説明

ボイラ

【課題】 液体燃料および気体燃料のいずれの燃焼時にもNOxなどの有害物質の低減
を実現可能なボイラを提供すること。
【解決手段】 液体燃料ノズル部22を中心に配置した断面略環状の流通路を有し、内周面および外周面にガス噴出口35,36を形成した気体燃料供給管37と、気体燃料供給管37の外側にこれと同軸状に配置される筒状のエアレジスタ24と、液体燃料ノズル部22と気体燃料供給管37との間に形成され先端に第一バッフル板28を設けた第一空気流路25と、気体燃料供給管37と前記エアレジスタ24との間に形成され先端に第二バッフル板33を設けた第二空気流路26とを備えて構成され、第二バッフル板33に形成した二次空気噴出部34a,34eに、噴出ガスの流れをガス排出口17から遠ざかる方向に制御する流れ制御手段38a,38eを備える液体燃料と気体燃料とを切り替えて使用するバーナ20を有するボイラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラに関するものである。詳しくは、灯油やA重油等の液体燃料とガス燃料とを切り替えて燃焼させる有害物質の低減を実現可能なボイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、環状に配列された水管群を有する缶体を備えたボイラはよく知られており、このようなボイラにおいては、一般的に、その水管群の中央部にバーナが配設されている。つまり、このような構成のボイラにおいては、環状に配列された水管群の内側が、バーナから供給された燃料を燃焼させるための燃焼室として機能する。
【0003】
この種の液体燃料と気体燃料とを切り替えて使用するボイラにおいても、有害物質(NOx、CO、煤等)の低減化技術に関して提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、上述した環状に配列された水管群を有する缶体を用いて構成されたボイラにおいては、ωフローと称される缶体のように、燃焼室のガス排出口が燃焼室の側面において1箇所周方向に偏って設けられた缶体においては、バーナから噴出されるガスが特定の方向(主にガス排出口が設けられている方向)に引っ張られる,すなわち軸対称とならない傾向がある。このため、バーナからの燃焼反応中のガスが缶体の内面に接触するとともに、バーナからの噴出ガスがガス排出口のバーナ近傍部からショートパスして流出することにより、バーナの燃焼性能に悪影響を及ぼすとともに、排出NOx量の低減が困難とな
っていた。
【0005】
また、液体燃料と気体燃料を切り替えて燃焼させるボイラにおいては、いずれの燃焼時においてもNOxの排出基準を満たす必要がある。
【0006】
【特許文献1】特開平11−108308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、液体燃料および気体燃料のいずれの燃焼時にもNOxなどの有害物質の低減を実現可能なボイラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、請求項1に記載の発明は、複数の水管を用いて燃焼室を形成した缶体と、前記缶体の上部に配置されるバーナとを備え、前記燃焼室のガス排出口を燃焼室側面に設けたボイラにおいて、前記バーナは、液体燃料と気体燃料とを切り替えて使用するバーナであって、液体燃料ノズル部を中心に配置した断面略環状の流通路を有し、内周面および外周面にガス噴出口を形成した気体燃料供給管と、この気体燃料供給管の外側にこれと同軸状に配置される筒状のエアレジスタと、前記液体燃料ノズル部と前記気体燃料供給管との間に形成され先端に第一バッフル板を設けた第一空気流路と、前記気体燃料供給管と前記エアレジスタとの間に形成され先端に第二バッフル板を設けた第二空気流路とを備えて構成され、前記第二バッフル板に形成した二次空気噴出部に、噴出ガスの流れを前記ガス排出口から遠ざかる方向に制御する流れ制御手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、液体燃料燃焼時、気体燃料燃焼時のいずれにおいても
前記二次空気ノズルの機能により、前記バーナにて生成されるガスが前記ガス排出口から遠ざかる方向に制御されるので、前記ガス排出口からショートパスして流出することによる燃焼性の悪化を抑制でき、NOxなどの有害物質の低減が可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記流れ制御手段が、噴出ガスを前記ガス排出口から遠ざかる方向に導く板状部材を含む角筒状に形成される二次空気ノズルであることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、前記バーナにて生成されるガスの流れを確実に制御できるという効果を奏する。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記缶体から排出される排ガスを前記バーナへの供給と供給停止とを選択可能な外部排ガス再循環手段を備え、前記気体燃料の燃焼時に排ガスを前記バーナへ供給することを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明による効果に加えて、排ガス規制の厳しい気体燃料の規制値を容易にクリアすることができるという効果を奏する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記バーナの火炎検出器を前記ガス排出口側に位置する二次空気噴出部の上方に配置したことを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明による効果に加えて、前記バーナの気体燃料燃焼時および液体燃料燃焼時の火炎検出をより確実に行うことができるという効果を奏する。
【0016】
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記流れ制御手段を筒状に形成するとともに、前記気体燃料供給管の内側に気体燃料燃焼時の着火用パイロットバーナを備え、前記第一空気流路の入口側の前記整流板に形成した火炎検出孔と前記第一バッフル板に形成した火炎検出孔を通して、前記火炎検出器が前記パイロットバーナの火炎を検出するように構成したことを特徴としている。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明による効果に加えて、前記火炎検出器により前記パイロットバーナの火炎も検出することができるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、前記バーナにより生成されるガスが、前記ガス排出口からショートパスして流出することによる燃焼性の悪化を抑制でき、液体燃料燃焼時および気体燃料燃焼時のいずれにおいてもNOxなどの有害物質の低減可能なボイラを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施形態を説明する前に、本願において使用する用語について説明する。
【0020】
本願において、単に「ガス」と称する場合、ガスとは、燃焼反応中のガスおよび燃焼反応が完了したガスの少なくとも一方を含む概念であり、燃焼ガスと称することもできる。つまり、ガスとは、燃焼反応中のガスおよび燃焼反応が完了したガスの両方を有する場合、燃焼反応中のガスのみを有する場合、あるいは燃焼反応が完了したガスのみを有する場合の、いずれをも含む概念である。以下、特に説明しない場合は同様の概念である。
【0021】
また、排ガスとは、燃焼反応が完了または殆ど完了したガスを意味する。さらに、特に
