ホログラフィック導光体を備えた照明装置
照明装置は、ホログラフィックフィルム89及び光源93(点光源等)を含む。点光源93は、ホログラフィックフィルムのエッジに配置されて、ホログラフィックフィルム89のエッジと向き合う発光面を有する。ホログラフィックフィルム89は、回折屈折率構造で形成されたホログラムを含む。回折屈折率構造の密度は、光源93からの距離が増大するのと共に増大する。光は、光源93から、全内部反射等によってホログラフィックフィルム89を介して伝播する。回折屈折率構造が光を方向転換させることによって、光が、所望の方向においてホログラフィックフィルム89の外に伝播する。一部実施形態では、ホログラフィックフィルム89の外に伝播する光は、ホログラフィックフィルム89の表面にわたって高い均一性を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年6月30日出願の米国仮特許出願第61/077098号の米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は一般的に照明装置に関する。特に、本発明は、例えばディスプレイを照明するために導光を行うホログラフィック構造を用いた照明装置に関する。また、本発明は、その装置の使用及び製造方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
微小電気機械システム(MEMS,Microelectromechanical System)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び、電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び/又は、他の微小機械加工プロセス(基板及び/又は堆積させた物質層の一部をエッチングしたり、電気的及び電気機械的装置を形成するための層を追加したりする)を用いて、形成され得る。MEMS装置の一種類は、干渉変調器と呼ばれる。本願において、干渉変調器、干渉光変調器という用語は、光干渉原理を用いて光を選択的に吸収及び/又は反射する装置を指称する。特定の実施形態において、干渉変調器は、一対の導電性板を備える。その一対の導電性板の一方又は両方は、その全体又は一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号の印加に対して相対的に動くことができる。特定の実施形態において、一方の板は、基板上に堆積させた静止層を備え、他方の板は、空隙によって静止層から離隔された金属膜を備え得る。本願において詳述されるように、他方の板に対する一方の板の位置によって、干渉変調器に入射する光の光学干渉を変化させることができる。このような装置は広範な応用を有し、こうした種類の装置の特性を利用及び/又は変更する分野において有用であり、その特徴を、既存の製品を改善し、また、未だ開発されていない新規製品を創作するのに活かすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/126142号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/016930号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1437610号明細書
【特許文献4】国際公開第2008/045311号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部実施形態では、照明装置が提供される。その照明装置は、ホログラムを有するホログラフィックフィルムを備える。ホログラムは、複数の回折屈折率構造を備える。点光源は、ホログラフィックフィルムのエッジに配置される。点光源の発光面はエッジと向き合う。回折屈折率構造の密度は、光源からの距離が増大するのと共に増大する。
【0006】
他の一部実施形態では、ディスプレイを照明するための装置が提供される。その装置は、記録された複数の回折屈折率構造を有するホログラフィックフィルムを備える。回折屈折率構造は、赤、緑、青の色に対応する波長において主に光を回折させるように構成されている。光源は、ホログラフィックフィルムのエッジに配置される。
【0007】
他の一部実施形態では、照明装置が提供される。その照明装置は、光を発生させてその光を平坦部材を介するように向けるための第一の手段と、その平坦部材の表面の外に光を均一にホログラフ的に方向転換させるための第二の手段とを備える。
【0008】
他の一部実施形態では、ディスプレイを照明するための方法が提供される。その方法は、ホログラフィックフィルムのエッジに点光源を提供する段階を備える。点光源からの光は、ホログラフィックフィルムのエッジに直接投射されて、光がホログラフィックフィルムを介して伝播する。光は、回折屈折率構造に接触して、ホログラフィックフィルムの主表面の外に向けられる。ディスプレイの画像素子に向けて方向転換された光の面積当たりのパワーは、ホログラフィックフィルムの主表面にわたって実質的に均一である。
【0009】
他の一部実施形態では、ディスプレイ装置を製造するための方法が提供される。その方法は、ホログラムを備えたホログラフィックフィルムを提供する段階を備える。ホログラムは複数の回折屈折率構造を備える。回折屈折率構造の密度は、光源からの距離が増大するのと共に増大する。点光源がホログラフィックフィルムのエッジに取り付けられる。点光源の発光面はエッジと向き合っている。ディスプレイはホログラフィックフィルムに取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一番目の干渉変調器の可動反射層が緩和位置にあり、二番目の干渉変調器の可動反射層が作動位置にある干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を示す等角図である。
【図2】3×3干渉変調器ディスプレイを組み込む電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉変調器の実施形態の一例に対する可動ミラーの位置対印加電圧の図である。
【図4】干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用可能な行及び列の電圧の組の図である。
【図5A】図2の3×3干渉変調器ディスプレイの表示データのフレームの一例を示す。
【図5B】図5Aのフレームを描くのに使用可能な行及び列の信号用のタイミング図の一例を示す。
【図6A】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1の装置の断面図である。
【図7B】干渉変調器の代替実施形態の断面図である。
【図7C】干渉変調器の他の代替実施形態の断面図である。
【図7D】干渉変調器の更に他の代替実施形態の断面図である。
【図7E】干渉変調器の更なる代替実施形態の断面図である。
【図8A】ディスプレイ装置の一実施形態の断面図である。
【図8B】ディスプレイ装置の他の実施形態の断面図である。
【図8C】ディスプレイ装置の一実施形態の斜視図である。
【図8D】ディスプレイ装置の他の実施形態の斜視図である。
【図9A】図8Cのディスプレイ装置の上面図である。
【図9B】図8Dのディスプレイ装置の上面図である。
【図10A】ホログラフィックフィルムの上面図である。
【図10B】ホログラフィックフィルムの上面図である。
【図10C】図10A及び図10Bの構造の断面図である。
【図11A】ホログラフィックフィルム及び関連する支持構造の断面図である。
【図11B】図11Aのホログラフィックフィルム及び関連する支持構造の一実施形態の上面図である。
【図11C】図11Aのホログラフィックフィルム及び関連する支持構造の他の実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な記載は、特定の実施形態に対するものである。しかしながら、本願の教示は、多種多様な方法で応用可能である。本説明においては、全体にわたり同様の部分には同様の参照符号を付した図面を参照する。動的な画像(例えば、ビデオ)又は静的な画像(例えば、静止画)や、文字又は図表の画像を表示するように設計されているあらゆる装置において、本実施形態を実装可能である。更に、携帯電話、無線装置、PDA、携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、置時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(例えば、走行距離計等)、コックピット制御機器及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、自動車の後方ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電光掲示板または電光サイン、プロジェクタ、建築物、パッケージング、審美的構造(例えば、宝石に対する画像表示)等の多種多様な電子機器において又はこれらに関連して、本実施形態を実施可能であるが、これらに限定されるものではない。本願で説明されるものと同様の構造のMEMS装置を、電子スイッチ装置等のディスプレイ以外の応用においても使用可能である。
【0012】
本願で開示される一部実施形態には、光源と、ホログラフィック光“方向転換”フィルムを有する導光パネルとを含む照明システムが含まれる。光源は、点光源(例えば発光ダイオード(LED,light emitting diode))や、線光源であり得る。ホログラフィックフィルムは、回折屈折率(DRI,diffractive refractive index)構造を有するホログラムを含む。光源からの光は、導光パネル内に注入されて、パネルを介して伝播して、DRI構造に接触する。DRI構造は、例えば干渉変調器で形成されたディスプレイに向けて、パネルの外へと光を方向転換させる。一部実施形態では、DRI構造の密度が、光源からの距離の増大と共に増大する。有利には、パネルの外に方向転換された光の光束は、パネルの所望の領域(例えば、画素が配置されるディスプレイのアクティブエリアに対応する領域)にわたって高い均一性を有することができる。
【0013】
干渉MEMSディスプレイ素子を備えた干渉変調器ディスプレイの一実施形態を、図1に示す。この装置において、画素は、明状態または暗状態のどちらかである。明(“緩和”、“オープン”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分を使用者に反射する。暗(“作動”、“クローズ”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の僅かしか使用者に反射しない。実施形態に応じて、“オン”及び“オフ”状態の光の反射性を逆にしてもよい。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成可能であり、白黒に加えてカラーディスプレイが可能である。
【0014】
図1は、画像ディスプレイの一続きの画素の内の二つの隣接する画素を示す等角図である。ここで、各画素は、MEMS干渉変調器を備えている。一部実施形態では、干渉変調器ディスプレイは、これら干渉変調器の行列のアレイを備える。各干渉変調器は、互いに可変で制御可能な距離に配置された一対の反射層を含み、少なくとも一つの可変寸法を備えた共鳴光学ギャップを形成する。一実施形態において、反射層の一方は、二つの位置の間を移動し得る。第一の位置(緩和位置と称する)では、可動反射層は、固定された部分反射層から比較的離れた位置に在る。第二位置(作動位置と称する)では、可動反射層は、部分反射層により近づいて隣接する位置に在る。これら二つの層から反射される入射光は、可動反射層の位置に応じて、建設的に又は破壊的に干渉して、各画素に対して全体的な反射状態または非反射状態のどちらかがもたらされる。
【0015】
図1に示される画素アレイの一部は、二つの隣接する干渉変調器12a及び12bを含む。左側の干渉変調器12aでは、可動反射層14aが、光学積層体16a(部分反射層を含む)から所定の距離離れた緩和位置で示されている。右側の干渉変調器12bでは、可動反射層14bが、光学積層体16bに隣接した作動位置で示されている。
【0016】
本願において、光学積層体16a及び16b(まとめて光学積層体16と称する)は典型的に複数の結合層を備え、インジウム錫酸化物(ITO,indium tin oxide)等の電極層、クロム等の部分反射層、及び、透明誘電体を含み得る。従って、光学積層体16は、導電性であり、部分的には透明で部分的には反射性であり、例えば、透明基板20上に上述の層を一層以上堆積させることによって、製造可能である。部分反射層は、多様な金属、半導体、誘電体等の部分反射性である多様な物質から形成可能である。部分反射層は一層以上の物質層で形成可能であり、各層は単一の物質または複数の物質の組み合わせで形成可能である。
【0017】
一部実施形態では、光学積層体16の層が平行なストリップにパターニングされて、以下で説明するようなディスプレイ装置の行電極を形成し得る。可動反射層14a、14bは、ポスト18の上面と、ポスト18間に堆積させた介在犠牲物質の上面とに堆積させた列を形成する堆積金属層(一層または複数層)の一続きの平行なストリップ(16a及び16bの行電極に直交する)として形成され得る。犠牲物質がエッチングされると、画定されたギャップ19によって、可動反射層14a、14bが光学積層体16a、16bから離隔される。反射層14用には、アルミニウム等の高導電性及び反射性物質を使用可能であり、そのストリップが、ディスプレイ装置の列電極を形成し得る。図1は縮尺どおりではない点に留意されたい。一部実施形態では、ポスト18間の間隔が10〜100μmのオーダとなり得る一方で、ギャップ19が1000オングストローム未満のオーダとなり得る。
【0018】
電圧が印加されていないと、図1の画素12aに示されるように、可動反射層14aと光学積層体16aとの間にギャップ19が残ったままであり、可動反射層14aは、機械的に緩和状態にある。一方で、選択された行と列に電位(電圧)の差が印加されると、対応する画素の行電極と列電極の交差する部分に形成されるキャパシタが帯電して、静電力が電極を互いに引き寄せる。電圧が十分に高いと、可動反射層14が変形して、光学積層体16に押し付けられる。光学積層体16内の誘電体層(図1に示さず)は、短絡を防止して、図1の右側の作動画素12bに示されるように、層14と層16との間の間隔を制御することができる。印加される電位差の極性に関わり無く、挙動は同じである。
【0019】
図2から図5は、ディスプレイ応用における干渉変調器のアレイを用いるためのプロセス及びシステムの一例を示す。
【0020】
図2は、干渉変調器を組み込み得る電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。電子装置はプロセッサ21を含み、そのプロセッサ21は、ARM(登録商標)、Pentium(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)等の汎用のシングルチップまたはマルチチップのマイクロプロセッサであり、又は、デジタル信号プロセッサや、マイクロコントローラやプログラマブルゲートアレイ等の専用マイクロプロセッサであり得る。従来技術のように、プロセッサ21は、一つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得る。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、eメールプログラムや、他のソフトウェアアプリケーション等の一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
【0021】
一実施形態では、プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するようにも構成されている。一実施形態では、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に示されるアレイの断面図は、図2の線1‐1に沿って示されている。図2には明確性のため、干渉変調器の3×3のアレイが示されているが、ディスプレイアレイ30は多数の干渉変調器を含み得て、また、列と行とで異なる数の干渉変調器を含み得る(例えば行毎に130画素で、列毎に190画素)ことには留意されたい。
【0022】
