説明

ポリマーマトリックス中に分散されたカーボンナノチューブを含むインク

【課題】機械的特性、化学的特性、熱的特性、および電気的特性の向上を示すインク及びその製造方法の提供。
【解決手段】ポリマー中に分散されたカーボンナノチューブを含有するポリマーマトリックス、所望によっては1種以上の着色剤および所望によっては1種以上のワックスを含むインク。更には、カーボンナノチューブに第1のモノマーを共有結合させ、カーボンナノチューブを官能化し、第2のモノマーと重合させて、カーボンナノチューブを含有するポリマーマトリックスを形成するインクの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリマーマトリックス中に分散されたカーボンナノチューブを含むインクに関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブには一般的に2種類あり、多層カーボンナノチューブ(MWNT)と単層カーボンナノチューブ(SWNT)がある。SWNTは、円柱シート様の、炭素原子が6角形に配置された厚さ1原子のシェルである。カーボンナノチューブは一般的に、共通の軸の周囲に直径が増大してゆく複数の同軸円筒から構成される。したがって、SWNTは、カーボンナノチューブおよびカーボンナノチューブロープの基となる構造であり、これらはSWNTが特有の配置をとったものであると考えることができる。本明細書において、「多層カーボンナノチューブ(MWNT)」は、「カーボンナノチューブ(CNT)」および「ナノチューブ」とも呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,165,909号
【特許文献2】米国特許第5,456,897号
【特許文献3】米国特許第5,707,916号
【特許文献4】米国特許第5,877,110号
【特許文献5】米国特許第5,110,693号
【特許文献6】米国特許第5,500,200号
【特許文献7】米国特許第5,569,635号
【特許文献8】米国特許第5,643,502号
【特許文献9】米国特許第6,299,812号
【特許文献10】米国特許第6,203,814号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Yu et al.,The Characteristics of Carbon Nanotube Reinforced Poly(Phenylene Sulphide) Nanocomposites,SIMTech Technical Reports,8(2):71−5(Apr−Jun 2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
カーボンナノチューブ/ポリマー樹脂を含むインクは、機械的特性、化学的特性、熱的特性、および電気的特性が向上する。使用するナノチューブの濃度によりポリマー樹脂の特定の特性を変化させることができる。例えば、カーボンナノチューブ/ポリマー複合体が、複合体の約2〜約20重量%のナノチューブを含む場合、インクの導電性が増加するため、そのようなインクは導電性を利用した現像方法(conductive developing method)に適している。ナノチューブはアスペクト比が大きいため、従来の導電性添加剤で得られるのと同じ導電性を得るためにインク中に必要となる量が非常に少量である。カーボンナノチューブ/ポリマー複合体が、ポリマー複合体の約0.05〜約10重量%のナノチューブを含む場合、インクの全体的な結晶化度が増加する。カーボンナノチューブ/ポリマー複合体が、ポリマー複合体の約2〜約20重量%のナノチューブを含む場合、インクの強度および耐スクラッチ性が増す。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、重合化混合物と、所望によっては1種以上の着色剤と、所望によっては1種以上のワックスと、を含有する樹脂を含むインクであって、重合化混合物がナノチューブおよびポリマーを含有する複合体である、インクを提供する。いくつかの実施形態では、ポリマーはポリエステルであり、インクはインクジェット用インクである。
【0007】
カーボンナノチューブ/ポリマー複合体は公知の手段を用いて形成してもよい。ナノチューブは1以上の化学部分で官能化してもよい。ナノチューブは官能化する前に精製してもよい。通常、ナノチューブ上の化学部分は好適なモノマーに共有結合する。次いで、任意の好適な手段でモノマーを重合させ(つまり重合化し)、こうしてポリマーマトリックス中に分散されたナノチューブを形成する。このカーボンナノチューブ/ポリマー複合体樹脂は、インク中に導入してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、本明細書に記載の特定の実施形態に制限されず、当業者により構成要素およびプロセスの一部が変更されてもよい。本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的とし、限定することを意図するものではない。
【0009】
ナノチューブ官能化のための準備
「カーボンナノチューブ」という用語は、直径が非常に小さいカーボンチューブまたはカーボン繊維を指し、微小繊維(fibril)、ウィスカー、バッキーチューブ等を包含する。カーボンナノチューブは、高い純度および均一性で作製され得る。個別のナノチューブ、ナノチューブの凝集体、または個別のナノチューブと凝集体ナノチューブの両方が、本開示に係る使用に好適であり得る。実施形態では、ナノチューブの直径は1μm未満、例えば約0.5μm未満、約0.1μm未満、または約0.05μm未満であり得るが、この範囲から外れてもよい。
【0010】
カーボンナノチューブは市販の供給元から入手してもよいし、公知の方法で合成してもよい。官能化の前に、ナノチューブは任意の好適な手段で精製され得る。一般的に、ナノチューブは、酸化剤、ニトロ化剤、スルホン化剤等の1種以上の好適な試薬と液相中で反応させ、その後洗浄および乾燥させることで精製される。精製により、ナノチューブ上の金属粒子およびその他の不純物が溶解する。好適な試薬の例としては、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、発煙硫酸(oleum)、硝酸、クエン酸、シュウ酸、クロロスルホン酸、リン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、氷酢酸、一塩基性有機酸、二塩基性有機酸、過マンガン酸カリウム、過硫酸塩、セラート(cerate)、臭素酸塩、過酸化水素、二クロム酸塩、およびこれらの混合物が挙げられる。酸化および官能化の効率の点から、硫酸、硝酸、過マンガン酸塩、クロロスルホン酸、およびこれらの組合せがこの目的に有用である。例えば、3MのHNOでの処理は金属粒子の溶解に非常に効果的である。硝酸は強い酸化剤であるため、酸化によってアモルファスカーボンを除去することができる。ナノチューブを精製する更なる手段としては、官能化剤と接触させる前に、ナノチューブを溶媒に分散させ、それを所望によっては濾過および乾燥させることが挙げられる。
【0011】