説明しない場合は、排ガスとは、ボイラの缶体内を通過して煙突部に達したガス、および缶体内にて循環するガスの両方あるいはいずれかを意味するものとする。
【0022】
また、ガス温度は、特に説明しない限り、燃焼反応中のガスの温度を意味し、燃焼温度あるいは燃焼火炎温度と同義である。さらに、ガス温度の抑制とは、ガス(燃焼火炎)温度の最高値を低く抑えることを意味する。なお、通常、燃焼反応は、上述した「燃焼反応が完了したガス」中においても極微量であるが継続しているので、「燃焼反応の完了」とは、燃焼反応の100%完結を意味するものではない。
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0024】
まず、本実施形態にかかるボイラは、複数の水管を用いて燃焼室を形成した缶体と、前記缶体の上部に配置されるバーナとを備え、前記燃焼室のガス排出口を燃焼室側面に設けたボイラにおいて、前記バーナは、液体燃料と気体燃料とを切り替えて使用するバーナであって、液体燃料ノズル部を中心に配置した断面略環状の流通路を有し、先端部の内周面および外周面にガス噴出口を形成した気体燃料供給管と、この気体燃料供給管の外側にこれと同軸状に配置される筒状のエアレジスタと、前記液体燃料ノズル部と前記気体燃料供給管との間に形成され先端に第一バッフル板を設けた第一空気流路と、前記気体燃料供給管と前記エアレジスタとの間に形成され先端に第二バッフル板を設けた第二空気流路とを備えて構成され、前記第二バッフル板に形成した二次空気噴出部に、噴出ガスの流れを前記ガス排出口から遠ざかる方向に制御する流れ制御手段を備えている。
【0025】
このような構成によれば、液体燃料燃焼時および気体燃料燃焼時ともに、前記流れ制御手段の流れ制御作用により、前記バーナからの噴出ガスが、前記ガス排出口のバーナ近傍部からショートパスして流出するのが抑制される。その結果、バーナの燃焼性能を向上させ、有害物質の低減化を実現することができる。すなわち、液体燃料の燃焼時、前記ショートパスの抑制によって前記バーナからのガスの偏流が抑制されることにより、前記バーナ近傍部の自己再循環流れが改善され、均一に自己再循環ガスが流れ込み、燃料液滴の予蒸発や予混合が均一に行われる。その結果、予蒸発や予混合によって局所的な低空気比・高温場の発生が抑えられることから低NOx化につながる。また、ガス燃料の燃焼時においても均一に自己再循環ガスが流れ込むことによって、局所的な低空気比・高温場の発生が抑えられることから低NOx化につながる。さらに、前記ガス排出口から流出するガスのショーパスが抑制されので、CO・煤塵(スモーク)といった未燃成分の排出を抑えることができる。また、前記バーナの構造を殆ど変更することなく、低NOx化および未燃成分の流出抑制を実現できる。
【0026】
つぎに、この実施の形態の各構成要素について説明する。この実施の形態は、ωフローと称される缶体に好適に実施される。その理由は、前記燃焼室のガス排出口が1箇所で前記バーナからのガスの偏流が比較的顕著であることから、前記流れ制御手段による効果が大きいことによる。前記ωフロー缶体は、多数の水管を環状に配置した内側水管群(内側水管壁)と、この内側水管群の外側に多数の水管を配置した外側水管群(外側水管壁)とを備え、内側水管壁の内側を燃焼室とし、この燃焼室の第一ガス排出口を内側水管壁の側面1箇所に設け、前記外側水管壁の燃焼室中心と点対称の位置に第二ガス排出口を設ける。この缶体においては、ガスは、前記第一ガス排出口から燃焼室外へ流出し、前記内側水管壁と前記外側水管壁との間の環状ガス通路において2方向に分岐して流れ、前記第二ガス排出口で合流して前記缶体外へ流出する。
【0027】
しかしながら、前記缶体は、ωフロー缶体に限定されるものではなく、バーナからの噴出ガスが燃焼室側面に形成したガス排出口のバーナ近傍部からショートパスして流出し易い缶体,すなわち、前記燃焼室のガス排出口が、燃焼室の側面において複数箇所に偏って
形成されるωフロー缶体以外の缶体を含む。ここで、前記ガス排出口が偏って形成されるとは、前記燃焼室の側面全体からほぼ均等にガスが流出するのではなく、ガスが前記燃焼室側面の周方向の特定の位置からのみ流出するように特定の位置に前記ガス排出口が形成されることを意味する。
【0028】
前記バーナは、液体燃料と気体燃料とを切り替えて使用するバーナ(切替専燃バーナと称することができる。)であって、液体燃料用の液体燃料ノズル部を中心とした断面略環状の流通路を有し、先端部の内周面および外周面にガス噴出口を形成した気体燃料供給管と、この気体燃料供給管の外側にこれと同軸状に配置される筒状のエアレジスタと、前記液体燃料ノズル部と前記気体燃料供給管との間に形成され先端に第一バッフル板を設けた第一空気流路と、前記気体燃料供給管と前記エアレジスタとの間に形成され先端に第二バッフル板を設けた第二空気流路とを備えた先混合型のバーナである。前記第二バッフル板に形成した二次空気噴出部に、噴出ガスの流れを前記ガス排出口から遠ざかる方向に制御する流れ制御手段を備えている。
【0029】
このバーナは、自己再循環型バーナである。自己再循環型バーナとは、前記二次空気噴出部からの噴出ガス(空気だけも含む。)により、燃焼室内の酸素濃度の低いガスをバーナ基部に引き込み、燃焼用空気と混合することでNOx生成を抑制するタイプのバーナをいう。この自己再循環型のバーナの自己再循環機能と前記流れ制御手段による流れ制御機能とを組み合わせることにより、COや煤塵の低減効果だけでなく、前記の自己再循環流の改善効果による低NOx化において顕著な効果を奏するものである。
【0030】
前記二次空気噴出部は、周方向に互いに間隔を存して6〜8個形成される。前記二次空気噴出部(二次空気噴出口)からのガスの流速は、好ましくは、45〜55m/sの範囲に設定する。その理由は、煤塵の低減と着火性を確保することである。
【0031】
前記流れ制御手段の第一の態様は、この二次空気噴出部から噴出される空気を前記ガス排出口から遠ざかる方向に導く6〜8個の二次空気ノズルを備えた構成とされる。これら二次空気ノズルは、好ましくは、角筒状に形成し、この角筒の前記ガス排出口側の構成壁面を全ての空気ノズルを反ガス排出口側へ向けて傾斜させることにより、前記二次空気噴出部から噴出される空気を前記ガス排出口から遠ざかる方向に導くことができる。しかしながら、前記二次空気ノズルの前記ガス排出口側の構成壁面のみを反ガス排出口側へ向けて傾斜させても良い。前記空気ノズルは、ノズル自体を傾斜させることにより、前記空気噴出部から噴出される空気を前記ガス排出口から遠ざかる方向に導くように構成することができる。
【0032】
前記流れ制御手段の第二の態様は、この二次空気噴出部から噴出される空気の少なくとも一部を前記ガス排出口から遠ざかる方向に導くガイドと、ガイドを備えず前記空気噴出部から噴出される空気の拡散を促す拡散部とを備えた構成とする。前記ガイドは、好ましくは、横断面コ字状に形成する。
【0033】
このような構成によれば、前記ガイドだけではなく前記拡散部を有するため、前記バーナの直近においては、前記液体燃料ノズル部から噴射される燃料と空気とのミキシング状態を一部分不均一にすることができる。つまり、このような構成のバーナによれば、単にミキシング状態を良好にするわけではなく、拡散部によって一部意図的に不均一なミキシング状態を形成することによって、ガス温度の低下を図り、NOx値を低減させることができる。
【0034】
前記第一バッフル板には、中央部に前記液体燃料ノズル部が臨む第一開口とこの第一開口の周囲に同心円状に配置される複数の第二開口と、ガス燃料燃焼時の点火に使用される
