説明

ポリアリーレンの製造方法

【課題】ポリアリーレンの製造方法を提供すること。
【解決手段】2個の脱離基が芳香族環に結合している芳香族化合物を、非プロトン性極性溶媒中、遷移金属化合物の存在下重合させて得られるポリアリーレンを含む重合反応液と、芳香族炭化水素系溶媒、含酸素原子有機溶媒、酸及び水とを混合させ、前記ポリアリーレンを有機層に、不純物としての金属成分を水層に分配させて前記有機層と前期水層とを分離することを特徴とするポリアリーレンの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアリーレンの製造方法に関する。さらに詳しくは、該ポリアリーレンに不純物として含まれる金属成分を該ポリアリーレンから除去する工程を有するポリアリーレンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香族環が連続して連なるポリアリーレンは、化学的、熱安定性に優れ、電子材料、光学材料、電池材料などに使用される。その製造方法としては、2個の脱離基が芳香族環に結合している芳香族化合物を、遷移金属触媒及び還元剤を使用し重合する方法が知られている。
固体高分子型燃料電池用の高分子電解質膜等として有用なスルホン酸基を有するポリアリーレン(特許文献1、2、3、非特許文献1参照。)の製造中間体として、スルホン酸のエステル又はアミド基を有する芳香族化合物をニッケル触媒と亜鉛とを用いて重合させたポリアリーレンが見出されており、スルホン酸基を有するポリアリーレンの製造中間体として、製造コスト、溶解性の点において特に有用であることが記載されている(特許文献4、5参照。)。
上記のような重合により得られたポリアリーレンは、最終的に、電子材料、光学材料、電池材料などとして利用することを考慮すると、特に電気特性低下や装置劣化の原因となるニッケル、亜鉛等の金属成分はできるだけ除去する必要がある。スルホン酸基を有するポリアリーレンの製造中間体の段階においても、前記金属成分を低減しておくことは高分子電解質膜を製造する上で有利である。
【0003】
ところで、分液処理により反応系由来の金属成分を除去する方法は、有機合成反応の後処理として一般的に実施され簡便な精製方法であるが、例えば、上述のスルホン酸のエステル又はアミド基を有するポリアリーレンのようなポリアリーレンにおいては、水と任意の割合で混ざり合う非プロトン性極性溶媒には溶けやすいが、水と分液する溶媒、例えば、トルエン、酢酸エステル、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒等には溶け難いため、分液処理によって金属成分を除去する方法は、これまで知られていなかった。
そのため、ポリアリーレンの重合由来の金属成分を除去する方法としては、一旦ポリアリーレンを析出させてから洗浄する手法が一般的であった(特許文献4〜6参照)。
しかしながら、これらの方法では、(1)濾過操作(2)大量の酸でポリアリーレンを洗浄(3)水洗して過剰の酸を除去(4)乾燥する、という煩雑な操作が必要である上、大量の酸廃棄物が発生する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第3,376,235号
【特許文献2】特開2003−238665号公報
【特許文献3】特開2005−248143号公報
【特許文献4】特開2007−284653号公報
【特許文献5】特開2007−270118号公報
【特許文献6】特開2003−181202号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Macromol.Rapid Commun.,15,669−676(1994)本発明者らが、スルホン酸のエステル又はアミド基を有するポリアリーレンの系に関して重合反応液を分液できる条件を一般的な知見に従い検討した結果、ポリアリーレンが不溶であったり、一旦溶けたポリアリーレンが析出したり、有機層がゲル化したり、粘度が高くなりエマルジョン化するなどして、工業的に実施するには問題があることが確認された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らが、ポリアリーレンを製造した重合反応液を一般的な知見に従い分液処理の条件を検討した結果、ポリアリーレンが析出したり、有機層がゲル化又は、増粘したり、エマルジョン化したりするなどして、工業的に実施するには問題があることが確認された。
本発明は、2個の脱離基が芳香族環に結合している芳香族化合物を、遷移金属化合物の存在下、重合して得られたポリアリーレンから、効率的に金属を除去する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、2個の脱離基が芳香族環に結合している芳香族化合物を、非プロトン性極性溶媒中で、遷移金属化合物の存在下、重合して得られたポリアリーレンを含有する重合反応液の金属成分を効率的に除去する方法を種々検討した結果、重合反応液に、特定の二種類以上の有機溶媒を組み合わせて加え、更に酸、水を混合させることで、上述のポリアリーレン析出等の問題が生じることなく安定して分液処理できる程度に有機層と水層とが層分離し、生成したポリアリーレンを有機層に、不純物としての金属成分を水層に分配できることを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、2個の脱離基が芳香族環に結合している芳香族化合物を、非プロトン性極性溶媒中、遷移金属化合物の存在下重合させて得られるポリアリーレンを含む重合反応液と、芳香族炭化水素系溶媒、含酸素原子有機溶媒(含酸素原子有機溶媒とは、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、又はアルコール系溶媒のことを示す。)、酸及び水とを混合させ、ポリアリーレンを有機層に、不純物としての金属成分を水層に分配させて有機層と水層とを分離させることを特徴とするポリアリーレンの製造方法を提供するものである。
【0009】
本発明において、2個の脱離基が芳香族環に結合している芳香族化合物の例としては、例えば、
式(1)

(式中、Aは、1又は2個の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基、又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。ここで、炭化水素基及びアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。Aが、2個の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基である場合、2個の炭化水素基は、同一でも異なっていてもよい。)
で示される基を有し、且つ2個の脱離基が芳香族環に結合している芳香族化合物が挙げられる。
【0010】
本発明で芳香族化合物とは、単一の芳香族化合物の他に、2種類以上の芳香族化合物が混ざったものも含むものである。
【0011】
芳香族化合物としてより具体的には、例えば、下記式(2)又は式(3)で示される芳香族化合物が、好ましく、これに加えて式(4)等で示される化合物を用いてもよい。

