説明

ポリプロピレン系樹脂組成物、シーラントフィルム及びレトルト食品包装用積層体

【課題】加圧・加熱殺菌処理(レトルト処理)後にヒートシール強度の低下がなく、低温における耐衝撃性にも優れたポリプロピレン系樹脂組成物、これを原料とするシーラントフィルム、及びこのシーラントフィルムを用いたレトルト食品包装用積層フィルムを提供すること。
【解決手段】(A)ポリプロピレン系樹脂30〜95質量%と、(B)シングルサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体5〜70質量%とからなる樹脂組成物に対して、(C)エチレン−α−オレフィン共重合体を配合してなるポリプロピレン系樹脂組成物。このポリプロピレン系樹脂組成物を原料とするシーラントフィルム、及びこのシーラントフィルムを積層してなるレトルト食品包装用積層フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシール性及び低温における耐衝撃性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物、これを用いて成形したシーラントフィルム及びレトルト食品包装用積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調理した食品をあらかじめ袋に入れて密封した後、加圧・加熱殺菌処理(レトルト処理)したいわゆるレトルト食品が普及している。このレトルト食品の包装袋は、多くの層からなる積層体であって、少なくとも基材フィルムとシーラントフィルムとから構成されている。基材フィルム層とシーラントフィルム層の中間には、アルミ箔が積層されることも多い。基材フィルムとしては、例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムや二軸延伸ナイロンフィルムが用いられる。
【0003】
レトルト食品は、一般に長期間に亘る常温保存あるいは冷蔵・冷凍保存されることから、その包装体に用いられるシーラントフィルムには、ヒートシール部から破損しないように高いヒートシール強度と低温における耐衝撃性が要求される。また同時にレトルト食品は、食品を充填し密封した後、高温・高圧釜(レトルト釜)を用いて100〜140℃程度の温度でレトルト処理が行われるために、その処理に耐えられるようなヒートシール部の耐熱性とヒートシール強度の保持が、食品の品質管理上からも要求されている。
【0004】
特に、近年になって、冷凍流通及び大袋の増加、シーラントフィルムの薄肉化により、低温耐衝撃性の一層の向上が要望されている。それ故、レトルト用途に使用するシーラントフィルムには、低温耐衝撃性を向上すべく、EPR(エチレン−プロピレンゴム)などのエラストマーが添加されることが多い。しかしながら、このような成分は、レトルト処理後のヒートシール強度を低下させてしまうという問題がある。
【0005】
そこで、レトルト処理後の包装袋のヒートシール強度を向上させることを目的として、パラキシレン可溶部の極限粘度[η]が1.5〜2.8dl/gのプロピレン−エチレンブロック共重合体90〜99重量%にエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムを1〜10重量%添加したポリプロピレン樹脂組成物や、プロピレンブロック95〜70重量%とエラストマーブロック5〜30重量%からなるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体をヒートシール層に用いるレトルト食品包装用樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1、2)。また、低温における包装袋の耐衝撃強度を上げることを目的として、ポリプロピレン系樹脂とシングルサイト触媒により重合して得られたエチレン−α−オレフィン共重合体からなるレトルト食品用樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】特開2000−119480号公報
【特許文献2】特開2000−255012号公報
【特許文献3】特開2003−064228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のポリプロピレン樹脂組成物では、低温における耐衝撃性は優れるものの、レトルト処理後のヒートシール強度の低下防止効果が十分ではない。また、特許文献2に記載の樹脂組成物は低温における耐衝撃性が十分ではなく、レトルト処理後のヒートシール強度の低下防止効果も不十分である。さらに、レトルト処理後に包装袋表面に凹凸(いわゆるユズ肌)が生ずることもあった。