パイロットバーナが臨む点火用の第三開口とを形成している。前記第二開口は、好ましくは、前記二次空気噴出部と同じ数として前記二次空気噴出部に対応する位置に形成される。
【0035】
筒状の前記気体燃料供給管の先端部の内周面の前記第一バッフル板の上流側近傍には、ガス噴出口としての内側噴出口が形成され、外周面の前記第二バッフル板の上流側近傍に、ガス噴出口としての外側噴出口が形成される。前記内側噴出口は、隣接する前記第二開口と前記第二開口との間に位置するように形成し、前記外側噴出口は前記二次空気噴出部に対応して形成することができる。
【0036】
前記液体燃料ノズル部は、好ましくは、低燃焼時に低燃焼に必要な燃料を噴霧する第一ノズルと、高燃焼時に高燃焼に必要な燃料を噴霧する第二ノズルとから構成する。この場合、前記液体燃料ノズル部の中心軸は、好ましくは、筒状の前記気体燃料供給管の中心軸に一致させ、前記第二ノズルを前記ガス排出口に近い側とし、前記第一ノズルを反ガス排出側とすることができる。
【0037】
また、前記液体燃料ノズル部は、低燃焼および高燃焼時に燃料を噴霧する第一ノズルと高燃焼時のみ燃料を噴霧する第二ノズルとから構成したり、一つのノズルにより噴霧量を調整するように構成することができる。前記液体燃料ノズル部の中心軸は、前記第一筒部材の中心軸,すなわち前記燃焼室の中心軸に対して反ガス排出口側へ(ガス排出口から遠ざかる方向へ)偏らせることができる。これにより、前記バーナからのガスを全体的に反ガス排出口側へずらせることができ、前記ガス排出口が偏って設けられることによる燃焼性の悪化を抑制することができる。前記液体燃料ノズル部は、ノズルパイプと称することができる。
【0038】
この実施の形態においては、好ましくは、前記缶体から排出される排ガスを前記バーナへ供給と供給停止とを選択可能な外部排ガス再循環手段を備え、前記気体燃料の燃焼時に排ガスを前記バーナへ供給するように構成する。
【0039】
この外部排ガス再循環手段は、前記缶体の排気筒と前記バーナとを連通する排ガス再循環路と、この排ガス再循環路中に設けられ、排ガス再循環をする(排ガスの供給する)かどうかの制御をなす制御手段としてのダンパとを含んで構成される。前記排ガス再循環路の一端を前記バーナへ燃焼用空気を送るための送風機の吸い込み側に接続するが、必要に応じて前記排ガス再循環路に別の送風機を設けて前記バーナまたは前記燃焼室内へ排ガスを供給するように構成することができる。
【0040】
こうした構成を採用することにより、気体燃料燃焼時に前記バーナの性能による低NOx作用に加えて、排ガス再循環による低NOx作用を加えることができ、NOx排出基準値の高い(基準NOx値が低い)ガス焚きボイラの基準値を容易にクリアすることができる。この排ガス再循環を気体燃料燃焼時のみとしているのは、液体燃料燃焼時に排ガス再循環を行うと排ガス中に含まれる硫酸成分による排ガス再循環路などの腐食を避けるためと、液体燃料燃焼時のNOx排出基準値が比較的低いことによる。しかしながら、液体燃料燃焼時においても必要に応じて排ガス再循環を行うように構成することができる。また、この実施の形態においては、前記排ガス再循環に代えて排ガス再循環以外の水噴霧などのNOx低減手段を組み合わせることができる。
【0041】
以上説明した実施形態において、好ましくは、前記バーナの気体燃料燃焼時の火炎と液体燃料燃焼時の火炎は共通の火炎検出器にて検出される。そして、前記バーナの火炎検出器は、好ましくは、前記ガス排出口側に位置する二次空気噴出口の上方に配置される。前記ガス排出側に位置する二次空気噴出口とは、所定の間隔で形成された複数の二次空気噴
出口を前記ガス排出口に近い側とそうでない側(反ガス排出口側)とに分けた場合、前記ガス排出口に近い側に位置する二次空気噴出口をいう。
【0042】
こうした構成を採用することにより、つぎの効果を奏する。すなわち、前記流れ制御手段により前記バーナの火炎が前記ガス排出口側に偏るのを改善できるが、完全に軸対称の火炎とすることはできない。そこで、前記火炎検出器を前記ガス排出側に位置する二次空気噴出口の上方に設けることで、反ガス排出側の二次空気噴出口の上方に設ける場合と比較して火炎検出信号の量が多くなり、より確実に前記バーナの気体燃料燃焼時および液体燃料燃焼時の火炎検出を行うことができる。
【0043】
また、前記気体燃料供給管の内側に設けたパイロットバーナの火炎を同じ前記火炎検出器で検出する場合は、前記第一空気流路の入口側の前記整流板に形成した火炎検出孔と前記第一バッフル板に形成した火炎検出孔を通して、前記火炎検出器が前記パイロットバーナの火炎を検出するように構成する。より具体的には、前記各火炎検出孔の位置や大きさを調整する。この大きさは、前記整流板および前記第一バッフル板が一次空気の流量を制御する機能を有しているので、流量制御により制約を受ける。
【0044】
前記火炎検出器が前記パイロットバーナの火炎をするためには、前記火炎検出器の検出ライン(前記パイロットバーナの火炎と前記火炎検出器のセンサ部とを結ぶ火炎信号の通る道)上に二つの前記火炎検出孔が存在することを要する。また、前記気体燃料供給管が前記検出ラインを遮らないように(邪魔にならないように)その長さを短くするなどの調整を要する。また、前記検出ラインは、前記液体燃料ノズル部および前記パイロットバーナによって遮られないように設定される。
【0045】
この発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、前記ガス排出口が前記バーナの下端部、または火炎形成開始位置近くまで形成されている場合は、前記ショートパスを防止すべく前記ガス排出口の上部を閉塞する遮蔽手段(閉塞手段)を設けることができる。この遮蔽手段の具体的形態としては、前記ガス排出口が水管と水管との間の隙間として形成された場合、この隙間の上端部を遮蔽する遮蔽板とする。この遮蔽板の上下方向の長さは、約250mm〜400mm程度とする。この態様においては、水管の上部を扁平状に形成することで前記水管により前記遮蔽板と同様な機能を有する遮蔽部を構成することができる。前記遮蔽板は、ショートパスの抑制効果を損なわない程度にその一部に開口を形成することができる。また、複数枚の遮蔽板で構成することもできる。
【0046】
このショートパス防止の構成において、前記ガス排出口が水管1本分の外径よりも広い場合、前記ガス排出口に1または複数の水管を配置して、隣接する水管間の隙間を前記ガス排出口とし、この隙間の上部を前記遮蔽板で閉塞するように構成することができる。この遮蔽板は、好ましくは、金属とするが、キャスタブルなどの耐火材で構成することができる。キャスタブルを用いる場合、前記ガス排出口の上部を埋めるように構成することができる。
【0047】
また、こうした前記ガス排出口に水管を配置した構成において、この水管を下部の外径を絞ったものとして、この水管と隣接水管とを上部において接触させることで前記ガス排出口の上部を閉塞することにより、前記バーナと前記ガス排出口とを離間させるように構成することができる。この場合、この水管と隣接水管との間の下部に形成される隙間からガスが流出することになり、ガス排出口として機能する。こうした構成によれば、前記遮蔽板の幅を狭くできるので、前記遮蔽板の熱応力による変形を少なくでき、前記遮蔽板の耐久性を向上することができる。
【実施例1】
【0048】
以下、図面に基づき、本発明の実施例1にかかるボイラについて説明する。
【0049】
