説明

ポイント管理システム

【課題】顧客に適切にポイントを付与する。
【解決手段】ポイント管理システムは、店舗に設置され、会員の取引に関する取引データを生成するとともに、会員の会員識別子を取得して、ポイント管理サーバに送信し、ポイント管理サーバから、会員に付与するポイントを受信して、レシートに印字するするPOS端末と、POS端末に接続され、取引データから付与するポイントを算出して、POS端末に送信するポイント管理サーバとを備える。ここで、POS端末が、会員識別子をポイント管理サーバに送信できない場合、取引識別子を含む情報を、レシートに印字する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、店舗システムとポイント管理サーバとを備えるポイント管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な商取引において、顧客の囲い込みのため、取引に応じたポイントを顧客に付与するとともに、ポイントに応じたサービスを顧客に提供する手法が普及している。特に実際の店舗においては、顧客にポイントカードを配布する。ポイントカードに関連づけられた会員識別子で顧客を特定することにより、顧客の取引に応じて顧客にポイントを付与する。顧客に付与されたポイントは、ポイントカードに格納され、または印字され、ポイントカード内のメモリで管理される場合がある。また、ポイントカードではポイントは管理されず、通信ネットワークで接続されるポイント管理サーバが、顧客に付与されたポイントを管理する場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−27313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ポイント管理サーバが顧客のポイントを管理する場合、ポイントの付与は、顧客がポイントカードを所持しており、顧客の会員識別子をポイント管理サーバに送信可能であることが前提となる。従って、顧客のポイントカードを忘れた場合や、各端末やインフラの稼働状況等によっては、顧客にポイントを付与できない場合があった。
【0005】
従って本発明の目的は、顧客に適切にポイントを付与することのできるポイント管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態に係るポイント管理システムは、店舗に設置され、会員の取引に関する取引データを生成するとともに、会員の会員識別子を取得して、ポイント管理サーバに送信し、ポイント管理サーバから、会員に付与するポイントを受信して、レシートに印字するするPOS端末と、POS端末に接続され、取引データから付与するポイントを算出して、POS端末に送信するポイント管理サーバとを備える。ここで、POS端末が、会員識別子をポイント管理サーバに送信できない場合、取引識別子を含む情報を、レシートに印字する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るポイント管理システムのシステム構成を説明する図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係るPOS端末のハードウェア構成を説明する図である。
【図3】図3は、図2は、本発明の実施の形態に係るPOS端末の外観を説明する図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係るPOS端末がバーコードに埋め込むデータを説明する図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係るPOS端末のバーコード印字時の処理を説明するフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の実施の形態に係るポイント管理サーバのハードウェア構成を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係るポイント管理サーバの機能ブロックを説明する図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態に係るポイント管理サーバのポイントデータのデータ構造を説明する図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態に係るポイント管理システムのポイント付与時の処理を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0009】
(ポイント管理システム)
