説明

ボトリオスファエリア・ロジナのポリペプチド

本発明は、ボトリオスファエリア・ロジナCBS247.96から分泌される機能的ポリペプチドに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野:
本発明は、受託番号CBS247.96として寄託されたジプロドラ・ゴシピナ(Diplodla gossypina)、別名ボトリオスファエリア・ロジナ(Botryospaeria rhodina)のmRNAに含まれるポリヌクレオチドによりコードされる機能的ポリペプチドに関する。本発明はさらに、そのようなポリペプチドをコードするか、又はそれらの発現を促進する前記ポリヌクレオチド、及びそのようなポリヌクレオチドの構造体、並びに前記ポリペプチドの調製方法に関する。さらに、本発明は、前記ポリペプチドを含んで成る組成物、及び前記ポリペプチドの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景:
ボトリオスファエリア・ロジナ(Berk. &M.A. Curtis)Arx. (別名、Diplodia gossypina Cooke)。非常に少数の報告が、この生物の特徴化に関して公開されており;Selbmannなど., 2003は、ボトリオスファエリア・ロジナからのエキソポリサッカリドの生成を報告している(Selbmann L, Stingele F, and Petruccioli M (2003) Exopolysaccharide production by filamentous fungi: the example of Botryosphaeria rhodina. Antonie van Leeuwenhoek, 84:2, pp.135-145)。タバコのための風味剤としてβ−ダマスコンをヒドロキシル化するためへのボトリオスファエリア・ロジナの使用に関する1つの特許が存在する(CH654567−A)。ジャスミン酸はまた、前記生物を発酵することにより生成され得る(EP1118672-A)。セロビオヒドロラーゼ(WO03/000941−A2)及びラクターゼ(WO01/49878−A)の存在は、これまで報告されている。
【0003】
新規酵素の研究においては、特定の酵素アッセイに可能性ある候補体をゆだねることにより、そのような新規酵素をスクリーニングすることはまた知られている。このアプローチは、酵素アッセイの有効性に制限され、そしてその活性がまだ未知である機能的酵素又はポリペプチドの同定を可能にしない。
さらに、完全なゲノム配列決定は、Fleischmann など. ; Whole genome sequences and assembly of Haemophilus influenzae Rd ; Nature 269: 496-512; (1995)に記載のようにして、所定の微生物からのすべての遺伝子に基づく情報を得るための既知方法である。
【0004】
産業用使用のためのほとんどの酵素は、微生物により培地に分泌される酵素である。しかしながら、わずか数%の微生物のゲノムが、分泌されるタンパク質をコードしている。例えば、わずか約4%のバシラス・サブチリスゲノム又はその接近した関連物が分泌されるタンパク質をコードする(Van Dijl など. : Protein transport pathways in Bacillus subtilis : a genome-based road map; in"Bacillus subtilis and its closest relatives"-From genes to cells ; p. 337-355; A. L. Sonenshein (ed. ) ; ASM Press 2002))。
【0005】
ゲノム配列決定の1つの欠点は、得られる配列の莫大な部分が非分泌性タンパク質をコードすることである。
真核生物、例えば菌類に特定のゲノム配列決定の追加の欠点は、ゲノムサイズがこの方法による遺伝子発見を、より高価で且つ時間の浪費にする、菌類ゲノムよりも数倍、大きいことである。
【0006】
cDNAのランダム配列決定(発現された配列標識又はEST)は、分泌されたタンパク質の発現を可能にするもう1つのアプローチである。一般的に、ESTアプローチは、分泌されたタンパク質同定に関して次の2つの決定を有する;1)配列決定されるcDNAライブラリーのために使用される誘発条件に依存して、非常に低い、典型的には0.5%〜15%、又は1%〜5%のcDNAが分泌されたタンパク質をコードする。2)クローンはすべて、個々の特定の遺伝子の誘発レベルンに比例して生成物に依存するmRNAに由来するcDNAプールからである。
【0007】
それ自体のシグナルを欠いている細胞外レポーター遺伝子への翻訳的融合を用いて、シグナルペプチドをコードするヌクレオチドを包含する遺伝子を同定する方法であるシグナルトラッピングはまた、知られている(WO01/77315号)。
【発明の開示】
【0008】
発明の要約:
微生物のゲノムは、数千の異なった遺伝子を含み;いくつかはポリペプチドをコードし、いくつかはRNAをコードする。微生物のゲノムにおける限定された数のゲノムのみが、微生物のための外部目的の役に立つ周囲培地に微生物により分泌される機能的ポリペプチドをコードする。
そのようなポリペプチドは、そのようなポリペプチドがポリペプチドを生成する細胞を破壊しないで連続工程において相当量で生成され得る観点から、産業的に興味ある。
【0009】
ボトリオスファエリア・ロジナのための機能的目的を有する受託番号CBS247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから分泌されるポリペプチトを同定し、そして供給することが、そのようなポリペプチドは、産業用目的のために使用され得るのみならず、またそれらは産業的に適切な工程及び量で生成され得るので、本発明の目的である。
【0010】
第1の観点においては、本発明は、
(a)配列番号2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24, 26, 28, 30 32, 34, 36, 38, 40 及び 42から成る群に包含される成熟ポリペプチドの配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;及び
(b)(i)成熟ポリペプチドをコードする配列番号1 , 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15, 17, 19, 21 , 23, 25, 27, 29, 31 , 33, 35, 37, 39 及び 41の領域群から選択されたヌクレオチド配列に対する相補的鎖、
(ii)成熟ポリペプチドをコードする配列番号1, 3, 5, 7, 9, 11 , 13, 15, 17, 19, 21 , 23, 25, 27, 29, 31 , 33, 35, 37, 39 及び41の領域群から選択されたヌクレオチド配列に含まれるcDNA配列に対する相補的鎖、
から成る群から選択されたポリヌクレオチドプローブと、高い緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド;
から成る群から選択された、
配列番号2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24, 26, 28, 30 32, 34, 36, 38, 40 及び 42から成る群に包含される対応する成熟ポリペプチドの機能を有する単離されたポリペプチドを提供する。
【0011】
さらなる観点においては、本発明は、
(a)CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から分泌される、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから成る群から選択された成熟酵素のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成る酵素;
(b)(i)CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から分泌される、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから成る群から選択された成熟酵素をコードする前記株に包含されるヌクレオチド配列に対する相補的鎖、
(ii)CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から分泌される、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから成る群から選択された成熟酵素をコードする前記株に包含されるヌクレオチド配列に含まれるcDNA配列に対する相補的鎖、
から成る群から選択されたポリヌクレオチドプローブと、高い緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド;
から成る群から選択された、
キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから選択された機能を有する単離された酵素を提供する。
【0012】
さらなる観点においては、本発明は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;宿主細胞において前記ポリペプチドの生成を方向づける1又は複数の制御配列に作用可能に連結されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んで成るヌクレオチド構造体;本発明のヌクレオチド構造体を含んで成る組換え発現ベクター;及び本発明のヌクレオチド構造体を含んで成る組換え宿主細胞を提供する。
【0013】
さらなる観点においては、本発明は、
(a)本発明のポリペプチドを発現し、そして分泌することができる、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る菌株を培養し;そして
(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドの調製方法を提供する。
【0014】
さらなる観点においては、本発明は、本発明のポリペプチドを含んで成る組成物、及び本発明のポリペプチド及び賦形剤を混合することを含んで成る、そのような組成物の調製方法を提供する。
さらなる観点においては、本発明の種々の用途への本発明のポリペプチド又は前記ポリペプチドを含んで成る組成物の使用を提供する。
【0015】
配列表:
本出願は、本出願に添付され、そしてまた、本出願に付随するデータキャリヤー上に提供される配列表の形で情報を含む。データキャリヤーの内容物は、引用により本明細書に組込まれる。成熟ポリペプチドをコードする配列番号1, 3, 5, 7, 9, 11 , 13, 15, 17, 19, 21 , 23, 25, 27, 29, 31 , 33, 35, 37, 39 及び 41から成る群から選択された配列の領域は、それぞれ配列番号2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24, 26, 28, 30 32, 34, 36, 38, 40 及び 42から成る群から選択された配列の成熟ポリペプチドをコードする。従って、成熟ポリペプチドをコードする配列番号1の領域は、配列番号2に包含される成熟ポリペプチドをコードし、成熟ポリペプチドをコードする配列番号3の領域は、配列番号4に包含される成熟ポリペプチドをコードし、及び等々。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明の特定の記載:
定義
用語“グループADNA”とは、この後に使用される場合、配列番号1 , 3, 5, 7, 9, 11 , 13, 15, 17, 19, 21 , 23, 25, 27, 29, 31, 33, 35, 37, 39 及び 41から成るヌクレオチド配列群を意味する。“グループADNA”から成る配列群に包含されるか、又はそれらの群から選択された(又はまさに“グループADNA”に包含されるか又はそれらから選択された)ヌクレオチド配列を言及する場合、配列は、1 , 3, 5, 7, 9, 11 , 13, 15, 17, 19, 21 , 23, 25, 27, 29, 31 , 33, 35, 37, 39 及び 41から成るヌクレオチド配列群に包含されるか、又はそれらから選択されることを意味する。
【0017】
用語“グループEDNA”とは、この後に使用される場合、配列番号1 , 3, 5, 7, 9, 11 , 13, 15, 17, 33, 35, 37, 39 及び41から成るヌクレオチド配列群を意味する。“グループEDNA”から成る配列群に包含されるか、又はそれらの群から選択された(又はまさに“グループEDNA”に包含されるか又はそれらから選択された)ヌクレオチド配列を言及する場合、配列は、1, 3, 5, 7, 9, 11 , 13, 15, 17, 33, 35, 37, 39及び41から成るヌクレオチド配列群に包含されるか、又はそれらから選択されることを意味する。
【0018】
同様に、用語“グループBpolypeptide”とは、この後に使用される場合、配列番号2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24, 26, 28, 30 32, 34, 36, 38, 40 及び 42から成るポリペプチド配列群を意味する。“グループBpolypeptide”から成る配列群に包含されるか、又はそれらの群から選択された(又はまさに“グループBpolypeptide”に包含されるか又はそれらから選択された)ポリペプチド配列を言及する場合、配列は、2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24, 26, 28, 30 32, 34, 36, 38, 40 及び 42から成るポリペプチド配列群に包含されるか、又はそれらから選択されることを意味する。
【0019】
同様に、用語“グループDpolypeptide”とは、この後に使用される場合、配列番号2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 34, 36, 38, 40 及び 42から成るポリペプチド配列群を意味する。“グループDpolypeptide”から成る配列群に包含されるか、又はそれらの群から選択された(又はまさに“グループDpolypeptide”に包含されるか又はそれらから選択された)ポリペプチド配列を言及する場合、配列は、2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18, 34, 36, 38, 40及び 42から成るポリペプチド配列群に包含されるか、又はそれらから選択されることを意味する。
【0020】
用語“同一性”とは、本明細書において使用される場合、2種のアミノ酸間又は2種のヌクレオチド配列間の相同性として理解されるべきである。本発明のためには、2種のアミノ酸配列間の同一性の程度は、Vector NTI ver. 7.1のプログラムにおけるAlignX(Informax inc. , 7600 Wisconsin Avenue, Suite #1100, Bethesda, MD 20814, USA)を用いることによって決定された。アミノ酸一列整列を、Clustal W アルゴリズム (Thompson, J. D., Higgins, D.G. and Gibson, T.J. (1994) CLUSTAL W: improving the sensitivity of progressive multiple sequence alignment through sequence weighting, positions- specific gap penalties and weight matrix choice. Nucleic Acids Research, 22:4673-4680)を用いて創造した。
【0021】
次の追加のパラメーターを使用した:10のギャップ開放ペナルティー、0.05のギャップ延長ペナルティー、8のギャップ分離ペナルティー範囲。対様一列整列パラメーターは通の通りであった:Ktuple=1、ギャップペナルティー=3、ギャップ長開放ペナルティー=10、ギャップ延長ペナルティー=0.1、窓サイズ=5及び対角線=5。2種のヌクレオチド配列間の同一性の程度は、次の設定を用いて、上記と同じアルゴリズム及びソフトウェアパッケージを用いて決定した:10のギャップペナルティー及び10のギャップ長ペナルティー。対様一列整列パラメーターは、次の通りである:Ktuple=3、及び窓=20。
【0022】
用語“機能的ポリペプチド”とは、本明細書に使用される場合、細胞により発現され、そして分泌され得、そして細胞により実現を企画された機能に従って作用することができる操作ユニットを構成するポリペプチドを意味する。任意には、補因子が、意図される機能を採用するポリペプチドのために必要とされる。機能的ポリペプチドの1つの例は、細胞を取り囲む環境における細胞触媒反応を助ける触媒的活性のポリペプチド又は酵素である。もう1つの例は、シグナル物質として作用するポリペプチドである。さらなる例は、環境パラメーター(細胞を取り囲む環境における化学物質)のためのセンサー(受容体)として機能するポリペプチド、他の生物に対して、活性的であるポリペプチド(抗微生物(ポリ)ペプチド)、又は細胞の構造的統合性に寄与するポリペプチドである。
【0023】
用語“成熟領域”とは、アミノ酸配列又はポリペプチドの一部について本明細書において使用される場合、成熟機能的ポリペプチドであるアミノ酸配列又はポリペプチドの一部、又は領域、又はドメイン又は断片を意味する。
【0024】
用語“成熟ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の領域”とは、本明細書において使用される場合、成熟ポリペプチドの最初のアミノ酸をコードするトリプレットから、成熟ポリペプチドの最後のアミノ酸をコードする最後のトリプレットまで計数するヌクレオチド配列の領域を意味する。
【0025】
例えば“GH10”として、本発明の一定の酵素について使用される場合、用語“GH”とは、B. Henrissatにより製造されたグリコシルヒドロラーゼ酵素についてのファミリー分類システムである。GHに続く数子はそれぞれ、明白なファミリーを示す。この分類システムは、当業者に良く知られている。Henrissat B., A classification of glycosyl hydrolases based on amino-acid sequence similarities, Biochem. J. 280:309-316 (1991); Henrissat B., Bairoch A, New families in the classification of glycosyl hydrolases based on amino- acid sequence similarities, Biochem. J. 293:781-788 (1993); Henrissat B., Bairoch A., Updating the sequence-based classification of glycosyl hydrolases, Biochem. J. 316:695-696 (1996); Davies G., Henrissat B., Structures and mechanisms of glycosyl hydrolases, Structure 3:853-859 (1995)を参照のこと。
【0026】
本発明のポリペプチド
本発明のポリペプチドは、特定細胞のための機能を仕えるためにボトリオスファエリア・ロジナCBS 247.96により分泌されるすべてのポリペプチドである。
ボトリオスファエリア・ロジナCBS 247.96のゲノムにおける数千の可能性ある遺伝子の中で、このゲノムのポリヌクレオチドは、選択された宿主細胞により機能的ポリペプチドに翻訳された、機能的であることが決定され、そして分泌された、グループBpolypeptideに包含される21の分泌された機能的成熟ポリペプチドをコードした。
【0027】
従って、ボトリオスファエリア・ロジナCBS 247.96は、グループBpolypeptideに包含される機能的成熟ポリペプチドを発現し、そして分泌し、そしてその特定の株のゲノムにおいては、成熟ポリペプチドをコードするグループBpolypeptideの配列の領域はグループBpolypeptideの配列に包含される成熟ポリペプチドをコードする遺伝子である。さらに、特定の態様においては、グループBpolypeptideの配列に包含される成熟ポリペプチドをコードする遺伝子がすべて発現され、そしてそれらの対応する成熟ポリペプチドが成熟ポリペプチドをコードするグループADNAの配列のそれらの領域を含んで成るポリヌクレオチドにより形質転換されたE. コリ宿主を培養する場合に分泌され得る。既知配列に21種のポリペプチド配列の相同性又は同一性を比較することにより、ポリペプチドの特定の機能が注釈されている。前記21種の分泌された機能的ポリペプチドの少なくとも14種が、酵素及び/又は酵素のようであることが決定された。
【0028】
従って、本発明は、
(a)グループBpolypeptideに包含される成熟ポリペプチドから成る群から選択されたアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;
(b)(i)成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から成る群から選択されたヌクレオチド配列に対する相補的鎖、
(ii)成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から成る群から選択されたヌクレオチド配列に含まれるcDNA配列に対する相補的鎖、
から成る群から選択されたポリヌクレオチドプローブと、高い緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドから成る群から選択された、グループBpolypeptideのその対応する成熟ポリペプチドの機能を示す単離されたポリペプチドを提供する。
【0029】
1つの特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナにより分泌される酵素間から選択され、そして本発明者により単離され、すなわちキシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから成る酵素群である。
【0030】
本発明はまた、
(a)CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から分泌される、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから成る群から選択された成熟酵素のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成る酵素;
(b)(i)CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から分泌される、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから成る群から選択された成熟酵素をコードする前記株に包含されるヌクレオチド配列に対する相補的鎖、
(ii)CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から分泌される、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから成る群から選択された成熟酵素をコードする前記株に包含されるヌクレオチド配列に含まれるcDNA配列に対する相補的鎖、
から成る群から選択されたポリヌクレオチドプローブと、高い緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド;
から成る群から選択された、
キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから選択された機能を有する単離された酵素を提供する。
【0031】
特定の態様においては、酵素は、
(a)グループDpolypeptideの配列に包含される成熟酵素から選択されたアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する酵素;
(b)(i)成熟酵素をコードするグループEDNA配列の領域から成る群から選択されたヌクレオチド配列に対する相補的鎖、
(ii)成熟ポリペプチドをコードするグループEDNA配列の領域から成る群から選択されたヌクレオチド配列に含まれるcDNA配列に対する相補的鎖、
から成る群から選択されたポリヌクレオチドプローブと、高い緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列をコードする酵素から成る群から選択された、グループDpolypeptideのその対応する成熟ポリペプチドの機能を示す単離された酵素である。
【0032】
本発明のポリペプチドは単離されたポリペプチドであり、好ましくは本発明のポリペプチドの調製物は、多くても90重量%の天然において関連する他のポリペプチド材料を含む(より低い重量%、例えば多くても80重量%、多くても60重量%、多くても50重量%、多くても40重量%、多くても30重量%、多くても20重量%、多くても10重量%、多くても9重量%、多くても8重量%、多くても6重量%、多くても5重量%、多くても4重量%、多くても3重量%、多くても2重量%、多くても1重量%、多くても0.5重量%の他のポリペプチド材料が好ましい)。
【0033】
従って、本発明の単離されたポリペプチドは少なくとも92%の純度であることが好ましく、すなわち本発明のポリペプチドは調製物に存在する合計ポリペプチド材料の少なくとも92重量を構成することが好ましく、そしてより高い%、例えば少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%及び多くても99.5%の純度が好ましい、特に、好ましくは、本発明のポリペプチドは、“実質的に純粋な形”で存在し、すなわちポリペプチド調製物は、それが天然において結合される他のポリペプチド材料を実質的に有さない。これは、例えば良く知られている組換え法により、本発明のポリペプチドを調製することにより達成される。
【0034】
本発明のポリペプチドは、合成的に製造され、天然において生存し、又はその組合せでもあり得る。特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、微生物、例えば原核細胞、古細菌細胞又は真核細胞から得られる。前記細胞はさらに、遺伝子工学により修飾されて来た。
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、約10℃〜約80℃、特に約20℃〜約60℃の範囲内の温度で最適な酵素活性を示す酵素である。
