説明

ポリ乳酸を含む多層フィルム

物品は、ポリ乳酸第1層、および第1層に直接隣接する第2層を含む。第2層は、エチレン/不飽和エステルコポリマー、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマー、およびスチレン系ブロックコポリマーのいずれかを含む。物品は収縮チューブであり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年4月27日に出願され、「ポリ乳酸を含む多層フィルム(Multilayer Film Comprising Polylactic Acid)」という名称の米国特許仮出願第60/795632号(代理人整理番号D43993−01US)による優先権および特典を主張し、該仮出願は、参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、ポリ乳酸を含む物品、例えば多層フィルムに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリ乳酸は、生分解性であり、また再生可能資源原料(例えば、トウモロコシ)から製造され得るので、環境にとっていくつかの利点をもたらすポリマーである。フィルムのような多層物品にポリ乳酸を組み入れることは望ましいことであり得る。このような場合において、層の間の接着強度は、所望の用途において使用されるのに十分なだけ強くなければならない。
【発明の開示】
【0004】
(発明の概要)
本発明の1つ以上の実施形態は、上記問題の1つ以上に対処し得る。
【0005】
一実施形態において、物品は、第1および第2の層を備える。第1層はポリ乳酸を含む。第2層は第1層に直接隣接している。第2層は、エチレン/不飽和エステルコポリマーを含み、ここで、このエチレン/不飽和エステルコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量は、第2層の重量に対して少なくとも約35wt%である。
【0006】
別の実施形態において、物品は第1および第2の層を備える。第1層はポリ乳酸を含む。第2層は第1層に直接隣接している。第2層は、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーを含み、ここで、このエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量は、第2層の重量に対して少なくとも約30wt%である。
【0007】
別の実施形態において、物品は第1および第2の層を備える。第1層はポリ乳酸を含む。第2層は第1層に直接隣接している。第2層は、第2層の重量に対して最大で73wt%のスチレンコモノマー含量を有するスチレン系ブロックコポリマーを、第2層の重量に対して少なくとも約30wt%含む。
【0008】
別の実施形態において、収縮チューブ(shrink sleeve)が、第1、第2、および第3の層を備えるフィルムを含む。第1層はポリ乳酸を含む。第2層は第1層に直接隣接している。第2層は、エチレン/不飽和エステルコポリマーを含み、ここで、エチレン/不飽和エステルコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量は、エチレン/不飽和エステルコポリマーの重量に対して少なくとも約20wt%である。第3層は第2層に直接隣接している。第3層は、第3層の重量に対して約50wt%未満のポリ乳酸を含む。このフィルムは、100℃において少なくとも1つの方向に少なくとも約10%の、での自由収縮を有する。
【0009】
(発明の詳細記述)
本発明の実施形態は、本明細書における図面および詳細な説明を参照することによって、より容易に理解され評価される。
【0010】
物品(例えば、フィルム)は、第1および第2の層を備える。第1層はポリ乳酸を含む。第2層は第1層に直接隣接している。第2層は、エチレン/不飽和エステルコポリマー、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマー、および/またはスチレン系ブロックコポリマーを含み得る。第3層は第2層に直接隣接し得る。第1層は、介在層(例えば、第1層と第2層との間の接着層)がない場合、第2層に「直接隣接」している。
【0011】
ポリ乳酸
第1層はポリ乳酸を含む。ポリ乳酸には、以下が含まれる:
(i)乳酸のホモポリマー、モノマー単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、モノマー単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、およびモノマー構造単位がD,L−乳酸(すなわち、様々な比率のD−乳酸およびL−乳酸モノマー単位の混合物(例えば、ラセミ混合物))であるポリ(D,L−乳酸)が含まれる;ならびに
(ii)乳酸のコポリマー、コポリマーの重量に対して少なくとも約50wt%(例えば、少なくともほぼ次のwt%:60、70、80、90wt%の量の乳酸コモノマー含量のいずれか)の乳酸コモノマー含量を有し、乳酸コモノマー以外の1種以上のコモノマーを、コポリマーの重量に対して、ほぼ次の量:50、30、20、および10wt%のいずれかより少ない量で含む。例示的なコモノマーには、乳酸以外のヒドロキシカルボン酸、例えば、次のヒドロキシカルボン酸:グリコール酸、ヒドロキシブチレート(例えば、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸)、ヒドロキシ吉草酸(例えば、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸)、およびヒドロキシカプロン酸(例えば、6−ヒドロキシカプロン酸)の任意の1種以上が含まれる。
【0012】
ポリ乳酸は、例えば、重縮合法によって製造され得る。重縮合法では、例えば、L−乳酸、D−乳酸、またはこれらの混合物、あるいは、乳酸および1種以上の他のヒドロキシカルボン酸が、所望の組成のポリ乳酸を得るために、直接、脱水重縮合され得る。例えば、直接脱水重縮合プロセスにおいて、乳酸または他のヒドロキシカルボン酸は、有機溶媒、例えば、ビフェニルエーテル系溶媒の存在下に、共沸脱水縮合され得る。このような重合反応は、例えば、共沸留去される溶媒から水を除去し、実質的に無水の溶媒を反応系に戻すことによって、進行し得る。
【0013】
ポリ乳酸はまた開環重合法によっても製造され得る。開環重合法においては、ポリ乳酸を得るために、ラクチド(すなわち、乳酸の環状2量体)が重合調節剤および触媒の助けによって重合され得る。ラクチドには、L−ラクチド(すなわち、L−乳酸の2量体)、D−ラクチド(すなわち、D−乳酸の2量体)、DL−ラクチド(すなわち、L−およびD−ラクチドの混合物)、ならびにメソ−ラクチド(すなわち、D−およびL−乳酸の環状2量体)が含まれる。これらの異性体は、所望の組成および結晶性を有するポリ乳酸を得るために、混合され、重合され得る。これらの異性体のいずれかはまた、他の環状2量体(例えば、グリコリド、グリコール酸の環状2量体)ならびに/または環状エステル(例えば、カプロラクトン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、およびバレロラクトン)と開環重合によって共重合され得る。
【0014】
本発明の任意の実施形態において使用されるポリ乳酸の重量平均分子量は、少なくともほぼ:5,000、10,000、15,000、30,000、および100,000のいずれかであり得る;また、最大でほぼ:250,000、300,000、400,000、および1,000,000のいずれかであり得る。市販のポリ乳酸には、NatureWorks LLC(Cargill Corporationの所有)によって販売されているもの、例えば、NatureWorks PLA 4032、4042、および4060の商用名で販売されているものが含まれる。PLA 4032グレードは、1.2から1.6wt%のD異性体モノマー含量を有し、PLA 4042グレードは、3.7から4.8wt%のD異性体モノマー含量を有し、またPLA 4060は、11.0から13.0wt%のD異性体モノマー含量を有すると考えられる。
【0015】
第1層は、第1層の重量に対して、少なくともほぼ次の量:50、60、70、80、および90wt%のいずれかのポリ乳酸(例えば、本明細書に記載されている任意の特定のタイプのポリ乳酸)を含み得る;また、第1層の重量に対して、最大でほぼ次の量:100、95、90、80、70、および60wt%のいずれかのポリ乳酸(例えば、本明細書に記載されている任意の特定のタイプのポリ乳酸)を含み得る。第1層は、ポリ乳酸のみからなる、または実質的にポリ乳酸のみからなり得る。
【0016】
第1層は、第1層の重量に対して、ほぼ:40、30、20、10、5、および1wt%のいずれか未満の量のポリ乳酸以外のポリ(ヒドロキシカルボン酸)を含み得る。第1層は、本質的に、ポリ乳酸以外のポリ(ヒドロキシカルボン酸)を含んでいなくてもよい。
【0017】
エチエン/不飽和エステルコポリマー
第2層は、エチエン/不飽和エステルコポリマーを含み得る。エチレン/不飽和エステルコポリマーには、エチレンと、1種以上の不飽和エステルモノマーとのコポリマーが含まれる。有用な不飽和エステルには、以下が含まれる:
1)脂肪族カルボン酸のビニルエステル、ここで、これらのエステルは4から12個の炭素原子を有する、