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るポイント管理システム10を説明する。本発明の実施の形態に係るポイント管理システム10は、データセンタ1と、店舗システム2a、2b、2cと、を備える。データセンタ1と店舗システム2a、2b、2cは、インターネットなどの通信ネットワーク3を介して、双方向に通信可能に接続されている。
【0010】
データセンタ1は、ポイント管理システム10におけるポイントデータ、取引データなどの各種データを一元管理する。データセンタ1は、ポイント管理サーバ11と、取引管理サーバ12を備える。
【0011】
ポイント管理サーバ11は、本発明の実施の形態において、顧客の会員識別子と、顧客に付与済の累積ポイントとを、関連づけて記憶している。ポイント管理サーバ11は、取引ごとに店舗システム2から受信した取引データから付与するポイントを算出する。さらにポイント管理サーバ11は、算出したポイントに、付与済の累積ポイントを加算して、会員識別子に対応する新たな累積ポイントを算出する。ポイント管理サーバ11は、取引データから算出したポイントのデータと、新たな累積ポイントのデータとを、店舗システム2に送信する。
【0012】
取引管理サーバ12は、店舗システム2から送信された取引データを、取引識別子に対応づけて記録している。取引管理サーバ12は、店舗システム2で顧客が商取引するたびにリアルタイムに取引データを受信しても良いし、1日に一度など、バッチ処理で取引データを受信しても良い。
【0013】
店舗システム2は、顧客に対面式の商取引を提供する店舗に設けられる。図1に示す例では、ポイント管理システム10に3つの店舗システムを記載しているが、3つ以上でも良い。店舗システム2の数は、データセンタ1を利用する店舗の数に対応する。
【0014】
店舗システム2aは、POSサーバ21と、POS端末22a、22b、22cとを備える。POSサーバ21と、POS端末22a、22b、22cとは、店舗内LAN23を介して、双方向に通信可能に接続されている。店舗システム2b、2cも、店舗システム2aと同様の構成を備える。
【0015】
POSサーバ21は、店舗で販売している商品の商品識別子と、販売価格と、を対応づけて記憶する。さらにPOSサーバ21は、POS端末22から入力された取引データを記憶するとともに、所定のタイミングで、POSサーバ21内に蓄積された取引データを、取引管理サーバ12に送信する。
【0016】
POS端末22には、顧客の個々の購入商品の情報が入力される。例えば、店員がPOS端末22aに接続されたバーコードリーダで、商品に印字されたバーコードを読み取ることにより、POS端末22は商品識別子を読み出す。さらに、POS端末22は、POSサーバ21等からその商品の販売価格を取得して、顧客に提示する。さらに、POS端末22は、精算時に、入金された金額や釣り銭金額を確認したり、顧客に提供するレシートを出力する。
【0017】
本発明の実施の形態において特に、顧客は、会員カード4を所有している。会員カード4は、顧客毎に発行され、顧客を識別する会員識別子と対応づけられている。本発明の実施の形態に係る会員カード4には、会員識別子のみが管理され、会員に付与されたポイントの情報は管理されていない。会員カード4が会員番号を管理する方法は、様々な方法が考えられる。
【0018】
例えば、会員カード4が磁気カードの場合が考えられる。この場合会員識別子は、会員カード4の磁気データとして記録されている。店員は、POS端末22に備えられた磁気リーダで磁気データを読み出すことにより、POS端末22は、会員識別子を取得することができる。また、会員カード4にバーコードが印字されている場合も考えられる。この場合会員識別子は、一次元バーコード、二次元バーコードなどのバーコードに変換されている。店員は、POS端末22に備えられたバーコードリーダでバーコードを読み出し、会員識別子に変換することにより、POS端末22は、会員識別子を取得することができる。
【0019】
本発明の実施の形態に係るポイント管理システム10において、会員カード4には、顧客に付与されたポイントの情報は管理されていないので、顧客が商品を購入するたびに、POS端末22は、ポイントサーバ11に取引データを送信し、顧客に新たに付与するポイント、顧客に今まで付与した累計ポイントなどの情報を取得する。POS端末22は、このポイントに関する情報を、POS端末22の表示画面に表示し、またはPOS端末22がレシートに印字して、顧客に提示する。このように、本発明の実施の形態に係るポイント管理システム10は、顧客の商品購入時に、ポイントサーバ11でポイントがリアルタイムで計算される。
【0020】
