説明

ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、及びその製造方法

本発明は、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、及びその製造方法である。本発明に従うポリエチレン組成物は、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含む。本発明に従うポリエチレン組成物の密度は0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)は1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)は0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)は2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和は組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である。本発明のポリエチレン組成物を製造するための工程は、(1)エチレンと、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーをハフニウム系メタロセン触媒の存在下、単一段階反応器中での気相(共)重合プロセスにより(共)重合する段階;ならびに(2)それにより、密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満であるポリエチレン組成物を製造する段階を含む。本発明に従う繊維は、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を含み;この際、ポリエチレン組成物の密度は0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)は1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)は0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)は2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和は組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である。本発明に従う繊維を製造するための工程は、(1)(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を選択する段階(この際、ポリエチレン組成物の密度は、0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)は1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)は0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)は2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和は組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である);(2)ポリエチレン組成物を繊維に紡糸する段階;及び(3)それにより繊維を形成する段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年7月10日出願の米国特許仮出願第61/079,453号、標題「TEXTILE FIBER FROM HDPE FOR SOFT WOVEN FABRICS」の優先権を主張する本出願であり、その教示は、下文に全て再現されるように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、その製造方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリマー組成物、例えばポリオレフィンなどを、繊維を製造する際に使用することは一般に公知である。例示的なポリオレフィンとしては、限定されるものではないが、ポリプロピレン組成物が挙げられる。かかる繊維は、織物、例えば織布又は不織布に形成することができる。かかる織物を製造するために様々な技法を用いることができる。かかる技法は一般に当業者に公知である。
【0004】
繊維に適した組成物を開発する研究努力にもかかわらず、強度及び触覚の改良された低デニール/フィラメント糸に紡糸することのできるポリエチレン組成物に対する必要性が依然としてある。さらに、強度及び触覚の改良された低デニール/フィラメント糸に紡糸することのできるポリエチレン組成物を製造するための工程に対する必要性が依然としてある。その上、改良された特性、例えば改良された軟度及びドレープ適性などを有する織布及び不織布の製造を促進するポリエチレン繊維に対する必要性が依然としてある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、及びその製造方法である。本発明に従うポリエチレン組成物は、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含む。本発明に従うポリエチレン組成物の密度は、0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)は1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)は0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)は2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和は組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である。本発明のポリエチレン組成物を製造するための工程は、(1)エチレンと、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを、ハフニウム系メタロセン触媒の存在下、単一段階反応器(single stage reactor)中での気相(共)重合プロセスにより(共)重合する段階;及び(2)それにより、密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満であるポリエチレン組成物を製造する段階を含む。本発明に従う繊維は、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位;を含むポリエチレン組成物であって、この際、ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が、組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満であるポリエチレン組成物を含む。本発明に従う繊維を製造するための工程は、(1)上記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を選択する段階;(2)ポリエチレン組成物を繊維に紡糸する段階;及び(3)それにより繊維を形成する段階を含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態では、本発明は、上記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を提供する。
【0007】
一実施形態では、本発明は、上記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を提供する。
【0008】
一実施形態では、本発明は、上記ポリエチレン組成物の密度が0.930〜0.960g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が1〜50g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満である、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を提供する。
【0009】
一実施形態では、本発明は、上記ポリエチレン組成物の密度が0.940〜0.955g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が3〜10g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満である、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を提供する。
【0010】
一実施形態では、本発明は、上記ポリエチレン組成物の密度が0.930〜0.955g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が3〜10g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満である、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を提供する。
【0011】
一実施形態では、本発明は、上記ポリエチレン組成物の密度が0.930〜0.955g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が5〜10g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満である、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を提供する。
【0012】
一実施形態では、本発明は、上記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.960g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が1〜50g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満である、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を提供する。
【0013】
代替実施形態では、本発明は、(1)エチレンと、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを、ハフニウム系メタロセン触媒の存在下、単一段階反応器中での気相(共)重合プロセスにより(共)重合する段階;及び(2)それにより、密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満であるポリエチレン組成物を製造する段階を含む、ポリエチレン組成物を製造するための方法をさらに含む。
【0014】
代替実施形態では、本発明は、(1)エチレンと、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを、ハフニウム系メタロセン触媒の存在下、単一段階反応器中での気相(共)重合プロセスにより(共)重合する段階;及び(2)それにより、ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満である、本発明のポリエチレン組成物を製造する段階を含む、ポリエチレン組成物を製造するための方法をさらに提供する。
【0015】
代替実施形態では、本発明は、(1)エチレンと、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを、ハフニウム系メタロセン触媒の存在下、単一段階反応器中での気相(共)重合プロセスにより(共)重合する段階;及び(2)それにより、ポリエチレン組成物の密度が0.930〜0.960g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が1〜50g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満である、本発明のポリエチレン組成物を製造する段階を含む、ポリエチレン組成物を製造するための方法をさらに提供する。
【0016】
代替実施形態では、本発明は、(1)エチレンと、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを、ハフニウム系メタロセン触媒の存在下、単一段階反応器中での気相(共)重合プロセスにより(共)重合する段階;及び(2)それにより、ポリエチレン組成物の密度が0.940〜0.955g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が3〜10g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満である、本発明のポリエチレン組成物を製造する段階を含む、ポリエチレン組成物を製造するための方法をさらに提供する。
【0017】
代替実施形態では、本発明は、(1)エチレンと、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを、ハフニウム系メタロセン触媒の存在下、単一段階反応器中での気相(共)重合プロセスにより(共)重合する段階;及び(2)それにより、ポリエチレン組成物の密度が0.930〜0.955g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が3〜10g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満である、本発明のポリエチレン組成物を製造する段階を含む、ポリエチレン組成物を製造するための方法をさらに提供する。
【0018】
代替実施形態では、本発明は、(1)エチレンと、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを、ハフニウム系メタロセン触媒の存在下、単一段階反応器中での気相(共)重合プロセスにより(共)重合する段階;及び(2)それにより、ポリエチレン組成物の密度が0.930〜0.955g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が5〜10g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満である、本発明のポリエチレン組成物を製造する段階を含む、ポリエチレン組成物を製造するための方法をさらに提供する。
【0019】
代替実施形態では、本発明は、(1)エチレンと、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを、ハフニウム系メタロセン触媒の存在下、単一段階反応器中での気相(共)重合プロセスにより(共)重合する段階;及び(2)それにより、ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.960g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が1〜50g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満である、本発明のポリエチレン組成物を製造する段階を含む、ポリエチレン組成物を製造するための方法をさらに提供する。
【0020】
別の代替実施形態では、本発明は、上記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を含む繊維をさらに提供する。
【0021】
別の代替実施形態では、本発明は、(1)上記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を選択する段階;(2)ポリエチレン組成物を繊維に紡糸する段階;及び(3)それにより繊維を形成する段階を含む、繊維を製造するための方法をさらに提供する。
【0022】
別の代替実施形態では、本発明は、上記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むポリエチレン組成物を含む繊維を含む織物をさらに提供する。
【0023】
別の代替実施形態では、本発明は、(1)上記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)が1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)が0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)が2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位;を含むポリエチレン組成物を含む繊維を準備する段階;(2)製織工程、編み工程、メルトブロー工程、スパンボンド工程、エアレイド工程、ニードルパンチ工程、水流交絡工程、エレクトロスピニング工程、及びそれらの組合せからなる群より選択される工程によって繊維を織物に二次加工する段階を含む、織物を二次加工するための方法をさらに提供する。
【0024】
代替実施形態では、本発明は、ハフニウム系触媒が、ハフニウムに基づくビスCpメタロセン触媒であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する(fabricating)方法を提供する。
【0025】
代替実施形態では、本発明は、ハフニウム系触媒が、ジメチルハフニウムに基づくビスCpメタロセン触媒であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0026】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物の密度が0.930〜0.960g/cmの範囲であり、メルトインデックス(I)が1〜50g/10分の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0027】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物の密度が0.940〜0.955g/cmの範囲であり、メルトインデックスIが3〜10g/10分の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0028】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物の分子量分布(M/M)が1.70〜3.25の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0029】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物のビニル不飽和が、組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.05ビニル未満であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0030】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物が、30℃より低いパージピーク(purge peak)を除く、30℃以上での連続昇温溶出分別法(continuous temperature rising elution fraction method)により決定される溶出温度−溶出量曲線上に2未満のピークを有することを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0031】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物が、30℃より低いパージピークを除く、30℃以上での連続昇温溶出分別法により決定される溶出温度−溶出量曲線上に1又はそれ未満のピークを有することを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0032】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物が、30℃より低いパージピークを除く、30℃以上での連続昇温溶出分別法により決定される溶出温度−溶出量曲線上にただ1つのピークを有することを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0033】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物の分子量分布(M/M)が2.3未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0034】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物が15重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むことを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0035】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物が11重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むことを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0036】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物が7重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むことを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0037】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物が5重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むことを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0038】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物が3重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含むことを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0039】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物が長鎖分枝を実質的に含まないことを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0040】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物が長鎖分枝を含まないことを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0041】