図3は、図1の干渉変調器の例示的な実施形態に対する可動ミラー位置対印加電圧のダイアグラムを示す。MEMS干渉変調器に対しては、行/列の作動プロトコルは、図3に示されるような装置のヒステリシス特性を利用し得る。干渉変調器は、例えば、可動層を緩和状態から作動状態に変形させるのに、10ボルトの電位差を必要とし得る。一方で、この値よりも電圧が減少すると、電圧が10ボルト未満に下がっても、可動層がその状態を維持する。図3の例示的な実施形態では、可動層は、電圧が2ボルト未満に下がるまで完全には緩和しない。従って、電圧範囲(図3に示される例では略3から7V)が存在し、装置が緩和状態又は作動状態のどちらかで安定している印加電圧のウィンドウが存在する。これを本願では、“ヒステリシスウィンドウ”または“安定ウィンドウ”と称する。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイに対しては、行/列の作動プロトコルを以下のように構成可能である。即ち、行のストローブ中には、作動されるべきストローブ行の画素が略10ボルトの電圧の差に晒されて、緩和されるべき画素がゼロボルトに近い電圧の差に晒されるように構成可能である。ストローブ後には、画素が略5ボルトの安定状態又はバイアス電圧の差に晒されて、画素が、行のストローブによって与えられた状態を保つ。描かれた後には、各画素は、本実施例では3〜7ボルトの“安定ウィンドウ”内の電位差を見る。この特徴は、図1に示される画素構造を、同一の印加電圧条件の下において、作動または緩和の既存状態のどちらかで安定させる。干渉変調器の各画素(作動又は緩和状態)は本質的に、固定反射層及び可動反射層によって形成されたキャパシタであるので、ほぼ電力消費無く、ヒステリシスウィンドウ内の電圧において、この安定状態を保持することができる。印加電位が固定されていれば、本質的に電流は画素内に流れない。
【0023】
後述のように、典型的な応用では、画像のフレームは、第1番目の行の作動画素の所望の組に従った列電極の組にわたるデータ信号(それぞれ特定の電圧レベルを有する)の組を送信することによって、生成され得る。その後、行パルスが第1番目の行の電極に印加されて、データ信号の組に対応する画素を作動させる。その後、第2番目の行の作動画素の所望の組に対応するために、データ信号の組を変更する。その後、パルスが第2番目の行の電極に印加されて、データ信号に従って第2番目の行の適切な画素を作動させる。第1番目の行の画素は、第2番目の行のパルスによって影響されず、第1番目の行のパルスの間に設定された状態のままである。このことが、一続きの行全体に対して逐次的に反復されて、フレームを生成する。一般的に、秒毎の所望のフレーム数でこのプロセスを連続的に反復することによって、フレームがリフレッシュされ及び/又は新しい画像に更新される。画像のフレームを生成するための画素アレイの行電極及び列電極を駆動する多種多様なプロトコルが使用可能である。
【0024】
図4及び図5は、図2の3×3アレイ上に表示フレームを生成する作動プロトコルとして考えられるものの一つを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に対して使用され得る列及び行の電圧レベルの組として考えられるものの一つを示す。図4の実施形態において、画素を作動させることには、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を+ΔVに設定することが含まれ、それぞれ−5ボルトと+5ボルトに対応し得る。画素の緩和は、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を同じ+ΔVに設定して、画素に対する電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。行の電圧がゼロボルトに保たれている行においては、列が+Vバイアスであるか−Vバイアスであるかに関わらず、画素は元々の状態で安定である。また、図4に示されるように、上述のものとは逆極性の電圧も使用可能である。例えば、画素を作動させることは、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を−ΔVに設定することを含むことができる。この実施形態では、画素の緩和は、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を同じ−ΔVに設定して、画素に対して電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。
【0025】
図5Bは、図2の3×3アレイに印加される一続きの行及び列の信号を示すタイミング図であり、図5Aに示される表示配置がもたらされる。ここで、作動画素は非反射性である。図5Aに示されるフレームを描く前においては、画素はいずれの状態であってもよく、この例では、全ての行は最初0ボルトであり、全ての列は+5ボルトである。これらの印加電圧に対しては、全ての画素は、作動又は緩和のその時点での状態で安定である。
【0026】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)、(3,3)が作動している。これを達成するためには、行1に対する“ライン時間”中に、列1及び列2は−5ボルトに設定され、列3は+5ボルトに設定される。全ての画素が3〜7ボルトの安定ウィンドウ内のままであるので、これによっては、いずれの画素の状態も変化しない。その後、行1が、0から5ボルトに上がりゼロに戻るパルスで、ストローブされる。これによって、(1,1)及び(1,2)の画素を作動させて、(1,3)の画素を緩和する。アレイの他の画素は影響を受けない。要求どおりに行2を設定するため、列2を−5ボルトに設定し、列1及び列3を+5ボルトに設定する。その後、行2に印加される同じストローブによって、画素(2,2)を作動させて、画素(2,1)及び(2,3)を緩和する。ここでも、アレイの他の画素は影響を受けない。同様に、列2及び列3を−5ボルトに設定して、列1を+5ボルトに設定することによって、行3を設定する。行3のストローブは、行3の画素を図5Aに示されるように設定する。フレームを描いた後において、行の電位はゼロであり、列の電位は+5又は−5ボルトのどちらかを保つことができ、そうして、ディスプレイは図5Aの配置で安定である。同じ手順を、数十又は数百の行列のアレイに対して用いることができる。また、行及び列の作動を実施するために用いられるタイミング、シーケンス及び電圧レベルは、上述の基本原理内において多様に変更可能であり、上述の例は単に例示的なものであり、何らかの作動電圧方法を本願のシステム及び方法で使用可能である。
【0027】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ装置40の一実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイ装置40は例えば携帯電話である。しかしながら、ディスプレイ装置40の同一の構成要素又はその僅かな変形体は、テレビや携帯型メディアプレーヤー等の多種多様なディスプレイ装置の実例にもなる。
【0028】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力装置48と、マイク46とを含む。ハウジング41は、多種多様な製造方法のいずれかによって一般的には形成され、射出成形、真空成形が挙げられる。また、ハウジング41は、多種多様な物質のいずれかから形成可能であり、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、それらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、ハウジング41は、取り外し可能部(図示せず)を含む。該取り外し可能部は、色の異なる又は異なるロゴや画像やシンボルを含む他の取り外し可能部と交換可能である。
【0029】
例示的なディスプレイ装置40のディスプレイ30は、多種多様なディスプレイのいずれかであり得て、本願で説明されるような双安定性(bi−stable)ディスプレイが含まれる。他の実施形態では、ディスプレイ30は、当業者に周知なように、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、TFT LCD等のフラットパネルディスプレイや、CRTや他のチューブデバイス等の非フラットパネルディスプレイを含む。しかしながら、本願の実施形態を説明するために、ディスプレイ30は、本願で説明されるような干渉変調器ディスプレイを含む。
【0030】
図6Bに、例示的なディスプレイ装置40の一実施形態の構成要素を概略的に示す。図示されている例示的なディスプレイ装置40は、ハウジング41を含み、また、それに少なくとも部分的に封入される追加の構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態では、例示的なディスプレイ装置40は、送受信機47に結合されているアンテナ43を含むネットワークインターフェイス27を備える。送受信機47はプロセッサ21に接続されていて、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続されている。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば信号をフィルタリングする)ように構成可能である。調整ハードウェア52は、スピーカー45及びマイク46に接続されている。また、プロセッサ21は、入力装置48及びドライバ制御装置29にも接続されている。ドライバ制御装置29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合されている。アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合されている。電源50は、この特定の例示的なディスプレイ装置40の構成に必要とされるような全ての構成要素に電力を供給する。
【0031】
ネットワークインターフェイス27は、アンテナ43及び送受信機47を含み、例示的なディスプレイ装置40が、ネットワーク上の一つ以上の装置と通信できるようになっている。一実施形態では、ネットワークインターフェイス27は、プロセッサ21の要求を軽減するためにある程度の処理能力を有し得る。アンテナ43は、信号の送受信用として当業者に知られているアンテナのいずれかである。一実施形態では、アンテナは、IEEE802.11規格(IEEE802.11(a)、(b)又は(g)を含む)に準拠したRF信号を送受信する。他の実施形態では、アンテナは、BLUETOOTH規格に準拠したRF信号を送受信する。携帯電話の場合には、CDMA、GSM、AMPS、W‐CDMA等の無線携帯電話ネットワーク内で通信するために用いられる周知の信号を受信するようにアンテナが設計されている。送受信機47は、アンテナ43から受信した信号を前処理して、その後、信号がプロセッサ21によって受信されて、更に処理されるようにし得る。また、送受信機47は、プロセッサ21から受信した信号も処理して、その後、信号が、アンテナ43を介して例示的なディスプレイ装置40から送信されるようにし得る。
【0032】
代替的な一実施形態では、送受信機47が、受信機に交換可能である。更に他の代替的な実施形態では、ネットワークインターフェイス27が、プロセッサ21に送信されるべき画像データを記憶すること又は発生させることが可能な画像ソースに交換可能である。例えば、画像ソースは、画像データを含むDVDやハードディスクドライブや、画像データを発生するソフトウェアモジュールであり得る。
【0033】
プロセッサ21は一般的に、例示的なディスプレイ装置40の動作全体を制御する。プロセッサ21は、データ(ネットワークインターフェイス27や画像ソースからの圧縮画像データ等)を受信し、そのデータを生の画像データに処理するか、又は、生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。その後、プロセッサ21は、記憶用のフレームバッファ28に又はドライバ制御装置29に処理されたデータを送信する。生データは典型的に、画像内の各位置において画像特性を識別する情報を称する。例えば、このような画像特性は、色、彩度、グレイスケールレベルを含み得る。
【0034】
一実施形態では、プロセッサ21は、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するマイクロ制御装置、CPU、又は、論理ユニットを含む。調整ハードウェア52は一般的に、スピーカー45に信号を送信するための、また、マイク46から信号を受信するためのアンプ及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、例示的なディスプレイ装置40内の個別の構成要素であってもよく、プロセッサ21や他の構成要素に組み込まれたものであってもよい。
【0035】
ドライバ制御装置29は、プロセッサ21が発生させた生の画像データを、プロセッサから直接、又は、フレームバッファ28から受信し、アレイドライバ22に対する高速送信用に適切な生の画像データに再フォーマットする。特に、ドライバ制御装置29は、生の画像データを、ラスタ状フォーマットを有するデータフローに再フォーマットして、データフローが、ディスプレイアレイ30にわたる走査に適した時間オーダを有するようになる。その後、ドライバ制御装置29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送信する。LCD制御装置等のドライバ制御装置29は、独立型の集積回路(IC,integrated circuit)としてシステムプロセッサ21に附随していることが多いが、このような制御装置は多種多様な方法で実装可能である。このような制御装置は、ハードウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、アレイドライバ22と共にハードウェア内に完全に集積可能でもある。
【0036】
典型的には、アレイドライバ22は、ドライバ制御装置29からフォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを、波形の並列的な組に再フォーマットする。この波形の並列的な組は、ディスプレイの画素のx‐yマトリクスによってもたらされる数百の(数千のこともある)リードに対して、一秒間に何度も印加される。
【0037】
一実施形態では、ドライバ制御装置29、アレイドライバ22及びディスプレイアレイ30は、本願で説明されるあらゆる種類のディスプレイに対しても適合するものである。例えば、一実施形態では、ドライバ制御装置29は、従来のディスプレイ制御装置、又は、双安定性ディスプレイ制御装置(例えば、干渉変調器制御装置)である。他の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバ、又は、双安定性ディスプレイドライバ(例えば、干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバ制御装置29は、アレイドライバ22と集積される。このような実施形態は、携帯電話、腕時計、他の小型ディスプレイ等の高集積システムにおいて一般的である。更に他の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイ、または、双安定性ディスプレイアレイ(例えば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0038】
入力装置48によって、使用者が例示的なディスプレイ装置40の動作を制御することが可能になる。一実施形態では、入力装置48は、キーパッド(QWERTYキーボードや電話のキーパッド等)、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、感圧又は感熱膜を含む。一実施形態では、マイク46が、例示的なディスプレイ装置40用の入力装置になる。マイク46を用いて装置にデータを入力する場合には、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するために、使用者によって音声命令が提供され得る。
【0039】
電源50は、当該分野で周知の多種多様なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、一実施形態では、電源50は、ニッケル・カドミウム電池やリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。他の実施形態では、電源50は、再生可能エネルギー源、キャパシタ、又は、太陽電池であり、プラスチック太陽電池や太陽電池ペイントが挙げられる。他の実施形態では、電源50は、壁コンセントから電力を供給されるように構成されている。
【0040】
