説明

ペンタフルオロスルファニルナフタレンの合成

【課題】フッ素導入に有用な2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、それらの置換誘導体およびそれらの生産方法を提供する。
【解決手段】3段階プロセスを用い、1,4−ジヒドロナフタレンをペンタフルオロスルファニルハライドと反応させた。次に、該得られた3−ハロ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン又は誘導体を、塩基処理によって、2−ペンタフルオロスルファニル−1,4−ジヒドロナフタレン又は誘導体に転化し、続いて水素原子を除去することによって、ペンタフルオロスルファニルナフタレンに転化した。
【効果】トリフルオロメチル基の代替物となる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
有機化合物中へフッ素を導入すると、生物活性及び電気陰性度等の物理的特性及び化学的特性に強い影響を及ぼすことが知られている。上記化合物中にフッ素を導入するための効果的な手段として、トリフルオロメチル基が用いられている。トリフルオロメチルを導入する別の方法は、サルファーペンタフルオリドの付加である。SF5の高い電気陰性度はポーリング単位で3.62であり、電子吸引性が比較的高いことで、多くの商業的製品(染料、麻酔薬、フルオロポリマー、電子部品、及び化学療法薬等)に含まれるトリフルオロメチル基(CF3)の代替物として注目されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
芳香族化合物のペンタフルオロスルファニル誘導体が作り出されているが、有用な合成ルートが無いため、これらの化合物の研究は制限されている。縮合芳香族化合物にSF5を付加することは、知られていない。
サルファーペンタフルオリド基の有機化合物への付加について具体的に説明する典型的な製品及び特許は、次の通りである。
【0003】
米国特許第6,479,645号明細書は、種々の有機化合物に対する前駆体として有用な置換されたエチン化合物と、シリルサルファーペンタフルオリドとを開示している。置換されたシリルアセチレン化合物が、ビニルペンタフルオロスルファニル中間体を形成するような条件下で、SF5ハライドと反応し、塩基の付加が続く。トリメチルシリルアセチレンへのSF5Brの付加によって、ペンタフルオロスルファニル−2−トリメチルシリルエチン生成物が生じる。
【0004】
米国公開特許公報第2003/0216476A1号明細書には、ペンタフルオロスルファニルベンゾイルグアニジンの調製が開示されている。これらの化合物は、抗不整脈剤(antiarrythmic agent)として好適であり、そして狭心症の治療用に好適であることが見出された。
日本国公開特許公報第2004/059452A号明細書には、SF5基を有するN−リボ−ベンズイミダゾールの調製が開示されている。該化合物は、効果的な抗ウイルス薬かつ抗ガン剤であることが見出された。
【0005】
Kirschらは、Agnew.Chem.Int.Ed.1999,38,13,1989における論文「Liquid Crystals Based Upon Hypervalent Sulfer Fluorides:Pentafluorosulfanyl」において、液晶としてアリールサルファーペンタフルオリドを適用することを開示し、そしてCF3基よりもSF5基の電気光学特性が優れることを実証した。不活性化した芳香族化合物の二硫化物を直接フッ素化することで、ペンタフルオロスルファニルベンゼン誘導体を精製した。
【0006】
Sheppard及び共同研究者は、J.Am.Chem.Soc.1962,84,3064における論文「Arylsulfer Pentafluorides」において、約30%の収率でニトロフェニルサルファーペンタフルオリド及びフェニルサルファーペンタフルオリドを得るために、アリールジスルフィドをシルバージフルオリドに反応させることを開示している。
Bowdenらは、Tetrahedron,2000,56,3399における論文「A New Method for the Synthesis of Aromatic Sulfurpentafluorides and Studies of the Stability of the Sulfurpentafluoride Group in common Synthetic Transformations」において、ニトロフェニルサルファーペンタフルオリドを作り出すために、CH3CNの存在下でアリールジスルフィドをF2に反応させることを開示している。次いで、該ニトロフェニルサルファーペンタフルオリド類を、アミノフェニルサルファーペンタフルオリド類、ビフェニルサルファーペンタフルオリド、アセトアミドフェニルサルファーペンタフルオリド等に転化させた。
【0007】
Hooverらは、J.Am.Chem.Soc.1964,3567における「Synthesis And Chemistry Of Ethynylsulfur Pentafluoride」と題する論文において、ブタジエン及び2,3−ジメチルブタジエンのそれぞれをエチニルサルファーペンタフルオリドにディールス・アルダー付加環化反応させることを含むジメチルフェニルサルファーペンタフルオリド及びフェニルサルファーペンタフルオリドへの手順を開示している。
