説明

ポリウレタン組成物

【課題】耐黄変性、透明性、耐熱性、耐候性を改良したポリウレタンを提供する。
【解決手段】(1)ポリオール組成物と(2)イソシアネート基含有化合物を含むポリウレタン組成物であって、前記(1)ポリオール組成物が(1−i)水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物、(1−ii)酸化防止剤、(1−iii)光安定剤、(1−iv)紫外線吸収剤、(1−v)硬化触媒を含むことを特徴とするポリウレタン組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタン組成物及びそれから得られるポリウレタン硬化物(以下、単にポリウレタンともいう)に関し、特に耐熱性が高く黄変性の少ないかつ透明性に優れるポリウレタン硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンは通常ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物の重付加反応によって得られ、弾力性のある優れた物性を有しているため、繊維、フィルム、フォーム、塗料、接着剤等多くの分野で使用され、様々なポリウレタン組成物が提案されている。例えば、特許文献1では太陽電池用のポリウレタン組成物、特許文献2〜4ではタッチパネル用のポリウレタン組成物が開示されている。
【0003】
特に、トリレンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系のイソシアネートを主成分としたポリウレタンは高度のゴム弾性を有し、広範囲な用途に使用されている。しかし、芳香族系イソシアネートを原料としたポリウレタンは、日光や酸化窒素ガス(NOx)等の作用により、黄変劣化するという問題があった。このため、黄変劣化を起こしにくいポリウレタン組成物が提案されている(特許文献5〜7)。しかしながら、これらの組成物は、日光や酸化窒素ガス等による黄変劣化の防止がまだ十分満足すべきものではなかった。また、温和な環境下では、初期の透明性・無黄変を維持するが、高温雰囲気や、多湿な環境に暴露されると、黄変や曇りが発生し、光の透過性が低下し、さらには溶けや変形を生じ、さらなる改良が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−312410号公報
【特許文献2】特開平6−180628号公報
【特許文献3】特開平7−141107号公報
【特許文献4】特開平7−195623号公報
【特許文献5】特開2003−147195号公報
【特許文献6】特開2007−239157号公報
【特許文献7】特開2009−19062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、耐黄変性、透明性、耐熱性、耐候性を改良したポリウレタンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、以下のポリウレタン組成物等が提供される。
1.(1)ポリオール組成物と(2)イソシアネート基含有化合物を含むポリウレタン組成物であって、前記(1)ポリオール組成物が
(1−i)水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物
(1−ii)酸化防止剤
(1−iii)光安定剤
(1−iv)紫外線吸収剤
(1−v)硬化触媒
を含むことを特徴とするポリウレタン組成物。
2.前記(1−i)水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物が、水酸基含有ポリブタジエン水素化物又は水酸基含有ポリイソプレン水素化物である1記載のポリウレタン組成物。
3.前記(1−ii)酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、セミヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤から選択される少なくとも1種である1又は2記載のポリウレタン組成物。
4.前記(1−iii)光安定剤が、ヒンダードアミン系化合物である1〜3のいずれか記載のポリウレタン組成物。
5.前記(1−iv)紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、カルバジド系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリルレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系紫外線吸収剤から選択される少なくとも1種である1〜4のいずれか記載のポリウレタン組成物。
6.前記(1)ポリオール組成物が、さらに(1−vi)白色フィラーを含む1〜5のいずれか記載のポリウレタン組成物。
7.前記(2)イソシアネート基含有化合物が、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、並びにこれらのブロックイソシアネート、ポリイソシアネート及びプレポリマーから選択される少なくとも1種である1〜6のいずれか記載のポリウレタン組成物。
8.前記(2)イソシアネート基含有化合物を、前記(1−i)水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物の水酸基に対し、NCO/OHの当量比で0.6〜2.0含み、
前記(1−i)水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物を100重量部としたとき、前記(1−ii)酸化防止剤、(1−iii)光安定剤、(1−iv)紫外線吸収剤をそれぞれ0.05〜10重量部、前記(1−v)硬化触媒を10重量部以下含む1〜6のいずれか記載のポリウレタン組成物。
9.1〜8のいずれか記載の組成物を重合して得られるポリウレタン硬化物。
10.LED用封止材、LED用防水材、電子基板用封止材、電子基板用防水材、光学レンズ、フィルム、看板、接着剤、粘接着シート、合成皮革、人工皮革、シーリング材、防振シート又は放熱シートである9記載のポリウレタン硬化物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耐黄変性、透明性、耐熱性、耐候性が改良されたポリウレタンを提供できる。
本発明によれば、耐黄変性、耐熱性、耐候性が改良された白色ポリウレタンを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[ポリオール主剤]