一部実施形態では、上述のように、電子ディスプレイシステム内の複数の位置に配置可能なドライバ制御装置に、制御プログラム可能性が備わっている。場合によっては、制御プログラム可能性は、アレイドライバ22に備わっている。上述の最適化は、如何なる数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素においても、また、多種多様な構成においても実施可能である。
【0041】
上述の原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は、多種多様なものであり得る。例えば、図7A〜図7Eは、可動反射層14とその支持構造体の五つの異なる実施形態を示す。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、金属物質のストリップ14が、直交して延伸する支持体18の上に堆積されている。図7Bでは、各干渉変調器の可動反射層14が、正方形又は矩形の形状であり、テザー32に対して、角でのみ支持体に取り付けられている。図7Cでは、可動反射層14が、正方形又は矩形の形状であり、フレキシブル金属を含み得る変形可能層34から懸架されている。変形可能層34は、該変形可能層34の周囲において、基板20に直接的又は間接的に接続する。この接続は、本願において、支持ポストと称される。図7Dに示される実施形態は、支持ポストプラグ42を有する。この支持ポストプラグの上に、変形可能層34が横たわる。図7A〜7Cのように、可動反射層14はギャップ上に懸架されている。しかしながら、変形可能層34と光学積層体16との間のホールを充填することによって、変形可能層34が支持ポストを形成してはいない。むしろ、支持ポストは、支持ポストプラグ42を形成するために用いられる平坦化物質から形成される。図7Eに示される実施形態は、図7Dに示される実施形態をベースにしたものであるが、図7A〜図7Cに示される実施形態、並びに、図示されていない追加の実施形態のいずれにおいても機能し得るものである。図7Eに示される実施形態では、金属又は他の導電性物質の追加的な層が用いられて、バス構造44を形成している。これによって、信号が、干渉変調器の背面に沿ってルーティングすることが可能になり、基板20上に形成しなければならなかった多数の電極を省略することが可能になる。
【0042】
図7に示されるような実施形態では、干渉変調器は、直視型装置として機能し、画像は透明基板20の前面から視られ、その反対側に変調器が配置されている。こうした実施形態では、反射層14は、変形可能層34を含む基板20に対向する反射層の側において、干渉変調器の一部を光学的に遮蔽する。これによって、遮蔽された領域を、画像の質に悪影響を与えずに、構成及び動作させることが可能になる。例えば、このような遮蔽によって、変調器の光学的特性を変調器の電気機械的特性(アドレシングや該アドレシングの結果による移動等)から分離する性能を提供する図7Eのバス構造44が可能になる。この分離可能な変調器の設計によって、変調器の電気機械的側面及び光学的側面用に用いられる構造設計及び物質が、互いに独立に選択され、また、機能することが可能になる。更に、図7C〜図7Eに示される実施形態は、反射層14の光学的特性をその機械的特性から切り離すこと(このことは、変形可能層34によって達成される)に因る追加的な利点を有する。これによって、光学的特性に関して、反射層14に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になり、また、所望の機械的特性に関して、変形可能層34に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になる。
【0043】
干渉変調器に入射した光は、光学積層体16と反射層14との間の距離に応じて、建設的又は破壊的な干渉によって、反射されるか又は吸収される。干渉変調器を用いたディスプレイの知覚される輝度及び質は、ディスプレイに入射した光に依存する。何故ならば、その光が反射されてディスプレイに画像を生成するからである。環境光の少ない状態等の一部状況においては、照明システムを用いてディスプレイを照明して画像を生成し得る。
【0044】
図8Aは、ディスプレイ81に隣接して配置された導光パネル80を含む照明システムを含むディスプレイ装置の断面図である。導光パネル80は、記録されたホログラムを有するホログラフィック光方向転換フィルム89を含む。一部実施形態では、図示されているように、ホログラフィックフィルム89は、支持プレート83に取り付けられ支持されている。ディスプレイ81は、例えば複数の空間光変調器、干渉変調器、液晶素子等の多様なディスプレイ素子を含み得て、ホログラフィックフィルム89の主表面に平行に配置され得る。ホログラフィックフィルム89は、導光パネル80を伝播する光をディスプレイ81に向ける。一部実施形態では、照明システムは、フロントライト型であり、ディスプレイ81から反射された光が、導光パネル80に戻りそこを透過して出て行き、使用者に向かう。ディスプレイ81は、一部実施形態においてディスプレイ30(図6A及び図6B)となり得る。
【0045】
ホログラフィックフィルム89は、ホログラムの形成をサポートできて、また、フィルム89を介する光の伝播もサポートできる物質で形成される。一部実施形態では、支持プレート83も、プレート83を介する光の伝播をサポートできて、ホログラフィックフィルム89を支持するのに十分な構造的完全性を有する物質で形成される。例えば、支持プレート83は、ガラス、プラスチック、又は他の透明性の高い物質で形成可能である。一部実施形態では、支持プレート83は、ホログラフィックフィルム89に直接取り付けられて、プレート83及びホログラフィックフィルム89が、例えば全内部反射によって光が伝播する単一のユニットを形成する。他の実施形態では、プレート83が、屈折率整合層によってホログラフィックフィルム89に結合され、その屈折率整合層は、全内部反射用に、プレート83からホログラフィックフィルム89内への光の伝播、又はその逆の光の伝播を容易にする。
【0046】
他の一部実施形態では、プレート83及びホログラフィックフィルム89が光学的に分離されていて、ディスプレイに向けて方向転換された光が、ホログラフィックフィルム89のみを介して全内部反射によって実質的に伝播する。プレート83及びホログラフィックフィルム89は、これらの部分を形成する物質の屈折率の差によって、又はこれらの部分の間に挿入された屈折率分離層によって、光学的に分離可能である。屈折率分離層が、プレート83及び/又はホログラフィックフィルム89の物質とは十分に異なる屈折率を有して、プレート83とホログラフィックフィルム89との間の光の伝播を最小化することができる点には留意されたい。
【0047】
図8Bを参照すると、他の一部実施形態では、ホログラフィックフィルム89が、更なる機械的支持のために及び/又はホログラフィックフィルム89を保護するために、二つの支持プレート83a及び83bの間に配置される。プレート83aは、プレート83bと同様の物質で形成され得る。ホログラフィックフィルム89は、図8Aを参照して上述したように、プレート83a及び83bに対して光学的に結合又は分離され得る。一部構成においては、ホログラフィックフィルム89を、プレート83a、83bの一方に結合させて、プレート83a、83bの他方から分離させることができる。
【0048】
図8Cに示されるように、光バー90を含む光源によって、光が導光パネル内に注入され得る。光バー90は、発光体(光エミッタ)92から光を受光するための第一の端部90aを有する。発光体92は発光ダイオード(LED)を含み得るが、他の発光装置も考えられる。光バー90は、その光バー90の長さ方向に沿った光の伝播をサポートする実質的に光透過性の物質を含む。発光体92から放出された光は光バー90内へと伝播する。光は、例えば、光バーの側壁(空気又は他の周囲流体又は他の媒体との界面を形成する)における全内部反射によって導光される。例えば、光バー90が、導光パネル80及びホログラフィックフィルム89と同様の屈折率の物質で形成されている場合、光バー90を、空気、流体又は固体媒体によってパネル80から分離して、光バー90内部での全内部反射を促進することができる。
【0049】
光バー90は、少なくとも一つの側部、例えば導光パネル80に対して実質的に反対側の側部90bに方向転換微細構造を含む。方向転換微細構造は、光バー90の側部90bに入射した光を方向転換させて、光を光バー90の外(例えば側部90cの外)からパネル90内に向けるように構成される。光バー90の方向転換微細構造は、入射光をパネル80に向けて反射するファセット90aを有する複数の方向転換特徴部91を含む。図8Cに示される特徴部91は概略的なものであり、そのサイズ及びその間の間隔が誇張されている点には留意されたい。特徴部91のサイズ、形状、密度、位置等は、所望の光方向転換効果を得るために、図示されたものから変更可能である。
【0050】
照明装置は、光バー90と導光パネル90との間に結合光学系(図示せず)を更に含むことができる。例えば、結合光学系は、光バー90から伝播する光のコリメート、増幅、拡散、色の変更等を行い得る。
【0051】
従って、光は第一の端部90aから光バー90の第二の端部90dの方向に伝わり、また、第一の端部90aに向けて反射されて戻って来得る。その途中で、光を、隣接する導光パネル80に向けて方向転換させることができる。導光パネル80は、方向転換微細構造によって方向転換されて光バー90の外へと向けられた光を受光するように、光バー90に対して配置される。
【0052】
図8Dを参照すると、好ましい実施形態において、光源が点光源93であり得て、照明システム、ディスプレイ装置及びそれらの製造を単純化するという利点を有する。点光源93は、発光ダイオード(LED)、又は他の発光装置となり得る。図示される実施形態では、点光源93は、導光パネル80のエッジ(例えばコーナー)に配置される。点光源93の発光面94は、パネル80のエッジと向き合う。光が、発光面94において点光源93から出て行く点は留意されたい。点光源93は、導光パネル80全体にわたって光を注入するのに十分な角度範囲で、導光パネル80の平面に対して光を分散させる。他の実施形態では、点光源93が、導光パネル80内への所望の光注入に十分な角度範囲で光を分散させるのかどうかに応じて、点光源93を、導光パネル80のコーナー以外の箇所に配置することができる。例えば、180°の円弧にわたって光を分散させる点光源93を、例えばパネル80のエッジのノッチに配置し得る。
【0053】
図8Dを続けて参照すると、導光パネル80は、支持プレート83及びホログラフィックフィルム89を含み、これらはディスプレイ81と向き合って配置されている。上述のように、導光パネル80に、例えばホログラフィックフィルム89を挟み込む追加の支持プレート、及び/又は、支持プレートとホログラフィックフィルム89との間の屈折率結合又は分離層を設けることが可能である。
【0054】
光源(例えば点光源93(図8D))によって導光パネル80に注入された後、パネル80を介して伝播する光は、パネル80に形成された回折屈折率(DRI,diffractive refractive index)構造によって、ディスプレイ81(図8A〜図8D)に向けて方向転換される。
【0055】
DRI構造を、所望の光方向転換特性を得るために、多様なパターンでホログラフィックフィルム89上に分布させることができる。面積当たりのパワーの均一性は、ディスプレイ81を均一に照明するために多くの応用において望まれるものである点には留意されたい。DRI構造は、面積当たりのパワーの優れた均一性が得られるように配置され得る。一部実施形態では、ディスプレイ81に向けられる光の面積当たりのパワーは、ディスプレイ81に対応するホログラフィックフィルム83の面積にわたって実質的に均一である。特定の実施形態では、ディスプレイの画像素子に対応するホログラフィックフィルムの全面積に対して、面積当たりの方向転換された光の光束の最小値対最大値の比は、0.20よりも大きい。
【0056】
図9A及び図9Bを参照すると、DRI構造の密度は、光源からの距離が増大するのと共に、増大する。図9Aを参照すると、単位面積当たりのDRI構造の数は、線光源90に直接隣接するホログラフィックフィルムのエッジからの距離が増大するのと共に、増大する。図9Bを参照すると、単位面積当たりのDRI構造の数は、点光源93からの距離と共に増大する。DRI構造の密度の増大は、図9A及び図9Bのシェーディングの密度によって概略的に表されている。
【0057】
一部実施形態では、DRI構造の密度の変化によって、単位面積当たりの方向転換された光の光束が、ディスプレイ81(図8A〜図8D)に対応するホログラフィックフィルム89の面積にわたって高度に均一となる。光が導光パネル80を介して伝播するので、一部の光量が、DRI構造に接触して、パネル80の外に方向転換される。従って、パネル80を介して伝播する残りの光量は、光源からの距離と共に減少し、より多くの光がDRI構造との接触によって方向転換される。パネル80を介して伝播する光量の減少を補償するために、DRI構造の密度が、光源からの距離と共に増大し得る。
【0058】
DRI構造の密度が、導光パネル80の抽出効率に関係している点には留意されたい。抽出効率は、パネル80内を伝播し続ける光量と比較した際のパネル80の外に向けられる光量の尺度である。光源からの距離の増大に伴うDRI構造の密度の増大によって、抽出効率が、光源から離れると高くなり、光源に近づくと減少する。一般的に、パネル80を介する光の伝播を促進するため、抽出効率は低い。一部実施形態では、抽出効率は略50%以下又は略40%以下である。従って、パネル80を介して伝播する光の略50%未満又は略40%未満が、パネル80の外に向けられる。
【0059】
パネル80内のDRI構造の密度とは、パネル80の単位体積当たりのDRI構造によって占められている体積のことを称する。所定の体積内の単一の大きなDRI構造又は複数の小さなDRI構造は、同一の密度を有し得る。従って、密度を、例えば体積当たりのDRI構造のサイズ及び/又は数の変化によって、変更し得る。
【0060】
DRI構造は、ホログラム素子であり、ホログラフィックフィルムのホログラムに記録することによって形成されている。ホログラムは、当該分野において知られている多様な方法によって記録可能である。
【0061】
一部実施形態では、図10A〜図10Cを参照すると、ホログラフィックフィルム88が記録用に提供される。図示されるように、ホログラフィックフィルム88を、支持プレート83に取り付けて提供することができる。他の実施形態では、ホログラフィックフィルム88を、ホログラムの記録後に支持プレート83に取り付けることができる。
【0062】
本願での説明を簡単にするために“フィルム”との用語を用いてはいるが、ホログラフィックフィルム88、89(図8A〜図9B)は、シート又は単純な物質層以外の多様な三次元形状をとることができる。更に、ホログラフィックフィルム88、89を、ホログラムを形成することができて、また、媒体を介する光の伝播をサポートすることができる一種以上の物質で形成することができる。ホログラフィックフィルム88、89用の物質の例としては、重クロム酸ゼラチン、感光性樹脂膜、ハロゲン化銀乳剤や、当該分野において知られている他の物質が挙げられる。
【0063】
図10A〜図10Cを続けて参照すると、ホログラムがホログラフィックフィルム88に記録されて、記録されたホログラムを有するホログラフィックフィルム89(図8A〜図9B)が形成される。複数のレーザビームが、二つの主方向からホログラフィックフィルム88に向けられる。第一の組のレーザビームは、フィルムのエッジからホログラフィックフィルム88内に向けられて、第二の組のレーザビームは、ホログラフィックフィルム88の主表面に入射する。
【0064】
この第一の組のレーザビームの方向及び入射は、後に光源からホログラフィックフィルム88内に向けられる光の方向及び入射に対応する。一部実施形態では、図10Aを参照すると、レーザビームは、後に線光源からの光がフィルム88内に注入される箇所であるエッジ95に入射する。他の一部実施形態では、図10Bを参照すると、レーザビームは、後に点光源からの光がフィルム88内に注入される箇所であるエッジ92に入射する。
【0065】
