説明

ポリマー粒子分散体を含む化粧品組成物、ポリマー粒子分散体、およびそれを使用する美容方法

【課題】新規なポリマー粒子分散体、および化粧品におけるそれらの使用、ならびに、特にこれらの分散体を含む化粧品組成物を提供する。
【解決手段】化粧品として許容可能な媒質中に、液体炭素系媒質中の少なくとも1種のポリマー粒子の分散体を含む化粧品組成物であって、前記ポリマーが、前記炭素系媒質中に可溶である少なくとも1種の第1のブロックと、前記炭素系媒質中に不溶である少なくとも1種の第2のブロックとを含むコポリマーである組成物に関する。また、液体炭素系媒質中におけるこのようなポリマー粒子の分散体にも関し、かつまたこの組成物を使用してケラチン物質、特に体または顔面の皮膚、爪、毛髪、および/または睫毛をメークアップし、クレンジングし、日光から保護し、成形し、染色し、またはケアする美容方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なポリマー粒子分散体に関し、また化粧品におけるそれらの使用に関する。本発明はまた組成物、特にこれらの分散体を含む化粧品組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品において、有機媒質中での、一般にナノメートルの大きさの、ポリマー粒子の分散体を使用するのは知られている方法である。
【0003】
即ち、欧州特許出願EP-A第0749747号は、非水性媒質中におけるポリマー粒子分散体を含む化粧品組成物であって、前記分散体が、ポリマー粒子上における物理的相互作用によって非共有結合的に結合する安定化ポリマーを添加することにより、安定化されている組成物を記述している。しかし、このタイプの組成物は次の欠点を有する。即ち、この組成物では、不溶性ポリマー粒子の比較的安定な分散体を得るために、前記粒子に有効に結合している量よりも多い量の安定化ポリマーを非水性媒質に添加することを要する。ここで、顔料などのアジュバントをこの組成物に添加している間に、いくらかの安定化ポリマーが不溶性ポリマー粒子から脱着し、かつ前記アジュバントと結合して、そのため、特にポリマー粒子間で凝集体を形成することにより、この分散体の不安定化をもたらすようになる傾向を有する。
【0004】
特許出願、欧州特許第1428844号から、化粧品組成物であって、非シリコーン非水性有機媒質中における、前記媒質中に不溶性の骨格と、前記骨格に共有結合的に結合した側鎖からなる前記媒質中に可溶性の部分とを含むアクリルポリマー粒子の分散体を含む組成物も知られている。この場合、ポリマー粒子は、このポリマー粒子に化学的に結合しているポリマー(マクロマー)により安定化される。
【0005】
両方の場合において、安定化ポリマーの特性は、化学的特性、分子質量、および/または構造のいずれに関しても非常に調節し易いわけではなく、また独特な合成を必要とする。さらに、分子質量および/または構造のいずれに関しても、粒子コアの性質を改質することは容易ではない。
【特許文献1】欧州特許出願EP-A第0749747号
【特許文献2】欧州特許第1428844号
【特許文献3】国際公開第01/77198号
【特許文献4】欧州特許第895467号
【特許文献5】欧州特許第96459号
【非特許文献1】Gillman、Polymer Letters、vol. 5、477〜481頁(1967)
【特許文献6】欧州特許第1347013号
【特許文献7】米国特許第5625005号
【特許文献8】欧州特許第0963751号
【非特許文献2】Grulke「Solubility parameter values」、Polymer Handbook、第3版、VII章、519〜559頁
【非特許文献3】Hansen「The three-dimensional solubility parameters」、J.Paint Technol.39、105(1967)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
驚くべきことに、本出願人は、化粧品組成物の、支持体(特に皮膚または毛髪)への良好な密着性、およびしたがって良好な保持力、などの良好な化粧性状を提供することができる新規なポリマー粒子分散体を発見した。
【0007】
さらに、本発明による分散体は、従来技術の意味の範囲内におけるどんな安定剤も含まないので、時間が経っても通常の分散体よりも遙かに安定であり、このことは、この分散体を含む組成物のより良好な安定性、および容易な配合を意味する。
【0008】
最後に、化粧品組成物の快適性が改良されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一主題は、化粧品として許容可能な媒質中に、液体炭素系媒質中の少なくとも1種のポリマー粒子の分散体を含む化粧品組成物であって、前記ポリマーが、前記炭素系媒質中に可溶である少なくとも1種の第1のブロックと、前記炭素系媒質中に不溶である少なくとも1種の第2のブロックとを含むコポリマーである組成物である。
【0010】
本発明によって、この分散体を形成するモノマーおよび有機媒質を適切に選択することにより、その分散体の物理化学的性状を、したがってその分散体を含む組成物の物理化学的性状を改質することが可能である。この可能性は、従来技術では考えられなかった。このことにより、特に、化粧品において通常使用される油性媒質への大きな親和力を有する分散体を得ることが可能になる。このことによりまた、その堆積物が何ら粘着する特性を有しない分散体を調製することも可能になる。
【0011】
特に有機媒質中における、ブロックコポリマーのミセルが、一般に知られている。特に、連鎖移動剤が存在する状態でRAFT重合によりミクロゲルを調製する方法に関する特許出願、国際公開第01/77198号を挙げることができ、その方法は、疎溶媒性モノマーと親溶媒性モノマーとを含むブロックコポリマーを調製することにあり、また次いで分散媒中に前記ブロックコポリマーを分散させてミセルを形成することにあり、そのミセルが安定化されて期待されるミクロゲルをもたらすであろう。前記文献において、分散媒は有機質、水性、または水性-有機質とすることができる。
【0012】
しかし、前記文献では、こうして調製したミセルをそれ自体で使用することは考えられていない。それらのミセルは、架橋することによりミクロゲルを形成する役割を果しており、前記ミクロゲルにより例えば顔料または染料をカプセル封入することが可能になり、また前記ミクロゲルは工業的コーティングなどの種々の分野で使用することができる。
【0013】
こうして得られた架橋ミクロゲルが、良好な保持力と共に優先的に皮膜形成性があり、かつ除去するのが容易である堆積物を得ることを可能にするわけではない。ここで、この点が、本発明の主目標となる。
【0014】
したがって、本発明によるポリマー粒子分散体は、炭素系媒質中に可溶である少なくとも1つの第1のブロックと、前記炭素系媒質中に不溶である少なくとも1つの第2のブロックとを含むコポリマーを含む。
【0015】
本発明において、用語「ブロック」は、同一または異なっていてもよいいくつかのモノマーから形成される、特に少なくともモノマー5個から形成されるポリマー配列を意味し、したがってまたランダム、交互、グラジエント、またはブロック、特にジブロック、トリブロックもしくはマルチブロック、ホモポリマーまたはコポリマーの形態とすることができるポリマー配列を意味する。
【0016】
このブロックはホモポリマーまたはグラジエントタイプのものが好ましいであろう。
【0017】
各ブロックについて、当業者によりその技術者の一般知識に基づき、考慮している炭素系媒質中における所要の溶解度を有する(可溶または不溶性の)ブロックが最終的に得られるように、モノマーの選択を、またモノマーの量の選択を、かつまたブロックの構造の選択も行うことができる。
【0018】
最終的に得られたコポリマーは、「ジブロック」タイプのポリマーであること、即ち2つのブロックだけを備え、一方が媒質中に可溶であり、他方が不溶であることが好ましい。しかし、このコポリマーは「トリブロック」タイプ、またはさらに「マルチブロック」(ブロック3つを超える)タイプのものとすることができる。
【0019】
可溶性および不溶性ブロックの配列は、交互であることが好ましい。各可溶性ブロックは、同一のまたは異なった長さおよび/または分子質量の、同一のまたは異なった化学的特性の、また同一のまたは異なった構造のものとすることができる。各不溶性ブロックは、同一のまたは異なった長さおよび/または分子質量の、同一のまたは異なった化学的特性の、また同一のまたは異なった構造のものとすることができる。
【0020】
本発明によるコポリマーは線状であることが好ましい。しかし、このコポリマーは分岐させること、および/またはグラフト化させることができる。
【0021】
本発明によるコポリマーは架橋していない。このことは、その目的が架橋させることである化合物(架橋剤)の意図的な添加がないことを意味する。
【0022】
用語「可溶性の」は、このブロックが、考慮している炭素系媒質中に、5重量%以上の濃度において20℃で目視的に(どんな明らかに見える堆積物、または不溶性の凝集体もしくは部分もなしに)完全に溶解していることを意味する。
【0023】
本発明の分散体は、考慮している媒質中の安定な分散体として特にポリマーミセル(または粒子)の形態におけるものとすることができる。これらのミセル(または粒子)の大きさは、5nmと1000nmの間、好ましくは10〜500nm、より良好には20〜300nmまたはさらに30〜200nmとすることが好ましく、それによりこの分散体の大きな経時安定性を得ることが可能になる。
【0024】
用語「ポリマーミセル」は、下記において定義している、コポリマーの自己集合によって得られる自己分散した粒子を意味する。
【0025】
即ち、第1のブロックを形成したモノマーと、開始剤と、および/または制御剤との重合により、考慮している媒質中に可溶である第1のブロックが導かれると考えてよい。粒子のコアを形成することを意図したモノマーの添加により、一般に可溶性および/または不溶性タイプであるブロックコポリマーの生成を導き、このコポリマーが自発的にポリマーミセルとして組織されるようになる、即ち炭素系媒質内において自己分散したポリマー粒子を形成する。
【0026】
本発明に関連した利点の1つは、可溶部分の特性と、粒子のコアの特性とが同時に制御可能である分散されたコポリマー粒子を単一のステップで生成させることがこうして可能である点である。
【0027】
本発明によるコポリマーは、1,000と700,000の間の、特に10,000と500,000の間の、またより良好には15,000と350,000の間の、またはさらに25,000と150,000の間の、数平均分子量(Mn)を有することが好ましい。
【0028】
本発明によるコポリマーは、6以下、好ましくは1.05と4の間、特に1.1と3の間、またはさらに1.15と2.5の間の質量多分散性指数(Ip)を有することが好ましい。
【0029】
本コポリマーの質量多分散性指数(Ip)は、重量平均分子質量(Mw)の数平均分子質量(Mn)に対する比に等しい。質量多分散指数が低いことは、鎖長が同一であることをほぼ反映している。
【0030】
重量平均分子質量(Mw)および数平均分子質量(Mn)は、屈折計検出器を使用して線状ポリスチレン標準により作成した較正曲線に基づき、THFで溶離したゲル浸透液体クロマトグラフィ(GPC)により測定している。