代替実施形態では、本発明は、ポリエチレン組成物が、100万部のポリエチレン組成物当たり100重量部未満の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物(hafnium residues remaining from the hafnium based metallocene catalyst)を含むことを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0042】
代替実施形態では、本発明は、繊維のフィラメント当たりのデニールが50g/9000m未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0043】
代替実施形態では、本発明は、繊維のフィラメント当たりのデニールが40g/9000m未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0044】
代替実施形態では、本発明は、繊維のフィラメント当たりのデニールが30g/9000m未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0045】
代替実施形態では、本発明は、繊維のフィラメント当たりのデニールが20g/9000m未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0046】
代替実施形態では、本発明は、繊維のフィラメント当たりのデニールが10g/9000m未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0047】
代替実施形態では、本発明は、繊維のフィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0048】
代替実施形態では、本発明は、繊維のフィラメント当たりのデニールが、3g/9000m未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0049】
代替実施形態では、本発明は、繊維の強度が0.1〜5g/デニールの範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0050】
代替実施形態では、本発明は、繊維の強度が1.5〜5g/デニールの範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0051】
代替実施形態では、本発明は、繊維の強度が2〜5g/デニールの範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0052】
代替実施形態では、本発明は、繊維の強度が2.0〜4.5g/デニールの範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0053】
代替実施形態では、本発明は、繊維の強度が2.5〜4g/デニールの範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0054】
代替実施形態では、本発明は、繊維の強度が2.5〜3.5g/デニールの範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0055】
代替実施形態では、本発明は、繊維の伸びがパーセントで表して1000未満であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0056】
代替実施形態では、本発明は、繊維の伸びがパーセントで表して300未満であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0057】
代替実施形態では、本発明は、繊維の伸びがパーセントで表して150未満であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0058】
代替実施形態では、本発明は、繊維の伸びがパーセントで表して100未満であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0059】
代替実施形態では、本発明は、繊維の熱湯収縮(boiling water shrink)が、パーセントで表して、120℃でアニールした後に30未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0060】
代替実施形態では、本発明は、繊維の熱湯収縮が、パーセントで表して、120℃でアニールした後に20未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0061】
代替実施形態では、本発明は、繊維の熱湯収縮が、パーセントで表して、120℃でアニールした後に10未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0062】
代替実施形態では、本発明は、繊維の熱湯収縮が、パーセントで表して、120℃でアニールした後に2未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0063】
代替実施形態では、本発明は、繊維が短繊維(staple fiber)又は長繊維(continuous fiber)であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0064】
代替実施形態では、本発明は、織物が、織布、不織布、及びそれらの組合せからなる群より選択されることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0065】
代替実施形態では、本発明は、織布が、摩擦試験より前の織物重量当たりの磨耗繊維が5重量%未満(less)の範囲の耐摩耗性を有することを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0066】
代替実施形態では、本発明は、織布が、摩擦試験より前の織物重量当たりの磨耗繊維が2重量%未満(less)の範囲の耐摩耗性を有することを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0067】
代替実施形態では、本発明は、織布が、摩擦試験より前の織物重量当たりの磨耗繊維が1重量%未満(less)の範囲の耐摩耗性を有することを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0068】
代替実施形態では、本発明は、織布が、摩擦試験より前の織物重量当たりの磨耗繊維が0.8重量%未満(less)の範囲の耐摩耗性を有することを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0069】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の平滑性値が2未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0070】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の平滑性値が1.5未満の範囲、例えば1.3であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0071】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物のワックス値が7より大きい範囲、例えば7.5であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0072】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の手摩擦値(hand friction value)が3.5未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0073】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の手摩擦値が3.0未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0074】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の手摩擦値が2.5未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0075】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の手摩擦値が2.5未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0076】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の手摩擦値が2.0未満の範囲、例えば1.85であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0077】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の剛性値が1.1未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0078】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の剛性値が1.0未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0079】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の剛性値が0.8未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0080】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の剛性値が0.7未満の範囲、例えば0.52であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0081】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の平滑性値が2未満の範囲であり、ワックス値が7より大きい範囲であり、手摩擦値が3.5未満の範囲であり、かつ、剛性値が1.1未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0082】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の平滑性値が8未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0083】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の平滑性値が7未満の範囲、例えば5.30であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0084】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物のワックス値が8より大きい範囲、例えば8.2であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0085】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の手摩擦値が7未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0086】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の手摩擦値が6.0未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0087】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の剛性値が3未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0088】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の剛性値が2.0未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0089】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の剛性値が1.8未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0090】
代替実施形態では、本発明は、織物が、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、織物の平滑性値が8未満の範囲であり、ワックス値が8より大きい範囲であり、手摩擦値が7未満の範囲であり、かつ、剛性値が3未満の範囲であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0091】
代替実施形態では、本発明は、前記織物が磨耗していることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0092】
代替実施形態では、本発明は、前記織物が磨耗の前に、織物の重量に基づいて約30重量%未満磨耗していることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0093】
代替実施形態では、本発明は、前記織物が磨耗の前に、織物の重量に基づいて約20重量%未満磨耗していることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0094】
代替実施形態では、本発明は、前記織物が磨耗の前に織物の重量に基づいて約10重量%未満磨耗していることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0095】
代替実施形態では、本発明は、前記織物が磨耗の前に織物の重量に基づいて約5重量%未満磨耗していることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【0096】
代替実施形態では、本発明は、織物が、室内装飾品、服飾品、壁装材、カーペット、おむつの表面シート、おむつのバックシート、医療用布、外科用包装材(surgical wrap)、病院用ガウン、ワイプ(wipe)、テキスタイル(textile)、及びジオテキスタイル(geotextile)からなる群より選択される物品として使用される織物であることを除いて、先行する実施形態のいずれかに従う、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、かかる繊維を製造する方法、かかる繊維から製造される織物、及びかかる織物を二次加工する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0097】
本発明を説明する目的において、図面中では例示的な形態が示される;しかし、本発明が、示される正確な配置及び手段に制限されないことは当然理解される。
【図1】g/デニールにおいて測定される本発明の繊維の強度と、g/10分において測定される本発明のポリエチレン組成物のメルトインデックス(I)との間の関係を表すグラフである。
【図2】g/デニールにおいて測定される本発明の繊維の強度と、10ダルトンにおいて測定される本発明のポリエチレン組成物の分子量(M)との間の関係を表すグラフである。
【図3】パーセントにおいて測定される本発明の繊維の伸びと、g/10分において測定される本発明のポリエチレン組成物のメルトインデックス(I)との間の関係を表すグラフである。
【図4】パーセントにおいて測定される、120℃でアニールした(An)及びアニールしなかった(Un)本発明の繊維の熱湯収縮と、g/cmにおいて測定される本発明のポリエチレン組成物の密度との間の関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0098】
本発明は、ポリエチレン組成物、その生成方法、それから製造される繊維、及びその製造方法に関する。本発明に従うポリエチレン組成物は、(a)100重量%以下のエチレン由来単位;及び(b)20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含む。本発明に従うポリエチレン組成物の密度は、0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)は1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)は0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)は2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和は組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である。
【0099】
本発明に従うポリエチレン組成物は、本明細書の下文にさらに詳細に記載されるように、様々な用途において特有の特性及び差別化された性能を有する。
【0100】
(共)重合という用語は、本明細書において、エチレンと、所望により1又はそれ以上のコモノマー、例えば1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーの重合をさす。従って、(共)重合という用語は、エチレンの重合及び、エチレンと1又はそれ以上のコモノマー、例えば1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーの共重合の両方をさす。
【0101】
本発明に従うポリエチレン組成物は、0.920〜0.970g/cmの範囲の密度を有する。0.920〜0.970g/cmのあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、密度は、下限の0.920、0.923、0.928、0.930、0.936、又は0.940g/cmから、上限の0.941、0.947、0.954、0.955、0.959、0.960、0.965、0.968、又は0.970g/cmまでであり得る。例えば、ポリエチレン組成物は、0.920〜0.965g/cmの範囲の密度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.920〜0.960g/cmの範囲の密度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.920〜0.955g/cmの範囲の密度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.920〜0.950g/cmの範囲の密度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.930〜0.965g/cmの範囲の密度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.930〜0.960g/cmの範囲の密度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.930〜0.955g/cmの範囲の密度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.930〜0.950g/cmの範囲の密度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.940〜0.965g/cmの範囲の密度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.940〜0.960g/cmの範囲の密度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.940〜0.955g/cmの範囲の密度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.940〜0.950g/cmの範囲の密度を有してもよい。
【0102】
本発明に従うポリエチレン組成物は、1.70〜3.62の範囲の分子量分布(M/M)を有する。1.70〜3.62のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、分子量分布(M/M)は、下限の1.70、1.80、1.90、2.10、2.30、2.50、2.70、2.90、3.10、3.30、又は3.50から、上限の1.85、1.95、2.15、2.35、2.55、2.75、2.95、3.15、3.35、3.50、3.55、3.60、又は3.62までであり得る。例えば、ポリエチレン組成物は、1.70〜3.60の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1.70〜3.55の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1.70〜3.50の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1.70〜3.35の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1.70〜3.15の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1.70〜2.95の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1.70〜2.75の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1.70〜2.55の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1.70〜2.35の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1.70〜2.15の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1.70〜1.95の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1.70〜1.85の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい。
【0103】
