説明

ペースト組成物および該ペースト組成物を含有してなるスプレー用組成物

【課題】 無機微粒子が安定的に配合されてなり、しかもスプレー容器から良好に噴霧され得るペースト組成物を提供することなどを課題とする。
【解決手段】 セルロースI型結晶成分の分率が0.1以下であり、セルロースII型結晶成分の分率が0.4以下である平均粒子径が5μm以下のセルロース微粒子と、液状分散媒と、無機微粒子とが含まれているペースト組成物であって、前記無機微粒子1重量部に対して、ポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロース塩が0.01〜0.40重量部含まれているペースト組成物などを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペースト組成物および該ペースト組成物を含有してなるスプレー用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属微粒子や金属酸化物微粒子などの無機微粒子を含むペースト組成物としては、例えば、セルロースI型結晶成分の分率が0.1以下であり、セルロースII型結晶成分の分率が0.4以下である平均粒子径が5μm以下のセルロース微粒子と、液状分散媒とを含んでいるものが知られている。斯かるペースト組成物としては、例えば、化粧料として用いられるものが知られている(特許文献1)。
【0003】
斯かるペースト組成物は、無機微粒子が均一に分散され得るものであり、また、セルロース微粒子によって粘性が高まっているにもかかわらず、ずり応力を受けると粘性が急激に低下しやすいため、手動ポンプ式スプレー容器などに内容物として充填された場合、ポンピング等による圧力差によりスプレー容器のチューブ等を容易に上昇し、しかも液滴となって噴霧可能となり得るものである。このような性能を利用し、斯かるペースト組成物は、無機微粒子をできるだけ均一に塗布して被塗布物を無機微粒子によって隠蔽又は遮蔽する目的で、化粧品分野などでスプレー用組成物の内容物として用いられ得る。
【0004】
しかしながら、斯かるペースト組成物は、無機微粒子がペースト組成物中で相分離しやすいという問題がある。特に、無機微粒子が比較的多量に配合されると、無機微粒子がペースト組成物中でより相分離しやすくなるという問題がある。
【0005】
これに対して、セルロース微粒子などの配合量を増加させてペースト組成物の粘性を高めることにより、この種のペースト組成物は、無機微粒子が相分離しにくくなり安定的に配合され得るが、一方で、ペースト組成物の粘性が高くなりすぎるため、スプレー容器内のチューブ等を通りにくくなり、噴霧されにくくなるという問題がある。
【0006】
そこで、無機微粒子が安定的に配合されてなり、しかもスプレー容器から良好に噴霧され得るペースト組成物が要望されている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−26229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点、要望点等に鑑み、無機微粒子が安定的に配合されてなり、しかもスプレー容器から良好に噴霧され得るペースト組成物を提供することを課題とし、斯かるペースト組成物が含有されてなるスプレー用組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明に係るペースト組成物は、セルロースI型結晶成分の分率が0.1以下であり、セルロースII型結晶成分の分率が0.4以下である平均粒子径が5μm以下のセルロース微粒子と、液状分散媒と、無機微粒子とが含まれているペースト組成物であって、前記無機微粒子1重量部に対して、ポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロース塩が0.01〜0.40重量部含まれていることを特徴とする。
【0010】
上記構成からなるペースト組成物によれば、前記セルロース微粒子が含まれているため、比較的高いずり応力が加えられると粘性が急激に低下するチクソトロピー性を有し得る。また、前記セルロース微粒子が含まれているため、前記ペースト組成物の粘性が高められ、主に前記液状分散媒と前記無機微粒子との比重差によって生じ得る前記無機微粒子の上方向又は下方向への移動が抑制され得る。さらには、前記無機微粒子1重量部に対して、ポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロース塩が0.01重量部以上含まれているため、作用機構が必ずしも解明されているわけではないが、前記無機微粒子の表面に担持された前記ポリビニルピロリドン又は前記カルボキシメチルセルロース塩が、前記無機微粒子同士の凝集を抑制し得ると考えられる。また、前記無機微粒子1重量部に対して、前記ポリビニルピロリドン又は前記カルボキシメチルセルロース塩の配合量が0.40重量部を超えると、前記セルロース微粒子による上述したチクソトロピー性の発現が阻害されやすくなるおそれがある。
【0011】