式(2)


(式中、Aは、上記式(1)で定義したものと同じ意味を表す。Rは、同一又は相異なり、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表す。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
また、置換部位が隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。
Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、mは1又は2を表し、kは0〜3の整数を表す。)
で示される芳香族化合物(以下、芳香族化合物(2)と略記する。);
式(3)


(式中、A、R、Xは、前記で定義したものと同じ意味を表し、jは互いに独立に0〜3の整数を表す。)
で示される芳香族化合物(以下、芳香族化合物(3)と略記する。);
式(4)


(式中、a、b及びcは、同一又は相異なって、0又は1を表し、hは5以上の整数を表す。
Ar、Ar、Ar又はArは、同一又は相異なって、2価の芳香族基を表す。
ここで、2価の芳香族基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。
及びYは、同一又は相異なって、単結合、−CO−、−SO2−、−C(CH32−、−C(CF32−又はフルオレン−9,9−ジイル基を表す。
及びZは、同一又は相異なって、−O−又はS−を表す。Xは前記と同じ意味を表す。)
で示される芳香族化合物(以下、芳香族化合物(4)と略記する。)。
【0012】
上述のとおり、Xは塩素、臭素又はヨウ素原子であり、これは遷移金属化合物の存在下、脱離する脱離基である。
【0013】
重合に供する組み合わせとしては例えば、芳香族化合物(2)+芳香族化合物(4)、芳香族化合物(3)+芳香族化合物(4)などの組み合わせが挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、煩雑な固体の洗浄操作がなく、かつ、廃棄物量も大幅に削減され、重合反応由来の金属成分を効率よく除去できることから工業的製造方法として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明において、芳香族環とは芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表す。芳香族炭化水素環の例としては、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン及びフェナントレン等が挙げられ、芳香族複素環の例としては、チオフェン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン及びキノキサリン等が挙げられる。
【0016】
まず、前記芳香族化合物(2)について説明する。
Aは、1又は2個の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、フェニル基、1,3−ブタジエン−1,4−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ビフェニル−2,2’−ジイル基、o−キシリレン基等が挙げられる。
【0017】
かかる1又は2個の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、2,2−ジメチルプロピルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−ノニルアミノ基、n−デシルアミノ基、n−ウンデシルアミノ基、n−ドデシルアミノ基、n−トリデシルアミノ基、n−テトラデシルアミノ基、n−ペンタデシルアミノ基、n−ヘキサデシルアミノ基、n−ヘプタデシルアミノ基、n−オクタデシルアミノ基、n−ノナデシルアミノ基、n−イコシルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロインドリル基、ジヒドロイソインドリル基等が挙げられ、ジエチルアミノ基及びn−ドデシルアミノ基が好ましい。
【0018】
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられ、イソプロポキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基及びシクロヘキシルオキシ基が好ましい。
【0019】
前記炭素数1〜20の炭化水素基及び炭素数1〜20のアルコキシ基は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
炭素数1〜20のアルコキシ基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−フェナントリル基、2−アントリル基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、2−アントリルオキシ基等の前記炭素数6〜20のアリール基と酸素原子とから構成されるものが挙げられる。
炭素数2〜20のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の炭素数2〜20の脂肪族もしくは芳香族アシル基が挙げられる。
なかでも、Aとしては、炭素数3〜20の無置換アルコキシ基が好ましく、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基及びシクロヘキシルオキシ基がより好ましい。
【0020】
は、フッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表す。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2,2−メチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−メチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基等の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
【0021】
炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
かかる炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよく、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
【0022】
が複数の場合、Rは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、置換部位が隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。
【0023】
Xは前記と同じ意味を表す。mは1又は2を表し、kは0〜3の整数を表す。好ましくは、mは1を表す。
【0024】
かかる芳香族化合物(2)としては、例えば、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジクロロベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−3,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、
【0025】
2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジブロモベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−3,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、
【0026】
2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソプロピル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−オクチル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、2,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−2,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソプロピル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸イソブチル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−オクチル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−ペンタデシル、3,5−ジヨードベンゼンスルホン酸n−イコシル、N,N−ジエチル−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−(2,2−ジメチルプロピル)−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、N−n−イコシル−3,5−ジヨードベンゼンスルホンアミド、
【0027】
2,4−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨードベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジクロロ−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロ−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモ−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモ−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨード−5−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨード−4−メチルベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジクロロ−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロ−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジブロモ−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモ−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,4−ジヨード−5−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジヨード−4−メトキシベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、1−(2,5−ジクロロベンゼンスルホニル)ピロリジン等が挙げられる。
なかでも、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、N,N−ジエチル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド及びN−n−ドデシル−2,5−ジクロロベンゼンスルホンアミド、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸(2,2−ジメチルプロピル)、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸イソブチル、2,5−ジブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシル、N,N−ジエチル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−n−ドデシル−2,5−ジブロモベンゼンスルホンアミドが好ましい。
かかる芳香族化合物(2)としては、公知の方法に準じて製造したものを用いることができる。
【0028】
次に、芳香族化合物(3)について説明する。
A、R、Xは、前記で定義したものと同じ意味を表す。jは0〜3の整数を表し、好ましくは、jは0を表す。
かかる芳香族化合物(3)は、例えば、公知の方法(特許文献5)に記載された方法で製造することができる。
【0029】
具体的には、例えば、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−プロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ブチル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−オクチル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ペンタデシル)、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−イコシル)、
【0030】
N,N−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジエチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−プロピル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−ブチル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソブチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−オクチル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−ドデシル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−イコシル)−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジフェニル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、
【0031】
3,3’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、5,5’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、6,6’−ジメチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、5,5’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、6,6’−ジメトキシ−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、3,3’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、5,5’−ジアセチル−4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、
【0032】
4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジメチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジエチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−プロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ブチル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソブチル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジシクロヘキシル、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−オクチル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−ペンタデシル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(n−イコシル)、
【0033】
N,N−ジメチル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジエチル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−プロピル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソプロピル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジ(n−ブチル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジイソブチル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−オクチル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−ドデシル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N−ジ(n−イコシル)−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド、N,N−ジフェニル−4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホンアミド等が挙げられる。
【0034】
なかでも、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)、4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジイソプロピル及び4,4’−ジブロモビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)が好ましい。
【0035】
芳香族化合物(4)について説明する。
Ar、Ar、Ar又はArは、同一又は相異なって、2価の芳香族基を表す。2価の芳香族基としては、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニル−1,1’−ジイル基等の2価の単環性芳香族基;ナフタレン−1,3−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−1,6−ジイル基、ナフタレン−1,7−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−2,7−ジイル基、9H−フルオレン−2,7−ジイル基等の2価の縮環系芳香族基;ピリジン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、キノキサリン−2,6−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基、2,2’−ビチオフェン−5,5’−ジイル基、ピロール−2,5−ジイル基、2,2’−ビピリジン−5,5’−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、キノリン−5,8−ジイル基、キノリン−2,6−ジイル基、イソキノリン−1,4−ジイル基、イソキノリン−5,8−ジイル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基、ベンゾイミダゾール−4,7−ジイル基、キノキサリン−5,8−ジイル基、キノキサリン−2,6−ジイル基等の2価のヘテロ芳香族基;などが挙げられる。なかでも、2価の単環性芳香族基及び2価の縮環系芳香族基が好ましく、1,4−フェニレン基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−1,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基及びナフタレン−2,7−ジイル基がより好ましい。
【0036】
前記2価の芳香族基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基;からなる群から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換されていてもよい。
かかる炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。
【0037】
及びYは、同一又は相異なって、単結合、−CO−、−SO2−、−C(CH32−、−C(CF32−又はフルオレン−9,9−ジイル基を表す。
及びZは、同一又は相異なって、−O−又はS−を表す。Xは前記と同じ意味を表す。a、b及びcは、同一又は相異なって、0又は1を表し、hは5以上、より好ましくは10以上の整数を表す。
【0038】
芳香族化合物(4)としては、例えば、下記に示す化合物が挙げられる。

