説明

ホイールの製造方法

【課題】 溶接予定箇所のメッキを容易に且つ綺麗に除去可能となし、リムに対してメッキを施したホイールを安価に且つ効率的に製造可能なホイールの製造方法を提供する。
【解決手段】 リム2とディスクとからなる2ピースタイプのホイールの製造方法であって、ホイール構成部材としてのリム2に対してクロムメッキ処理を施した後、リム内周面におけるディスクとの溶接予定箇所RWを研磨ベルト20により研磨して、該溶接予定箇所RWのメッキを除去し、その後ディスクをリム2に内嵌固定してから、該溶接予定箇所RWに沿ってディスクとリムとを溶接接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム合金などの軽合金からなる車両用ホイールとして、鋳造により一体成形した1ピースホイールと、リムとディスクの2つに分割構成した2ピースホイールと、インナリムとアウタリムとディスクの3つに分割構成した3ピースホイールとが広く実施されている。
【0003】
2ピースホイールの製造方法としては、円筒状のリムを加熱してその内側にディスクを嵌合させ、リムの軸方向の適所にディスクを焼き嵌めにより嵌合固定した状態で、リム内周面にディスク外周面を溶接して、両者を一体化する製造方法が広く採用されている。
【0004】
また、3ピースホイールの製造方法としては、インナリムとアウタリムの一端部に半径方向内側へ延びる環状の重合部をそれぞれ形成し、重合部を重ね合わせて両リムとを同心状に組み合わせ、この状態で重合部にディスクの外周部を重ね合わせて、これら3者をボルトで締結し、その後インナリムとアウタリムの重ね合わせ部分に沿ってその外周側から溶接を施して、両リムを気密に一体化する製造方法が広く採用されている。
【0005】
一方、ホイールとして、クロムメッキなどのメッキ処理を施して、その意匠性を高めたものも提案され、実用化されている。1ピースホイールにおいては、ホイール全体をメッキ液に浸漬してメッキ処理を施すことになるが(例えば、特許文献1参照。)、2ピースホイールや3ピースホイールにおいては、ホイール構成部材の溶接予定箇所にメッキが存在すると、溶接不良が発生するので、次のようにメッキ処理を施している。
【0006】
即ち、2ピースホイールでは、リム内周面の軸方向の途中部に溶接予定箇所が形成される関係上、溶接予定箇所のメッキの除去が大変煩雑なものとなるので、通常はディスクのみにメッキ処理を施し、リムにはメッキ処理を施さないように構成している。このため、2ピースホイールにおいて、リムに対してメッキ処理を施したものは、製作することは可能であるが、製作コストが高くなることから普及品としては実施されていないのが実状である。
【0007】
また、3ピースホイールにおいては、意匠性の向上を図るためディスクとアウタリムとにメッキ処理を施し、意匠性に殆ど影響を及ぼさないインナリムに関しては、製造コストを低減するためメッキ処理に代えてアルマイト処理を施している。また、メッキや酸化被膜によるリム同士の溶接不良を防止するため、アウタリムに関しては、例えば溶接予定箇所にマスキングを施した状態で、メッキ液に浸漬させてメッキ処理を行ったり、メッキ処理した後に、携帯用グラインダ等を用いた手作業で溶接予定箇所のメッキを除去したり、切削による機械加工で溶接予定箇所のメッキを除去しており、インナリムに関しては、例えばワイヤーブラシなどにより手作業で溶接予定箇所の酸化被膜を除去している。
【0008】
【特許文献1】特開平11−236681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、2ピースホイールにおいては、メッキ処理したリムを有する2ピースホイールは普及品としては実施されておらず、また3ピースホイールにおいても、アウタリムの溶接予定箇所のメッキを除去するときに、次のような問題がある。
【0010】
即ち、アウタリムの溶接予定箇所にマスキングを施してメッキ処理する場合には、マスキングテープの貼り付けという煩雑な作業が必要となり、しかもメッキ処理は、特殊な技術であり、一般にホイールメーカでは行われず、メッキ処理の専門メーカにて行われていることから、マスキングテープの貼り付け作業分だけメッキ処理の工賃が高くなり、ホイールの製造コストが高くなるという問題がある。
【0011】
また、アウタリム外面には微細な凹凸が形成されているので、綺麗にマスキングテープを貼り付けた場合でも、リムをメッキ液に浸漬したときに、マスキングとリム間にメッキ液が侵入して、溶接予定箇所の一部がメッキされてしまうことがあり、溶接予定箇所におけるメッキ部分が溶接欠陥の原因の1つになっている。しかも、メッキ処理としてクロムメッキを施す場合には、複数の処理液にリムを順次浸漬する関係上、マスキングテープとリム間に侵入したメッキ液が次工程の処理液に持ち込まれ、次工程の処理液を汚染するという問題もある。更に、マスキングテープの接着剤成分が処理液に溶け込んで、処理液を劣化させるという問題もある。
【0012】
また、マスキングによる場合には、図15に示すように、リム100の溶接予定箇所にマスキングテープを貼り付けて形成される地肌部101と、それ以外のメッキ部分102との境界部103において、マスキングテープの側縁に沿った隆起部104がメッキ部分102に形成され、地肌部101とメッキ部分102の境界部103に段差ができ、物理的な衝撃でメッキが剥離し易くなったり、マスキングテープとリム間に侵入したメッキ液により不完全なメッキ部分105、例えばクロムメッキの場合には、下地層としての銅のメッキが形成され、該メッキ部分105からメッキ部分102が剥離し易くなったりするという問題がある。
