説明

ボディのマウンティング装置

【課題】 ボディのマウント方法を簡略化し、マウント作業に要する作業の工数削減とコストダウンを可能とするボディのマウンティング装置を提供する。
【解決手段】 トラックのシャーシ側のシャーシフレーム10とボディ側のボディフレーム20を締結するボディのマウンティング装置であって、前記シャーシフレーム10に取り付けられる凹状対向ブラケット30と、前記ボディフレーム20に取り付けられる凸状対向ブラケット40と、前記凹状対向ブラケット30と前記凸状対向ブラケット40の合わせ面に形成されたボルト穴に通されるボルト50と、前記ボルト50とともに前記凹状対向ブラケット30と前記凸状対向ブラケット40とを締結するナット70を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックのシャーシ側のシャーシフレームとボディ側のボディフレームを締結するボディのマウンティング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックのシャーシ側のシャーシフレームとボディ側のボディフレームの締結構造としては、例えば特許第3189672号公報の図1〜図3に開示されているように、ボディフレーム(縦根太)がシャーシフレームに載置され、ボルト型対向ブラケット、Uボルト等の締結部材により、シャーシフレームのホイールベース間及びリヤオーバーハング部に亘って複数個所でシャーシフレームに締結されマウントされる。
【0003】
ボルト型対向ブラケットは、ボルトの両端にブラケットの各一端が螺着固定され、ボルトが鉛直方向に対して傾斜又は鉛直方向に配置され、一方のプラケットがシャーシフレームに、他方のブラケットがボディフレームにボルトにより固定されてボルトの軸力によりシャーシフレームにボディフレームを拘束する。
【0004】
また、Uボルトは、シャーシフレームの下方から当該シャーシフレームとボディフレームを取り込み、ボディフレームの上方に突出する両端間にブラケットを架橋させて装着し、ダブルナットを締め付けてボディフレームの上面に圧接させてシャーシフレームにボディフレームを拘束する。
【0005】
さらに、特開平9−2321号公報に図5に開示されているように、ボディフレームとシャーシフレームの間にスペーサを兼ねた絶縁材を挟み、ボディフレームの滑りを止める鋼製の滑り止め部材により、ボディフレームとシャーシフレームとを固定していた。
【特許文献1】特許第3189672号公報
【特許文献2】特開平9−2321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の締結構造は、ボルト型対向ブラケット、Uボルト、滑り止め部材という3種類の締結部材を使用して、シャーシフレームとボディフレームを締結するので、ボディのマウント時の位置決めや、締結する作業に時間と労力を要していた。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、ボディのマウント方法を簡略化し、マウント作業に要する作業の工数削減とコストダウンを可能とするボディのマウンティング装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために本発明のボディのマウンティング装置は、トラックのシャーシ側のシャーシフレームとボディ側のボディフレームを締結するボディのマウンティング装置であって、前記シャーシフレームに取り付けられる凹状対向ブラケットと、前記ボディフレームに取り付けられる凸状対向ブラケットと、前記凹状対向ブラケットと前記凸状対向ブラケットの合わせ面に形成されたボルト穴に通されるボルトと、前記ボルトとともに前記凹状対向ブラケットと前記凸状対向ブラケットとを締結するナットを備える。
そして、前記凹状対向ブラケットは、シャーシフレーム側に傾斜スライド部を有し、前記凸状対向ブラケットは、フレーム側に傾斜面を有することが望ましい。
さらに、前記ナットと前記凸状対向ブラケットの間にワッシャーを挟むことが望ましい。
さらに、前記凹状対向ブラケットの合わせ面と前記凸状対向ブラケットの合わせ面の間にクリアランスを設けることが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のボディのマウンティング装置は、シャーシフレームとボディフレームを締結するためのボルト、ナット類が点数が少なくなるので、締結のための作業時間が削減される。また、締結部品が1種類で従来の3種類の締結部品の役割を果たすので、部品の共通化が図ることができ、コストが削減される。
【0010】