【0035】
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、100℃までの、特に80℃までの、より具体的には60℃までの温度で機能的に安定している酵素である。
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、グループBpolypeptideに包含される成熟酵素から選択された酵素の少なくとも20%、特に少なくとも40%、例えば少なくとも50%、特に少なくとも60%、例えば少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、例えば少なくとも90%、最も具体的には少なくとも95%、例えば約又は少なくとも100%の酵素活性を示す酵素である。
【0036】
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、グループBpolypeptideに包含される成熟ポリペプチドから成る群から選択されたポリペプチド配列と少なくとも90%、特に少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、及びさらにより具体的には少なくとも98%、例えば少なくとも99%又はさらに100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成り、それらを含み又はそれらから成る。
【0037】
もう1つの特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、グループBpolypeptideに包含される成熟ポリペプチドから成る群から選択されたポリペプチド配列と少なくとも50%、特に少なくとも60%、例えば少なくとも65%、例えば少なくとも70%、及びさらにより具体的には少なくとも75%、例えば少なくとも80%又はさらに85%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成り、それらを含み又はそれらから成る。
【0038】
特定の態様においては、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列は、グループBpolypeptideに包含される成熟ポリペプチドとは、多くとも10個のアミノ酸(例えば、10個のアミノ酸)、特に多くとも5個のアミノ酸(例えば、5個のアミノ酸)、例えば多くとも4個のアミノ酸(例えば、4個のアミノ酸)、例えば多くとも3個のアミノ酸(例えば、3個のアミノ酸)、特に多くとも2個のアミノ酸(例えば、2個のアミノ酸)、例えば1個のアミノ酸で異なる。
【0039】
本発明のポリペプチドは、天然源、例えば株ボトリオスファエリア・ロジナCBS247.96、又は他の野生型株から単離された野生型ポリペプチドであるが、しかしながら、本発明はまた、本発明のポリペプチドが、ポリペプチドの機能及び/又は他の性質を維持しながら、前記ポリペプチドからの1又は複数のアミノ酸を付加し、置換し、そして/又は欠失することにより突然変異誘発されている人工変異体を包含する。
【0040】
従って、本発明のポリペプチドは、少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入が、グループBpolypeptideに包含される成熟ポリペプチドを含んで成るか又はそれらから成るアミノ酸配列に対して行われている、人工変異体であり得る。
【0041】
本発明のポリペプチドはまた、本明細書に記載されるアミノ酸配列の機能的フラグメント、及び本明細書に記載されるアミノ酸配列の機能的フラグメントをコードする核酸の機能的フラグメント、例えば本明細書に記載されるようなCBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から分泌された成熟酵素のフラグメント、例えばCBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から分泌される、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから成る群から選択される酵素のフラグメントを包含する。
【0042】
人工変異体は、当業界において知られている標準の技法により構成され、通常続いて、スクリーニング及び/又は特徴化を伴う。標準の技法は、従来の突然変異誘発、例えば次の文献に記載のようにして、細胞のUV照射、又は化学的突然変異誘発物質による細胞の処理を包含する:Gerhardt など. (1994); WO 97/07205に記載されるようなインビボ遺伝子シャフリング; Stemmer, (1994) 又は WO 95/17413号に記載されるようなインビボ遺伝子シャフリング; Eisenstadt E. など., (1994)によりに記載されるようなランダム突然変異誘発; Poulsen など. (1991) によりに記載されるようなPCR技法; J. E. Ness, など, Nature Biotechnology, vol. 17, pp. 893-896 (1999) に記載されるようなファミリーシャフリング; Sambrook など. (1989), Sambrook など., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, NY. に記載されるような特定部位の突然変異誘発、Ford など., 1991, Protein Expression and Purification 2, p. 95-107に見出され得るヌクレオチド置換の一般的記載。
【0043】
そのような標準の遺伝子工学方法はまた、本発明の1又は複数の親酵素をコードし、適切な宿主細胞において酵素変異体を発現し、そして好ましい変異体を選択する遺伝子から変異体ヌクレオチド配列の多様化されたライブラリーを調製するために使用され得る。多様化されたライブラリーは、当業界において知られている広範囲の技法により確立され得る(Reetz MT; Jaeger KE, in Biocatalysis-from Discovery to Application edited by Fessner WD, Vol. 200, pp. 31-57 (1999); Stemmer, Nature, vol. 370, p. 389-391,1994 ; Zhao and Arnold, Proc. Natl. Acad. Sci. , USA, vol. 94, pp. 7997-8000,1997 ; 又は Yano など., Proc. Natl. Acad. Sci. , USA, vol. 95, pp 5511-5515,1998)。
【0044】
本発明の特定の態様においては、アミノ酸変更(人工的変異体及び野生型酵素における)は、マイナーな性質のもの、すなわちタンパク質の折りたたみ及び/又は活性に有意に影響を及ぼさない保存性アミノ酸置換;典型的には1〜約30個のアミノ酸の小さな欠失;小さなアミノ−又はカルボキシ−末端−、たとえばアミノ−末端のメチオニン残基の延長;約20〜25個までの残基の小さなリンカーペプチドの延長;又は実効電荷又は他の機能、たとえばポリ−ヒスチジン系、抗原性エピトープ又は結合ドメインを変更することにより精製を促進する小さな延長のものである。
【0045】
保存性置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン、バリン及びメチオニン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)、及び小さなアミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、及びトレオニン)のグループ内である。一般的に、非活性を変更しないそして/又はタンパク質の機能を損なうアミノ酸置換は当業界において知られており、そしてたとえば、H. Neurath and R.L. Hill, 1979, The Proteins, Academic Press, New York により記載されている。最も通常生じる交換は次のものである: Ala/Ser, Val/Ile, Asp/Glu, Thr/Ser, Ala/Gly, Ala/Thr, Ser/Asn, Ala/Val, Ser/Gly, Tyr/Phe, Ala/ Pro, Lys/Arg, Asp/Asn, Leu/Ile, Leu/Val, Ala/Glu及びAsp/Gly並びにそれらの逆。
【0046】
特定の態様においては、アミノ酸変更は、ポリペプチドの生理化学性質が変更されるそのような性質のものである。例えば、ポリペプチドの熱安定性を改良し、基質特異性を変更し、pH最適性を変更し、そして同様のものであるアミノ酸変更が行われ得る。
【0047】
特に、本発明のポリペプチド、特に人工変異体を生成するためにグループBpolypeptideに包含される成熟ポリペプチドから成る群から選択されたそれらのポリペプチドにおける、そのような置換、欠失、及び/又は挿入の数は、多くとも10、例えば多くとも9、例えば多くとも8、より多くとも7、例えば多くとも6、例えば多くとも5、最も好ましくは多くとも4、例えば多くとも3、例えば多くとも2、特に多くとも1である。
【0048】
特定の態様においては、人工変異体は、真酵素に比較して、変更された、好ましくは低減された免疫原性、特にアレルギー性を、動物、例えばヒトにおいて有する変異体である。本明細書において、用語“免疫原性”とは、動物において、静脈内、皮膚、皮下、経口及び気管内投与される場合、変更された、特に低減された免疫応答を誘発する人工変異体の能力として理解されるべきである。本明細書において、用語“免疫応答”とは、人工変異体の投与が動物身体における免疫グロブリン、例えばIgE, IgG及びIgMのレベルの変更、又は動物身体におけるサイトカインレベルの変更を引起すことを意味する。
【0049】
変更された免疫原性を有する変異体を調製する、タンパク質の免疫原性/抗原性エピトープをマッピングするための方法、及び免疫応答を測定するための方法は、当業界において良く知られており、そしてWO 92/10755号、WO 00/26230号、WO 00/26354号及びWO 01/31989号に記載されている。本明細書における用語“アレルギー性”とは、動物におけるIgEの変更された、特に低められた生成を誘発する人工変異体の能力、及び前記動物からのIgEを結合する能力として理解されるべきである。動物へのポリペプチド変異体の気管内投与から生じるアレルギー性は特に興味あるものである(呼吸アレルギー性として知られている)。
【0050】
さらなる態様においては、本発明のポリペプチドは、
(i)成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から成る群から選択されたヌクレオチド配列に対する相補的鎖;
(ii)成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から成る群から選択されたヌクレオチド配列に含まれるcDNA配列に対する相補的鎖;
(iii)グループBpolypeptideに包含されるその対応する成熟ポリペプチドの機能を有する分泌されたポリペプチドをコードする(i)又は(ii)のフラグメント;
から成る群から選択されたポリヌクレオチドプローブと、少なくとも高い緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド(J. Sambrook, E. F. Fritsch, and T. Maniatus, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d edition, Cold Spring Harbor, New York)。
【0051】
特に、本発明のポリペプチドは、成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域群から選択されたヌクレオチド配列、又は遺伝子コードの縮重によりそれらとは異なる配列を含んで成るポリヌクレオチドによりコードされる。より具体的には、本発明のポリペプチドは、成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域群から選択されたヌクレオチド配列、又は遺伝子コードの縮重によりそれらとは異なる配列から成るポリヌクレオチドによりコードされる。
【0052】
成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域のヌクレオチド配列又はその副配列、及びグループBpolypeptideに包含する成熟ポリペプチドのアミノ酸配列又はそのフラグメントは、当業者において良く知られている方法に従って、異なった属又は種の株からの本発明の酵素をコードするDNAを同定し、そしてクローン化するようポリヌクレオチドプローブを企画するために使用され得る。特に、そのようなプローブは、そこにおける対応する遺伝子を同定し、そして単離するために、標準のサザンブロット方法に従って、興味ある属又は種のゲノム又はcDNAとのハイブリダイゼーションのために使用され得る。そのようなプローブは、完全な配列よりも相当に短いが、しかし少なくとも15、好ましくは少なくとも25、より好ましくは少なくとも35個、例えば少なくとも70個の長さのヌクレオチドであるべきである。
【0053】
しかしながら、好ましくは、ヌクレオチドプローブは、少なくとも100個の長さのヌクレオチドである。例えば、ポリヌクレオチドプローブは、少なくとも200個の長さのヌクレオチド、少なくとも300個の長さのヌクレオチド、少なくとも400個の長さのヌクレオチド、又は少なくとも500個の長さのヌクレオチドであり得る。さらに長いプローブ、例えば少なくとも600個の長さのヌクレオチド、少なくとも700個の長さのヌクレオチド、少なくとも800個の長さのヌクレオチド又は少なくとも900個の長さのヌクレオチドであるポリヌクレオチドプローブが使用され得る。DNA及びRNAの両プローブが使用され得る。プローブは典型的には、その対応する遺伝子を検出するために、例えば32P, 3H, 35S, ビオチン又はアビジンによりラベルされる。
【0054】
従って、そのような他の生物から調製されるゲノムDNA又はcDNAライブラリーは、上記プローブとハイブリダイズし、そして本発明の酵素をコードするDNAについてスクリーンされ得る。そのような生物からのゲノム又は他のDNAは、アガロース又はポリアクリルゲル電気泳動又は他の分離技法により分離され得る。ライブラリーからのDNA又は分離されたDNAは、ニトロセルロース又は他の適切なキャリヤー材料にトランスファーされるか、又は固定され得る。必要とされる相同性及び/又は同一性を有するか、又は成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から選択されたヌクレオチドと相同であり、そして/または同一であるクローン又はDNAを同定するためには、固定されたDNAを有するキャリヤー材料がサザンブロットに使用される。
【0055】
本発明のためには、ハイブリダイゼーションは、ヌクレオチド配列が、非常に低い〜非常に高い緊縮条件下で、成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から選択されたヌクレオチド配列にハイブリダイズする、ラベルされたポリヌクレオチドプローブにハイブリダイズすることを示す。ポリヌクレオチドプローブがそれらの条件下でハイブリダイズする分子は、X−線フィルムを用いて、又は当業界において知られているいずれか他の方法により検出され得る。用語“ポリヌクレオチドプローブ”が本明細書において使用される場合、そのようなプローブは、少なくとも15個のヌクレオチドを含むことが理解されるべきである。
【0056】
興味ある態様においては、ポリヌクレオチドプローブは、成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から選択されたヌクレオチドの相補的鎖である。
もう1つの興味ある態様においては、ポリヌクレオチドプローブは、グループBpolypeptideから選択された酵素をコードするヌクレオチド配列の相補的鎖である。さらに興味ある態様においては、ポリヌクレオチドプローブは、成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から選択されたヌクレオチド配列の成熟ポリペプチドコード領域の相補的鎖である。
【0057】
少なくとも100個の長さのヌクレオチドの長さのプローブに関して、高い〜非常に高い緊縮条件は、標準のサザンブロット方法に従っての、5×SSPE, 1.0%SDS, 5X Denhardt 溶液、100μg/ml の剪断され、そして変性されたサケ精子DNAにおける42℃でのプレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーションとして定義される。好ましくは、少なくとも100個の長さのヌクレオチドの長いプローブは、1000個よりも多くのヌクレオチドを含まない。少なくとも100個の長さのヌクレオチドの長さプローブに関しては、キャリヤー材料は最終的に、0.1×SSC, 0.1%SDS溶液を用いて、60℃でそれぞれ15分間、3度(高い緊縮)、特に0.1×SSC, 0.1%SDS溶液を用いて、68℃でそれぞれ15分間、3度(非常に高い緊縮)、洗浄される。
【0058】
特別には好ましいものではないが、短いプローブ、例えば約15〜99個の長さのヌクレオチド、例えば約15〜約70個の長さのヌクレオチドであるプローブがまた使用され得る。そのような短いプローブに関しては、緊縮条件は、0.9MのNaCl、0.09Mのトリス−HCl, pH7.6、 6mM のEDTA、 0.5%のNP-40, 1×Denhardt’s溶液、1mMのピロリン酸ナトリウム、1mMの一塩基性リン酸ナトリウム、0.1mMのATP及び0.2mgの酵母RNA(ml当たり)における、Bolton and McCarthy(1962、Proceedings of the National Academy of Sciences USA 48: 1390)に従って計算されたTmよりも約5℃〜約10℃低い温度での標準のサザンブロット方法に従ってのプレハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーション、及び後−ハイブリダイゼーション洗浄として定義される。
【0059】
約15個〜約99個の長さのヌクレオチドである短いプローブに関しては、キャリヤー材料は、6×SSC及び0.1%SDSにより15分間、1度、及び6×SSCを用いて、計算されたTmよりも約5℃〜約10℃低い温度でそれぞれ15分間、2度、洗浄される。
【0060】
配列番号2キシラナーゼGH10
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるキシラナーゼGH10、より具体的には配列番号2に包含される成熟キシラナーゼGH10と、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るキシラナーゼGH10である。
より具体的には、成熟キシラナーゼGH10は、配列番号2の位置1〜291からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、キシラナーゼGH10は、EC3.2.1.8酵素活性グループに属する酵素として定義される。このグループは、キシランにおける1,4−β−D−キシロシド結合を末端加水分解する。グルコシドヒドロラーゼファミリー10(GH10)はまた、2種の他の既知活性を有する酵素、すなわちエンド−1,3−β−キシラナーゼ(EC:3.2.1.91)を含んで成る。
【0061】
配列番号4キシラナーゼGH11
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるキシラナーゼGH11、より具体的には配列番号4に包含される成熟キシラナーゼGH11と、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るキシラナーゼGH11である。
より具体的には、成熟キシラナーゼGH11は、配列番号4の位置1〜202からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、キシラナーゼGH11は、EC3.2.1.8酵素活性グループに属する酵素として定義される。このグループは、キシランにおける1,4−β−D−キシロシド結合を末端加水分解する。グルコシドヒドロラーゼファミリー11(GH11)は、わずか1つの既知活性を有する酵素、すなわちキシラナーゼ(EC:3.2.1.8)を含んで成る。
【0062】
配列番号6セリンエステラーゼ
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるセリンエステラーゼ、より具体的には配列番号6に包含される成熟セリンエステラーゼと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るセリンエステラーゼ、特にクチナーゼまたはリパーゼ又はカルボキシエステラーゼである。
より具体的には、成熟セリンエステラーゼは、配列番号6の位置1〜352からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、セリンエステラーゼは、溶液において可溶性エステル(ミセル形においてではないエステル)を加水分解できる酵素として定義される。より具体的には、セリンエステラーゼは、クチナーゼ(EC3.1.1.50)又はリパーゼ(EC3.1.1.3)、又はワックス−エステル、クチン、トラシル脂肪、油及び/又は脂肪酸鎖を加水分解できるカルボキシエステラーゼとして作用する酵素である。特に、セリンエステラーゼは、セリンヒドロラーゼのSer, His, Asp三元体、例えばトリ−アシルリパーゼ/クチナーゼを含む。
【0063】
配列番号8カンジダB型リパーゼ
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるカンジダB型リパーゼ、より具体的には配列番号8に包含される成熟カンジダB型リパーゼと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るカンジダB型リパーゼ(EC3.1.1.3)である。
【0064】
より具体的には、成熟カンジダB型リパーゼは、配列番号8の位置1〜431からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、カンジダB型リパーゼは、トリグリセリドをジアシルグリセリド及び脂肪酸アニオンに、特にトリグリセロールをジアシルグリセロール及び脂肪酸アニオンに加水分解できる酵素として定義される。
【0065】
配列番号10ペルオキシダーゼ
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるペルオキシダーゼ、より具体的には配列番号10に包含される成熟ペルオキシダーゼと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るペルオキシダーゼである。
【0066】
より具体的には、成熟ペルオキシダーゼは、配列番号10の位置1〜185からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、ペルオキシダーゼは、酸化−還元反応を触媒する酵素群に属する酵素として定義される。それらは、オキシドレダクターゼとして分類される。それらは公認のEC番号1.11.1を与えられる。ペルオキシダーゼは、種々の基質を酸化しながら、H2O2を水に還元する。従って、ペルオキシダーゼは、異なった酸化反応を触媒するための電子受容体としてH2O2を使用するオキシドレダクターゼである。
【0067】
配列番号12 GH61Aポリペプチド
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるGH61Aポリペプチド、より具体的には配列番号12に包含される成熟GH61Aポリペプチドと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るGH61Aポリペプチドである。
【0068】
より具体的には、成熟GH61Aポリペプチドは、配列番号12の位置1〜218からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、GH61Aポリペプチドは、下記から選択された1又は複数の効果群を提供する分泌されたポリペプチド又はタンパク質として定義される:
1)セルラーゼ又はセルラーゼの混合物と共に使用される場合、セルロース材料の分解の増強;
2)酵素の溶解性の上昇;
3)酵素の安定性の上昇;
4)酵素阻害の低下。
【0069】
配列番号14 GH61Bポリペプチド
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるGH61Bポリペプチド、より具体的には配列番号14に包含される成熟GH61Bポリペプチドと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るGH61Bポリペプチドである。
【0070】
より具体的には、成熟GH61Bポリペプチドは、配列番号14の位置1〜249からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、GH61Bポリペプチドは、下記から選択された1又は複数の効果群を提供する分泌されたポリペプチド又はタンパク質として定義される:
1)セルラーゼ又はセルラーゼの混合物と共に使用される場合、セルロース材料の分解の増強;
2)酵素の溶解性の上昇;
3)酵素の安定性の上昇。
【0071】
配列番号16 GH61Cポリペプチド
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるGH61Cポリペプチド、より具体的には配列番号16に包含される成熟GH61Cポリペプチドと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るGH61Cポリペプチドである。
【0072】
より具体的には、成熟GH61Cポリペプチドは、配列番号16の位置1〜255からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、GH61Cポリペプチドは、下記から選択された1又は複数の効果群を提供する分泌されたポリペプチド又はタンパク質として定義される:
1)セルラーゼ又はセルラーゼの混合物と共に使用される場合、セルロース材料の分解の増強;
2)酵素の溶解性の上昇;
3)酵素の安定性の上昇。
【0073】
配列番号18 GH61Dポリペプチド
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるGH61Dポリペプチド、より具体的には配列番号18に包含される成熟GH61Dポリペプチドと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るGH61Dポリペプチドである。
【0074】
より具体的には、成熟GH61Dポリペプチドは、配列番号18の位置1〜205からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、GH61Dポリペプチドは、下記から選択された1又は複数の効果群を提供する分泌されたポリペプチド又はタンパク質として定義される:
1)セルラーゼ又はセルラーゼの混合物と共に使用される場合、セルロース材料の分解の増強;
2)酵素の溶解性の上昇;
3)酵素の安定性の上昇。
【0075】
配列番号20機能的ポリペプチド
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、配列番号20、特に配列番号20に包含される成熟機能的ポリペプチドと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成る機能的ポリペプチドである。より具体的には、成熟機能的ポリペプチドは、配列番号20の位置1〜243からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0076】
配列番号22機能的ポリペプチド
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、配列番号22、特に配列番号22に包含される成熟機能的ポリペプチドと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成る機能的ポリペプチドである。より具体的には、成熟機能的ポリペプチドは、配列番号22の位置1〜415からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0077】
配列番号24機能的ポリペプチド
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、配列番号24、特に配列番号24に包含される成熟機能的ポリペプチドと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成る機能的ポリペプチドである。より具体的には、成熟機能的ポリペプチドは、配列番号24の位置1〜377からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0078】
配列番号26機能的ポリペプチド
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、配列番号26、特に配列番号26に包含される成熟機能的ポリペプチドと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成る機能的ポリペプチドである。より具体的には、成熟機能的ポリペプチドは、配列番号26の位置1〜259からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0079】
配列番号28機能的ポリペプチド
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、配列番号28、特に配列番号28に包含される成熟機能的ポリペプチドと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成る機能的ポリペプチドである。より具体的には、成熟機能的ポリペプチドは、配列番号28の位置1〜248からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0080】
配列番号30機能的ポリペプチド
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、配列番号30、特に配列番号30に包含される成熟機能的ポリペプチドと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成る機能的ポリペプチドである。より具体的には、成熟機能的ポリペプチドは、配列番号30の位置1〜149からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0081】
配列番号32機能的ポリペプチド
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、配列番号32、特に配列番号32に包含される成熟機能的ポリペプチドと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成る機能的ポリペプチドである。より具体的には、成熟機能的ポリペプチドは、配列番号32の位置1〜202からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0082】
配列番号34β−グルコシダーゼ
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるβ−グルコシダーゼ、より具体的には配列番号34に包含される成熟β−グルコシダーゼと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るβ−グルコシダーゼである。より具体的には、成熟β−グルコシダーゼは、配列番号34の位置1〜603からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0083】
本明細書においては、β−グルコシダーゼは、β−D−グルコースの開放を伴って、末端の非還元性β−D−グルコース残基の加水分解を触媒するβ−D−グルコシドグルコヒドロラーゼ(E.C.3.2.1.21)として定義される。本発明のためには、β−グルコシダーゼ活性は、Venturi nado., 2002, J. Basic Microbiol. 42: 55-66により記載される基本的方法(但し、異なった条件が本明細書に記載のようにして使用される)に従って決定される。1単離のβ−グルコシダーゼ活性は、100mMのクエン酸ナトリウム、0.01%のTween-20中、基質としての4mMのp−ニトロフェニル−β−D−グルコピラシシドから、50℃、pH5で1分当たりに生成される1.0μモルのp−ニトロフェノールとして定義される。
【0084】
配列番号36エンド−アラビナーゼ
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるエンド−アラビナーゼ、より具体的には配列番号36に包含される成熟エンド−アラビナーゼと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るエンド−アラビナーゼである。より具体的には、成熟エンド−アラビナーゼは、配列番号36の位置1〜301からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、エンド−アラビナーゼは、アラビナンを加水分解できる酵素として定義される。
【0085】
配列番号38エンド−アラビナーゼ
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるエンド−アラビナーゼ、より具体的には配列番号38に包含される成熟エンド−アラビナーゼと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るエンド−アラビナーゼである。より具体的には、成熟エンド−アラビナーゼは、配列番号38の位置1〜438からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、エンド−アラビナーゼは、アラビナンを加水分解できる酵素として定義される。
【0086】
配列番号40A1ペプシンペプチダーゼ
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるペプシンペプチダーゼ、より具体的には配列番号40に包含される成熟ペプシンペプチダーゼと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るペプシンペプチダーゼである。より具体的には、成熟ペプシンペプチダーゼは、配列番号40の位置1〜396からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、ペプシンペプチダーゼは、タンパク質又歯ペプチドを加水分解できる酵素として定義される。
【0087】
配列番号42M43ペプシンペプチダーゼ
特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、ボトリオスファエリア・ロジナ、特に CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から得られるペプシンペプチダーゼ、より具体的には配列番号42に包含される成熟ペプシンペプチダーゼと、少なくとも90%、特に少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るか又はそれらから成るペプシンペプチダーゼである。より具体的には、成熟ペプシンペプチダーゼは、配列番号42の位置1〜262からの配列を含んで成るか又はそれらから成る。本明細書においては、ペプシンペプチダーゼは、タンパク質又歯ペプチドを加水分解できる酵素として定義される。
【0088】
ポリヌクレオチド:
本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチドを含んで成るか又はそれらから成るポリヌクレオチドに関する。特定の態様においては、ヌクレオチド配列は、遺伝子コードの縮重によりそれらとは異なるヌクレオチド配列を包含するグループADNAの配列で示される。さらなる態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から選択されたヌクレオチド配列を含んで成るか、又はそれらから成り、そしてグループADNAの配列に包含される親ヌクレオチド配列に比較して、少なくとも1つの修飾/突然変異を含んで成る修飾されたヌクレオチド配列である。
【0089】
酵素をコードするヌクレオチド配列を単離し、そして/又はクローン化するために使用される技法は、当業界において知られており、そしてゲノムDNAからの単離、cDNAからの調製、又はそれらの組み合わせを包含する。そのようなゲノムDNAからの本発明のヌクレオチド配列のクローニングは、例えば良く知られているポリメラーゼ鎖反応(PCR)、又は共有する構造特徴を有するクローン化されたDNAフラグメントを検出するために発現ライブラリーの抗体スクリーニングを用いることによってもたらされ得る。例えば、Innisなど., 1990, PCR: A Guide to Methods and Application; Academic Press, New York を参照のこと。他の増幅方法、例えばリガーゼ鎖反応(LCR)、連結された活性化転写(LAT)及びヌクレオチド配列に基づく増幅(NASBA)が使用され得る。
【0090】
ヌクレオチド配列は、それが再生されるであろう異なった部位にその天然の位置からヌクレオチド配列を移動するために、遺伝子工学において使用される標準のクローニング方法により得られる。クローニング方法は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る所望するフラグメントの切除及び単離、そのフラグメントのベクター分子中への挿入、及びその組換えベクターの宿主細胞への組込みを包含し、ここで前記ヌクレオチド配列の複数のコピー又はクローンが複製され得る。そのヌクレオチド配列は、半合成、合成起源のゲノム、cDNA、RNA、又はそのいずれかの組合せであり得る。
【0091】
特に、ポリヌクレオチドは、成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から選択されたヌクレオチド配列と少なくとも50%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成り、好ましくはそれらから成る。特に、ヌクレオチド配列は、成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から選択されたヌクレオチド配列と、少なくとも65%、より具体的には少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有する。特に、ヌクレオチド配列は、成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から選択されたヌクレオチド配列を含んで成る。さらに特定の態様においては、ヌクレオチド配列は、成熟ポリペプチドをコードするグループADNA配列の領域から選択されたヌクレオチド配列から成る。
【0092】
特に、ポリヌクレオチドは、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから選択された成熟酵素をコードし、そしてCBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから分泌される、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから選択された成熟酵素をコードするヌクレオチド配列と、少なくとも50%、特に少なくとも65%、より具体的には少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成り、好ましくはそれらから成る。
【0093】
特定の態様においては、ポリヌクレオチドは、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから選択された成熟酵素をコードし、そしてグループDpolypeptide配列から選択された成熟酵素をコードするヌクレオチド配列と、少なくとも50%、特に少なくとも65%、より具体的には少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成り、好ましくはそれらから成る。
【0094】
特定の態様においては、ポリヌクレオチドは、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから選択された成熟酵素をコードし、そしてEDNA配列から選択されたヌクレオチド配列と、少なくとも50%、特に少なくとも65%、より具体的には少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成り、好ましくはそれらから成る。
【0095】
配列番号1
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、GH10キシラナーゼをコードし、そして配列番号1の位置55〜927のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0096】
配列番号3
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、GH11キシラナーゼをコードし、そして配列番号3の位置58〜663のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0097】
配列番号5
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、セリンエステラーゼをコードし、そして配列番号5の位置55〜1110のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0098】
配列番号7
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、リパーゼをコードし、そして配列番号7の位置55〜1347のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0099】
配列番号9
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、ペルオキシダーゼをコードし、そして配列番号9の位置1〜555のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0100】
配列番号11
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、GH61Aポリペプチドをコードし、そして配列番号11の位置49〜702のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0101】
配列番号13
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、GH61Bポリペプチドをコードし、そして配列番号13の位置40〜786のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0102】
配列番号15
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、GH61Cポリペプチドをコードし、そして配列番号15の位置55〜819のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0103】
配列番号17
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、GH61Dポリペプチドをコードし、そして配列番号17の位置61〜675のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0104】
配列番号19
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、成熟機能的ポリペプチドをコードし、そして配列番号19の位置1〜729のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0105】
配列番号21
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、成熟機能的ポリペプチドをコードし、そして配列番号21の位置55〜1299のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0106】
配列番号23
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、成熟機能的ポリペプチドをコードし、そして配列番号23の位置49〜1179のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0107】
配列番号25
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、成熟機能的ポリペプチドをコードし、そして配列番号25の位置70〜846のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0108】
配列番号27
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、成熟機能的ポリペプチドをコードし、そして配列番号27の位置58〜801のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0109】
配列番号29
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、成熟機能的ポリペプチドをコードし、そして配列番号29の位置157〜603のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0110】
配列番号31
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、成熟機能的ポリペプチドをコードし、そして配列番号31の位置55〜660のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0111】
配列番号33
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、β−グルコシダーゼをコードし、そして配列番号33の位置46〜1854のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0112】
配列番号35
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、エンド−アラビナーゼをコードし、そして配列番号35の位置64〜966のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0113】
配列番号37
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、エンド−アラビナーゼをコードし、そして配列番号37の位置55〜1368のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0114】
配列番号39
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、ペプシンプロテアーゼをコードし、そして配列番号39の位置61〜1248のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0115】
配列番号41
特定の態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、ペプシンプロテアーゼをコードし、そして配列番号41の位置64〜849のヌクレオチド配列と、少なくとも70%、より具体的には少なくとも80%、より具体的には少なくとも90%、より具体的には少なくとも95%、より具体的には少なくとも96%、より具体的には少なくとも97%、より具体的には少なくとも98%、より具体的には少なくとも99%、又は最も具体的には100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含んで成るか又はそれらから成る。
【0116】
本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の修飾は、グループBpolypeptideに包含される成熟ポリペプチドから選択されたアミノ酸配列に比較して、少なくとも1つの置換、欠失及び/又は挿入を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチドの合成のために必要である。
【0117】
そのような修飾は、酵素の機能を保存するために行われ、すなわち酵素の機能に対して決定的である領域外で行われ得ることは、当業者に明らかであろう。従って、前記機能に対して必須であるアミノ酸残基は好ましくは、修飾、例えば置換を受けやすくない。前記機能に対して必須であるアミノ酸残基は、当業界において知られている方法、たとえば特定部位の突然変異誘発又はアラニン−走査突然変異誘発に従って同定され得る(たとえば、Cunningham and Wells, 1989, Science 244: 1081-1085を参照のこと)。基質−酵素相互作用の部位はまた、核磁気共鳴分析、クリスタログラフィー又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、立体構造体の分析により決定され得る(たとえば、de Vos など., 1992, Science 255: 306-312; Smith など., 1992, Journal of Molecular Biology 224: 899-904; Wlodaver など., 1992, FEBS Letters 309: 59-64を参照のこと)。
【0118】
さらに、本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列は、ヌクレオチド配列によりコードされる酵素のもう1つのアミノ酸配列を生ぜしめないが、しかし酵素の生成のために意図された宿主生物のコドン使用法に対応するヌクレオチド置換の導入により修飾され得る。
【0119】
1つのヌクレオチドをもう1つのヌクレオチドにより交換するためへのヌクレオチド配列中への突然変異の導入は、当業界において知られているいずれかの方法を用いて、特定部位の突然変異誘発により達成され得る。興味ある挿入体を有する、超らせん二本鎖DNAベクター及び所望する突然変異を含む2種の合成プライマーを用いる方法が特に有用である。ベクターの反対鎖に対してそれぞれ相補的なオリゴヌクレオチドプライマーは、Pfu DNAポリメラーゼによる温度サイクリングの間、延長する。
【0120】
プライマーの組み込みに基づいて、付着されたニッケルを含む突然変異誘発されたプラスミドが生成される。温度サイクリングに続いて、生成物は、親DNA鋳型を消化し、そして突然変異−含有の合成されたDNAについて選択するために、メチル化され、そしてヘミメチル化されたDNAに対して特異的であるDpnIにより処理される。当業界において知られている他の方法もまた使用され得る。ヌクレオチド置換の一般的な記載については、Ford など., 1991, Protein Expression and Purification 2: 95-107を参照のこと。
【0121】
本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードし、そして下記から成る群から選択されたポリヌクレオチドプローブと、高い緊縮条件、好ましくは非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含んで成り、好ましくはこれから成るポリヌクレオチドにも関する:
(i)成熟ポリペプチドをコードするグループADNAの配列の領域の群から選択されたヌクレオチド配列に対する相補的鎖;
(ii)成熟ポリペプチドをコードするグループADNAの配列の領域の群から選択されたヌクレオチド配列に含まれるcDNA配列に対する相補的鎖;
(iii)グループBpolypeptideに包含されるその対応する成熟ポリペプチドの機能を有する分泌されたポリペプチドをコードする(i)又は(ii)のフラグメント(J. Sambrook, E. F. Fritsch, and T. Maniatus, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d edition, Cold Spring Harbor, New York)。
【0122】
理解されるように、ヌクレオチド配列のハイブリダイゼーションに関する詳細及び特徴は、本明細書における標題“本発明のポリペプチド”のセクションに論じられるハイブリダイゼーションと同じか又は類似するであろう。
【0123】
本発明はまた、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列又は本発明のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を含んで成る電子装置への使用のために適切な記憶媒体を包含する。記憶媒体は適切には、磁気又は光学ディスク及び電子装置又は計算装置であり得、そして情報は特に、デジタル形で記憶媒体上に記憶され得る。
【0124】
