説明

ポリアミノ−ポリシロキサンおよび/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物を基質上に含有する組成物

本発明は、ポリアミノ−ポリシロキサンおよび/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物を基質上に含有する組成物を含んで成る組成物に関する。本発明は、また、前記化合物の製造方法ばかりでなくそれらを洗濯後の湿った状態の布地を処理する目的で用いることにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物を基質上に含有して成る組成物、それの製造方法およびそれを布地の処理、特に洗濯後の湿った状態の布地を処理する目的で用いることに関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯物を調整する方法が特許文献1に開示されており、そこでは、湿った状態の洗濯物を調整用組成物を含有して成る基質と一緒に洗濯物乾燥機内で動かしながら熱の作用下で混合することでその調整用組成物を乾燥中に洗濯物に移行させている。その用いられた調整用組成物は、例えば柔軟剤および帯電防止剤、静菌剤、抗菌・カビ剤および防虫組成物などである。その記述された柔軟剤および帯電防止剤は一般にカチオン性化合物、例えばアンモニウム化合物などである。
【0003】
しかしながら、その記述されたアンモニウム化合物は一般に充分な直接性(substantivity)を示さない、即ちそれらが通常の洗濯物乾燥操作中に繊維と持続的様式で結合する能力が低いことから欠点を有する。そのような直接性を例えばアンモニウム基の含有量を高くすることなどで向上させようとする試みが行われたが、それに伴って一般に柔軟特性が悪化する。
【0004】
その上、そのような調整剤は洗濯物乾燥条件下で絶えず洗濯物から脱離することから調整剤を相対的に多い量で用いる必要があるが、それは乾燥機の空気出口を通って環境の中に入り込む。
【0005】
従って、従来技術による基質が基になった調整剤を直接性および柔軟特性に関して向上、従って基質が基になった調整剤の活性および有効性を向上させることが緊急に求められている。
【0006】
【特許文献1】米国特許第3 442 692号
【発明の開示】
【0007】
驚くべきことに、基質とこの基質に適用された(applied)少なくとも1種のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物を含有して成る組成物がこの上に記述した目的を解決し得ることを見いだした。
【0008】
本発明に従って用いるポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物は、平均でオルガノポリシロキサン基を少なくとも1個およびアミノおよび/またはアンモニウム基を少なくとも1個含有して成ることを特徴とする。このポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物は、好適には、平均でオルガノポリシロキサン基を少なくとも2個、更により好適には少なくとも3個およびアミノおよび/またはアンモニウム基を少なくとも2個、好適には少なくとも3個含有する。本発明に関連して、オルガノポリシロキサン基は、酸素原子を通して結合しているケイ素原子を少なくとも2個有しかつ炭素原子を通して結合している有機基を少なくとも1個有するケイ素原子を少なくとも1個有する基である。
【0009】
本発明の好適な態様では、そのようなポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物をポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン
共重合体化合物から選択する。そのような共重合体化合物は、オルガノポリシロキサン基とアミノおよび/またはアンモニウム基が交互に存在する線状分子部分をある含有量で有することを特徴とする。このことは、そのような共重合体化合物が分枝していてもよいことを排除するものでない。
【0010】
本発明の好適な態様におけるポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物は、式(I):
−[Q−V]− (I)
{式中、Qは、
−NR−、
−N
式:
【0011】
【化1】

【0012】
で表される飽和もしくは不飽和ジアミノ官能複素環、およびまた式:
【0013】
【化2】

【0014】
で表される芳香ジアミノ官能複素環、式:
【0015】
【化3】

【0016】
で表される三価基、式:
【0017】
【化4】

【0018】
で表される三価基、または式
【0019】
【化5】

【0020】
で表される四価基
ここで、Rは、各場合とも、水素または一価有機基である、
から成る群から選択され、ここで、
Qは、カルボニルの炭素原子と結合しておらず、
Vは、V、VおよびVから成る群から選択され、ここで、
は、場合により−O−、−CONH−、
【0021】
【化6】

【0022】
−CONR−、ここで、Rは、水素であるか、−O−、−NH−、−C(O)−および−C(S)−から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基、場合により置換されていてもよい好適には窒素原子を1個以上含有する複素環式基、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アンモニウム、ポリエーテル基およびポリエーテルエステル基から成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の一価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であり、ここで、−CONR基が複数存在する時にはそれらは同じまたは異なってもよい、−C(O)−および−C(S)から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数(以下に定義するポリシロキサン基Zの炭素原子数は数えない)が1000以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択されるが、
このV基は、場合により、1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよく、かつ
このV基は、式
【0023】
【化7】

【0024】
[式中、
は、同一もしくは異なってもよく、C−C22−アルキル、フルオロ(C−C10)アルキル、C−C10アリールおよび−W−Si(OR)3−a(R’)、ここで、R、R’およびaは、各々、この上で定義した通りであり、そしてWは、−O−、または1個以上の−C(O)−、−O−、−NH−、−S−基を含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素である、から成る群から選択され、そして
=20から1000である]
で表される−Z−基を少なくとも1個含有し、
は、場合により−O−、−CONH−、
【0025】
【化8】

