説明

ボイスメールのフィルタリングおよび転記システム

ボイスメールをフィルタリングおよび転記するためのシステムおよび方法を本明細書に記載する。様々な実施形態によれば、統合通信システムは、ボイスメール・メッセージ(「ボイスメール」)のフィルタリングおよび転記を行い、そのボイスメールをEメールによってユーザのEメール対応デバイスに転送する。フィルタリングは、ボイスメールの単語検索に基づいて優先フラグを生成することを含む。この統合通信システムは、ユーザが指定するように自動的にまたはオンデマンドでボイスメールの概略転記をさらに行う。諸実施形態によれば、この概略転記は、ユーザに送信されるEメール内のテキストとして入力される。一実施形態では、ユーザは、ユーザのデバイス上のボタンを押すことにより、ボイスメールの厳密な転記を要求することができる。一実施形態では、元のEメール内で概略転記が厳密な転記によって置換され、その元のEメールに、ユーザのデバイス上のユーザのEメール受信箱内で「未読」の印が付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、以下の米国特許出願に関係する。
【0002】
Jens Ulrik SkakkebaekおよびCary W.FitzGeraldによって発明され、本出願と同時に出願される米国出願[代理人整理番号30519.716.202]、Voicemail Filtering and Transcription、および
【0003】
Jens Ulrik SkakkebaekおよびCary W.FitzGeraldによって発明され、本出願と同時に出願される米国出願[代理人整理番号30519.716.203]、Voicemail Filtering and Transcription。
【0004】
本明細書の開示は、一般に統合通信およびメッセージング・システムに関し、より詳細には、そのようなシステムでのボイスメール転記に関する。
【背景技術】
【0005】
今日ではほとんどの人が、複数の通信技術または通信媒体を使用して1日に複数回通信する。通信媒体には、電子メール(「Eメール」)メッセージング、SMS(ショート・メッセージング・サービス)メッセージング、ボイス・メッセージング、等が含まれる。ユーザは、デスクトップ・コンピュータ、有線電話、無線デバイス(例えば電話やPDA(携帯情報端末))、等などの様々なデバイスを介して、様々な有線ネットワークおよび無線ネットワーク上でメッセージを送受信する。
【0006】
現在、BlackBerry(登録商標)などの携帯電話デバイス上でEメールを受信することが可能である。任意のEメール対応デバイス上で、Eメールによりボイスメールの通知を受信することも可能である。一部のシステムでは、Eメールの通知は、ユーザがボイスメール・システムに発呼することなくメッセージを聞けるよう、そのメッセージの再生可能な音声ファイル(例えばWAVファイルなど)を含む。このボイスメール/Eメール統合は、音声発呼者をユーザの「前の」電話番号から自らのシステムに転送することができる商業プロバイダを介して、個人ユーザが利用できる。あるいは、一部のプロバイダは、ボイスメールからEメールへの処理のために使用する別の番号をユーザに与える。さらに、企業内での通信媒体の完全統合は、Adomo,Inc.から入手することができる。例えば、Adomoの「Unified Communications」ソリューションは、既存の企業通信およびデータ管理システムと強固に統合して、従業員に、その従業員がどこに物理的に位置していようとも、すべてのデバイス上ですべてのタイプのメッセージへのシームレスなアクセスを提供する。
【0007】
優れたデバイスやシステムが数多く生まれるにつれ、ユーザは、自らのメッセージが、メッセージのタイプまたはソースに関係なく、即座にとまではいかなくても容易に自らのすべてのデバイス上で利用できることをますます要求する。同時に、極めて優れた通信デバイスの遍在性は、自らのメッセージが非常に迅速に受け取られ、理解され、かつ適切に返答されることになるというメッセージ受信者の期待をただ高めるだけのように思われる。ユーザは、ボイスメールおよびEメールにかつてないほど多くの、かつ速いアクセスを有するが、メッセージを認識し、かつ/またはメッセージに応答するための時間が相対的に遅くなり得る一部の領域が今なおある。例えば、あるユーザはボイスメールが受信されたというEメール通知を受信し得るが、すぐにそのボイスメールにアクセスし、かつ/またはそのボイスメールを聞くことができない可能性がある。そのユーザがミーティング中である場合、どのようなメッセージが受信されているかを見るために自らのデバイスを一目見ることは容認されるかもしれないが、ボイスメールを聞くことは容認されない。場合によっては、その通知からボイスメールの送信者の識別情報を知ることができ、その識別情報は、そのメッセージの緊急度に関するある程度の情報を提供する可能性がある。多くの場合、通知自体の他に情報はない。
【0008】
ボイスメールを聞かなければならないことによってもたらされる不都合および遅延をなくすために、ユーザのデバイス(例えばBlackBerry(登録商標)など)に、音声データ・ファイルや音声データ・ファイルへのリンクの代わりにボイスメールの転記を提供する方法が開発されている。例えばSpinvox(登録商標)Ltd.は、モバイル・ネットワーク・プロバイダが特定のボイスメール・ソフトウェアをインストールすることを要求するボイスメール転記サービスを提供する。ネットワーク・プロバイダにより、ボイスメール・データが、そのボイス・メッセージを再生して転記し、次いでその転記のテキストをユーザのデバイスに送信する転記者に送信される。この方法は、ユーザのEメール・システムとの完全統合を欠く不利点がある。通信の一部が元の音声呼であり、その音声呼は、その後の転記されたテキストが送信されるEメールとは接続が断たれている。したがって、例えばアーカイビングや監査目的で通信の全履歴を容易に入手することはできない。別の不利点は、転記を行わせることにより任意のユーザ利益が得られようが得られまいが、各ボイスメールが同様に扱われることである。
【0009】
ボイスメール転記の別の従来の例が、SimulScribe(商標)Inc.によって提供されている。SimulScribe(商標)は、すべてのボイスメールの転記を行い、テキストの結果をユーザの電話に転送する中間ボイスメール・システムに、ユーザの発呼者を転送することを含むサービスを提供する。この方法には、先に言及したのと同じ不利点がある。様々な先行方法の他の不利点には、転記を受けるためにユーザが発呼者に対して別の番号を与えることが要求されることや、自らのボイスメールが転記されたくない可能性がある発呼者または転記の処理を制御したい可能性がある発呼者に対するプライバシまたは機密性の保証を欠いていることが含まれる。
【0010】
参照による組み込み
本明細書で言及するすべての刊行物および特許出願は、それぞれ個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれると具体的にかつ個別に示されるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国出願[代理人整理番号30519.716.202]
【特許文献2】米国出願[代理人整理番号30519.716.203]
【特許文献3】米国特許出願第11/053,271号
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態に基づくICS(統合通信システム:integrated communication system)を含むシステムのブロック図である。
【図2】一実施形態に基づくボイスメールのフィルタリングおよび概略転記の生成についての流れ図である。
【図3】一実施形態に基づくボイスメールのフィルタリングおよび概略転記の生成についての流れ図である。
【図4】一実施形態に基づくICS(統合通信システム)を含み、厳密な転記を得るプロセスの流れを示すシステムのブロック図である。
【図5】一実施形態に基づく厳密な転記を得るプロセスの流れ図である。
【図6】一実施形態に基づくICS(統合通信システム)を含み、厳密な転記を得るプロセスの流れを示すシステムのブロック図である。
【図7】一実施形態に基づくボイスメールを聞き、転記するためのウェブ・ページのブロック図である。
【図8】図6および図7の実施形態などの一実施形態に基づく厳密な転記を得るプロセスの流れ図である。
【図9】一実施形態に基づくICSを含むシステムのブロック図である。
【図10】一実施形態に基づく通信サーバのさらなる詳細を示すシステムのブロック図である。
【図11】一実施形態に基づく通信サーバおよびインターフェース・モジュールおよびメッセージング・サーバを含むシステムのブロック図である。
【図12】一実施形態に基づくIM(インターフェース・モジュール)とMSERV(メッセージング・サーバ)環境の構成要素との間の対話を示すブロック図である。
【図13】一実施形態に基づくFBUI(フォームベース・ユーザ・インターフェース)を有するICS(統合通信システム)を含むシステムのブロック図である。
【図14】一実施形態に基づくクライアント・デバイス上に表示される際のFBUIの見本を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面では、同じ参照番号は同一のまたは実質的に同様の要素または行為を識別する。任意の特定の要素または行為に関する議論を容易に識別するために、参照番号の最上位の桁または複数桁は、その要素を最初に導入する図面の番号を引用する(例えば、要素110は、図1に関して最初に導入され論じられる)。
【0014】
ボイスメールをフィルタリングおよび転記するためのシステムおよび方法を本明細書に記載する。様々な実施形態によれば、統合通信システムは、ボイスメールのフィルタリングおよび転記を行い、そのボイスメールをEメールによってユーザのEメール対応デバイスに転送する。例えば、そのEメールは、Eメール・サーバを含むシステムに送信され、そのEメール・サーバからEメールがユーザのデバイスに送信される。一実施形態では、ユーザが指定するようにフィルタ/転記モジュールが自動的にまたはオンデマンドでユーザの受信済みボイスメールをフィルタする。フィルタリングは、ボイスメール内の所定の単語を探すことを含む。フィルタリングの1つの結果は、そのボイス・メッセージの相対的な緊急度を判断することである。この統合通信システムは、ユーザが指定するように自動的にまたはオンデマンドでボイスメールの概略転記をさらに行う。この概略転記は、逐語的であることを意図せず、むしろユーザが、非常に早くその概略転記を吟味し、そのボイスメールに応答してとる適切な行動を決められるようにするのに足りるだけのメッセージ内容を提供する。諸実施形態によれば、この概略転記は、ユーザに送信されるEメール内にテキストとして入力される。様々な実施形態において、元のボイスメールの音声ファイルがこのEメールへの添付物である。さらに、そのボイスメール・メッセージが(フィルタリングにより)緊急であると判断される場合、高優先を示す優先フラグがそのEメールに添付される。一実施形態では、ユーザは、ユーザのデバイス上のボタンを押すことにより、そのボイスメールの厳密な転記を要求することができる。この厳密な転記は、ボイスメールの極めて正確な転記である。一実施形態では、元のEメール内で概略転記が厳密な転記によって置換され、その元のEメールに、ユーザのデバイス上のユーザのEメール受信箱内で「未読」の印が付けられる。
【0015】
本明細書で使用するとき、「統合通信システム」または「ICS」は、ICSのユーザが単一のメッセージ・インターフェースを使用して複数のタイプのメッセージ(例えば、ボイスメール・メッセージ、電子メール、Eメール・メッセージ、インスタント・メッセージング・メッセージ、SMS(ショート・メッセージング・システム)メッセージ、MMS(マルチメディア・メッセージング・システムメッセージ、等)にアクセスできるよう、様々なタイプのメッセージングを統合する。単一のメッセージ・インターフェースにより統合メッセージング機能を提供する際、一実施形態のICSは、例えば、ユーザに対してローカル・グループウェア・アプリケーションおよびローカルEメール・メッセージング・システムを介してボイスメール・システムのボイスメール・メッセージおよび機能へのアクセスを提供することにより、ボイスメール・システムへの依存を少なくする。本明細書に記載するシステムおよび方法は、任意のICSに適用可能である。一実施形態では、ICSが企業システムの一部であり、企業グループウェア・アプリケーションと統合されるが、特許請求の範囲に記載されている本発明はそれだけに限定されない。他の実施形態では、ICSは企業システムの一部ではないが、例えばインターネットおよび/または無線通信ネットワークを介してユーザがアクセス可能である。
【0016】
以下の説明では、フィルタリングおよび転記の実施形態の完全な理解を提供し、それらの実施形態についての説明を可能にするために多数の具体的な詳細を紹介する。ただし、これらの実施形態はその具体的な詳細のうちの1つまたは複数なしに、または他の構成要素、システム、等とともに実施することができることを当業者は理解されよう。他の実例では、開示する実施形態の側面を不明瞭にすることを避けるために、よく知られている構造または操作は図示せず、または詳しく説明しない。
【0017】
