また、ビタミンCは、アレルギー反応物質であるヒスタミンの細胞膜での放出を抑制することにより免疫系を増強する。ビタミンCは、抗原に曝露されたネズミにおいて、紫外線誘導された免疫抑制および耐性から保護されることが証明された(Nakamura,T.et al.,1997,J.Invest.Dermatol.109:20−24)。また、ビタミンCは、白血球の食菌作用を助けて、感染が展開される間の白血球の移動を促進して感染を抑制し、ウイルス増殖抑制物質であるインターフェロンの生合成を増加させる作用をし、多様な感染性疾患に対する生体抵抗性を上昇させる。さらに、ビタミンCは、生体内の葉酸の代謝およびアミノ酸の代謝過程にも関与する。
【0012】
ビタミンCは、Cの化学式を有する水溶性の物質である。ビタミンCは、C−2、C−3、C−5、C−位の炭素の水酸基によって親水性を示す。水などの中性のpHでは、特にC−2位およびC−3位の水酸基が陰の電荷を有するようになるため、水溶液に迅速および完全に溶解するようになる。しかしながら、水溶液でない皮膚などの有機的な環境では、ビタミンCは完全に溶解しない。また、ビタミンCは、例えばグリセリン、プロピレングリコール、多様な脂肪などの外用剤に通常使用される有機溶媒に溶解されにくく、ビタミンCの経皮到達は制限される。つまり、非イオン化状態では、ビタミンCが皮膚障壁を容易に通過して吸収されるためにはpHは4.2以下に維持されていなければならない。
【0013】
ビタミンCの皮膚蓄積量は、経皮(外部)投与した場合、経口投与より20倍乃至40倍高いことが知られている。紫外線遮断、坑酸化、コラーゲン産生促進によるシワの改善、しみ/そばかす/肝斑などの色素沈着の改善、免疫系増強のための外用剤は、有効物質が皮膚の角質層を通過して表皮にある細胞まで到達する必要があるので、有効物質の経皮吸収率が高くなければならない。一般に、ある物質の皮膚浸透率は、その物質の親油性と関係がある。皮膚の親油性と類似した物質は、皮膚への分配係数が大きくなって、容易に経皮吸収されること知られている。これに対して、ビタミンCは、親水性が高く、皮膚への分配係数が小さいため、容易に経皮吸収されない。
【0014】
ビタミンCの安全性、安定性、経皮吸収を改善するための多くの研究が進められてきた。
【0015】
いくつかのビタミンC誘導体型が示唆されている。第1の誘導体型は、リン酸化されたアスコルビン酸またはリン酸化されたアスコルビン酸の金属塩である。この誘導体は、アスコルビン酸のC−2位およびC−3位の水酸基をリン酸基とエステル結合で連結して、各々アスコルビル−2−リン酸またはアスコルビル−3−リン酸を形成することで得られる。他の誘導体に比べて、これらの誘導体は人体に使用することができるL−アスコルビン酸に容易に転換される。しかしながら、これらは陰の電荷を有しているため、容易に経皮吸収されない。
【0016】
第2の誘導体型は、脂肪酸が結合したアスコルビン酸である。米国特許第5,409,693号は、例えばアスコルビルパルミテート、アスコルビルラウレート、アスコルビルミリステート、アスコルビルステアレートなどのアスコルビン酸の脂溶性脂肪酸エステル形態のビタミンC誘導体を開示している。このうち、アスコルビル−6−パルミテートが最も幅広く使用される。アスコルビル−6−パルミテートは、皮膚に容易に吸収されるが、L−アスコルビン酸への転換が困難である。アスコルビル−6−パルミテートは、ネズミの皮膚において光酸化から保護するのに失敗したという報告がされている(Bissett,D.etal.,1990,Photodermatol Photoimmunol Photomed 7:56−62)。10wt%のアスコルビル−6−パルミテートを含む血清で皮膚を処理した場合、アスコルビン酸の顕著な増加をもたらさなかったという報告がされている(Pinnell,S.R.etal.,2001.Dermatologic Surgery.27(2):137−142)。
【0017】
第3の誘導体型は、例えばグリコシル化、マンノシル化、プロクトシル化、フコシル化、ガラクトシル化、N−アセチルグリコースアミン化、N−アセチルムラミン化された誘導体などの、単糖を有するアスコルビン酸である。しかしながら、これら誘導体の生体内での生理活性に対する具体的で正確な評価は、まだ行われていない。
【0018】
第4の誘導体型は、コラーゲン産生ペプチドが結合したアスコルビン酸である。韓国特許第0459679号は、アスコルビン酸のC−5位またはC−6位置の水酸基にスクシノイル基をエステル結合で連結して、コラーゲン産生ペプチドとイミド結合して得られた誘導体を開示している。このアスコルビン酸誘導体は、アスコルビン酸より優れた性能を示すが、安定性がない。
【0019】
コラーゲンは、皮膚、血管、内臓、骨などで非常に多く見つけられる。コラーゲンは皮膚中の真皮の70%はを占める。筋肉を囲んでいる筋膜はコラーゲンで構成されている。生体タンパク質総重量の30%を占めるコラーゲンは、皮膚の機械的堅固性の提供、結合組織の抵抗力および組織の結合力の付与、細胞接着の支持、ならびに成長または傷の治癒時の細胞分裂および分化誘導をする。コラーゲンは、線維芽細胞で生合成される。コラーゲンの量は自然老化および光老化によって減少する。コラーゲンの量は、20才から80才に達する間に65%が減少することが知られている(ShusterS.,1975,British journal of determatology,93(6):639−643)。
【0020】
生体内のコラーゲンの合成が活発になると、真皮基質成分が増加して、傷の治癒、弾力増加、シワ改善などの効果を期待することができることが明らかにされたことから、コラーゲンは化粧品、食品、医薬品などに使用されている。コラーゲン中に存在するこのような10個以下のオリゴペプチドは最小の活性単位である。これらは、メッセンジャー、刺激剤、神経伝達剤としての役割、および成長調節、授乳、免疫、消化、血圧、治癒などの生理代謝作用とも関連がある。特に、皮膚再生効果が明らかになったペプチドは、フランス特許第2,668,265号、米国特許第4,665,054号、国際公開WO91/3488、国際公開WO91/7431などに開示されている。しかし、このようなペプチドの場合、沈澱が形成されて、製品の安定度が大きく低下する。
【0021】
したがって、安全性および安定性が改善されて、皮膚浸透力が優れているビタミンC誘導体を得るための技術開発が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
このような必要を満たすため、本発明は、ビタミンCにリン酸誘導体およびペプチド、特にコラーゲン産生ペプチドを導入して、、改善された安全性、安定性、および優れた皮膚浸透力を有するビタミンC誘導体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明のより完全な評価およびそれに伴う多くの利点は、以下の詳細な説明を参考にして、容易に明らかになるのと同時に、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の化合物、ビタミンC、アスコビルリン酸マグネシウム、スクシノイルアスコビルペンタペプチド、およびパルミトイルペンタペプチドを使用して、コラーゲン生合成能を比較した結果を示したものである。
【図2】本発明の化合物、ビタミンC、アスコビルリン酸マグネシウム、スクシノイルアスコビルペンタペプチド、およびパルミトイルペンタペプチドを使用して、細胞毒性を比較した結果を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、ペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体またはその薬学的に許容可能な塩、ビタミンC誘導体の製造方法およびこれを含む組成物に関するものである。
【0026】
本発明は、ビタミンCのC−2位にリン酸基誘導体が、およびC−5位またはC−6位にペプチド、好ましくはコラーゲン産生ペプチドが導入された、安定化ビタミンC誘導体およびその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0027】
1つの態様において、本発明は、下記の化学式1で表されるペプチドを含む安定化ビタミンC誘導体、およびその薬学的に許容可能な塩に関するものである。
【0028】
[化学式1]
【化1】

前記式で、R1およびR2は各々相異して、−OHまたは
【化2】

であり、Xは−OC(O)(CHC(O)−であり、
【化3】

は、グリシン、リジン、ヒスチジン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、アルギニン、グルタミン、メチオニン、およびグルタミン酸からなる群から選択された、同一または相異したアミノ酸残基がアミド結合されたペプチドであり、
Rは前記アミノ酸残基の側鎖であり、
nは3乃至10の整数であり、
mは2乃至5の整数であり、
Wは、
【化4】

またはグルコースであり、
R3は−N(CH、−N(CHCH、−NHCHCHCH、−NHCH、およびOHからなる群の中から選択されたものである。
【0029】
本発明の特定の態様において、前記化学式1で表される化合物は、下記の化学式1a、1b、1c、または1dで表される化合物である。
[化学式1a]
【化5】

[化学式1b]
【化6】

[化学式1c]
【化7】

[化学式1d]
【化8】

【0030】
本発明の好ましい形態において、前記化学式1のうちの
【化9】

は、グリシン、リジン、ヒスチジン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、アルギニン、グルタミン、メチオニン、およびグルタミン酸からなる群の中から選択された同一または相異したアミノ酸残基がアミド結合されたペプチドであり、
Rは前記アミノ酸残基の側鎖であり、
nは3乃至7の整数である。
【0031】
より好ましい態様において、前記ペプチド
【化10】

は、nが3乃至6の整数のトリ、テトラまたはヘプタペプチドであり、特にペプチドは、グリシン−リジン−ヒスチジン、グリシン−ヒスチジン−リジン、グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン、リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン、およびグルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニンからなる群から選択されたペプチドである。
【0032】
Xは−OC(O)(CHC(O)−であり、mは2乃至4の整数、より好ましくは2または3である。
【0033】
特に好ましくは、前記Xは、mが2であるスクシニル基である。
【0034】
また他の態様において、本発明は、下記の化学式2で表されるペプチドを有する安定化ビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩に関するものである。
[化学式2]
【化11】

前記式で、R4およびR5は各々相異して、−OC(O)(CHCHまたは
【化12】

であり、Xは−OC(O)(CH)mC(O)−であり、
【化13】

は、グリシン、リジン、ヒスチジン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、アルギニン、グルタミン、メチオニン、およびグルタミン酸からなる群から選択された、同一または相異したアミノ酸残基がアミド結合されたペプチドであり、
Rは前記アミノ酸残基の側鎖であり、
nは3乃至10の整数であり、
mは2乃至5の整数であり、
pは10乃至20の整数であり、
Wは、
【化14】

