説明

ホログラム装置、空間光変調器と撮像素子の位置決め方法及びホログラム記録材料

【課題】空間光変調器とイメージセンサとのピクセルレベルの位置ずれを自動的に補正すること。
【解決手段】イメージセンサ17の解像度が空間光変調器10の2倍であり、空間光変調器10に表示されたマッチングパターンにより変調された信号光をイメージセンサ17によりオーバーサンプリングして受光する。その際、図4(A)に対して図4(B)に示すように、空間光変調器10とイメージセンサ17の位置がピクセルレベルで正しく合っていない場合には、イメージセンサ17の受光量が減少して受光信号が山形になり、これを評価関数により評価してその総和が最大になるようにイメージセンサ17の位置を移動させることにより、空間光変調器10とイメージセンサ17とのピクセルレベルの位置ずれを自動的に補正することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データをホログラフィックに記録再生するホログラム装置に係り、特に空間光変調器とイメージセンサとのピクセルレベルの位置決合わせを行うための空間光変調器と撮像素子の位置決め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホログラフィック技術は、次世代、次々世代光ディスクと競合する強力なストレージの候補として注目を集めているホログラフィックメモリの実用化へ向けて、急速に開発が進められており、ホログラム技術を利用して大容量データの記録再生を行なうホログラム記録再生システムが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
このホログラムストレージの記録再生システム(ホログラム装置)では、干渉性を持つレーザ光を、信号光と参照光に分岐し、信号光は空間光変調器(SLM)により記録データに応じて強度変調される。変調された信号光はホログラム記録メディア(ホログラム記録材料)に集光されるが、その時、参照光もホログラム記録メディアに照射されるため、この信号光と参照光が干渉し、その結果形成される干渉縞が記録メディアに微細な疎密パターンとして記録される。
【0004】
ホログラム記録メディアに記録されたデータを再生するには、参照光と同一の照明再生光をホログラム記録メディアに参照光と同一角度で入射させることにより、ホログラム記録メディアに記録されている干渉縞に対応する回折光(再生信号光)としてデータが再生され、この再生信号光がCCD+CMOSなどのイメージセンサに集光されてビットパターンとして撮像素子に取り込まれる。撮像素子により得られた受光信号は解析されてデータとして再生される。
【非特許文献1】IBM J.RES DEVELOP VOL 44 NO.3 MAY 2000 「Holographic datastorage 」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のホログラムストレージでは、SLMとイメージセンサとの位置合わせ若しくは、ホログラム再生像とイメージセンサの位置合わせを特に行わずにデータ再生を行うと、SLMの1 ピクセルがイメージセンサの1ピクセルに結像するとは限らない。それ故、場合によっては再生信号光をイメージセンサのピクセルとピクセルの間で受光することになって受光できる光量が減少する。ホログラム再生は、一般的にS/Nに乏しく、例えば、2値のホログラムの再生において0レベルと1レベルのコントラストが大きく取れないことが多いため、イメージセンサにおける受光量の低下は、ビットエラーレート(BER)に大きく影響する。
【0006】
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、空間光変調器とイメージセンサとのピクセルレベルの位置ずれを自動的に補正することができるホログラム装置並びに空間光変調器と撮像素子の位置決め方法及び前記位置ずれを自動的に補正するデータを記録したホログラム記録材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するため、参照光と空間光変調器により光空間変調された信号光との干渉縞をホログラム記録材料に記録し、或いは、前記ホログラム記録材料に照明再生光を照射することにより再生された再生信号光を撮像素子により撮像して再生画像信号を得るホログラム装置であって、前記空間光変調器にピクセルマッチング用パターンを表示し、この表示されたピクセルマッチング用のパターンにより光空間変調された信号光を前記撮像素子により直接撮像して再生画像信号を得るマッチング用データ取得手段と、前記撮像された再生画像信号の輝度値を用いて所定の演算を行う演算手段と、前記演算手段の演算結果により前記撮像素子と前記空間光変調器との相対的な位置を移動させる位置決め制御手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、ホログラム記録材料に照明再生光を照射することにより再生された再生信号光を撮像素子により撮像して再生画像信号を得るホログラム装置であって、前記ホログラム記録材に予め記録されているピクセルマッチング用パターンを再生して得られる再生信号光を前記撮像素子により撮像して再生画像信号を得るマッチング用データ取得手段と、前記撮像された再生画像信号の輝度値を用いて所定の演算を行う演算手段と、前記演算手段の演算結果により前記撮像素子と前記空間光変調器との相対的な位置を移動させる位置決め制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、参照光と空間光変調器により光空間変調された信号光との干渉縞をホログラム記録材料に記録し、或いは、前記ホログラム記録材料に照明再生光を照射することにより再生された再生信号光を撮像素子により撮像して再生画像信号を得るホログラム装置における空間光変調器と撮像素子の位置決め方法であって、前記空間光変調器にピクセルマッチング用のパターンを表示するステップと、前記表示されたピクセルマッチング用のパターンにより光空間変調された信号光を前記撮像素子により直接撮像して再生画像信号を取得するステップと、前記撮像された再生画像信号の輝度値を用いて所定の演算を行うステップと、前記演算手段の演算結果により前記撮像素子と前記空間光変調器との相対的な位置を移動させるステップとを具備することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、ホログラム記録材料に照明再生光を照射することにより再生された再生信号光を撮像素子により撮像して再生画像信号を得るホログラム装置における空間光変調器と撮像素子の位置決め方法であって、前記ホログラム記録材に予め記録されているピクセルマッチング用パターンを再生して再生信号光を得るステップと、前記再生信号光を前記撮像素子により撮像して再生画像信号を取得するステップと、前記撮像された再生画像信号の輝度値を用いて所定の演算を行うステップと、前記演算手段の演算結果により前記撮像素子と前記空間光変調器との相対的な位置を移動させるステップとを具備することを特徴とする。
【0011】
このように本発明では、空間光変調器よりも解像度が高い撮像素子でピクセルマッチング用パターンを撮像し、得られた画像信号の輝度信号を用いて所定の演算を行い評価値を求め、その評価値が極大値になるように空間光変調器に対する撮像素子の位置を移動させることによって空間光変調器と撮像素子とのピクセルレベルの位置ずれを自動的に補正するものである。これは、撮像素子の解像度が空間光変調器の例えば2倍であり、画像信号をオーバーサンプリングしたとき、空間光変調器と撮像素子との位置がピクセルレベルで正しく合っていない場合には撮像素子の受光量が減少することを利用し、これを評価関数により評価し、その総和の極大になるところが空間光変調器と撮像素子とがピクセルレベルで合致したところにあたることによる。なお、ピクセルマッチング用パターンはホログラム材料に予め記録されているものを使用しても、同様の位置合わせ動作を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、空間光変調器よりも解像度が高い撮像素子でピクセルマッチング用パターンを撮像し、得られた画像信号の輝度信号を用いて所定の演算を行い、その演算結果が極大値になるように空間光変調器に対する撮像素子の位置を移動させることによって、空間光変調器と撮像素子とのピクセルレベルの位置ずれを自動的に補正することができ、撮像素子の受光レベルを上げてビットエラーレートが低い品質の良い画像を再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
