説明

ボーリング孔閉塞工法と装置

【課題】 注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材を用いて、ボーリング孔内への注入を行う場合に、ボーリング孔内の任意の位置で注入後の注入材の漏出を防止可能とする。
【解決手段】 構造体設置工程として、逆止弁型パッカー10をボーリング孔3内に挿入し、任意の位置に位置決めした後、逆止弁型パッカーに2重管構造のグラウトパイプ20を連結した状態で、内側パイプ21の回転によりゴムラバーパッキン13を膨張させてボーリング孔の内壁に圧着させる。注入工程として、内側パイプを引き抜いた後、外側パイプ22から逆止弁型パッカーを通じてボーリング孔内に注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材41を注入する。閉塞工程として、外側パイプを引き抜いた後、逆止弁型パッカーのみを逆止弁11が閉じた状態でボーリング孔内に残留させ、逆止弁型パッカーの孔口側に固結材42を充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボーリング孔に注入材を注入してボーリング孔を閉塞するボーリング孔閉塞技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、地盤注入工法としては、「薬液注入工法」、「岩盤注入工法」、「ジェットグラウト工法」、「コンパクショングラウチング工法」、「復元注入工法」など、止水目的、地盤強化などの改良目的や地質・岩盤特性などの施工条件に応じて多種多様な工法が用いられている。
【0003】
一例を挙げると、「岩盤注入工法」では、注入の対象となる岩盤の強度が大きく、注入の目的が、「永久的な信頼性のある止水」にある場合が多いため、注入材としては強度と耐久性に優れたセメント系材料が広く利用されている。しかし、従来、ダム基礎部の高透水ゾーンに対するグラウト材として用いられているセメントミルクでは、数千年以上の長期間の止水性を確保することはできない。
【0004】
これに対して、ベントナイトは、天然材料の粘土鉱物であることから長期安定性に期待できると考えられ、新たなグラウト材として着目されている。
【0005】
しかし、グラウト材として着目されるこのベントナイトは、セメントとは異なり固結しない。そのため、従来、グラウト材料としてセメントとベントナイトを混合して適用した事例はあるが、ベントナイト単体でグラウト材料として適用した事例は少なく、グラウトの技術として確立されていないのが現状である。ベントナイトに限らず、今後、グラウト材としてボーリング孔内の任意の場所で注入完了後、固結しない材料または固結速度の遅い材料が使用される可能性がある。
【0006】
ベントナイトなどの「注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材」を用いた注入工法をグラウトの技術として確立するための問題点として予想されることは、注入完了後パッカーを外す際に孔口に注入したベントナイトスラリーなどの注入材の漏出をどのようにして防止するかという点である。
【0007】
注入材の漏出防止に関する従来工法としては、覆工した後にトンネル周辺地山改良のために行う裏込注入工法があり、グラウト材注入時にグラウト材逆流を防ぐための逆止弁が用いられている場合があるが、この逆止弁は孔口周辺のみで用いられているため、ボーリング孔内の任意の位置で注入後の注入材の漏出を防止する閉塞技術を開発する必要がある。
【0008】
また、現在、注入材の漏出を防止する閉塞技術としては、各種の注入工法に適したパッカーを用いた閉塞装置が使用されているが、注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材を用いた注入工法に適した閉塞装置は開発されていない。
【0009】
【特許文献1】特開2002−97628
【特許文献2】特開2002−201630
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材を用いて、ボーリング孔内への注入を行う場合に、ボーリング孔内の任意の位置で注入後の注入材の漏出を防止可能なボーリング孔閉塞工法と装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するために、残留型構造体をボーリング孔内の任意の位置に設置し、残留型構造体を通じてボーリング孔内に注入材を注入した後、残留型構造体をボーリング孔内に残留させた状態で固結材を充填することにより、ボーリング孔を任意の位置で閉塞できるようにしたものである。これにより、注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材を用いて、ボーリング孔内への注入を行う場合に、ボーリング孔内の任意の位置で注入後の注入材の漏出を防止できる。
【0012】
本発明のボーリング孔閉塞工法は、ボーリング孔に注入材を注入してボーリング孔を閉塞するボーリング孔閉塞工法において、次のような構造体設置工程、注入工程、閉塞工程を有することを特徴としている。構造体設置工程は、注入材の注入口を有する残留型構造体をボーリング孔内に挿入して、任意の位置に設置する工程である。注入工程は、構造体設置工程後に、設置された残留型構造体を通じてボーリング孔内に注入材を注入する工程である。閉塞工程は、注入工程後に、残留型構造体をボーリング孔内に残留させた状態で当該ボーリング孔内における注入材の注入区間の孔口側に固結材を充填して当該ボーリング孔を閉塞する工程である。
【0013】
本発明のボーリング孔閉塞装置は、上記の工法を装置の観点から把握したものであり、ボーリング孔に注入材を注入してボーリング孔を閉塞するボーリング孔閉塞装置において、次のような残留型構造体、注入材、固結材を有することを特徴としている。残留型構造体は、注入材の注入口を有し、ボーリング孔内に挿入されて任意の位置に設置される手段である。注入材は、ボーリング孔内に設置された状態の残留型構造体を通じて当該ボーリング孔内に注入される。固結材は、注入材がボーリング孔内に注入された後に、残留型構造体が当該ボーリング孔内に残留した状態で、当該ボーリング孔内における当該注入材の注入区間の孔口側に充填されて当該ボーリング孔を閉塞する手段である。
【0014】
なお、本発明で使用する残留型構造体の具体的な構成は適宜選択可能であるが、望ましくは、残留型構造体として、少なくともボーリング孔内に挿入され、注入材の注入口に設けられた逆止弁を有する逆止弁型パッカーを含む構造体、および、少なくとも当該ボーリング孔内に挿入される注入用パイプと当該ボーリング孔の孔口に設置される閉塞バルブを含む構造体、のいずれかを使用する。
【0015】