カーボンナノチューブの官能化
ナノチューブは任意の公知手段で官能化することができる。官能化により、1以上の化学部分がナノチューブに結合した状態になる。化学的官能化は、ナノチューブとマトリックスの間の直接的共有結合(covalent coupling)を促進し、その結果マトリックス中にナノチューブがより分散され、ナノチューブ表面の基とポリマーの相互作用が増強される。また、得られた半結晶性マトリックス形態へのナノチューブの影響により、結晶化度が向上する。CNTは核形成部位として働き、ポリマーの結晶化度の増加を促進する。
【0012】
官能化ナノチューブは、スルホン化、脱酸素化ナノチューブ表面への求電子付加、メタレーション、酸化等の好適な手段によって直接調製してもよい。いくつかの実施形態では、酸化は酸処理により行われ、これは単層ナノチューブでも多層ナノチューブでもエンドキャップを開口し、この開口末端にカルボキシル基、カルボニル基、およびヒドロキシル基を生成すると共に側壁に欠陥を生じさせる。ナノチューブの酸化により、安定性が向上し、また、静電的に安定な水中またはアルコール中コロイド分散液を形成する能力が向上する。
【0013】
官能化ナノチューブは一般的に次式で表される:
[C−−]R
式中、nは整数であり、Lは0.1n未満の数であり、mは0.5n未満の数である。
【0014】
Rは、SOH、COOH、NH、OH、R’CHOH、CHO、CN、COCl、ハライド、COSH、SH、COOR’、SR’、SiR’、Si(−−OR’−−)R’3−y、Si(O−−SiR’)OR’、R’’、Li、AIR’、Hg−X、TIZ、Mg−X、ポリm−アミノ安息香酸スルホン酸(poly m−aminobenzoic sulfonic acid)、ポリイミド、ポリビニルアルコール、アミノ酸誘導体等から選択され;
yは3以下の整数であり;
R’は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、またはアラルキル、シクロアリール、またはポリ(アルキルエーテル)であり;
R’’は、フルオロアルキル、フルオロアリール、フルオロシクロアルキル、フルオロアラルキル、またはシクロアリールであり;
Xはハライドであり;
Zはカルボン酸またはトリフルオロ酢酸である。
【0015】
不均一に置換されたナノチューブも有用である。そのようなナノチューブには、式[C−−]R(式中、n、L、m、R、およびナノチューブ自体は上記に定義した通りである。但し、Rは酸素を含まないか、あるいはRが酸素含有基である場合はCOOHは存在しない。)で表される組成物が含まれる。
【0016】
式[C−−][R’−−R](式中、n、L、m、R’、およびRは上記と同じ意味である。)で表される官能化ナノチューブの作製も有用である。炭素原子Cは、直径がほぼ一定で略円筒形のナノチューブの表面炭素である。
【0017】
いくつかの実施形態では、ナノチューブはカルボン酸部分で官能化される。官能化は、例えば塩素酸、硝酸、または過硫酸アンモニウムによる酸化等により行われ得る。カルボン酸官能化ナノチューブは、他の種類の官能化ナノチューブを調製するための開始点となり得る。例えば、アルコールまたはアミドは酸と容易に結合し、安定なエステルまたはアミドを生成する。アルコールまたはアミンが二官能性分子または多官能性分子の一部である場合、O−またはNH−を介した結合によっても、ペンダント基としての別の官能性が残される。これらの反応は、カルボン酸をアルコールまたはアミンでエステル化またはアミン化するためのいずれの公知の方法を用いても行うことができる。ナノチューブを硝酸および硫酸で処理してニトロ化ナノチューブを生成し、次いでこのニトロ化ナノチューブを亜ジチオン酸ナトリウム等の還元剤で還元することでナノチューブ上に直接アミノ基を導入することができ、アミノ官能化ナノチューブが生成される。
【0018】
カーボンナノチューブ/ポリマー複合体の調製
複合体を調製するために、官能化ナノチューブを、該ナノチューブ上の官能基数に対して過剰モル量の第1のモノマーと混合する。このために、官能化ナノチューブを水、アルコール(例えばエチレングリコール)、または当該技術分野で公知のその他の液体等の溶剤に分散し、その後、この官能化ナノチューブ含有溶剤を第1のモノマーと混合してもよく、あるいは官能化ナノチューブを、溶融した、あるいは液体状の第1モノマーと直接混合してもよい。
【0019】
官能化ナノチューブを第1のモノマー中に分散させる。分散は、超音波処理器または
ソニファイアーを用いるか、ホモジナイザー、ブレンダー、ミキサー等のその他の機械的手段を用いて行ってもよい。
【0020】
分散後、官能化ナノチューブを第1のモノマーと反応させて、ナノチューブ上の官能部分を第1のモノマーに共有結合させる。これは加熱等の任意の好適な手段で行われ得る。好適な加熱方法としては、サーマル加熱、マイクロ波加熱、加熱ランプ、およびこれらの組合せが挙げられる。反応後に、生成物中に余分な未反応第1モノマーが存在してもよい。
【0021】
官能化ナノチューブに共有結合させることのできる好適な第1のモノマーとしては、例えば、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の炭素数2〜36のジオール;エチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン;6−アミノカプロン酸、ε−カプロラクタム等のアミノカルボン酸;プロパノールアミン等のアミノアルコール等が挙げられる。
【0022】
その他の好適な第1のモノマーとしては、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、Z,8−ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ−[5.2.1.0]デカン(ここで、Zは3、4、または5である);例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の、鎖中に1以上の酸素原子を含むジオール;シスもしくはトランス形態の脂環式ジオールまたは両方の形態の混合物;2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、2,2,3−トリメチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ドデカンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)ビスフェノールA、ビス(2−ヒドロキシプロピル)−ビスフェノールA、キシレンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ビス(2−ヒドロキシエチル)オキサイド、ジブチレン、1,2−エタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール;ソジオ2−スルホ−1,2−エタンジオール、リチオ2−スルホ−1,2−エタンジオール、ポタシオ2−スルホ−1,2−エタンジオール、ソジオ2−スルホ−1,3−プロパンジオール、リチオ2−スルホ−1,3−プロパンジオール、ポタシオ2−スルホ−1,3−プロパンジオール、これらの混合物等のアルカリスルホ脂肪族ジオール等が挙げられる。