またはグルコースであり、
R3は−N(CH、−N(CHCH、−NHCHCHCH、−NHCH、およびOHからなる群の中から選択されたものである。
【0035】
本発明の具体的な例において、化学式2で表される化合物は、下記の化学式2a、2b、2c、または2dで表される化合物である。
[化学式2a]
【化15】

[化学式2b]
【化16】

[化学式2c]
【化17】

[化学式2d]
【化18】

【0036】
発明の好ましい態様において、前記化学式2の
【化19】

は、グリシン、リジン、ヒスチジン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、アルギニン、グルタミン、メチオニン、およびグルタミン酸からなる群から選択された、同一または相異したアミノ酸残基がアミド結合されたペプチドであり、
Rは前記アミノ酸残基の側鎖であり、
nは3乃至7の整数である。
【0037】
より好ましくは、前記ペプチド
【化21】

は、nが3乃至6の整数であるトリ、テトラ、ペンタまたはヘプタペプチドであり、特に好ましくは、グリシン−リジン−ヒスチジン、グリシン−ヒスチジン−リジン、グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン、リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン、およびグルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニンからなる群の中から選択されたものである。
【0038】
また、化学式2のXは−OC(O)(CHC(O)−であり、mは2乃至4、より好ましくは2または3の整数である。
【0039】
特に好ましくは、前記Xは、mが2のスクシニル基である。
【0040】
また、前記−OC(O)(CHCHは、pが10乃至20の整数、より好ましくは12乃至16の整数の脂肪酸であり、特に好ましくは、pが14のパルミテートである。
【0041】
本発明の好ましい具体例において、前記化学式1および化学式2で表される安定化ビタミンC誘導体は、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−6−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−6−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−6−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−6−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−6−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−6−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−6−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−6−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−6−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸、2−ホスホ−6−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)−6−パルミチルアスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)−6−パルミチルアスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)−6−パルミチルアスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)−6−パルミチルアスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)−6−パルミチルアスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)−6−パルミチルアスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)−6−パルミチルアスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)−6−パルミチルアスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)−6−パルミチルアスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)−6−パルミチルアスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸、およびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群の中から選択されたものである。
【0042】
本発明の最も好ましい具体的な例において、前記化学式1および化学式2で表される安定化ビタミンC誘導体は、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸、およびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群の中から選択されたものである。
【0043】
本明細書において、「天然アミノ酸」は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸からなる群の中から選択されたα−アミノ酸を意味する。また、「非天然アミノ酸」は、核酸コドンによって暗号化されないアミノ酸を意味する。その例としては、前記の天然α−アミノ酸のD−異性体、Aib(アミノブチル酸)、bAib(3−アミノイソブチル酸)、Nva(ノルバリン)、β−Ala、Aad(2−アミノアジピン酸)、bAad(3−アミノアジピン酸)、Abu(2−アミノブチル酸)、Gaba(γ−アミノブチル酸)、Acp(6−アミノカプロ酸)、Dbu(2,4−ジアミノブチル酸)、α−アミノピメリン酸、TMSA(トリメチルシリル−Ala)、alle(アロイソロイシン)、Nle(ノルロイシン)、3級−Leu、Cit(シトルリン)、Orn、Dpm(2,2´−ジアミノピメリン酸)、Dpr(2,3−ジアミノプロピオン酸)、α−またはβ−Nal、Cha(シクロヘキシル−Ala)、ヒドロキシプロリン、Sar(サルコシン)など、環状アミノ酸、例えばMeGly(Nα−メチルグリシン)、EtGly(N α−エチルグリシン)、およびEtAsn(Nα−エチルアスパラギン)などのNα−アルキル化アミノ酸、、およびα−炭素が2個の側鎖置換体を有するアミノ酸などが含まれる。
【0044】
また、本明細書において、「ペプチド」とは、アミド結合(またはペプチド結合)で連結された10個以下、好ましくは3乃至10個のアミノ酸残基で構成されるポリマーを意味する。前記ペプチドは、生体内のタンパク質を抽出してタンパク質分解酵素で処理して低分子量化させたもの、または遺伝子組換えおよびタンパク質発現システムを利用して合成されたものである。好ましくは、ペプチドは、ペプチド合成器などによって試験管内で合成されたものである。ペプチドは、特定の原子または原子団が水酸基などに置換された誘導体である。以下、ペプチドのCOOH末端をC末端、NH末端をN末端とする。
【0045】
本発明において、ペプチドは、特にコラーゲン産生ペプチドを含む。前記「コラーゲン産生ペプチド」とは、コラーゲンタンパク質の断片であって、コラーゲンの合成を促進および、コラーゲンタンパク質の構成要素として使用されるペプチドを意味する。例えば、本発明の実施例で使用可能なグリシン−リジン−ヒスチジン、グリシン−ヒスチジン−リジン、グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン、リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン、およびグルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニンからなる群の中から選択されたトリ、テトラ、ペンタ、およびヘプタペプチドは、真皮の内部でコラーゲンおよびグリコサミノグリカンの合成を促進させて、水分保有効率を高め、真皮の弾力を増加させることによって、シワを改善する。特に、ペンタペプチドであるリジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリンは、皮膚結合組織、シワの形成、および保湿と関連して重要なコラーゲンタイプIのC末端断片である。このペプチドは、コラーゲンタイプIとIIIの、およびコラーゲンを生合成する細胞である線維芽細胞の細胞培養中での、細胞間情報伝達が補助するフィブロネクチン、ならびに成長因子であるβ−TGFの合成を促進して(Kou Katayamaetal.,1991,Biochemistry 30:7097−7104)、コラーゲン遺伝子のプロモーターに結合して、その転写を促進すると報告されている(Kou Katayama et al.,1993,Thejournal of Biological Chemistry 268(14):9941−9944)。
【0046】
また、本明細書において、「薬学的に許容可能な塩」とは、薬学的に許容される無機酸、有機酸、または塩基由来の塩を含む。薬学的に許容可能な酸由来の塩の例としては、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸からなる群から選択され得る。薬学的に許容可能な塩基由来の塩の例としては、ナトリウムなどのアルカリ金属、マグネシウムなどのアルカリ土金属、およびアンモニウムなどである。
【0047】
また、本発明において、「アスコルビン酸」とは、「ビタミンC」と同一な意味を持つ。
【0048】
本発明のビタミンC誘導体は、既存のビタミンCが坑酸化活性、皮膚美白、皮膚再生などの皮膚状態改善効果は優れているが、安定性が低いという問題を解決するために発明した。安定性は、ビタミンCのC−2位にリン酸誘導体またはグルコースを導入して安定性が改善されたものであり、さらにC−5位またはC−6位に所定のペプチドを導入して安定性がより改善される。特にペプチドがコラーゲン産生ペプチドである場合には、コラーゲンによるシワの改善、弾力増加などの付加的な皮膚状態改善効果を得ることができる。
【0049】
また他の態様において、本発明は、ビタミンCのC−2位にリン酸誘導体またはグルコースを導入して、ビタミンCのC−2位の水酸基を置換するステップと、C−5位またはC−6位のうちのいずれか1つに−OHまたは炭素数12乃至22の脂肪酸エステルを導入し、他の1つにアミノ酸残基3乃至10個を有するペプチドを導入するステップと、を含む、安定化ビタミンC誘導体の製造方法を提供する。
【0050】
本発明の1つの態様において、本発明の安定化ビタミンC誘導体の製造方法は、下記の化学式6にグルコース、リン酸基、を導入し、またはビタミンCのC−2位の水酸基を置換するステップ(この時、任意にC−3位の水酸基にベンジル基などの保護基を導入する段階を追加的に含む)と、ビタミンCのC−5位またはC−6位のうちのいずれか1つに水酸基を生成させ、他の1つにはジカルボン酸HOOC(CHCOOH(mは2乃至5の整数)をエステル結合させるステップと、およびジカルボン酸とアミノ酸残基を3乃至10個を有するペプチドとをアミド結合させるステップとを含む、化学式1で表されるペプチド分子を有する安定化ビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法である。
【0051】
本発明の一つの態様において、化学式1で表されるビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法は、
下記の化学式3で表される5,6−イソプロピルリジエン−アスコルビン酸を化学式4で表されるベンジルハロゲン化合物と反応させて、5,6−イソプロピルリジエン−アスコルビン酸のC−3位の水酸基にベンジル基を導入させて、化学式5で表されるベンジル基が導入された5,6−イソプロピルリジエン−アスコルビン酸を得るステップと、
化学式5の構造で表されるアスコルビン酸誘導体をの化学式6で表されるホスホロジアミドハロゲン化合物と反応させて、C−2位の水酸基にホスホロジアミドを導入させて、化学式7で表されるベンジル基およびホスホロジアミド基が導入された5,6−イソプロピリデン(isopropylidiene)−アスコルビン酸を得るステップと、
化学式7で表されるアスコルビン酸誘導体を開環させた後、C−5位またはC−6位のうちのいずれか1つに水酸基を生成させ、他の1つに化学式8で表されるジカルボキシル酸を導入させて、化学式9で表されるジカルボキシル酸とエステル結合されたアスコルビン酸誘導体を得るステップと、
化学式9で表されるアスコルビン酸誘導体を下記の化学式10で表されるペプチドとアミド結合させるステップ、およびベンジル基を除去するステップと、
を含むが、これらに限定されない。
[化学式3]
【化21】