以上のような特徴を有する本発明によれば、注入材の注入口を有する残留型構造体をボーリング孔内の任意の位置に設置し、残留型構造体を通じてボーリング孔内に注入材を注入した後、残留型構造体をボーリング孔内に残留させた状態で注入材の注入区間の孔口側に固結材を充填することにより、ボーリング孔を任意の位置で閉塞できる。したがって、注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材を用いて、ボーリング孔内への注入を行う場合に、ボーリング孔内の任意の位置で注入後の注入材の漏出を防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材を用いて、ボーリング孔内への注入を行う場合に、ボーリング孔内の任意の位置で注入後の注入材の漏出を防止可能なボーリング孔閉塞工法と装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下には、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照して説明する。
【0018】
なお、本明細書中において、「固結速度の遅い注入材」は、固結するまでの時間が、数週間、数ヶ月、あるいはそれ以上の長期に及ぶ材料を意味しており、通常の工期内には固結しないような材料である。これに対して、「固結材」あるいは「止水材」は、固結するまでの時間が長くても数日程度までの、一般的に「固結材」、「止水材」と称される材料一般を意味している。
【0019】
[第1の実施形態]
図1は、本発明を適用した第1の実施形態に係るボーリング孔閉塞工法を示す模式図である。この図1に示すように、本実施形態のボーリング孔閉塞工法は、ボーリング孔閉塞装置1の逆止弁型パッカー10を、地盤2に形成されたボーリング孔3内の任意の位置に設置し、逆止弁型パッカー10を通じてボーリング孔3内に、注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材41を注入した後、逆止弁型パッカー10をボーリング孔3内に残留させた状態で固結材42を充填してボーリング孔3を閉塞する工法である。
【0020】
[装置構成]
本実施形態のボーリング孔閉塞装置1は、ボーリング孔3内に挿入して残留させる逆止弁型パッカー10と2重管構造のグラウトパイプ20を有する。ここで、逆止弁型パッカー10は、挿入先端部の注入材41の注入口に設けられた逆止弁11、挿入軸方向反対側の端部に設けられた連結部12、および、逆止弁11と連結部12の間に設けられた外周方向に膨張可能なゴムラバーパッキン13、から構成されている。
【0021】
また、2重管構造のグラウトパイプ20は、凹凸や段部などを利用した簡略な嵌合構造により逆止弁型パッカー10の連結部12に対して個別に着脱可能な内側パイプ21と外側パイプ22から構成されている。内側パイプ21は逆止弁型パッカー10のゴムラバーパッキン13を膨張させるために使用される。すなわち、逆止弁型パッカー10は、連結部12に2重管構造のグラウトパイプ20が連結された状態で内側パイプ21の回転を利用してゴムラバーパッキン13を外周方向に膨張させるように構成されている。
【0022】
外側パイプ22は、内側パイプ21の引き抜き後に逆止弁型パッカー10の連結部12に連結された状態で、外側パイプ22から逆止弁型パッカー10を通じてボーリング孔3内に注入材41を注入するために使用される。
【0023】
[閉塞工法の手順]
本実施形態においては、以上のようなボーリング孔閉塞装置1を用いて、図1中に(A)〜(D)として示すような手順でボーリング孔を閉塞する。
【0024】
まず、構造体設置工程における構造体挿入工程として、図1の(A)に示すように、逆止弁型パッカー10をボーリング孔3内の任意の区間(注入材41を閉塞する区間)まで挿入し、位置決めする。この構造体挿入工程においてはまた、2重管構造のグラウトパイプ20を逆止弁型パッカー10の連結部12に連結する。
【0025】
この場合、2重管構造のグラウトパイプ20を逆止弁型パッカー10に連結するタイミングは何ら限定されるものではなく、2重管構造のグラウトパイプ20を連結した状態で逆止弁型パッカー10を挿入してもよいし、逆止弁型パッカー10を単体で挿入した後に、2重管構造のグラウトパイプ20を連結してもよい。あるいはまた、外側パイプ22のみを連結した逆止弁型パッカー10を挿入した後に、内側パイプ21を連結してもよい。
【0026】
次に、構造体設置工程における構造体固定工程として、図1の(B)に示すように、任意の区間に位置決めした逆止弁型パッカー10に対して2重管構造のグラウトパイプ20を連結した状態で、内側パイプ21をペンチ等の工具を用いて反時計回りに回転させることにより、逆止弁型パッカー10のゴムラバーパッキン13を、外周方向に膨張させてボーリング孔3の内壁に圧着させる。この場合、ゴムラバーパッキン13は、注入材41の注入圧力に耐えうる程度まで十分に膨張させる。
【0027】
なお、このように内側パイプ21の回転を利用してゴムラバーパッキン13を膨張させる構造は、具体的には、例えば、図2〜図4に示すように、逆止弁型パッカー10の連結部12を、内側パイプ21に連結される内側可動部121と、外側パイプ22に連結される外側固定部122からなる相対的に回転可能な内外2重構造として、内側可動部121の回転によりゴムラバーパッキン13の膨張を制御するように構成することで実現可能である。この場合、内側可動部121と内側パイプ21との回転方向における連結は、断面多角形状の凹凸部を嵌合させる等の既存の技術により容易に実現可能である。
【0028】
図1の(B)に示すような構造体固定工程により逆止弁型パッカー10の任意の区間への設置を完了し、したがって、構造体設置工程を完了した後に、図1の(C)に示すような注入工程を行う。すなわち、内側パイプ21を逆止弁型パッカー10から引き抜いてボーリング孔3から取り出し、この状態で、外側パイプ22を注入手段として用いて、この外側パイプ22から逆止弁型パッカー10を通じてボーリング孔3内の注入区間(パッカーの設置により画定されるボーリング孔の奥側空間)に注入材41、すなわち、注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材41を注入する。なお、このような注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材41としては、例えば、塩水を溶液として用いた塩水−ベントナイトスラリーを使用可能である。
【0029】
注入工程を完了した後に、閉塞工程として、図1の(D)に示すように、外側パイプ22を逆止弁型パッカー10から引き抜いてボーリング孔3から取り出し、逆止弁型パッカー10のみを逆止弁11が閉じた状態でボーリング孔3内に残留させ、この状態で逆止弁型パッカー10の孔口側に固結材42を充填し、ボーリング孔3を閉塞する。なお、固結材42としては、セメントペーストなどを使用可能である。
【0030】
[パッカー構造例]
図2〜図4は、第1の実施形態に係るボーリング孔閉塞装置1の逆止弁型パッカー10の具体的な構造例を示す模式図であり、逆止弁11として、ボール型逆止弁11a、ゴムスリーブ型逆止弁11b,開閉型逆止弁11c、をそれぞれ使用した場合を示している。これらの図2〜図4において、(A)は注入材41の注入時において逆止弁が開いた状態、(B)は、注入材41の注入後に逆止弁が閉じた状態をそれぞれ示している。
【0031】
[注入材]