2)アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル(合わせて、「アルキル(メタ)アクリレート」)、ここで、これらのエステルは4から12個の炭素原子を有する、および
3)アクリル酸またはメタクリル酸のグリシジルエステル(合わせて、「グリシジル(メタ)アクリレート」)。エチレン/不飽和エステルコポリマーは、例えば、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーを生成するように、第2および第3のタイプのコモノマーの混合物を含み得る。
【0018】
第1(「ビニルエステル」)グループのモノマーの代表例には、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルヘキサノエート、およびビニル2−エチルヘキサノエートが含まれる。ビニルエステルモノマーは、少なくとも次の数:4、5、および6個の炭素原子のいずれかを有し得る;また、最大で次の数:4、5、6、8、10、および12個の炭素原子のいずれかを有し得る。
【0019】
第2(「アルキル(メタ)アクリレート」)グループのモノマーの代表例には、メチルメアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、および2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、および2−エチルヘキシルメタクリレートが含まれる。アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、少なくとも次の数:4、5、および6個の炭素原子のいずれかを有し得る;また、最大で次の数:4、5、6、8、10、および12個の炭素原子のいずれかを有し得る。
【0020】
第3(「グリシジル(メタ)アクリレート」)グループのモノマーの代表例には、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレート(「GMA」)が含まれる。
【0021】
エチレン/不飽和エステルコポリマーは、(i)上で列挙したタイプの脂肪族カルボン酸ビニルエステルの任意の1種以上の脂肪族カルボン酸ビニルエステルコモノマー含量、および/または、(ii)上で列挙したタイプのアルキル(メタ)アクリレートの任意の1種以上のアルキル(メタ)アクリレートコモノマー含量を、少なくともほぼ次の量(コポリマーの重量に対して):5、10、15、20、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、45、50、55、および60wt%のいずれかで;また、最大でほぼ次の量(コポリマーの重量に対して):10、15、20、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、45、50、55、60、65、70、75、および80wt%のいずれかで有し得る。
【0022】
エチレン/不飽和エステルコポリマーは、グルシジル(メタ)アクリレートコモノマー(例えば、上で列挙したタイプのグリシジル(メタ)アクリレートの任意の1種以上)含量を、少なくともほぼ次の量(コポリマーの重量に対して):0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10wt%のいずれかで;また、最大でほぼ次の量(コポリマーの重量に対して):1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、および12wt%のいずれかで有し得る。
【0023】
エチレン/不飽和エステルコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量(例えば、ビニルエステル、アルキル(メタ)アクリレート、および/またはグリシジル(メタ)アクリレートコモノマー含量)は、全体として、合計で、少なくともほぼ次の量(コポリマーの重量に対して):20、22、23、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、45、50、55、および60wt%のいずれかになり得る;また、全体として、合計で、最大でほぼ次の量(コポリマーの重量に対して):30、32、34、36、38、40、45、50、55、60、65、70、75、および80wt%のいずれかになり得る。
【0024】
第2層におけるエチレン/不飽和エステルコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量(例えば、ビニルエステル、アルキル(メタ)アクリレート、および/またはグリシジル(メタ)アクリレートコモノマー含量)は、全体として、合計で、少なくともほぼ次の量(第2層の重量に対して):30、32、34、35、36、37、38、39、40、42、43、45、50、55、および60wt%のいずれかになり得る;また、全体として、合計で、最大でほぼ次の量(第2層の重量に対して):30、32、34、36、38、40、45、50、55、60、65、70、75、および80wt%のいずれかになり得る。
【0025】
例えば、第2層が、60%のビニルアセテート含量(コポリマーの重量に対して)を有する50%(層の重量に対して)のエチレン/ビニルアセテートコポリマー、30%のビニルアセテート含量(コポリマーの重量に対して)を有する20%(層の重量に対して)のエチレン/ビニルアセテートコポリマー、および20%のポリエチレンを含む場合、第2層におけるエチレン/不飽和エステルコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量(第2層の重量に対して)は、40wt%である(すなわち、0.5×(60%)+0.2×(20%)+0.2×(0%)=40%)。
【0026】
エチレン/不飽和エステルコポリマーのエチレンモノマー含量は、少なくともほぼ、および/または、最大でほぼ次の(コポリマーの重量に対して):45、50、55、60、65、70、および80wt%のいずれかであり得る。
【0027】
第2層のエチレン/不飽和エステルコポリマーは、本明細書に記載のエチレン/不飽和エステルコポリマーの任意のタイプの1種以上を含み得る。例えば、第2層のエチレン/不飽和エステルコポリマーは、実質的に、本明細書に記載のエチレン/不飽和エステルコポリマーのタイプの3、2または1種のみからなり得る。例えば、第2層は、本明細書に記載のエチレン/不飽和エステルコポリマーの任意の1種以上のみから実質的になるエチレン/不飽和エステルコポリマーを含み得る。例えば、第2層は、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーのみから実質的になるエチレン/不飽和エステルコポリマーを含み得る。
【0028】
エチレン/不飽和エステルのコポリマーの代表例には、以下が含まれる:
エチレン/ビニルアセテート、
エチレン/メチルアクリレート、
エチレン/メチルメタクリレート、
エチレン/エチルアクリレート、
エチレン/エチルメタクリレート、
エチレン/ブチルアクリレート、
エチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート、
エチレン/グリシジルアクリレート、
エチレン/グリシジルメタクリレート(例えば、LOTADER 8840の商用名でArkema Corporationから入手可能なもの、8wt%のGMAモノマー含量を有すると考えられる。)、
エチレン/メチルアクリレート/グリシジルアクリレート、
エチレン/メチルメタクリレート/グリシジルアクリレート、
エチレン/エチルアクリレート/グリシジルアクリレート、
エチレン/エチルメタクリレート/グリシジルアクリレート、
エチレン/ブチルアクリレート/グリシジルアクリレート、
エチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート/グリシジルアクリレート、
エチレン/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレート(例えば、LOTADER 8900の商用名でArkema Corporationから入手可能なもの、約24wt%のメチルアクリレートモノマー含量および約8wt%のGMAモノマー含量を有すると考えられる。)、
エチレン/メチルメタクリレート/グリシジルメタクリレート、
エチレン/エチルアクリレート/グリシジルメタクリレート、
エチレン/エチルメタクリレート/グルシジルメタクリレート、
エチレン/ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレート(例えば、LOTADER AX 8999の商用名でArkema Corporationから入手可能なもの、28wt%のブチルアクリレートモノマー含量および1wt%のGMAモノマー含量を有すると考えられる。)、および
エチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート/グリシジルメタクリレート。
【0029】
第2層は、エチレン/不飽和エステルコポリマー(例えば、本出願に記載の任意のエチレン/不飽和エステルコポリマーの任意の1種以上)を、第2層の重量に対して、少なくともほぼ次の:20、25、35、40、45、50、60、70、80、90、98、および100wt%のいずれかで、また、最大でほぼ次の:100、90、80、70、60、50、45、40、35、および30wt%のいずれかで含み得る。第2層は、エチレン/不飽和エステルコポリマー(変性エチレン/不飽和エステルコポリマーを含めて)から、または、から実質的になり得る。