図1は、本発明の実施例1にかかるボイラの概略図を示したものである。ここで、図1は、本実施例1にかかるボイラの縦断面の説明図を示している。また、図2は、図1のII−II線に沿う横断面の説明図を示している。また、図3および図4は、本実施例1にかかるボイラに設けられたバーナの概略図を示したものである。ここで、図3は、本実施例1にかかるバーナの縦断面の説明図を示し、図4は、図3に示したバーナの下面図を示している。さらに、図5は、本実施例1におけるガス噴出位置を説明する図であり、図6は、本実施例1にかかるボイラの燃焼状態(ガスの流れ)の概略図を示す図である。
【0050】
図1および図2に示すように、本実施例1にかかるボイラ1は、環状に配列された水管群を有する缶体10と、この缶体10の上部であって前記水管群の中央部に配設された自己再循環型であって、気体燃料の燃焼と液体燃料の燃焼とを切り替えて行うバーナ20とを用いて構成されている。前記バーナ20上方位置には、燃焼用空気を前記バーナ20に供給する、ウインドボックス50が設けられている。
【0051】
前記缶体10は、上部ヘッダ11と下部ヘッダ12との間に複数の水管群(内側水管群13、外側水管群14)を立設して構成されている。それぞれの水管群13,14は、略同心円上の環状に配列されており、内側水管群13から所定間隔を隔てて外側水管群14が設けられ、内側水管群13と外側水管群14との間に環状ガス流路15が形成される。また、本実施例1においては、これらの環状に配設された水管群13,14の内側が、燃焼室16として機能し、この燃焼室16の上方位置に、前記バーナ20が設けられている。
【0052】
また、前記内側水管群13は、各内側水管13a同士を密接させた状態、あるいは隣接する前記内側水管13a間を内側フィン部13bで連接した状態で環状の水管壁として構成されており、その一部にガス排出口17が設けられている。このガス排出口17は、水管の長軸方向に沿って開口されており、前記内側水管群13内部の前記燃焼室16で生成されたガスを前記環状ガス流路15に導くべく機能する。
【0053】
また、前記外側水管群14は、各外側水管14a間に略均等の所定間隔を有した状態で環状に構成されており、前記各外側水管14a間には、隣接する外側水管14a間の隙間をなくすべく連接された外側フィン部14bが設けられている。この外側水管群14の一部には、外側開口部(第二のガス排出口)19が設けられており、この外側開口部19は、燃焼反応のほぼ完了したガスを前記缶体10外部に排出するための排出部として機能する。つまり、バーナ20によって生成されたガスは、前記外側開口部19に集められた後、前記缶体10の下方位置に設けられた排気筒18を介して缶体10外部に排出される。
【0054】
図3および図4に示すように、前記バーナ20は、このバーナ20に対して燃焼用空気を供給する空気供給手段としてのウインドボックス壁51に設置されている。具体的には、前記バーナ20を構成する載置板21を前記壁51に上方から載置して、ボルト等の締結手段(図示省略)にて前記載置板21を前記壁51に締結することによって、前記バーナ20を前記ウインドボックス50内に設置している。
【0055】
本実施例1にかかるバーナ20は、図3および図4に示すように、その中央に液体燃料ノズル部22を備え、このノズル部22を中心に断面略環状の流通路を有する気体燃料供給管23および円筒状のエアレジスタ24を同軸状に配置している。前記ノズル部22と前記気体燃料供給管23との間に一次空気が流通する第一空気流路25を形成し、前記気体燃料供給管23と前記エアレジスタ24との間に二次空気が流通する第二空気流路26を形成している。これらの燃焼用空気は、前記ウインドボックス50内へ空気を供給する
送風機27により供給する。一次空気と二次空気の割合は、一次空気を5〜15%に、二次空気を85〜95%に設定している。液体燃料と気体燃料とは択一的に切り替えて供給するように構成している。
【0056】
前記液体燃料ノズル部22は、低燃焼用の第一液体燃料ノズル22aと高燃焼用の第二液体燃料ノズル22bとからなる。すなわち、高燃焼のときは前記第二液体燃料ノズルから液体燃料を噴霧し、低燃焼のときは前記第一燃料ノズル22aから液体燃料を噴霧する。前記第一空気流路25の先端、すなわち前記液体燃料ノズル部22の下流位置に、第一バッフル板28を設けている。この第一バッフル板28は、中央に第一開口29を備え、その周囲に8個の第二開口30,30,…を備えるとともに、パイロットバーナ31の先端が挿入される第三開口32を備えている。前記第一空気流路25の入口側、上端は整流板25Aにて閉じられ、前記液体燃料ノズル部22が貫通する開口および後記パイロットバーナ31が貫通する開口(いずれも符号省略)と一次空気の量を調整するための開口(図示省略)を形成している。
【0057】
また、前記第二空気流路26の先端には、環状の第二バッフル板33を設けている。この第二バッフル板33には、図4に示すように、周方向にほぼ均等に8つの二次空気噴出部34(34a〜34h)を設け、前記ウインドボックス50から供給された空気は、前記第一開口29および前記第二開口30のみならず、これら二次空気噴出部34を介しても前記燃焼室16側に噴出されるように構成されている。そして、この各二次空気噴出部34に二次空気を流通させ(流速は45〜55m/s)、二次空気をこの各二次空気噴出部34により分割して燃料に供給することにより、分割火炎が形成され、低NOx 化を実現することができるように構成している。
【0058】
前記気体燃料供給管23の先端部においては、外方に気体燃料を噴出する複数の外側噴出口35,35,…と、内方に気体燃料を噴出する複数の内側噴出口36,36,…を設けている。これらの各外側噴出口35および各内側噴出口36は、周方向に互いに間隔を存して複数個設けてあり、外側噴出口35の総開口面積を内側噴出口36の総開口面積より大きくしている。符号37は、前記気体燃料供給管23へ気体燃料を供給するための気体燃料導入管である。前記各内側噴出口36は、図3では1個だけ図示しているが、複数の小孔群から形成している。また、前記各外側噴出口35も、複数(本実施例1では2個)形成している。
【0059】
前記各外側噴出口35は、図5の実線矢視にて示すように、前記各二次空気噴出部34に対応する位置にてガスが噴出するように形成されている。また、前記各内側噴出口36は、図5の二重線矢視にて示すように、隣接する前記第二開口30と前記第二開口30間にガスが噴出するように形成されている。
【0060】
前記二次空気噴出部34は、図3および図4に示すように、前記液体燃料ノズル部22の周囲に設けられている。そして、この二次空気噴出部34は、前記バーナ20にて生成されたガスが、前記缶体10内に設けられた前記ガス排出口17からショートパスしないように、前記二次空気噴出部34から噴出される空気の流れを制御するように構成されている。
【0061】
すなわち、前記二次空気噴出部34には、それぞれの二次空気噴出部34(第一二次空気噴出部34a〜第八二次空気噴出部34h)から噴出される空気を前記ガス排出口17から遠ざかる方向に導く角筒状の二次空気ノズル38(第一二次空気ノズル部38a〜第八二次空気ノズル部38h)を備えている。
【0062】
より具体的には、本実施例1においては、前記第二バッフル板(二次空気供給板)33
に八つの略台形状の貫通孔39(第一貫通孔39a〜第八貫通孔39h)が穿孔されており、それぞれの貫通孔39に前記二次空気ノズル38(第一空気ノズル38a〜第八空気ノズル38h)を接続している。
【0063】