【0013】
一方、切削などの機械加工により溶接予定箇所のメッキを除去する場合には、溶接予定箇所のメッキを綺麗に除去できるとともに、マスキングテープの貼り付け作業も不要となり、しかもマスキングテープの貼り付けが不要であることからメッキ処理の工賃も安くなり、ホイールの製造コストを低減できる。しかし、1回の研削処理でメッキ部分を切削すると、刃物をメッキ部分から離脱させるときに、メッキ部分にそれを剥離する方向への力が作用して地肌部分との境界部からメッキ部分が剥離し易くなるという問題がある。また、これを防止するため、溶接予定箇所の両側縁から刃物を差し入れて、溶接予定箇所の幅方向の途中部で刃物を離脱させることも考えられるが、2回の切削処理が必要となり、作業が大変煩雑になるという問題がある。更に、3ピースホイールのように、リム同士の重合部から円筒状の胴体部に連なる湾曲部外周面のメッキを除去する場合には、該湾曲部の曲面に沿って刃物を移動させる必要があり、しかも異なる種類のホイールでは、湾曲部の曲率が異なることから、刃物の制御が大変複雑なものになるという問題がある。
【0014】
また、携帯用グラインダ等を用いた手作業で溶接予定箇所のメッキを除去する方法では、アウタリムの外周側からの処理となるので曲面状の溶接予定箇所でも、比較的容易に除去することができるが、作業要員が必要になるとともに、研磨面の寸法精度や表面性状にバラツキが発生し易いという問題がある。
【0015】
本発明の目的は、溶接予定箇所のメッキを容易に且つ綺麗に除去可能となし、リムに対してメッキを施したホイールを安価に且つ効率的に製造可能なホイールの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る第1のホイールの製造方法は、ホイール構成部材に対してクロムメッキ処理を施した後、ホイール構成部材の溶接予定箇所を研磨布紙により研磨して、該溶接予定箇所のメッキを除去し、その後該溶接予定箇所に沿ってホイール構成部材を溶接接合するものである。
【0017】
本発明に係る第2のホイールの製造方法は、リムとディスクとからなる2ピースタイプのホイールの製造方法であって、ホイール構成部材としてのリムに対してクロムメッキ処理を施した後、リム内周面におけるディスクとの溶接予定箇所を研磨布紙により研磨して、該溶接予定箇所のメッキを除去し、その後ディスクをリムに内嵌固定してから、該溶接予定箇所に沿ってディスクとリムとを溶接接合するものである。
【0018】
この第2のホイールの製造方法において、前記研磨布紙として、一端部がホイールの内側に挿入可能で且つホイールの軸心と略平行な軸心回りに回転可能なプーリに張設され、他端部がホイール外に配置した鉛直軸心回りに回転可能なプーリに張設された研磨ベルトを用いること、前記リム内周面の研磨時に、軸心を略水平にした平行な2本の支持ローラ上に、軸心を支持ローラと略平行にしてリムをセットした状態で、リムの底部内周面に研磨布紙を圧接させて研磨すること、などが好ましい実施の形態である。
【0019】
本発明に係る第3のホイールの製造方法は、インナリムとアウタリムとディスクとからなる3ピースタイプのホイールの製造方法であって、ホイール構成部材としてのアウタリムに対してクロムメッキ処理を施した後、アウタリムにおける、リム同士の重合部から円筒状の胴体部に連なる湾曲部外周面の溶接予定箇所を研磨布紙にて研磨して、該溶接予定箇所のメッキを除去した後、重合部を重ね合わせて両リムを組み合わせるとともに、重合部にディスクの外周部を重ね合わせ、ディスクを重合部に対してボルトで固定した後、両リムの溶接予定箇所を外側から溶接接合するものである。但し、インナリムに対してアルマイト処理を施す場合には、ワイヤーブラシなどによりインナリムの溶接予定箇所の酸化被膜を除去した状態で、重合部を重ね合わせて両リムを組み合わせることになる。
【0020】
ここで、第3のホイールの製造方法において、前記研磨布紙として、研磨布を放射状に配置したフラップホイールを用い、溶接予定箇所の中央部にフラップホイールを略垂直に圧接させて溶接予定箇所を研磨することが好ましい実施の形態である。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る第1のホイールの製造方法によれば、研磨布紙により溶接予定箇所を研磨するので、硬質なクロムメッキなどでも綺麗に且つ精度良く除去することが可能となる。また、マスキングや切削による場合と比較して、メッキを除去した溶接予定箇所とメッキ部分との境界部における段差が角張ったものとなることを防止でき、境界部からのメッキの剥離を効果的に防止できる。また、マスキングによる場合と比較して、マスキングテープの貼り付け作業も不要となるので、メッキ処理の工賃を安くして、ホイールの製造コストを低減できる。更に、溶接予定箇所のメッキを綺麗に研磨除去できるので、溶接不良を効果的に防止してホイールの品質安定性を向上できる。
【0022】