第二の組のレーザビームは、ホログラフィックフィルム88の主表面上に向けられて、光源からホログラフィックフィルム89(図8A〜図9B)の外に方向転換された光の所望の方向及び位置に対応する。一部実施形態では、図10Cを参照すると、第二の組のレーザビームは、ホログラフィックフィルム88に実質的に垂直に、また、その垂線に対して略Aから略Bの角度範囲で向けられる。一部実施形態では、角度A及びBは等しくて、略30°以下又は略15°以下である。特定の実施形態では、AからBの角度範囲は、ホログラフィックフィルム89によって方向転換された光によって照らされるディスプレイ用の所望の視角に対応する。例えば、結果物のDRI構造は、主表面に対する垂線に対して測定した際に、略±30°以下又は略±15°以下の角度にわたって延伸している円錐内で、ホログラフィックフィルム89の主表面の外に光を方向転換させることができる。ホログラフィックフィルム89の外に方向転換された光がより狭い範囲に対して合焦されるので、比較的狭い光の円錐が、ディスプレイ81の知覚される輝度に対して有益となり得る。更に、一部応用においては、比較的狭い光の円錐は、その狭い円錐がディスプレイ81の視角を制限するので、プライバシーの観点において望ましいものとなり得る。
【0066】
ホログラフィックフィルム89によって照らされるディスプレイは、異なる色を表示する画素を有するカラーディスプレイであり得る。結果として、一部実施形態では、記録されたDRI構造は、これらの画素によって表示される色に対応する光を方向転換させるように設計される。例えば、画素は、赤、緑、青の色に対応する光を表示して、これらの色の様々な組み合わせによって多様な色を形成する。結果として、DRI構造を、赤、緑、青の色に対応する波長において主に光を回折させるように形成することができる。これは、例えば、第一の位置においてホログラフィックフィルムの選択された部分の照明を可能にする開口部を備えたマスクを用い、そして、他の位置(例えば第二及び第三の他の位置)へとマスクをずらすことによって達成可能であり、マスクが各位置にある間にホログラフィックフィルムを露光して、異なる所望の波長、つまりは赤、緑、青等の色を方向転換させるための領域又は“画素”を形成する。各位置において、ホログラフィックフィルムは、異なる波長のレーザ光に露光されて、そのレーザ光の波長は、画素が方向転換させたい光の色に対応するように選択される。レーザ光は、ホログラフィックフィルムに実質的に垂直に配向されたレーザビームを含む。更に、二次ビーム(実質的に垂直なレーザビームと同じ波長を有し得る)が、ディスプレイの照明用に後で設置される光源からの光の所望の角度及び方向と同じ角度及び方向で、ホログラフィックフィルム内に向けられる。画素領域は重畳せず、横方向に分離可能である。従って、画素化ホログラフィックフィルムを形成することができて、各画素が特定の色を優先的に方向転換させる。他の実施形態では、波長範囲が異なるレーザビームを同時にホログラフィックフィルムに向けて、所望の波長の光を主に方向転換させるDRI構造を同時に形成することができる。
【0067】
他の構成では、レーザ光の波長が一定に保たれて、DRI構造を形成するのに用いられるレーザ光のビーム間の角度を変更することによって、異なる波長の光を方向転換させるホログラフィックフィルムを形成することができる。このような構成は、DRI構造を形成するために使用されるレーザ光の全ての波長には反応しないホログラフィック記録物質に所望のDRI構造を形成するのに適用することができる。有利には、ホログラフィック物質が反応するレーザ光の波長を用い、所望の光の波長における光方向転換を達成するために必要に応じて変化させたレーザ光のビーム間の角度によって、全てのDRI構造を形成することができる。
【0068】
図11A〜図11Cを参照すると、DRI構造を、光源からの距離の増大と共に密度が増大するように形成することができる。この密度の変化は、ホログラム記録中に、複数のレーザ又は光遮断構造96を有するマスクを用いることによって達成可能である。光遮断構造96の密度は、光源からの直線距離の増大と共に減少する。結果として、より多くのレーザ光が、光源からの距離の増大と共にマスクを通り抜けてホログラフィックフィルム88上に向かうことによって、距離の増大と共に密度が高くなるDRI構造が形成される。図11Bに示されるように、光遮断構造の密度は、線光源がホログラフィックフィルム88と対にされるエッジ90までの距離と共に減少し得る。図11Cに示されるように、光遮断構造96の密度は、点光源がホログラフィックフィルム88と対にされるエッジ92までの距離と共に減少し得る。記録後において、光遮断構造96は、DRI構造が存在しないホログラフィックフィルムの領域に対応する。
【0069】
光遮断構造96及びフィルム88の相対的なサイズは、図示を簡単にするために誇張されている点には留意されたい。一部実施形態では、光遮断構造96は、光方向転換の均一性を促進するように小さいものである。光遮断構造96は、矩形等の規則的な形状を有することができる。他の実施形態では、光遮断構造が他の形状を有したり、その形状及び/又はサイズが変化したりし得る。
【0070】
ホログラムの記録後に、一部実施形態では、光源(線光源90、点光源93等)がホログラフィックフィルム89(図8A〜図9B)に取り付けられる。一部実施形態では、ディスプレイ81もホログラフィックフィルム89に取り付けられることによって、フィルム89を含む照明システムを有するディスプレイ装置が形成される。
【0071】
特定の好ましい実施形態及び例との関係において本発明を開示してきたが、本発明が具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替実施形態及び/又は本発明の使用及びその自明な変形例や等価物へと拡張されることを当業者は理解されたい。更に、本発明の複数の変形例について詳細に示して説明してきたが、本発明の範囲内に存する他の変形が、本開示内容に基づいて当業者には容易に明らかとなるものである。また、実施形態の特定の特徴及び側面の多様な組み合わせや部分的な組み合わせを行うことができ、これらも本発明の範囲内に落とし込まれるものである。開示された発明の多様なモードを形成するために、開示された実施形態の多様な特徴及び側面を、互いに組み合わせたり、置換したりすることができることは理解されたい。従って、本願で開示される発明の範囲は、上述の特定の実施形態によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0072】
80 導光パネル
81 ディスプレイ
83 支持プレート
89 ホログラフィックフィルム
90 光バー
91 方向転換特徴部
92 発光体
93 点光源
94 発光面
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年6月30日出願の米国仮特許出願第61/077098号の米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は一般的に照明装置に関する。特に、本発明は、例えばディスプレイを照明するために導光を行うホログラフィック構造を用いた照明装置に関する。また、本発明は、その装置の使用及び製造方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
微小電気機械システム(MEMS,Microelectromechanical System)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び、電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び/又は、他の微小機械加工プロセス(基板及び/又は堆積させた物質層の一部をエッチングしたり、電気的及び電気機械的装置を形成するための層を追加したりする)を用いて、形成され得る。MEMS装置の一種類は、干渉変調器と呼ばれる。本願において、干渉変調器、干渉光変調器という用語は、光干渉原理を用いて光を選択的に吸収及び/又は反射する装置を指称する。特定の実施形態において、干渉変調器は、一対の導電性板を備える。その一対の導電性板の一方又は両方は、その全体又は一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号の印加に対して相対的に動くことができる。特定の実施形態において、一方の板は、基板上に堆積させた静止層を備え、他方の板は、空隙によって静止層から離隔された金属膜を備え得る。本願において詳述されるように、他方の板に対する一方の板の位置によって、干渉変調器に入射する光の光学干渉を変化させることができる。このような装置は広範な応用を有し、こうした種類の装置の特性を利用及び/又は変更する分野において有用であり、その特徴を、既存の製品を改善し、また、未だ開発されていない新規製品を創作するのに活かすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/126142号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/016930号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1437610号明細書
【特許文献4】国際公開第2008/045311号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部実施形態では、照明装置が提供される。その照明装置は、ホログラムを有するホログラフィックフィルムを備える。ホログラムは、複数の回折屈折率構造を備える。点光源は、ホログラフィックフィルムのエッジに配置される。点光源の発光面はエッジと向き合う。回折屈折率構造の密度は、光源からの距離が増大するのと共に増大する。
【0006】
他の一部実施形態では、ディスプレイを照明するための装置が提供される。その装置は、記録された複数の回折屈折率構造を有するホログラフィックフィルムを備える。回折屈折率構造は、赤、緑、青の色に対応する波長において主に光を回折させるように構成されている。光源は、ホログラフィックフィルムのエッジに配置される。
【0007】
他の一部実施形態では、照明装置が提供される。その照明装置は、光を発生させてその光を平坦部材を介するように向けるための第一の手段と、その平坦部材の表面の外に光を均一にホログラフ的に方向転換させるための第二の手段とを備える。
【0008】
他の一部実施形態では、ディスプレイを照明するための方法が提供される。その方法は、ホログラフィックフィルムのエッジに点光源を提供する段階を備える。点光源からの光は、ホログラフィックフィルムのエッジに直接投射されて、光がホログラフィックフィルムを介して伝播する。光は、回折屈折率構造に接触して、ホログラフィックフィルムの主表面の外に向けられる。ディスプレイの画像素子に向けて方向転換された光の面積当たりのパワーは、ホログラフィックフィルムの主表面にわたって実質的に均一である。
【0009】
他の一部実施形態では、ディスプレイ装置を製造するための方法が提供される。その方法は、ホログラムを備えたホログラフィックフィルムを提供する段階を備える。ホログラムは複数の回折屈折率構造を備える。回折屈折率構造の密度は、光源からの距離が増大するのと共に増大する。点光源がホログラフィックフィルムのエッジに取り付けられる。点光源の発光面はエッジと向き合っている。ディスプレイはホログラフィックフィルムに取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一番目の干渉変調器の可動反射層が緩和位置にあり、二番目の干渉変調器の可動反射層が作動位置にある干渉変調器ディスプレイの一実施形態の一部を示す等角図である。
【図2】3×3干渉変調器ディスプレイを組み込む電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉変調器の実施形態の一例に対する可動ミラーの位置対印加電圧の図である。
【図4】干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用可能な行及び列の電圧の組の図である。
【図5A】図2の3×3干渉変調器ディスプレイの表示データのフレームの一例を示す。
【図5B】図5Aのフレームを描くのに使用可能な行及び列の信号用のタイミング図の一例を示す。
【図6A】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉変調器を備えた画像表示装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1の装置の断面図である。
【図7B】干渉変調器の代替実施形態の断面図である。
【図7C】干渉変調器の他の代替実施形態の断面図である。
【図7D】干渉変調器の更に他の代替実施形態の断面図である。
【図7E】干渉変調器の更なる代替実施形態の断面図である。
【図8A】ディスプレイ装置の一実施形態の断面図である。
【図8B】ディスプレイ装置の他の実施形態の断面図である。
【図8C】ディスプレイ装置の一実施形態の斜視図である。
【図8D】ディスプレイ装置の他の実施形態の斜視図である。
【図9A】図8Cのディスプレイ装置の上面図である。
【図9B】図8Dのディスプレイ装置の上面図である。
【図10A】ホログラフィックフィルムの上面図である。
【図10B】ホログラフィックフィルムの上面図である。
【図10C】図10A及び図10Bの構造の断面図である。
【図11A】ホログラフィックフィルム及び関連する支持構造の断面図である。
【図11B】図11Aのホログラフィックフィルム及び関連する支持構造の一実施形態の上面図である。
【図11C】図11Aのホログラフィックフィルム及び関連する支持構造の他の実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な記載は、特定の実施形態に対するものである。しかしながら、本願の教示は、多種多様な方法で応用可能である。本説明においては、全体にわたり同様の部分には同様の参照符号を付した図面を参照する。動的な画像(例えば、ビデオ)又は静的な画像(例えば、静止画)や、文字又は図表の画像を表示するように設計されているあらゆる装置において、本実施形態を実装可能である。更に、携帯電話、無線装置、PDA、携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、置時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(例えば、走行距離計等)、コックピット制御機器及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、自動車の後方ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電光掲示板または電光サイン、プロジェクタ、建築物、パッケージング、審美的構造(例えば、宝石に対する画像表示)等の多種多様な電子機器において又はこれらに関連して、本実施形態を実施可能であるが、これらに限定されるものではない。本願で説明されるものと同様の構造のMEMS装置を、電子スイッチ装置等のディスプレイ以外の応用においても使用可能である。
【0012】
本願で開示される一部実施形態には、光源と、ホログラフィック光“方向転換”フィルムを有する導光パネルとを含む照明システムが含まれる。光源は、点光源(例えば発光ダイオード(LED,light emitting diode))や、線光源であり得る。ホログラフィックフィルムは、回折屈折率(DRI,diffractive refractive index)構造を有するホログラムを含む。光源からの光は、導光パネル内に注入されて、パネルを介して伝播して、DRI構造に接触する。DRI構造は、例えば干渉変調器で形成されたディスプレイに向けて、パネルの外へと光を方向転換させる。一部実施形態では、DRI構造の密度が、光源からの距離の増大と共に増大する。有利には、パネルの外に方向転換された光の光束は、パネルの所望の領域(例えば、画素が配置されるディスプレイのアクティブエリアに対応する領域)にわたって高い均一性を有することができる。
【0013】
干渉MEMSディスプレイ素子を備えた干渉変調器ディスプレイの一実施形態を、図1に示す。この装置において、画素は、明状態または暗状態のどちらかである。明(“緩和”、“オープン”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分を使用者に反射する。暗(“作動”、“クローズ”)状態において、ディスプレイ素子は、入射可視光の僅かしか使用者に反射しない。実施形態に応じて、“オン”及び“オフ”状態の光の反射性を逆にしてもよい。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成可能であり、白黒に加えてカラーディスプレイが可能である。
【0014】