本発明の実施の形態に係るポイント管理システム10において、会員識別子と取引データをポイントサーバ11に送信して顧客にポイントが付与されるところ、会員識別子や取引データをポイント管理サーバ11に送信できない場合でも、顧客にポイントを付与することができる。本発明の実施の形態においては、顧客が後日、このレシートを持参した際に、レシートに出力された情報を用いて、顧客にポイントを付与することができる。会員識別子や取引データをポイント管理サーバ11に送信できない場合として、顧客が会員カードを忘れた場合、POS端末22とポイント管理サーバ11とを結ぶ通信ネットワークに障害が発生した場合などが考えられる。
【0021】
次に、本発明の実施の形態に係るポイント管理システム10の装置について説明する。
【0022】
(POS端末)
図2および図3を参照して、本発明の実施の形態に係るPOS端末22aを説明する。他のPOS端末も、図2および図3に示すPOS端末22aと同様の構成を備える。
【0023】
POS端末22aは、中央処理制御装置201、ROM202、RAM203、記憶装置204、タッチパネル205、入力部206、バーコードリーダ207、レシート出力部208、ドロワ209およびカードリーダ210を備える。これらの各要素は、バス211によって接続されている。POS端末22aは、図示しないがさらに、POSサーバ21や、データセンタ1と通信するための通信制御装置も備える。
【0024】
中央処理制御装置201は、POS端末22aの各要素から入力されたデータを処理し、所定の要素に出力する。このとき、中央処理制御装置201は、ROM202、RAM203、記憶装置204などに記録されたプログラムおよびデータを読み出してRAM103にロードするとともに、RAM103から読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、データの計算または加工など、後述する一連の処理を実現する処理装置である。中央処理制御装置107が出力したデータは、記憶装置204、タッチパネル205、レシート出力部208、ドロワ209などに出力される。
【0025】
タッチパネル205は、POS端末22aを扱う店員に、会計中の商品一覧を表示させる表示画面である。タッチパネル205は、店員が画面を選択すると、その選択位置に対応する指示を取得し、中央処理制御装置201に入力する。例えば、タッチパネル205に、現金払い、クレジットカード払いなどのの精算方法の選択肢を表示し、店員がいずれかの選択肢をタッチする。店員が現金払いの選択肢をタッチした場合、タッチパネル205は、中央処理制御装置201に現金払いで精算する指示を入力する。また、本発明の実施の形態においては特に、タッチパネル205は、顧客が会員カードを持参しているか否かの選択肢を表示する。会員カードを持参していない場合、店員は持参していない選択肢を入力することにより、POS端末22aに、会員カードを持参しておらずポイントを付与できない指示を入力する。
【0026】
タッチパネル205は、図3においては店員が使用するものである。タッチパネル205の裏側にさらにタッチパネルを備え、顧客に情報の表示や入力をさせても良い。例えば、顧客側のタッチパネルは、顧客に会計中の商品一覧や購入金額を表示したり、支払い方法を選択させることができる。
【0027】
入力部206は、例えばテンキーである。入力部206は、バーコードリーダ207で読み取れない商品コードを、手入力する場合に用いられる。入力部206は、タッチパネル206、バーコードリーダ207、会員カードリーダ210などのその他の入力装置の役割を補完することもできる。入力部206は、図3に示すように複数のキーによって構成されており、それぞれのキーに、POS端末22aに入力するべき指示が対応づけられている。
【0028】
バーコードリーダ207は、商品に付与された商品コードを光学的に読み取り、商品コードデータとして、中央処理制御装置201に入力する。バーコードリーダ207は、例えば、一次元バーコードや二次元バーコードを読み取ることができる。バーコードリーダ207は、図3に示すようにコードで接続されても良いし、POS端末22aの筐体に固定されても良い。
【0029】
レシート出力部208は、中央処理制御装置201の指示に従って、顧客が購入した商品の商品名と価格の一覧、購入商品の合計などを印字したレシートを出力する。本発明の実施の形態においては特に、リアルタイムに顧客にポイントを付与できなかった場合、レシート出力部208には、取引識別子が印字される。
【0030】
ドロワ209には、顧客から受け取ったお金や釣り銭が収納されている。ドロワ209は、中央処理制御装置201の制御によって、必要なタイミングで開かれる。図3に示すように、ドロワ209は、入金した金額を自動計算し、自動的に釣り銭が出る仕組みを備えていても良い。
【0031】
