説明

ポリマーを含む化粧用組成物

【課題】本発明は、200 MPa以下の複素貯蔵弾性率E*を有する付着物を形成できる組成物であって、液体脂肪相中にグラフトエチレン系ポリマー粒子の分散物を含む化粧用肌手入れ用組成物またはメークアップ組成物を提供する。
【解決手段】前記組成物により、特に皮脂存在下、皮膚上に良好な接着性を有し、および/または快適性であり、および/または良好な移行抵抗性を有する付着物を得ることができる。肌手入れおよびメークアップへの適用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のポリマーを含み、ヒトの皮膚への適用を意図した化粧用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に係る組成物は、肌用メークアップ組成物、または肌手入れ用組成物、好ましくはメークアップ組成物であり得る。
【0003】
前記メークアップ組成物は、ファンデーション、アイシャドウ、ブラッシャー、コンシーラー、アイライナーまたは身体用メークアップ製品であり得る。より具体的に本発明は、ファンデーション組成物に関する。
【0004】
前記手入れ用組成物は、顔および身体の肌手入れ用製品、特に日よけ製品または肌着色製品(自動日焼け製品など)であり得る。
【0005】
ファンデーション組成物は、皮膚に、特に顔に美しい色を与えるために、一般に用いられる。これらのメークアップ製品は一般に、油類、顔料および/またはフィラーを含有し、場合によっては、化粧用または皮膚科学用活性剤を含有する。
【0006】
これらの組成物は、皮膚に適用された際に移行、すなわち、少なくとも部分的な付着を受けるという不利益を示し、それらが接触し得る一定の基質、特にグラス、カップ、タバコ、衣料品または皮膚に跡を残す。この結果、適用された薄膜の持続性が劣ったものとなり、口紅組成物またはファンデーション組成物を定期的につけ直すことが必要となる。さらに、これらの許容できない跡の、特にブラウスの襟上の外観が、一定の女性たちにこのタイプのメークアップの使用を妨げさせることにもなり得る。
【0007】
さらに、経時的に皮膚から排出される皮脂もまた、前記メークアップの性質を変化させる。特に皮脂は、メークアップの皮膚への接着を促進せず、メークアップの移行がさらに多くなり、皮膚に残存するメークアップの相当な損失を生じさせる。
【0008】
したがって、移行抵抗性の付着物を、特に皮脂存在下で形成する利点を示す「移行性のない」肌メークアップ組成物、特にそれらが接触する基質(グラス、衣類、タバコ、布地類)への少なくとも部分的な付着を受けることのない組成物が求められている。
【0009】
メークアップ製品の持続性を増大させる目的で、薄膜形成ポリマー類の使用が知られている。例えば、文献、米国特許第6,074,654号およびWO02/067877は、シリコーン樹脂の使用を提案している。
【特許文献1】米国特許第6,074,654号
【特許文献2】WO02/067877
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、非移行性を得る利点を有する一定のポリマー類は、皮膚への適用にとって必ずしも好適であるとは限らない。これは、顔の皮膚が多くの運動を受けやすく、付着したメークアップ薄膜が、割れ目やひび割れを生じることなく、特に皮膚から剥離することなく、これらの応力に耐えられることが必要であるからである。実際、薄膜形成ポリマーの全てが、特に皮膚に適用された組成物を完全に乾燥した後に得られた付着物中にそれらが大量に存在する場合、皮膚への満足できる付着物が得られるとは限らない。そして前記ポリマーは、皮膚への接着不良を示し、メークアップの保持不良を生じさせる。さらに、前記ポリマーは、皮膚の引きつりを生じさせ、それによって使用者にとってメークアップを不快にさせる。
【0011】
したがって、良好な接着性、機械的応力下での良好な粘着性および良好な快適性、そしてまた、特に皮脂存在下での良好な非移行性を示す付着物、特にメークアップ付着物が皮膚上に得られる化粧製品のための新たな製剤経路を提供することが本発明の一目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、そのような組成物を特定のポリマーを使用することによって得られることが可能であることを発見した。
【0013】
したがってより具体的には、本発明は、下記の液体油脂相中、グラフトエチレン系ポリマーの粒子、好ましくは固体粒子の分散物を含む化粧用メークアップ組成物または肌手入れ用組成物、特に下記に規定されている組成物を提供する。
【0014】
前記グラフトエチレン系ポリマーは、前記組成物中に十分な量で存在する場合、前記組成物が、200MPa以下の複素貯蔵弾性率E*を有する付着物を形成することができるという点で有利である。
【0015】
また、本発明は、ケラチン物質、特に皮膚に、上記の組成物を適用することを含む、肌のメークアップ方法を提供する。
【0016】
さらに本発明は、特に皮脂の存在下で良好な接着性を有し、および/または快適であり、および/または良好な移行抵抗性を有する付着物、特にメークアップ付着物を皮膚上に得るために、上記に規定された組成物の使用を提供する。
【0017】
本発明はさらに、化粧用組成物において、液体脂肪相中の分散物におけるグラフトエチレン系ポリマーの粒子(好ましくは固体粒子)の分散物の使用を提供するものであり、前記組成物は、特に皮脂存在下で良好な接着性を示し、および/または快適であり、および/または良好な移行抵抗性を示す皮膚への付着物、特にメークアップ付着物を得るために、200MPa以下の複素貯蔵弾性率E*を有する付着物を特に形成できるものである。
【0018】
本発明に係る組成物に使用されるグラフトエチレン系ポリマーは、前記組成物中に十分な量で存在する場合、前記組成物が、200MPa以下、特に、0.1MPaから200MPaの範囲の複素貯蔵弾性率E*を有する付着物を形成することができるという点で有利である。
【0019】
本発明に係る組成物によって得られる付着物の複素貯蔵弾性率E*は、下記の測定プロトコルによって決定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
[薄膜の複素貯蔵弾性率E*測定法]
35℃でのサーモスタットプレート上で7日間乾燥後、およそ100μmから150μmの厚さを有する付着物を得るような前記組成物の量で、テフロン(登録商標)プレートを被覆する。引き続いて前記乾燥薄膜から、幅10mm、長さ15mmのサンプルを切断する。
【0021】
このサンプルを用いて、DMTA (動的機械的温度分分析)型の動的分光測定機器、例えば、TA InstrumentsのモデルDMA2980による粘弾性測定試験を実施する。
【0022】
引っ張り応力を前記サンプルに課す。前記サンプルに例えば、0.01Nの静止力を与え、その上に1Hzの周波数で、例えば、±8μmの正弦波変位を重ねる。したがって、操作は低レベルの変形下での線形領域内にある。1分間当たり3℃の温度変化で-50℃から+100℃まで温度変化させて、この応力をサンプルにかける。前記サンプルを-50℃の等温線で5分間維持することが好ましい。
【0023】
次に、温度の関数として、試験下薄膜の複素貯蔵弾性率E*=E’+iE”の測定を行う。
【0024】
これらの測定から、動的貯蔵弾性率E’(ヤングの弾性率とも呼ばれる)および動的損失弾性率E”を導出し、また、制動力:tgδ=E”/E’を導出する。
【0025】
付着物(薄膜)の複素貯蔵弾性率E*は、複素数
【0026】
【数1】