【0039】

【0040】

【0041】

【0042】

【0043】

【0044】

【0045】

【0046】

【0047】
かかる芳香族化合物(4)としては、例えば、日本国特許第2745727号等の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよいし、市販されているものを用いてもよい。市販されているものとしては、例えば、住友化学株式会社製スミカエクセルPES等が挙げられる。
芳香族化合物(4)としては、そのポリスチレン換算の重量平均分子量が2,000以上のものを用いることが好ましく、3,000以上であるものがより好ましい。
【0048】
芳香族化合物(2)又は芳香族化合物(3)を重合させることにより、対応するポリアリーレンを製造することができる。芳香族化合物(2)又は芳香族化合物(3)と、芳香族化合物(4)を重合させることにより、対応するポリアリーレンを製造することもできる。以下、かかるポリアリーレン及びその製造方法について説明する。
【0049】
かかるポリアリーレンの具体例としては、例えば、式(5)


又は式(6)


(式中、A、R及びj、k、mは、前記したと同じ意味を表す。)
で示される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(5)、繰り返し単位(6)と略記する。)からなり、かかる繰り返し単位を平均2〜10000個含むポリアリーレン;
前記繰り返し単位(5)又は繰り返し単位(6)と、式(7)


(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、Y、Y、Z、Z、a、b、c及びhは前記と同じ意味を表す。
ここで、2価の芳香族基は、前記したものと同じものが挙げられる。)
で示されるセグメント(以下、セグメント(7)と略記する。)からなるポリアリーレン等が挙げられる。
なお、本発明で得られるポリアリーレンがセグメント(7)を有する場合、ポリアリーレン中に−CO−、−SO2−、又は−O−により芳香族同士が連結されることとなるが、本発明ではこれらもポリアリーレンと定義する。
【0050】
繰り返し単位(5)の具体例としては、例えば、下記式(5a)〜(5e)で示される繰り返し単位が挙げられる。

【0051】
繰り返し単位(6)の具体例としては、例えば、下記式(6a)〜(6d)で示される繰り返し単位が挙げられる。

【0052】
セグメント(7)の具体例としては、例えば、下記式(7a)〜(7x)で示されるセグメントが挙げられる。なお、下記式中、hは前記と同一の意味を表し、hは5以上が好ましく、より好ましくは10以上である。かかるセグメント(7)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常2,000以上であり、好ましくは3,000以上である。
【0053】

【0054】

【0055】

【0056】

【0057】

【0058】

【0059】

【0060】

【0061】

【0062】

【0063】

【0064】

【0065】
繰り返し単位(5)とセグメント(7)からなるポリアリーレンとしては、例えば、前記式(6a)〜(6e)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(7a)〜(7x)で示されるセグメントのうちのいずれか一つのセグメントからなるポリアリーレンが挙げられる。
具体的には、例えば、下記式(I)〜(XI)で示されるポリアリーレンが挙げられる。ここで、下記式中、hは前記と同一の意味を表し、pは2以上の整数を表す。

【0066】

【0067】

【0068】

【0069】
繰り返し単位(6)とセグメント(7)からなるポリアリーレンとしては、例えば、前記式(7a)〜(7d)で示される繰り返し単位のうちのいずれか一つの繰り返し単位と前記式(7a)〜(7x)で示されるセグメントのうちのいずれか一つのセグメントからなるポリアリーレンが挙げられる。具体的には、例えば、下記(X)〜(XV)で示されるポリアリーレンが挙げられる。ここで、下記式中、nは前記と同一の意味を表し、pは2以上の整数を表す。