図1は、ネットワーク化された環境102を含むシステム110のブロック図である。ネットワーク化された環境102は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(広域ネットワーク)、インターネット、および任意の有線または無線通信ネットワークの任意の組合せを含む、データを伝えることができる任意の種類の1つまたは複数のネットワークを含む。システム110は、ICS110およびメッセージング・サーバ/メッセージング記憶機構124も含む。ICS110は、ボイスメールを含むユーザへの電話を受けるためにPBX(構内交換機)120と通信する。ICS110は、F/Tモジュール(フィルタ/転記モジュール)112をさらに含む。以下にさらに説明するように、F/Tモジュール112は、ボイスメール・メッセージの音声ファイル114にアクセスする。様々な実施形態において、この音声ファイルは、ICS110の一部であるボイスメール・システムなどのボイスメール・システムにより一般に使用される任意の従来の方法によって作成される。音声ファイル114は、モバイル・デバイスなど、ネットワーク化された環境102内の他のデバイス上で作成され得る。WAVファイル(ウェーブ:Waveform audio formatファイル)114を一例として示すが、実施形態はそれだけに限定されない。例えば、代替実施形態では、この音声ファイルを他の任意の電子音声データ形式とすることができる。さらなる実施形態では、この音声データのソースはボイスメールではなく、例えば、インターネット・ウェブサイトをソースとする音声ファイルを含む、ネットワークを介して送られる他の任意の音声データである。
【0018】
F/Tモジュール112は、ボイスメール内の所定の単語を検索することを含む、ボイスメール・メッセージのフィルタリングも行う。一実施形態では、検索される単語は、「緊急」、「重要」、「早急に」、「できるだけ早く」、等など、緊急性を暗示する特定の既定の単語を含む単語リスト内にある。しかし、フィルタリングは、そのメッセージが「緊急でない」ことを示す単語や名前を含む、どんなことをも暗示する任意の単語を検索することを含むことができる。さらに、一部の実施形態では、ユーザが、発呼者となり得る人の名前やボイスメール・メッセージの件名を含む単語を単語リストに追加することができる。ユーザは、これらの追加した単語を、検索の際に見つかった場合に常に概略転記に含めるように指定することができる。さらに、ユーザは、単語リストの特定の単語が検索の際に見つかった場合に、他の単語を概略転記に含めることを指定することもできる。例えば、「企業X」が見つかった場合、概略転記に「最高優先度」を含める。概略転記は、ボイス・メッセージへの適切な応答をユーザが決める手助けをする。さらに他の実施形態では、ICS110が企業グループウェア・アプリケーションと統合され、ユーザはその企業の構成員である。この場合、F/Tモジュール112が、連絡先リスト、ユーザのボイスメール基本設定、ユーザのEメール基本設定、等を含む企業データのすべてを利用することができる。さらに他の実施形態では、ユーザは、検索の際に使用する単語に関し、そのユーザのネットワーク化された環境内の他のソースを指定することができる。ウェブベースのCRM(消費者関係管理)アプリケーション、顧客サポート・システム、および内部会計システムはいくつかの例にすぎず、他にも多くある。
【0019】
この情報の任意のものを、所望の通りにボイスメールをフィルタするために使用することができる。所定の単語がボイスメール内に見つかった場合、優先Eメール・フラグが生成される。この優先Eメール・フラグは、ユーザ・デバイス122に対応しており、メッセージ・リスト内のEメール・メッセージの緊急度についての視覚的な合図であるが、実施形態はそれだけに限定されない。この優先フラグは、視覚的なフラグの代わりにまたは視覚的なフラグに加え、音声の通知またはアラートを含むこともできる。
【0020】
一実施形態では、F/Tモジュール112が、IVH(インテリジェント・ボイスメール・ハンドラ)をさらに含む。IVHは、例えば上述の情報に規則を適用することにより、自発的に厳密な転記を要求する。一例として、IVHが利用できる情報には、ユーザのカレンダが含まれる。ユーザのカレンダは、ユーザがミーティング中であることをIVHが知っている場合に、IVHが、ボイスメール・メッセージを含むEメールに対して特に邪魔をしない通知のタイプを自動的に設定できるようにする。また、ユーザがミーティング中である場合、IVHが自動的に厳密な転記を要求する。一部の実施形態でのIVHは、ユーザによって厳密な転記が要求されたEメール内にどの単語がより多く出現したか、等を含む履歴に基づいてその動作を修正する適応型規則エンジンを含む。
【0021】
F/Tモジュール112は、ユーザが指定するように自動的にまたはオンデマンドでボイスメールの概略転記を行う。この概略転記は、逐語的であることを意図せず、むしろユーザが、非常に早くその概略転記を吟味し、そのボイスメールに応答してとる適切な行動を決められるようにするのに足りるだけのメッセージ内容を提供する。一実施形態によれば、この概略転記は、(矢印1によって図示するように)メッセージング・サーバ/メッセージング記憶機構124を介してユーザに送信されるEメール116内にテキスト118として入力される。一実施形態では、Eメール116には音声ファイル114も添付され、ユーザは、音声ファイル114をユーザ・デバイス122上で再生することによりそのボイスメールを聞くことができる。
【0022】
図2は、一実施形態に基づくボイスメールのフィルタリングおよび概略転記の生成のプロセス200の流れ図である。202で、PBX120からボイスメールが受信される。204で、F/Tモジュール112が音声ファイル114にアクセスし、206で、そのボイスメールをフィルタし、大まかに転記する。208で、フィルタリングがそのボイスメールに関して任意の緊急性を示した場合(または重要度が高いと判定された場合)、210で優先フラグが生成される。212で、優先フラグ、音声ファイル、および概略転記がメッセージング・サーバ/メッセージング記憶機構を介してデバイスに送信される。
【0023】
フィルタリングが緊急性を示さなかった場合、214で、音声ファイルおよび概略転記がメッセージング・サーバ/メッセージング記憶機構を介してデバイスに送信される。様々な実施形態において、各イベントの厳密な順序は図2に示す順序でなくてもよい。プロセス200は、特許請求の範囲に記載するプロセスの1つの例にすぎない。他の実施形態では、フィルタリングおよび/または転記を行う前に、Eメールをメッセージング・サーバ/メッセージング記憶機構に記憶することができる。さらに他の実施形態では、転記する前にフィルタリングおよび記憶を行うことができる。説明した動作と同等の他の多くの改変形態が特許請求の範囲に記載の範囲内にある。
【0024】
図3は、一実施形態に基づくボイスメールのフィルタリングおよび概略転記の生成のプロセス300の流れ図である。302で、ICS110はフィルタ/転記機能がオンにされているかどうかを判定する。様々な実施形態において、この機能は完全にオフにされ、または様々な方法で動作するように構成することができる。フィルタ/転記機能がオンではない場合、306で示すようにボイスメールはフィルタまたは転記されない。フィルタ/転記機能がオンの場合、304で、本明細書ではユーザとも呼ぶそのボイスメールの受信者が識別される。一実施形態によれば、受信者に関係するシステム内の任意のデータを検索するためにその受信者の識別情報が使用される。例えば、本明細書でさらに説明するように、ユーザは、フィルタ/転記モジュールの動作を構成する基本設定を指定することができる。さらに、企業ICSを含む実施形態では、企業ディレクトリ・システムのユーザ・データ(例えば連絡先リストなど)や他の企業ソースのユーザ・データを使用して、単語リストに追加しかつ/または基本設定を決定することができる。
【0025】
310で、(単語リストに対する)単語認識および受信者データを使用してフィルタリングが行われる。312で、受信者データを使用して、Eメールが、メッセージング・サーバ/メッセージング記憶機構を介してユーザ・デバイスに送られる。例えば、受信者データは、送信命令(例えば、すべてのボイスメールを既定の手順(概略転記、WAVおよびフラグ)を使用して送信し、特定の単語が見つかった場合には同時に厳密な転記を求める、等)を含むことができる。厳密な転記については以下にさらに説明する。
【0026】
図4は、一実施形態に基づくICS(統合通信システム)110を含み、厳密な転記を得るプロセスの流れを示すシステム400のブロック図である。システム400は、ネットワーク化された環境102およびネットワーク化された環境402を含む。環境102および402を、LANやWANの別の領域など、同じネットワーク化された環境とすることができるが、実施形態はそれだけに限定されない。あるいは、環境102および402は別個のネットワーク化された環境である。ネットワーク化された環境102は、現在Eメール・メッセージ116を含むメッセージング・サーバ/メッセージング記憶機構124を含む。Eメール・メッセージ116は、添付物として音声ファイル114と、テキスト本文118とを含む。代替実施形態では、テキスト118も添付物とすることができるが、テキスト118をEメール・メッセージの本文として見る方が通常はユーザにとってより都合がよい。
【0027】
ICS110は、F/Tモジュール112を含む。この図ではネットワーク404として示す少なくとも1つのネットワークが、環境102および402に結合される。本明細書で説明するとき、「ネットワーク」は、前に挙げたネットワーク・タイプのうちの任意の1つまたは複数を常に暗示する。ネットワーク化された環境402は、本明細書では転記コンピュータと呼ぶことになるコンピュータ406を含む。本明細書で使用するとき、転記コンピュータ406または転記者406は、音声認識ソフトウェアを使用して転記を行うコンピュータと人間の転記者との両方を含む。一部の実施形態では、コンピュータ406は厳密な転記を行うデバイスであるのに対し、他の実施形態では、コンピュータ406は人間の転記者が使用するマシンである。いずれの場合も、コンピュータ406は、本明細書でさらに説明するように、厳密な転記に対する要求をF/Tモジュール112から受信するデバイスである。ファイル・サーバ408が、ネットワーク404を介して環境102および402に結合される。他の実施形態では、ファイル・サーバ408は、図示のように結合される「ウェブ・サーバ」ではなく、環境102や環境402などのネットワーク化された環境内に含まれるファイル・サーバである。概して、ファイル・サーバ408は、環境102および環境402の両方にとってアクセス可能である。
【0028】
図の番号付けされた矢印を参照しながら、厳密な転記を得るためのプロセスをこれから説明する。矢印1によって示されるように、Eメール・メッセージ116がユーザ・デバイス122上に表示される。ユーザは、該当する場合は優先フラグとともに、デバイス122のEメール受信箱内のEメール・メッセージ116を開き、見ることができる。Eメール116が開かれると、テキスト118がEメール116の本文として見える。ユーザは、テキスト118が提供する概略転記をすぐに吟味し、厳密な転記が必要かどうかを判断することができる。一目見て、ユーザはテキスト118から少なくとも次のことを判断することができる。それは、そのボイスメール・メッセージに対して即座の行動をとるべきではないこと、知られている行動をとるべきであり、緊急度が知られていること、またはテキスト118の緊急度もしくは曖昧さが厳密な転記を要求することである。本明細書で使用するとき、「厳密な転記」は、ユーザがより完全かつより正確であると判断するであろう、元のボイスメール・メッセージの音声ファイルの転記を指す。
【0029】
厳密な転記が必要であるとユーザが判断する場合、矢印2によって示されるように、ユーザがICS110に要求を送信する。一実施形態では、ユーザはこの要求を行うために、デバイス122上のボタンを単に押すだけである。あるいは、この要求は、例えば音声命令によって行われるか、または常に自動的に行われる。この要求をF/Tモジュール112が受信し、このF/Tモジュール112が、矢印3によって示されるように、音声ファイル114をメッセージング・サーバ/メッセージング記憶機構124から取り出し、それをネットワーク404を介してファイル・サーバ408上に置くことによって応答する。一実施形態では、F/Tモジュール112が、インスタント・メッセージ410の形をとる厳密な転記に対する要求を生成する。矢印4によって示されるように、インスタント・メッセージ410が、コンピュータ406に送信される。コンピュータ406が、インスタント・メッセージ410を受信する。人間の転記者の場合、転記者が、音声ファイル114を取得するためにファイル・サーバ408のどこにアクセスするのかについての命令を含むインスタント・メッセージ410を読む。矢印5によって示されるように、転記者が音声ファイル114を取得する。転記者が、インスタント・メッセージングの通常の方法でユーザの画面の指定された領域内に厳密な転記をタイプしながら音声ファイル114を聞く。矢印6によって示されるように、完成した厳密な転記が、インスタント・メッセージ410によりICS110に返信される。代替実施形態では、転記者が、完成した厳密な転記を、Eメール・メッセージを含むがこれだけに限定されない任意の電子メッセージによって送信する。インスタント・メッセージは、この目的で使用可能な電子メッセージの一例にすぎない。
【0030】
矢印7によって示されるように、F/Tモジュール112が、テキスト118内の概略転記を厳密な転記で置換し、元のEメールに「未読」として印を付ける。次いで、F/Tモジュール112が、厳密な転記に対する要求が実行されたことを知らせるために、ユーザに通知を送信する(矢印8)。ユーザは、未読として印を付けられ、厳密な転記を含むデバイス122の受信箱内の元のEメールを今は見ることができる。
【0031】