国際公開第011422A1号明細書は、SF5Clをアルケンに反応させることによって、4,5−ジクロロ−1−シクロヘキセン及びペンタスルファニルアルケン類とSF5Clとの反応を経由して、ペンタフルオロスルファニルベンゼンを調製することを開示している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、縮合芳香族化合物のペンタフルオロスルファニル誘導体に関するものであり、特に化合物、2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン及びそれらの置換誘導体に関するものであり、そしてSF5基を有するナフタレンを作り出す方法に関するものである。B(Et)3の存在下で、1,4−ジヒドロナフタレンをSF5Brと反応させる3段階法が好ましい。次に、得られた該3−ブロモ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレンを塩基で処理することによって、2−ペンタフルオロスルファニル−1,4−ジヒドロナフタレンに転化させ、続いて、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−ベンゾキノン(DDQ)を用いた酸化によって、ペンタフルオロスルファニルナフタレンに転化させる。
【0009】
SF5基、例えば、2−ペンタフルオロスルファニルナグタレン及びその誘導体を導入する縮合芳香族化合物の合成及びプロセスによって、大きな優位性を達成し、そしてそれらは:
縮合芳香族化合物(ナフタレン又は誘導体等)上にSF5基を導入できること、そして縮合芳香族化合物内に特有の特性を付与できること;
液晶成分を作り出すための適合性を有するフッ素化有機物を精製できること;
電気光学特性を有する材料を作り出せること;
有望な医薬製品及び農薬製品をもたらすことができるルートを経由してSF5基を導入する縮合芳香族化合物を作り出せること;そして、
SF5基を有する縮合芳香族化合物の生産用に3段階プロセスを用いることができること、
を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
背景技術において指摘したように、芳香族化合物へのSF5の導入は、無難な合成方法が無いこともあって制限されている。縮合芳香族化合物にSF5を付加させることは、SF5が直接付加しないため、有機系化学者にとって選択肢にはならなかった。芳香族化合物の二硫化物を直接フッ素化するルートはまた、縮合芳香族化合物のペンタフルオロスルファニル誘導体の生産方法をもたらさない。
【0011】
SF5を縮合芳香族(ナフタレン等)に導入するだけでなく、該SF5基と関連付けながら、該芳香族化合物の環における結合を共役させる方法を開発した。従って、SF5の導入だけでなく、共役結合構造体によって、該化合物は、特有の電子特性を示すことになる。
【0012】
該方法の第1段階では、2位におけるSF5基付加を実施するための条件下で、SF5ハライド(SF5Br又はSF5Cl)に1,4−ジヒドロナフタレンを接触させる。これは、次の方法の段階で適切な結合位置を得るため、反応スキーム上必要となるものである。触媒として作用するトリエチルボランB(Et)3の存在下で、該反応を実施することが好ましい。他の触媒を用いることができ、そしてこれらは、フリーラジカル発生剤(ベンゾイルペロキシド及びアゾ化合物類及び紫外線)を含む。
【0013】
第2段階において、SF5Brが、該第1段階において反応物質であるとすると、第1段階において作り出された3−ブロモ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレンから臭素が除去される。脱臭化水素化(dehydrobromination)を、臭素を除去するための条件下で、臭素化した化合物を塩基で処理することによって実施した。脱ハロゲン化(脱臭化水素化等)に好適な塩基反応物質には、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のヒドロキシド、アルコキシド、アミド、アミン、金属アルキル誘導体が含まれうる。しかし、該方法が、3位からハロゲン化物を除去することを必要とするので、臭素除去を容易にするため、第1段階における反応物質として、SF5Brを使用することが好ましい。SF5Clが該反応物質として用いられていたので、該3−クロロ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン化合物の脱塩化水素化が要求され、そしてこの種の反応において塩素の除去は難しい。
【0014】
第3段階では、第2段階で形成された該2−ペンタフルオロスルファニル−1,4−ジヒドロナフタレン又は誘導体を酸化する、すなわち、水素原子を2つ除去し、そして該縮合生成物(2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン又は誘導体)を形成する。2−ペンタフルオロスルファニル−1,4−ジヒドロナフタレンの酸化又は脱水素化を、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−ベンゾキノン(DDQ)との反応によって得ることができる。DDQを用いた酸化に基づき、共役結合は、該SF5基に関し、該芳香族化合物内で得られる。該SF5の機能性に加えて、該共役結合それ自体が、所望の電子特性を付与する。脱水素化を実施できる他の試薬は、ベンゾキノンと、活性化した炭素、硝酸、アルカリ金属類のニトリット、Ce、Cu、Bi、Mn及びZrの塩の存在下におけるO2等の他の酸化剤とを含む。Pt、Pd等の金属もまた好適である。
【0015】
該SF5基が2位内にあるペンタフルオロスルファニルナフタレン類及び誘導体を作り出す方法の各段階を、下記に概略を示す。
【0016】
【化1】