【0023】
第1のモノマーに共有結合した官能化ナノチューブおよび余分な未反応の第1のモノマーを、エステル結合またはアミド結合の形成を介して第2のモノマーと重合して、ナノチューブが分散されたポリマーマトリックスを形成してもよい。重合は、加熱またはバルク縮合(bulk condensation)反応等の任意の公知手段により達成され得る。得られたポリマーは、結晶性、半結晶性、非晶性、またはそれらの混合物であってもよい。
【0024】
好適な第2のモノマーとしては、例えば脂肪族、脂環式、または芳香族のジカルボン酸、例えば1,12−ドデカナン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、2−メチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、ドデシルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,2−シクロヘキサン二酸、1,3−シクロヘキサン二酸、1,4−シクロヘキサン二酸、無水グルタル酸、無水コハク酸、ドデシル無水コハク酸、無水マレイン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、2−メチルイタコン酸、等の有機酸;ならびに、各アルキル基が炭素数1〜23の炭素鎖であるジアルキルエステルであって、マロネート、スクシネート、2−メチルスクシネート、2,3−ジメチルスクシネート、ドデシルスクシネート、グルタレート、アジピン酸、2−メチルアジペート、ピメレート、アゼラート、セバケート、テレフタレート、イソフタレート、フタレート、1,2−シクロヘキサンジオエート(cyclohexanedioate)、1,3−シクロヘキサンジオエート、および1,4−シクロヘキサンジオエートのエステルである、ジアルキルエステルが挙げられる。
【0025】
その他の好適な第二のモノマーとしては、例えばジカルボン酸またはジエステルである、ドデシルコハク酸、ドデシル無水コハク酸、スベリン酸、ドデカン二酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジエチルイソフタレート,ジメチルフタレート、無水フタル酸、ジエチルフタレート、コハク酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ドデシルコハク酸ジメチル、シュウ酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸およびメサコン酸、これらのジエステルまたはその無水物;およびジメチル−5−スルホ−イソフタレート、ジアルキル−5−スルホ−イソフタレート−4−スルホ−1,8−ナフタル酸無水物、4−スルホ−フタル酸、ジメチル−4−スルホ−フタレート、ジアルキル−4−スルホ−フタレート、4−スルホフェニル−3,5−ジカルボメトキシベンゼン、6−スルホ−2−ナフチル−3,5−ジカルボメトキシシベンゼン、スルホ−テレフタル酸、ジメチル−スルホ−テレフタレート、5−スルホ−イソフタル酸、ジアルキル−スルホ−テレフタレート、スルホエタンジオール、2−スルホプロパンジオール、2−スルホブタンジオール、3−スルホペンタンジオール、2−スルホヘキサンジオール、3−スルホ−2−メチル−ペンタンジオール、2−スルホ−3,3−ジメチルペンタンジオール、スルホ−p−ヒドロキシ安息香酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホネートまたはこれらの混合物のソジオ、リチオ、またはカリウム塩、等のアルカリスルホ有機二酸が挙げられる。
【0026】
第2のモノマーの重合により形成されるポリマーとしては、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンのポリアミド(ナイロン6,6)、ポリ(6−アミノヘキサン酸)(ナイロン−6)、メタ−フタル酸とメタ−ジアミノベンゼンのポリアミド(ノメックス(Nomex))、パラ−フタル酸とパラ−ジアミノベンゼンのポリアミド(ケブラー(Kevlar))、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールのポリエステル(ダクロン(Dacron))、炭酸のポリカーボネート、ジエチルカーボネートとビスフェノールAのポリカーボネート(レキサン(Lexan))、カルバミン酸のポリウレタン、イソシアネートとアルコールのポリウレタン、フェニルイソシアネートとエタノールのポリウレタン、トルエンジイソシアネートとエチレングリコールのポリウレタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
その他の好適なポリマーとしては、例えば不飽和ポリエステルおよび/またはその誘導体、例えばポリエステル樹脂および分枝ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、分枝ポリイミド樹脂、ポリ(スチレン−アクリレート)樹脂、架橋ポリ(スチレン−アクリレート)樹脂、ポリ(スチレン−メタクリレート)樹脂、架橋ポリ(スチレン−メタクリレート)樹脂、ポリ(スチレン−ブタジエン)樹脂、架橋ポリ(スチレン−ブタジエン)樹脂、アルカリスルホ化ポリエステル樹脂、分枝アルカリスルホ化ポリエステル樹脂、アルカリスルホ化ポリイミド樹脂、分枝アルカリスルホ化ポリイミド樹脂、アルカリスルホ化ポリ(スチレン−アクリレート)樹脂、架橋アルカリスルホ化ポリ(スチレン−アクリレート)樹脂、ポリ(スチレン−メタクリレート)樹脂、架橋アルカリスルホ化ポリ(スチレン−メタクリレート)樹脂、アルカリスルホ化ポリ(スチレン−ブタジエン)樹脂、架橋アルカリスルホ化ポリ(スチレン−ブタジエン)樹脂、ならびに結晶性ポリエステル樹脂、ポリ(1,2−プロピレン−ジエチレン)テレフタレート、ポリエチレン−テレフタレート、ポリプロピレン−テレフタレート、ポリブチレン−テレフタレート、ポリペンチレン(polypentylene)−テレフタレート、ポリヘキサレン(polyhexalene)−テレフタレート、ポリヘプタデン(polyheptadene)−テレフタレート、ポリオクタレン(polyoctalene)−テレフタレート、ポリエチレン−セバカート、ポリプロピレン−セバカート、ポリブチレン−セバカート、ポリエチレン−アジペート、ポリプロピレン−アジペート、ポリブチレン−アジペート、ポリペンチレン−アジペート、ポリヘキサレン−アジペート、ポリヘプタデン−アジペート、ポリオクタレン−アジペート、ポリエチレン−グルタレート、ポリプロピレン−グルタレート、ポリブチレン−グルタレート、ポリペンチレン−グルタレート、ポリヘキサレン−グルタレート、ポリヘプタデン−グルタレート、ポリオクタレン−グルタレート、ポリエチレン−ピメレート、ポリプロピレン−ピメレート、ポリブチレン−ピメレート、ポリペンチレン−ピメレート、ポリヘキサレン−ピメレート、ポリヘプタデン−ピメレート、ポリ(プロポキシ化ビスフェノールco−フマレート)、ポリ(エトキシ化ビスフェノールco−フマレート)、ポリ(ブチルオキシ化(butyloxylated)ビスフェノールco−フマレート)、ポリ(co−プロポキシ化ビスフェノールco−エトキシ化ビスフェノールco−フマレート)、ポリ(1,2−プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシ化ビスフェノールco−マレエート)、ポリ(エトキシ化ビスフェノールco−マレエート)、ポリ(ブチルオキシ化ビスフェノールco−マレエート)、ポリ(co−プロポキシ化ビスフェノールcoエトキシ化ビスフェノールco−マレエート)、ポリ(1,2−プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシ化ビスフェノールco−イタコネート)、ポリ(エトキシ化ビスフェノールco−イタコネート)、ポリ(ブチルオキシ化ビスフェノールco−イタコネート)、ポリ(co−プロポキシ化ビスフェノールcoエトキシ化ビスフェノールco−イタコネート)、ポリ(1,2−プロピレンイタコネート)、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0028】
ポリマーは、エイコセンとスチレン;エイコセンとウンデシレニルハライド;エイコセンとウンデシレニルアルコール;エイコセンとウンデシレニル酸(undecylenyl acid);エイコセンとウンデシレニル酸アルカリ金属塩;エイコセンとアルキルおよびアリールウンデシレン酸エステル;エイコセンとトリアルキルシリルウンデシレン酸エステル;エイコセンとヨード−エイコセン;エイコセンと第四級アンモニウムウンデシレン(ammonium undecylene);エイコセンとアミノウンデシレン;ならびにエイコセンとアミドウンデシレンのいずれかのコポリマーであってよい。
【0029】
ポリマーは、スチレンアクリレート、スチレンメタクリレート、ブタジエン、イソプレン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、ベータ−カルボキシエチルアクリレート、ポリエステル、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(メチルスチレンブタジエン)、ポリ(メチルメタクリレート−ブタジエン)、ポリ(エチルメタクリレート−ブタジエン)、ポリ(プロピルメタクリレート−ブタジエン)、ポリ(ブチルメタクリレート−ブタジエン)、ポリ(メチルアクリレート−ブタジエン)、ポリ(エチルアクリレート−ブタジエン)、ポリ(プロピルアクリレート−ブタジエン)、ポリ(ブチルアクリレート−ブタジエン)、ポリ(スチレン−イソプレン)、ポリ(メチルスチレン−イソプレン)、ポリ(メチルメタクリレート−イソプレン)、ポリ(エチルメタクリレート−イソプレン)、ポリ(プロピルメタクリレート−イソプレン)、ポリ(ブチルメタクリレート−イソプレン)、ポリ(メチルアクリレート−イソプレン)、ポリ(エチルアクリレート−イソプレン)、ポリ(プロピルアクリレート−イソプレン)、ポリ(ブチルアクリレート−イソプレン);ポリ(スチレン−プロピルアクリレート)、ポリ(スチレン−ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン−ブタジエン−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブタジエン−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸)、ポリ(スチレン−ブチルアクリレート−メタクリル酸)、ポリ(スチレン−ブチルアクリレート−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸)、およびスチレン/ブチルアクリレート/カルボン酸ターポリマー、スチレン/ブチルアクリレート/ベータ−カルボキシエチルアクリレートターポリマー、グッドイヤー社(Goodyear)から入手可能なPLIOTONE(商標)、あるいはこれらの混合物であってもよい。
【0030】
カーボンナノチューブ/ポリマー複合体のナノチューブ含量は、通常、複合体の約0.05〜約20重量%、例えば複合体の約0.05〜約5重量%、約5〜約15重量%、または約7〜約10重量%である。一実施形態では、ナノチューブ含量は複合体の約0.5〜約8重量%である。
【0031】
インク組成物は、キャリア材料または2種類以上のキャリア材料の混合物を含んでもいてよい。キャリア材料はインク組成物の具体的種類に応じて変わり得る。例えば、水性のインクジェット用インク組成物では、水、または水と1種以上の他の溶媒との混合物を使用することができる。その他のインクジェット用インク組成物では、1種以上の有機溶媒を、水と一緒にまたは水を用いずに、キャリア材料として使用することができる。
【0032】
固形(または相変化)インクジェットインク組成物の場合、キャリアは1種以上の有機化合物を含んでいてもよい。そのような固形インク組成物用のキャリアは通常、室温(約20〜約25℃)で固体であるが、印刷物表面に吐出するために、プリンタの作動温度では液体になる。固形インク組成物に適したキャリア材料としては、例えば、ジアミド、トリアミド、テトラアミド等のアミド等が挙げられる。キャリア材料としてアミドを用いる場合、トリアミドはジアミドおよびテトラアミドよりもより3次元的な構造を有すると考えられるため有用である。
【0033】
固形インク組成物に適したその他のキャリア材料としては、イソシアネート由来樹脂、ワックス等が挙げられる。
【0034】
更なる好適な固形インクキャリア材料としては、パラフィン、ミクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス、アミドワックス、脂肪酸、脂肪アルコール(fatty alcohol)、脂肪アミド(fatty amide)、およびその他の蝋様材料、スルホンアミド系材料、各種天然資源から作製される樹脂性材料(例えばトール油ロジンおよびロジンエステル)、ならびに多くの合成樹脂、オリゴマー、ポリマー、およびコポリマーが挙げられる。これらの材料の1つ以上を、脂肪アミド材料および/またはイソシアネート由来材料との混合物中で用いることもできる。
【0035】
固形インク組成物中のインクキャリアは、任意の所望量または有効量で存在し得る。例えば、キャリアは、約0.1〜約99重量パーセント、例えば約50〜約98重量パーセント、または約90〜約95重量パーセントの量で存在し得るが、この範囲外の量であってもよい。
【0036】
放射線(例えば紫外線)硬化性インク組成物の場合、インク組成物はキャリア材料を含み、キャリア材料は一般的に硬化性モノマー、硬化性オリゴマー、硬化性ポリマー、またはこれらの混合物である。これらの硬化性材料は通常、25℃で液体である。硬化性インク組成物は、着色剤および前述したその他の添加剤に加えて、硬化性ワックス等のその他の硬化性材料を更に含み得る。「硬化性」という用語は、例えば重合可能な構成成分または組合せ、すなわち、例えばフリーラジカル経路等の重合により硬化され得る材料であって、かつ/または放射線感受性の光開始剤の使用により重合が光開始される材料を意味する。「放射線硬化性」という用語は、開始剤の存在下または非存在下において光源、熱源等の放射線源に暴露された際の全ての形態の硬化を包含することを意図する。放射性硬化経路の例としては、以下を用いた硬化が挙げられる:例えば光開始剤および/または増感剤存在下での、例えば波長が200〜400nmの紫外(UV)線、または、頻度はそれより低いが、可視光;例えば光開始剤非存在下での、電子線照射;高温熱開始剤(high temperature thermal initiator;射出温度では通常ほぼ不活性である。)存在下または非存在下での熱硬化;およびこれらの適切な組合せ。