【0031】
本発明による分散体は均一な粒径多分散性を有することが好ましく、このことは全ての粒子が同一の大きさであることを意味する。特に、本分散体は、分散体の数的に少なくとも50%の粒子が同一の、もしくは事実上同一(偏差10%未満)の直径を有するようなものであることが好ましい。このことは、本分散体のより良好な経時安定性に貢献する(デカンテーション、凝集、および/または沈降がない)。
【0032】
このことは、「従来の」ラジカル重合方法により調製した従来技術のある種の分散体に優る利点である。その理由は、これらの方法では、得られた混合物が一般にホモポリマーとコポリマーとの混合物であるので、不均一な化学組成を有する点である。
【0033】
本発明において、大多数またはさらに全ての分子鎖を(選択した重合技術に応じて)、この分散体の安定性を改良する特有の特徴を有するコポリマーの形態であるものとすることができる。さらに、本発明によるコポリマーは、一般に分子質量および化学組成の狭い分布、ならびに制御された分子質量を有し、それにより粒子の大きさおよびそれらの粒度分布を制御することが可能になっている。
【0034】
したがって、本発明によるコポリマーは、炭素系分散媒中に可溶である第1のブロックと、前記媒質中に不溶である少なくとも1つの第2のブロックとを備えている。
【0035】
この可溶性ブロックは単独でまたは混合物として、50〜100重量%の、前記媒質中に可溶性のモノマー、特に60〜90重量%のまたより良好には70〜80重量%の、可溶性モノマーを含むのが好ましい。しかし、この可溶性ブロックはまた、単独でまたは混合物として、0〜50重量%の、特に10〜40重量%の、またはさらに20〜30重量%の、前記媒質中に不溶性のモノマーをも含むことができる。
【0036】
同様に、本不溶性ブロックは、単独でまたは混合物として、50〜100重量%の、前記媒質中に不溶性のモノマー、特に60〜90重量%のまたより良好には70〜80重量%の、不溶性モノマーを含むのが好ましい。しかし、この不溶性ブロックはまた、単独でまたは混合物として、0〜50重量%の、特に10〜40重量%の、またはさらに20〜30重量%の、前記媒質中に可溶性のモノマーをも含むことができる。
【0037】
当業者には、その技術者の一般知識に基づいて、考慮している炭素系媒質中における所望の溶解度を有する(可溶性または不溶性)ブロックを最終的に得るために、どのように可溶性および不溶性モノマーを、またそれらの量も選択するか分かるであろう。
【0038】
用語「その媒質中に可溶であるモノマー」は、前記媒質中に、そのホモポリマーが可溶性の形態である、即ち室温(20℃)において5重量%以上の濃度で完全に溶解される、任意のモノマーを意味する。
【0039】
したがって、用語「不溶性モノマー」は、前記媒質中に、そのホモポリマーが可溶性の形態にはない、即ち室温(20℃)において5重量%以上の濃度で完全には溶解しない、任意のモノマーを意味する。しかし、この不溶性モノマーは、重合した後それらのモノマーが不溶性になるという条件で、モノマーとして、考慮している媒質中に可溶とすることができる。
【0040】
どんな場合でも、コポリマー中における可溶性ブロックと、不溶性ブロックとの割合は、このコポリマーがポリマーミセルを形成することができるようなものとすべきである。
【0041】
不溶性ブロックは、コポリマーの全重量に対して30〜97重量%、特に40〜95重量%、またはさらに50〜93重量%、特に60〜92重量%、より良好には75〜90重量%に相当することが好ましい。
【0042】
したがって、可溶性ブロックは、コポリマーの全重量に対して3〜70重量%、特に5〜60重量%、またはさらに7〜50重量%、特に8〜40重量%、より良好には10〜25重量%に相当することが好ましい。
【0043】
使用できる可溶性モノマーとして、単独でまたは混合物として、下記のモノマーを挙げることができる:
式CH2=C(CH3)-COOR1のメタクリル酸エステル(式中、R1は、ラウリル、ベヘニル、またはステアリルなどの直鎖または分枝状C8〜C22アルキル基、あるいはイソボルニルなどの炭素原子8〜30個を含有する環状アルキル基を表し、あるいはR1はtert-ブチル基を表す);
式CH2=CH-COOR2のアクリル酸エステル(式中、R2は、ラウリル、ベヘニル、ステアリル、もしくは2-エチルヘキシルなどの直鎖もしくは分枝状C8〜C22アルキル基、あるいはイソボルニルなどの炭素原子8〜30個を含有する環状アルキル基を表し、あるいはR2はイソブチル基を表す);
式CH2=C(CH3)-CONR3R4またはCH2=CH-CONR3R4の(メタ)アクリルアミド(式中、R3は水素原子、または直鎖もしくは分枝状C1〜C12アルキル基を表し、R4は、イソオクチル、イソノニル、またはウンデシル基などの直鎖もしくは分枝状C8〜C12アルキル基を表す);
式CH2=C(CH2-COO(CH2)n-1-CH3)-COO(CH2)n-1-CH3のジ-n-アルキルイタコン酸エステル(nが5以上、特に5〜12の整数である);
式R5-CO-O-CH=CH2のビニルエステル(式中、R5は直鎖もしくは分枝状C8〜C22アルキル基を表す);
ビニルアルコールのエーテル、および式R6O-CH=CH2のアルコールのエーテル(式中、R6は、炭素原子8〜22個を含有する直鎖もしくは分枝状アルキル基を表す);
エチレン性モノマーであり、(エステル基はシランまたはシロキサンを含有し、(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのケイ素原子1個だけを含有する);
重合可能な末端基を有する炭素系マクロモノマー。用語「重合可能な末端基を有するマクロモノマー」は、その末端の一方だけに、エチレン性モノマーとの重合反応中に反応することが可能な、重合可能な末端基を含む任意のオリゴマーを意味する。マクロモノマーの重合可能基は、ラジカル重合を受けることが可能なエチレン性不飽和基とすることができるのが有利である。前記重合可能な末端基は、特にビニルもしくは(メタ)アクリル酸エステル(または(メタ)アクリルオキシ)基とすることができ、また(メタ)アクリル酸エステル基が好ましい。用語「炭素系マクロモノマー」は、非シリコーンマクロモノマーを意味し、特に非シリコーンエチレン性不飽和モノマーの重合によって、また主としてアクリルモノマーおよび/または非アクリルビニルモノマーの重合によって得られるオリゴマー性マクロモノマーを意味する。
【0044】
重合可能な末端基を含有する炭素系マクロモノマーとして、特に下記のものを挙げることができる:
(i)ビニルまたは(メタ)アクリル酸エステル基から選択される重合可能な末端基を含有する直鎖もしくは分枝状C6〜C22、好ましくはC8〜C18、(メタ)アクリル酸アルキルホモポリマーおよびコポリマー、それらの中で特に、モノ(メタ)アクリル酸エステル末端基を含有するポリ(アクリル酸2-エチルヘキシル)マクロモノマー;モノ(メタ)アクリル酸エステル末端基を含有するポリ(アクリル酸ドデシル)マクロモノマーまたはポリ(メタクリル酸ドデシル)マクロモノマー;モノ(メタ)アクリル酸エステル末端基を含有するポリ(アクリル酸ステアリル)マクロモノマーまたはポリ(メタクリル酸ステアリル)マクロモノマーを挙げることができる。
【0045】
このようなマクロモノマーは特に、特許、欧州特許第895467号および欧州特許第96459号中において、また論文、Gillman、Polymer Letters、vol. 5、477〜481頁(1967)中において記述されている。
【0046】
特に、モノ(メタ)アクリル酸エステル末端基を含有するポリ(アクリル酸2-エチルヘキシル)またはポリ(アクリル酸ドデシル)を主成分とするマクロモノマーを挙げることができる;
(ii)エチレン性不飽和末端基を有するポリオレフィン、特に、(メタ)アクリル酸エステル末端基を有するポリオレフィン。特に言及できるこのようなポリオレフィンの例には、下記のマクロモノマーが含まれ、それらのマクロモノマーは(メタ)アクリル酸エステル末端基を含有すると理解されている:ポリエチレンマクロモノマー、ポリプロピレンマクロモノマー、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマーのマクロモノマー、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーのマクロモノマー、ポリイソブチレンマクロモノマー、ポリブタジエンマクロモノマー;ポリイソプレンマクロモノマー;ポリブタジエンマクロモノマー;ポリ(エチレン/ブチレン)-ポリイソプレンマクロモノマー。
【0047】
このようなマクロモノマーは、特に欧州特許第1347013号または米国特許第5625005号において記述され、その特許は(メタ)アクリル酸エステル反応性末端基を含有するエチレン/ブチレンおよびエチレン/プロピレンマクロモノマーに言及している。特に、Kraton Polymers社により名称Kraton Liquid L-1253のもとに販売されている製品などの、ポリ(エチレン/ブチレン)メタクリレートを挙げることができる。
【0048】
言及できる特に好ましい可溶性モノマーには:
式CH2=C(CH3)-COOR1のメタクリル酸エステル(式中、R1は、ラウリル、ベヘニル、またはステアリルなどの直鎖または分枝状C8〜C22アルキル基、あるいはイソボルニルなどの炭素原子8〜30個を含有する環状アルキル基を表し、あるいはR1はtert-ブチル基を表す);
式CH2=CH-COOR2のアクリル酸エステル(式中、R2は、ラウリル、ベヘニル、2-エチルヘキシル、またはステアリルなどの直鎖または分枝状C8〜C22アルキル基、あるいはイソボルニルなどの炭素原子8〜30個を含有する環状アルキル基を表し、あるいはR2はイソブチル基を表す);
およびそれらの混合物が含まれる。
【0049】
したがって、アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、アクリル酸イソブチル、およびメタクリル酸tert-ブチル、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0050】
使用できる不溶性モノマーとして、単独でまたは混合物として下記のモノマーを挙げることができ、またそれらの塩および混合物をも挙げることができる:
(i)式CH2=C(CH3)-COOR'1またはCH2=CH-COOR'1の(メタ)アクリル酸エステル(式中、R'1は、
炭素原子1〜6個を含有する直鎖または分枝状アルキル基、前記基はその鎖内に、O、N、およびSから選択された1つまたは複数のヘテロ原子を含んでもよく;かつ/または-OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br、またはI)、および-NR'R"(R'およびR"は、同一または異なっていてよく、直鎖もしくは分枝状C1〜C4アルキルから選択され;かつ/または少なくとも1つのポリオキシアルキレン基、特にC2〜C4アルキレン、特にポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレンで置換されていてもよく、前記ポリオキシアルキレン基は、5〜30個のオキシアルキレン単位の反復からなり;メタクリル酸tert-ブチルおよびアクリル酸イソブチルはこの定義から除外される)から選択された1つまたは複数の置換基を含んでもよく;