前述したように、第1の実施形態において、注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材41としては、前述したように、例えば、塩水を溶液として用いた塩水−ベントナイトスラリーを使用可能であるが、この場合に、塩水−ベントナイトの配合比の設定については、4%の塩水を次のような配合比でベントナイトスラリーに加えることが望ましい。
【0032】
すなわち、塩水−ベントナイトの配合比の設定については、施工現場の条件(岩種や亀裂幅、亀裂表面の粗度等)および注入機器(検出器、グラウトポンプ等)の性能によっても異なると考えられるが、塩分濃度と粘度の関係、ベントナイトスラリーの配合比と粘度の関係等を考慮すると、ベントナイト/4%塩水の比が、1:8〜1:2までの配合比となるように設定することが最も効率的である。この配合比の塩水−ベントナイトスラリーを用いた場合には、ベントナイト濃度の高いスラリーを亀裂に充填でき、その結果として、優れた難透水性を発揮できる。
【0033】
[効果]
以上のような第1の実施形態によれば、逆止弁を有するパッカーをゴムラバーパッキンの膨張とアンカーボルトによりボーリング孔内の任意の位置に設置し、パッカーを通じてボーリング孔内に注入材を注入した後、パッカーを逆止弁が閉じた状態でボーリング孔内に残留させ、この状態でパッカーの孔口側に固結材を充填することにより、ボーリング孔を任意の位置で閉塞できる。したがって、塩水−ベントナイトスラリーなどの注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材を用いて、ボーリング孔内への注入を行う場合に、ボーリング孔内の任意の位置で注入後の注入材の漏出を防止できる。
【0034】
また、本実施形態の閉塞工法における手順は、パイプの回転によるパッカーの固定を除けば、パッカーの挿入、パイプの引き抜き、注入材の注入、固結材の充填などを行うだけの極めて単純な手順であるため、作業効率に優れている。また、本実施形態のボーリング孔閉塞装置は、逆止弁型パッカーと2重管構造のグラウトパイプを組み合わせた簡略な構成であるため、装置の取り扱いが容易であり、ボーリング孔に対する装置の設置作業も短時間で可能であり、また、経済性にも優れている。
【0035】
[変形例]
なお、第1の実施形態の変形例として、2重管構造のグラウトパイプ20に代えて、内側の部材を他の形状の回転部材として構成してもよい。すなわち、外側パイプ22は、注入材を注入するために、管状であることが必要であるが、内側パイプ21は、回転によりゴムラバーパッキン13を膨張させるためにのみ使用されるため、必ずしも管状である必要はなく、例えば、単純なロッド状の部材に変更可能である。
【0036】
[第2の実施形態]
図5は、本発明を適用した第2の実施形態に係るボーリング孔閉塞工法を示す模式図である。この図5に示すように、本実施形態のボーリング孔閉塞工法は、第1の実施形態とは異なる構成のボーリング孔閉塞装置5の残留型複合部材50をボーリング孔3内の任意の位置に設置する際に、残留型複合部材50とボーリング孔3の内壁との隙間を埋める止水材43を充填する工法である。そして、残留型複合部材50を通じてボーリング孔3内に、注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材41を注入した後、残留型複合部材50をボーリング孔3の内部および孔口に残留させた状態で固結材42を充填してボーリング孔3を閉塞する工法である。
【0037】
[装置構成]
本実施形態のボーリング孔閉塞装置5において、ボーリング孔3の内部および孔口に残留させる残留型複合部材50は、ボーリング孔3内に挿入される逆止弁型パッカー51とボーリング孔3の孔口に設置される孔口部材52、逆止弁型パッカー51と孔口部材52の間を固定的に連結するグラウトパイプ(注入用パイプ)53、およびゴムラバー54から構成されている。
【0038】
ここで、逆止弁型パッカー51は、単体の逆止弁として構成されている。孔口部材52は、グラウトパイプ53と同軸の管状部分とこれに直交する固定用フランジ部分から構成されている。ここで、孔口部材52の固定用フランジ部分には、図5の(E)に示すように、エア抜き孔521、止水材注入孔522、およびボルト孔523が設けられている。また、この孔口部材52の固定用フランジ部分と地盤3の表面との間には、孔口止水パッキン61が挿入される。この孔口止水パッキン61には、孔口部材52のエア抜き孔521および止水材注入孔522と重なる位置にエア抜き孔611および止水材注入孔612が設けられている。
【0039】
グラウトパイプ53は、逆止弁型パッカー51を通じてボーリング孔3内に注入材41を注入するために使用されると共に、逆止弁型パッカー51と孔口止水パッキン53との間の空間を埋めるための固結材42および止水材43を充填するために使用される。ゴムラバー54は、止水材43の充填範囲を規定するために、グラウトパイプ53における逆止弁型パッカー51との連結端に設けられ、ボーリング孔3の内壁に圧着するように構成されている。
【0040】
ボーリング孔閉塞装置5はさらに、エア抜き孔521,611に挿入されるエア抜きホース62、エア抜き孔521,611および止水材注入孔522,612を閉塞する閉塞用プラグ63、孔口部材52と孔口止水パッキン61を孔口に固定するアンカーボルト64、孔口部材52に対して着脱可能な注入用ホース65、および孔口部材52の開口部を閉塞する閉塞用プラグ66を有する。注入用ホース65は、孔口部材52に連結された状態で、注入用ホース65とグラウトパイプ53から逆止弁型パッカー51を通じてボーリング孔3内に注入材41を注入するために使用される。
【0041】
[閉塞工法の手順]
本実施形態においては、以上のようなボーリング孔閉塞装置5を用いて、図5中に(A)〜(D)として示すような手順でボーリング孔を閉塞する。
【0042】
まず、構造体設置工程における構造体挿入工程として、図5の(A)に示すように、逆止弁型パッカー51、孔口部材52、グラウトパイプ53、およびゴムラバー54を一体的に連結してなる残留型複合部材50を、ボーリング孔3内に挿入して任意の区間に位置決めする。この場合、孔口部材52の管状部分の周囲に孔口止水パッキン61を予め装着しておき、孔口部材52のフランジ部分と地盤3の表面とを孔口止水パッキン61を介して突き合わせる。また、任意の区間は、グラウトパイプ53の長さを調節することで自由に設定可能である。さらに、この構造体挿入工程において、孔口部材52と孔口止水パッキン61のエア抜き孔521,611に、エア抜きホース62を挿入し、グラウトパイプ53の先端部まで伸びるように設置しておく。
【0043】
なお、残留型複合部材50を連結するタイミングは何ら限定されるものではなく、例えば、逆止弁型パッカー51のみを挿入した後に、ゴムラバー54付のグラウトパイプ53および孔口部材52を連結してもよいし、あるいは、逆止弁型パッカー51にゴムラバー54付のグラウトパイプ53を連結した構造のみを挿入した後に、孔口部材52を連結するようにしてもよい。
【0044】
次に、構造体設置工程における構造体固定工程として、図5の(B)に示すように、任意の区間に位置決めした残留型複合部材50の孔口部材52の固定用フランジ部分を、アンカーボルト64により地盤3の表面に固定した後、孔口部材52と孔口止水パッキン61の止水材注入孔522,612から止水材43を注入し、エア抜きホース62を通じてエア抜き孔521,611から空気を抜きながら、任意の区間のグラウトパイプ53とボーリング孔3の内壁との隙間を埋めるように止水材43を充填する。