【0026】
−CONR−、ここで、Rは、この上で定義した通りであり、ここで、V基中のR基とV基中のR基は同一もしくは異なってもよい、−C(O)−、−C(S)−および−Z−、ここで、−Z−は、式
【0027】
【化9】

【0028】
[式中、
は、この上で定義した通りであり、ここで、V基中のR基とV基中のR基は同一もしくは異なってもよく、そして
=0から19である]
で表される基である
から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が1000以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択され、かつ
このV基は、場合により、1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよく、そして
は、場合により−O−、−CONH−、
【0029】
【化10】

【0030】
−CONR−、ここで、Rは、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(
S)−、−Z−、ここでこれは、この上で定義した通りである、−Z−、ここでこれは、この上で定義した通りである、およびZ、ここで、Zは、三価または結合価がそれ以上のオルガノポリシロキサン単位である、から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ場合により1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよい炭素原子数が1000以下の三価または結合価がそれ以上の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であるが、但し
− 記述したポリシロキサン化合物が−Z−、−Z−またはZ基を少なくとも1個含有すること、
− 前記三価および四価のQ基のいずれかがQとVで形成される主鎖を分枝させる働きをすることで主鎖中の結合に働かない結合価が−[Q−V]−単位で形成されるさらなる分枝を提供する(bears)か或は三価および四価のQ基が線状主鎖内のV基で飽和状態になっていることで分枝が形成されていないこと、
を条件とし、そして
アンモニウム基の結果としてもたらされる正電荷が有機もしくは無機酸のアニオンで中和されている}
で表される繰り返し単位を少なくとも1個、好適には繰り返し単位を平均で少なくとも2個、更により好適には繰り返し単位を平均で少なくとも3個有することを特徴とする。そのような共重合体化合物は特に高い直接性を示すと同時に高い柔軟剤作用も示す。
【0031】
本発明の特に好適な態様において、Q基中の置換基RはR基を1個以上含有し、ここで、Rはポリアルキレンオキサイド含有有機基である。そのようなR基を用いると本ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物が示す親水性が向上し、従って、布地洗濯操作に起因する湿った状態の洗濯物により迅速に付着する。
【0032】
好適な態様における本発明のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物は、R:Qのモル比が0.001から2、より好適には0.01から1、より好適には0.05から0.8であることを特徴とする。前記モル比が0.001未満であると親水性があまりにも低くなってしまう。0.05から0.8の範囲にすると柔らかさと親水性を最適に均衡させることができる。
【0033】
前記R基は、好適には、式(III)
−X−E−Y (III)
{式中、
Xは、単結合、または場合により窒素および/または酸素を含有していてもよい炭素原子数が20以下の二価の直鎖、分枝もしくは環式炭化水素基であり、かつXは炭素原子を通してQの窒素原子と結合しており、
Eは、式
−[(C2a)O]
[式中、a=2から4、y=2から10000]
で表されるポリアルキレンオキサイド基であり、これは、炭素原子を通してX基と結合しておりかつ酸素原子を通してY基と結合しており、
Yは、水素、あるいは酸素および/または窒素および/またはハロゲンを含有していてもよくかつ炭素原子を通してE基と結合している炭素原子数が24以下の一価の直鎖、分枝もしくは環式の飽和、不飽和または芳香炭化水素基である}
で表される基である。
【0034】
は、好適には、−E−が式(IV):
【0035】
【化11】

【0036】
[ここで、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド単位のランダムおよびブロック配列が表されてもよく、そしてEとの結合はエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド単位を通した結合であってもよく、従って、(IV)基の表示は単に定量的であり、
v=0から200、
w=0から200、
v+w≧1である]
で表される基である式(III)で表される基である。
【0037】
その上、前記式(III)で表される基において、Yを好適にはHまたは直鎖、環式、分枝のC−C22−アルキル、−アルケニル、−アルキニル、フルオロ(C−C10)アルキルおよびC−C10−アリール基から選択する。
【0038】
更に好適なアルキレンオキサイド単位Rは、好適には、構造:
【0039】
【化12】