炭素原子3〜6個を含有する環状アルキル基、前記基はその鎖内に、O、N、およびSから選択された1つまたは複数のヘテロ原子を含んでもよく、かつ/またはOH、およびハロゲン原子(F、Cl、Br、またはI)から選択された1つまたは複数の置換基を含んでいてもよい
から選択された基を表す)。
【0051】
言及できるR'1の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシポリオキシエチレン30、トリフルオロエチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、およびジメチルアミノプロピル基が含まれる;
(ii)式:CH2=C(CH3)-CONR'3R'4またはCH2=CH-CONR'3R'4の(メタ)アクリルアミド
(式中、
R'3およびR'4は、同一または異なっていてよく、水素原子、または炭素原子1〜6個を含有する直鎖もしくは分枝状アルキル基を表し、前記アルキル基は-OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br、またはI)、および-NR'R"から選択された1つまたは複数の置換基を含んでもよく、R'およびR"は、同一または異なっていてよく、直鎖または分枝状C1〜C4アルキルから選択され;あるいは
R'3は水素原子を表し、R'4は、1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表す)。
【0052】
R'3およびR'4を形成することができるアルキル基の例として、n-ブチル、t-ブチル、n-プロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、およびジメチルアミノプロピルを挙げることができる;
(iii)クロトン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、およびアクリルアミドプロパンスルホン酸、ならびにそれらの塩などの少なくとも1つのカルボン酸、リン酸またはスルホン酸官能基を含むエチレン性不飽和モノマー;
(iv)式:R'6-COO-CH=CH2のビニルエステル(式中、R'6は、炭素原子1〜6個を含有する直鎖もしくは分枝状アルキル基、または炭素原子3〜6個を含有する環状アルキル基、および/あるいは例えばベンゼン、アントラセン、またはナフタレンタイプの芳香族基を表す);
(v)2-ビニルピリジン、または4-ビニルピリジン、およびそれらの混合物などの少なくとも1つの第三級アミン官能基を含むエチレン性不飽和モノマー;
(vi)スチレンおよびその誘導体;
(vii)式CH2=C(CH2-COO(CH2)n-1-CH3)-COO(CH2)n-1-CH3のジ-n-アルキルイタコン酸エステル(nは〜4の整数である);
(viii)特許、欧州特許第0963751号中に記載される、エステル基がシラン、シルセスキオキサン、シロキサン、またはカルボシロキサンデンドリマーを含有するエチレン性モノマー、但し、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのケイ素原子1個だけを含有するモノマーは除く。好ましいモノマーは(メタ)アクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、(メタ)アクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、(メタ)アクリルオキシメチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、および(メタ)アクリルオキシメチルビス(トリメチルシロキシ)メチルシランである;
(ix)PDMSマクロモノマー、例えばモノアクリロイルオキシまたはモノメタクリロイルオキシ末端基を含むポリジメチルシロキサン、特に次式:
【0053】
【化1】

【0054】
(式中、
R8は、水素原子またはメチル基、好ましくはメチルを示し、
R9は、炭素原子1〜10個を含有し、場合によって1つまたは2つのエーテル結合-O-を含む、直鎖または分枝状、好ましくは直鎖状の二価炭化水素系基、好ましくはエチレン、プロピレン、またはブチレンを示し、
R10は、炭素原子1〜10個、特に炭素原子2〜8個を含有する直鎖または分枝状アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、またはペンチルを示し、
nは、1〜300の範囲にある、好ましくは3〜200の範囲にある、優先的には5〜100の範囲にある整数を示す)を有するポリジメチルシロキサン。
【0055】
特に、UCT(United Chemical Technologies Inc.)社により名称PS560-K6のもとに販売されているもの、またはGelest Inc.社により名称MCR-M17のもとに販売されているものなどの、モノメタクリロイルオキシプロピルポリジメチルシロキサンを使用できる;
(x)(メタ)アクリル酸エステル官能基により官能化されたオリゴペプチド。
【0056】
塩の中では、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または水酸化アンモニウムなどの無機塩基、またはアルカノールアミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、または2-メチル-2-アミノ-1-プロパノールなどの有機塩基を使用した酸性基の中和によって得られる塩を挙げることができる。
【0057】
例えば鉱酸または有機酸を使用した第三級アミン単位の中和により生成される塩を挙げることもできる。言及できる鉱酸の中には、硫酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、およびホウ酸がある。言及できる有機酸の中には、1つまたは複数のカルボキシル、スルホン、またはホスホン基を含む酸がある。これらは、直鎖、分枝、または環状脂肪族酸、あるいは芳香族酸とすることができる。これらの酸は、例えばヒドロキシル基の形態で、OおよびNから選択された1つまたは複数のヘテロ原子を含むこともできる。特に酢酸、プロピオン酸、およびテレフタル酸を、かつまたクエン酸および酒石酸も挙げることができる。
【0058】
言及できる特に好ましい不溶性モノマーには、
式CH2=C(CH3)-COOR'1またはCH2=CH-COOR'1の(メタ)アクリル酸エステル、特に、(メタ)アクリル酸メチル、エチル、プロピルまたはブチル;(メタ)アクリル酸イソブチル;(メタ)アクリル酸メトキシエチルまたはエトキシエチル;メタクリル酸トリフルオロエチル;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、またはアクリル酸2-ヒドロキシエチル;
少なくとも1つのカルボン酸官能基を含むエチレン性不飽和モノマー、特に(メタ)アクリル酸、およびそれらの塩;
無水マレイン酸;
エステル基がシランを含むエチレン性モノマー;
モノアクリロイルオキシまたはモノメタクリロイルオキシ末端基を含むポリジメチルシロキサン、次式:
【0059】
【化2】

【0060】
(式中、
R8は、水素原子またはメチル基、好ましくはメチルを示し、
R9は、炭素原子1〜10個を含有し、場合によって1つまたは2つのエーテル結合-O-を含む、直鎖または分枝状、好ましくは直鎖状の二価炭化水素系基、好ましくはエチレン、プロピレン、またはブチレンを示し、
R10は、炭素原子1〜10個、特に炭素原子2〜8個を含有する直鎖もしくは分枝状アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、またはペンチルを示し、
nは、1〜300の範囲にある、好ましくは3〜200の範囲にある、優先的には5〜100の範囲にある整数を示す)を有するポリジメチルシロキサンが含まれる。
【0061】
より特に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、(メタ)アクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、(メタ)アクリルオキシメチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、および(メタ)アクリルオキシメチルビス(トリメチルシロキシ)メチルシランを挙げることができる。
【0062】
本発明によるポリマー粒子分散体はまた、その中に前記粒子が分散されている液体炭素系媒質をも含む。
【0063】
用語「液体媒質」は特に、20℃において7000センチポアズ以下の粘度を有することが好ましい媒質を意味する。
【0064】
本発明により、この媒質が、炭素系媒質の全重量に対して少なくとも50重量%、特に50重量%〜100重量%、例えば60重量%〜99重量%、またはより良好には65重量%〜95重量%、またはさらに70重量%〜90重量%の25℃で液体であり、20(MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による全溶解パラメータを有する炭素系化合物、またはこのような化合物の混合物を含む場合に、この媒質を炭素系であると言う。
【0065】
ハンセン溶解度空間による全溶解パラメータδは、書籍「Polymer Handbook」、第3版、VII章、519〜559頁におけるGrulkeによる論文「Solubility parameter values」中において、関係:
δ=(dD2 + dP2 + dH2)1/2
(式中、
dDは、分子衝突の間に誘発された双極子形成から生じるLondon分散力を特性付け、
dPは、永久双極子間のDebye相互作用力を特性付け、また
dHは、(水素結合、酸/塩基結合、供与体/受容体結合などの)特定の相互作用力を特性付ける)により、定義されている。
【0066】
ハンセンによる三次元溶解度空間中における溶媒の定義は、Hansenの論文:「The three-dimensional solubility parameters」、J.Paint Technol.39、105(1967)中に記載されている。
【0067】
20(MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による全溶解パラメータを有する液体炭素系化合物の中では、液体脂肪性物質、特に油、即ち単独でのもしくは混合物としての、天然もしくは合成の、炭素系もしくは炭化水素系の油であり、場合によってフッ素化され、また場合によって分枝状である油から選択できる油を挙げることができる。
【0068】
特に:
多価アルコールの脂肪酸エステルにより形成される植物油、特にヒマワリ油、ゴマ油、ナタネ油、マカダミア油、ダイズ油、スイートアーモンド油、ビューティーリーフ油、パーム油、グレープ種子油、トウモロコシ油、アララ油、綿実油、杏仁油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油、または穀物胚芽油などのトリグリセリド;
6個を超える炭素原子、特に炭素原子6〜30個を含有する直鎖、分枝、または環状エステル;特にイソノナン酸イソノニル;より特に、式RCOOR'のエステル(式中、Rは炭素原子7〜19個を含有する高級脂肪酸残基を表し、R'は炭素原子3〜20個を含有する炭化水素系鎖を表す)、例えばパルミチン酸エステル、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、および安息香酸エステル、特にアジピン酸ジイソプロピル、およびミリスチン酸イソプロピル;
