説明

ポリマーの配合方法

本発明は、最終生成物の残留溶媒含量が特に低く、かつ、同時にモノマーまたはオリゴマー含量が低い、スクリュー押出機におけるポリマーおよびポリマーブレンドの穏やかな配合方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最終生成物の残留溶媒含量が特に低く、同時にモノマーまたはオリゴマーの含量が低い、スクリュー押出機におけるポリマーおよびポリマーブレンドの穏やかな配合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー製造において、充填剤および強化材、可塑剤、カップリング剤、滑剤、安定剤などの添加を伴うプラスチック原料からの完成プラスチック成形組成物、コンパウンド、の生成を、配合という。配合は、主に押出機において行われ、処理操作、運搬、溶融、分散、混合、脱ガスおよび圧力上昇を包含する。
【0003】
最近、プラスチック混合物において、できるだけ低い揮発性成分の含量が要求されている。従って、プラスチック原料の配合における脱ガスが、ますます重要になっている。典型的には、プラスチック原料において脱ガスされる揮発性成分のレベルは、約500〜2000ppmであり、完成コンパウンドにおける残留物含量は400ppm以下である。
【0004】
感温性ポリマーまたはポリマーブレンドにおいて、配合プロセス中、原料に既に含まれる脱ガスされる残留モノマーまたは溶媒のほかに、モノマーが、解離によっても形成され、例えばゴム変性ポリカーボネートブレンドでは、これらは1,3−ブタジエンおよびアクリロニトリルである。解離速度は、極めて温度依存性である。すなわち、温度が上昇すると解離が比例を越えて増加する。配合における困難は、揮発性成分の有効な脱ガスに低圧のほかに高温が必要とされるが、同じ時間で高温において解離が大いに増加することである。加えて、エネルギー入力を減少して温度を下げ、解離を避けると、コンパウンド成分の溶融およびブレンドに問題が起こり、このことが生成物の品質(すなわち、機械的特性および組成物)に悪影響を有することが事態を更に悪くしている。このことは、特に高い処理量、従って、経済的な配合プロセスに必要とされる短い滞留時間、において当てはまる。高い処理量で、揮発性成分の良好な脱ガスは、従来技術では、同じ時間で解離成分の増加が容認されてはじめて経済的に達成される。
【0005】
取り込み溶媒含量1%以上のポリマー溶液の脱ガスにおける使用のみであるが、押出機における共留剤の使用は、実際、既知である。しかしながら、同時の固体成分の溶融は行われない。なぜならポリマー溶液が更なるブレンド成分や添加剤の分散体なしの添加液であるからである。ここで、一例としてDE 199 14 143 A1を挙げる。しかしながら、このケースでは、モノマー(またはオリゴマー)の解離の問題は提示されていない。更に、ポリマーを溶融しながら、要すれば共留剤を使用して、含量少なくとも1wt.%の揮発性成分を除去するポリマーパウダーの乾燥方法が、EP 0 768 157 A1で知られている。この技術は大容量装置に限られ、個々の高溶媒含有ポリマーの乾燥を扱う。押出機を用いるポリマーの配合、特にポリカーボネートブレンドの配合、における共留剤の使用は知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、揮発性成分および解離成分の残留含量が非常に低い感温性ポリマーコンパウンドの経済的な製造に関する、特にゴム変性ポリカーボネートブレンドの製造に関する、方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、押出機における配合中の脱ガスを共留剤、特に窒素、の組み込みによって改良する本発明によって解決される。共留剤の組み込みに関するスクリュー仕込み(screw charge)は、特に、常套のスクリュー仕込みと比較して更なるエネルギー供給を生じる共留剤用の混合ゾーンが更に必要とされるにもかかわらず、溶融温度のわずかな増加しか生じないように行われ、従って常套の配合プロセスと比較して解離が高くない。
【0008】
本発明は、ポリマー成分を混合し、溶融し、かつ、揮発性成分を除くスクリューシャフト押出機を使用する、揮発性化合物の総出発残留物含量が最終製品の組成に対して1wt.%以下、好ましくは0.1wt.%以下である少なくとも二種類のポリマーの配合方法であって、少なくとも一種類のポリマーが熱に曝すとモノマーまたはオリゴマーを解離し、
(i)押出機が少なくとも一つの溶融ゾーン、少なくとも二つの、好ましくは二〜四つの、特に好ましくは二つの脱ガスゾーンおよび共留剤用の少なくとも一つの、好ましくは一〜二つの、特に好ましくは二つの混合ゾーンを有し、かつ
(ii)ポリマー溶融物に導入され、揮発性化合物と共に押出機から除去される不活性共留剤を使用して脱ガスを行う