【0070】

【0071】

【0072】

【0073】
繰り返し単位(5)又は繰り返し単位(6)からなるポリアリーレンは、芳香族化合物(2)又は芳香族化合物(3)を重合わせさせることにより製造することができる。
繰り返し単位(5)又は繰り返し単位(6)と、セグメント(7)からなるポリアリーレンは、芳香族化合物(2)又は芳香族化合物(3)と、芳香族化合物(4)からなる芳香族化合物を重合させることにより製造することができる。また、芳香族化合物(2)又は芳香族化合物(3)を重合させた後、芳香族化合物(4)を加えてさらに重合させることにより、繰り返し単位(5)又は繰り返し単位(6)と、セグメント(7)を含むポリアリーレンを製造することもできる。

芳香族化合物中の芳香族化合物(2)又は芳香族化合物(3)の含量を適宜調整することにより、得られるポリアリーレン中の繰り返し単位(5)又は繰り返し単位(6)の含量を調整することができる。
【0074】
本発明の製造方法は、通常、モノマー、遷移金属化合物、及び非プロトン性極性溶媒からなる反応系下で実施され、必要に応じて還元剤及び遷移金属化合物の金属に配位しうる化合物(以下、これを配位子という)が、反応系に共存されることもある。本発明において、モノマーとは、芳香族化合物一種類或いは数種類の混合物であり、例えば、芳香族化合物(2)又は芳香族化合物(3)を、或は芳香族化合物(2)+芳香族化合物(4)を、又は芳香族化合物(3)+芳香族化合物(4)をそれぞれ意味する。
【0075】
遷移金属化合物としてはフッ化ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル等のハロゲン化ニッケル、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル等のニッケルカルボン酸塩、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、(ジメトキシエタン)塩化ニッケル、などのニッケル化合物;
塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化合物;
塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物;
塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物;
などが挙げられる。特に、ハロゲン化ニッケルが好ましい。
遷移金属化合物の使用量は、使用量が少なすぎると、分子量の小さいポリアリーレンが得られやすく、また、使用量が多すぎると、重合反応後の後処理が煩雑になる傾向があるため、遷移金属化合物の使用量は、用いるモノマーに対して、通常0.001〜5モル倍、好ましくは、0.01〜3モル倍である。
【0076】
配位子としては、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリフェニルホスフィン、1,5−シクロオクタジエン等が挙げられ、中でも二座配位子が好ましく、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリンが好ましい。上記配位子は混合して使用してもよい。二座配位子を用いる場合のその使用量は、ニッケル化合物に対して、通常0.2〜5モル倍、好ましくは1〜3モル倍である。
【0077】
また、予め、配位子を遷移金属に配位させた錯体として使用してもよい。
【0078】
本発明の製造方法において使用することができる還元剤としては、例えば、亜鉛、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどを挙げることができるが、亜鉛、マンガン、マグネシウムが好ましい。還元剤の使用量は、モノマーに対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特に制限されないが、多すぎると、経済的にも不利になりやすいため、実用的には10モル倍以下、好ましくは5モル倍以下である。
【0079】
遷移金属化合物として、2価ニッケル化合物を用いる場合は、通常、還元剤として亜鉛が併用される。亜鉛は、通常、粉末状のものが用いられる。亜鉛を用いる場合、その使用量は、モノマーに対して、通常、1モル倍以上であり、その上限は特に制限されないが、多すぎると、重合反応後の後処理が面倒になり、また経済的にも不利になるため、実用的には10モル倍以下、好ましくは5モル倍以下である。
【0080】
亜鉛は必要に応じて別途、活性化処理したものを用いてもよい(例えば、J.Org.Chem.p.3833(1983)参照)。
【0081】
また、遷移金属化合物として、ゼロ価ニッケル化合物を用いる場合であって、ゼロ価ニッケル化合物の使用量が、モノマーに対して、1モル倍未満であるときは、亜鉛の共存下に重合反応が実施される。亜鉛は、通常、粉末状のものが用いられる。亜鉛を用いる場合のその使用量は、モノマーに対して、通常、1モル倍であり、その上限は特に制限されないが、多すぎると、重合反応後の後処理が面倒になり、また経済的にも不利になるため、実用的には10モル倍以下、好ましくは5モル倍以下である。
【0082】
重合反応の反応速度を上げるため、ハロゲン化塩を用いてもよい。かかるハロゲン化塩としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム等のハロゲン化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等のハロゲン化カリウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム等のハロゲン化アンモニウム等が挙げられ、ハロゲン化ナトリウムが好ましく、ヨウ化ナトリウムがより好ましい。その使用量は、用いるモノマーに対して、通常0.001〜1モル倍、好ましくは0.05〜0.2モル倍である。
【0083】
重合反応に用いる非プロトン性極性溶媒としては、用いるモノマー及び生成するポリアリーレンが溶解し得る溶媒であればよい。具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。補助溶媒として、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等を用いてもよい。溶媒の使用量は、多すぎると、分子量の小さなポリアリーレンが得られやすく、少なすぎると、重合後の反応混合物(重合反応液)の性状が悪くなりやすいため、用いるモノマーに対して、通常1〜200重量倍、好ましくは5〜100重量倍である。
【0084】
重合反応は、通常、窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で実施される。重合温度は、通常0〜250℃であり、好ましくは15〜100℃である。重合時間は、通常0.1〜48時間である。
【0085】
次に、重合反応で得られた重合反応液に、芳香族炭化水素系溶媒と含酸素原子有機溶媒(含酸素原子有機溶媒とは、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、又はアルコール系溶媒のことを示す。)、酸、水を混合することで生成したポリアリーレンを有機層に、不純物としての金属成分を水層に分配させて前記有機層と前記水層とを分離する、分液処理工程に関して説明する。
【0086】
芳香族炭化水素系溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、アニソール、ベンゾトリフルオリド、クロロベンゼン、ジベンジルエーテル等が挙げられる。また、芳香族炭化水素系溶媒に脂肪族炭化水素溶媒を混合して使用しても差し支えない。脂肪族炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
含酸素原子有機溶媒の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒が挙げられ、好ましくは、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒が挙げられる。ポリアリーレンの性質に合わせて、ポリアリーレンの析出やエマルジョン化、ゲル化などが起こらないように、組み合わせる溶媒の混合比や使用量を適宜調節してもよい。
【0087】
芳香族炭化水素系溶媒の使用量としては、少ないと分液処理の際にエマルジョン化するなどして分液性状も良好とならず、多すぎると容積効率が悪く経済面でも不利となるので、好ましくは反応液に含まれる非プロトン性極性溶媒に対して0.1〜5重量倍、より好ましくは0.3〜3重量倍である。
含酸素原子有機溶媒の使用量としては、少ないと分液処理の際にエマルジョン化するなどして分液性状も良好とならず、多すぎると容積効率が悪く経済面でも不利となり、さらに、親水性である場合には分液有機層の水分量が増えて有機層中の残存金属量が逆に増える場合もあるので、好ましくは重合反応液に含まれる非プロトン性極性溶媒に対して0.3〜5重量倍、より好ましくは0.5〜3重量倍である。