図1は、画像ディスプレイの一続きの画素の内の二つの隣接する画素を示す等角図である。ここで、各画素は、MEMS干渉変調器を備えている。一部実施形態では、干渉変調器ディスプレイは、これら干渉変調器の行列のアレイを備える。各干渉変調器は、互いに可変で制御可能な距離に配置された一対の反射層を含み、少なくとも一つの可変寸法を備えた共鳴光学ギャップを形成する。一実施形態において、反射層の一方は、二つの位置の間を移動し得る。第一の位置(緩和位置と称する)では、可動反射層は、固定された部分反射層から比較的離れた位置に在る。第二位置(作動位置と称する)では、可動反射層は、部分反射層により近づいて隣接する位置に在る。これら二つの層から反射される入射光は、可動反射層の位置に応じて、建設的に又は破壊的に干渉して、各画素に対して全体的な反射状態または非反射状態のどちらかがもたらされる。
【0015】
図1に示される画素アレイの一部は、二つの隣接する干渉変調器12a及び12bを含む。左側の干渉変調器12aでは、可動反射層14aが、光学積層体16a(部分反射層を含む)から所定の距離離れた緩和位置で示されている。右側の干渉変調器12bでは、可動反射層14bが、光学積層体16bに隣接した作動位置で示されている。
【0016】
本願において、光学積層体16a及び16b(まとめて光学積層体16と称する)は典型的に複数の結合層を備え、インジウム錫酸化物(ITO,indium tin oxide)等の電極層、クロム等の部分反射層、及び、透明誘電体を含み得る。従って、光学積層体16は、導電性であり、部分的には透明で部分的には反射性であり、例えば、透明基板20上に上述の層を一層以上堆積させることによって、製造可能である。部分反射層は、多様な金属、半導体、誘電体等の部分反射性である多様な物質から形成可能である。部分反射層は一層以上の物質層で形成可能であり、各層は単一の物質または複数の物質の組み合わせで形成可能である。
【0017】
一部実施形態では、光学積層体16の層が平行なストリップにパターニングされて、以下で説明するようなディスプレイ装置の行電極を形成し得る。可動反射層14a、14bは、ポスト18の上面と、ポスト18間に堆積させた介在犠牲物質の上面とに堆積させた列を形成する堆積金属層(一層または複数層)の一続きの平行なストリップ(16a及び16bの行電極に直交する)として形成され得る。犠牲物質がエッチングされると、画定されたギャップ19によって、可動反射層14a、14bが光学積層体16a、16bから離隔される。反射層14用には、アルミニウム等の高導電性及び反射性物質を使用可能であり、そのストリップが、ディスプレイ装置の列電極を形成し得る。図1は縮尺どおりではない点に留意されたい。一部実施形態では、ポスト18間の間隔が10〜100μmのオーダとなり得る一方で、ギャップ19が1000オングストローム未満のオーダとなり得る。
【0018】
電圧が印加されていないと、図1の画素12aに示されるように、可動反射層14aと光学積層体16aとの間にギャップ19が残ったままであり、可動反射層14aは、機械的に緩和状態にある。一方で、選択された行と列に電位(電圧)の差が印加されると、対応する画素の行電極と列電極の交差する部分に形成されるキャパシタが帯電して、静電力が電極を互いに引き寄せる。電圧が十分に高いと、可動反射層14が変形して、光学積層体16に押し付けられる。光学積層体16内の誘電体層(図1に示さず)は、短絡を防止して、図1の右側の作動画素12bに示されるように、層14と層16との間の間隔を制御することができる。印加される電位差の極性に関わり無く、挙動は同じである。
【0019】
図2から図5は、ディスプレイ応用における干渉変調器のアレイを用いるためのプロセス及びシステムの一例を示す。
【0020】
図2は、干渉変調器を組み込み得る電子装置の一実施形態を示すシステムブロック図である。電子装置はプロセッサ21を含み、そのプロセッサ21は、ARM(登録商標)、Pentium(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)等の汎用のシングルチップまたはマルチチップのマイクロプロセッサであり、又は、デジタル信号プロセッサや、マイクロコントローラやプログラマブルゲートアレイ等の専用マイクロプロセッサであり得る。従来技術のように、プロセッサ21は、一つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得る。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、eメールプログラムや、他のソフトウェアアプリケーション等の一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
【0021】
一実施形態では、プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するようにも構成されている。一実施形態では、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に示されるアレイの断面図は、図2の線1‐1に沿って示されている。図2には明確性のため、干渉変調器の3×3のアレイが示されているが、ディスプレイアレイ30は多数の干渉変調器を含み得て、また、列と行とで異なる数の干渉変調器を含み得る(例えば行毎に130画素で、列毎に190画素)ことには留意されたい。
【0022】
図3は、図1の干渉変調器の例示的な実施形態に対する可動ミラー位置対印加電圧のダイアグラムを示す。MEMS干渉変調器に対しては、行/列の作動プロトコルは、図3に示されるような装置のヒステリシス特性を利用し得る。干渉変調器は、例えば、可動層を緩和状態から作動状態に変形させるのに、10ボルトの電位差を必要とし得る。一方で、この値よりも電圧が減少すると、電圧が10ボルト未満に下がっても、可動層がその状態を維持する。図3の例示的な実施形態では、可動層は、電圧が2ボルト未満に下がるまで完全には緩和しない。従って、電圧範囲(図3に示される例では略3から7V)が存在し、装置が緩和状態又は作動状態のどちらかで安定している印加電圧のウィンドウが存在する。これを本願では、“ヒステリシスウィンドウ”または“安定ウィンドウ”と称する。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイに対しては、行/列の作動プロトコルを以下のように構成可能である。即ち、行のストローブ中には、作動されるべきストローブ行の画素が略10ボルトの電圧の差に晒されて、緩和されるべき画素がゼロボルトに近い電圧の差に晒されるように構成可能である。ストローブ後には、画素が略5ボルトの安定状態又はバイアス電圧の差に晒されて、画素が、行のストローブによって与えられた状態を保つ。描かれた後には、各画素は、本実施例では3〜7ボルトの“安定ウィンドウ”内の電位差を見る。この特徴は、図1に示される画素構造を、同一の印加電圧条件の下において、作動または緩和の既存状態のどちらかで安定させる。干渉変調器の各画素(作動又は緩和状態)は本質的に、固定反射層及び可動反射層によって形成されたキャパシタであるので、ほぼ電力消費無く、ヒステリシスウィンドウ内の電圧において、この安定状態を保持することができる。印加電位が固定されていれば、本質的に電流は画素内に流れない。
【0023】
後述のように、典型的な応用では、画像のフレームは、第1番目の行の作動画素の所望の組に従った列電極の組にわたるデータ信号(それぞれ特定の電圧レベルを有する)の組を送信することによって、生成され得る。その後、行パルスが第1番目の行の電極に印加されて、データ信号の組に対応する画素を作動させる。その後、第2番目の行の作動画素の所望の組に対応するために、データ信号の組を変更する。その後、パルスが第2番目の行の電極に印加されて、データ信号に従って第2番目の行の適切な画素を作動させる。第1番目の行の画素は、第2番目の行のパルスによって影響されず、第1番目の行のパルスの間に設定された状態のままである。このことが、一続きの行全体に対して逐次的に反復されて、フレームを生成する。一般的に、秒毎の所望のフレーム数でこのプロセスを連続的に反復することによって、フレームがリフレッシュされ及び/又は新しい画像に更新される。画像のフレームを生成するための画素アレイの行電極及び列電極を駆動する多種多様なプロトコルが使用可能である。
【0024】
図4及び図5は、図2の3×3アレイ上に表示フレームを生成する作動プロトコルとして考えられるものの一つを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に対して使用され得る列及び行の電圧レベルの組として考えられるものの一つを示す。図4の実施形態において、画素を作動させることには、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を+ΔVに設定することが含まれ、それぞれ−5ボルトと+5ボルトに対応し得る。画素の緩和は、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を同じ+ΔVに設定して、画素に対する電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。行の電圧がゼロボルトに保たれている行においては、列が+Vバイアスであるか−Vバイアスであるかに関わらず、画素は元々の状態で安定である。また、図4に示されるように、上述のものとは逆極性の電圧も使用可能である。例えば、画素を作動させることは、適切な列を+Vバイアスに設定し、適切な行を−ΔVに設定することを含むことができる。この実施形態では、画素の緩和は、適切な列を−Vバイアスに設定し、適切な行を同じ−ΔVに設定して、画素に対して電位差をゼロボルトにすることによって、達成される。
【0025】
図5Bは、図2の3×3アレイに印加される一続きの行及び列の信号を示すタイミング図であり、図5Aに示される表示配置がもたらされる。ここで、作動画素は非反射性である。図5Aに示されるフレームを描く前においては、画素はいずれの状態であってもよく、この例では、全ての行は最初0ボルトであり、全ての列は+5ボルトである。これらの印加電圧に対しては、全ての画素は、作動又は緩和のその時点での状態で安定である。
【0026】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)、(3,3)が作動している。これを達成するためには、行1に対する“ライン時間”中に、列1及び列2は−5ボルトに設定され、列3は+5ボルトに設定される。全ての画素が3〜7ボルトの安定ウィンドウ内のままであるので、これによっては、いずれの画素の状態も変化しない。その後、行1が、0から5ボルトに上がりゼロに戻るパルスで、ストローブされる。これによって、(1,1)及び(1,2)の画素を作動させて、(1,3)の画素を緩和する。アレイの他の画素は影響を受けない。要求どおりに行2を設定するため、列2を−5ボルトに設定し、列1及び列3を+5ボルトに設定する。その後、行2に印加される同じストローブによって、画素(2,2)を作動させて、画素(2,1)及び(2,3)を緩和する。ここでも、アレイの他の画素は影響を受けない。同様に、列2及び列3を−5ボルトに設定して、列1を+5ボルトに設定することによって、行3を設定する。行3のストローブは、行3の画素を図5Aに示されるように設定する。フレームを描いた後において、行の電位はゼロであり、列の電位は+5又は−5ボルトのどちらかを保つことができ、そうして、ディスプレイは図5Aの配置で安定である。同じ手順を、数十又は数百の行列のアレイに対して用いることができる。また、行及び列の作動を実施するために用いられるタイミング、シーケンス及び電圧レベルは、上述の基本原理内において多様に変更可能であり、上述の例は単に例示的なものであり、何らかの作動電圧方法を本願のシステム及び方法で使用可能である。
【0027】
図6A及び図6Bは、ディスプレイ装置40の一実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイ装置40は例えば携帯電話である。しかしながら、ディスプレイ装置40の同一の構成要素又はその僅かな変形体は、テレビや携帯型メディアプレーヤー等の多種多様なディスプレイ装置の実例にもなる。
【0028】
ディスプレイ装置40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力装置48と、マイク46とを含む。ハウジング41は、多種多様な製造方法のいずれかによって一般的には形成され、射出成形、真空成形が挙げられる。また、ハウジング41は、多種多様な物質のいずれかから形成可能であり、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、それらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、ハウジング41は、取り外し可能部(図示せず)を含む。該取り外し可能部は、色の異なる又は異なるロゴや画像やシンボルを含む他の取り外し可能部と交換可能である。
【0029】
例示的なディスプレイ装置40のディスプレイ30は、多種多様なディスプレイのいずれかであり得て、本願で説明されるような双安定性(bi−stable)ディスプレイが含まれる。他の実施形態では、ディスプレイ30は、当業者に周知なように、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、TFT LCD等のフラットパネルディスプレイや、CRTや他のチューブデバイス等の非フラットパネルディスプレイを含む。しかしながら、本願の実施形態を説明するために、ディスプレイ30は、本願で説明されるような干渉変調器ディスプレイを含む。
【0030】
図6Bに、例示的なディスプレイ装置40の一実施形態の構成要素を概略的に示す。図示されている例示的なディスプレイ装置40は、ハウジング41を含み、また、それに少なくとも部分的に封入される追加の構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態では、例示的なディスプレイ装置40は、送受信機47に結合されているアンテナ43を含むネットワークインターフェイス27を備える。送受信機47はプロセッサ21に接続されていて、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続されている。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例えば信号をフィルタリングする)ように構成可能である。調整ハードウェア52は、スピーカー45及びマイク46に接続されている。また、プロセッサ21は、入力装置48及びドライバ制御装置29にも接続されている。ドライバ制御装置29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合されている。アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合されている。電源50は、この特定の例示的なディスプレイ装置40の構成に必要とされるような全ての構成要素に電力を供給する。
【0031】
ネットワークインターフェイス27は、アンテナ43及び送受信機47を含み、例示的なディスプレイ装置40が、ネットワーク上の一つ以上の装置と通信できるようになっている。一実施形態では、ネットワークインターフェイス27は、プロセッサ21の要求を軽減するためにある程度の処理能力を有し得る。アンテナ43は、信号の送受信用として当業者に知られているアンテナのいずれかである。一実施形態では、アンテナは、IEEE802.11規格(IEEE802.11(a)、(b)又は(g)を含む)に準拠したRF信号を送受信する。他の実施形態では、アンテナは、BLUETOOTH規格に準拠したRF信号を送受信する。携帯電話の場合には、CDMA、GSM、AMPS、W‐CDMA等の無線携帯電話ネットワーク内で通信するために用いられる周知の信号を受信するようにアンテナが設計されている。送受信機47は、アンテナ43から受信した信号を前処理して、その後、信号がプロセッサ21によって受信されて、更に処理されるようにし得る。また、送受信機47は、プロセッサ21から受信した信号も処理して、その後、信号が、アンテナ43を介して例示的なディスプレイ装置40から送信されるようにし得る。
【0032】
代替的な一実施形態では、送受信機47が、受信機に交換可能である。更に他の代替的な実施形態では、ネットワークインターフェイス27が、プロセッサ21に送信されるべき画像データを記憶すること又は発生させることが可能な画像ソースに交換可能である。例えば、画像ソースは、画像データを含むDVDやハードディスクドライブや、画像データを発生するソフトウェアモジュールであり得る。
【0033】