[化学式4]
【化22】

[化学式5]
【化23】

[化学式6]
【化24】

[化学式7]
【化25】

[化学式8]
HOOC(CHCOOH
[化学式9]
【化26】

[化学式10]
【化27】

(前記式で、mは2乃至5の整数であり、Bnはベンジルであり、Yは塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素であり、R3’はジメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、またはベンジルアミンであり、R1’およびR2’は各々相異して、−OHまたは−OC(O)(CHC(O)OHであり、R1’およびR2’が同時に−OHまたは−OC(O)(CHC(O)OHではなく、Rは保護された、または保護されていない天然または非天然アミノ酸残基の側鎖であり、nは3乃至10の整数である。)
【0052】
より好ましい形態において、化学式1で表されるビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩は、下記のように製造される。
【0053】
まず、化学式3の5,6−イソプロピルリジエン−アスコルビン酸に化学式4のベンジルハロゲン化合物、好ましくは塩化ベンジル(Y=塩素)を添加して、3乃至5時間、好ましくは4時間、4乃至50℃、好ましくは20乃至30℃、特に好ましくは25℃で反応させて、アスコルビン酸(ビタミンC)のC−3位の水酸基にベンジル基を導入させる。続いて、化学式6のホスホロジアミドハロゲン化合物、好ましくはN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミド塩化物にC−3位の水酸基にベンジル基が導入された化学式5の生成物を添加して、5乃至7時間、好ましくは6時間、4乃至70℃、好ましくは20乃至30℃、特に好ましくは25℃で反応させて、アスコルビン酸のC−3位の水酸基にベンジル基が導入され、C−2位の水酸基にN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミド基が導入された、化学式7で表される生成物を得る。
【0054】
前記生成物に酸、好ましくはトリフルオロ酢酸を添加して、3乃至5時間、好ましくは4時間反応させて、5,6−イソプロピリジエン環を開環させる。続いて、化学式8のジカルボキシル酸、好ましくはコハク酸を添加して、15乃至17時間、好ましくは16時間、4乃至70℃、好ましくは20乃至30℃、特に好ましくは25℃でアスコルビン酸とエステル結合させて、化学式9で表される化合物を形成させる。その後、樹脂上で通常の固体合成法によって保護されたペプチドN末端のNHを前記ジカルボキシル酸にアミド結合させた後、保護基を除去する(脱保護)。
【0055】
前記反応は、無水条件下、例えば無水有機溶媒を使用して行うことができる。前記無水有機溶媒としては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリジノン、ジクロロメタンなどの通常の無水有機溶媒を使用することができ、好ましくはジメチルホルムアミドを使用することができる。さらに、例えば、DCC(N,N´−ジクロロヘキシルカルボイミド)、HOBT(N−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、EDC[N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミド]、PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート)、HBTU[2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート]などの縮合剤を前記反応において使用することができる。
【0056】
本発明のさらなる態様において、本発明の安定化ビタミンC誘導体の製造方法は、
ビタミンCのC−2位の水酸基にグルコース、リン酸基、または下記の化学式6で表されるリン酸誘導体を導入する(この時、必要に応じてC−3位の水酸基にベンジル基などの保護基を導入する段階を追加的に含む)ステップと、
およびビタミンCのC−5位またはC−6位のうちのいずれか1つの水酸基に炭素数12乃至22の脂肪酸エステルを導入し、および他の1つの水酸基にはジカルボン酸HOOC(CHCOOH(mは2乃至5の整数)をエステル結合させた後、アミノ酸残基を3乃至10個有するペプチドとアミド結合させるステップと、
を含む、化学式2で表される、ペプチド分子を有する安定化ビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法である。
【0057】
本発明の態様において、前記化学式2で表されるビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法は、
化学式3で表される5,6−イソプロピリジエン−アスコルビン酸を、化学式4で表されるベンジルハロゲン化合物と反応させて、5,6−イソプロピリジエン−アスコルビン酸のC−3位の水酸基にベンジル基を導入させて、化学式5で表される5,6−イソプロピリジエン−アスコルビン酸を得るステップと、
化学式5で表されるアスコルビン酸誘導体を化学式6で表されるホスホロジアミドハロゲン化合物と反応させて、C−2位の水酸基にホスホロジアミドを導入させて、化学式7で表されるベンジル基およびホスホロジアミドで置換されたされた5,6−イソプロピリジエン−アスコルビン酸を得るステップと、
化学式7で表されるアスコルビン酸誘導体を開環させた後、C−5位またはC−6位の水酸基のうちのいずれか1つは化学式11で表される脂肪酸と反応させ、他の1つは化学式8で表されるジカルボキシル酸と反応させて、化学式12で表される脂肪酸およびジカルボキシル酸がエステル結合されたアスコルビン酸誘導体を得るステップと、
化学式9で表されるアスコルビン酸誘導体に化学式10のペプチドを反応させて、ジカルボン酸とアミド結合させるステップと、
ベンジル基を除去するステップと、
を含むが、これに限定されない。
[化学式3]
【化28】

[化学式4]
【化29】

[化学式5]
【化30】

[化学式6]
【化31】

[化学式7]
【化32】

[化学式8]
HOOC(CHCOOH
[化学式10]
【化33】

[化学式11]
CH(CHCOOH
[化学式12]
【化34】

(前記式で、mは2乃至5の整数であり、Bnはベンジルであり、Yは塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素であり、R3’はジメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、またはベンジルアミンであり、R4’およびR5’は各々相異して、−OC(O)(CHCHまたは−OC(O)(CHC(O)OHであり、R4’およびR5’が同時に−OC(O)(CHCHまたは−OC(O)(CHC(O)OHではなく、Rは保護された、または保護されていない天然または非天然アミノ酸残基の側鎖であり、nは3乃至10の整数であり、およびpは10乃至20の整数である。)
【0058】
より好ましい形態において、本発明の化学式2で表されるビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩は、以下のように製造される。
【0059】
まず、化学式3で表されるアスコルビン酸誘導体に化学式4のベンジルハロゲン化合物、好ましくは塩化ベンジル(Y=塩素)を添加して、3乃至5時間、好ましくは4時間、4乃至70℃、好ましくは20乃至30℃、特に好ましくは25℃で反応させて、アスコルビン酸のC−3位の水酸基がベンジル基に置換された化学式5のアスコルビン酸誘導体を得る。得られたアスコルビン酸誘導体にホスホロジアミドハロゲン化合物、好ましくはN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミド塩化物を添加して、5乃至7時間、好ましくは6時間、4乃至70℃、好ましくは20乃至30℃、特に好ましくは25℃で反応させて、アスコルビン酸のC−3位の水酸基にベンジル基が導入され、C−2位の水酸基にN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミドが導入された化学式7のアスコルビン酸誘導体を得る。アスコルビン酸誘導体に酸、好ましくはトリフルオロ酢酸を添加して、3乃至5時間、好ましくは4時間反応させて、5,6−イソプロピルリジエン環を開環させる。その後、化学式11の脂肪酸、好ましくはパルミチン酸を添加して、15乃至17時間、好ましくは16時間、4乃至70℃、好ましくは20乃至30℃、特に好ましくは25℃で反応させて、前記開環されたアスコルビン酸誘導体のC−5位またはC−6位の水酸基とエステル結合させる。続いて、化学式8のジカルボキシル酸、好ましくはコハク酸を添加して、15乃至17時間、好ましくは16時間、4乃至70℃、好ましくは20乃至30℃、特に好ましくは25℃で反応させて、開環されたアスコルビン酸のC−5位またはC−6位の水酸基のうちの脂肪酸と結合しない水酸基とエステル結合させて、化学式12のアスコルビン酸誘導体を得る。得られたアスコルビン酸誘導体を樹脂上で通常の固体合成法によって保護されたペプチドのN末端のNHを前記ジカルボキシル酸とアミド結合させた後、保護基を除去する。
【0060】
反応は、無水条件下、例えば無水有機溶媒を使用して行うことができる。前記無水有機溶媒としては、全て使用可能で、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリジノン、ジクロロメタンなどの通常の無水有機溶媒を使用することができ、好ましくはジメチルホルムアミドを使用することができる。さらに、例えば、DCC(N,N’−ジクロロヘキシルカルボイミド)、HOBT(N−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、EDC[N−(3−3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミド]、PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロリン酸)、HBTU[2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,3,3−tテトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸]などの縮合剤を前記反応において使用することができる。
【0061】
本発明で使用することができる縮合剤、触媒、および溶媒などは、反応に悪影響を与えない範囲内で、当業界で通常使用される全てのものを使用することができる。
【0062】
得られた化学式1および化学式2で表される本発明のペプチドを含む安定化ビタミンC誘導体は、例えば再結晶またはカラムクロマトグラフィーなどの通常の分離および精製方法を使用して精製することができる。
【0063】
前記化学式1または化学式2で表される化合物を製造するための本発明の製造方法において、水酸基がベンジル基に保護されたアスコルビン酸と連結したペプチドは、固体合成法で製造される。例えば、各々のアスコルビン酸の水酸基を保護した後、保護されない水酸基に選択的にスクシニル基を導入する。その後、スクシニル基が導入されたアスコルビン酸は、樹脂上で通常の固体合成法によって合成されたペプチドのN末端にと反応させて、アスコルビン酸およびペプチドの保護基を除去する。
【0064】
以下の反応式は、固相または溶相での化学式1または化学式2で表されるビタミンC誘導体化合物の合成方法を例示したものである。反応式1は、特に化学式1aおよび化学式1cの化合物の製造工程を示し、反応式2は、特に化学式1bおよび化学式1dの化合物の製造工程を示し、反応式3は、特に化学式2bおよび化学式2dの化合物の製造工程を示し、反応式4は、特に化学式2aおよび化学式2cの化合物の製造工程を示す。
【0065】
[反応式1]
【化35】

a.BnCl、KCO、DMF、25℃、4時間
b.P(O)N(CHCl、DMAP、DCM、25℃、6時間
c.TFA、DCM、25℃、4時間
d.TrtCl、TEA、DCM、25℃、24時間
e.無水コハク酸、DMAP、DCM、25℃、16時間
f.固相合成
g.TFA、25℃、3時間
h.10%Pd/C、MeOH、H、25℃、1時間
i.Dowex 50w−8x、HO、25℃、24時間
(BnCl:塩化ベンジル;KCO:炭酸カリウム;DMF:ジメチルホルムアミド;P(O)N(CHCl:¥テトラメチルホスホロジアミド塩化物;DMAP:ジメチルアミノピリジン;TrtCl:塩酸トリフェニルメチル;TFA:トリフルオロ酢酸;DCM:ジクロロメタン;TEA:トリエチルアミン;MeOH:メタノール;Dowex50w−8x:陽イオン交換樹脂)
【0066】
[反応式2]
【化36】

