説明

ボンディング装置及び方法

【課題】 一つのボンディング装置内において、雰囲気の適切な清浄度を確保可能なボンディング装置を提供する。
【解決手段】 回路部材供給部120、部品供給部130、ボンディング部140、及び搬出部150の構成部分におけるそれぞれの塵埃量を測定し、測定結果に応じて上記構成部分毎に清浄動作を行うことから、各構成部分の雰囲気を常に清浄な状態に維持することができる。よって、電子部品のボンディングの際に接合部分に塵埃が混入するのを低減させることができ、製品となる素子の不良率を低減させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路を形成した部材へ電子部品を載置するボンディング装置であって、特に上記電子部品の載置工程において雰囲気の高い清浄度が要求されるボンディング装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体部品の製造において、該部品への塵埃の混入は、部品の歩留まりや、部品の信頼性等を劣化させる原因となることから、塵埃の排除が重要となる。よって、従来から、半導体製造工場内全体の雰囲気を高清浄度化したり、さらには、このようなクリーンルーム内に設置されている半導体製造装置内へ清浄空気を供給するような構成が採られている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−260226号公報
【特許文献2】特開平9−45649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一方、回路を形成した基板部にCCD(電荷結合素子)を実装してなる撮像素子の製造において、従来、撮像素子における画素数が少なく、塵埃を厳しく管理する必要は余り無かった。しかしながら、近年、画素数が非常に多くなり、撮像素子の製造装置においても塵埃の影響を無視することはできない状況になっている。
該撮像素子製造装置は、大きく区分して、基板部が搬入され保持される基板部領域と、CCDが搬入され保持されるCCD領域と、基板部にCCDを載置する動作を行う載置動作領域と、基板部にCCDを載置した撮像素子の搬出を行う素子搬出領域とに区分される。勿論、これらの領域の全てにおいて高清浄度の雰囲気であれば申し分ないが、必ずしもその必要はない。特に、高清浄度雰囲気が要求される領域は、塵埃が撮像素子に封入される可能性が最も高い、上記載置動作領域である。
しかしながら、従来、一つの装置内において、要求される雰囲気の清浄度の高低に応じて清浄度を別々に管理することは行われていない。上記特許文献2では、処理動作に応じて、基板回転処理部及び基板搬送部と区分けされた状態が開示されているが、上記特許文献2は、各領域には同じ清浄度のエアーが供給される構成を開示するものである。
【0004】
本発明は、一つのボンディング装置内において、要求される清浄度の高低に応じて雰囲気を適切に管理可能なボンディング装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
即ち、本発明の第1態様のボンディング装置によれば、回路を形成した回路部材及び上記回路部材にボンディングされる電子部品を供給する供給部と、上記供給部により供給された上記回路部材に、上記供給部により供給された上記電子部品をボンディングして電子素子を形成するボンディング部と、上記電子素子を上記ボンディング部から搬出する搬出部とを有するボンディング装置において、
上記供給部を含む供給部領域、上記ボンディング部を含むボンディング部領域、及び上記搬出部を含む搬出部領域をそれぞれ区画する仕切り部材と、
上記供給部領域、上記搬出部領域、及び上記ボンディング部領域のそれぞれに気体を供給する清浄装置と、
上記供給部領域、上記搬出部領域、及び上記ボンディング部領域のそれぞれにおける塵埃量を測定する塵埃測定装置と、
それぞれの上記領域における上記塵埃測定装置による各測定結果に応じて、上記領域毎に上記清浄装置へ清浄動作を指示する制御装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
又、本発明の第2態様のボンディング装置によれば、回路を形成した回路部材を供給する回路部材供給部と、上記回路部材にボンディングされる電子部品を供給する部品供給部と、上記回路部材供給部により供給された上記回路部材に、上記部品供給部により供給された上記電子部品をボンディングして電子素子を形成するボンディング部と、上記電子素子を上記ボンディング部から搬出する搬出部とを有するボンディング装置において、
上記回路部材供給部を含む回路部材供給部領域、上記部品供給部を含む部品供給部領域、上記ボンディング部を含むボンディング部領域、及び上記搬出部を含む搬出部領域をそれぞれ区画する仕切り部材と、
上記回路部材供給部領域、上記部品供給部領域、上記搬出部領域、及び上記ボンディング部領域のそれぞれに気体を供給する清浄装置と、
上記回路部材供給部領域、上記部品供給部領域、上記搬出部領域、及び上記ボンディング部領域のそれぞれにおける塵埃量を測定する塵埃測定装置と、
それぞれの上記領域における上記塵埃測定装置による各測定結果に応じて、上記領域毎に上記清浄装置へ清浄動作を指示する制御装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
又、上記制御装置は、上記構成部分の領域毎に設定された清浄動作指示基準を記憶した記憶部と、上記測定結果が上記清浄動作指示基準を超えた構成部分の領域に対して清浄動作を指示する指示部とを有するように構成してもよい。
【0008】
又、上記指示部は、上記構成部分の領域毎に、上記清浄動作指示基準を超えた上記測定結果と上記清浄動作指示基準との差分を求め、最も大きい差分を有する構成部分の領域に対して優先的に清浄動作を指示するように構成してもよい。
【0009】
又、上記記憶部は、さらに、上記構成部分の領域毎に、過去の上記測定結果の時間的変化情報を記憶する変化情報記憶部を有し、上記指示部は、さらに、上記測定結果が上記清浄動作指示基準に達していないときでも、上記時間的変化情報を参照して塵埃量の推移を予測して清浄動作を指示するように構成してもよい。
【0010】
又、当該ボンディング装置のメンテナンスを行ったときには、上記制御装置は、強制的に全ての上記構成部分に対して清浄動作を指示するように構成してもよい。
【0011】
又、当該ボンディング装置のメンテナンスの際に設けられ、上記塵埃量を監視するモニター装置をさらに備えるように構成してもよい。
【0012】
又、本発明の第3態様のボンディング方法によれば、回路部材供給部と、部品供給部と、ボンディング部と、搬出部とを一つの筐体内に配置したボンディング装置にて実行され、上記ボンディング部にて上記回路部材供給部により供給された上記回路部材に、上記部品供給部により供給された上記電子部品をボンディングして電子素子を形成し上記搬出部から外部へ搬出するボンディング方法において、
上記回路部材供給部、上記部品供給部、上記ボンディング部、及び上記搬出部の各構成部分を含むそれぞれの領域における塵埃量を測定し、
それぞれの測定結果に応じて上記構成部分の領域毎に清浄動作を行い上記ボンディング動作を行う、
ことを特徴とする。
【0013】
又、本発明の他の態様のボンディング装置によれば、下記の構成を採ることもできる。即ち、回路を形成した回路部材を供給する回路部材供給部と、上記回路部材にボンディングされる電子部品を供給する部品供給部と、上記回路部材供給部により供給された上記回路部材に、上記部品供給部により供給された上記電子部品をボンディングして電子素子を形成するボンディング部と、上記電子素子を上記ボンディング部から搬出する搬出部とを一つの筐体内に配置したボンディング装置において、