ポリオールとは、ポリウレタンの主原料で、1分子中に1つ以上水酸基を有する物質の総称であり、水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物が挙げられる。水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物とはポリマー中に水酸基を含有しており、またポリマー中にジエン構造を有するものを水素化したものである。好ましくは水酸基の位置が分子鎖末端にあるものである。また炭素−炭素結合で構成されたものが好ましい。炭素−炭素結合は、エステルやエーテルよりも結合が強いため長時間の耐候性に優れる。
【0009】
水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物としては水酸基含有ポリブタジエン水素化物や水酸基含有ポリイソプレン水素化物がある。本発明に用いる好ましい水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物は窒素を含まない。
水酸基含有ジエンポリマー水素化物の数平均分子量は、低すぎると硬化物が硬くなる場合があり、高すぎると反応性が低下する場合がある。好ましくは300〜25000、より好ましくは500〜4000程度である。
【0010】
以下、代表的な水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物として水酸基含有ポリイソプレン水素化物を例にとり製造方法等について説明するが、他の水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物にもほぼ同様に当てはまる。
【0011】
[水酸基含有ポリイソプレン(水酸基含有イソプレン系重合体)]
水酸基含有ポリイソプレンは公知の方法により容易に製造することができる。以下に製造方法を例示するが、これに限定されない。
例えば、イソプレンモノマーを、過酸化水素、水酸基を有するアゾ化合物(例えば、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド等〕又は水酸基を有するパーオキシド(例えばシクロヘキサノンパーオキサイド等)を重合開始剤としてラジカル重合することにより水酸基含有液状ポリイソプレンが得られる。重合開始剤の使用量はジエンモノマー100gに対して例えばH1.0〜50g、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕5.0〜100g、シクロヘキサノンパーオキサイド5.0〜100gが適当である。重合は無溶媒で行うことも可能であるが、反応の制御の容易さ等のため溶媒を用いるのが好ましい。溶媒としてはエタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等が通常用いられる。反応温度は80〜150℃、反応時間は0.5〜15時間が適当である。
【0012】
また、ナフタレンジリチウム等の触媒を用いてイソプレンモノマーをアニオン重合させてイソプレンリビングポリマーを製造し、さらにモノエポキシ化合物等を反応させることによっても水酸基含有液状ポリイソプレンを得ることができる。重合は無溶媒で行うことも可能であるがラジカル重合の場合と同様の観点から溶媒を用いるのが好ましい。溶媒としてはヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素が用いられる。反応温度は50〜100℃、反応時間は1〜10時間が適当である。
【0013】
重合時にイソプレンに対し50mol%以下の割合で他のモノマーを添加することもできる。他のモノマーの例として、炭素数2〜22の付加重合性モノマー(ブテン、ペンテン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸及びそのエステル、メタクリル酸及びそのエステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリルアミド等)、炭素数4〜22のジエンモノマー(ブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエン等)が挙げられる。
【0014】
反応終了後に溶液を減圧下で蒸留すれば溶剤が除去され、水酸基含有ポリイソプレンが得られる。この液状水酸基含有ポリイソプレンの数平均分子量は、好ましくは300〜25000、より好ましくは500〜10000である。水酸基含有量は好ましくは0.1〜10mol/kg、より好ましくは0.3〜7mol/kgである。また、構造はシス−1,4構造及びトランス−1,4構造の合計が70%以上を占めることが好ましい。水酸基は分子鎖末端、分子鎖内部いずれにあってもよいが、分子鎖末端にあるものが望ましい。
2種以上の液状水酸基含有ポリイソプレンを使用することもできる。
【0015】
[水酸基含有ポリイソプレン水素化物]
水酸基含有ポリイソプレン水素化物は、均一系触媒、不均一系触媒等を用いる公知の方法により、例えば上記のように製造した液状水酸基含有ポリイソプレンを水素化することにより得ることができる。以下に製造方法を例示するが、これに限定されない。
【0016】
均一系触媒を用いる場合、ヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素やベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を溶媒とし、常温〜150℃の反応温度で常圧〜50kg/cmGの水素圧下で水素添加反応が行われる。均一系触媒としては、遷移金属ハライド、アルミニウム、アルカリ土類金属又はアルカリ金属等のアルキル化物との組合せによるチーグラー触媒等をポリマーの2重結合あたり0.01〜0.1mol%程度使用する。反応は通常1〜24時間で終了する。
【0017】
不均一系触媒等を用いる場合、ヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素やベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類等又はこれらの混合系を溶媒とし、常温〜200℃の反応温度で常圧〜100kg/cmGの水素圧下で水素添加反応が行われる。不均一系触媒としてはニッケル、コバルト、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム等の触媒を単独で又はシリカ、ケイソウ土、アルミナ、活性炭等の担体に担持して用いる。使用量はポリマー重量に対し0.05〜10重量%が適当である。これらの触媒は、混合して用いてもよい。反応は通常1〜48時間で終了する。
【0018】