ことを特徴とする、少なくとも二種類のポリマーの配合方法を提供する。
【0009】
好ましくは、押出機は、更に計量ゾーン(metering zone)を有する。
【0010】
好ましい態様において、共留剤は、500mbar以下、特に好ましくは100mbar以下の低圧pabsを適用することによって押出機から揮発性化合物と共に除去される。
【0011】
窒素、希ガスまたは二酸化炭素が共留剤として好ましく使用され、特に好ましくは窒素が共留剤として使用される。
【0012】
「少なくとも一種類のポリマーの熱への暴露」は、ポリマー成分が通常溶融物で処理される温度と理解される。この温度は、個々にポリマーまたはポリマー混合物に適合され、当業者に既知である。一般的に、これらの温度は、400℃以下である。アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフトコポリマー(ABS)とポリカーボネートとの組み合わせの場合、240℃〜310℃、好ましくは270〜300℃の温度が熱への暴露に理解される。
【0013】
本発明による方法の好ましい態様において、熱可塑性ポリマー、特に好ましくはポリスチレン、ポリスチレンコポリマーまたはポリスチレングラフトコポリマー、ポリアクリレート、ポリアルキレンおよびポリアミドからなる第一群から選択される少なくとも一種類のポリマー(以下、「解離ポリマー」とも云う。)並びにポリカーボネート、ポリエステルカーボネートおよびポリアルキレンテレフタレートからなる第二群から選択される少なくとも一種類のポリマー(以下、「非解離ポリマー」とも云う。)がポリマーとして使用される。アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフトコポリマー(ABS)とポリカーボネートとの組み合わせが特に好ましく使用される。
【0014】
本発明による方法の別の態様において、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマーおよびポリスチレングラフトコポリマー、ポリアクリレート並びにポリアルキレンからなる解離ポリマーの群から選択される少なくとも二種類のポリマーが使用され、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフトコポリマーとポリアミドとの組み合わせが特に好ましく使用される。
【0015】
両方の挙げられた態様において、好ましくは解離ポリマーは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフトコポリマー(ABS)、ポリメチルメタクリレートおよびポリプロピレンからなる群から選択される。
【0016】
好ましい方法における二種類のポリマー成分の混合比は、モノマー解離ポリマーと別の非解離ポリマーとの間で1:10〜2:1である。
【0017】
二軸または多軸スクリュー押出機、特に二軸スクリュー押出機、が更に好ましく使用されることを特徴とする方法。スクリュー押出機は、特に好ましくはシャフト同士が同時回転する二軸スクリュー押出機である。
【0018】
常套の技術を用いる配合プロセスでは、例えばポリカーボネート含量約50%のポリカーボネート/ABSブレンドに関して、解離1,3−ブタジエンの残留含量を除いて、わずか58%以下の脱ガス効率しか達成可能でなく、いずれも最大の望ましい値を上回る。
意外なことに、本発明による方法で、同一のポリマーブレンドに、同じ処理量で、更に低い解離で、脱ガス効率68%が達成される(表2および3参照。)。常套の技術で68%の脱ガス効率を達成することを要求すると、解離1,3−ブタジエンの残留含量は約300%上昇する。
【0019】
特に好ましく使用される押出機のスクリューシャフトの長さ/直径比は32〜44である。長さ/直径比36で最良の結果が達成された。
【0020】
特に好ましい形態によると、押出機は、少なくとも一つの溶融ゾーン、一〜二つの脱ガスゾーン、共留剤用の一〜二つの混合ゾーンおよび計量ゾーンを有する。
【0021】
共留剤の量が出発原料の総処理量に対して0.1%〜0.5%である特に好ましい方法によって最良の結果が達成された。
【0022】
この方法の更に好ましい形態によると、共留剤用の混合ゾーンは、溶融物で満たされるように実行される。
【0023】
溶融物で満たされたスクリューセクションにおける共留剤の、混合ゾーンへの直接の添加またはスクリューの混合ゾーンの直前における添加を伴う更なる好ましい方法によって、非常に良好な結果が更に達成された。
【0024】
溶融ストリームの頻繁な再配置を生じるスクリューエレメントおよび幅広い滞留時間分布が共留剤の組み込みに好ましい。歯のある混合エレメント(toothed mixing element)で非常に良好な結果が達成された。加えて、例えばスクリュー混合エレメント、ニーディングブロック、偏心ディスク(eccentric disks)、リターンエレメント(return elements)などが共留剤の組み込みに使用されうる。