有機溶媒の合計使用量としては、多すぎると容積効率が悪く経済面でも不利となり、少ないと分液処理の際にエマルジョン化するなどして分液性状も良好とならないため、重合反応液に対して、通常0.4〜8重量倍、好ましくは0.8〜6重量倍である。
【0088】
本発明では、水の代わりに無機塩水溶液を用いることができる。水よりも比重の大きい無機塩水溶液を使用すると分液性状が良くなる場合があるので好適に使用される。酸の水溶液も好適に使用される。有機層が水よりも比重が大きくなる場合や、無機塩由来の元素の混入を避けたい場合には、水が好適に使用される。
無機塩としては、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム等のナトリウム塩、塩化カリウム、臭化カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム等のカリウム塩、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸リチウム、酢酸リチウム等のリチウム塩、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩、塩化カルシウム等のカルシウム塩が挙げられ、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩が好ましい。無機塩濃度は飽和溶解度以下であればよく、分液性状を良くするには高濃度が好ましいが、無機塩が析出する場合があるので、適宜濃度を調節して使用してもよい。水の使用量にとしては、少なすぎると水層に塩が析出したり、エマルジョン化するなど分液性状も良好とならず、多すぎると容積効率が悪く、また非プロトン性極性溶媒を回収再利用する場合には、水層から煩雑な回収操作を行う必要があるため、経済面でも不利となるため、好ましくは非プロトン性極性溶媒に対して0.1〜2重量倍、より好ましくは0.2〜1重量倍である。
【0089】
分液処理に使用する酸は、重合で使用した遷移金属化合物や還元剤に由来する金属成分を溶解させるために使用する。酸で溶解させることで金属成分を効率よく水層に抽出でき、分液性状の向上や精製効率を向上できる。酸としては、塩酸、硫酸、臭化水素酸、硝酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等が挙げられ、塩酸、硫酸、臭化水素酸、硝酸、メタンスルホン酸が好ましい。酸の使用量は、多すぎると中和処理等の廃棄物処理の負荷が増大するので、通常、使用した金属の合計量に対して、0.1〜100モル倍、好ましくは、0.2〜30モル倍である。
【0090】
分液処理の際に使用する有機溶媒、水分、酸の混合順番は、特に制限はないが、先に酸を加えておくと金属の溶解が速く済み分液処理操作が迅速に実施できるので好ましく、その際に有機溶媒で希釈しておいてもよい。
【0091】
分液処理工程では、重合反応溶液、芳香族炭化水素系溶媒、含酸素原子有機溶媒、水と酸を混合させて処理するが、具体的な組み合わせとして好ましいのは、重合反応溶液の溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドのいずれか、芳香族炭化水素系溶媒としてはトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジベンジルエーテルのいずれか、含酸素原子有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのいずれか、水又は無機塩水溶液、酸としては塩酸、硫酸、臭化水素酸のいずれかを使用する組み合わせが挙げられる。より好ましくは、重合反応溶液の溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド又はN−メチル−2−ピロリドンを使用し、芳香族炭化水素系溶媒としてはトルエン又はキシレン、含酸素原子有機溶媒としてはテトラヒドロフラン又はメチルエチルケトン、水、酸としては、塩酸又は臭化水素酸の組み合わせが上げられる。特に好ましい組み合わせは、芳香族炭化水素系溶媒としてトルエン、含酸素原子有機溶媒としてメチルエチルケトンを使用する組み合わせであり、分液性状の面、また、溶媒を回収再利用する経済性の面で特に優れており有利である。
【0092】
分液処理する際の温度は、特に制限はないが、低すぎると塩析出や有機層の粘度上昇により分液性状が悪化し、高すぎると沸騰したりするなど取扱いが難しいので、通常、系の凝固点〜沸点、好ましくは室温〜沸点以下の範囲である。
【0093】
分液処理する際の混合する時間は、特に制限されないが、あまりに短いと混合が不十分になるので、通常0.1〜5時間、好ましくは0.2〜3時間程度である。
【0094】
混合を停止して静置させることで有機層と水層に分離させることができる。静置させる時間は、分離操作し得るくらいに液界面が認識できればよく、特に制限されない。
【0095】
水層を一旦分離し、残ったポリアリーレンを含有する有機層にさらに水を加えて、二回目の分液処理を実施してもよい。この操作によりさらに有機層中の金属成分を除去することもできる。また必要に応じて、例えば、有機層が目標とする金属含有量に達するまで、さらに抽出を重ねてもよい。この場合に使用する水としては、前記したものが使用できる。
【0096】
二回目以降の分液処理では、重合反応液由来の非プロトン性極性溶媒がそれ以前の抽出により水層側に徐々に除去されるため、有機層の粘度が上昇する場合がある。その場合には、粘性を低下させるため非プロトン性極性溶媒を新たに追加してもよい。
【0097】
上記のようにして得られた有機層には、主に目的物であるポリアリーレン、重合反応液から持ち込んだ非プロトン性極性溶媒、そして有機溶媒が含まれ、水層には主に、水分、金属成分と非プロトン性極性溶媒の一部が含まれる。
【0098】
得られた有機層は、必要に応じて濃縮し、ポリアリーレン溶液として使用することができる。スルホン酸エステル又はアミド基を有するポリアリーレンの場合は、公知の方法に従い(例えば特許文献4、5参照。)、酸もしくはアルカリで加水分解するか、もしくは、アルカリ金属ハロゲン化物又はハロゲン化四級アンモニウム塩とを反応させ次いで酸処理することで、固体高分子型燃料電池の高分子電解質として有用なスルホン酸基を有するポリアリーレンを製造することができる。
【0099】
また前記の重合条件で得られたポリアリーレンを含む重合反応液を、重合溶媒の貧溶媒と混合してポリアリーレンを析出させた後、濾別回収し、回収した固体を非プロトン性極性溶媒、芳香族炭化水素系溶媒と含酸素原子有機溶媒(含酸素原子有機溶媒とは、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、又はアルコール系溶媒のことを示す。)、酸、水を混合させることでポリアリーレンを有機層に、不純物としての金属成分を水層に分配させて分離し、分液処理することもできる。その方法について説明する。
【0100】
非プロトン性極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。その使用量は、重合反応で使用したモノマーに対して、通常1〜200重量倍、好ましくは5〜100重量倍である。
【0101】
分液処理する前に、予めポリアリーレンと非プロトン性極性溶媒を混合しておくと、ポリアリーレンが溶解しやすくなるため、分液処理の操作時間を短縮できるので好ましい。
【0102】
その後の操作は、前記[0086]〜[0097]に記載の条件と同じ条件で行うことができポリアリーレンを製造することができる。
【0103】
以上のように得られたポリアリーレンの分子量や構造は、ゲル浸透クロマトグラフィー、NMR等の通常の分析手段により分析することができる。
【実施例】
【0104】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。得られたポリアリーレンを、ゲル浸透クロマトグラフィーにより分析(分析条件は下記のとおり)し、分析結果からポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出した。
<分析条件>
測定装置:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム:TSK−GEL(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
移動相:臭化リチウム含有N,N−ジメチルホルムアミド(臭化リチウム濃度:10mmol/dm
流量:0.5mL/分
検出波長:300nm
【0105】
金属含量は、以下の条件により分析した。
<分析条件>
硫硝酸分解−塩酸溶解−ICP発光分析
【0106】
[製造例1]
冷却装置を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で、臭化ニッケル151mg、2,2’−ビピリジン162mg、下記式