【0030】
第2層は、前の段落において記載の量のいずれかで、無変性エチレン/不飽和エステルコポリマー(すなわち、下記のように変性されていないエチレン/不飽和エステルコポリマー)を含み得る。
【0031】
変性エチレン/不飽和エステルコポリマー
第2層は、変性されたエチレン/不飽和エステルコポリマーを含み得る。変性エチレン/不飽和エステルコポリマーには、無水物官能基を組み入れるために、不飽和カルボン酸無水物により変性(例えば、グラフト化)された(すなわち、無水物−変性ポリマー)、エチレン/不飽和エステルコポリマー(すなわち、本出願の前のセクションに記載の任意のエチレン/不飽和エステルコポリマー)が含まれる。変性はコポリマーの接着特性を増進または向上させ得る。不飽和カルボン酸無水物の例には、無水マレイン酸、無水フマル酸、および不飽和縮合環カルボン酸無水物(例えば、米国特許第4087588号に記載のもの)が含まれる。
【0032】
変性エチレン/不飽和エステルコポリマーの例には、約25wt%のビニルアセテートコモノマー含量を有する無水マレイン酸−グラフト化エチレン/ビニルアセテートコポリマー、BYNEL 3861の商標でDuPont Corporationから入手可能;約28wt%のビニルアセテート含量を有する無水マレイン酸変性エチレン/ビニルアセテートコポリマー、FUSABOND MC250Dの商用名でDuPont Corporationから入手可能;および、エチレン/アルキルアクリレート/無水マレイン酸コポリマー、例えば、27.5wt%のアクリレートコモノマー含量および2.9wt%の無水マレイン酸(「MAH」)コモノマー含量を有するエチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸コポリマー;および、20%のアクリレートコモノマー含量および3%のMAHコモノマー含量を有するエチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸コポリマー;が含まれる。
【0033】
変性エチレン/不飽和エステルコポリマーは、当技術分野において知られているグラフト化または共重合によって製造され得る。有用な無水物変性ポリマーは、無水物部分を、少なくともほぼ次の(変性ポリマーの重量に対して):0.1%、0.5%、1%、および2%のいずれか;また、最大でほぼ次の:10%、7.5%、5%、および4%のいずれかで含み得る。
【0034】
第2層は、変性エチレン/不飽和エステルコポリマーを、第2層の重量に対して、少なくともほぼ次の:5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、および90wt%のいずれか;また、最大でほぼ次の:100、90、80、70、60、50、45、40、35、および30wt%のいずれかで含み得る。第2層は、合計で前の文章において記載の量のいずれかになる、変性エチレン/不飽和エステルコポリマーおよび無変性エチレン/不飽和エステルコポリマーを含み得る。
【0035】
スチレン系ブロックコポリマー
第2層はスチレン系ブロックコポリマー(「SBC」)を含み得る。スチレン系ブロックコポリマーには、スチレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(「SBS」)、スチレン/イソプレン/スチレンコポリマー(「SIS」)、スチレン/エチレン−ブチレン/スチレンコポリマー(「SEBS」)、スチレン/エチレン−プロピレン/スチレン(「SEPS」)、およびスチレン/エチレン−プロピレンのコポリマー(「SEP」)が含まれる。
【0036】
SBC(例えば、本明細書で確認される特定のSBCのいずれか)は、SBCの重量に対して、最大でほぼ次の:73、70、65、60、55、50、45、40、35、32、30、28、25、20、および15wt%のいずれか;また、少なくともほぼ次の:10、12、15、20、25、28、30、32、35、40、50、60、および70wt%のいずれかのスチレンコモノマー含量を有し得る。スチレンコモノマー含量は、また、上記値の2つ以上の範囲(例えば、約40から約70wt%、および約12から約35wt%)の間の範囲にあり得る。
【0037】
SBSは、SBSの重量に対して、最大でほぼ次の:30、40、50、60、65、68、70、72、75、80、85、88、および90wt%のいずれか;また、少なくともほぼ次の:27、30、35、50、60、65、68、70、72、75、80、および85wt%のいずれかのブタジエンコモノマー含量を有し得る。ブタジエンコモノマー含量は、上記値の2つ以上の範囲(例えば、約65から約75wt%、および約30から約65wt%)の間の範囲にあり得る。
【0038】
SISは、SISの重量に対して、最大でほぼ次の:30、40、50、60、65、68、70、72、75、80、85、88、および90wt%のいずれか;また、少なくともほぼ次の:27、30、35、50、60、65、68、70、72、75、80、および85wt%のいずれかのイソプレンコモノマー含量を有し得る。イソプレンコモノマー含量は、上記値の2つ以上の範囲(例えば、約65から約75wt%、および約30から約65wt%)の間の範囲にあり得る。
【0039】
SBC(例えば、SBS、SIS)は、実質的に不飽和のエラストマー中間ブロック(例えば、ブタジエンまたはイソプレンコモノマーの中間ブロック)を含み得る。これらのタイプSBCは、KRATON Dの商用名でKraton Polymersから入手可能である。例えば、線状SBSは、KRATON D2104(32%のスチレン含量)の商用名で入手可能である。SISもまた、HYBRARの商用名(例えば、HYBRAR 7125F)でKuraray Companyから入手可能である。
【0040】
SBC(例えばSEBS、SEPS)は、実質的に飽和した中間ブロックを有し得る。これらのタイプSBCは、KRATON Gの商用名でKraton Polymersから入手可能である。SEP、SEPS、およびSEBSはまた、SEPTONの商用名でKuraray Corporationから入手可能である。
【0041】
SBC(例えば、SEBS、SEPS)は、本出願の「変性エチレン/不飽和エステルコポリマー」のセクションにおいて記載されているように、変性され得る(すなわち、無水マレイン酸のグラフト化)。変性SBC(例えば、変性SEBS,変性SEPS)は、KRATON FGの商用名でKrayton Polymersから入手可能である。
【0042】
第2層は、SBC(例えば、本明細書に記載のSBCの任意のタイプの任意の1種以上)を、第2層の重量に対して、少なくともほぼ次の:30、35、40、45、50、55、60、70、75、80、85、90、95、98、および100wt%のいずれか;また、最大でほぼ次の:100、90、80、70、60、50、45、40、および35wt%のいずれかで含み得る。第2層はSBCのみからなり得る、または実質的になり得る。
【0043】
物品の第3層
物品は第3層を備え得る。第2層が第1および第3の層を直接接合するように、第3層は、第2層に直接隣接し得る。第3層は、次のポリマーのいずれかを含み得る:ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、およびポリスチレン。第3層は、本明細書に記載のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、およびポリスチレンポリマーの任意の1種以上を、第3層の重量に対して、少なくともほぼ、および/または、最大でほぼ、次の量:40、50、60、70、80、90、95、98、および100wt%のいずれかで含み得る。第3層は、第3層の重量に対して、ほぼ次の量:50、45、40、35、30、20、10、5、および1wt%のいずれか未満のポリ乳酸を含み得る。第3層は本質的にポリ乳酸を含んでいなくてもよい。第3層は物品の外層であり得る。
【0044】
ポリオレフィン
第3層はポリオレフィンを含み得る。ポリオレフィンには、少なくとも約50モル%のオレフィンモノマーを有するポリマーが含まれる。ポリオレフィンには、ポリエチレン(例えば、ポリエチレンホモポリマー、ポリエチレンコポリマー、不均一ポリエチレン、均一ポリエチレン、エチレン/α−オレフィンコポリマーすなわち「EAO」)、ポリプロピレン(例えば、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー)、プロピレン/エチレンコポリマー、およびエチレン/環状オレフィンコポリマー、ならびにエチレン/不飽和エステルコポリマー(例えば、エチレン/ビニルアセテートコポリマー)が含まれる。
【0045】
ポリエチレンホモポリマーには、高密度ポリエチレン(「HDPE」)および低密度ポリエチレン(「LDPE」)が含まれる。ポリエチレンコポリマーには、エチレン/α−オレフィンコポリマー(「EAO」)およびエチレン/不飽和エステルのコポリマーが含まれる。
【0046】