炭化水素、特に揮発性または不揮発性の直鎖、分枝、および/または環状アルカン、例えばイソドデカンなどの場合によって揮発性のC5〜C60イソパラフィン、Parleam(水素化ポリイソブテン)、イソヘキサデカン、シクロヘキサン、または「Isopar」製品;あるいは流動パラフィン、液体石油ゼリー、または水素化ポリイソブチレン;
6個を超える炭素原子、特に炭素原子6〜30個を含有するエーテル;
6個を超える炭素原子、特に炭素原子6〜30個を含有するケトン;
炭素原子6〜30個を含有する脂肪族一価アルコール、炭化水素系鎖がいかなる置換基も含まない一価アルコール例えばオレイルアルコール、デカノール、ドデカノール、オクタデカノール、オクチルドデカノール、およびリノレイルアルコールなどの;
特に炭素原子6〜30個を含有する多価アルコール、例えばヘキシレングリコール;
それらの混合物
を挙げることができる。
【0069】
本分散体は、炭素系媒質中に:
多価アルコールの脂肪酸エステルから形成される植物油、特にトリグリセリド;
式RCOOR'のエステル(式中、Rは炭素原子7〜19個を含有する高級脂肪酸残基を表し、R'は炭素原子3〜20個を含有する炭化水素系鎖を表す);
揮発性または不揮発性の、直鎖もしくは分枝状C8〜C60アルカン;
揮発性または不揮発性の、非芳香族環状C5〜C12アルカン;
炭素原子7〜30個を含有するエーテル;
炭素原子8〜30個を含有するケトン;
炭素原子12〜30個を含有する脂肪族一価アルコールであり、炭化水素系鎖がどんな置換基も含まない一価アルコール;
それらの混合物
から選択した1種または複数の炭素系化合物を含むことが好ましい。
【0070】
このような限定された炭素系媒質中にポリマー粒子を含む分散体は新規なものであり、したがって本発明の一主題を形成する。
【0071】
この炭素系媒質は、少なくとも、炭素系化合物として、ミリスチン酸イソプロピル、オクチルドデカノール、C5〜C60イソパラフィン、イソヘキサデカン、またはイソノナン酸イソノニルを含むことが優先される。
【0072】
この炭素系媒質は、炭素系媒質の全重量に対して厳密に50重量%未満、特に1重量%〜40重量%、またはさらに5重量%〜35重量%、あるいはより良好には10重量%〜30重量%の量で存在できる追加的液体化合物であって、かつ単独でまたは混合物として、下記のものから選択される追加的液体化合物を場合によって含むことができる:
単独のまたは混合物としての揮発性もしくは不揮発性シリコーン油。
【0073】
特に挙げることができるのは、ポリジメチルシロキサンおよびポリメチルフェニルシロキサンであり、場合によって脂肪族および/または芳香族基で置換した、場合によってフッ素化している、かつ/またはヒドロキシル、チオール、および/またはアミン基などの官能基を含んでいるポリジメチルシロキサンおよびポリメチルフェニルシロキサン;ならびに揮発性シリコーン、特にシクロジメチルシロキサン、シクロフェニルメチルシロキサン、および直鎖ジメチルシロキサンなどの環状もしくは直鎖揮発性シリコーン、それらの中では直鎖ドデカメチルペンタシロキサン(L5)、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、およびヘプタメチルオクチルトリシロキサンを挙げることができる揮発性シリコーン;
炭素原子2〜5個を含有するエステル、炭素原子2〜6個を含有するエーテル、炭素原子1〜5個を含有するケトン、および炭素原子1〜5個を含有する一価アルコール。
【0074】
しかし、本発明の一特定実施形態によると、この炭素系媒質はどんな追加的液体化合物をも含有しない。
【0075】
炭素系媒質の選択は、本ポリマーを形成するモノマーの特性に応じて、かつ/または本組成物の意図する使用に応じて、当業者により容易に行うことができる。
【0076】
最も特に好ましい分散体の中で、ポリ(アクリル酸2-エチルヘキシル)-b-ポリ(アクリル酸メチル)またはポリ(アクリル酸イソボルニル)-b-ポリ(アクリル酸メチル)、あるいはポリ(アクリル酸2-エチルヘキシル-co-アクリル酸イソボルニル)-b-ポリ(アクリル酸メチル)粒子の分散体、特にアルカン中における、特にイソドデカン中における分散体を挙げることができる。
【0077】
特にアルカン中における、特にイソドデカン中における、下記のポリマーの分散体を挙げることもできる:
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(イソボルニルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(イソブチルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(イソブチルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(イソブチルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(イソブチルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(イソブチルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート)-b-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート)-b-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)-b-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)-b-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)。
【0078】
本発明による分散体は、5重量%と80重量%の間、特に8重量%〜70重量%またはさらに10重量%〜60重量%、あるいは一層より良好には15重量%〜50重量%、またより良好には18重量%〜25重量%の固形分含量を有することが好ましい。
【0079】
本ポリマー分散体は、当業者に知られている任意の手段によって製造でき、特に制御されたラジカル重合によって、またはリビング重合によって、特にニトロキシド/アルコキシアミン、ATRP、有機コバルト、RAFT/MADIX、変性移動(degenerative transfer)、TERP(テルル)またはセレン技術によって、Iniferterによって、あるいは任意のリビング重合方法(アニオン性またはカチオン性)によって、メタロセン、ROMP(開環メタセシス重合)、カチオンまたはアニオンROP(開環重合)、GTP(基移動重合)、テトラフェニルエタン誘導体、またはジフェニルエチレンによって製造できる。各ブロックの生成に使用する技術は同一とし、または異なることができる。
【0080】
典型的な方法は、炭素系分散媒中における、モノマーと、制御剤と、必要な場合開始剤との重合によって、可溶性ブロックと呼ぶ第1のブロックを調製するステップにあるとしてよい。次に、開始剤が存在するもしくは不在である状態で「不溶性」ブロックのモノマーを添加する。反応温度は、-30℃と200℃の間、好ましくは0〜160℃、またより優先的には40〜140℃、が好ましい。同一の方法により追加的なブロックを重合できる。それぞれのブロックについて、モノマーを、バッチ方式で同時に、半連続的に、または連続的に添加できる。次いで、マルチブロックポリマーを得ることになるであろう。
【0081】
可溶性ブロックと呼ぶ第1のブロックをバルクで合成する場合、「不溶性」ブロックはバルクで、または溶液内で合成できる。この溶媒は、本特許出願において定義した炭素系溶媒とすることができ、それによりコポリマーの合成が終わると、炭素系媒質中における分散体が直接導かれる。使用する溶媒は、全てのブロックに共通の溶媒とすることもできる。この場合、本特許出願において上記において定義した炭素系溶媒をその後に添加し、かつ共通溶媒を場合によって除去することにより、炭素系媒質中における所望の分散体が導かれるであろう。
【0082】
コポリマー全体をバルクで合成する場合、上記において定義した炭素系溶媒を添加すると、所望の分散体が導かれるであろう。
【0083】
全てのブロックを共通溶媒内で、溶液内合成する場合、上記において定義した炭素系溶媒をその後に添加し、かつ共通溶媒を場合によって除去することにより、炭素系媒質中における所望の分散体が導かれるであろう。この段階では、ポリマーだけを回収するために、かつ上記において定義した炭素系溶媒中にそれを分散させる前に回収するために、共通溶媒を除去することも可能であり、それにより所望の分散体が導かれるであろう。
【0084】
最後に、全てのブロックを上記において定義した炭素系溶媒内で直接合成する場合、単一ステップで、直接分散体が得られる。この後者の方法が、優先的に使用される方法である。
【0085】
一旦この分散体が得られると、炭素系溶媒の除去/新たな炭素系溶媒の添加により、または新たな炭素系溶媒の添加/最初の溶媒の場合による除去により、炭素系溶媒を変えることが可能である。
【0086】
第1のブロックは、制御されたラジカル重合(CRP)により調製することが好ましく、第2のブロックもまたCRPにより、または従来型の重合により調製することが可能である。
【0087】
第2の好ましい実施形態は、バルクで可溶性ブロックを合成するステップに、また次いで本発明による炭素系溶媒中にそれを溶解させるステップに、また次いでこの炭素系溶媒内で不溶性ブロックを合成するステップにある。炭素系溶媒内におけるポリマーの分散体がこうして直接得られる。
【0088】
本発明の一特定実施形態において、一旦分散体が得られると、既に形成されたブロックA-Bを含むコポリマー上で重合を継続させるために、そのホモポリマーが、媒質内において上記に示した定義による可溶性タイプまたは不溶性タイプのいずれかであり、かつ好ましくは不溶性である、モノマーCをその分散体に添加することが可能であり、それによりトリブロックコポリマーA-B-Cの形成が導かれる。
【0089】
追加的モノマーCは、可溶性および不溶性モノマーの全量が、上述の合計範囲内に留まるような量で存在できる。
【0090】
出発コポリマーが構造A-B-Aのトリブロックコポリマーである場合、Cの重合は、重合技術および/または使用する移動剤に応じて、構造C-A-B-A-CまたはA-B-C-B-Aのペンタブロックコポリマーが導かれる。
【0091】
重合開始剤は、フリーラジカル重合向けに当業者に知られている開始剤(過酸化物、アゾ化合物、酸化還元対、または光化学開始剤)とすることができる。ある種の制御されたラジカル重合技術の場合、アルコキシアミンの場合そうであるように、同一の化合物が重合開始剤の役割を有することができ、また制御剤であることができる。非ラジカル重合、即ちイオン(アニオンまたはカチオン)重合、については、当業者は適切な開始剤を選択することができる。
【0092】