上記回路部材供給部、上記部品供給部、及び上記搬出部における雰囲気に比べて上記ボンディング部における雰囲気を高清浄度に維持する高清浄度維持部を備えたことを特徴とする。
【0014】
ある程度の気密性を有する一つの筐体内に、回路部材供給部と、部品供給部と、ボンディング部と、搬出部とを備えたボンディング装置では、回路部材に電子部品をボンディングするとき、その接合部分に塵埃が混入したときには作製される電子素子に影響を及ぼすことから、ボンディング部を取り囲む雰囲気は、その他の部分に比べて高い清浄度が要求される。そこで、ボンディング部を取り囲む雰囲気を高清浄度に維持する高清浄度維持部を設けた。該高清浄度維持部により、ボンディング部を取り囲む雰囲気は高清浄度に維持される。よって、電子部品のボンディングの際に接合部分に塵埃が混入するのを低減させることができ、製品となる素子の不良率を低減させることができる。
【0015】
上記塵埃とは、通常一般のクリーンルーム内に存在する、人体等から排出される埃等に加えて、ボンディング装置ゆえ発生する塵、埃を含む概念である。ボンディング装置ゆえ発生する塵、埃としては、例えば、電子部品及び回路部材の欠片、電子部品と回路部材とを接合する接合剤が乾燥した場合の粉体、電子部品及び回路部材の搬送を行う搬送機構から発生する塵埃、等がある。
【0016】
又、上記高清浄度維持部は、上記回路部材供給部、上記部品供給部、及び上記搬出部から上記ボンディング部を含むボンディング部領域を区画する仕切り部材と、上記ボンディング部領域に高清浄度の空気を供給する空気供給機構とを有し、
上記仕切り部材は、上記ボンディング部領域を形成する天井に立設され下方へ延在する第1枠材と、上記第1枠材の第1先端部に対して水平方向に隙間を空けて重なり合う第2先端部を有しかつ上記回路部材供給部、上記部品供給部、上記ボンディング部、及び上記搬出部を設置し上記天井に対向する床部材に立設され上方へ延在する第2枠材とを有し、上記第1枠材及び上記第2枠材は、上記第1先端部及び上記第2先端部による上記隙間にて排気用通路を形成し、
上記空気供給機構は、上記天井に設けた送気用フィルタと、該送気用フィルタを通して下方へ吹き下ろされ上記排気用通路を通して排気される気流を生成する第1送風機とを有するように構成してもよい。
【0017】
上記仕切り部材は、基本的に、上、下よりそれぞれ延在する第1枠材及び第2枠材から構成され、第1枠材及び第2枠材は、水平方向に若干ずれて配置される。又、第1枠材は、筐体の天井から床部材に向かって延在するが、第1枠材の先端部は、床部材まで達していない。又、第2枠材は、床部材から天井に向かって延在するが、第2枠材の先端部は、天井まで達していない。よって、第1枠材及び第2枠材は、第1枠材の先端部及び第2枠材の先端部において、排気用通路となる隙間を空けて互いに一部分重なり合う。このように一部、重なり合う部分を設けることで、上記空気供給機構により、ボンディング部領域へ吹き下ろされた空気は、上記排気用通路部分において気流変化後、ボンディング部領域外へ放出される。このような気流の変化を生じさせることで、ボンディング装置内の各領域にて要求される清浄度を効率的に作成するという効果を得ることができる。
【0018】
尚、仕切り部材は、必ずしも第1枠材及び第2枠材から構成される必要はなく、いずれか一方のみから構成することもできる。このとき、ボンディング部領域内における気流の向きを考慮すると、第2枠材よりも、床部材の近傍にて仕切りの無い第1枠材を設けるのが好ましい。又、ボンディング部と、回路部材供給部及び部品供給部との境界部分、並びに、ボンディング部と搬出部との境界部分において、仕切り部材の構成を変えてもよい。
【0019】
又、仕切り部材は、ボンディング部を取り囲むように配置されるだけでなく、さらに、搬出部近辺の雰囲気と、回路部材供給部及び部品供給部近辺の雰囲気とを仕切るために配置するのが好ましい。これは、ボンディング装置の筐体内において、回路部材供給部及び部品供給部近辺の雰囲気には、中程度の清浄度が要求され、搬出部近辺の雰囲気は比較的低い清浄度でよいことから、要求されるそれぞれの清浄度を適切に維持するためである。
【0020】
尚、ボンディング部領域の内外方向における第1枠材と第2枠材との位置関係は、問わないが、ボンディング部領域内では、気流変化を生じさせない方が塵埃をよりスムーズに外部へ排出可能なことから、ボンディング部領域の内側に第1枠材を、外側に第2枠材を配置するのが好ましい。
【0021】
又、ボンディング部と、回路部材供給部及び部品供給部との境界部分では、空気の流れを上から下へと単純化してもよい。よって、ボンディング部と、回路部材供給部及び部品供給部との境界部分では、第1枠材又は第2枠材のいずれか一方のみを設けた構成としてもよい。この場合、第1枠材を設けたときには、第1枠材の先端部と床部材との隙間にフィルタを設け、第2枠材を設けたときには、第2枠材の先端部と天井との隙間にフィルタを設けるのが好ましい。さらに又、上記排気用通路にも排気用フィルタを設けるのが好ましい。
【0022】
又、ボンディング部領域内には、ボンディング部の他に、電子部品のバンプ部分に接着ペーストを塗布するためのペースト展延部材が設けられる場合がある。該ペースト展延部材には、接着ペーストが展延されており、該接着ペーストに塵埃が混入すると回路部材と電子部品との電気的接続や接着性に不具合が生じる可能性がある。よって、ペースト展延部材上には、該ペースト展延部材を覆い接着ペーストに塵埃が混入するのを防止する塵埃防止用カバーを設けるのが好ましい。該塵埃防止用カバーにより、接着ペーストへの塵埃の混入を防止できることから、上記電気的接続や接着性における不具合発生を防止することができ、製品となる素子の不良率を低減させることができる。さらに又、上述したように、ボンディング部領域では、上記空気供給機構による気流が存在することから、接着ペーストに直接上記気流が当たることで接着ペーストが乾燥してしまい電子部品への塗布に支障が生じたり、乾燥した接着ペーストが飛散したりする場合がある。上記塵埃防止用カバーを設けることで、接着ペーストに直接上記気流が当たることも防止でき、接着ペーストの乾燥を防止することもできる。
尚、電子部品へ接着ペーストを塗布するときには、塵埃防止用カバーを電子部品が通過する必要があることから、塵埃防止用カバーには、シャッター付きの開口が設けられる。
【0023】
又、当該ボンディング装置では、上述の、回路部材供給部、部品供給部、ボンディング部、及び搬出部の下方には、これらの動作制御用機器を納めた制御機器室が配置される。上記動作制御用機器の中には、発熱するものもあり、該発熱により上昇気流が発生し、塵埃を再び巻き上げる場合も考えられる。そこで、上記床部材と、制御機器室との間に、塵埃を排出するためのダクトを形成しているが、床部材には開口を設け、ボンディング部領域等から排除された塵埃がダクト内へ吸引されるように構成している。一方、上記制御機器室の天井となり上記ダクトを形成する通路形成用板には、開口を設けていない。よって、制御機器室から塵埃が再び回路部材供給部、部品供給部、ボンディング部、及び搬出部へ進入するのを防止することができる。よって、上記通路形成用板は、回路部材供給部、部品供給部、ボンディング部、及び搬出部における雰囲気を適切な清浄度に維持するように寄与する。
【0024】
さらに、上記ダクトを通して吸引された空気を、制御機器室内へ導くように連結用ダクトを設けても良い。このように構成することで、ダクトを通して吸引された空気を、動作制御用機器の冷却用として利用することも可能となる。