本発明に係る第2のホイールの製造方法によれば、前記第1のホイールの製造方法における効果に加えて、2ピースホイールのリム内周面の溶接予定箇所におけるメッキを除去できるので、メッキ処理したリムを有する2ピースホイールを容易に且つ安価に製作することが可能となる。また、メッキを除去した溶接予定箇所とメッキ部分とを段差のない滑らかな面に形成することが可能となり、境界部におけるメッキの剥離を効果的に防止できる。また、リム内周面の軸方向に対する研磨布紙の位置を調整することで、リムの軸方向に対して溶接予定箇所の位置を変更できるので、ユーザの要望に応じたオフセット位置にディスクを配置させた2ピースホイールを製作することが可能となる。
【0023】
この第2のホイールの製造方法において、前記研磨布紙として研磨ベルトを用いると、研磨布紙の耐久性を高めることが可能となり、研磨作業を効率的に行うことができる。また、研磨時に、リム内周面に圧接されている研磨ベルトの側縁部が撓むことにより、メッキを除去した溶接予定箇所とメッキ部分とを段差なく滑らかな面に形成することが可能となり、境界部におけるメッキの剥離を効果的に防止できる。
【0024】
また、軸心を略水平にした平行な2本の支持ローラ上にリムをセットして、リムの底部内周面を研磨布紙で研磨すると、サイズの異なるリムのメッキを除去する場合でも、略同じ高さ位置でリム内周面を研磨することが可能となり、リムサイズを変更する毎に研磨布紙の高さ位置を調整する必要がないので、研磨装置として簡単な構成のものを採用することが可能となる。
【0025】
本発明に係る第3のホイールの製造方法によれば、前記第1のホイールの製造方法における効果に加えて、アウタリムの溶接予定箇所におけるメッキを除去できるので、メッキ処理したアウタリムを有する3ピースホイールを容易に且つ安価に製作することが可能となる。また、重合部における溶接予定箇所は外側へ突出した断面形状なので、メッキを除去した溶接予定箇所とメッキ部分とを段差のない滑らかな面に形成することが可能となり、マスキングによる場合や切削による場合と比較して、境界部におけるメッキの剥離を効果的に防止できる。
【0026】
ここで、第3のホイールの製造方法において、前記研磨布紙として、研磨布を放射状に配置したフラップホイールを用い、溶接予定箇所の中央部にフラップホイールを略垂直に圧接させて溶接予定箇所を研磨すると、フラップホイールの外周部が溶接予定箇所の曲面に沿って撓みながら溶接予定箇所を研磨できるので、1回の研磨処理で必要幅の溶接予定箇所を綺麗に研磨できるとともに、溶接予定箇所が過剰に研磨されることを防止しつつ、溶接予定箇所とメッキ部分とを段差なく滑らかな面に形成することが可能となり、境界部におけるメッキの剥離を一層効果的に防止できる。また、溶接予定箇所における曲率半径が異なるホイールでも、同一フラップホイールで研磨処理することができ、研磨処理の作業性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
先ず、2ピースホイール1の製造方法に本発明を適用した場合の実施の形態について説明する。
図1、図2に示すように、2ピースホイール1は、略筒状のリム2と、リム2に内嵌固定されたディスク3とを備え、焼き嵌めによりリム2にディスク3を内嵌固定した状態で、ディスク3の外周部をリム2の内周面に溶接接合して組み立てられている。
【0028】
ディスク3は、アルミニウム合金等の軽量な金属材料を用いて、鋳造やプレス成形や鍛造等により一体成形したもので、車輪支持部材(図示略)への取付部4と、取付部4を取り囲むように設けた環状のリング部5と、取付部4とリング部5とを連結するスポーク部6とを備え、全面にクロムメッキ処理を施したものである。メッキ処理は、メッキ液にリム2を浸漬する周知の方法で行われ、リム2に対するディスク3の溶接予定箇所DWのメッキはマスキングや研磨により除去されている。
【0029】
リム2は、アルミニウム合金などの延伸性に優れた金属材料で構成され、全面にクロムメッキなどのメッキ処理を施したものである。メッキ処理は、メッキ液にリム2を浸漬する周知の方法で行われ、このリム2におけるディスク3との溶接予定箇所RWのメッキは、後述するメッキ除去装置20で研磨して除去されている。
【0030】
リム2のデザイン面側の端部及び取付面側の端部には肉厚を増加させて他の部分より厚肉に構成したフランジ部7が形成されている。このように、フランジ部7を肉厚の増加により厚肉に構成しているので、リム2をメッキ処理するときに、フランジ部7内にメッキ液等が残留することを確実に防止して、メッキ液が残留することによるフランジ部7の腐食を防止できる。また、フランジ部7を厚肉に構成しているので、旋回時等におけるホイール1の強度剛性を十分に確保できる。
【0031】
次に、前記ホイール1の製造方法について説明する。
このホイール1の製造方法は、図3に示すように、リム2を製造するためのリム製造工程と、ディスク3を製造するためのディスク製造工程と、リム2及びディスク3に対してクロムメッキ処理を施すメッキ処理工程と、リム2とディスク3との溶接予定箇所RW、DWのメッキを除去するメッキ除去工程と、リム2とディスク3からホイール1を組み立てる組立工程とを備えている。尚、本発明は、リム2内周面の溶接予定箇所RWのメッキを容易に且つ綺麗に除去できるように構成した点に特徴を有するものなので、リム2のメッキ除去工程以外については簡単に説明する。
【0032】