図5は、一実施形態に基づく厳密な転記を得るプロセス500の流れ図である。502で、F/Tモジュール112が、厳密な転記を得るための要求をユーザから受信する。様々な実施形態において、ユーザはこの要求をデバイス122上のボタンを押すことによって送信することができる。代替実施形態では、この要求は、ユーザ基本設定に基づいて、またはボイスメール内で特定の単語を見つけること等に基づいて自動的に生成され得る。多くの代替形態が、特許請求の範囲に記載する本発明の範囲に含まれる。例えば、厳密な転記を常に自動的に要求することができる、厳密な転記を自動的に要求することができる、概略転記は行わないがフィルタリングは行う、等。504で、F/Tモジュール112が、音声ファイル114への指示を含むインスタント・メッセージ410をコンピュータまたは転記者406に送信する。506で、コンピュータまたは転記者406が音声ファイル410を取得し、転記者の画面のある領域内に厳密な転記をタイプしながらそのファイルを聞き、次いで、その厳密な転記をインスタント・メッセージ410によってICS110に返信する。
【0032】
508で、F/Tモジュール112が、インスタント・メッセージ410によって厳密な転記を受信し、テキスト118をその厳密な転記で置換することにより元のEメール・メッセージ116内の概略転記を更新し、Eメール・メッセージ116に「未読」の印を付ける。510で、F/Tモジュール112は、転記要求が実行されたことをユーザ・デバイス122に信号で伝える。様々な実施形態において、信号伝達は、専用のEメール・フラグ、可聴アラート、等を含む1つまたは複数の様々な形態の通知を含むことができる。
【0033】
図6は、一実施形態に基づくICS110を含み、厳密な転記を得るプロセスの流れを示すシステム600のブロック図である。システム600は、ネットワーク化された環境102およびネットワーク化された環境402を含む。ネットワーク化された環境102は、現在Eメール・メッセージ116を含むメッセージング・サーバ/メッセージング記憶機構124を含む。Eメール・メッセージ116は、添付物として音声ファイル114と、テキスト本文118とを含む。代替実施形態では、テキスト118も添付物とすることができるが、テキスト118をEメール・メッセージの本文として見る方が通常はユーザにとってより都合がよい。
【0034】
ICS110は、F/Tモジュール112を含む。この図ではネットワーク404として示す少なくとも1つのネットワークが、環境102および402に結合される。ネットワーク化された環境402は、転記コンピュータを含む。本明細書で使用するとき、転記コンピュータ406または転記者406は、音声認識ソフトウェアを使用して転記を行うコンピュータと人間の転記者との両方を含む。一部の実施形態では、コンピュータ406は厳密な転記を行うデバイスであるのに対し、他の実施形態では、コンピュータ406は人間の転記者が使用するマシンである。いずれの場合も、コンピュータ406は、本明細書でさらに説明するように、F/Tモジュール112から厳密な転記に対する要求を受信するデバイスである。ファイル・サーバ408が、ネットワーク404を介して環境102および402に結合される。前述のように、ファイル・サーバ408は、環境102および環境402にとってアクセス可能な任意の場所にある任意のファイル・サーバとすることができ、図示の構成だけに限定されない。
【0035】
図の番号付けされた矢印を参照しながら、厳密な転記を得るためのプロセスをこれから説明する。矢印1によって示されるように、Eメール・メッセージ116がユーザ・デバイス122上に表示される。ユーザは、該当する場合は優先フラグとともに、デバイス122のEメール受信箱内のEメール・メッセージ116を開いて見ることができる。Eメール116が開かれると、テキスト118がEメール116の本文として見える。ユーザは、テキスト118が提供する概略転記をすぐに吟味し、厳密な転記が必要かどうかを判断することができる。一目見て、ユーザはテキスト118から少なくとも次のことを判断することができる。それは、そのボイスメール・メッセージに対して即座の行動をとるべきではないこと、知られている行動をとるべきであり、緊急度が知られていること、またはテキスト188の緊急度もしくは曖昧さが厳密な転記を要求することである。
【0036】
厳密な転記が必要であるとユーザが判断する場合、矢印2によって示されるように、ユーザがICS110に要求を送信する。一実施形態では、ユーザはこの要求を行うために、デバイス122上のボタンを単に押すだけである。この要求をF/Tモジュール112が受信し、このF/Tモジュール112が、矢印3によって示されるように、音声ファイル114をメッセージング・サーバ/メッセージング記憶機構124から取り出し、それをネットワーク404を介してファイル・サーバ408上に置くことによって応答する。一実施形態では、F/Tモジュール112が、通知602の形をとる厳密な転記に対する要求を生成する。様々な実施形態において、通知602は、インスタント・メッセージ、Eメール、SMS、およびボイス・メッセージを含むが、実施形態はそれだけに限定されない。矢印4によって示されるように、通知602が、コンピュータ406に送信される。コンピュータ406が、通知602を受信する。人間の転記者の場合、転記者が、音声ファイル114を含むウェブ・ページを取得するためにファイル・サーバ408のどこにアクセスするのかについての命令を含む通知602を読む。矢印5によって示されるように、転記者がそのウェブ・ページに移動し、音声ファイル114を取得する。転記者が、そのウェブ・ページ上に厳密な転記をタイプ(図7を参照してさらに示す)しながら、音声ファイル114を聞く。矢印6によって示されるように、厳密な転記が完成すると、転記者はそのウェブ・ページ上のボタンまたはリンクをクリックして厳密な転記をF/Tモジュール112に送信する。
【0037】
矢印7によって示されるように、F/Tモジュール112が、テキスト118内の概略転記を厳密な転記で置換し、元のEメールに「未読」として印を付ける。次いで、F/Tモジュール112が、厳密な転記に対する要求が実行されたことを知らせるために、ユーザに通知を送信する(矢印8)。ユーザは、未読として印を付けられ、厳密な転記を含むデバイス122の受信箱内の元のEメールを今は見る。図6を参照して図示し、説明した方法は実施形態の一例にすぎない。あるいは、例えばEメールに「未読」の印が付けられないが、アラートがユーザに送信される。またあるいは、厳密な転記が、概略転記を置換するのではなく、概略転記に付加される。別の代替形態として、厳密な転記を含む第2のEメールがユーザに送信される。
【0038】
本明細書で説明する実施形態では、ボイスメール・メッセージは、2つ以上のEメール・メッセージを使用せずにEメール・ユーザに対して転記される。音声ファイルを含む元のEメール・メッセージが本明細書で説明するプロセス全体を通して使用される同じEメールである実施形態では、メッセージ履歴を追跡する容易さが大幅に向上する。ユーザが、メッセージ・スレッドの履歴を追跡することがより容易である。ユーザおよび/または企業管理者が、転記プロセスを含むメッセージ・スレッドをアーカイブすることもはるかに容易である。完全かつ正確なメッセージ・アーカイブは、監査過程、法的開示過程、SEC(証券取引委員会)過程、等への準拠のためにますます要求されている。
【0039】
図7は、一実施形態に基づくボイスメールを聞き、転記するためのコンピュータ406上のウェブ・ページ700のブロック図である。ウェブ・ページ700は、図6に関連して上記で言及したウェブ・ページの一実施形態である。ウェブ・ページ700は、要求者の識別情報708や要求の時間710など、そのボイスメールに関する情報を含む。厳密な転記をタイプするための領域702がある。「再生」ボタン704をクリックすることにより、そのボイスメールの音声ファイルが再生される。厳密な転記が完成すると、「送信」ボタン706をクリックすることにより、その厳密な転記がICS110に返信される。
【0040】
図8は、図6および図7の実施形態などの一実施形態に基づく厳密な転記を得るプロセス800の流れ図である。802で、F/Tモジュール112が、厳密な転記を得るための要求を受信する。この要求は、ユーザが、ユーザ・モバイル・デバイス上のボタンを押すことにより送信されてよい。あるいはこの要求は、ボイスメール内での特定の単語や名前の識別など、ユーザ基本設定に基づいて自動的に送信されてもよい。この要求に応答して、804で、F/Tモジュール112が、そのボイスメールの音声ファイルをファイル・サーバ上に置く。
【0041】
806で、F/Tモジュール112が、転記を要求する通知を転記者に送信する。808で、転記者が指示されたウェブ・サイトに移動する。例えば、その通知は、適切なウェブ・ページへのハイパーリンクを含むことができる。転記者は、そのウェブ・ページ内に提供される領域内にタイプしながら音声ファイルを聞き、次いで「送信」をクリックする。
【0042】
810で、F/Tモジュールが厳密な転記をファイル・サーバ408から取り出す。812で、F/Tモジュール112が、元のメッセージ内の概略転記を厳密な転記で更新し、元のEメール・メッセージに「未読」の印を付ける。次いで、814で、F/Tモジュール112は、転記要求が実行されたことをユーザ・モバイル・デバイスに信号で伝える。この信号は、メッセージ・リスト内に現れる元のEメールに対する専用のEメール・フラグを含むことができる。このフラグの代わりにまたはこのフラグに加えて、この信号は可聴アラートを含むこともできる。
【0043】
一部の実施形態では、本明細書で説明する転記プロセスの精度および有用性を高めるために、F/Tモジュール112は適応性を有する。例えば、フィルタリングの際に使用する単語リストは、ある期間にわたり、厳密な転記が要求されるボイスメール内にどの単語が含まれるのかに基づいて単語を含めるまたは除外するように自動的に適応することができる。
【0044】
図9は、ICS110を含み、前に図示し、説明したプロセスを実行するシステム900のブロック図である。システム900は、ネットワーク化された環境902を含む。ネットワーク化された環境902は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(広域ネットワーク)、インターネット、および任意の有線または無線通信ネットワークの任意の組合せを含む、データを伝えることができる任意の種類の1つまたは複数のネットワークを含む。
【0045】
一実施形態によると、システム900はICS110をさらに含む。ICS110は、通信サーバ910、IM(インターフェース・モジュール)920、およびキャッシュ・システム930(「キャッシュ」とも呼ぶ)を含むが、これだけに限定されない。通信サーバ910は、様々な通信プロトコルのうちのいずれかを使用して、ネットワーク960の任意の数の構成要素に結合される。ネットワーク960およびネットワーク化された環境902は、同じタイプまたは異なるタイプとすることができる。ネットワーク960およびネットワーク化された環境902は、ユーザ・デバイス970および999とも呼ぶ、様々なクライアント・デバイス970と999との間の情報転送を可能にする。
【0046】
ICS110のIM920は、情報またはデータを転送するために通信サーバ910に結合される。さらに、IM920は、情報を転送するためにメッセージング・サーバ940の1つまたは複数の構成要素に結合され、情報の転送には、いくつか例を挙げると、引出し、受信、取出し、ポーリング、伝送、およびプッシュ操作のうちの1つまたは複数が含まれる。IM920とメッセージング・サーバ940との間の情報転送の一例として、IM920が、メッセージング・サーバ940からユーザ情報を引き出し、引き出したユーザ情報をICS110の他の構成要素が利用できるようにし、その際、そのユーザ情報は少なくともネットワーク化された環境902に関連する情報を含む。
【0047】
メッセージング・サーバ940の構成要素は、例えば、「中央処理装置」または「CPU」とも呼ぶ1個または複数個のプロセッサ942、およびCPU942に結合される1つまたは複数のデータベース944を含むことができる。一実施形態では、IM920は、メッセージング・サーバ940上にホストし、またはメッセージング・サーバ940の制御下で実行することができるが、この構成だけに限定されない。さらに、メッセージング・サーバ940は、通信サーバ910をホストするネットワーク化された環境902の構成要素とすることができるが、それだけに限定されない。例えば、メッセージング・サーバ940は、ネットワーク化された環境902のグループウェア・アプリケーション(例えばMicrosoft Exchange、LotusNotes、等)をホストしていてよい。
【0048】
キャッシュ930は、通信サーバ910に結合され、以下に説明するように通信サーバ910、IM920、およびメッセージング・サーバ940の1つまたは複数の構成要素、のうちの1つまたは複数を相手に情報を転送するために通信する。キャッシュ930は、ネットワーク950の追加の構成要素(不図示)にも結合され得る。
【0049】
キャッシュ930と通信サーバ910との間の情報転送の一例として、キャッシュ930は、通信サーバ910を介してクライアント・デバイス999から発呼者情報(例えばボイスメール・メッセージ、発呼者識別情報、等)を受信することができる。キャッシュ930とメッセージング・サーバ940との間の情報転送の一例には、キャッシュ930が、メッセージング・サーバ940からユーザ情報を受信する転送が含まれ、その際、ユーザ情報は、メッセージング・サーバ940からIM920および/または通信サーバ910を介して送ることができる。キャッシュ930とメッセージング・サーバ940との間の情報転送の別の例には、メッセージング・サーバ940が、通信サーバ910および/またはIM920を介してキャッシュ930から送られる情報をキャッシュ930から受信する転送が含まれる。
【0050】