ヌクレオチド構造体:
本発明はまた、適切な宿主細胞におけるコード配列の発現を、制御配列と適合できる条件下で指図する、1又は複数の制御配列に作用可能に結合される本発明のヌクレオチド配列を含んで成る核酸構造体に関する。
【0125】
本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列は、酵素の発現を提供するために種々の手段で操作され得る。ベクター中へのヌクレオチド配列の挿入の前、そのヌクレオチド配列の操作は、発現ベクターに依存して、所望されるか又は必要とされ得る。組換えDNA方法を用いてヌクレオチド配列を修飾するための技法は、当業界において良く知られている。
【0126】
制御配列は、適切なプロモーター配列、すなわちヌクレオチド配列の発現のために宿主細胞により認識されるヌクレオチド配列であり得る。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を仲介する転写制御配列を含む。プロモーターは、宿主細胞において転写活性を示すいずれかのヌクレオチド配列、たとえば変異体の、切断された、及びハイブリッドのプロモーターであり得、そして宿主細胞に対して相同であるか又は異種である細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得られる。
【0127】
特に細胞宿主細胞において本発明の核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、E.コリlacオペロン、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子(dagA)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)Lバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、Bチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)マルトゲン性アミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliguefaciens) α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニホルミスペニシリナーゼ遺伝子(penP)、バチルス・サブチリスxylA及びzylB遺伝子及び原生動物のβ−ラクタマーゼ遺伝子から得られるプロモーター(Villa−Kamaroffなど., 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 3727-3731)、及びtac プロモーター(De Boer など., 1983, Proceedings of the National Academy of Science USA 80: 21-25)である。さらなるプロモーターは、“Useful proteins from recombinant bacteria” in Scientific American, 1980, 242: 74-94; 及びSambrookなど., 1989, 前記に記載される。
【0128】
糸状菌宿主細胞における本発明の核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ、アスペルギラス・ニガー酸安定性α−アミラーゼ、アスペルギラス・ニガー又はアスペルギラス・アワモリグルコアミラーゼ(glaA)、リゾムコル・ミエヘイリパーゼ、アスペルギラス・オリザエ アルカリプロテアーゼ、アスペルギラス・オリザエトリオースリン酸イソメラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアセトアミダーゼ、及びフサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼ(WO96/00787号)をコードする遺伝子から得られるプロモーター、並びにアスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ及びアスペルギラス・オリザエトリオースリン酸イソメラーゼをコードする遺伝子からのプロモーターのハイブリッド、及びそれらの変異体の切断され、及びハイブリッドのプロモーターである。
【0129】
酵母宿主においては、有用なプロモーターは、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ(ENO−1)、サッカロミセス・セレビシアエガラクトキナーゼ(GAL1)、サッカロミセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)、及びサッカロミセス・セレビシアエ3−ホスホグリセレートキナーゼから得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なプロモーターは、Romunosなど., 1992, Yeast8:423−488により記載される。
【0130】
制御配列はまた、適切な転写ターミネーター配列、すなわち転写を終結するために宿主細胞により認識される配列でもあり得る。ターミネーター配列は、前記酵素をコードするヌクレオチド配列の3’側末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのターミネーターが本発明において使用され得る。
【0131】
糸状菌宿主細胞のための好ましいターミネーターは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、アスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼ及びフサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼについての遺伝子から得られる。
【0132】
酵母宿主細胞のための好ましいターミネーターは、サッカロミセス・セレビシアエエノラーゼ、サッカロミセス・セレビシアエチトクロムC(CYC1)、及びサッカロミセス・セレビシアエグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼについての遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネーターは、Romanosなど., 1992, 前記により記載される。
【0133】
制御配列はまた、適切なリーダー配列、すなわち宿主細胞による翻訳のために重要であるmRNAの非翻訳領域でもあり得る。リーダー配列は、前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5’末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのリーダー配列が、本発明において使用され得る。
糸状菌宿主細胞のための好ましいリーダーは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランストリオースリン酸イソメラーゼについての遺伝子から得られる。
【0134】
酵母宿主細胞のための適切なリーダーは、サッカロミセス・セレビシアエエノラーゼ(ENO−1)、サッカロミセル・セレビシアエ3−ホスホグリセレートキナーゼ、サッカロミセス・セレビシアエα−因子及びサッカロミセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)についての遺伝子から得られる。
【0135】
制御配列はまた、ポリアデニル化配列、すなわちヌクレオチド配列の3’末端に操作可能に連結され、そして転写される場合、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するためにシグナルとして宿主細胞により認識される配列でもあり得る。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのポリアデニル化配列が,本発明において使用される。
【0136】
糸状菌宿主細胞のための好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギキラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、フサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼ及びアスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼについての遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞のための有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman, 1995, Molecular Cellular Biology 15: 5983-5990により記載されている。
【0137】
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端に連結されるアミノ酸配列をコードし、そしてそのコードされたポリペプチドを細胞の分泌路中に方向づけるシグナルペプチドコード領域でもあり得る。ヌクレオチド配列のコード配列の5’側末端は、本来、分泌されたポロペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳読み取り枠を整合して、天然において連結されるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。他方では、コード配列の5’側末端は、そのコード配列に対して外来性であるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。そのコード配列が天然において、シグナルペプチドコード領域を含まない外来性シグナルペプチドコード領域が必要とされる。他方では、外来性シグナルペプチドコード領域は、ポリペプチドの増強された分泌を得るために、天然のシグナルペプチドコード領域を単純に置換することができる。しかしながら、分泌路中に発現されたポリペプチドを方向づけるいずれかのシグナルペプチドコード領域が、本発明に使用され得る。
【0138】
細菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、バチルスNCIB11837マルトゲン性アミラーゼ、バチルス・ステアロサーモフィラスα−アミラーゼ、バチルス・リケニホルミススブチリシン、バチルス・リケニホルミスβ−ラクタマーゼ、バチルス・アステロサーモフィラス中性プロテアーゼ(nprT, nprS, nprM)、及びバチルス・スブチリスprsAについての遺伝子から得られるシグナルペプチド領域である。追加のシグナルペプチドは、Sinomen and Palva, 1993, Microbiological Reviews 57: 109-137 により記載される。
【0139】
糸状菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガー中性アミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイアスペラギン酸プロテイナーゼ、ヒューミコラ・インソレンスセルラーゼ及びヒューミコラ・ラヌギノサリパーゼについての遺伝子から得られたシグナルペプチドコート領域である。
【0140】
酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドは、サッカロミセス・セレビシアエα−因子及びサッカロミセル・セレビシアエインバーターゼについての遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコード領域は、Romanos など., 1992, 前記により記載される。
【0141】
制御配列はまた、酵素のアミノ末端で位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域であり得る。得られるポリペプチドは、プロ酵素又はプロポリペプチドとして知られている。プロポリペプチドは一般的に不活性であり、そしてプロポリペプチドからプロペプチドの触媒又は自己触媒分解により成熟した活性ポリペプチドに転換され得る。プロペプチドコード領域は、バチルス・サブチリスアルカリプロテアーゼ(aprE)、バチルス・サブチリス中性プロテアーゼ(nprT)、サッカロミセス・セレビシアエα−因子、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ遺伝子、及びミセリオプソラ・サーモフィリア ラッカーゼについての遺伝子から得られる(WO95/33836号)。
【0142】
シグナルペプチド及びプロペプチド領域の両者がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、そのプロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。酵母においては、ADH2システム又はGAL1システムが使用され得る。糸状菌においては、TAKAα−アミラーゼプロモーター、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼプロモーター及びアスペルギラス・オリザエグルコアミラーゼプロモーターが、調節配列として使用さえ得る。
【0143】
調節配列の他の列は、遺伝子増幅を可能にするそれらの配列である。真核システムにおいては、それらはメトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、及び重金属と共に増幅されるメタロチオネイン遺伝子を包含する。それらの場合、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、調節配列により作用可能に連結される。
【0144】
組換え発現ベクター:
本発明はまた、本発明の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクターにも関する。上記の種々のヌクレオチド及び制御配列は、1又は複数の便利な制限部位でポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の挿入又は置換を可能にするためにそれらの部位を含むことができる組換え発現ベクターを生成するために一緒に連結され得る。他方では、本発明のヌクレオチド配列は、前記配列又は前記配列を含んで成る核酸構造体を、発現のための適切なベクター中に挿入することによって発現され得る。発現ベクターを創造する場合、そのコード配列はベクターに位置し、その結果、コード配列は発現のための適切な制御配列により作用可能に連結される。
【0145】
組換え発現ベクターは、組換えDNA方法に便利にゆだねられ得、そしてヌクレオチド配列の発現をもたらすことができるいずれかのベクター(例えば、プラスミド又はウィルス)であり得る。ベクターの選択は典型的には、ベクターが導入される予定である宿主細胞とベクターとの適合性に依存するであろう。ベクターは、線状又は閉環された環状プラスミドであり得る。
【0146】
ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち染色体存在物として存在するベクター(その複製は染色体複製には無関係である)、たとえばプラスミド、染色体外要素、ミニクロモソーム又は人工染色体であり得る。
【0147】
ベクターは自己複製を確かめるためのいずれかの手段を含むことができる。他方では、ベクターは、糸状菌細胞中に導入される場合、ゲノム中に組み込まれ、そしてそれが組み込まれている染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。さらに、宿主細胞のゲノム中に導入される全DNA又はトランスポゾンを一緒に含む、単一のベクター又はプラスミド、又は複数のベクター又はプラスミドが使用され得る。
【0148】
本発明のベクターは好ましくは、形質転換された細胞の容易な選択を可能にする1又は複数の選択マーカーを含む。選択マーカーは、1つの遺伝子であり、その生成物は、殺生物剤又はウィルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求性に対する原栄養要求性、及び同様のものを提供する。
【0149】
細菌選択マーカーの例は、バチルス・サブチリス又はバチルス・リケニルホルミスからのdal遺伝子、又は抗生物質耐性、例えばアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテトラサイクリン耐性を付与するマーカーである。酵母宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1及びURA3である。糸状菌宿主細胞に使用するための選択マーカーは、次の群から選択されるが、但しそれらだけには限定されない;amdS (アセトアミダーゼ)、argB (オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar (ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hygB (ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD (硝酸レダクターゼ)、pyrG (オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC (硫酸アデニルトランスフェラーゼ) 及びtrpC (アントラニル酸シンターゼ)、並びにそれらの同等物。
【0150】
アスペルギラス・ニジュランス又はアスペルギラス・オリザエのamdS及びpyrG遺伝子及びストレプトミセス・ヒグロスコピカスのbar遺伝子が、アスペルギラス細胞への使用のために好ましい。
本発明のベクターは好ましくは、宿主細胞ゲノム中へのベクターの安定した組み込み、又は細胞のゲノムに無関係に細胞におけるベクターの自律的複製を可能にする要素を含む。
【0151】
宿主細胞のゲノム中への組み込みのためには、ベクターは、相同又は非相同組換えによるゲノム中へのベクターの組み込みのためのベクター中の変異体、又はいずれか他の要素をコードするヌクレオチド配列に依存する。他方では、ベクターは、宿主細胞のゲノム中への相同組換えによる組み込みを方向づけるための追加のヌクレオチド配列を含むことができる。その追加のヌクレオチド配列は、染色体における正確な位置での宿主細胞ゲノム中へのベクターの組み込みを可能にする。
【0152】
正確な位置での組み込みの可能性を高めるために、組み込み要素は好ましくは、相同組換えの可能性を高めるために対応する標的配列と高い相同性を示す十分な数の核酸、たとえば100〜1,500個の塩基対、好ましくは400〜1,500個の塩基対、及び最も好ましくは800〜1,500個の塩基対を含むべきである。組み込み要素は、宿主細胞のゲノムにおける標的配合と相同であるいずれかの配列であり得る。さらに、組み込み要素は、非コード又はコードヌクレオチド配列であり得る。他方では、ベクターは非相同組換えにより宿主細胞のゲノム中に組み込まれ得る。
【0153】
自律複製のためには、ベクターはさらに、問題の宿主細胞においてのベクターの自律的な複製を可能にする複製の起点を含んで成る。複製の細菌起点の例は、E.コリにおける複製を可能にするプラスミドpBR322, pUC19, pACYC177及びpACYC184, 及びバチルスにおける複製を可能にするpUB110, pE194, pTA1060及びpAMβ1の複製の起点である。酵母宿主細胞への使用のための複製の起点の例は、複製の2ミクロン起点、すなわちARS1, ARS4, ARS1及びCEN3の組み合わせ、及びARS4及びCEN6の組み合わせである。
【0154】
複製の起点は、宿主細胞においてその機能を感温性にする突然変異を有する起点である(例えば、Ehrlich, 1978, Procedings of the National Academy of Sciences USA 75: 1433を参照のこと)。
【0155】
本発明のヌクレオチド配列の1以上のコピーが、遺伝子生成物の生成を高めるために宿主細胞中に挿入され得る。ヌクレオチド配列のコピー数の上昇は、宿主細胞ゲノム中に配列の少なくとも1つの追加のコピーを組み込むことによって、又はヌクレオチド配列と共に増幅可能な選択マーカー遺伝子を含むことによって得られ、ここで細胞は選択マーカー遺伝子の増幅されたコピーを含み、そしてそれにより、ヌクレオチド配列の追加のコピーが、適切な選択剤の存在下で前記細胞を培養することによって選択され得る。
本発明の組換え発現ベクターを構成するために上記要素を連結するために使用される方法は、当業者に良く知られている(例えば、Sambrookなど., 1989, 前記を参照のこと)。
【0156】
組換え宿主細胞:
本発明はまた、変異体の組換え生成において都合良く使用される、本発明の核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞にも関する。本発明のヌクレオチド配列を含んでなるベクターは、そのベクターが染色体組み込み体として、又は前記のような自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、宿主細胞中に導入される。
宿主細胞は、単細胞微生物、例えば原核生物、又は単細胞微生物、真核生物であり得る。
【0157】
有用な単細胞は、細菌細胞、たとえば次のグラム陽性細菌バチルス・アルカロフィラス、バチルス・アミロリクエファシエンス、バチルス・ブレビス、バチルス・サーキュランス、バチルス・クラウシ、バチルス・コアギランス、バチルス・ラウタス、バチルス・レンタス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・メガテリウム、バチルス・ステアロサーモフィラス、バチルス・スブチリス及びバチルス・スリンギエンシス、又はストレプトミセス細胞、たとえばストレプトミセス・リビダンス又はストレプトミセス・ムリナス、又は次のグラム陰性細菌:E.コリ及びプソイドモナスsp.(但し、それらだけには限定されない)である。好ましい態様においては、細菌宿主細胞は、バチルス・レンタス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・ステアロサーモフィラス又はバチルス・サブチリス細胞である。もう1つの好ましい態様においては、バチルス細胞は、好アルカリ性バチルスである。
【0158】
細菌宿主細胞中へのベクターの導入はたとえば、コンピテント細胞(たとえば、Young and Spizizin, 1961, Journal of Bacteriology 81: 823-829, 又はDubnau and Davidoff-Abelson, 1971, Journal of Molecular Biology 56: 209-221 を参照のこと)を用いてプロトプラスト形質転換(たとえば、Changand Cohen, 1979, Molecular General Genetics 168: 111-115)、エレクトロポレーション(たとえば、Shigekawa and Dower, 1988, Biotechniques 6: 742-751を参照のこと)又は接合(たとえば、Koehler and Thorne, 1987, Journal of Bacteriology 169: 5771-5278を参照のこと)によりもたらされ得る。
【0159】
宿主細胞は、真核生物、たとえば哺乳類、昆虫、植物、又は菌類細胞であり得る。
好ましい態様においては、宿主細胞は菌類細胞である“菌類”とは、本明細書において使用される場合、門アスコミコタ(Ascomycota)、バシジオミコタ(Basidiomycota)、キトリジオミコタ(Chytridiomycota)及びヅイゴミコタ(Zygomycota)(Hawksworth など., Ainsworth and Bisby’s Dictionary of the Fungi, 8th edition, 1995, CAB International, University Press, Cambridge, UKにより定義される)、及びオーミコタ(Oomycota)(Hawksworth など., 1995, 前記、171ページに引用される)、並びに栄養胞子菌(Hawksworh など., 1995, 前記)を包含する。
【0160】
より好ましい態様においては、菌類宿主細胞は酵母細胞である“酵母”とは、本明細書において使用される場合、子嚢胞子酵母(Endomycetals)、担子胞子酵母、及び不完全菌類(Blastomycetes)に属する酵母を包含する。酵母の分類は未来において変化し得るので、本発明のためには、酵母は、Biology and Activities of Yeast (Skinner, F.A., Passmore, S.M., and Davenport, R.R., eds. Soc. App. Bacteriol. Symposium Series No. 9, 1980) に記載のようにして定義されるであろう。
【0161】
さらにより好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、カンジダ(Candida)、ハンセヌラ(Hunsenula)、クレベロミセス(Kluyveromyces)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)又はヤロウィア(Yarrowia)である。
【0162】
最も好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、サッカロミセス・カルスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyses cerevisiae)、サッカロミセス・ジアスタチカス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロミセス・ドウグラシ(Saccharomyces douglasii)、サッカロミセス・クルイビリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensisi)、又はサッカロミセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)細胞である。もう1つの最も好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)である。もう1つの最も好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、ヤロウィア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)細胞である。
【0163】