リム製造工程では、先ず、図4(a)に示すように、アルミニウム合金などの延伸性に優れた円板状の圧延金属板10をプレス成形して、図4(b)に示すように、底部14を有する有底筒状の筒部11と、筒部11の開口側端部から外方へ延びるフランジ部12とを有する一次成形品13を製作し、次に図4(c)に示すように、打ち抜き加工等により一次成形品13の底部14を除去して一次成形品13Aを製作し、次に図4(d)に示すように、底部14を除去した一次成形品13Aの開口端部にプレス成形によりフランジ部15を形成し、筒部11の両端部にフランジ部12、15を形成した二次成形品16を製作する。尚、二次成形品16の製造方法としては、アルミニウム合金などの延伸性に優れた細長い圧延金属板を円筒状に丸め、その両端部を溶接することで筒状部材を製作し、この筒状部材の両端部にプレス成形によりフランジ部を形成して製作することもできる。
【0033】
次に、図5に示すように、二次成形品16をマンドレル17に外嵌固定し、マンドレル17とともに二次成形品16を回転させながら、ローラ18、19を用いて二次成形品16に対してスピニング加工を施して、図2に示すような断面形状のリム2を得ることになる。
【0034】
一方、ディスク製造工程では、アルミニウム合金等の軽量な金属材料を用いて、鋳造やプレス成形や鍛造等の周知の製造方法により金属材料をディスク形状に成形して、ディスク3を製作することになる。
【0035】
メッキ処理工程では、ディスク3及びリム2に対して、脱脂、水洗、酸処理、水洗、銅メッキ、水洗、ニッケルメッキ、水洗、クロムメッキを順次施して、ディスク3及びリム2に対して、銅とニッケルの2層を下地層とし、表面全体にクロムメッキ層を形成する。
【0036】
メッキ除去工程では、リム2とディスク3の溶接予定箇所RW、DWを研磨して、溶接予定箇所におけるクロムメッキを研磨除去することになる。
ディスク3の溶接予定箇所DWのメッキを研磨除去する際には、ディスク3を回転台にセットして、回転台とともにディスク3を回転させながら、ディスク3外周部の溶接予定箇所を携帯用グラインダで研磨処理して、溶接予定箇所のクロムメッキを除去することになる。但し、ディスク3に関しては、メッキ処理時に溶接予定箇所に対してマスキングテープを貼り付けてメッキ処理を行って、溶接予定箇所にメッキが形成されないように構成し、メッキ除去工程を省略することも可能である。
【0037】
リム2の溶接予定箇所RWのメッキを研磨除去する際には、図6に示すような構成のメッキ除去装置20を用い、溶接予定箇所RWを研磨ベルト29からなる研磨布紙により研磨して、溶接予定箇所RWのメッキを除去することになる。
メッキ除去装置20は、リム2の外径よりも小さい間隔をあけて軸心を平行にして水平配置した1対の支持ローラ21と、支持ローラ21上に軸心を略水平にして支持したリム2を支持ローラ21の軸方向に位置決めするための位置決め部材22と、支持ローラ21の上方において支持ローラ21と略平行に配置した1対の保持ローラ23と、支持ローラ21上に位置決め支持したリム2を保持ローラ23にて上側から押圧して、支持ローラ21との間にリム2を保持させるアクチュエータ32と、支持ローラ21と保持ローラ23間に保持したリム2を回転駆動する回転駆動手段24と、リム2の内側へ延びてリム2におけるディスク3との溶接予定箇所RWを研磨して、該溶接予定箇所RWのメッキを除去する研磨手段25とを備えている。
【0038】
研磨手段25は、支持ローラ21の軸心と略平行な軸心回りに回転自在に支持した駆動プーリ26と、軸心を略鉛直にして配置した遊動プーリ27と、案内ロール28により途中部の向きを変えて両プーリ26、27間に張設した研磨ベルト29と、駆動プーリ26を回転駆動する研磨用駆動手段30と、駆動プーリ26に張設した研磨ベルト29をリム2の溶接予定箇所に押し当てる押圧用シリンダ31とを備え、研磨手段25によりリム内周面の底部を研磨するように構成されている。
【0039】
このメッキ除去装置20において、溶接予定箇所RWに対する研磨ベルト29の周速度は150〜600m/minに設定され、リム2に対する圧接力は0.5kN〜1.5kNに設定され、リム2の回転速度は5〜100rpmに設定され、リム2を1回転させる間に溶接予定箇所RWを研磨処理できるように構成されている。但し、リム2を複数回回転させた状態で、研磨処理が完了するように構成することも可能である。研磨ベルト29の幅は、1回の研磨処理により溶接予定箇所RWのメッキを研磨できるように、溶接予定箇所RWと同じ幅あるいはやや大きな幅に設定されている。但し、軸方向に複数回に分けて研磨することも可能である。
【0040】
このメッキ除去装置20を用いてリム2内周面の溶接予定箇所を研磨する際には、先ず、図7(a)に示すように、軸心を左右方向に向けて支持ローラ21上にリム2を載置し、リム2の端部を位置決め部材22に当接させて、リム2を支持ローラ21上に左右方向に位置決めセットし、図7(b)に示すように、アクチュエータ32により保持ローラ23を下側へ突出させて、支持ローラ21と保持ローラ23間にリム2を保持する。
【0041】