a.(t−Boc)O、TEA、DCM、25℃、12時間
b.Dowex 50w−8x、MeOH、60℃、24時間
c.無水コハク酸、DMAP、DCM、25℃、16時間
d.固相合成
e.TFA、室温、3時間
f.10%Pd/C、MeOH、H、25℃、1時間
g.Dowex 50w−8x、HO、25℃、24時間
((t−Boc)O:ジ−tert−ブチル−ジカルバメート;TFA:トリフルオロ酢酸;DCM:ジクロロメタン;TEA:トリエチルアミン;MeOH:メタノール;Dowex 50w−8x:陽イオン交換樹脂)
【0067】
[反応式3]
【化37】

a.CH(CH14C(O)Cl、TEA、25℃、16時間
b.Dowex 50w−8x、MeOH、60℃、24時間
c.無水コハク酸、DMAP、DCM、25℃、16時間
d.固相合成
e.TFA、室温、3時間r
f.10%Pd/C、MeOH、H、25℃、1時間
g.Dowex 50w−8x、HO、25℃、24時間
(CH(CH14C(O)Cl:塩化パルミトイル;TFA:トリフルオロ酢酸;DCM:ジクロロメタン;TEA:トリエチルアミン;MeOH:メタノール;Dowex 50w−8x:陽イオン交換樹脂)
【0068】
[反応式4]
【化38】

a.(t−Boc)O、TEA、DCM、25℃、12時間
b.Dowex 50w−8x、MeOH、60℃、24時間
c.CH(CH14C(O)Cl、TEA、25℃、16時間
d.Dowex 50w−8x、MeOH、60℃、48時間
e.無水コハク酸、DMAP、DCM、25℃、16時間
f.固相合成
g.TFA、室温、3時間
h.10%Pd/C、MeOH、H、25℃、1時間
i.Dowex 50w−8x、HO、25℃、24時間
((t−Boc)O:ジ−tert−ブチル−ジカルバメート;CH(CH14C(O)Cl:塩化パルミトイル;TFA:トリフルオロ酢酸;DCM:ジクロロメタン;TEA:トリエチルアミン;MeOH:メタノール;Dowex 50w−8x:陽イオン交換樹脂)
【0069】
また、他の態様において、本発明は、下記の化学式9または化学式12で表される化合物を含むアシル化剤、またはこれを使用するアシル化方法を提供する。
[化学式9]
【化39】

[化学式12]
【化40】

(前記式で、R3’はジメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、またはベンジルアミンであり、R1’およびR2’は各々相異して、−OHまたは−OC(O)(CHC(O)OHであり、R1’およびR2’が同時に−OHまたは−OC(O)(CHC(O)OHではなく、R4’およびR5’は各々相異して、−OC(O)(CHCHまたは−OC(O)(CHC(O)OHであり、R4’およびR5’が同時に−OC(O)(CHCHまたは−OC(O)(CHC(O)OHではない。)
【0070】
上記で説明したように、化学式9または化学式12で表される化合物は、アシル基と置換可能な官能基を有する化合物をアシル化するのに使用され得る。例えば、化学式9または化学式12で表される化合物を、アミノ基を有する化合物と反応させて、アミド結合を生成させることができる。アミノ基を有する化合物は、本明細書に定義されたようなペプチド、またはタンパク質である。
【0071】
前記製造された本発明のペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩は、優れた坑酸化、抗老化、皮膚のシワの改善、美白効果を示すだけでなく、皮膚刺激、感作性、および光毒性などを示さない。さらに、本発明のビタミンC誘導体は皮膚と類似した親油性を有するので、皮膚浸透力が優れている。また、コラーゲン産生ペプチドが結合した場合、このビタミンC誘導体は、皮膚のシワの改善の面で上昇的な効果を示すことができる。また、本発明のビタミンC誘導体は、リン酸誘導体と結合しており、安定性の面でも顕著に改善された効果を有する。
【0072】
したがって、本発明の別の態様において、本発明は、有効成分として化学式1で表される化合物、化学式2で表される化合物、およびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群の中から選択された1種以上を含む、皮膚改善用組成物を提供する。好ましくは、この組成物は経皮投与のために皮膚外用に適用される。有効成分の優れた経皮吸収性および安定性によって、皮膚老化防止、シワの改善、皮膚あれの改善、美白、保湿などにおいて優れた効果を示し、優れた皮膚状態の改善および皮膚状態悪化抑制効果を有する。
【0073】
本明細書において、前記「皮膚外用」という用語は、皮膚の保湿効果、美白効果、シワ抑制効果、皮膚あれの改善効果、経皮吸収促進効果などの多様な効果を示し、皮膚の状態を改善および皮膚の状態の悪化を抑制するために使用されるものを意味する。本発明の皮膚外用剤は、化粧品、医薬品、特に軟膏などの外用医薬品などに使用される。好ましくは、本発明の皮膚外用剤は化粧品として使用され、形態は特に限定されない。
【0074】
本発明による組成物において、有効成分または化学式1で表される化合物、化学式2で表される化合物、およびこれらの薬学的に許容可能な塩からなる群の中から選択された1種以上の物質の含有量は、組成物の適用用途、形態、および目的などによって適切に決定される。有効成分の組成物内の含有量が0.001%未満である場合には、実質的な皮膚改善効果を得ることができないので、有効成分の組成物内の含有量は0.001%以上であるのが好ましい。本発明の好ましい具体例において、本発明の皮膚改善用組成物は、前記有効成分を0.001乃至50%(w/w)、好ましくは0.001乃至5%(w/w)、より好ましくは0.01乃至3%(w/w)の量で含むものである。
【0075】
また、本発明の皮膚改善用組成物は、適用される形態に通常含まれる溶媒を含むものであり、例えばエタノール、グリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセレス−26、メチルグリセス−20、ミスチリン酸イソセチル、ミスチリン酸イソセチル、ミスチリン酸オクチルドデシル、オクチルドデカノール、イソステアリン酸イソステアレート、オクタン酸セチル、およびジカプリン酸ネオペンチルグリコールからなる群の中から選択された1種以上を含む。このような溶媒を使用して本発明の組成物を作製する場合、個々の化合物および溶媒の混合比によって溶媒に対する化合物の溶解度が多少異なる。しかしながら、本発明が属する技術分野の当業者であれば、製品の特性によって使用する溶媒の種類および使用量を適切に選択して適用することができる。また、本発明の皮膚改善用組成物は、適用される形態によって適切な香料、色素、防腐剤、賦形剤などの添加剤を含むことができる。
【0076】
本発明の皮膚改善用組成物は、皮膚用軟膏、皮膚軟化剤、栄養分を含んだローション、栄養クリーム、マッサージクリーム、エッセンス、パックなどの多様な形態に製品化される。例えば、皮膚用軟膏に使用される場合、有効成分もしくは前記化学式1または化学式2の化合物以外に、50.0乃至97.0重量%のワセリンおよび0.1乃至5.0重量%のリン酸ポリオキシエチレノールレール−エーテルを含むことができる。皮膚軟化剤に適用される場合、1.0乃至10.0重量%のプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類および0.05乃至2.0重量%のポリエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油などの界面活性剤を含むように製造されることができる。さらに、栄養分を含んだローションまたは栄養クリームに適用される場合、有効成分に加えて、5.0乃至20.0重量%のスクアラン、ワセリン、オクチルドデカノールなどのオイル類および3.0乃至15.0重量%のエタノール、ステアリルアルコール、蜜蝋などのワックス成分を含むように製造されることができる。また、エッセンスに適用される場合、5.0乃至30.0重量%のグリセリン、プロピレングリコールなどの多価アルコール類を含むことができる。また、マッサージクリームに適用される場合、有効成分に加えて、30.0乃至70.0重量%の流動パラフィン、ワセリン、イソノニルイソナノエートなどのオイルを含むことができる。パックに適用される場合には、5.0乃至20.0重量%のポリビニルアルコールを含むピールオフパック、または5.0乃至30.0重量%の一般使用目的の乳液化粧品およびカオリン、タルク、酸化亜鉛、二酸化チタンなどの顔料を含むウォッシュオフパックに製造されることができる。
【0077】
また、本発明の皮膚改善用組成物は、例えば油分、水、界面活性剤、保湿剤、低級アルコール、増粘剤、キレート剤、色素、防腐剤、香料などの一般化粧品に配合される通常の成分を必要なだけ適用して配合することが可能である。
【0078】
別の態様において、本発明はビタミンCを安定化する方法を提供する。本方法は、
化学式6で表されるグルコースまたはリン酸基またはリン酸誘導体で、ビタミンCのC−2位の水酸基を置換するステップと、
グリシン、リジン、ヒスチジン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、グルタミン酸、メチオニン、グルタミン、およびアルギニンからなる群から選択されるアミノ酸残基を3乃至10個有するペプチド分子を、化学式8で表されるジカルボン酸を介してビタミンCのC−5位またはC−6位に結合するステップと、
を含む。
[化学式6]
【化41】

[化学式8]
HOOC(CHCOOH
(ここで、Yおよびmは上記で定義したものと同じである)
【0079】
ペプチド分子はグリシン−ヒスチジン−リジン、グリシン−リジン−ヒスチジン、グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン、リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン、およびグルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニンから選択されうる。
【0080】
以下で、本発明を実施例を挙げて、より詳細に説明する。これらの例は、しかしながら、いかなる場合も本発明の範囲を限定するものでない。
【実施例】
【0081】
実施例1:3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディク−6−O−トリフェニルメチル−5−O−スクシニル−アスコルビン酸の合成
下記の反応式に示されたように、3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディク−6−O−トリフェニルメチル−5−O−スクシニル−アスコルビン酸を作成した。
【化42】