【0025】
本発明は、更に、ポリマー成分の全揮発性成分(特に、1,3−ブタジエン、アクリロニトリル、スチレン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、エチルベンゼン、クロロベンゼン)の総含量が1wt.%以下、好ましくは0.1wt.%以下、特に好ましくは0.05wt.%以下(ヘッドスペースガスクロマトグラフィーによって決定。)であるポリマー混合物の製造に関する本発明による方法の使用も提供する。
【0026】
本発明を、以下に典型的な態様を示す図面によって、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明による方法の使用に関する二軸押出機の縦断面概略図を示す。
【実施例】
【0028】
二軸押出機は、2つの互いにかみ合う同時回転シャフト(図示せず)が中に配置されている11のパーツからなるハウジングを有する。配合される成分を、ハウジングパーツ2に形成される取り入れ口1を通じて押出機に供給する。ハウジングパーツ9および11は、それぞれ排気デバイス(図示せず。)に接続される通気口(vent opening)14、16を含む。ハウジングパーツ7および10は、それぞれ接続部13、15を備え、これらを介して共留剤窒素が添加される。
【0029】
最後のハウジングパーツ12は、配合脱ガス生成物が押出機を離れる終端に計量ゾーンを形成する。
【0030】
ハウジングパーツ4〜6のエリアの中は、スクリューシャフトのニーディングエレメントを有する溶融ゾーンである。
【0031】
ハウジングパーツ7および10のエリアにおいて、混合エレメントは、スクリューシャフトの運搬エレメント間に配置される。
【0032】
通気口14、16の真下のハウジングパーツ9および11のエリアにおいて、ピッチは、いずれの場合も、スクリューの外径よりも大きい。
【0033】
ハウジングパーツ3および8は、いずれの場合も、粒質用の運搬ゾーン(3)または溶融物用の運搬ゾーン(8)を含む。
【0034】
揮発性成分(1,3−ブタジエン、アクリロニトリル、スチレン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、エチルベンゼン、クロロベンゼン)の残留含量を、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーを用いて決定した。材料のサンプルをγ−ブチロラクトン中に溶解し、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーを用いて分析する。検出器として水素炎イオン化検出器を使用した。内部標準を用いて定量評価を行う。この方法の操作範囲は、関連物質に依存し、0.1〜500mg/kgの範囲内にある。1,3−ブタジエンの検出限界は0.1mg/kgであり、別の物質に関しては、検出限界は5mg/kgであった。
【0035】
顕微鏡を用いて50個の粒質粒子(寸法約3mm×3mm×3mm)を出発原料の非溶融粒子について検査し、見つけられる粒子を数えることによって50個の粒質中の非溶融粒子の数を決定した。
【0036】
例1(比較例)
揮発性化合物のインプット濃度(input concentration)660ppmでポリカーボネート(PC)とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフトコポリマー(ABS)との配合(PC含量約50wt.%;PCタイプ:Makrolon 2600、Bayer MaterialScience AG製;ABSタイプ:残留モノマーを約1000ppm含むエマルジョンABS)を、まず第一にZSK 120タイプの二軸スクリュー押出機(Coperion Werner & Pfleiderer)において先行技術による常套の方法で、すなわち、共留剤の添加なしに、行う。
【0037】
全てのポリマー成分および添加剤(離型剤、熱安定剤、酸化防止剤)をハウジングの第一パーツのフィードホッパー(feed hopper)に供給した。溶融物をハウジングの後ろから二番目のパーツにおいて脱ガスした。処理パラメータおよび残留物含量を以下の表に示す。全ての例において、押出機を離れる溶融物の温度は約300℃であった。

【0038】
上記処理量では48%の脱ガス効率しか達成されなかった。
【0039】
脱ガス効率を、以下の式によって計算した。

【0040】
例2(比較例)
PC/ABSの配合(PC含量約50%)を例1におけるように、現在の常套の方法でZSK 58Mc(Coperion Werner & Pfleiderer)において揮発性成分のインプット濃度660ppmで行った。