反応終了後に触媒をろ別して、溶液を減圧下で蒸留すれば溶剤が除去され、水酸基含有ポリイソプレン水素化物が得られる。この水酸基含有ポリイソプレン水素化物は、数平均分子量は好ましくは300〜25000、より好ましくは500〜10000である。水酸基含有量は好ましくは0.1〜10mol/kgである。
【0019】
水素化反応後における重合体中の不飽和二重結合の水素化の割合(水素化率)は下式で表される。
水素化率(%)=(A−B)/A×100
A:水素化前の重合体の臭素価
B:水素化後の重合体の臭素価
【0020】
水素化物の水素化率は好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上である。
【0021】
2種以上の水酸基含有ポリイソプレン水素化物の混合物、又は水酸基含有ポリイソプレンとその水素化物の混合物を用いることもできる。
【0022】
尚、良好な物性の硬化体を得るためには、水酸基含有ポリイソプレン水素化物の1分子当たりの平均水酸基数は、好ましくは1.7以上、さらに好ましくは2.0以上である。
【0023】
[酸化防止剤]
酸化防止剤とは、熱や酸化によってゴムやプラスチックの主構成要素である高分子鎖の分裂・分解により発生したラジカルを捕捉し、自動酸化を防ぐ物質である。ヒンダードフェノール系、セミヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系の酸化防止剤を用いることができる。
【0024】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の例として、ペンタエリスリートールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ,C7−C9側鎖アルキルエステル、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、4,6‐ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート、3,5−ジ(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシトール、3,6−ジオキサオクタメチレンビス(3−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス〔2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)エチル〕イソシアヌラート、チオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル3ジ−n−オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、オクタデシル−3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが挙げられる。
【0025】
セミヒンダードフェノール系酸化防止剤の例として、メチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、トリエチレングリコールビス[β−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ハイドロキシ−5−tertブチルベンジル)スルフィド、テレフタロイル−ジ−(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ハイドロキシベンジルスルフィド、3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
【0026】
硫黄系酸化防止剤の例として、ジオクタデシル3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルル−3,3’−チオジプロピオネートジラウリル−3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミシスチルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジステアリル−β,β’−チオジブチレート、3,3’チオジプロピオン酸、ペンタエリスリトールテトラ(β−ラウリルチオプロピオン酸エステル)、ビス[3,3’−ビス(4’ハイドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが挙げられる。
【0027】
リン系酸化防止剤の例として、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、トリスノニルフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)フォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリラウリルホスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、トリオレイルフォスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)フォスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ジエチルハイドロゲンホスファイト、ビス(2−エチルヘキシル)ハイドロゲンフォスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジオレイルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(C12〜C15アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)フォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルフォスファイト、ジラウリルハイドロゲンフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリオレイルフォスファイト、テトラフェニルテトラトリデシルペンタエリスリトールテトラフォスファイト、ジエチルエステルオブ3,5−ジ−tert−ブチル−4−ハイドロキシベンジルホスホリックアッシド、フェニルジイソデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニル(トリデシル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、トリス(4−フェニルフェノール)ホスファイト、ジフェニルノニルフェニルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ジノニルフェニルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスホフェナンスレン−10−オキサイド、ビス[2−t−ブチル−6−メチル−4−{2−(オクタデシルオキシカルボニル)エチル}フェニル]ヒドロゲンホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、トリフェニルホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビ(2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、ビス[2−[[2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン等が挙げられる。
