説明

ポリ乳酸のモノマー化方法

【課題】 生分解プラスチックであるポリ乳酸を含有する物質からポリ乳酸のリサイクル処理を行うために,ポリ乳酸を分解して可溶化しモノマー乳酸として回収するための好適な方法及び装置等を提供することにある。
【解決手段】 L型,D型あるいはL型とD型を任意の比で含むポリ乳酸1質量部に対して,0.2以上の質量部の溶液状態の水の存在下において,200℃未満で処理することによりモノマー乳酸を得ることが出来る。ポリ乳酸のL型とD型が相互に転移するのを制御して,L型とD型の比率がポリ乳酸のL型,D型の比率を保持したものから1:1のものまでの間で任意の比率のモノマー乳酸を得ることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリ乳酸をモノマー化する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリ乳酸とはヒドロキシ酸の一種である乳酸(C)を単位として複数の乳酸が結合して高分子となったプラスチックである。ポリ乳酸は植物から抽出したデンプン・糖類を発酵させてできる乳酸を原料として生産することが出来,自然界において微生物の作用により分解される生分解プラスチックとして知られており,将来的に使用量の増大が見込まれる。また乳酸はL型,D型といった光学異性体をもつ分子でありポリ乳酸もL乳酸,D乳酸を原料とするポリL乳酸,ポリD乳酸およびそれらの混合物からなるポリD,L乳酸がある。
【0003】
ポリ乳酸のモノマー化方法としては,アルカリによる加水分解や酸分解が以前より提案されているが,分解後の分離精製に手間と費用を要し再利用のための処理方法としては不都合がある。このため水だけを用いて高温高圧下でのモノマー化する方法が提案されている。(特許文献1,特許文献2)これらによると高温高圧下での水との反応がポリ乳酸をモノマー化する方法として優れていることが示されているが,反応条件がモノマー化後の光学異性体比率の存在比率に及ぼす影響については考察されていない。
【0004】
しかしながら,光学異性体比率の異なる乳酸から合成されたポリ乳酸の特性は大きく異なり,ポリ乳酸のリサイクルを考える際にモノマー化後の光学異性体比率は重要である。したがって,その光学異性体比率を制御できる技術が求められている。ポリL乳酸からL乳酸のみを得る方法として,約200℃〜約350℃の温度でポリL乳酸の質量部1に対して質量部20の水と反応させてL乳酸を得る方法(特許文献3)があるが,反応が早く進むためDL比率を制御することが困難である。また200℃以上で反応を行うということはポリ乳酸以外の物質も分解させてしまう可能性が高く,ポリ乳酸のみを回収したいという目的には適さない場合が考えられる。さらに,この方法はポリ乳酸に対して20倍という多量の水を必要とする。また,酵素を用いてポリ乳酸を分解しL乳酸のみを得る方法(特許文献4)も考案されているが,操作が煩雑となり多くの費用を要する。
【0005】
さらに近年は,ポリ乳酸を含有する他の高分子化合物との複合ポリマーも使用されており,その中からポリ乳酸のみを選択的にモノマー化する技術も求められている。
【特許文献1】米国特許第5,229,528号明細書
【特許文献2】特開平7−11044号公報
【特許文献3】特開2003−300927号公報
【特許文献4】特開2004−269566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は,生分解プラスチックであるポリ乳酸を含有する物質からポリ乳酸のリサイクル処理を行うためにポリ乳酸を分解して可溶化しモノマー乳酸(モノマーの他直鎖および環状オリゴマーを含む)として回収するための好適な方法及び装置等を提供することにある。前述したようにモノマー乳酸には,L型とD型との二種類の光学異性体がある。モノマーとしてはいずれの光学異性体もあり得るが,再利用の観点から目的とする一定の比率であることが望ましい。またポリ乳酸を含有する物質を処理する際にモノマー乳酸のみを選択的に可溶化して回収できることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は,ポリ乳酸のモノマー化反応を高温かつ溶液状態の水の存在下で行い,その際に好ましい温度ならびに時間を設定して反応を進行させることにより,得られるモノマー乳酸の光学異性体比率を制御し,リサイクル時に必要とされる光学異性体比率を持ったモノマー乳酸を得ることが出来る。