特許文献3に記載の樹脂組成物は、低温における耐衝撃性や低温ヒートシール強度には優れているが、レトルト処理後のヒートシール強度の低下防止効果が必ずしも十分とはいえなかった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、加圧・加熱殺菌処理(レトルト処理)後にヒートシール強度の低下がなく、低温における耐衝撃性にも優れたポリプロピレン系樹脂組成物、これを用いて成形したシーラントフィルム、及びこのシーラントフィルムを用いたレトルト食品包装用積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、(A)ポリプロピレン系樹脂30〜95質量%と、(B)シングルサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体5〜70質量%とからなる樹脂組成物に対して、(C)エチレン−α−オレフィン共重合体を配合したことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、ポリプロピレン系樹脂とシングルサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体とを所定の割合で含む組成物に対して、さらにエチレン−α−オレフィン共重合体を配合しているので、フィルム状に成形したときに高いヒートシール強度が得られる。また、低温でヒートシールしたときでも高いヒートシール強度が得られる。しかも、高温のレトルト処理を経てもこのヒートシール強度はほとんど低下しない。さらに、このフィルムは、低温での耐衝撃性にも優れる。それ故、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、例えばレトルト食品包装用積層体を構成するシーラントフィルム用の原料樹脂組成物として好適である。
【0011】
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物では、成分(A)がプロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、及びプロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
この発明によれば、成分(A)であるポリプロピレン系樹脂がプロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、及びプロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂であるため、剛性と耐衝撃性のバランスに優れたポリプロピレン系樹脂組成物を提供できる。
【0012】
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物では、成分(B)のプロピレン−エチレンランダム共重合体は、アイソタクチック構造を有し、密度が0.89〜0.915g/cm、メルトフローレート(MFR)が0.1〜15g/10minであることが好ましい。
この発明によれば、成分(B)であるシングルサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体がアイソタクチック構造を有し、密度とメルトフローレート(MFR)が所定の範囲にあるので、剛性と耐衝撃性のバランスに優れるとともに、適度な成形性(押出特性)を持ったポリプロピレン系樹脂組成物を提供できる。
【0013】
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物では、成分(C)のコモノマーであるα−オレフィンの炭素数が3〜18であることが好ましい。
【0014】
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物では、成分(A)と成分(B)とからなる樹脂組成物100質量部に対して、成分(C)を、2〜35質量部配合することが好ましい。
この発明によれば、成分(C)であるエチレン−α−オレフィン共重合体が2〜35質量部配合されているので、低温における耐衝撃性に特に優れる。例えば、本組成物からなるシーラントフィルムを用いた製袋品を、低温の環境下で落下させた場合の破袋強度に優れる。
【0015】
本発明のシーラントフィルムは、前記したポリプロピレン系樹脂組成物が原料であることを特徴とする。
この発明によれば、シーラントフィルムが前記したポリプロピレン系樹脂組成物を原料としているため、低温での耐衝撃性に優れる。さらに、このシーラントフィルムは、高いヒートシール強度を持ち、しかも、高温のレトルト処理を経てもヒートシール強度が低下しない。
【0016】
本発明のレトルト食品包装用積層体は、前記したシーラントフィルムの片面に基材フィルムが積層されていることを特徴とする。