【0040】
[ここで、
v=0から200、
w=0から200、
v+w≧1、
Y=Hまたは直鎖、環式、分枝のC−C22−アルキル、−アルケニル、−アルキニル、フルオロ(C−C10)アルキルおよびC−C10−アリール基]
で表される。
【0041】
この上に示したポリアルキレンオキサイドの一般式において、好適には下記である:
vは0から100、より好適には0から70、特に0から40、非常に特に0から20であり、
wは0から100、より好適には0から70、特に0から40、非常に特に0から20であり、
Yは直鎖、環式、分枝のC−C12−アルキル、−アルケニル、−アルキニルまたはC−C10−アリール基、特にメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、ドデシル、アリル、オレイル、フェニルである。
【0042】
更に好適なアルキレンオキサイド単位Rは、構造
−(C1−C12)アルキレン−NEY
[ここで、C1−C12−アルキレンは炭素原子数が1から12の直鎖、環式または分枝アルキレン単位であり、そしてR、EおよびYは各々この上で定義した通りである]
で表される。
【0043】
前記式(I)で表される単位を好適には平均で少なくとも2個、好適には少なくとも3個、更により好適には少なくとも4個含有するポリシロキサン化合物では、R単位が好適には平均で少なくとも2個、より好適には少なくとも3個、更により好適には少なくとも4個存在しかつ好適には平均で少なくとも1個のV、Vおよび/またはV単位が存在し、好適には単官能−Q−Rおよび/または−V−R基、即ち例えばアミノ基などで終結している。それは、QおよびVが有する2個の結合部位の中の一方が各々この上で定義した如き一価のR基または水素で飽和されることで生じ、それをまた本明細書では以降VstまたはQstとも呼ぶ。変化しなかった他の反応性基、例えばエポキシまたはハロアルキル基などがVstの代わりに存在することもあり得る。
【0044】
前記式(I)で表される単位を好適には平均で少なくとも2個含有し、R単位が好適には平均で少なくとも2個存在していてもよくかつV、Vおよび/またはV単位が好適には平均で少なくとも1個存在する本発明のポリシロキサン化合物は、例えば一般式(I’):
−[Q−V]− (I’)
[式中、
Qは、この上で定義した通りであり、そして
Vは、少なくとも1個のV基またはV基であり、ここで、
およびVは各々この上で定義した通りである]
で表される線状ポリシロキサン共重合体である。加うるに、Vはまた三価もしくは結合価がより高い、特に三価のV基であってもよい。この場合には、好適には、また、この上で定義した如き三価もしくは四価のQ単位も存在させ、そのような三価または結合価がより高いV基および三価もしくは四価のQ単位の飽和が好適にはもっぱら互いの間で線状主鎖内で達成されることで以下により詳細に説明する如き環式構造物を生じさせる。しかしながら、このケースはあまり好適ではない。
【0045】
一般式(I)または(I’)において、ポリシロキサン化合物におけるVとV基のモル比V/Vは本質的に如何なる値も取り得る。従って、本発明は、また、式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物がV単位のみを含有するケースも包含する、即ちそのようなポリシロキサン化合物は式−[Q−V]−で表される。また、ポリシロキサン化合物がV単位のみを含有するケースも本発明に含まれる。しかしながら、このケースでは、V単位がZ−シロキサン単位を含有していなければならない。
【0046】
しかしながら、本発明の好適な態様における式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物はV単位とV単位の両方を含有する。
【0047】
本発明の更に好適な態様では、一般式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物におけるV基とV基のモル比は下記である:
/V=1
式(I)または(I’)で表される線状ポリシロキサン化合物のさらなる態様では、V/Vが1に等しくなく、V/Vが好適には<1、好適には<0.9であり、更により好適にはV/Vが関係
0.0005<V/V<0.5、
更により好適には、
0.0005<V/V<0.3、
を満足させる。
【0048】
R基を好適にはR基から選択する。
【0049】
Qの好適な態様は下記である:

【0050】
【化13】

【0051】
で表される基の場合には構造
【0052】
【化14】

【0053】
で表される第四級イミダゾール単位、構造
【0054】
【化15】

【0055】
で表される第四級ピラゾール単位、式
【0056】
【化16】

【0057】
で表される基の場合には構造
【0058】
【化17】

【0059】
で表されるジ第四級ピペラジン単位、式
【0060】
【化18】

【0061】
で表される基の場合には構造
【0062】
【化19】

【0063】
で表されるモノ第四級ピペラジン単位、および構造
【0064】
【化20】

【0065】
で表されるモノ第四級ピペラジン単位、式
−N
で表される基の場合には構造
【0066】
【化21】

【0067】
で表されるジ第四級単位、構造
【0068】
【化22】

【0069】
で表されるモノ第四級単位、構造
【0070】
【化23】

【0071】
で表されるジ第四級単位、および構造
【0072】
【化24】

【0073】
で表されるモノ第四級単位、式
−NR−
で表される基の場合には構造
【0074】
【化25】

【0075】
で表されるモノ第四級単位、構造
【0076】
【化26】

【0077】
で表されるモノ第四級単位、
ここで、
tは、2から10であり、
Rは、この上で定義した通りであり、好適にはRであり、Rはこの上で定義した通りであり、そしてRの定義は、この上に示したR基の定義と同じまたは異なってもよく、
は、Rで定義した通りであり、ここで、RとRは同じまたは異なってもよいか、或は
とRが正に帯電している窒素原子と一緒になって場合により追加的に窒素、酸素および/または硫黄原子を1個以上有していてもよい5員から7員の複素環を形成しており、
、R、Rは、同じまたは異なってもよく、H、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、チオール基、カルボキシル基、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基、ポリヒドロキシアルキル基、チオアルキル基、シアノアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アセチルオキシ基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基および−NHR型、ここで、RはH、アルキル基、モノヒドロキシアルキル基、ポリヒドロキシアルキル基、アセチル基、ウレイド基である、で表される基から成る群から選択され、隣接して位置するR、R、R基の中の2つがこれらが結合している炭素原子と一緒になって複素環を形成している場合には、各場合とも、5員から7員の芳香環を形成していてもよく、そして
は、Rで定義した通りであり、ここで、RとRは同じまたは異なってもよい。特に、Rはポリオキシアルキレン含有基であってもよく、その場合には、R含有Q基が形成される。
【0078】
Qが式
【0079】
【化27】