また、本発明に係るペースト組成物は、前記無機微粒子が金属酸化物微粒子であることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係るペースト組成物は、前記無機微粒子の平均粒子径が5〜510nmであることが好ましい。前記無機微粒子の平均粒子径が5nm以上であることにより、前記無機微粒子がよりペースト組成物に安定的に配合され得るという利点がある。また、前記無機微粒子の平均粒子径が510nm以下であることにより、スプレー容器から容易に噴霧され得るという利点がある。
【0013】
本発明に係るスプレー用組成物は、セルロースI型結晶成分の分率が0.1以下であり、セルロースII型結晶成分の分率が0.4以下である平均粒子径が5μm以下のセルロース微粒子と、液状分散媒と、無機微粒子とが含まれているペースト組成物であって、前記無機微粒子1重量部に対して、ポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロース塩が0.01〜0.40重量部含まれているペースト組成物が含有されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のペースト組成物は、粘性が高められていることにより、主に前記液状分散媒と前記無機微粒子との比重差によって生じ得る前記無機微粒子の上方向又は下方向への移動が抑制され得る。さらに、前記無機微粒子の表面に担持された前記ポリビニルピロリドン又は前記カルボキシメチルセルロース塩が、前記無機微粒子同士の凝集を抑制し得ると考えられる。また、比較的高いずり応力が加えられると粘性が低下するチクソトロピー性の発現が阻害されずに保たれ得る。従って、本発明のペースト組成物は、無機微粒子が安定的に配合されてなり、しかもスプレー容器から良好に噴霧され得るという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明のペースト組成物の一実施形態について説明する。
【0016】
本実施形態のペースト組成物は、セルロースI型結晶成分の分率が0.1以下であり、セルロースII型結晶成分の分率が0.4以下である平均粒子径が5μm以下のセルロース微粒子と、液状分散媒と、無機微粒子とが含まれているペースト組成物であって、前記無機微粒子1重量部に対して、ポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロース塩が0.01〜0.40重量部含まれている。
【0017】
前記セルロースは、セルロースI型結晶成分の分率が0.1以下であり、セルロースII型結晶成分の分率が0.4以下である。前記セルロースI型結晶成分の分率は、好ましくは0.06以下であり、前記セルロースII型結晶成分の分率は、好ましくは0.3以下である。
【0018】
前記セルロースは、前記セルロースI型結晶成分の分率と前記セルロースII型結晶成分の分率との和である結晶化率が0.5以下である。好ましくは、前記結晶化率が0.3以下であり、より好ましくは0.01〜0.3である。
前記セルロースの結晶化率が0.5を超える場合には、前記セルロース微粒子が前記ペースト組成物中で均一に分散しにくくなるおそれがある。
【0019】
前記セルロースの結晶化率が0.3以下であることにより、前記セルロース微粒子が前記ペースト組成物中でより均一に分散しやすくなるという利点がある。また、前記セルロースの結晶化率が0.01以上であることにより、前記セルロース微粒子の水溶性が低下し、粘性を高め得る微粒子として機能しやすくなるため、本実施形態のペースト組成物の粘性がより高まり、しかも本実施形態のペースト組成物のチクソトロピー性がより向上するという利点がある。
【0020】
前記セルロースの結晶化率を調整する方法としては、例えば、加水分解の程度を調整する方法が挙げられる。具体的には、加水分解反応は、セルロースの非晶質(アモルファス)又は結晶性の低い領域から優先的に分子鎖を切断するため、加水分解後のセルロースは、原料セルロースよりも結晶化率が高くなる。また、原料セルロースの結晶化率を調整する方法としては、セルロースを溶解させうる溶媒(硫酸、ジメチルアセトアミド、銅エチレンジアミン錯体)等を適宜選択し、セルロースを一旦溶解させ、その後、セルロースを再生させる手段を調整して再生セルロースの結晶化率を調整する方法が挙げられる。具体的には、セルロースを溶解させる硫酸の濃度を高くすればセルロースの結晶化率が低下し、セルロースを溶解している時間を長くすればセルロースの結晶化率が低下する。
【0021】
尚、前記セルロースの結晶化率は、下記実施例に記載された方法により測定されるものである。
【0022】
前記セルロースは、平均重合度(DP)が100以下であることが好ましい。より好ましくは、平均重合度(DP)が10以上100以下であり、さらに好ましくは20以上50以下である。
【0023】
前記セルロースの平均重合度(DP)が100以下であることにより、前記セルロース微粒子が本実施形態のペースト組成物中で均一に分散しやすくなり、前記無機微粒子が相分離しにくくなり、分散安定性がより向上するという利点がある。