この発明によれば、前記したシーラントフィルムの片面に基材フィルムが積層されているため、レトルト食品包装袋として前述の効果を奏する。なお、基材フィルムとしては、耐熱性の観点から二軸延伸ポリエステルフィルムが好ましく、耐衝撃性・耐ピンホール性の観点からは二軸延伸ナイロンフィルムが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について詳述する。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、(A)ポリプロピレン系樹脂30〜95質量%と、(B)シングルサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体5〜70質量%とからなる樹脂組成物に対して、(C)エチレン−α−オレフィン共重合体が配合されたものである。
成分(A)であるポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、及びプロピレン−エチレン−ブテン−1三元共重合体等が挙げられる。
【0018】
プロピレン−エチレンブロック共重合体としては、エチレン単位を5〜40質量%含有するものが好ましく、15〜30質量%含有するものがより好ましい。また、メルトフローレート(MFR)は、0.1〜15g/10minであることが好ましく、0.5〜4.0g/10minであることがより好ましい。融点は、150〜170℃であることが好ましい。
【0019】
前記エチレン量が5質量%未満の場合は、該共重合体の耐衝撃性が低下するため、その共重合体を用いた本願ポリプロピレン系樹脂組成物の耐衝撃性も低下するおそれがある。前記エチレン量が40質量%を越えると、該共重合体の耐熱性が低下し、その共重合体を用いた本願ポリプロピレン系樹脂組成物は、レトルト後のヒートシール強度が低下するおそれがある。
該共重合体のメルトフローレートが0.1g/10min未満であると、その共重合体を用いた本願ポリプロピレン系樹脂組成物は製膜が難しくなり、15g/10minを越えると、その共重合体を用いた本願ポリプロピレン系樹脂組成物からなるフィルムの耐衝撃性が低下するおそれがある。
該共重合体の融点が150℃未満の場合は、該共重合体の耐熱性が低下し、その共重合体を用いた本願ポリプロピレン系樹脂組成物は、レトルト後のヒートシール強度が低下するおそれがある。170℃を越える融点を持つ該共重合体は、実質的に、高アイソタクティックなホモポリプロピレンと同じことになり(エチレン量がゼロに近い)、耐衝撃性が低いため、その共重合体を用いた本願ポリプロピレン系樹脂組成物の耐衝撃性も低下するおそれがある。
【0020】
プロピレン−エチレンランダム共重合体としては、エチレン単位を2〜10質量%含有するものが好ましい。また、MFRは、0.1〜15g/10minであることが好ましく、0.5〜4.0g/10minであることがより好ましい。
エチレン単位が2質量%未満であると、低温でヒートシールする場合にいわゆるショット数を落とさざるを得なくなる上に、ヒートシール部の耐衝撃性も低下する。一方、エチレン単位が10質量%を越えると、融点が低くなりすぎ、レトルト用途には使用しにくくなる。エチレン単位の含有量は、より好ましくは2〜5質量%である。
MFRが0.1g/10min未満であると、フィルムの押出成形が困難となる。一方、MFRが15g/10minを越えると、成形後のフィルムの耐衝撃性が低下するおそれがある。MFRは、好ましくは0.5〜4.0g/10minである。
【0021】
プロピレン−エチレン−ブテン−1三元共重合体としては、エチレン単位を1〜5質量%及びブテン−1単位を1〜20質量%含有するものが好ましい。
エチレン単位とブテン−1単位の含有量がともに1質量%未満の場合は、低温でヒートシールする場合にいわゆるショット数を落とさざるを得なくなる上に、ヒートシール部の耐衝撃性も低下する。一方、エチレン単位やブテン−1単位の少なくとも一方が上限値を越えると、融点が低くなりすぎてレトルト用途には使用しにくくなる。エチレン単位とブテン−1単位の含有量は、より好ましくはともに2〜5質量%である。
MFRが0.1g/10min未満であると、フィルムの押出成形が困難となる。一方、MFRが15g/10minを越えると、成形後のフィルムの耐衝撃性が低下するおそれがある。MFRは、好ましくは0.5〜3.0g/10minである。
【0022】
上述の各共重合体のなかでは、特にプロピレン−エチレンブロック共重合体が、耐衝撃性と耐熱性の双方に優れており好ましい。
このような成分(A)ポリプロピレン系樹脂の製造法は特に制限はなく、公知の重合触媒及び重合方法により製造することができる。
【0023】
成分(B)であるシングルサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体としては、エチレン単位を1〜5質量%含有するものが好ましく、2〜3質量%含有するものがより好ましい。エチレン単位が1質量%未満であると、成形後のフィルムの低温ヒートシール性が十分ではなく、一方、エチレン単位が5質量%を越えると、レトルト処理後のヒートシール強度が低くなり、実用性に劣るおそれがある。
【0024】