【0027】
の平均である。
【0028】
本発明に係る組成物は、150 MPa以下、特に0.1 MPaから150 MPaの範囲、好ましくは100 MPa以下、特に0.1 MPaから100 MPaの範囲、より好ましくは50 MPa以下、特に1 MPaから50 MPaの範囲の複素貯蔵弾性率E*を有する付着物、特に薄膜を形成できることが有利である。
【0029】
本発明に係る組成物は、0.7以上、特に0.7から2の範囲、より好ましくは0.9以上、特に0.9から2の範囲、さらに好ましくは1.1以上、特に1.1から2の範囲の制動力tgδを有する付着物、特に薄膜を形成できることが好ましい。付着物の制動力は、上記のプロトコルに従って決定される。
【0030】
本発明に係る組成物は、0℃から40℃の間の、少なくとも1つのガラス転移温度を有する付着物を形成できることが有利である。
【0031】
本発明に係る組成物によって得られた付着物(または薄膜)の転移温度は、上記に示したとおり実施された粘弾性測定試験時に温度関数として得られたtgδ値の曲線をプロットすることにより測定される。前記ポリマーのガラス転移温度Tgは、この曲線上に局所最高値が検出される温度に相当する。
【0032】
本発明に係る化粧用組成物は、液体油脂相中、グラフトエチレン系ポリマーの粒子、好ましくは固体粒子の分散物を含む。
【0033】
本発明に係る化粧用組成物は、ケラチン物質、特に皮膚に適合性の組成物である。
【0034】
「エチレン系」ポリマーは、エチレン系不飽和を含有するモノマーを重合することにより得られるポリマーである。
【0035】
グラフトエチレン系ポリマー分散物には、前記グラフトポリマー以外に、EP749 747に記載されているものなどの、特に安定化ポリマーが存在せず、したがって、グラフトエチレン系ポリマーの粒子は、そのような付加的安定化ポリマーによって表面安定化されていない。したがって、前記グラフトポリマーは、このグラフトポリマーの粒子表面における付加的安定化剤の不在下で、液体油脂相に分散している。
【0036】
グラフトポリマーとは、ペンダントまたは鎖端に位置している、好ましくはペンダントで、少なくとも1つの側鎖を含む骨格を有するポリマーを意味する。
【0037】
グラフトエチレン系ポリマーは、前記脂肪相に不溶性のエチレン系骨格および前記骨格に共有結合し、前記分散媒体に溶解性の側鎖を含むことが有利である。
【0038】
グラフトエチレン系ポリマーは、特に非架橋性ポリマーである。特に前記ポリマーは、単一の重合可能な部分を含有するモノマーを重合することにより得られる。
【0039】
グラフトエチレン系ポリマーは、薄膜形成ポリマーであることが好ましい。
【0040】
「薄膜形成」ポリマーとは、それ自体で、または薄膜形成補助剤の存在下、基質、特にケラチン物質に接着する連続的薄膜を形成する上で好適なポリマーを意味する。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、グラフトエチレン系ポリマーは、グラフトアクリル系ポリマーである。
【0042】
グラフトエチレン系ポリマーは、
- 前記不溶性骨格を形成するために、少なくとも1種のエチレン系モノマー、特に少なくとも1種のアクリル系モノマーおよび、場合によっては少なくとも1種の付加的非アクリル系ビニルモノマー;および
- 側鎖を形成するために、重合可能な末端基を含有する少なくとも1種のマクロモノマーであって、前記マクロモノマーが、200以上の重量平均分子量を有し、重合したマクロモノマーの量が、前記ポリマーの0.05重量%から20重量%に相当するマクロモノマー
との有機重合媒体中でのフリーラジカル重合によって特に得ることができる。
【0043】
前記液体脂肪相は、有機重合媒体を含有し得る。
【0044】
前記グラフトポリマーが提供される媒体に相当する液体有機分散媒体は、重合媒体と同一であり得る。
【0045】
しかしながら、前記重合媒体は、他の液体有機媒体によって、全体的にまたは部分的に置換され得る。この他の液体有機媒体は、重合後に重合媒体に添加できる。次いで、後者を、全体的にまたは部分的に蒸発させる。
【0046】
前記液体脂肪相は、分散媒体に存在するもの以外の有機液体媒体を含み得る。これらの他の化合物は、前記グラフトポリマーが、液体脂肪相中、分散物の状態のままであるように選択される。
【0047】
前記有機液体分散媒体は、得られたグラフトポリマー分散物を、前記組成物に導入することにより、本発明に係る組成物の液体脂肪相中に存在する。
【0048】
前記液体脂肪相は、好ましくは、大部分の主成分上、下記に規定された1種以上の液体有機化合物(または油類)を含む。
【0049】
特に前記液体脂肪相は、非水溶性であり、周囲温度(25℃)で水に非混和性の液体有機相である。
【0050】
「液体有機化合物」とは、周囲温度(25℃)で液体状態にあり、したがって、それ自体の重さで流動する非水溶性化合物である。
【0051】
「シリコーン化合物」とは、少なくとも1個のケイ素原子を含有する化合物である。
【0052】
液体有機化合物または油類、特に液体有機分散媒体中に存在し得る揮発性または不揮発性のものの中でも、
- 18 (MPa)1/2以下、好ましくは、17 (MPa)1/2以下のハンセン(Hansen)溶解度空間による総溶解度パラメータを有する液体有機化合物、特にシリコーン系または非シリコーン系のもの、
- 20 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有するモノアルコール類、および
- それらの混合物
を挙げることができる。
【0053】
ハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータδは、「Polymer Handbook」、第3版、VII章、519-559頁、Eric A. Grulkeによる論文、「Solubility parameter values」に関係式:
δ = (dD2 + dP2 + dH2 )1/2
によって定義されている
[式中
- dDは、分子衝突時に誘導された双極子形成から生じるロンドンの分散力である、
- dPは、永久双極子間のデバイ相互作用力である、
- dHは、特異的相互作用力(水素結合、酸/塩基、供与体/受容体など)である]。
【0054】
ハンセンによる溶解度空間における溶媒の定義は、C. M. Hansenによる論文「The three dimensional solubility parameters」、J. Paint Technol. 39、105頁(1967)に記載されている。
【0055】
18 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有する液体有機化合物、特にシリコーン系または非シリコーン系のものの中でも、液体脂肪物質、特に油類を挙げることができ、それらは場合によっては、分岐状の天然または合成の炭素系、炭化水素系のフルオロ油類およびシリコーン油類から単独、または混合物として選択できる。
【0056】
「油」は、周囲温度(25℃)および大気圧(760 mmHg)で液体であり、皮膚、粘膜(唇)および/または表皮誘導体(爪、眉、まつ毛、毛髪)への適用に適合性である任意の非水溶性媒体である。
【0057】
これらの油類の中でも、脂肪酸エステル類およびポリオール類、特にトリグリセリド類から形成された、ヒマワリ油、ゴマ油またはアブラナ油などの植物油、または長鎖(すなわち、6個から20個の炭素原子を含有する鎖)を含有する酸類またはアルコール類から誘導されたエステル類、特にパルミチン酸エステル類、アジピン酸エステル類および安息香酸エステル類、特にアジピン酸ジイソピルなどの式RCOOR’のエステル類(式中、Rは、7個から19個の炭素原子を含有する高級脂肪酸残基を表し、R’は、3個から20個の炭素原子を含有する炭化水素系の鎖を表す)を挙げることができる。
【0058】
また、揮発性であり得る直鎖、分岐状および/または環状アルカン類、特に液体パラフィン、液体ワセリンまたは水素化ポリイソブチレン、イソドデカンまたは「イソパール類」、揮発性イソパラフィン類を挙げることもできる。エステル、エーテルおよびケトンも挙げることができる。
【0059】
また、場合によっては、脂肪族基および/または芳香族基で置換されており、それらの基が、場合によってはフッ素化されているか、またはヒドロキシ基、チオール基および/またはアミン基などの官能基を有する、ポリジメチルシロキサン類およびポリメチルフェニルシロキサン類などのシリコーン油および特に環状の揮発性シリコーン油類を挙げることもできる。
【0060】
特に、揮発性および/または不揮発性の、場合によっては、分岐状のシリコーン油類を挙げることができる。
【0061】
「揮発製油」の文言は、皮膚または唇から1時間未満に蒸発でき、特に周囲温度と大気圧下で、10-3 mmHgから300 mmHg (0.13 Paから40000 Pa)の範囲の蒸気圧を有する任意の非水溶性媒体を意味する。
【0062】
本発明に使用できる揮発性シリコーン油類としては、2個から7個のケイ素原子を含有する直鎖もしくは環状シリコーン類を挙げることができ、これらのシリコーン類は、場合によっては1個から10個の炭素原子を含有するアルキル基またはアルコキシ基を含む。特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、およびデカメチルテトラシロキサンおよびそれらの混合物を挙げることができる。
【0063】
挙げることのできる不揮発性シリコーン油の中には、不揮発性ポリジメチルシロキサン類(PDMS)などの不揮発性ポリジアルキルシロキサン類;ペンダント、またはシリコーン鎖末端にある、アルキル基、アルコキシ基またはフェニル基を含み、これらの基が、2個から24個の炭素原子を含有するポリジメチルシロキサン類;フェニルシリコーン類、例えば、フェニルトリメチコーン類、フェニルジメチコーン類、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン類、ジフェニルジメチコーン類、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン類、およびポリメチルフェニルシロキサン類;脂肪酸(特にC8〜C20の)、脂肪族アルコール類(特にC8〜C20の)またはポリオキシアルキレン類(特に、ポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレン)により変性されたポリシロキサン類;アミノポリシロキサン類;ヒドロキシル基を含有するポリシロキサン類;1個から12個の炭素原子を含有する、ペンダント、またはシリコーン鎖末端にあるフッ素化基を含み、水素の全てまたは一部が、フッ素原子によって置換されているフルオロポリシロキサン類;およびそれらの混合物がある。
【0064】
18 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有する非シリコーン系の液体有機化合物としては、特に、
- 少なくとも6個の炭素原子、特に6個から30個の炭素原子を含有する直鎖、分岐状または環状エステル類;
- 少なくとも6個の炭素原子、特に6個から30個の炭素原子を含有するエーテル類;および
- 少なくとも6個の炭素原子、特に6個から30個の炭素原子を含有するケトン類
を挙げることができる。
【0065】
「20 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有する液体モノアルコール類」の文言は、6個から30個の炭素原子を含有し、その炭化水素系鎖が置換基を含まない脂肪族脂肪液体モノアルコール類を意味する。挙げることのできる本発明に係るモノアルコール類には、オレイルアルコール、デカノールおよびリノレイルアルコールなどがある。
【0066】
本発明に係る組成物は、組成物の全重量に対して、1重量%から90重量%の範囲、好ましくは5重量%から70重量%の範囲の量で揮発性油を含み得ることが有利である。
【0067】
前記組成物は、組成物の全重量に対して、0.1重量%から80重量%の範囲、好ましくは3重量%から50重量%の範囲の量で不揮発性油を含み得る。
【0068】
本発明の第1の実施形態によれば、前記液体脂肪相は、非シリコーン系液体脂肪相であり得る。
【0069】
「非シリコーン系液体脂肪相」の文言は、上記に挙げたものなどの1種以上の非シリコーン系液体有機化合物または油類を含む脂肪相であって、前記非シリコーン化合物が、前記液体脂肪相に主に存在する、すなわち前記液体脂肪相の全重量に対して、少なくとも50重量%、特に50重量%から100重量%、好ましくは60重量%から100重量%(例えば、60重量%から99重量%)、あるいは65重量%から100重量%(例えば、65重量%から95重量%)で存在する脂肪相を意味する。
【0070】
前記非シリコーン系液体有機化合物は、特に、
- 18 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有する非シリコーン系液体有機化合物、
- 20 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有するモノアルコール類;および
- それらの混合物
から選択できる。
【0071】
したがって、前記非シリコーン系液体脂肪相は、液体脂肪相の全重量に対して、50重量%未満、特に0.1重量%から40重量%の範囲、さらには1重量%から35重量%の範囲、あるいは5重量%から30重量%の範囲の量で存在し得る先に挙げたものなどのシリコーン系液体有機化合物または油類を、場合によっては含み得る。
【0072】
本発明の特定の一実施形態によれば、前記非シリコーン系液体脂肪相は、シリコーン系液体有機化合物または油類を含有しない。
【0073】
前記液体脂肪相が、非シリコーン系液体脂肪相である場合、グラフトポリマーに存在するマクロモノマーは、下記の炭素系マクロモノマーであることが有利である。
【0074】
「非シリコーン系グラフトポリマー」の文言は、主に炭素系マクロモノマーを含有し、場合によっては、ポリマー全重量の7重量%以下、好ましくは5重量%以下のシリコーンマクロモノマーを含有するか、またはさらに、シリコーンマクロモノマーの存在しないグラフトポリマーを意味する。
【0075】
本発明の第2の実施形態によれば、前記液体脂肪相は、シリコーン系液体脂肪相であり得る。
【0076】
「シリコーン系液体脂肪相」の文言は、先に記載したものなどの1種以上のシリコーン系液体有機化合物またはシリコーン油を含む脂肪相であって、前記シリコーン化合物が、前記液体脂肪相に主に存在する、すなわち前記液体脂肪相の全重量に対して、少なくとも50重量%、特に50重量%から100重量%、好ましくは60重量%から100重量%(例えば、60重量%から99重量%)、あるいは65重量%から100重量%(例えば、65重量%から95重量%)で存在する脂肪相を意味する。
【0077】
シリコーン系液体有機化合物は、特に、
- 18 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有する、特に非シリコーン系、またはシリコーン系液体有機化合物
から選択できる。
【0078】
したがって、前記シリコーン系液体脂肪相は、液体脂肪相の全重量に対して、50重量%未満、特に0.1重量%から40重量%の範囲、さらには1重量%から35重量%の範囲、あるいは5重量%から30重量%の範囲の量で存在し得る。先に記載した非シリコーン系液体有機化合物、または油類を場合によっては含み得る。
【0079】
本発明の特定の一実施形態によれば、シリコーン系液体脂肪相は、非シリコーン系液体有機化合物を含有しない。
【0080】
前記液体脂肪相が、シリコーン系液体脂肪相である場合、グラフトポリマーに存在するマクロモノマーは、下記のシリコーン系マクロモノマーであることが有利である。
【0081】
特に、前記液体脂肪相が、シリコーン系液体脂肪相である場合、前記組成物中に存在するグラフトポリマーは、シリコーン系グラフトポリマーであることが有利である。
【0082】
「シリコーン系グラフトポリマー」の文言は、主にシリコーン系マクロモノマーを含有し、場合によっては、ポリマー全重量の7重量%以下、好ましくは5重量%までの炭素系マクロモノマーを含有するか、またはさらに、炭素系マクロモノマーの存在しないグラフトポリマーを意味する。
【0083】
前記ポリマーの骨格を構成するモノマー、マクロモノマー、前記ポリマーの分子量およびモノマーとマクロモノマーの割合の選択は、グラフトポリマー粒子の分散物、特に安定な分散物を有利に得るための液体有機分散媒体の関数としてなされ、この選択は、当業者によってなすことが可能である。
【0084】
「安定な分散物」の文言は、固体付着物を形成しにくい、または特に、例えば、4000 rpmで15分間の遠心分離後に、液相/固相分離を受けにくい分散物を意味する。
【0085】
したがって、分散物中に粒子を形成するグラフトエチレン系ポリマーは、前記分散媒体に不溶性の骨格および前記分散媒体に可溶性の部分を含む。
【0086】
グラフトエチレン系ポリマーは、ランダムポリマーであり得る。
【0087】
本発明によれば、「グラフトエチレン系ポリマー」の文言は、
− 有機重合媒体中での、1種以上のマクロモノマーによる
− 1種以上のエチレン系モノマー
のフリーラジカル重合によって得ることのできるポリマーを意味する。
【0088】
本発明によれば、「グラフトアクリル系ポリマー」の文言は、
− 有機重合媒体中での、1種以上のマクロモノマーによる
− 1種以上のアクリル系モノマーおよび場合によっては1種以上の付加的非アクリル系ビニルモノマー
のフリーラジカル重合によって得ることのできるポリマーを意味する。
【0089】
アクリル系モノマーは、アクリル系モノマー+任意の非アクリル系ビニルモノマーの混合物のうち、50重量%から100重量%、好ましくは55重量%から100重量%(特に55重量%から95重量%)、より好ましくは60重量%から100重量%(特に60重量%から90重量%)に相当することが有利である。
【0090】
アクリル系モノマーは、そのホモポリマーが、考慮下の分散媒体中に不溶性である、すなわち、そのホモポリマーが、前記分散媒体中、周囲温度(20℃)で5重量%以上の濃度で固体(または非溶解)形態にあるモノマーから選択されることが好ましい。
【0091】
本発明によれば、「重合可能な末端基を含有するマクロモノマー」の文言は、その両端のうちの一端だけに、重合反応時に、骨格を構成しているアクリル系モノマーおよび場合によっては、付加的非アクリル系ビニルモノマーと反応することのできる重合可能な末端基を含む任意のポリマーを意味する。前記マクロモノマーは、グラフトアクリル系ポリマーの側鎖を形成することを可能にする。前記マクロモノマーの重合可能基は、骨格を構成しているモノマーとフリーラジカル重合のできるエチレン系不飽和基であることが有利であり得る。
【0092】
「炭素系マクロモノマー」の文言は、エチレン系不飽和非シリコーン系モノマーの重合により、主としてアクリルおよび/または非アクリル系ビニルモノマー類の重合により得られる、非シリコーン系マクロモノマー、特にオリゴマーマクロモノマーを意味する。
【0093】
「シリコーン系マクロモノマー」の文言は、有機ポリシロキサンマクロモノマー、特にポリジメチルシロキサンマクロモノマーを意味する。
【0094】
好ましくは、マクロモノマーは、そのホモポリマーが、考慮下の分散媒体中に可溶性である、すなわち、前記分散媒体中に、周囲温度で5重量%以上の濃度で充分に溶解するマクロモノマーから選択される。
【0095】
したがって、グラフトアクリル系ポリマーは、特に1種以上のアクリル系モノマーの重合で生じる一連のアクリル単位からなる骨格(または主鎖)およびマクロモノマーの反応から誘導され、前記主鎖に共有結合している側鎖(またはグラフト)を含む。
【0096】
前記骨格(または主鎖)は、考慮下の分散媒体に不溶性であるが、一方、側鎖(またはグラフト)は、前記分散媒体に可溶性である。
【0097】
本特許出願において、「アクリル系モノマー」の文言は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類((メタ)アクリレート類としても知られている)および(メタ)アクリル酸アミド類((メタ)アクリルアミド類としても知られている)から選択されるモノマーを意味する。
【0098】
ポリマーの不溶性骨格を形成するために使用できるアクリル系モノマー類としては、以下のモノマー類およびそれらの塩の単独または混合物を挙げることができる。
- (i) 下記式の(メタ)アクリレート類:
【0099】
【化1】

