説明

ポリグリコール酸樹脂組成物およびその成形物

【課題】耐加水分解性および延伸性の改善されたポリグリコール酸樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリグリコール酸樹脂100重量部と、フェノール系樹脂0.1〜50重量部とからなるポリグリコール酸樹脂組成物。フェノール樹脂としては、フェノール構造を繰り返し単位中に含む、ポリビニルフェノールまたはノボラック型フェノール樹脂が好適に使用される。該樹脂組成物は、非延伸シート状や延伸シート状のほか、フィルム、容器、ボトル、トレイ、カップ、蓋等に成形される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリグリコール酸樹脂を主成分とする樹脂組成物、特にその延伸性および耐加水分解性を調節した組成物ならびにその延伸成形物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリグリコール酸やポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルは、土壌や海中などの自然界に存在する微生物または酵素により分解されるため、環境に対する負荷が小さい生分解性高分子として注目されている。また、脂肪族ポリエステルは、生体内分解吸収性を有しているため、手術用縫合糸や人工皮膚などの医療用高分子材料としても利用されている。
【0003】
脂肪族ポリエステルの中でも、ポリグリコール酸は、酸素ガスバリア性、炭酸ガスバリア性、水蒸気バリア性などのガスバリア性に優れ、耐熱性や機械的強度にも優れているので、包装材料などの分野において、単独で、あるいは他の樹脂材料などと複合化して用途展開が図られている(例えば特許文献1〜4)。
【0004】
ポリグリコール酸は加水分解性であり、その加水分解に伴い、バリア性や強度が低下するという問題がある。これは加水分解によってポリグリコール酸の分子量が低下するためである。
【0005】
この問題を解決するため、ポリグリコール酸のカルボキシル基末端を封鎖し耐加水分解性を向上させることが試みられている(例えば特許文献5〜7)。しかし、ポリグリコール酸の様々な用途での利用を考えた場合、未だ耐加水分解性が充分とは云い難く、樹脂自体としての一層の耐加水分解性の向上が望まれている。
【0006】
またポリグリコール酸は結晶性高分子であるため、ガラス状態から延伸を行う場合に、高温において結晶化により延伸性が低下するという問題がある。
【特許文献1】特開平10−60136号公報
【特許文献2】特開平10−80990号公報
【特許文献3】特開平10−138371号公報
【特許文献4】特開平10−337772号公報
【特許文献5】特開平11−80522号公報
【特許文献6】特開2001−261797号公報
【特許文献7】特開2001−335626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の目的は、耐加水分解性および延伸性の改善されたポリグリコール酸樹脂組成物およびその成形物を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のポリグリコール酸樹脂組成物は、上述の目的の達成のために開発されたものであり、ポリグリコール酸樹脂100重量部と、フェノール系樹脂0.1〜50重量部とからなることを特徴とするものである。ここでフェノール系樹脂とは、フェノール(すなわちヒドロキシベンゼン)構造を繰り返し単位中に含む樹脂を意味し、その好ましい例としては、ポリビニルフェノールおよびノボラック型フェノール樹脂が含まれる。
【0009】
本発明のポリグリコール酸樹脂組成物の延伸性が改善される理由は、ポリグリコール酸中のカルボニル基と、フェノール系樹脂中のフェノール性水酸基との相互作用によりポリグリコール酸の昇温過程での結晶化が起こる温度が高温にシフトするためである。これによって通常のポリグリコール酸が結晶化によって延伸が困難になる温度であっても、本発明の樹脂組成物では結晶化が起こらずに延伸が可能になる。本発明における昇温過程での結晶化は、例えば一旦、溶融化後、急冷することにより、少なくとも部分的に非晶質とした結晶性樹脂を加熱する際に起こる結晶化現象を意味する。またこの昇温過程での結晶化温度(Tc1)のシフトは示差走査熱量分析(DSC)によって確認することが出来る。
【0010】
本発明のポリグリコール酸樹脂組成物の耐加水分解性が向上する理由は、必ずしも明らかではないが、フェノール性水酸基の存在によりポリグリコール酸樹脂の疎水性が向上したためと考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(ポリグリコール酸樹脂)
本発明のポリグリコール酸樹脂組成物の主成分であるポリグリコール酸樹脂は、式−(−O−CH−C(O)−)−で表わされるグリコール酸繰り返し単位のみからなるグリコール酸の単独重合体(グリコール酸の2分子間環状エステルであるグリコリド(GL)の開環重合物を含む)に加えて、上記グリコール酸繰り返し単位を55重量%以上含むグリコール酸共重合体を含むものである。