成分(B)の分子量分布(Mw/Mn)は、3.5以下であることが好ましく、より好ましくは3.0以下である。分子量分布が3.5を越えるとレトルト処理後のヒートシール強度が低下する。
ここで、分子量分布は、ゲルパミエーションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、それらの比(Mw/Mn)を算出することにより求められる。
【0025】
成分(B)のメルトフローレート(MFR:230℃、21.18N)は、0.1〜15g/10minであることが好ましく、0.5〜10g/10minであることがより好ましい。MFRが0.1g/10min未満であると、(B)成分を含有した組成物を成形する際に押出特性が悪化する傾向にあり、一方、MFRが15g/10minを越えると、成形後のシーラントフィルムの耐衝撃性が低下する傾向にある。
【0026】
成分(B)の融解ピーク温度は、125〜145℃であることが好ましく、より好ましくは130〜140℃である。融解ピーク温度が125℃未満では、成形後のシーラントフィルムを、レトルト処理時の温度が120℃を越えるようなレトルト食品包装袋として使用した場合に、包装袋が変形しやすくなり実用上の価値が低くなる。一方、融解ピーク温度が145℃を越えると、シーラントフィルムとして低温における耐衝撃性が低くなる。ここで、融解ピーク温度は、示差走査熱量分析装置(DSC)による測定曲線におけるピーク温度である。
【0027】
成分(B)は、オルトジクロロベンゼンを溶媒としたときの70℃以上の溶出量(S70、単位:質量%)と、融解ピーク温度(Tm)が、以下の式(1)を満たすことが好ましい。
70≧0.48×Tm+25 (1)
このS70は、成分(B)であるプロピレン−エチレンランダム共重合体の立体規則性の尺度であり、融解ピーク温度(Tm)は、成形後のシーラントフィルムのヒートシール性の尺度である。従って、この式(1)を満足する範囲は、シーラントフィルムの剛性とヒートシール性のバランスに優れている。
なお、S70は、連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度−溶出量曲線の積分溶出曲線から求めたものであって、70℃以上で溶出する全量である。このS70は、例えば下記の要領で測定可能である。
【0028】
成分(B)を140℃でオルトジクロロベンゼンに溶解し溶液とする。これを140℃のTREFカラムに注入した後8℃/minの降温速度で100℃まで冷却し、引き続き4℃/minの降温速度で40℃まで冷却後、10分間保持する。その後、溶媒であるオルトジクロロベンゼンを1ml/minの流速でカラムに流し、TREFカラム中で40℃のオルトジクロロベンゼンに溶解している成分を10分間溶出させ、次に昇温速度100℃/時間にてカラムを140℃までリニアに昇温し、溶出曲線を得る。なお、試験装置の仕様および測定条件は以下の通りである。
カラムサイズ:4.3mmφ×150mm
カラム充填材:100μm表面不活性処理ガラスビーズ
試料濃度:5mg/ml
試料注入量:0.2ml
検出器:波長固定型赤外検出器 FOXBORO社製MIRAN1A
測定波長:3.42μm
【0029】
シングルサイト触媒を用い、単段重合でプロピレン−エチレンランダム共重合体を製造すると、上述の式(1)を満たす場合も多いが、満たさない場合は、例えば、分子量が100万〜500万程度のプロピレン−エチレンランダム共重合体を製造し、その共重合体と過酸化物とを溶融混練してペレタイズすることで、式(1)を満たすことができるようになる。
なお、式(1)の右辺を左辺に近づけるには、多段重合でプロピレン−エチレンランダム共重合体を製造する等、分子量分布を広げるように条件を適宜変更しても良い。
【0030】
成分(B)は、オルトジクロロベンゼンを溶媒とするTREFにより測定される常温非晶部量(抽出量)が2.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%以下である。この常温非晶部量が2.5質量%を越えると、レトルト処理後にシーラントフィルムのヒートシール強度が低下する。ここで、常温非晶部量(抽出量)は、23℃で測定された値である。
【0031】
このような成分(B)は、シングルサイト触媒で重合されたものである。シングルサイト触媒とは、活性点が同種(シングルサイト)のものであり、例えば、メタロセン系触媒(カミンスキー触媒とも呼ばれる)を挙げることができる。
メタロセン系触媒としては、例えば、置換シクロペンタジエニル環をもつ遷移金属化合物から構成されるものが含まれる。具体的なメタロセン系触媒は、特開平8−134121号公報、特表平8−509773号公報、特表平8−510290号公報、特開平6−306121号公報又は特表平7−500622号公報などに、詳細に記載されている。
【0032】
また、メタロセン系触媒には、更に活性化共触媒を含めることができる。共触媒としては、高重合度又は低重合度のアルミノキサン、特にメチルアルミノキサンが好適である。また、いわゆる変性アルミノキサンも共触媒として適している。