【0082】
(a)ベンジル基による保護化
5,6−イソプロピリジエン−L−アスコルビン酸(290g、1.34mol)をジメチルホルムアミド2Lに溶解した後、固体の炭酸カリウム(92.7g、0.67mol)を添加した。この溶液に塩化ベンジル(115g、0.67mmol)を添加した後、25℃で4時間攪拌した。減圧下で前記溶液中のジメチルホルムアミドを除去した。ここで得られた溶液を酢酸エチル2Lに溶解させて、水2Lを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この工程を3回繰り返して、水溶性の不純物を除去した。抽出された有機層に無水硫酸ナトリウム500gを添加して、水分を除去した。得られた溶液を減圧下で濃縮して、C−3位の水酸基がベンジル基に保護化された、5,6−イソプロピリジエン−L−アスコルビン酸を300g得た。
【0083】
(b)リン酸誘導体の導入
得られた化合物300gおよびジメチルアミノピリジン120gをジクロロメタン2Lに溶解した。その後、塩化テトラメチルホスホロジアミディク180gを添加して、25℃で6時間攪拌した。減圧下で溶液中のジクロロメタンを除去した。ここで得られた溶液を酢酸エチル2Lに溶解させて、5%の硫酸水素ナトリウム溶液2Lを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この抽出物に無水硫酸ナトリウム500gを添加して、水分を除去した。得られた溶液を減圧下で濃縮して、C−2位にテトラメチルホスホロジアミド基が導入された5,6−イソプロピリジエン−L−アスコルビン酸を300g得た。
【0084】
(c)酸の添加による開環
得られた化合物300gをジクロロメタン800mlに溶解した後、20%(v/v)のトリフルオロ酢酸(TFA)200mlを添加した。25℃で4時間攪拌した。減圧下で溶液中のジクロロメタンおよびTFAを除去した後、再結晶化して、淡黄色で半固体状態の、開環されたアスコルビン酸誘導体250gを得た。
【0085】
(d)C−6位の水酸基の保護化
得られた化合物250gおよびトリエチルアミン64gをジクロロメタン1Lに溶解した後、塩化トリフェニルメチル180gを添加した。25℃で24時間攪拌した。減圧下で溶液中のジクロロメタンを除去した。ここで得られた溶液を酢酸エチル2Lに溶解させて、5%の硫酸水素ナトリウム溶液2Lを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。抽出した有機層に無水硫酸ナトリウム500gを添加して、水分を除去した。得られた溶液を減圧下で濃縮して、C−6位の水酸基が塩化トリフェニルメチルで保護化されたアスコルビン酸誘導体を240g得た。
【0086】
(e)C−5位にコハク酸が導入されたアスコルビン酸誘導体の合成
得られた化合物240gをジクロロメタン2Lに溶解させて、ジメチルアミノピリジン(1.1eq.)およびコハク酸(1.2eq.)を添加した。25℃で16時間攪拌した。減圧下で前記溶液中のジクロロメタンを除去した。得られた溶液を酢酸エチル2Lに溶解させて、5%の硫酸水素ナトリウム溶液2Lを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。抽出した有機層に無水硫酸ナトリウム500gを添加して、水分を除去した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。濃縮された溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて、淡黄色の半固体状態の化合物を270g得た(全体収率:27.1%)。ここで得られた化合物が3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディク−6−O−トリフェニルメチル−5−O−スクシニル−アスコルビン酸であることをNMR分析で確認した。
【0087】
HNMR(CDCl):2.63(tt、4H、CCOOH)、2.7(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−)、5.53(dd、2H、O−C−Ph)、7.33(m、20H、Ar−
【0088】
実施例2:3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディック−5−O−tert−ブチルオキシカルボニル−6−O−スクシニル−アスコルビン酸の合成
下記の反応式に示されたように、3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディック−5−O−tert−ブチルオキシカルボニル−6−O−スクシニル−アスコルビン酸を作成した。
【化43】

【0089】
(a)C−5位の水酸基の保護化
3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディク−6−O−トリフェニルメチル−アスコルビン酸(100g、0.1556mol)およびトリエチルアミン(18g)をジクロロメタン1Lに溶解した。この溶液にジ−tert−ブチルジカバーメイト(37g)を添加して、25℃で12時間攪拌した。減圧下で溶液中のジクロロメタンを除去した。ここで得られた濃縮された溶液を酢酸エチル1Lに溶解した後、5%の硫酸水素ナトリウム溶液1Lを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この工程を3回繰り返して、水に溶解される不純物を除去した。抽出された有機層に無水硫酸ナトリウム300gを添加して、水分を除去した。濾液を減圧下で濃縮して、C−5位の水酸基がtert−ブチロキシカルボニル基に保護化された3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディック−5−O−tert−ブチルオキシカルボニル−6−O−トリフェニルメチル−アスコルビン酸を104g得た。
【0090】
(b)C−6位の脱保護化
得られた化合物104gをメチルアルコール1Lに溶解した後、陽イオン交換樹脂Dowex50w−8xを添加して、60℃で24時間攪拌した。この反応物を濾過して、減圧下でメチルアルコールを除去した。得られた溶液を酢酸エチル1Lに溶解した後、5%の炭酸水素ナトリウム溶液1Lを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この抽出物に無水硫酸ナトリウム300gを添加して、水分を除去した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、C−6位が脱保護化されて水酸基を有する、アスコルビン酸誘導体を63g得た。
【0091】
(c)C−6位にコハク酸が結合したアスコルビン酸誘導体の合成
得られた化合物63gをジクロロメタン1Lに溶解させて、ジメチルアミノピリジン(1.1eq.)およびコハク酸(1.2eq.)を添加した。25℃で16時間攪拌した。減圧下で溶液中のジクロロメタンを除去した。得られた溶液を酢酸エチル1Lに溶解した後、5%の硫酸水素ナトリウム溶液1Lを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この抽出物に無水硫酸ナトリウム300gを添加して、水分を除去した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて、濃縮された溶液より淡黄色の半固体状態の化合物を68g得た(全体収率:25%)。ここで得られた化合物3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディック−5−O−tert−ブチルオキシカルボニル−6−O−スクシニル−アスコルビン酸をNMR分析した結果は下記の通りでる。
【0092】
HNMR(CDCl):1.42(s、9H、OC(C)、2.63(tt、4H、CCOOH)、2.7(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−)、5.53(dd、2H、O−C−Ph)、7.33(m、5H、Ar−
【0093】
実施例3:3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディック−5−O−パルミトイル−6−O−スクシニル−アスコルビン酸の合成
下記の反応式に示されたように、3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディック−5−O−パルミトイル−6−O−スクシニル−アスコルビン酸を製造した。
【化44】

【0094】
(a)C−5位へのパルミトイル基の導入
3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディック−6−O−トリフェニルメチル−アスコルビン酸10gおよびトリエチルアミン2gをジクロロメタン100mlに溶解した後、塩化パルミトイル5gを添加した。25℃で16時間攪拌した。減圧下で溶液中のジクロロメタンを除去した。得られた溶液を酢酸エチル100mlに溶解した後、5%の硫酸水素ナトリウム溶液100mlを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この抽出物に無水硫酸ナトリウム30gを添加して、水分を除去した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、C−5位にパルミトイル基が導入されたアスコルビン酸誘導体を10g得た。
【0095】
(b)C−6位の脱保護化
得られた化合物10gをメチルアルコール100mlに溶解した後、陽イオン交換樹脂Dowex50w−8xを添加した。60℃で24時間攪拌した。濾過後、減圧下でメチルアルコールを除去した。このように得られた濃縮された溶液を酢酸エチル100mlに溶解した後、5%の炭酸水素ナトリウム溶液100mlを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この抽出物に無水硫酸ナトリウム30gを添加して、水分を除去した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、C−6位が脱保護化されて水酸基を有するアスコルビン酸誘導体を5g得た。
【0096】
(c)C−6位へのコハク酸の導入
前記で得られた化合物5gをジクロロメタン50mlに溶解させて、ジメチルアミノピリジン(1.1eq.)およびコハク酸(1.2eq.)を添加した。25℃で16時間攪拌した。減圧下で前記溶液中のジクロロメタンを除去した。得られた溶液を酢酸エチル50mlに溶解した後、5%の硫酸水素ナトリウム溶液50mlを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この抽出物に無水硫酸ナトリウム10gを添加して、水分を除去した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて、濃縮された溶液から淡黄色の半固体状態の化合物を5g得た(全体収率:13.3%)。ここで得られた化合物3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディク−5−O−パルミトイル−6−O−スクシニル−アスコルビン酸をNMR分析した結果は下記の通りである。
【0097】
HNMR(CDCl):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、1.28(m、26H、C(O)C(CH13CH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.59(tt、4H、CCOOH)、2.7(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−)、5.53(dd、2H、O−C−Ph)、7.33(m、5H、Ar−
【0098】
実施例4:3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディック−6−O−パルミトイル−5−O−スクシニル−アスコルビン酸の合成
下記の反応式に示されたように、3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディック−6−O−パルミトイル−5−O−スクシニル−アスコルビン酸を作成した。
【化45】