【0037】
好適な放射線(例えば紫外線)硬化性モノマーおよびオリゴマーとしては、限定されるものではないが、アクリル化エステル、アクリル化ポリエステル、アクリル化エーテル、アクリル化ポリエーテル、アクリル化エポキシ、ウレタンアクリレート、およびペンタエリスリトールテトラアクリレートが挙げられる。実施形態によって、上記1つ以上の放射線硬化性オリゴマーおよび/またはモノマーは、カチオン硬化性、ラジカル硬化性等であってよい。
【0038】
硬化性モノマーまたはオリゴマーは、例えばインクの約20〜約90重量パーセント、例えば約30〜約85重量パーセント、または約40〜約80重量パーセントの量でインクに含まれ得るが、これらの範囲外の量であってもよい。硬化性モノマーまたはオリゴマーの粘度は、25℃において、約1〜約50cP、例えば約1〜約40cP、または約10〜約30cPであるが、これらの範囲外の量であってもよい。一実施形態では、硬化性モノマーまたはオリゴマーの25℃における粘度は約20cPである。いくつかの実施形態では、硬化性モノマーまたはオリゴマーは皮膚刺激性ではなく、このインク組成物を用いた印刷画像はユーザーに対して刺激性でない。
【0039】
別の実施形態では、インク組成物は、本明細書に開示されている水性液体溶剤および磁性単結晶ナノ粒子を含む。液体溶剤は水のみからなってもよく、水溶性もしくは水混和性の有機成分と水との混合物を含むものであってもよい。そのような有機成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、エーテル、尿素、置換尿素、カルボン酸およびその塩、エステル、アルコール、有機スルフィド、有機スルホキシド(organosulfoxide)、スルホン(例えばスルホラン)、アルコール誘導体、カルビトール、ブチルカルビトール、セルソルブ、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エーテル誘導体、アミノアルコール、ケトン、N−メチルピロリジノン、2−ピロリジノン、シクロヘキシルピロリドン、ヒドロキシエーテル、スルホキシド、ラクトン、高分子電解質、メチルスルホニルエタノール、イミダゾール、ベタイン、その他の水溶性材料または水混和性材料、およびその混合物が挙げられる。
【0040】
非水性インクでは、磁性単結晶ナノ粒子を、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、およびその混合物などの石油系インク、環境に優しい大豆や植物油をベースにしたインク、アマニ油ベースのインク、および天然資源に由来するその他のビヒクルをベースにしたインク等の、溶剤系インク(solvent−borne ink)中に使用することができる。磁性単結晶ナノ粒子用のインクビヒクルのその他の例としては、イソフタルアルキド(isophthalic alkyd)、高級アルコール等が挙げられる。磁性単結晶ナノ粒子は、凸版印刷、グラビア印刷、ステンシル印刷、石版印刷に使用されるインクに応用することができる。
【0041】
着色剤
インク組成物は、インク製造中に着色剤を添加してカラーインクとして作製してもよい。顔料、染料、顔料と染料の混合物、顔料混合物、染料混合物等の、所望されるあるいは有効な任意の着色剤をインク組成物中に使用することができる。また、インク組成物の着色剤特性の一部または全てがカーボンナノチューブ/ポリマー樹脂により付与されてもよい。
【0042】
インク組成物における使用に適した着色剤としては、限定されるものではないが、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、ウルトラマリン、ニグロシン染料、アニリンブルー、デュポンオイルレッド(Du Pont Oil Red)、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ローダミン6Cレーキ、クロームイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、マラカイトグリーン、ハンザイエローG、マラカイトグリーンヘキサレート、オイルブラック、アゾオイルブラック、ローズベンガル、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、第三級アンモニウム塩、サリチル酸およびサリチル酸誘導体の金属塩、ファーストイエローG、ハンザブリリアントイエロー5GX、ジスアゾイエローAAA、ナフトールレッドHFG、レーキレッドC、ベンズイミダゾロンカーミンHF3C、ジオキサジンバイオレット、ベンズイミダゾロンブラウンHFR、アニリンブラック、酸化チタン、タートラジンレーキ、ローダミン6Gレーキ、メチルバイオレットレーキ、ベーシック6Gレーキ(Basic 6G Lake)、ブリリアントグリーンレーキ、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、ウォッチングレッド、ローダミンB、メチレンブルー、ビクトリアブルー、ウルトラマリンブルー等が挙げられる。
【0043】
着色剤の量は、例えばインク重量の約3〜約20重量パーセントと、広範囲にわたって変わり得る。着色剤を組み合せて使用してもよい。
【0044】
画像濃度を上げ、かつ読取ヘッドへのオフセットおよび画像のよごれ(smearing)を効果的に予防するために、1種以上のワックスをインクに添加してもよい。ワックスは、例えばインク総重量を基準として約0.1〜約10パーセント重量、例えば約1〜約6パーセント重量の量で存在し得るが、この範囲外の量であってもよい。好適なワックスの例としては、低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンワックス、フルオロカーボンベースのワックス(テフロン(登録商標))、フィッシャートロプシュワックス、これらのコポリマー、これらの混合物等が挙げられる。
【0045】
好適な量の非イオン界面活性剤または陽イオン界面活性剤を、例えばインク重量の約0.1〜約10パーセント重量、例えば約0.2〜約5パーセント重量の量で選択することができるが、この範囲外の量であってもよい。具体的な界面活性剤またはその組合せの選択、およびそれぞれの使用量は、当業者の理解の範囲である。
【0046】
更に、現像特性の劣化無しに高品質なインク画像を得るために、オレフィン−マレイン酸無水物コポリマー等を添加してもよい。
【0047】