もう1つのより好ましい態様においては、菌類宿主細胞は糸状菌細胞である。“糸状菌”とは、ユーミコタ(Eumycota)及びオーミコタ(Oomycota)のすべての糸状形を包含する(Hawksworthなど., 1995, 前記により定義されるような)。糸状菌は一般的に、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナン及び他の複合多糖類から構成される菌子体壁により特徴づけられる。成長増殖は、菌子拡張によってであり、そして炭素代謝は絶対好気性である。対照的に、酵母、たとえばサッカロミセス・セレビシアエによる成長増殖は、単細胞葉状体の発芽によってであり、そして炭素代謝は発酵性である。
【0164】
さらにより好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギラス(Aspergillus)、フサリウム(Fusarium)、ヒューミコラ(Humicola)、ムコル(Mucor)、ミセリオプソラ(Myceliophthora)、ネウロスポラ(Neurospora)、ペニシリウム(Penicilium)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)又はトリコダーマ(Trichoderma)の種の細胞であるが、但しそれらだけには限定されない。
【0165】
最も好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、アスペルギラス・アワモリ、アスペルギラス・ホエチダス、アスペルギラス・ジャポニカ、アスペルギラス・ニジュランス、アスペルギラス・ニガー又はアスペルギラス・オリザエ細胞である。もう1つの最も好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、フサリウム・バクトリジオイデス、フサリウム・クロックウェレンズ 、フサリウム・セレアリス、フサリウム・クルモラム、フサリウム・グラミネアラム、フサリウム・グラミナム、フサリウム・ヘテロスポラム、フサリウム・ネグンジ、フサリウム・オキシスポラム、フサリウム・レチキュラタム、フサリウム・ロゼウム、フサリウム・サムブシウム、フサリウム・サルコクロウム、フサリウム・ソラニ、フサリウム・スポロトリキオイデス、フサリウム・スルフレウム、フサリウム・トルロサム、フサリウム・トリコセシオイデス又はフサリウム・ベネナタム細胞である。
【0166】
さらに最も好ましい態様においては、糸状菌親細胞は、フサリウム・ベネナタム(Nirenberg sp. nov.)細胞である。さらに最も好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、ヒューミコラ・インソレンス、ヒューミコラ・ラヌギノサ、ムコル・ミエヘイ、ミセリオプソラ・サーモフィリア、ネウロスポラ・クラサ、ペニシリウム・プルプロゲナム、チエラビア・テレストリス、トリコダーマ・ハルジアナム、トリコダーマ・コニンギ、トリコダーマ・ロンジブラキアタム、トリコダーマ・レセイ又はトリコダーマ・ビリデ細胞である。
【0167】
菌類細胞は、プロトプラスト形質転換、プロトプラストの形質転換、及びそれ自体知られている態様での細胞壁の再生を包含する工程により形質転換され得る。アスペルギラス宿主細胞の形質転換のための適切な方法は、ヨーロッパ特許第238023号及びYeltonなど., 1984, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81; 1474-1874に記載される。フラリウム種を形質転換するための適切な方法は、Malardierなど., 1989, Gene78: 147-156, 及びWO96/00787号により記載される。酵母は、Becker and Guarente. In Abelson, J.N. and Simon, M.I., editors, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, Methods in Enzymology, Volume 194, pp 182-187, Academic Press, Inc., New York; Ito など, 1983, Journal of Bacteriology 153: 163; 及びHinnen など, 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75; 1920により記載される方法を用いて形質転換され得る。
【0168】
酵素ポリペプチドの調製方法:
本発明はまた、(a)本発明の酵素を発現でき、そして分泌できる、本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列を含んで成る株を培養し、そして(b)前記酵素を回収することを含んで成る本発明の酵素の生成方法にも関する。特定の態様においては、前記株は、野生型株、例えばボトリオスファエリア・ロジナCBS 247.96であり、そしてもう1つの態様においては、株は上記のような組換え宿主細胞である。
【0169】
本発明のそれらの生成方法においては、細胞は、当業界において知られている方法を用いて、酵素の生成のために適切な栄養培地において培養される。例えば、細胞は、ポリペプチドの発現及び/又は単離を可能にする、適切な培地において、及び条件下で行われる実験室用又は産業用発酵器において、振盪フラスコ培養、小規模又は大規模発酵(連続、バッチ、供給バッチ、又は団体状態発酵を包含する)により培養され得る。培養は、炭素及び窒素源及び無機塩を含んで成る適切な栄養培地において、当業界において知られている方法を用いて行われる。適切な培地は、市販されているか、又は公開されている組成(例えば、American Type Culture Collection のカタログにおける)に従って調製され得る。酵素が栄養培地に分泌される場合、酵素は培地から直接的に回収され得る。
【0170】
得られる酵素は、当業界において知られている方法により回収され得る。例えば、酵素は、従来の方法、例えば遠心分離、濾過、抽出、噴霧−乾燥、蒸発又は沈殿(但し、それらだけには限定されない)により、栄養培地から回収され得る。
【0171】
本発明のポリペプチドは、当業界において知られている種々の方法、例えばクロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、クロマトフォーカシング及びサイズ排除)、電気泳動方法(例えば、分離用等電点電気泳動)、示差溶解性(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、SDS−PAGE又は抽出(但し、それらだけには限定されない)により精製され得る(例えば、Protein Purification, J.C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publlishers, New York, 1989を参照のこと)。
【0172】
トランスジェニック植物:
本発明はまた、酵素を、発現し、そして生成するために、本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列により形質転換されている、トランスジェニック植物、植物部分又は植物細胞にも関する。1つの態様においては、植物は、回収可能な量での酵素の生成のための宿主として使用され得る。酵素は植物又は植物部分から回収され得る。他方では、組換え酵素を含む植物又は植物部分が、食品又は飼料の品質を改良するために、例えば、栄養価値、味のよさ及び流動性質を改良するために、又は抗栄養因子を破壊するために使用され得る。特に、酵素を発現する植物又は植物部分は、燃料−アルコール又は生物−エタノールの生成のための改良された出発材料として使用され得る。
【0173】
トランスジェニック植物は、双子葉植物又は単子葉植物であり得る。単子葉植物の例は、草、たとえば湿地帯を好む草(イチゴツナギ属の草、イネ科)、飼草、たとえばウシノケグサ・トボシガラ、ドクムギ、温帯性草、たとえばヌカボ、及び穀草類、たとえば小麦、カラスムギ、ライ麦、大麦、イネ、モロコシ及びトウモロコシである。
双子葉植物の例は、タバコ、マメ科植物、たとえばハウチワマメ、ジャガイモ、テンサイ、エンドウ、豆及び大豆、並びにアブラナ科(ブラシカセアエ科(Brassicaceae))、たとえばカリフラワー、ナタネ及び密接に関連するモデル生物アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis Thaliana)である。
【0174】
植物部の例は、茎、カルス、葉、根、果物、種子、及び塊根である。現在、また特定の植物組織、たとえばクロロプラスト、アポプラスト(apoplast)、ミトコンドリア、液胞、ペルオキシソーム、及び細胞質が植物部分であると思われる。さらに、いずれの植物細胞でも、その組織起源が何であろうと、植物部分であると見なされる。
また、そのような植物、植物部分及び植物細胞の子孫も、本発明の範囲内に包含される。
【0175】
本発明の酵素を発現するトランスジェニック植物又は植物細胞は、当業界において知られている方法に従って構成され得る。手短には、植物又は植物細胞は、本発明の酵素をコードする1又は複数の発現構造体を植物宿主ゲノム中に組み込み、そしてその得られる修飾された植物又は植物細胞をトランスジェニック植物又は植物細胞に生長せしめることによって構成される。
【0176】
便利には、核酸構造体は、本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列を、選択の植物又は植物部分において前記ヌクレオチド配列の発現のために必要とされる適切な調節配列と共に作用可能に関連して含んでなるDNA構造体である。さらに、発現構造体は、その発現構造体が組み込まれている宿主細胞を同定するために有用である選択マーカー、及び問題の植物中への前記構造体の導入のために必要なDNA配列を含むことができる(後者は、使用されるDNA導入方法に依存する)。
【0177】
調節配列、たとえばプロモーター及びターミネーター配列、及び任意には、シグナル又は遷移配列の選択は、酵素がいつ、どこで及びいかにして、発現されるかの所望に基づいて決定される。たとえば、本発明の酵素をコードする遺伝子の発現は、構造的又は誘発的であり、又は進行的、段階的又は組織特異的であり、そして遺伝子生成物は特定の組織又は植物部分、たとえば種子又は葉に標的化され得る。調節配列は、たとえばTague など., Plant Phys., 86: 506, 1988により記載されている。
【0178】
構成的発現のためには、35S−CaMVプロモーターが使用され得る(Franck など., 1980, Cell 21:285-294)。器官−特異的プロモーターは、貯蔵組織たとえば種子、ジャガイモ塊茎、及び果物(Edwards & Coruzzi, 1990, Annu. Rev. Genet. 24: 275-303)、又は代謝組織、たとえば分裂組織(Ito など., 1994, Plant Mol. 24: 863-878)からのプロモーター、又は種子特異的プロモーター、たとえばイネからのグルテリン、プロラミン、グロブリン又はアルブミンプロモーター(Wu など., Plant and Cell Physiology Vol.34, No.39, No.8, pp.885-889 (1998))、Conrad U. など, Journal of Plant Physiology Vol. 152, No.6, pp.708-711 (1998)により記載されるビシア・ファバ(Vicia faba)からのレグミンB4及び未知の種子タンパク質遺伝子からのビシア・ファバプロモーター、種子油本体のタンパク質からのプロモーター(Chen など., Plant and Cell Physiology Vol.39, No.9, pp.935-941 (1998))、ブラシカ・ナパス(Brassica napus)からの貯蔵タンパク質napAプロモーター、又はたとえばWO91/14772号に記載のような当業界において知られているいずれか他の種子特異的プロモーターであり得る。
【0179】
さらに、プロモーターは、葉特異的プロモーター、たとえば株又はトマトからのrbcsプロモーター(Kyozuka など., Plant Physiology Vol.102, No.3, pp.991-1000 (1993))、コレラウィルスあでのメチルトランスフェラーゼ遺伝子プロモーター(Mitra, A. and Higgins, DW, Plant Molecular Biology Vol.26, No.1, pp.85-93 (1994))、又はイネからのaldP遺伝子プロモーター(Kagayaなど., Molecular and General Genetics Vol.248, No.6, pp.668-674 (1995))、又は創傷誘発性プロモーター、たとえばジャガイモpin2プロモーター(Xuなど., 1993, Plant Molecular Biology 22, 573-588)であり得る。
【0180】
プロモーターエンハンサー要素は、植物において、より高い酵素の発現を達成するために使用され得る。たとえば、プロモーターエンハンサー要素は、プロモーターと本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列との間に配置されるイントロンであり得る。たとえば、Xuなど、1993、前記は、発現を増強するためにイネアクチン1遺伝子アクチン1遺伝子の第1イントロンの使用を開示する。
【0181】
選択マーカー遺伝子、及び発現構造体のいずれかの他の部分は、当業界において入手できるものから選択され得る。
核酸構造体は、当業界において知られている従来の技法、たとえばアグロバクテリウム−介在性形質転換、ウィルス−介在性形質転換、マイクロインジェクション、粒子衝撃、バイオリスティク形質転換、及びエレクトロポレーションに従って、植物ゲノム中に組込まれる(Gasser など., Science, 244, 1293; Potrykus, Bio/tech. 8,535,1990; Shimamoto など., Natune, 338, 274, 1989)。
【0182】
現在、アグロバクテリウム・ツメファシエンス介在性遺伝子トランスファーは、トランスジェニック双子葉植物を生成するための好ましい方法(Hooykas & Schilperoort, 1992, Plant Mol. Biol. 19: 15-38を参照のこと)であるが、しかしながら、それはまた、他の形質転換方法が一般的に、それらの植物のためには好ましいけれども、単子葉植物を形質転換するためにも使用され得る。
【0183】
現在、トランスジェニック単子葉植物を生成するための好ましい方法は、胚カルス又は成長する胚の粒子衝撃法(形質転換性DNAにより被覆された微小金又はタングステン粒子)である(Christou, 1992, Plant J. 2: 275-281; Shimamoto, 1994, Curr. Opin. Biotechnol. 5: 158-162; Vasil など., 1992, Bio/Technology 10: 667-674)。単子葉植物の形質転換のための他の方法は、Omirulleh B, など., Plant Molecular Biology Vol. 21, No.3, pp.415-428 (1993) により記載されるように、プロトプラスト形質転換に基づかれている。
【0184】
形質転換に続いて、発現構造体を組み込んでいる形質転換体が、当業界において良く知られている方法に従って、選択され、そして完全な植物に再生される。
本発明はまた、(a)酵素の生成のために適切な条件下で、本発明の酵素をコードするヌクレオチド配列を含んで成るトランスジェニック植物又は植物細胞を培養し;そして(b)前記酵素を回収することを含んで成る本発明の酵素を生成するための方法にも関する。
【0185】
酵素ポリペプチドを含んで成る組成物及びそれらの調製方法:
本発明は、本発明のポリペプチド及び賦形剤を含んで成る組成物、及び本発明のポリペプチドと賦形剤とを混合することを含んで成る、そのような組成物の調製方法を提供する。特定の態様においては、本発明のポリペプチドは、組成物、例えば一成分組成物中の主要(ポリペプチド)成分である。本明細書における賦形剤は、組成物の配合に使用されるいずれかの助剤又は化合物として理解されるべきであり、そして溶媒、キャリヤー、安定剤、及び同様のものを包含する。
【0186】
組成物はさらに、1又は複数の追加の酵素、例えばアミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インバーターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ又はキシラナーゼを含んで成る。
【0187】
組成物は、当業界において知られている方法に従って調製され、そして溶液又は固体組成物の形で存在することができる。例えば、酵素組成物は、ポリペプチド及び/又は医薬生成物を、被覆されているか又は被覆されていない顆粒又は微小顆粒に配合する、当業界において知られている方法を用いて配合され得る。従って、本発明のポリペプチドは、顆粒、好ましくは無粉塵性顆粒、液体、特に安定化された液体、スラリー又は保護されたポリペプチドの形で提供され得る。特定の用途のためには、固体マトリックス上へのポリペプチドの固定が好ましい。
【0188】
組成物に含まれるポリペプチドは、酸化防止剤又は還元剤を添加し、ポリペプチドの酸化を限定することにより組成物におけるポリペプチドを安定化する、当業界において知られている方法に従って安定化され得るか、又はそれは、固体又は液体組成物におけるポリペプチドの安定性に対して有益であることが知られているポリマー、例えばPVP, PVA, PEG又は他の適切なポリマーを添加することにより安定化され得る。
【0189】
さらなる態様においては、本発明の組成物は、本発明のポリペプチドの他に、界面活性剤、及びに任意には、ビルダー、例えばゼオライト、漂白剤、例えば過炭酸塩、漂白増強剤、例えばTAED又はNOBS、石鹸水の泡抑制剤、芳香剤、等から成る群から選択された化合物を含んで成る洗剤組成物である。
さらなる態様においては、本発明の組成物は、ポリペプチドの他に、穀物又は穀粒を含んで成る飼料組成物である。
【0190】
さらなる態様においては、本発明の組成物は、本発明のポリペプチドを含んで成る、食品組成物、例えばパン粉組成物、醸造製品、果物ジュース、油又はラード製品である。
さらなる態様においては、本発明の組成物は、本発明のポリペプチドの他に、パルプを含んで成るパルプ組成物である。
さらなる態様においては、本発明の組成物は、本発明のポリペプチドの他に、オキシドレダクターゼエンハンサーを含んで成る殺生物組成物である。
【0191】
ポリペプチド又はそれらを含んで成る組成物の使用:
さらなる観点においては、本発明は、本発明のポリペプチド又はポリヌクレオチド、又は前記ポリペプチド又はポリヌクレオチドを含んで成る組成物の種々の用途、特に(技術的)工程、例えば商業的研究目的のために産業又は家庭において行われる工程への使用を提供する。従って、本発明は、本発明のポリペプチド又は本発明のポリヌクレオチドを、(技術的)産業的研究又は家庭工程に使用することを含んで成る方法を包含する。
【0192】
1つの態様においては、本発明のポリペプチド又は組成物は、セルロース繊維の洗浄のために使用される。
もう1つの態様においては、本発明のポリペプチド又は組成物は、食品又は飼料添加物を調製するために使用される。
さらにもう1つの態様においては、本発明のポリペプチド又は組成物は、リグノール材料及びパルプの処理のために使用される。
【0193】
洗剤の開示:
本発明のポリペプチドは、洗剤組成物に添加され、そして従ってその組成物の成分に成ることができる。
本発明の洗剤組成物は、手動又は機械洗濯用洗剤組成物、例えば染色された布の前処理のために適切な洗濯用添加剤組成物及びすすぎ用布ソフトナー組成物として配合され得、又は一般的な家庭用硬質表面洗浄操作における使用のための洗剤組成物として配合され得、又は手動又は機械皿洗い操作のために配合され得る。
【0194】
特定の観点においては、本発明は、本発明のポリペプチドを含んで成る洗剤添加剤を提供する。前記洗剤添加剤及び洗剤組成物は、1又は複数の他の酵素、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カーボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、例えばラッカーゼ及び/又はポロキシダーゼを含んで成ることができる。
【0195】
一般的に、選択された酵素の性質は、選択された洗剤と適合できるべきであり(すなわち、他の酵素及び非酵素の成分、等とのpH−最適適合性)、そして酵素は効果的な量で存在すべきである。
【0196】
プロテアーゼ:適切なプロテアーゼは、動物、植物又は微生物起源のものを包含する。微生物起源が好ましい。化学的に修飾された、又はタンパク質構築された変異体が含まれる。プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ又は金属プロテアーゼ、好ましくはアルカリ微生物プロテアーゼ又はトリプシン−様プロテアーゼであり得る。アルカリプロテアーゼの例は、スブチリシン、特にバチルスに由来するそれらのもの、例えばスブチリシンNovo、スブチリシンCarlsberg、スブチリシン309、スブチリシン147及びスブチリシン168(WO89/06279号に記載される)である。トリプシン−様プロテアーゼの例は、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源のもの)、及びWO89/06270号及びWO94/25583号に記載されるフサリウムプロテアーゼである。
【0197】
有用なプロテアーゼの例は、WO92/19729号、WO98/20115号、WO98/20116号及びWO98/34946号に記載される変異体、特にそこに記載される特定の位置置換を有する変異体である。
好ましい市販のプロテアーゼ酵素は、AlcalaseTM, SavinaseTM, PrimaseTM, DuralaseTM, EsperaseTM及びKannaseTM (Novo Nordisk A/S), MaxataseTM, MaxacalTM, MaxapemTM, ProperaseTM, PurafectTM, Purafect OxPTM, FN2TM及びFN3TM (Genencor International Inc.) を包含する。
【0198】
リパーゼ:適切なリパーゼは、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。有用なリパーゼの例は、ヒューミコラ(別名、サーモミセス)、例えばヨーロッパ特許第258068号及び第305216号に記載のようなヒューミコラ・ラウギノサ(T.ラウギノサ)、又はWO96/13580号に記載のようなヒューミコラ・インソレンス、P.アルカリゲネス又はP.プソイドアルカリゲネス(ヨーロッパ特許第218272号)、P.セパシア(ヨーロッパ特許第331376号)、P.スツゼリ(P.stutzeri)(イギリス特許第1,372,034号)、P.フルオレセンス、プソイドモナスsp. SD705株(WO75/06720号及びWO96/27002号)、P.ウイスコンシネンシス(WO96/12012号)からのリパーゼ、バチルスリーパーゼ、例えばB.スブチリス(Dartoisなど. (1993), Biochemica et Biophysica Acta, 1131, 253-360)、B. ステアロサーモフィラス(日本特許64/744992)又はB.プミラス(WO91/16422号)からのリーパーゼを包含する。
【0199】
他の例は、リパーゼ変異体、例えばWO92/05249号、WO94/01541号、ヨーロッパ特許第407225号、ヨーロッパ特許第206105号、WO95/35381号、WO96/00292号、WO95/30744号、WO94/25576号、WO95/14783号、WO95/22615号、WO97/04079号及びWO97/0720号に記載されるものを包含する。
【0200】
好ましい市販のリパーゼ酵素は、LipolaseTM 及びLipolase UltraTM (Novo Nordisk A/S) を包含する。
アミラーゼ:適切なアミラーゼ(α−及び/又はβ)は、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。アミラーゼは、バチルス、例えばイギリス特許第1,296,839号により詳細に記載される、B.リケニルホルミスの特許株から得られるα−アミラーゼを包含する。
【0201】
有用なアミラーゼの例は、WO94/02597号、WO94/18314号、WO96/23873号及びWO/43424号に記載される変異体、特にそこに記載される特定の位置置換を有する変異体である。
市販のアミラーゼは、DuramylTM, TermamaylTM, FungamylTM 及びBAMTM (Novo Nordisk A/S), RapidaseTM 及びPurastarTM (Genencor International Inc.)である。
【0202】
セルラーゼ:適切なセルラーゼは、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。適切なセルラーゼは、バチルス、ヒューミコラ、フサリウム、チエラビア、アクレモニウム属からのセルラーゼ、例えばアメリカ特許第4,435,307号、アメリカ特許第5,648,263号、アメリカ特許第5,691,178号、アメリカ特許第5,776,757号及びWO89/09259号に開示されるヒューミコラ・インソレンス、マイセリオプソラ・サーモフィラ/オキシスポラムから生成される菌類セルラーゼを包含する。
【0203】
特に適切なセルラーゼは、色彩保護有益性を有するアルカリ又は中性セルラーゼである。そのようなセルラーゼの例は、ヨーロッパ特許第0495257号、ヨーロッパ特許第0531372号、WO96/11262号、WO96/29397号、WO98/08940号に記載されるセルラーゼである。例の例は、WO94/07998号、ヨーロッパ特許第0531315号、アメリカ特許第5,457,046号、アメリカ特許第5,685,593号、アメリカ特許第5,763,254号、WO95/24471号、WO98/12307号及びPCT/DK98/0299号に記載されるそれらのものである。
【0204】
市販のセルラーゼは、CelluzymeTM 及びCarezymeTM (Novo Nordisk A/S), ClazinaseTM 及びPuradex HATM (Genencor International Inc.) 及びKAC−500 (B)TM (Kao Corporation) を包含する。
【0205】
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ:適切なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは、植物、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。有用なペルオキシダーゼの例は、コプリナス、例えばコプリナス・シネレウス、及びWO93/24618 号、WO95/10602号及びWO98/15257号に記載されるそれらのようなそれらの変異体からのペルオキシダーゼを包含する。