考慮している媒質内の分散体において自己組織化しているコポリマーがこうして得られる。これらのコポリマーは、第1の可溶性ブロックAと、少なくとも1つの第2の不溶性ブロックBとから形成され、それにより、媒質との界面においてブロックAを有し、また粒子のコアにおいてブロックBを有するようにポリマー鎖の自己組織化がもたらされるであろう。一旦分散体が得られると、その物理化学的性質(粘性、Tgなど)を改質するために、それらに分散剤または安定剤を添加することが可能である。
【0093】
本発明による分散体は、最も独特な用途を化粧品に見出している。したがって、これらの分散体は、本発明による化粧品組成物中に、組成物の全重量に対して0.1重量%〜90重量%、好ましくは0.5重量%〜80重量%、特に1重量%〜70重量%またはさらに5〜70重量%の量の分散体として存在できる。
【0094】
本発明による化粧品組成物は、化粧品として許容可能な媒質、即ち、顔面もしくは体の皮膚、唇、毛髪、睫毛、眉毛、および爪などのケラチン物質と相容性である媒質をも含む。
【0095】
本組成物は有利には、それ自体が油および/または親油性であることが好ましい溶媒を含むことができる脂肪相、ならびに、室温で固体である脂肪物質、例えばワックス、ペースト状物質およびガム、ならびにそれらの混合物を含んでいてもよい。
【0096】
言及できる脂肪相の成分の中では、揮発性もしくは不揮発性の油であり、単独でまたは混合物として、炭素系、炭化水素系、フッ素化された、場合によって分岐した、天然もしくは合成の油から選択できる油がある。用語「不揮発性油」は、室温および大気圧で少なくとも1時間皮膚上に残留することが可能であり、特に室温(25℃)および大気圧で非ゼロの蒸気圧、0.01mm Hg(1.33Pa)未満を有する油を意味する。
【0097】
特に、植物、鉱物、動物、または合成由来の不揮発性の炭素系特に炭化水素系油であって、流動パラフィン(または石油ゼリー)、スクアレン、水素化ポリイソブテン(Parleam)、パーヒドロスクアレン、ミンク油、マカダミア油、カメ油、ダイズ油、スイートアーモンド油、ビューティーリーフ油、パーム油、グレープ種子油、ゴマ油、トウモロコシ油、アララ油、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、杏仁油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油、または穀物胚芽油、およびシェーバター;ラノリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、もしくはステアリン酸エステルなどの6個を超える炭素原子、特に炭素原子6〜30個を含有する直鎖、分枝、または環状エステル;長鎖の酸もしくはアルコール由来のエステル(即ち、炭素原子6〜20個を含有する)、特に式RCOOR'のエステル(式中、Rは炭素原子7〜19個を含有する高級脂肪酸残基を表し、R'は炭素原子3〜20個を含有する炭化水素系鎖を表す)、特にミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸もしくは乳酸2-オクチルデシル、コハク酸ビス(2-エチルヘキシル)、マール酸ジイソステアリル、およびトリイソステアリン酸グリセリルもしくはジグリセリルなどのC12〜C36エステル;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、またはイソステアリン酸などの特にC14〜C22の高級脂肪酸;センタノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、イソステアリルアルコールまたはオクチルドデカノールなどの特にC16〜C22の高級脂肪族アルコール;ならびにそれらの混合物、などの油を挙げることができる。
【0098】
デカノール、ドデカノール、オクタデカノール、炭素原子4〜10個の脂肪酸の液体トリグリセリド、例えばヘプタン酸もしくはオクタン酸トリグリセリド、カプリル/カプリン酸トリグリセリド;流動パラフィンおよびそれらの誘導体、石油ゼリー、ポリデセン、ならびにParleamなどの水素化ポリイソブテンなどの、鉱物もしくは合成由来の直鎖もしくは分枝状炭化水素;特に脂肪酸の、合成エステルおよびエーテル、例えばPurcellin油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシル、またはイソステアリン酸イソステアリル;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、マール酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、ならびにヘプタン酸、オクタン酸、およびデカン酸脂肪族アルキル;多価アルコールエステル、例えばプロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、またはジエチレングリコールジイソノナノエート;ならびにペンタエリトリトールエステル;炭素原子12〜26個を含有する脂肪族アルコール、例えばオクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、または2-ウンデシルペンタデカノールを挙げることもできる。
【0099】
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、またはアセトンなどの室温で液体であるケトン;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、またはジプロピレングリコールモノn-ブチルエーテルなどの室温で液体であるプロピレングリコールエーテル;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸n-ブチル、または酢酸イソペンチルなどの短鎖エステル(合計で炭素原子3〜8個を含有する);ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、またはジクロロジエチルエーテルなどの室温で液体であるエーテル;デカン、ヘプタン、ドデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、またはシクロヘキサンなどの室温で液体であるアルカン;トルエンおよびキシレンなどの室温で液体である芳香族環状化合物;ベンズアルデヒドおよびアセトアルデヒドなどの室温で液体であるアルデヒド;ならびにそれらの混合物を挙げることもできる。
【0100】
揮発性化合物の中では、非シリコーン揮発性油、特にC8〜C16イソパラフィン、例えばイソドデカン、イソデカン、およびイソヘキサデカンを挙げることができる。より優先的には室温で液体である揮発性もしくは不揮発性アルカンを、またより特にデカン、ヘプタン、ドデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、シクロヘキサン、およびイソデカン、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0101】
脂肪相は、本組成物の全重量に対して0.01重量%〜95重量%、好ましくは0.1重量%〜90重量%、より好ましくは10重量%〜85重量%、またより良好には30〜80重量%の範囲における含量で存在できる。
【0102】
本組成物は、親水性相であり水、または水と1種もしくは複数の親水性有機溶媒、例えばアルコール、特に、炭素原子2〜5個を含有する直鎖もしくは分枝状低級一価アルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、またはn-プロパノール、および多価アルコール、例えばグリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコール、およびポリエチレングリコール、あるいは親水性C2エーテル、および親水性C2〜C4アルデヒド、との混合物を含む親水性相を含むこともできる。水、または水と親水性有機溶媒との混合物は、本発明による組成物の全重量に対して0.1重量%〜80重量%、また好ましくは1重量%〜70重量%の範囲における含量で存在できる。
【0103】
本発明による組成物は、ワックスおよび/またはガムを含むこともできる。本発明の目的のため、用語「ワックス」は、最高120℃までとすることができる30℃以上の融点を有し、可逆的な固体/液体状態変化を有する、室温(25℃)で固体である親油性化合物を意味する。このワックスを液体状態とする(融解させる)ことにより、存在できる油と混和可能とし、かつ顕微鏡的に均質な混合物を形成することが可能となるが、この混合物の温度を室温に戻すと、混合物の油中へのワックスの再晶出が得られる。ワックスの融点は示差走査熱量計(DSC)、例えばMettler社により名称DSC 30のもとに販売されている熱量計を使用して測定できる。
【0104】
このワックスは、炭化水素系ワックス、フルオロワックス、および/またはシリコーンワックスとすることができ、また植物、鉱物、動物、および/または合成由来のものとすることができる。特に、このワックスは25℃を超える、またさらに良好には45℃を超える融点を有する。本発明の組成物において使用できるワックスとして、みつろう、カルナウバろう、またはカンデリラろう、パラフィン、微結晶ワックス、セレシンまたはオゾケライト;合成ワックス、例えばポリエチレンワックスまたはフィッシャートロプシュワックス、およびシリコーンワックス、例えば炭素原子16〜45個を含有するアルキルもしくはアルコキシジメチコーンを挙げることができる。
【0105】
ガムは一般に高分子量ポリジメチルシロキサン(PDMS)、またはセルロースもしくは多糖ガムであり、またペースト状物質は一般に炭化水素系化合物、例えばラノリンおよびその誘導体、あるいはPDMSである。
【0106】
固体物質の特性および量は、所望の機械的性質およびテクスチャによって決まる。一指針として、本組成物は、本組成物の全重量に対して0.01重量%〜50重量%、またより良好には1〜30重量%のワックスを含有できる。
【0107】
本発明による組成物は、水溶性染料、脂溶性染料、および粉末状染料から選択した1種または複数の染料、例えば当業者によく知られている顔料、真珠母、およびフレークを含むこともできる。この染料は、本組成物の重量に対して0.01重量%〜50重量%、また好ましくは0.01重量%〜30重量%の範囲における含量で存在できる。
【0108】
用語「顔料」は、任意の形態の白色または着色した、鉱物または有機質粒子であって、生理学的媒質中に不溶であり、かつ本組成物を着色することを意図する粒子を意味するものとして理解すべきである。用語「真珠母」は、任意の形態の真珠光沢粒子であって、特にある種の軟体動物類の貝殻により製造され、さもなければ合成される粒子を意味するものとして理解すべきである。この顔料は白色または着色した、かつ鉱物および/または有機質のものとすることができる。言及できる鉱物顔料の中には、場合によって表面処理した二酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウムが、かつまた酸化亜鉛、酸化鉄(黒色、黄色、もしくは赤色)、または酸化クロム、マンガンバイオレット、群青、クロム水和物およびフェリックブルー、ならびに金属粉末、例えばアルミニウム粉または銅粉、がある。言及できる有機顔料の中には、カーボンブラック、D & Cタイプの顔料、およびコチニールカルミン系またはバリウム、ストロンチウム、カルシウムもしくはアルミニウム系レーキがある。真珠母顔料は、チタン被覆もしくはオキシ塩化ビスマス被覆した雲母などの白色真珠母顔料、酸化鉄被覆したチタン雲母、特にフェリックブルー被覆もしくは酸化クロム被覆したチタン雲母、上述のタイプの有機顔料で被覆したチタン雲母、などの着色した真珠母顔料から、かつまたオキシ塩化ビスマス系真珠母顔料から選択できる。