インクは、必要に応じて酸化防止剤を含んでいてもよい。酸化防止剤は、画像を酸化から保護し、また、インク調製プロセスにおける加熱の間、インク成分を酸化から保護する。酸化防止剤は、任意の所望量または有効量、例えば総インク重量の少なくとも約0.01〜約20パーセント重量、例えばインク重量の約0.1〜約5パーセント重量、またはインク重量の約1〜約3パーセント重量でインク中に存在し得るが、この範囲外の量であってもよい。
【0048】
その他の必要に応じて使用してもよいトナー用添加剤としては、清澄剤(clarifier)、粘着付与剤、接着剤、可塑剤等が挙げられる。そのような添加剤は、それらの通常の目的のために使用される慣用的な量で含めてよい。
【0049】
インクは更に、1つ以上の添加剤を、その添加剤の公知の目的のために含んでもよい。例えば好適な添加剤としては、コロイドシリカ等の流動化剤;脂肪酸の金属塩等の潤滑剤;シリカ;スペーシング剤(spacing agent);乾燥剤;分散剤;湿潤剤;安定化剤;増粘剤;ゲル化剤(gelatinizing agent);消泡剤;および光重合開始剤が挙げられる。
【0050】
インク組成物は、任意の所望のまたは好適な方法で調製することができる。固形インクまたは相変化インクの場合、更には硬化性インクの場合も、インク構成成分を一緒に混合した後、加熱を、この範囲外の温度であってもよいが典型的には約100〜約140℃の温度で実施し、均質なインク組成物が得られるまで撹拌し、その後、インクを周囲温度(通常、約20〜約25℃)に冷却して調製してもよい。液体インク組成物の場合、インク構成成分を単に撹拌しながら一緒に混合するだけでも均質な組成物を得ることができるが、所望であれば加熱を実施してもよい。インク組成物を作製するためのその他の方法も当該技術分野で公知であり、本開示から明らかである。
【0051】
インクは、例えば水性インク、油インク、硬化性インク、固形インク、またはホットメルトインクであり得る。
【0052】
インクは、前述の成分をブレンドし、混合物を溶融混練し、得られた塊を粉末化する、任意の公知の方法で製造され得る。更に、インクは、バインダー用のモノマーをその他の構成成分とブレンドする工程およびこの混合物を重合する工程、を含む重合法でも製造され得る。
【0053】
磁性金属粒子インクは、紙、ガラスアート紙、ボンド紙、板紙、クラフト紙、厚紙、半合成紙、ポリエステルシート、ポリエチレンシート等のプラスチックシート等の好適な基材上に印刷され得る。これら種々の基材は、天然の状態、例えばコーティングされていない紙の状態で提供されてもよいし、修飾された形態、例えばコーティングまたは何らかの処理を受けた紙または厚紙、印刷された紙または厚紙等の形態で提供されてもよい。
【0054】
基材にインクを印刷するためには、roll−to−roll大量アナログ印刷法(roll−to−roll high volume analog printing method)、サーモグラフィー、電子写真法、エレクトログラフィー、レーザー誘起転写法、インクジェット記録、またはこれらの組合せ等の任意の好適な印刷方法を用いてもよい。インクは、熱転写プリンタ、ホットメルトプリンタ、および一般のライティング機器にも使用することができる。特定の実施形態では、使用される方法はインクジェット印刷である。
【0055】
本開示により作製されるインクは種々の応用が可能である。インクは通常、電子写真法、静電記録、図像(iconography)、ゼログラフィーにより形成された静電潜像の現像、MICR用途、RFID用途、その他好適な用途に使用され得る。
本発明は、以下の実施態様を含む。
<1> ポリマー中に分散されたカーボンナノチューブを含有するポリマーマトリックス;
所望によっては1種以上の着色剤;および
所望によっては1種以上のワックス
を含むインク。
<2> 結晶性ポリエステル中に分散された多層カーボンナノチューブを含有する結晶性ポリエステルマトリックス;
所望によっては1種以上の着色剤;および
所望によっては1種以上のワックス;
を含み、
前記結晶性ポリエステルの少なくとも一部が前記カーボンナノチューブに共有結合している、インクジェット用インク。
【実施例】
【0056】
実施例1は、カーボンナノチューブの官能化を記載している。実施例2および3は、ナノチューブの量を変えたこと以外は実施例1に記載したのと同じプロセスを用いた、カーボンナノチューブ/半結晶性ポリエステル樹脂組成物の合成を記載している。比較例1および2はそれぞれ、官能化ナノチューブを含まないこと以外は実施例2および3と同じ樹脂組成物の調製を記載している。
【0057】
[実施例1]
硝酸、塩酸、および空気酸化を利用したカルボン酸官能化MWNTの調製(サンプルID:VF564)
MWNTを3工程のプロセスで精製した。最初に、環流プロセスにより、3MのHNOを用いて5.0gのMWNTを60℃で24時間47分処理した。3MのHNO溶液745g(70%硝酸201.15gおよび蒸留水543.85g)を5.0gのMWNT(シグマアルドリッチ社製)に添加し、24時間反応させた。次に、MWNT/酸混合物を脱イオン水で希釈し、3000gで1時間遠心した。MWNTのペレットを脱イオン水に再懸濁した。脱イオン水への2回目の再懸濁をし、3000gで1時間遠心した後の溶液のpHは0.26であった。再度洗浄した後の溶液のpHは1.50であった。再度洗浄した後の溶液のpHは1.84であった。
【0058】
2番目の工程で、MWNTを更にHClで処理し、金属酸化物を溶解させた。37%塩酸367.06gを蒸留水377.94gに添加して5MのHCl溶液を調製した。ナノチューブをフラスコに入れるためにすすぎ水が必要であったため、HCl溶液のモル濃度は少し希釈された。環流系は、溶媒が膨張でき、爆発が回避されるように、過剰圧力バルブをシュレンクラインに連結して組み立てた。環流を120℃で7時間行い、HClに懸濁された比較的純粋なMWNTが得られた。3000gで1時間遠心分離することでMWNTをHCl溶液から分離した。
【0059】
続いて、MWNTを3回洗浄し、pHが1.58の溶液を得た。脱イオン水に再度分散させて3000gで更に1.5時間遠心した後のpHは2.53であった。脱イオン水に再度分散させて3000gで更に1.5時間遠心した後のpHは3.01であった。MWNTを水に再度分散させて3000gで1.5時間遠心した後のpHは3.59であり、これ以上の洗浄は行わなかった。次いで、10mLの脱イオン水にMWNTを分散させ、水分を蒸発させるためにオーブン中に置いた。
【0060】
3番目の工程で、空気酸化を行い、酸処理された材料を燃焼除去することでMWNTを精製した。MWNTと非ナノチューブでは酸化温度が異なる。510℃〜645℃ではナノチューブの重量は変化しないため、非ナノチューブカーボン材料を完全燃焼させるための最適温度は510℃である。4.6965gの未精製MWNTを空気中で510℃にて1時間燃焼させた。非ナノチューブ不純物を燃焼除去した結果、3.258gの精製MWNTが得られた。これは69.67%の収率である。
【0061】
[実施例2]
2%MWNT/ポリエステル複合体の調製(サンプルID:VF566)