キャッシュ930とIM920との間の情報転送の例には、IM920によりメッセージング・サーバ940から引き出され、キャッシュ930に宛てられるユーザ情報の転送や、IM920がそのユーザ情報を使用して、メッセージをメッセージング・サーバ940およびキャッシュ930の少なくとも1つから、ネットワーク960およびネットワーク化された環境902上の少なくとも1つのデバイスに宛てる転送が含まれる。上記の例のもとでは、キャッシュ930が、受信した情報を保持し、または一時的に記憶する。
【0051】
ネットワーク960およびネットワーク化された環境902は、1つまたは複数の通信サービス・プロバイダまたは通信事業者の様々なネットワーク構成要素(不図示)を含むが、それだけに限定されない。さらに、ネットワーク960およびネットワーク化された環境902ならびに対応するネットワーク構成要素は、例えば固有ネットワーク、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、MAN(メトロポリタン・エリア・ネットワーク)、WAN(広域ネットワーク)、バックエンド・ネットワーク、PSTN(公衆交換電話網)、インターネット、および他の公衆ネットワークを含むがこれだけに限定されない、結合されるデバイス970および999間の通信を提供するための当技術分野で知られているいくつかのネットワーク・タイプ/ネットワーク・タイプの組合せのいずれでもよい。さらに、ネットワーク950および960は、例えば通信ルート割当のある部分に対しては固有ネットワークを使用する一方で、通信ルート割当の他の部分に対しては1つまたは複数の様々な公衆ネットワークを使用するハイブリッド・ネットワークを含むことができる。
【0052】
クライアント・デバイス970および999には、電話、セルラ電話、および無線電話などの通信デバイスが含まれる。クライアント・デバイス970および999には、例えばPC(ポータブル・コンピュータ)、ポータブル・コンピューティング・デバイス、PDA(携帯情報端末)、通信デバイス、セルラ電話、携帯電話、携帯通信デバイス、およびユーザ・デバイスまたはユニットなどのプロセッサベース・デバイスも含まれる。クライアント・デバイスは、ユーザが、テキスト入力、音声認識、テキスト出力、テキスト/音声変換、グラフィックス、記録ファイル、映像などの任意の入出力形式によりデバイスおよび/またはICSと対話可能な、いわゆるマルチモーダル・デバイスを含むことができる。そのようなデバイスでは、音声認識およびテキスト/音声変換生成を、部分的にデバイス内で行い、部分的にICS内で行うことができる。デバイスに送信される音および/または映像データの連続的なストリームにより、音および/または映像がICSによって生成され得る。クライアント・デバイスにはそのようなすべてのデバイスおよび均等物が含まれてよく、どんな特定のタイプの通信デバイスおよび/またはプロセッサベース・デバイスにも限定されない。一実施形態では、クライアント・デバイス970が、企業ネットワークなどのプライベート・ネットワーク環境902内で動作しているクライアント・デバイスであるのに対し、クライアント・デバイス999は、別のプライベート・ネットワーク環境内または任意の数の公衆ネットワークのもとで動作しているクライアント・デバイスである。本明細書で使用するとき、「クライアント・デバイス」という用語には、前述のようなユーザ・デバイスまたはユーザ・モバイル・デバイスが含まれる。
【0053】
図10は、一実施形態に基づく通信サーバ910のさらなる詳細を示すシステム1000のブロック図である。通信サーバ910は、IM920を介して少なくとも1つのメッセージング・サーバ940に結合される。IM920はメッセージング・サーバ940上で実行されるが、メッセージング・サーバ940上での実行だけに限定されない。メッセージング・サーバは、1つまたは複数のデータベース944にも結合される。一実施形態では、データベース944は、前述のようなメッセージング記憶機構を含む。一実施形態では、ネットワーク化された環境は企業ネットワーク環境であるが、実施形態はそれだけに限定されない。一実施形態のメッセージング・サーバ940は、グループウェア・アプリケーション(例えばMicrosoft Exchange)(不図示)を他のアプリケーションとともにネットワーク化された環境1001の規模およびタイプに適合するように使用して、ネットワーク化された環境1001のメッセージング機能をサポートする。
【0054】
通信サーバ910は、1つまたは複数のネットワーク(不図示)を介して、ネットワーク化された環境1001の外部にある任意の数のクライアント・デバイス999に結合される。同様に、通信サーバ910は、ネットワーク化された環境1001にとってローカルな任意の数のクライアント・デバイス970に結合される。
【0055】
通信サーバ910は、オペレーティング・システム1018ならびに多数の構成要素またはサブシステムを含む。これらの構成要素には、1つまたは複数のF/Tモジュールおよび音声アプリケーション1012、実行エンジン1014、および任意の数のモバイル・アプリケーション・モジュール1016または他の任意のタイプのアプリケーション・モジュールが含まれるが、これだけに限定されない。
【0056】
図11は、一実施形態に基づくCS1110、インターフェース・モジュール、およびメッセージング・サーバを含むICSを含むシステム1100のブロック図である。CS1110は、高度にスケーラブルなものとすることができる。本発明の一実施形態によれば、CS1110は、本質的に自己完結型の、かつ例えば積み重ね可能な「ピザボックス」型サーバ内に入れることができるモジュール「機器」として構成することができる。このICSは、IM1120(本明細書では「IM」とも呼ぶ)および管理コンソール1160も含む。一実施形態ではメッセージング・サーバ1140(本明細書では「MSERV1140」または「MSERV」とも呼ぶ)の制御下で実行されるIM1120は、CSの構成要素、MSERVおよびデータベース1144(本明細書では「データベース」とも呼ぶ)に、本明細書で説明するいくつかのシーケンスで、かつ企業ネットワーク・システム1100に適合するように結合される。IM1120は、CS管理コンソール1160にも結合される。CSおよびMSERVは、システム1100の他の構成要素(不図示)と通信するためにLANに結合される。
【0057】
一実施形態でのCS1110は、「オペレーティング・システム」とともに、「実行エンジン」、「F/T」(F/TモジュールおよびいくつかのF/Tモジュール)および「音声アプリケーション」、ならびにいくつかの「モバイル・アプリケーション」を含む。このオペレーティング・システムは、例えば、ファイル・システム・テーブルおよびデータ構造の完全性を実現するジャーナリング・ファイル・システムを備えるLinuxカーネルを含む。このCS上の記憶機構は、ソフトウェアおよびデータへの高信頼性アクセスを実現するために、RAID(レイド)構成として構成することができる。このオペレーティング・システムは、CSの他の多数の構成要素の動作をサポートする。
【0058】
オペレーティング・システムに関して、このCSは、呼を結合し、CSへの/CSからの発呼者およびユーザを接続する「テレフォニ・インターフェース」を含む。このテレフォニ・インターフェースは、例えば、PBX(構内交換機)(不図示)への/PBXからの呼情報を結合し、その際、PBXはシステム1100の構成要素である。このテレフォニ・インターフェースは、アナログ、SMDI(簡易メッセージ・デスク・インターフェース)、T1/E1、VOIP(ボイス・オーバIP)、およびDSE(デジタル・セット・エミュレーション)信号のうちの1つまたは複数を含む様々なテレフォニ統合を使用してPBXに結合されるが、他の信号/信号プロトコルを使用して結合されてもよい。例えばPBXから呼を受ける際、CSはPBXから着呼のデータを受信し、そのデータは、被呼者情報、呼転送の理由(例えば被呼者の回線がふさがっている、被呼者の応答がない、被呼者が呼転送を使用している、等)および発呼者情報(発呼者ID、等)を含む。
【0059】
このテレフォニ・インターフェースにおいて受信される情報を、「ドライバ」が、CSの「テレフォニ・サービス」構成要素に結合する。ドライバは、受信される信号に適合するように低水準信号伝達および/またはデータ変換を行うことができる。テレフォニ・サービスは、受信される信号を処理する際に使用する1つまたは複数の構成要素を含む。これらの構成要素には、例えば音声処理、切替え/制御、およびPBX信号伝達が含まれるが、これらの構成要素だけに限定されない。
【0060】
一実施形態のCSは、CSが呼を受ける際にその呼の音声情報を受ける少なくとも1つの「音声ブラウザ」を含む。この音声ブラウザが、DTMF認識および音声認識のためのASR(自動音声認識)の使用を制御する。一実施形態の音声ブラウザは、音声録音および/または名前文法を保持するキャッシュまたは他の一時記憶機構(「音声録音/文法」)に結合される(一実施形態では、この名前文法は、ユーザ・リスト内の名前から生成された後にキャッシュに格納される)。一実施形態での記憶機構は、本明細書で説明するようなF/Tモジュールを使用したフィルタリングのための単語リストも含む。一実施形態では、ユーザ固有の単語リストが作成され、ユーザのために記憶されていない限り、既定の単語リストが適用される。一実施形態でのASRは、概略転記を行う際に使用される。
【0061】
このASRは、名前文法の情報を使用することができる。さらに、音声ブラウザは、TTS(テキスト/音声変換)の使用ならびに任意の数の事前に録音されたプロンプト(例えばWAV形式ファイル)の再生を制御する。音声ブラウザは、VXML(音声拡張可能マークアップ言語)を使用するが、このプロトコルだけに限定されない。このCSの代替実施形態は、音声ブラウザを含まなくてもよい。音声ブラウザの代替策として、CSは、音声アプリケーションとテレフォニ・サービスおよび/またはドライバとの間の通信について、直接通信し、または他のソフトウェアもしくはプロセスを使用することができる。
【0062】
仮想マシン、音声アプリケーション、および実行エンジンが、階層的な状態マシン・フレームワークを形成し、その中で仮想マシンはいくつかのAPIおよびモジュールを実行する。その結果、音声アプリケーションは、CSへのUI(ユーザ・インターフェース)を制御するある構成要素と、各モジュールとの低水準通信を処理する別の構成要素とを含むことができる。この状態マシン・フレームワークが提供する各モジュールと音声ブラウザとの間の疎結合の使用は、様々なモジュールおよび音声ブラウザで使用される言語間の独立を可能にする。この状態マシン・フレームワークは、例えば音声ブラウザからHTTP(ハイパーテキスト転送プロトコル)要求を受信し、VXMLまたはSALT(音声アプリケーション言語タグ)(SALTは、HTML(ハイパーテキスト・マークアップ言語)、XHTML(拡張可能ハイパーテキスト・マークアップ言語)およびXML(拡張可能マークアップ言語)などの既存のマークアップ言語を拡張し、例えばPC、電話、PDAなどのデバイスから、情報、アプリケーション、およびウェブ・サービスへのマルチモーダルかつテレフォニ対応のアクセスを可能にする)を生成することができる。
【0063】
一実施形態の音声アプリケーションは、自動音声応答、発呼者インターフェース、ユーザ・インターフェース、およびシステム・メイン・メニューを含むいくつかの構成要素を含むが、他のタイプの音声アプリケーションを含むこともできる。自動音声応答は、音声対応だが、DTMF(デュアルトーン・マルチ周波数)対応とすることもできる。有効または無効にすることができるこの自動音声応答は、キャッシュ内の連絡先リスト(例えばユーザ・リスト)の情報を使用する。
【0064】
この音声アプリケーションは、少なくとも1つのボイスメール・アプリケーションも含む。このボイスメール・アプリケーションは、新しいボイスメールの送信および/または受信したボイスメールの転送を含む操作の際に、キャッシュの情報(例えばユーザ・リスト、グローバル・アドレス・リスト、公開フォルダ、個人用連絡先フォルダ)を使用する。一実施形態では、F/Tモジュールがフィルタリング中にキャッシュ情報にアクセスして、例えばキャッシュ情報に一致したボイスメール内の名前や情報を検索する。
【0065】
このボイスメール・アプリケーションは、ボイスメールおよび対応する情報がシステム1100のグループウェア・アプリケーションと交換されるボイスメール・ネットワーキングをサポートするためにもキャッシュ情報を使用する。
【0066】
このボイスメール・アプリケーションは、1つまたは複数のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を介して上述のCS状態マシン・フレームワークに結合する。このAPIは、企業ネットワーク・システム1100が使用中の様々なデータ形式/データ・タイプ(例えば応答データ、PIN(個人識別番号)コード・データ、ボイスメール・メッセージ・データ、システム・パラメータ、等)を処理する。同様に、キャッシュも状態マシン・フレームワークに結合し、その際そのキャッシュはローカル・キャッシュおよび分散キャッシュの1つまたは複数を含む。したがって、ボイスメール・アプリケーション、キャッシュ、およびMSERV間の通信は、MSERVの状態(例えばオフライン、オンライン)に適合するように、状態マシン・フレームワークおよびAPIを介して行われる。
【0067】
音声アプリケーションに加え、一実施形態の仮想マシン上で実行されるモジュールは、モバイル・アプリケーションを含む。モバイル・アプリケーションは、モバイル・デバイスを介したユーザ情報へのアクセスを提供し、そのアクセスにはEメール、カレンダ、および/または連絡先の情報を、電子メッセージ(例えばSMS、MMS、および/またはページャ)によってユーザのモバイル・クライアント・デバイスに転送することが含まれ得る。