【0080】
で表される三価基または四価基
【0081】
【化28】

【0082】
である場合、式(I’)で表される線状共重合体の中のそれらの基は、上述したように、好適には、ポリシロキサン共重合体を分枝させる働きをせず、それらの基はむしろもっぱら特に三価のV基と結合して線状主鎖の一部である環式構造、例えば式:
【0083】
【化29】

【0084】
で表される構成要素を形成している。
【0085】
式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物の好適な態様におけるVは、式
−V2*−Z−V2*
[式中、Zは、この上に定義した通りであり、そしてV2*は、場合により−O−、−CONH−、−CONR−、ここで、Rは、この上で定義した通りである、−C(O)−および−C(S)−から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が40以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であり、かつこのV2*基は場合により1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい]
で表される基である。
【0086】
上述した態様における本発明の線状ポリシロキサン共重合体は下記の繰り返し単位:
−[V2*−Z−V2*−Q]−
を好適には−[V−Q]−と一緒に持ち得る。
【0087】
繰り返し単位−[V2*−Z−V2*−Q]−と−[V−Q]−のモル比、即ちV/V比は、上述したように、約1であってもよいが、1つの態様では、好適には1に等しくなく(unequal to 1)、より好適には>1、更により好適には>1から1.5未満である。親水性側基Rを櫛様様式で導入すると、柔軟特性に貢献するV基の比率を親水性を等しくしながら高くすることが可能になる。逆に、柔軟用V基の比率を一定にした場合、R基を導入することによって親水性を高くすることができる。
【0088】
上述した線状ポリシロキサン共重合体を製造する方法に関連して以下に詳細に説明するように、製造方法に応じて2個以上の−[V−Q]−単位が互いに結合しているブロック配列を規則的に(regularly)V−Q単位と結合させることができるか或は不規則に(irregularly)V−Q単位と結合させることができる。このことは下記を意味する:
規則的化合物(regular compound)、例えば−Q−[V−Q]−基に相当するプレポリマーとVに相当する単量体単位を1:1のモル比で反応させた規則的化合物などの場合の線状ポリシロキサン共重合体の調製は下記の如く実施可能である:
−{V−Q−[V−Q]−}
[xは2から2000であってもよく、これは分散度の平均値であり、そしてyも同様に平均値であり、2から1000である]。
【0089】
従って、一般に、本発明のポリシロキサン重合体は好適には式
−[Q−V]y’
[式中、y’は2から1000、より好適には3から500、更により好適には4から200である]
で表される。
【0090】
式−{V−Q−[V−Q]−}−で表される線状ポリシロキサン共重合体は、互いに結合している−V−Q単位を本質的に持たない、言い換えれば、2個の−V
Q−単位の間に常に−V−Q単位が少なくとも1個存在することを特徴とする。
【0091】
不規則的化合物(irregular compound)、例えばQ単位に相当する単量体とVに相当する単量体単位とVに相当する単量体単位をQ/(V+V)[ここで、例えばV/V>1]の比率で反応させた不規則的化合物などの場合の線状ポリシロキサン共重合体は下記で表され得る:
−Q−(V,V)−
[式中、VのV/V比は>1である]。この場合、VとV基は共重合体鎖全体に渡って無作為に分布している。このような共重合体は、前記規則的化合物を用いて生じさせた線状ポリシロキサン共重合体とは対照的に、また、隣接する−Q−V−単位も持ち得る。
【0092】
本発明に従って用いる式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物の好適な態様では、V基を、場合により−O−、−CONH−、
【0093】
【化30】

【0094】
−CONR、ここで、Rは、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−および−Z−、ここで、−Z−は、式
【0095】
【化31】

【0096】
(式中、
は、場合により1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいC−C18アルキルまたはフェニルであり、そしてnはこの上で定義した通りである)
で表される基である
から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が600以下、好適には400以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択する。
【0097】
式(I)または(I’)で表されるポリシロキサン化合物の更に好適な態様では、Q基を
【0098】
【化32】