【0028】
添加量は、水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物100重量部に対して、0.05〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。添加量が0.05重量部未満では効果が十分発揮されない場合があり、10重量部を越えて添加しても増量に見合うだけの効果が得難く経済的にも不利となったり、ウレタン化反応を阻害する一因となる場合がある。
【0029】
[光安定剤]
光安定剤とは、光によって発生する分解物に作用して、無毒化し、高分子鎖の劣化を防ぐ物質である。例えば、以下の構造のヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が挙げられ、Rの種類によって、R−CHタイプ、R−Hタイプ、R−OHタイプ又はR−ORタイプがある。
【0030】
【化1】

[RはCH、H、OH又はOR(Rはアルキル鎖を示す)を示し、Rは任意の構造を示す。]
【0031】
ヒンダードアミン系光安定剤の例として、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、オレフィン(C20−C24)・無水マレイン酸・4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン共重合物、ビス(2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N、Nジホイルミルヘキサメチレンジアミン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、セバシン酸モノ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル−マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、セバシン酸モノ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチルアミノ)−S−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート等が挙げられ、好ましいのは、R−CHタイプのHALSである。R−CHタイプは、一般的なR−Hタイプ、R−OHタイプに比べて、塩基性が低下するため、酸化防止剤や紫外線吸収剤との負の相乗作用(拮抗作用)が緩和される。特に好ましくは、TINUVIN292である。
【0032】
添加量は、水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物100重量部に対して、0.05〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。添加量が0.05重量部未満では効果が十分発揮されない場合があり、10重量部を越えて添加しても増量に見合うだけの効果が得難く経済的にも不利となったり、ウレタン化反応を阻害する一因となる場合がある。
【0033】
[紫外線吸収剤]
紫外線吸収剤とは、紫外領域に吸収をもつ物質で、紫外線が高分子鎖に作用するよりも前に、紫外線吸収剤自身が紫外線を吸収し、熱等の無害なものに変換し、高分子鎖自身の劣化を防ぐ物質である。例えば、ベンゾトリアゾール系、カルバジド系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、サリチレート系、シアノアクリルレート系、ニッケル錯塩系、トリアジン系、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、桂皮酸エステル系紫外線吸収剤が挙げられる。
【0034】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、オクタベンゾン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホンベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0035】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2’−メチルレンビズ[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、メチル−3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコール300の反応性生物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、オクチル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネート、2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−フェニルフェノール、ベンゼンプロパン酸,3−(2H−ベンゾトリアゾール−2イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−,C7−9の側鎖と直鎖状のアルキルエステル、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、デカンジオニック酸,ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル,1,1−ジメチルエチルヒドロパーオキサイド,オクタンの反応物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロオキシエチレンアミン)−1,3,5−トリアジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−シクロヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