で示されるスミカエクセルPES 3600P(住友化学株式会社製;Mw=40,000、Mn=24,000:上記分析条件で測定)1.09g、及びN,N−ジメチルアセトアミド50mLを室温で加え、65℃に昇温してニッケル含有溶液を調製した。これに、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)1.9gを加え、さらに亜鉛粉末450mg加え、60℃で4時間重合反応を行い、下記

で示される繰り返し単位と下記


で示されるセグメントとを含むポリアリーレンを含む重合反応液を得た。ポリアリーレンのMwは164,000、Mnは65,000であった。
【0107】
[実施例1]
製造例1で得られた重合反応液100重量部にトルエン50重量部、15重量%塩化ナトリウム水75重量部、19重量%塩酸12重量部、テトラヒドロフラン75重量部を加え、60℃で攪拌した。15分静置したところ、分液し、上層はやや粘性がある白濁液、下層は薄青色透明液となった。析出物はなく界面は良好であった。下層の水層を分離して、製造例1で示されるポリアリーレンを含む上層(有機層)を140重量部得た。室温まで冷却しても析出物はなく、また、ゼリー状にもならず、良好な性状であった。
【0108】
[比較例1]
実施例1で、テトラヒドロフラン75重量部を加えないで、60℃で攪拌した。30分静置したところ、上層と下層に分離したが界面は不良であり、また、上層には白色物が析出しており、液を分離することは困難であった。
【0109】
[実施例2]
製造例1で得られた重合反応液100重量部にメチルエチルケトン60重量部、15重量%塩化ナトリウム水80重量部、19重量%塩酸12重量部、トルエン50重量部を加え、60℃で攪拌した。15分静置したところ、分液し、上層(有機層)は白濁液、下層は薄青色透明液となった。析出物はなく界面は良好であった。室温まで冷却しても析出物はなく、また、ゼリー状にもならず、良好な性状であった。
【0110】
[比較例2]
実施例2で、トルエン50重量部を加えないで、60℃で攪拌した。30分静置したところ、上層と下層に分離したが界面は不良であり、また、上層には白色物が析出しており、液を分離することは困難であった。
【0111】
[比較例3]
製造例1で得られた重合反応液100重量部に硫酸を10重量部加え、酢酸エチル90重量部、10重量%塩化ナトリウム水50重量部、50℃で攪拌した。30分静置したところ、上層と下層に分離したが界面は不良であり、また、上層には白色物が析出しており、液を分離することは困難であった。
【0112】
[比較例4]
製造例1で得られた重合反応液100重量部に、酢酸エチル75重量部、テトラヒドロフラン75重量部、10重量%塩化ナトリウム水100重量部、19重量%塩酸13重量部を加え60℃で攪拌した。30分静置したところ、上層と下層に分離したが、上層(有機層)には析出物があり液を分離することは困難であった。
【0113】
[比較例5]
製造例1で得られた重合反応液100重量部に硫酸を10重量部加え、メチルイソブチルケトン90重量部、10重量%塩化ナトリウム水50重量部、50℃で攪拌した。30分静置したところ、上層と下層に分離したが界面は不良であり、また、上層には白色物が析出しており、液を分離することは困難であった。
【0114】
[比較例6]
製造例1で得られた重合反応液100重量部に、メチルイソブチルケトン50重量部、テトラヒドロフラン50重量部、10重量%塩化ナトリウム水75重量部、19重量%塩酸13重量部を加え60℃で攪拌した。30分静置したところ、上層と下層に分離したが、上層(有機層)は粘性があり室温まで冷却するとゼリー状となり液を分離することは困難であった。
【0115】
[実施例3]
製造例1と同様の操作で得られた重合反応液100重量部にトルエン50重量部、テトラヒドロフラン50重量部、酢酸4重量部、15重量%塩化ナトリウム水50重量部、80℃で2時間攪拌した。その後、30分静置したところ、分液し、上層(有機層)はやや灰色懸濁液、下層は薄青色透明液となった。析出物はなく界面は良好であった。水層を分離後、上層を133重量部得た。有機層中の金属量はNi14ppm、Zn600ppmであり、それぞれ、重合反応液から持ち込んだ量の9割程度除去できている。
得られた有機層を減圧下、濃縮し、トルエンとテトラヒドロフランを留去後、N,N−ジメチルアセトアミドを加えて、ポリアリーレンを含む溶液を80重量部得た。30重量%臭化リチウム水を11重量部加えて、120℃で8h加熱し、脱保護反応を行った。得られた反応マスを塩酸に注ぎ込みポリアリーレンを析出させて、液を分離後、析出した析出ポリアリーレンを塩酸洗浄、水洗浄、メタノール洗浄して、減圧乾燥して薄黄色ゲル状固体として、下記