空間光変調器とイメージセンサとのピクセルレベルの位置ずれを自動的に補正する目的を、空間光変調器よりも解像度が高いイメージセンサでピクセルマッチング用パターンを撮像し、得られた画像信号の輝度信号を用いて所定の演算を行い、その演算結果が極大値になるように空間光変調器に対する撮像素子の位置を移動させることによって実現した。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態に係るホログラム装置の構成を示したブロック図である。ホログラム記録再生装置は、半導体レーザなどのレーザ光源1、シャッター2、半波長板3、位相ビームスプリッタ(PBS)4、シャッター5、ミラー6、スペイシャルフィルター7、コリメートレンズ8、ミラー9、空間光変調器(SLM)10、フーリエレンズ11、スペイシャルフィルター12、コリメートレンズ13、ミラー14、回転ミラー15、フーリエレンズ16、イメージセンサ(撮像素子)17及び着脱自在のホログラム記録材料60を有して構成されている。
【0015】
次に本実施の形態の動作について説明する。記録時、シャッター2、5は開いており、レーザ光源1から出射したレーザ光は、半波長板3を通ってPBS4に入射される。PBS4は入射レーザ光を信号光100と参照光200に分岐し、信号光100はミラー6により光路を変更された後、スペイシャルフィルター7を通ってコリメートレンズ8により概略平行光となる。この概略平行光となった信号光100はミラー9によりその光路を変更され、SLM10に表示されたデータページによって光空間変調され、更にフーリエレンズ11により、ホログラム記録材料(以降記録材料と称することもある)60に集光される。
【0016】
一方、参照光200はスペイシャルフィルター12を通ってコリメートレンズ13により概略平行光になり、ミラー14により光路を変更されて回転ミラー15に入射する。参照光200は回転ミラー15の回転角に応じた角度で光路を変更された後、ホログラム記録材料60に入射される。その際、回転ミラー15の回転角が変化すると、参照光200のホログラム記録材料60に対する入射角度が変更される。これにより、信号光100と参照光200の干渉縞が記録材料60に角度多重方式に多重記録される。
【0017】
再生時、シャッター2が開きシャッター5が閉じるため、記録材料60には参照光200が再生照明光として照射され、記録材料60に再生信号光300が発生する。再生信号光300はフーリエレンズ16により概略平行となってイメージセンサ17により受光される。イメージセンサ17は受光した光学像を光電変換して再生画像信号とする。
【0018】
ここで、本例では、SLM10(ホログラム再生像)とイメージセンサ17とのピクセルレベルの位置ずれを自動的に補正する機能を有している。以下、この機能について説明する。自動補正の基本的な考え方であるが、例えば、図2に示すように白と黒(例えば、SLM10上の画素値としては、255と0)の反転パターンから構成されるキャリブレーション用のマーカを考える。同図に示したマーカは一例であり、反転パターンから構成されるマーカであれば特にこの形に限らない。
【0019】
このマーカを配置した画像を図3に示すようにSLM10に複数個点在して表示し、このSLM10で空間光変調された信号光をイメージセンサ17で直接撮像し(この場合はホログラム記録材料60を取り除いてある)、得られた撮像画像に基づいてSLM10(ホログラム画像)とイメージセンサ17との間でピクセルレベルの位置合わせ(以下、ピクセルマッチングと呼ぶ)を行う。尚、ドライブ間の互換性(いわゆるリムーバブル性)を考慮すると、このようなキャリブレーション画像(ピクセルマッチング用パターン)はホログラム記録材料60に記録しておく方が現実的である。
【0020】
図4にSLM10とイメージセンサ17の位置合わせの様子を説明する図である。イメージセンサ17の解像度はSLM10の2倍とし、SLM10からの出射光をイメージセンサ17上でオーバーサンプリングして受光する。この時、図4(A)のように位置合わせが正しく行われていれば、理想的には、イメージセンサ17で撮像されるキャリブレーションパターンもSLM10に表示されたパターンと同様に255に対応するほぼ一定の輝度値IHと、0に対応するほぼ一定の輝度値ILで撮像され、イメージセンサ17の受光信号はシンプルな方形波になる。
【0021】
図4(B)に示すように位置合わせが正しく行われていないとすると、イメージセンサ17側で受光量が減少する画素が存在し、その画素の輝度はSLM10の0と255に相当する画素値の中間値IMをとることになる。そのため、イメージセンサ17の受光信号は段差のある方形波になり、輝度値IH、中間値IM及び輝度値ILの3値をとることになる。
【0022】