又、回路部材供給部、部品供給部、ボンディング部、及び搬出部の内、ボンディング部領域が最も高い清浄度を要求されることから、制御機器室内においてボンディング部領域の下方に相当する領域には、発熱量の大きな動作制御用機器を配置しないように構成するのが好ましい。該構成によれば、動作制御用機器の熱により上記通路形成用板が加熱され、上昇気流を発生し、塵埃の巻き上げを誘発するというメカニズムを遮断することができ、特にボンディング部領域における雰囲気を適切な清浄度に維持することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の上記第1態様及び第2態様におけるボンディング装置、並びに第3態様のボンディング方法によれば、塵埃測定装置、清浄装置、及び制御装置を備え、回路部材供給部、部品供給部、ボンディング部、及び搬出部の構成部分におけるそれぞれの塵埃量を測定し、測定結果に応じて上記構成部分毎に清浄動作を行うことから、各構成部分の雰囲気を常に清浄な状態に維持することができる。よって、電子部品のボンディングの際に接合部分に塵埃が混入するのを低減させることができ、製品となる素子の不良率を低減させることができる。又、作製される電子素子では、接合部分における塵埃混入が低減され、回路部材と電子部品との電気的及び物理的な接続が確実かつ高精度な電子素子とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の一実施形態であるボンディング装置、及び該ボンディング装置にて実行されるボンディング方法、並びに上記ボンディング装置にて作製される電子素子について、図を参照しながら以下に詳しく説明する。尚、各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。
図1に示すように、本実施形態のボンディング装置101は、一つの筐体110内に、上層から下層に向けて、清浄空気供給装置190、作業室170、排気装置195、制御機器室180の順に層状の構成を有する。
作業室170には、回路部材供給部120と、部品供給部130と、ボンディング部140と、搬出部150とが収納されかつ配置され、さらに、ボンディング部140における雰囲気を、他の回路部材供給部120、部品供給部130、及び搬出部150における雰囲気に比べて高清浄度に維持する高清浄度維持部1401を備えている。尚、回路部材供給部120及び部品供給部130は、一つの供給部として構成することもできる。又、回路部材供給部120、部品供給部130、及び搬出部150についても、これらの構成部分内の雰囲気の清浄度を維持するため清浄空気の供給を行う清浄装置147−1〜147−3(以下、総称して、「清浄装置147」と記す場合もある。)を設けている。尚、高清浄度維持部1401に含まれる後述の空気供給機構145も清浄装置147と同じ機能を有することから、清浄装置147に含まれる。これらの清浄装置147−1〜147−3及び空気供給機構145は、回路部材供給部120、部品供給部130、搬出部150、及びボンディング部140の雰囲気の清浄度をそれぞれ個別に制御するための装置である。一方、上記清浄空気供給装置190は、構成部分120、130,140,150を区別することなく作業室170全体に清浄空気を供給するための装置である。上記清浄空気は、例えば窒素ガス等の気体も含む概念である。
作業室170の下方には、これら回路部材供給部120、部品供給部130、ボンディング部140、及び搬出部150の動作制御を行う動作制御用機器(制御装置)160を収納する制御機器室180が設けられている。又、作業室170の上方に位置する、当該ボンディング装置101の最上部分には、作業室170内へ清浄な空気を供給する清浄空気供給通路191を有する清浄空気供給装置190が設けられ、一方、作業室170と制御機器室180との間には、排気通路196を有する排気装置195が配置されている。
【0027】
大略このように構成されるボンディング装置101では、筐体110内は、制御機器室180を除き、外部とほぼ遮断され、清浄空気供給装置190にて作業室170の上部から送風された清浄空気は、作業室170内を通り、排気通路196へ流入し、排気装置195にて外部へ排出される。よって、筐体110内は、外部に比して清浄な雰囲気に維持される。
【0028】
このような構成を有するボンディング装置101は、ボンディング部140において、図5に示すように、回路部材121に形成された回路1211部分に電子部品122をボンディングして、図6に示す電子素子123を作製する装置である。
上記回路部材供給部120は、当該ボンディング装置101に搬入されてくる回路部材121を上記ボンディング部140へ搬送する装置を備える。尚、実際には、回路部材121の搬送は、複数の回路部材121を載置したパレットを搬送することで行われる。
上記部品供給部130は、当該ボンディング装置101に搬入されてくる電子部品122を上記ボンディング部140へ搬送する装置を備える。
【0029】
上記ボンディング部140は、回路部材供給部120にて供給された、複数の回路部材121を載置した上記パレットを載置し各回路部材121を支持する、図5に示す支持部材141と、部品供給部130にて供給された電子部品122を保持しかつボンディング動作を行う、図5に示すボンディング用ヘッド142とを備える。尚、当該ボンディング装置101における上記ボンディング動作は、電子部品122の電極部分に形成されているバンプ1221には接着ペースト211が塗布されており、該電子部品122を、支持部材141に支持されている回路部材121の規定位置に載置する動作であり、よって、電子部品122と回路部材121とを固定する動作ではない。
よって、当該ボンディング装置101では、詳細後述するように、上記接着ペースト211をバンプ1221に塗布するためのペースト塗布装置201がボンディング部140に隣接して設置されている。尚、接着ペースト211は、導電性物質、例えば銀粒子等を含んだ導電性樹脂材にてなる。
上記搬出部150は、ボンディング部140にて回路部材121に電子部品122が載置された電子素子123を当該ボンディング装置101から次工程へ搬出する搬出装置を有する。
【0030】
尚、回路部材121及び電子部品122は、特に限定されないが、本実施形態では、電子素子123は、例えば携帯電話等に使用される撮像素子に相当し、電子部品122は、CCD(電荷結合素子)に相当する。又、回路部材121の大きさの一例としては、一辺が約10mmのほぼ正方形状であり、約1〜2mm程度の厚みを有する。よって、電子部品122としてのCCDは、回路部材121よりも遙かに小さいサイズにてなる。よって、非常に微細な大きさの塵埃も、電子部品122と回路部材121とのボンディングに悪影響を与えることになる。
【0031】
上記作業室170内では、上述のようにボンディング部140等がそれぞれの作業を実行するが、各作業内容に応じて、雰囲気の清浄度が要求される。即ち、回路部材121に電子部品122をボンディングするとき、塵埃が接合部分に混入すると製品不良につながることから、当然に、ボンディング部140近辺における雰囲気は、最も高い清浄度が要求される。又、ボンディングされる前の回路部材121及び電子部品122に塵埃が付着することは、製品不良を引き起こす原因となることから、回路部材供給部120及び部品供給部130近辺における雰囲気も中程度の清浄度が要求される。一方、ボンディング後においては、塵埃の影響を余り考慮する必要はない。よって、搬出部150近辺における雰囲気の清浄度は、比較的低くても構わない。このように、作業室170内において要求される空気清浄度は、各場所によって異なる。
【0032】