【0008】
本発明は,ポリ乳酸の原料である乳酸の製造方法や乳酸からポリ乳酸を合成する方法には依らずに実施することが出来る。また,ポリ乳酸を含有する物質からも単独のポリ乳酸と同様にモノマー乳酸を得ることが出来る。
【0009】
本発明は,L型,D型あるいはL型とD型を任意の比で含むポリ乳酸に対して実施することが出来る。また本発明の実施によって,ポリ乳酸のL型とD型が相互に転移するのを制御して,L型とD型の比率がポリ乳酸のL型,D型の比率を保持したものから1:1のものまでの間で任意の比率のモノマーの乳酸を得ることが出来る。
【0010】
ポリ乳酸をモノマー乳酸へ分解する際に必要な水の量は,ポリ乳酸の質量部1に対して質量部0.2〜20である。
【0011】
「高温」とは100℃以上を意味している。このうち好ましくは約140℃,さらに好ましくは約170℃である。上限温度は,ポリ乳酸及びポリ乳酸を含有する物質を構成しているポリ乳酸以外の成分が分解等の反応を受けてモノマー乳酸以外の成分が水に溶け出すことがない温度である約200℃,好ましくは約190℃である。
【0012】
「溶液状態の水」とはその温度の蒸気圧以上の圧力下で存在する水のことである。これを得るためには,152.4℃で5atm以上,180.5℃で10atm以上の圧力が必要となる。耐圧密封容器を反応容器として使用することによりこの状態を作っているが,本発明の実施にはこの例に制限されず,適当な方法及び装置(高温蒸気や外部加熱を用いて系内の高温状態の水をポリ乳酸と接触させる装置を含む)で溶液状態の水を得ることが出来る。
【0013】
「好ましい時間」とは,温度に依存して変わり得るが,後述する実施例に依って約140℃で約8時間以上,約150℃で約4時間以上,約170℃で約2時間以上である。また約160℃で約40時間以上,約170℃で約16時間以上,約190℃で約8時間以上においてL型とD型の転移反応が生じ,最終的にはL型とD型の比率が1:1のモノマー乳酸を得ることが出来る。また,反応時間を温度毎に適宜制御することにより目的のL型,D型比率のモノマー乳酸を得ることが出来る。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると,ポリ乳酸がモノマー乳酸以外に分解しない200℃までの温度範囲において処理を行い,ポリ乳酸を分解して可溶化しモノマー乳酸として回収すること(請求項1)が出来る。
【0015】
また,発明の範囲内で反応温度と反応時間を設定することにより,ポリ乳酸のL型とD型の比率を保持した状態でモノマー乳酸を回収すること(請求項2)と,ポリ乳酸のL型とD型が相互に転移するのを制御して,生成するモノマー乳酸のL型とD型の比率が,もとのポリ乳酸のL型とD型の比率を保持したものから1:1のものまでの間で,任意の比率で回収すること(請求項3)が出来る。
【0016】
さらに,従来技術より低い温度で反応を進行させるため,ポリ乳酸と他の物質が複合したもの(例:ポリ乳酸とポリエチレンテレフタレートの混合ポリマーなど)を処理する際に,モノマー乳酸のみを選択的に可溶化して回収できる(請求項4〜請求項6)。また,本発明は反応を耐圧密封容器を用いて容易に実施すること(請求項7)も可能である。
【0017】
本発明の結果,生分解プラスチックであるポリ乳酸のリサイクルを効果的に進めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は,反応容器に一定比率の水とポリ乳酸もしくはポリ乳酸を含有する物質を入れて処理を行う。容器を温度200℃未満に加熱し一定時間処理を行う。なおこの処理時間は目的とする光学異性体比率によって任意の時間を設定することとする。