500gの1,9−ノナンジオールを3L容の反応ケトル反応器に入れ、時々撹拌しながらホットプレート上で60℃まで溶融混合する。溶融した1,9−ノナンジオールに実施例1で製造したMWNTを約21.6g(ポリマーの理論的収量1080gに対して2%)添加する。MWNTがジオール中に十分に分散された(かつ、おそらくはエステル化された)後、ガラス製の反応ケトルをホットプレートから降ろし、反応器に719gの1,12−ドデカン二酸および1.30gのファスキャット(Fascat)4100触媒を添加する。次いでケトルをマントルヒーター(heating mantle)に移す。マントルヒーターの空気流、アルゴンパージ、ヒーター電気ボックス、ラウダ社(Lauda)製コンデンサーオイルバス(condenser oil bath)、および水コンデンサー(water condenser)をオンにする。混合物が溶融し始めたらすぐに攪拌機をオンにし、高温のコンデンサーの底およびケトルをキムタオルで包み、アルミホイルを巻いて熱を保持する。80℃前後で反応物質の溶融が始まり、反応が進む。60分かけて170℃まで昇温し、170℃で5時間維持する。反応系をアルゴンで覆い(blanket)、120℃で一晩保持する。
【0062】
翌日、約85mlの凝縮した水がメスシリンダーに回収される。研究室用の小型バキューム(グレースタンダード)を用いて約27分間若干の減圧をする。この工程の間、冷えたコンデンサーと高温のコンデンサーの両方をオンのままにしておく。真空ポンプを使用することで、水の総収量は約95mlに増加する。両方のコンデンサーを外す。この系に、170℃でアルゴンをパージする。エドワードハイバキューム(Edwards High vacuum)にかける前にサンプリングを行う。粘度は2.64Pa・secである。反応系をアルゴンで覆い(blanket)、120℃で一晩維持する。
【0063】
翌日、30分かけて170℃まで昇温する。エドワードハイバキュームにかける前にサンプリングを行う。粘度は8.85Pa・secである。反応を、粘度が約11Pa・secに達するまで、減圧せずに加熱する。樹脂を約170℃まで冷却し、その後、手動で注いで取り出す。樹脂をパンの中で冷却し、崩した後、デランパー(delumper)装置中で破砕する。樹脂のサンプルをとり、酸価、GPC、DSC、粘度、およびICP(Sn)の測定にまわした。最終的な粘度は11.7γで12.4Pa・secである。酸価は10.2mgKOH/gである。
【0064】
[実施例3]
7%MWNT/ポリエステル複合体の調製(サンプルID:VF567)
500gの1,9−ノナンジオールを3L容のガラス製反応ケトルに入れ、時々撹拌しながら60℃まで溶融混合する。溶融ノナンジオールに約75.6gのMWNT(1080gのポリマー質量に対して7%)を添加する。ナノチューブがジオール中に十分に分散された(かつ、おそらくはエステル化された)後、ガラス製反応器をホットプレートから降ろす。反応器に、719gの1,12−ドデカン二酸および1.30gのファスキャット4100触媒を添加する。次いで、このケトルをマントルヒーターに移す。マントルヒーター空気流を、アルゴンパージ、ヒーター電気ボックス、ラウダ社製コンデンサーバス(Lauda condenser bath)、および水コンデンサーと共にオンにする。混合物が溶融し始めたらすぐに攪拌機をオンにし、高温のコンデンサーの底およびケトルをキムタオルとアルミホイルで包み、この系を断熱する。80℃前後で試薬の溶融が始まり、反応が進む。60分かけて温度を170℃に上昇させ、その温度で6時間維持する。反応系をアルゴンで覆いながら、120℃で一晩維持する。
【0065】
一晩で、約42mlの水がメスシリンダー中に凝縮および回収される。温度を120から170℃へと戻す。研究室用の小型バキューム(グレースタンダード)を用いて約30分間若干の減圧をする。この工程の間、冷えたコンデンサーと高温のコンデンサーの両方をオンのままにしておく。170℃のまま、水/グリコールを更に引くために、メスシリンダーをバキュームライン(vacuum line)の付いたアダプターに接続する。水/グリコールの総収量は約51mlに増加する。両方のコンデンサーを外す。この系に、170℃でアルゴンをパージする。最初の193分間、エドワードハイバキュームをかける。357分の時点において粘度は26.6Pa・secである。この操作を380分の時点で停止する。樹脂を手動で注いで取り出す。樹脂をパンの中で冷却し、崩した後、デランパー装置中で破砕する。樹脂のサンプルをとり、酸価、GPC、DSC、粘度、およびICP(Sn)の測定にまわす。最終的な粘度は11.7γで35Pa・secである。酸価は7.59mgKOH/gである。
【0066】
[比較例1]
カーボンナノチューブを含まない通常の樹脂の調製(サンプルID:VF568)
719グラムの1,12−ドデカン二酸モノマー、500グラムの1,9−ノナンジオールモノマー、および1.303gのファスキャット4100触媒を3L容のガラス製反応ケトルに全て量り入れた。次いでケトルをマントルヒーターに移した。マントルヒーター空気流を、アルゴンパージ、ヒーター電気ボックス、ラウダ社製コンデンサーバス、および水コンデンサーと共にオンにした。混合物が溶融し始めたらすぐに攪拌機をオンにし、高温のコンデンサーの底およびケトルをキムタオルとアルミホイルで包み、この系を断熱した。反応物質は80℃前後で溶融し始めた。60分かけて170℃まで昇温し、その温度で5時間維持した。約45mlの水が凝縮し、メスシリンダーに回収された。アルゴンで反応系を覆いながら、温度を翌日まで120℃に下げた。
【0067】
翌日、120℃から170℃に昇温した。水を更に除くために、バキュームラインの付いたアダプターにメスシリンダーを接続した。研究室用の小型バキューム(グレースタンダード)を用いて約34分間若干の減圧をした。この工程の間、冷えたコンデンサーと高温のコンデンサーの両方をオンのままにしておいた。真空ポンプを用いることで、水凝縮物の総収量は約50mlに増加した。両方のコンデンサーを外した。この系に、170℃でアルゴンをパージした。エドワードハイバキュームにかけた。170℃、257分の時点で粘度を調べたところ、6,9Pa・secであった。323分の時点で反応を停止させた。手動で注いで、樹脂を170℃で取り出した。樹脂をパンの中で冷却し、崩した後、デランパー装置中で破砕した。樹脂のサンプルをとり、酸価、GPC、DSC、粘度、およびICP(Sn)の測定にまわした。最終的な粘度は11.7γで13.5Pa・secであった。酸価は9.99mgKOH/gであった。
【0068】
[比較例2]
カーボンナノチューブを含まない通常の樹脂の調製(サンプルID:VF559)
719グラムの1,12−ドデカン二酸モノマー、500グラムの1,9−ノナンジオール、および1.303gのファスキャット4100触媒を3L容のガラス製反応ケトルに量り入れた。マントルヒーター空気流を、窒素パージ、ヒーター電気ボックス、ラウダ社製コンデンサーバス、および水コンデンサーと共にオンにした。混合物が溶融し始めたらすぐに攪拌機をオンにし、高温のコンデンサーの底およびケトルをキムタオルとアルミホイルで包み、この系を断熱した。反応物質は80℃前後で溶融し始めた。温度は最初90分かけて165℃まで上昇させ、その温度で2時間維持した。次に、60分かけて190℃まで更に昇温し、その温度で5時間維持した。約35mlの水が凝縮し、メスシリンダーに回収された。窒素で反応系を覆いながら、温度を翌日まで120℃に下げた。