それぞれの二次空気ノズル38は、各二次空気噴出部34から噴出される空気をガス排出口17から遠ざかる方向に導くべく、前記第一二次空気ノズル38a〜第八二次空気ノズル38hのガス排出口17に近い側の第一筒構成壁40a〜第八筒構成壁40hを傾斜させて(ガス排出口17の反対方向(図3においては「右側」)に傾斜させて)構成されている。より、具体的には、図4の二点鎖線の左側の前記第一二次空気ノズル38a,前記第二二次空気ノズル38b,前記第七二次空気ノズル38gおよび第八二次空気ノズル38hは、前記液体燃料ノズル部22から遠い側の第一筒構成壁40a,第二筒構成壁40b,第七筒構成壁40gおよび第八筒構成壁40hを傾斜させている。また、図4の二点鎖線の右側の前記第三二次空気ノズル38c,前記第四二次空気ノズル38d,前記第五二次空気ノズル38eおよび前記第六二次空気ノズル38fは、前記液体燃料ノズル部22に近い側の前記第三筒構成壁40c,前記第四筒構成壁40d,前記第五筒構成壁40eおよび前記第六筒構成壁40fを傾斜させている。前記第一〜第八筒構成壁の傾斜角度θ(取り付け角度)は、5°〜30°程度であることが好ましい。勿論、この傾斜角度θは、前記内側水管13aに火炎状態のガスが接触しないように設定される。
【0064】
さらに、図1を参照して、本実施例1に係るボイラ1は、前記排気筒18を流通する排ガスの一部を前記バーナ20へ供給する外部排ガス再循環手段41を備えている。
【0065】
この外部排ガス再循環手段41は、前記缶体10の排気筒18と前記送風機27の吸気口(符号省略)とを連通する排ガス再循環路42と、この排ガス再循環路42中に設けられ、排ガス再循環をする(排ガスの供給する)かどうかの制御を制御手段としての第一ダンパ43とを含んで構成される。この第一ダンパ43は、本実施例1においては、気体燃料燃焼時に開いて排ガスの供給を行い、液体燃料燃焼時に閉じて排ガスの供給を停止するように構成される。前記送風機27と前記ウインドボックス50とを連通する燃焼空気流路44に設けた第二ダンパ45は、低燃焼風量と高燃焼風量とを切り換える機能を有する。この低燃焼と高燃焼との風量切換は、前記送風機27の回転数制御装置としてのインバータを用いて行うことができる。
【0066】
以上のように構成され本実施例1にかかるボイラ1の動作を図面に基づき説明する。
【0067】
(液体燃料燃焼時)
先ず、液体燃料燃焼時について、以下、図1〜図5に加え、図6を用いて、その動作を具体的に説明する。なお、図6は、低燃焼時における缶体内のガスの流れを示す概略図である。この図6において、破線で示したガス流れ状態図(ガスF0)は、バーナ構造が本実施例1とは異なり、バーナからの空気が略垂直方法に噴出される場合のガス形状(火炎形状)を示しており、実線で示したガス流れ状態図(ガスF1)が、本実施例1にかかるバーナ20にて形成されるガス形状(火炎形状)を示している。
【0068】
本実施例1にかかるバーナ20を低燃焼状態で作動させる場合には、まずは、前記液体燃料ノズル部22への液体燃料の供給、停止を制御する液体燃料弁(図示省略)を開き、前記気体燃料導入管37への気体燃料の供給、停止を制御する気体燃料弁(図示省略)を閉じる。そして、前記第一ダンパ43を閉じた状態で、前記送風機27を駆動させ、前記ウインドボックス50を介して前記第一空気流路25および前記第二空気流路26に空気を供給する。次いで、点火器としてのスパークロッド(図示省略)に通電して、前記パイロットバーナ31へ気体燃料を供給して燃焼させておき、前記第一液体燃料ノズル22aから液体燃料が噴霧させることで燃焼を開始する。
【0069】
つまり、本実施例1においては、前記第一空気流路25および前記第二空気流路26を介して、前記第一開口29,前記第二開口30および前記二次空気噴出部34,すなわち前記二次空気ノズル38から空気が噴出され、この空気と前記第一液体燃料ノズル22aから噴霧される液体燃料とのミキシングが行われる。そして、前記パイロットバーナ31により形成される火炎によって、空気とミキシングされた液体燃料に対して着火が行われる。この着火によって、前記第一液体燃料ノズル22aから噴霧された液体燃料が燃焼し、前記第一液体燃料ノズル22aから液体燃料が噴霧され続ける限り低燃焼状態が維持されることとなる。また、前記第二液体燃料ノズル22bから液体燃料が供給されれば、前記バーナ20は高燃焼状態となる。
【0070】
本実施例1にかかるバーナ20においては、前記液体燃料ノズル部22における燃料供給状態を適宜切り換えること(オンオフ制御する)によって、停止状態、低燃焼状態、および高燃焼状態のいずれかへの切り換えが可能である。すなわち、燃焼状態継続時においては、低燃焼から高燃焼、あるいは高燃焼から低燃焼への切り換えが可能である。
【0071】
前記バーナ20に対する燃焼空気の供給量は、前記第二ダンパ45を用いて調整される。そして、この燃焼空気は、液体燃料の供給量に対応して供給される。例えば、同様の燃料供給性能を有する2つのノズルチップを用いて構成されたバーナにおいて、前記第一液体燃料ノズル22aから液体燃料を噴霧させる際(低燃焼時)に供給される空気量を「1」とすれば、前記第二液体燃料ノズル22bから液体燃料を噴霧させる際(高燃焼時)に供給される空気量を「2」とする。このような空気量の調整を、本実施例1では、前記第二ダンパ45を用いて行っている。
【0072】
さて、以上のように構成され機能するボイラ1においては、図6に示すように、前記バーナ20の低燃焼時、前記缶体10内にて前記燃焼室16の中央部を略中心としてほぼ均一に広がったガスF1(実線)が形成される。このような形状のガスF1が形成されるのは、前記液体燃料ノズル部22の周囲に設けられた前記二次空気噴出部34が、前記二次空気ノズル38に工夫を施すことにより、前記缶体10内に設けられたガス排出口17から前記バーナ20にて生成されたガスがショートパスしないように、前記二次空気噴出部34から噴出される空気の流れを制御可能に構成されているからである。
【0073】
仮に、本実施例1のような前記二次空気ノズル38を有しないとすれば、前記バーナ20にて生成されるガスは、前記ガス排出口17側に引っ張られることによって、前記燃焼室16内に形成されるガスは、図6の破線にて示したガスF0のようになる。つまり、従来から知られているボイラには、本実施例1に示すようなガスの流れを前記ガス排出口17から遠ざかるように制御する前記二次空気ノズル38は設けられていないため、前記燃焼室16内においてはこのような形状のガスF0が形成されていたと考えられる。このような場合には、前記燃焼室16内において、ガスが前記ガス排出口17側へ引っ張られるため、前記燃焼室16内での排ガス循環流が阻害される等の問題が生ずる。
【0074】
しかしながら、本実施例1においては、上述した通り、前記二次空気ノズル38を設けることによって、前記燃焼室16内において均一に広がったガスF1を形成可能となる。したがって、本実施例1によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0075】
すなわち、前記バーナ20にて生成されたガスが、前記二次空気ノズル38により、前記燃焼室16に設けられたガス排出口17からショートパスすることが抑制されるので、前記バーナ20の燃焼性能を向上させ、有害物質の低減化を実現することができる。すなわち、前記バーナ20からのガスの偏流が抑制され(ガスが前記ガス排出口17側へ引っ張られることが抑制され)、前記バーナ20近傍部の自己再循環流れが改善され、均一に
自己再循環ガスが流れ込み、予蒸発や予混合が均一に行われるとともに、適切な分割火炎が形成される。その結果、燃料液滴の予蒸発や予混合によって局所的な低空気比・高温場の発生が抑えられるとともに、適切な分割火炎が形成されることによりガスF1の表面積が大きくなってガス温度が低下する。これにより低NOx化を実現することができる。また、前記ガス排出口17から流出するガスのショーパスが抑制されので、COや煤塵といった未燃成分の排出を抑えることができる。