5’−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメチルフェニル)−5−カルボン酸ベンゾトリアゾールブチルエステル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ステアリルオキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール2−(2’−ヒドロキシ−5−カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエチルエステル、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−カルボン酸エステルベンゾトリアゾール、2−(2’−アセトキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0036】
サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、レゾルシノルモノベンゾエート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ビドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0037】
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、2,2‐ビス{[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン−1,3−ジイル=ビス(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリラート)、2−シアノ−3’3−ジフェイルアクリル酸−2−エチルヘキシル、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0038】
ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、2−2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2−2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェノレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)等が挙げられる。
【0039】
ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との重縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]、ポリ[(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンと2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
【0040】
カルバジド系紫外線吸収剤としては、例えば、1,1,1’,1’−ジテトラメチレン−4,4’−(メチレンジ−1,4−フェニレン)ジセミカルバジド、1,1,1’,1’−ジテトラメチレン−4,4’−(3−メチレン−3,5,5−トリメチル−1,3−シクロヘキシレン)ジセミカルバジド、1,1,1’,1’−ジテトラメチレン−4,4’−(1,3−シクロヘキシレン−1,3−ジメチレン)ジセミカルバジド、1,1,1’,1’−ジテトラメチレン−4,4’−(2,5(2,6)−ビシクロ[2,2,1]ヘプチレン−2,5(2,6)−ジメチレン)ジセミカルバジド、1,1,1’,1’−ジテトラメチレン−4,4’−(1,3−フェニレン−1,3−ジメチレン)ジセミカルバジド、1,1,1’,1’−ジテトラメチレン−4,4’−ヘキサメチレンジセミカルバジド、1,1,1’,1’−ジテトラメチレン−4,4’−(メチレンジ−1,4−シクロヘキシレン)ジセミカルバジド、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)等が挙げられる。
【0041】
ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、例えば、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニル、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0042】
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール等が挙げられる。
【0043】
桂皮酸エステル系紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−4−メトキシシンナマート等が挙げられる。
【0044】
添加量は、水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物100重量部に対して、0.05〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。添加量が0.05重量部未満では効果が十分発揮されない場合があり、10重量部を越えて添加しても増量に見合うだけの効果が得難く経済的にも不利となったり、ウレタン化反応を阻害する一因となる場合がある。
【0045】
[イソシアネート基含有化合物]
イソシアネート基含有化合物(硬化剤)は、ポリウレタンの主原料であり、1分子中に1つ以上のイソシアネート基を有する物質の総称であり、ポリオールに含まれる水酸基と反応し、ウレタン基を形成する物質である。具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタンジイソシアネートの水素化物(H12MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、キシレンジイソシアネートの水素化物(HXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、テトラメチル−m−キシリデンジイソシアネート(TMXDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、これらイソシアネートの誘導体(アダクト体、ヌレート体、ビウレット体、ウレトジオン体、プレポリマー体、ポリメリック体)等が挙げられる。好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートの水素化物、キシレンジイソシアネートの水素化物、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、これらイソシアネートの誘導体である。より好ましくは、イソフォロンジイソシアネートである。