【0068】
このCSは、「管理/構成」マネージャも含む。管理/構成マネージャは、CSの統一構成(unified configuration)ファイルへのアクセスおよび統一構成ファイルの制御を提供する。管理/構成マネージャは、必要に応じてCSの構成要素のうちの1つまたは複数に対して別々の構成ファイルを提供するために、統一構成ファイルの情報を使用する。この統一構成ファイルは、CSからコピーし、バックアップ目的で記憶することができる。さらに、CSに対する適切な構成を提供するために、定義済み構成ファイルをCSにアップロードすることができる。管理/構成マネージャへのブラウザ・インターフェースは、CSへのリモート・アクセスを可能にする。
【0069】
CSは、例えばCSの構成要素を監視し、必要な場合に失敗したプロセスを再スタートする「自己保全スーパバイザ」または信頼性サーバも含む。さらに、CSは、CS/ポートのセキュリティを制御する際に使用する「セキュリティ制限」も含む。
【0070】
上述のように、一実施形態のCSは、IMを介してMSERVとインターフェースする。CSは、例えばグループウェア・コネクタを介してIMと通信するが、それだけに限定されない。一実施形態のグループウェア・コネクタは「ウェブ・サーバ」を含むが、それだけに限定されない。MSERVは、メッセージングおよびコラボレーション・サーバとして機能する。IMは、CSの構成要素とMSERVの構成要素との間の通信および情報転送を提供するための、一実施形態ではMSERV上で実行されるインターフェースである。他の実施形態では、IMは例えばCSの制御下で実行され得る。IMは、管理コンソール1160ならびに「診断構成要素」(診断用の構成要素)および/または「RTC」(ランタイム構成要素)(不図示)を含む、かつ/またはそれらに結合する。
【0071】
管理コンソール1160は、ユーザ・アクセスを管理する目的上、システム1100のシステム管理者によるCSへのアクセスをサポートする。したがって、管理コンソール1160は、システム管理者が、新しいユーザに対してICSの統合メッセージング機能を使用できるようにし、1つまたは複数のCSを管理しかつ監視することを可能にする。
【0072】
IMの診断構成要素は、MSERVからの事前指定された診断情報またはパラメータのオンザフライの診断収集、演算および/または集約をサポートする。このようにして、CSは診断情報を提供することができ、ユーザは動的に更新可能な診断情報を提供することができる。
【0073】
RTCは、CSの構成要素とMSERVの構成要素との間の通信を中継する。一例として、RTCは、以下に説明するように、CSからの要求に応答して、グループウェア・アプリケーションのディレクトリ・サービス(例えばActive Directory)からユーザ情報を取り出すために使用することができる。RTCとCSの構成要素との間の通信は、例えばXMLやウェブ・サービスを使用する。RTCとMSERVとの間の通信は、MSERVの1つまたは複数のAPI(例えば、MAPI、CDO(Collaboration Data Objects)、WebDAV(Web Distributed Authoring and Versioning)、等)を使用することができる。
【0074】
一実施形態のMSERVは、メッセージングおよびコラボレーション・サーバを表す。メッセージングおよびコラボレーション・サーバは、1つまたは複数のサーバ上で実行され、ユーザがローカル・クライアント・デバイスを介して電子メールおよび他の形式の対話型通信をコンピュータ・ネットワークを介して送信および/または受信できるようにするグループウェア・アプリケーションを含む。一実施形態のCSは、Microsoft Exchange Serverを含むがこれだけに限定されないグループウェア・アプリケーションと相互運用するが、代替実施形態では他のタイプのメッセージングおよびコラボレーション・サーバを使用することができる。したがって、一実施形態のCSは、Microsoft Outlookなどのクライアント・アプリケーション(クライアント・デバイス・アプリケーション)ならびに他のEメール・クライアント・アプリケーション(例えばMicrosoft Outlook Express)と相互運用する。
【0075】
MSERVは、パーソナル・コンピュータ、ワークステーション、携帯電話やPDAを含むモバイル・デバイスなど、一般にクライアント・デバイスと呼ばれるものを介してEメール・メッセージを送受信する。このクライアント・デバイスは、Eメール・メールボックスおよび公開フォルダが記憶される任意の数のおよび/または組合せのサーバまたはメインフレーム・コンピュータを含むことができるLANに概して接続する。集中サーバは、多数の他のタイプのネットワーク(例えばプライベートまたは固有、およびインターネット)に接続して、他のEメール・ユーザとEメール・メッセージの送受信を行う。したがって、一実施形態では、CSはEメール・メッセージを記憶し、転送するためにMSERVを使用する。
【0076】
MSERVは、企業ネットワーク・システム内の各ユーザ・アカウントに対する情報のデータベースであるディレクトリ・サービス(不図示)にも結合する。ディレクトリ・サービスへのアクセスには、例えばLDAP(軽量ディレクトリ・アクセス・プロトコル)を使用することができる。
【0077】
クライアント・デバイスのアクセス機能に関して、MSERVは、スケジューリング、連絡、タスク管理機能などの統合コラボレーティブ・メッセージング機能を提供する。MSERV構成の一例として、MSERVがMicrosoft Exchangeの場合、このMSERVは、Microsoft Windows(登録商標) Serverオペレーティング・システムのあるバージョン上で実行される。Microsoft Office Outlookのあるバージョンは、Windows(登録商標)ベースのローカル・クライアント・デバイス上で実行され、MAPI(メッセージング・アプリケーション・プログラミング・インターフェース)プロトコルによってMSERVと通信する。MSERVは、SMTP(簡易メール転送プロトコル)へのサポートのみならず、POP3(ポスト・オフィス・プロトコル3)およびIMAP4(インターネット・メッセージ・アクセス・プロトコル4)プロトコルのうちの1つまたは複数をサポートすることにより、他のクライアント・デバイスのアクセスにも対応する。この同じMSERV構成例を使用して、一実施形態のCSは、Microsoft Outlook Web Access(Microsoft Exchange内のサービス)に加えて、シン・クライアントとも呼ばれるウェブ・ブラウザ・ベースのアクセス・クライアントに対応する。
【0078】
MSERVのコラボレーション機能は、ユーザ間の情報共有をサポートする。コラボレーティブ・シナリオには、すべてのユーザが閲覧および編集可能な共用アドレス・リストを維持すること、関連する自由なまたは詰まっているスケジュールを閲覧することにより、人および会議室を含むミーティングをスケジューリングすること、管理者などの他者があるユーザに代わってそのユーザのメールボックスにアクセスすることを許可できることが含まれる。
【0079】
上述のように、IMは、CSの構成要素とMSERVの構成要素との間の情報の転送のためのインターフェースとしての機能を果たす。情報の転送には、いくつか例を挙げると、例えば、引出し、受信、取出し、ポーリング、伝送、およびプッシュ操作が含まれる。CSとMSERVとの間の情報転送の一例として、IMが、MSERVの1つまたは複数の構成要素から情報を引き出し、引き出した情報を、例えばCSのキャッシュが利用できるようにする。IMはさらに、CSの1つまたは複数の構成要素からMSERVに情報をプッシュする。
【0080】
CSとMSERVとの間のインターフェースとしての機能を果たす際、IMの構成要素(例えばRTC)が、CSの構成要素(例えば仮想マシン、キャッシュ、等)とMSERV環境の構成要素との間の通信を中継する。一例として、IMは、CS/キャッシュからの要求に応答して、ディレクトリ・サービス(例えばActive Directory)の構成要素からユーザ情報を取り出す。
【0081】
IMの諸実施形態は、次の構成要素のうちの1つまたは複数を含むことができる。それは、RTC、管理コンソール、デスクトップ・コンポーネント、メッセージング・アクション制御構成要素、診断構成要素、および/またはメッセージ待機表示構成要素である。デスクトップ・コンポーネントは、ユーザが、ボイス・メッセージ応答、長期不在応答、PINコード・データ、およびプレゼンス情報など、自らの統合メッセージング・アカウントの側面を構成できるようにする。一実施形態では、このデスクトップ・コンポーネントは、ユーザがF/Tモジュールの動作を構成できるようにする。例えば、すべてのボイスメール・メッセージに対してフィルタリングおよび転記をオフにすることができる。別の例として、特定の発呼者からのボイスメール・メッセージに対しては厳密な転記が自動的に要求される。システム1100内で利用可能なキャッシュ情報のすべてに基づいて、他の多くの動作が可能である。
【0082】
メッセージング・アクション制御構成要素は、ユーザが生成したFBUI(フォームベース・ユーザ・インターフェース)からの要求を受信し、その要求に応答してボイス・メッセージを再生、応答および転送する、厳密な転記を要求する、ボイスメール・メッセージの送信者に発呼する、等などのアクションをとる。メッセージ待機表示構成要素は、ユーザのメッセージ受信箱フォルダからイベントを受け取り、ユーザの1つまたは複数のデバイス上でメッセージ待機表示をオンにするなど、PBXまたはテレフォニ・システムの他の側面からの対応するアクションを要求する。メッセージ待機表示構成要素は、SMS、MMS、および/またはページャを介して通知を送信することができる。
【0083】
図12は、一実施形態に基づくIM(インターフェース・モジュール)1220とMSERV(メッセージング・サーバ)環境1240の構成要素との間の対話を示すブロック図である。MSERV環境1240の構成要素は、前述のようにMSERVおよび1つまたは複数のデータベースを含む。一実施形態のデータベースは、ディレクトリ・サービス1242を含む。
【0084】
ディレクトリ・サービス1242は、いくつか例を挙げると、アプリケーション、ファイル、プリンタなどのネットワークベース・エンティティに関する情報を記憶するための場所を提供する。ディレクトリ・サービス1242は、ユーザとも呼ぶ個人に関する情報も記憶し、本明細書ではこの情報を「ユーザ情報」と呼ぶ。そのようなものとして、ディレクトリ・サービス1242は、企業ネットワーク環境内の個々の資源に関する情報を命名、説明、検索、アクセス、管理、および保護するための一貫した方法を提供する。ディレクトリ・サービス1242は、この記憶された情報を使用して企業ネットワーク・オペレーティング・システムのメイン・スイッチボードの機能を果たし、したがって、識別情報を管理し、企業ネットワークの分散資源間の関係を仲介し、それゆえ各資源が共同することを可能にする中央権限部である。一実施形態のディレクトリ・サービス1242は、Microsoft Active Directory(「AD」)とすることができるが、それだけに限定されない。
【0085】
ADを含む実施形態では、ユーザ・オブジェクトが企業ユーザごとにADデータベースに記憶される。例えば、企業ユーザ2についてのユーザ・オブジェクトを、ユーザ2のオブジェクト1202として図示する。このユーザ・オブジェクトは、ユーザの名前、ユーザの電話番号、ユーザのメールボックスの場所、ユーザのEメール・アドレスなど、多くの固定属性を含む。
【0086】
このユーザ・オブジェクトは、いくつかの「カスタム属性」をさらに含む。カスタム属性の数は、固定属性の数に比べ、例えば15個と少ない。カスタム属性は、定義済みの固定属性に用意されていない情報を記憶するために使用することができる。一実施形態では、カスタム属性は、F/Tモジュールおよび音声アプリケーションが使用するユーザ固有データを記憶する。そのようなユーザ固有データの例には、ユーザ固有の単語リスト、およびF/Tモジュールの動作に関するユーザ基本設定が含まれる。ユーザ固有データのさらなる例には、そのユーザのCOS(サービス・クラス)、そのユーザのボイスメール内線番号、そのユーザに対してボイスメールが有効にされているかどうか、等が含まれる。これらのデータは、2048バイトを最大サイズとしてカスタム属性内にデータ・ストリームとして記憶される。代替実施形態では、F/Tモジュールおよび音声アプリケーションが使用するユーザ固有データが、ADを知られている方法で拡張することにより、固定属性内の個別のデータ項目として記憶される。
【0087】
ユーザのメールボックスの場所の固定属性は、そのユーザのEメール・メールボックスが企業内のどこに記憶されているのかを示す。一部の大企業には、多くのユーザのメールボックスを記憶するデータベースをそれぞれが含む、多くのMSERVがある可能性がある。図示のように、メールボックスの場所の固定属性が、MSERV1と呼ばれるMSERV上のユーザ2のメールボックス1204を指し示す。
【0088】
ユーザ・メールボックス1204は、ユーザ宛に送信されるEメール・メッセージだけでなく、送信するメッセージや他の項目を定義済みの期間記憶する。一実施形態では、このメッセージは少なくとも2つのタイプとすることができ、そのうちの1つは、ユーザが日常的にアクセス可能な「通常」メッセージである。別のメッセージ・タイプが、普通のユーザEメール・インターフェースを通じてユーザが日常的にアクセスできない「隠れ」メッセージである。一実施形態では、隠れメッセージは、F/Tモジュールおよび音声アプリケーションが使用するデータを記憶するために使用される。ただし、カスタム属性内に記憶されるデータとは対照的に、隠れメッセージ内に記憶されるデータは、カスタム属性の2048バイト制限よりもはるかに大きくてよい。一実施形態では、隠れメッセージ内に記憶されるデータには、ユーザのボイスメール・メールボックス用の「話中」応答、ユーザのボイスメール・メールボックス用の「応答なし」応答、ユーザのボイスメール・メールボックス用の録音された名前など、隠れメッセージへの添付物として記憶される音声ファイルがある。