【0076】
(気体燃料燃焼時)
つぎに、気体燃料燃焼時の動作を説明する。図1を参照して、本実施例1にかかるバーナ20を低燃焼状態で作動させる場合には、前記液体燃料弁を閉じ、前記第一ダンパ43を開いた状態で、送風機27を駆動させ、前記ウインドボックス50を介して前記第一空気流路25および前記第二空気流路26に空気を供給する。そして、前記スパークロッドを用いて、前記パイロットバーナ31を点火した後、前記気体燃料弁を低燃焼状態に開く。
【0077】
本実施例1にかかるバーナ20においては、前記気体燃料導入管37への気体燃料供給量を調整することによって、停止状態、低燃焼状態、および高燃焼状態のいずれかへの切り換えが可能である。すなわち、燃焼状態継続時においては、低燃焼から高燃焼、あるいは高燃焼から低燃焼への切り換えが可能である。
【0078】
この気体燃料燃焼時の低燃焼時の動作を説明する。高燃焼時の動作は、基本的には、低燃焼時と同様であるので、その説明を省略する。図3を参照して、前記外側噴出口35および前記内側噴出口36より気体燃料が噴出し、前記内側噴出口36から噴出した気体燃料は、前記第一空気流路25からの一次空気と混合し、前記第一バッフル板28の下流位置に小火炎が形成される。この小火炎は、種火として作用し、保炎性が向上する。前記外側噴出口35から噴出した気体燃料は、前記第二空気流路26からの二次空気と混合して、前記各二次空気ノズル38a〜38hから噴出され、前記第二バッフル板29の下流位置に大火炎が形成される。二次空気は、前記各二次空気ノズル38a〜38hにより分割して供給され、分割火炎が形成されると共に、自己再循環により、低NOx 化を達成することができた。
【0079】
この気体燃料燃焼時においても、前述した液体燃料燃焼時と同様に、前記バーナ20にて生成されたガスが、前記二次空気ノズル38により、前記燃焼室16に設けられたガス排出口17からショートパスすることが抑制されるので、前記バーナ20の燃焼性能を向上させ、NOxの低減化を実現することができる。
【0080】
以上説明した本実施例1では、前記各二次空気ノズル38a〜38hからの二次空気の流速を45〜55m/sと比較的高めに設定していることにより、油燃焼時の煤塵を低減することができる。
【0081】
さらに、前記排ガス再循環手段41による排ガス再循環により、前記排気筒18から排出される排ガスの一部は、前記排ガス再循環路42を経て、前記送風機27にて吸い込まれて、前記ウインドボックス50へ供給される。その結果、酸素濃度の低下により、燃焼が緩慢となり、前記バーナ20により形成される火炎温度が抑制されて、NOxが低減されることにより、更に低NOx化を達成することができた。
【実施例2】
【0082】
この発明は、前記実施例1に限定されるものではなく、前記二次空気噴出部34を図7のように構成することができる。
【0083】
本実施例2の二次空気噴出部34は、それぞれの二次空気噴出部34(第一二次空気噴出部34a〜第八二次空気噴出部34h)から噴出される空気の少なくとも一部をガス排出口17から遠ざかる方向に導くガイド46(第一ガイド46a〜第八ガイド46h)と、それぞれの二次空気噴出部34(第一二次空気噴出部34a〜第八二次空気噴出部34h)から噴出される空気の拡散を促す拡散部47(第一拡散部47a〜第八拡散部47h)とを有している。
【0084】
そして、本実施例2においては、前記実施例1と同様に八つの略台形状の貫通孔39(第一貫通孔39a〜第六貫通孔39h)が穿孔されている。前記実施例1と異なるのは、それぞれの貫通孔39におけるガス排出口17側(本実施例の図7においては「左側」)に板状部材を用いてガイド46(第一ガイド46a〜第六ガイド46h)が構成されている。このガイド46は、それぞれの前記貫通孔39の一部を覆うべく構成されており、本実施例2においては、このガイド46にて覆われていない部分が、前記二次空気噴出部34から噴出される空気の拡散を促す拡散部47(第一拡散部47a〜第八拡散部47h)として機能する。
【0085】
それぞれのガイド46は、前記各二次空気噴出部34から噴出される空気の少なくとも一部(主に前記貫通孔39のガイド46によって覆われている領域の空気)を前記ガス排出口17から遠ざかる方向に導くべく、板状部材を傾斜させて(前記ガス排出口17の反対方向(図7においては「右側」)に傾斜させて)構成されている。この際の傾斜角度θ(取り付け角度)は、5°〜30°程度であることが好ましい。
【0086】
また、それぞれのガイド46は、前記液体燃料ノズル部22からコーン状(ノズル部22を頂点とした三角錐状)に噴霧される液体燃料が接触しないように、前記各ガイド46の高さが設定されている。本実施例2においては、図7の右側に図示された第五ガイド46eが、左側に図示された第一ガイド46aよりも液体燃料に接触しやすい位置に設けられているため、第五ガイド46eの方が第一ガイド46aよりも低く設けられている。こうした理由は、前記実施例1と比較して前記バーナ22による燃料噴射角が広いことによる。
【0087】
前記拡散部47(第一拡散部47a〜第八拡散部47h)は、上述したように、前記貫通孔39のうち前記ガイド46にて覆われていない部分(図7において破線で囲った領域)である。この部分(拡散部47)には、前記ガイド46等のような第二空気流路26を介して供給された空気を整流するための要素が設けられていないため、前記拡散部47から噴出された空気は急拡大することになる。
【0088】
したがって、本実施例2のバーナ20においては、前記二次空気噴出部34から噴出される空気は、前記ガイド46によって前記ガス排出口17から遠ざかる方向に導かれると共に、その一部が前記拡散部47によって拡散が促進されることとなる。
【0089】
本実施例2にかかるボイラ1においても、図示しないが基本的には図6と同様に、バーナ20の低燃焼時および高燃焼時、前記缶体10内にて燃焼室16の中央部を略中心として均一に広がったガスF1(実線)が形成される。このような形状のガスF1が形成されるのは、前記液体燃料ノズル部22の周囲に設けられた前記二次空気噴出部34が、前記燃焼室16内に設けられたガス排出口17から前記バーナ20にて生成されたガスがショートパスしないように、前記二次空気噴出部34から噴出される空気の流れを制御可能に構成されているからである。
【0090】
また、本実施例2にかかる前記バーナ20を構成する前記二次空気噴出部34は、上述した種々の効果を発揮する前記ガイド46と共に、前記拡散部47をも有している。この
拡散部47は、先にも説明したとおり、前記貫通孔39のうち前記ガイド46にて覆われていない部分である(図7参照)。つまり、この拡散部47には、前記ガイド46等のような空気を整流するための要素が設けられていないため、前記拡散部47から噴出された空気は、前記拡散部46のエッジ部分(前記貫通孔39のエッジ部分)にて急拡大することになる。そうすると、前記バーナ20直近においては、空気に小さな乱れが生じ、前記液体燃料ノズル部22から噴霧される液体燃料と空気とのミキシング状態を一部不均一にすることができる。本実施例2にかかるバーナ20は、このような拡散部47を有するため、単にミキシング状態を良好にするわけではなく、一部意図的に不均一なミキシング状態を形成することができる。すなわち、本実施例2においては、前記拡散部47を設けることによって、前記バーナ20近傍において濃淡燃焼的な燃焼状態を形成可能となるため、ガス温度の低下を図り、NOx値を低減させることができる。
【0091】