【0046】
イソシアネート基含有化合物は、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、並びにこれらのブロックイソシアネート、ポリイソシアネート及びプレポリマーが好ましい。これらは、芳香環を含まないために、芳香環のキノン(黄色物質)化が無いためである。
【0047】
イソシアネート基含有化合物は、水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物の水酸基に対し、当量比(NCO/OH)で0.6〜2.0の範囲で添加することができ、好ましくは0.7〜1.3である。NCO/OHが低すぎると、硬化が不良となったり、架橋密度が低下するため耐熱性に劣る材料となる場合がある。また、NCO/OHが高すぎると、硬化物が硬くなる場合がある。
【0048】
[硬化触媒]
硬化触媒とは、ウレタン化反応を促進する物質である。例えば、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、トリエチレンジアミン、テトラメチルグアニジン、N,N,N’N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、ジアザビシクロウンデセン等の三級アミン、ジブチルチンマーカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンジマレエート、N,N,N’N’N’−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1,2−ジメチルイミダゾール、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノ)エチルピペラジン、ジオクチルチンマーカプチド、ジオクチルチンチオカルボキシレート、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等の有機金属化合物、前記3級アミンのカルボン酸塩が挙げられる。
【0049】
添加量は、好ましくは、水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物100重量部に対し最大10重量部である。好ましくは0.05〜10重量部である。10重量部を超える場合、硬化促進効果が頭打ちとなり、局部的な異常反応(ゲル化)が生じる恐れがある。
【0050】
本発明の組成物は、例えば、90%重量以上、95重量%以上、98重量%以上、100重量%が、上記必須成分からなってもよい。
【0051】
[白色フィラー]
本発明のポリウレタン組成物は、好ましくは白色フィラーを含む。本発明のポリウレタン組成物は、白色フィラーを含むことにより、得られる硬化物の反射率等の光学特性の改良及び耐候性の改善が期待でき、その使用用途を広げることができる。
白色フィラーとしては、例えばチタンホワイト(酸化チタン)を使用することができる。当該チタンホワイトは、ルチル型チタンホワイト、アナタース型チタンホワイトに大別されるが、好ましくはルチル型チタンホワイトである。これは、アナタース型チタンホワイトは光活性が高いため、紫外線によりポリウレタンの分解を促進するおそれがあるためである。
【0052】
ルチル型チタンホワイトは市販品を用いることができ、例えばR-930、R−980、R−630、CR−57、CR−Super70、CR−90、CR−80、CR−90−2、CR−93、CR−95、CR−97、PC−3、TTO−55、TTO−51、TTO−S−1、TTO−S−2、TTO−S−3、TTO−S−4、MPT−136、TTO−V−3、TTO−V−4、PF−690(以上全て石原産業株式会社製);SR−1、R−42、R−45M、R−650、D2662、D918(以上全て堺化学株式会社製);JR−301、JR−403、JR−405(以上全てテイカ株式会社製);HT0100、HT0210、HT0514、HT1311、HT1701、HT2301(以上全て東邦チタニウム株式会社製)等が挙げられる。
チタンホワイトはその用途に応じて、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0053】
添加量は、水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物100重量部に対して、好ましくは、0.01〜50重量部である。添加量が0.01重量部未満であると、着色が不十分となるおそれがある他、得られる硬化物の反射率及び耐候性が低下するおそれがある。添加量が50重量部超であると、粘度が上がるおそれがあるうえ、長期保管の際に沈降するおそれがある。
【0054】
[粘度調整剤]
ポリウレタン組成物の粘度を調整するために粘度調整剤を添加することができる。粘度調整剤として、1−デセンオリゴマーの水素化物、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、オレフィンオリゴマー、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタン、アルキルジフェニル、シリコーンオイル、流動パラフィン、パラフィン系オリゴマー等が挙げられる。
【0055】
[着色剤及び顔料]
ポリウレタン組成物に着色剤及び顔料を添加できる。着色剤及び顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、黄鉛、カドミウム系顔料、群青、カーボンブラック、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニン系顔料、建染染料系顔料、キンクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、染付レーキ顔料、アルミニウムや真ちゅう粉末等からなる金属粉顔料、真珠顔料、蛍光顔料等が挙げられる。これら着色剤及び顔料の形態としては、粉末、ペースト状、マスターバッチ、分散性粉末状、潤性着色剤等様々であり、特に限定はされない。配合量について特に制限は無いが、水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物100重量部に対し、好ましくは0.005〜50重量部、より好ましくは0.05〜30重量部である。
【0056】
[その他配合剤]