【0012】
上記グリコリド等のグリコール酸モノマーとともに、グリコール酸共重合体を与えるコモノマーとしては、例えば、シュウ酸エチレン(即ち、1,4−ジオキサン−2,3−ジオン)、ラクチド類、ラクトン類(例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、β−ピバロラクトン、γ−ブチロラクトン、β−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等)、カーボネート類(例えばトリメチリンカーボネート等)、エーテル類(例えば1,3−ジオキサン等)、エーテルエステル類(例えばジオキサノン等)、アミド類(εカプロラクタム等)などの環状モノマー;乳酸、3−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸またはそのアルキルエステル;エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類と、こはく酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸類またはそのアルキルエステル類との実質的に等モルの混合物;またはこれらの2種以上を挙げることができる。なかでも得られる共重合体の耐熱性の観点で、グリコール酸以外のヒドロキシカルボン酸が好ましい。
【0013】
ポリグリコール酸樹脂中の上記グリコール酸繰り返し単位は55重量%以上であり、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。この割合が小さ過ぎると、ポリグリコール酸樹脂に期待されるガスバリア性向上効果が乏しくなり、また耐熱性も低下する。この限りで、ポリグリコール酸樹脂としては、2種以上のグリコール酸(共)重合体を併用してもよい。
【0014】
本発明で使用するポリグリコール酸樹脂(すなわちグリコール酸(共)重合体)は、温度270℃及びせん断速度122sec−1の条件下で測定した溶融粘度が、100〜10,000Pa・sec、より好ましくは300〜8,000Pa・sec、特に好ましくは400〜5,000Pa・secの範囲にあることが好ましい。
【0015】
本発明のポリグリコール酸樹脂組成物は、上記したポリグリコール酸樹脂を主成分とし、更にフェノール系樹脂を配合することにより得られる。
【0016】
前述したように本発明で用いるフェノール系樹脂は、フェノール構造を繰り返し単位中に含む樹脂(重合体)を意味し、その好ましい例としては、ポリビニルフェノールおよびノボラック型フェノール樹脂が含まれる。
【0017】
ポリビニルフェノールとしては、4−ビニルフェノールおよび3−ビニルフェノールを含むビニルフェノール(ヒドロキシスチレンともいう)の単独または共重合体あるいは誘導体を用いることができる。
【0018】
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール、アルキル置換フェノールなどのフェノール類と、ホルマリン、パラホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを酸性触媒の存在下で反応して得られる固体のフェノール樹脂(すなわちフェノール−アルデヒド樹脂)であり、単独で、あるいは2種以上を組み合せて使用することができるが、最も一般的なフェノール−ホルムアルデヒド樹脂が好ましく用いられる。
【0019】
本発明のポリグリコール酸樹脂組成物は、ポリグリコール酸樹脂100重量部に対し、0.1〜50重量部のフェノール系樹脂を配合することにより得られる。0.1重量部未満では配合効果が乏しく、50重量部を超えると、ポリグリコール酸の分解を助長することがある。10〜30重量部の添加が、配合効果、成形性の観点からより好ましい。
【0020】
フェノール系樹脂をポリグリコール酸樹脂に配合するに当たっては、両者を押出し機を用いて溶融・混練して成型加工に供することができる。また溶媒に溶解してキャスト成形を行っても良い。
【0021】
上記配合によって、本発明のポリグリコール酸樹脂組成物の、示差走査熱量分析(DSC)測定による、昇温過程での結晶化温度を、無添加のポリグリコール酸樹脂のそれに比べて、1〜80℃上昇することができる。
【0022】
本発明のポリグリコール酸樹脂組成物には、上記樹脂成分に加えて、例えばポリグリコール酸樹脂100重量部当たり0.003〜1重量部のペンタエリスリトール骨格構造を有するリン酸エステル及び/又はリン酸もしくは亜リン酸のアルキルエステル等の熱安定剤、その他の添加剤を添加することも好ましい。
【0023】
本発明のポリグリコール酸樹脂組成物の単独層、あるいは他の熱可塑性樹脂との積層物を、適当な条件下での延伸に付することにより延伸成形物が得られる。
【0024】
積層体においては、層間剥離強度を高めるなどの目的で、各層間に接着性樹脂層を介在させることができる。接着性樹脂(単に、「接着剤」ともいう)としては、押出加工などの溶融加工が可能で、かつ、各樹脂層に良好な接着性を示すものであることが好ましい。
【0025】