市販のペルオキシダーゼは、GuardzymeTM (Novo Nordisk A/S) を包含する。
【0206】
洗剤酵素は、1又は複数の酵素を含む別々の添加剤を添加することにより、又はそれらの酵素のすべてを含んで成る組合された添加剤を添加することにより洗剤組成物に包含され得る。本発明の洗剤添加剤、すなわち別々の添加剤又は組合された添加剤が、例えば粒質物、液体、スラリー、等として配合され得る。好ましくは洗剤添加剤配合物は、粒質物、特に非−ダスチング粒質物、液体、特に安定された液体又はスラリーである。
【0207】
非−ダスチング粒質物は、アメリカ特許第4,106,991号及び第4,661,452号に開示のようにして生成され得、そして任意には、当業界において知られている方法により被覆され得る。蝋被覆材料の例は、1000〜20,000の平均モル重量を有するポリ(酸化エチレン)生成物(ポリエチレングリコール、PEG);16〜50の酸化エチレン単位を有する、エトキシル化されたノニルフェノール;12〜20個の炭素原子を有するアルコールを有し、そして15〜80の酸化エチレン単位を有する、エトキシ化された脂肪アルコール;脂肪アルコール、脂肪酸;及び脂肪酸のモノ−、ジ−及びトリグリセリドである。
【0208】
流動層技法による適用のために適切なフィルム形成被覆材料の例は、イギリス特許第1483591号に与えられている。例えば、液体酵素調製物は、確立された方法に従って、ポリオール、例えばプロピレングリコール、糖又は糖アルコール、硫酸又は硼酸を添加することによって、安定化される。保護された酵素は、ヨーロッパ特許第238,216号に開示される方法に従って調製され得る。
【0209】
本発明の洗剤組成物は、いずれかの便利な形、例えば棒状、錠剤、粉末、顆粒、ペースト又は液体の形で存在することができる。液体洗剤は、水性であり、典型的には、70%までの水及び0〜30%の有機溶媒を含み、又は非水性であり得る。
洗剤組成物は、非イオン性、例えば半−極性及び/又はアニオン性及び/又はカチオン性及び/又は両性イオンであり得る1又は複数の界面活性剤を含んで成る。界面活性剤は典型的には、0.1〜60重量%のレベルで存在する。
【0210】
そこに含まれる場合、洗剤は通常、約1%〜約40%のアニオン性界面活性剤、例えば線状アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、アルキルスルフェート(脂肪酸スルフェート)、アルコールエトキシスルフェート、第二アルカンスルホネート、α−スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル−又はアルケニル琥珀酸又は石鹸を含むであろう。
【0211】
そこに含まれる場合、界面活性剤は通常、約0.2%〜約40%の非イオン性界面活性剤、例えばアルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化された脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN−アシルN−アルキル誘導体(“グルコサミド”)を含むであろう。
【0212】
洗剤は、0〜65%の洗剤ビルダー又は錯生成剤、例えばゼオライト、ジホスフェート、三リン酸、ホスホネート、カーボネート、シトレート、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン六酢酸、アルキル−又はアルキニル琥珀酸、可溶性シリケート又は層化されたシリケート(例えばHoechstからのSKS−6)を含むことができる。
【0213】
洗剤は、1又は複数のポリマーを含んで成る。例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリカルボキシレート(例えばポリアクリレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーを含んで成る。
【0214】
洗剤は、H2O2源を含んで成る漂白システム、例えば過酸形成漂白活性化剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン又はノナノイルオキシベンゼンスルホネートと共に組合され得る過硼酸塩又は過炭酸塩を含むことができる。他方では、漂白システムは、例えばアミド、イミド又はスルホン型のペルオキシ酸を含むことができる。
【0215】
本発明の洗剤組成物の酵素は、従来の安定剤、例えばポリオール、例えばプロピレングリコール又はグリセロール、糖又は糖アルコール、乳酸、硼酸又は硼酸誘導体、例えば芳香族硼酸エステル又はフェニル硼素酸誘導体、例えば4−ホルミルフェニル硼素酸を用いて安定化され得、そして前記組成物は、例えばWO92/19709号及びWO92/19708号に記載のようにして配合され得る。
【0216】
洗剤はまた、他の従来の洗剤組成物、例えば布コンディショナー、例えばクレー、泡増強剤、石鹸泡抑制剤、抗腐蝕剤、土壌懸濁剤、抗−土壌再沈着剤、染料、殺菌剤、蛍光増白剤、ヒドロトロープ、曇りインヒビター、又は香料を含むことができる。
【0217】
洗剤組成物においては、いずれかの酵素、特に本発明の酵素は、洗浄液体1L当たり0.01−100mgの酵素タンパク質、好ましくは洗浄液体1L当たり0.05−5mgの酵素タンパク質、特に洗浄液体1L当たり0.1−1mgの酵素タンパク質に対応する量で添加され得ることが、現在企画される。
本発明の酵素はさらに、WO97/07202号(引例として本明細書組み込まれる)に開示される洗剤配合物に導入され得る。
【0218】
寄託された微生物:
次の微生物を、Centraalbureau voor Schimmelcultures, Fungal and Yeast Collection, Uppsala- laan 8, 3584 CT Utrecht, P.O.Box 85167, 3508 AD Utrecht, The Netherlandsに、特許手続きのための微生物の寄託の国際認識に基づいてブダペスト条約に従って、出願人により寄託された:
【0219】
名称: ボトリオスファエリア・ロジナ
別名: ジプロジア・ゴシピナ(Diplodia gossypina)((SBL 274) (Berkeley & M.A. Curtis) von Arx Protolog Arx, J.A. von 1970, "The genera of fungi sporulating in pure culture": 143)
分類: ドチデアセアエ(Dothideaceae), ドチデアレス(Dothideales),
ドチデミセテス(Dothidemycetes);子嚢菌
受託番号: CBS247.96
寄託日: 3月12日、1996
【実施例】
【0220】
例1ボトリオスファエリア・ロジナCBS247.96により分泌される機能的ポリペプチドの同定
培養物流体の酵素フィンガープリント
酵素活性プロフィールを、広範囲の酵素アッセイに基づいて培養ブイヨンをアッセイすることにより得た。96ウェルマイクロタイター(MT)プレートを、基質により調製し、そして+10℃で使用まで貯蔵した。次の2種の異なったpH種類を調製した:pH3及びpH7。次の基質を使用した:0.05%のAZCL(マズリン染色され、そして架橋された基質、Megazyme)−アミロース、アラビナン、β−グルカン(Barley)、カゼイン、コラーゲン、カードラン、デキストラン、ガラクタン(ジャガイモ)、ガラクトマンナン(Carob)、He−セルロース、プルラン、キシラン(オート麦)及びキシログルカン(AZCL−カゼインはpH3で使用され得ず、そして従って、それらのプレートから除去された)。
【0221】
pH3基質の調製:
0.1gの個々のAZCL基質を、100mlの0.2Mの琥珀酸pH3+10μlのTritonx-100(0.01%)に溶解し、0.1%AZCLの最終濃度を得た。
pH7基質の調製:
0.1gの個々のAZCL基質を、50mlの無菌H2O+10μlのTritonX−100(0.01%)に溶解した。50mlの0.4MのMOPS(pH7)を、50mlの個々のAZCL基質に添加し、100mlの最終体積及び0.2Mの緩衝液、0.1%のAZCLを得た。
【0222】
ラッカーゼ及びリパーゼ活性アッセイが包含され、そして基質を次の通りにして調製した:
ラッカーゼ基質の調製:
0.2Mのリン酸/ホウ酸−緩衝液(pH9)中、35mlの0.08mg/mlのChicago Sky Blueを調製した。
リパーゼ基質の調製:
ポリビニルアルコール(PVA)/大豆油エマルジョンを、2%PVA溶液と大豆油とを3:1で混合することにより調製した。前記油を、ULTRA−TURRAXミキサーを用いて乳化し、そしてそのエマルジョン12mlを、10mMのCaCl2、pH5.5を含む0.2Mの酢酸ナトリウム緩衝液500ml及び5mlの0.2%クリスタルバイオレット溶液と共に混合した。
【0223】
Multidrop S20 Stacker, Titertek Instruments, Inc., Alabamaを備えたUS Sterilin 96−ウェルMTプレートを使用した。200μlの個々のAZCL−基質及びリパーゼ基質、及び150μlのラッカーゼ基質を、MTウェル中に分散し、そして30〜50μlの培養物ブイヨンを個々の基質に添加し、そして26℃で一晩インキュベートした。結果の評価を次の通りにアッセイに対して行った:0:活性なし、1:弱い活性、2:強い活性。
【0224】
【表1】

【0225】
A. cDNAライブラリーの構成
ボトリオスファエリア・ロジナCBS247.96からのcDNAを、標準の分子生物学的技法を用いることにより調製した(Ausuble など. 1995 "Current protocols in molecular biology" Publ.:John Wiley and sons)。
【0226】
cDNAライブラリー生成に使用されるバイオマスの発酵を、28℃で7日間にキュベートされた、接種されたPDAプレートから開始した。いくつかの菌糸体−PDA寒天プラグを、20gの大豆、15gの小麦ふすま、10gのセルロースAvicel, 5gマルトデキストリン01, 3gのバクトペプトン、0.2gのプルロニックPE6100及び1gのオリーブ油を含む(1L当たり)Mex1培地を含む振盪フラスコを接種した。フラスコを、26℃で150RPMで振盪した。7日後、菌糸体を、Miraclothを通しての濾過により収穫し、そして液体窒素において凍結し、そして使用まで、−80℃で貯蔵した。
【0227】
RNA単離:全RNAを、グアニジウムチオシアネートによる抽出、5.7MのCsClのクッションを通しての続く超遠心分離により、ポチロスファエリア・ロジナの凍結され、粉末化された菌糸体から調製した(Chirgwin, J. M., Przbyla, A.E., Macdonlad, RJ. , and Ruttwer W.J., Isolation of biologically active ribonucleic acid from sources enriched in ribonuclease, Biochemistry 18, 5294-5299, 1979)。ポリA富化されたRNAを、オリゴ(dT)−セルロース親和性クロマトグラフィーにより単離した(Aviv, H., and Leder, P., Purification of biologically active globin messenger RNA by chromatography on oligothymidylic acid-cellulose, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69 (6), 1408- 1412, 1972)。
【0228】
cDNAライブラリーの構成:二本鎖cDNAを、ポリA−Not1プライマー(Promega, USA)を用いて、Gubler U. and Hoffman, B.J., A simple and very efficient method for gen- erating cDNA libraries, Gene 25(2-3), 263-269, (1983); Sambrook, J., Fritsch, E.F., and Mani- antis, T. Molecular cloning: A laboratory Manual, 2nd ed., 1989, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York and Kofodなど. (1994)の一般的方法に従って合成した。合成の後、cDNAを、ヤエナリヌクレアーゼにより処理し、T4 DNAポリメラーゼによりブラント末端化し、そして50倍モル過剰のEcoRIアダプター(Invitrogen, USA)に連結した。
【0229】
cDNAを、NotI制限酵素(New England Biolabs, USA)により、その製造業者の説明書に従って切断し、そしてcDNAサイズを、アガロースゲル電気泳動により分別した。700bp及びそれ以上に対応するcDNAを、ゲルから切除し、そしてGFX DNA単離キット(AP Biotech)を用いて精製した。次に、調製されたcDNAを、EcoRT−NotI切断されたpMHas5への連結により直接的にクローン化した。その連結混合物を、DH10B細胞(Invitorogen)中にエレクトロポレートし、そして50mg/lのカナマイシンを含むLB寒天上にプレートした。cDNAプラスミドプールを、元のcDNA−pMHas5ベクター連結の合計30,000の形質転換体から調製した。プラスミドDNAを、プラスミドDNA単離のためのQiagenプロトコール(Qiagen Inc. GMBH)に従って、固体LBカナマイシン選択培地から回収されたコロニーのプールから直接的に調製した。
【0230】
クローン化のために使用されるベクターは、特許WO03/044049号に記載され、そして次の特徴を有するpMhas5であった:
【表2】

【0231】
このプラスミドの注目すべき特徴は、LacプロモーターのShine Dalgamoに近位のEcoRI−NotI制限部位である。これは、EcoRI−NotI適合されたcDNAのベクター中へのクローン化、及び得られる構造体のE. コリ宿主における活動的転写及び翻訳を可能にする。
【0232】
B. トランスポゾン構成及び調製
WO01/77315A1に記載されるようなTransposon Assisted Signal Trapping (TAST)の方法の背後にある基本的原理は、シグナルのないβ−ラクタマーゼをコードする遺伝子と、選択されたゲノム内のすべての遺伝子をトランスポゾン標識を通して融合することである。従って、トランスポゾン標識を通して、シグナルのないβ−ラクタマーゼをコードする遺伝子により融合されたゲノムの遺伝子を含んで成る宿主細胞クローンを、アンピシリン含有培地において増殖する場合、β−ラクタマーゼを発現し、そして分泌するそれらのクローンのみが生存するであろう。
【0233】
しかしながら、β−ラクタマーゼは、β−ラクタマーゼ遺伝子が融合される遺伝子が、宿主株において認識され得る、損なわれていないプロモーター及びリボソーム結合部位(すなわち、真の生命においてポリペプチドを生成するために細胞により発現される遺伝子)を有する場合、及びβ−ラクタマーゼが翻訳され、その結果、合成されたポリペプチドが原形質膜を通して輸送され、そして正しく折りたたまれる場合、分泌されるであろう。従って、選択された宿主細胞中に融合された遺伝子を挿入する場合、アンピシリン耐性であるそれらのクローンは、分泌された機能的ポリペプチドをコードする遺伝子を含む。
【0234】
通常、TAST方法を用いる場合、全遺伝子を発現する必要はない。トランスポゾンにより遺伝子を標識する場合、タンパク質融合体としての遺伝子のN−末端部分の発現は、その遺伝子が損なわれていない転写、翻訳及び分泌配列を含むことを示す。従って、タンパク質融合体としての遺伝子のN−末端部分の発現は通常、全遺伝子の発現及び分泌を仮定するために十分であるものとして見なされる。
従って、TAST方法により得られる遺伝子は実際、分泌された機能的ポリペプチドをコードすることが結論づけられ得る。
【0235】
β−ラクタマーゼレポーター遺伝子を含むSigA4トランスポゾンの構成:
WO01/77315A1の説明に従って、シグナルのないβ−ラクタマーゼを含むトランスポゾンの構成を、標準の分子生物学的技法を用いて行った。シグナルのないβ−ラクタマーゼはまず、プルーフリーディングポリメラーゼ(Pfu Turbo, Stratagene, USA)を用いて、PUC19からPCR増幅された。得られるPCRフラグメントは、クローニングを助けるために、制限部位NotI及びEcoRIを含んだ。
【0236】
エントランスポゾン及び抗生物質耐性マーカーCAT(トランスポゾンにおけるクロラムフェニコール耐性をコードする)を含むプラスミドpEntranceposon (Camr)を、Finnzymes, OY (EspooFinland)から得た。そのプラスミドを、制限酵素NotI及びEcoRIにより消化し、ゲル精製し、そしてシグナルのないβ−ラクタマーゼ含有フラグメントにより連結した。その連結物を用いて、エレクトロ−コンピテントDH10B細胞を形質転換し、そして組換えのプラスミド及びシグナルのないβ−ラクタマーゼを含むE. コリクローンを、制限分析により同定し、そしてSigA2と命名した。
【0237】
トランスポゾン調製のために、β−ラクタマーゼをコードするbla遺伝子を欠いているSigA2のより小さな誘導体を構成した:外側に方向づけるSigA2のbla遺伝子の開始及び停止に結合する次の2種のオリゴヌクレオチドプライマーSigA2NotU-P 5’− TCG CGA TCC GTT TTC GCA TTT ATC GTG AAA CGC T−3’(配列番号43)及びSigA2NotD-P 5’− CCG CAA ACG CTG GTG AAA GTA AAA GAT GCT GAA−3’(配列番号44)。このPCR反応において生成される約3.6kbの増殖物を再連結し、そして適切なE. コリ株を形質転換した。3.6kbのプラスミドを、LBクロラムフェニルコール上で増殖するが、しかしLBアンピシリン上で増殖できない形質転換体から単離した。このプラスミドは、両BglI部を保持し、そして活性Bla遺伝子を欠いており、そしてpSig4と命名した。
【0238】
【表3】

【0239】
0.3μg/μlの濃度を有するpSigA4プラスミドDNA調製物60μlを、BglIIにより消化し、そしてアガロースゲル上で分離した。2kbのSigA2トランスポゾンDNAバンドを、"GFXPCR, DNA and Gel Band Purification Kit" (Amersham Pharmacia Biotech Inc, USA)を用いることにより、売主の説明書に従って溶離し、そして精製し、そして200μlのEB緩衝液に溶出した。この態様で調製されたSigA2を、トランスポゾン助力されたシグナルトラッピングのために使用することができる(TAST、下記参照のこと)。
【0240】
C. トランスポゾン標識化
pSigA4から調製されたトランスポゾンは、分泌シグナルが除去されているβ−ラクタマーゼをコードする5’−切断されたbla−遺伝子を担持する。β−ラクタマーゼは、タンパク質が細胞周辺に分泌される場合においてのみ、E. コリ上にアンピシリン耐性を伝達し、ところがβ−ラクタマーゼの細胞質発現はアンピシリン耐性を付与しない。シグナル配列がない場合、β−ラクタマーゼは細胞周辺に輸送されず、そして従ってクローンはアンピシリン含有培地上で増殖しないであろう。
【0241】
シグナルのないβ−ラクタマーゼ遺伝子は、トランスポゾン境界とβ−ラクタマーゼコード領域との間に連続読取枠が存在するような態様でトランスポゾン内に含まれた。この場合、修飾されたトランスポゾンは、それが分泌されるタンパク質をコードする遺伝子中に転位する場合、標的遺伝子との整合した融合を引起す。これは、E. コリの細胞周辺に分泌され、そしてアンピシリンに対する耐性を伝達する融合遺伝子生成物をもたらした。トランスポゾンが、分泌されないタンパク質をコードする遺伝子中に整合して組込む場合、それぞれの宿主はアンピシリン耐性にならないであろう。
【0242】
D. ボトリオスファエリア・ロジナのトランスポゾン助力されたシグナルトラッピング
トランスポゾン助力されたシグナルトラッピングの完全な記載は、WO1/77315号に見出され得る。cDNAプラスミドプールを、元のcDNA−pMHas5ベクター連結の合計30,000の形質転換体から調製した。プラスミドDNAを、プラスミドDNA単離のためのQiagenプロトコール(Qiagen Inc.)に従って、固体LB選択培地から回収されたコロニーのプールから直接的に調製した。プラスミドプールを、トランスポゾンSigA2及びMuAトランスポザーゼにより、トランスポザーゼ製造業者の説明(Finnizyme, Finland)に従って処理した。
【0243】
ボトリオスファエリア・ロジナCBS247.96 cDNAライブラリーのインビトロトランスポゾン標的化のために、約2.6μgのDNAを含むSigA2トランスポゾン4又は8μlを、1μlのDNA濃度のボトリオスファエリア・ロジナCBS247.96 cDNAライブラリーのプラスミドプールDNA、2μlのFinnzymes MuA Transposase(0.22μg/μl)及び5μlの5×緩衝液(Finnzymes OY, Espoo, Finlandからの)と共に、50μlの合体体積で混合し、そして30℃で3.5時間インキュベートし、そして次に、75℃で10分間、熱不活性化した。DNAを、5μlの3Mの酢酸カリウム(pH5)及び110μlの96%エタノールの添加により沈殿し、そして2000rpmで30分間、遠心分離した。ペレットを洗浄し、そして乾燥し、そして10μlのTE緩衝液に再懸濁した。
【0244】
1.5μlのトアンスポゾン標識されたプラスミドプールを、20μlのDH10Bウルトラ−コンピテント細胞中に、Blorad Gene Pulse装置(50μF、25mAmp, 1.8kV)における細胞(Gibco-BRL)により供給される標識プロトコールに従ってエレクトロポレートした。
エレクトロポレートされta細胞を、SOC培地において振盪視ながらインキュベートし(28℃、2時間、250rpm)、その後、選択培地上にプレートした。次の3種の寒天培地を使用した:
LB+50μgのpr. mlカナマイシン、
LB+カナマイシン+15μgのpr. mlクロラムフェニコール、及び/又は
LB+カナマイシン+クロラムフェニコール+12.5μgのpr.mlアンピシリン。
【0245】
LB+カナマイシン+クロラムフェニコール培地に対するエレクトロポレーションの希釈プレートから、エレクトロポレーション当たりSigA2トランスポジジョンを有するcDNAライブラリープラスミドを含む約72,000のコロニーが存在し、そして約69のコロニーが3重選択(LB. カナマイシン、クロラムフェニルコール、アンピシリン)下で回収されたことが決定された。さらなるエレクトポレーション及びプレート実験を、445のコロニーがすべて、3重選択下での実験から回収されるまで、実施した。コロニーを、Qiagen Qiaturbo96 プロトコール (Qiagen Inc. - USA)に従ってミニプレプした。プラスミドを、下記トランスポゾン前方向及び逆方向プライマー(プライマーA及びB)により、国際特特許出願WO01/77315号の例(ページ28)に開示される方法に従って配列決定した:
プライマーA:AGCGT TTGCG GCCGC GATCC(配列番号45)
プライマーB:TTATT CGGTC GAAAA GGATC C(配列番号46)
【0246】
E. 配列アセンブリー及び注釈
DNA配列を、AB3700細管配列決定機上での反応のために入手した。配列をトリミングし、ベクター及びトランスポゾン配列を除去し、そしてA及びBプライマーを個々のプラスミドのために読み取る。これは、プログラムPhredPhrap (Brent Ewing, LaDeana Hillier, Michael C. Wendl, and Phil Green; Base-calling of automated sequencer traces using phred I. Accuracy assessment; Genome Research; 8:175-185; 1998; Brent Ewing and Phil Green; Base-calling of automated sequencer traces using phred II. Error probabilities; Genome Research 8:186-194; 1998を用いることにより、148のコンチグ(contig)に分類された、225のアッセンブリーされた配列をもたらした。
【0247】
すべての148のコンチグを、標準の公的DNA及びタンパク質配列データベース(TrEMBL, SWALL, PDB, EnsemblPep, GeneSeqP)において入手できる配列に、プログラムBLASTX 2.0a19MP-WashU [14-Jul-1998] [Build Iinux-x86 18:51 :44 30-Jul-1998] (Gish, Warren 1994-1997- Unpublished; Gish, Warren and David J. States; Identification of protein coding regions by database similarity search; Nat. Genet. 3:266-72; 1993)を用いることにより比較した。
【0248】
前記に説明されるようにアンピシリン耐性クローンから得られる配置(その大部分は、損なわれていない及び機能的プロペプチドをコードする機能的遺伝子であった)を、手動分析のための基礎として使用した。
【0249】
コロニーのアンピシリン耐性が高められたβ−ラクタマーゼ活性からであることを確かめるためにβ−ラクタマーゼ活性を、cDNA上に異なったトランスポゾンランディング部位を有する、10種の異なったシグナルトランピングされたクローンにおいて試験した。プラスミドDNAを、One Shot TOP10化学的コンピテントE. コリ細胞中に、Inbitrogenn Life Technologiesのプロトコールに従って再形質転換し、そして形質転換混合物を、カナマイシン(50μg/ml)及びクロラムフェニコール(10μg/ml)を有するLB寒天上に広げた。コロニーを、28℃で2日後、LBカナマイシン、クロラムフェニコール及び15(10μg/ml)アンピシリン上にレプリカプレートした。28℃での3日後、真の増殖体を、カナマイシン(50μg/ml)及びクロラムフェニコール(10μg/ml)を含む、10mlのLB培地中に接種し、そして37℃及び275rpmで一晩インキュベートした。
【0250】