ポリウレタン組成物には、リン化合物、ハロゲン化合物、酸化アンチモン等の難燃剤、シリコーン化合物等の消泡剤、ゼオライト、生石灰等の発泡抑制剤等を所望により適宜配合することができる。
【0057】
本発明の組成物は、上記成分を適宜混合して製造できる。混合順は特に限定されないが、イソシアネート基含有化合物(硬化剤)以外の材料を攪拌混合したものをポリオール組成物として作製し、その後、硬化剤と混合してウレタン硬化物を得ることが好ましい。
【0058】
本発明の組成物は、加熱等の公知の方法で硬化させることができる。
【0059】
本発明の組成物から得られる硬化物(ポリウレタン)は、長期間において、耐熱性、耐候性、耐水性、耐黄変性、透明性に優れる。好ましくは、硬化物の耐黄変性は、後述する実施例の耐久試験(耐熱性・耐候性・耐高温高湿)のいずれか好ましくは全てにおいて、初期及び試験後のYI(黄色度)が12以下である。好ましくは、硬化物の透明性は、後述する実施例の耐久試験(耐熱性・耐候性・耐高温高湿)のいずれか好ましくは全てにおいて、初期及び耐久試験後の全光線透過率が70%以上及び/又はヘイズ(曇り度)が20以下である。
【実施例】
【0060】
実施例及び比較例で用いた成分を以下に示す。
[水酸基含有共役ジエンポリマー水素添加物]
後述する製造例1で製造したものを用いた。
【0061】
[イソシアネート基含有化合物]
イソフォロンジイソシアネート
【0062】
[白色フィラー]
D-918(チタンホワイト、堺化学工業株式会社製)
【0063】
[硬化触媒]
ジラウリン酸ノルマルブチル錫
【0064】
[酸化防止剤]
酸化防止剤A:3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
酸化防止剤B:オクタデシル−3−(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
酸化防止剤C:ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸
【0065】
[紫外線吸収剤]
紫外線吸収剤:1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)
【0066】
[光安定剤]
光安定剤a:ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートとメチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートの混合品
光安定剤b:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
【0067】
製造例1
(1)水酸基含有液状イソプレン系重合体の調製
1リットルのステンレス製耐圧反応容器に、イソプレン200g、濃度20%の過酸化水素水40g及びイソプロパノール100gを仕込み、温度120℃、最大圧力1MPa、反応時間2時間の条件で反応を行った。反応終了後、分液ロートに反応混合物を入れ、600gの水を添加して震盪し3時間静置した後油層を分取した。この油層から溶媒、モノマー、低沸点成分を2mmHg、100℃、2時間の条件で留去し、水酸基末端液状イソプレン系重合体を66重量%の収率で得た。これの数平均分子量は2190、水酸基含有量は0.98meq/g、粘度は7.1Pa・s(30℃)、臭素価は230g/100gであった。このときの1分子当たりの平均水酸基数(fn)は2.15であった。また、1−NMRによる構造解析結果は、トランス−1,4構造56モル%、シス−1,4構造32モル%、1,2−ビニル構造7モル%、3,4―ビニル構造5モル%であった。
【0068】
(2)水酸基末端液状ポリイソプレンの水素化物の調製
(1)で得た水酸基末端液状イソプレン系重合体100g、ルテニウム含量5重量%のルテニウムカーボン触媒5g及び溶媒としてシクロヘキサン100gを仕込み、8MPaの水素圧下で150℃にて6時間水素化反応を行った。反応終了後、0.45μmのメンブランフィルターを通して反応溶液から触媒を分離除去した後、2mmHg、110℃、2時間の条件で溶媒を留去した。その結果、水酸基含有液状イソプレン系重合体の水素化物が得られた。これの数平均分子量は2270、水酸基含有量は0.99meq/g、粘度は69Pa・s(30℃)、臭素価は2g/100g(水素化率=99%)であった。このときの1分子当たりの平均水酸基数(fn)は2.25であった。
【0069】
実施例1〜4、比較例1〜4
水酸基含有液状イソプレン系重合体水素添加物100重量部に、表1に示すイソフォロンジイソシアネート以外の成分を、表1に示す割合(重量部)で添加し、180℃以下の温度条件で、窒素流下でセパラブルフラスコを用いて、攪拌しながら溶解させた。得られた混合物に、NCO/OHの当量比が1.05となるようにイソフォロンジイソシアネートを加え、攪拌混合し組成物を得た。
【0070】
得られた組成物を、2mm厚の金型にて10MPa、120℃、1時間で硬化させた後、70℃15時間養生を行った。このようにして作製した2mm厚のシートを、適当なサイズに切り出し試験片とした。試験片を用いて、下記の劣化加速試験を実施した。結果を表1に示す。
【0071】
実施例5及び比較例5
水酸基含有液状イソプレン系重合体水素添加物100重量部に、表1に示すイソフォロンジイソシアネート以外の成分を、表1に示す割合(重量部)で添加し、180℃以下の温度条件で、窒素流下でセパラブルフラスコを用いて、攪拌しながら溶解させた。得られた混合物に、NCO/OHの当量比が1.05となるようにイソフォロンジイソシアネートを加え、攪拌混合し組成物を得た。
得られた組成物を、離型フィルム上に流し込み、50μm厚のPETフィルムのスペーサーを挟み、さらにその上から離型フィルムを乗せ、成型機の鉄板の転写を防ぐため2mm厚のアルミ板に挟み、10MPa、120℃、1時間で硬化させた後、70℃15時間養生を行い、50μmのフィルムを作製した。このようにして作製した2mm厚のシートを、適当なサイズに切り出し試験片とした。試験片を用いて、下記の劣化加速試験を実施した。シートと同様にフィルムの試験結果を表1に示す。
【0072】
実施例6及び比較例6
水酸基含有液状イソプレン系重合体水素添加物100重量部に、表1に示すイソフォロンジイソシアネート以外の成分を、表1に示す割合(重量部)で添加し、180℃以下の温度条件で、窒素流下でセパラブルフラスコを用いて、攪拌しながら溶解させた。得られた混合物に、NCO/OHの当量比が1.05となるようにイソフォロンジイソシアネートを加え、攪拌混合しチタンホワイトを含む白色組成物を得た。
得られた組成物を、2mm厚の金型にて10MPa、120℃、1時間で硬化させた後、70℃15時間養生を行った。このようにして作製した2mm厚の白色シートを、適当なサイズに切り出し試験片とした。試験片を用いて、下記の劣化加速試験を実施した。結果を表1に示す。