そこで、当該ボンディング装置101では、最も高い清浄度が要求されるボンディング部140近辺における雰囲気を高清浄度に維持するため、上記高清浄度維持部1401を設けている。本実施形態では、高清浄度維持部1401は、図1及び図2に示すように、回路部材供給部120、部品供給部130、及び搬出部150からボンディング部140を含むボンディング部領域143を区画する仕切り部材144と、該仕切り部材144にて仕切られたボンディング部領域143に高清浄度の空気を供給する空気供給機構145とを備える。
又、仕切り部材144は、ボンディング部140を囲むように形成するだけでなく、図2に示すように、中程度の清浄度が要求される回路部材供給部120及び部品供給部130の領域と、比較的低い清浄度でよい搬出部150の領域とを仕切り部材144aによって区切っている。さらに、回路部材供給部120の領域と、部品供給部130の領域とを仕切り部材144bによって区切っている。よって、当該ボンディング装置101では、一つの筐体110内の作業室170を、高清浄度空間、中清浄度空間、低清浄度空間に区分けしている。尚、当該明細書において、仕切り部材144には、仕切り部材144a及び仕切り部材144bを含む概念である。又、本実施形態では、回路部材供給部120の領域、及び部品供給部130の領域は、中程度と同じ清浄度に設定しているが、異ならせても良い。
【0033】
さらに当該ボンディング装置101では、回路部材供給部120を含む回路部材供給部領域124、部品供給部130を含む部品供給部領域131、及び搬出部150を含む搬出部領域151の各領域についてもそれぞれ個別に雰囲気の清浄度を制御可能なように、上述したように清浄装置147−1〜147−3を設けている。
【0034】
空気供給機構145は、作業室170の天井111部分に設けられた送気用フィルタ1451と、該送気用フィルタ1451を通して高清浄度の空気をボンディング部領域143内へ吹き下ろし、矢印117にて示す気流を形成する第1送風機1452とを有する。
清浄装置147−1〜147−3も、空気供給機構145と同様の構成を有し、図示を省略するが、天井111部分に設けられた送気用フィルタと、該送気用フィルタを通して清浄な空気を回路部材供給部領域124、部品供給部領域131、及び搬出部領域151内へそれぞれ吹き下ろし、矢印117にて示す気流を形成する第1送風機とを有する。
【0035】
又、回路部材供給部領域124、部品供給部領域131、ボンディング部領域143、及び搬出部領域151の清浄度をそれぞれ個別に制御するため、回路部材供給部領域124、部品供給部領域131、ボンディング部領域143、及び搬出部領域151には、塵埃測定装置148−1〜148−4(以下、総称して「塵埃測定装置148」と記す場合もある。)がそれぞれ設置されている。尚、塵埃測定装置148の設置場所は、図1に示す位置に限定するものではない。各構成部分120、130,140、150において、塵埃が最も発生すると予想される箇所の近傍や、重力に従い塵埃が床部材112側に集まり、又、床部材112に設けた開口1121を通して排出されることから、開口1121の近傍、等に配置するのが好ましい。
塵埃測定装置148としては、例えば特開昭63−290944号公報等に開示されるような、レーザー光を用いた微粒子カウンタ、等のような、規定寸法以上の微粒子の数を計数可能な測定器を使用することができる。又、各塵埃測定装置148−1〜148−4、並びに、上述の清浄装置147−1〜147−3及び空気供給機構145は、図9に示すように、動作制御用機器160と電気的に接続される。
【0036】
本実施形態では、仕切り部材144は、第1枠材1441と、第2枠材1442とを有する。又、図2では、第1枠材1441及び第2枠材1442を一体的に一部材として簡略化し図示している。第1枠材1441は、ボンディング部領域143を形成する天井111に立設され下方へ延在する板材であり、第2枠材1442は、回路部材供給部120、部品供給部130、ボンディング部140、及び搬出部150を設置し天井111に対向する床部材112に立設され上方へ延在する板材である。図示するように、第1枠材1441の第1先端部1441aは、床部材112との間に隙間1443を形成するように床部材112まで延在せず、第2枠材1442の第2先端部1442aは、天井111との間に隙間を形成するように天井111まで延在していない。さらに、第1枠材1441及び第2枠材1442は、水平方向118に互いにずれて設置され、さらに、ずれた状態において、第1枠材1441の第1先端部1441aと、第2枠材1442の第2先端部1442aとが互いに重なり合うような長さにて構成される。このような形状及び配置により、隙間を空けて互いに重なり合う第1先端部1441aと第2先端部1442aとによって、排気用通路1444が形成される。
【0037】
本実施形態では、図1に示すように、第1枠材1441をボンディング部領域143の内側に、第2枠材1442を外側にして配置している。ボンディング部領域143内では、空気供給機構145により、天井111側から床部材112側へ空気が吹き下ろされることから、上述の構成によれば、吹き下ろされた空気は、矢印117に示すように、上記内側に配置され第1先端部1441aが床部材112との間で形成する隙間1443を通り、排気用通路1444を通り、ボンディング部領域143外へ排出される。よって、ボンディング部領域143内において空気をスムーズに流すことができ、ボンディング部領域143内での、例えば塵埃の巻き上げ等を防止することができる。
【0038】
尚、第1枠材1441又は第2枠材1442のいずれか一方のみにて仕切り部材144を構成することもできる。又、図7に示すように、第1枠材1441をボンディング部領域143の外側に、第2枠材1442を内側にして配置することもできる。
又、ボンディング部領域143に対して、中程度の清浄度が要求される回路部材供給部120及び部品供給部130の領域側と、比較的低い清浄度でよい搬出部150の領域側とで、仕切り部材144の構成を異ならせても良い。例えば図8に示すように、回路部材供給部120及び部品供給部130の領域側には、第1枠材1441又は第2枠材1442のいずれか一方のみを設ける構成を採ることもできる。尚、図8では、第1枠材1441を設けた場合を図示している。詳細後述するように床部材112を通して作業室170内の空気は吸引されることから、図8に示す構成を採ることで、ボンディング部領域143内にて吹き下ろされた空気は、第1枠材1441と床部材112との間の隙間1443部分から床部材112を通して吸引される。よって、ボンディング部領域143と、回路部材供給部120及び部品供給部130近辺の空間との境界部分では、気流は下向きのままであり、回路部材供給部120及び部品供給部130近辺の空間からボンディング部領域143へ塵埃が進入しようとしても、床部材112を通して外部へ排出され、ボンディング部領域143内への進入を防止することができる。
【0039】
又、図8に示すように、第1先端部1441aと第2先端部1442aとで形成される排気用通路1444部分に、排気用フィルタ146を設けることもできる。尚、排気用フィルタ146は、第1枠材1441と床部材112との間の隙間1443部分に取り付けることもできる。これらのフィルタを取り付けることで、他の領域へ塵埃が飛散することを防止できる。
【0040】
尚、上述のように、ボンディング部140と、回路部材供給部120、部品供給部130、及び搬出部150との間では、それぞれ回路部材121、電子部品122、及び電子素子123の搬送が行われることから、該搬送が可能となるような機構が第1枠材1441に設けられている。該機構として、例えば、第1枠材1441は開閉可能なシャッタを有しても良いし、第1枠材1441そのものを上下方向119に昇降させる構成を設けても良い。
【0041】