また、前記セルロースの平均重合度(DP)が10以上であることにより、前記セルロース微粒子の水溶性が低下し、本実施形態のペースト組成物の粘性を高め得る微粒子として機能しやすくなるため、本実施形態のペースト組成物の粘性がより高まり、しかも本実施形態のペースト組成物のチクソトロピー性がより顕著になり得るという利点がある。
【0024】
前記セルロースの平均重合度(DP)の調整は、原料となる天然セルロース又は再生セルロースの加水分解処理の程度を調整することによりなし得る。
【0025】
尚、前記セルロースの平均重合度(DP)は、下記実施例に記載された方法により測定されるものである。
【0026】
前記セルロース微粒子としては、前記セルロースのみで構成されたセルロース微粒子が挙げられる。また、前記セルロースを少なくとも一部に有して構成されたセルロース微粒子も挙げられる。
【0027】
前記セルロース微粒子は、平均粒子径が5μm以下である。好ましくは、平均粒子径が5〜500nmであり、より好ましくは5〜200nmである。
前記セルロース微粒子の平均粒子径が5μmを超える場合、本実施形態のペースト組成物の粘性が低下し、しかもチクソトロピー性が低下するおそれがある。従って、前記無機微粒子を安定的に分散できなくなるおそれがある。
前記セルロース微粒子の平均粒子径が5nm以上であることにより、本実施形態のペースト組成物の粘性を高め得る微粒子として機能しやすくなるため、本実施形態のペースト組成物の粘性がより高まり、しかも本実施形態のペースト組成物のチクソトロピー性がより顕著になり得るという利点がある。また、前記セルロース微粒子の平均粒子径が500nm以下であることにより、前記無機微粒子をより安定的に分散できるという利点がある。
【0028】
前記セルロース微粒子の平均粒子径は、例えば、前記セルロース微粒子を超高圧ホモジナイザーなどによって水中で分散させるときのせん断力、せん断力を与える回数等を変えることにより調整できる。具体的には、せん断力を大きくし、せん断力を与える回数を増やすことにより、前記セルロース微粒子の平均粒子径を小さくすることができ、せん断力を小さくし、せん断力を与える回数を少なくすることにより、前記セルロース微粒子の平均粒子径を大きくすることができる。
【0029】
尚、前記セルロース微粒子の平均粒子径は、下記実施例に記載された方法により測定されるものである。
【0030】
前記セルロース微粒子は、本実施形態のペースト組成物に0.01重量%以上含有されていることが好ましく、0.5重量%以上含有されていることがより好ましい。また、3.0重量%以下含有されていることが好ましく、2.0重量%以下含有されていることがより好ましい。
【0031】
前記セルロース微粒子が0.01重量%以上含有されていることにより、本実施形態のペースト組成物における上述したチクソトロピー性がより顕著になるという利点があり、3.0重量%以下含有されていることにより、本実施形態のペースト組成物が安定的に噴霧されるという利点がある。
【0032】
本実施形態のペースト組成物は、前記セルロース微粒子が含有されているため、比較的高いずり応力によって粘性が急激に低下するチクソトロピー性を有し得る。従って、本実施形態のペースト組成物は、手動ポンプ式スプレー容器などに内容物として充填された場合、静置状態では比較的高い粘性を有するにもかかわらず、ポンピング等による圧力差によってずり応力が加えられると粘性が急激に低下し、スプレー容器のチューブ等を容易に上昇し、しかも液滴となって良好に噴霧され得る。
また、本実施形態のペースト組成物は、前記セルロース微粒子が含有されているため、粘性が高められており、主に前記液状分散媒と前記無機微粒子との比重差によって生じ得る前記無機微粒子の上方向又は下方向への移動が抑制され得る。なお、比較的高い粘性であることは、前記無機微粒子同士での凝集を抑制することにも寄与しているものと考えられる。
【0033】
前記液状分散媒は、それ自体がスプレー容器によって噴霧され得るものであり、前記無機微粒子を分散させ得る液状物であれば特に限定されない。前記液状分散媒としては、例えば、水、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールなどが挙げられる。なかでも、上述したチクソトロピー性の発現を阻害しにくいという点で、水、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールが好ましい。
なお、上記例示された液状分散媒は、1種が単独で、又は2種以上が組み合わされて混合されて用いられ得る。
【0034】
前記無機微粒子は、無機物でなる微粒子状のものである。詳しくは、金属又は金属酸化物でなる微粒子状のものである。具体的には、前記無機微粒子としては、金属微粒子、金属酸化物微粒子などが挙げられ、安定的に分散させることが比較的困難であるものとして金属酸化物微粒子が挙げられる。なお、前記無機微粒子は、従来公知の一般的な方法によって調製できる。また、前記無機微粒子としては、市販品を採用することができる。
【0035】
前記金属微粒子としては、例えば、ニッケル、パラジウム、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、鉄等の微粒子が挙げられる。
【0036】