【0100】
[式中:
- R1は、水素原子またはメチル基を示す;
- R2は、以下のものから選択される基を表す:
- 1個から6個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐状アルキル基であって、前記基は、その鎖内にO、NおよびSから選択される1種以上のヘテロ原子を含むことが可能である;および/または-OH、ハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)および-NR’R” (R’およびR”は直鎖もしくは分岐状C1〜C4アルキルから選択され、同一であってもまたは異なっていてもよい)から選択される1個または複数の置換基を含むことが可能である;および/または少なくとも1つのポリオキシアルキレン基、特にC2〜C4アルキレン基、特にポリオキシエチレン基および/またはポリオキシプロピレン基により置換されていることが可能であり、前記ポリオキシアルキレン基は、5個から30個のオキシアルキレン単位の反復からなる;
- 3個から6個の炭素原子を含有する環状アルキル基であって、前記基は、その鎖内にO、NおよびSから選択される1種以上のヘテロ原子を含むことが可能であり、および/またはOHおよびハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)から選択される1個または複数の置換基を含むことが可能である]
【0101】
挙げることのできるR2の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシポリオキシエチレン(350 EO)基、トリフルオロエチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基またはジメチルアミノプロピル基などがある;
- (ii) 下記式の(メタ)アクリルアミド類:
【0102】
【化2】

【0103】
[式中:
- R3は、水素原子またはメチル基を示す;
- R4とR5は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、または
-OH、ハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)および-NR’R” (R’およびR”は直鎖もしくは分岐状C1〜C4アルキルから選択され、同一であってもまたは異なっていてもよい)から選択される1個または複数の置換基を含むことができる1個から6個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐状アルキル基を表す;または
- R4は、水素原子を表す、R5は、1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表す]
【0104】
R4およびR5を構成することのできるアルキル基の例としては、n-ブチル、t-ブチル、n-プロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチルおよびジメチルアミノプロピルを挙げることができる。
- (iii) アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸などの少なくとも1種のカルボン酸、リン酸またはスルホン酸の官能基を含む(メタ)アクリル系モノマー類である。
【0105】
これらのアクリル系モノマー類の中でも、極めて特に挙げることのできるものは、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびイソブチル(メタ)アクリレート類;メトキシエチルまたはエトキシエチル(メタ)アクリレート類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート;ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド;(メタ)アクリル酸およびそれらの塩類;およびそれらの混合物である。
【0106】
好ましくは、アクリル系モノマー類は、メチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸およびジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、およびそれらの混合物から選択される。
【0107】
挙げることのできる付加的非アクリル系ビニルモノマー類の中には、
- 式:R6-COO-CH=CH2のビニルエステル類;
[式中、R6は、1個から6個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐状アルキル基または3個から6個の炭素原子を含有する環状アルキル基および/または、例えばベンゼン型、アントラセン型またはナフタレン型の芳香族基を表す]
- クロトン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、およびそれらの塩類などの少なくとも1種のカルボン酸、リン酸またはスルホン酸の官能基を含む非アクリル系ビニルモノマー類;
- 2-ビニルピリジンまたは4-ビニルピリジンなどの少なくとも1種の第三級アミン官能基を含む非アクリル系ビニルモノマー類;
- およびそれらの混合物
がある。
【0108】
前記グラフトポリマーに存在するアクリル系モノマー類は、上記(i)および(ii)に記載された(メタ)アクリレート類および(メタ)アクリルアミド類から選択される少なくとも1種のモノマーを含むことが有利である。アクリル系モノマー類は、C1〜C3アルキル(メタ)アクリレート類から選択される少なくとも1種のモノマーを含むことが好ましい。
【0109】
前記グラフトポリマーは、(メタ)アクリル酸を含み得る。
【0110】
本発明の一実施形態によれば、前記グラフトポリマーは、酸官能基モノマーを含まず、特に(メタ)アクリル酸を含まない。
【0111】
塩の中でも挙げることのできるものは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化アンモニウムなどの無機塩基により、またはアルカノールアミン類、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンまたは2-メチル-2-アミノ-1-プロパノールなどの有機塩基により、酸性部分を中和することにより得られるものである。
【0112】
例えば、鉱酸または有機酸を用いて第三級アミン単位の中和により形成された塩もまた挙げることができる。挙げることのできる鉱酸の中には、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸およびホウ酸がある。挙げることのできる有機酸の中には、1種以上のカルボン酸基、スルホン酸基、またはリン酸基を含む酸がある。それらは、直鎖、分岐状または環状脂肪族酸であるか、あるいは芳香族酸であり得る。これらの酸は、例えば、ヒドロキシル基の形態におけるOおよびNから選択される1種以上のヘテロ原子もまた含み得る。酢酸またはプロピオン酸、テレフタル酸およびクエン酸ならびに酒石酸を特に挙げることができる。
【0113】
本発明の一実施形態によれば、前記グラフトエチレン系ポリマーは、上記の付加的非アクリル系ビニルモノマー類を含有しない。この実施形態において、グラフトエチレン系ポリマーの不溶性骨格は、先に記載されたアクリル系モノマー類だけから形成される。
【0114】
これらの重合していないアクリル系モノマー類は、考慮下の分散媒体に可溶性であり得るが、これらのモノマー類から形成されたポリマーは、前記分散媒体に不溶性である。
【0115】
本発明の特定の一実施形態によれば、前記グラフトエチレン系ポリマーは、
- 前記不溶性骨格を形成するためにC1〜C3アルキル(メタ)アクリレート類から選択される主要アクリル系モノマー単独または混合物、および場合によっては、上記に定義された式(I)のアクリル酸、メタクリル酸およびアルキル(メタ)アクリレート類から選択される1種以上の付加的アクリル系モノマー類;および
- 上記に定義された重合可能な末端基を含有する少なくとも1種のシリコーン系マクロモノマー
との有機重合媒体中でのフリーラジカル重合によって得ることができる。
【0116】
主要アクリル系モノマーとして、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルアクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレートおよびイソプロピルメタクリレート、およびそれらの混合物を用いることが可能である。
【0117】
極めて特に好ましいものは、メチルアクリレート、メチルメタクリレートおよびエチルメタクリレートである。
【0118】
付加的アクリル系モノマー類は、以下から選択できる。
- (メタ)アクリル酸およびその塩類、
- 下記式(I)の(メタ)アクリレート類およびそれらの塩類:
【0119】
【化3】