【0019】
上記操作の後,分解物を含む溶液をろ過して固形分を分離する。ろ過後の溶液から水分を除去することにより高純度のモノマー乳酸を得ることが出来る。また本発明の方法によりポリ乳酸から得られた乳酸を原料として再度ポリ乳酸の合成を行い,ポリ乳酸が合成できたことを確認した。
【0020】
ポリ乳酸としてレイシアH−100J(三井化学社製)ペレットを用いたが,成型品としてポリ乳酸を原料とする紐(ラクトロン)を用いて幾つかの条件で試験を行いペレットの場合と同様の結果を得た。
【0021】
ポリ乳酸から加水分解によってモノマー乳酸が生じる際には,ポリ乳酸の質量部1に対して質量部約1.25のモノマー乳酸が生じる。本明細書においては,ポリ乳酸の質量部1に対してモノマー乳酸の質量部1.25回収できた場合の回収率を100%として計算を行った。
【実施例1】
【0022】
ポリ乳酸と溶液状態の水との反応を温度,時間,ポリ乳酸と水の比率といった条件を変えて操作を行い反応後の生成物を調べた。反応容器として容量25mLの耐圧密封容器を使用した。なお実施例1で用いた測定条件は以下のとおりである。
【0023】
(1)反応の温度依存性についての測定
ポリ乳酸と溶液状態の水との反応を調べるため示差走査熱量計を用いた測定を行った。測定条件は示差走査熱量計:DSC6200(セイコーインスツルメント社製),使用容器:密閉試料容器 銀製 開放試料容器 アルミニウム製,測定温度範囲:50℃〜240℃,昇温速度:5℃/分,炉内雰囲気:窒素40mL/分で行った。
【0024】
(2)有機酸成分の測定
乳酸の量とポリ乳酸が分解した際に生成が予想される低分子量有機酸(ぎ酸,酢酸,プロピオン酸)量の測定を行った。測定はイオンクロマトグラフィーを用いて行った。測定条件はクロマトグラフィーシステム:DX500(ダイオネクス社製),カラム:AS11,溶離液:0.25mM水酸化ナトリウム,流速1.2mL/分,検出:電気伝導度で行った。
【0025】
(3)乳酸の光学異性体比率の測定
ポリ乳酸を分解して生成したモノマー乳酸の光学異性体比率をキャピラリー電気泳動法と酵素を使用した吸光光度法で測定した。キャピラリー電気泳動の測定条件はキャピラリー電気泳動システムG600A(アジレント社製),キャピラリー:CEPコーティング内径75μm全長97cm有効長72cm,測定温度:18℃,印加電圧:−30kV,泳動液:2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン240mMを含むpH6りん酸緩衝液90mMで行った。また吸光光度法はL乳酸/D乳酸測定キット(F−キットL乳酸/D乳酸ベーリンガー・マンハイム製)を使用した。
【0026】
密閉試料容器内にポリ乳酸と水それぞれ3mgを入れたものを試料として,示差走査熱量計を用いて測定したところ,図1に示すように約140℃に吸熱ピークが観測された。同一の試料を約240℃迄加熱後に,室温まで冷却し再び加熱したところ約140℃で観測された吸熱ピークは測定されなかった。またポリ乳酸のみを開放試料容器で加熱したところ,図2に示すように約160℃に吸熱ピークが観測された。こちらの吸熱ピークは同一の試料を約240℃迄加熱後に室温まで冷却し再び加熱したところ,ほぼ同じ温度に吸熱ピークが見られた。これらの結果からポリ乳酸と溶液状態の水との反応が約140℃以上で生じ,この反応は不可逆的であることが分かった。
【0027】
乳酸の生成に対する反応温度の影響を見るためにポリ乳酸1gと水1gを反応容器に入れ,反応時間8時間で120℃〜200℃におけるモノマー乳酸の回収率を調べたところ,表1に示すような結果を得た。反応温度約140℃以上で乳酸の回収率が90%以上となった。特に反応温度140℃〜170℃では95%以上の回収率を得ることが出来た。これは前述の示差走査型熱量計による測定結果から予測されたとおりの結果であった。また,約200℃迄の温度範囲において乳酸以外の有機酸が生成しないことが確認できた。