【0099】
(a)C−5位の水酸基の保護化
3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディック−6−O−トリフェニルメチル−アスコルビン酸(10g、15、56mmol)およびトリエチルアミン(1.8g)をジクロロメタン100mlに溶解した後、この溶液にジ−tert−ブチルジカルバミン酸(3.7g)を添加した。25℃で12時間攪拌した。減圧下で前記溶液中のジクロロメタンを除去した。ここで得られた溶液を酢酸エチル100mlに溶解した後、5%の硫酸水素ナトリウム溶液100mlを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この工程を3回繰り返して、水に溶解される不純物を除去した。抽出された有機層に無水硫酸ナトリウム30gを添加して、水分を除去した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、C−5位の水酸基がtert−ブチルオキシカルボニル基に保護化された3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディック−5−O−tert−ブチロキシカルボニル−6−O−トリフェニルメチル−アスコルビン酸を10g得た。
【0100】
(b)C−6位の脱保護化
得られた化合物10gをメチルアルコール100mlに溶解した後、陽イオン交換樹脂Dowex50w−8xを添加した。60℃で24時間攪拌した。濾過後、減圧下でメチルアルコールを除去した。このように得られた濃縮された溶液を酢酸エチル100mlに溶解した後、5%の炭酸水素ナトリウム溶液100mlを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この抽出物に無水硫酸ナトリウム30gを添加して、水分を除去した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、C−6位が脱保護化されて水酸基を有するアスコルビン酸誘導体を6.3g得た。
【0101】
(c)C−6位へのパルミトイル基の導入
得られた化合物6.3gおよびトリエチルアミン2gをジクロロメタン100mlに溶解した後、塩化パルミトイル5gを添加した。25℃で16時間攪拌した。減圧下で前記溶液中のジクロロメタンを除去した。濃縮された溶液を酢酸エチル100mlに溶解した後、5%の硫酸水素ナトリウム溶液100mlを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この抽出物に無水硫酸ナトリウム30gを添加して、水分を除去した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、C−6位にパルミトイル基が導入されたアスコルビン酸誘導体を10g得た。
【0102】
(d)C−5位の脱保護化
得られた化合物10gをメチルアルコール100mlに溶解した後、陽イオン交換樹脂Dowex50w−8xを添加した。60℃で48時間攪拌した。この反応物をろ過して、減圧下でメチルアルコールを除去した。得られた溶液を酢酸エチル100mlに溶解した後、5%の炭酸水素ナトリウム溶液100mlを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この抽出物に無水硫酸ナトリウム30gを添加して、水分を除去した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮して、C−5位が脱保護化されて水酸基を有するアスコルビン酸誘導体を5g得た。
【0103】
(e)C−5位へのコハク酸の導入
前記で得られた化合物5gをジクロロメタン50mlに溶解させて、ジメチルアミノピリジン(1.1eq.)およびコハク酸(1.2eq.)を添加した。25℃で16時間攪拌した。減圧下で溶液中のジクロロメタンを除去した。濃縮された溶液を酢酸エチル50mlに溶解した後、5%の硫酸水素ナトリウム溶液50mlを添加した。分液ロートを用いて有機層を抽出した。この抽出物に無水硫酸ナトリウム10gを添加して、水分を除去した。濾過後、濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて、濃縮された溶液より淡黄色の半固体状態の化合物を4.8g得た(全体収率:12%)。ここで得られた化合物3−O−ベンジル−2−O−テトラメチルホスホロジアミディック−6−O−パルミトイル−5−O−スクシニル−アスコルビン酸をNMR分析した結果は下記の通りである。
【0104】
HNMR(CDCl):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、2.53(t、2H、C(O)CH(C13CH)、2.59(tt、4H、CCOOH)、2.7(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−)、5.53(dd、2H、O−C−Ph)、7.33(m、5H、Ar−
【0105】
実施例5:ペプチドの合成
本発明に使用される多様な種類のペプチドの合成は、Fmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル)をNα−アミノ酸の保護基として使用する固体法によって合成した。HOBt−DCC(N−ヒドロキシベンゾトリアゾール−ジシクロヘキシルカルボジイミド(carodiimide))法によってペプチドを延長した(Wang C.Chan,Perter D.white,“Fmoc solid phase peptide synthesis”Oxford)。グリシン−ヒスチジン−リジン(GHK)、グリシン−リジン−ヒスチジン(GKH)、グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン(GPO)、リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン(KTTKS)、グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン(EEMQRR)ペプチドを合成した。
【0106】
実施例6:ペプチドが結合した安定化ビタミンC誘導体の合成
6−1:化学式1aの化合物の合成
N末端のアミノ酸までカップリングされた、実施例5で合成されたペプチド(1mmol)に、20%のピペリジン/N−メチルピロリドン溶液50mlを添加してFmoc基を除去した。N−メチルピロリドンおよびジクロロメタンで洗浄した後、実施例1で合成されたビタミンC誘導体をカップリングさせた。カップリング終了後、N−メチルピロリドンおよびジクロロメタンで数回洗浄後、窒素ガスで乾燥させた。ここに、トリフルオロ酢酸50mlを添加して、25℃で3時間反応させて、ペプチド保護基およびビタミンCのC−6位に結合されたアルコール基を保護しているトリフェニルメチル基を除去した。レジンからペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体を分離させた後、ジエチルエーテルでペプチドを沈殿させた。
【0107】
ビタミンCのC−3位に結合されたアルコール基を保護しているベンジル基を除去するために、10%のPd/C0.1gをメタノール50mlに添加して、水素雰囲気下、25℃で約1時間攪拌した。セライトを使用してPd/Cを除去して得られた濾液を減圧濃縮した。得られたビタミンC誘導体は、0.1%のトリフルオロ酢酸およびセライトが含まれるアセトニトリルを用いて、逆相高速液体クロマトグラフィーカラム(Zobax、C8300Å、21.1mm×25cm)で精製することによって、化学式1aで表される、ペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体を0.5g得た(下記の表1の化合物番号Ia−1乃至Ia−5の化合物)。
【0108】
6−2:化学式1bの化合物の合成
N末端のアミノ酸までカップリングされた、実施例5で合成されたペプチド(1mmol)に20%のピペリジン/N−メチルピロリドン溶液50mlを添加して、Fmoc基を除去した。N−メチルピロリドンおよびジクロロメタンで洗浄した後、実施例2で合成されたビタミンC誘導体をカップリングさせた。カップリング終了後、N−メチルピロリドンおよびジクロロメタンで数回洗浄した後、窒素ガスで乾燥させた。その後、トリフルオロ酢酸50mlを添加して、25℃で3時間反応させて、ペプチド保護基およびビタミンCのC−5位に結合されたアルコール基を保護しているtertブチロキシカルボニル基を除去した。レジンからペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体を分離させた後、ジエチルエーテルでペプチドを沈殿させた。
【0109】
ビタミンCのC−3位に結合されたアルコール基を保護しているベンジル基を除去するために、10%のPd/C0.1gをメタノール50mlに添加して、水素雰囲気下、25℃で約1時間攪拌した。セライトを使用してPd/Cを除去した後、得られた濾液を減圧濃縮した。得られたビタミンC誘導体は、0.1%のトリフルオロ酢酸およびセライトが含まるアセトニトリルを用いて、逆相高速液体クロマトグラフィーカラム(Zobax、C8300Å、21.1mm×25cm)で精製することによって、化学式1bで表される、ペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体を0.5g得た(下記の表1の化合物番号Ib−1乃至Ib−5の化合物)。
【0110】
6−3:化学式1cの化合物の合成
実施例6−1で合成した化学式1aの化合物0.5gを3次精製水50mlに溶解した後、陽イオン交換樹脂Dowex50w−8x0.5gを添加した。25℃で24時間攪拌した。濾過後、濾液にエタノール500mlを添加することで固体を生成、濾過および真空乾燥することによって、化学式1cで表される、ペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体を0.4g合成した(下記の表1の化合物番号Ic−1乃至Ic−5の化合物)。
【0111】
6−4:化学式1dの化合物の合成
実施例6−2で合成した化学式1bの化合物0.5gを3次精製水50mlに溶解した後、陽イオン交換樹脂Dowex50w−8x0.5gを添加した。25℃で24時間攪拌した。濾過後、濾液にエタノール500mlを添加することで固体を生成、濾過および真空乾燥することによって、化学式1dで表される、ペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体0.4gを合成した(下記の表1の化合物番号Id−1乃至Id−5の化合物)。
【0112】
6−5:化学式2aの化合物の合成
N末端のアミノ酸までカップリングされた前記実施例5で合成されたペプチド(1mmol)に20%のピペリジン/N−メチルピロリドン溶液50mlを添加して、Fmoc基を除去した。N−メチルピロリドンおよびジクロロメタンで洗浄した後、実施例3で合成されたビタミンC誘導体をカップリングさせた。カップリング終了後、N−メチルピロリドンおよびジクロロメタンで数回洗浄した後、窒素ガスで乾燥させた。その後、トリフルオロ酢酸50mlを添加して、25℃で3時間反応させて、ペプチド保護基を除去した。レジンからペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体を分離させた後、ジエチルエーテルにペプチドを沈殿させた。
【0113】
ビタミンCのC−3位に結合されたアルコール基を保護しているベンジル基を除去するために、10%のPd/C0.1gをメタノール50mlに添加して、水素雰囲気下、25℃で約1時間攪拌した。セライトを使用してPd/Cを除去した後、得られた濾液を減圧濃縮した。得られたビタミンC誘導体は、0.1%のトリフルオロ酢酸およびセライトが含まれるアセトニトリルを用いて、逆相高速液体クロマトグラフィーカラム(Zobax、C8300Å、21.1mm×25cm)で精製することによって、化学式2aで表される、ペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体を0.6g得た(下記の表1の化合物番号IIa−1乃至IIa−5の化合物)。
【0114】
6−6:化学式2bの化合物の合成
N末端のアミノ酸までカップリングされた前記実施例5で合成されたペプチド(1mmol)に20%のピペリジン/N−メチルピロリドン溶液50mlを添加して、Fmoc基を除去した。N−メチルピロリドンおよびジクロロメタンで洗浄した後、実施例4で合成されたビタミンC誘導体をカップリングさせた。カップリング終了後、N−メチルピロリドンおよびジクロロメタンで数回洗浄した後、窒素ガスで乾燥させた。その後、トリフルオロ酢酸50mlを添加して、25℃で3時間反応させて、ペプチド保護基を除去した。レジンからペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体を分離させた後、ジエチルエーテルにペプチドを沈殿させた。
【0115】
ビタミンCのC−3位に結合されたアルコール基を保護しているベンジル基を除去するために、10%のPd/C0.1gをメタノール50mlに添加して、水素雰囲気下、25℃で約1時間攪拌した。セライトを使用してPd/Cを除去した後、得られた濾液を減圧濃縮した。得られたビタミンC誘導体は、0.1%のトリフルオロ酢酸およびセライトが含まれるアセトニトリルを用いて、逆相高速液体クロマトグラフィーカラム(Zobax、C8300Å、21.1mm×25cm)で精製することによって、化学式2bで表される、ペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体を0.6g得た(下記の表1の化合物番号IIb−1乃至IIb−5の化合物)。
【0116】
6−7:化学式2cの化合物の合成
実施例6−5で合成した化学式2aの化合物0.5gを3次精製水50mlに溶解した後、陽イオン交換樹脂Dowex50w−8x0.5gを添加した。25℃で24時間攪拌した。濾過後、濾液にエタノール500mlを添加することで固体を生成、濾過および真空乾燥することによって、化学式2cで表される、ペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体を0.5g得た(下記の表1の化合物番号IIc−1乃至IIc−5の化合物)。
【0117】
6−8:化学式2dの化合物の合成
実施例6−2で合成した化学式1bの化合物0.5gを3次精製水50mlに溶解した後、陽イオン交換樹脂Dowex50w−8x0.5gを添加した。25℃で24時間攪拌した。濾過後、濾液にエタノール500mlを添加することで固体を生成、濾過および真空乾燥することによって、化学式2dで表されるペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体を0.5g合成した(下記の表1の化合物番号IId−1乃至IId−5の化合物)。
【0118】
【表1】