【0099】
ここで、Rは、好適にはHまたはアルキル、好適には炭素原子数が1から6のアルキル
であり、そしてRは、好適にはH、アルキル、好適には炭素原子数が1から6のアルキル、またはRである、
から選択する。
【0100】
式(I)および(I’)において、好適には、
=C−C18−アルキル、特にメチル、エチル、トリフルオロプロピルおよびフェニル、
=20から400、より好適には20から300、特に20から200。更に好適な態様におけるnは20から50または80から200の範囲である。数nは、Z基中のジオルガノシロキシ単位のMからの平均重合度である。
【0101】
=0から15、より好適には0から10、特に0から5、より特別には0。数nは、Z基中のジオルガノシロキシ単位のMからの平均重合度である。
【0102】
より好適には、
【0103】
【化33】

【0104】
は−NH−、−N(CH−、−(NHR−である、
2*は、−O−、−CONH−、−CONR−、ここで、Rは、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素原子数が16以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基である。更により好適には、−V2*−を下記の式の群から選択する:
【0105】
【化34】

【0106】
−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、

−CH=CHCH−、−CH=CHCHCH−、
−CHCHCHOC(O)CH−、−CHCHCHOC(O)CHCH−、

−CH=CHCHOC(O)CH−、−CH=CHCHOC(O)CHCH−、
【0107】
【化35】

【0108】
−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、

−CH=CHCH−、−CH=CHCHCH−、

−CHCHCHOC(O)CH−、−CHCHCHOC(O)CHCH
【0109】
は、好適には、下記である:
・ −R−、ここで、Rは、炭素原子数が2から25の二価の飽和または一不飽和もしくは多不飽和の直鎖もしくは分枝炭化水素基である
・ −(CHC(O)O−[(CHCHO)−(CHCH(CH)O)]−C(O)(CH
・ −(CHC(O)O−R−O−C(O)(CH−、ここで、Rは定義した通りである
・ −(CH−R10−(CH−、ここで、R10は芳香基である
・ −[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−CHCH
・ −CH(CH)CHO[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−CHCH(CH)−
・ −CHCH(OH)CH
・ −CHCH(OH)(CHCH(OH)CH
・ −CHCH(OH)CHOCHCH(OH)CHOCHCH(OH)CH−および
・ −CHCH(OH)CHO−[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−CHCH(OH)CH
ここで、
uは、1から3であり、
qおよびrは、0から200、好適には0から100、より好適には0から70、特に好適には0から40であり、そして
q+r>0である。
【0110】
の好適な変形は下記の式で表される構造物である:
−CHC(O)O−[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−C(O)CH−、
−CHCHC(O)O−[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−C(O)CHCH−、
−CHCHCHC(O)O−[CHCHO]−[CHCH(CH)O]−C(O)CHCHCH−、
エステル化アルキレン、アルケニレン、アルキニレン単位、特に下記の構造物
−CHC(O)O−[CH−OC(O)CH−、
−CHCHC(O)O−[CH−OC(O)CHCH−、
−CHCHCHC(O)O−[CH−OC(O)CHCHCH
−CHC(O)O−CHC≡CCH−OC(O)CH−、
−CHCHC(O)O−CHC≡CCH−OC(O)CHCH−、
−CHCHCHC(O)O−CHC≡CCH−OC(O)CHCHCH−、
−CHC(O)O−CHCH=CHCH−OC(O)CH−,
−CHCHC(O)O−CHCH=CHCH−OC(O)CHCH−、
−CHCHCHC(O)O−CHCH=CHCH−OC(O)CHCHCH−、
アルキレン、アルケニレン、アルキニレンおよびアリール単位、特に下記の構造物:
−[CH−、
ここで、o=2から6
【0111】

[ここで、a、bおよびcは、同一もしくは異なり、1から40であってもよい]、
【0112】
【化36】

【0113】
【化37】

【0114】
[ここで、v+w≧0、ここで、エチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位の配列はランダムまたはブロックであってもよく、そしてエチレンオキサイド単位およびプロピレンオキサイド単位によるQとの結合は炭素原子を通した結合であってもよい]。
【0115】
分枝した(branched)単位Vは、三価または結合価がより高いオルガノポリシロキサン単位、例えば
【0116】
【化38】

【0117】
[ここで、Rは、この上で定義した通りであり、m=0から1000、そしてm≧1およびm≧3]
【0118】
【化39】

【0119】
[ここで、Rは、各場合とも、この上で定義した通りである]
などを含有していてもよい。
【0120】
含有分枝(branch)単位Vの一例は例えば下記である:
【0121】
【化40】