次に、研磨手段25を図6、図7(c)に示す退避位置から図8(a)に示す前進位置まで移動させ、回転駆動手段24により支持ローラ21を回転させて、リム2を例えば10rpmの回転速度で低速回転させるとともに、研磨ベルト29を周回させてから、図8(b)に示すように、駆動プーリ26に掛けられた研磨ベルト29を、低速回転するリム内周面における底部の溶接予定箇所RWに圧接させ、低速回転するリム2の溶接予定箇所RWを順次研磨して、溶接予定箇所RWにおけるメッキを順次除去することになる。
【0042】
こうして、リム2を1回転させて溶接予定箇所RWのメッキを全周にわたって除去した後、研磨ベルト29をリム内周面から離間させるとともに、研磨用駆動手段30によるリム2の回転を停止させた状態で、図8(c)に示すように、ドリル駆動手段33によりドリル34を回転させながらドリル34を上昇させて、バルブ取付孔8(図2参照)を形成することになる。但し、ドリル34によりバルブ取付孔8を形成した後、溶接予定箇所RWにおけるメッキを除去するように構成することも可能である。
【0043】
このような構成のメッキ除去装置20を用いると、研磨ベルト29による溶接予定箇所RWの研磨時に、図9に示すように、研磨ベルト29の側縁が微妙に撓むので、メッキを除去した後の溶接予定箇所RWの地肌面2aとメッキ部分2bの表面とは滑らかに連なった状態となり、両者の境界部2cに段差が形成されないので、溶接時等において境界部2cからメッキ部分2bが剥離するという不具合を効果的に防止することが可能となる。
【0044】
また、研磨により溶接予定箇所RWのメッキを除去するので、溶接予定箇所RWのメッキを略完全に綺麗に除去することが可能となり、リム2に対するディスク3の溶接不良を確実に防止できる。また、マスキングテープを貼り付けないでリム2の全面に対してメッキができるので、メッキ処理の工賃を安くして、ホイール1の製造コストを低減できる。
【0045】
更に、支持ローラ21に支持した状態でリム内周面の底部を研磨するので、サイズの異なるリム2のメッキ部分を除去する場合でも、リム2の内周面における研磨位置が略同じ高さとなり、研磨手段25とリム2との高さ関係を調整する必要がないので、メッキ除去の作業性を格段に向上できる。
【0046】
研磨手段25を用いて研磨するので、リム2内に挿入する駆動プーリ26を小型に構成しつつ、研磨具としての研磨ベルト29の耐久性を高めることが可能となり、研磨作業を効率的に行うことができる。
【0047】
尚、研磨手段25による研磨位置をリム2の軸方向に位置調整する位置調整手段を設けることも可能で、この場合には、溶接予定位置RWの軸方向位置を任意に調整できるので、ユーザの要望に応じてリム2の軸方向に対するディスク3の組付位置を調整したホイールを製作することができる。また、研磨により溶接予定箇所RWのメッキを除去可能なものであれば、前記メッキ除去装置20以外の構成のメッキ除去装置を用いてメッキを除去することも可能である。
【0048】
次に、組立工程では、誘導加熱装置によりリム2を加熱して、熱膨張によりリム2の内径を大きくした状態で、リム2の内側における軸方向の設定位置にディスク3を挿入し、空冷などによりリム2の温度を低下させて、焼き嵌めによりリム2の内側にディスク3を嵌合固定する。次に、ティグ溶接或いはミグ溶接により、ディスク3とリム2の溶接予定箇所RW、RWを順次溶接接合して、図1、図2に示すような2ピースホイール1を得ることになる。
【0049】
このホイール1の製造方法では、前述のように、リム内周面の溶接予定箇所RWを研磨により容易に且つ綺麗に精度良く研磨できるので、クロムメッキを施したリム2を有する2ピースホイール1を安価に製造することが可能となる。
【0050】
次に、3ピースタイプのホイール51の製作方法に本発明を適用した実施の形態について説明する。
図10に示すように、3ピースホイール51は、一端部に内側へ延びる環状の重合部52aを有する略筒状のアウタリム52A及びインナリム52Bと、両リム52A、52Bの重合部52aに図示外のボルトで固定したディスク54とを備えている。
【0051】
ディスク54は、アルミニウム合金等の軽量な金属材料を用いて、鋳造やプレス成形や鍛造等により一体成形したもので、車輪支持部材(図示略)への取付部55と、取付部55を取り囲むように設けた環状のリング部56と、取付部55とリング部56とを連結するスポーク部57とを備え、全面にクロムメッキ処理を施したものである。メッキ処理は、メッキ液にディスク54を浸漬する周知の方法で行われている。但し、ディスク4には必ずしもメッキ処理を施す必要はなく、塗装を施すことも可能である。
【0052】
両リム52A、52Bは、アルミニウム合金などの延伸性に優れた金属材料で構成されている。アウタリム52Aの全面には、意匠性を高めるため、クロムメッキなどのメッキ処理が、メッキ液にアウタリム52Aを浸漬するなどの周知の方法で行われている。インナリム52Bには、アウタリム2Aと同様にクロムメッキを施すことも可能であるが、意匠性にほとんど影響を及ぼさない部材なので、安価に実施可能なアルマイト処理が施されている。
【0053】
リム52A、52Bには重合部52aに連なる略円筒状の胴体部52bが形成され、アウタリム52Aのデザイン面側の端部及びリム52Bの取付面側の端部には、肉厚を増加させて他の部分より厚肉に構成したフランジ部52cがそれぞれ形成されている。このようにフランジ部52cを肉厚の増加により厚肉に構成しているので、アウタリム52Aをメッキ処理するときに、フランジ部52c内にメッキ液等が残留することを確実に防止して、メッキ液が残留することによるフランジ部52cの腐食を防止できる。また、両リム52A、52Bのフランジ部52cを厚肉に構成しているので、旋回時等におけるホイール51の強度剛性を十分に確保できる。