会員カードリーダ210は、顧客が会員カードを所有していた場合、会員カードに付与された会員識別子を読み取り、中央処理制御装置201に入力する。会員カードが磁気型の場合、会員カードリーダ210は磁気カードリーダである。図3においては、会員カードリーダが磁気型の場合を示している。ここで会員カードがバーコード型の場合、バーコードリーダ207で、会員カードを読み取っても良い。
【0032】
次に、図2を参照して、本発明の実施の形態に係るPOS端末22aに実装される機能を説明する。POS端末22aの中央処理制御装置201は、POS精算部221、ポイント管理部222およびバーコード生成部223を備える。
【0033】
POS精算部221は、バーコードリーダ207で読み取られた商品コードから、商品の価格を取得し、顧客の購入商品の合計を算出する。さらに、顧客から渡された代金が入力されると、その代金から購入商品の合計を引いて、おつりの金額を算出する。これら一連の精算処理が完了すると、POS精算部221は、精算に関する情報を、レシートに印字して出力する指示を、レシート出力部208に入力する。
【0034】
POS精算部221はさらに、ポイントの付与に必要な情報として、取引データを出力する。POS精算部221は、ポイント付与の対象となる商品の購入金額を含む取引データを出力する。取引データは、ポイント管理部222に入力されるとともに、POSサーバ21に送信される。
【0035】
ポイント管理部222は、顧客に、ポイントを付与するための処理を制御する。顧客にポイントを付与する場合、ポイント管理部222は、会員カードリーダ210から入力された会員識別子と取引データとを、ポイント管理サーバ11に送信する。さらにポイント管理部222は、ポイント管理サーバ11から会員に新たに付与するポイントおよび累積ポイントを取得して、レシート出力部208に出力する。これにより、レシートには、会員に新たに付与されたポイントと、新たにポイントが付与された後の累積ポイントとが、印字される。
【0036】
さらに、ポイント管理部222は、会員識別子をポイント管理サーバ11に送信できない場合、レシート出力部208に、バーコードをレシートに印字させる。このバーコードは、一次元バーコードでも二次元バーコードでも良い。このバーコードは、少なくとも、この顧客による取引を識別する取引識別子が含まれている。
【0037】
ここで、会員識別子をポイントサーバ11に送信できない場合とは、リアルタイムに顧客にポイントを付与できない場合である。例えば、顧客が会員カードを忘れて会員識別子が判別できない場合や、POS端末22aとポイント管理サーバ11との間の通信ネットワークのいずれかで障害が発生し通信できない場合などである。
【0038】
本発明の実施の形態に係るポイント管理システム10においてPOS端末22aは、会員にポイントを付与するたびに、会員識別子と、購入金額などのポイント付与に関する取引データをポイント管理サーバ11に送信する。ポイント管理サーバ11は、付与すべきポイント数や、付与後の累計ポイントなどを演算し、POS端末22aに送信する。従って、会員識別子をポイントサーバ11に送信できない場合、本発明の実施の形態において、リアルタイムにポイントを付与することができない。
【0039】
そこで本発明の実施の形態に係るPOS端末22は、ポイントを付与できなかった場合、顧客のレシートに、バーコードを印字する。このバーコードに、後日顧客がレシートを持参した場合に、ポイントを付与するために必要な情報が埋め込まれている。
【0040】
ここで、バーコードに埋め込まれるデータを、図4に示す。図4(a)は、通信障害でPOS端末22aがオフラインになったことにより、会員識別子をポイント管理サーバに送信できない場合を示している。図4(b)は、顧客がカードを忘れたことにより、会員識別子をポイント管理サーバに送信できない場合を示している。図4(a)および図4(b)において、丸付き数字は、必須データである。本発明の実施の形態において、店コード、ターミナル番号および一連番号によって、顧客との取引を識別する。取引識別子は、店コード、ターミナル番号および一連番号から生成される。
【0041】
図4(a)において、会員識別子の項目を備え、図4(b)において会員識別子の項目を備えていない。オフライン時でも、顧客がカードを有している場合、POS端末22aは、顧客の会員識別子を取得することができる。従って、オフライン時でも、顧客の会員カードをスキャンして会員識別子を取得し、バーコードに埋め込むことにより、ポイントを付与できる。例えば、顧客が次回来店時にカードを所持していなくても、ポイント付与時にバーコードの中の会員識別子を取得し、取得した会員識別子の正当性が確認できた場合、その会員識別子の会員に、ポイントを付与することができる。
【0042】