【0122】
本発明に従って用いるポリシロキサンはR単位を含有していてもよく、これを好適には第一級、第二級もしくは第三級モノアミノ官能化ポリアルキレンオキサイドに反応性官能化シロキサン前駆体を用いたアルキル化反応を適切に受けさせることで前記重合体に取り込ませてもよい。Mシリーズ(Huntsman Corp.)のモノ第一級官能化Jeffamine(商標)の使用が好適である。
【0123】
好適な態様では、この上に示した反応で第一級モノ−アミノ官能化ポリアルキレンオキサイドに最初に反応性官能化シロキサン、好適にはエポキシシロキサンを用いたアルキル化を受けさせることで第三級アミンを得る。その前駆体を次の重合体生成反応でシロキサンのブロック共重合体に取り込ませる。別の好適な変法では、この上に示した反応を実施しないで、第一級モノ−アミノ官能化ポリアルキレンオキサイドを重合体生成反応で直接用いることも可能である。
【0124】
あまり好適ではないが、シロキサンブロック共重合体をポリアルキレンオキサイド単位で制御した様式で終結させる必要がある場合には、第二級もしくは第三級アミノ官能化ポリアルキレンオキサイド単位を用いて進行させてもよい。それらを直接入手することができない時には、第一級モノアミノ官能化ポリアルキレンオキサイドとアルキル化剤、例えばモノエポキシド、例えばイソプロピルグリシジルエーテルなどまたは硫酸ジメチルを前以て反応させておくことを通して、それらの調製を行うことも可能である。
【0125】
親水性を制御した様式で向上させる目的で、単官能的に結合する(monofunctionally attached)親水性R要素を本発明に従って用いるポリ第四級ポリシロキサン共重合体に導入してもよい。それによって、本発明のポリシロキサン共重合体自身が向上した親水性を示すことで例えば湿っている洗濯物への容易な移行が進行しかつ本発明の組成物で処理した布地が示す親水性が向上することで例えば布地の水分吸収性などの向上がもたらされる。
【0126】
本発明に従って用いるポリシロキサン第四級交互ブロック共重合体の例が例えばドイツ特許出願公開第3340708号、米国特許第6240929号、EP 282720、ドイツ特許出願公開第10036533号、WO 02/10257、WO 02/10259、WO 03/078504、WO 2004/041912、WO 2004/042136および出願PCT/EP 2004/050472などに記述されている。
【0127】
本発明に従って用いるポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物は25℃で固体または液体であり得る。それらが25℃で液体の場合に記述するポリシロキサンの粘度は、好適にはD=1秒−1のせん断速度において25℃で500から50000000mPa.s、25℃で好適には1000から2500000mPa.sの範囲である。
【0128】
本発明の組成物における基質は、一般に、室温(25℃)から好適には分解温度で固体状の担体材料であり、本ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物を吸収しそして特に洗濯物乾燥条件下で再びそれを放出し得る。従って、そのような材料は好適には多孔質材料である。そのような基質を例えば層の形態、パウチの形態または圧密層として存在させてもよい。また、変形しない固体状多孔質基質、例えば顆粒品などを用いることも可能であり、それを布の中に次々に取り込ませてもよい。より好適には、そのような基質を層材料の形態で存在させる。本発明に従い、例えばスポンジ様または繊維性材料、例えば繊維織物、繊維不織布、ペーパータオルなどが好適である。その使用する材料に関して特に制限はないが、そのような基質材料が本ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物を収容し得ることを条件とする。好適な材料は天然もしくは合成繊維、例えばセルロース、例えば綿などが基になった材料、およびまた羊毛、サイザル、リネン、セルロースエステル、ポリビニル化合物、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルなどである。スポンジ様材料は、例えばポリウレタンなどで構成されていてもよい。
【0129】
本発明の組成物に含有させる本ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物の量を組成物の総重量を基準にして適切には0.01から20重量%、好適には0.1から10重量%、更により好適には0.3から5重量%にする。
【0130】
本発明の組成物に更に少なくとも1種のさらなる布地処理用組成物を含有させることも可能である。そのような布地処理用組成物に、例えば本発明に従って用いるそれら以外のさらなる柔軟剤および帯電防止剤、静菌剤、抗菌・カビ剤および防虫組成物、消臭剤、香料、アイロンがけ助剤、抗しわ剤なども含有させる。それらを本発明の組成物に存在させる量は20重量%以下であってもよい。
【0131】
その上、本発明の組成物に1種以上の溶媒、例えば水またはアルコールなどを含有させることも可能である。
【0132】
本発明は、更に、本発明の組成物を製造する方法にも関し、この方法は、少なくとも1種のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物を基質に加えることを含んで成る。その加えることは本質的に公知の様式(例えば米国特許第3442692号を参照)で実施可能であり、例えば含浸、噴霧などを適宜溶媒を用いて行うことなどで実施可能である。本発明は、また、本発明に従って用いるポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物を適宜さらなる材料との混合物として液状形態で最終消費者に供給してそれを、個別に供給した固体状基質に加えてもらいそして前記最終消費者自身がその供給した液状組成物を使用直前に前記固体状基質に染み込ませることで本発明の組成物を生じさせるケースも包含する。
【0133】
本発明は、更に、布地を処理する方法にも関し、この方法は、本発明の組成物を前記布地と接触させることを包含する。この場合には、本発明の組成物を好適には布地洗濯操作に由来するまだ湿った状態の布地と好適には25℃を超える温度で好適には商業的洗濯物乾燥機を用いて接触させる。従って、本発明は、更に、本発明の組成物を天然もしくは合成繊維で構成されている布地を処理する目的で用いることにも関する。本発明は、更に、本ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物を固体状の布地処理用組成物の製造、特に基質が基になった(substrate−based)織物処理用組成物の製造で用いることにも関する。ここで、この上に示した如き「固体」は、布地に加えている間に外側使用形態(external application
form)が本質的に変化しないことを意味し、これを特にこの上で定義した如き固体状担体を用いることで確保する。この上に記述したポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物をこれに適宜さらなる機能的成分、例えばこの上に示したそれらなどおよび溶媒を添加して室温で液状の形態で用いるのが好適である。
【0134】
実施例
【実施例1】
【0135】
1a)クロロ酢酸エステルの合成
最初に窒素下室温で市販のポリエチレングリコールPEG 1000を384g(0.384モル)仕込む。この材料を70℃に加熱すると、その間に溶融する。撹拌を激しく行いながら104g(0.92モル)の塩化クロロアセチルを15分以内に滴下する。この滴下中に温度が加熱無しに90℃にまで上昇しかつHClの発生が始まる。この滴下が終了した後の混合物を120℃に1.5時間加熱する。最後に、120℃/5hPa以下で沸騰する成分の全部を留出させる。無色の蝋を424g得て、これの組成は
ClCHC(O)O[CHCHO]21C(O)CHCl
であるとしてH NMRで確認した。固体含有量は99.7%である。
実施例1b) ブロック共重合体の合成
500mlの3つ口フラスコに窒素下で構造
【0136】
【化41】