前記金属酸化物微粒子としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、アルミナ、二酸化亜鉛、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄等の微粒子が挙げられ、安定的に分散させることがより困難であるものとしてチタン酸バリウムが挙げられる。
【0037】
前記無機微粒子は、平均粒子径が5〜510nmであることが好ましい。前記無機微粒子の平均粒子径が5nm以上であることにより、前記無機微粒子がよりペースト組成物に安定的に配合され得るという利点がある。また、前記無機微粒子の平均粒子径が510nm以下であることにより、スプレー容器から容易に噴霧され得るという利点がある。
なお、前記無機微粒子の平均粒子径が小さくなると、前記無機微粒子の重量当たりの表面積が大きくなり、一般的に、前記無機微粒子同士で凝集しやすくなる。従って、前記無機微粒子の平均粒子径が小さくなることにより、前記無機微粒子を安定的に配合することは、より困難になり得る。ところが、本実施形態のペースト組成物は、平均粒子径が例えば510nm以下という比較的小さい無機微粒子であっても安定的に配合し得る。なお、様々な平均粒子径の前記無機微粒子を市販品から適宜選択して採用することができる。
【0038】
前記無機微粒子の平均粒子径は、動的光散乱法で測定した値である。詳しくは、動的光散乱方式の粒度分布計を用いてD50の値を測定したものである。より詳しくは、前記無機微粒子を水(希釈溶媒)にて希釈して超音波処理した希釈液を、動的光散乱式粒度分析計を用いて測定した体積基準の累積中位径(D50)の値である。
具体的には、前記無機微粒子を濃度が約1重量%となるように希釈媒体にて希釈し、超音波ホモジナイザーにて1分間分散処理を行ない、得られた希釈分散液中の無機微粒子の粒度分布を、動的光散乱式粒度分析計(機器名「UPA」、マイクロトラック社製)を用いて、シグナルレベルが0.1〜1.0になるように濃度を調整して測定する。
【0039】
前記無機微粒子の前記ペースト組成物における配合量としては、特に限定されないが、分散媒が少ないほど乾燥しやすいという点、及び、乾燥の前後における体積変化がより少なくなり得るという点で、4.5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。また、前記ペースト組成物が安定的に噴霧され得るという点で50重量%以下が好ましい。
【0040】
前記ポリビニルピロリドンは、N−ビニル−2−ピロリドンが重合されてなる化合物である。前記ポリビニルピロリドンの平均重合度の大小を表す一般的な値としては、K値が挙げられる。該K値としては、特に限定されないが、通常、10〜50が挙げられ、前記無機微粒子をより安定的に分散させ得るという点で、15〜30が好ましい。なお、前記K値は、下記に示すように、ウベローデ粘度測定法による結果から、式(1)より算出される値である。
【0041】
<K値の測定方法>
(装置及び器具)
a.粘度計用恒温水槽(24.9〜25.1℃に調節可能なもの)
b.ウベローデ型粘度計
(K−30:草野科学製No.0B、又は、K−90:草野科学製No.1)
c.ストップウォッチ
d.100mLメスフラスコ
e.グラスフィルター3G−1
f.振とう機
(操作)
絶乾重量換算にて1%(g/100ml)の水溶液を調製し、25±0.1℃にて、JIS K2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に準じて測定する。なお、5回の測定で上下の値をカットし、3回の平均値をとる。そして、下記の式(1)によりK値を算出する。
【0042】
【数1】

【0043】
前記カルボキシメチルセルロース塩は、セルロースの構成単位であるグルコピラノースの水酸基の一部にカルボキシメチル基を結合させたセルロース誘導体の塩である。前記カルボキシメチルセルロース塩の水溶液粘度としては、特に限定されないが、通常、2重量%水溶液の25℃における1〜100mPa・sが挙げられ、前記無機微粒子をより安定的に分散させ得るという点で、5〜30mPa・sが好ましい。
なお、前記粘度は、B型回転式粘度計による測定から得られる値である。詳しくは、粘度によってロータを選択し、指針が15〜85程度の範囲になるように回転数を調整して測定する。
【0044】
また、前記カルボキシメチルセルロース塩のエーテル化度は、適度に水溶性を有するという点で、0.6〜1.0であることが好ましい。なお、前記エーテル化度は、より詳しくは、セルロースを構成するグルコピラノースの3個の水酸基のうち、エーテル基に置換された平均数として示すことができる。
【0045】
前記カルボキシメチルセルロース塩としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースアンモニウムなどが挙げられ、入手しやすいという点で、カルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。
【0046】