上述したように、ボンディング部領域143内には、ボンディング部140に隣接してペースト塗布装置201が設置されている。ペースト塗布装置201は、図3に示すように、ペースト展延部材210と、塵埃防止用カバー220とを有する。ペースト展延部材210は、円板状で駆動モータによる回転可能な板材であり、該部材上に滴下された接着ペースト211を、上記駆動モータによる回転により均一又はほぼ均一の膜厚に展延する部材である。尚、ボンディング部140の上記ボンディング用ヘッド142にて電子部品122が保持された状態で、電子部品122のバンプ1221が、ペースト展延部材210に展延されている接着ペースト211に接触し、バンプ1221に接着ペースト211が塗布される。
【0042】
塵埃防止用カバー220は、ペースト展延部材210を覆い、塵埃が接着ペースト211へ混入するのを防止する部材である。又、当該塵埃防止用カバー220にてペースト展延部材210が覆われた状態において、電子部品122への接着ペースト211の塗布が可能なように、塵埃防止用カバー220は、電子部品122が通過可能で、かつ開閉可能なシャッタ221を有する。勿論、該シャッタ221は、通常閉じられており、電子部品122への接着ペースト211の塗布のときのみ開かれる。
塵埃防止用カバー220を設けることで、接着ペースト211へ塵埃が混入するのを防止することができ、製品の不良化率の低減に寄与することができる。又、ボンディング部領域143内には、空気供給機構145による気流が形成されていることから、該気流が直接に接着ペースト211に当たることで、接着ペースト211を乾燥させるおそれがある。よって、塵埃防止用カバー220を設けることで、気流が直接に接着ペースト211に当たることが防止でき、接着ペースト211の乾燥を防止することもできる。
【0043】
排気装置195は、排気通路196と、該排気通路196内の空気を吸引し外部へ排出する第2送風機198とを有する。ここで、第2送風機198による空気吸引量は、ボンディング部領域143における空気供給機構145の上記第1送風機1452による送風量に比べて小さくなるように設定している。即ち、回路部材供給部120、部品供給部130、及び搬出部150における雰囲気に比べてボンディング部領域143内を高圧とする空気吸引量である。
【0044】
床部材112は、複数の開口1121を形成した通風可能な板材であり、排気通路196の天井部材を形成する。尚、開口1121は、作業室170内のボンディング部領域143、及びその他の空間に対応して形成してもよいが、ボンディング部領域143に対応する床部材112には、開口1121を設けないようにしてもよい。該構成によれば、ボンディング部領域143内は、その周りの雰囲気に比べて高圧となりやすく、ボンディング部領域143内への塵埃の進入を防止できるからである。
又、作業室170に面する床部材112の表面112aには、落下してきた塵埃の再飛散を防止するため、表面112aに粘着部材を取り付けることもできる。
【0045】
一方、上記制御機器室180の天井部材として制御機器室180を形成する板材で、排気通路196の底板となる通路形成用板197は、開口を有しない。よって、通路形成用板197は、制御機器室180から排気通路196への空気の流入を禁止する通風遮断板である。通路形成用板197を通風遮断板にて構成することで、制御機器室180から発生する塵埃が排気通路196、さらには排気通路196及び床部材112を通して作業室170に進入するのを禁止することができる。
【0046】
又、制御機器室180内においてボンディング部領域143の下方に相当する領域181には、発熱量の大きな動作制御用機器160を配置しないように構成するのが好ましい。該構成を採ることで、発熱量の大きな動作制御用機器160の熱により通路形成用板197が加熱され、上昇気流を発生し、塵埃の巻き上げを誘発するというメカニズムを遮断することができ、特にボンディング部領域143における雰囲気を適切な清浄度に維持することができる。
【0047】
又、本実施形態では、図1に示すように、排気通路196から排出される空気は、当該ボンディング装置101の外部へ放出されるが、図4に示すように、排気通路196と制御機器室180との間を連結用ダクト230にて接続してもよい。該構成を採ることで、排気通路196から排出される空気を、制御機器室180内の動作制御用機器160の冷却用空気として再利用することができる。排気通路196から排出される空気には、作業室170から生じた塵埃を含む可能性があるが、該塵埃の動作制御用機器160に対する影響は全く無い。
【0048】
制御装置に相当する動作制御用機器160について説明する。動作制御用機器160は、上述したボンディング装置101における動作を制御する装置であるが、さらに、回路部材供給部領域124、部品供給部領域131、ボンディング部領域143、及び搬出部領域151の雰囲気をそれぞれ個別に管理し制御する装置でもある。このような動作制御用機器160は、図9に示すように、機能上、指示部161と、記憶部162とを備える。上述したように、動作制御用機器160には、各塵埃測定装置148−1〜148−4、並びに、清浄装置147−1〜147−3及び空気供給機構145が接続されている。したがって、回路部材供給部領域124、部品供給部領域131、ボンディング部領域143、及び搬出部領域151の雰囲気の清浄度に関する情報が塵埃測定装置148−1〜148−4から動作制御用機器160にそれぞれ供給される。よって、動作制御用機器160は、塵埃測定装置148−1〜148−4から供給された、清浄度に関する各測定結果に応じて清浄装置147−1〜147−3及び空気供給機構145を個別に作動させる制御を行う。該制御により、清浄空気供給装置190にて作業室170の天井111を通して供給される清浄空気に比べてさらに清浄度の良い空気が、清浄装置147−1〜147−3及び空気供給機構145によって、回路部材供給部領域124、部品供給部領域131、ボンディング部領域143、及び搬出部領域151に供給されることから、各空間124,131,143,151の雰囲気をそれぞれ個別に清浄することができる。
尚、動作制御用機器160は、塵埃測定装置148−1〜148−4に常時アクセスするのではなく、定期的にアクセスして測定結果を得る。ここで、「定期的」とは、製造工程とは無関係に単に設定時間毎にアクセスする場合のみならず、製造工程と絡み例えば1ロット分の製造毎にアクセスする場合、等を含む概念である。又、塵埃測定装置148の特性や測定結果の安定性等の観点から、常時測定を行うよりも定期的に測定を行う方が好ましい。
【0049】
清浄装置147−1〜147−3及び空気供給機構145から各空間124,131,143,151への清浄空気の送気方法としては、図1に示すように、天井111から下方へ単に吹き下ろす方法や、図10に示すように、管1471を用いて局所的に清浄空気を送気する方法等、当業者が容易想到な方法を採ることができる。管1471を用いた送気方法では、フレキシブルな材料の管1471を使用することで、送気口を自由に配向することができ、特に塵埃発生場所に集中して清浄空気を送気することができ、短時間で、塵埃除去及び雰囲気の清浄度の向上を図ることが可能となる。又、管1471の送気口を垂直方向に対して斜めに傾斜させたり、ほぼ水平方向に配向させたりすることができ、塵埃発生場所への送気及び塵埃発生場所の清浄度向上を効率的に行うことができる。
以下には、清浄用の制御方法の具体例について説明する。
【0050】