本発明に従うポリエチレン組成物は、0.1〜1000g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有する。0.1〜1000g/10分のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、メルトインデックス(I)は、下限の0.1、0.2、0.5、1、2、3、5、10、20、30、40、60、80、又は100g/10分から、上限の5、10、30、35、50、80、90、100、110、150、200、220、250、300、500、800、又は1000g/10分までであり得る。例えば、ポリエチレン組成物は、1〜150g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1〜50g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1〜35g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1〜30g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1〜20g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3〜150g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3〜50g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3〜35g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3〜30g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3〜20g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3〜10g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有してもよい。
【0104】
本発明に従うポリエチレン組成物は、2〜20,000g/10分の範囲のメルトフローレート(I21)を有する。2〜20,000g/10分のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、メルトフローレート(I21)は、下限の3.4、4.3、6.0、10、20、50、100、150、300、又は500g/10分から、上限の20,000、15,000、10,000、5,000、1,200、1,000、800、700、600、500、400、300、250、200、100、80、70、又は50g/10分までであり得る。例えば、ポリエチレン組成物は、3.4〜1200g/10分の範囲のメルトフローレート(I21)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3.4〜1,000g/10分の範囲のメルトフローレート(I21)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3.4〜500g/10分の範囲のメルトフローレート(I21)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3.4〜400g/10分の範囲のメルトフローレート(I21)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3.4〜300g/10分の範囲のメルトフローレート(I21)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3.4〜250g/10分の範囲のメルトフローレート(I21)を有してもよい。
【0105】
本発明に従うポリエチレン組成物は、17〜24の範囲のメルトフロー比(I21/I)を有する。17〜24分のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、メルトフロー比(I21/I)は、下限の17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、又は23.5から、上限の18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23.5又は24までであり得る。例えば、ポリエチレン組成物は、17〜23の範囲の(in the range)メルトフロー比(I21/I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、17〜22の範囲のメルトフロー比(I21/I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、18〜24の範囲のメルトフロー比(I21/I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、18〜23の範囲のメルトフロー比(I21/I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、19〜24の範囲のメルトフロー比(I21/I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、19〜23の範囲のメルトフロー比(I21/I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、21〜24の範囲のメルトフロー比(I21/I)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、21〜23の範囲のメルトフロー比(I21/I)を有してもよい。
【0106】
本発明に従うポリエチレン組成物は、15,000〜150,000ダルトンの範囲の分子量(M)を有する。15,000〜150,000ダルトンのあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、分子量(M)は、下限の15,000、20,000、25,000、30,000、34,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、95,000、又は100,000ダルトンから、上限の20,000、25,000、30,000、33,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、95,000、100,000、115,000、125,000、又は150,000までであり得る。例えば、ポリエチレン組成物は、15,000〜125,000ダルトンの範囲の分子量(M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、15,000〜115,000ダルトンの範囲の分子量(M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、15,000〜100,000ダルトンの範囲の分子量(M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、20,000〜150,000ダルトンの範囲の分子量(M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、30,000〜150,000ダルトンの範囲の分子量(M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、40,000〜150,000ダルトンの範囲の分子量(M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、50,000〜150,000ダルトンの範囲の分子量(M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、60,000〜150,000ダルトンの範囲の分子量(M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、80,000〜150,000ダルトンの範囲の分子量(M)を有してもよい。
【0107】
ポリエチレン組成物は、5未満の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい。5未満のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、ポリエチレン組成物は、4.5未満の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、4未満の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3.5未満の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3.0未満の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、2.8未満の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、2.6未満の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、2.5未満の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、2.4未満の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、2.3未満の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、2.2未満の範囲の分子量分布(M/M)を有してもよい。
【0108】
ポリエチレン組成物は、ポリエチレン組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満のビニル不飽和を有してもよい。0.1未満のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、ポリエチレン組成物は、ポリエチレン組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.08ビニル未満のビニル不飽和を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、ポリエチレン組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満のビニル不飽和を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、ポリエチレン組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.04ビニル未満のビニル不飽和を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、ポリエチレン組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.02ビニル未満のビニル不飽和を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、ポリエチレン組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.01ビニル未満のビニル不飽和を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、ポリエチレン組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.001ビニル未満のビニル不飽和を有してもよい。
【0109】
ポリエチレン組成物は、25重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含んでもよい。25重量%未満のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、ポリエチレン組成物は、20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、15重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、12重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、11重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、9重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、7重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、5重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、3重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、1重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、0.5重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含んでもよい。
【0110】
α−オレフィンコモノマーは、一般に20個以下の炭素原子を有する。例えば、α−オレフィンコモノマーは、好ましくは3〜10個の炭素原子、より好ましくは3〜8個の炭素原子を有してもよい。例示的なα−オレフィンコモノマーとしては、限定されるものではないが、プロピレン、1-ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、及び4−メチル−1−ペンテンが挙げられる。1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーは、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンからなる群より選択されてもよい;又は代替形態において、1−ヘキセン及び1−オクテンからなる群より選択されてもよい。
【0111】
ポリエチレン組成物は、少なくとも75重量%のエチレン由来単位を含んでもよい。少なくとも75重量%のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;ポリエチレン組成物は、少なくとも80重量%のエチレン由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、例えば、ポリエチレン組成物は、少なくとも85重量%のエチレン由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、少なくとも88重量%のエチレン由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、少なくとも89重量%のエチレン由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、少なくとも91重量%のエチレン由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、少なくとも93重量%のエチレン由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、少なくとも95重量%のエチレン由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、少なくとも97重量%のエチレン由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、少なくとも99重量%のエチレン由来単位を含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、少なくとも99.5重量%のエチレン由来単位を含んでもよい。
【0112】
本発明のポリエチレン組成物は、長鎖分枝を実質的に含まない、好ましくは、本発明のポリエチレン組成物は、長鎖分枝を全く含まない。長鎖分枝を実質的に含まないとは、本明細書において、好ましくは全炭素1000個当たり約0.1未満の長鎖分枝で、より好ましくは、全炭素1000個当たり約0.01未満の長鎖分枝で置換されたポリエチレン組成物をさす。代替形態において、本発明のポリエチレン組成物は、長鎖分枝を全く含まない。
【0113】
ポリエチレン組成物は、2〜40℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい。2〜40℃のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、短鎖分枝分布幅(SCBDB)は、下限の2、3、4、5、6、8、10、12、15、18、20、25、又は30℃から、上限の40、35、30、29、27、25、22、20、15、12、10、8、6、4、又は3℃であり得る。例えば、ポリエチレン組成物は、2〜35℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、2〜30℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、2〜25℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、2〜20℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、2〜15℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、2〜10℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、2〜5℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、4〜35℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、4〜30℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、4〜25℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、4〜20℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、4〜15℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、4〜10℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、4〜5℃の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい。代替形態において、ポリエチレン組成物は、((0.0312)(メルトインデックス(I)+2.87)℃未満の範囲の短鎖分枝分布幅(SCBDB)を有してもよい。
【0114】
本発明のポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で20〜250パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい。190℃で測定して3000s−1の剪断速度で20〜250パスカルのあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で20〜200パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で20〜150パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で20〜130パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で25〜150パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で25〜80パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で25〜55パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で25〜50パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で25〜45パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で25〜45パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で25〜35パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で25〜30パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で30〜55パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で35〜55パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で40〜55パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で45〜55パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、190℃で測定して3000s−1の剪断速度で50〜55パスカルの範囲の剪断粘度を有してもよい。
【0115】