一晩の培養物を、新鮮なLB Kam/CAM培地において1:100に希釈し、そしてOD600=0.5まで増殖した。細胞を、遠心分離により収穫し、そして0.9%NaClにおいて1度、洗浄した。ペレットを、音波処理緩衝液(100mMのトリス−HCl、2mMのEDTA、pH8.0)に懸濁し、細胞数をOD600=0.5の光学密度に調節し、そしてSoniprep150(MSE)を用いて、1.5ミクロンの振盪で音波処理した。サンプルを、15,000rpmで10分間、遠心分離し、そして上清液をβ−ラクタマーゼアッセイのために使用した。上清液を、50μlのニトロセフィン色原体β−ラクタマーゼ基質(50%DMSO中、1mg/ml;0.05MのPO4緩衝液)及び0.1MのPO4緩衝液(pH7.0)と共にプラスチックキュベットにおいて混合し(1ml)、そして482nmでの吸光度の変化を、Ultrospec 3300 pro spectrophotometer (O'Callahan, 1972)において測定した。結果は次の通りであった:
【0251】
【表4】

【0252】
上記表は次の3種の主要点を例示する:
1)βラクタマーゼ活性を、すべての10個のクローンにおいて検出することができる。対応するプラスミド含有E. コリ形質転換体が50mg/lのアンピシリン選択に対して耐性であることが強調されるべきである。それらの2つの事実の組合せは、すべての10個のクローンが、β−ラクタマーゼ活性を有するペプチドを供給するような態様で、β−ラクタマーゼ遺伝子に融合されたトランスポゾン標識されたcDNAの部分から成るハイブリッドタンパク質を生成することを示唆する。
【0253】
2)10個のクローンのcDNAが完全に配列決定されたので、個々のクローンにおけるSigA2トランスポゾンのランディング部位を確立した。10個のクローンすべては、生来のコードされたタンパク質のN末端とトランスポゾンコードされたβラクタマーゼとの間のハイブリッド融合を促進するために、正しい配向で及び正しい読取枠でSigA2トランスポゾンを有した。
【0254】
3)真核cDNAにおいては、末翻訳の上流(5’UTR)のリーダーは、1bpから数百塩基対まで長さにおいて変化することができる。E. コリ翻訳要素、例えばShine−Dalgamo領域から最適に翻訳されるべきcDNAに関しては、ATG開始コドンの前の4−11個の塩基対の最適距離が最適である。表において、最適よりも長い5’UTRは、β−ラクタマーゼ活性が例において形質転換されたE. コリから観察されるので、cDNAハイブリッドβ−ラクタマーゼ融合タンパク質のいくらかの発現を可能にすることを見出さすことができる。
【0255】
本発明の得られるヌクレオチド配列は、上記理由のみならず、またそれらはアンピシリン耐性クローンから得られるので、損なわれていない及び機能的ポリペプチドをコードする機能的遺伝子である。ここで得られるクローンは、トランスポゾン標識の後、遺伝子は、宿主株において認識され、そして翻訳され、そして細胞質膜を通して輸送され、そして正しく折りたたまれ得る、損なわれていないプロモーター及びリボソーム結合部位を有する遺伝子に融合される場合、単に発現されるシグナルのないβ−ラクタマーゼ遺伝子により融合されるので、アンピシリン耐性であった。
【0256】
従って、本発明の遺伝子は分泌された活性ポリペプチドを実際コードすることが結論づけられ得る。16種の遺伝子に関しての配列分析は、シグナルのないβ−ラクタマーゼ遺伝子との整合した融合が得られたことを示した。さらに、遺伝子読取枠の完全性が、全ヌクレオチド配列を決定することにより確められた。
【0257】
例2相同性による酵素機能の決定
遺伝子又はコードされるポリペプチドの機能は、既知機能の遺伝子又はポリペプチドとの配列比較により予測され得る。グループADNA及びグループBpolypeptide配列と公的な及び内部データベースからの配列との間の類似性を、グループADNA及びグループBpolypeptide配列の機能性を決定するために分析した。配列比較を、プログラムBLASTX 2.0a19MP-WashU [14-Jul-1998]を用いて行った。グループADNA及びグループBpolypeptide配列の配列一列整列の既知機能を有するそれらの接近した関係の配列に対する注意した手動的分析が、それらの遺伝子及びコードされるポリペプチドの機能の予測を可能にした。
【0258】
通常、良好な予測を困難にする、全体のアミノ酸同一性が40%以下である場合でさえ、ポリペプチド配列の触媒部位及び/又は重要な領域におけるアミノ酸残基を注意して分析し、そして解釈することにより、グループADNA及びグループBpolypeptide配列の機能を予測することが可能であった。既知配列の触媒部位のアミノ酸がまた本発明のポリペプチドに存在する場合、十分な全体的アミノ酸同一性と組み合わされると、ボトリオスファエリア・ロジナCBS247.96からのポリペプチドは既知配列と同じ機能を有することが結論づけられた。
【0259】
例3グループBpolypeptideポリペプチドの調製
糸状菌、例えばボトリオスファエリア・ロジナCBS247.96のcDNA配列からポリペプチドを調製するために、酵母又は他の糸状菌においてcDNAを発現することが可能である。非消耗的例として作用する良好な選択は、アスペルギラス・オリザエ(Aspergillus oryzae)における発現である。下記に与えられる例は、キシラナーゼをコードするcDNA(配列番号3)がA. オリザエにおいていかに発現されるかである。
【0260】
発現プラスミドpDaU71を使用した。このプラスミドは、(1)アスペルギラスにおける選択マーカーとしてのA. ニジュランス(A. nidulans)amdS遺伝子、(2)E. コリにおける選択のためのアンピシリン耐性遺伝子により中断される酵母URA3遺伝子、(3)3個の特別なamyR−部位+異種発現のためのA. ニジュランスTPIプロモーターの5’末翻訳部分を有するA. ニガーNA2プロモーター(中性アミラーゼ)の重複、及び(4)A. ニガーAMGターミネーターを含んだ。ボトリオスファエリア・ロジナcDNAライブラリープールの適切な部分の増幅のための鋳型として、次のプライマーをPCR反応に使用した:
【0261】
プライマー#166: CGCGGATCCACCATGGTCTCCTTCAAGTCGATTC (配列番号47)
プライマー#167: CCGCTCGAGTTACTGCACGGTAATCGTAGC (配列番号47)。
次の条件が使用された:
Extensor Hi Fidelity Reddy Load DNA ポリメラーゼ PCR混合物を、その製造業者の説明書(ABGene, Great Gritain)に従って使用した。
【0262】
cDNAプラスミドプール(1ng/μl):5μl
プライマー#166: 1μl
プライマー#167: 1μl
PCRマスター混合物: 12.5μl
脱イオン水: 7.5μl
合計体積 25μl
【0263】
反応物を、94℃に前もって暖められたMJ Research DNAエンジンに移し、そして次のサイクルを実施した。
94℃で2分;94℃で30秒、53℃で30秒、72℃で1分(25サイクル);次に72℃で10分。
【0264】
5μlの生成物を、1%アガロースゲル上で分析し、生成されるPCR生成物の正しいサイズを確め、そしてその量を定量化した。残る20μlの混合物を、製造業者の説明書(AP Pharma)に従って、GFX精製した。40μlの精製された生成物のうち20μlを、30μlの標準の一晩の消化反応における標準のBam HI-XhoI制限消化のための使用した。制限された生成物を再びGFXにより精製し、そしてBamHI−XhoI制限され、そして精製されたpDau71との標準の連結反応に使用した。連結生成物を用いて、DH10B E. コリ細胞を形質転換し(E. コリDH10B又はTOP10(Invitrogenから入手できる)が発現ベクターの構成においてクローニング宿主として使用される)、そしてLBアンピシリン培地上にプレートした。10個の形質転換体を、プラスミドDNA精製のために選択し、そして配列決定し、挿入体の配列統合性を確めた。PCR誤差を有さない1つのクローンpPFJo147を、さらなる研究のために選択した。
【0265】
WO00/39322号に記載のようにして構成されたアスペルギラス・オリザエ株BECh2(BECh2は、WO98/12300号に記載のようにして、寄託された菌株アスペルギラス・オリザエIFO4177に基づいて構成される株アスペルギラス・オリザエJaL228に由来する)。形質転換及び培地は、Christiansen など., 1988, Biotechnology 6, 1419-1422に従って、及びWO01/12794−A(ページ63)に記載のようにして行われた。1回の再単離の後、Nunc管における10mlのYPグルコース又はYPマルトース培地を、形質転換体の胞子により接種し、そしてその培養物を30℃で3日間、インキュベートした。
【0266】
上記に記載される10mlの培地物からの上清液サンプル10μlを、SDS−ゲル電気泳動にゆだねた。ゲルを、SYPRO Orange Protein Gel Stain (Molecular Probes)により染色した。いくつかのアスペルギラス形質転換体は、SDSゲル上に明白なバンドを有した。それらの陽性体を、pH6.0でのAZCL−小麦アラビノキシランアッセイを行うことにより、キシラナーゼ活性について、さらに分析した。基質、すなわち小麦からのAZCL−アラビノキシラン(Megazyme)を、0.2Mのリン酸ナトリウム緩衝液pH6.0+0.01%Triton-X100中、0.2%w/v懸濁液として調製した。
【0267】
900μlの基質を、Eppendorfサーモミキサーにおいて37℃に予備加熱した。組換え宿主株Bech2又は異なったサンプルからの粗培養物流体上清液100μlを、基質に添加し、そして37℃で15分間、最大速度でインキュベートした。次に、反応混合物を氷上に2分間、置き、そして次に、20,000×Gで1分間、遠心分離した。2×200μlの上清液を、マイクロタイタープレートに移し、そしてOD590で測定した。活性を、吸光度の上昇として決定した。
【0268】
例4キシラナーゼ活性の決定
適切な緩衝液中、キシラナーゼを合成し、そして分泌する宿主株の培養物流体又は細胞溶解物を、その活性を測定するために使用することができる。適切な体積のそのようなサンプルを、不溶性色原体基質AZCL−Birchキシラン(MegazymeTM)及び酸性pH4.5〜7.5のpHでの適切な緩衝液を含むアガロースゲル上にスポットする。プレートを、適切な温度、例えば37℃で適切な時間、例えば1日間インキュベートする。活性は、スポットの周囲の青色の円光として見える。
【0269】
例5ペルオキシダーゼ活性の決定
ペルオキシダーゼを、lshida など., 1987: Ishida, A., N. Futamura, and T. Matsusaka. 1987の2,5−ジクロロフェノール方法を用いて、分光学的決定することができる。ペルオキシダーゼ活性の検出、及びバチルス・セレウス(Bacillus cereus)の前胞子エンベロープにおけるその局在化(J. Gen. Appl. Micro- biol. 33:27-32)。インジケーターとして、100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中、1.0mMの2,4−ジクロロフェノール及び82mMの4−アミノアンチピレンの混合物を使用することができ、ここで100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中、50mMの過酸化水素の基質(Sigma)が適切である。
【0270】
200μlの適切に希釈された培養物流体上清液を、1mlのプラスチックキュベットに添加する。200μlのインジケーター混合物を添加した。反応を、200μlの過酸化水素基質の添加により開始する。吸光度の変化が、510nmの波長で測定する標準分光計において観察される。
【0271】
例6セルロース分解酵素又は酵素混合物に対するセルロース分解増強効果の決定
いくつかの分泌されるタンパク質は、セルロース分解酵素又はその混合物の存在下でのセルロースの分解における相乗作用を示す。そのような分泌されるタンパク質は、それら自体、ヒドロラーゼ活性を有することができても、又は有さなくても良い。そのような分泌されるタンパク質の例、及びそれらのセルロース分解増強効果をいかにして検出するかの例は、アメリカ特許出願11/046,124号及び2005年7月30日に公開された対応するPCT出願PCT/US2005/003525号、特に例24、及び例25〜28のいずれかに見出され得る(前記特許は引用により本明細書に組込まれる)。
【0272】
この増強効果を決定する1つの手段は次の通りである:セルラーゼ増強ポリペプチドを合成し、そして分泌する宿主株の培養物流体又は細胞溶解物を、10kDaを切除するMM10膜(Millipore, Billerica, MA)を備えたAmicon攪拌セルを用いて濃縮し、そしてEcono-Pac 10DG カラム (BioRad Laboratories, Hercules, CA)を用いて脱塩する。標準としてBSAを用いて、BCA(ビシンコニン酸、P. K. Smith など., 1985, Anal. Biochem. 150: 76) Protein Assay Kit (Pierce, Rockford, IL)タンパク質アッセイキット(Pierce, Rockford, IL)によるタンパク質濃度のアッセイの後、それらのポリペプチドストックを−20℃で貯蔵する。ポリペプチドはさらに精製されず、そしてストックを、測定される合計タンパク質に基づいて反応混合物に添加する。
【0273】
トウモロコシカイバを、希硫酸を用いて、U.S. Department of Energy National Renewable Energy Laboratory (NREL)で前処理する。次の条件を、前処理のために使用する:165℃及び107psiで8分間の1.4wt%硫酸。NRELによれば、前処理されたトウモロコシカイバ(PCS)における水不溶性固形物は、56.5%のセルロース、4.6%のヘミセルロース及び28.4%のリグニンを含む。セルロース及びヘミセルロースを、2段階硫酸加水分解により決定し、続いて、NREL Standard Analytical Procedure #002を用いて、高性能液体クロマトグラフィーにより糖の分析を行う。
【0274】
リグニンを、セルロース及びヘミセルロース画分の硫酸による加水分解の後、NREL Standard Analytical Procedure #003を用いて、重量分析する。酵素加水分解の前、ガラスフィルター上のPCSを多量のDDI水により洗浄し;水洗浄されたPCSの乾燥重量を見出す。微粉砕されたPCSを、コーヒーグラインダーにおいて微粉砕し、そして続いて22μmのMillipore Filter (6P Express Membrane, Stericup, Millipore, Bedford, MA)上を脱イオン水により洗浄することにより、水洗浄されたPCSから調製する。
【0275】
PCSの加水分解を、1.0mlの合計反応体積を用いて、1.1mlのImmunoware微小管(Pierce, Rockford, IL)において行う。このプロトコールにおいては、PCS(50mMの酢酸ナトリウム(pH5.0)緩衝液中、10mg/ml)の加水分解を、セルラーゼタンパク質充填量の3%アスパラギラス・オリザエβ−グルコシダーゼ(WO02/095014号に従って、アスペルギラス・オリザエにおいて組換え的に生成された)の存在下で、種々のタンパク質充填量(gPCS当たりの酵素のmgとして表される)の本発明の試験ポリペプチド又はCelluclast(商標)1.5Lサンプル(Novozymes A/S, Bagsvaerd, Denmark)を用いて行う。PCS加水分解能力についての本発明のポリペプチドのスクリーニングを、50℃で行う(Isotemp 102S 水浴 又はTS Autoflow CO2 Jacketed Incubator)。
【0276】
典型的には、反応は、四重反復して行われ、そしてアリコートが、加水分解の間に採取される。PCS加水分解反応を、20μlのアリコートの個々の加水分解物と180μlの0.11MのNaOH(停止試薬)とを混合することにより停止する。適切な連続的希釈を、個々のサンプルについて行い、そして還元糖含有量を、下記のように、96ウェルマイクロタイター型に適合されたパラ−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド(PHBAH, Sigma, St. Louis, MO)アッセイを用いて決定する。手短には、90μlのアリコートの適切に希釈されたサンプルを、96ウェル円錐底マイクロプレートに配置する。反応を、2%NaOH中、1.5%(w/v)のPHBAH 60μlを、個々のウェルに添加することにより開始する。
【0277】
プレートを、95℃で10分間、蓋をしないで加熱する。プレートを室温(RT)に冷却し、そして50μlの蒸留水を個々のウェルに添加する。個々のウェルからの100μlのアリコートを、平底96ウェルプレートに移し、そしてA410nmでの吸光度を、SpectraMax Microplate Reader (Molecular Devices, Sunnyvale, CA)を用いて測定する。グルコース標準(0.4%水酸化ナトリウムにより0.1〜0.0125mg/mlに希釈される)を用いて、得られるA410nm値をグルコース同等値に変換するために標準キュベットを調製する。得られる同等値を用いて、個々の反応のためのPCSセルロース転換率(%)を計算する。
【0278】
還元糖へのセルロース転換の程度(転換率、%)を、次の等式を用いて計算する:
転換率(%)=RS(mg/ml)*100*162/(セルロース(mg/ml)*180)
=RS(mg/ml)*100/(セルロース(mg/ml)*1.111)
この等式においては、RSはグルコース同等値(mg/ml)で測定される溶液における還元糖の濃度であり、そして因子1.111は、セルロースのグルコースへの転換における重量の上昇を表す。
【0279】
Celluclast(商標)1.5L性能を増強することができる本発明のポリペプチドをスクリーニングするために、PCS加水分解反応(1.0mlのプロトコール、1L当たり10gのPCS、50℃、アスペルギラス・オリザエβ−グルコシダーゼの合計充填量の3%の添加により補充された)を行い、ここで2.5mgの酵素充填Celluclast(商標)1.5Lが2.5mgのポリペプチド充填の個々のサンプルと共に混合される(反応当たり、5mgの酵素充填合計タンパク質)。10mgの酵素充填、5mgの酵素充填及び2.5mgの酵素充填から成るCelluclast(商標)1.5L対照反応を測定し、そしてそれらのPCSセルロース転換を比較するために記録する。
【0280】
例7リパーゼ活性の決定
適切な緩衝液中、リパーゼを合成し、そして分泌する宿主株の培養物流体又は細胞溶解物を、その活性を測定するために使用することができる。
リパーゼアッセイ(PNVアッセイ):20μlの希釈緩衝液を、96ウェルマイクロタイタープレートの個々のウェルにピペットで添加する。5μlのサンプル(上清液)を、希釈緩衝液に添加する。アッセイの開始で、200μlの基質を個々のウェルに添加し、そしてプレートをELISAリーダー(96ウェルプレートを読み取ることができるプログラムできる分光計)中に固定する。吸光度を30秒ごとに10分間、405nmで測定する。時間−対−吸光度(405nm)曲線の傾斜を、任意の活性単位として使用する。
【0281】
希釈緩衝液:25 ml の2Mの トリス/HCl pH 7.5、0.50 mlの 2Mの CaCl2、2.5 mlの15% Brij 35、500 mlまでのH2O。
基質原液:0.1295g(117μl)のp−ニトロフェニルバレレートSIGA N 4377(密度1.11g/ml)を、10mlのメタノールに溶解する。フリーザーに貯蔵する。
基質:100μlの基質原液を、10mlの希釈緩衝液と共に混合する。
【0282】
例8プロテアーゼ及びペプチダーゼ活性の決定
ペプチダーゼの最適活性のために選択されたpHを有する適切な緩衝液中、ペプチダーゼ及び/又はプロテアーゼを合成し、そして分泌する宿主株の培養物流体又は細胞溶解物を、不溶性色原体基質AZCL-カゼイン (Megazyme TM) 又は AZCL-コラーゲン (Megazyme TM) 又は Azocoll (Sigma-Aldrich)を、例えば0.1%w/wのレベルで含むアガロースプレート上に、適切なサンプル体積(例えば、20μl)をスポットすることにより、その活性についてアッセイする。
【0283】
プレートを、ペプチダーゼの機能のために適切な温度、例えば37℃で、適切な時間、例えば1日間インキュベートする。活性は、スポットの周囲の青色の円光として見える。AZCL−ガゼイン及びAZCL−コラーゲン(MegazymeTM)に代わるものとして、ラベルされていないカゼイン又はラベルされていないコラーゲンを使用することができる。アガロースプレート上にスポットされるラベルされていないコラーゲン又はラベルされていないガゼイン上で、透明な領域が、ペプチダーゼ及び/又はプロテアーゼの存在下で形成する。
【0284】
例9エンド−アラビナーゼ活性の決定
アラビナーゼの最適活性のために選択されたpHを有する適切な緩衝液中、アラビナーゼを合成し、そして分泌する宿主株の培養物流体又は細胞溶解物を、不溶性色原体基質AZCL-ラビナンを、例えば0.1%w/wのレベルで含むアガロースプレート上に、適切なサンプル体積(例えば、20μl)をスポットすることにより、その活性についてアッセイする。プレートを、アラビナーゼの機能のために適切な温度、例えば37℃で、適切な時間、例えば1日間インキュベートする。活性は、スポットの周囲の青色の円光として見える。
【0285】
アッセイを、異なったpHで行うことができる。酸性pHで、AZCL−アラビナンは、0.1gのAZCLアラビナン(マズリン染色され、そして架橋された基質、Megazyme、Ireland)を、100mlの0.2Mの琥珀酸pH3+10μlのTritonX−100(0.01%)に溶解し、0.1%のAZCLの最終濃度を得ることにより調製され得る。中性pHで、AZCL−アラビナンは、0.1gのAZCLアラビナン(マズリン染色され、そして架橋された基質、Megazyme、Ireland)を、50mlの無菌水+10μlのTritonX−100(0.01%)に溶解し、0.1%のAZCLの最終濃度を得ることにより調製され得る。次に、50mlの0.4MのMOPS(pH7)を、50mlのAZCL基質に添加し、100mlの最終体積及び0.2Mの最終濃度の緩衝液、すなわち0.1%のAZCLを得る。
【0286】
例10β−グルコシダーゼ活性の決定
多くのβ−グルコシダーゼは、それらの天然の基質であり得ない場合でさえ、4−ニトロフェニルβ−D−グルコピラノシド又はセロビオースに対して少なくともいくらかの活性を、たぶん有する。活性はまた、非常に敏感であるメチル−ウンビリフェリルβ−D−グルコシドを用いて見出され得る。一般的に、いずれかの(1,4)−β−及び(1,3)−β−オリゴグルコシドが、Trinder アッセイ (The Sigma Diagnostic Glucose (Trinder) Assay, Sigma, St. Louis, MO)を用いて、開放されるグルコースを測定することによりβ−グルコシダーゼの活性を評価するための基質として使用され得る。
【0287】
β−グルコシダーゼ活性を決定する1つの手段は、β−グルコシダーゼを合成し、そして分泌する宿主株の培養物流体又は細胞溶解物の調製を行うことであり、その結果、その調製物は、約6.9×10-6mg/mlの合計タンパク質、100mMのクエン酸ナトリウムpH5.0、0.01%のTween−20及び4mMのp−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシドを含む。調製物を50℃でインキュベートし、そしてアリコートを、0.5, 1, 2, 3, 3.75及び24時間で採取する。個々のアリコートに、1Mの炭酸ナトリウムpH10.0を添加し、そしてp−ニトロフェニルアニオン濃度を、405nmでの吸光度から決定する。
【0288】
β−グルコシダーゼ活性を決定する1つの手段は、β−グルコシダーゼを合成し、そして分泌する宿主株の培養物流体又は細胞溶解物の調製を、まず脱塩し(BioRad Econo-Pac 10DG カラム)、そして次に0.92mg/mlの濃度に濃縮する(Centricon Plus-20, Biomax-5, 5 kD のカットオフ)ことにより行う(BCAアッセイ)。次に、調製物を、0.037及び0.0092μl/mlの合計タンパク質で、100mMのクエン酸ナトリウムpH5.0及びTween-20中、10mMのセルビオースと共に65℃でインキュベートする。アリコートを、0.5、1,2,3,4,6及び19時間で採取する。アリコートを6分間、煮沸し、反応を停止し、そしてグルコース濃度を、Trinder アッセイ (Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)及び外部グルコース標準を用いて決定する。
【0289】
例11エステラーゼ活性の決定
適切な緩衝液中、エステラーゼを合成し、そして分泌する宿主株の培養物流体又は細胞溶解物を、その活性を測定するために使用することができる。セリンエステラーゼン活性を検出するための基質を選択する場合、好ましくは、基質の最適な転換を得るために、エステラーゼが基質により飽和される濃度でミセルを形成しない基質を選択すべきである。
【0290】
エステラーゼ活性を試験する1つの手段は、標準条件、例えば30.0℃、pH7.0下での時間の関数として記録されるアルカリ消費により、酵素によるトリアセチンについてのCMC以下の濃度でのトリアセチンの加水分解を測定することである。エステラーゼによるトリアセチンの加水分解は、7.0の一定pHを維持するためにアルカリの添加を必要とするであろう(pH−安定方法)、酢酸を発生し、従って、7.0でpHを維持するのに必要とされるアルカリ(通常、水酸化ナトリウムの形での)量は、加水分解されるトリアセチンエステル結合の測定である。
【0291】
エステラーゼ活性を試験するもう1つの手段は、着色されたPNPを開放するPNP−アセテート(パラ−ニトロフェニル−アセテート)のエステラーゼによる加水分解を測定することである。20μlの希釈緩衝液を、96ウェルマイクロタイタープレートの個々のウェル中にピペットで添加する。5μlのサンプル(培養物流体上清液又は濾過された細胞溶解物)を、希釈緩衝液に添加する。アッセイの開始で、200μlの基質を個々のウェルに添加し、そしてプレートをELISAリーダー(96ウェルプレートを読み取ることができるプログラムできる分光計)中に固定する。吸光度を30秒ごとに10分間、405nmで測定する。時間−対−吸光度(405nm)曲線の傾斜を、任意の活性単位として使用する。
【0292】
希釈緩衝液:25 ml の2Mの トリス/HCl pH 7.5、0.50 mlの 2Mの CaCl2、2.5 mlの15% Brij 35、500 mlまでのH2O。
基質原液:適切な量のp−ニトロフェニルアセテート(分析品種)を、10mlのメタノールに溶解し、そしてフリーザーに貯蔵する。