【0045】
この止水材43の充填時においては、グラウトパイプ53に設けられたゴムラバー54が、ボーリング孔3の内壁に圧着するため、止水材43がゴムラバー54を越えて注入材41の注入区間に侵入することを防止できる。止水材43充填後に、エア抜き孔521,611および止水材注入孔522,612を閉塞プラグ63で閉塞する。この場合、エア抜きホース62は、エア抜き後に引き抜いてもよいが、そのまま止水材43中に残留させてもよい。なお、止水材43としては、例えば、セメントペーストなどが使用可能である。
【0046】
図5の(B)に示すような構造体固定工程により逆止弁型パッカー51を含む残留型複合部材50の任意の区間への設置を完了し、したがって、構造体設置工程を完了した後に、図5の(C)に示すような注入工程を行う。すなわち、残留型複合部材50の孔口部材52に注入用ホース65を連結して、この注入用ホース65から残留型複合部材50の孔口部材52、グラウトパイプ53、および逆止弁型パッカー51を通じてボーリング孔3内の注入区間に注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材41を注入する。この場合、注入材41としては、例えば、第1の実施形態と同様の塩水−ベントナイトスラリーが使用可能である。
【0047】
注入工程を完了した後に、閉塞工程として、図5の(D)に示すように、注入用ホース65を残留型複合部材50から取り外し、グラウトパイプ53の内部空間を埋めるように固結材42を充填した後、孔口部材52の開口部に閉塞用プラグ66を取り付けて、ボーリング孔3を閉塞する。なお、固結材42としては、例えば、第1の実施形態と同様のセメントペーストなどが使用可能である。
【0048】
[パッカー構造例]
図6〜図8は、第2の実施形態に係るボーリング孔閉塞装置5の逆止弁型パッカー51の具体的な構造例を示す模式図であり、逆止弁型パッカー51を、ボール型逆止弁51a、ゴムスリーブ型逆止弁51b,開閉型逆止弁51c、としてそれぞれ構成した場合を示している。これらの図6〜図8において、(A)は注入材41の注入時において逆止弁が開いた状態、(B)は、注入材41の注入後に逆止弁が閉じた状態をそれぞれ示している。また、本実施形態においては、逆止弁型パッカー51と共にグラウトパイプ53を残留させるため、逆止弁型パッカー51とグラウトパイプ53の連結部は、ネジ嵌合等により強固に連結されるようになっている。
【0049】
[効果]
以上のような第2の実施形態によれば、逆止弁として構成したパッカーとグラウトパイプを含む残留型複合部材を、止水材の充填とアンカーボルトによりボーリング孔内の任意の位置に設置し、ボーリング孔内に注入材を注入した後、逆止弁が閉じた状態で残留型複合部材をボーリング孔内に残留させ、この状態でグラウトパイプ内に固結材を充填することにより、ボーリング孔を任意の位置で閉塞できる。したがって、第1の実施形態と同様に、塩水−ベントナイトスラリーなどの注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材を用いて、ボーリング孔内への注入を行う場合に、ボーリング孔内の任意の位置で注入後の注入材の漏出を防止できる。
【0050】
また、本実施形態の閉塞工法における手順は、残留型複合部材を設置する際に、アンカーボルトを締結する工程や、止水材を充填する工程を含むため、第1の実施形態に比べて複雑な手順となっているが、特に、アンカーボルトで固定した残留型複合部材の内外に、固結材と止水材を充填させることにより、機械的強度、および止水性が高く、したがって信頼性の高いボーリング孔の閉塞構造を実現できる。
【0051】
[第3の実施形態]
図9は、本発明を適用した第3の実施形態に係るボーリング孔閉塞工法を示す模式図である。この図9に示すように、本実施形態のボーリング孔閉塞工法は、第2の実施形態における逆止弁型パッカー51の代わりにグラウトパイプ53の開口を覆う閉塞バルブ71を有する構成のボーリング孔閉塞装置7を使用して、グラウトパイプ53の内部空間に固結材42を充填し、かつ、閉塞バルブ71を閉じることにより、ボーリング孔3の孔口を閉塞する工法である。
【0052】
[装置構成]
本実施形態のボーリング孔閉塞装置7においては、図9の(A)〜(D)に示すように、第2の実施形態における逆止弁型パッカー51を含む残留型複合部材50の代わりに、孔口部材52、グラウトパイプ53、ゴムラバー54、および閉塞バルブ71を一体的に連結してなる残留型複合部材70を使用する。ここで、閉塞バルブ71は、操作レバー711の回転角度に応じて、図9の(B)、(C)に示すように、操作レバー711の操作軸がバルブ本体軸と平行な場合には、開状態となり、図9の(D)に示すように、操作レバー711の操作軸がバルブ本体軸と直交する場合には閉状態となる。
【0053】
なお、このような残留型複合部材70の差異を除けば、他の構成は第2の実施形態と同様であるため、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。また、図9の(E)は、図5の(E)と同様に、エア抜き孔521、止水材注入孔522、およびボルト孔523を備えた孔口部材52を示している。
【0054】
[閉塞工法の手順]
本実施形態においては、以上のようなボーリング孔閉塞装置7を用いて、図9中に(A)〜(D)として示すような手順でボーリング孔を閉塞する。
【0055】
まず、構造体設置工程における構造体挿入工程として、図9の(A)に示すように、孔口部材52、グラウトパイプ53、ゴムラバー54、および閉塞バルブ71を一体的に連結してなる残留型複合部材70を、ボーリング孔3内に挿入して任意の区間に位置決めする。この場合に、孔口部材52の管状部分の周囲に予め装着した孔口止水パッキン61を介して、孔口部材52のフランジ部分と地盤3の表面とを突き合わせる点や、孔口部材52と孔口止水パッキン61のエア抜き孔521,611にエア抜きホース62を挿入し、グラウトパイプ53の先端部まで伸びるように設置しておく点は、第2の実施形態と同様である。
【0056】
なお、残留型複合部材70を連結するタイミングは何ら限定されるものではなく、例えば、孔口部材52に予め閉塞バルブ71を連結しておき、ゴムラバー54付のグラウトパイプ53を挿入した後に、すでに一体化されている孔口部材52および閉塞バルブ71をグラウトパイプ53に連結してもよいし、あるいは、ゴムラバー54付のグラウトパイプ53を挿入した後に、他の部材を順次連結してもよい。あるいはまた、ゴムラバー54付のグラウトパイプ53と孔口部材52を連結した状態で挿入した後に閉塞バルブ71を連結するようにしてもよい。さらに、閉塞バルブ71は、図9の(B)に示すように、孔口部材52をアンカーボルト64により地盤3に固定する際に孔口部材52に連結してもよい。
【0057】