で示される繰り返し単位と下記

で示されるセグメントを含むポリアリーレン3.3重量部を得た。H−NMRスペクトルを測定し、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。得られたポリアリーレンのイオン交換容量(滴定法により測定)は、2.53meq/gであった。金属含量はNi<10ppm、Zn<10ppmであった。
【0116】
[実施例4]
製造例1と同様の操作で得られた重合反応液100重量部にトルエン50重量部、19重量%塩酸9重量部を加え80℃に昇温した。混合物の色目は黒色から緑色に変化した。続いて、メチルエチルケトン80重量部、15重量%塩化ナトリウム水70重量部を加え60℃で1時間攪拌した。その後、30分静置したところ、分液し、上層は白色懸濁液、下層は薄青色透明液となった。析出物はなく界面は良好であった。水層を分離後、残った有機層に15重量%臭化リチウム水36重量部を加え60℃で1時間攪拌し、その後、30分静置したところ、分液し、上層(有機層)は白色懸濁液、下層は無色透明液となった。水層を分離し二回目洗浄後、上層を132重量部得た。有機層中の金属量はNi<10ppm、Zn490ppmであり、それぞれ、重合反応液から持ち込んだ量の9割程度除去できている。
得られた有機層を減圧下、濃縮し、トルエンとメチルエチルケトンを留去後、N,N−ジメチルアセトアミドを加えて、ポリアリーレンを含む溶液を80重量部得た。30重量%臭化リチウム水を11重量部加えて、120℃で8h加熱し、脱保護反応を行った。得られた反応マスを塩酸に注ぎ込みポリアリーレンを析出させて、液を分離後、析出した析出ポリアリーレンを塩酸洗浄、水洗浄、メタノール洗浄して、減圧乾燥して薄黄色ゲル状固体として実施例5に示したセグメントを含むポリアリーレン3.2重量部を得た。H−NMRスペクトルを測定し、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。得られたポリアリーレンのイオン交換容量(滴定法により測定)は、2.47meq/gであった。金属含量はNi<10ppm、Zn<10ppmであった。
【0117】
[比較例7]
製造例1と同様の操作で得られた重合反応液100重量部に27重量%臭化リチウム水を13重量部加えて、120℃で8h加熱し、脱保護反応を行った。得られた反応マスを塩酸に注ぎ込みポリアリーレンを析出させて、液を分離後、析出したポリアリーレンを塩酸洗浄、水洗浄、メタノール洗浄して、減圧乾燥して灰茶色ゲル状固体として実施例3に示したセグメントを含むポリアリーレン3.4重量部を得た。H−NMRスペクトルを測定し、2,2−ジメチルプロポキシスルホニル基が定量的にスルホン酸基に変換されていることを確認した。得られたポリアリーレンのイオン交換容量(滴定法により測定)は、2.48meq/gであった。金属含量はNi200ppm、Zn560ppmであった。分液処理した実施例3及び実施例4と比較して金属が大量に残存していることがわかる。
【0118】
[実施例5]
製造例1と同様の操作で得られた重合反応液100重量部にジベンジルエーテル100重量部、19重量%塩酸50重量部、メチルエチルケトン200重量部を加え、60℃で攪拌した。15分静置したところ、分液し、上層(有機層)はやや粘性がある白濁液、下層は薄青色透明液となった。析出物はなく界面は良好であった。下層の水層を分離して、製造例1で示されるポリアリーレンを含む上層を375重量部得た。
【0119】
[比較例8]
実施例5で、メチルエチルケトンを加えないで、60℃で攪拌した。30分静置したところ、上層と下層に分離したが界面は不良であり、また、上層はゲル化し、且つ、白色物が析出しており、液を分離することは困難であった。
【0120】
[製造例2]
下記式