【0120】
[式中
- R’1は、水素原子またはメチル基を示す;
- R’2は、
- 1個から6個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐状アルキル基であって、前記基は、その鎖内に1個以上の酸素原子および/または-OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)および-NR’R” (R’とR”は同一であるか、または異なっており、直鎖もしくは分岐状C1〜C3アルキル類から選択される)から選択される1つ以上の置換基を含有する基;
- 3個から6個の炭素原子を含有する環状アルキル基であって、前記基は、その鎖内に1個以上の酸素原子を含むことが可能であり、および/またはOHおよびハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)から選択される1つ以上の置換基を含有する基を表す];
- およびそれらの混合物である。
【0121】
R’2の可能な例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、トリフルオロエチル基;2-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基が挙げられる。
【0122】
これらの付加的アクリル系モノマー類の中でも、特に(メタ)アクリル酸、メトキシエチルまたはエトキシエチル(メタ)アクリレート類;トリフルオロエチルメタクリレート;ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、それらの塩類、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0123】
マクロモノマー類は、鎖の両端のうちの一端に、重合時、アクリル系モノマー類および場合によっては、付加的ビニルモノマー類と反応して、グラフトエチレン系ポリマーの側鎖を形成することのできる重合可能な末端基を含む。前記重合可能な末端基は、特にビニル基または(メタ)アクリレート(または(メタ)アクリロイル)基、好ましくは(メタ)アクリレート基であり得る。
【0124】
マクロモノマー類は、そのホモポリマーが、25℃以下、特に-100℃から25℃の範囲、好ましくは-80℃から0℃の範囲のガラス転移温度(Tg)を有するマクロモノマー類から選択されることが好ましい。
【0125】
マクロモノマー類は、200以上、好ましくは300以上、優先的には500以上、より優先的には600を超える重量平均分子量を有する。
【0126】
好ましくは、マクロモノマー類は、200から100 000の範囲、好ましくは500から50 000の範囲、優先的には800から20 000の範囲、より優先的には800から10 000の範囲、さらにより優先的には800から6000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有する。
【0127】
本特許出願においては、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、液体ゲル透過クロマトグラフィ(THF溶媒、直鎖ポリスチレン標準によって確立した検量線、屈折率検出器)によって決定される。
【0128】
特に挙げることのできる炭素系マクロモノマー類としては、以下のものが挙げられる。
- (i) ビニルまたは(メタ)アクリレート基から選択される重合可能な末端基を含有する、直鎖もしくは分岐状C8〜C22アルキル(メタ)アクリレートのホモポリマー類およびコポリマー類であって、それらの中でも特に:モノ(メタ)アクリレート末端基を有するポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)マクロモノマー類;モノ(メタ)アクリレート末端基を有する、ポリ(ドデシルアクリレート)マクロモノマー類またはポリ(ドデシルメタクリレート)マクロモノマー類;モノ(メタ)アクリレート末端基を有する、ポリ(ステアリルアクリレート)マクロモノマー類またはポリ(ステアリルメタクリレート)マクロモノマー類を挙げることができる。
【0129】
このようなマクロモノマー類は、特にEP895 467およびEP96 459、およびGillman K. F.による論文、Polymer Letters、5巻、477-481頁(1967)に記載されている。
【0130】
特にモノ(メタ)アクリレート末端基を有する、ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)またはポリ(ドデシルアクリレート)に基づくマクロモノマー類を挙げることができる。
- (ii) エチレン系不飽和末端基を有する、特に(メタ)アクリレート末端基を含有するポリオレフィン類を挙げることができる。特に挙げることのできるこのようなポリオレフィン類の例としては、以下のマクロモノマー類が挙げられ、それらは(メタ)アクリレート末端基を有することが解される:ポリエチレンマクロモノマー類、ポリプロピレンマクロモノマー類、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマーのマクロモノマー類、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーのマクロモノマー類,ポリイソブチレンマクロモノマー類;ポリブタジエンマクロモノマー類;ポリイソプレンマクロモノマー類;ポリブタジエンマクロモノマー類;ポリ(エチレン/ブチレン)-ポリイソプレンマクロモノマー類。
【0131】
このようなマクロモノマー類は、特に(メタ)アクリレート反応性末端基を含有するエチレン/ブチレンマクロモノマー類およびエチレン/プロピレンマクロモノマー類を挙げている米国特許第5,625,005号に記載されている。
【0132】
特に、Kraton Polymersにより、Kraton Liquid L-1253の名称で販売されているようなポリ(エチレン/ブチレン)メタクリレートを挙げることができる。
【0133】
特に挙げることができるシリコーン系マクロモノマー類としては、モノ(メタ)アクリレート末端基を有するポリジメチルシロキサン類、特に以下の下記式(II)のものがある:
【0134】
【化4】