次に、構造体設置工程における構造体固定工程として、図9の(B)に示すように、任意の区間に位置決めした残留型複合部材70の孔口部材52のフランジ部分を、アンカーボルト64により地盤3の表面に固定した後、孔口部材52と孔口止水パッキン61の止水材注入孔522,612から止水材43を注入し、任意の区間のグラウトパイプ53とボーリング孔3の内壁との隙間を埋めるように止水材43を充填する点は、第2の実施形態と同様である。そして、この止水材43の充填時に、ゴムラバー54がボーリング孔3の内壁に圧着するため、止水材43がゴムラバー54を越えて注入材41の注入区間に侵入することを防止できる点についても、第2の実施形態に関して前述した通りである。
【0058】
図9の(B)に示すような構造体固定工程により残留型複合部材70の任意の区間への設置を完了し、したがって、構造体設置工程を完了した後に、図9の(C)に示すような注入工程を行う。すなわち、閉塞バルブ71に注入用ホース65を連結して、閉塞バルブ71を開状態とし、注入用ホース65から閉塞バルブ71およびグラウトパイプ53を通じてボーリング孔3内の注入区間に注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材41を注入する。
【0059】
注入工程を完了した後に、閉塞工程として、図9の(D)に示すように、注入用ホース65から閉塞バルブ71を通じて固結材42をグラウトパイプ53に注入し、グラウトパイプ53の内部空間を埋めるように固結材42を充填した後、閉塞バルブ71を閉じ、注入用ホース65を閉塞バルブ71から取り外して、ボーリング孔3を閉塞する。
【0060】
[効果]
以上のような第3の実施形態によれば、グラウトパイプと閉塞バルブを含む残留型複合部材を、止水材の充填とアンカーボルトによりボーリング孔内の任意の位置に設置し、ボーリング孔内に注入材を注入し、グラウトパイプをボーリング孔内に残留させた状態でグラウトパイプ内に固結材を充填した後、閉塞バルブを閉じることにより、ボーリング孔を任意の位置で閉塞できる。したがって、第1、第2の実施形態と同様に、塩水−ベントナイトスラリーなどの注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材を用いて、ボーリング孔内への注入を行う場合に、ボーリング孔内の任意の位置で注入後の注入材の漏出を防止できる。
【0061】
また、本実施形態の閉塞工法における手順は、第2の実施形態と同様、残留型複合部材を設置する際に、アンカーボルトを締結する工程や、止水材を充填する工程を含むため、第1の実施形態に比べて複雑な手順となっているが、特に、アンカーボルトで固定した残留型複合部材の内外に、固結材と止水材を充填することにより、機械的強度、および止水性が高く、したがって、信頼性の高いボーリング孔の閉塞構造を実現できる。さらに、閉塞バルブをボーリング孔の孔口に配置する構成であるため、ボーリング孔の寸法に関わらず、任意の寸法形状の閉塞バルブを自由に使用することができるという利点もある。
【0062】
[第4の実施形態]
図10は、本発明を適用した第4の実施形態に係るボーリング孔閉塞工法を示す模式図である。この図10に示すように、本実施形態のボーリング孔閉塞工法は、第3の実施形態におけるゴムラバー54付のグラウトパイプ53および孔口部材52の代わりに、エキスパンションパッカー81と閉塞バルブ71を覆うバルブ閉塞部材82を有する構成のボーリング孔閉塞装置8を使用して、閉塞バルブ71を閉じた後、その周囲に固結材42を充填することにより、ボーリング孔3の孔口を閉塞する工法である。
【0063】
[装置構成]
本実施形態のボーリング孔閉塞装置8においては、図10の(A)〜(D)に示すように、第3の実施形態における残留型複合部材70の代わりに、エキスパンションパッカー81と後付の閉塞バルブ71およびバルブ閉塞部材82を最終的に一体的に連結してなる残留型複合部材80を使用する。
【0064】
ここで、エキスパンションパッカー81は、外周方向に膨張可能なゴムラバーパッキン13を備えたパッカー部811とグラウトパイプ部812が予め一体的に形成された単体のパッカーであり、グラウトパイプ部812の回転を利用してゴムラバーパッキン813を外周方向に膨張させるように構成されている。グラウトパイプ部812の孔口側の端部外周には、回転操作用の操作部814が設けられている。
【0065】
また、バルブ閉塞部材82は、図10の(E)に示すように、ボーリング孔3の孔口に設置される閉塞バルブ71を覆う筐体状の本体部分と、固定用フランジ部分から構成されており、本体部分には、エア抜き孔821と固結材注入孔822が設けられており、エア抜き孔821には、エア抜きホース823が予め装着される。そして、バルブ閉塞部材82の固定用フランジ部分と地盤3の表面との間には、孔口止水パッキン61aが挿入される。
【0066】
この場合、ゴムラバーパッキン13付のエキスパンションパッカー81を使用する本実施形態のボーリング孔閉塞装置8においては、止水材43を使用しないため、孔口止水パッキン61aには、ボルト孔のみが設けられ、エア抜き孔や止水材注入孔は設けられていない。ボーリング孔閉塞装置8は、さらに、バルブ閉塞部材82のエア抜き孔821と固結材注入孔822を閉塞する閉塞用プラグ63aを有する。
【0067】
[閉塞工法の手順]
本実施形態においては、以上のようなボーリング孔閉塞装置8を用いて、図10中に(A)〜(D)として示すような手順でボーリング孔を閉塞する。
【0068】
まず、構造体設置工程における構造体挿入工程として、図10の(A)に示すように、残留型複合部材80のエキスパンションパッカー81をボーリング孔3内の任意の区間まで挿入し、位置決めする。
【0069】
次に、構造体設置工程における構造体固定工程として、図10の(B)に示すように、任意の区間に位置決めしたエキスパンションパッカー81の操作部814を回転させることにより、エキスパンションパッカー81のゴムラバーパッキン813を、外周方向に膨張させてボーリング孔3の内壁に圧着させる。この場合、ゴムラバーパッキン813は、注入材41の注入圧力に耐えうる程度まで十分に膨張させる。続いて、エキスパンションパッカー81の孔口側端部に、その開口を覆うように閉塞バルブ71を連結する。
【0070】
図10の(B)に示すような構造体固定工程によりエキスパンションパッカー81の任意の区間への設置およびエキスパンションパッカー81への閉塞バルブ71の連結を完了し、したがって、構造体設置工程を完了した後に、図10の(C)に示すような注入工程を行う。すなわち、閉塞バルブ71に注入用ホース65を連結して、閉塞バルブ71を開状態とし、注入用ホース65から閉塞バルブ71およびエキスパンションパッカー81を通じてボーリング孔3内の注入区間に注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材41を注入する。
【0071】
注入工程を完了した後に、図10の(D)に示すような閉塞工程を行う。この閉塞工程においてはまず、閉塞バルブ71を閉じ、注入用ホース65を閉塞バルブ71から取り外した後、閉塞バルブ71を覆うようにバルブ閉塞部材82を配置し、その固定用フランジ部分と地盤3の表面とを孔口止水パッキン61aを介して突き合わせ、この状態で、アンカーボルト64により地盤3の表面にバルブ閉塞部材82を固定する。
【0072】