そこで、上記のことを利用して、図5に示すようにイメージセンサ17の連続する画素の受光値をP0,P1,P2,P3とした場合、{(P0+P1)−(P2+P3)}2 で表される近傍画素値の差分の2乗和を評価関数として(オーバーサンプリングされているので、隣の画素の和同士の差分)、その差分の総和が最大となる位置を探索することにより、SLM10とイメージセンサ17のピクセルレベルの位置合わせが可能となる。評価関数を一般化すると次式で表すことができる。
【0023】
【数1】

【0024】
尚、実装上は、計算速度を優先する場合、上式の2乗をとらない形、即ち連続する画素の受光値の差分である(P0+P1)−(P2+P3)でもよく、その一般形は、連続する画素の受光値の差分の総和をとる形となる。また、撮像はイメージセンサ17のランダムノイズ等の影響を抑えるために複数回行って、複数の画像より加算平均画像を生成し、この画像を位置合わせに用いる方が望ましい。
【0025】
図6はSLM10に表示する自動位置合わせのためのマーカを組み込んだデータページの一例であり、変調コードにピクセルマッチング用のマーカを埋め込んである。この画像例では、図1に示したマーカとは異なる形状のものを使用している。即ち、図7の拡大図に示すように、4隅に大まかな位置決め用のマーカ30が設置してあり、その間の横方向、及び縦方向にピクセルマッチング用のマーカ40が配置されており、マーカ40は2値の反転パターンから構成されている。
【0026】
図8は図1に示したホログラム記録再生装置に搭載される自動位置合わせのための制御系である。イメージセンサ17を機械的に移動させるイメージセンサ移動機構21、イメージセンサ17から出力される画像信号を記憶するフレームメモリ18、フレームメモリ18に記憶される画像を画像処理する画像処理部19、画像処理部19の処理結果に基づいてアクチュエータドライバ22に制御信号を出力するアクチュエータコントローラ20、イメージセンサ移動機構21を駆動するアクチュエータドライバ22を有して構成される。
【0027】
次に自動位置合わせ制御の手順を図9に示したフローチャートに従って説明する。まず、図6に示すようなデータページをSLM10に表示し、これを記録材料60に記録した後、再生し、その画像をイメージセンサ17で撮像する(ステップS1)。
【0028】
次に、画像処理部19は位置決め用マーカ30の画像認識アルゴリズムにより自動的に認識してその位置を検出した後、(ステップS2)、マーカ30とマーカ30の間で横方向、縦方向に複数のラインプロファイルを取って複数のプロファイルを作成する(ステップS3)。次に画像処理部19は複数のプロファイルを積分する(ステップS4)。この積分されたプロファイルを用いて上記の評価関数により評価値を計算し、その値が極大となるようにイメージセンサ17をそれぞれ横方向、縦方向に移動させ,(ステップS5、S6、S7)、極大のところでイメージセンサ17を固定してピクセルマッチングを行う。その後、データにあたる変調コードの位置決め及び、切り出しを行うことによって、BERを低く抑えながらデータの読み出しが可能となる。図10は位置ずれがある時の撮像画像で、図11はピクセルマッチングを行って、位置ずれが是正された時の撮像画像例である。この図11の画像を切り出す場合の画像例が図12の一部拡大図である。
【0029】
ここで、図6に示したピクセルマッチング用のマーカ40の横方向のマーカについてはその幅が、縦方向のマーカについてはその高さが、変調コードの大きさと一致している。たとえば、変調コードの最小単位が2×2ピクセルであれば、マーカの最小幅、最小高さも2ピクセルである。このマーカを構成する2値の反転パターンはこれらの基準幅、或いは、高さで周期的に配置されており、画像上に光学系や、メディアに起因する歪がなければ撮像された画像でも常に同一の周期で観察できる。
【0030】
しかしながら、現実的に光学系やメディアに起因する歪を抑えることは難しく、歪が存在する場合は、画像上のこれらのマーカの周期が場所によって変動することになる。これについても、この変動を積極的に活用することによって、画像の歪の補正を行うことも可能である。また、これらのマーカの傾きを計測し、画像の傾き補正を行うことも可能である。
【0031】
本実施の形態によれば、SLM10の2倍の解像度のイメージセンサ17でピクセルマッチング用画像を撮像して複数のラインプロファイルを取り、これらのプロファイルを積分して得られるプロファイルにより評価関数に基づく評価値を計算し、その値が最大になる位置にイメージセンサ17を移動することによって空間光変調器10とイメージセンサ17との位置ずれをピクセルレベルで自動的に補正することができる。また、上記のようなピクセルマッチングを行って撮像した画像を切り出すため、ビットエラーレートを低く抑えることが可能な再生画像信号を得ることができる。