【0109】
言及できる水溶性染料の中には、ポンソーの二ナトリウム塩、アリザリングリーンの二ナトリウム塩、キノリンイエロー、アマランスの三ナトリウム塩、タートラジンの二ナトリウム塩、ローダミンの一ナトリウム塩、フクシンの二ナトリウム塩、キサントフィル、およびメチレンブルーがある。
【0110】
本発明による組成物は、1種または複数の充填剤を、特に本組成物の全重量に対して0.01重量%〜50重量%の範囲における、また好ましくは0.01重量%〜30重量%の範囲における含量で含むこともできる。用語「充填剤」は、任意の形態における無色もしくは白色の、鉱物または合成粒子であって、本組成物を製造する温度に拘わらず本組成物の媒質に不溶である粒子を意味するものとして理解すべきである。これらの充填剤は、特に本組成物のレオロジまたはテクスチャを改質する役割を果す。これらの充填剤は、結晶形(例えばラメラ状、立方晶、六方晶、斜方晶など)に拘わらず任意の形態、小板形状、球状、または長円形の鉱物または有機物とすることができる。タルク、雲母、シリカ、カオリン、ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末(Atochem社からのOrgasol(登録商標))、ポリ-β-アラニン粉末およびポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー(Teflon(登録商標))の粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素;ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルの中空ポリマーミクロスフェア、例えばExpancel(登録商標)(Nobel Industrie社)、またはアクリル酸コポリマーの中空ポリマーミクロスフェア(Dow Corning社からのPolytrap(登録商標))などの中空ポリマーミクロスフェア;ならびにシリコーン樹脂マイクロビーズ(例えばToshiba社からのTospearls(登録商標))、エラストマーポリオルガノシロキサン粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカミクロスフェア(Maprecos社からのSilica Beads(登録商標))、ガラスまたはセラミックマイクロカプセル、ならびに、炭素原子8〜22個、また好ましくは炭素原子12〜18個を含有する有機カルボン酸由来の金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、またはミリスチン酸マグネシウムを挙げることができる。
【0111】
本組成物は、皮膜形成ポリマーなどの追加的ポリマーを含むこともできる。本発明により、「皮膜形成ポリマー」は、それ自体でまたは補助的皮膜形成剤が存在する状態で、支持体に密着する、特にケラチン物質に密着する、連続的皮膜を形成することが可能なポリマーを意味する。本発明の組成物において使用できる皮膜形成ポリマーの中では、遊離基タイプのまたは重縮合物タイプの合成ポリマー、天然産のポリマー、およびそれらの混合物、特にアクリルポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、およびセルロース系ポリマー、例えばニトロセルロースを挙げることができる。
【0112】
本発明による組成物は、ビタミン、増粘剤、ゲル化剤、微量元素、軟化剤、金属イオン封鎖剤、香料、酸性化もしくは塩基性化剤、保存剤、日焼け止め剤、界面活性剤、酸化防止剤、抜け毛防止剤、フケ防止剤、噴霧剤、およびセラミド、ならびにそれらの混合物などの、化粧品において通常使用される成分を含むこともできる。言うまでもなく、当業者は、これらの場合による追加的化合物、および/またはそれらの化合物の量を選択するためには、本発明による組成物の有利な性状が、考えられた添加によって悪影響を受けないように、または実質的に悪影響を受けないように注意を払うであろう。
【0113】
本発明による組成物は、本質的に懸濁液、分散液、溶液、特に有機質溶液、ゲル、エマルション、特に水中油型(O/W)もしくは油中水型(W/O)エマルション、または多重エマルション(W/O/W、多価アルコール/O/W、もしくはO/W/Oエマルション)の形態における、あるいはクリーム、ペースト、ムース、小胞(vesicle)の、特にイオン性もしくは非イオン性脂質の分散体、二相もしくは多相ローション、スプレー、粉末またはペースト、特に軟質ペースト(特に、コーン/プレート配置における測定10分後の、剪断速度200s-1における25℃での動粘度約0.1〜40Pa.sを有するペースト)の形態におけるものとすることができる。本組成物は、無水とすることができ、例えば本組成物は無水ペーストとすることができる。
【0114】
当業者は、その技術者の一般知識に基づき、第1に使用している成分の特性、特に支持体中へのそれらの成分の溶解性を考慮し、また第2に本組成物の意図する使用を考慮して、適切な生薬形態を、かつまたその形態を調製する方法を選択できる。
【0115】
本発明による組成物は、メークアップ組成物、特にファンデーション、メークアップルージュ、またはアイシャドウなどの顔色用製品;口紅、またはリップケア製品などの唇用製品;コンシーラ(隠蔽剤)製品;頬紅、マスカラ、またはアイライナー;眉毛メークアップ製品、リップペンシル、またはアイペンシル;ネイルエナメル、またはネイルケア製品などの爪用製品;ボディメークアップ製品;ヘアメークアップ製品(ヘアマスカラ、またはヘアラッカー)とすることができる。
【0116】
本発明による組成物は、顔、首、手、または体の皮膚を保護またはケアする組成物、特に、皮膚が輝いて見えるようにする皺防止または抗疲労組成物、あるいは保湿用またはトリートメント用組成物;日焼け止め、またはセルフ-タンニング(自己-日焼け)組成物とすることができる。
【0117】
本発明による組成物は、特に髪型を保持する、または毛髪を成形する、毛髪製品とすることもできる。この毛髪組成物は、シャンプー、毛髪セット用ゲルまたはローション、ブロー-ウェービングローション、またはラッカーまたはスプレーなどの固定およびスタイリング組成物とするのが好ましい。蒸発した形態でまたはムースの形態で本組成物を適用するために、このローションを種々の形態として、特に霧吹きもしくはポンプディスペンサ瓶として、またはエーロゾル容器として、包装できる。例えば毛髪を固定しまたは処理するためのスプレーまたはムースの入手が所望される場合、このような包装形態を指示している。
【0118】
本発明の主題はまた、ケラチン物質、特に体または顔面の皮膚、爪、毛髪、および/または睫毛をメークアップし、クレンジングし、日光から保護し、成形し、染色し、またはケアする美容方法であって、上記において定義した化粧品組成物の前記物質への適用を含む方法でもある。
【0119】
例示として示している以下の実施例において、本発明をより大きく詳細に説明している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0120】
(実施例1〜4)
1/可溶性ブロックの合成
隔壁を取り付けたRotaflo(登録商標)丸底フラスコ中において攪拌することにより、混合物の種々の成分(モノマー、移動剤、および開始剤)を接触させ、かつ均質化させる。次いで、このフラスコを液体窒素中に導入し、混合物が凍結すると直ぐに、1分間真空下に置く。次いで、この混合物を融解し、残留酸素を放出する。この混合物から酸素を除去するように、この凍結/融解サイクルを5回繰り返す。次いで、このフラスコを温度調節器により80℃に保持した油浴中に導入する。変えられる反応時間の後で、このフラスコを取り出し、冷水流のもとで冷却する。こうして得られたブロック、即ち、官能化されたポリ(アクリル酸2-エチルヘキシル)、TBD(tert-ブチルジチオベンゾエート)、またはTTC(ビス(2-エチルヘキシル)-2,2'-(トリチオカーボネート)ジプロパノエート)のいずれかを、冷メタノールから2回析出させ、次いで減圧したガラス鐘(bell jar)下で乾燥させる。
【0121】
【表1】

【0122】
【表2】

【0123】
2/不溶性ブロックの合成、分散体の形成
隔壁を取り付けたRotaflo(登録商標)丸底フラスコ中において攪拌することにより、混合物の種々の成分(モノマー、可溶性ブロック、開始剤、および溶媒)を接触させ、かつ均質化させる。次いで、このフラスコを液体窒素中に導入し、混合物が凍結すると直ぐに、1分間真空下に置く。次いで、この混合物を融解し、残留酸素を放出する。この混合物から酸素を除去するように、この凍結/融解サイクルを5回繰り返す。次いで、このフラスコを温度調節器により80℃に保持した油浴中に導入する。変えられる反応時間の後で、このフラスコを取り出し、冷水流のもとで冷却する。こうしてブロックコポリマーの分散体が得られる。
【0124】
実施例1および2は、ジブロックコポリマーに関し、また実施例3および4は、可溶-不溶-可溶タイプのトリブロックコポリマーに関する。
【0125】
【表3】

【0126】
(実施例5)
隔壁を取り付けたRotaflo(登録商標)丸底フラスコ中において攪拌することにより、アクリル酸2-エチルヘキシル(4g)、TBD(tert-ブチルジチオベンゾエート、52.5mg)、およびTrigonox 21S(18mg)を接触させ、かつ均質化させる。次いで、このフラスコを液体窒素中に導入し、混合物が凍結すると直ぐに、1分間真空下に置く。次いで、この混合物を融解し、残留酸素を放出する。この混合物から酸素を除去するように、この凍結/融解サイクルを5回繰り返す。次いで、このフラスコを温度調節器により80℃に保持した油浴中に導入する。6時間反応させた後、注射器により試料を採取し(ブロック1e)、次いで、前もって窒素でスパージする(30分)ことにより脱気したアクリル酸メチル(6.72g)/T21S(17.5mg)/イソドデカン(21.45g)混合物をカニューレ(套管)により導入する。このフラスコを、80℃における浴内でさらに22時間そのままにする。次いで、このフラスコを冷水流のもとで冷却する。イソドデカン中におけるポリマー粒子の分散体が得られる。
【0127】
【表4】

【0128】
(実施例6)
実施例1〜5の分散体の特性付け
【0129】
【表5】

【0130】
変換率は、可溶性ブロックについては1H NMRにより、また不溶性ブロックについては重量法により測定している。
【0131】
分子質量は、線状ポリスチレン標準を用いTHFにおけるGPCにより測定している。
【0132】
平均粒子直径は、溶媒の屈折率および粘度を考慮して、Malvern Nano-S90機を用い動的光散乱により測定している。
【0133】
(実施例7)
マスカラ組成物
下記の組成を有するマスカラを調製した:
ワックス 17g
変性ヘクトライト(Elementis社のBentone(登録商標)38V) 5.3g
プロピレンカーボネート 1.7g
充填剤 1g
顔料 5g
実施例1のポリマー分散体 10g DM*
イソドデカン 100gとするのに十分な量
注*DM:乾燥物
【0134】