基質:100μlの基質原液を、10mlの希釈緩衝液と共に混合する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列番号 2、配列番号 4、配列番号 6、配列番号 8、配列番号 10、配列番号 12、配列番号 14、配列番号 16、配列番号 18、配列番号 20、配列番号 22、配列番号 24、配列番号 26、配列番号 28、配列番号 30、配列番号 32、配列番号 34、配列番号36、配列番号 38、配列番号 40及び 配列番号 42から成る群に包含される成熟ポリペプチドの配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;及び
(b)(i)成熟ポリペプチドをコードする配列番号 1 、配列番号 3、配列番号 5、配列番号 7、配列番号 9、配列番号 11 、配列番号 13、配列番号 15、配列番号 17、配列番号 19、配列番号 21 、配列番号23、配列番号 25、配列番号 27、配列番号 29、配列番号 31、配列番号 33、配列番号 35、配列番号 37、配列番号 39 及び 配列番号 41の領域群から選択されたヌクレオチド配列に対する相補的鎖、
(ii)成熟ポリペプチドをコードする配列番号 1 、配列番号 3、配列番号 5、配列番号 7、配列番号 9、配列番号 11、配列番号 13、配列番号 15、配列番号 17、配列番号 19、配列番号 21 、配列番号23、配列番号 25、配列番号 27、配列番号 29、配列番号 31 、配列番号 33、配列番号 35、配列番号 37、配列番号 39及び 配列番号 41の領域群から選択されたヌクレオチド配列に含まれるcDNA配列に対する相補的鎖、
から成る群から選択されたポリヌクレオチドプローブと、高い緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド;
から成る群から選択された、
配列番号 2、配列番号 4、配列番号 6、配列番号 8、配列番号 10、配列番号 12、配列番号 14、配列番号 16、配列番号 18、配列番号 20、配列番号 22、配列番号 24、配列番号 26、配列番号 28、配列番号 30、配列番号 32、配列番号 34、配列番号36、配列番号 38、配列番号 40 及び 配列番号 42から成る群に包含される対応する成熟ポリペプチドの機能を有する単離されたポリペプチド。
【請求項2】
(a)CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナ(Botryosphaeria rhodina)の株から分泌される、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから成る群から選択された成熟酵素のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成る酵素;
(b)(i)CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から分泌される、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから成る群から選択された成熟酵素をコードする前記株に包含されるヌクレオチド配列に対する相補的鎖、
(ii)CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナの株から分泌される、キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから成る群から選択された成熟酵素をコードする前記株に包含されるヌクレオチド配列に含まれるcDNA配列に対する相補的鎖、
から成る群から選択されたポリヌクレオチドプローブと、高い緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド;
から成る群から選択された、
キシラナーゼ、セリンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、GH61Aポリペプチド、GH61Bポリペプチド、GH61Cポリペプチド、GH61Dポリペプチド、β−グルコシダーゼ、エンド−アラビナーゼ及びペプシンペプチダーゼから選択された機能を有する単離された酵素。
【請求項3】
a)配列番号2のアミノ酸 1-291;配列番号4のアミノ酸1-202 ;配列番号6のアミノ酸 1-352 ;配列番号8のアミノ酸 1-431 ;配列番号10のアミノ酸 1-185 ;配列番号12のアミノ酸 1-218 ;配列番号14のアミノ酸 1-249 ;配列番号16のアミノ酸 1-255 ;配列番号18のアミノ酸 1-205 ;配列番号20のアミノ酸 1-243 ;配列番号22のアミノ酸 1-415 ; 配列番号24のアミノ酸 1-377;配列番号26のアミノ酸 1-259 ;配列番号28のアミノ酸 1-248 ;配列番号30の アミノ酸 1-149 ;配列番号32のアミノ酸 1-202 ;配列番号 34のアミノ酸 1 -603 ; 配列番号 36のアミノ酸 1-301; 配列番号 38のアミノ酸 1-438;配列番号 40のアミノ酸 1 -396及び配列番号 42のアミノ酸 1-262 から成る群から選択された配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るポリペプチド;
b)i)配列番号1 のヌクレオチド 55-927 ; 配列番号3のヌクレオチド 58-663;配列番号5のヌクレオチド 55-1110 ; 配列番号7のヌクレオチド 55-1347; 配列番号9のヌクレオチド 1-555;配列番号11のヌクレオチド 49-702 ; 配列番号 13のヌクレオチド 40-786;配列番号 15のヌクレオチド 55-819 ; 配列番号17のヌクレオチド 61-675;配列番号19のヌクレオチド 1-729 ;配列番号21のヌクレオチド 55-1299 ;配列番号23のヌクレオチド 49-1179 ;配列番号25のヌクレオチド 70-846 ; 配列番号27のヌクレオチド 58-810;配列番号31のヌクレオチド 55-660 ; 配列番号 33のヌクレオチド 46- 1854;配列番号 35のヌクレオチド 64 - 966 ; 配列番号 37のヌクレオチド 55-1368; 配列番号 39 のヌクレオチド 61 -1248 及び配列番号 41のヌクレオチド 64 -849 から成る群から選択されたヌクレオチド配列の相補的鎖、
ii) 配列番号1 のヌクレオチド 55-927 ; 配列番号3のヌクレオチド 58-663;配列番号5のヌクレオチド 55-1110 ; 配列番号7のヌクレオチド 55-1347; 配列番号9のヌクレオチド 1-555;配列番号11のヌクレオチド 49-702 ; 配列番号 13のヌクレオチド 40-786;配列番号 15のヌクレオチド 55-819 ; 配列番号17のヌクレオチド 61-675;配列番号19のヌクレオチド 1-729 ;配列番号21のヌクレオチド 55-1299 ;配列番号23のヌクレオチド 49-1179 ;配列番号25のヌクレオチド 70-846 ; 配列番号27のヌクレオチド 58-810;配列番号31のヌクレオチド 55-660 ; 配列番号 33のヌクレオチド 46- 1854;配列番号 35のヌクレオチド 64 - 966 ; 配列番号 37のヌクレオチド 55-1368; 配列番号 39 のヌクレオチド 61 -1248 及び配列番号 41のヌクレオチド 64 -849 から成る領域群から選択されたヌクレオチド配列に含まれるcDNA配列に対する相補的鎖、
から成る群から選択されたポリヌクレオチドと、高い緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド;
から成る群から選択された請求項1又は2記載のポリペプチド。
【請求項4】
前記ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸 1-291;配列番号4のアミノ酸1-202 ;配列番号6のアミノ酸 1-352 ;配列番号8のアミノ酸 1-431 ;配列番号10のアミノ酸 1-185 ;配列番号12のアミノ酸 1-218 ;配列番号14のアミノ酸 1-249 ;配列番号16のアミノ酸 1-255 ;配列番号18のアミノ酸 1-205 ;配列番号20のアミノ酸 1-243 ;配列番号22のアミノ酸 1-415 ; 配列番号24のアミノ酸 1-377;配列番号26のアミノ酸 1-259 ;配列番号28のアミノ酸 1-248 ;配列番号30の アミノ酸 1-149 ;配列番号32のアミノ酸 1-202 ;配列番号 34のアミノ酸 1 -603 ; 配列番号 36のアミノ酸 1-301; 配列番号 38のアミノ酸 1-438;配列番号 40のアミノ酸 1 -396及び配列番号 42のアミノ酸 1-262から成る群から選択されたアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドから成る群から選択された酵素である請求項3記載のポリペプチド。
【請求項5】
前記ポリペプチドが、
i)配列番号1 のヌクレオチド 55-927 ; 配列番号3のヌクレオチド 58-663;配列番号5のヌクレオチド 55-1110 ; 配列番号7のヌクレオチド 55-1347; 配列番号9のヌクレオチド 1-555;配列番号11のヌクレオチド 49-702 ; 配列番号 13のヌクレオチド 40-786;配列番号 15のヌクレオチド 55-819 ; 配列番号17のヌクレオチド 61-675;配列番号19のヌクレオチド 1-729 ;配列番号21のヌクレオチド 55-1299 ;配列番号23のヌクレオチド 49-1179 ;配列番号25のヌクレオチド 70-846 ; 配列番号27のヌクレオチド 58-810;配列番号31のヌクレオチド 55-660 ; 配列番号 33のヌクレオチド 46- 1854;配列番号 35のヌクレオチド 64 - 966 ; 配列番号 37のヌクレオチド 55-1368; 配列番号 39 のヌクレオチド 61 -1248 及び配列番号 41のヌクレオチド 64 -849 から成る群から選択されたヌクレオチド配列の相補的鎖、
ii) 配列番号1 のヌクレオチド 55-927 ; 配列番号3のヌクレオチド 58-663;配列番号5のヌクレオチド 55-1110 ; 配列番号7のヌクレオチド 55-1347; 配列番号9のヌクレオチド 1-555;配列番号11のヌクレオチド 49-702 ; 配列番号 13のヌクレオチド 40-786;配列番号 15のヌクレオチド 55-819 ; 配列番号17のヌクレオチド 61-675;配列番号19のヌクレオチド 1-729 ;配列番号21のヌクレオチド 55-1299 ;配列番号23のヌクレオチド 49-1179 ;配列番号25のヌクレオチド 70-846 ; 配列番号27のヌクレオチド 58-810;配列番号31のヌクレオチド 55-660 ; 配列番号 33のヌクレオチド 46- 1854;配列番号 35のヌクレオチド 64 - 966 ; 配列番号 37のヌクレオチド 55-1368; 配列番号 39 のヌクレオチド 61 -1248 及び配列番号 41のヌクレオチド 64 -849 から成る領域群から選択されたヌクレオチド配列に含まれるcDNA配列に対する相補的鎖、
から成る群から選択されたポリヌクレオチドと、非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド;
から成る群から選択された酵素である請求項4記載のポリペプチド。
【請求項6】
前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、配列番号2のアミノ酸 1-291;配列番号4のアミノ酸1-202 ;配列番号6のアミノ酸 1-352 ;配列番号8のアミノ酸 1-431 ;配列番号10のアミノ酸 1-185 ;配列番号12のアミノ酸 1-218 ;配列番号14のアミノ酸 1-249 ;配列番号16のアミノ酸 1-255 ;配列番号18のアミノ酸 1-205 ;配列番号20のアミノ酸 1-243 ;配列番号22のアミノ酸 1-415 ; 配列番号24のアミノ酸 1-377;配列番号26のアミノ酸 1-259 ;配列番号28のアミノ酸 1-248 ;配列番号30の アミノ酸 1-149 ;配列番号32のアミノ酸 1-202 ;配列番号 34のアミノ酸 1 -603 ; 配列番号 36のアミノ酸 1-301; 配列番号 38のアミノ酸 1-438;配列番号 40のアミノ酸 1 -396及び配列番号 42のアミノ酸 1-262から成る群から選択されたポリペプチドから成る請求項3記載のポリペプチド。
【請求項7】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるGH10キシラナーゼと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るGH10キシラナーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項8】
前記ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸1-291を含んで成るGH10キシラナーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項9】
前記ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸1-291から成るGH10キシラナーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項10】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるGH11キシラナーゼと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るGH11キシラナーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項11】
前記ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸1-202を含んで成るGH11キシラナーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項12】
前記ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸1-202から成るGH11キシラナーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項13】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるセリンエステラーゼと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るセリンエステラーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項14】
前記ポリペプチドが、配列番号6のアミノ酸1-352を含んで成るセリンエステラーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項15】
前記ポリペプチドが、配列番号6のアミノ酸1-352から成るセリンエステラーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項16】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるリパーゼと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るリパーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項17】
前記ポリペプチドが、配列番号8のアミノ酸1-431を含んで成るリパーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項18】
前記ポリペプチドが、配列番号8のアミノ酸1-431から成るリパーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項19】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるペルオキシダーゼと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るペルオキシダーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項20】
前記ポリペプチドが、配列番号10のアミノ酸1-185を含んで成るペルオキシダーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項21】
前記ポリペプチドが、配列番号10のアミノ酸1-185から成るペルオキシダーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項22】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるGH61Aポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るGH61Aポリペプチドである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項23】
前記ポリペプチドが、配列番号12のアミノ酸1-218を含んで成るGH61Aポリペプチドである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項24】
前記ポリペプチドが、配列番号12のアミノ酸1-218から成るGH61Aポリペプチドである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項25】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるGH61Bポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るGH61Bポリペプチドである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項26】
前記ポリペプチドが、配列番号14のアミノ酸1-249を含んで成るGH61Bポリペプチドである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項27】
前記ポリペプチドが、配列番号14のアミノ酸1-249から成るGH61Bポリペプチドである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項28】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるGH61CAポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るGH61Cポリペプチドである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項29】
前記ポリペプチドが、配列番号16のアミノ酸1-255を含んで成るGH61Cポリペプチドである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項30】
前記ポリペプチドが、配列番号16のアミノ酸1-255から成るGH61Cポリペプチドである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項31】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるGH61Dポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るGH61Dポリペプチドである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項32】
前記ポリペプチドが、配列番号18のアミノ酸1-205を含んで成るGH61Dポリペプチドである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項33】
前記ポリペプチドが、配列番号18のアミノ酸1-205から成るGH61Dポリペプチドである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項34】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるβ−グルコシダーゼと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るβ−グルコシダーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項35】
前記ポリペプチドが、配列番号34のアミノ酸1-603を含んで成るβ−グルコシダーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項36】
前記ポリペプチドが、配列番号34のアミノ酸1-603から成るβ−グルコシダーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項37】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるエンド−アラビナーゼと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るエンド−アラビナーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項38】
前記ポリペプチドが、配列番号36のアミノ酸1-301を含んで成るエンド−アラビナーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項39】
前記ポリペプチドが、配列番号36のアミノ酸1-301から成るエンド−アラビナーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項40】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるエンド−アラビナーゼと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るエンド−アラビナーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項41】
前記ポリペプチドが、配列番号38のアミノ酸1-438を含んで成るエンド−アラビナーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項42】
前記ポリペプチドが、配列番号38のアミノ酸1-438から成るエンド−アラビナーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項43】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるペプシンペプチダーゼと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るペプシンペプチダーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項44】
前記ポリペプチドが、配列番号40のアミノ酸1-396を含んで成るペプシンペプチダーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項45】
前記ポリペプチドが、配列番号40のアミノ酸1-396から成るペプシンペプチダーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項46】
前記ポリペプチドが、CBS受託番号247.96として寄託されたボトリオスファエリア・ロジナから得られるペプシンペプチダーゼと少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成るペプシンペプチダーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項47】
前記ポリペプチドが、配列番号42のアミノ酸1-262を含んで成るペプシンペプチダーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項48】
前記ポリペプチドが、配列番号42のアミノ酸1-262から成るペプシンペプチダーゼである請求項3記載のポリペプチド。
【請求項49】
請求項3記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド。
【請求項50】
宿主細胞においてポリペプチドの生成を方向づける1又は複数の制御配列に操作可能に連結される請求項49記載のヌクレオチド配列を含んで成る核酸構造体。
【請求項51】
請求項50記載の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
【請求項52】
請求項50記載の核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞。
【請求項53】
請求項3記載のポリペプチドの生成方法であって、
(a)その野生型で、前記ポリペプチドを生成できる株を培養し;そして
(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項54】
請求項3記載のポリペプチドの生成方法であって、
(a)請求項52記載の組換え宿主細胞を、前記ポリペプチドの生成の助けになる条件下で培養し;そして
(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。
【請求項55】
請求項3記載のポリペプチド及び賦形剤を含んで成る組成物。
【請求項56】
請求項1記載のポリペプチドを前記賦形剤と共に混合することを含んで成る請求項55記載の組成物の調製方法。
【請求項57】
請求項3記載のポリペプチドのアミノ酸配列の情報を含んで成る電子装置への使用のために適切な記憶媒体。
【請求項58】
請求項49記載のポリヌクレオチドの核酸配列の情報を含んで成る電子装置への使用のために適切な記憶媒体。

【公表番号】特表2008−508868(P2008−508868A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524180(P2007−524180)
【出願日】平成17年8月6日(2005.8.6)
【国際出願番号】PCT/DK2005/000519
【国際公開番号】WO2006/012904
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(500586299)ノボザイムス アクティーゼルスカブ (164)
【Fターム(参考)】