図4(a)および図4(b)において、発生日時、買い上げ計上日、取引種別コード、取引識別フラグ、返品識別フラグ、合計本体金額、合計取引金額、合計税金額、合計ポイント対象金額などは、必要に応じて挿入される。これらのデータは、顧客の商品購入時に、POS端末22aやPOSサーバ21等から、取引識別子と関連づけて取引管理サーバ12に送信される。従って、バーコードにこれらのデータが含まれていない場合、ポイント管理サーバ11は、取引識別子をキーに、取引管理サーバ12からこれらのデータを取得する。
【0043】
ここで、ポイント管理部222は、バーコードに会員識別子が含まれているか否かの別も、レシートに印字させても良い。例えば、前回顧客が会員カードを持参しておらず会員識別子を取得できなかった場合、このバーコードには、会員識別子が含まれていない。従って、後日顧客がバーコードが印字されたレシートを持参した際、店員はレシートを確認して、バーコードに会員識別子が含まれていない場合、顧客から会員カードを預かり、会員識別子を取得することができる。
【0044】
さらにポイント管理部222は、レシートにバーコードが印字されていた場合に、そのバーコードから読み取った情報に基づいて、顧客にポイントを付与する。
【0045】
例えば、前回取引時にオフラインによりポイントを付与できなかった場合、バーコードには会員識別子が付与されている。ポイント管理部222は、会員識別子と取引識別子とを含むバーコードのデータをポイント管理サーバ11に送信するとともに、ポイント管理サーバ11から、前回の取引について付与すべきポイントと、付与後の累計ポイントを取得する。ポイント管理部222は、前回取引で付与されたポイントと、累計ポイントとを、レシート出力部208に入力する。レシート出力部208は、これらを印字したレシートを出力する。
【0046】
一方、前回取引時に顧客が会員カードを忘れたことによってポイントを付与できなかった場合、店員は、顧客に会員カードを提示させ、会員カードリーダ210で会員カードを読み取る。これによりポイント管理部222は、顧客の会員識別子を取得し、会員識別子とバーコードから読み取った取引識別子とを、ポイント管理サーバ11に送信するとともに、ポイント管理サーバ11から、前回の取引について付与すべきポイントと、累計ポイントを取得する。その後、同様に、POS端末22aは、前回取引で付与されたポイントと、累計ポイントを印字したレシートを出力する。
【0047】
バーコード生成部223は、会員識別子をポイント管理サーバ11に送信できない場合、レシートに印字するバーコードを生成する。バーコード生成部223は、ポイント管理部222から図4(a)または(b)に示したデータ項目を取得して、バーコードを生成する。バーコード生成部223は、バーコードを生成すると、生成したバーコードを、ポイント管理部222に入力する。ポイント管理部222は、入力されたバーコードをレシート出力部208に入力して、レシートにバーコードを印字する。
【0048】
図5を参照して、本発明の実施の形態に係るPOS端末22aにおける、POS精算時の処理を説明する。
【0049】
まずステップS101においてPOS精算部221は、顧客の購入商品の商品コードを、読み取り、商品の購入金額の合計を算出して、取引識別子を生成するとともに、この取引識別子に対応した取引データを生成する。次に、ステップS102以降で、顧客の商品購入に対するポイントを処理する。
【0050】
ステップS102において、顧客が会員カードを忘れた場合、店員はその情報をPOS端末22aに入力する。会員カードを忘れた場合、会員識別子をポイント管理サーバ11に送信できないので、ステップS103において、取引識別子を含むバーコードデータを生成し、バーコード生成部223に、バーコードを生成させる。バーコードには、例えば図4(b)の情報が含まれる。さらに、ステップS104においてポイント管理部222は、ステップS103で生成されたバーコードをレシート出力部208に入力して、バーコードを印字させる。
【0051】
一方、ステップS102において、顧客がカードを所有している場合、ステップS105において、会員カードリーダ210で会員カードを読み取り、ポイント管理部222は、会員識別子を取得する。次に、ステップS106においてPOS端末22aがオンラインであるか、オフラインであるかを判断する。この判断は、例えば、POS端末22aがPOSサーバ21に通信を試みることによって判断されても良いし、予め通信状況を記録していても良い。
【0052】
ステップS106において、POS端末22aがオフラインであると判定された場合、会員識別子をポイント管理サーバ11に送信できない。従って、ステップS103およびステップS104に進み、POS端末22aは、レシートにバーコードを印字する。このとき印字するバーコードには、会員識別子が含まれ、例えば、図4(a)の情報が含まれる。
【0053】