このマスカラは、睫毛につけた後、非常に満足されると判定される。
【0135】
(実施例8)
口紅のスティック
下記の口紅組成物を調製する:
ワックス 15%
実施例2のポリマー分散体 10% DM
不揮発性炭素系油 26%
顔料 8.6%
イソドデカン 100%とするのに十分な量
【0136】
得られた組成物は、唇に塗布した後、良好な化粧性状を有している。
【0137】
(実施例9)
W/O型ファンデーション
以下の化合物を含むファンデーション組成物を調製する:
相A
セチルジメチコーンコポリオール 3g
(Goldschmidt社のAbil EM 90)
コハク酸イソステアリルジグリセリル 0.6g
(Condea社のImwitor 780K)
イソドデカン 18.5g
顔料 10g
(疎水性酸化鉄および酸化チタン)
実施例3のポリマー分散体 8g DM
充填剤 8g
香料 十分な量
相B
水 100gとするのに十分な量
硫酸マグネシウム 0.7g
保存剤(メチルパラベン) 十分な量
相C
水 2g
保存剤(ジアゾリニル尿素) 十分な量
【0138】
得られた組成物は、良好な化粧性状を有している。
【0139】
(実施例10)
コンパクトパウダー
下記の組成を有するコンパクトパウダーを調製する:
組成物A:
タルク 30g
オキシ塩化ビスマス 10g
ステアリン酸亜鉛 4g
Nylon粉末 20g
実施例4の分散体 5g
組成物B:
酸化鉄 2g
液体石油ゼリー 6g
【0140】
このパウダーは次の方法で得る:Kenwood型ミル内でゆっくり攪拌しながら組成物Aを約5分間粉砕し、組成物Bを添加し、また同一速度で混合物を約2分間粉砕し、次いでより速い速度で約3分間粉砕する。次いで、調製物は0.16mm篩を通して篩い、次いでこの混合物をコンパクトケース内に圧縮する。
【0141】
良好な化粧性状を有するコンパクトパウダーを得る。得られた組成物は、塗布するのが容易でかつ快適である。数時間つけておいた後であっても、その皮膜が皮膚の小皺中に移行しない点が観察される。
【0142】
(実施例11)
顔用ゲル
下記の組成物を調製する:
パルミチン酸イソプロピル 10g
石油ゼリー(ワックス) 5g
改質ヘクトライト(クレー) 0.15g
オゾケライト(ワックス) 5g
オキシエチレン化ソルビタンヘプタオレエート(40 OE) 5g
実施例5の分散体 75g
【0143】
良好な化粧性状を有するゲルが得られる。
【0144】
(実施例12)
ケアオイル
下記の組成物を調製する:
実施例2の分散体 70g
ホホバ油 15g
ダイズ油 15g
【0145】
体または顔に塗布できるケアオイルが得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品として許容可能な媒質中に、液体炭素系媒質中の少なくとも1種のポリマー粒子の分散体を含む化粧品組成物であって、前記ポリマーが、前記炭素系媒質中に可溶である少なくとも1種の第1のブロックと、前記炭素系媒質中に不溶である少なくとも1種の第2のブロックとを含むコポリマーである組成物。
【請求項2】
コポリマーが、6以下、好ましくは1.05と4の間、特に1.1と3の間、またはさらに1.15と2.5の間の質量多分散性指数(Ip)を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
コポリマーが線状であり、かつジブロックタイプのものである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
不溶性のブロックが、コポリマーの全重量に対して30〜97重量%、特に40〜95重量%、またはさらに50〜93重量%、より良好には60〜92重量%、より良好には75〜90重量%に相当し、可溶性ブロックが、コポリマーの全重量に対して3〜70重量%、特に5〜60重量%、またはさらに7〜50重量%、より良好には8〜40重量%、より良好には10〜25重量%に相当する、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
コポリマーが、単独でまたは混合物として、下記のモノマー:
式CH2=C(CH3)-COOR1のメタクリル酸エステル(式中、R1は、ラウリル、ベヘニル、またはステアリルなどの直鎖または分枝状C8〜C22アルキル基、あるいはイソボルニルなどの炭素原子8〜30個を含有する環状アルキル基を表し、あるいはR1はtert-ブチル基を表す);
式CH2=CH-COOR2のアクリル酸エステル(式中、R2は、ラウリル、ベヘニル、2-エチルヘキシル、またはステアリルなどの直鎖または分枝状C8〜C22アルキル基、あるいはイソボルニルなどの炭素原子8〜30個を含有する環状アルキル基を表し、あるいはR2はイソブチル基を表す);
式CH2=C(CH3)-CONR3R4またはCH2=CH-CONR3R4の(メタ)アクリルアミド(式中、R3は水素原子、または直鎖もしくは分枝状C1〜C12アルキル基を表し、R4は、イソオクチル、イソノニル、またはウンデシル基などの直鎖もしくは分枝状C8〜C12アルキル基を表す);
式CH2=C(CH2-COO(CH2)n-1-CH3)-COO(CH2)n-1-CH3のジ-n-アルキルイタコン酸エステル(nは5以上、特に5〜12の整数である);
式R5-CO-O-CH=CH2のビニルエステル(式中、R5は直鎖または分枝状C8〜C22アルキル基を表す);
ビニルアルコールのエーテル、および式R6O-CH=CH2のアルコールのエーテル(式中、R6は、炭素原子8〜22個を含有する直鎖もしくは分枝状アルキル基を表す);
エチレン性モノマー(エステル基はシランまたはシロキサンを含有し、(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのケイ素原子1個だけを含有する);
重合可能な末端基を有する炭素系マクロモノマー、例えば:
(i)ビニルまたは(メタ)アクリル酸エステル基から選択される重合可能な末端基を含有する、直鎖または分枝状C6〜C22、好ましくはC8〜C18の(メタ)アクリル酸アルキルホモポリマーおよびコポリマー、それらの中で特に、モノ(メタ)アクリル酸エステル末端基を含有するポリ(アクリル酸2-エチルヘキシル)マクロモノマー;モノ(メタ)アクリル酸エステル末端基を含有するポリ(アクリル酸ドデシル)マクロモノマーまたはポリ(メタクリル酸ドデシル)マクロモノマー;モノ(メタ)アクリル酸エステル末端基を含有するポリ(アクリル酸ステアリル)マクロモノマーまたはポリ(メタクリル酸ステアリル)マクロモノマーを挙げることができる;
(ii)エチレン性不飽和末端基を有するポリオレフィン、特に、(メタ)アクリル酸エステル末端基を有するポリオレフィン、特に(メタ)アクリル酸エステル末端基を含有すると理解されている下記のマクロモノマー:ポリエチレンマクロモノマー、ポリプロピレンマクロモノマー、ポリエチレン/ポリプロピレンコポリマーのマクロモノマー、ポリエチレン/ポリブチレンコポリマーのマクロモノマー、ポリイソブチレンマクロモノマー、ポリブタジエンマクロモノマー;ポリイソプレンマクロモノマー;ポリブタジエンマクロモノマー;ポリ(エチレン/ブチレン)-ポリイソプレンマクロモノマー
から選択される少なくとも1種の可溶性モノマーを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
可溶性モノマーが、
式CH2=C(CH3)-COOR1のメタクリル酸エステル(式中、R1は、ラウリル、ベヘニル、またはステアリルなどの直鎖または分枝状C8〜C22アルキル基、あるいはイソボルニルなどの炭素原子8〜30個を含有する環状アルキル基を表し、あるいはR1はtert-ブチル基を表す);
式CH2=CH-COOR2のアクリル酸エステル(式中、R2は、ラウリル、ベヘニル、2-エチルヘキシル、またはステアリルなどの直鎖または分枝状C8〜C22アルキル基、あるいはイソボルニルなどの炭素原子8〜30個を含有する環状アルキル基を表し、あるいはR2はイソブチル基を表す);
およびそれらの混合物
から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
可溶性モノマーが、アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、アクリル酸イソブチル、およびメタクリル酸tert-ブチル、ならびにそれらの混合物から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
コポリマーが、単独でまたは混合物として、下記のモノマー:
(i)式CH2=C(CH3)-COOR'1またはCH2=CH-COOR'1の(メタ)アクリル酸エステル(式中、R'1は、
炭素原子1〜6個を含有する直鎖または分枝状アルキル基、前記基はその鎖内に、O、N、およびSから選択された1つまたは複数のヘテロ原子を含んでもよく;かつ/または-OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br、またはI)、および-NR'R"(R'およびR"は、同一または異なっていてよく、直鎖もしくは分枝状C1〜C4アルキルから選択され;かつ/または少なくとも1種のポリオキシアルキレン基、特にC2〜C4アルキレン、特にポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレンで置換されていてもよく、前記ポリオキシアルキレン基は、5〜30個のオキシアルキレン単位の反復からなり;メタクリル酸tert-ブチルおよびアクリル酸イソブチルはこの定義から除外される)から選択された1つまたは複数の置換基を含んでもよく;
炭素原子3〜6個を含有する環状アルキル基、前記基はその鎖内に、O、N、およびSから選択された1つまたは複数のヘテロ原子を含んでもよく、かつ/またはOH、およびハロゲン原子(F、Cl、Br、またはI)から選択された1つまたは複数の置換基を含んでいてもよい
から選択された基を表す);
(ii)式:CH2=C(CH3)-CONR'3R'4またはCH2=CH-CONR'3R'4の(メタ)アクリルアミド
(式中、
R'3およびR'4は、同一または異なっていてよく、水素原子、または炭素原子1〜6個を含有する直鎖もしくは分枝状アルキル基を表し、前記アルキル基は-OH、ハロゲン原子(F、Cl、Br、またはI)、および-NR'R"から選択された1つまたは複数の置換基を含んでもよく、R'およびR"は、同一または異なっていてよく、直鎖または分枝状C1〜C4アルキルから選択され;あるいは
R'3は水素原子を表し、R'4は、1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表す);
(iii)クロトン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、およびアクリルアミドプロパンスルホン酸、ならびにそれらの塩などの少なくとも1つのカルボン酸、リン酸またはスルホン酸官能基を含むエチレン性不飽和モノマー;
(iv)式:R'6-COO-CH=CH2のビニルエステル(式中、R'6は、炭素原子1〜6個を含有する直鎖もしくは分枝状アルキル基、または炭素原子3〜6個を含有する環状アルキル基、および/あるいは例えばベンゼン、アントラセン、またはナフタレンタイプの芳香族基を表す);
(v) 2-ビニルピリジン、または4-ビニルピリジン、およびそれらの混合物などの少なくとも1つの第三級アミン官能基を含むエチレン性不飽和モノマー;