【0032】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用、効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。例えば、上記実施の形態では、SLM10にピクセルマッチング用パターンを表示し、それにより光空間変調された信号光を直接イメージセンサ17で撮像して、SLM10とイメージセンサ17との位置合わせを行ったが、ピクセルマッチング用パターンを予め記録したホログラム材料から再生し、得られた再生信号光をイメージセンサ17で受光しても同様に、空間光変調器10とイメージセンサ17とのピクセルレベルの位置ずれを自動的に補正することができる。また、上記実施の形態では、SLM10に対してイメージセンサ17を移動したが、場合によっては、イメージセンサ17に対してSLM10を移動させても良い。
【0033】
また、上記実施の形態のホログラム装置は角度多重方式であったが、例えばシフト多重方式など他の多重方式のホログラム装置に本発明を適用しても同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施の形態に係るホログラム装置の構成を示したブロック図である。
【図2】図1のSLMに表示されるマッチングパターン例を示した図である。
【図3】図1のSLMに表示されたマッチングパターンの配置例を示した図である。
【図4】図1に示したSLMとイメージセンサとの位置合わせの原理を説明する図である。
【図5】図1に示したイメージセンサの連続する画素に発生する輝度信号例を示した図である。
【図6】図1のSLMに表示する自動位置合わせのためのマーカを組み込んだデータページの一例を示した図である。
【図7】図6の一部拡大図である。
【図8】図1に示したホログラム記録再生装置に搭載される自動位置合わせのための制御系を示したブロック図である。
【図9】図8に示した制御系における自動位置合わせ制御手順を示したフローチャートである。
【図10】図1に示した装置で位置ずれがある時に撮像された画像例を示した図である。
【図11】図1に示した装置で位置ずれがない時に撮像された画像例を示した図である。
【図12】図11に示した画像を切り出した場合の画像例を示した図である。
【符号の説明】
【0035】
1……レーザ光源、2、5……シャッター、3……半波長板、4……位相ビームスプリッタ(PBS)、6、9、14……ミラー、7、12……スペイシャルフィルター、8、13……コリメートレンズ、10……空間光変調器(SLM)、11、16……フーリエレンズ、15……回転ミラー、17……イメージセンサ(撮像素子)、18……フレームメモリ、19……画像処理部、20……アクチュエータコントローラ、21……イメージセンサ移動機構、22……アクチュエータドライバ、60……ホログラム記録材料。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
参照光と空間光変調器により光空間変調された信号光との干渉縞をホログラム記録材料に記録し、或いは、前記ホログラム記録材料に照明再生光を照射することにより再生された再生信号光を撮像素子により撮像して再生画像信号を得るホログラム装置であって、
前記空間光変調器にピクセルマッチング用パターンを表示し、この表示されたピクセルマッチング用のパターンにより光空間変調された信号光を前記撮像素子により直接撮像して再生画像信号を得るマッチング用データ取得手段と、
前記撮像された再生画像信号の輝度値を用いて所定の演算を行う演算手段と、
前記演算手段の演算結果により前記撮像素子と前記空間光変調器との相対的な位置を移動させる位置決め制御手段と、
を具備することを特徴とするホログラム装置。
【請求項2】
ホログラム記録材料に照明再生光を照射することにより再生された再生信号光を撮像素子により撮像して再生画像信号を得るホログラム装置であって、
前記ホログラム記録材に予め記録されているピクセルマッチング用パターンを再生して得られる再生信号光を前記撮像素子により撮像して再生画像信号を得るピクセルマッチング用データ取得手段と、
前記撮像された再生画像信号の輝度値を用いて所定の演算を行う演算手段と、