閉塞工程においては、次に、バルブ閉塞部材82の固結材注入孔822から固結材42をバルブ閉塞部材82に注入し、エア抜きホース823を通じてエア抜き孔821から空気を抜きながら、バルブ閉塞部材82の内部空間における閉塞バルブ71周囲を埋めるように固結材42を充填することにより、ボーリング孔3を閉塞する。なお、バルブ閉塞部材82のエア抜き孔821と固結材注入孔822は、固結材42の充填後に閉塞プラグ63aで閉塞する。
【0073】
[効果]
以上のような第4の実施形態によれば、エキスパンションパッカーと閉塞バルブを含む残留型複合部材を、ゴムラバーパッキンの膨張とアンカーボルトによりボーリング孔内の任意の位置に設置し、ボーリング孔内に注入材を注入し、エキスパンションパッカーをボーリング孔内に残留させた状態で閉塞バルブを閉じ、閉塞バルブを覆うバルブ閉塞部材を設置してその内部空間に固結材を充填することにより、ボーリング孔を任意の位置で閉塞できる。したがって、第1〜第3の実施形態と同様に、塩水−ベントナイトスラリーなどの注入後固結しない注入材または固結速度の遅い注入材を用いて、ボーリング孔内への注入を行う場合に、ボーリング孔内の任意の位置で注入後の注入材の漏出を防止できる。
【0074】
また、本実施形態の閉塞工法における手順は、バルブ閉塞部材を設置する際に、アンカーボルトを締結する工程を含むため、第1の実施形態に比べて複雑な手順となっているが、特に、孔口に設置した閉塞バルブを覆うバルブ閉塞部材をアンカーボルトで固定してその内部空間に固結材を充填することにより、機械的強度、および止水性が高く、したがって、信頼性の高いボーリング孔の閉塞構造を実現できる。さらに、閉塞バルブをボーリング孔の孔口に配置する構成であるため、第3の実施形態と同様に、ボーリング孔の寸法に関わらず、任意の寸法形状の閉塞バルブを自由に使用することができるという利点もある。
【0075】
[変形例]
なお、第4の実施形態の変形例として、予め一体的に形成されたエキスパンションパッカーの代わりに、第1の実施形態のような、個別に構成されたパッカーとグラウトパイプを連結して、両方をボーリング孔内に残留させる構成も可能である。
【0076】
[他の実施形態]
本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な変形例が実施可能である。
【0077】
例えば、前記実施形態においては、注入材として塩水−ベントナイトスラリー、固結材、止水材としてセメントペーストを使用した場合について説明したが、本発明で注入材、固結材、止水材として使用する具体的な材料は、前記実施形態について例示した材料注入目的や施工現場の条件などに応じて自由に選択可能である。
【0078】
また、ボーリング孔内に挿入する残留型構造体を初めとする各手段の具体的な構成は適宜選択可能であり、使用する装置やそれを構成する手段の具体的な構成に応じて、閉塞工法の具体的な手順は異なるものとなる。すなわち、本発明は、残留型構造体をボーリング孔内の任意の位置に設置し、残留型構造体を通じてボーリング孔内に注入材を注入した後、残留型構造体をボーリング孔内に残留させた状態で固結材を充填するものである限り、具体的な手順や装置構成、使用する材料は適宜選択可能であり、そのような各種の変形例において、前記実施形態と同様の優れた効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態に係るボーリング孔閉塞工法を示す模式図。
【図2】第1の実施形態に係る逆止弁型パッカーの具体的な構造例として、ボール型逆止弁を使用した場合の一例を示す模式図。
【図3】第1の実施形態に係る逆止弁型パッカーの具体的な構造例として、ゴムスリーブ型逆止弁を使用した場合の一例を示す模式図。
【図4】第1の実施形態に係る逆止弁型パッカーの具体的な構造例として、開閉型逆止弁を使用した場合の一例を示す模式図。
【図5】本発明を適用した第2の実施形態に係るボーリング孔閉塞工法を示す模式図。
【図6】第2の実施形態に係る逆止弁型パッカーの具体的な構造例として、ボール型逆止弁を使用した場合の一例を示す模式図。
【図7】第2の実施形態に係る逆止弁型パッカーの具体的な構造例として、ゴムスリーブ型逆止弁を使用した場合の一例を示す模式図。
【図8】第2の実施形態に係る逆止弁型パッカーの具体的な構造例として、開閉型逆止弁を使用した場合の一例を示す模式図。
【図9】本発明を適用した第3の実施形態に係るボーリング孔閉塞工法を示す模式図。
【図10】本発明を適用した第4の実施形態に係るボーリング孔閉塞工法を示す模式図。
【符号の説明】
【0080】
1,5,7,8…ボーリング孔閉塞装置
2…地盤
3…ボーリング孔
41…注入材
42…固結材
43…止水材
10…逆止弁型パッカー
11…逆止弁
12…連結部
121…内側可動部
122…外側固定部
13…ゴムラバーパッキン
20…2重管構造のグラウトパイプ
21…内側パイプ
22…外側パイプ
50,70,80…残留型複合部材
51…逆止弁型パッカー
52…孔口部材
53…グラウトパイプ
54…ゴムラバー
61,61a…孔口止水パッキン
62…エア抜きホース
63,63a,66…閉塞用プラグ
64…アンカーボルト
65…注入用ホース
71…閉塞バルブ
711…操作レバー
81…エキスパンションパッカー
811…パッカー部
812…グラウトパイプ部
813…ゴムラバーパッキン
814…操作部
82…バルブ閉塞部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボーリング孔に注入材を注入してボーリング孔を閉塞するボーリング孔閉塞工法において、
前記注入材の注入口を有する残留型構造体を前記ボーリング孔内に挿入して、任意の位置に設置する構造体設置工程と、
前記構造体設置工程後に、設置された前記残留型構造体を通じて前記ボーリング孔内に前記注入材を注入する注入工程と、
前記注入工程後に、前記残留型構造体を前記ボーリング孔内に残留させた状態で当該ボーリング孔内における前記注入材の注入区間の孔口側に固結材を充填して当該ボーリング孔を閉塞する閉塞工程
を有することを特徴とするボーリング孔閉塞工法。
【請求項2】
前記残留型構造体は、少なくとも前記ボーリング孔内に挿入され、前記注入材の注入口に設けられた逆止弁を有する逆止弁型パッカーを含む構造体、および、少なくとも当該ボーリング孔内に挿入される注入用パイプと当該ボーリング孔の孔口に設置される閉塞バルブを含む構造体、のいずれかである
ことを特徴とする請求項1に記載のボーリング孔閉塞工法。
【請求項3】
前記残留型構造体は、前記ボーリング孔内に挿入され、前記注入材の注入口および当該注入口に設けられた逆止弁を有する前記逆止弁型パッカーを含み、
前記逆止弁型パッカーに対して着脱可能な注入用パイプを使用し、
前記構造体設置工程は、前記逆止弁型パッカーを前記ボーリング孔内に挿入する工程と、前記注入用パイプを当該逆止弁型パッカーに連結した状態で当該逆止弁型パッカーを任意の位置に設置する工程を含み、
前記注入工程は、前記注入用パイプから前記逆止弁型パッカーを通じて前記ボーリング孔内に前記注入材を注入する工程を含み、