【0054】
重合部52aから胴体部52bに連なる湾曲部外周面には、メッキや酸化被膜を除去して地肌を露出させた溶接予定箇所Rがそれぞれ形成されている。アウタリム52Aの溶接予定箇所Rは、後述するメッキ除去装置60によりメッキを除去して、地肌を露出させることになり、インナリム52Bの溶接予定箇所Rは、ワイヤーブラシなどにより酸化被膜を除去して、地肌を露出させることになる。但し、インナリム52Bに対してメッキ処理を施す場合には、アウタリム52Aと同様に後述するメッキ除去装置60により、溶接予定箇所Rのメッキを除去することになる。
【0055】
ホイール51を組み立てる際には、両リム52A、52Bの重合部52aを重ね合わせるとともに、この重合部52aにディスク54の外周部をボルト53で固定して、両リム52A、52Bとディスク54とを一体化してから、両溶接予定箇所Rを外周側から溶接して組み立てることになる。
【0056】
次に、前記ホイール51の製造方法について説明する。
このホイール51の製造方法は、前記実施の形態とは各工程における作業の内容は異なるが、図3に示す工程と同様の工程を備えている。具体的には、アウタリム52A及びインナリム52Bを製造するためのリム製造工程と、ディスク54を製造するためのディスク製造工程と、アウタリム52A及びディスク54に対してクロムメッキ処理を施すメッキ処理工程と、アウタリム52Aにおけるインナリム52Bとの溶接予定箇所Rのメッキを除去するメッキ除去工程と、両リム52A、52Bとディスク54からホイール51を組み立てる組立工程とから構成されている。本発明は、アウタリム52Aの溶接予定箇所Rのメッキを容易に且つ綺麗に除去できるように構成した点に特徴を有するものなので、アウタリム52Aのメッキ除去工程以外については簡単に説明する。
【0057】
リム製造工程について説明すると、先ず、プレス工程において、前記実施の形態と同様に、図4(a)に示すように、アルミニウム合金などの延伸性に優れた円板状の圧延金属板10をプレス成形して、底部14を有する有底筒状の筒部11と、筒部11の開口側端部から外方へ延びるフランジ部12とを有する一次成形品13を製作する。但し、筒部11の軸方の長さはアウタリム52Aを製造するときには、アウタリム52Aの軸方向長さに適合するように設定し、インナリム52Bを製造するときには、インナリム52Bの軸方向長さに適合するように設定することになる。次に、打ち抜き加工等により一次成形品13の底部14を除去した一次成形品13Aを製作する。但し、一次成形品13の底部14全体を切除してもよいが、中央部のみを切除して、中央部側へ延びるフランジ部を形成し、これを重合部52aとして利用することもできる。次に、一次成形品13Aをマンドレルに外嵌固定し、マンドレルとともに一次成形品13Aを回転させながら、ローラを用いて一次成形品13Aに対してスピニング加工を施して、図10に示すような断面形状のアウタリム52A及びインナリム52Bを得ることになる。
【0058】
ディスク製造工程では、アルミニウム合金等の軽量な金属材料を用いて、鋳造やプレス成形や鍛造等の周知の製造方法により金属材料をディスク形状に成形して、ディスク54を製作することになる。
【0059】
メッキ処理工程では、ディスク54及びアウタリム52Aに対して、脱脂、水洗、酸処理、水洗、銅メッキ、水洗、ニッケルメッキ、水洗、クロムメッキを順次施して、ディスク54及びアウタリム52Aに対して、銅とニッケルの2層を下地層とし、表面全体にクロムメッキ層を形成する。尚、インナリム52Bには、アウタリム52Aと同様にクロムメッキ処理を施すことも可能であるが、意匠性にほとんど影響を及ぼさない部材なので、安価に実施可能なアルマイト処理を施すことになる。
【0060】
メッキ除去工程では、次のような構成のメッキ除去装置60を用いて、アウタリム52Aの溶接予定箇所Rを研磨布紙61により研磨して、溶接予定箇所Rのメッキを除去することになる。
【0061】
図11、図12に示すように、メッキ除去装置60は、軸心を略鉛直にしてアウタリム52Aを回転自在に支持する支持手段62と、支持手段62に支持されたアウタリム52Aを3本の保持ローラ63で外側から保持しながらアウタリム52Aを回転駆動する回転駆動手段64と、アウタリム52Aの湾曲部外周面の溶接予定箇所Rを研磨布紙61で研磨して、該溶接予定箇所Rのメッキを除去する研磨手段65とを備えている。
【0062】
支持手段62は、支持筒66に回転自在に支持された回転板67と、回転板67に着脱自在に外嵌固定した治具板68とを備え、治具板68に対してアウタリム52Aをその軸心を略鉛直にし且つ重合部52a側を上側にして、重合部52aから胴体部52bが下側へ延びるようにセットできるように構成されている。また、治具板68を外径サイズの異なるものと交換することで、各種サイズのアウタリム52Aを支持手段62に支持できるように構成されている。
【0063】