【0028】
【表1】

【0029】
ポリL乳酸と水それぞれ1gを反応容器に入れ,温度約140℃〜約195℃で2時間〜48時間反応させた。モノマー乳酸全体に占めるD乳酸の比率を測定したところ,表2〜5に示す結果を得た。
【0030】
【表2】

【0031】
【表3】

【0032】
【表4】

【0033】
【表5】

【0034】
反応温度約140℃でのモノマー乳酸の回収率は,反応時間が2時間では1%未満,4時間で5%だったが,反応時間が8時間以上で85%以上の値が得られた。反応温度約150℃でのモノマー乳酸の回収率は,反応時間が2時間では1%未満だったが,反応時間が4時間以上で90%以上の値が得られた。光学異性体比率を測定したところ,全ての反応時間で光学異性体比率が保持され100%のL乳酸を得た。
【0035】
反応温度約170℃及び約195℃でのモノマー乳酸の回収率は,全ての反応時間において85%以上の回収率を得た。反応温度約195℃における光学異性体比率は,2時間の反応時間では100%のL乳酸を得たが反応時間を長くするとともにD乳酸の割合が増加し,48時間の反応時間ではL型とD型の比率がほぼ1:1のモノマー乳酸を得た。
【0036】
水の質量部1に対するポリ乳酸を質量部1〜5の範囲で変えて150℃及び195℃で8時間反応させたときのモノマー乳酸の回収率を表6に示す。ここに示すようにポリ乳酸の質量部5に対して水の質量部1の反応においても十分なモノマー乳酸の回収が可能であった。また全ての条件において他の有機酸が生成することはないことを確認した。
【0037】
【表6】

【実施例2】
【0038】
ポリ乳酸と他の高分子素材からなる複合ポリマーの分解についての検討を行った。反応容器として実施例1と同様の反応容器を使用した。反応後実施例1と同様にろ過を行い,ろ液は実施例1と同様の条件で測定を行った。ろ過残渣の組成を調べるために,赤外分光光度計を用いて測定した。測定条件はフーリエ変換赤外分光光度計:Paragon1000(パーキンエルマー社製),測定範囲:4000cm−1〜500cm−1で行った。
【0039】
ポリ乳酸とポリエチレンテレフタレートを質量比1:1に混合して作成したポリマー0.25gに対して水1gを反応容器に入れて150℃で8時間反応させた。反応後にろ過を行いろ液中の乳酸をイオンクロマトグラフィーで測定した。求められたモノマー乳酸の回収率は69.1%だった。ろ紙上の固形分を赤外分光光度計で測定したところポリエチレンテレフタレートが主成分として残っていることが確認された(図3)。
【0040】
ポリ乳酸とポリカーボネートを質量比1:1に混合して作成したポリマー0.25gに対して水1gを反応容器に入れて150℃で8時間反応させた。反応後にろ過を行いろ液中の乳酸をイオンクロマトグラフィーで測定した。求められたモノマー乳酸の回収率は66.1%だった。ろ紙上の固形分を赤外分光光度計で測定したところポリカーボネートが主成分として残っていることが確認された(図4)。
【0041】
上記どちらの分解後のろ液からも乳酸以外の有機酸は検出されず,ポリ乳酸の乳酸以外への分解は認められなかった。ポリ乳酸と混合したポリマーも同様であった。
【実施例3】
【0042】
ポリ乳酸を高温かつ溶液状態の水で分解し,得られた生成物からポリ乳酸の再合成を行った。再合成原料には,ポリ乳酸レイシアH−100J(三井化学社製)1質量部に対し,水1質量部を容量100mLの反応容器に入れて,195℃,4時間の分解を行い,得られた分解物を減圧濃縮したものを原料として用いた。
【0043】
原料10gをナスフラスコに入れ,縮合時に生成した水を分離できるDean Stark trapと同等機能を有するガラス製減圧反応装置に取り付け,スターラーで攪拌しながら50mmHgに減圧し,オイルバス温度150℃で,縮合で生じた水を排出しながら,3時間反応させた。反応終了後,すず粉30mgを加え,再び30mmHg,150℃で3時間さらに反応させた。