(vi)スチレンおよびその誘導体;
(vii)式CH2=C(CH2-COO(CH2)n-1-CH3)-COO(CH2)n-1-CH3のジ-n-アルキルイタコン酸エステル(nは0〜4の整数である);
(viii)エステル基がシラン、シルセスキオキサン、シロキサン、またはカルボシロキサンデンドリマーを含有するエチレン性モノマー、但し、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのケイ素原子1個だけを含有するモノマーは除く;
(ix)PDMSマクロモノマー、例えばモノアクリロイルオキシまたはモノメタクリロイルオキシ末端基を含むポリジメチルシロキサン、特に次式:
【化1】

(式中、
R8は、水素原子またはメチル基、好ましくはメチルを示し、
R9は、炭素原子1〜10個を含有し、場合によって1つまたは2つのエーテル結合-O-を含む、直鎖または分枝状、好ましくは直鎖状の二価炭化水素系基、好ましくはエチレン、プロピレン、またはブチレンを示し、
R10は、炭素原子1〜10個、特に炭素原子2〜8個を含有する直鎖または分枝状アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、またはペンチルを示し、
nは、1〜300の範囲にある、好ましくは3〜200の範囲にある、優先的には5〜100の範囲にある整数を示す)を有するポリジメチルシロキサン;
(x)(メタ)アクリル酸エステル官能基により官能化されたオリゴペプチド
ならびにそれらの塩および混合物からも選択される少なくとも1種の不溶性モノマーを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
不溶性モノマーが:
式CH2=C(CH3)-COOR'1またはCH2=CH-COOR'1の(メタ)アクリル酸エステル、特に、(メタ)アクリル酸メチル、エチル、プロピルまたはブチル;(メタ)アクリル酸イソブチル;(メタ)アクリル酸メトキシエチルまたはエトキシエチル;メタクリル酸トリフルオロエチル;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、またはアクリル酸2-ヒドロキシエチル;
少なくとも1つのカルボン酸官能基を含むエチレン性不飽和モノマー、特に(メタ)アクリル酸、およびそれらの塩;
無水マレイン酸;
エステル基がシランを含むエチレン性モノマー;
モノアクリロイルオキシまたはモノメタクリロイルオキシ末端基を含むポリジメチルシロキサンであって、次式:
【化2】

(式中、
R8は、水素原子またはメチル基、好ましくはメチルを示し、
R9は、炭素原子1〜10個を含有し、場合によって1つまたは2つのエーテル結合-O-を含む、直鎖または分枝状、好ましくは直鎖状の二価炭化水素系基、好ましくはエチレン、プロピレン、またはブチレンを示し、
R10は、炭素原子1〜10個、特に炭素原子2〜8個を含有する直鎖または分枝状アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、またはペンチルを示し、
nは、1〜300の範囲にある、好ましくは3〜200の範囲にある、優先的には5〜100の範囲にある整数を示す)を有するもの
から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
不溶性モノマーが、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、(メタ)アクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、(メタ)アクリルオキシメチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、および(メタ)アクリルオキシメチルビス(トリメチルシロキシ)メチルシランから選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
炭素系媒質が、炭素系媒質の全重量に対して少なくとも50重量%、特に50重量%〜100重量%、例えば60重量%〜99重量%、またはより良好には65重量%〜95重量%、またはさらに70重量%〜90重量%の25℃で液体であり、20(MPa)1/2以下のハンセン溶解度空間による全溶解パラメータを有する炭素系化合物、またはこのような化合物の混合物を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
炭素系化合物が、単独でまたは混合物として:
多価アルコールの脂肪酸エステルにより形成される植物油、特に、ヒマワリ油、ゴマ油、ナタネ油、マカダミア油、ダイズ油、スイートアーモンド油、ビューティーリーフ油、パーム油、グレープ種子油、トウモロコシ油、アララ油、綿実油、杏仁油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油、または穀物胚芽油などのトリグリセリド;
6個を超える炭素原子、特に炭素原子6〜30個を含有する直鎖、分枝、または環状エステル;特にイソノナン酸イソノニル;より特に、式RCOOR'のエステル(式中、Rは炭素原子7〜19個を含有する高級脂肪酸残基を表し、R'は炭素原子3〜20個を含有する炭化水素系鎖を表す)、例えばパルミチン酸エステル、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、および安息香酸エステル、特にアジピン酸ジイソプロピル、およびミリスチン酸イソプロピル;
炭化水素、特に揮発性または不揮発性の直鎖、分枝、および/または環状アルカン、例えばイソドデカンなどの場合によって揮発性のC5〜C60イソパラフィン、Parleam(水素化ポリイソブテン)、イソヘキサデカン、シクロヘキサン、または「Isopar」製品;あるいは流動パラフィン、液体石油ゼリー、または水素化ポリイソブチレン;
6個を超える炭素原子、特に炭素原子6〜30個を含有するエーテル;
6個を超える炭素原子、特に炭素原子6〜30個を含有するケトン;
炭素原子6〜30個を含有する脂肪族一価アルコール、炭化水素系鎖がいかなる置換基も含まない一価アルコール、例えばオレイルアルコール、デカノール、ドデカノール、オクタデカノール、オクチルドデカノール、およびリノレイルアルコール;
特に炭素原子6〜30個を含有する多価アルコール、例えばヘキシレングリコール;
それらの混合物
から選択される、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
炭素系化合物が、単独でまたは混合物として、ミリスチン酸イソプロピル、オクチルドデカノール、C5〜C60イソパラフィン、イソヘキサデカン、およびイソノナン酸イソノニルから選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
分散体が:
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート)、
ポリ(イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート)、
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート)、
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(イソボルニルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(イソブチルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(イソブチルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(イソブチルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(イソブチルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(イソブチルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(イソブチルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート)-b-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート)-b-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)-b-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(メチルアクリレート)-b-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート-co-アクリル酸)
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)-b-ポリ(メチルアクリレート-co-アクリル酸)-b-ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-イソボルニルアクリレート)
の粒子の分散体である、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
分散体が、アルカン中、特にイソドデカン中の分散体である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
分散体が、組成物の全重量に対して0.1重量%〜90重量%、好ましくは0.5重量%〜80重量%、特に1重量%〜75重量%、またはさらに5重量%〜70重量%の量で存在する、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
メークアップ組成物、特にファンデーション、メークアップルージュ、またはアイシャドウなどの顔色用製品;口紅、またはリップケア製品などの唇用製品;コンシーラ製品;頬紅、マスカラ、またはアイライナー;眉毛メークアップ製品、リップペンシル、またはアイペンシル;ネイルエナメル、またはネイルケア製品などの爪用製品;ボディメークアップ製品;ヘアメークアップ製品(ヘアマスカラ、またはヘアラッカー);顔、首、手、または体の皮膚を保護またはケアする組成物、特に、皮膚が輝いて見えるようにする皺防止または抗疲労組成物、または保湿用もしくはトリートメント用組成物;日焼け止め、またはセルフ-タンニング組成物;特に髪型を保持する、または毛髪を成形する毛髪製品の形態である、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
ケラチン物質、特に体または顔面の皮膚、爪、毛髪、および/または睫毛をメークアップし、クレンジングし、日光から保護し、成形し、染色し、またはケアする美容方法であって、請求項1から17のいずれか一項に記載の化粧品組成物の前記物質への適用を含む方法。

【公開番号】特開2006−213717(P2006−213717A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−27484(P2006−27484)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】