プロセッサ21は一般的に、例示的なディスプレイ装置40の動作全体を制御する。プロセッサ21は、データ(ネットワークインターフェイス27や画像ソースからの圧縮画像データ等)を受信し、そのデータを生の画像データに処理するか、又は、生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。その後、プロセッサ21は、記憶用のフレームバッファ28に又はドライバ制御装置29に処理されたデータを送信する。生データは典型的に、画像内の各位置において画像特性を識別する情報を称する。例えば、このような画像特性は、色、彩度、グレイスケールレベルを含み得る。
【0034】
一実施形態では、プロセッサ21は、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するマイクロ制御装置、CPU、又は、論理ユニットを含む。調整ハードウェア52は一般的に、スピーカー45に信号を送信するための、また、マイク46から信号を受信するためのアンプ及びフィルタを含む。調整ハードウェア52は、例示的なディスプレイ装置40内の個別の構成要素であってもよく、プロセッサ21や他の構成要素に組み込まれたものであってもよい。
【0035】
ドライバ制御装置29は、プロセッサ21が発生させた生の画像データを、プロセッサから直接、又は、フレームバッファ28から受信し、アレイドライバ22に対する高速送信用に適切な生の画像データに再フォーマットする。特に、ドライバ制御装置29は、生の画像データを、ラスタ状フォーマットを有するデータフローに再フォーマットして、データフローが、ディスプレイアレイ30にわたる走査に適した時間オーダを有するようになる。その後、ドライバ制御装置29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送信する。LCD制御装置等のドライバ制御装置29は、独立型の集積回路(IC,integrated circuit)としてシステムプロセッサ21に附随していることが多いが、このような制御装置は多種多様な方法で実装可能である。このような制御装置は、ハードウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に組み込み可能であるし、アレイドライバ22と共にハードウェア内に完全に集積可能でもある。
【0036】
典型的には、アレイドライバ22は、ドライバ制御装置29からフォーマットされた情報を受信し、ビデオデータを、波形の並列的な組に再フォーマットする。この波形の並列的な組は、ディスプレイの画素のx‐yマトリクスによってもたらされる数百の(数千のこともある)リードに対して、一秒間に何度も印加される。
【0037】
一実施形態では、ドライバ制御装置29、アレイドライバ22及びディスプレイアレイ30は、本願で説明されるあらゆる種類のディスプレイに対しても適合するものである。例えば、一実施形態では、ドライバ制御装置29は、従来のディスプレイ制御装置、又は、双安定性ディスプレイ制御装置(例えば、干渉変調器制御装置)である。他の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバ、又は、双安定性ディスプレイドライバ(例えば、干渉変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバ制御装置29は、アレイドライバ22と集積される。このような実施形態は、携帯電話、腕時計、他の小型ディスプレイ等の高集積システムにおいて一般的である。更に他の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、典型的なディスプレイアレイ、または、双安定性ディスプレイアレイ(例えば、干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0038】
入力装置48によって、使用者が例示的なディスプレイ装置40の動作を制御することが可能になる。一実施形態では、入力装置48は、キーパッド(QWERTYキーボードや電話のキーパッド等)、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、感圧又は感熱膜を含む。一実施形態では、マイク46が、例示的なディスプレイ装置40用の入力装置になる。マイク46を用いて装置にデータを入力する場合には、例示的なディスプレイ装置40の動作を制御するために、使用者によって音声命令が提供され得る。
【0039】
電源50は、当該分野で周知の多種多様なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、一実施形態では、電源50は、ニッケル・カドミウム電池やリチウムイオン電池等の充電可能な電池である。他の実施形態では、電源50は、再生可能エネルギー源、キャパシタ、又は、太陽電池であり、プラスチック太陽電池や太陽電池ペイントが挙げられる。他の実施形態では、電源50は、壁コンセントから電力を供給されるように構成されている。
【0040】
一部実施形態では、上述のように、電子ディスプレイシステム内の複数の位置に配置可能なドライバ制御装置に、制御プログラム可能性が備わっている。場合によっては、制御プログラム可能性は、アレイドライバ22に備わっている。上述の最適化は、如何なる数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素においても、また、多種多様な構成においても実施可能である。
【0041】
上述の原理に従って動作する干渉変調器の構造の詳細は、多種多様なものであり得る。例えば、図7A〜図7Eは、可動反射層14とその支持構造体の五つの異なる実施形態を示す。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、金属物質のストリップ14が、直交して延伸する支持体18の上に堆積されている。図7Bでは、各干渉変調器の可動反射層14が、正方形又は矩形の形状であり、テザー32に対して、角でのみ支持体に取り付けられている。図7Cでは、可動反射層14が、正方形又は矩形の形状であり、フレキシブル金属を含み得る変形可能層34から懸架されている。変形可能層34は、該変形可能層34の周囲において、基板20に直接的又は間接的に接続する。この接続は、本願において、支持ポストと称される。図7Dに示される実施形態は、支持ポストプラグ42を有する。この支持ポストプラグの上に、変形可能層34が横たわる。図7A〜7Cのように、可動反射層14はギャップ上に懸架されている。しかしながら、変形可能層34と光学積層体16との間のホールを充填することによって、変形可能層34が支持ポストを形成してはいない。むしろ、支持ポストは、支持ポストプラグ42を形成するために用いられる平坦化物質から形成される。図7Eに示される実施形態は、図7Dに示される実施形態をベースにしたものであるが、図7A〜図7Cに示される実施形態、並びに、図示されていない追加の実施形態のいずれにおいても機能し得るものである。図7Eに示される実施形態では、金属又は他の導電性物質の追加的な層が用いられて、バス構造44を形成している。これによって、信号が、干渉変調器の背面に沿ってルーティングすることが可能になり、基板20上に形成しなければならなかった多数の電極を省略することが可能になる。
【0042】
図7に示されるような実施形態では、干渉変調器は、直視型装置として機能し、画像は透明基板20の前面から視られ、その反対側に変調器が配置されている。こうした実施形態では、反射層14は、変形可能層34を含む基板20に対向する反射層の側において、干渉変調器の一部を光学的に遮蔽する。これによって、遮蔽された領域を、画像の質に悪影響を与えずに、構成及び動作させることが可能になる。例えば、このような遮蔽によって、変調器の光学的特性を変調器の電気機械的特性(アドレシングや該アドレシングの結果による移動等)から分離する性能を提供する図7Eのバス構造44が可能になる。この分離可能な変調器の設計によって、変調器の電気機械的側面及び光学的側面用に用いられる構造設計及び物質が、互いに独立に選択され、また、機能することが可能になる。更に、図7C〜図7Eに示される実施形態は、反射層14の光学的特性をその機械的特性から切り離すこと(このことは、変形可能層34によって達成される)に因る追加的な利点を有する。これによって、光学的特性に関して、反射層14に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になり、また、所望の機械的特性に関して、変形可能層34に用いられる構造設計及び物質を最適化することが可能になる。
【0043】
干渉変調器に入射した光は、光学積層体16と反射層14との間の距離に応じて、建設的又は破壊的な干渉によって、反射されるか又は吸収される。干渉変調器を用いたディスプレイの知覚される輝度及び質は、ディスプレイに入射した光に依存する。何故ならば、その光が反射されてディスプレイに画像を生成するからである。環境光の少ない状態等の一部状況においては、照明システムを用いてディスプレイを照明して画像を生成し得る。
【0044】
図8Aは、ディスプレイ81に隣接して配置された導光パネル80を含む照明システムを含むディスプレイ装置の断面図である。導光パネル80は、記録されたホログラムを有するホログラフィック光方向転換フィルム89を含む。一部実施形態では、図示されているように、ホログラフィックフィルム89は、支持プレート83に取り付けられ支持されている。ディスプレイ81は、例えば複数の空間光変調器、干渉変調器、液晶素子等の多様なディスプレイ素子を含み得て、ホログラフィックフィルム89の主表面に平行に配置され得る。ホログラフィックフィルム89は、導光パネル80を伝播する光をディスプレイ81に向ける。一部実施形態では、照明システムは、フロントライト型であり、ディスプレイ81から反射された光が、導光パネル80に戻りそこを透過して出て行き、使用者に向かう。ディスプレイ81は、一部実施形態においてディスプレイ30(図6A及び図6B)となり得る。
【0045】
ホログラフィックフィルム89は、ホログラムの形成をサポートできて、また、フィルム89を介する光の伝播もサポートできる物質で形成される。一部実施形態では、支持プレート83も、プレート83を介する光の伝播をサポートできて、ホログラフィックフィルム89を支持するのに十分な構造的完全性を有する物質で形成される。例えば、支持プレート83は、ガラス、プラスチック、又は他の透明性の高い物質で形成可能である。一部実施形態では、支持プレート83は、ホログラフィックフィルム89に直接取り付けられて、プレート83及びホログラフィックフィルム89が、例えば全内部反射によって光が伝播する単一のユニットを形成する。他の実施形態では、プレート83が、屈折率整合層によってホログラフィックフィルム89に結合され、その屈折率整合層は、全内部反射用に、プレート83からホログラフィックフィルム89内への光の伝播、又はその逆の光の伝播を容易にする。
【0046】
他の一部実施形態では、プレート83及びホログラフィックフィルム89が光学的に分離されていて、ディスプレイに向けて方向転換された光が、ホログラフィックフィルム89のみを介して全内部反射によって実質的に伝播する。プレート83及びホログラフィックフィルム89は、これらの部分を形成する物質の屈折率の差によって、又はこれらの部分の間に挿入された屈折率分離層によって、光学的に分離可能である。屈折率分離層が、プレート83及び/又はホログラフィックフィルム89の物質とは十分に異なる屈折率を有して、プレート83とホログラフィックフィルム89との間の光の伝播を最小化することができる点には留意されたい。
【0047】
図8Bを参照すると、他の一部実施形態では、ホログラフィックフィルム89が、更なる機械的支持のために及び/又はホログラフィックフィルム89を保護するために、二つの支持プレート83a及び83bの間に配置される。プレート83aは、プレート83bと同様の物質で形成され得る。ホログラフィックフィルム89は、図8Aを参照して上述したように、プレート83a及び83bに対して光学的に結合又は分離され得る。一部構成においては、ホログラフィックフィルム89を、プレート83a、83bの一方に結合させて、プレート83a、83bの他方から分離させることができる。
【0048】
図8Cに示されるように、光バー90を含む光源によって、光が導光パネル内に注入され得る。光バー90は、発光体(光エミッタ)92から光を受光するための第一の端部90aを有する。発光体92は発光ダイオード(LED)を含み得るが、他の発光装置も考えられる。光バー90は、その光バー90の長さ方向に沿った光の伝播をサポートする実質的に光透過性の物質を含む。発光体92から放出された光は光バー90内へと伝播する。光は、例えば、光バーの側壁(空気又は他の周囲流体又は他の媒体との界面を形成する)における全内部反射によって導光される。例えば、光バー90が、導光パネル80及びホログラフィックフィルム89と同様の屈折率の物質で形成されている場合、光バー90を、空気、流体又は固体媒体によってパネル80から分離して、光バー90内部での全内部反射を促進することができる。
【0049】
光バー90は、少なくとも一つの側部、例えば導光パネル80に対して実質的に反対側の側部90bに方向転換微細構造を含む。方向転換微細構造は、光バー90の側部90bに入射した光を方向転換させて、光を光バー90の外(例えば側部90cの外)からパネル90内に向けるように構成される。光バー90の方向転換微細構造は、入射光をパネル80に向けて反射するファセット90aを有する複数の方向転換特徴部91を含む。図8Cに示される特徴部91は概略的なものであり、そのサイズ及びその間の間隔が誇張されている点には留意されたい。特徴部91のサイズ、形状、密度、位置等は、所望の光方向転換効果を得るために、図示されたものから変更可能である。
【0050】
照明装置は、光バー90と導光パネル90との間に結合光学系(図示せず)を更に含むことができる。例えば、結合光学系は、光バー90から伝播する光のコリメート、増幅、拡散、色の変更等を行い得る。
【0051】
従って、光は第一の端部90aから光バー90の第二の端部90dの方向に伝わり、また、第一の端部90aに向けて反射されて戻って来得る。その途中で、光を、隣接する導光パネル80に向けて方向転換させることができる。導光パネル80は、方向転換微細構造によって方向転換されて光バー90の外へと向けられた光を受光するように、光バー90に対して配置される。
【0052】
図8Dを参照すると、好ましい実施形態において、光源が点光源93であり得て、照明システム、ディスプレイ装置及びそれらの製造を単純化するという利点を有する。点光源93は、発光ダイオード(LED)、又は他の発光装置となり得る。図示される実施形態では、点光源93は、導光パネル80のエッジ(例えばコーナー)に配置される。点光源93の発光面94は、パネル80のエッジと向き合う。光が、発光面94において点光源93から出て行く点は留意されたい。点光源93は、導光パネル80全体にわたって光を注入するのに十分な角度範囲で、導光パネル80の平面に対して光を分散させる。他の実施形態では、点光源93が、導光パネル80内への所望の光注入に十分な角度範囲で光を分散させるのかどうかに応じて、点光源93を、導光パネル80のコーナー以外の箇所に配置することができる。例えば、180°の円弧にわたって光を分散させる点光源93を、例えばパネル80のエッジのノッチに配置し得る。
【0053】
図8Dを続けて参照すると、導光パネル80は、支持プレート83及びホログラフィックフィルム89を含み、これらはディスプレイ81と向き合って配置されている。上述のように、導光パネル80に、例えばホログラフィックフィルム89を挟み込む追加の支持プレート、及び/又は、支持プレートとホログラフィックフィルム89との間の屈折率結合又は分離層を設けることが可能である。
【0054】
光源(例えば点光源93(図8D))によって導光パネル80に注入された後、パネル80を介して伝播する光は、パネル80に形成された回折屈折率(DRI,diffractive refractive index)構造によって、ディスプレイ81(図8A〜図8D)に向けて方向転換される。
【0055】
DRI構造を、所望の光方向転換特性を得るために、多様なパターンでホログラフィックフィルム89上に分布させることができる。面積当たりのパワーの均一性は、ディスプレイ81を均一に照明するために多くの応用において望まれるものである点には留意されたい。DRI構造は、面積当たりのパワーの優れた均一性が得られるように配置され得る。一部実施形態では、ディスプレイ81に向けられる光の面積当たりのパワーは、ディスプレイ81に対応するホログラフィックフィルム83の面積にわたって実質的に均一である。特定の実施形態では、ディスプレイの画像素子に対応するホログラフィックフィルムの全面積に対して、面積当たりの方向転換された光の光束の最小値対最大値の比は、0.20よりも大きい。