【0089】
CSがIM1220を介してMSERV環境1240にアクセスする一例は、ユーザ2が通話中に、電話の発呼者がユーザ2のボイスメール・メールボックスに発呼することである。CSは、IM1220を介して、「話中応答を再生する」要求をともなうアクションを送る。この伝送は、ユーザ2のオブジェクト1202の固定属性にアクセスして、このユーザのEメール・メールボックスの場所を特定するための情報を含む。さらにこの伝送は、ユーザ2のオブジェクト1202のカスタム属性にアクセスし、カスタム属性の内容をIM1220を介してCSに転送するための情報を含む。ユーザのEメール・メールボックスがアクセスされると、発呼者に向けて電話で再生するための適切な音声ファイル(この場合は「話中」応答)をCSに転送するために、隠れメッセージが開かれる。多くの場合、現在のカスタム属性および音声ファイルがCS上でキャッシュに格納されるので、カスタム属性または音声ファイルのいずれもMSERV環境1240から転送する必要がない可能性がある。
【0090】
上述のように、音声アプリケーションおよび仮想マシンの動作は、CSのキャッシュおよび他の構成要素を、MSERVの構成要素にIMを介して結合する。そのようなものとして、CSおよびIMは、キャッシュとMSERVやデータベースなどのバックエンド・ネットワーク構成要素との間の情報の転送をサポートする。この構成は、以下に説明するようにCSのボイスメール・メッセージング機能をサポートするためにデータベースの情報を使用する際に、音声アプリケーションとデータベースに記憶されるデータとの間の透過性を提供する。
【0091】
上述のようなカスタム属性および隠れメッセージの使用に加え、キャッシュとMSERVとの間の情報転送は、このICSが、典型的なボイスメール・システムによって記憶される情報を記憶するための外部データベースを必要としないことを可能にする。これは、企業ネットワークのEメール・メッセージング機能に統合されたボイスメール・メッセージ機能を提供する際にCSが使用する情報を、CSがIMを介してMSERVから引き出すからである。この引出しまたは取出しは、定期的に、継続的に、オンデマンドで、かつ/または特定のイベント(例えばMSERV内の情報の更新)に応答して行うことができるが、それだけに限定されない。CSが引き出す情報は、GAL(グローバル・アドレス・リスト)の情報、1つまたは複数の「公開フォルダ」の情報、「個人用連絡先」、および「ユーザ・リスト」の情報を含む。
【0092】
GALは、Eメールの使用を含むアクセス特権を有する企業ネットワーク内のすべてのユーザの情報を含む。公開フォルダは、すべてのユーザと共有されるネットワーク企業の情報(例えば連絡先、カレンダ、等)を含む。個人用連絡先は、ユーザごとの連絡先情報を含む。
【0093】
ユーザ・リストは、ICSの使用を含むアクセス特権をそれぞれが有するGAL内の一部のユーザについてのユーザ情報を含む。したがって、このユーザ・リストは、GALの一部であり、通信の効率を向上させ、かつボイスメール・メッセージに対するユーザ要求アクションを実行する際に使用される情報を求めてCSにGALの全内容を検索させることに関連する遅延を最小限に抑えるために、別々のリストまたはストリームとして取り出されかつ/またはキャッシュに格納される。一実施形態のユーザ・リストは、互いに対応する次のパラメータのうちの1つまたは複数を含むが、これらのパラメータだけに限定されない。それらは、位置識別情報、メールボックス番号、発音可能な名前、オフィス電話内線番号、COS、自動音声応答の状態(例えば有効、無効)、ボイスメールの状態(例えば有効、無効)、VUI(音声ユーザ・インターフェース)の状態(例えば有効、無効)、モバイル・アクセスの状態(例えば有効、無効)、不正ログイン、ロックアウト、音声応答宛先、PINコードの変更強制、モバイル・ゲートウェイ識別情報、氏名、名、姓、ユーザ名、自宅電話番号、オフィス電話番号、セルラ電話番号、識別情報、Eメール・アドレス、部門、活動中の応答の状態、日時通知、ボイスメール通知の状態(例えば有効、無効)、メールボックスの状態、暗号化形式または未処理形式のPINコード、応答なし応答、話中応答、長期不在応答、録音された名前、およびシステム応答である。
【0094】
MSERVから引き出した情報を、典型的なボイスメール・システムで行われるであろうように別のボイスメール・データベースに記憶する代わりに、引き出した情報はIMによってCSにプッシュされ、キャッシュ内に保持される。以下に説明するように、CSは、後続のボイスメール・メッセージ操作動作でこの引き出した情報を使用する。CSによるこの情報の引き出しおよびキャッシュ格納は、ボイスメール・メッセージ操作の速度および効率を向上させ、典型的なメッセージング・システムでのMSERVデータベースに対するほぼ連続した読出し要求のストリームによって生じるMSERVに対する不要な負荷を防ぐ。
【0095】
CSによるMSERVからの情報の引出しは、GAL、公開フォルダ、およびユーザ・リストを含む情報の引出しおよびキャッシュ格納を含む。引き出した情報は企業全体にわたって適用されるので、CSはこの情報をシステム・ベースまたは非個別ベースでキャッシュに格納する。この情報は、例えば24時間間隔で(例えば毎朝午前2時に)定期的に引き出し、キャッシュに格納し、またはオンデマンドでロードすることができるが、それだけに限定されない。
【0096】
対照的に、個人用連絡先の情報はユーザごとに異なるので、CSはこの情報を各ユーザ・ベースで引き出し、キャッシュに格納する。個人用連絡先は、CSが定期的にまたはオンデマンドで(例えば、ユーザのICSへのログイン時に、個人用連絡先の修正に応答して、等)要求し、キャッシュに格納することができる。
【0097】
統合メッセージング機能を提供するために動作する際、CSおよびIMは、発呼者がかける呼をユーザに転送し、そのユーザが出られない場合、発呼者が残すボイスメール・メッセージを受信しかつ転送するように機能する。CSおよびIMは、企業Eメール・システムのメッセージング・サーバを使用したボイスメール・メッセージへのアクセスをユーザに提供するようにも機能する。このボイスメール・アクセスは、メッセージング・サーバのオンライン・モードおよびオフライン・モードの両方をサポートする。
【0098】
CSによる呼転送の一例として、および図11にさらに関連して、CSは、テレフォニ・インターフェースにおいて呼を受け、検出する。呼のデータ(例えば、被呼者情報、発呼者情報、呼転送の理由、等)が、音声ブラウザを起動させる。音声ブラウザは、この呼データに応答して音声アプリケーションに要求を転送する。
【0099】
音声アプリケーションのディスパッチャ構成要素が、呼を、ユーザ・リストの情報に従って1つまたは複数の他の音声アプリケーション構成要素に転送する。一例として、ディスパッチャがその呼の呼び出し先ユーザを識別し、その呼び出し先ユーザの自動音声応答が有効にされているかどうかを判定する。自動音声応答が有効にされている場合、その自動音声応答が呼び出し要求を受け取り、発呼者に1つまたは複数の呼転送オプションを提供し(例えば、発呼者が内線番号を選択するおよび/または言う、名前を選択するおよび/または言う、等により呼転送を選択する)、発呼者の入力に従って呼を転送する。
【0100】
一例として、音声アプリケーションのうちの1つまたは複数が、呼に応答する際に使用するためのユーザが現在指定している活動中の応答(例えばシステム応答、応答なし応答、話中応答、長期不在応答、等)を特定し、指定された活動中の応答をMSERVの状態に適合するようにキャッシュまたはMSERVのうちの1つから取り出す。それぞれのアプリケーション(1つまたは複数)が、その応答を再生し、「録音モード」を活動状態にして発呼者のボイスメール・メッセージを録音し、発呼者に呼および/またはメッセージの転送に関して利用できる追加のオプション(例えば、メッセージ印付けオプション、メッセージ送信オプション、追加のユーザにメッセージを送信する、メッセージを転送する、等)を提供する。発行者が録音および/またはメッセージ転送オプションの選択を完了すると、それぞれのアプリケーション(1つまたは複数)が呼を終了し(ハングアップし)、録音されたボイスメール・メッセージを、F/Tモジュールに、ならびにそのユーザに対応するキャッシュおよび/またはMSERV(例えばメールボックス)内の1つまたは複数の場所に転送する。あるいは、アプリケーションが呼を終了する前にボイスメール・メッセージを転送することもできる。
【0101】
図13は、一実施形態に基づくFBUI(フォームベース・ユーザ・インターフェース)を有するICS(統合通信システム)1310を含むシステム1300のブロック図である。本明細書で先に説明したように、ユーザのボイスメールは大まかに転記することができ、ボイスメールの音声ファイルを有する概略転記を、1つまたは複数の添付物を有する「通常の」EメールとしてユーザのEメール対応デバイスに送信することができる。
【0102】
以下にさらに説明するように、FBUIは、Eメール・システムを介して概略転記およびボイスメールの音声ファイルを送信するための代替機構である。システム1300は、ICS1310を使用することにより統合ボイスメールおよびEメール・メッセージングを提供するネットワーク化された環境1301を含む。ネットワーク化された環境1301は、ICSネットワーク化された環境1301の構成要素、およびメッセージング・サーバ環境1340に結合するLANを含む。ICS1310は、CS1310、IM1320、およびFBUI1380を含むが、それだけに限定されない。FBUI1380は、PDA1399など、1つまたは複数のプロセッサベース・デバイス1399デバイスによって、ユーザ(ユーザZ)にさらに提示される。
【0103】
メッセージング・サーバ環境1340は、MSERVおよびデータベース1344を含むが、それだけに限定されない。LANは、様々な通信プロトコルのいずれかを使用して任意の数の他のネットワーク1350および1360に結合し、ネットワーク1350および1360は同じタイプまたは異なるタイプとすることができる。一例として、ネットワークには、公衆通信ネットワーク1350およびプライベート通信ネットワーク1360が含まれ得る。プライベート通信ネットワーク1360は、例えばPBXが企業ネットワークのLANに結合されたものとすることができる。ネットワーク1350および1360は、ネットワーク化された環境1301にとってローカルなクライアント・デバイス1370と、ネットワーク化された環境1301の外部にあるクライアント・デバイス1399との間の情報転送を可能にする。クライアント・デバイスは、「ユーザ・デバイス」1370および1399と代わりに呼ぶこともある。
【0104】
ネットワーク化された環境1301が企業ネットワークである一実施形態では、ICS1310が、企業ネットワーク内で典型的に見つけられるボイスメール・サーバを少なくとも1つのCS1310で置換するが、実施形態はそれだけに限定されない。CS1310は、各ネットワーク企業のプライベート通信ネットワーク(例えばPBX)に結合される。このシステム1300の例では1つのCSのみを図示するが、企業ネットワークは「N+1」構成で企業ネットワークに結合される複数のCS1310を含むことができ、ただし「N」は任意の数1、2...Xである。
【0105】
セキュリティ上の理由から、CSとの間の通信が一実施形態では制限される。CSは、IMサーバ、プライベート通信ネットワーク、他のCS、および選択されたクライアント・デバイスと通信する。本発明の一実施形態によれば、CSとの通信を、特定の知られているアドレスを有するネットワーク構成要素に制限することができる。加えて、または、あるいは、CSとの通信は、例えば管理者によるアクセスに対してなど、特定の種類のアクセスに対してパスコードや他のセキュリティ手段による認証を要求することができる。セキュリティはさらに、または、あるいは、CSとプライベート通信ネットワークとの間の直接ケーブル接続による接続の場合など、CSと他の構成要素との間に物理接続を要求することによって保護しかつ/または提供することができる。CSとの間の制限された通信は、本明細書で説明するようなボイスメールおよびボイスメール転記の機密性を提供する。
【0106】
CSは、FBUIにより、ネットワーク接続を介して第1のサーバ(例えばメッセージング・サーバ、MSERV、等)からクライアント・デバイスにフォームを概して提供する。このフォームは、受信クライアント・デバイスが実行したときにそのクライアント・デバイスの画面上にFBUIの提示をもたらすデータまたはコードを含む。FBUIは、第2のサーバ(例えば通信サーバ、CS、等)を介したある項目に対するアクションをユーザが選択できるようにするいくつかのボタンまたはアイコンを含み、その項目は第1のサーバおよび/または第2のサーバに記憶され、第1のサーバと第2のサーバとは別個のサーバである。一実施形態のFBUIは、第2のサーバの対応するブラウザ制御と結合しかつ/または通信するための手段として、フォームに組み込まれたウェブ・ブラウザを使用する。こうして、クライアント・デバイスと第2のサーバとの間の通信は、クライアント・デバイスと第1のサーバとの間のネットワーク結合を介してクライアント・デバイスが第2のサーバと通信することを禁止することになるセキュリティ問題および/または他のネットワーク・ポリシ問題を回避する。
【0107】