上記記憶部162には、回路部材供給部120、部品供給部130、ボンディング部140、及び搬出部150の構成部分毎に設定された清浄動作指示基準が記憶されている。即ち、上述したように上記各構成部分では、それぞれ要求される雰囲気の清浄度が異なることから、図11に示すように、それに応じて上記構成部分毎に清浄動作指示基準が設定されている。図11において、清浄動作指示基準「I」が最も厳しいレベルであり、清浄動作指示基準「III」が最も甘いレベルを示す。塵埃測定装置148から供給される雰囲気の清浄度が例えば単位体積中に含まれる、規定以上の粒径を有する微粒子の数で規定されるならば、上記4つの構成部分120、130、140、150において相対的に清浄動作指示基準「I」が最小の粒子数にて示され、清浄動作指示基準「III」が最大の粒子数にて示される。尚、本実施形態では、回路部材供給部120及び部品供給部130は、同じ清浄動作指示基準としている。例えば、清浄動作指示基準「I」はクラス50、清浄動作指示基準「II」はクラス250、清浄動作指示基準「III」はクラス500に設定可能である。ここでクラスとは、FED−STD−209D(米国連邦規格、1988年)に規定されている、0.5μm以上粒子を基準とし、立法フィート中の粒子数を表示するものである。
【0051】
又、上記構成部分におけるそれぞれの清浄度について、図12に示すように、一つの清浄度をさらに複数のランクに分けても良い。例えば、雰囲気の清浄度が良い安全領域166−1、該安全領域166−1よりも清浄度が劣化した注意領域166−2、該注意領域166−2よりも清浄度がさらに劣化した警告領域166−3、及び雰囲気の清浄度が最も悪い危険領域166−4に分けることができる。又、各領域の幅、つまり清浄度の幅1661を適宜変更してもよい。このとき、上記清浄動作指示基準は、上記各領域を区分する境界1662のいずれかに設定することができる。又は、上記清浄動作指示基準は、上記各領域を区分する境界1662の全てとし、各領域のランクに応じた清浄動作を実行するようにしても良い。
このようにして決定された清浄動作指示基準が、上述のように記憶部162に、上記構成部分120、130、140、150毎に記憶されている。
【0052】
上記指示部161は、塵埃測定装置148−1〜148−4から供給された、清浄度に関する各測定結果と、記憶部162に記憶している各清浄動作指示基準とを比較する。そして、測定結果が清浄動作指示基準を超えている構成部分に対して、指示部161は、清浄装置147又は空気供給機構145を作動させ、上記構成部分における雰囲気の清浄動作を指示する。このとき、清浄動作中の構成部分における製造動作の続行又は停止は、設定した清浄動作指示基準のレベルとの関係で決定され、停止しても、製造を続行してもよい。例えば、測定結果によれば、ボンディング部140のボンディング部領域143の清浄度が、当該ボンディング部140の清浄動作指示基準を超えている場合には、指示部161は、ボンディング部140におけるボンディング動作を停止させ、かつボンディング部140の空気供給機構145を作動させ、ボンディング部領域143の清浄度を向上させる。尚、清浄動作は、清浄動作中における測定結果が清浄動作指示基準を下回った後、終了可能と判断された時点で終了する。
【0053】
又、上記清浄動作指示基準が上記各領域166−1〜166−4を区分する境界1662の全てであり、各領域166−1〜166−4のランクに応じた清浄動作を実行する場合には、指示部161は、一例として以下の制御を行う。清浄度に関する各測定結果と、上記清浄動作指示基準との比較により、全ての空間124,131,143,151の内、一つでも清浄度が上記危険領域166−4にあると判断されたときには、指示部161は、当該ボンディング装置101の全工程を停止し、清浄空気供給装置190及び排気装置195は勿論動作させた上で、清浄装置147及び空気供給機構145を作動させ、作業室170内の雰囲気の清浄動作を指示する。そして、全ての空間124,131,143,151における清浄度の測定結果がそれぞれの清浄動作指示基準を下回り、清浄動作終了可能と判断するまで、清浄動作を続行する。又、全ての空間124,131,143,151の内のいずれかにおける清浄度が上記警告領域166−3にあると判断されたときには、指示部161は、測定結果が清浄動作指示基準を超えている構成部分に対して、その構成部分の動作を停止し、又は、その構成部分の動作を低速化する。そして、清浄装置147又は空気供給機構145を作動させ、上記構成部分における雰囲気の清浄動作を指示する。具体的には、清浄装置147又は空気供給機構145からの送気量を増加させたり、管1471を使用する構成を採ったりして上記構成部分における雰囲気の清浄動作を指示する。そして、測定結果が清浄動作指示基準を下回り、終了可能と判断されるまで、清浄動作を続行する。又、全ての空間124,131,143,151の内のいずれかにおける清浄度が上記注意領域166−2にあると判断されたときには、指示部161は、測定結果が清浄動作指示基準を超えている構成部分に対して、その構成部分の動作を続行した状態で、清浄装置147又は空気供給機構145を作動させ、上記構成部分における雰囲気の清浄動作を指示する。このとき、清浄動作指示基準を超えている構成部分の動作について、上記構成部分がボンディング部140であるときには、ボンディング動作を低速化させたり、又、上記構成部分が回路部材供給部120及び部品供給部130であるときには、回路部材121及び電子部品122の洗浄を行ったり、又、上記構成部分が搬出部150であるときには、電子素子123の搬出回数を低減させる等の措置を採る。そして、測定結果が清浄動作指示基準を下回り、終了可能と判断されるまで、清浄動作を続行する。又、全ての空間124,131,143,151における清浄度が上記安全領域166−1にある場合、清浄度は良好な状態であることから、原則的にはこの時点で清浄動作を行う必要はない。しかしながら、清浄度が上記安全領域166−1にある場合でも、指示部161は、測定結果の時間的変化をチェックし、清浄度が悪化傾向にあると判断したときには、上記注意領域166−2の場合に準じた措置を採るようにしてもよい。
【0054】
清浄用の制御方法については、上述した方法に限定されることはなく、例えば以下に説明する方法等を採用することができる。
例えば、指示部161は、上記構成部分120,130,140,150毎に、上記清浄動作指示基準を超えた上記測定結果と上記清浄動作指示基準との差分を求め、最も大きい差分を有する構成部分に対して優先的に清浄動作を指示するようにしてもよい。具体的には、回路部材供給部領域124、部品供給部領域131、ボンディング部領域143、及び搬出部領域151の測定結果について、例えば、回路部材供給部領域124及びボンディング部領域143における測定結果がそれぞれの清浄動作指示基準を超えている場合、回路部材供給部領域124における測定結果と清浄動作指示基準との差が「i」で、ボンディング部領域143における測定結果と清浄動作指示基準との差が「ii」であり、差分「ii」が差分「i」より大きいときには、指示部161は、まず、ボンディング部領域143に対して清浄動作を実行する。そして、清浄動作終了後、あるいは、ボンディング部領域143への清浄動作開始から時間的に遅れて、回路部材供給部領域124に対して清浄動作を実行する。
このような清浄制御方法を実行することで、上述した、単一の清浄動作指示基準との比較による場合に比べてより細かい清浄動作が可能であり、又、清浄度が比較的良い状態のときから早めに清浄動作を実行することから、製造工程の時間経過に関係なく比較的均一な清浄度を得ることができる。したがって、製造される電子素子における品質を均一化することができる。
【0055】