以上説明したように、本実施例2にかかるボイラ1は、前記缶体10の燃焼室16内でガスF1を十分に拡大させることによるガス温度の低下、前記缶体10内で形成される適切な排ガス循環流によるガス温度の低下、適切な分割火炎が形成されることによるガス温度の低下、および前記拡散部47によって形成される濃淡燃焼によるガス温度の低下の相乗効果によって、NOxの低減を図ることができる。
【実施例3】
【0092】
つぎに、この発明の実施例3を図8に基づき説明する。本実施例3は、基本的には前記実施例1と同様であり、異なるのは、図8に示すように、前記実施例1の前記各外側噴出口35に噴出管48を設けた点である。こうした構成を採用することにより、前記実施例1と比較して排出NOx値を低減できた。その理由は、前記噴出管48を設けることにより、火炎を半径方向に拡大させることができ、火炎表面積が増大して、火炎温度が低下し、NOxが低減されると考えられる。この実施例3の噴出管48は、前記実施例2においても適用できる。
【0093】
前記噴出管48は、前記各前記第一二次空気ノズル38a〜第八二次空気ノズル38h毎に1乃至複数本設けることができる。また、前記噴出管48を設ける前記外側噴出口35と、前記噴出管48を設けない前記外側噴出口35とを設けることができる。さらに、前記噴出管48は、好ましくは、図9に示すように、前記ガス排出口17に近い側の前記第一二次空気ノズル38a,前記第二二次空気ノズル38b,前記第七二次空気ノズル38gおよび第八二次空気ノズル38hにおける本数を、前記ガス排出口17に遠い側の前記第三二次空気ノズル38c,前記第四二次空気ノズル38d,前記第五二次空気ノズル38eおよび前記第六二次空気ノズル38fよりも多くする(この図9では、近い側の前記噴出管48の本数を2本とし、遠い側の本数を零としている)。さらに、必要に応じて、複数本の前記噴出管48,48,…の突出長さや管径を異ならせることができる。
【実施例4】
【0094】
つぎに、この発明の実施例4を図10〜図14に基づき説明する。本実施例4は、前記実施例1において、前記バーナ20による気体燃料燃焼時の火炎と液体燃料燃焼時の火炎と前記パイロットバーナ31による火炎を一つの共通の火炎検出器52にて検出するように構成されている。図10は、前記液体燃料ノズル部22および前記パイロットバーナ31を図示省略した状態の本実施例4の要部縦断面の説明図であり、図11は、図10において、ウインドボックス50をその上方からみた平面の説明図であり、図12は、図10におけるXII−XII線断面図であり、図13は、図10におけるXIII−XIII線拡大断面図であり、図14は、前記バーナ20を下方からみた底面の拡大説明図である。
【0095】
この実施例4は、前記実施例1と比較して全体としてボイラを小型化しているが、基本的には、前記実施例1と同様の構成を有し、前記気体燃料供給管23の長さや単一の前記
火炎検出器52にて3つの火炎を検出するための構成において前記実施例1と異なっている。以下、異なる部分を中心に説明し、共通部分は同じ符号を付してその説明を省略する。また、説明していない前記実施例1の構成要素も備えている。
【0096】
前記火炎検出器52は、CdSセルからなるセンサ部53を内蔵した周知の構造のものが用いられ、前記ウインドボックス50の上壁54に固定されている。その取付位置は、前記ガス排出口17側に位置する前記二次空気噴出部34bの上方としている。ここで、前記ガス排出17側に位置する二次空気噴出部とは、前記第一二次空気噴出部34a〜第八二次空気噴出部34hを図12および図14に示すように前記ガス排出口17に近い側(図12および図14の二点鎖線の左側)と、そうでない側(反ガス排出口17)(図12および図14の二点鎖線の右側)とに分けた場合、左側に位置する二次空気噴出部をいい、この実施例4では、前記第二二次空気噴出部34bとしている。前記ガス排出口17は、図12〜14において矢視X方向の先に形成されている。
【0097】
また、図13および図14に示す前記パイロットバーナ31は、この実施例4では、図3において前記液体燃料ノズル部22の後方に位置するように配置される。そして、このパイロットバーナ31の火炎を同じ前記火炎検出器52で検出するように構成されている。すなわち、前記上壁54に形成した第一火炎検出孔55と、前記整流板25Aに形成した第二火炎検出孔56と、前記第一バッフル板28に形成した第三火炎検出孔57を通して、前記火炎検出器52が前記パイロットバーナ31により形成される火炎を検出するように構成されている。
【0098】
これを実現するために、この実施例4では、前記各火炎検出孔の位置や大きさを調整する。これらの大きさは、前記整流板25Aおよび前記第一バッフル板28が一次空気の流量を制御する機能を有しているので、流量制御の制約の範囲で、調整される。
【0099】
前記火炎検出器52が前記パイロットバーナ31の火炎をするためには、図10に示すように、前記ウインドボックス50に形成した前記第一火炎検出孔55,前記整流板25Aに形成した前記第二火炎検出孔56および前記第一バッフル板28に形成した前記第三火炎検出孔57が前記パイロットバーナ31の火炎部と前記火炎検出器52のセンサ部53とを結ぶ火炎の光が通る道である第一検出ライン58A上に位置するように構成される。また、前記気体燃料供給管23は、前記第一検出ライン58Aを遮らないように図1の実施例と比較してその長さを短く形成されている。さらに、前記第一検出ライン(光路)58Aは、前記液体燃料ノズル部22および前記パイロットバーナ31によって遮られないように形成されている。
【0100】
また、前記バーナ20による気体燃料燃焼時の火炎と液体燃料燃焼時の火炎は、前記第一火炎検出孔55および前記第二貫通孔39bを貫通する第二検出ライン58Bの光路で、前記火炎検出器52にて検出されるように構成されている。
【0101】
図11を参照して、前記上壁54には、前記第一火炎検出孔55以外に、前記パイロットバーナ31が貫通する第四開口59と前記液体燃料ノズル部22が貫通する第五開口60,60を形成している。
【0102】
また、図12を参照して、前記整流板25Aには、前記第二火炎検出孔56の他に前記パイロットバーナ31が貫通する第六開口61と前記液体燃料ノズル部22が貫通する第七開口62,62を形成するとともに、一次空気が流入する第八開口63を形成している。
【0103】
さらに、図13および図14を参照して、前記第一バッフル板28には、前記第三火炎
検出孔57の他に、前記液体燃料ノズル部22および前記パーロットバーナ31が貫通する大きめの第九開口64と空気孔としての第十開口65を形成している。符号66は、着火碍子である。前記第九開口64,前記第十開口65は、前記第一検出ライン58Aの設定範囲を拡げることを意図して形成している。
【0104】
以上の構成を有する実施例4の動作を説明する。前記バーナ20の液体燃料燃焼時の火炎は、図6のF1のように形成される。そして、その火炎は、図10に示す前記第二検出ライン58Bを通して、前記火炎検出器52により検出される。
【0105】
また、気体燃料燃焼時の火炎も液体燃料燃焼時とほぼ同様に前記火炎検出器52により検出される。この気体燃料燃焼時には、前記パイロットバーナ31に着火して、メインの火炎の制御が行われる。このパイロットバーナ31の火炎は、図10に示す前記第一検出ライン58Aを通して検出される。
【0106】
この実施例4によれば、前記二次空気噴出部34の流れ制御作用により、前記ガス排出口17側に偏るのが改善されて形成されるが、完全に軸対称の火炎とすることはできない。しかしながら、前記火炎検出器52を前記ガス排出17側に位置する前記二次空気噴出部34bの上方に設けているので、反ガス排出17側の二次空気噴出部の上方に設ける場合と比較して火炎検出信号の量が多くなり、より確実に前記バーナ20の気体燃料燃焼時および液体燃料燃焼時の火炎検出を行うことができる。