回転駆動手段64は、支持手段62に支持されたアウタリム52Aの外側において、周方向に一定間隔おきに、軸心を鉛直方向にして、回転自在に設けた3本の保持ローラ63と、保持ローラ63をアウタリム52Aのフランジ部52cに圧接させるエアシリンダ69と、電動モータ70を主体としてなり、1本の保持ローラ63を回転駆動する回転駆動手段64とを備え、3本の保持ローラ63によりアウタリム52Aを保持した状態で、回転駆動手段64により1本の保持ローラ63を回転駆動することで、アウタリム52Aを低速回転できるように構成されている。
【0064】
研磨手段65は、電動モータ72と複数のプーリ73とプーリ73間に張設したベルト74とを有する駆動手段75と、駆動手段75により回転駆動されるフラップホイールからなる研磨布紙61とを備えている。研磨布紙61としては、フラップホイール以外のものを用いることも可能である。特に、溶接予定箇所Rの曲面に沿って外周面が変形可能な研磨布紙61を用いると、溶接予定箇所Rのメッキを1回の処理で綺麗に研磨除去できるので好ましい。また、この研磨手段65は、図示外の昇降手段及び水平方向移動手段により、研磨布紙61が溶接予定箇所Rに略垂直に圧接されるように、位置調整可能に構成されている。
【0065】
このメッキ除去装置60において、アウタリム52Aの回転速度は任意に設定できるが、処理能力及び研磨面の表面性状を十分に確保するため、例えば5〜100rpmに設定され、研磨布紙61の回転速度は、1500〜3000rpmに設定され、研磨布紙61のアウタリム52Aに対する圧接力は0.5kN〜1.5kNに設定され、アウタリム52Aを1回転させる間に溶接予定箇所Rを研磨処理できるように構成されている。但し、リム2を複数回回転させた状態で、研磨処理が完了するように構成したり、軸方向に複数回に分けて研磨処理することもできる。研磨布紙61の幅は、1回の研磨処理により溶接予定箇所Rのメッキ層を研磨除去できるように、溶接予定箇所Rよりもやや大きな幅に設定することが好ましい。
【0066】
このメッキ除去装置60を用いてメッキを除去する場合には、先ず、図11(a)に示すように、研磨処理するアウタリム52Aの内径サイズに適合した治具板68を回転板67にセットし、治具板68に対してアウタリム52Aをその軸心を略鉛直にし且つ重合部52a側を上側にして、重合部52aから胴体部52bが下側へ延びるようにセットする。
【0067】
次に、図11(b)に示すように、エアシリンダ69により保持ローラ63を前進移動させて、支持手段62にセットしたフランジ部52cの外周部を3つの保持ローラ63で保持する。
【0068】
こうして、回転駆動手段64の3つの保持ローラ63によりアウタリム52Aを保持した状態で、回転駆動手段64により1本の保持ローラ63を回転駆動して、例えば50rpmでアウタリム52Aを低速回転駆動する。
【0069】
一方、図12(a)に示すように、アウタリム52Aのサイズに応じて研磨布紙61がアウタリム52Aの溶接予定箇所Rに僅かな隙間をあけて対面するように、研磨手段65の上下方向位置及び前後方向位置を調整する。
【0070】
そして、図12(b)に示すように、電動モータ72により研磨布紙61を回転させながら、加圧用シリンダ76により研磨布紙61をアウタリム52Aの溶接予定箇所Rに圧接させて、溶接予定箇所Rのメッキを研磨する。このとき、研磨布紙61は溶接予定箇所Rの中央部に略垂直に圧接され、研磨布紙61の外周面は、図13に示すように溶接予定箇所Rの曲面に沿ってその厚さ方向の中央部が少し窪んだ状態に変形し、幅広な溶接予定箇所Rを一度に研磨処理することになる。また、研磨処理した後の溶接予定箇所R及びその付近は、図14に示すように、溶接予定箇所Rの地肌部58aとメッキ部58bとが滑らかに連なった状態となり、地肌部58aとメッキ部58bとの境界部に段差が形成されないので、メッキの剥離を効果的に防止できることになる。
【0071】
こうして、回転駆動手段64でアウタリム52Aを1回転させている間に溶接予定箇所Rを順次研磨処理し、溶接予定箇所Rの研磨が完了すると、加圧用シリンダ76による押圧を停止して、研磨布紙61をアウタリム52Aから離間させるとともに、研磨布紙61の回転を停止させ、保持ローラ63を後退させて研磨処理したアウタリム52Aを治具板68から取り外し、新たなアウタリム52Aを治具板68にセットして、前記と同様に溶接予定箇所Rのメッキを研磨除去することになる。尚、本実施例では、アウタリム52Aを1回転させている間に溶接予定箇所Rを順次研磨処理したが、複数回転させている間に研磨処理することもできるし、溶接予定箇所Rを幅方向に複数回に分けて順次研磨することも可能である。
【0072】
次に、組立工程では、両リム52A、52Bの重合部52aを重ね合わせるとともに、この重合部52aにディスク54の外周部をボルト53で固定して、両リム52A、52Bとディスク54とを一体化してから、ティグ溶接或いはミグ溶接により、両リム52A、52Bの溶接予定箇所Rを外周側から順次溶接接合して、図10に示すような3ピースホイール51を得ることになる。
【0073】
尚、インナリム52Bに対してメッキ処理を施す場合には、アウタリム52Aと同様に前記メッキ除去装置60を用いてインナリム52Bの重合部52aから筒部52bに連なる湾曲部外周面の溶接予定箇所Rを研磨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】2ピースタイプのホイールの正面図
【図2】図1のII-II線断面図