前記ポリビニルピロリドン又は前記カルボキシメチルセルロース塩が、前記無機微粒子1重量部に対して0.01重量部以上含まれているため、作用機構が必ずしも解明されているわけではないが、前記無機微粒子の表面に担持された前記ポリビニルピロリドン又は前記カルボキシメチルセルロース塩が、前記無機微粒子同士の凝集を抑制し得ると考えられる。また、前記ポリビニルピロリドン又は前記カルボキシメチルセルロース塩の配合量が、前記無機微粒子1重量部に対して0.40重量部を超えると、前記セルロース微粒子による上述したチクソトロピー性の発現が阻害されやすくなるおそれがある。
なお、前記セルロース微粒子によるチクソトロピー性の発現がより阻害されにくいという点で、前記ポリビニルピロリドン又は前記カルボキシメチルセルロース塩の配合量が、前記無機微粒子1重量部に対して0.30重量部以下であることが好ましい。
【0047】
前記ポリビニルピロリドンは、本実施形態のペースト組成物に前記無機微粒子をより安定的に配合させ得るという点で、前記無機微粒子1重量部に対して0.02重量部以上含まれていることが好ましい。詳しくは、前記金属酸化物微粒子1重量部に対して0.02重量部以上含まれていることが好ましい。
また、前記ポリビニルピロリドンは、前記セルロース微粒子によるチクソトロピー性の発現がより阻害されにくいという点で、前記無機微粒子1重量部に対して0.30重量部以下含まれていることが好ましい。詳しくは、前記金属酸化物微粒子1重量部に対して0.30重量部以下含まれていることが好ましい。
【0048】
前記カルボキシメチルセルロース塩は、本実施形態のペースト組成物に前記無機微粒子をより安定的に配合させ得るという点で、前記無機微粒子1重量部に対して0.01重量部以上含まれていることが好ましい。詳しくは、前記金属酸化物微粒子1重量部に対して0.01重量部以上含まれていることが好ましい。
また、カルボキシメチルセルロース塩は、前記セルロース微粒子によるチクソトロピー性の発現がより阻害されにくいという点で、前記無機微粒子1重量部に対して0.20重量部以下含まれていることが好ましい。詳しくは、前記金属酸化物微粒子1重量部に対して0.20重量部以下含まれていることが好ましい。
【0049】
なお、前記ポリビニルピロリドンと前記カルボキシメチルセルロース塩とは、組み合わされて用いられ得る。
【0050】
次に、本実施形態のペースト組成物の製造方法について説明する。本実施形態のペースト組成物は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0051】
前記セルロース微粒子は、例えば、セルロースを溶解させ得る溶媒にセルロースを主成分とする原料を一旦溶解させ、セルロースが溶解しているこの溶液を、セルロースが溶解しない溶媒に投入してセルロース凝集させ、続いて凝集したこのセルロースを粉砕処理することにより調製できる。
【0052】
前記セルロースを溶解させ得る溶媒としては、例えば、硫酸、ジメチルアセトアミド、銅エチレンジアミン等が挙げられる。中でも、後の除去作業の簡便さ、残留分の人体への影響の少なさの観点から、硫酸が好ましい。
【0053】
前記セルロースを凝集させる方法としては、水等の溶媒中にセルロース溶液を投入してセルロースを得る再沈殿が挙げられる。セルロースを再沈殿させる溶媒としては、水や50重量%以下の濃度の水溶性アルコール水溶液等が挙げられる。中でも、後の除去作業の簡便さ、残留分の皮膚への悪影響の観点から、水が好ましい。なお、再沈殿されたセルロースは、通常、複数回洗浄される。
【0054】
再沈殿されたセルロースの粉砕処理としては、回転式ホモミキサー、ビーズミル、ニーダー、ディスパー、圧力式ホモジナイザーなどのホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、マイクロフルイダイザーなどの2流体衝突式の超高圧ホモジナイザー等による粉砕処理が挙げられる。この粉砕処理は、粉砕効率の観点から、ホモジナイザー等で予備分散後、さらに超高圧ホモジナイザーによる粉砕処理が好ましい。
【0055】
なお、前記セルロース微粒子は、市販されているものを用いることができる。
【0056】
続いて、本実施形態のスプレー用組成物について説明する。本実施形態のスプレー用組成物は、上述したペースト組成物が含まれており、スプレー容器に充填され、スプレー製品の内容物として用いられるものである。
【0057】
本実施形態のスプレー用組成物は、具体的には、トリガータイプなどの手動ポンプ式スプレー容器、又はエアゾール容器等で例示されるスプレー容器などに充填されて用いられ得る。
【0058】
本実施形態のスプレー用組成物は、必要に応じて噴射剤を含み得る。前記噴射剤としては、プロパン及びブタンを含む液化ガス(LPG)、ジメチルエーテル、二酸化炭素、窒素(N2)、アルゴン、酸素(O2)、フロン等の単独物、又は2種以上の混合物(例えば空気)等が挙げられる。なお、前記噴射剤を用いる場合、本実施形態のスプレー用組成物は、通常、耐圧性を有するエアゾール缶などに充填されて用いられる。
【0059】
前記スプレー用組成物は、上記の実施形態のペースト組成物を用いて、必要に応じて前記噴射剤などを加えて、従来公知の一般的な方法によって製造することができる。
【0060】