本発明のポリエチレン組成物は、100万部のポリエチレン組成物当たり100重量部以下の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物をさらに含んでもよい。100ppm以下のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、ポリエチレン組成物は、100万部のポリエチレン組成物当たり10重量部以下の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物をさらに含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、100万部のポリエチレン組成物当たり8重量部以下の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物をさらに含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、100万部のポリエチレン組成物当たり6重量部以下の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物をさらに含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、100万部のポリエチレン組成物当たり4重量部以下の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物をさらに含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、100万部のポリエチレン組成物当たり2重量部以下の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物をさらに含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、100万部のポリエチレン組成物当たり1.5重量部以下の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物をさらに含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、100万部のポリエチレン組成物当たり1重量部以下の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物をさらに含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、100万部のポリエチレン組成物当たり0.75重量部以下の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物をさらに含んでもよい;又は代替形態において、ポリエチレン組成物は、100万部のポリエチレン組成物当たり0.5重量部以下の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物をさらに含んでもよく、ポリエチレン組成物は、100万部のポリエチレン組成物当たり0.1〜100重量部の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物をさらに含んでもよい。本発明のポリエチレン組成物中の、ハフニウム系メタロセン触媒から残っているハフニウム残留物は、参照標準に対して較正された、X線蛍光(XRF)により測定することができる。ポリマー樹脂顆粒は、好ましい方法でのX線測定用の厚さ約3/8インチのプラークに高温下で圧縮成形した。非常に低い、例えば0.1ppmより低い金属濃度の場合には、ICP−AESが、本発明のポリエチレン組成物中に存在する金属残渣を決定するために適した方法であろう。一実施形態では、本発明のポリエチレン組成物は、クロム、ジルコニウム又はチタン含量を実質的に有さない、つまり、これらの金属は全く存在しないか、又は、当業者によって考慮されるだけの微量のこれらの金属(例えば、0.001ppm未満など)しか存在しない。
【0116】
本発明に従う本発明のポリエチレン組成物は、30℃より低いパージピークを除く、30℃以上での連続昇温溶出分別法により決定される溶出温度−溶出量曲線上に2未満のピークを有してもよい。代替形態において、ポリエチレン組成物は、30℃より低いパージピークを除く、30℃以上での連続昇温溶出分別法により決定される溶出温度−溶出量曲線上にたった1ピーク又はそれ未満を有してもよい。代替形態において、ポリエチレン組成物は、30℃より低いパージピークを除く、30℃以上での連続昇温溶出分別法により決定される溶出温度−溶出量曲線上に1ピークのみを有してもよい。その上、ピークのいずれかの側で機器ノイズによって生じる人為的結果は、ピークとは見なされない。
【0117】
本発明のポリエチレン組成物は、追加成分、例えば1又はそれ以上のその他のポリマー及び/又は1又はそれ以上の添加剤をさらに含んでもよい。かかる添加剤としては、限定されるものではないが、帯電防止剤、着色促進剤(color enhancers)、染料、滑沢剤、充填剤、色素、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、UV安定剤、粘着防止剤、スリップ剤、粘着付与剤、難燃剤、抗菌剤、臭気減少剤(odor reducer agents)、抗真菌剤、及びそれらの組合せが挙げられる。本発明のポリエチレン組成物は、任意の量の添加剤を含んでもよい。本発明のポリエチレン組成物は、かかる添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量に基づいて、かかる添加剤の総合重量により約0.1〜約10%を含んでもよい。約0.1〜約10重量%のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、本発明のポリエチレン組成物は、かかる添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量に基づいて、添加剤の総合重量により0.1〜7%を含んでもよい;代替形態において、本発明のポリエチレン組成物は、かかる添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量に基づいて、添加剤の総合重量により0.1〜5%を含んでもよい;又は代替形態において、本発明のポリエチレン組成物は、かかる添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量に基づいて、添加剤の総合重量により0.1〜3%を含んでもよい;又は代替形態において、本発明のポリエチレン組成物は、かかる添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量に基づいて、添加剤の総合重量により0.1〜2%を含んでもよい;又は代替形態において、本発明のポリエチレン組成物は、かかる添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量に基づいて、添加剤の総合重量により0.1〜1%を含んでもよい;又は代替形態において、本発明のポリエチレン組成物は、かかる添加剤を含む本発明のポリエチレン組成物の重量に基づいて、添加剤の総合重量により0.1〜0.5%を含んでもよい。酸化防止剤、例えばIrgafos(商標)168、Irganox(商標)3114、Cyanox(商標)1790、Irganox(商標)1010、Irganox(商標)1076、Irganox(商標)1330、Irganox(商標)1425WL、Irgastab(商標)を用いて本発明のポリエチレン組成物を熱及び/又は酸化分解から保護してもよい。Irganox(商標)1010は、Ciba Geigy Inc.より市販されている、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシヒドロシンナメート)である;Irgafos(商標)168は、Ciba Geigy Inc.より市販されている、トリス(2,4ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトである;Irganox(商標)3114は、Ciba Geigy Inc.より市販されている、[1,3,5−トリス(3,5−ジ−(tert)−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン]である;Irganox(商標)1076は、Ciba Geigy Inc.より市販されている、(オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4ヒドロキシシンナメート)である;Irganox(商標)1330は、Ciba Geigy Inc.より市販されている、[1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン]である;Irganox(商標)1425WLは、Ciba Geigy Inc.より市販されている、(カルシウムビス[フッ化(fluoriding)(3,5−ジ−(tert)−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート])である;Irgastab(商標)は、Ciba Geigy Inc.より市販されている、[ビス(水素化牛脂アルキル)アミン酸化物]である;Cyanox(商標)1790は、Cytec Industries,Inc.より市販されている[トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン]である。その他の市販の酸化防止剤としては、限定されるものではないが、Chemtura Corporationより市販されているビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイトである、Ultranox(商標)626;Clariant Corporationより市販されているリン酸(Phosphonous acid)、P,P’−[[1,1’−ビフェニル]−4,4'−ジイル]ビス−,P,P,P’,P’−テトラキス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エステルである、P−EPQ(商標);Dover Chemical Corporationより市販されているビス(2,4−デクミルフェニル(decumylphenyl))ペンタエリトリトールジホスファイトである、Doverphos(商標)9228;Ciba Geigy Inc.より市販されているポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]]である、Chimassorb(商標)944;Ciba Geigy Inc.より市販されている、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン,N2,N2'−1,2−エタンジイルビス[N2−[3−[[4,6−ビス[ブチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]プロピル]−N4,N6−ジブチル−N4,N6−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−である、Chimassorb(商標)119;Ciba Geigy Inc.より市販されているポリ[[6−[ブチル(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]],α−[[6−[[4,6−ビス(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル](2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)アミノ]ヘキシル](2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−ω−[4,6−ビス(ジブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−である、Chimassorb(商標)2020;Ciba Geigy Inc.より市販されている4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールを含むブタン二酸ポリマーである、Tinuvin(商標)622;Ciba Geigy Inc.より市販されているデカン二酸,1,10−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)エステルである、Tinuvin(商標)770;3Vより市販されている2,5−ピロリジンジオン,3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)である、Uvasorb HA(商標)88;Cytec Industries,Inc.より市販されているポリ[[6−(4−モルホリニル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]]である、CYASORB(商標)UV−3346;Cytec Industries,Inc.より市販されているポリ[[6−(4−モルホリニル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)イミノ]]である、CYASORB(商標)UV−3529;及び、Clariant Corporationより市販されている、2−(クロロメチル)オキシランを含むポリマーの7−オキサ−3,20−イアザジスピロ(iazadispiro)[5.1.11.2]ヘンエイコサン−21−オン,2,2,4,4−テトラメチル−20−(2−オキシラニルメチル)−である、Hostavin(商標)N30が挙げられる。
【0118】
任意の従来型エチレン(共)重合反応プロセスを、本発明のポリエチレン組成物を製造するために用いてもよい。かかる従来型エチレン(共)重合反応プロセスとしては、限定されるものではないが、気相重合プロセス、スラリー相重合プロセス、液相重合プロセス、ならびに、1又はそれ以上の従来型反応器、例えば流動床気相反応器、ループ反応器、攪拌槽反応器、バッチ反応器を平行して、連続して、かつ/又はそれらの任意の組合せで用いるそれらの組合せが挙げられる。代替形態では、本発明のポリエチレン組成物は、配位触媒系によって高圧反応器中で製造することができる。例えば、本発明のポリエチレン組成物は、単一気相反応器中で気相重合プロセスによって製造することができる;しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、上記の重合プロセスのいずれかを用いてもよい。一実施形態では、重合反応器は、連続した、平行した、又はそれらの組合せの2又はそれ以上の反応器を含んでもよい。好ましくは、重合反応器は、単一の反応器、例えば流動床気相反応器である。もう一つの実施形態では、気相重合反応器は、1又はそれ以上の供給流を含む連続重合反応器である。重合反応器において、1又はそれ以上の供給流は合流し、エチレン及び所望により1又はそれ以上のコモノマー、例えば1又はそれ以上のα−オレフィンを含むガスは、任意の適した手段により重合反応器の中を連続的に流動又は循環する。エチレン及び所望により1又はそれ以上のコモノマー、例えば1又はそれ以上のα−オレフィンを含むガスを、ディストリビューター・プレート(distributor plate)を通じて供給し、連続流動プロセスにおいて床を流動化させてもよい。
【0119】
製造中、本明細書下文においてより詳細に説明される共触媒を含むハフニウム系メタロセン触媒系、エチレン、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー、水素、所望により1又はそれ以上の不活性ガス及び/又は液体、例えばN、イソペンタン、及びヘキサン、ならびに、所望により1又はそれ以上の連続添加剤(continuity additive)、例えばエトキシル化ステアリルアミン又はアルミニウムジステアラート又はそれらの組合せが、反応器、例えば流動床気相反応器の中へ連続的に供給される。前記反応器は、1又はそれ以上の排出タンク、サージタンク、パージタンク、及び/又はリサイクルコンプレッサーと流体連通していてもよい。反応器中の温度は、一般に70〜115℃、好ましくは75〜110℃、より好ましくは75〜100℃の範囲であり、圧力は、15〜30atm、好ましくは17〜26atmの範囲である。ポリマー床の底部のディストリビューター・プレートは、上向きに流れるモノマー、コモノマー、及び不活性ガス流の均一な流れをもたらす。機械攪拌器を準備して固体粒子とコモノマーガス流との間の接触を促進してもよい。垂直円筒型反応器である流動床は、ガス速度の低下を促進するために上端が球状であってもよい;従って、粒状のポリマーを上向きに流れるガスから分離させることができる。次に、未反応ガスを冷却して重合熱を除去し、再圧縮した後、反応器の底部に再循環させる。樹脂は反応器から取り除かれると、残りの炭化水素をパージするためのパージビンに運ばれる。酸素に曝露して反応させる前に、湿分を導入して残りの触媒及び共触媒と反応させてもよい。次に、本発明のポリエチレン組成物を押出機に移動させてペレット化してもよい。かかるペレット化技法は、一般に公知である。本発明のポリエチレン組成物は、さらにメルトスクリーンされてもよい。押出機での溶融プロセスの後、溶融した組成物を、2枚以上連続して配置される、1又はそれ以上のアクティブスクリーンに通過させる。各々のアクティブスクリーンは、約5〜約100ポンド/時/インチ(1.0〜約20kg/秒/m)の質量流束で、約2μm〜約400μm(2〜4×10−5m)、好ましくは約2μm〜約300μm(2〜3×10−5m)、最も好ましくは約2μm〜約70μm(2〜7×10−6m)のミクロンの保持サイズを有する。かかるさらなるメルトスクリーニングは、参照によりメルトスクリーニングを開示する程度に本明細書に組み込まれる、米国特許第6,485,662号に開示される。
【0120】
流動床反応器の実施形態では、モノマー流は重合部に移動する。流動床反応器には、速度低下ゾーンと流体連通している反応ゾーンが含まれてもよい。反応ゾーンには、増大するポリマー粒子の床、形成されたポリマー粒子ならびに、反応ゾーンの中を通るメイクアップ供給材料(make-up feed)及び再循環流体の形態の重合性及び改質ガス成分の連続流により流動化される、触媒組成物粒子が含まれる。好ましくは、メイクアップ供給材料には、重合性モノマー、最も好ましくはエチレン及び所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーが含まれ、当分野で公知であり、例えば、米国特許第4,543,399号、同第5,405,922号、及び同第5,462,999号に開示される縮合剤を含んでもよい。
【0121】
流動床の全体的な外観は、床を通るガスのパーコレーションにより作り出される、個別に動く粒子、好ましくはポリエチレン粒子の稠密体である。床による圧力低下は、床の重量を断面積で除算したものに等しいか又はそれよりわずかに大きい。したがって、これは反応器の形状に依存する。反応ゾーンにおいて実行可能な流動床を維持するために、床を通る表面ガス速度は流動化に必要とされる最低限の流れを上回る必要がある。好ましくは、表面ガス速度は最低限の流速の少なくとも2倍である。通常、表面ガス速度は1.5m/秒を超えず、普通は0.76m/秒以下で十分である。
【0122】
一般に、反応ゾーンの高さ対直径の比は、約2:1〜約5:1の範囲で変動し得る。当然、この範囲はより大きい比又はより小さい比へと変動する可能性があり、所望の生産能力に依存する。速度低下ゾーンの断面積は、一般に反応ゾーンの断面積に約2〜約3を乗じた範囲内である。
【0123】
速度低下ゾーンは反応ゾーンよりも大きい内径を有し、円錐形に先細りした形状であってもよい。名前が示すように、速度低下ゾーンは断面積の増大によってガスの速度を遅くする。このガス速度の低下により連行粒子が床に落下し、反応器から流れる連行粒子の量が減少する。反応器の塔頂(overhead)から出るガスは、再循環ガス流である。
【0124】
再循環流は、圧縮器中で圧縮され、次に熱交換ゾーンを通過し、そこで熱を除去した後に流れは床に戻る。熱交換ゾーンは、一般に熱交換器であり、横型であっても縦型であってもよい。所望であれば、数個の熱交換器を用いて段の循環ガス流の温度を下げることができる。また、圧縮器を熱交換器の下流に、又は数個の熱交換器の中間地点に配置することも可能である。冷却後、再循環流は再循環導入ラインを通って反応器に戻される。冷却された再循環流は、重合反応によって生じた反応熱を吸収する。
【0125】
好ましくは、再循環流は、ガス・ディストリビューター・プレートを通じて反応器及び流動床に戻される。ガスそらせ板は、含有ポリマー粒子が沈降して固体塊へ凝集するのを防ぎ、かつ液体が反応器の底部に蓄積することを防ぎ、その上、循環ガス流中に液体を含むプロセスと含まないプロセスとの間の、かつ逆の場合も同様の容易な移行を促進するために、反応器の入口に設置することが好ましい。かかるそらせ板は、米国特許第4,933,149号及び同第6,627,713号に記載されている。
【0126】
流動床で用いられるハフニウム系触媒系は、好ましくは、使用のために、貯蔵材料に対して不活性の、例えば窒素又はアルゴンなどのガスのブランケット下、リザーバで貯蔵される。ハフニウム系触媒系は、ディストリビューター・プレートの上のポイントで床に注入される。好ましくは、ハフニウム系触媒系は床においてポリマー粒子との良好な混合が起こるポイントで注入される。ハフニウム系触媒系をディストリビューション・プレート(distribution plate)よりも上のポイントで注入することにより、流動床重合反応器の運転が促進される。
【0127】
モノマーは、重合ゾーンの中に様々な方法で導入することができ、それには、限定されるものではないが、ノズルを通じて床又は循環ガスラインへ直接注入することが挙げられる。モノマーは、床の上に位置するノズルを通じて床の上面にスプレーすることもでき、それは循環ガス流により微粉の何らかのキャリーオーバーを排除することに役立ち得る。
【0128】
メイクアップ流体は、反応器への分離ラインを通じて床に供給されてもよい。ガス分析装置は再循環流の組成を決定し、メイクアップ流の組成は、反応ゾーン内部の本質的に定常状態のガス組成を維持するように適宜調節される。ガス分析装置は、供給流成分の比を維持するように再循環流の組成を決定する従来のガス分析装置であってもよい。かかる装置は、多様な供給源から市販されている。ガス分析装置は、一般に、速度低下ゾーンと熱交換器との間に位置するサンプリングポイントからガスを受け取るように配置される。
【0129】
本発明のポリエチレン組成物の生成速度は、触媒組成物注入速度、モノマー濃度、又はその両方を調節することにより便宜に制御することができる。触媒組成物の注入速度の変化は反応速度を変化させ、従って床で熱が生じる速度を変化させるので、反応器に入る再循環流の温度を調節して発熱速度の変化に適合させる。これにより、床において本質的に一定の温度を維持することを確保する。当然、オペレータ又は従来の自動制御システムが再循環流の温度の適した調節を行うことができるようにするために床の温度変化を検出するためには、流動床及び再循環流冷却システムの両方の完全な計装が有用である。
【0130】
所定の設定の運転条件下、床の一部を生成物として粒状ポリマー生成物の形成速度で取り出すことによって、流動床は本質的に一定の高さに維持される。発熱速度は生成物形成速度に直接関連するので、揮発性の液体が入口流体中に全く存在しないか又はごく僅かしか存在しないならば、反応器を横切る流体の温度上昇、すなわち入口流体温度と出口流体温度の差の測定が、一定の流体速度での本発明のポリエチレン組成物の形成速度を示す。
【0131】
粒状ポリマー生成物を反応器から排出する際、流体を生成物から分離して、上記流体を再循環ラインに戻すことが望ましく、好ましい。この分離を達成するためには、当分野で公知の多数の方法がある。その代わりに用いることのできる生成物排出システムは、例えば、米国特許第4,621,952号に開示及び特許請求されている。そのようなシステムは、一般に、直列に配置された沈降タンク及び移送タンクを含み、沈降タンクの上部から流動床の上部近くの反応器中のポイントまで戻された分離された気相を有する、少なくとも1組の(平行な)タンクを用いる。
【0132】
流動床気相反応器の実施形態では、本明細書において流動床プロセスの反応器温度は70℃又は75℃、あるいは80℃〜90℃又は95℃又は100℃又は110℃又は115℃の範囲であり、この際、望ましい温度範囲は、本明細書に記載される任意の下限温度と組み合わせた任意の上限温度を含む。一般に、反応器温度は、反応器内部の本発明のポリエチレン組成物の焼結温度及び反応器又は再循環ライン(1又は複数)で起こる可能性のあるファウリングならびに本発明のポリエチレン組成物及び触媒生産性への影響を考慮に入れて、実現可能な最高温度で運転される。