【0056】
図9A及び図9Bを参照すると、DRI構造の密度は、光源からの距離が増大するのと共に、増大する。図9Aを参照すると、単位面積当たりのDRI構造の数は、線光源90に直接隣接するホログラフィックフィルムのエッジからの距離が増大するのと共に、増大する。図9Bを参照すると、単位面積当たりのDRI構造の数は、点光源93からの距離と共に増大する。DRI構造の密度の増大は、図9A及び図9Bのシェーディングの密度によって概略的に表されている。
【0057】
一部実施形態では、DRI構造の密度の変化によって、単位面積当たりの方向転換された光の光束が、ディスプレイ81(図8A〜図8D)に対応するホログラフィックフィルム89の面積にわたって高度に均一となる。光が導光パネル80を介して伝播するので、一部の光量が、DRI構造に接触して、パネル80の外に方向転換される。従って、パネル80を介して伝播する残りの光量は、光源からの距離と共に減少し、より多くの光がDRI構造との接触によって方向転換される。パネル80を介して伝播する光量の減少を補償するために、DRI構造の密度が、光源からの距離と共に増大し得る。
【0058】
DRI構造の密度が、導光パネル80の抽出効率に関係している点には留意されたい。抽出効率は、パネル80内を伝播し続ける光量と比較した際のパネル80の外に向けられる光量の尺度である。光源からの距離の増大に伴うDRI構造の密度の増大によって、抽出効率が、光源から離れると高くなり、光源に近づくと減少する。一般的に、パネル80を介する光の伝播を促進するため、抽出効率は低い。一部実施形態では、抽出効率は略50%以下又は略40%以下である。従って、パネル80を介して伝播する光の略50%未満又は略40%未満が、パネル80の外に向けられる。
【0059】
パネル80内のDRI構造の密度とは、パネル80の単位体積当たりのDRI構造によって占められている体積のことを称する。所定の体積内の単一の大きなDRI構造又は複数の小さなDRI構造は、同一の密度を有し得る。従って、密度を、例えば体積当たりのDRI構造のサイズ及び/又は数の変化によって、変更し得る。
【0060】
DRI構造は、ホログラム素子であり、ホログラフィックフィルムのホログラムに記録することによって形成されている。ホログラムは、当該分野において知られている多様な方法によって記録可能である。
【0061】
一部実施形態では、図10A〜図10Cを参照すると、ホログラフィックフィルム88が記録用に提供される。図示されるように、ホログラフィックフィルム88を、支持プレート83に取り付けて提供することができる。他の実施形態では、ホログラフィックフィルム88を、ホログラムの記録後に支持プレート83に取り付けることができる。
【0062】
本願での説明を簡単にするために“フィルム”との用語を用いてはいるが、ホログラフィックフィルム88、89(図8A〜図9B)は、シート又は単純な物質層以外の多様な三次元形状をとることができる。更に、ホログラフィックフィルム88、89を、ホログラムを形成することができて、また、媒体を介する光の伝播をサポートすることができる一種以上の物質で形成することができる。ホログラフィックフィルム88、89用の物質の例としては、重クロム酸ゼラチン、感光性樹脂膜、ハロゲン化銀乳剤や、当該分野において知られている他の物質が挙げられる。
【0063】
図10A〜図10Cを続けて参照すると、ホログラムがホログラフィックフィルム88に記録されて、記録されたホログラムを有するホログラフィックフィルム89(図8A〜図9B)が形成される。複数のレーザビームが、二つの主方向からホログラフィックフィルム88に向けられる。第一の組のレーザビームは、フィルムのエッジからホログラフィックフィルム88内に向けられて、第二の組のレーザビームは、ホログラフィックフィルム88の主表面に入射する。
【0064】
この第一の組のレーザビームの方向及び入射は、後に光源からホログラフィックフィルム88内に向けられる光の方向及び入射に対応する。一部実施形態では、図10Aを参照すると、レーザビームは、後に線光源からの光がフィルム88内に注入される箇所であるエッジ95に入射する。他の一部実施形態では、図10Bを参照すると、レーザビームは、後に点光源からの光がフィルム88内に注入される箇所であるエッジ92に入射する。
【0065】
第二の組のレーザビームは、ホログラフィックフィルム88の主表面上に向けられて、光源からホログラフィックフィルム89(図8A〜図9B)の外に方向転換された光の所望の方向及び位置に対応する。一部実施形態では、図10Cを参照すると、第二の組のレーザビームは、ホログラフィックフィルム88に実質的に垂直に、また、その垂線に対して略Aから略Bの角度範囲で向けられる。一部実施形態では、角度A及びBは等しくて、略30°以下又は略15°以下である。特定の実施形態では、AからBの角度範囲は、ホログラフィックフィルム89によって方向転換された光によって照らされるディスプレイ用の所望の視角に対応する。例えば、結果物のDRI構造は、主表面に対する垂線に対して測定した際に、略±30°以下又は略±15°以下の角度にわたって延伸している円錐内で、ホログラフィックフィルム89の主表面の外に光を方向転換させることができる。ホログラフィックフィルム89の外に方向転換された光がより狭い範囲に対して合焦されるので、比較的狭い光の円錐が、ディスプレイ81の知覚される輝度に対して有益となり得る。更に、一部応用においては、比較的狭い光の円錐は、その狭い円錐がディスプレイ81の視角を制限するので、プライバシーの観点において望ましいものとなり得る。
【0066】
ホログラフィックフィルム89によって照らされるディスプレイは、異なる色を表示する画素を有するカラーディスプレイであり得る。結果として、一部実施形態では、記録されたDRI構造は、これらの画素によって表示される色に対応する光を方向転換させるように設計される。例えば、画素は、赤、緑、青の色に対応する光を表示して、これらの色の様々な組み合わせによって多様な色を形成する。結果として、DRI構造を、赤、緑、青の色に対応する波長において主に光を回折させるように形成することができる。これは、例えば、第一の位置においてホログラフィックフィルムの選択された部分の照明を可能にする開口部を備えたマスクを用い、そして、他の位置(例えば第二及び第三の他の位置)へとマスクをずらすことによって達成可能であり、マスクが各位置にある間にホログラフィックフィルムを露光して、異なる所望の波長、つまりは赤、緑、青等の色を方向転換させるための領域又は“画素”を形成する。各位置において、ホログラフィックフィルムは、異なる波長のレーザ光に露光されて、そのレーザ光の波長は、画素が方向転換させたい光の色に対応するように選択される。レーザ光は、ホログラフィックフィルムに実質的に垂直に配向されたレーザビームを含む。更に、二次ビーム(実質的に垂直なレーザビームと同じ波長を有し得る)が、ディスプレイの照明用に後で設置される光源からの光の所望の角度及び方向と同じ角度及び方向で、ホログラフィックフィルム内に向けられる。画素領域は重畳せず、横方向に分離可能である。従って、画素化ホログラフィックフィルムを形成することができて、各画素が特定の色を優先的に方向転換させる。他の実施形態では、波長範囲が異なるレーザビームを同時にホログラフィックフィルムに向けて、所望の波長の光を主に方向転換させるDRI構造を同時に形成することができる。
【0067】
他の構成では、レーザ光の波長が一定に保たれて、DRI構造を形成するのに用いられるレーザ光のビーム間の角度を変更することによって、異なる波長の光を方向転換させるホログラフィックフィルムを形成することができる。このような構成は、DRI構造を形成するために使用されるレーザ光の全ての波長には反応しないホログラフィック記録物質に所望のDRI構造を形成するのに適用することができる。有利には、ホログラフィック物質が反応するレーザ光の波長を用い、所望の光の波長における光方向転換を達成するために必要に応じて変化させたレーザ光のビーム間の角度によって、全てのDRI構造を形成することができる。
【0068】
図11A〜図11Cを参照すると、DRI構造を、光源からの距離の増大と共に密度が増大するように形成することができる。この密度の変化は、ホログラム記録中に、複数のレーザ又は光遮断構造96を有するマスクを用いることによって達成可能である。光遮断構造96の密度は、光源からの直線距離の増大と共に減少する。結果として、より多くのレーザ光が、光源からの距離の増大と共にマスクを通り抜けてホログラフィックフィルム88上に向かうことによって、距離の増大と共に密度が高くなるDRI構造が形成される。図11Bに示されるように、光遮断構造の密度は、線光源がホログラフィックフィルム88と対にされるエッジ90までの距離と共に減少し得る。図11Cに示されるように、光遮断構造96の密度は、点光源がホログラフィックフィルム88と対にされるエッジ92までの距離と共に減少し得る。記録後において、光遮断構造96は、DRI構造が存在しないホログラフィックフィルムの領域に対応する。
【0069】
光遮断構造96及びフィルム88の相対的なサイズは、図示を簡単にするために誇張されている点には留意されたい。一部実施形態では、光遮断構造96は、光方向転換の均一性を促進するように小さいものである。光遮断構造96は、矩形等の規則的な形状を有することができる。他の実施形態では、光遮断構造が他の形状を有したり、その形状及び/又はサイズが変化したりし得る。
【0070】
ホログラムの記録後に、一部実施形態では、光源(線光源90、点光源93等)がホログラフィックフィルム89(図8A〜図9B)に取り付けられる。一部実施形態では、ディスプレイ81もホログラフィックフィルム89に取り付けられることによって、フィルム89を含む照明システムを有するディスプレイ装置が形成される。
【0071】
特定の好ましい実施形態及び例との関係において本発明を開示してきたが、本発明が具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替実施形態及び/又は本発明の使用及びその自明な変形例や等価物へと拡張されることを当業者は理解されたい。更に、本発明の複数の変形例について詳細に示して説明してきたが、本発明の範囲内に存する他の変形が、本開示内容に基づいて当業者には容易に明らかとなるものである。また、実施形態の特定の特徴及び側面の多様な組み合わせや部分的な組み合わせを行うことができ、これらも本発明の範囲内に落とし込まれるものである。開示された発明の多様なモードを形成するために、開示された実施形態の多様な特徴及び側面を、互いに組み合わせたり、置換したりすることができることは理解されたい。従って、本願で開示される発明の範囲は、上述の特定の実施形態によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0072】
80 導光パネル
81 ディスプレイ
83 支持プレート
89 ホログラフィックフィルム
90 光バー
91 方向転換特徴部
92 発光体
93 点光源
94 発光面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラムを備えたホログラフィックフィルムを備えた照明装置であって、
前記ホログラムが複数の回折屈折率構造を備え、
前記ホログラフィックフィルムが、前記ホログラフィックフィルムのエッジに配置される点光源に結合され前記点光源の発光面が前記エッジと向き合うように構成されていて、
前記回折屈折率構造の密度が、前記点光源からの距離が増大するのと共に増大している、装置。
【請求項2】
前記ホログラフィックフィルムが、前記回折屈折率構造の存在しない複数の規則的な形状の領域を備え、前記規則的な形状の領域の密度が、前記点光源からの距離が増大するのと共に減少している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記規則的な形状の領域が矩形である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記回折屈折率構造が、前記点光源からの光を回折させるように構成されていて、回折された光線が、前記ホログラフィックフィルムの主表面の外へと、前記主表面に対する垂線から測って±30°以下の角度で伝播する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記角度が±15°以下である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の回折屈折率構造が、略50%以下の抽出効率を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ホログラフィックフィルムのコーナーに配置されて前記コーナーのみから前記ホログラフィックフィルム内に光を向けるように構成されている光源を更に備えた請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記光源が発光ダイオードである、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記回折屈折率構造が、赤、緑及び青の色に対応する波長において主に光を回折させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ホログラフィックフィルムがガラスプレートに取り付けられていて、屈折率整合層が前記ホログラフィックフィルムと前記ガラスプレートとの間に配置されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ホログラフィックフィルムがガラスプレートに取り付けられていて、屈折率分離層が前記ホログラフィックフィルムと前記ガラスプレートとの間に配置されている、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記ホログラフィックフィルムの主表面に平行に取り付けられた複数の干渉変調器を更に備えた請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記回折屈折率構造が、重畳せずに横方向に隣接する画素の三つの組に分類されていて、各組の画素が、他の組の画素によって主に方向転換される光とは異なる色に対応する光を主に方向転換させる、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
光を発生させて該光を平坦部材に向けるための第一の手段と、
前記光を前記平坦部材の外に均一でホログラム的に方向転換させるための第二の手段と、を備えた照明装置。
【請求項15】
前記第二の手段が、複数の回折屈折率構造を有するホログラムを備え、前記ホログラムが前記平坦部材内に記録されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第一の手段が発光ダイオードを備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記発光ダイオードがホログラフィックフィルムのコーナーに配置されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記平坦部材を介して画像を表示するための第三の手段を更に備えた請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記第三の手段が複数の干渉変調器を備え、前記干渉変調器が画像素子を形成している、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
ディスプレイと、
前記ディスプレイと通信して、画像データを処理するように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサと通信するように構成されているメモリ装置と、を更に備えた請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記ディスプレイに少なくとも一つの信号を送信するように構成されているドライバ回路を更に備えた請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部を送信するように構成されている制御装置を更に備えた請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記プロセッサに前記画像データを送信するように構成されている画像ソースモジュールを更に備えた請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記画像ソースモジュールが、受信機、送受信機、送信機のうち少なくとも一つを備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