本発明は、上記例示のペースト組成物及びスプレー用組成物に限定されるものではない。
また、一般のペースト組成物及びスプレー用組成物において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
【実施例】
【0061】
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明する。
【0062】
まず、ペースト組成物の製造に用いた化合物について以下に示す。
【0063】
<セルロース微粒子の分散体>
商品名「セロディーヌ4M」(第一工業製薬社製 セルロース固形分4重量%)
<無機微粒子>
・チタン酸バリウム (下記方法にて調製 平均粒子径120nm)
(シュウ酸法)
塩化バリウム、四塩化チタン、及びシュウ酸を反応させて液相でシュウ酸バリウムチタニルを沈澱させ、これを750℃で熱処理することで調製した。
・二酸化チタン(商品名「TTO−V3」石原産業社製 平均粒子径7nm)
・酸化ジルコニウム
(商品名「UEP−100」第一稀元素化学工業社製 平均粒子径507nm)
<ポリビニルピロリドン>
商品名「ピッツコールK-17L」
(K値=17、固形分30重量% 第一工業製薬社製)
<カルボキシメチルセルロースナトリウム>
・商品名「セロゲン7A」
[固形分100%、2重量%水溶液の粘度(25℃):16mPa・s、
エーテル化度:0.75 第一工業製薬社製]
・商品名「セロゲン5A」
[固形分100%、2重量%水溶液の粘度(25℃):3.8mPa・s、
エーテル化度:0.74 第一工業製薬社製]
<液状分散媒>
1,3−ブチレングリコール
プロピレングリコール
エチレングリコール

【0064】
(1)セルロースの平均重合度の測定
上記セルロース微粒子の分散体を、70℃で乾燥させた。乾燥させたセルロース微粒子200mg、400mg、600mg、800mgまたは1000mgを、カドキセン50mlに溶解して得られた希薄セルロース溶液の25℃における比粘度をウベローデ型粘度計を用いて測定し、極限粘度数ηを、濃度0に外挿したときの比粘度として算出した。ついで、得られた極限粘度数ηに基づき、式(I):
η=3.85×10-2×Mw0.76 (I)
(式中、Mwは、重量平均分子量を示す)
と、式(II):
平均重合度=Mw/162 (II)
(式中、Mwは、重量平均分子量を示す)
とにより、平均重合度を算出した。
その結果、セルロースの平均重合度は、40であった。
【0065】
(2)セルロースの結晶化率の測定
上記セルロース微粒子の分散体を、70℃で乾燥させた後、粉砕し、錠剤に成形して、線源CuKα、反射法での広角X線回折法(リガク社製、RINT−ULtimaIII)により得られた回折図において、セルロースI型結晶(110)面ピークに帰属される2θ=15.0°における絶対ピーク強度h0と、この面間隔におけるベースラインからのピーク強度h1から下記(III)式よりセルロースI型結晶成分の分率(χI)を求めた。同様に、前記回折図において、セルロースII型結晶(110)面ピークに帰属される2θ=12.6°における絶対ピーク強度h0*と、この面間隔におけるベースラインからのピーク強度h1*から下記(IV)式よりセルロースII型結晶成分の分率(χII)を求めた。
χI=h1/h0 (III)
χII=h1*/h0* (IV)
そして、セルロースI型結晶成分の分率(χI)とセルロースII型結晶成分の分率(χII)とを用い、下記(V)式よりセルロースの結晶化率を求めた。
結晶化率=(χI+χII) (V)
その結果、セルロースI型結晶成分の分率(χI)は、0であり、セルロースII型結晶成分の分率(χII)は、0.26であった。
【0066】
(3)セルロース微粒子の平均粒子径の測定
上記セルロース微粒子の分散体を、1.5重量%濃度となるように、水で希釈し、続いて超高圧ホモジナイザー(マイクロフルタイザーM−110−E/H、圧力:100MPa)により超高圧分散処理した。得られた分散液を、マイクロトラック粒度分布測定装置UPA(日機装社製)で平均粒子径を測定した。なお、平均粒子径としては、体積基準径における50%径である累積中位径(メジアン径)を採用した。
その結果、セルロース微粒子の平均粒子径は、20nmであった。
【0067】
上記のセルロース微粒子の水分散体(「セロディーヌ4M」)を用いて、実施例1〜実施8、比較例1〜3のペースト組成物を製造し、評価した。各実施例、比較例における配合組成を表1に示す。
【0068】
(実施例1)
「セロディーヌ4M」を75重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を30重量部、1,3−ブチレングリコールを89重量部、「ピッツコールK−17L」(30重量%ポリビニルピロリドン含有)を6重量部、ポリビーカーに入れ、TKロボミックスにて10,000rpmで10分間撹拌してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であった。
【0069】
(実施例2)