【0133】
本発明のプロセスは、エチレン由来単位を含むホモポリマー、又はエチレン由来単位及び少なくとも1つ又はそれ以上のその他のα−オレフィン(1又は複数)由来単位を含むコポリマーの製造に適している。
【0134】
本発明において適正な触媒生産性を維持するために、エチレンは反応器中に160psia(1100kPa)、又は190psia(1300kPa)、又は200psia(1380kPa)、又は210psia(1450kPa)、又は220psia(1515kPa)、又は230psia(1585kPa)、又は240psia(1655pKa)又はそれ以上の分圧で存在することが好ましい。
【0135】
コモノマー、例えば1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーは、重合反応器中に存在する場合、最終ポリエチレンへのコモノマーの所望の組込み重量%を達成するのであればどのレベルでも存在する。これは、本明細書に記載されるコモノマーのエチレンに対するモル比として表すことができ、これは循環ガス中のコモノマーモルのガス濃度の、循環ガス中のエチレンモルのガス濃度に対する比である。本発明のポリエチレン組成物製造の一実施形態では、コモノマーは、エチレンとともに循環ガス中に0〜0.1(コモノマー:エチレン);及びもう一つの実施形態では0〜0.05;及びもう一つの実施形態では0〜0.04;及びもう一つの実施形態では0〜0.03;及びもう一つの実施形態では0〜0.02の範囲のモル比で存在する。
【0136】
水素ガスを重合反応器(1又は複数)に添加して、本発明のポリエチレン組成物の最終特性(例えば、I21及び/又はI)を制御してもよい。一実施形態では、循環ガス流中の水素の全エチレンモノマーに対する比(H ppm/C モル%)は、0〜60:1;もう一つの実施形態では、0.10:1(0.10)〜50:1(50);もう一つの実施形態では、0〜35:1(35);もう一つの実施形態では、0〜25:1(25);もう一つの実施形態では、7:1(7)〜22:1(22)の範囲内である。
【0137】
ハフニウム系触媒系とは、本明細書において、エチレンモノマーと、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーの重合を触媒してポリエチレンを生成することのできる触媒組成物をさす。さらに、ハフニウム系触媒系はハフノセン成分を含む。ハフノセン成分の平均粒度は、12〜35μmの範囲であってもよい;例えば、ハフノセン成分の平均粒度は20〜30μm、例えば25μの範囲であってもよい。ハフノセン成分は、ハフニウムのモノ−、ビス−又はトリス−シクロペンタジエニル型複合体を含んでもよい。一実施形態では、シクロペンタジエニル型リガンドは、シクロペンタジエニル又はシクロペンタジエニルに対してイソローバルなリガンド及びその置換形態を含む。シクロペンタジエニルに対してイソローバルなリガンドの代表例としては、限定されるものではないが、シクロペンタフェナントレネイル(cyclopentaphenanthreneyl)、インデニル、ベンズインデニル、フルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、シクロオクタテトラエニル、シクロペンタシクロドデセン、フェナントリンデニル、3,4−ベンゾフルオレニル、9−フェニルフルオレニル、8−H−シクロペンタ[a]アセナフチレニル、7H−ジベンゾフルオレニル、インデノ[1,2−9]アントレン、チオフェノインデニル、チオフェノフルオレニル、その水素化形態(例えば、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル、又は「HInd」)及びそれらの置換形態が挙げられる。一実施形態では、ハフノセン成分は、非架橋ビス−シクロペンタジエニルハフノセン及びその置換形態である。もう一つの実施形態では、ハフノセン成分は、非置換の架橋及び非架橋ビス−シクロペンタジエニルハフノセン、ならびに非置換の架橋及び非架橋ビス−インデニルハフノセンを除外する。用語「非置換の」とは、本明細書において、環に結合したヒドリド基だけが存在し、その他の基は存在しないことを意味する。好ましくは、本発明において有用なハフノセンは、次式で表すことができる(式中、「Hf」はハフニウムである):
CpHfX (1)
(式中、は1又は2であり、は1、2又は3であり、各々のCpは、独立に、ハフニウムに結合したシクロペンタジエニルリガンド又はシクロペンタジエニルに対してイソローバルなリガンド及びその置換形態であり;かつ、Xは、ヒドリド、ハライド、C−C10アルキル及びC−C12アルケニルからなる群より選択され;かつ、が2である場合、各々のCpは、C−Cアルキレン、酸素、アルキルアミン、シリル−炭化水素、及びシロキシル−炭化水素からなる群より選択される架橋基Aを通じて相互に結合されてもよい)。C−Cアルキレンの例としては、エチレン(−−CHCH−−)架橋基が挙げられる;アルキルアミン架橋基の例としては、メチルアミド(−−(CH)N−−)が挙げられる;シリル−炭化水素架橋基の例としては、ジメチルシリル(−−(CHSi−−)が挙げられる;かつ、シロキシル−炭化水素架橋基の例としては、(−−O−(CHSi−O−−)が挙げられる。特定の一実施形態では、ハフノセン成分は、が2であり、が1又は2である式(1)で表される。
【0138】
本明細書において、用語「置換された」とは、参照される基が任意の位置で1又はそれ以上の水素の代わりに少なくとも1つの部分を保有することを意味し、上記部分は、ハロゲンラジカルのような基、例えばF、Cl、Br、ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、アミン基、ホスフィン基、アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、C−C10アルキル基、C−C10アルケニル基、及びそれらの組合せから選択される。置換アルキル及びアリールの例としては、限定されるものではないが、アシルラジカル、アルキルアミノラジカル、アルコキシラジカル、アリールオキシラジカル、アルキルチオラジカル、ジアルキルアミノラジカル、アルコキシカルボニルラジカル、アリールオキシカルボニルラジカル、カルバモイルラジカル、アルキル−及びジアルキル−カルバモイルラジカル、アシルオキシラジカル、アシルアミノラジカル、アリールアミノラジカル、及びそれらの組合せが挙げられる。より好ましくは、本発明において有用なハフノセン成分は、次式で表すことができる:
(CpRHfX (2)
(式中、各々のCpは、シクロペンタジエニルリガンドであり、各々はハフニウムに結合している;各々のRは、独立に、ヒドリド及びC−C10アルキル、最も好ましくはヒドリド及びC−Cアルキルから選択され;かつ、Xは、ヒドリド、ハライド、C−C10アルキル及びC−C12アルケニルからなる群より選択され、より好ましくは、Xは、ハライド、C−Cアルキレン及びC−Cアルキルからなる群より選択され、最も好ましくは、Xは、クロライド、フルオリド、C−Cアルキル及びC−Cアルキレンからなる群より選択される)。最も好ましい実施形態では、ハフノセンは、上記式(2)で表され、この際、少なくとも1つのR基は、上に定義されるアルキル、好ましくはC−Cアルキルであり、その他はヒドリドである。最も好ましい実施形態では、各々のCpは、独立に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、及びそれらの異性体からなる群より選択される1、2、又は3つの基で置換されている。
【0139】
一実施形態では、ハフノセン系触媒系は不均質である、すなわちハフノセン系触媒は、担体材料をさらに含んでもよい。担体材料は、触媒組成物を担持するための当分野で公知のあらゆる材料;例えば、無機酸化物;又は代替形態において、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、塩化マグネシウム、グラファイト、マグネシア、チタニア、ジルコニア、及びモンモリロナイトであってもよく、そのいずれもが、例えば当分野で公知のフッ化プロセス、焼成又はその他のプロセスなどにより化学的に/物理的に改質することができる。一実施形態では、担体材料は、Malvern分析で決定される平均粒度が1〜60mm;又は代替形態において、10〜40mmのシリカ材料である。
【0140】
一実施形態では、ハフノセン成分は、微粒子充填剤、例えばCabot TS−610を含有する噴霧乾燥させたハフノセン組成物であってもよい。
【0141】
ハフノセン系触媒系は、活性剤をさらに含んでもよい。オレフィン重合のために触媒成分を活性化させることの知られている任意の適した活性剤が適切であり得る。一実施形態では、活性剤は、アルモキサンである;別の実施形態ではメタアルモキサン、例えばJ. B. P. Soares and A. E. Hamielec in 3(2) POLYMER REACTION ENGINEERING, 131-200 (1995) に記載されるものである。アルモキサンは、好ましくは、80:1〜200:1、最も好ましくは90:1〜140:1の範囲のアルミニウム対ハフニウムのモル比(Al:Hf)で担体材料上に共に担持されてもよい。
【0142】
かかるハフニウム系触媒系は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,242,545号及び同第7,078,467号においてさらに詳細に記載されている。
【0143】
本発明に従う繊維は、本発明のポリエチレン組成物、及び所望により1又はそれ以上のその他のポリマーを含む。本発明の繊維のフィラメント当たりのデニールは50g/9000m未満の範囲であってもよい。50g/9000m未満のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、フィラメント当たりのデニールは、下限の0.1、0.5、1、5、10、15、17、20、25、30、33、40、又は44g/9000mから、上限の0.5、1、5、10、15、17、20、25、30、33、40、44、又は50g/9000mであり得る。例えば、本発明の繊維のフィラメント当たりのデニールは40g/9000m未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維のフィラメント当たりのデニールは30g/9000m未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維のフィラメント当たりのデニールは20g/9000m未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維のフィラメント当たりのデニールは10g/9000m未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維のフィラメント当たりのデニールは、5g/9000m未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維のフィラメント当たりのデニールは3g/9000m未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維のフィラメント当たりのデニールは、2g/9000m未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維のフィラメント当たりのデニールは、1.5g/9000m未満の範囲であってもよい。
【0144】
本発明の繊維の強度は0.1〜15g/デニールの範囲であってもよい。0.1〜15g/デニールのあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、強度は、下限の0.1、0.5、1、2、3、4、5、7、9、又は10g/デニールから、上限の0.5、1、2、3、4、5、7、9、10、12、又は15g/デニールであり得る。例えば、本発明の繊維の強度は0.1〜10g/デニールの範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の強度は0.1〜7g/デニールの範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の強度は0.1〜5g/デニールの範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の強度は0.1〜4g/デニールの範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の強度は0.1〜3g/デニールの範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の強度は0.1〜2g/デニールの範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の強度は0.1〜1.5g/デニールの範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の強度は0.1〜1.0g/デニールの範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の強度は1.5〜5g/デニールの範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の強度は2〜5g/デニールの範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の強度は2〜4g/デニールの範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の強度は2.5〜3.5g/デニールの範囲であってもよい。
【0145】
本発明の繊維の伸びはパーセントで表して1500未満であってもよい。1500%未満のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、伸びは、パーセントで表して、下限の1、5、10、15、20、25、30、50、75、100、150、200、500、又は900%から、上限の5、10、15、20、25、30、50、75、100、150、200、300、500、900、1000、又は1400%であり得る。例えば、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して1400未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して1000未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して500未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して300未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して200未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して150未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して125未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して110未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して100未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して90未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して80未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して70未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して50未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して25未満であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の伸びは、パーセントで表して15未満であってもよい。
【0146】
本発明の繊維の熱湯収縮は、パーセントで表して、120℃でアニールした後に、50未満の範囲であってもよい。50%未満のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、熱湯収縮は、パーセントで表して、下限の0.1、0.5、1、2、5、10、15、20、25、30、又は40%から、上限の0.5、1、2、5、10、15、20、25、30、40、又は45%であり得る。例えば、本発明の繊維の熱湯収縮は、パーセントで表して、120℃でアニールした後に、40未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の熱湯収縮は、パーセントで表して、120℃でアニールした後に、30未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の熱湯収縮は、パーセントで表して、120℃でアニールした後に、35未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の熱湯収縮は、パーセントで表して、120℃でアニールした後に、25未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の熱湯収縮は、パーセントで表して、120℃でアニールした後に、20未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の熱湯収縮は、パーセントで表して、120℃でアニールした後に、15未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の熱湯収縮は、パーセントで表して、120℃でアニールした後に、10未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の熱湯収縮は、パーセントで表して、120℃でアニールした後に、5未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の熱湯収縮は、パーセントで表して、120℃でアニールした後に、4未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の熱湯収縮は、パーセントで表して、120℃でアニールした後に、2未満の範囲であってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維の熱湯収縮は、パーセントで表して、120℃でアニールした後に、1未満の範囲であってもよい。一実施形態では、本発明の繊維は、120℃に等しいかそれ未満で一定の長さで延伸され、アニールされる。
【0147】
本発明に従う本発明の繊維は、様々な技法によって製造することができる。本発明の繊維は、例えば、溶融紡糸によって製造されてもよい。本発明に従う本発明の繊維は、連続フィラメントであってもよく、又は代替形態において、本発明の繊維は短繊維であってもよい。連続フィラメントは、さらに、所望によりクリンプさせ、その後切断して短繊維を作成することができる。本発明の繊維には、限定されるものではないが、一成分繊維、二成分繊維、及び/又は多成分繊維が含まれる。例示的な二成分繊維としては、限定されるものではないが、シース/コア、アイランズ・イン・ザ・シー、セグメント化パイ(segmented pie)、及びそれらの組合せが挙げられる。本発明の繊維には、本発明に従う本発明のポリエチレン組成物が、外層、例えばシースとして、単独で、あるいは1又はそれ以上のポリマーと組み合わせて含まれ得る。本発明の繊維には、本発明に従う本発明のポリエチレン組成物が内層、例えばコアとして、単独で、あるいは1又はそれ以上のポリマーと組み合わせて含まれ得る。本発明の繊維又は本発明の繊維成分、すなわち本発明に従う内層及び外層は、単一構成成分であってもよい、すなわち本発明のポリエチレン組成物だけであってもよい;又は代替形態において、本発明の繊維又は本発明の繊維成分、すなわち本発明に従う内層及び外層は、多構成成分であってもよい、すなわち本発明のポリエチレン組成物と1又はそれ以上のポリマーのブレンドであってもよい。外層という用語は、本明細書において、繊維表面の少なくとも任意の部分をさす。内層という用語は、本明細書において、繊維表面より下の任意の部分をさす。
【0148】
溶融紡糸において、本発明のポリエチレン組成物は、溶融押出され、紡糸口金と呼ばれる金属板の微細なオリフィスを通じて空気又はその他のガスの中に押し出されて、そこで冷却され固化される。固化したフィラメントは、回転ロール、又はゴデットによって引き取られ、ボビン上に巻かれてもよい。
【0149】
本発明に従う本発明の織物には、限定されるものではないが、不織布、織布、及びそれらの組合せが含まれる。
【0150】
本発明に従う不織布は、様々な技法によって二次加工することができる。かかる方法としては、限定されるものではないが、メルトブロー工程、スパンボンド工程、けば立てウェブ(carded web)工程、エアレイド工程、熱カレンダリング工程、接着剤接合工程、熱風接合工程、ニードルパンチ工程、水流交絡工程、エレクトロスピニング工程、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0151】
メルトブロー工程において、本発明の不織布は、溶融した本発明のポリエチレン組成物をダイを通じて押出し、次に、得られるフィラメントを熱い高速度空気又は流れを用いて細径化(細径化する)及び/又は所望により破断し、それにより、それらが冷却の間に結合した移動スクリーンの上で収集される短い又は長い繊維長を形成することにより形成される。
【0152】
代替形態において、メルトブロー工程には、一般に次の段階が含まれる:(a)紡糸口金からストランドを押出する段階;(b)ポリマー流を、高速度の熱風の流れを用いて紡糸口金の真下で同時に急冷し、細径化する段階;(c)延伸したストランドを有孔表面(foraminous surface)上のウェブに収集する段階。メルトブローウェブは、多様な手段によって結合することができ、それには、限定されるものではないが、自原的結合(autogeneous bonding)、すなわちさらなる処理を行わない自己結合、熱カレンダリング工程、接着剤接合工程、熱風接合工程、ニードルパンチ工程、水流交絡工程、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0153】