さらに又、記憶部162は、さらに、構成部分120,130,140,150毎に、過去の上記測定結果の時間的変化情報を記憶する変化情報記憶部1621を有するよう構成することもできる。そして、指示部161は、構成部分120,130,140,150毎に、上記測定結果がそれぞれの上記構成部分における清浄動作指示基準に達していないときでも、上記時間的変化情報を参照して塵埃量の推移を予測して清浄動作を指示するように構成することもできる。具体的には、変化情報記憶部1621は、回路部材供給部領域124、部品供給部領域131、ボンディング部領域143、及び搬出部領域151の各測定結果を時間経過とともに記憶する。そして指示部161は、図13に示すように、回路部材供給部領域124、部品供給部領域131、ボンディング部領域143、及び搬出部領域151の測定結果が清浄動作指示基準1663を下回っている場合であっても、変化情報記憶部1621に記憶された各空間における測定結果の時間的変化情報1664を参酌し、該時間的変化情報1664が清浄度の悪化傾向にあると判断したときには、上記悪化傾向にある上記空間に対して清浄動作を指示する。
このような清浄制御方法を実行することで、清浄度が良好な状態において清浄動作を実行することから、製造される電子素子の品質を向上させることができ、又、各製造工程を続行した状態で清浄動作が実行可能であり生産性の向上を図ることができる。
又、上述したそれぞれの清浄用制御方法を適宜組み合わせて実行することもできる。
【0056】
以上説明したようなボンディング装置101の構成において、回路部材供給部120、部品供給部130、ボンディング部140、及び搬出部150は、塵埃が舞い上がったときの影響を極力避けるため、上下方向119において床部材112から若干隙間を空けて設置されるのか好ましい。
【0057】
以上説明したようなボンディング装置101における動作を以下に簡単に説明する。
当該ボンディング装置101には、前工程より、回路部材121及び電子部品122が作業室170内へ供給される。回路部材121及び電子部品122は、それぞれ回路部材供給部120及び部品供給部130により、ボンディング部領域143内のボンディング部140へ供給される。ボンディング部140は、ペースト塗布装置201にて電子部品122に接着ペースト211を塗布した後、当該電子部品122を回路部材121にボンディングする。ボンディングされてなる電子素子123は、搬出部150により、ボンディング部140から搬出され、さらに次工程へ搬送される。
【0058】
一方、作業室170内には、上述の作業工程中、連続して、清浄空気供給装置190にて作業室170の天井111を通して清浄空気が吹き下ろされる。吹き下ろされる上記清浄空気は、当然ながら、搬入された回路部材121及び電子部品122を吹き飛ばすような過剰な流量及び風速ではない。風速の一例としては、約0.2m/秒程度である。又、ボンディング部領域143内には、さらに空気供給機構145にて、送気用フィルタ1451を通して高清浄度の空気が吹き下ろされ、該高清浄度の空気は、矢印117に示すように、排気用通路1443を通り作業室170内へ排気される。作業室170内の空気は、第2送風機198により、作業室170の床部材112の開口1121を通して排気通路196へ吸引され、外部又は制御機器室180内へ放出される。
【0059】
このようにボンディング装置101によれば、ボンディング部140を取り囲む雰囲気を高清浄度に維持可能なように、仕切り部材144及び空気供給機構145を設けたことにより、ボンディング部140を取り囲む雰囲気は高清浄度に維持される。よって、電子部品122のボンディングの際に接合部分に塵埃が混入するのを低減させることができ、製品となる電子素子123の不良率を低減させることができる。
【0060】
又、仕切り部材144aにて、回路部材供給部120及び部品供給部130の領域の雰囲気と、搬出部150の領域の雰囲気とを仕切っていることから、回路部材供給部120及び部品供給部130の領域に要求される中程度の清浄度を維持することができる。
このように本実施形態のボンディング装置101によれば、一つの筐体110内において、要求される清浄度の高低に応じて適切に清浄度の管理を行うことができる。
【0061】
さらに又、ボンディング部140以外の回路部材供給部120、部品供給部130、及び搬出部150についても、それらの空間124,131,151の清浄度が悪化したときには、動作制御用機器160により清浄動作が実行される。該清浄動作に関する清浄用制御方法については、上述した通りである。
このように本実施形態によれば、各構成部分120,130,140,150の各空間の清浄度をそれぞれ個別に制御することができることから、各構成部分の雰囲気を常に清浄な状態に維持することができる。よって、電子部品のボンディングの際に接合部分に塵埃が混入するのを低減させることができ、製品となる素子の不良率を低減させることができる。又、作製される電子素子では、接合部分における塵埃混入が低減され、回路部材と電子部品との電気的及び物理的な接続が確実かつ高精度な電子素子とすることができる。
【0062】
又、以上の説明は、電子素子の製造工程中の場合を例に説明した。しかしながら、当該ボンディング装置101の構成によれば、電子素子の製造工程に限定されず当該ボンディング装置101のメンテナンス後、製造運転開始前における作業室170の清浄度向上にも貢献することができ、メンテナンスによる運転停止から製造運転開始までの時間を従来に比べて短縮することが可能である。尚、以下の説明は、メンテナンスの際のみならず、上述した清浄度が危険領域166−4と判断され装置101を全停止させ復帰させるときにも適用することができる。
【0063】
即ち、当該ボンディング装置101のメンテナンスを行うときには、運転終了後、装置101内に残存する回路部材121、電子部品122、及び電子素子123は、装置外部へ搬出される。該搬出終了後、ボンディング装置101のメンテナンスが実行される。
メンテナンス終了後、動作制御用機器160の制御により、清浄空気供給装置190及び排気装置195は勿論のこと、清浄装置147−1〜147−3及び空気供給機構145が作動される。このとき、製造工程中の場合と同様に、各回路部材供給部領域124、部品供給部領域131、ボンディング部領域143、及び搬出部領域151の雰囲気の清浄度が塵埃測定装置148−1〜148−4にて測定され、測定結果が動作制御用機器160にそれぞれ供給される。そして、各空間124,131,143,151における清浄度の測定結果が各清浄動作指示基準を下回るまで、清浄動作が続行される。尚、このとき、上記測定結果の経時変化を確認できることから、上記測定結果のモニター装置163を使用するのが好ましい。又、上記管1471を利用して局所的な清浄動作を実行してもよい。又、上述した、測定結果と清浄動作指示基準との差分を利用して、該差分が大きい空間124,131,143,151について、例えば、清浄装置147−1〜147−3及び空気供給機構145の送気量を増加させる等の清浄動作増強の処置を採っても良い。
このような清浄動作をメンテナンスの際に実行することで、メンテナンスによる運転停止から製造運転開始までの時間を従来に比べて短縮することが可能である。
【0064】
上述したボンディング装置101では、回路部材供給部120、部品供給部130、搬出部150、及びボンディング部140のそれぞれに対応して清浄装置147−1〜147−3及び空気供給機構145を設けたが、一つの清浄装置を設け、切換装置にて送気先を選択するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、一つの装置内において、回路を形成した部材へ素子を載置するボンディング装置であって、特に上記素子の載置工程において高い清浄度が要求されるボンディング装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態におけるボンディング装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示すボンディング装置の平面図である。