【0119】
表1で、化合物番号Ia、Ib、Ic、Id、IIa、IIb、IIc、およびIIdは各々化学式1a、1b、1c、1d、2a、2b、2c、および2dの化合物を示す。
【0120】
化合物Ia−1に対するH NMR(DO):0.95(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.55(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.21(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0121】
化合物Ia−2に対するH NMR(DO):0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0122】
化合物Ia−3に対するH NMR(DO):0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0123】
化合物Ia−4に対するH NMR(DO):2.01(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、3.51(m、ペプチド−H)、4.09(s、2H、ペプチド−H)、4.40(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0124】
化合物Ia−5に対するH NMR(DO):0.91(m、ペプチド−H)、1.55(m、ペプチド−H)、2.13(m、ペプチド−H)、2.42(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.61(m、ペプチド−H)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.53(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0125】
化合物Ib−1に対するH NMR(DO):0.95(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.55(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.21(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0126】
化合物Ib−2に対するH NMR(DO):0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0127】
化合物Ib−3に対するH NMR(DO):0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0128】
化合物Ib−4に対するH NMR(DO):2.01(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、3.51(m、ペプチド−H)、4.09(s、2H、ペプチド−H)、4.40(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0129】
化合物Ib−5に対するH NMR(DO):0.91(m、ペプチド−H)、1.55(m、ペプチド−H)、2.13(m、ペプチド−H)、2.42(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.61(m、ペプチド−H)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.53(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0130】
化合物Ic−1に対するH NMR(DO):0.95(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.55(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.21(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0131】
化合物Ic−2に対するH NMR(DO):0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0132】
化合物Ic−3に対するH NMR(DO):0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0133】
化合物Ic−4に対するH NMR(DO):2.01(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、3.33(tt、2H、C−6−)、3.51(m、ペプチド−H)、4.09(s、2H、ペプチド−H)、4.40(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0134】
化合物Ic−5に対するH NMR(DO):0.91(m、ペプチド−H)、1.55(m、ペプチド−H)、2.13(m、ペプチド−H)、2.42(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.61(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.53(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0135】
化合物Id−1に対するH NMR(DO):0.95(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.55(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.21(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0136】
化合物Id−2に対するH NMR(DO):0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0137】
化合物Id−3に対するH NMR(DO):0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0138】
化合物Id−4に対するH NMR(DO):2.01(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、3.33(tt、2H、C−6−)、3.51(m、ペプチド−H)、4.09(s、2H、ペプチド−H)、4.40(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0139】
化合物Id−5に対するH NMR(DO):0.91(m、ペプチド−H)、1.55(m、ペプチド−H)、2.13(m、ペプチド−H)、2.42(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.61(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.53(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0140】
化合物IIa−1に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.95(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.55(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.21(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0141】
化合物IIa−2に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH2(CH13)、0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.66(m、peptide−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0142】
化合物IIa−3に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0143】
化合物IIa−4に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、2.01(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、3.51(m、ペプチド−H)、4.09(s、2H、ペプチド−H)、4.40(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0144】
化合物IIa−5に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.91(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.55(m、ペプチド−H)、2.13(m、ペプチド−H)、2.42(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.61(m、ペプチド−H)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.53(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0145】
化合物IIb−1に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.95(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.55(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.21(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0146】
化合物IIb−2に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0147】
化合物IIb−3に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0148】
化合物IIb−4に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、2.01(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、3.51(m、ペプチド−H)、4.09(s、2H、ペプチド−H)、4.40(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0149】
化合物IIb−5に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.91(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.55(m、ペプチド−H)、2.13(m、ペプチド−H)、2.42(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.61(m、ペプチド−H)、2.70(m、12H、P(O)(N(C)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.53(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0150】
化合物IIc−1に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.95(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.55(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.21(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0151】
化合物IIc−2に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0152】
化合物IIc−3に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0153】
化合物IIc−4に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、2.01(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、3.33(tt、2H、C−6−)、3.51(m、ペプチド−H)、4.09(s、2H、ペプチド−H)、4.40(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0154】
化合物IIc−5に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.91(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.55(m、ペプチド−H)、2.13(m、ペプチド−H)、2.42(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.61(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.53(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0155】
化合物IId−1に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.95(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.55(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.21(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0156】
化合物IId−2に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)CH(C13CH)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0157】
化合物IId−3に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.93(m、ペプチド−H)、1.22(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.66(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、3.17(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.08(s、2H、ペプチド−H)、4.55(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0158】
化合物IId−4に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、2.01(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、3.33(tt、2H、C−6−)、3.51(m、ペプチド−H)、4.09(s、2H、ペプチド−H)、4.40(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0159】
化合物IId−5に対するH NMR(DO):0.88(t、3H、C(O)CH(CH13)、0.91(m、ペプチド−H)、1.28(m、26H、C(O)CH(C13CH)、1.55(m、ペプチド−H)、2.13(m、ペプチド−H)、2.42(m、ペプチド−H)、2.52(m、4H、CCONH)、2.53(t、2H、C(O)C(CH13CH)、2.61(m、ペプチド−H)、3.33(tt、2H、C−6−)、4.53(m、ペプチド−H)、4.98(s、1H、C−5−)、5.43(t、H、C−4−
【0160】
実験実施例1:コラーゲン生合成能
ヒト皮膚線維芽細胞に本発明の有効活性物質を添加して、細胞レベルでコラーゲン合成促進効果を試験した。
【0161】
生合成されたコラーゲンは、ELISAアッセイ法で測定した。有効成分物質は対照群には添加しなかった。対照群を100%にして、相対的なコラーゲン生成能を計算した。詳細な実験方法は、下記の通りである。
【0162】
3,000個のヒト新生児皮膚線維芽細胞(Cambrex)を、細胞培養用96ウェルプレートに一定に分注して、0.1%のFBS(ウシ胎児血清)が含まれているDMEM(Dulbecco's Modified Eagle Media、Gibco BRL)中で、37℃、5%COの条件下、インキュベーター中で24時間培養した。0.1%のFBSが含まれているDMEM中に、試験物質を各々10μMの濃度で溶解させた。各々の200μlを細胞に処理した後、72時間培養した。上清をtype1コラーゲン抗体がコーティングされている96ウェルプレートで処理した。常温で2時間反応させた後、上清を除去した。0.05%のTween20が含まれているPBS(PBST)で洗浄し、ビオチン結合2次抗体で96ウェルプレートを常温で1時間反応させた。反応終了後、上清を除去した。PBST洗浄後、結合したコラーゲンを測定するために、SA−HRP(ストレプトアビジン−セイヨウワサビペルオキシターゼ、シグマ社製)を結合させた。TMB(3,3’−5,5’ テトラメチルベンジジン、シグマ社製)で処理後、光を遮断して常温で15分間反応させた。反応は1N硫酸で停止させて、450nmで吸光度を測定した。
【0163】
結果を図1に示した。図1からわかるように、、本発明の化合物Ic−1は、ビタミンC(Vc)、アスコビルリン酸マグネシウム(MAP)、スクシノイルアスコビルペンタペプチド(Vc−KTTKS)、およびパルミトイルペンタペプチド(Pal−KTTKS)などの化合物よりはるかに優れたコラーゲン生合成能を示した。本発明の化合物Ic−2、Ic−3、Ic−4、およびIc−5もまた、優れたコラーゲン生合成能を有することが確認された。よって、本発明の化合物Ic−1、Ic−2、Ic−3、Ic−4、およびIc−5は、安定性の改善効果に加えて、優れたコラーゲン生合成能を有するという事実を立証するものである。
【0164】
実験実施例2:細胞毒性評価
化粧品に使用される原料としての1次安全性を検証するために、本発明の化合物Ic−1、Ic−2、Ic−3、Ic−4、およびIc−5、およびビタミンC(Vc)、アスコビルリン酸マグネシウム(MAP)、スクシノイルアスコビルペンタペプチド(Vc−KTTKS)、およびパルミトイルペンタペプチド(Pal−KTTKS)の細胞毒性を確認した。細胞毒性確認のために、3,000個のヒト新生児皮膚線維芽細胞(Cambrex)を細胞培養用96ウェルプレートに分注して、0.1%のFBSが含まれているDMEM(Gibco BRL)中で、37℃、5%COの条件下、インキュベーター中24時間で培養した。細胞毒性は、試験物質で処理して48時間後に、MTT アッセイ法(MossmanT.,1983,Journal of Immunological Methods65,55−63)によって測定した。
【0165】
結果を図2に示した。図2からわかるように、本発明の化合物Ic−1は、ビタミンC(Vc)、スクシノイルアスコビルペンタペプチド(Vc−KTTKS)、およびパルミトイルペンタペプチド(Pal−KTTKS)と比較する時、5mMの濃度でも細胞毒性が現れなかった。さらに、本発明の他の化合物Ic−2、Ic−3、Ic−4、およびIc−5も、5mMで細胞毒性が現れなかった。よって、本発明の化合物が優れた安全性を有するということが立証された。
【0166】
実験実施例3:安定性の評価
本発明の化合物Ia−1、Ic−1、ビタミンC、アスコビルリン酸マグネシウム、およびスクシノイルアスコビルペンタペプチドを各々10μg/mlになるように3次精製水に溶解させた。25℃および50℃で30日間保管して、UV(254nm)での吸光度の変化によって、試験物質の安定性を評価した。
【0167】
【表2】