このような触媒の存在下で、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、スラリー重合法、気相重合法のいずれかの方法で、0〜250℃の温度及び高圧(50MPa超)、中圧(10〜50MPa)又は低圧(常圧〜10MPa未満)のいずれかの圧力で、重合し製造することができる。
【0033】
シングルサイト触媒による重合の具体例としては、特開昭61−296008号公報に記載された方法に従い、支持体及び周期律表の4b族、5b族並びに6b族の金属の少なくとも1つを含むメタロセンとアルモキサンとの反応生成物で構成され、当該反応生成物が支持体の存在のもとで形成されることを特徴とする重合体触媒によって重合された重合体が挙げられる。
【0034】
成分(C)であるエチレン−α−オレフィン共重合体は、密度が0.86〜0.91g/cmであることが好ましく、0.87〜0.90g/cmであることがより好ましい。密度が0.86g/cm未満であると、シーラントフィルムの滑り性が悪くなるため、基材フィルムとのラミネート加工時にトラブルを生じやすくなる。また、シーラントフィルム同士がブロッキングしやすくなるため、レトルト食品包装袋を構成した後に開口性が悪くなり、内容物の充填時にトラブルを生じやすくなる。一方、密度が0.91g/cmを越えると、シーラントフィルムの耐衝撃性が低下して、レトルト食品包装袋を構成したときに破袋強度等の実用的な耐衝撃性に劣るようになる。
【0035】
また、成分(C)は、極限粘度[η]が1.0〜1.8dl/gであることが好ましく、より好ましくは1.2〜1.6dl/gである。[η]が1.0dl/g未満では、耐衝撃性が低下する傾向にある。一方、[η]が1.8dl/gを越えると、成形時の押出特性が低下する傾向にある。また、[η]が1.8dl/gを越えると、透明性も悪化するため、いわゆる透明レトルト用のシーラントフィルムとしての用途が制限される。
【0036】
成分(C)のコモノマーであるα−オレフィンとしては、炭素数3〜18のα−オレフィンが好ましい。具体的には、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、及びデセン−1等が挙げられる。耐衝撃性の観点からは、特にオクテン−1が好ましい。
【0037】
このような成分(C)エチレン−α−オレフィン共重合体の製造法は特に制限はなく、公知の重合触媒及び重合方法により製造することができる。
【0038】
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物によれば、(A)ポリプロピレン系樹脂30〜95質量%と、(B)シングルサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体5〜70質量%とからなる樹脂組成物に対して、(C)エチレン−α−オレフィン共重合体を配合しているため、フィルム状に成形したときに高いヒートシール強度が得られる。しかも、120℃程度の加熱処理を経てもこのヒートシール強度は低下しない。さらに、このフィルムは、低温での耐衝撃性にも優れる。それ故、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、例えばレトルト食品包装用積層体を構成するシーラントフィルム用の原料樹脂組成物として好適である。
【0039】
ここで、成分(A)と成分(B)とからなる前記した樹脂組成物において、成分(B)であるシングルサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体が5質量%未満であると、レトルト処理後のヒートシール強度が低下する傾向にある。一方、この成分(B)が70質量%を越えると、低温での耐衝撃性が低下する傾向にある。
また、ここで、成分(C)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、成分(A)と成分(B)とからなる樹脂組成物100質量部に対して、2〜35質量部配合されることが好ましい。成分(C)であるエチレン−α−オレフィン共重合体の配合量が2質量部未満であると、低温における耐衝撃性の向上が十分ではなく、一方、35質量部を越えると、耐熱性が低下し、レトルト処理後のヒートシール強度が低下するおそれがある。
【0040】