【0137】
で表されるシロキサンエポキシドを100g(17.27ミリモル)、N−メチルピペラジンを3.46g(34.54ミリモル)およびn−ブタノールを50g入れて、互いに混合しながら100℃に6時間加熱する。この混合物に実施例1aに従うエステル[19.61g(17.27ミリモル)]を73gのn−ブタノールに溶解させて加えた後、その混合物全体を100−106℃に更に12時間加熱する。最後に、その混合物を117℃に8時間加熱する。黄色の2相生成物を得たが、これは振とうしている間に粘性のある不透明な塊に変化する。
【0138】
固体含有量は49.8重量%である。H NMRデータに従い、反応終点におけるエポキシドの変換率は95.1%であり、クロロ酢酸エステルの変換率は93.9%である。この重合体は下記の構造で表される:
【0139】
【化42】

【実施例2】
【0140】
洗濯試験をMiele Novotronic W526を用いて実施する。
洗濯条件:95℃、短い洗濯サイクル、2回の濯ぎ、2回目の濯ぎサイクルの時に布柔軟剤を入れ、1200rpmで回転
乾燥:ライン乾燥を24時間
【0141】
【表1】

【0142】
手触り評価
各々が本発明に従う処理を受けさせたテリー織布が1枚と本発明に従う処理を受けさせなかったテリー織布が1枚の対になった5対の布を生じさせる。4人の被験者に前記対の布を手触りに関して評価してもらう。全体で20の手触り評価比較を行ってもらう。各場合とも手触りが良好な方の布には1から4のマークが可能である。この評価の結果は、本発明に従う仕上げを受けさせた布が受けた全マークは+0.58であると言った結果である。
【0143】
親水性
本発明に従う仕上げを受けさせた1枚のテリー織布および本発明に従う仕上げを受けさせなかった1枚のテリー織布の上に水を10滴(50μl)置いた後、それの染み込みに要する時間を測定する。本発明に従う仕上げを受けさせた布では水滴を置くやいなや水滴が布に染み込んだ。本発明に従う仕上げを受けさせなかった布に水滴が染み込む時間は平均で1秒であり、その染み込みは目で見て本発明に従う仕上げを受けさせた布のそれに比べて遅い。
【0144】
全体的評価
前記データは、柔軟剤の総量を25%にまで少なくしかつそれの代わりに用いた本発明のシロキサンブロック共重合体の量はある程度のみであるにも拘らず手触りの向上を達成することができることを示している。それと同時に、その仕上げを受けさせた布地材料の親水性も有意に高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基質とこの基質に適用された少なくとも1種のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物を含有して成る組成物。
【請求項2】
前記ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物がオルガノポリシロキサン基を少なくとも1個およびアミノおよび/またはアンモニウム基を少なくとも1個含有して成る請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物がオルガノポリシロキサン基を少なくとも2個およびアミノおよび/またはアンモニウム基を少なくとも2個含有して成る請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物がオルガノポリシロキサン基とアミノおよび/またはアンモニウム基が交互に存在する線状分子部分を有するポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物から選択される請求項1から3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物が式(I):
−[Q−V]− (I)
{式中、Qは、
−NR−、
−N
式:
【化1】

で表される飽和もしくは不飽和ジアミノ官能複素環、およびまた式:
【化2】

で表される芳香ジアミノ官能複素環、式:
【化3】

で表される三価基、式:
【化4】

で表される三価基、または式
【化5】

で表される四価基
ここで、Rは、各場合とも、水素または一価有機基である、
から成る群から選択され、ここで、
Qは、カルボニルの炭素原子と結合しておらず、
Vは、V、VおよびVから成る群から選択され、ここで、
は、場合により−O−、−CONH−、
【化6】