ステップS106において、POS端末22aがオンラインであると判定された場合、取引毎にリアルタイムでポイントを付与することができる。具体的には、ステップS107においてポイント管理部222は、ステップS105で取得した会員識別子と、ステップS101で生成された取引データとを、ポイント管理サーバ11に送信する。その後、ステップS108において、ポイント管理サーバ11から、今回の取引によって付与されるポイントと、今回付与された後の累積ポイントとのデータを受信する。ステップS110においてポイント管理部222は、ステップS108で受信した付与ポイントと累積ポイントの情報を、レシート出力部208に入力し、レシートに印字させる。
【0054】
(ポイント管理サーバ)
図6に示すように、本発明の実施の形態に係るポイント管理サーバ1は、中央処理制御装置101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103および入出力インタフェース109が、バス110を介して接続されている。入出力インタフェース109には、入力装置104、表示装置105、通信制御装置106、記憶装置107およびリムーバブルディスク108が接続されている。
【0055】
中央処理制御装置101は、入力装置104からの入力信号に基づいてROM102からポイント管理サーバ1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、さらに記憶装置107に記憶されたオペレーティングシステムを読み出す。さらに中央処理制御装置101は、入力装置104や通信制御装置106などの入力信号に基づいて、各種装置の制御を行ったり、RAM103や記憶装置107などに記憶されたプログラムおよびデータを読み出してRAM103にロードするとともに、RAM103から読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、データの計算または加工など、後述する一連の処理を実現する処理装置である。
【0056】
入力装置104は、操作者が各種の操作を入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成し、入出力インタフェース109およびバス110を介して中央処理制御装置101に送信される。表示装置105は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイなどであり、中央処理制御装置101からバス110および入出力インタフェース109を介して表示装置105において表示させる出力信号を受信し、例えば中央処理制御装置101の処理結果などを表示する装置である。通信制御装置106は、LANカードやモデムなどの装置であり、ポイント管理サーバ1をインターネットやLANなどの通信ネットワークに接続する装置である。通信制御装置106を介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インタフェース109およびバス110を介して中央処理制御装置101に送受信される。
【0057】
記憶装置107は半導体記憶装置や磁気ディスク装置であって、中央処理制御装置101で実行されるプログラムやデータが記憶されている。リムーバブルディスク108は、光ディスクやフレキシブルディスクのことであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インタフェース109およびバス110を介して中央処理制御装置101に送受信される。
【0058】
本発明の実施の形態に係るポイント管理サーバ1の記憶装置107には、ポイント管理プログラムが記憶されるとともに、図7に示すように、記憶装置107はポイントデータ記憶部14を備える。また、ポイント管理プログラムがポイント管理サーバ1の中央処理制御装置101に読み込まれ実行されることによって、会員識別子確認手段111、ポイント加算手段112および結果送信手段113がポイント管理サーバ1に実装される。
【0059】
ポイントデータ記憶部114には、ポイントデータ114aが記憶されている。ポイントデータ114aは、本発明の実施の形態に係るポイント管理システム10で管理される会員に関するポイント情報を記憶している。ポイントデータ114aは、図8に示すようなデータ構造を備える。ポイントデータ114aは、会員識別子をキーとして、その会員に付与されている累積ポイント、直近に付与した最新付与ポイントおよびその日時とが関連づけられている。さらに、ポイントを付与する元となった取引の取引識別子が関連づけられても良い。
【0060】