EAOは、エチレンと1種以上のα−オレフィンとのコポリマーであり、このコポリマーはモルパーセンテージ含量の大部分としてのエチレン含量を有する。コモノマーのα−オレフィンは、C−C20のα−オレフィン(例えば、C−C12のα−オレフィン、C−Cのα−オレフィン、1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテン)の任意の1種以上から選択され得る。EAOには、次の1種以上が含まれる:1)中密度ポリエチレン(「MDPE」)、例えば、0.926から0.94g/cmの密度を有する;2)直鎖状中密度ポリエチレン(「LMDPE」)、例えば、0.926から0.94g/cmの密度を有する;3)直鎖状低密度ポリエチレン(「LLDPE」)、例えば、0.915から0.930g/cmの密度を有する;4)超低(very−low or ultra−low)密度ポリエチレン(「VLDPE」および「ULDPE」)、例えば、0.915g/cm未満の密度を有する;ならびに、5)均一EAO。
【0047】
ポリエステル
第3層はポリエステル、例えば変性ポリエステルを含み得る。例示的な変性ポリエステルには、グリコール−変性ポリエステルおよび酸−変性ポリエステルが含まれる。変性ポリエステルは、結晶性を乱して、得られるポリエステルを一層アモルファスにするために、2つ以上のタイプのコモノマーの重合によって製造される。
【0048】
ポリエステルには、1)多官能カルボン酸と多官能アルコールとの縮合、2)ヒドロキシカルボン酸の重縮合、および3)環状エステル(例えば、ラクトン)の重合によって製造されるポリマーが含まれる。
【0049】
例示的な多官能カルボン酸(これらには、これらの誘導体(例えば、無水物、またはメチルエステルのような簡単なエステる。)が含まれる。)には、芳香族ジカルボン酸および誘導体(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸);ならびに脂肪族ジカルボン酸および誘導体(例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ドデカン二酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートエステル、ジメチルアジペート)が含まれる。代表的なジカルボン酸は、次の一般式によって表すことができる。
【0050】
HOOC−Z−COOH
ここで、Zは、少なくとも2個の炭素原子を含む2価の脂肪族基を表す。代表的な例には、アジピン酸、セバシン酸、オクタデカン二酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、およびグルタル酸が含まれる。ジカルボン酸は、脂肪酸、または芳香族酸(例えば、イソフタル酸(「I」)およびテレフタル酸(「T」))であり得る。当業者に知られているように、ポリエステルは、多官能カルボン酸の無水物およびエステルを用いて製造され得る。
【0051】
例示的な多官能アルコールには、2価アルコール(およびビスフェノーる。)、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリ(テトラヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、1,4−ヒドロキノン、ビスフェノールA、およびシクロヘキサンジメタノール(「CHDM」)が含まれる。
【0052】
例示的なヒドロキシカルボン酸およびラクトンには、4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ピバロラクトン、およびカプロラクトンが含まれる。
【0053】
有用なポリエステルにはホモポリマーおよびコポリマーが含まれる。これらは、前述の構成成分の1種以上から誘導され得る。例示的なポリエステルには、ポリ(エチレンテレフタレート)(「PET」)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(「PBT」)、およびポリ(エチレンナフタレート)(「PEN」)が含まれる。ポリエステルが、テレフタル酸に由来するmer単位を含む場合、ポリエステルの二酸のこのようなmer含量(モル%)は、少なくともほぼ次の:70、75、80、85、90、および95%のいずれかであり得る。
【0054】
グリコール変性ポリエステルは、少なくとも1種の多官能カルボン酸と、少なくとも2つのタイプの多官能アルコールとの縮合によって誘導されるポリエステルである。例えば、グリコール変性ポリ(エチレンテレフタレート)または「PETG」は、テレフタル酸と、エチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノール(「CHDM」)との縮合によって製造され得る。有用なPETGは、Eastar 6763の商用名でEastman Corporationから入手可能であり、約34モル%のCHDMモノマー含量、約16モル%のエチレングルコールモノマー含量、および約50モル%のテレフタル酸モノマー含量を有すると考えられる。別の有用なグリコール変性ポリエステルは、PETGと同様に製造され得るが、テレフタル酸成分をジメチルテレフタレートに置き換える。別の例示的グリコール変性ポリエステルは、Ecdel 9965の商用名でEastman Corporationから入手可能であり、1.13g/ccの密度および195℃の融点を有し、ジメチル1,4−シクロヘキサン−ジカルボキシレート、1,4−シクロヘキサン−ジメタノール、およびポリ(テトラメチレンエーテルグリコーる。)から誘導されると考えられる。
【0055】
例示的な酸変性ポリエステルは、少なくとも1種の多官能アルコールと、少なくとも2つのタイプの多官能カルボン酸との縮合によって製造され得る。例えば、上で列挙された多官能アルコールの少なくとも1種が、上で列挙された多官能カルボン酸(例えば、イソフタル酸、アジピン酸、および/またはナフタレン−2,6−ジカルボン酸)の2種以上と縮合され得る。例示的な酸変性ポリエステルは、Invista Corporationから入手可能なものなど、約5モル%のイソフタル酸、約45モル%のテレフタル酸、および約50モル%のエチレングリコールから誘導され得る。
【0056】
変性ポリエステルは、ランダム重合変性ポリエステルまたはブロック重合ポリエステルから選択され得る。
【0057】
変性ポリエステルは、任意の前述の構成成分の1種以上から誘導され得る。変性ポリエステルが、テレフタル酸に由来するmer単位を含む場合、ポリエステルの二酸のこのようなmer含量(モル%)は、少なくともほぼ次の:70、75、80、85、90、および95%のいずれかであり得る。
【0058】
ポリアミド
第3層はポリアミドを含み得る。有用なポリアミドには、1種以上のジアミンと1種以上の二酸との重縮合によって生成され得るタイプ、および/または、1種以上のアミノ酸の重縮合によって生成され得るタイプ(ラクタムの開環重合によって得られるものを含めて)のものが含まれる。有用なポリアミドには、脂肪族ポリアミド、および脂肪族/芳香族ポリアミドが含まれる。
【0059】
1種以上のジアミンと1種以上の二酸との重縮合によって生成され得るタイプの代表的なポリアミドには、脂肪族ポリアミド、例えば、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(「ナイロン−6,6」)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)(「ナイロン−6,10」)、ポリ(ヘプタメチレンピメラミド)(「ナイロン−7,7」)、ポリ(オクタメチレンスベラミド)(「ナイロン−8,8」)、ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)(「ナイロン−6,9」)、ポリ(ノナメチレンアゼラミド(「ナイロン−9,9」)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(「ナイロン−10,9」)、ポリ(テトラメチレンジアミン−co−シュウ酸)(「ナイロン−4,2」)、n−ドデカン二酸とヘキサメチレンジアミンとのポリアミド(「ナイロン−6,12」)、ドデカメチレンジアミンとn−ドデカン二酸とのポリアミド(「ナイロン−12,12」)が含まれる。
【0060】
代表的な脂肪族/芳香族ポリアミドには、ポリ(テトラメチレンジアミン−co−イソフタル酸)(「ナイロン−4,I」)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(「ナイロン−6,I」)、ポリヘキサメチレンテトラフタルアミド(「ナイロン−6,T」)、ポリ(2,2,2−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(m−キシリレンアジパミド)(「ナイロン−MXD,6」)、ポリ(p−キシリレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)、およびポリアミド−MXD,Iが含まれる。
【0061】
1種以上のアミノ酸の重縮合によって生成され得るタイプの代表的ポリアミド(ラクタムの開環を含めて)には、ポリ(4−アミノ酪酸)(「ナイロン−4」)、ポリ(6−アミノヘキサン酸)(「ナイロン−6」または「ポリ(カプロラクタム)」)、ポリ(7−アミノヘプタン酸)(「ナイロン−7」)、ポリ(8−アミノオクタン酸)(「ナイロン−8」)、ポリ(9−アミノノナン酸)(「ナイロン−9」)、ポリ(10−アミノデカン酸)(「ナイロン−10」)、ポリ(11−アミノウンデカン酸)(「ナイロン−11」)、およびポリ(12−アミノドデカン酸)(「ナイロン−12」)が含まれる。
【0062】