【0135】
[式中、R8は、水素原子またはメチル基を示す;
R9は、1個から10個の炭素原子を含有し、場合によっては、1つまたは2つのエーテル結合-O-を含有する二価の炭化水素系基を示す;R10は、1個から10個の炭素原子を含有し、特に2個から8個の炭素原子を含有するアルキル基を示す;nは、1から300の範囲、好ましくは3から200の範囲、優先的には、5から100の範囲の整数を示す]。
【0136】
使用できるシリコーン系マクロモノマー類としては、United Chemical Technologies社により、PS560-K6の名称で、またはGelest社によりMCR-M17の名称で販売されているものなどのモノメタクリルオキシプロピルポリジメチルシロキサン類が挙げられる。
【0137】
好ましくは、重合したマクロモノマー(グラフトポリマーの側鎖を構成している)は、ポリマー全重量の0.1重量%から15重量%、好ましくは0.2重量%から10重量%、より好ましくは0.3重量%から8重量%となる。
【0138】
非シリコーン系液体脂肪相に分散した特に好ましいグラフトエチレン系ポリマーとしては、
- 特にイソドデカン、イソノナン酸イソノニル、オクチルドデカノール、リンゴ酸ジイソステアリル、安息香酸アルキル(Finsolv TNなど)から選択される溶媒中での、メチルアクリレート/アクリル酸モノマー類と、メタクリレート末端基(特にKraton L-1253)を有するポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマー
との重合により得られたものを使用することが可能である。
【0139】
シリコーン系液体脂肪相に分散した特に好ましいグラフトエチレン系ポリマーとしては、
- 特にデカメチルシクロペンタンシロキサン中での、メチルアクリレートと、800から6000の範囲の重量平均分子量を有するモノメタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンマクロモノマー
との重合により得られたものを使用することが可能である。
【0140】
グラフトポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは、10 000と300 000との間、特に20 000と200 000との間、さらに良好には、25 000と150 000との間である。
【0141】
所与の有機分散媒体中における上記の特徴のため、前記ポリマーは、それ自体の上に折り重なる能力を有し、したがって、実質的に球状の粒子を形成し、これらの粒子の球面は、配置された側鎖を有するので、これらの粒子の安定性が確実になる。前記グラフトポリマーの特徴から生じるこれらの粒子は、前記媒体中で凝集しない、したがって自己安定化しており、特に安定なポリマー粒子分散物を形成するという特性を有する。
【0142】
特に、分散物のグラフトアクリル系ポリマーは、10 nmから400 nmの範囲、好ましくは20 nmから200 nmの範囲の平均サイズを有するナノメートルサイズの粒子を形成することができる。
【0143】
この極小サイズの結果、分散物中のグラフトポリマー粒子は、特に安定であり、したがって、凝集物は極めて形成しにくい。
【0144】
したがって、グラフトポリマーの分散物は、長時間(例えば、24時間)、周囲温度(25℃)に置かれた場合に安定であり、沈降物を形成しない分散物であり得る。
【0145】
グラフトポリマー粒子の分散物は、ポリマーの40重量%から70重量%、特に45重量%から65重量%の固体含量(または乾燥抽出物)を有することが好ましい。
【0146】
グラフトポリマー粒子の分散物は、有機重合媒体において、上記に定義した1種以上のアクリル系モノマー類と上記に定義した1種以上のマクロモノマー類とのフリーラジカル共重合工程を含む方法によって調製できる。
【0147】
前述のように、液体有機分散媒体は、重合媒体と同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0148】
共重合は、重合開始剤の存在下、従来どおり実施できる。重合開始剤は、フリーラジカル開始剤であり得る。一般に、このような重合開始剤は、ジラウロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシドまたはt-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートなどの有機過酸化化合物;アゾビスイソブチロニトリルまたはアゾビスジメチルバレロニトリルなどのジアゾ化合物から選択できる。
【0149】
また、前記反応は、光開始剤を用いて、またはUVまたは中性子などの照射により、またはプラズマにより開始できる。
【0150】
一般に、この方法を実施するために、有機重合媒体の少なくとも一部、重合後に不溶性の骨格を構成する付加的アクリルおよび/またはビニルモノマー類の一部、全てのマクロモノマー(ポリマーの側鎖を構成する)および重合開始剤の一部が、調製するポリマー量に適したサイズの反応器内へ導入される。導入のこの段階で、反応媒体は、比較的均一な媒体を形成する。
【0151】
次に、前記モノマーとマクロモノマーの重合を達成するために前記反応媒体を攪拌し、ある温度まで加熱する。一定時間後、最初均一で透明だった媒体は、乳濁した外観の分散物となる。次いでモノマーおよび重合開始剤の残りの部分からなる混合物を加える。混合物を攪拌しながら加熱する適切な時間後、前記媒体は、乳濁した分散物の形態において安定化するが、この分散物は、ポリマー粒子が創製された媒体中に安定化されたポリマー粒子を含み、前記の安定化は、前記分散媒体中に可溶性である側鎖がポリマー中に存在することによる。
【0152】
本発明に係る組成物中に存在するグラフトポリマーは、0℃と80℃との間、好ましくは0℃と60℃との間、より好ましくは0℃と40℃との間の少なくとも1つのガラス転移温度を示すことが有利である。ガラス転移温度は、例えば、グラフトポリマーの分散物のみを用いて特に、前記組成物によって得られた付着物に関する上記のプロトコルに従って測定される。したがって、ガラス転移温度は、グラフトポリマーのみを含有するフィルム上で測定される。
【0153】
上記のグラフトポリマーは、本発明に係る組成物中に、その組成物の全重量に対して、0.5重量%から45重量%の範囲、好ましくは1重量%から30重量%の範囲、優先的には2重量%から25重量%の範囲の量で存在できる。
【0154】
グラフトポリマーは、前記組成物の不揮発性画分中に、前記不揮発性画分の20重量%以上の量で存在することが有利である。前記組成物の不揮発性画分とは、前記組成物中に存在する、揮発性でない成分の全体を意味する。揮発性化合物とは、単離した場合に、周囲温度(25℃)および大気圧において、ゼロでない蒸気圧、特に10-3 mmHgから300 mmHg (0.133 Paから40 000 Pa)の範囲の蒸気圧を有する化合物である。好ましくは、前記組成物の不揮発性画分中のグラフトポリマー量は、前記不揮発性画分の20重量%から90重量%の範囲、より好ましくは20重量%から70重量%の範囲、さらに好ましくは20重量%から60重量%の範囲、さらに一層好ましくは30重量%から60重量%の範囲であり得る。
【0155】
前記組成物の不揮発性画分は、実際は皮膚に適用した組成物を完全に乾燥した後、皮膚に残っている成分の混合物に相当する。
【0156】
本発明に係る組成物は、当業者によく知られた水溶性染料および顔料、パール剤および薄片などの粉末状着色剤から選択される1種以上の着色剤を含み得る。前記着色剤は、前記組成物中に、前記組成物の全重量に対して、0.01重量%から50重量%の範囲、好ましくは0.01重量%から30重量%の範囲の量で存在し得る。
【0157】
顔料とは、生理的媒体に不溶性であり、前記組成物の着色を意図している任意の形態の白色または有色の鉱物粒子または有機粒子を意味する。
【0158】
パール剤は、特に一定の軟体動物により、それらの殻内に産生されるか、または合成される任意の形態の真珠光沢粒子である。
【0159】
前記顔料は、白色または有色、鉱物および/または有機物であり得る。鉱物顔料の中でも、二酸化チタン、場合によっては表面処理されたもの、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、また、酸化亜鉛、酸化鉄(黒、黄、または赤)または酸化クロム、マンガン紫、群青、クロム水和物、および第二鉄青ならびにアルミニウム粉末および銅粉末などの金属粉末を挙げることができる。
【0160】
有機顔料の中でも、カーボンブラック、D & C顔料、およびコチニール深紅色、バリウム、ストロンチウム、カルシウムならびにアルミニウムに基づくレーキ類を挙げることができる。
【0161】
また、有機物または鉱物、天然または合成の基質、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリエステル類、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、セラミックスまたはアルミナ類を含む粒子などの効果顔料を挙げることもでき、前記基質は、むきだしとなっているか、またはアルミニウム、金、銀、白金、銅、青銅などの金属物質で被覆されているか、または二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロムおよびそれらの混合物で被覆されている。
【0162】
真珠光沢顔料は、チタンコーティングした雲母またはオキシ塩化ビスマスなどの白色真珠光沢顔料、酸化鉄でコーティングしたチタン雲母、特に第二鉄青または酸化クロムでコーティングしたチタン雲母、前述のタイプの有機顔料でコーティングしたチタン雲母などの有色真珠光沢顔料、およびオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料から選択できる。また、干渉顔料、特に液体-結晶顔料または多層顔料も挙げることができる。
【0163】
本発明に係る組成物中に存在するグラフトポリマーは、顔料やパール剤などの粉末状着色剤の良好な均一分散物を得ることを可能にすることが有利である。
【0164】
したがって、本発明は、上記のように、液体脂肪相中に、グラフトエチレン系ポリマー粒子の分散物および少なくとも1種の着色剤、特に顔料およびパール剤、または光学的効果を有する任意の他のフィラーを含むファンデーション組成物をさらに提供する。
【0165】
水溶性染料は、例えば、ビート根汁およびメチレンブルーである。
【0166】
本発明に係る組成物は、さらに1種以上のフィラーを、特に組成物の全重量に対して、0.01重量%から50重量%の範囲、好ましくは0.01重量%から30重量%の範囲の量で含み得る。フィラーとは、前記組成物が製造される温度とは無関係に、前記組成物の媒体に不溶性である無色または白色、鉱物または合成の任意の形状の粒子を意味する。これらのフィラーは、特に前記組成物の流動性または組織を変更するために役立つ。
【0167】
フィラーは、結晶学的形態(例えば、葉状、立方体、六方晶、斜方晶など)とは無関係に、任意の形態、小板状、球状または長方形の鉱物または有機物のフィラーであり得る。タルク、雲母、シリカ、カオリン、ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末(AtochemのOrgasol(登録商標))、ポリ-β-アラニン粉末およびポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレン系ポリマー(Teflon(登録商標))粉末、ラウロイルリジン、澱粉、窒化ホウ素、塩化ポリビニリデン/アクリロニトリルの中空ポリマーミクロスフィア類、例えば、Expancel(登録商標) (Nobel Industries)、およびアクリル酸コポリマー類(Dow CorningのPolytrap(登録商標))の中空ポリマーミクロスフィア類、およびシリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば、ToshibaのTospearls(登録商標))、エラストマー有機ポリシロキサン類の粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび重炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカミクロスフィア類(MaprecosのSilica Beads(登録商標))、ガラスまたはセラミックのミクロカプセル類、8個から22個の炭素原子、好ましくは12個から18個の炭素原子を有する有機カルボン酸由来の金属石鹸、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛およびミリスチン酸マグネシウムを挙げることができる。
【0168】
本発明に係る組成物は、ビタミン類、保湿剤、皮膚軟化剤、フリーラジカル捕捉剤、増粘剤、微量元素、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、香料、アルカリ化剤または酸性化剤、防腐剤、日焼け止め剤、界面活性剤、酸化防止剤、ゴム類、ワックス類、噴射剤またはそれらの混合物などの化粧品学において、一般に用いられる成分をさらに含み得る。
【0169】
当業者はもちろん、本発明に係る相当する組成物の有利な性質が、意図される添加によって悪影響を及ぼされないか、または実質的に及ぼされないように、この、または場合によってこれらの添加化合物の選択および/またはそれらの量に注意することになろう。
【0170】
本発明に係る組成物は、特に懸濁液、分散物、溶液、ゲル、エマルション、特に水中油(O/W)エマルションまたは油中水(W/O)エマルションまたは複合的(W/O/Wまたはポリオール/O/WまたはO/W/O)エマルションの形態で、クリーム、ペーストまたはムース、小胞、特にイオン性脂質または非イオン性脂質の分散物、二層または多相のローションまたはスプレー、粉末またはペーストの形態で存在し得る。前記組成物は無水物であり得る。例えば、それはスティックまたは無水ペーストを含み得る。前記組成物は、濯がずに使用される組成物であり得る。
【0171】
当業者は、第一に使用される成分の性質、特に媒体におけるそれらの溶解性、第二に前記組成物の意図される適用を考慮しながら、彼または彼女の一般的知識に基づいて、適切なガレヌス製剤形態およびその調製法を選択できる。
【0172】
他の態様によれば、本発明はまた、以下のものを含む化粧用アセンブリに関する。
i) 少なくとも1つの区画範囲を定めており、閉鎖部材により閉鎖されている容器;および
ii) 前記区画内に配置されており、本発明に従っている組成物
【0173】
前記容器は、任意の適切な形態においてあり得る。それは特に、ボトル、チューブ、つぼ、ケース、ボックス、小袋またはカートンの形態であり得る。
【0174】
前記閉鎖部材は、取り外し可能な栓、ふた、キャップ、引き剥がし細片または口金、特に容器に付着した本体および前記本体に繋げたカバーキャップを含むタイプの形態であり得る。それはまた、前記容器を選択的に閉鎖する部材、特にポンプ、バルブまたはフラップバルブの形態であり得る。
【0175】
前記容器は、アプリケーター、特に気泡ゴムまたはエラストマーのブロック、フェルトまたはへらの形態にあるアプリケーターと組合わせることができる。前記アプリケーターは固定されていない(房またはスポンジ)か、または上記の、例えば米国特許第5,492,426号におけるように、閉鎖部材に担持されたロッドにしっかりと固定され得る。前記アプリケーターは、上記の、例えばFR2 761 959におけるように前記容器にしっかりと固定され得る。
【0176】
前記製品は、前記容器内に直接または間接的に含有され得る。例えば、前記製品は、しみこませた支持体上に、特に拭き取り用品またはパッドの形態において配置でき、また、ボックスまたは小袋において(個別にまたは複数で)配置できる。前記製品を組入れているこのような支持体は、例えば、特許出願WO01/03538に記載されている。
【0177】
前記閉鎖部材は、ねじ込みによって前記容器に連結できる。あるいは、前記閉鎖部材と容器との間の連結は、ねじ込み以外によって、特にかみ合わせ機構、スナップ留め、締め付け、溶接、接着結合または磁気誘引によりなされる。「スナップ留め」の文言は、一部分、特に閉鎖部材の弾性変形によるビーズ材または帯状材の横断とその後、ビーズまたは帯状物の横断後に、前記部分の弾性的非抑制位置への復帰を含む任意のシステムを特に意味する。
【0178】
前記容器は、少なくとも部分的に、熱可塑性材料から作製できる。挙げることのできる熱可塑性材料の例としては、ポリプロピレンまたはポリエチレンがある。
【0179】
あるいは、前記容器は、非熱可塑性材料、特にガラスまたは金属(または合金)から作製される。
【0180】
前記容器は、固定した壁部または変形可能な壁部を、特にチューブまたはチューブ状ボトルの形態において有し得る。
【0181】
前記容器は、前記組成物の分配、または分配を促進する手段を含み得る。例えば、前記容器は、前記組成物が、前記容器壁部の弾性的(または非弾性的)圧搾により生じる前記容器内の正の圧力に応答して、前記組成物を排出できるように、変型可能な壁部を有し得る。あるいは、特に前記製品がスティックの形態にある場合、前記製品は、ピストン機構によって押し出すことができる。特にメークアップ製品(リップスティック、ファンデーションなど)の場合、やはりスティックの場合、前記容器は、ある機構、特にラック機構、ねじ山ロッド機構、またはらせん溝機構を含むことができ、スティックを前記開口部の方向へ動かすことができ得る。このような機構は、例えば、特許FR2 806 273または特許FR2 775 566に記載されている。液体製品に関するこのような機構は、特許FR2 727 609に記載されている。
【0182】
前記容器は、前記組成物を含有する少なくとも1つの囲いの範囲を定めている基材を有するカートンおよび特に前記基材上に繋がれていて、少なくとも部分的に前記基材を覆っているふたから構成され得る。このようなカートンは、例えば、特許出願WO03/018423または特許FR2 791 042に記載されている。
【0183】
前記容器は、その容器の開口部領域に配置されているドレイナを備え得る。そのようなドレイナは、アプリケーターおよび場合によっては、それがしっかりと固定できるロッドを拭き取ることを可能にする。このようなドレイナは、例えば、特許FR2 792 618に記載されている。
【0184】
前記組成物は、容器内で大気圧で(室温で)、または加圧されて、特に噴射ガス(エアロゾル)の手段により加圧されてあり得る。後者の場合、容器にはバルブ(エアロゾル用に使用されるタイプ)が備えられている。
【0185】
上記の特許または特許出願の内容は、参照として本特許出願に援用されている。
【0186】
次に本発明を以下の実施例の点から、より詳細に説明するが、これらの実施例は、例示として与えらているものであり、限定するものではない。
【0187】
本実施例は、考慮下の有機媒体中での粒子の分散物を形成するために好適な本発明に係るポリマーの調製を例示している。
【0188】
これらの実施例において、前記分散物の以下の調製、ポリマーの重量平均(Mw)分子量および数平均(Mn)分子量、ポリマーのガラス転移温度、分散物の固体含量(または乾燥抽出物)およびポリマー粒子のサイズが決定される。
【0189】
重量平均(Mw)分子量および数平均(Mn)分子量は、液体ゲル透過クロマトグラフィ(THF溶媒、直鎖状ポリスチレン標品によって確立された検量線、屈折率検出器)によって決定される。
【0190】
ガラス転移温度(Tg)の測定は、熱量計において、示差熱分析(DSC「示差走査熱量計」)により、標準的ASTM D3418-97に従い、-100℃と+150℃の間の温度範囲にわたって、150μlのアルミニウムるつぼ内で、10℃/分の加熱速度で実施する。
【0191】
前記るつぼは、以下の様式で調製する:得られた100μlの分散物を150μlのアルミニウムるつぼ内へ導入し、周囲温度と50%の相対湿度において、24時間にわたって溶媒を蒸発させる。この操作を繰り返してから、前記るつぼをMettler DSC30熱量計内へ導入する。
【0192】
固体含量(または乾燥抽出物)、すなわち、不揮発性物質の量は、種々の方法で測定できる:例えば、オーブン乾燥による方法または赤外線照射への曝露による乾燥方法を挙げることができる。
【0193】
固体含量は、2μmから3.5μmの波長を有する赤外線によって、サンプルを加熱することにより測定することが好ましい。前記組成物中に含まれる高蒸気圧を有する物質は、この照射の作用下で蒸発する。サンプルの重量損失を測定することにより、前記組成物の乾燥抽出物を決定することが可能になる。これらの測定は、Mettlerの商品LP16赤外線デシケータを用いて実施される。この方法は、Mettlerから供給される、この装置のための文書に充分に記載されている。
【0194】
測定プロトコルは以下のとおりである:1 gの前記組成物を、金属カップに塗りつける。このカップをデシケータに導入後、120℃の公称温度に1時間供する。最初の質量に相当するサンプルの含水質量および照射曝露後の質量に相当するサンプルの乾燥質量を、精密天秤を用いて測定する。
【0195】
固体含量は、次の様式で計算する。
乾燥抽出物 = 100×(乾燥質量/含水質量)
【0196】
粒子サイズは、様々な方法で測定できる:特に、光散乱法(動的および静的)、クールター計数器法、沈降速度測定(ストークス法によるサイズに関して)および顕微鏡使用法を挙げることができる。これらの方法により、粒径の測定、およびそれらの一部で、粒子サイズ分布の測定が可能になる。
【0197】
本発明に係る組成物中の粒子のサイズおよびサイズ分布は、MalvernのMasterSizer 2000などの市販の粒度計を用いて測定することが好ましい。このデータをミー散乱理論に基づいて処理する。等方性粒子に関して正確なこの理論により、非球状粒子の場合の「有効」粒径を決定することが可能になる。この理論は、特にVan de Hulst, H. C.、「Light Scattering by Small Particles」、9章および10章、Wiley、ニューヨーク、1957年に記載されている。
【0198】
前記組成物は、以下の方法で定義された容積D[4.3]による平均「有効」直径を特徴とする:
【0199】
【数2】