本発明のプロピレン系樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、顔料、可塑剤、耐熱安定剤、核剤老化防止剤、塩素吸収剤、耐候安定剤等の添加剤を適当量配合してもよい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4、6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1、6−ヘキサンジオール−ビス−〔3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3、9−ビス〔1、1−ジ−メチル−2〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−2、4、8、10−テトラオキサスピロ〔5、5〕ウンデカン、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(4−t−ブチル−2、6−ジ−メチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等が使用できる。
【0041】
リン系酸化防止剤としては、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2、6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2、4、6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、メチレンビス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスファイト、テトラキス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)−4、4'−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス(2、4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4、4'−ビフェニレン−ジ−フォスフォ
ナイト等が使用できる。
【0042】
アンチブロッキング剤としては、流動パラフイン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系アンチブロッキング剤;ステアリン酸、1−2ヒドロキシステアリン酸、ステアリルアルコール等の脂肪酸系高級アルコール系アンチブロッキング剤;ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンオレイン酸アマイド等のアマイド系アンチブロッキング剤;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリストールテトラステアレート、硫化ひまし油、ステアリルステアレート等のエステル系アンチブロッキング剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉛等の金属せっけん系アンチブロッキング剤;炭酸カルシウム系(CaCO)、天然ケイ酸及びケイ酸塩系〔SiO、2SiO・Al・2HO、CaO・SiO、4SiO・3MgO・HO、(Na・K)O−Al・2SiO、KO・6MgO・Al・6SiO・2HO〕、水酸化物系〔Al・3HO、Mg(OH)〕等の無機系アンチブロッキング剤を使用することができる。
【0043】
滑剤としては、金属石鹸、パラフィンワックス、脂肪族アルコール、低分子量ポリエチレン、高級脂肪酸、ポリメタクリル酸メチル等を使用することができる。顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、鉛白、炭酸カルシウム、石膏、沈降性シリカ、カーボンブラック、ベンガラ、アルミ粉、ブロンズ粉、雲母、モリブデン赤、カドミウム黄、黄鉛、チタン黄、酸化クロム緑、群青等の無機顔料:パーマネント・レッド4Rハンザ・イエロー10G、ベンジジイエローGR、パーマネントカーミンFB、フタロシアニン・ブルーB、フタロシアニン・グリーン等の有機顔料を使用することができる。可塑剤としては、アジピン酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステル系可塑剤等を使用することができる。
【0044】
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、例えば、Tダイフィルム成形、水冷インフレーション成形等によりフィルムに成形することができる。このフィルムは、レトルト食品包装用積層体のシーラントフィルムとして好適に使用することができる。
【実施例】
【0045】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等の記載内容に何ら制限されるものではない。
[各樹脂成分の性状]
以下に、実施例及び比較例にて用いた各樹脂成分の性状を示す。
(1)プロピレン−エチレンブロック共重合体(成分(A))
プロピレン−エチレンブロック共重合体として、以下のBPP−1及びBPP−2を用いた。
【0046】
〈BPP−1〉
基本構造:
プロピレン単位単独重合体成分 :75質量%
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分:25質量%
(プロピレン−エチレンランダム共重合体成分は、エチレン単位35質量%と、プロピレン単位65質量%とから構成される。)