代表的コポリアミドには、上記ポリアミドのいずれかを製造するために用いられるモノマーの組合せに基づくコポリマー、例えば、ナイロン−4/6、ナイロン−6/6、ナイロン−6/9、ナイロン−6/12、カプロラクタム/ヘキサメチレンアジパミドコポリマー(「ナイロン−6,6/6」)、ヘキサメチレンアジパミド/カプロラクタムコポリマー(「ナイロン−6/6,6」)、トリメチレンアジパミド/ヘキサメチレンアゼライアミドコポリマー(「ナイロン−トリメチル6,2/6,2」)、ヘキサメチレンアジパミド−ヘキサメチレン−アゼライアミド−カプロラクタムコポリマー(「ナイロン−6,6/6,9/6」)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレン−イソフタルアミド(「ナイロン−6,6/6,I」)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド(「ナイロン−6,6/6,T」)、ナイロン−6,T/6,I、ナイロン−6/MXD,T/MXD,I、ナイロン−6,6/6,10、およびナイロン−6,I/6,Tが含まれる。
【0063】
ポリスチレン
第3層はポリスチレンを含み得る。例示的なポリスチレンには、スチレンホモポリマーおよびコポリマーが含まれる。ポリスチレンは、実質的に、アタクティック、シンディオタクティックまたはアイソタクティックであり得る。「ポリスチレン」という用語は、スチレンから誘導されるモノマー単位を少なくとも50モル%含むコポリマーを含む。スチレンは、アルキルアクリレート、無水マレイン酸、イソプレン、またはブタジエンと共重合され得る(すなわち、スチレンは、スチレン/ブタジエンのコポリマーであり得る。)。本出願において用いられる「コポリマー」は、2つ以上のタイプのモノマーから誘導されるポリマーを意味し、ターポリマーなどを含む。イソプレンおよびブタジエンとのスチレンコポリマーはさらに水素化され得る。
【0064】
例示的なポリスチレンには、Styrolux 656Cの商用名でBASFから入手可能なスチレン/ブタジエンブロックコポリマー、および、Amaloy B1119の商用名でAmco Corporationから入手可能なスチレン/ブタジエンコポリマー(75モル%のスチレン含量および25モル%のブタジエン含量を有すると考えられる。)が含まれる。有用なスチレン/ブタジエンコポリマーは、少なくともほぼ、および/または、最大でほぼ、次のモルパーセンテージ:65、70、75、80、85、90、および95%のいずれかのスチレン含量を有し得る。有用なポリスチレンには、また、耐衝撃性ポリスチレン(high−impact polystyrene、「HIPS」)も含まれる。
【0065】
物品
本発明の物品の代表的実施形態には、フィルム、シート、および熱成形物品(例えばトレイ)が含まれる。トレイは、例えば、シートから熱成形され得る。
【0066】
フィルム
物品はフィルム、すなわち、物品の第1、第2、および第3の層が、それぞれ、フィルムの第1、第2、および第3の層である多層フィルムであり得る。フィルムは、少なくとも次の数:2、3、4、5、7、9のいずれかの層を備え得る;また、最大で次の数:2、3、4、5、6、7、8、9、11、13、および15のいずれかの層を備え得る。フィルムとの関連において「層」という用語は、フィルムと実質的に同一の広がりを有し、実質的に均一な組成を有する、はっきりと区別されるフィルムの構成要素を表す。2つ以上の直接隣接する層が本質的に同じ組成を有する場合、これらの2つ以上の層は、本出願の目的では、単一の層と見なすことができる。
【0067】
フィルムは、少なくともほぼ、および/または、最大でほぼ次の:1、2、3、4、5、7、9、10、12、および15のいずれかの全厚を有し得る。本明細書では、フィルムは、最大で約15ミルの厚さを有し、また、シートは、約15ミルを超える厚さを有する。
【0068】
フィルムの第1、第2、および第3の層のいずれかは、フィルムの内層であり得る。「内層」は、フィルムの他の2つの層の間にあるフィルム層である。
【0069】
フィルムの第1、第2、および第3の層のいずれかは、フィルムの外層であり得る。多層フィルムの「外層」は、1つの側面だけがフィルムの別の層に直接固着している層である。多層フィルムでは、フィルムの2つの外層が本来的に存在する。単層フィルムでは、唯一の層が外層と見なされ得る。
【0070】
「外側層」は、フィルムを含むラベルまたはパッケージから外側に面している、またはそうであることを意図した、フィルムの外層である。フィルムの「内側層」は、フィルムを含むラベルから内側に(すなわち、ラベルの付いた品物に向かって)、またはフィルムを含むパッケージから内側に(すなわち、パッケージの内部スペースに向かって)面している、またはそうであることを意図した、フィルムの外層である。
【0071】
外層は、シーラント層(例えば、フィルムをそれ自体に、または別の構造体にヒートシールすることを容易にするようになっている層)として機能するようになっていてもよい。シーラント層はフィルムの内側層であり得る。
【0072】
フィルムのさらなる層(すなわち、ブレンドを含む層以外の層)は、1種以上の熱可塑性ポリマー、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、およびイオノマーを含み得る。
【0073】
下記は、組合せいくつかの例であり、アルファベット記号がフィルム層を示す。下記の多層フィルムの表現が2回以上同じ文字を含む場合、その文字の出現の各々は、同じ組成物、または類似の機能を果たす部類内での異なる組成物を表し得る。
【0074】
A/B、A/B/C、A/A/B/C、D/A/B/C、A/B/C/D、D/A/B/C/D、A/B/B、A/A/B、A/B/B/C、A/A/B/B、A/A/B/B/C、D/A/B/B/C/D、D/A/B/D、C/B/A/B/C
【0075】
「A」は、前述のフィルムの第1層(すなわち、ポリ乳酸を含む)を表す。
「B」は第2層を表し、該第2層は、3つ以上の層を有するフィルムにおいて、結合層(すなわち、第3層への第1層の固着を向上させるという主たる機能を有する層)として機能し得る。
「C」は前述のフィルムの第3層を表す。
「D」は、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、およびイオノマーのいずれかを含む1つ以上のさらなる層を表す。
【0076】
フィルムの任意の層は、少なくともほぼ、および/または、最大でほぼ次の:0.05、0.1、0.5、1、1.3、1.5、2、2.5、3、4、5、および6ミルのいずれかの厚さを有し得る。フィルムの任意の層は、フィルムの全厚のパーセンテージとして、少なくともほぼ、および/または、最大でほぼ次の:1、3、5、7、10、15、20、25、30、35、40、45、および50パーセントのいずれかの厚さを有し得る。
【0077】
層間接着強度
本明細書で使用されている「層間接着強度」という用語は、ASTM F88(以下で特に断らなければ、試験機(例えば、Instron引張り試験機)のクロスヘッド速度は5インチ/分であり、1インチ幅の5つの代表試料、および室温(すなわち、約68°F)の試験温度を用いる。)に従って測定して、層間の接着破壊によるか、または2つの隣接するフィルム層の1つを通しての凝集破壊によるかのいずれかで(どちらが最初に起こっても)、2つの隣接するフィルム層を引き離す、または剥がすのに必要とされる力の平均最大値を意味する。ASTM F88は、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。特定の2つの層の間の層間接着強度試験用のフィルム試料を準備するためには、これらの特定の層の間の境界でフィルムの一部を引き離して、試験機のグリップ内に挿入するための試験片の掴み代とすればよい。例えば、間圧接着剤テープが、フィルムの各側から延びる、テープの掴み用の耳(gripping tab)を残すように、フィルムの対向する外側に固着されてもよい。次いで、耳を掴み、フィルム層を部分的に引き離すために、反対方向にぐっと引っ張ればよい。
【0078】
本明細書で使用されている「接着破壊」は、2つの表面を一緒に保つ界面力(例えば、原子価力またはインターロッキング作用あるいは両方)が、打ち負かされる破壊である。「凝集破壊」は、層の組成を一体に保つ分子引力が打ち負かされる破壊である。フィルムの第1層と第2層との間の層間接着強度は、少なくともほぼ次の値:2、3、4、5、6、7、8、9、10、および12ポンド/インチのいずれかであり得る。
【0079】
フィルムの外観特性
フィルムのヘーズは、最大でほぼ、および/または、少なくともほぼ、次の値:40%、30%、25%、20%、15%、10%、8%、5%、および3%のいずれかであり得る。ヘーズは、入射光の軸から2.5°より大きく散乱される透過光の測定値である。ヘーズは、フィルムの外層(すなわち、外側層)に対して測定される。ヘーズが、ブレンドを含む外層に対して測定される場合、フィルムは、これらのヘーズ値のいずれかを有し得る。ヘーズは、ASTM D 1003(これは、参照によりその全体を本明細書に組み込む)の方法に従って測定される。本出願における「ヘーズ」値へのすべての言及は、この標準による。
【0080】