上述のように、FBUIは、第1のメッセージ(例えばボイスメール・メッセージ)を、通信サーバ(例えばCS)から第1の結合(例えばIM)を介してメッセージング・サーバ(例えばMSERV)に転送するためのフォームベース・メッセージング・インターフェースとして働く。メッセージング・サーバが、第1のメッセージのタイプに応答して第2のメッセージ(例えばEメール・メッセージ)を生成し、その第2のメッセージを、第2の結合(例えばLAN)を介してクライアント・デバイスに転送する。第1のメッセージのタイプは、そのメッセージをVMT(ボイスメール・タイプ)メッセージであると識別する、そのメッセージに対するプロパティを使用して通信サーバが指定する。第2のメッセージは別のタイプであり、第1のメッセージのデータを含むが、それだけに限定されない。通信サーバはさらに、第1のメッセージに対応するフォーム・データをクライアント・デバイスに転送する。クライアント・デバイスはこのフォーム・データを使用して、クライアント・デバイスと通信サーバとの間の第3の結合(例えばブラウザ・リンク)を確立する。ユーザは、このフォーム・データを使用する第3の結合を介して、クライアント・デバイスから第1のメッセージに対するアクションを指示することができる。
【0108】
一実施形態のICSは、FBUI1380を、ユーザのローカル・クライアント・デバイスまたは外部クライアント・デバイスを介してユーザに提供する。FBUIは、FBUIフォームを使用することによりクライアント・デバイスに提供され、FBUIフォームの構造はメッセージング・サーバ環境のメッセージ構造に準拠する。例えば、メッセージング・サーバ環境がMicrosoft ExchangeおよびMicrosoft Outlookの使用を含む場合、FBUIフォームは、ExchangeおよびOutlookに適合するようにMicrosoftの形式に準拠するように生成される。
【0109】
一実施形態では、FBUIフォームを生成するための情報は、CSがIMを介してメッセージング・サーバ環境に提供し、FBUIフォームを生成するために使用されるコードはMSERVがホストする。一実施形態のFBUIフォームは、FBUIの画面ならびにその画面のボタンの情報を生成するコードを含む。FBUIフォームは、例えばFBUIフォームを表示するクライアント・デバイスとウェブ・サーバ(例えばCS、IM、他のサーバ)との間で通信を確立する際に使用する組込ブラウザ制御をさらに含む。したがって、この組込ブラウザ制御は、ホスト・クライアント・デバイスが、企業ネットワークLANの外部の通信チャネルを介して、MSERVとは別のサーバに結合し、通信することを可能にする。したがって、このFBUIフォームは、他の状況ではクライアント・デバイスが企業ネットワークのメッセージ基盤の外部と通信することを禁止する可能性があるネットワーク・ポリシ問題にもかかわらず、フォームを現在実行しているローカル・クライアント・デバイスと、CSおよび/またはIMなどの構成要素との間の通信チャネルを可能にする。
【0110】
FBUIを使用して、ユーザは、ホスト企業ネットワーク・システムのEメール・フレームワーク内の自らのボイスメール・メッセージにアクセス/閲覧し、様々なアクションをとることができる。一例として、一実施形態のCSがボイスメール・メッセージを受信すると、前述のようにそのCSは、そのボイスメール・メッセージをMSERVに転送する。ボイスメール・メッセージをMSERVに転送する際、CSは、そのメッセージが「VMT」(「ボイスメール・タイプ」)メッセージであると識別するプロパティをそのメッセージに対して指定する。MSERVが、Eメール・メッセージなどの他のメッセージ・タイプで使用するのと同じ記憶構造および取出し構造を使用して、そのメッセージをVMTメッセージとして受信し、記憶する。
【0111】
ユーザが、自らのクライアント・デバイスを介して自らのメッセージにアクセスしたいとき、そのクライアント・デバイスの活動中のメッセージ・ブラウザが、VMTメッセージを、そのユーザの電子メールボックス内に現在記憶されている他の任意のメール・メッセージとともに受信する。このメッセージ・ブラウザは、メッセージング・サーバ環境のメッセージ構造(例えばMicrosoft環境のOutlook)に対応する。メッセージの受信時に、メッセージ・ブラウザが、そのメッセージをVMTメッセージであると識別する。FBUIフォームを実施するコードがMSERV上に記憶されているので、FBUIフォームに関連する機能および/または特徴を実施することは、ユーザのクライアント・デバイスとMSERVとの間のLANを介した通信を使用する。例えば、クライアント・デバイスのメッセージ・ブラウザは、あるメッセージをVMTメッセージであると識別することに応答してMSERVからFBUIフォームを要求するが、それはFBUIフォームがVMTメッセージ・タイプに対応するフォームだからである。MSERVがFBUIフォームを要求クライアント・デバイスに転送し、クライアント・デバイスのメッセージ・ブラウザは、ユーザがVMTメッセージを閲覧するために選択することに応答してそのフォームを立ち上げる。
【0112】
FBUIをユーザのクライアント・デバイス上に表示するために、メッセージ・ブラウザはFBUIフォームのデータまたはコードを使用する。図14は、一実施形態に基づくクライアント・デバイス上に表示される際のFBUI1400の見本である。FBUI1400は、ユーザに情報を提示する3つの領域1402、1404、および1406を含む。この領域にはフォルダ領域1402、内容領域1404、および機能/情報領域1406が含まれるが、代替実施例のUIが任意の数および/またはタイプの領域を提示することができるように、これらの領域だけに限定されない。代替実施形態では、FBUI1400に図示すように3つの領域1402〜1406のすべてを同時に提示することができ、またはこの3つの領域の様々なサブセットを様々な組合せで同時に提示することができる。
【0113】
フォルダ領域1402は、ユーザがFBUI1400およびクライアント・デバイスを介してアクセス可能な1つまたは複数のフォルダを提示する。「受信箱」は、ボイスメール・メッセージのリストを、Eメール・メッセージを含む他のメッセージと同じリスト内に含むことができる。あるいは、受信箱は、ボイスメール・メッセージを含むサブフォルダ(「ボイスメール・メッセージ」)を含むことができ、このフォルダを選択すると、ユーザのメールボックスのボイスメール・メッセージが内容領域1404内に提示される。
【0114】
内容領域1404は、フォルダ領域1402を使用して選択したフォルダの内容を概して提示する。一例として、内容領域1404は、受信箱またはボイス・メッセージ・フォルダが選択される際に、ユーザのメールボックス内の任意の数のボイスメール・メッセージに対応する情報を提示する。内容領域1404は、例えば「ボイス・メッセージ1の情報」上にカーソルを合わせることにより、ユーザが特定のボイスメール・メッセージを選択できるようにする。内容領域1404内のメッセージを(ダブル)クリックするか、他の方法でメッセージ・ブラウザにボイス・メッセージを表示するように指示することにより、機能/情報領域1406が表示される。
【0115】
FBUI1400の機能/情報領域1406は、図示のように概略転記を提示する。機能/情報領域1406は、ユーザがボイスメール・メッセージに対して選択することができるアクションをそれぞれが表す、1つまたは複数の「ボイスメール・アクション・ボタン」1408(本明細書では「ボタン」とも呼ぶ)をさらに提示する。この例では、ボイス・メッセージ・フォルダが選択されており、内容領域1404内のメッセージを選択することは、ユーザが図示のボタンを使用して選択されたメッセージに対してアクションをとれるようにする。したがって、内容領域1404のカーソルを特定のメッセージに合わせ、ボタンを用いて選択されたメッセージに対するアクションを選択することは、ICSの構成要素(例えばCS、キャッシュ、IM)によるそのメッセージに対する操作を引き起こす。一実施形態のボタンには、「電話で再生する」ボタン、「厳密な転記を入手する」ボタン、「送信者に発呼する」ボタン、「ボイスメールによって応答する」ボタン、および「ボイスメールによって転送する」ボタンが含まれるが、この実施形態は、これと同じ数のボタンまたは同じ機能を提供するボタンだけに限定されない。
【0116】
他の実施形態では、FBUIの領域または情報の提示は多様に異なり得る。例えば、一実施形態では、アクション・ボタンは、ユーザが(例えば内容領域1404の特定のボイス・メッセージをダブルクリックすることにより)選択した後に現れる。アクション・ボタンは、ユーザが内容領域1404内の特定のボイス・メッセージ上で右クリックするときに現れてもよい。
【0117】
フォルダ領域1402はさらに、公開フォルダの下にサブフォルダ(「ボイス・メッセージ・システム」)を含むことができる。それ自体では、このボイス・メッセージ・システム・フォルダは実際のフォルダではなく、むしろ、選択したときにウェブ・サーバにHTTP要求を送信し、クライアント・デバイスのメッセージ・ブラウザ内にICSブラウザを立ち上げる/表示するURL(統一資源ロケータ)とみなすことができる。そのウェブ・サーバは、例えばCSおよび/またはIMの構成要素とすることができるが、それだけに限定されない。ICSブラウザは、Eメールが概して現れるクライアント・デバイスのメッセージ・ブラウザの領域内に、機能/情報領域1406を表示する組込ブラウザまたは隠しブラウザであり、機能/情報領域1406内にボイスメール・メッセージが表示される。
【0118】
一例として、機能/情報領域1406が、一実施形態の内容領域1404内に表示される。機能/情報領域1406は、IMから供給されてよく、ボイス・メッセージング・システムに関係するユーザ固有の任意の情報を含むことができる。一実施形態では、機能/情報領域1406は、ユーザがユーザ名およびPINコードを入力するユーザ・ログイン・プロンプトを表示する。その後、システムが、PINコード、音声応答内線番号、応答のタイプ、他の適用可能な情報など、ユーザの構成日を表示する。
【0119】
隠しブラウザは、例えばIMとのHTTPリンクおよび通信を可能にし、そのIMが、CSとの(HTTPによる)通信を例えばCSウェブ・サーバを介して仲介する。したがって、典型的なメッセージング・サーバおよびLANが、フォーム・データ内の「特殊」コードの使用を制限するセキュリティ・ポリシを使用するのに対し、ホスト・システムにとってネイティブなフォーム構造に組み込まれた隠しブラウザを使用すると、ブラウザが特殊コードとして検出またはみなされないので、この制限を克服することができる。このようにして、隠しブラウザの使用はCSおよび/またはIM内の対応するブラウザ制御との通信をサポートし、それにより、CSが提供するボイスメール・メッセージングの、企業ネットワークのEメール・メッセージング・システムとの統合を可能にする。
【0120】
ICS内の「ボイスメール・メッセージ」は概して、音声ストリームを生成するクライアント・デバイスを使用して作成される任意のメッセージである。「ボイスメール・メッセージ」は、FBUIの「ボイス・メッセージによって応答する」ボタンおよび「ボイス・メッセージによって転送する」ボタンを使用して作成されるメッセージなど、任意の音声タイプ・メッセージでもある。「Eメール」は、たとえボイスメール・メッセージに応答するまたはボイスメール・メッセージを転送する場合でも、メッセージの受信に応答して応答メッセージを生成する、またはメッセージを転送するように機能するホスト・メール・メッセージ・システムのボタンを使用して作成される任意のメッセージである。一実施形態のICSは、FBUIを提示フォームとして使用するEメール・メッセージ・システムにおいて、ユーザにボイスメール・メッセージを提示する。
【0121】
上述のICSの構成要素は、ともに動作する演算構成要素およびデバイスの任意の集まりを含む。このICSの構成要素は、より大規模なコンピュータ・システムまたはネットワーク内の構成要素またはサブシステムとすることもできる。ICSの構成要素は、任意の数の構成要素(不図示)、例えば他のバス、制御機構、メモリ・デバイス、およびデータ入出力(I/O)デバイスのうちで任意の数の組合せで結合することもできる。さらに、ICSの構成要素を、任意の数/組合せの他のプロセッサベースの構成要素間に分散することもできる。ICSおよびFBUIを含み、添付の特許請求の範囲に記載の本発明を実施するのに適したシステムのさらなる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる、2005年2月7日に出願され、「Integrated Multi−Media Communication System」と題された米国特許出願第11/053,271号に記載されている。
【0122】
本明細書に記載したシステムおよび方法の態様は、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)、PAL(プログラマブル・アレイ論理)デバイス、電気的にプログラム可能な論理/メモリ・デバイスおよび標準的なセルベースのデバイスなどのPLD(プログラマブル論理回路)だけでなく、ASIC(特定用途向け集積回路)を含む、多様な回路のいずれかにプログラムされた機能として実施することができる。本システムの態様を実施するための他のいくつかの可能性には次のものが含まれる。それは(EEPROM(電子的に消去可能なプログラム可能な読出し専用メモリ)など、)メモリを備えるマイクロコントローラ、組込型マイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェア、等である。さらに、本システムの態様を、ソフトウェア・ベースの回路エミュレーション、個別論理(順序型および組合せ型)、カスタム・デバイス、ファジー(ニューラル)論理、量子デバイス、および上記のデバイス形式のいずれかの混成物を有するマイクロプロセッサで実施することができる。当然、基礎となるデバイス技術は、例えば、CMOS(相補形金属酸化膜半導体)などのMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)技術、ECL(エミッタ結合論理)などのバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、シリコン共役ポリマーおよび金属共役ポリマー−金属構造物)、アナログおよびデジタル混成、等の多様な構成要素形式で提供することができる。