「セロディーヌ4M」を75重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を30重量部、水を93重量部、「セロゲン7A」(カルボキシメチルセルロースナトリウム)を2重量部、ポリビーカーに入れ、TKロボミックスにて10,000rpmで10分間撹拌してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であった。
【0070】
(実施例3)
「セロディーヌ4M」を75重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を20重量部、1,3−ブチレングリコールを99重量部、「ピッツコールK−17L」(30重量%ポリビニルピロリドン含有)を6重量部、ポリビーカーに入れ、プロペラで撹拌後、超高圧式ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー:みづほ工業社製)にて140MPaで3回パス処理してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であった。
【0071】
(実施例4)
「セロディーヌ4M」を75重量部、二酸化チタン(TiO2)を30重量部、1,3−ブチレングリコールを89重量部、「ピッツコールK−17L」(30重量%ポリビニルピロリドン含有)を6重量部、ポリビーカーに入れ、超音波ホモジナイザーにて10分間処理してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であった。
【0072】
(実施例5)
「セロディーヌ4M」を250重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を300重量部、1,3−ブチレングリコールを420重量部、「ピッツコールK−17L」(30重量%ポリビニルピロリドン含有)を30重量部ポリビーカーに入れ、プロペラで撹拌後、マイクロフルイダイザーにて140MPaで3回パス処理してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であった。
【0073】
(実施例6)
「セロディーヌ4M」を25重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を80重量部、プロピレングリコールを89重量部、「ピッツコールK−17L」(30重量%ポリビニルピロリドン含有)を6重量部ポリビーカーに入れ、超音波ホモジナイザーで10分間処理してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であった。
【0074】
(実施例7)
「セロディーヌ4M」を25重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を100重量部、エチレングリコールを69重量部、「ピッツコールK−17L」(30重量%ポリビニルピロリドン含有)を6重量部ポリビーカーに入れ、超音波ホモジナイザーで10分間処理してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であった。
【0075】
(実施例8)
「セロディーヌ4M」を25重量部、酸化ジルコニウムを100重量部、プロピレングリコールを69重量部、「ピッツコールK−17L」(30重量%ポリビニルピロリドン含有)を6重量部ポリビーカーに入れ、TKロボミックスにて10分間処理してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であった。
【0076】
(実施例9)
「セロディーヌ4M」を75重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を30重量部、水を89重量部、「セロゲン5A」(カルボキシメチルセルロースナトリウム)を6重量部、ポリビーカーに入れ、TKロボミックスにて10,000rpmで10分間撹拌してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であった。
【0077】
(実施例10)
「セロディーヌ4M」を25重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を100重量部、水を74重量部、「セロゲン5A」(カルボキシメチルセルロースナトリウム)を1重量部、ポリビーカーに入れ、TKロボミックスにて10,000rpmで10分間撹拌してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であった。
【0078】
(実施例11)
「セロディーヌ4M」を75重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を30重量部、エチレングリコールを65重量部、「ピッツコールK−17L」(30重量%ポリビニルピロリドン含有)を30重量部ポリビーカーに入れ、超音波ホモジナイザーで10分間処理してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であった。
【0079】