フィルムは、外層(すなわち、外側層)に対して測定して、少なくともほぼ、および/または、最大でほぼ、次の値:40%、50%、60%、63%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、および95%のいずれかのグロス(すなわち、鏡面光沢度)を有し得る。グロスが、ブレンドを含む外層に対して測定された場合、フィルムは、これらのグロス値のいずれかを有し得る。これらのパーセンテージは、試料から反射された光と、指定された角度で試料に突き当たる元の光量との比を表す。本出願における「グロス」値へのすべての言及は、ASTM D 2457(45°の角度)(これは、参照によりその全体を本明細書に組み込む)に従っている。
【0081】
フィルムは、パッケージ化された物品がフィルムを通して目で見ることができるように、透明であり得る(少なくとも、非印刷部分において)。「透明」は、フィルムが、無視できる散乱光を有し、ほとんど吸収のない入射光を通過させ、通常の見る条件(すなわち、予想される材料の使用条件)下にフィルムを通して明瞭に物(例えば、パッケージ化された物品または印刷)が見られることを意味する。フィルムの正透過率(すなわち、透明度)は、ASTM D1746に従って測定して、少なくともほぼ、および/または、最大でほぼ、次の値:30%、40%、50%、65%、70%、75%、80%、85%、および90%のいずれかであり得る。本出願における「正透過率」または「透明度」の値への言及は、この標準による。
【0082】
フィルムの全視感透過率(すなわち、全光線透過率)は、ASTM D1003に従って測定して、少なくともほぼ、および/または、最大でほぼ、次の値:30%、40%、50%、65%、70%、75%、80%、85%、および90%のいずれかであり得る。本出願における「全視感透過率」の値への言及は、この標準による。
【0083】
プラスチックフィルムの光学的性質の測定は、全光線透過率、ヘーズ、透明度、およびグロスの測定を含めて、Pike、LeRoy、「パッケージング材料の光学的性質(Optical Properties of Packaging Materials)」、Journal of Plastic Film & Sheeting、vol.9、no.3、173−80頁(July 1993)に詳細に記載されている。
【0084】
フィルム密度
フィルムは、最大ほぼ、および/または、少なくともほぼ:1.10、1.05、1.00、0.98、0.96、および0.94グラム/立方センチメートルのいずれかの密度(23℃で)を有し得る。フィルムの密度は、ASTM D792に従って測定される。ラベルフィルム(下に記載)の密度が水の密度より小さく、同時に、ボトル(例えば、PETボトる。)の密度が水の密度より大きい場合、ラベルのプラスチックが浮き、ボトルのプラスチックが沈む水浮遊分離(water float separation)技法を用いることによって、フィルムを含むラベルのプラスチックからボトルのプラスチックをリサイクル分離することが可能であり得る。他方、ラベルフィルムの密度が水の密度より大きく、同時に、ボトル(例えば、HDPEボトルなどのポリオレフィンボトる。)の密度が水の密度より小さい場合、ラベルのプラスチックが沈み、ボトルのプラスチックが浮かぶ水浮遊分離技法を用いることによって、フィルムを含むラベルのプラスチックからボトルのプラスチックをリサイクル分離することが可能であり得る。フィルムの密度は、成分の相対量を変えることによって、例えば、フィルム中のポリオレフィンの量を変えることによって、調節され得る。
【0085】
フィルムの弾性率
フィルムは、予想される取扱いおよび使用条件に耐えるのに十分なヤング率を好ましくは示す。ヤング率は、次のASTM手順:D882;D5026−95a;D4065−89の1つ以上に従って測定でき、これらの各々は、参照によりその全体を本明細書に組み込む。フィルムは、73°Fの温度で測定して、少なくともほぼ、および/または、最大でほぼ次の:60,000;100,000;130,000;150,000;200,000;250,000;300,000;および350,000ポンド/平方インチのいずれかのヤング率を有し得る。フィルムは、少なくとも1つの方向において(例えば、流れ方向または横方法において)、あるいは2つの方向(すなわち、流れ(すなわち、縦)および横方向)において上記の範囲のヤング率のいずれかを有し得る。
【0086】
フィルムの製造
フィルムは、当技術分野において知られている熱可塑性フィルム成形法によって調製され得る。フィルムは、例えば、インフレーション(tubular trapped bubble)フィルム法、フラットもしくはチューブキャストフィルム法、またはスリットダイフラットキャストフィルム法を用いて、押出または共押出によって調製され得る。フィルムはまた、押出コーティング、接着ラミネーション、押出ラミネーション、油性(solvent−borne)コーティングによって、またはラテックスコーティング(例えば、基材に散布し、乾燥する。)によって、1つ以上の層を付けることによって調製されてもよい。これらの方法の組合せもまた用いることができる。これらの方法は、当業者に知られている。
【0087】
フィルムは、例えば、フィルムの強度、光学的性質、および耐久性を向上させるために、流れ(すなわち、縦)方向、横方向のいずれか、または両方向に(すなわち、2軸延伸)延伸され得る。フィルムのウェブまたはチューブは、フィルムが軟化されている温度(例えば、ビカット軟化点(ASTM 1525を参照)より高温)、また例えばフィルムの融点未満の温度で、引張り力を加えることによって、1軸または2軸に延伸され得る。次いで、フィルムは、延伸の間に生じた物理的性質を保持し、またフィルムに熱収縮特性をもたせるために、すぐに冷却され得る。フィルムは、例えば、テンター−フレーム法またはインフレーション法を用いて延伸され得る。延伸は、任意の1方向(すなわち、流れ方向もしくは横方向)および/または2方向(例えば、流れ方向および横方法)に、少なくともほぼ、および/または、最大でほぼ、次の比:1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、12:1、および15:1のいずれかによって行われ得る。フィルムは、1つの方向にこれらの量のいずれかにより、また別の方向にこれらの量のいずれかの別の量により延伸され得る。
【0088】
フィルムは、1つの方向(例えば、流れ方向または横方向)に、および/または、流れ方向および横方向の両方に、少なくともほぼ、および/または、最大でほぼ次の:5%、7%、9%、10%、12%、15%、25%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、70%、75%、および80%のいずれかの、100℃での自由収縮を有し得る。フィルムは、流れ方向および/または横方向に、次の温度:90.80、70、60、50、および40℃のいずれかで、上記収縮量のいずれかを有し得る。例えば、フィルムは、横方向に少なくとも約60%の、80℃での自由収縮、および、流れ方向に最大で約10%の、60℃での自由収縮を有し得る。また、フィルムは、様々な温度で上記収縮値の任意の組合せを有し得る;例えば、フィルムは、少なくとも1方向に少なくとも約75%の、90℃での自由収縮、および、任意の方向に最大で約5%の、70℃での自由収縮を有し得る。フィルムは、例えば選択された温度(例えば、70℃)での収縮性を減少させるために、アニールされてもよい。
【0089】
フィルムは、例えば収縮開始温度を上げるために、延伸されたフィルムの自由収縮をわずかにもしくは相当に小さくするようにアニールまたはヒートセットされてもよい。フィルムは、次の温度:65、60、55、50、45、および40℃のいずれかで、約3%、2%、および1%のいずれか未満の、任意の方向における自由収縮を有し得る。
【0090】
フィルムの自由収縮は、ASTM D 2732(これは参照によりその全体を本明細書に組み込む)に従って、選択された熱量を受けたときに(すなわち、指定の温度への暴露で)、10cm×10cmのフィルム試料における寸法変化パーセントを測定することによって求められる。本出願における自由収縮へのすべての言及はこの標準に従って測定される。
【0091】
フィルムは、例えば、適切な任意のインク印刷法(例えば、ロータリースクリーン、グラビア、またはフレキソグラフィー技法)によって、それに付けられた印刷画像を有し得る。印刷画像は、スキン層に付けられ得る。印刷画像は、例えば、収縮チューブのフィルムの内側層に付けられた裏印刷画像として付けることができる。
【0092】
収縮チューブ
物品は、収縮チューブ、例えば、フィルム12を含む収縮チューブ10(収縮チューブラベルまたはシュリンクバンド(shrink band)としても知られている。)であり得る(図1−2)。収縮チューブ10は、継ぎ目付き(seamed)収縮チューブ(図1に示す)、継ぎ目なし(seamless)収縮チューブ、またはロールで供給される収縮チューブ(すなわち、ラップアラウンドラベリング用の、ロールで供給される収縮フィルムによって形成された)であり得る。
【0093】
フィルムを含む継ぎ目付き収縮チューブは、フィルムの平坦な形状から製造でき、フィルムは、例えば接着剤による継ぎを用いて、フィルムをそれ自体にくっ付けて継ぎ目14を有するチューブを形成することによってチューブへと継ぎ合わせられる。チューブ10が印刷される場合、フィルムのチューブへの形成は、画像がフィルム上に印刷された後で行うことができる。印刷された画像18は、内側表面20に裏印刷画像として付けることができる。次いで、チューブは芯に巻くことができる。次に、チューブのロールは芯から巻き戻され、個々の長さに切断されて、個々の継ぎ目付収縮チューブを形成することができる。次いで、収縮チューブは、収縮チューブが適用される品物(例えば、容器16)を囲むように置くことができる。次に、熱が加えられ(例えば、収縮チューブが付いた品物を、例えば水蒸気または熱風を用いる加熱トンネル内に入れることよって)、その結果、収縮チューブの熱収縮特性が活性化され、図2に示されているように、収縮チューブが囲む品物の形状に沿うように収縮チューブが収縮する。