スパンボンド工程において、不織布の二次加工には、次の段階が含まれる:(a)紡糸口金から本発明のポリエチレン組成物のストランドを押出する段階;(b)本発明のポリエチレン組成物のストランドを空気の流れ(溶融した本発明のポリエチレン組成物のストランドの固化を早めるために一般に冷却されている)を用いて急冷する段階;(c)空気圧によってフィラメントを空気流中に連行することによるか、又は織物繊維業界で慣用される種類の機械的引取ロールの周囲にフィラメントを巻き付けることにより加えることのできる延伸張力で、急冷ゾーンを通ってフィラメントを前進させることによりフィラメントを細径化する段階;(d)延伸されたストランドを有孔表面、例えば移動スクリーン又は多孔ベルト上のウェブに収集する段階;及び(e)緩いストランドのウェブを不織布に接合する段階。接合は、多様な手段によって達成することができ、それには、限定されるものではないが、熱カレンダリング工程、接着剤接合工程、熱風接合工程、ニードルパンチ工程、水流交絡工程、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0154】
本発明に従う本発明の織布は、様々な技法によって本発明の繊維から二次加工されてもよい。かかる方法には、限定されるものではないが、製織工程、及び編み工程が含まれる。
【0155】
製織工程において、2組の糸、すなわち縦糸と横糸を織り交ぜて本発明の織布が形成される。2組の糸を織り交ぜる方法により織り方が決まる。製織工程は、様々な装置によって達成され、それには、限定されるものではないが、ドビー織機、ジャカード織機、及び動力織機が挙げられる。3種類の基本的な織り方、すなわち平織、綾織、及び繻子織の様々な組合せを用いることにより、ほぼ無限の多様な構成を作り出すことが可能である。
【0156】
編み工程において、本発明の織布は、1又はそれ以上の糸のひと続きのループを連動させること(interlocking)により形成される。編み方の2つの主な種類としては、限定されるものではないが、縦編及び横編が挙げられる。
【0157】
縦編は、糸が一般に織物の縦方向に進む編み方の種類である。糸は、各針に対して1又はそれ以上の糸を含むビームの上に縦糸として準備される。しかし、横編は一般的な編み方の種類であり、1本の連続する糸が織物の横方向に通い、全てのループが1つの横目に作られる。横編の種類は、丸編み及び平編みである。
【0158】
本発明に従う本発明の織物は、改良された軟度及びドレープ適性を有する。本発明に従う本発明の織物は、より高強度の織物をさらに提供する。本発明のポリエチレン組成物は、より低いメルトインデックス、例えば、10g/10分未満の範囲、又は代替形態において、5g/10分未満の範囲で、改良された加工性及び紡糸性をさらに提供する。かかる低レベルのビニル不飽和によって、改良された加工性をもつ本発明のポリエチレン組成物が提供されるので、本発明のポリエチレン組成物中のビニル不飽和のレベルが低いことも重要である。
【0159】
本発明に従う本発明の織物は、摩擦試験より前の織物重量当たりの磨耗繊維が5重量%以下の範囲の耐摩耗性を有し得る。5重量%以下のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、耐摩耗性は、下限の0.1、0.5、1、2、3、又は3.5重量%から、上限の0.5、1、2、3、3.5、4、又は5重量%であり得る。例えば、本発明の織物は、摩擦試験より前の織物重量当たりの磨耗繊維が4重量%以下の範囲の耐摩耗性を有し得る;又は代替形態において、本発明の織物は、摩擦試験より前の織物重量当たりの磨耗繊維が3.5重量%以下の範囲の耐摩耗性を有し得る;又は代替形態において、本発明の織物は、摩擦試験より前の織物重量当たりの磨耗繊維が3重量%以下の範囲の耐摩耗性を有し得る;又は代替形態において、本発明の織物は、摩擦試験より前の織物重量当たりの磨耗繊維が2.5重量%以下の範囲の耐摩耗性を有し得る;又は代替形態において、本発明の織物は、摩擦試験より前の織物重量当たりの磨耗繊維が2重量%以下の範囲の耐摩耗性を有し得る。
【0160】
フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、2未満の範囲の平滑性値を有し得る。2未満のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、1.8未満の範囲の平滑性値を有し得る;又は代替形態において、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、1.7未満の範囲の平滑性値を有し得る;又は代替形態において、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、1.5未満の範囲の平滑性値を有し得る;又は代替形態において、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、1.3未満の範囲の平滑性値を有し得る。
【0161】
フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、7より大きい範囲のワックス値を有し得る。7より大きいあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、7.5より大きい範囲のワックス値を有し得る。
【0162】
フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、3.5未満の範囲の手摩擦値(hand friction value)を有し得る。3.5未満のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、3.3未満の範囲の手摩擦値を有し得る;又は代替形態において、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、3.0未満の範囲の手摩擦値を有し得る;又は代替形態において、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、2.5未満の範囲の手摩擦値を有し得る;又は代替形態において、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、2.0未満の範囲の手摩擦値を有し得る。
【0163】
フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、1.1未満の範囲の剛性値を有し得る。1.1未満のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、1.0未満の範囲の剛性値を有し得る;又は代替形態において、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、0.8未満の範囲の剛性値を有し得る;又は代替形態において、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、0.7未満の範囲の剛性値を有し得る。
【0164】
フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、2未満の範囲の平滑性値、7より大きい範囲のワックス値、3.5未満の範囲の手摩擦値、及び1.1未満の範囲の剛性値を有し得る。
【0165】
フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、8未満の範囲の平滑性値を有してもよい。8未満のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、7未満の範囲の平滑性値を有してもよい;又は代替形態において、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、6未満の範囲の平滑性値を有してもよい。
【0166】
フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、8より大きい範囲のワックス値を有し得る。8より大きいあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、8.5より大きい範囲のワックス値を有し得る。
【0167】
フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、7.0未満の範囲の手摩擦値を有し得る。7.0未満のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、6.0未満の範囲の手摩擦値を有し得る。
【0168】
フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、3.0未満の範囲の剛性値を有し得る。3.0未満のあらゆる個々の値及び下位範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示される;例えば、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、2.0未満の範囲の剛性値を有し得る;又は代替形態において、フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、1.8未満の範囲の剛性値を有し得る。
【0169】
フィラメント当たりのデニールが5〜7g/9000mの範囲、例えば6g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含む本発明の織物は、8未満の範囲の平滑性値、8より大きい範囲のワックス値、7未満の範囲の手摩擦値、及び3未満の範囲の剛性値を有し得る。
【0170】
本発明の織物は、改良された乾燥器に対する耐性を有する。その上、本発明の織物は、実質的に防水性である。
【0171】
本発明のポリエチレン組成物は、限定されるものではないが、カーペット、服飾品、室内装飾品、不織布、織布、人工芝、医療用ガウン、病院用包装材などを含む、多様な最終用途で用いることができる。
【実施例】
【0172】
以下の実施例は本発明を例証するものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施例は、本発明に従う本発明の織物が改良された軟度及びドレープ適性、ならびにより高い強度を有することを実証する。これらの実施例は、本発明のポリエチレン組成物が、より低いメルトインデックス、例えば、10g/10分未満の範囲、又は代替形態において、5g/10分未満の範囲で、改良された加工性及び紡糸性を提供することをさらに実証する。
【0173】
本発明のポリエチレンサンプル1−3
触媒成分の調製
ハフノセン成分は、当分野で公知の技法により調製することができる。例えば、HfCl(1.00当量)を、−30〜−50℃でエーテルに添加し、攪拌して白色の懸濁液を得ることができる。次に、懸濁液を−30〜−50℃に再冷却し、次いでリチウムプロピルシクロペンタジエニド(2.00当量)を少量ずつ添加してもよい。反応物は淡褐色となり、リチウムプロピルシクロペンタジエニドを添加することにより懸濁固体を伴って濃くなる。次に、反応物をゆっくりと室温まで温まらせ、10〜20時間攪拌してもよい。次に得られる褐色の混合物を濾過して、褐色固体及び麦藁色の溶液を得ることができる。次に、この固体を当分野で公知のようにエーテルで洗浄し、合したエーテル溶液を真空濃縮して冷たい白色の懸濁液を得ることができる。次に、灰白色の固体生成物を濾過により単離し、真空乾燥させる。収率は70〜95%。
【0174】
触媒組成物の調製
触媒組成物は、約80:1〜130:1のAl/Hfモル比で製造されるべきであり、完成触媒へのハフニウム負荷量は、以下の一般的手順を用いて約0.6〜0.8重量%のHfであるべきである。トルエン中のメチルアルミノキサン(MAO)は、清浄な、乾燥容器に添加し、50〜80rpmで、かつ60〜100°Fの範囲の温度で攪拌するべきである。次に、さらなるトルエンを攪拌しながら添加してもよい。次に、ハフノセンをトルエンに溶解し、MAOを含む容器に入れてもよい。次に、メタロセン/MAO混合物を30分〜2時間攪拌してもよい。次に、適量のシリカ(22〜28μmの範囲の平均粒度、600℃にて脱水)を添加し、さらに1時間又はそれ以上攪拌してもよい。次に、液体をデカントし、窒素流下、攪拌しながら高温下で触媒組成物を乾燥させる。
【0175】
重合プロセス
エチレン/1−ヘキセンコポリマーを、以下の一般的手順に従って製造した。触媒組成物は、シリカ担持ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライドをメタアルモキサンとともに含み、Al:Hf比は約80:1〜130:1であった。触媒組成物を、流動床気相重合反応器に乾燥状態で注入した。より詳しくは、重合は、およそ2068〜2586kPaの全圧で運転する内径(ID diameter)336.5〜419.3mmの気相流動床反応器で行った。反応器床重量はおよそ41〜91kgであった。流動化ガスは、1秒当たりおよそ0.49〜0.762mの速度で床を通過した。床を出る流動化ガスは、反応器の上部に位置する樹脂離脱ゾーンに入った。次に、流動化ガスは再循環ループに入り、循環ガス圧縮器及び水冷熱交換器を通過した。シェル側の水温を調節して反応温度を規定値に維持した。エチレン、水素、1−ヘキセン及び窒素を、圧縮器のちょうど上流にある循環ガスループに所望のガス濃度を維持するために十分な量で供給した。ガス濃度をオンライン蒸気留分分析器により測定した。生成物(本発明のポリエチレン粒子)を反応器からバッチモードでパージ用容器に取り出した後、それを生成物ビンに移した。樹脂中の残留触媒及び活性剤を生成物ドラム中で湿潤窒素パージにより失活させた。触媒を、所望のポリマー生成速度を維持するために十分な速度でステンレス鋼注入管を通じて反応器床に供給した。この一般法を用いて3つの別々の重合試験が、各々表Iに説明されるように様々な条件を伴って行われた。表IIに、各試験から得られた本発明のポリエチレンサンプル1〜3の特性をまとめる。
【0176】
本発明の繊維1〜3
本発明のポリエチレンサンプル1〜3を、それぞれ下記の工程に従って本発明の繊維1〜3に形成し、その物理的特性について試験する。結果を表IIIに示す。
【0177】
本発明の繊維1〜3を230℃の溶融温度で48穴の紡糸口金(0.5mm×4L/D細管)を通じて紡糸した。ワインダーの速度は1500m/分であり、ゴデット速度を上下に変動させて延伸比を変化させた。ゴデットCとワインダーとの間の緩和は5%未満であった。ゴデットAとゴデットBの間の延伸比(The draw ration)は、本発明の繊維1、2、及び3に対して、それぞれ3.25、4.8、及び2.2であった。急冷空気は12℃であって、片側からのみ供給された;急冷キャビネット長は2メートルであった。3つのゴデットをそれぞれ60℃、100℃、及び110℃に設定した。パッケージの糸を、以下の手順に従って実施される機械的検査のために収集した。本発明の繊維1〜3を従来型繊維ホーンの顎部(fiber horn jaws)に初期長8インチでセットした。トップ顎速度(Top jaw speed)を8インチ/分にセットした。5回の反復試験を行った。最大の力及び最大の力での伸びを記録し、平均した。結果を表IIIに示す。
【0178】
本発明の繊維1〜3を、以下の手順に従ってその熱湯収縮について試験した。本発明の繊維1〜3を糸パッケージから切り取り、長さの印をつけ、15秒間湯に浸した後、引き上げて再測定した。アニールしていない本発明の繊維1〜3についての熱湯収縮結果を表IVに示す。本発明の繊維1〜3を、熱湯での再試験より前に120℃にて7分間、熱風炉中で一定の長さにヒートセットした。アニールした本発明の繊維1〜3についての熱湯収縮結果も表IVに示す。
【0179】
本発明の繊維4及び5
本発明のポリエチレンサンプル2を、下記の工程に従って本発明の繊維4及び5に形成し、その物理的特性について試験する。結果を表IIIに示す。
【0180】
本発明の繊維4及び5を、230℃の溶融温度で、それぞれ48穴の紡糸口金(0.5mm×4L/D細管)及び144穴の紡糸口金を通じて紡糸した。ワインダーの速度は1500m/分であり、ゴデット速度を上下に変動させて延伸比を変化させた。ゴデットCとワインダーとの間の緩和は5%未満であった。ゴデットAとゴデットBの間の延伸比(The draw ration)は、本発明の繊維4及び5に対してそれぞれ3.8及び2であった。急冷空気は12℃であって、片側からのみ供給された;急冷キャビネット長は2メートルであった。3つのゴデットをそれぞれ60℃、100℃、及び110℃に設定した。
【0181】
本発明の編地A及びB
本発明の繊維4及び5を、以下の編成条件下で編成して本発明の編地A及びBを形成した。本発明の繊維4及び5を、一般に多数の糸ロットにおいて品質をチェックするために用いられるFAK(繊維分析編機:Fabric Analysis Knitter)編機で編成した。本発明の編地A及びBは、「プレーン・ジャージ・ニット」で秤量およそ500g/mであった。本発明の編地A及びBは、各々、1インチ当たり28列(又は「コース」)の織物であった。
【0182】
本発明の編地A及びBを、その軟度の認知について、本明細書下文に記載される手触り試験(Handfeel Test)に従って、平滑性、ろう性、剛性、及び手摩擦に基づいて試験した。結果、すなわち平均評定を、表V〜IXに示す。
【0183】
本発明の編地A及びBは、以下の手順に従って耐摩耗性についても試験した。耐摩耗性は、サザーランド2000摩耗試験機を用いて決定した。寸法11.0cm×4.0cm(4.33” ×1.57”)のサンプルを切断し、両面テープを用いて台の上に取り付けた。次に、320グリットのサンドペーパーを、2ポンドの重りに取り付け、その重りをサンプルの上に載せた。次に、アームによって速度2の連続した動作で重りを前後に動かした。1サイクルは、織物に対する重りの1回の前後運動である。サンプルが目に見えるけば立ちを示すまで60サイクルが必要であった。本発明の編地A及びB、ならびに比較編地A〜Cの表面に接着テープを貼り、その後はぎ取ると、本発明の編地A又はBからも、比較編地A〜Cからもテープの上に繊維はほとんど収集されなかった;従って、本発明の編地A及びBは、少なくとも比較編地A〜Cと同じレベルでその完全性を維持したことが示された。サンプルは2回試験し、その平均結果を表Xに示す。
【0184】
比較ポリマー組成物1〜3
比較ポリマー組成物1は、メルトフローレート(230℃及び負荷2.16kg)が9.5のポリプロピレンホモポリマーであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。比較ポリマー組成物1の特性を表IIAに示す。
【0185】
比較ポリマー組成物2は、メルトフローレート(230℃及び負荷2.16kg)が38のポリプロピレンホモポリマーであり、The Dow Chemical Companyから市販されている。比較ポリマー組成物2の特性を表IIAに示す。
【0186】
比較ポリマー組成物3は、密度がおよそ0.941g/cm、メルトインデックス(I)がおよそ4である直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン/オクテンコポリマー)であり、The Dow Chemical Companyから市販されている。比較ポリマー組成物3の特性を表IIAに示す。
【0187】
比較繊維1〜2
比較ポリマー組成物1及び2を、下記の工程に従ってそれぞれ比較繊維1及び2に形成し、その物理的特性について試験した。結果を表IIIAに示す。
【0188】
比較繊維1〜2を、230℃の溶融温度で、48穴の紡糸口金(0.5mm×4L/D細管)を通じて紡糸した。ワインダーの速度は1500m/分であり、ゴデット速度を上下に変動させて延伸比を変化させた。ゴデットCとワインダーとの間の緩和は5%未満であった。ゴデットAとゴデットBの間の延伸比(The draw ration)(V:V)は、比較繊維1、及び2に対して、それぞれ2.75及び3.6であった。急冷空気は12℃であって、片側からのみ供給された;急冷キャビネット長は2メートルであった。3つのゴデットをそれぞれ60℃、100℃、及び110℃に設定した。パッケージの糸を、以下の手順に従って実施される機械的検査のために収集した。比較繊維1〜2を従来型繊維ホーンの顎部(fiber horn jaws)に初期長8インチでセットした。トップ顎速度(Top jaw speed)を8インチ/分にセットした。5回の反復試験を行った。最大の力及び最大の力での伸びを記録し、平均した。結果を表IIIAに示す。
【0189】
比較繊維2を、以下の手順に従ってその熱湯収縮について試験した。比較繊維2を糸パッケージから切り取り、長さの印をつけ、15秒間湯に浸した後、引き上げて再測定した。アニールしていない比較繊維2についての熱湯収縮結果を表IVに示す。比較繊維2を、熱湯での再試験より前に120℃にて7分間、熱風炉中で一定の長さにヒートセットした。アニールした比較繊維2についての熱湯収縮結果も表IVに示す。
【0190】
比較繊維1A〜3A
比較ポリマー組成物1〜3も、それぞれ比較繊維1A〜3Aに形成した。
【0191】
比較繊維1A〜3Aを、230℃の溶融温度で、48穴の紡糸口金(0.5mm×4L/D細管)を通じて紡糸した。ワインダーの速度は1500m/分であり、ゴデット速度を上下に変動させて延伸比を変化させた。ゴデットCとワインダーとの間の緩和は5%未満であった。ゴデットAとゴデットBの間の延伸比(The draw ration)(V:V)は、比較繊維1A、2A、及び3Aに対して、それぞれ2.8、2、及び2.2であった。急冷空気は12℃であって、片側からのみ供給された;急冷キャビネット長は2メートルであった。3つのゴデットをそれぞれ60℃、100℃、及び110℃に設定した。繊維特性及び最大延伸比を表IIIAに示す。
【0192】
比較編地A〜C
比較繊維1A〜3Aを、以下の編成条件下で編成して比較編地A〜Cを形成した。比較繊維1A〜3Aを、一般に多数の糸ロットにおいて品質をチェックするために用いられるFAK(繊維分析編機:Fabric Analysis Knitter)編機で編成した。比較編地A〜Cは、「プレーン・ジャージ・ニット」で秤量およそ500g/mであった。比較編地A〜Cは、各々、1インチ当たり28列(又は「コース」)の織物であった。
【0193】
比較編地A〜Cを、その軟度の認知について、本明細書下文に記載される手触り試験(Handfeel Test)に従って、平滑性、ろう性、剛性、及び手摩擦に基づいて試験した。結果、すなわち平均評定を、表V〜IXに示す。
【0194】
比較編地A〜Cを、以下の手順に従って耐摩耗性について試験した。耐摩耗性は、サザーランド2000摩耗試験機を用いて決定した。寸法11.0cm×4.0cm(4.33”×1.57”)のサンプルを切断し、両面テープを用いて台の上に取り付けた。次に、320グリットのサンドペーパーを、2ポンドの重りに取り付け、その重りをサンプルの上に載せた。次に、アームによって速度2の連続した動作で重りを前後に動かした。1サイクルは、織物に対する重りの1回の前後運動である。サンプルが目に見えるけば立ちを示すまで60サイクルが必要であった。本発明の編地A及びB、ならびに比較編地A〜Cの表面に接着テープを貼り、その後はぎ取ると、本発明の編地A又はBからも、比較編地A〜Cからもテープの上に繊維はほとんど収集されなかった。サンプルは2回試験し、その平均結果を表Xに示す。
【0195】
【表1】