入力データを受信して、前記入力データを前記プロセッサに送信するように構成されている入力装置を更に備えた請求項20に記載の装置。
【請求項26】
ディスプレイを照明するための方法であって、
点光源をホログラフィックフィルムのエッジに提供する段階と、
前記点光源からの光を前記ホログラフィックフィルムのエッジに直接投射して、前記光を前記ホログラフィックフィルムを介して伝播させる段階と、
前記光を回折屈折率構造に接触させて、前記ホログラフィックフィルムの主表面の外に前記光を向ける段階と、を備え、
前記ディスプレイの画像素子に向けて方向転換された光の面積当たりのパワーが、前記ホログラフィックフィルムの主表面にわたって実質的に均一である、方法。
【請求項27】
面積当たりの方向転換された光の光束の最小値対最大値の比が、前記ディスプレイの画像素子に対応する前記ホログラフィックフィルムの全面積にわたって、0.20よりも大きい、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
ディスプレイ装置を製造するための方法であって、
複数の回折屈折率構造を備えたホログラムを備えたホログラフィックフィルムを提供する段階と、
前記ホログラフィックフィルムのエッジに点光源を、前記点光源の発光面が前記エッジに向き合うように取り付ける段階と、
前記ホログラフィックフィルムにディスプレイを取り付ける段階と、を備え、
前記回折屈折率構造の密度が、前記点光源からの距離が増大するのと共に増大する、方法。
【請求項29】
前記ホログラムを備えたホログラフィックフィルムを提供する段階が、
ホログラフィックフィルムを前記ホログラフィックフィルムに対して実質的に垂直に向けられた第一のレーザビームに露光するのと同時に、前記ホログラフィックフィルムを第二のレーザビームに露光する段階を備え、
前記第二のレーザビームが、前記点光源からの光の所望の角度及び方向と同じ角度及び方向において前記ホログラフィックフィルムに向けられる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ホログラフィックフィルムに隣接する複数の光遮断構造を提供する段階を更に備え、
前記光遮断構造が、前記第一のレーザビームから前記ホログラフィックフィルムの複数の領域を遮蔽して、前記光遮断構造の線密度が、前記点光源の所望の位置からの距離が増大するのと共に減少する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ホログラムを備えたホログラフィックフィルムを提供する段階が、
複数の開口部を備えたマスクであって、前記ホログラフィックフィルムに対して相対的な第一の位置に存在しているマスクを介して第一のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階と、
前記マスクを第二の位置にずらす段階と、
前記第二の位置に存在している前記マスクを介して第二のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階と、
前記マスクを第三の位置にずらす段階と、
前記第三の位置に存在している前記マスクを介して第三のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階と、を備え、
前記第一、第二及び第三のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階が、前記点光源からの光の所望の角度及び方向と同じ角度及び方向において前記ホログラフィックフィルムに向けられた二次レーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階を同時に備える、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記第一、第二及び第三のレーザビームが、異なる色に対応する波長を有する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記二次レーザビームの波長が、前記第一、第二及び第三のレーザビームの波長に応じて変化して、
前記二次レーザビームの波長が、前記第一のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階中では前記第一のレーザビームの波長に実質的に等しく、
前記二次レーザビームの波長が、前記第二のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階中では前記第二のレーザビームの波長に実質的に等しく、
前記二次レーザビームの波長が、前記第三のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階中では前記第三のレーザビームの波長に実質的に等しい、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
請求項28に記載の方法によって製造されたディスプレイ装置。
【請求項1】
ホログラムを備えたホログラフィックフィルムを備えた照明装置であって、
前記ホログラムが複数の回折屈折率構造を備え、
前記ホログラフィックフィルムが、前記ホログラフィックフィルムのエッジに配置される点光源に結合され前記点光源の発光面が前記エッジと向き合うように構成されていて、
前記回折屈折率構造の密度が、前記点光源からの距離が増大するのと共に増大している、装置。
【請求項2】
前記ホログラフィックフィルムが、前記回折屈折率構造の存在しない複数の規則的な形状の領域を備え、前記規則的な形状の領域の密度が、前記点光源からの距離が増大するのと共に減少している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記規則的な形状の領域が矩形である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記回折屈折率構造が、前記点光源からの光を回折させるように構成されていて、回折された光線が、前記ホログラフィックフィルムの主表面の外へと、前記主表面に対する垂線から測って±30°以下の角度で伝播する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記角度が±15°以下である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の回折屈折率構造が、略50%以下の抽出効率を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ホログラフィックフィルムのコーナーに配置されて前記コーナーのみから前記ホログラフィックフィルム内に光を向けるように構成されている光源を更に備えた請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記光源が発光ダイオードである、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記回折屈折率構造が、赤、緑及び青の色に対応する波長において主に光を回折させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ホログラフィックフィルムがガラスプレートに取り付けられていて、屈折率整合層が前記ホログラフィックフィルムと前記ガラスプレートとの間に配置されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ホログラフィックフィルムがガラスプレートに取り付けられていて、屈折率分離層が前記ホログラフィックフィルムと前記ガラスプレートとの間に配置されている、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記ホログラフィックフィルムの主表面に平行に取り付けられた複数の干渉変調器を更に備えた請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記回折屈折率構造が、重畳せずに横方向に隣接する画素の三つの組に分類されていて、各組の画素が、他の組の画素によって主に方向転換される光とは異なる色に対応する光を主に方向転換させる、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
光を発生させて該光を平坦部材に向けるための第一の手段と、
前記光を前記平坦部材の外に均一でホログラム的に方向転換させるための第二の手段と、を備えた照明装置。
【請求項15】
前記第二の手段が、複数の回折屈折率構造を有するホログラムを備え、前記ホログラムが前記平坦部材内に記録されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第一の手段が発光ダイオードを備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記発光ダイオードがホログラフィックフィルムのコーナーに配置されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記平坦部材を介して画像を表示するための第三の手段を更に備えた請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記第三の手段が複数の干渉変調器を備え、前記干渉変調器が画像素子を形成している、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
ディスプレイと、
前記ディスプレイと通信して、画像データを処理するように構成されているプロセッサと、
前記プロセッサと通信するように構成されているメモリ装置と、を更に備えた請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記ディスプレイに少なくとも一つの信号を送信するように構成されているドライバ回路を更に備えた請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部を送信するように構成されている制御装置を更に備えた請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記プロセッサに前記画像データを送信するように構成されている画像ソースモジュールを更に備えた請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記画像ソースモジュールが、受信機、送受信機、送信機のうち少なくとも一つを備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
入力データを受信して、前記入力データを前記プロセッサに送信するように構成されている入力装置を更に備えた請求項20に記載の装置。
【請求項26】
ディスプレイを照明するための方法であって、
点光源をホログラフィックフィルムのエッジに提供する段階と、
前記点光源からの光を前記ホログラフィックフィルムのエッジに直接投射して、前記光を前記ホログラフィックフィルムを介して伝播させる段階と、
前記光を回折屈折率構造に接触させて、前記ホログラフィックフィルムの主表面の外に前記光を向ける段階と、を備え、
前記ディスプレイの画像素子に向けて方向転換された光の面積当たりのパワーが、前記ホログラフィックフィルムの主表面にわたって実質的に均一である、方法。
【請求項27】
面積当たりの方向転換された光の光束の最小値対最大値の比が、前記ディスプレイの画像素子に対応する前記ホログラフィックフィルムの全面積にわたって、0.20よりも大きい、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
ディスプレイ装置を製造するための方法であって、
複数の回折屈折率構造を備えたホログラムを備えたホログラフィックフィルムを提供する段階と、
前記ホログラフィックフィルムのエッジに点光源を、前記点光源の発光面が前記エッジに向き合うように取り付ける段階と、
前記ホログラフィックフィルムにディスプレイを取り付ける段階と、を備え、
前記回折屈折率構造の密度が、前記点光源からの距離が増大するのと共に増大する、方法。
【請求項29】
前記ホログラムを備えたホログラフィックフィルムを提供する段階が、
ホログラフィックフィルムを前記ホログラフィックフィルムに対して実質的に垂直に向けられた第一のレーザビームに露光するのと同時に、前記ホログラフィックフィルムを第二のレーザビームに露光する段階を備え、
前記第二のレーザビームが、前記点光源からの光の所望の角度及び方向と同じ角度及び方向において前記ホログラフィックフィルムに向けられる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ホログラフィックフィルムに隣接する複数の光遮断構造を提供する段階を更に備え、
前記光遮断構造が、前記第一のレーザビームから前記ホログラフィックフィルムの複数の領域を遮蔽して、前記光遮断構造の線密度が、前記点光源の所望の位置からの距離が増大するのと共に減少する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ホログラムを備えたホログラフィックフィルムを提供する段階が、
複数の開口部を備えたマスクであって、前記ホログラフィックフィルムに対して相対的な第一の位置に存在しているマスクを介して第一のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階と、
前記マスクを第二の位置にずらす段階と、
前記第二の位置に存在している前記マスクを介して第二のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階と、
前記マスクを第三の位置にずらす段階と、
前記第三の位置に存在している前記マスクを介して第三のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階と、を備え、
前記第一、第二及び第三のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階が、前記点光源からの光の所望の角度及び方向と同じ角度及び方向において前記ホログラフィックフィルムに向けられた二次レーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階を同時に備える、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記第一、第二及び第三のレーザビームが、異なる色に対応する波長を有する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記二次レーザビームの波長が、前記第一、第二及び第三のレーザビームの波長に応じて変化して、
前記二次レーザビームの波長が、前記第一のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階中では前記第一のレーザビームの波長に実質的に等しく、
前記二次レーザビームの波長が、前記第二のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階中では前記第二のレーザビームの波長に実質的に等しく、
前記二次レーザビームの波長が、前記第三のレーザビームに前記ホログラフィックフィルムを露光する段階中では前記第三のレーザビームの波長に実質的に等しい、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
請求項28に記載の方法によって製造されたディスプレイ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【公表番号】特表2011−527028(P2011−527028A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516665(P2011−516665)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/048677
【国際公開番号】WO2010/002701
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/048677
【国際公開番号】WO2010/002701
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】
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