さらに、凹状対向ブラケット及び凸状対向ブラケットに形成された傾斜スライド部及び傾斜面等により、シャーシフレームとボディフレームの前後と左右の位置決めと締め付けを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態の一例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るマウンティング装置の斜視図、図2は図1のマウンティング装置の断面斜視図、図3は図1のマウンティング装置の分解斜視図である。
【0012】
図1において、10はトラックのシャーシ側のシャーシフレームであり、ボディ側のボディフレーム20は、このシャーシフレーム10に後述するマウンティング装置により締結される。
【0013】
凹状対向ブラケット30は、前記シャーシフレーム10の取付け用穴11にボルトとナット(図示せず)により取付けられる。前記凹状対向ブラケット30は図2に示すように、前記シャーシフレーム10に面接触し、取付け用穴が形成された垂直板状部31、前記垂直板状部31に溶接等により固定されるとともにボルト穴32aが形成された凹状部32、及び前記垂直板状部31の上端に溶接等により固定されとともに、前記垂直板状部31に立てかけるように配設され、前記凹状部32に溶接等により固定された傾斜スライド部33から構成される。
【0014】
凸状対向ブラケット40は、前記ボディフレーム20の取付け用穴21にボルトとナット(図示せず)により取付けられる。前記凸状対向ブラケット40は図1及び図2に示すように、ちり取り本体のような形状を呈しており、前記ボディフレーム20に面接触し、取付け用穴41が形成された垂直取付部42、前記垂直取付部42に延設され前記傾斜スライド部33に当接する傾斜面43、及び前記凹状部32に嵌合されるとともにばか穴44aが合わせ面に形成された水平取付部44(図3参照)、及び側壁部45から構成される。
【0015】
図3に示すように、前記シャーシフレーム10に取付けられた凹状対向ブラケット30に、前記凸状対向ブラケット40が嵌合される。この時、前記傾斜面43は前記傾斜スライド部33に沿ってガイドされるので、嵌合の位置合わせが容易である。そして、前記ボルト穴32a及び前記ばか穴44aにボルト50が通され、ワッシャー60を挟んでナット70で前記凹状対向ブラケット30と前記凸状対向ブラケット40を締結される。
【0016】
なお、前記凹状対向ブラケット30の合わせ面と前記凸状対向ブラケット40の合わせ面の間にクリアランスC(図2)を設けることが望ましい。クリアランスCは大きくとり過ぎないようにする。
【0017】
また、所定の間隔で配列された断面がコの字形又はJの字形の横根太101と、断面が略Z字形又はコの字形のボディフレーム20は、ボルト102及びナット103で固定される。なお、本発明のボディのマウンティング装置は、Uボルトと併用して使用される場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係るマウンティング装置の斜視図である。
【図2】図1のマウンティング装置の断面斜視図である。
【図3】図1のマウンティング装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
10 シャーシフレーム 20 ボディーフレーム
30 凹状対向ブラケット 40 凸状対向ブラケット
50 ボルト 60 ワッシャー
70 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックのシャーシ側のシャーシフレームとボディ側のボディフレームを締結するボディのマウンティング装置であって、
前記シャーシフレームに取り付けられる凹状対向ブラケットと、
前記ボディフレームに取り付けられる凸状対向ブラケットと、
前記凹状対向ブラケットと前記凸状対向ブラケットの合わせ面に形成されたボルト穴に通されるボルトと、
前記ボルトとともに前記凹状対向ブラケットと前記凸状対向ブラケットとを締結するナットを備えるボディのマウンティング装置。
【請求項2】
前記凹状対向ブラケットは、シャーシフレーム側に傾斜スライド部を有し、
前記凸状対向ブラケットは、フレーム側に傾斜面を有することを特徴とする請求項1記載のボディのマウンティング装置。
【請求項3】
前記ナットと前記凸状対向ブラケットの間にワッシャーを挟んだことを特徴とする請求項1又は2記載のボディのマウンティング装置。
【請求項4】
前記凹状対向ブラケットの合わせ面と前記凸状対向ブラケットの合わせ面の間にクリアランスを設けたことを特徴とする請求項1記載のボディのマウンティング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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