【図3】図1に示すボンディング装置に備わるペースト塗布装置の斜視図である。
【図4】図1に示すボンディング装置の変形例を示す図である。
【図5】図1に示すボンディング装置にて扱われる電子部品及び回路部材を示す図である。
【図6】図5に示す電子部品及び回路部材がボンディングされてなる電子素子を示す図である。
【図7】図1に示すボンディング装置に備わる仕切り部材の変形例を示す図である。
【図8】図1に示すボンディング装置に備わる仕切り部材のさらに別の変形例を示す図である。
【図9】図1に示すボンディング装置における清浄動作制御に関する構成部分を示すブロック図である。
【図10】図1に示すボンディング装置に備わる清浄装置及び空気供給機構における変形例を示す図である。
【図11】図1に示すボンディング装置に備わる回路部材供給部、部品供給部、ボンディング部、及び搬出部における清浄動作指示基準を示す図である。
【図12】図1に示すボンディング装置に備わる回路部材供給部、部品供給部、ボンディング部、及び搬出部におけるそれぞれの清浄度について、一つの清浄度をさらに複数のランクに分けた状態を示す図である。
【図13】図1に示すボンディング装置に備わる回路部材供給部、部品供給部、ボンディング部、及び搬出部におけるそれぞれの清浄度の測定結果の経時変化の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0067】
110…筐体、120…回路部材供給部、121…回路部材、122…電子部品、
123…電子素子、124…回路部材供給部領域、130…部品供給部、
131…部品供給部領域、140…ボンディング部、143…ボンディング部領域、
144…仕切り部材、145…空気供給機構、147…清浄装置、
148…塵埃測定装置、150…搬出部、151…搬出部領域、
160…動作制御用機器、161…指示部、162…記憶部、163…モニター装置、
1401…高清浄度維持部、1621…変化情報記憶部。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路を形成した回路部材(121)及び上記回路部材にボンディングされる電子部品(122)を供給する供給部(120,130)と、上記供給部により供給された上記回路部材に、上記供給部により供給された上記電子部品をボンディングして電子素子を形成するボンディング部(140)と、上記電子素子を上記ボンディング部から搬出する搬出部(150)とを有するボンディング装置(101)において、
上記供給部を含む供給部領域(124、131)、上記ボンディング部を含むボンディング部領域(143)、及び上記搬出部を含む搬出部領域(151)をそれぞれ区画する仕切り部材(144)と、
上記供給部領域、上記搬出部領域、及び上記ボンディング部領域のそれぞれに気体を供給する清浄装置(147、1401)と、
上記供給部領域、上記搬出部領域、及び上記ボンディング部領域のそれぞれにおける塵埃量を測定する塵埃測定装置(148)と、
それぞれの上記領域における上記塵埃測定装置による各測定結果に応じて、上記領域毎に上記清浄装置へ清浄動作を指示する制御装置(160)と、
を備えたことを特徴とするボンディング装置。
【請求項2】
回路を形成した回路部材(121)を供給する回路部材供給部(120)と、上記回路部材にボンディングされる電子部品(122)を供給する部品供給部(130)と、上記回路部材供給部により供給された上記回路部材に、上記部品供給部により供給された上記電子部品をボンディングして電子素子を形成するボンディング部(140)と、上記電子素子を上記ボンディング部から搬出する搬出部(150)とを有するボンディング装置(101)において、
上記回路部材供給部を含む回路部材供給部領域(124)、上記部品供給部を含む部品供給部領域(131)、上記ボンディング部を含むボンディング部領域(143)、及び上記搬出部を含む搬出部領域(151)をそれぞれ区画する仕切り部材(144)と、
上記回路部材供給部領域、上記部品供給部領域、上記搬出部領域、及び上記ボンディング部領域のそれぞれに気体を供給する清浄装置(147、1401)と、
上記回路部材供給部領域、上記部品供給部領域、上記搬出部領域、及び上記ボンディング部領域のそれぞれにおける塵埃量を測定する塵埃測定装置(148)と、
それぞれの上記領域における上記塵埃測定装置による各測定結果に応じて、上記領域毎に上記清浄装置へ清浄動作を指示する制御装置(160)と、
を備えたことを特徴とするボンディング装置。
【請求項3】
上記制御装置は、上記構成部分の領域毎に設定された清浄動作指示基準を記憶した記憶部(162)と、上記測定結果が上記清浄動作指示基準を超えた構成部分の領域に対して清浄動作を指示する指示部(161)とを有する、請求項2記載のボンディング装置。
【請求項4】
上記指示部は、上記構成部分の領域毎に、上記清浄動作指示基準を超えた上記測定結果と上記清浄動作指示基準との差分を求め、最も大きい差分を有する構成部分の領域に対して優先的に清浄動作を指示する、請求項3記載のボンディング装置。
【請求項5】
上記記憶部は、さらに、上記構成部分の領域毎に、過去の上記測定結果の時間的変化情報を記憶する変化情報記憶部(1621)を有し、上記指示部は、さらに、上記測定結果が上記清浄動作指示基準に達していないときでも、上記時間的変化情報を参照して塵埃量の推移を予測して清浄動作を指示する、請求項3記載のボンディング装置。
【請求項6】
当該ボンディング装置のメンテナンスを行ったときには、上記制御装置は、強制的に全ての上記構成部分に対して清浄動作を指示する、請求項2記載のボンディング装置。
【請求項7】
当該ボンディング装置のメンテナンスの際に設けられ、上記塵埃量を監視するモニター装置(163)をさらに備えた、請求項2記載のボンディング装置。
【請求項8】
回路部材供給部(120)と、部品供給部(130)と、ボンディング部(140)と、搬出部(150)とを一つの筐体内に配置したボンディング装置(101)にて実行され、上記ボンディング部にて上記回路部材供給部により供給された上記回路部材に、上記部品供給部により供給された上記電子部品をボンディングして電子素子を形成し上記搬出部から外部へ搬出するボンディング方法において、
上記回路部材供給部、上記部品供給部、上記ボンディング部、及び上記搬出部の各構成部分を含むそれぞれの領域(124,131,143,151)における塵埃量を測定し、
それぞれの測定結果に応じて上記構成部分の領域毎に清浄動作を行い上記ボンディング動作を行う、
ことを特徴とするボンディング方法。
【請求項9】
上記構成部分の領域毎に設定された基準であり清浄動作を開始する基準となる清浄動作指示基準を有し、上記清浄動作は、上記構成部分の領域毎に、上記清浄動作指示基準を超えた上記測定結果と上記清浄動作指示基準との差分を求め、最も大きい差分を有する構成部分の領域に対して優先的に清浄動作を実行する、請求項8記載のボンディング方法。
【請求項10】
上記構成部分の領域毎に、過去の上記測定結果の時間的変化情報を有し、上記清浄動作は、上記測定結果が清浄動作指示基準に達していないときでも、上記時間的変化情報を参照して塵埃量の推移を予測して清浄動作を実行する、請求項8記載のボンディング方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−310442(P2006−310442A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−129310(P2005−129310)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】