【0044】
上記操作の後,ジフェニルエーテル50mLとすず粉130mgを加え,同様に系外に水を排出しながら25mmHg,155℃で3時間還流させた。
【0045】
上記生成物をジフェニルエーテルがモレキュラシーブ3A(充填量約100g)を通って還流するガラス製減圧反応装置に設置し23mmHg,155℃で6時間還流させ水を共沸させながら脱水した。
【0046】
得られたジフェニルエーテル溶液にクロロホルム20mLを加えよく攪拌後,吸引ろ過し,すず粉を除いた。メタノール約200mL中にこのろ液を流し込み,ポリマーを析出させた。4Aろ紙で減圧ろ過し,得られた結晶をメタノール,ヘキサンで順次洗浄した。得られたポリマーを真空デシケータに移し,真空に引きながら約16時間乾燥しポリ乳酸を得た。ポリマーは精製後の重量を計り,収率を測定したところ44.2%であった。
【0047】
フーリエ変換赤外分光光度計:Paragon1000(パーキンエルマー社製),測定範囲:4000cm−1〜500cm−1で赤外吸収スペクトルを測定し,生成物がポリ乳酸であることを確認した(図5)。
【0048】
ポリスチレン換算の平均分子量を調べるため,ゲル浸透クロマトグラフィーを行った。測定条件は,使用カラム(直列接続):HSG−60S,HSG−15S(島津製作所製),検出器:示差屈折計を使用し,ポリスチレン換算平均分子量を求めたところ,数平均分子量4000であった。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】ポリ乳酸3mgと水3mgを密閉容器に入れて測定した示差走査熱量曲線
【図2】ポリ乳酸3mgを開放容器に入れて測定した示差走査熱量曲線
【図3】ポリ乳酸とポリエチレンテレフタレート混合ポリマーの分解後のろ紙上残留物の赤外吸収スペクトル
【図4】ポリ乳酸とポリカーボネート混合ポリマーの分解後のろ紙上残留物の赤外吸収スペクトル
【図5】本発明の方法によりポリ乳酸から分解した乳酸を原料として再合成した物質の赤外吸収スペクトル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ乳酸を,ポリ乳酸の質量部1に対して質量部0.2以上20未満の溶液状態の水の共存下において,温度200℃未満で処理することにより,ポリ乳酸のモノマー化反応以外の反応を抑制しつつ,モノマー乳酸を回収することを特徴とする処理方法。
【請求項2】
請求項1において,ポリ乳酸のL型とD型の比率を保持した状態でモノマー乳酸を回収することを特徴とする処理方法。
【請求項3】
請求項1において,回収されるモノマー乳酸のL型とD型の比率をもとのポリ乳酸のL型とD型の比率が保持されたものから1:1のものまでの間で,任意に設定できることを特徴とする処理方法。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかにおいて,ポリ乳酸を含む物質からポリ乳酸のみを分解し,モノマー乳酸を回収することを特徴とする処理方法。
【請求項5】
請求項4においてポリ乳酸を含む物質が高分子であることを特徴とする処理方法。
【請求項6】
請求項4においてポリ乳酸を含む物質がポリエステルであることを特徴とする処理方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項6に記した反応を耐圧密封容器内で行うことを特徴とする処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−274231(P2006−274231A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−127057(P2005−127057)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(591014710)千葉県 (49)
【Fターム(参考)】