で示されるスミカエクセルPES 3600P(住友化学株式会社製;Mw=37,000、Mn=22,000:上記分析条件で測定)10.68gと亜鉛粉末2.60gとN−メチル−2−ピロリドン124.3gとを混合し、80℃に調整した。メタンスルホン酸72mgとN−メチル−2−ピロリドン4.7gから成る溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。20℃に冷却後、4,4’−ジクロロビフェニル−2,2’−ジスルホン酸ジ(2,2−ジメチルプロピル)を17.35g加えた(これを溶液Aとする。)。溶液Aの水分含量は573ppmであった。臭化ニッケル1.45gと2,2’−ビピリジン1.55gとN−メチル−2−ピロリドン129.2gとを混合し、65℃で2時間撹拌した。20℃に冷却後、水分含量が1519ppmとなるように水を添加した(これを溶液Bとする。)。溶液Bを、溶液Aに注ぎ込み、20℃で9時間撹拌し、製造例1で示したセグメントを含むポリアリーレンを含む重合反応液を得た。ポリアリーレンのMwは408,000、Mnは134,000であった。
【0121】
[実施例6]
製造例2と同様の操作で得られた重合反応液100重量部にトルエン150重量部、19重量%塩酸40重量部、メチルエチルケトン160重量部を加え80℃に昇温し30分撹拌した。混合物の色目は黒色から緑色に変化した。その後、15分静置したところ、分液し、上層(有機層)は白色懸濁液、下層は薄青色透明液となった。析出物はなく界面は良好であった。水層を分離し、上層を376重量部得た。有機層中の金属量はNi15ppm、Zn500ppmであり、それぞれ、重合反応液から持ち込んだ量の9割程度除去できている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個の脱離基が芳香族環に結合している芳香族化合物を、非プロトン性極性溶媒中、遷移金属化合物の存在下重合させて得られるポリアリーレンを含む重合反応液と、芳香族炭化水素系溶媒、含酸素原子有機溶媒、酸及び水とを混合させ、前記ポリアリーレンを有機層に、不純物としての金属成分を水層に分配させて前記有機層と前記水層とを分離することを特徴とするポリアリーレンの製造方法。
【請求項2】
式(1)


(式中、Aは、同一又は相異なり、1又は2個の炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基、又は炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。ここで、炭化水素基及びアルコキシ基は、それぞれ、フッ素原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基で置換されていてもよい。)
で示される基を有し、且つ2個の脱離基が芳香族環に結合している芳香族化合物を、非プロトン性極性溶媒中、遷移金属化合物の存在下重合させて得られるポリアリーレンを含む重合反応液と、芳香族炭化水素系溶媒と含酸素原子有機溶媒、酸及び水とを混合させ、ポリアリーレンを有機層に、不純物としての金属成分を水層に分配させて前記有機層と前記水層とを分離することを特徴とするポリアリーレンの製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の式(1)で示される基を有し、且つ2個の脱離基が芳香族環に結合している芳香族化合物が、
式(2)


(式中、Aは、請求項2の式(1)で定義したものと同じ意味を表す。Rは、同一又は相異なりフッ素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアシル基又はシアノ基を表す。ここで、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基及び炭素数2〜20のアシル基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
また、置換部位が隣接する2つのRが結合して環を形成していてもよい。
Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、mは1又は2を表し、kは0〜3の整数を表す。)
で示される芳香族化合物、又は、
式(3)


(式中、A、R、Xは、前記と同じ意味を表し、jは互いに独立に0〜3の整数を表す。)
で示される芳香族化合物である請求項2に記載のポリアリーレンの製造方法。
【請求項4】
前記芳香族化合物が、請求項3に記載の式(2)又は式(3)で示される芳香族化合物に加えて式(4)

(式中、a、b及びcは同一又は相異なって、0又は1を表し、hは5以上の整数を表す。
Ar、Ar、Ar及びArは、同一又は相異なって、2価の芳香族基を表す。
ここで、2価の芳香族基は、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基;
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ基;及び、
フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数6〜20のアリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい炭素数2〜20のアシル基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基で置換されていてもよい。
及びYは、同一又は相異なって、単結合、−CO−、−SO2−、−C(CH32−、−C(CF32−又はフルオレン−9,9−ジイル基を表す。
及びZは、同一又は相異なって、−O−又は−S−を表す。Xは前記と同じ意味を表す。)
で示される芳香族化合物を含む混合物である請求項2又は3に記載のポリアリーレンの製造方法。
【請求項5】
前記遷移金属化合物が、Ni化合物、Pd化合物、Fe化合物、Zn化合物、又はMn化合物のいずれか或はその組み合わせである請求項1〜4のいずれかに記載のポリアリーレンの製造方法。
【請求項6】
前記非プロトン性極性溶媒が、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、又はスルホランである請求項1〜5のいずれかに記載のポリアリーレンの製造方法。
【請求項7】
前記含酸素原子有機溶媒が、エーテル系溶媒又はケトン系溶媒である請求項1〜6のいずれかに記載のポリアリーレンの製造方法。
【請求項8】
前記酸が、塩酸、硫酸、臭化水素酸、硝酸又はメタンスルホン酸である請求項1〜7のいずれかに記載のポリアリーレンの製造方法。
【請求項9】
水が、水又は無機塩水溶液である請求項1〜8のいずれかに記載のポリアリーレンの製造方法。
【請求項10】
2個の脱離基が芳香族環に結合している芳香族化合物を、遷移金属化合物の存在下重合させ得られるポリアリーレンを単離し、次いで、該ポリアリーレン、非プロトン性極性溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、含酸素原子有機溶媒、酸及び水とを混合させ、ポリアリーレンを有機層に、不純物としての金属成分を水層に分配させて、前記有機層と前記水層とを分離することを特徴とするポリアリーレンの製造方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法で得られるポリアリーレン。

【公開番号】特開2009−275219(P2009−275219A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98843(P2009−98843)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】