【0094】
フィルムを含む継ぎ目なしの収縮チューブは、所望のチューブ形状を有するチューブ形状にフィルムを押し出すことによって製造され得る。得られたチューブは印刷され、所望の長さに切断されて、個々の収縮チューブを形成できる。
【0095】
フィルムを含む、ロールで供給される収縮チューブは、1)所望の寸法に切断されたフィルムの最先端にピックアップ用接着剤を付けるステップ、2)最先端を容器に固着させるステップ、3)フィルムが容器を囲むように、容器およびフィルムを互いに相対的に動かすステップ、4)フィルムの後端部に接着剤を付けるステップ、5)フィルムの後端部を容器に、またはフィルムの最先端部分に固着させるステップ、および6)フィルムの収縮特性を活性化させるために収縮チューブ/容器を熱に曝すステップ、によって製造され得る。
【0096】
フィルムを含む収縮チューブは、例えば、1)品物に付けられるラベルとして、2)タンパーエビデント(tamper evident)のシールもしくはパッケージング材料(例えば、タンパー−エビデントネックバンド(neck band))として、および/または、3)2つ以上の品物を1つに纏めるために(例えば、マルチ−パッケージング)、用いることができる。収縮チューブは、容器を包み込む全身用チューブであり得る。収縮チューブは、成形された容器、および/または、形に合わせて作られた容器(例えば、非対称形状の容器)を包み込むのに使用され得る。
【0097】
フィルムの使用
前述のように、物品はフィルムであり得る。フィルムを含むパッケージは、製品、例えば農産物(例えば、野菜、果物)、チーズ、肉製品、新鮮な赤肉製品、鶏肉、豚肉、牛肉、ソーセージ、および魚の1種以上から選択される食物製品を包み込むことができる。パッケージは、フィルムを含むバッグであり得る。例えば、フィルムは、例えば、選択された部分で内側層をそれ自体にシールすることによって、または、選択された部分で内側層を外側層にシールすること(すなわち、ラップシーる。)によって、バッグに形成できる。有用なバッグの形態には、エンド−シールバッグ、サイド−シールバッグ、L−シールバッグ(すなわち、上部を開いたままにして底全体と片側に沿ってシーる。)、およびパウチ(すなわち、上部は開いたままで、3つの側面でシーる。)が含まれる。フィルムは、チューブ状の形態で提供され得るので、その場合、閉じたバッグを形成するためには、末端のシールと上端のシールだけをする必要がある。
【0098】
バッグを形成した後、製品がバッグに挿入され、バッグの開いた端部は、製品を閉じ込めるためにシールすることができる。フィルムはまた、製品の回りに巻きつけ、ヒートシールして製品を包み込むパッケージとすることができる。フィルムは、トレイ上にある製品(例えば、食物製品)を覆い、守るためのラップとして使用され得る。フィルムは、パッケージ化された製品のための、支持体(例えば、トレイ)にシールされるようになっている蓋として使用され得る。
【0099】
製品を包み込むパッケージは、フィルムの熱収縮特性を活性化させるために高温に曝され、その結果、フィルム、および/または、フィルムを含むパッケージは、包み込まれたパッケージ化製品の外形に沿うようになり得る。例えば、パッケージは、熱風または水蒸気のトンネルあるいは熱湯浴に通すことができる。
【0100】
フィルムは、例えば任意の適切なインク印刷法(例えば、ロータリースクリーン、グラビア、またはフレキソグラフィー法)によって、それに付けられた印刷画像を有し得る。印刷画像は、ブレンドを含む1つ以上の層に付けることができる。
【0101】
フィルムは蓋として使用され得る。フィルムはパッケージの上包(overwrap)として使用され得る。
【0102】
シートおよびトレイ
物品はシートであり得る。前述の通り、シートは、約15ミルを超える厚さを有する。シートは、少なくともほぼ次の値:16ミル、18ミル、20ミル、23ミル、26ミル、および30ミルのいずれかの厚さを有し得る。シートは、ほぼ次の値:60ミル、50ミル、40ミル、35ミル、30ミル、および25ミルのいずれか未満の厚さを有し得る。
【0103】
フィルムとしての物品に関する上の記述−すなわち、層の数、層の構成、層の組成、外観、製造方法に関する−は、シートとしての物品にも当てはまる。
【0104】
物品は、トレイのような熱形成された物品であり得る。トレイは、例えば、所望の形状にシートを熱成形することによって形成され得る。トレイを形成するためにシートを熱形成する方法は、当技術分野においてよく知られているので、ここでは詳細に記載しない。次の実施例は、本発明をさらに例示し説明するという目的で記載され、如何なる点においても限定と見なされるべきではない。特に断らなければ、部数およびパーセンテージのすべては重量に基づく。
【実施例】
【0105】
下の実施例において、以下の省略形は次の意味を有する。
【0106】
PLA1は、ポリ乳酸で、NATUREWORKS 4032Dの商用名でNatureWorks LLCから入手可能である。
【0107】
EVA1は、エチレン/ビニルアセテートコポリマーで、約50wt%のビニルアセテートモノマー含量を有し、LEVAMELT 500の商用名でLanxess Corporationから入手可能である。
【0108】
EVA2は、エチレン/ビニルアセテートコポリマーで、約40wt%のビニルアセテートモノマー含量を有し、LEVAMELT 400の商用名でLanxess Corporationから入手可能である。EVA3は、エチレン/ビニルアセテートコポリマーで、約28wt%のビニルアセテートモノマー含量、約0.95g/cmの密度、および約74℃の融点を有し、ELVAX 3182−2の商用名でDuPontから入手可能である。
【0109】
EVA4は、エチレン/ビニルアセテートのコポリマーで、約14.4wt%のビニルアセテートモノマー含量、23℃で約0.93g/cmの密度、および約87℃の融点を有し、ESCORENE LD 713.93の商用名でExxonMobil Corporationから入手可能である。
【0110】
EVA5は、エチレン/ビニルアセテート/メタクリル酸コポリマーで、約18.4wt%のビニルアセテートモノマー含量、約2wt%のメタクリル酸モノマー含量、約0.94g/cmの密度、および約87℃の融点を有し、BYNEL 3101の商用名でDuPont Corporationから入手可能である。
【0111】
mEVA1は、無水マレイン酸で変性されたエチレン/ビニルアセテートコポリマーで、約28wt%のビニルアセテートモノマー含量を有し、FUSABOND MC250Dの商用名でDuPont Corporationから入手可能である。
【0112】
mEVA2は、無水マレイン酸で変性されたエチレン/ビニルアセテートコポリマーで、約25wt%のビニルアセテートモノマー含量、および約0.98g/cmの密度を有し、BYNEL 3861の商用名でDuPont Corporationから入手可能である。
【0113】
mEMA1は、無水マレイン酸で変性されたエチレン/メチルアクリレートコポリマーで、約18wt%のメチルアクリレートモノマー含量、および約0.93g/cmの密度を有し、BYNEL 21E810の商用名でDuPont Corporationから入手可能である。
【0114】
EAO1は、エチレン/オクテンコポリマーで、約45wt%のオクテンコモノマー含量を有し、ENGAGE 8842の商用名でDow Corporationから入手可能である。
【0115】
EVOH1は、エチレン/ビニルアルコールコポリマーで、約56モル%のビニルアルコールモノマー含量を有し、EVAL E151Aの商用名でEvalca/Kuraray Companyから入手可能である。
【0116】
イオノマー1は、イオノマー、すなわち、亜鉛で中和したエチレン/メタクリル酸コポリマーで、0.94g/cmの密度、および約90℃の融点を有し、SURLYN 1650の商用名でDuPont Corporationから入手可能である。
【0117】
PETG1は、グリコールで変性されたポリ(エチレンテレフタレート)で、Eastar 6763の商用名でEastman Corporationから入手可能であり、約34モル%のシクロヘキサンジメタノールモノマー含量、約16モル%のエチレングルコールモノマー含量、および50モル%のテレフタル酸モノマー含量を有すると考えられる。
【0118】
PEC1は、均一ポロピレン/エチレンコポリマーで、VISTAMAXX VM1100の商用名でExxonMobil Corporationから入手可能である(0.860g/cmの密度、および13.4wt%のエチエンコモノマー含量を有すると考えられる。)。
【0119】
VLDPE1は、シングルサイト触媒による超低密度のエチレン/ブテンポリエチレンコポリマーで、EXACT 3024の商用名でExxonMobilから入手可能であり、約0.905g/cmの密度および約98℃の融点を有すると考えられる。
【0120】
SBS1は、スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマーで、約27wt%のスチレンコモノマー含量および63wt%のブタジエンコモノマー含量を有し、KRATON MD 6932の商用名でKraton Polymersから入手可能である。