メルロフローレート(MFR、230℃) :1.0g/10min
密度 :0.900g/cm
【0047】
〈BPP−2〉
基本構造:
プロピレン単位単独重合体成分 :82質量%
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分 :18質量%
(プロピレン−エチレンランダム共重合体成分は、エチレン単位33質量%と、プロピレン単位67質量%とから構成される。)
メルロフローレート(MFR、230℃) :3.7g/10min
密度 :0.900g/cm
【0048】
(2)シングルサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体(成分(B))
シングルサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体として、以下のRPP−1を用いた。
【0049】
〈RPP−1〉
基本構造:
エチレン単位の含有量 :2.7質量%
プロピレン単位の含有量 :97.3質量%
メルロフローレート(MFR、230℃) :6.5g/10min
密度 :0.900g/cm
融解ピーク温度(Tm) :133.3℃
分子量分布(Mw/Mn) :2.5
オルトジクロロベンゼン抽出量 :0.3質量%
(オルトジクロロベンゼンを溶媒とするTREFにより測定される常温非晶部量)
【0050】
(3)マルチサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体
マルチサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体として、以下のRPP−2を用いた。
【0051】
〈RPP−2〉
基本構造:
エチレン単位の含有量 :2.4質量%
プロピレン単位の含有量 :97.6質量%
メルロフローレート(MFR、230℃) :7.4g/10min
密度 :0.900g/cm
融解ピーク温度(Tm) :144.5℃
分子量分布(Mw/Mn) :4.3
オルトジクロロベンゼン抽出量 :2.3質量%
(オルトジクロロベンゼンを溶媒とするTREFにより測定される常温非晶部量)
【0052】
(4)エチレン−α−オレフィン共重合体(成分(C))
エチレン−α−オレフィン共重合体として、以下のEBMとm−C8LLを用いた。ここで、EBMは、シングルサイト触媒により重合して得られたランダム共重合体であり、m−C8LLは、シングルサイト触媒により重合して得られた共重合体である。
【0053】
〈EBM〉
基本構造:エチレン−ブテン−1ランダム共重合体
メルロフローレート(MFR、190℃) :3.6g/10min
密度 :0.885g/cm
融解ピーク温度(Tm) :68℃
ビカット軟化点 :60℃
低温脆化温度 :―70℃未満
【0054】
〈m−C8LL〉
基本構造:エチレン−オクテン−1共重合体
メルトフローレート(MFR、190℃) :3.0g/10min
密度 :0.875g/cm
極限粘度[η] :1.35dl/g
【0055】
[実施例1]
樹脂成分としてBPP−1とRPP−1をともに50質量%ずつ含む樹脂組成物(ペレット)100質量部にEBM(ペレット)を5質量部配合したものを押出機に供給して、220℃で溶融混練し、空冷インフレーション法により厚さ70μmのシーラントフィルム(ブロー比:2)を成形した。
次に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(基材フィルム)と厚さ7μmのアルミニウム箔とをウレタン系接着剤を用いてドライラミネートを行い、さらにこのアルミニウム箔層と前記したシーラントフィルムとをウレタン系接着剤を用いてドライラミネートを行った。最終的に、二軸延伸ポリエステル層//アルミニウム箔//シーラント層の3層構成からなるレトルト食品包装用積層体を得た。
【0056】
[実施例2]
BPP−1をBPP−2に変更し、EBMの配合量を10質量部とした以外は、実施例1と同様にしてレトルト食品包装用積層体を得た。
【0057】
[比較例1]
RPP−1をRPP−2に変更した以外は、実施例1と同様にしてレトルト食品包装用積層体を得た。
【0058】
[比較例2]
RPP−1をRPP−2に変更した以外は、実施例2と同様にしてレトルト食品包装用積層体を得た。
【0059】
[比較例3]
樹脂成分としてBPP−1のみを用いた以外は、実施例1と同様にしてレトルト食品包装用積層体を得た。
【0060】
[比較例4]
樹脂成分としてBPP−2のみを用いた以外は、実施例1と同様にしてレトルト食品包装用積層体を得た。
【0061】
[比較例5]
樹脂成分としてEBMを配合しないこと以外は、実施例1と同様にしてレトルト食品包装用積層体を得た。
【0062】
[比較例6]
樹脂成分としてBPP−2 100質量部に対して、m−C8LLを11質量部配合した以外は、実施例1と同様にしてレトルト食品包装用積層体を得た。