会員識別子確認手段111は、店舗システム2aから会員識別子が送信されると、その会員識別子が当該ポイント管理システム10において発行されたものであるか判断する。例えば、会員識別子確認手段111は、予め会員識別子に含ませたチェックデジットを用いて会員識別子が偽造されていないか判断する。また、会員識別子確認手段111は、入力された会員識別子が、ポイントデータ114aに含まれている場合に、会員識別子が偽造されていないと判断しても良い。会員識別子確認手段111は、会員識別子が偽造された正当でない識別子であると判断すると、その旨を店舗システム2aに送信する。店舗システム2aにおいてPOS端末22aは、顧客にその旨を提示し、その会員カードでのポイント付与の処理を中止する。
【0061】
ポイント加算手段112は、店舗システム22aから取引識別子と会員識別子を受信すると、その取引に対するポイントを算出して、ポイントデータ114aを更新する。具体的には、ポイント加算手段112は、ポイントデータ114aから、受信した会員識別子をキーとするレコードを取得するとともに、取引管理サーバ12から、取引識別子に対応づけられた取引データを取得する。さらにポイント加算手段112は、取引データを元に、この取引で会員に付与するべきポイントを算出するとともに、その会員識別子に対応づけられた累積ポイントに、新たに付与するポイントを加算して、新たな累積ポイントを算出する。ポイント加算手段112はさらに、今回新たに付与したポイントに基づいて、ポイントデータ114aを更新する。
【0062】
結果送信手段113は、ポイントデータ114aが更新された後、店舗システム22aにその結果を送信する。結果送信手段113は、例えば、今回新たに付与したポイントと、そのポイントが付与された後の累積ポイントと、を店舗システム22aに送信する。店舗システム2aのPOS端末22aは、その情報を取得し、レシートに印字して顧客に提示する。
【0063】
ポイント管理サーバ11は、通常は、顧客の商品購入とリアルタイムにポイントを加算する。本発明の実施の形態に係るポイント管理サーバ11はさらに、商品購入の後、バーコードが印字されたレシートを顧客が持参した際も、同様にポイントを加算することができる。
【0064】
図9を参照して、ポイント管理サーバ11でのポイント付与の処理を説明する。図9に示す例では、顧客はバーコードが印字されたレシートを持参して来店した場合について説明している。
【0065】
まずステップS201において、前回の顧客がカード忘れであった場合、店員は顧客から会員カードを預かり、ステップS202においてPOS端末22aは、会員カードリーダ210から会員識別子を取得する。さらに、ステップS203において、バーコードリーダ207でバーコードを読み取り、取引識別子を取得する。なお、前回オフラインで課員識別子をポイント管理サーバ11に送信できなかった場合、ステップS202の処理は省略され、ステップS203においてPOS端末22aは、会員識別子と取引識別子を取得する。ここで、ステップS201とステップS202の処理を逆にしても良い。まずバーコードリーダ207でバーコードを読み取り、会員識別子が含まれていなかった場合、店員が顧客に会員カードの提示を求めて、会員識別子を取得しても良い。
【0066】
次にステップS204およびステップS205において、POS端末22aはPOSサーバ21を介して、ポイント管理サーバ11に会員識別子および取引識別子を送信する。ポイント管理サーバ11は、会員識別子および取引識別子を受信すると、まず、会員識別子の正当性をチェックする。さらに会員識別子が正当である場合、ステップS207においてポイント管理サーバ11は、ポイントを加算する。
【0067】
その後ステップS208およびステップS209において、ポイント管理サーバ11はPOSサーバ21を介してPOS端末22aに、ステップS207のポイント加算の結果を送信する。ここで送信される結果は、前回の取引に基づいて顧客に付与したポイントと、その付与後の累積ポイントである。
【0068】
ステップS210においてPOS端末22aは、ステップS209で受信した結果をレシートに印字し、店員はそのレシートを顧客に渡す。
【0069】
このように本発明の最良の実施の形態に係るポイント管理システム10によれば、顧客の購入時にリアルタイムに、遠隔地に設置され顧客のポイントを管理しているポイント管理サーバ11に接続してポイントを付与するシステムにおいて、POS端末22aは、リアルタイムでポイントを付与できない場合、後日ポイントを付与するために必要な情報含めたバーコードをレシートに印字する。顧客は、後日このレシートを持参することにより、後日ポイントを付与することができる。
【0070】
例えば、顧客は前回の取引で会員カードを持参しなかった場合でも、顧客がバーコードが印字されたレシートと会員カードを持参することにより、ポイント管理サーバ11に接続してポイントを付与することができる。また、通信障害によりポイントを付与できなかった場合でも、顧客がバーコードが印字されたレシートを持参することにより、ポイントを付与することができる。