【0073】
[劣化加速試験]
劣化加速試験は、耐熱試験、耐候性試験、耐高温高湿試験により行った。各劣化加速試験の条件と使用機器を以下に示す。
耐熱試験: 120℃、31日(使用機器:GEAR OVEN GPHH−201、エスペック(株)製)
耐候試験: キセノン照射下、ブラックパネル温度65℃かつ120分中18分間の降雨(使用機器:スーパーキセノンウェザーメーターSX75、スガ試験機(株)製)
耐高温高湿試験: 85℃×85%RH、31日(使用機器:小型環境試験器SH−641、エスペック(株)製)
【0074】
試験片を、劣化加速試験前後の全光線透過率、ヘイズ(曇り度)及びYI(黄色度)により評価した。評価方法は、劣化加速試験前後の試験片(2mm厚)を各測定器でn=3の条件で測定し、その平均値を測定値とした。全光線透過率、ヘイズ及びYIの測定機器を以下に示す。
全光線透過率: ヘイズメーターNDH2000、日本電色(株)製
ヘイズ: ヘイズメーターNDH2000、日本電色(株)製
YI: 測定部;SZ OPTICAL SENSOR、日本電色(株)製
制御部;Σ90 COLOR MESUERING SYSTEM、日本電色(株)製
【0075】
[評価結果]
表1に、耐熱試験のYIの結果、耐候試験の結果、耐高温高湿試験のヘイズの結果を示す。
実施例1〜5の試験片のその他の評価結果は以下に示すように良好であった。
耐熱試験: 全光線透過率70%以上、ヘイズ20%以下
耐候試験: 全光線透過率70%以上、ヘイズ20%以下、YI 12以下
耐高温高湿試験: 全光線透過率70%以上、YI 12以下
実施例6についても、YI 12以下であり、良好な結果を得た。
【0076】
耐候試験後(キセノンを2000時間照射)の試験片につて、耐変形性を以下のように評価した。結果を表1に示す。
耐候試験後の試験片表面が、劣化により溶融している、又は劣化によりべたついている場合を「変形」と評価し、劣化が生じておらず耐候試験前の表面状態を維持している場合を「変化なし」と評価した。
【0077】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の組成物から得られるポリウレタンは、光学材料用封止材、LED用封止材、LED用防水材、電子基板用封止材、電子基板用防水材、電気絶縁材、光学レンズ、フィルム、接着剤、粘接着シート、合成皮革、人工皮革、シーリング材、コーティング材、防振シート、放熱シート等の透明かつ耐水・耐熱性を要求される用途の材料として用いることができる。また、白色フィラーを添加した本発明の組成物では耐水・耐熱性を要求される用途の材料として用いることができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)ポリオール組成物と(2)イソシアネート基含有化合物を含むポリウレタン組成物であって、前記(1)ポリオール組成物が
(1−i)水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物
(1−ii)酸化防止剤
(1−iii)光安定剤
(1−iv)紫外線吸収剤
(1−v)硬化触媒
を含むことを特徴とするポリウレタン組成物。
【請求項2】
前記(1−i)水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物が、水酸基含有ポリブタジエン水素化物又は水酸基含有ポリイソプレン水素化物である請求項1記載のポリウレタン組成物。
【請求項3】
前記(1−ii)酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、セミヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤から選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載のポリウレタン組成物。
【請求項4】
前記(1−iii)光安定剤が、ヒンダードアミン系化合物である請求項1〜3のいずれか記載のポリウレタン組成物。
【請求項5】
前記(1−iv)紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、カルバジド系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリルレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系紫外線吸収剤から選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか記載のポリウレタン組成物。

【請求項6】
前記(1)ポリオール組成物が、さらに(1−vi)白色フィラーを含む請求項1〜5のいずれか記載のポリウレタン組成物。
【請求項7】
前記(2)イソシアネート基含有化合物が、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネート、並びにこれらのブロックイソシアネート、ポリイソシアネート及びプレポリマーから選択される少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか記載のポリウレタン組成物。
【請求項8】
前記(2)イソシアネート基含有化合物を、前記(1−i)水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物の水酸基に対し、NCO/OHの当量比で0.6〜2.0含み、
前記(1−i)水酸基含有共役ジエンポリマー水素化物を100重量部としたとき、前記(1−ii)酸化防止剤、(1−iii)光安定剤、(1−iv)紫外線吸収剤をそれぞれ0.05〜10重量部、前記(1−v)硬化触媒を10重量部以下含む請求項1〜6のいずれか記載のポリウレタン組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか記載の組成物を重合して得られるポリウレタン硬化物。
【請求項10】
LED用封止材、LED用防水材、電子基板用封止材、電子基板用防水材、光学レンズ、フィルム、看板、接着剤、粘接着シート、合成皮革、人工皮革、シーリング材、防振シート又は放熱シートである請求項9記載のポリウレタン硬化物。

【公開番号】特開2011−231317(P2011−231317A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83767(P2011−83767)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】