前記閉塞工程は、前記注入用パイプを前記逆止弁型パッカーから引き抜いて前記ボーリング孔から取り出す工程と、前記逆止弁型パッカーを当該ボーリング孔内に残留させた状態で、当該ボーリング孔内における当該逆止弁型パッカーの孔口側に前記固結材を充填する工程を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のボーリング孔閉塞工法。
【請求項4】
前記逆止弁型パッカーは、その外周方向に膨張可能な外周パッキンを有し、
前記逆止弁型パッカーに対して個別に着脱可能な内側の回転部材と外側の前記注入用パイプからなる2重構造部材を使用し、
前記構造体設置工程は、前記逆止弁型パッカーを前記ボーリング孔内に挿入する工程と、前記2重構造部材を当該逆止弁型パッカーに連結した状態で、前記回転部材の回転により当該逆止弁型パッカーの前記外周パッキンを膨張させて当該ボーリング孔の内壁に圧着させることで当該逆止弁型パッカーを任意の位置に設置する工程と、設置後に当該回転部材を当該逆止弁型パッカーから引き抜いて当該ボーリング孔から取り出す工程を含む
ことを特徴とする請求項3に記載のボーリング孔閉塞工法。
【請求項5】
前記2重構造部材は、内側パイプと外側パイプからなる2重管構造のパイプである
ことを特徴とする請求項4に記載のボーリング孔閉塞工法。
【請求項6】
前記残留型構造体は、前記ボーリング孔内に挿入され、前記注入材の注入口および当該注入口に設けられた逆止弁を有する前記逆止弁型パッカー、当該ボーリング孔内に挿入される前記注入用パイプ、および当該ボーリング孔の孔口に設置される孔口部材を含み、
前記逆止弁型パッカーは、前記注入用パイプの一端に軸方向に一体的に連結されるように構成され、前記孔口部材は、当該注入用パイプの他端の周囲に一体的に連結されるように構成され、
前記構造体設置工程は、前記逆止弁型パッカーを前記ボーリング孔内に挿入して任意の位置に位置決めすると共に、前記注入用パイプおよび前記孔口部材を当該逆止弁型パッカーと一体的に連結した状態で当該孔口部材を当該ボーリング孔の孔口に固定する工程を含み、
前記注入工程は、前記注入用パイプおよび前記逆止弁型パッカーを通じて前記ボーリング孔内に前記注入材を注入する工程を含み、
前記閉塞工程は、前記逆止弁型パッカーと前記注入用パイプを前記ボーリング孔内に残留させた状態で、当該注入用パイプの内部空間を埋めるように前記固結材を充填する工程を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のボーリング孔閉塞工法。
【請求項7】
前記逆止弁は、ボール型逆止弁、ゴムスリーブ型逆止弁、開閉型逆止弁、の中から選択された逆止弁である
ことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載のボーリング孔閉塞工法。
【請求項8】
前記残留型構造体は、前記ボーリング孔内に挿入される前記注入用パイプと当該ボーリング孔の孔口に設置される孔口部材および前記閉塞バルブを含み、
前記注入用パイプは、その一端を挿入先端として前記ボーリング孔内に挿入されるように構成され、前記孔口部材は、当該注入用パイプの他端の周囲に一体的に連結されるように構成され、前記閉塞バルブは、当該注入用パイプの当該他端に一体的に連結されてその開口を閉塞するように構成され、
前記構造体設置工程は、前記注入用パイプを前記ボーリング孔内に挿入して任意の位置に位置決めすると共に、前記孔口部材を当該注入用パイプと一体的に連結した状態で当該孔口部材を当該ボーリング孔の孔口に固定する工程と、当該注入用パイプの開口を覆うように前記閉塞バルブを設置する工程を含み、
前記注入工程は、前記閉塞バルブを開状態として、当該閉塞バルブおよび前記注入用パイプを通じて前記ボーリング孔内に前記注入材を注入する工程を含み、
前記閉塞工程は、前記注入用パイプを前記ボーリング孔内に残留させ、かつ、前記閉塞バルブを開状態として、当該閉塞バルブを通じて当該注入用パイプの内部空間を埋めるように前記固結材を充填する工程と、前記閉塞バルブを閉状態とする工程を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のボーリング孔閉塞工法。
【請求項9】
前記構造体設置工程は、前記注入用パイプと前記ボーリング孔の内壁との隙間を埋めるように止水材を充填する工程を含む
ことを特徴とする請求項6または請求項8に記載のボーリング孔閉塞工法。
【請求項10】
前記残留型構造体は、前記ボーリング孔内に挿入されるパッカーおよび前記注入用パイプ、当該ボーリング孔の孔口に設置される閉塞バルブ、およびバルブ閉塞部材を含み、
前記パッカーは、前記注入用パイプの一端に軸方向に一体的に連結されるように構成され、前記閉塞バルブは、当該注入用パイプの当該他端に一体的に連結されてその開口を閉塞するように構成され、前記バルブ閉塞部材は、当該閉塞バルブの周囲に前記固結材を充填する空間を形成するように構成され、
前記構造体設置工程は、前記パッカーを前記ボーリング孔内に挿入する工程と、前記注入用パイプを当該パッカーと一体的に連結した状態で、当該パッカーを任意の位置に設置する工程と、当該注入用パイプの開口を覆うように前記閉塞バルブを設置する工程を含み、
前記注入工程は、前記閉塞バルブを開状態として当該閉塞バルブ、前記注入用パイプおよび前記パッカーを通じて前記ボーリング孔内に前記注入材を注入する工程を含み、
前記閉塞工程は、前記閉塞バルブを閉状態とする工程と、前記パッカーと前記注入用パイプを前記ボーリング孔内に残留させた状態で、当該閉塞バルブを覆うように前記バルブ閉塞部材を配置し、当該バルブ閉塞部材を当該ボーリング孔の孔口に固定する工程と、当該バルブ閉塞部材の内部空間を埋めるように前記固結材を充填する工程を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のボーリング孔閉塞工法。
【請求項11】
前記パッカーは、その外周方向に膨張可能な外周パッキンを有し、
前記構造体設置工程は、前記パッカーを前記ボーリング孔内に挿入する工程と、前記注入用パイプを当該パッカーに連結した状態で、当該注入用パイプの回転により当該パッカーの前記外周パッキンを膨張させて当該ボーリング孔の内壁に圧着させることで当該パッカーを任意の位置に設置する工程を含む
ことを特徴とする請求項10に記載のボーリング孔閉塞工法。
【請求項12】
前記パッカーは、回転により前記外周パッキンを操作する前記注入用パイプが予め一体的に取り付けられた注入用パイプ付パッカーである
ことを特徴とする請求項11に記載のボーリング孔閉塞工法。
【請求項13】
ボーリング孔に注入材を注入してボーリング孔を閉塞するボーリング孔閉塞装置において、
前記注入材の注入口を有し、前記ボーリング孔内に挿入されて任意の位置に設置される残留型構造体と、
前記ボーリング孔内に設置された状態の前記残留型構造体を通じて当該ボーリング孔内に注入される前記注入材と、
前記注入材が前記ボーリング孔内に注入された後に、前記残留型構造体が当該ボーリング孔内に残留した状態で、当該ボーリング孔内における当該注入材の注入区間の孔口側に充填されて当該ボーリング孔を閉塞する固結材
を有することを特徴とするボーリング孔閉塞装置。
【請求項14】