【0071】
また、ポイント管理サーバ11において、会員識別子の正当性チェックとポイントの加算処理とを一連の処理で実行するため、不正なポイントの取得を防ぐことができる。例えば、通信障害によりポイントを付与できなかった場合、ポイントを付与する情報をPOS端末22aで保持し、通信が正常時にポイント管理サーバ11に送信してポイントを付与する方法も考えられる。しかし、POS端末22aは会員識別子の正当性を確認する手段を有さないので、顧客の来店時に、会員識別子の正当性を確認することができない。従って、ポイント管理サーバ11での会員識別子の正当性チェックの前に、顧客の取引時にポイントの付与の記録をレシートに記載することになってしまう。このような場合、通信正常時にポイント管理サーバ11で会員識別子が正当なものでないと判断された場合、ポイント管理システム10に損害を与えてしまうことが考えられる。
【0072】
従って、本発明の実施の形態に係るポイント管理システム10の様に、リアルタイムにポイント管理サーバ11のポイントを更新できない場合でも、会員識別子の正当性チェックと、ポイントの付与を一連の処理として行うことにより、安定したポイント管理を提供することができる。
【0073】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態によって記載したが、この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。例えば、本発明の実施の形態に記載したポイント管理サーバは、図6に示すように一つのハードウェア上に構成されても良いし、その機能や処理数に応じて複数のハードウェア上に構成されても良い。また、既存の商取引システム上に実現されても良い。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1 データセンタ
2 店舗システム
3 通信ネットワーク
4 会員カード
11 ポイント管理サーバ
12 取引管理サーバ
21 POSサーバ
22 POS端末
23 店舗内LAN
101、201 中央処理制御装置
102、202 ROM
103、203 RAM
104 入力装置
105 表示装置
106 通信制御装置
107、204 記憶装置
108 リムーバブルディスク
109 入出力インタフェース
110、211 バス
111 会員識別子確認手段
112 ポイント加算手段
113 結果送信手段
114 ポイントデータ記憶部
205 タッチパネル
206 入力部
207 バーコードリーダ
208 レシート出力部
209 ドロワ
210 会員カードリーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置され、会員の取引に関する取引データを生成するとともに、前記会員の会員識別子を取得して、ポイント管理サーバに送信し、前記ポイント管理サーバから、前記会員に付与するポイントを受信して、レシートに印字するするPOS端末と、
前記POS端末に接続され、前記取引データから付与するポイントを算出して、前記POS端末に送信するポイント管理サーバと、
を備えるポイント管理システムであって、
前記POS端末が、会員識別子を前記ポイント管理サーバに送信できない場合、取引識別子を含む情報を、前記レシートに印字する
ことを特徴とするポイント管理システム。
【請求項2】
前記POS端末は、前記会員の会員識別子を取得できない場合、前記POS端末が、前記情報を、前記レシートに印字する
ことを特徴とする請求項1に記載のポイント管理システム。
【請求項3】
前記POS端末は、当該POS端末と前記ポイント管理サーバの接続に障害が発生した際、前記情報を、前記レシートに印字する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のポイント管理システム。
【請求項4】
前記POS端末は、前記レシートから前記情報を読み取り、前記ポイント管理サーバに送信し、
前記ポイント管理サーバは、前記情報のデータに基づいて付与すべきポイントを算出して、前記POS端末に送信する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポイント管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−253507(P2011−253507A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128968(P2010−128968)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】