【0168】
表2に示したように、本発明の化合物は、ビタミンCおよびスクシノイルアスコビルペンタペプチドより優れた安定性を示した。その上、既存の最も安定したビタミンC誘導体として知られていたアスコビルリン酸マグネシウムと同等以上の安定性を示した。さらに、本発明の化合物は、優れたコラーゲン生合成能も示す。
【0169】
実験実施例1乃至3で得られた結果からわかるように、本発明のビタミンC誘導体化合物は、既存の最も安定したビタミンC誘導体として知られていた物質と同等以上の安定性および低い細胞毒性を示し、および優れたコラーゲン生合成能を有する。よって、本発明のビタミンC誘導体化合物は、皮膚状態の改善に使用しうる。
【0170】
上記の記載から明らかになったように、本発明のコラーゲン生成ペプチドが結合した安定化ビタミンC誘導体は、安定性、安全性、皮膚浸透力などが向上して、皮膚刺激などの毒性がない。皮膚状態の改善および悪化抑制に非常に効果的であるので、本発明のコラーゲン生成ペプチドが結合した安定化ビタミンC誘導体は、皮膚用薬品、化粧品などの産業分野に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1で表されるビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩。
[化学式1]
【化1】

(前記式で、R1およびR2は各々相異して、−OHまたは
【化2】

であり、
Xは−OC(O)(CHC(O)−であり、
【化3】

は、グリシン、リジン、ヒスチジン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、グルタミン酸、メチオニン、グルタミン、およびアルギニンからなる群の中から選択された同一または相異したアミノ酸残基がアミド結合されたペプチドであり、
Rは前記アミノ酸残基の側鎖であり、
nは3乃至10の整数であり、
mは2乃至5の整数であり、
Wは
【化4】

またはグルコースであり、
R3は−N(CH、−N(CHCH、−NHCHCHCH、−NHCH、およびOHからなる群の中から選択されたものである。)
【請求項2】
前記R1は
【化5】

であり、前記R2は−OHである、請求項1に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
前記nは3乃至6の整数であり、前記mは2である、請求項1に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
前記
【化6】

は、グリシン−ヒスチジン−リジン、グリシン−リジン−ヒスチジン、グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン、リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン、およびグルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニンから選択されるペプチドである、請求項3に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
前記R3はジメチルアミンまたは水酸基である、請求項1に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
前記ビタミンC誘導体は、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸、および2−ホスホ−5−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸からなる群の中から選択されたものである、請求項1に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
下記の化学式2で表されるビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩。
[化学式2]
【化7】

(前記式で、R4およびR5は各々相異して、−OC(O)(CHCHまたは
【化8】

であり、
Xは−OC(O)(CHC(O)−であり、
【化9】

は、グリシン、リジン、ヒスチジン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、グルタミン酸、メチオニン、グルタミン、およびアルギニンからなる群の中から選択された同一または相異したアミノ酸残基がアミド結合されたペプチドであり、
Rは前記アミノ酸残基の側鎖であり、
nは3乃至10の整数であり、
mは2乃至5の整数であり、
pは10乃至20の整数であり、
Wは
【化10】

またはグルコースであり、
R3は−N(CH、−N(CHCH、−NHCHCHCH、−NHCH、およびOHからなる群の中から選択されたものである。)
【請求項8】
前記R4は−OC(O)(CHCHであり、前記R5は
【化11】

である、請求項7に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
前記nは3乃至6の整数であり、前記mは2であり、pは14である、請求項7に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
前記
【化12】

は、グリシン−ヒスチジン−リジン、グリシン−リジン−ヒスチジン、グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン、リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン、およびグルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニンからなる群の中から選択されたペプチドである、請求項7に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
前記R3はジメチルアミンおよび水酸基からなる群の中から選択されたものである、請求項7に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
前記ビタミンC誘導体は、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−リジン−ヒスチジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−ヒスチジン−リジン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン)アスコルビン酸、2−テトラメチルホスホロジアミディック−5−パルミチル−6−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸、および2−ホスホ−5−パルミチル−6−(スクシニル−グルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニン)アスコルビン酸からなる群の中から選択されたものである、請求項7に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
ビタミンCの2’位の水酸基にグルコース、リン酸基、または下記の化学式6のリン酸誘導体を導入するステップと、
ビタミンCの5’位または6’位のうちのいずれか1つに水酸基を生成させ、および他の1つには下記の化学式8のジカルボン酸をエステル結合させるステップと、
グリシン、リジン、ヒスチジン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、グルタミン酸、メチオニン、グルタミン、およびアルギニンからなる群の中から選択されたアミノ酸残基3乃至10個を有するペプチドをアミド結合させるステップと、
を含む、請求項1乃至請求項6のうちのいずれか一項で定義される化学式1で表されるペプチドが結合された安定化ビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法。
[化学式1]
【化13】

[化学式6]
【化14】

[化学式8]
HOOC(CHCOOH
(前記式で、
R3’はジメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、およびベンジルアミンからなる群の中から選択されたものであり、
Yは塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素からなる群の中から選択されたものであり、
mは2乃至5の整数である。)
【請求項14】
前記ペプチド内のアミノ酸残基は3乃至6個であり、mは2であり、Yは塩素である、請求項13に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法。
【請求項15】
前記R3’はジメチルアミンである、請求項13に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法。
【請求項16】
ビタミンCの2’位の水酸基にグルコース、リン酸基、または下記の化学式6のリン酸誘導体を導入するステップと、
ビタミンCの5’位または6’位のうちのいずれか1つの水酸基に下記の化学式11の脂肪酸を結合させ、および他の1つの水酸基に下記の化学式8のジカルボン酸をエステル結合させるステップと、
グリシン、リジン、ヒスチジン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、グルタミン酸、メチオニン、グルタミン、およびアルギニンからなる群の中から選択されたアミノ酸残基3乃至10個を有するペプチドとアミド結合させるステップと、
を含む、請求項7項乃至請求項12のうちのいずれか一項で定義される化学式2で表されるペプチドが結合した、安定化ビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法。
[化学式2]
【化15】

[化学式6]
【化16】

[化学式8]
HOOC(CHCOOH
[化学式11]
CH(CHCOOH
(前記式で、
R3’はジメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、およびベンジルアミンからなる群の中から選択されたものであり、
Yは塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素からなる群の中から選択されたものであり、
mは2乃至5の整数であり、
pは10乃至20の整数である。)
【請求項17】
前記ペプチド内のアミノ酸残基は3乃至6個であり、前記mは2であり、前記Yは塩素である、請求項16に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法。
【請求項18】
前記R3’はジメチルアミンである、請求項16に記載のビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩の製造方法。
【請求項19】
下記の化学式9または化学式12で表される化合物を含む、ペプチドまたはタンパク質のアシル化剤。
[化学式9]
【化17】

[化学式12]
【化18】

(前記式で、
R3’はジメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、またはベンジルアミンであり、
R1’およびR2’は各々相異して、−OHまたは−OC(O)(CHC(O)OHであり、R1’およびR2’が同時に−OHまたは−OC(O)(CHC(O)OHではなく、
R4’およびR5’は各々相異して、−OC(O)(CHCHまたは−OC(O)(CHC(O)OHであり、R4’およびR5’が同時に−OC(O)(CHCHまたは−OC(O)(CHC(O)OHではなく、
mは2乃至5の整数であり
pは10乃至20の整数である。)
【請求項20】
下記の化学式9または化学式12で表される化合物を使用する、ペプチドまたはタンパク質のアシル化方法。
[化学式9]
【化19】

[化学式12]
【化20】

(前記式で、
R3’はジメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、またはベンジルアミンであり、
R1’およびR2’は各々相異して、−OHまたは−OC(O)(CHC(O)OHであり、R1’およびR2’が同時に−OHまたは−OC(O)(CHC(O)OHではなく、
R4’およびR5’は各々相異して、−OC(O)(CHCHまたは−OC(O)(CHC(O)OHであり、R4’およびR5’が同時に−OC(O)(CH2)CHまたは−OC(O)(CHC(O)OHではなく、
mは2乃至5の整数であり
pは10乃至20の整数である。)
【請求項21】
請求項1乃至請求項12のうちのいずれか一項で定義されるビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩からなる群の中から選択された1種以上を有効成分として含む、皮膚老化防止用組成物。
【請求項22】
請求項1乃至請求項12のうちのいずれか一項で定義されるビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩からなる群の中から選択された1種以上を有効成分として含む、皮膚シワ改善用組成物。
【請求項23】
請求項1乃至請求項12のうちのいずれか一項で定義されるビタミンC誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩からなる群の中から選択された1種以上を有効成分として含む、皮膚美白用組成物。
【請求項24】
ビタミンCの2’位の水酸基にグルコース、リン酸基、または下記の化学式6のリン酸誘導体を導入するステップと、
下記の化学式8のジカルボン酸を介して、ビタミンCの5’位または6’位のうちのいずれか1つにグリシン、リジン、ヒスチジン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、スレオニン、グルタミン酸、メチオニン、グルタミン、およびアルギニンからなる群の中から選択されたアミノ酸残基3乃至10個を有するペプチド分子を結合させる段階を含む、ビタミンCの安定化方法。
[化学式6]
【化21】

[化学式8]
HOOC(CHCOOH
(前記式で、Yは、塩素、臭素、フッ素、およびヨードからなる群の中から選択されたものであり、
mは2乃至5の整数である。)
【請求項25】
前記ペプチド分子は、グリシン−ヒスチジン−リジン、グリシン−リジン−ヒスチジン、グリシン−プロリン−ヒドロキシプロリン、リジン−スレオニン−スレオニン−リジン−セリン、およびグルタミン酸−グルタミン酸−メチオニン−グルタミン−アルギニン−アルギニンからなる群の中から選択されたものである、請求項24に記載のビタミンCの安定化方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2009−541306(P2009−541306A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516387(P2009−516387)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【国際出願番号】PCT/KR2006/003520
【国際公開番号】WO2007/148847
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(505404220)ペプトロン カンパニー リミテッド (6)
【Fターム(参考)】