【図3】ホイール製造工程の説明図
【図4】(a)(b)はプレス工程の説明図、(c)(d)は加工工程の説明図
【図5】スピニング工程の説明図
【図6】メッキ除去装置の説明図
【図7】メッキ除去装置の作動状態を示す図で、(a)は支持ロールに対してリムを載置した状態の説明図、(b)は保持ローラでリムを保持した状態の説明図、(c)はリムに対して研磨ベルトを挿入する直前の説明図
【図8】メッキ除去手段の作動状態を示す図で、(a)はリムに対して研磨ベルトを挿入した状態の説明図、(b)は研磨ベルトによる溶接予定箇所研磨時の説明図、(c)はドリルによるバルブ取付孔形成時の説明図
【図9】研磨ベルトによる研磨箇所の説明図
【図10】3ピースホイールの断面図
【図11】メッキ除去装置の作動状態を示す図で、(a)はリムを支持手段にセットした状態の説明図、(b)は保持ローラでリムを保持した状態の説明図
【図12】メッキ除去装置の作動状態を示す図で、(a)は研磨手段でリムの溶接予定箇所を研磨する直前の説明図、(b)は研磨手段でリムの溶接予定箇所を研磨している状態の説明図
【図13】研磨布紙による研磨作業時の説明図
【図14】研磨箇所の説明図
【図15】従来技術に係るマスキングによる溶接予定箇所の説明図
【符号の説明】
【0075】
1 2ピースホイール 2 リム
2a 地肌面 2b メッキ部分
2c 境界部 3 ディスク
4 取付部 5 リング部
6 スポーク部 7 フランジ部
8 バルブ取付孔 10 圧延金属板
11 筒部 12 フランジ部
13 一次成形品 13A 一次成形品
14 底部 15 フランジ部
16 二次成形品 17 マンドレル
18 ローラ
20 メッキ除去装置 21 支持ローラ
22 位置決め部材 23 保持ローラ
24 回転駆動手段 25 研磨手段
26 駆動プーリ 27 遊動プーリ
28 案内ロール 29 研磨ベルト
30 研磨用駆動手段 31 押圧用シリンダ
32 アクチュエータ 33 ドリル駆動手段
34 ドリル
RW 溶接予定箇所 DW 溶接予定箇所
51 3ピースホイール 52A アウタリム
52B インナリム 52a 重合部
52b 胴体部 52c フランジ部
54 ディスク 55 取付部
56 リング部 57 スポーク部
58a 地肌部 58b メッキ部
60 メッキ除去装置 61 研磨布紙
62 支持手段 63 保持ローラ
64 回転駆動手段 65 研磨手段
66 支持筒 67 回転板
68 治具板 69 エアシリンダ
70 電動モータ 72 電動モータ
73 プーリ 74 ベルト
75 駆動手段 76 加圧用シリンダ
R 溶接予定箇所


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイール構成部材に対してクロムメッキ処理を施した後、ホイール構成部材の溶接予定箇所を研磨布紙により研磨して、該溶接予定箇所のメッキを除去し、その後該溶接予定箇所に沿ってホイール構成部材を溶接接合することを特徴とするホイールの製造方法。
【請求項2】
リムとディスクとからなる2ピースタイプのホイールの製造方法であって、ホイール構成部材としてのリムに対してクロムメッキ処理を施した後、リム内周面におけるディスクとの溶接予定箇所を研磨布紙により研磨して、該溶接予定箇所のメッキを除去し、その後ディスクをリムに内嵌固定してから、該溶接予定箇所に沿ってディスクとリムとを溶接接合することを特徴とするホイールの製造方法。
【請求項3】
前記リム内周面の研磨時に、軸心を略水平にした平行な2本の支持ローラ上に、軸心を支持ローラと略平行にしてリムをセットした状態で、リムの底部内周面に研磨布紙を圧接させて研磨する請求項2記載のホイールの製造方法。
【請求項4】
前記研磨布紙として、一端部がホイールの内側に挿入可能で且つホイールの軸心と略平行な軸心回りに回転可能なプーリに張設され、他端部がホイール外に配置した鉛直軸心回りに回転可能なプーリに張設された研磨ベルトを用いた請求項2又は3記載のホイールの製造方法。
【請求項5】
インナリムとアウタリムとディスクとからなる3ピースタイプのホイールの製造方法であって、ホイール構成部材としてのアウタリムに対してクロムメッキ処理を施した後、アウタリムにおける、リム同士の重合部から円筒状の胴体部に連なる湾曲部外周面の溶接予定箇所を研磨布紙にて研磨して、該溶接予定箇所のメッキを除去した後、重合部を重ね合わせて両リムを組み合わせるとともに、重合部にディスクの外周部を重ね合わせ、ディスクを重合部に対してボルトで固定した後、両リムの溶接予定箇所を外側から溶接接合することを特徴とするホイールの製造方法。
【請求項6】
前記研磨布紙として、研磨布を放射状に配置したフラップホイールを用い、溶接予定箇所の中央部にフラップホイールを略垂直に圧接させて溶接予定箇所を研磨する請求項5記載のホイールの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−91206(P2007−91206A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−155696(P2006−155696)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(390007397)株式会社ワーク (4)
【Fターム(参考)】