【0200】
[式中、Viは、有効直径diを有する粒子の容積を表す]。このパラメータは、粒度計の技術文書に特に記載されている。
【0201】
前記測定は、以下の方法:1)水による100のファクターによる希釈、2)前記溶液の均一化、3)前記溶液の18時間静置、4)白っぽい均一な上澄み液の回収、において組成物から得られる希釈粒子分散法について25℃で実施される。
【0202】
「有効」直径は、水に関する1.33の屈折率と、前記粒子に関する1.42の屈折率とを用いることにより得られる。
【0203】
本発明は、下記の実施例によって、より詳細に例示される。
【0204】
[実施例1]
メチルアクリレートと、メタクリレート末端基を有するポリエチレン/ポリブチレンコポリマーに相当するマクロモノマー(Kraton L-1253)との重合により得られるポリマー粒子のイソドデカン中分散物の調製。
【0205】
2 kgのヘプタン、2 kgのイソドデカン、2.8 kgのメチルアクリレートおよびメタクリレート末端基を有するポリエチレン/ポリブチレンコポリマーのマクロモノマー(Kraton L-1253)1.2 kgおよび320 gのt-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート(Trigonox 21S)を反応器に入れる。
【0206】
前記反応混合物を、周囲温度から1時間かけて90℃へ攪拌加熱する。90℃で15分後、反応媒体の外観は、透明な外観から乳濁した外観へと変化が見られる。さらに15分間攪拌しながら加熱を続けてから、16 kgのメチルアクリレートおよび200 gのTrigonox 21Sからなる混合物を1時間かけて、滴下しながら加える。
【0207】
その後、混合物を90℃に4時間加熱し、次いで反応媒体からヘプタンを蒸留する。イソドデカン中にこのように調製されたポリマー粒子は、この蒸留操作の結果、安定な分散物となる。
【0208】
前記グラフトポリマーは、ポリマー全重量に対して、6重量%のマクロモノマーを含有する。
【0209】
前記ポリマーと前記ポリマーによって形成された粒子の特徴は以下のとおりである:
- 重量平均分子量Mw = 119 900
- 数平均分子量Mn = 16 300
- 多分散性指数(Mw/Mn) = 7.37
- ガラス転移:Mettler DSCにより10℃
- 乾燥抽出物:熱平衡により実施してイソドデカン中、52.4%
- 粒子サイズ:25℃でMavern Autosizer Lo-Cにおいて実施して、0.05の多分散性を有する46 nm。
【0210】
[実施例2]
本実施例は、シリコーン油中に粒子分散物を形成するポリマーの調製を例示するが、前記ポリマーは、メチルアクリレートと、Golest社によりMCR-M17の名称で販売されている、重量平均分子量5000を有するモノメタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンマクロモノマーとの重合により得られる。
【0211】
200 gのヘプタン、200 gのデカメチルシクロペンタシロキサン、30 gのメチルアクリレート、10 gのモノメタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンMCR-M17および3.2 gのt-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート(Trigonox 21S)を1リットルの反応器に入れる。
【0212】
反応混合物を攪拌し、1時間かけて90℃に加熱する。90℃で15分後、反応媒体の外観は、透明な外観から乳濁した外観へと変化が見られる。さらに15分間攪拌しながら加熱を続けてから、160 gのメチルアクリレートおよび2 gのTrigonox 21Sからなる混合物を1時間かけて、滴下しながら加える。その後、混合物を90℃に4時間加熱し、次いで反応媒体からヘプタンを蒸留する。
【0213】
デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)中にこのように調製されたポリマー粒子は、この蒸留操作の結果、安定な分散物となる
【0214】
前記グラフトポリマーは、ポリマー重量に対して、5重量%のマクロモノマー(したがって、D5に可溶性の側鎖)を含む。
【0215】
前記ポリマーと前記ポリマーによって形成された粒子の特徴は以下のとおりである:
- 重量平均分子量Mw = 102 347
- 数平均分子量Mn = 28 283
- 多分散性指数(Mw/Mn) = 3.62
- 乾燥抽出物:熱平衡により実施してD5中、51.4%
- ガラス転移:Mettler DSCにより12℃
- 粒子サイズ:25℃でMavern Autosizer Lo-Cにおいて実施して、0.04の多分散性を有する160 nm。
【0216】
実施例1による安定性プロトコルの実施によって、分散物は安定であることが分かる。
【0217】
実施例1および実施例2のポリマーは、以下のモノマーを含むが、それらの比率は、ポリマー重量のパーセンテージとして示されている:
【0218】
【表1】

【0219】
[実施例3]
以下の組成によりファンデーションを調製した(量は、前記組成物の全重量に対するパーセンテージとして示されている):
【0220】
【表2】

【0221】
前記組成物は、15.2重量%のグラフトポリマー有効物質を含有する。前記組成物の不揮発性画分におけるグラフトポリマーの量は、39重量%である。
【0222】
[使用成分]:
ABIL EM97:Goldschmidt社より販売のエトキシ化プロポキシル化α,ω-置換シリコーン/シクロメチコーン混合物(85/15)。
Inwitor 780 K:Sasol社より販売のコハク酸によりエステル化されたイソステアリン酸のモノおよびジグリセリド。
Kraton G1701 E:Kraton Polymer社より販売のスチレン/エチレン-プロピレンジブロックコポリマー。
D5:シクロペンタジメチルシロキサン
ナイロン粉末:Atofina社よりOrgasol (登録商標)2002 extra D NAT COSの名称で販売。
ポリエチレンワックス:Clariant社よりceridust 9205Fの名称で販売。
【0223】
前記組成物より得られた付着物の複素貯蔵弾性率E*、制動力tgδおよびガラス転移温度は、上記の測定プロトコルに従って測定された。得られた結果は、以下のとおりであった。
【0224】
【表3】

【0225】
さらに、本発明に係るこのファンデーションは、皮膚に適用された場合、快適さ、べたつきのなさ、移行のない良好な性質を示すメークアップを得ることを可能にする。
【0226】
[実施例4]
実施例1のグラフトポリマー分散物を実施例2のグラフトポリマー分散物に替えて、実施例3のファンデーションと類似のファンデーションを調製する。
【0227】
これにより、本発明に係る薄膜を形成する組成物が与えられる。このファンデーションは、皮膚に適用された場合、快適で、べたつきのない、良好な非移行性を示す肌メークアップを導く。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
200 MPa以下の複素貯蔵弾性率E*を有する付着物を形成できる組成物であって、
液体脂肪相中にグラフトエチレン系ポリマー粒子の分散物を含む化粧用肌手入れ用組成物またはメークアップ組成物。
【請求項2】
前記付着物が、150 MPa以下、好ましくは100 MPa以下、より好ましくは50 MPa以下の複素貯蔵弾性率E*を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、0.7以上、好ましくは0.9以上、さらに好ましくは1.1以上の制動力tgδを有する付着物を形成できることを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、0℃から40℃の間の、少なくとも1つのガラス転移温度を有する付着物を形成できることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、不揮発性画分を含み、前記グラフトエチレン系ポリマーが、前記不揮発性画分重量に対して20重量%以上の量で存在することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記グラフトエチレン系ポリマーが、組成物の前記不揮発性画分の全重量に対して20重量%から90重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記グラフトエチレン系ポリマーが、組成物の前記不揮発性画分の全重量に対して20重量%から70重量%の範囲、より好ましくは20重量%から60重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項8または9に記載の組成物。
【請求項8】
前記グラフトエチレン系ポリマーが、前記液体脂肪相に不溶性であるエチレン系骨格および前記骨格に共有結合し、前記液体脂肪相に溶解性である側鎖を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記グラフトエチレン系ポリマーが、グラフトアクリル系ポリマーであることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記エチレン系ポリマーが、前記グラフトポリマー粒子の表面の付加的安定化剤の不在下で、分散されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
分散物中の前記グラフトエチレン系ポリマーが、
- 前記不溶性骨格を形成するために、少なくとも1種のアクリル系モノマーおよび、場合によっては少なくとも1種の付加的非アクリル系ビニルモノマー;および
- 側鎖を形成するために、重合可能な末端基を含有する少なくとも1種のマクロモノマーであって、前記マクロモノマーが、200以上の重量平均分子量を有し、重合したマクロモノマーの量が、前記ポリマーの0.05重量%から20重量%に相当するマクロモノマー
との有機重合媒体中でのフリーラジカル重合によって得ることができるアクリル系ポリマーであることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記アクリル系モノマーが、以下のモノマー類およびそれらの塩類の単独または混合物から選択されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
- (i) 下記式:
【化1】