前記演算手段の演算結果により前記撮像素子と前記空間光変調器との相対的な位置を移動させる位置決め制御手段と、
を具備することを特徴とするホログラム装置。
【請求項3】
前記位置決め制御手段は、前記演算手段の演算結果により前記撮像素子を前記空間光変調器に対して移動させるか或いは、前記空間光変調器を前記撮像素子に対して移動させることを特徴とする請求項1又は2記載のホログラム装置。
【請求項4】
前記撮像素子の解像度は前記空間光変調器の解像度より大きく、前記ピクセルマッチング用のパターンにより光空間変調された信号光をオーバーサンプリングで受光することを特徴とする請求項1又は2記載のホログラム装置。
【請求項5】
前記撮像素子の解像度は前記空間光変調器の解像度の2倍以上であることを特徴とする請求項4記載のホログラム装置。
【請求項6】
前記演算手段は、前記撮像素子の連続した複数の画素の輝度値の差分の2乗和を算出し、更にこの2乗和の総和を算出するか或いは、連続した複数の画素の輝度値の差分の総和を算出することを特徴とする請求項1又は2記載のホログラム装置。
【請求項7】
前記位置決め制御手段は、前記演算手段による演算結果が極大値を取るように前記撮像素子の機械的な位置を移動させて位置決めすることを特徴とする請求項1又は2記載のホログラム装置。
【請求項8】
前記ピクセルマッチング用のパターンは反転パターンにより構成され、前記空間光変調器の表示面の複数か所に点在して表示されることを特徴とする請求項1又は2記載のホログラム装置。
【請求項9】
前記ピクセルマッチング用パターンは前記空間光変調器の表示面の4隅に配置された位置決め用マークの間に配置された細長い2値の反転パターンにより構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のホログラム装置。
【請求項10】
前記演算手段は、前記2乗和の総和を算出して評価関数とするか或いは、前記差分の総和を算出して評価関数とし、さらに前記撮像された再生画像信号から複数のラインプロファイルを取り、これらプロファイルを積分し、積分されたプロファイルより前記評価関数に基づく評価値を算出することを特徴とする請求項6記載のホログラム装置。
【請求項11】
参照光と空間光変調器により光空間変調された信号光との干渉縞をホログラム記録材料に記録し、或いは、前記ホログラム記録材料に照明再生光を照射することにより再生された再生信号光を撮像素子により撮像して再生画像信号を得るホログラム装置における空間光変調器と撮像素子の位置決め方法であって、
前記空間光変調器にピクセルマッチング用のパターンを表示するステップと、
前記表示されたピクセルマッチング用のパターンにより光空間変調された信号光を前記撮像素子により直接撮像して再生画像信号を取得するステップと、
前記撮像された再生画像信号の輝度値を用いて所定の演算を行うステップと、
前記演算手段の演算結果により前記撮像素子と前記空間光変調器との相対的な位置を移動させるステップと、
を具備することを特徴とする空間光変調器と撮像素子の位置決め方法。
【請求項12】
ホログラム記録材料に照明再生光を照射することにより再生された再生信号光を撮像素子により撮像して再生画像信号を得るホログラム装置における空間光変調器と撮像素子の位置決め方法であって、
前記ホログラム記録材に予め記録されているピクセルマッチング用パターンを再生して再生信号光を得るステップと、
前記再生信号光を前記撮像素子により撮像して再生画像信号を取得するステップと、
前記撮像された再生画像信号の輝度値を用いて所定の演算を行うステップと、
前記演算手段の演算結果により前記撮像素子と前記空間光変調器との相対的な位置を移動させるステップと、
を具備することを特徴とする空間光変調器と撮像素子の位置決め方法。
【請求項13】
参照光と空間光変調器により光空間変調された信号光との干渉縞を記録するホログラム記録材料であって、
前記空間光変調器と前記ホログラム記録材料の記録データを再生した時に再生画像を撮像する撮像素子とのピクセルレベルの位置ずれ補正用パターンを記録したことを特徴とするホログラム記録材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−65272(P2006−65272A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−14513(P2005−14513)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】