【0107】
また、前記二次空気噴出部34を筒状に形成していることにより、前記第二貫通孔39bを通しての前記パイロットバーナ31の火炎検出は不可能である。しかしながら、この実施例4によれば、前記パイロットバーナ31の設置位置が、反ガス排出口17側に配置されたとしても、前記第一検出ライン58Aを通して前記パイロットバーナ31の火炎を確実に検出することができ、着火性を向上させることができる。
【0108】
なお、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で必要に応じて種々の変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。たとえば、上述した実施例1および実施例2においては、それぞれの二次空気噴出部34に設けられた前記二次空気ノズル38の各構成壁40a〜40hおよび前記ガイド46が同様の方向に同様の角度で傾斜して設けられる場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。したがって、例えば、それぞれの各構成壁40a〜40hおよびガイド46a〜46hの設置傾斜角度を適宜異なるように構成してもよい。
【0109】
また、上述した実施例2においては、前記ガイド46が、断面コ字形状の板状部材(スコップ型)を用いて構成された場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、前記二次空気噴出部34から噴出される空気の少なくとも一部を前記ガス排出口17から遠ざかる方向に導くことが可能であれば、どのような構成であってもよい。したがって、例えば、一枚の平板状の板状部材を用いてガイド46を構成してもよい。具体的には、それぞれの二次空気噴出部34を成す前記貫通孔39の前記ガス排出口17に最も近接する「一辺」に、平板状の板状部材を傾斜させて設けてもよい。このような構成であっても、前記二次空気噴出部34から噴出される空気の少なくとも一部を前記ガス排出口17から遠ざかる方向に導くことが可能であるから、上述した種々の効果を得ることができる。
【0110】
また、上述した実施例1,2においては、高燃焼用の前記第二液体燃料ノズル22bおよび低燃焼用の第一液体燃料ノズル22a間の中心が前記気体燃料供給管23の中心軸に重なるように配置しているが、前記第二液体燃料ノズル22bを前記気体燃料供給管23の中心軸上に配置し、前記第一液体燃料ノズル22aを前記中心軸に対して前記ガス排出
口17から遠ざかる側に離間して配置することができる。また、単一のノズル(図示省略)により低燃焼量と高燃焼量とを切り換えて供給するバーナにも本発明は適用可能である。
【0111】
さらに、上記各実施例においては、液体燃料の種類については特に説明しなかったが、本発明は特定の液体燃料や気体燃料に限定されず、灯油、A重油、B重油、C重油等の液体燃料について、13A,LPG,12A等の気体燃料について適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施例1にかかるボイラの縦断面の説明図である。
【図2】図1のII−II線に沿う横断面の説明図である。
【図3】本実施例1にかかるバーナの縦断面の説明図である。
【図4】図3に示したバーナの下面図を示したものである。
【図5】本実施例1のガス噴出位置を説明する図である・
【図6】低燃焼時におけるガスの流れを示す概略図である。
【図7】本発明の他の実施例2にかかるボイラの図3に対応する縦断面の説明図ある。
【図8】本発明の他の実施例3にかかるボイラの図3に対応する縦断面の説明図ある。
【図9】実施例3の変形例におけるバーナの下面からみた概略図である。
【図10】本実施例4の要部縦断面の説明図である。
【図11】図10において、ウインドボックス50をその上方からみた平面の説明図である。
【図12】図10におけるXII−XII線断面図である。
【図13】図10におけるXIII−XIII線拡大断面図である。
【図14】本実施例4のバーナ20を下方からみた底面の拡大説明図である。
【符号の説明】
【0113】
1…ボイラ
10…缶体
16…燃焼室
17…ガス排出口
18…排気筒
20…バーナ
22…液体燃料ノズル部
22a…第一液体燃料ノズル部
22b…第二液体燃料ノズル部
23…気体燃料供給管
24…エアレジスタ
25…第一空気流路
25A…整流板
26…第二空気流路
28…第一バッフル板
33…第二バッフル板
34…二次空気噴出部
34a〜34h…第一二次空気噴出部〜第八二次空気噴出部
38…二次空気ノズル
38a〜38f…第一二次空気ノズル〜第八二次空気ノズル
40a〜40h…第一筒構成壁〜第八筒構成壁
46…ガイド
46a〜46h…第一ガイド〜第八ガイド
47…拡散部
47a〜47h…第一拡散部〜第八拡散部
50…ウインドボックス
52…火炎検出器
55,56,57…火炎検出孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の水管を用いて燃焼室を形成した缶体と、前記缶体の上部に配置されるバーナとを備え、前記燃焼室のガス排出口を燃焼室側面に設けたボイラにおいて、
前記バーナは、液体燃料と気体燃料とを切り替えて使用するバーナであって、液体燃料ノズル部を中心に配置した断面略環状の流通路を有し、内周面および外周面にガス噴出口を形成した気体燃料供給管と、この気体燃料供給管の外側にこれと同軸状に配置される筒状のエアレジスタと、前記液体燃料ノズル部と前記気体燃料供給管との間に形成され先端に第一バッフル板を設けた第一空気流路と、前記気体燃料供給管と前記エアレジスタとの間に形成され先端に第二バッフル板を設けた第二空気流路とを備えて構成され、
前記第二バッフル板に形成した二次空気噴出部に、噴出ガスの流れを前記ガス排出口から遠ざかる方向に制御する流れ制御手段を備えたことを特徴とするボイラ。
【請求項2】
前記流れ制御手段が、噴出ガスを前記ガス排出口から遠ざかる方向に導く板状部材を含む角筒状に形成される二次空気ノズルであることを特徴とする請求項1に記載のボイラ。
【請求項3】
前記缶体から排出される排ガスを前記バーナへの供給と供給停止とを選択可能な外部排ガス再循環手段を備え、前記気体燃料の燃焼時に排ガスを前記バーナへ供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラ。
【請求項4】
前記バーナの火炎検出器を前記ガス排出口側に位置する二次空気噴出部の上方に配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボイラ。
【請求項5】
前記流れ制御手段を筒状に形成するとともに、前記気体燃料供給管の内側に気体燃料燃焼時の着火用パイロットバーナを備え、
前記第一空気流路の入口側の前記整流板に形成した火炎検出孔と前記第一バッフル板に形成した火炎検出孔を通して、前記火炎検出器が前記パイロットバーナの火炎を検出するように構成したことを特徴とする請求項4に記載のボイラ。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−134037(P2008−134037A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−53963(P2007−53963)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【出願人】(504143522)株式会社三浦プロテック (488)
【Fターム(参考)】