の(メタ)アクリレート類、
[式中:- R1は、水素原子またはメチル基を示す;
- R2は、以下のものから選択される基を表す:
- 1個から6個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐状アルキル基であって、前記基は、その鎖内にO、NおよびSから選択される1種以上のヘテロ原子を含むことが可能であり;および/または-OH、ハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)および-NR’R”(R’およびR”は直鎖もしくは分岐状C1〜C4アルキルから選択され、同一であってもまたは異なっていてもよい)から選択される1個または複数の置換基を含むことが可能であり;および/または少なくとも1つのポリオキシアルキレン基、特にポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレンにより置換されていることが可能であり、前記ポリオキシアルキレン基は5から30個のオキシアルキレン単位の反復からなる;
- 3個から6個の炭素原子を含有する環状アルキル基であって、前記基は、その鎖内にO、NおよびSから選択される1種以上のヘテロ原子を含むことが可能であり、および/または-OHおよびハロゲン原子(F、Cl、Br、I)から選択される1個または複数の置換基を含むことが可能である];
- (ii) 下記式:
【化2】

の(メタ)アクリルアミド類、
[式中:- R3は、水素原子またはメチル基を示す;
- R4とR5は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、または-OH、ハロゲン原子(F、Cl、BrまたはI)および-NR’R”(R’およびR”は直鎖もしくは分岐状C1〜C4アルキルから選択され、同一であってもまたは異なっていてもよい)から選択される1個または複数の置換基を含むことができる1個から6個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐状アルキル基を表す;または
- R4は、水素原子を表し、R5は、1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表す];
- (iii) アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸などの少なくとも1種のカルボン酸、リン酸またはスルホン酸の官能基を含む(メタ)アクリル系モノマー類
【請求項13】
前記アクリル系モノマーが、メチル(メタ)アクリレート類、エチル(メタ)アクリレート類、プロピル(メタ)アクリレート類、ブチル(メタ)アクリレート類およびイソブチル(メタ)アクリレート類;メトキシエチル(メタ)アクリレート類;エトキシエチル(メタ)アクリレート類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド;(メタ)アクリル酸およびそれらの塩類から選択されることを特徴とする請求項11または12に記載の組成物。
【請求項14】
アクリル系モノマー類が、メチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸およびジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記グラフトポリマーが、(メタ)アクリル酸を含むことを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記アクリル系モノマー類が、請求項8に記載の(i)および(ii)に記載された(メタ)アクリレート類および(メタ)アクリルアミド類から選択される少なくとも1種のモノマーを含むことを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記アクリル系モノマー類が、C1〜C3アルキル(メタ)アクリレート類から選択される少なくとも1種のモノマーを含むことを特徴とする請求項11から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記グラフトアクリル系ポリマーが、酸官能基モノマーを含まないことを特徴とする請求項11から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記グラフトアクリル系ポリマーが、付加的非アクリル系ビニルモノマーを含有しないことを特徴とする請求項11から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記グラフトアクリル系ポリマーが、1種以上のアクリル系モノマー類および1種以上の付加的非アクリル系ビニルモノマー類と前記マクロモノマーとのフリーラジカル重合により得ることができることを特徴とする請求項11から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記付加的非アクリル系ビニルモノマー類が、
- 式:R6-COO-CH=CH2のビニルエステル類
[式中、R6は、1個から6個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐状アルキル基または3個から6個の炭素原子を含有する環状アルキル基および/または、例えばベンゼン型、アントラセン型またはナフタレン型の芳香族基を表す];
- クロトン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、およびそれらの塩類などの少なくとも1種のカルボン酸、リン酸またはスルホン酸の官能基を含む非アクリル系ビニルモノマー類;
- 2-ビニルピリジンまたは4-ビニルピリジンなどの少なくとも1種の第三級アミン官能基を含む非アクリル系ビニルモノマー類;
- およびそれらの混合物
から選択されることを特徴とする請求項11から18および20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記アクリル系モノマー類が、アクリル系モノマー類+場合により非アクリル系ビニルモノマー類の混合物の50重量%から100重量%、好ましくは60重量%から100重量%、優先的には70重量%から100重量%を含有することを特徴とする請求項11から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記マクロモノマーが、ビニル基または(メタ)アクリレート基、好ましくは(メタ)アクリレート基から選択される重合可能な末端基を鎖の両端のうちの一端に含むことを特徴とする請求項11から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記マクロモノマーが、300以上、優先的には500以上、より優先的には600を超える重量平均分子量を有することを特徴とする請求項11から23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前記マクロモノマー類が、200から100 000の範囲、好ましくは500から50 000の範囲、優先的には800から20 000の範囲、より優先的には800から10 000の範囲、さらにより優先的には800から6000の範囲の重量平均分子量(Mw)を有することを特徴とする請求項11から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記重合したマクロモノマーが、ポリマーの全重量の0.1重量%から15重量%、好ましくは0.2重量%から10重量%、優先的には0.3重量%から8重量%に相当することを特徴とする請求項11から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記液体脂肪相が、
- 18 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有する液体有機化合物;
- 20 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有するモノアルコール類;および
- それらの混合物
から選択される液体有機化合物を含むことを特徴とする請求項1から26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
前記液体有機化合物が、不揮発性油であることを特徴とする請求項1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
前記液体脂肪相が、非シリコーン系液体脂肪相であることを特徴とする請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
前記非シリコーン系液体脂肪相の少なくとも50重量%が、
- 18 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有する非シリコーン系有機液体化合物;
- 20 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有する液体モノアルコール類;および
- それらの混合物
から選択される少なくとも1種の非シリコーン系有機液体化合物から構成されることを特徴とする請求項1から29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
前記非シリコーン系液体脂肪相が、18 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有するシリコーン系有機液体化合物を50重量%未満含有することを特徴とする請求項29または30に記載の組成物。
【請求項32】
前記非シリコーン系液体脂肪相が、シリコーン系液体有機化合物を含有しないことを特徴とする請求項29または30に記載の組成物。
【請求項33】
前記マクロモノマーが、炭素系マクロモノマーであることを特徴とする請求項29から32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
前記炭素系マクロモノマーが、
- (i) ビニル基または(メタ)アクリレート基から選択される重合可能な末端基を含有する直鎖もしくは分岐状C8〜C22アルキルアクリレートまたは(メタ)アクリレートのホモポリマー類およびコポリマー類;
- (ii) 重合可能なエチレン系不飽和末端基を含有するポリオレフィン類
から選択されることを特徴とする請求項1から33に記載の組成物。
【請求項35】
前記炭素系マクロモノマーが、
- (i) モノ(メタ)アクリレート末端基を有するポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)マクロモノマー類;モノ(メタ)アクリレート末端基を有するポリ(ドデシルアクリレート)マクロモノマー類;ポリ(ドデシルメタクリレート)マクロモノマー類;モノ(メタ)アクリレート末端基を有するポリ(ステアリルアクリレート)マクロモノマー類;およびモノ(メタ)アクリレート末端基を有するポリ(ステアリルメタクリレート)マクロモノマー類;
- (ii) ポリエチレンマクロモノマー類、ポリプロピレンマクロモノマー類、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマーのマクロモノマー類、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーのマクロモノマー類、ポリイソブチレンマクロモノマー類、ポリブタジエンマクロモノマー類、ポリイソプレンマクロモノマー類、ポリブタジエンマクロモノマー類、ポリ(エチレン/ブチレン)ポリイソプレンマクロモノマー類(これらのマクロモノマーは(メタ)アクリレート末端基を有する)
から選択されることを特徴とする請求項33または34に記載の組成物。
【請求項36】
前記炭素系マクロモノマーが、
- (i) モノ(メタ)アクリレート末端基を有するポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)マクロモノマー類、およびモノ(メタ)アクリレート末端基を有するポリ(ドデシルアクリレート)マクロモノマー類;
- (ii) ポリ(エチレン/ブチレン)メタクリレート
から選択されることを特徴とする請求項33から35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
前記グラフトポリマーが、
- 特にイソドデカン、イソノナン酸イソノニル、オクチルドデカノール、リンゴ酸ジイソステアリル、安息香酸C12〜C15アルキルから選択される溶媒中での、メチルアクリレートと、メタクリレート末端基を有するポリエチレン/ポリブチレンマクロモノマー
との重合により得られることを特徴とする請求項33から36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
前記グラフトポリマーが、非シリコーン系グラフトポリマーであることを特徴とする請求項29から37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
前記非シリコーン系グラフトポリマーが、主として炭素系マクロモノマーを含有し、場合によってはポリマーの全重量に対して、7重量%以下のシリコーン系マクロモノマーを含有することを特徴とする請求項1から38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
前記シリコーン系グラフトポリマーに、炭素系マクロモノマーが存在しないことを特徴とする請求項38または40に記載の組成物。
【請求項41】
前記液体脂肪相が、シリコーン系液体脂肪相であることを特徴とする請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
前記シリコーン系液体脂肪相が、18 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有するシリコーン系有機液体化合物から選択される少なくとも1種のシリコーン系有機液体化合物から少なくとも50重量%が構成されることを特徴とする請求項1から41のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
前記シリコーン系有機液体化合物が、揮発性シリコーン油を含むことを特徴とする請求項31または42に記載の組成物。
【請求項44】
前記揮発性シリコーン油が、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタンシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサンおよびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1から43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記シリコーン系有機液体化合物が、不揮発性シリコーン油を含むことを特徴とする請求項31または42に記載の組成物。
【請求項46】
前記不揮発性シリコーン油が、不揮発性ポリジアルキルシロキサン類;ペンダント、またはシリコーン鎖末端にあるアルキル基、アルコキシ基またはフェニル基を含み、これらの基が、2個から24個の炭素原子を含有するポリジメチルシロキサン類;フェニルシリコーン類;脂肪酸(特にC8〜C20の)、脂肪族アルコール類(特にC8〜C20の)またはポリオキシアルキレン類(特に、ポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレン)により変性されたポリシロキサン類;アミノポリシロキサン類;ヒドロキシル基を含有するポリシロキサン類;1個から12個の炭素原子を含有するペンダント、またはシリコーン鎖末端にあるフッ素化基を含み、その水素の全てまたは一部が、フッ素原子によって置換されているフルオロポリシロキサン類;およびそれらの混合物、から選択されることを特徴とする請求項1から45のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
前記液体脂肪相が、50重量%未満の非シリコーン系液体有機化合物を含有することを特徴とする請求項41から46のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
前記非シリコーン系液体有機化合物が、18 (MPa)1/2未満のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有する非シリコーン系液体有機化合物;20 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有する液体モノアルコール類;およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項30または47に記載の組成物。
【請求項49】
18 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有する前記非シリコーン系有機液体化合物が、炭素系油、炭化水素系油およびフルオロ油、それらの単独または混合物;場合によっては揮発性の直鎖、分岐状および/または環状アルカン類;エステル類、特に少なくとも6個の炭素原子を有する直鎖、分岐状または環状エステル類;ケトン類、特に少なくとも6個の炭素原子を有するケトン類;およびエーテル類、特に少なくとも6個の炭素原子を有するエーテル類から選択されることを特徴とする請求項1から48のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項50】
20 (MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による総溶解度パラメータを有する前記液体モノアルコール類が、6個から30個の炭素原子を有し、その炭化水素鎖が置換基を含有しない脂肪族脂肪モノアルコール類、特にオレイルアルコール、デカノールおよびリノレイルアルコールから選択されることを特徴とする請求項27または48に記載の組成物。
【請求項51】
前記液体脂肪相が、非シリコーン系揮発性油を含むことを特徴とする請求項1から50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項52】
前記非シリコーン系揮発性油が、イソドデカン、イソデカンおよびイソヘキサデカンから選択されることを特徴とする請求項1から51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
前記液体脂肪相が、非シリコーン系液体有機化合物を含有しないことを特徴とする請求項41から50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
前記不揮発性油が、組成物の全重量に対して、0.1重量%から80重量%の範囲、好ましくは3重量%から50重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項1から53のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項55】
前記組成物が、組成物の全重量に対して、1重量%から90重量%の範囲、好ましくは5重量%から70重量%の範囲の量で揮発性油を含むことを特徴とする請求項1から54のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項56】
前記マクロモノマーが、シリコーン系マクロモノマーであることを特徴とする請求項41から55のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項57】
前記シリコーン系マクロモノマーが、オルガノポリシロキサンマクロモノマー、好ましくはポリジメチルシロキサンマクロモノマーであることを特徴とする請求項1から56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項58】
前記マクロモノマーが、モノ(メタ)アクリレート末端基を有するポリジメチルシロキサン類、特にモノメタアクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサン類から選択されることを特徴とする請求項56または57に記載の組成物。
【請求項59】
前記シリコーン系マクロモノマーが、下記式(II):
【化3】