【0069】
翌日、60分かけて190℃に昇温した。この工程の間、冷えたコンデンサーと高温のコンデンサーの両方をオンのままにしておいた。190℃で、水を更に除くために、バキュームラインの付いたアダプターにメスシリンダーを接続した。研究室用の小型バキューム(グレースタンダード)を用いて約20分間若干の減圧をした。真空ポンプの使用により、水蒸留物の総収量は50mlに増加した。この真空系をエドワードハイバキューム系に換え、両方のコンデンサーを外した。この系を、1日の大半、減圧および加熱した。樹脂の粘度は約12.55Pa・secに達した。
【0070】
3日目に、この系を190℃に再加熱し、減圧した。45分後、粘度は32.5Pa・secとなり、加熱をオフにした。樹脂を約170℃に冷却した後、手動で注いで樹脂を取り出した。樹脂をパンの中で冷却し、崩した後、デランパー装置中で破砕した。樹脂のサンプルをとり、酸価、GPC、DSC、粘度、およびICP(Sn)の測定にまわした。最終的な粘度は11.7γで42.7Pa・secであった。酸価は8.11mgKOH/gであった。
【0071】
結晶性ポリエステル対照(サンプルID:VF568)と、7%MWNTを含有するサンプルID VF567とを、リンカム社(Linkam)製ホットステージ、モデルLTS350上で加熱し、ツァイス・アクシオプラン(Zeiss Axioplan)偏光顕微鏡を用いて観察した。両サンプルを10℃/分で120℃まで加熱し、次いでその温度で5分間維持した後、3℃/分で40℃まで冷却した。冷却された再結晶化材料の顕微鏡写真は、ツァイス顕微鏡上で交差偏光を用いて得た。純粋な結晶性ポリエステルの結晶性球晶はサイズが大きいが、ナノチューブを添加した後のサイズは大きく減少していた。結晶ドメインのサイズが減少していることから、より多くの核形成部位が成長に利用可能であり、それが、その後のサンプルの全体的な結晶化度の増加に寄与していることが示唆される。
【0072】
表1は、MWNT/結晶性ポリエステル複合体の、示差走査熱量計(DSC)のデータおよび再結晶化のパーセント変化のデータを示す。再結晶化のパーセント変化は、カーボンナノチューブ/結晶性ポリエステル複合体のΔH(2回目溶融T)を対照から引き、次いでその差を対照のΔH(2回目溶融T)で割り、100をかけることで計算される。その結果から、カーボンナノチューブ/結晶性ポリエステル複合体の合成によりポリマーの結晶化度が増加することが証明された。ポリマーが100%結晶形態で得られた場合、ΔH(融解熱)を測定することができるが、結晶性ポリマーは全て半結晶性であった。更に、ΔHを求めるその他の方法が存在するが、それらは例えばピークの正規化(これは非常に退屈であり、複雑になり得る)を必要とする分光学的方法、X線または核磁気共鳴、および分率結晶化度が既知のサンプルを基準にしたDSCの実施(これも、ポリマーへの応用が難しい場合がある)である。そこで、サンプルの結晶化度の合計%は計算せず、対照であるカーボンナノチューブ非含有結晶性ポリエステルと比較したカーボンナノチューブ/結晶性ポリエステル複合体の結晶化度の変化のみを計算した。
【0073】
【表1】

【0074】
表1に示される結果から、具体的には再結晶化の%変化から、これらの結晶性ポリエステル樹脂中でナノチューブが核形成剤として働くことが示唆される。カーボンナノチューブ/結晶性ポリエステルサンプルと純粋な(neat)結晶性ポリエステルの融点の差は、相対的な比率にして約5%の結晶化度の増加を示している。結晶性ポリエステルサンプル中に導入されたナノチューブの濃度は非常に低く、2%と7%では大きな差は見られなかったが、一般的に、導入量が0.3%を超えると結晶化度は大きく増加する。更に、MWNT濃度が約10%またはそれを超えると、結晶化度は再度低下し得る。これは、Yu et al.;Bhattacharyya et al.;Tzavalas et al.;Kumar;およびRyan et al.により報告されているように、溶融状態のポリマーマトリックス中での分子の運動をMWNTが妨げ、これによりポリマー結晶化率が低下するためである。また、文献に既に報告されているように、アイソタクチックポリプロピレン等のその他のポリマーにおいても、ナノチューブを添加すると結晶化の誘導時間が減少し、ナノチューブ存在下でTは一般的に高温側にシフトする。このことは、これらのポリマー系においてナノチューブが核形成剤として働くという結論を裏付けている。
【0075】
機械的特性に対するMWNTの影響
実施例1〜3で調製した各複合体は、当該技術分野で公知の好適な手段に従ってインクに導入することができる。
【0076】
表2は、種々の量のナノチューブを導入した結晶性ポリエステル樹脂複合体を含むインクのヤング率および硬度を比較した表である。ナノチューブ導入量がたった2%の結晶性ポリエステル樹脂複合体を含有するインクで、ヤング率および硬度の劇的な向上が示された。この強度の向上により、インクの耐スクラッチ性が向上し、それによって比較的少量のナノチューブの添加でより高いインク性能が得られる。
【0077】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0078】
RFID用途のような電気伝導性の向上を必要とするインク用途向けに、ポリマー鎖中にMWNTを添加することでインクの電気伝導性を向上させることができる。温度変化に抵抗性である好ましい伝導性を達成するため、したがってより高い熱安定性を達成するためには、例えばMWNT/ポリマー複合体重量の約0.5〜約20重量%の高い導入量のMWNTが好ましい。もちろん、この範囲外の量を使用してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー中に分散されたカーボンナノチューブを含有するポリマーマトリックスを含むインク。
【請求項2】
さらに1種以上の着色剤および/または1種以上のワックスを含む、請求項1に記載のインク。
【請求項3】
カーボンナノチューブを官能化すること;
前記官能化カーボンナノチューブに第1のモノマーを共有結合させること;
前記第1のモノマーを第2のモノマーと重合させて、カーボンナノチューブを含有するポリマーマトリックスを形成すること;および
前記ポリマーマトリックスに1種以上の着色剤および/または1種以上のワックスを添加してインクを形成すること
を含む、インク製造方法。
【請求項4】
結晶性ポリエステル中に分散された多層カーボンナノチューブを含有する結晶性ポリエステルマトリックスを含み、前記結晶性ポリエステルの少なくとも一部が前記カーボンナノチューブに共有結合している、インクジェット用インク。
【請求項5】
さらに1種以上の着色剤および/または1種以上のワックスを含む、請求項4に記載のインクジェット用インク。


【公開番号】特開2010−132901(P2010−132901A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261755(P2009−261755)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】