−CONR−、ここで、Rは、水素であるか、−O−、−NH−、−C(O)−および−C(S)−から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基、場合により置換されていてもよい好適には窒素原子を1個以上含有する複素環式基、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アンモニウム、ポリエーテル基およびポリエーテルエステル基から成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の一価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であり、ここで、−CONR基が複数存在する時にはそれらは同じまたは異なってもよい、−C(O)−および−C(S)から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数(以下に定義するポリシロキサン基Zの炭素原子数は数えない)が1000以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択されるが、
このV基は、場合により、1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよく、かつ
このV基は、式
【化7】

[式中、
は、同一もしくは異なってもよく、C−C22−アルキル、フルオロ(C−C10)アルキル、C−C10アリールおよび−W−Si(OR)3−a(R’)、ここで、R、R’およびaは、各々、この上で定義した通りであり、そしてWは、−O−、または1個以上の−C(O)−、−O−、−NH−、−S−基を含有していてもよくかつ場合によりヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素原子数が100以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素である、から成る群から選択され、そして
=20から1000である]
で表される−Z−基を少なくとも1個含有し、
は、場合により−O−、−CONH−、
【化8】

−CONR−、ここで、Rは、この上で定義した通りであり、ここで、V基中のR基とV基中のR基は同一もしくは異なってもよい、−C(O)−、−C(S)−および−Z−、ここで、−Z−は、式
【化9】

[式中、
は、この上で定義した通りであり、ここで、V基中のR基とV基中のR基は同一もしくは異なってもよく、そして
=0から19である]
で表される基である
から選択される基を1個以上含有していてもよい炭素原子数が1000以下の二価の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基から選択され、かつ
このV基は、場合により、1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよく、そして
は、場合により−O−、−CONH−、
【化10】

−CONR−、ここで、Rは、この上で定義した通りである、−C(O)−、−C(S)−、−Z−、ここでこれは、この上で定義した通りである、−Z−、ここでこれは、この上で定義した通りである]、およびZ、ここで、Zは、三価または結合価がそれ以上のオルガノポリシロキサン単位である、から選択される基を1個以上含有していてもよくかつ場合により1個以上のヒドロキシル基および/または−Si(OR)3−a(R’)、ここで、aは0から2の整数であり、そしてRおよびR’は、同じまたは異なってもよく、各々、有機基である、で置換されていてもよい炭素原子数が1000以下の三価または結合価がそれ以上の直鎖、環式もしくは分枝の飽和、不飽和または芳香炭化水素基であるが、但し
− 記述したポリシロキサン化合物が−Z−、−Z−またはZ基を少なくとも1個含有すること、
− 前記三価および四価のQ基のいずれかがQとVで形成される主鎖を分枝させる働きをすることで主鎖中の結合に働かない結合価が−[Q−V]−単位で形成されるさらなる分枝を提供するか或は三価および四価のQ基が線状主鎖内のV基で飽和状態になっていることで分枝が形成されていないこと、
を条件とし、そして
アンモニウム基の結果としてもたらされる正電荷が有機もしくは無機酸のアニオンで中和されている}
で表される繰り返し単位を少なくとも1個有する請求項1から4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
Vが式VおよびVで表される繰り返しを包含することを特徴とする請求項5記載の組成物。
【請求項7】
前記基質が前記ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物を取り込みそしてそれらを再び放出し得る固体状担体材料である請求項1から6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
前記基質が多孔質材料である請求項1から7の1項記載の組成物。
【請求項9】
前記基質がスポンジ様または繊維性材料である請求項1から8の1項記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物を組成物の総重量を基準にして0.01から20重量%含有する請求項1から9の1項記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1種のさらなる布地処理用組成物を含有して成る請求項1から10の1項記載の組成物。
【請求項12】
請求項1から11の1項記載の組成物を製造する方法であって、少なくとも1種のポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン化合物を基質に適用することを含んで成る方法。
【請求項13】
布地を処理する方法であって、請求項1から11の1項記載の組成物を前記布地と接触させることを包含する方法。
【請求項14】
請求項1から11の1項記載の組成物と湿っている布地を適宜25℃より上の温度で接触させることを包含する請求項13記載の方法。
【請求項15】
請求項1から11の1項記載組成物の使用であって、布地を処理するための使用。
【請求項16】
ポリアミノ−および/またはポリアンモニウム−ポリシロキサン共重合体化合物の使用であって、固体状の布地処理用組成物を製造するための使用。

【公表番号】特表2008−537985(P2008−537985A)
【公表日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503429(P2008−503429)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002911
【国際公開番号】WO2006/103076
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(599092697)モーメンテイブ・パーフオーマンス・マテリアルズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (9)
【氏名又は名称原語表記】Momentive Performance Materials GmbH
【Fターム(参考)】