[式中、R8は、水素原子またはメチル基を示す;R9は、1個から10個の炭素原子を有し、場合によっては、1つまたは2つのエーテル結合-O-を含有する二価の炭化水素系基を示す;R10は、1個から10個の炭素原子、特に2個から8個の炭素原子を有するアルキル基を示す;nは、1から300の範囲、好ましくは3から200の範囲、優先的には、5から100の範囲の整数を示す]
のマクロモノマー類から選択されることを特徴とする請求項56から58のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項60】
前記グラフトアクリル系ポリマーが、
- 前記不溶性骨格を形成するための、単独または混合物としてC1〜C3アルキル(メタ)アクリレート類から選択される主要なアクリル系モノマー、および場合によっては、アクリル酸、メタクリル酸および下記式(I)のアルキル(メタ)アクリレート類から選択される1種以上の付加的アクリル系モノマー類;およびそれらの塩類:
【化4】

[式中:
- R’1は、水素原子またはメチル基を示す;
- R’2は、
- 1個から6個の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐状アルキル基を表し、前記基は、その鎖内に1個以上の酸素原子および/または-OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)および-NR’R” (R’とR”は同一であってもまたは異なっており、直鎖もしくは分岐状C1〜C3アルキル類から選択される)から選択される1つ以上の置換基を含有する基である;
- 3個から6個の炭素原子を含有する環状アルキル基を表し、前記基は、その鎖内に1個以上の酸素原子を含むことが可能であり、および/またはOHおよびハロゲン原子(F、Cl、Br、I)から選択される1つ以上の置換基を含有することが可能である];および
- シリコーン系マクロモノマー
との重合媒体中でのフリーラジカル重合により得ることができることを特徴とする請求項41から59のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項61】
前記R’2が、メトキシエチル基、エトキシエチル基、トリフルオロエチル基;2-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基から選択される基を示すことを特徴とする請求項1から60のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項62】
前記主要なアクリル系モノマーが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項60または61に記載の組成物。
【請求項63】
前記主要なアクリル系モノマーが、メチルアクリレート、メチルメタクリレートおよびエチルメタクリレートから選択されることを特徴とする請求項60から62のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項64】
前記付加的アクリル系モノマーが、(メタ)アクリル酸、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、およびそれらの塩類から選択されることを特徴とする請求項60に記載の組成物。
【請求項65】
前記付加的アクリル系モノマーが、アクリル酸およびメタクリル酸から選択されることを特徴とする請求項60または64に記載の組成物。
【請求項66】
前記グラフトポリマーが、
- 特にデカメチルシクロペンタシロキサンまたはフェニルトリメチコーン中での、メチルアクリレートと、800から6000の範囲の重量平均分子量を有するモノメタアクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンマクロモノマー
とを重合することにより得られるポリマー類から選択されることを特徴とする請求項41から65のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項67】
前記グラフトポリマーが、シリコーン系グラフトポリマーであることを特徴とする請求項41から66のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項68】
前記シリコーン系グラフトポリマーが、ポリマーの全重量を基準にして、7重量%以下の炭素系マクロモノマーを場合によって含有するシリコーン系マクロモノマーを優先的に含有することを特徴とする請求項1から67のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項69】
前記シリコーン系グラフトポリマーに、炭素系マクロモノマーが存在しないことを特徴とする請求項67または68に記載の組成物。
【請求項70】
前記グラフトポリマーが、10 000と300 000との間、特に20 000と200 000との間、さらにより良好には、25 000と150 000との間の重量平均分子量(Mw)を有することを特徴とする請求項1から69のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項71】
前記グラフトポリマーの粒子が、10 nmから400 nmの範囲、好ましくは20 nmから200 nmの範囲の平均サイズを有することを特徴とする請求項1から70のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項72】
前記グラフトエチレン系ポリマーが、薄膜形成ポリマーであることを特徴とする請求項1から71のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項73】
前記グラフトエチレン系ポリマーが、0℃と80℃との間、好ましくは0℃と60℃との間、より好ましくは0℃と40℃との間の少なくとも1つのガラス転移温度を有することを特徴とする請求項1から72のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項74】
前記グラフトポリマーが、前記組成物の全重量に対して、0.5重量%から45重量%の範囲、好ましくは1重量%から30重量%の範囲、より好ましくは2重量%から25重量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項1から73のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項75】
前記組成物が、着色剤を含むことを特徴とする請求項1から74のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項76】
前記着色剤が、特に顔料およびパール剤から選択される粉末状着色剤であることを特徴とする請求項1から75に記載の組成物。
【請求項77】
前記組成物が、ビタミン類、保湿剤、皮膚軟化剤、フリーラジカル捕捉剤、増粘剤、微量元素、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、香料、アルカリ化剤または酸性化剤、防腐剤、日焼け止め剤、界面活性剤、酸化防止剤、ゴム類、ワックス類、噴射剤またはそれらの混合物から選択される化粧品成分を含むことを特徴とする請求項1から76のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項78】
前記組成物が、懸濁液、分散物、溶液、ゲル、エマルション、特に水中油(O/W)エマルションまたは油中水(W/O)エマルションまたは複合的(W/O/Wまたはポリオール/O/WまたはO/W/O)エマルションの形態、クリーム、ペースト、ムース、小胞分散物、特にイオン性脂質または非イオン性脂質の分散物、または二層または多相のローションまたはスプレー、または粉末の形態であることを特徴とする請求項1から77のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項79】
前記組成物が、無水物の形態であることを特徴とする請求項1から78のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項80】
前記組成物が、肌用メークアップ製品であることを特徴とする請求項1から79のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項81】
請求項1から80のいずれか一項に記載の組成物を含むファンデーション。
【請求項82】
請求項1から74のいずれか一項に定義された液体脂肪相中にグラフトエチレン系ポリマー粒子の分散物、および着色剤、特に顔料、パール剤、または光学効果を有する他のフィラーの分散物を含むファンデーション用組成物。
【請求項83】
a) 少なくとも1つの区画の範囲を定めている容器であって、閉鎖部材により閉鎖されている前記容器;および
b) 前記区画内に配置された組成物であって、請求項1から82のいずれか一項に記載されている組成物
を含む化粧品用アセンブリ。
【請求項84】
前記容器が、少なくとも部分的に少なくとも1種の熱可塑性材料で形成されていることを特徴とする請求項1から83のいずれか一項に記載の化粧品用アセンブリ。
【請求項85】
前記容器が、少なくとも部分的に少なくとも1種の非熱可塑性材料、特にガラスまたは金属から形成されていることを特徴とする請求項83に記載の化粧品用アセンブリ。
【請求項86】
前記容器の閉鎖位置で、前記閉鎖部材が前記容器上にねじ留めされていることを特徴とする請求項83から85のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項87】
前記容器の閉鎖位置で、前記閉鎖部材がねじ留め以外によって、特にスナップ止め、接着剤結合、または溶接によって前記容器と連結していることを特徴とする請求項83から85のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項88】
前記組成物が、前記区画内で実質的に大気圧で存在することを特徴とする請求項83から87のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項89】
前記組成物が、前記容器内に加圧されていることを特徴とする請求項83から88のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項90】
請求項1から82のいずれか一項に記載の化粧用組成物を皮膚に適用することを含む、肌用メークアップ、または肌手入れ用の化粧方法。
【請求項91】
特に皮脂存在下、良好な接着性を有し、および/または快適であり、および/または良好な移行抵抗性を有する皮膚上への付着物、特にメークアップ付着物を得るための請求項1から82のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項92】
特に皮脂存在下、良好な接着性を有し、および/または快適であり、および/または良好な移行抵抗性を有する皮膚上への付着物、特にメークアップ付着物を得るために、200 MPa以下の複素貯蔵弾性率E*を有する付着物を特に形成できる化粧用組成物中での液体脂肪相中に分散させたグラフトエチレン系ポリマー粒子の分散物の使用。

【公開番号】特開2006−16393(P2006−16393A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−171521(P2005−171521)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】