【0123】
本明細書で開示した様々な機能またはプロセスを、それらの動作的、レジスタ転送、論理構成要素、トランジスタ、レイアウト形状、および/または他の特徴に関して、様々なコンピュータ可読媒体中に含まれるデータおよび/または命令として記述することができることに留意すべきである。そのような定様式データおよび/または命令を含めることができるコンピュータ可読媒体には、様々な形態の不揮発性記憶媒体(例えば、光、磁気、または半導体記憶媒体)、およびそのような定様式データおよび/または命令を無線、光、もしくは有線信号媒体またはその任意の組合せによって転送するために使用することができる搬送波が含まれるが、それだけに限定されない。搬送波によるそのような定様式データおよび/または命令の転送の例には、1つまたは複数のデータ転送プロトコル(例えばHTTP、FTP、SMTP、等)によるインターネットおよび/または他のコンピュータ・ネットワーク上の転送(アップロード、ダウンロード、Eメール、等)が含まれるが、それだけに限定されない。1つまたは複数のコンピュータ可読媒体によりコンピュータ・システム内で受け取られるとき、説明したシステム下の構成要素および/またはプロセスのそのようなデータおよび/または命令ベースの式は、そのコンピュータ・システム内の処理エンティティ(例えば1個または複数個のプロセッサ)が、1つまたは複数の他のコンピュータ・プログラムの実行とともに処理することができる。
【0124】
説明および特許請求の範囲の全体を通じて、文脈が明らかに別様に要求しない限り、「備える」、「含む」などの単語は、排他的または網羅的な意味ではなく包含的な意味で、つまり「を含むが、限定されない」という意味で解釈すべきである。単数または複数を使用している単語は、それぞれ複数または単数も含む。さらに、「ここで」、「以下に」、「前に」、「後に」という単語、および同様の意味の単語は、全体として本出願を指し、本出願の任意の特定の部分を指すものではない。「または」という単語を2つ以上の項目の列挙に関して使用する場合、その単語は単語の次の解釈のすべてを含む。それはつまり、列挙内の項目のいずれか、列挙内の項目のすべて、および列挙内の項目の任意の組合せである。
【0125】
このシステムおよび方法の例示した実施形態の上記の説明は、網羅的であること、またはこのシステムおよび方法を開示した厳密な形態に限定することは意図しない。F/Tモジュールの具体的な実施形態および例を例示目的で本明細書に記載したが、当業者なら理解するであろうように、様々な等価的な変更がこのシステムおよび方法の範囲内で可能である。本明細書で提供したシステムおよび方法の教示は、上述のシステムおよび方法に対してだけでなく、他の処理システムおよび方法にも適用することができる。
【0126】
上述の様々な実施形態の要素および行為は、さらなる実施形態を実現するために組み合わせることができる。上記の詳細な説明に照らしてこれらおよび他の変更をこのシステムおよび方法に行うことができる。
【0127】
概して、添付の特許請求の範囲において、使用する用語はこのシステムおよび方法を本明細書および特許請求の範囲に開示する特定の実施形態に限定するように解釈すべきでなく、特許請求の範囲のもとで動作するすべての処理システムを含むように解釈すべきである。したがって、このシステムおよび方法は本開示によって限定されるのではなく、むしろこのシステムおよび方法の範囲は、特許請求の範囲により全面的に決定される。
【0128】
このシステムおよび方法の特定の態様を特定の請求項形式で添付の特許請求の範囲に提示するが、本発明者らは任意の数の請求項形式でのこのシステムおよび方法の様々な態様を予期する。例えば、このシステムおよび方法の1つの態様のみが機械可読媒体に含まれるものとして説明する場合があるが、他の態様も同様に機械可読媒体に含めることができる。したがって、本発明者らは、このシステムおよび方法の他の態様に関するそのような追加的な請求項形式を追求するために本出願の申請後に追加の請求項を追加する権利を保有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのネットワークに結合されるメッセージング・サーバと、
様々なタイプのネットワーク間に結合され、前記メッセージング・サーバにさらに結合される統合通信サーバであって、第1のネットワークからボイスメール・メッセージを受信し、発呼者からユーザへの前記ボイスメール・メッセージに対して所定の単語を検索することを含むフィルタリング操作を実行するように構成され、前記ボイスメール・メッセージの概略転記を行うようにさらに構成されるフィルタ/転記モジュールを備える統合通信サーバと
を備える、統合メッセージング・システム。
【請求項2】
前記フィルタ/転記モジュールが前記概略転記を含むEメール・メッセージを生成するようにさらに構成される、請求項1に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項3】
前記フィルタ/転記モジュールが前記Eメール・メッセージを少なくとも1つのユーザ・デバイスに送信するようにさらに構成される、請求項2に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項4】
前記生成されるEメールが前記ボイスメール・メッセージの音声ファイルをさらに含む、請求項3に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項5】
前記フィルタ/転記モジュールが前記ボイスメール・メッセージをフィルタするようにさらに構成され、フィルタリングが所定の単語を検索することを含む、請求項1に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項6】
前記フィルタ/転記モジュールが前記フィルタリングに基づいてEメール優先フラグを生成するようにさらに構成される、請求項5に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項7】
前記フィルタ/転記モジュールが前記概略転記および前記優先フラグを含むEメール・メッセージを生成するようにさらに構成される、請求項6に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項8】
前記フィルタ/転記モジュールが前記概略転記、音声ファイル、および前記優先フラグを含むEメール・メッセージを生成するようにさらに構成される、請求項7に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項9】
前記フィルタ/転記モジュールが前記Eメール・メッセージを少なくとも1つのユーザ・デバイスに送信するようにさらに構成される、請求項7に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項10】
前記フィルタ/転記モジュールが、前記ボイスメール・メッセージの厳密な転記を提供するための要求を前記ユーザから受信するようにさらに構成される、請求項2に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項11】
前記フィルタ/転記モジュールは、前記厳密な転記が行われることを要求するようにさらに構成され、要求することが、前記ボイス・メッセージの音声ファイルを前記ネットワークの1つを介して前記厳密な転記を行うエンティティに送信することを含む、請求項10に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項12】
前記フィルタ/転記モジュールが
前記エンティティから前記厳密な転記を受信し、
前記Eメール内の前記概略転記を前記厳密な転記で置換する
ようにさらに構成される、請求項11に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項13】
前記フィルタ/転記モジュールが前記Eメールの状態を「未読」に再設定するようにさらに構成される、請求項12に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項14】
前記メッセージング・サーバと前記統合通信サーバとがWANを介して結合される、請求項1に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項15】
前記メッセージング・サーバと前記統合通信サーバとがインターネットを介して結合される、請求項1に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項16】
前記メッセージング・サーバと前記統合通信サーバとが企業内のLANを介して結合される、請求項1に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項17】
前記統合通信サーバが、前記メッセージング・サーバとインターフェースするように構成されるインターフェース・モジュールをさらに備える、請求項16に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項18】
前記メッセージング・サーバが企業グループウェア・アプリケーションをホストする、請求項17に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項19】
前記グループウェア・アプリケーションが、前記企業の構成員のためのユーザ情報を含むディレクトリ・サービスを含む、請求項18に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項20】
前記フィルタ/転記モジュールが前記ユーザ情報を使用してフィルタリングを実行するようにさらに構成される、請求項18に記載の統合メッセージング・システム。
【請求項21】
様々なタイプのネットワーク間に結合する通信サーバであって、ユーザに送信される第1のタイプのメッセージを含む音声データを第1のネットワークを介して受信するように構成され、前記音声データを第1の形式から第2の形式に変換するように構成される通信サーバと、
前記通信サーバに結合するインターフェース・モジュールであって、ネットワークのメッセージング・サーバから、少なくとも前記ネットワークに関連する情報を含む複数のユーザ情報を引き出すインターフェース・モジュールと
を備える、統合通信システム。
【請求項22】
前記第1の形式の前記音声データを、前記音声データ内の単語を前記複数のユーザ情報の1つまたは複数の項目と比較することを含む、前記音声データ内の所定の単語を検索することを含むフィルタするように構成されるフィルタ/転記モジュールを前記通信サーバがさらに備え、前記通信サーバが
前記第2の形式の前記変換済み音声データを含む第2のタイプのメッセージを生成する
ようにさらに構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第2の形式が前記音声データの概略転記を含み、前記通信サーバが、ユーザ要求、および厳密な転記が自動的に行われるべきことを指示する所定の基本設定のうちの少なくとも1つに基づいて前記音声データの前記厳密な転記を行わせるようにさらに構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
ユーザに送信される第1のタイプのメッセージを含む音声データを様々なタイプのネットワーク間に結合される第1のネットワークを介して通信サーバ内で受信することと、
ネットワークのメッセージング・サーバから、少なくとも前記ネットワークに関連する情報を含む複数のユーザ情報を引き出すことと、
第1の形式の前記音声データに対して、前記音声データ内の単語を前記複数のユーザ情報の1つまたは複数の項目と比較することを含む、前記音声データ内の所定の単語を検索することを含むフィルタリングを行うことと
を含む、マルチメディア通信の方法。
【請求項25】
前記音声データを第2の形式に変換することと、
前記第2の形式の前記変換済み音声データを含む第2のタイプのメッセージを生成することと
をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の形式が前記音声データの概略転記を含み、前記方法は、ユーザ要求、および厳密な転記が自動的に行われるべきことを指示する所定の基本設定のうちの少なくとも1つに基づいて前記音声データの前記厳密な転記が行われることをさらに含む、請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−519851(P2010−519851A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550951(P2009−550951)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/050835
【国際公開番号】WO2008/103504
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(500310339)アバイア インコーポレーテッド (35)
【Fターム(参考)】