(比較例1)
チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を30重量部、1,3−ブチレングリコールを170重量部ポリビーカーに入れ、TKロボミックスにて10,000rpmで10分間処理してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であったが、製造後1日で透明な上澄みが発生した。
【0080】
(比較例2)
「セロディーヌ4M」を75重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を30重量部、1,3−ブチレングリコールを95重量部ポリビーカーに入れ、TKロボミックスにて10,000rpmで10分間処理してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は外観上均一であったが、製造後1日で透明な上澄みが発生した。
【0081】
(比較例3)
「セロディーヌ4M」を75重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を120重量部、1,3−ブチレングリコールを5重量部ポリビーカーに入れ、TKロボミックスにて10,000rpmで10分間処理してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は高粘度で流動性を示さなかった。また、製造後1日で2層に分離した。
【0082】
(比較例4)
「セロディーヌ4M」を75重量部、チタン酸バリウム(平均粒子径120nm)を30重量部、水を81重量部、「セロゲン7A」(カルボキシメチルセルロースナトリウム)を14重量部、ポリビーカーに入れ、TKロボミックスにて10,000rpmで10分間撹拌してペースト組成物を製造した。得られたペースト組成物は高粘度で流動性を示さなかった。
【0083】
製造したペースト組成物の評価方法を次に示す。
【0084】
<粘度の測定>
製造した翌日、B型粘度計を用いて、実施例1及び比較例1〜3についてはローターNo.3−12rpmの条件で25℃におけるペースト組成物の粘度を測定した。なお、同様にして、実施例3については、ローターNo.3−6rpmの条件、実施例2及び実施例4についてはローターNo.4−30rpmの条件、実施例5〜8についてはローターNo.4−6rpmの条件で測定した。
【0085】
<噴霧状態の評価>
製造したペースト組成物を手動ポンプ式スプレー容器に充填し、ペースト組成物を噴射させ、噴霧状態を目視にて評価した。具体的には、細かな霧状となって噴霧できたものを良、スプレーできなかったものを悪として評価した。
【0086】
<安定性の評価>
調製から10日後におけるペースト組成物の外観観察により、相分離等の有無を確認し、安定性を評価した。なお、調製から1日後に変化が観察された場合は、その変化を記録した。
【0087】
製造したペースト組成物の配合組成の一覧、及び、製造したペースト組成物の配合量を重量%に換算したもの、及びそれらペースト組成物の各評価結果をまとめて表1に示す。
【0088】
【表1】

【0089】
表1から認識されるように、無機微粒子1重量部に対してポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロース塩が0.01〜0.40重量部含まれている本実施形態のペースト組成物は、無機微粒子が安定的に配合されてなり、しかもスプレー容器から良好に噴霧され得る。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明のペースト組成物は、スプレー用組成物として、化粧品分野などで好適に用いられ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースI型結晶成分の分率が0.1以下であり、セルロースII型結晶成分の分率が0.4以下である平均粒子径が5μm以下のセルロース微粒子と、液状分散媒と、無機微粒子とが含まれているペースト組成物であって、
前記無機微粒子1重量部に対して、ポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロース塩が0.01〜0.40重量部含まれていることを特徴とするペースト組成物。
【請求項2】
前記無機微粒子が金属酸化物微粒子である請求項1記載のペースト組成物。
【請求項3】
前記無機微粒子の平均粒子径が5〜510nmである請求項1又は2記載のペースト組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のペースト組成物が含有されてなることを特徴とするスプレー用組成物。

【公開番号】特開2010−77304(P2010−77304A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248042(P2008−248042)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000003506)第一工業製薬株式会社 (491)
【Fターム(参考)】