(式中、R1-4は、H、C1-6のアルキル、置換されたC1-6のアルキル、アリール又は置換されたアリール;O、S、及びNのヘテロ化合物、−COOR7(R7はC1-6のアルキルである)、−COR8(R8はC1-6のアルキルである)又はハロゲン、すなわち,F、Cl、Br及びI;ホウ素エステル類、(R93B(R9はC1-6のアルキルである)であり、そしてR5及びR6は、Hである)。典型的には、R1-4の置換基の1つ又は2つのみは、水素以外であり、該環に付加させることができる。例えば、R1〜R4の1つ又は2つは、C1アルキルでありうる。置換基が望ましい場合には、該R3上の置換基は、F、Cl、Br又はI等が好ましい。
【0017】
該SF5ハライドに接触させ、反応させる前に、1,4−ジヒドロナフタレンを置換することで、置換誘導体を形成することができる。あるいは、所望の化合物を形成した後に置換基を導入することができる。第2のアプローチに伴う問題点は、縮合芳香族化合物の1,3又は4位に反応が起きる可能性があることである。
【0018】
典型的には、ペンタフルオロスルファニルナフタレン誘導体と命名されるものは、次の式:
【化2】

によって表され、次の通り:
6−ブロモ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−クロロ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−フルオロ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−イオド−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−メチル−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−プロピル−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−ペンチル−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−シクロヘキシル−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−(4−プロピルシクロヘキシル)−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−カルボエトキシ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−トリメチルシリル−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−トリメトキシボラン−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、及び6−トリメチルボラン−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、である。
【0019】
上記反応種において、必要に応じて溶媒が用いられ、そしてこれらには、該塩基等の反応物質と反応しない、ハイドロカーボン類、フルオロカーボン類、ニトリル類、エーテル類、ハロカーボン類、及び他の溶媒が含まれる。典型的には、反応温度は、−78℃から溶媒沸点の範囲にわたる。反応生成物を、蒸留及びクロマトグラフィーを含む標準法によって、精製することができる。
【0020】
下記例は、種々の実施形態及び対照を具体的に説明するために提供されるものであり、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【実施例】
【0021】
例1
第1段階の調製 3−ブロモ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレンの調製
1,4−ジヒドロナフタレン(2g,15.3ミリモル)、ペンタン(100mL)、フッ化カリウム(0.3g)及びトリエチルボラン(1.6mL、ヘキサン中の1M)を、300ccのss Parr反応器に充填した。該溶液を冷却し、脱気した。SF5Br(18ミリモル)を、−50℃において、該反応器内に濃縮した。該反応器を1時間撹拌し、次いで冷却浴を取り除き、撹拌を1時間続けた。冷却した炭酸ナトリウム中に該溶液を注ぎ、相を分離し、そしてペンタン層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。
【0022】
第2段階 ペンタフルオロスルファニル−1,4−ジヒドロナフタレン生成物の調製
水酸化ナトリウム粉末(5当量)を、該ペンタン溶液に添加し、室温で撹拌した。該反応をGCでモニターした。該反応が完了した後、ろ過で塩基を除去し、ペンタンをロータリーエバポレーションで取り除いた。
【0023】
第3段階 ペンタフルオロスルファニルナフタレンの調製
トルエン及びジクロロジシアノベンゾキノン(2当量)を第2段階の生成物に添加し、65℃まで加熱した。該反応をGCでモニターした。該反応が完了した後、ペンタンを添加した。得られた固体を、ろ過により除去した。シリカを介したろ過によって、カラーを除去した。ロータリーエバポレーションを用いて該溶媒を除去することで、当該粗生成物を分離した。
該生成物を昇華によって精製した。残余の溶媒及び副生成物のナフタレンを、室温において減圧下で除去した。該生成物を35℃/220ミリトルにおいて昇華させ、そして質量分析、1H及び19FのNMRによって同定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】