【0063】
前記した実施例及び比較例により得られた積層体について、低温における耐衝撃性及びヒートシール性を評価した。表1に実施例及び比較例で用いた樹脂組成物の組成と評価結果を示す。
[評価方法]
(1)耐衝撃性
積層体を150mm×150mmの平袋に製袋し、200mLの水を充填した。121℃で30分間レトルト処理後、2重袋にて水平に落下させ破袋するまでの平均回数を測定した(0℃、落下高さ0.9m、n=10)。
なお、製袋条件は、以下の通りである。
ヒートシール幅 :8mm
ヒートシール圧 :3.0kg/cm
ボトムシール温度:195℃
サイドシール温度:205〜215℃、
ヒートシール時間:0.8秒
【0064】
(2)ヒートシール性
積層体の内面同士を下記の4通りの温度でヒートシールを行った後、23℃の水で0.5秒間冷却してヒートシール強度測定用試料とした。各試料は、レトルト処理を行う前にヒートシール強度を測定するとともに、121℃で30分間処理を行って、23℃で1日保管した後にもヒートシール強度を測定した。
ヒートシール条件は、以下の通りである。
ヒートシール温度:200℃、210℃、220℃、230℃
ヒートシール形状:15mm×10mm
ヒートシール圧 :3.0kg/cm
ヒートシール時間:0.5秒
【0065】
【表1】

【0066】
[評価結果]
表1の実施例1、2から明らかなように、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を原料とするシーラントフィルムを用いたレトルト食品包装用積層体は、いずれも低温における耐衝撃性に優れている。さらに、このレトルト食品包装用積層体は、レトルト処理後でもヒートシール強度がほとんど低下せず、レトルト食品包装用として実用上極めて優れている。
一方、比較例1、2は、成分(B)のかわりに、マルチサイト触媒により重合して得られたるプロピレン−エチレンランダム共重合体を用いているため、レトルト処理後のヒートシール強度の低下が大きい。比較例3、4は、原料樹脂がプロピレン−エチレンブロック共重合体単独であるため、レトルト処理前後ともヒートシール強度が低い。また、比較例4は、低温耐衝撃性にも劣っている。比較例5は、原料中に樹脂成分として、成分(C)を配合していないため、低温耐衝撃性に劣っている。比較例6は、原料中に成分(B)が配合されていないので、レトルト処理後にヒートシール強度の低下が大きい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、レトルト食品包装用積層体に用いられるシーラントフィルムの原料として好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリプロピレン系樹脂30〜95質量%と、(B)シングルサイト触媒により重合して得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体5〜70質量%とからなる樹脂組成物に対して、(C)エチレン−α−オレフィン共重合体を配合したことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物において、
成分(A)がプロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、及びプロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物において、
成分(B)のプロピレン−エチレンランダム共重合体は、アイソタクチック構造を有し、密度が0.89〜0.915g/cm、メルトフローレート(MFR)が0.1〜15g/10minであることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物において、
成分(C)のコモノマーであるα−オレフィンの炭素数が3〜18であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物において、
成分(A)と成分(B)とからなる樹脂組成物100質量部に対して、成分(C)を、
2〜35質量部配合したことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物を原料とするシーラントフィルム。
【請求項7】
請求項6に記載のシーラントフィルムの片面に基材フィルムが積層されていることを特徴とするレトルト食品包装用積層体。

【公開番号】特開2007−106851(P2007−106851A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298260(P2005−298260)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(500163366)出光ユニテック株式会社 (128)
【Fターム(参考)】