【0196】
【表2】

【0197】
【表2A】

【0198】
【表3】

【0199】
【表3A】

【0200】
【表4】

【0201】
【表5】

【0202】
【表6】

【0203】
【表7】

【0204】
【表8】

【0205】
【表9】

【0206】
【表10】

【0207】
試験法
試験法には、以下のものが含まれる。
密度(g/cm)は、ASTM−D 792−03、方法Bに従って、イソプロパノール中で測定した。試験片は、測定前に熱平衡を達成するために23℃のイソプロパノール浴中8分間コンディショニングした後の成形の1時間以内に測定した。試験片をASTM D−4703−00付属文書Aに従って、約190℃にて5分の初期加熱時間及び手順C当たり15℃/分の冷却速度で圧縮成形した。試験片をプレス機内で45℃に冷却し、「触れると冷たい」程度まで冷却を続けた。
【0208】
メルトインデックス(I)は、ASTM D−1238−03に従って、2.16kgの負荷の下、190℃で測定した。
【0209】
メルトフローレート(I)は、ASTM D−1238−03に従って、5.0kgの負荷の下、190℃で測定した。
【0210】
メルトフローレート(I10)は、ASTM D−1238−03に従って、10.0kgの負荷の下、190℃で測定した。
【0211】
メルトフローレート(I21)は、ASTM D−1238−03に従って、21.6kgの負荷の下、190℃で測定した。
【0212】
重量平均分子量(M)及び数平均分子量(M)は、本明細書下文に記載される、三重検出器GPCを用いる、当分野で公知の方法に従って測定した。
【0213】
エチレンポリマーの分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定した。このクロマトグラフシステムは、Precision Detectors(Amherst,MA)2角度レーザー光散乱検出器モデル2040を備えたWaters(Millford,MA)150℃高温ゲル浸透クロマトグラフからなった。この光散乱検出器の15°の角度を計算目的で使用した。データ収集は、Viscotek TriSECソフトウェアバージョン3及び4−チャネルViscotek Data Manager DM400を用いて行った。このシステムは、Polymer Laboratories製のオンライン溶媒脱気装置を備えた。カルーセル区画は140℃にて作動させ、カラム区画は150℃にて作動させた。用いたカラムは4本のShodex HT806M 300mm、13μmカラムと1本のShodex HT803M 150mm、12μmカラムであった。用いた溶媒は、1,2,4トリクロロベンゼンであった。50ミリリットルの溶媒中、0.1グラムのポリマー濃度でサンプルを調製した。クロマトグラフィー溶媒及びサンプル調製溶媒は、200μg/gのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含んだ。両方の溶媒供給源を窒素スパージした。ポリエチレンサンプルを160℃にて4時間穏やかに攪拌した。用いた注入量は200マイクロリットル、流速は0.67ml/分であった。個々の分子量の間に少なくとも10の分離を有する6つの「カクテル」混合物に配置された、分子量が580〜8,400,000g/モルの範囲の、21の狭分子量分布ポリスチレン標準品を用いて、GPCカラムセットの較正を行った。これらの標準品はPolymer Laboratories(Shropshire,UK)より購入した。ポリスチレン標準品を、1,000,000g/モルに等しいか又はそれ以上の分子量について、50ミリリットルの溶媒中に0.025グラム、1,000,000g/モル未満の分子量について、50ミリリットルの溶媒中に0.05グラムで調製した。ポリスチレン標準品を80℃にて穏やかに攪拌しながら30分間溶解した。これらの狭標準品混合物を最初に、そして最大分子量の成分を減少させる順番で流して分解を最小限にした。以下の方程式を用いて、ポリスチレン標準品のピーク分子量をポリエチレン分子量に変換した(Williams and Ward, J. Polym. Sci., Polym. Let., 6, 621 (1968)に記載):
Mポリエチレン=A×(Mポリスチレン)
(式中、Mは分子量であり、Aの値は0.41であり、Bは1.0に等しい)。多検出器オフセットを決定するための系統的アプローチを、バルク、モーレイらにより公開されている方法(Mourey and Balke, Chromatography Polym, Chpt 12, (1992)及びBalke, Thitiratsakul, Lew, Cheung, Mourey, Chromatography Polym. Chpt 13, (1992))に一致する方法で、自社ソフトウェアを用いてダウ製広ポリスチレン1683からの二重検出器のログ結果を、狭標準較正曲線からの狭標準カラム較正結果に最適化して行った。オフセット決定のための分子量データは、ジム(Zimm,B.H., J.Chem. Phys., 16, 1099 (1948))及びクラトフビル(Kratochvil, P., Classical Light Scattering from Polymer Solutions, Elsevier, Oxford, NY (1987))により公開されるものに一致する方法で得た。分子量の決定のために用いられた全注入濃度は、NISTポリエチレンホモポリマー標準品1475を参照して測定された115,000g/モルの分子量の線形ポリエチレンホモポリマーからのサンプル屈折率面積及び屈折率検出器較正から得た。クロマトグラフィー濃度は、第2ビリアル係数効果(分子量に対する濃度効果)への対処を排除するために十分低いと想定された。分子量計算は自社ソフトウェアを用いて行った。数平均分子量、重量平均分子量、及びz平均分子量の計算は、屈折計シグナルが重量分率に正比例すると仮定して、以下の方程式に従って行った。ベースラインを減算した屈折計シグナルは、下の方程式中の重量分率に直接置き換えることができる。分子量は従来型の較正曲線又は光散乱対屈折計比からの絶対分子量から得られることに留意する。z平均分子量の改善された推定値、ベースラインを減算した光散乱シグナルは、下の方程式(2)中の重量平均分子量と重量分率の積に代入することができる。

【0214】
一峰性(monomodal)分布は、例えば、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる、ワイルドら、Journal of Polymer Science, Poly. Phys. Ed., Vol. 20, p. 441 (1982)に、米国特許第4,798,081号(Hazlitt et al.)に、又は米国特許第5,089,321号(Chum et al.)に記載されるように、昇温溶出分別(一般に「TREF」と略される)データの最大温度ピークの重量分率に従って特徴づけた。分析的昇温溶出分別分析(米国特許第4,798,081号に記載されており、本明細書中では「ATREF」と略す)において、分析されるべき組成物を適した熱溶媒(例えば、1,2,4トリクロロベンゼン)に溶かし、不活性担体(例えば、ステンレス鋼ショット)を含有するカラム中で温度を徐々に低下させることにより結晶化させる。カラムは赤外線検出器及び示差粘度計(DV)検出器の両方を装備した。次に、溶出溶媒(1,2,4トリクロロベンゼン)の温度を徐々に上昇させることによって結晶化したポリマー試料をカラムから溶出させることによりATREF−DVクロマトグラム曲線を作成した。ATREF−DV法は、WO 99/14271号にさらに詳細に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0215】
長鎖分枝は、当技術分野で公知の方法、例えば低角度レーザー光散乱検出器と組み合わせたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC−LALLS)及び示差粘度計検出器と組み合わせたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC−DV)に従って測定した。
【0216】
短鎖分枝分布幅(SCBDB)は、本明細書下文にさらに詳細に記載される分析的昇温溶離分別(ATREF)分析によって得たデータに基づいて測定した。まず溶出曲線の累積分布を30℃から継続して109℃まで計算した。累積分布から、5重量%の温度(T)及び95重量%の温度(T95)を選択した。次に、これらの2つの温度をSCBDB計算の限界として用いた。次に、SCBDBを次の方程式から計算する:

(全てのTは、TとT95及びその間を含む)。Tは、溶出曲線上のi番目の点の温度であり、wは、溶出曲線上の各々の温度からの物質の重量分率であり、Tは、TからT95の間の溶出曲線の重量平均温度である(Σ(w)/Σw)。
【0217】
分析的昇温溶離分別(ATREF)分析は、その全開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,798,081号及びワイルド、L.;ライル、T.R.;ノベロッチ、D.C.;ピート、I.R.;Determination of Branching Distributions in Polyethylene and Ethylene Copolymers, J. Polym. Sci, 20, 441-455 (1982)に記載される方法に従って行った。分析されるべき組成物をトリクロロベンゼンに溶かし、不活性担体(ステンレス鋼ショット)を含有するカラム中で温度を徐々に20℃まで冷却速度0.1℃/分にて低下させることにより結晶化させた。カラムは赤外線検出器を装備した。次に、溶出溶媒(トリクロロベンゼン)の温度を20から120℃へ1.5℃/分の速度で徐々に上昇させることによって結晶化したポリマー試料をカラムから溶出させることによりATREFクロマトグラム曲線を作成した。
【0218】
コモノマー含量は、Randall, Rev. Macromol. Chem. Chys., C29 (2&3), pp. 285-297及び米国特許第5,292,845号において考察されるように(それらの開示は、かかる測定に関する程度まで参照により本明細書に組み込まれる)、C13NMRを用いて測定した。サンプルは、クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中0.025Mであるおよそ3gのテトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物を、10mm NMRチューブに入った0.4gのサンプルに添加することにより調製した。このチューブ及びその内容物を150℃に加熱することにより、サンプルを溶解し、均質化した。データは、100.6MHzの13C共鳴周波数に相当するJEOL Eclipse 400MHz NMRスペクトロメーターを用いて収集した。緩和剤の存在下で定量的13Cデータ取得を確実にするように取得パラメータを選定した。このデータは、ゲート付き1Hデカップリング、データファイルあたり4000回のトランジエント、4.7秒の緩和遅延及び1.3秒の取得時間、24,200Hzのスペクトル幅及び64Kデータポイントのファイルサイズを用いて、プローブヘッドを130℃に加熱して取得した。これらのスペクトルを30ppmでのメチレンピークに対照した。ASTM方法D5017−91を用いて結果を計算した。
【0219】
溶融温度及び結晶化温度は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定した。本明細書に報告される全ての結果は、RCS(冷凍冷却システム)冷却アクセサリー及びオートサンプラーを装備する、TA InstrumentsモデルQ1000 DSCを用いて生成した。50ml/分の窒素パージ気流を全体を通して使用した。175℃及び1500psi(10.3MPa)最大圧力のプレス機を約15秒間用いてサンプルを薄膜に圧縮した後、常圧で室温まで空冷した。次に、ペーパーホールパンチを用いて約3〜10mgの物質を直径6mmの円盤に切断し、直近の0.001mgまで秤量し、軽量アルミニウムパン(約50mg)に入れ、圧着閉鎖した。サンプルの熱挙動を、次の温度プロフィールを用いて調査した:サンプルを急速に180℃まで加熱し、等温的に3分間保持してこれまでの熱履歴を除去した。次に、サンプルを10℃/分の冷却速度で−40℃まで冷却し、−40℃で3分間保持した。次に、サンプルを10℃/分の加熱速度で150℃まで加熱した。冷却曲線及び第2加熱曲線を記録した。
【0220】
ビニル不飽和は、ASTM D−6248−98に従って測定した。
【0221】
トランス不飽和は、ASTM D−6248−98に従って測定した。
【0222】
メチル基は、ASTM D−2238−92に従って決定した。
【0223】
樹脂剛性は、ASTM D−790−99方法Bに従って、5%歪での曲げ弾性率、ならびに1%及び2%歪での割線モジュラス、及び0.5インチ/分(13mm/分)の試験速度を測定することにより特徴づけられる。
【0224】
引張試験は、ASTM D−638によって1分当たり2インチの歪速度で決定される。
【0225】
衝撃引張は、ASTM D−1822−06に従って決定した。
【0226】
細管粘度は、190℃にて、長さ20mm直径1mmの平坦な入口の(180°)ダイを取り付けたGoettfert社製Rheograph2003で100〜6300s−1の範囲の見掛剪断速度で測定した。Rabinowitsch補正を適用して剪断減粘(shear thinning)作用を説明した。補正された剪断速度及び剪断粘度は本明細書中に報告された。
【0227】
手触り試験は、以下の工程に従って行って、次の4つの属性を0から15までの等級で決定した:(1)平滑性;(2)ろう性;(3)剛性;及び(4)手摩擦。
【0228】
次の4つの属性(1)平滑性;(2)ろう性;及び(3)手摩擦を、織物で覆ったナプキンを用いて分析した。4枚のナプキンを相互の上に載せ、織布シートをナプキンの上に載せ、所定の位置にテープで留めてカールを防いだ。ナプキンは、白色の12”×17”、Hoffmaster Linen−Like Dinnerナプキンであった。評価に用いた4.25”×8.5”の範囲はエンボス加工、テクスチャー加工、又はキルト加工されていなかった。
【0229】
属性の剛性は、一枚の織物を用いて分析した。
【0230】
サンプルは、20名の訓練を積んだ個人から構成されるパネルによって評価した。20名のパネリストの各々は、サンプルの外側を評価し(触れて)、各サンプルの平滑性、ろう性、剛性、及び手摩擦特性の量を、本明細書下文に記載されるように、対照群に対して0〜15の等級で評定した。これらの評定を平均し、報告した。
【0231】
各属性は、多重比較においてサンプル間に有意差があるかどうかを決定する分散分析(ANOVA)のF統計を用いて分析した。ANOVAのF比は有意差があるとされるサンプルを示したので、フィッシャーの最小有意差(LSD)を計算して一度に1回の多重比較(One-at-a-Time multiple comparison)を決定した。有意なF値が得られた場合には、フィッシャーのLSD検定をペアワイズ比較に使用する。
【0232】
20名からなるヒト官能パネルを用いて、軟度の認知に関係すると考えられる物品属性を評価した。属性は以下の通り定義される。20名の訓練を積んだパネリストが、無作為順序で提示され、無作為に3桁のラベルを貼ったサンプルを評価した。サンプルは、平滑性、ろう性、剛性、及び手摩擦について評価された。さらなる情報は、Meilgaard、Civille、及びCarrによるSensory Evaluation Techniques, 3rd Edition, CRC Pressに見出すことができる。
【0233】
手摩擦は、手を複合構造の表面上を移動させることにより評価する。サンプルを、評価面を上にしてテーブルの上に平らに置く。手と前腕の重みを使って、端と平行に4方向全てに表面の全域にわたって手を水平に動かす。手摩擦は0〜15の等級で測定され、下に示されるように、0は抵抗なし(最もよく滑る)、15は最も抵抗あり(最も滑らない)である。

【0234】
サンプルを次の手摩擦対照群と比較した。
【表11】

【0235】
平滑性は、表面上の研磨粒子の量を評価した。サンプルを平らにおき、利き手をサンプルの上面に置く;指の重さだけを使って、サンプルの表面の全域にわたって指を動かす。平滑性は0〜15の等級で測定され、下に示されるように、0は最も平滑(最も粗くない)、15は最も平滑でない(最も粗い)である。

【0236】
サンプルを次の平滑性対照群と比較した。
【表12】

【0237】
ろう性属性は、サンプルの表面及び内部のろう感触の量を評価する。サンプルを平らにおき、利き手をサンプルの上面に置く;指の重さだけを使って、サンプルの表面の全域にわたって指を動かす。ろう性も0〜15の等級で測定され、下に示されるように、0は最もろう質であり、15はろう質でない。

【0238】
サンプルを次のろう性対照群と比較した。
【表13】

【0239】
剛性は、サンプルが尖っている、畝がある、又は亀裂があると感じる程度を評価する。サンプルを平らにおき、利き手をサンプルの上面に置く;指がサンプルの上面の方向をさしているように置く。次に指を閉じ、指で複合サンプルを掌の方に集める。次に、利き手でない方の手を用いてサンプルをカップ状にへこんだ利き手の中に押し込む。次に、利き手を僅かに閉じ、サンプルを掌の中で回転させてサンプルを扱う。剛性も0〜15の等級で測定され、下に示されるように、0が最も堅くない(最も柔軟である)、15が最も堅い(最も柔軟でない)。

【0240】
サンプルを次の剛性対照群と比較した。
【表14】

【0241】
本発明は、その精神及び本質的な特性から逸脱することなく、その他の形態で具体化されてもよく、したがって、前述の明細書よりもむしろ添付される特許請求の範囲を、本発明の範囲を示すものとして参照するべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
100重量%以下のエチレン由来単位と;
20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位;
を含むポリエチレン組成物であって、
前記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)は1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)は0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)は2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が、前記組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である、ポリエチレン組成物。
【請求項2】
前記ポリエチレン組成物の密度が0.930〜0.960g/cmの範囲であり、メルトインデックス(I)が1〜50g/10分の範囲である、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項3】
前記ポリエチレン組成物のビニル不飽和が、組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.05ビニル未満である、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項4】
前記ポリエチレン組成物が、30℃より低いパージピークを除く、30℃以上での連続昇温溶出分別法により決定される溶出温度−溶出量曲線上に2未満のピークを有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項5】
前記ポリエチレン組成物が15重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位を含む、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項6】
前記ポリエチレン組成物が長鎖分枝を含まない、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項7】
前記ポリエチレン組成物が、100万部のポリエチレン組成物当たり100重量部未満の、ハフニウム系メタロセン触媒から残存するハフニウム残留物を含む、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項8】
エチレンと、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを、ハフニウム系メタロセン触媒の存在下、単一段階反応器中での気相(共)重合プロセスにより(共)重合する工程と;
それにより、密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)は1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)は0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)は2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が、前記組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満である、前記ポリエチレン組成物を製造する工程と
を含む、ポリエチレン組成物を製造するための方法。
【請求項9】
ハフニウム系メタロセン触媒の存在下、単一段階反応器中での気相(共)重合プロセスによる、エチレンと、所望により1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーの(共)重合反応生成物を含むポリエチレン組成物であって;
前記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)は1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)は0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)は2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が、前記組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満である、ポリエチレン組成物。
【請求項10】
100重量%以下のエチレン由来単位と;
20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位;
を含むポリエチレン組成物であって、
前記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)は1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)は0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)は2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が、前記組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満であるポリエチレン組成物を含む、繊維。
【請求項11】
前記繊維のフィラメント当たりのデニールが、50g/9000m未満の範囲である、請求項10に記載の繊維。
【請求項12】
前記繊維の強度が、0.1〜5g/デニールの範囲である、請求項10に記載の繊維。
【請求項13】
前記繊維の伸びはパーセントで表して1000未満である、請求項10に記載の繊維。
【請求項14】
前記繊維の熱湯収縮が、パーセントで表して、120℃でアニールした後に30未満の範囲である、請求項10に記載の繊維。
【請求項15】
前記繊維が、短繊維又は長繊維である、請求項10に記載の繊維。
【請求項16】
100重量%以下のエチレン由来単位と;
20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位;
を含むポリエチレン組成物であって、
前記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)は1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)は0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)は2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が、前記組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.06ビニル未満であるポリエチレン組成物を選択する工程と;
前記ポリエチレン組成物を繊維に紡糸する工程と;
それにより前記繊維を形成する工程と
を含む、繊維を製造するための方法。
【請求項17】
前記方法が、前記繊維を延伸する工程をさらに含む、請求項16に記載の繊維を製造するための方法。
【請求項18】
前記繊維が、低温延伸により延伸される、請求項17に記載の繊維を製造するための方法。
【請求項19】
方法が、前記繊維をアニールする工程をさらに含む、請求項17に記載の繊維を製造するための方法。
【請求項20】
前記アニーリング工程が100℃又はそれ以上で実行される、請求項19に記載の繊維を製造するための方法。
【請求項21】
前記繊維が固定された長さでアニールされる、請求項19に記載の繊維を製造するための方法。
【請求項22】
前記繊維が少なくとも1.5Xで延伸され、前記Xは引取ロール速度の供給ロール速度に対する比である、請求項19に記載の繊維を製造するための方法。
【請求項23】
100重量%以下のエチレン由来単位と;
20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位;
を含むポリエチレン組成物であって、
前記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)は1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)は0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)は2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が、前記組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満であるポリエチレン組成物を含む繊維を準備する工程と;
製織工程、編み工程、メルトブロー工程、スパンボンド工程、エアレイド工程、ニードルパンチ工程、水流交絡工程、エレクトロスピニング工程、及びそれらの組合せからなる群より選択される工程によって前記繊維を前記織物に形成する工程と
を含む、織物を作るための方法。
【請求項24】
100重量%以下のエチレン由来単位と;
20重量%未満の1又はそれ以上のα−オレフィンコモノマー由来単位;
を含むポリエチレン組成物であって、
前記ポリエチレン組成物の密度が0.920〜0.970g/cmの範囲であり、分子量分布(M/M)は1.70〜3.5の範囲であり、メルトインデックス(I)は0.2〜1000g/10分の範囲であり、分子量分布(M/M)は2.5未満の範囲であり、ビニル不飽和が、前記組成物の主鎖に存在する炭素原子1000個当たり0.1ビニル未満であるポリエチレン組成物を含む、1又はそれ以上の繊維を含む、織物。
【請求項25】
前記織物が、織布、不織布、及びそれらの組合せからなる群より選択される、請求項24に記載の織物。
【請求項26】
前記織布が、摩擦試験以前の織物の重量当たり、磨耗繊維が5重量%未満の範囲の耐摩耗性を有する、請求項25に記載の織布。
【請求項27】
前記織物が、室内装飾品、服飾品、壁装材、カーペット、おむつの表面シート、おむつのバックシート、医療用布、外科用包装材、病院用ガウン、ワイプ、テキスタイル、及びジオテキスタイルからなる群より選択される物品である、請求項24に記載の織物。
【請求項28】
前記織物が、摩擦試験以前の織物の重量当たり、磨耗繊維が5重量%未満の範囲の耐摩耗性を有する織布である、請求項24に記載の織物。
【請求項29】
前記織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、前記織物の平滑性値が2未満の範囲である、請求項24に記載の織物。
【請求項30】
前記織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、前記織物のワックス値が7より大きい範囲である、請求項24に記載の織物。
【請求項31】
前記織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、前記織物の手摩擦値が3.5未満の範囲である、請求項24に記載の織物。
【請求項32】
前記織物が、フィラメント当たりのデニールが5g/9000m未満の範囲、例えば2g/9000mの1又はそれ以上の繊維を含み、前記織物の剛性値が1.1未満の範囲である、請求項24に記載の織物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−527723(P2011−527723A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517589(P2011−517589)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/050003
【国際公開番号】WO2010/006097
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】