接着性樹脂としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(三菱化学社製モディックS525、F533)、カルボキシル変性ポリオレフィンを主成分とする該カルボキシル変性ポリオレフィンとエポキシ化ポリオレフィンとの組成物、例としてグリシジル基含有エチレンコポリマー(日本石油化学社製レクスパールRA3150、住友化学社製ボンドファースト2C、E、B)、熱可塑性ポリウレタン(クラレ社製クラミロン1195L)、ポリアミド・アイオノマー(三井デュポン社製AM7926)、ポリアクリルイミド樹脂(ローム・アンド・ハース社製XHTA)、三井化学社製アドマーNF550〔酸変性線状低密度ポリエチレン、MFR=6.2g/10分(温度190℃、荷重2160g荷重)〕などを挙げることができる。
【0026】
本発明の脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、シートあるいはフィルムの成形加工において、1軸または2軸に延伸して配向度を高めることにより、ガスバリア性、機械特性等の特性を向上することができる。延伸にあたっては、条件の適切な設定が重要である。本発明のポリグリコール酸樹脂組成物は、結晶化温度の上昇によって、高温での延伸性が向上することが特徴である。よって延伸温度としては45℃〜140℃が好ましく、80℃〜120℃がより好ましい。
【0027】
上記の延伸処理後、延伸成形物を100℃〜200℃で10秒〜20分保持し、熱処理を行うことが、成形物の寸法安定性、耐熱性、の観点で好ましい。
【0028】
上記で得られたポリグリコール酸樹脂の単層又は他の熱可塑性樹脂との積層状態の延伸成形物は、更に他の熱可塑性樹脂と必要に応じて接着剤を用いることにより、共押出し加工、あるいはラミネート加工することも出来る。本発明のポリグリコール酸樹脂延伸成形物は、このような積層形態の成形物をも包含するものである。
【0029】
本発明のポリグリコール酸樹脂組成物の延伸成形物は、全体形状として、フィルムもしくはシート、ブロー成形容器もしくはボトル、シート成形によるトレイもしくはカップもしくは蓋、袋状容器、または筒状包材などの形態を採り得る。フィルムもしくはシートは、通常更に加工され、カップ、トレイ、袋状容器などに成形される。
【0030】
従って、上記したポリグリコール酸樹脂組成物の単層または他の熱可塑性樹脂との積層による一次成形体は、押し出し又は射出による平板シートあるいはパリソンもしくはプリフォーム等の形態を採ることが出来、これをテンター処理あるいはブロー成形あるいは真空成形に付す過程において上記延伸が実現される。
【0031】
本発明の延伸成形物の具体的な応用例には、EVOHなどのガスバリア性樹脂からなる層を含有する多層構成のボトルや包装体において、ガスバリア性樹脂をポリグリコール酸樹脂に置き換えた多様な形態が採り得る。
【実施例】
【0032】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明について、更に具体的に説明する。以下の記載を含めて本明細書中に記載の物性値は、以下の方法による測定値に基づく。
【0033】
(1)昇温過程における結晶化温度(Tc1)
対象樹脂を、一旦250℃以上に加熱溶融し、150℃/分以上の速度で急冷した非晶樹脂を試料としてDSC(示差走査熱量)測定を行う。すなわち、DSC測定装置((株)島津製作所製「DSC−60」)を用い、試料樹脂5mgをAlパンに載せ、窒素雰囲気下(流量:30ml/分)において、−30〜250℃の温度範囲を20℃/分の速度で昇温し、結晶化に伴う発熱ピーク温度を結晶化温度(Tc1)とした。
【0034】
(2)分子量
試料樹脂約5mgをジメチルスルホキシド(DMSO)200μl中に加え160℃で溶解させ、室温まで冷却した後、更に5mMのトリフルオロ酢酸ナトリウムを溶解したヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)液5mlを加えて再溶融して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定試料とし、下記の条件にてGPC測定を行い、分子量分布ならびに重量平均分子量を求めた。
【0035】
−GPC測定条件−
装置:昭和電工(株)製「Shodex−104」
カラム:HFIP−606M、2本(直列接続)およびプレカラム、
カラム温度:40℃
溶離液:5mMのトリフルオロ酢酸ナトリウムを溶解させたHFIP溶液、
流速:0.6mL/分、
検出器:RI(Refractive Index:示差屈折率)検出器、
分子量較正:分子量の異なる標準ポリメタクリル酸メチル5種を用いた。
【0036】
(比較例1)
ポリグリコール酸ホモポリマー(温度270℃、せん断速度122sec−1、測定した溶融粘度が1200Pa・secのもの)100重量部に対し、0.1重量部のリン酸アルキルエステル系熱安定剤(旭電化工業(株)製「アデカスタブAX−71」)のみを加え、両者を、原料として温度を250℃とした二軸押出機(東洋精機製作所(株)製「ラボプラストミル」)により溶融・混練して樹脂試料を得た。この樹脂試料を、プレス成型機(神藤金属工業所(株)製)を用いて温度250℃、圧力100kg・f/cmで2分間プレスし、その後、冷却用プレス機(東洋精機製作所(株)製)により急冷して厚さ200μmの非晶シート試料を得た。