(式中、R1-4は、H、C1-6のアルキル、置換されたC1-6のアルキル、アリール又は置換されたアリール;O、S及びNのヘテロ、R7がC1-6のアルキルである−COOR7、R8がC1-6のアルキルである−COR8;F、Cl、Br及びI;ボロンC1-6アルキルエステル類、R9がC1-6のアルキルである(R93Bであり、そしてR5及びR6が、Hである)
によって表される化合物。
【請求項2】
1-4がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
3がC1-6のアルキルであり、そしてR1、R2及びR4がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
3が−COOR7であり、ここでR7はC1-6のアルキルであり、そしてR1、R2、及びR4がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
3が−COR8であり、ここでR8はC1-6のアルキルであり、そしてR1、R2及びR4がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
3が、ボロンC1-6アルキルエステルであり、そしてR1、R2及びR4がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
3が(R93Bであり、ここでR9はC1-6のアルキルであり、そしてR1、R2及びR4がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
3がハロゲンであり、そしてR1、R2及びR4がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
3が、F、Cl、Br、又はIである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
6−ブロモ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−クロロ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−フルオロ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−イオド−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−メチル−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−プロピル−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−ペンチル−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−シクロヘキシル−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−(4−プロピルシクロヘキシル)−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−カルボエトキシ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−トリメチルシリル−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、6−トリメトキシボラン−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン、及び6−トリメチルボラン−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレンから成る群から選択される化合物。
【請求項11】
式A:
【化2】

(式中、R1-4は、H、C1-6のアルキル、置換されたC1-6のアルキル、アリール又は置換されたアリール;O、S及びNのヘテロ、R7がC1-6のアルキルである−COOR7、R8がC1-6のアルキルである−COR8;F、Cl、Br及びI;ボロンC1-6エステル類、R9がC1-6のアルキルである(R93Bであり、そしてR5及びR6が、Hである)
の化合物の生産方法であって、次の各段階:
(a)式C:
【化3】

(式中、R1-4は、H、C1-6のアルキル、置換されたC1-6のアルキル、アリール又は置換されたアリール;O、S及びNのヘテロ、R7がC1-6のアルキルである−COOR7、R8がC1-6のアルキルである−COR8;F、Cl、Br及びI;ボロンC1-6エステル類、R9がC1-6のアルキルである(R93Bであり、そしてR5及びR6が、Hである)
を形成するための条件下において、
式B:
【化4】

(式中、R1-4は、H、C1-6のアルキル、置換されたC1-6のアルキル、アリール又は置換されたアリール;O、S及びNのヘテロ、R7がC1-6のアルキルである−COOR7、R8がC1-6のアルキルである−COR8;F、Cl、Br及びI;ボロンC1-6エステル類、R9がC1-6のアルキルである(R93Bであり、そしてR5及びR6が、Hである)
の反応物質を、SF5ブロマイドと接触させること、
(b)式:
【化5】

を有する化合物Dを形成するための条件下において、化合物Cを脱臭化水素化すること、
次いで;
(c)化合物Aを作り出すための条件下で、化合物Dから水素を除去すること、
を含む化合物の生産方法。
【請求項12】
1、R2及びR4の1つ以上がHである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
3が、C1-6のアルキルである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
次の各段階、
(a)触媒の存在下で、SF5Brに1,4−ジヒドロナフタレンを接触させ、3−ブロモ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレンを形成させること;
(b)段階(a)で形成された3−ブロモ−2−ペンタフルオロスルファニルナフタレン化合物から臭素を除去し、そしてペンタフルオロスルファニル−1,4−ジヒドロナフタレンを形成させること;そして、
(c)段階(b)においてそのようにして形成されたペンタフルオロスルファニル−1,4−ジヒドロナフタレンから水素原子2つを除去し、2−ペンタフルオロスルファニルナフタレンを作り出すこと、
を含む、2−ペンタフルオロスルファニルナフタレンの生産方法。
【請求項15】
該触媒がトリエチルボランである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
塩基を用いた処理によって臭素を除去する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
該塩基がNaOHである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
段階(c)において、水素原子2つを、ジクロロジシアノベンゾキノンとの反応によって除去する、請求項14に記載の方法。

【公開番号】特開2006−104200(P2006−104200A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−286539(P2005−286539)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【Fターム(参考)】