【0041】
全ての成分を第一のハウジングのフィードホッパーに供給した。溶融物を後ろから二番目のハウジングにおいて脱ガスした。二つのシリーズの試験を行った。
第一シリーズの試験:速度の変化
第二シリーズの試験:脱ガス圧力の変化
【0042】
処理パラメータおよび残留物含量を以下の表に示す。

【0043】
結果:
第一シリーズの試験:速度の上昇(これはエネルギー供給の上昇と同等である。)に伴い、解離1,3−ブタジエン含量は同じ時間で約1ppm以上に上昇したが、揮発性成分の残留含量の合計は減少した。1,3−ブタジエン含量1ppm以下が達成される最大脱ガス効率は59%であった。
第二シリーズの試験:真空における低下に伴い、第一シリーズの試験と比較して脱ガス効率の上昇は達成されなかった。
【0044】
加えて、第一および第二シリーズの試験の最終生成物において、50個の粒質中に18〜44個の大きな非溶融ポリマー粒子があった。
【0045】
例3(2つの脱ガスゾーンを有する比較例)
揮発性化合物のインプット濃度990ppmでPC/ABSの配合(PC含量約50%;例1におけるような成分)を二軸スクリュー押出機タイプZSK 32Mc(Coperion Werner & Pfleiderer)において、溶融ゾーン後の二地点における真空脱ガスを伴い、行った。
【0046】
全ポリマー成分および添加剤(離型剤、熱安定剤、酸化防止剤)を第一のハウジングのフィードホッパーに供給した。処理パラメータおよび残留物含量を以下の表3に示す。

【0047】
結果:
二つの脱ガスゾーンで脱ガス効率の増加は達成されなかった。
【0048】
例4(1つの脱ガスゾーンおよび1つの共留ガス供給路を有する比較例)
揮発性化合物のインプット濃度990ppmでPC/ABSの配合(PC含量約50%;例1におけるような成分)を二軸スクリュー押出機タイプZSK 32Mc(Coperion Werner & Pfleiderer)において、ポリマー溶融物への共留ガス供給を脱ガス前に行って、真空脱ガスおよび共留ガス供給を伴い、行った。
【0049】
全ポリマー成分および添加剤(離型剤、熱安定剤、酸化防止剤)を第一のハウジングのフィードホッパーに供給した。処理パラメータおよび残留物含量を以下の表4に示す。

【0050】
結果:
脱ガス効率が、例1〜3と比較して同じ時間で低い1,3−ブタジエン残留含量で改良された。しかしながら、依然50個の粒質中に4〜11個の非溶融粒子が存在した。
【0051】
例5(本発明による;2つの脱ガスゾーンおよび1つの共留ガス供給路を有する)
揮発性化合物のインプット濃度990ppmでのPC/ABSの配合(PC含量約50%;例1におけるような成分)を二軸スクリュー押出機タイプZSK 32Mc(Coperion Werner & Pfleiderer)において、真空脱ガス二回およびポリマー溶融物への共留ガス供給で、共留ガス供給を二つの脱ガスゾーンの間で行って行った。
【0052】
全ポリマー成分および添加剤(離型剤、熱安定剤、酸化防止剤)を第一のハウジングのフィードホッパーに供給した。処理パラメータおよび残留物含量を以下の表5に示す。

【0053】
結果:
脱ガス効率は、同じ時間および低い1,3−ブタジエン残留含量で例1〜4と比較して改良された。しかしながら、50個の粒質中に依然4〜8個の非溶融粒子が存在した。
【0054】
例6(本発明による;2つの脱ガスゾーンおよび2つの共留ガス供給路を有する)
揮発性化合物のインプット濃度671ppmでのPC/ABSの配合(PC含量約50%;例1におけるような成分)を、本発明による共留ガス供給路を有する変更二軸スクリュー押出機タイプZSK 32Mc(Coperion Werner & Pfleiderer)において行った(図1参照。)。
【0055】
全てのポリマー成分および添加剤(離型剤、熱安定剤、酸化防止剤)を第一のハウジングのフィードホッパーに供給した。出発原料168.5kg/時間に対して窒素0.5%を二つの地点において溶融物に供給した。処理パラメータおよび残留物含量を以下の表6に示す。
【0056】
揮発性化合物の残留含量が非常に低く、かつ機械的特性およびレオロジー特性が良好であるコンパウンドを、請求項6に記載の本発明による方法で製造した。脱ガス効率は同じ時間で非常に低い1,3−ブタジエン含量(0.6ppm)で68.2%であった。
【0057】
供給量168.5kg/時間(これは常套の方法で同じトルク密度で二軸押出機において一般的に使用される処理量に対して多い量に相当する。)で、50個の粒質中にわずか一つの非溶融粒子しか見つからなかった。
【0058】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー成分を混合し、溶融し、かつ、揮発性成分を除くスクリューシャフト押出機を使用する、揮発性化合物の総残留含量が1wt.%以下である少なくとも二種類のポリマーの配合方法であって、少なくとも一種類のポリマーが熱に曝すとモノマーまたはオリゴマーを解離し、