【0037】
(実施例1〜4)
比較例1で用いたポリグリコール酸ホモポリマー100重量部およびリン酸アルキルエステル系熱安定剤0.1重量部に加えて、それぞれ5、10、30および50重量部のポリビニルフェノール(和光純薬工業(株)製)を含めた原料を用いる以外は、比較例1と同様にして、4種の樹脂試料、更には4種の非晶シート試料を得た。
【0038】
(実施例5〜7)
比較例1で用いたポリグリコール酸ホモポリマー100重量部およびリン酸アルキルエステル系熱安定剤0.1重量部に加えて、それぞれ5、10および30重量部のノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト(株)製「スミライトレジン」)を含めた原料を用いる以外は、比較例1と同様にして、3種の樹脂試料、更には3種の非晶シート試料を得た。
【0039】
<特性評価>
(結晶化温度(Tc1))
上記比較例および実施例で得られた計8種の非晶シート試料から切り取った各5mgの樹脂試料について前記方法により、DSC測定を行い昇温過程における結晶化温度(Tc1)を求めた。その結果を、以下の特性評価結果とまとめて後記表1に記す。
【0040】
(延伸性)
上記比較例1および実施例1〜3で得られた非晶シートについて、二軸延伸機(東洋精機製作所(株)製「X6HS」)を用いて、延伸温度80℃および90℃で、延伸倍率縦横各4倍、延伸前の予熱時間1分、延伸速度縦横各7m/分の条件で同時二軸延伸を試みた。その結果において、延伸過程で破断せずに延伸できたものを延伸性A、延伸過程で破断したものを延伸性Cとして評価した。
【0041】
(分子量減少率(%))
−未延伸シート−
上記比較例1ならびに実施例2および6(いずれもフェノール系樹脂配合量が10重量部)の非晶(未延伸)シートについて、前記方法によりGPC測定を行い、更に40℃/90%相対湿度条件下で150時間放置後GPC測定を行って、それぞれ重量平均分子量を求めた。更に、放置前後の重量平均分子量を、それぞれMa、Mbとして(1−(Ma/Mb))×100(%)により、分子量の減少率(%)を求めた。
【0042】
−延伸フィルム−
上記比較例1ならびに実施例の非晶シートについて、上記二軸延伸機を用い、延伸温度60℃、延伸倍率縦横計3.5倍、延伸速度各方向7m/分の条件で同時二軸延伸を行った。得られた厚さ約57μmの延伸フィルムについて、上記未延伸シートと同様に前記方法によりGPC測定を行い、同様に40℃/90%相対湿度の条件下で、但し600時間の放置を行い、放置前後の重量平均分子量Ma、Mbから同様に分子量減少率を求めた。
【0043】
上記で求めた、結晶化温度、延伸性および分子量減少率の特性結果については、まとめて下表1に記す。
【表1】

【0044】
上記表1によれば、本発明に従いポリグリコール酸樹脂にフェノール系樹脂を配合することにより有意な結晶化温度の上昇、対応して延伸性の向上および分子量減少率の低下で代表される耐加水分解性の向上が得られることが分る。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上述したように、本発明によれば、ポリグリコール酸樹脂に、フェノール系樹脂を配合することにより、結晶化温度の上昇を通じて有意に改善された延伸性および耐加水分解性の向上したポリグリコール酸樹脂組成物が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリグリコール酸樹脂100重量部と、フェノール系樹脂0.1〜50重量部とからなるポリグリコール酸樹脂組成物。
【請求項2】
フェノール系樹脂がポリビニルフェノールまたはノボラック型フェノール樹脂である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
ポリグリコール酸樹脂単独に比べて、昇温過程における結晶化温度が1〜80℃上昇している請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のポリグリコール酸樹脂組成物からなる樹脂成形物。
【請求項5】
40℃/90%相対湿度雰囲気下で150時間放置後の重量平均分子量低下率がポリグリコール酸樹脂単独の成形物に比べて5%を超えて低減されている非延伸シート状である請求項4に記載の樹脂成形物。
【請求項6】
40℃/90%相対湿度雰囲気下で600時間放置後の重量平均分子量低下率がポリグリコール酸樹脂単独の成形物に比べて5%を超えて低減されている延伸シート状である請求項4に記載の樹脂成形物。

【公開番号】特開2007−23082(P2007−23082A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−203527(P2005−203527)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】