前記残留型構造体は、少なくとも前記ボーリング孔内に挿入され、前記注入材の注入口に設けられた逆止弁を有する逆止弁型パッカーを含む構造体、および、少なくとも当該ボーリング孔内に挿入される注入用パイプと当該ボーリング孔の孔口に設置される閉塞バルブを含む構造体、のいずれかである
ことを特徴とする請求項13に記載のボーリング孔閉塞装置。
【請求項15】
前記残留型構造体は、前記ボーリング孔内に挿入され、前記注入材の注入口および当該注入口に設けられた逆止弁を有する前記逆止弁型パッカーを含み、
前記逆止弁型パッカーに対して着脱可能な注入用パイプを有し、
前記逆止弁型パッカーは、前記ボーリング孔内に挿入され、前記注入用パイプが連結された状態で任意の位置に設置されるように構成され、
前記注入用パイプは、前記逆止弁型パッカーを通じて前記ボーリング孔内に前記注入材を注入すると共に、当該注入材の注入後に当該逆止弁型パッカーから引き抜かれて前記ボーリング孔から取り出されるように構成され、
前記固結材は、前記逆止弁型パッカーが前記ボーリング孔内に残留した状態で、当該ボーリング孔内における当該逆止弁パッカーの孔口側に充填される
ことを特徴とする請求項14に記載のボーリング孔閉塞装置。
【請求項16】
前記逆止弁型パッカーは、その外周方向に膨張可能な外周パッキンを有し、
前記逆止弁型パッカーに対して個別に着脱可能な内側の回転部材と外側の前記注入用パイプからなる2重構造部材を有し、
前記逆止弁型パッカーは、前記ボーリング孔内に挿入され、前記2重構造部材が連結された状態で、前記回転部材の回転により前記外周パッキンを膨張させるように構成され、
前記回転部材は、前記逆止弁型パッカーの設置後に当該逆止弁型パッカーから引き抜かれて前記ボーリング孔から取り出されるように構成されている
ことを特徴とする請求項15に記載のボーリング孔閉塞装置。
【請求項17】
前記2重構造部材は、内側パイプと外側パイプからなる2重管構造のパイプである
ことを特徴とする請求項16に記載のボーリング孔閉塞装置。
【請求項18】
前記残留型構造体は、前記ボーリング孔内に挿入され、前記注入材の注入口および当該注入口に設けられた逆止弁を有する前記逆止弁型パッカー、当該ボーリング孔内に挿入される前記注入用パイプ、および当該ボーリング孔の孔口に設置される孔口部材を含み、
前記逆止弁型パッカーは、前記注入用パイプの一端に軸方向に一体的に連結されるように構成され、前記孔口部材は、当該注入用パイプの他端の周囲に一体的に連結されるように構成され、
前記孔口部材は、前記逆止弁型パッカーが前記ボーリング孔内に挿入されて任意の位置に位置決めされ、かつ、当該孔口部材が前記注入用パイプおよび当該逆止弁型パッカーと一体的に連結された状態で、当該ボーリング孔の孔口に固定されるように構成され、
前記固結材は、前記逆止弁型パッカーと前記注入用パイプが前記ボーリング孔内に残留した状態で、当該注入用パイプの内部空間を埋めるように充填される
ことを特徴とする請求項14に記載のボーリング孔閉塞装置。
【請求項19】
前記逆止弁は、ボール型逆止弁、ゴムスリーブ型逆止弁、開閉型逆止弁、の中から選択された逆止弁である
ことを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれか1項に記載のボーリング孔閉塞装置。
【請求項20】
前記残留型構造体は、前記ボーリング孔内に挿入される前記注入用パイプと当該ボーリング孔の孔口に設置される孔口部材および前記閉塞バルブを含み、
前記注入用パイプは、その一端を挿入先端として前記ボーリング孔内に挿入されるように構成され、前記孔口部材は、当該注入用パイプの他端の周囲に一体的に連結されるように構成され、前記閉塞バルブは、当該注入用パイプの当該他端に一体的に連結されてその開口を閉塞するように構成され、
前記孔口部材は、前記注入用パイプが前記ボーリング孔内に挿入されて任意の位置に位置決めされ、かつ、当該孔口部材が当該注入用パイプと一体的に連結された状態で、当該ボーリング孔の孔口に固定するように構成され、
前記閉塞バルブは、前記注入用パイプの開口を覆うように設置され、前記注入材の注入時には、当該閉塞バルブを開状態として当該閉塞バルブおよび前記注入用パイプを通じて前記ボーリング孔内に当該注入材を注入し、かつ、前記固結材の充填時には、当該閉塞バルブを開状態として当該閉塞バルブを通じて当該注入用パイプの内部空間に当該固結材を充填し、当該固結材の充填後には、閉状態とされるように構成され、
前記固結材は、前記注入用パイプが前記ボーリング孔内に残留した状態で、開状態とされた前記閉塞バルブを通じて当該注入用パイプの内部空間を埋めるように充填される
ことを特徴とする請求項14に記載のボーリング孔閉塞装置。
【請求項21】
前記注入用パイプと前記ボーリング孔の内壁との隙間を埋めるように充填される止水材を有する
ことを特徴とする請求項18または請求項20に記載のボーリング孔閉塞装置。
【請求項22】
前記残留型構造体は、前記ボーリング孔内に挿入されるパッカーおよび前記注入用パイプ、当該ボーリング孔の孔口に設置される閉塞バルブ、およびバルブ閉塞部材を含み、
前記パッカーは、前記注入用パイプの一端に軸方向に一体的に連結されるように構成され、前記閉塞バルブは、当該注入用パイプの当該他端に一体的に連結されてその開口を閉塞するように構成され、前記バルブ閉塞部材は、当該閉塞バルブの周囲に前記固結材を充填する空間を形成するように構成され、
前記パッカーは、前記ボーリング孔内に挿入され、前記注入用パイプが当該パッカーと一体的に連結された状態で任意の位置に設置されるように構成され、
前記閉塞バルブは、前記注入用パイプの開口を覆うように設置され、前記注入材の注入時には、当該閉塞バルブを開状態として、当該閉塞バルブ、前記注入用パイプおよび前記パッカーを通じて前記ボーリング孔内に当該注入材を注入し、当該注入材の注入後には閉状態とされるように構成され、
前記バルブ閉塞部材は、前記閉塞バルブが閉状態とされ、前記パッカーと前記注入用パイプが前記ボーリング孔内に残留した状態で、当該閉塞バルブを覆うように配置されて当該ボーリング孔の孔口に固定されるように構成され、
前記固結材は、前記バルブ閉塞部材の内部空間を埋めるように充填される
ことを特徴とする請求項14に記載のボーリング孔閉塞装置。
【請求項23】
前記パッカーは、その外周方向に膨張可能な外周パッキンを有し、
前記パッカーは、前記ボーリング孔内に挿入され、前記注入用パイプが連結された状態で、当該注入用パイプの回転により前記外周パッキンを膨張させるように構成されている
ことを特徴とする請求項22に記載のボーリング孔閉塞装置。
【請求項24】
前記パッカーは、回転により前記外周パッキンを操作する前記注入用パイプが予め一体的に取り付けられた注入用パイプ付パッカーである
ことを特徴とする請求項23に記載のボーリング孔閉塞装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−322285(P2006−322285A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−148653(P2005−148653)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(591151808)株式会社環境総合テクノス (23)
【Fターム(参考)】