(i)該押出機が少なくとも一つの溶融ゾーン、少なくとも二つの脱ガスゾーンおよび共留剤用の少なくとも一つの混合ゾーンを有し、かつ
(ii)該ポリマー溶融物に導入され、該揮発性化合物と共に該押出機から除去される不活性共留剤を使用して脱ガスを行う
ことを特徴とする、少なくとも二種類のポリマーの配合方法。
【請求項2】
500mbar以下の低圧pabsを適用することによって該共留剤を該揮発性化合物と共に押出機から除去することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
窒素、希ガスまたは二酸化炭素を共留剤として使用することを特徴とする、請求項1または2の一項に記載の方法。
【請求項4】
該ポリマーが熱可塑性ポリマーであることを特徴とする、請求項1〜3の一項に記載の方法。
【請求項5】
ポリスチレン、ポリスチレンコポリマーまたはポリスチレングラフトコポリマー、ポリアクリレート、ポリアルキレンおよびポリアミドからなる第一群から選択されるポリマー(「解離ポリマー」)並びにポリカーボネート、ポリエステルカーボネートおよびポリアルキレンテレフタレートからなる第二群から選択される少なくとも一種類のポリマー(「非解離ポリマー」)をポリマーとして使用することを特徴とする、請求項1〜4の一項に記載の方法。
【請求項6】
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレングラフトコポリマーとポリカーボネートとの組み合わせがポリマーとして使用されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも二種類のポリマーが、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマーまたはポリスチレングラフトコポリマー、ポリアクリレート、ポリアルキレンおよびポリアミドからなる解離ポリマーの群から選択されることを特徴とする、請求項1〜4の一項に記載の方法。
【請求項8】
モノマー解離ポリマーと別の非解離ポリマーとの間の二種類のポリマー成分の混合比が1:10〜2:1であることを特徴とする、請求項1〜6の一項に記載の方法。
【請求項9】
共留剤の添加および揮発性成分の除去が数段階で、特に二段階または三段階で、特に好ましくは二段階で行われることを特徴とする、請求項1〜8の一項に記載の方法。
【請求項10】
二軸または多軸スクリュー押出機、特に二軸スクリュー押出機、が押出機として使用されることを特徴とする、請求項1〜9の一項に記載の方法。
【請求項11】
該スクリュー押出機が、該軸同士が同時回転する二軸スクリュー押出機であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
該使用される押出機のスクリューシャフトの直径に対する長さの比が32〜44であることを特徴とする、請求項1〜11の一項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも一つの溶融ゾーン、二つの脱ガスゾーン、共留剤用の一〜二の混合ゾーンおよび計量ゾーンを有する押出機を使用することを特徴とする、請求項1〜12の一項に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも一つの溶融ゾーン、二つの脱ガスゾーン、共留剤用の二つの混合ゾーンおよび計量ゾーンを有する押出機を使用することを特徴とする、請求項1〜12の一項に記載の方法。
【請求項15】
共留剤の量が出発原料の総処理量に対して0.1〜0.5%であることを特徴とする、請求項1〜14の一項に記載の方法。
【請求項16】
溶融物で満たされたスクリューのセクションへの共留剤の添加が混合ゾーンの内部で、またはスクリューの混合ゾーンの直前に行われることを特徴とする、請求項1〜15の一項に記載の方法。
【請求項17】
ポリマー成分の全揮発成分の総含量が1wt.%以下であるポリマー混合物の製造への、請求項1〜16の一項に記載の方法の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2010−501683(P2010−501683A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525944(P2009−525944)
【出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007129
【国際公開番号】WO2008/025446
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】