【0121】
mSEBS1は、無水マレイン酸で変性された(1.7wt%)スチレン/エチレン−ブチレン/スチレンブロックコポリマーで、約27wt%のスチレンコモノマー含量を有し、KRATON FG 1901の商用名でKraton Polymersから入手可能である。
【0122】
mSEBS2は、無水マレイン酸で変性された(1.0wt%)スチレン/エチレン−ブチレン/スチレンブロックコポリマーで、約13wt%のスチレンコモノマー含量を有し、KRATON FG 1924の商用名でKraton Polymersから入手可能である。
【0123】
SBS2は、スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマーで、約75wt%のスチレンコモノマー含量および25wt%のブタジエンコモノマー含量を有し、KRATON MD 6459の商用名でKraton Polymersから入手可能である。
【0124】
eMA/GMA1は、エチレン/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマーで、約24wt%のメチルアクリレートコモノマー含量、および約8wt%のグリシジルメタクリレートコモノマー含量を有すると考えられ、LOTADER 8900に商用名でArkema Corporationから入手可能である。
【0125】
実施例1および2
A/B/Aの層構成、および約2から約3ミルの全厚を有する実施例1のフィルムを製造した。各層は全厚の約3分の1であった。フィルムはRandcastleキャスト押出機を用いて押し出した。外層「A」はPLA1であった。内層「B」はEVA1であった。EVA1のビニルアセテートコモノマー含量は、B層が100%EVA1であったので、B層の重量に対して50wt%であった。
【0126】
実施例2のフィルムを、「B」層がEVA2であったこと以外は、実施例1のフィルムと同様に製造した。EVA2のビニルアセテートコモノマー含量は、B層が100%EVA2であったので、B層の重量に対して40wt%であった。
【0127】
「A」と「B」の層の間の接着強度を、表1に報告の通り評価した。実施例1および実施例2のフィルムの各々では、「A」と「B」のフィルム層の間の接着は非常に強固であったので、Instron mini55測定機を用いて層間接着強度を測るために層を互いに引き離すことはできなかった。
【0128】
実施例3
A/B/Aの層構成、および約2から約3ミルの全厚を有する実施例3のフィルムを製造した。各層は全厚の約3分の1であった。フィルムは、Randcastleキャスト押出機を用いて押し出した。外層「A」はPLA1であった。内層「B」はE/MA/GMA1であった。B層の重量に対する不飽和エステルコモノマー含量は、B層が100%E/MA/GMA1であったので、約32wt%(24wt%プラス8wt%)であった。
【0129】
「A」と「B」の層の間の接着強度を評価し、表1に報告した。実施例3のフィルムでは、「A」と「B」のフィルム層の間の接着は非常に強固であったので、Instron mini55装置を用いて層間接着強度を測るために層を互いに引き離すことはできなかった。
【0130】
比較例1から9
比較フィルム1から9を、「B」層が表1に示す通りであったこと以外は、実施例1のフィルムと同様に製造した。各フィルムの「A」と「B」の層の間の層間接着強度を評価し、やはり表1に示す。
【0131】
【表1】

【0132】
実施例4から6および比較例10から14
C/B/A/B/Cの層構成および約4ミルの全厚を有する、実施例4から6のフィルムおよび比較例10から14のフィルムをそれぞれ製造した。BおよびCの層はそれぞれ約0.5ミルの厚さであり、A層は約2ミルの厚さであった。フィルムは、フラットキャスト押出ラインを用いて押し出した。内層「A」はPLA1であった。外層CはVLDPE1であった。「B」の結合層は下の表2に示す通りであった。各フィルムの「A」と「B」の層の間の層間結合強度を評価し、同じく表2に示す。
【0133】
【表2】

【0134】
実施例7から12および比較例15から17
A/B/Aの層構成および約2から約3ミルの全厚を有する、実施例7から12のフィルムおよび比較例15から17のフィルムを製造した。各層は全厚の約3分の1であった。フィルムは、Randcastleキャスト押出機を用いて押し出した。外層「A」はPLA1であった。内層「B」は、表3に記載の通りであった。各フィルムの「A」と「B」の層の間の層間接着強度を評価し、同じく表3に示す。
【0135】
【表3】


【0136】
本明細書に挙げられる任意の数値範囲は、任意の低い方の値と高い方の値との間に少なくとも2単位の開きがあるという条件で、低い方の値から高い方の値までの、1単位づつ増加するすべての値を含む。例として、成分の量またはプロセス変数(例えば、温度、圧力、時間)の値が、1から90、20から80、もしくは30から70までのいずれかの範囲にあり得る、あるいは、少なくとも1、20、もしくは30、および/または、最大で90、80、もしくは70であり得ると記載されている場合、本明細書では、15から85、22から68、43から51、および30から32、同様に、少なくとも15、少なくとも22、および最大で32のような値が、明示的に列挙されていると想定されている。1未満である値では、1単位は、適宜、0.0001、0.001、0.01または0.1であると考えられている。これらは明確に意図されているものの単なる例であり、列挙されている最低値と最大値との間の数値のすべての可能な組合せは、同様に、本明細書において明示的に記載されていると見なされるべきである。
【0137】
上の説明は、本発明の好ましい実施形態のものである。様々な改変および変更が、特許請求の範囲に定められる本発明の精神およびより広い態様から逸脱することなくなされ得るが、これらは、均等論を含めて、特許法の原則に従って解釈されるべきである。特許請求の範囲および具体例を除いて、または特に断らなければ、物質の量、反応条件、使用条件、分子量、および/または炭素原子の数などの値を示す、本説明における数量のすべては、本発明の最も広い範囲の説明では「約」という語によって修飾されていると理解されるべきである。「a」、「an」、「the」、または「said」のような冠詞を用いる単数形での、開示における品目または特許請求の範囲における要素への言及は、明白にそうであると言われていなければ、その品目または要素を単数に限定していると解釈されてはならない。本出願において記載された定義および開示は、組み込まれた引用文献に存在し得る、合致しない如何なる定義および開示にも優先される。ASTM試験へのすべての言及は、本出願の優先権獲得日現在で確認される、現在承認され、刊行されている最新のASTM試験に対してなされている。このような刊行された各々のASTM試験法は、この参照によりその全体を本明細書に組み込む。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】容器を囲む、本発明のフィルムの実施形態を備える収縮チューブの代表的な斜視図である。
【図2】容器の周りに収縮して収縮ラベル付き容器を与える、図1の収縮チューブの代表的な斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ乳酸を含む第1層;
第1層に直接隣接する第2層であり、
i)エチレン/不飽和エステルコポリマー(エチレン/不飽和エステルコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量は、第2層の重量に対して少なくとも約35wt%である。);
ii)エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマー(エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量は第2層の重量に対して少なくとも約30wt%である。);および
iii)第2層の重量に対して少なくとも約30wt%のスチレン系ブロックコポリマー(第2層の重量に対して最大で約73wt%のスチレンコモノマー含量を有する。)
の1つ以上から選択されるコポリマーを含む第2層
を備える物品。
【請求項2】
第1層が、第1層の重量に対して、少なくとも約50wt%、または少なくとも約90wt%、または少なくとも約95wt%のポリ乳酸を含む、請求項1の物品。
【請求項3】
第2層が、第2層の重量に対して少なくとも約50wt%、または少なくとも約80wt%の選択されたコポリマーを含む、請求項1または2の物品。
【請求項4】
さらに第3層(第3層の重量の約50%未満のポリ乳酸を含む。)を備え、第3層が第2層に直接隣接している、請求項1から3のいずれかの物品。
【請求項5】
第3層が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、およびポリアミドから選択される1種以上のポリマーを、第3層の重量の少なくとも約50%含む、請求項4の物品。
【請求項6】
第3層が、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン/エチレンコポリマー、エチレン/環状オレフィンコポリマー、およびエチレン/ビニルアセテートコポリマーから選択される1種以上のポリオレフィンを含む、請求項5の物品。
【請求項7】
多層フィルムである、請求項1から6のいずれかの物品。
【請求項8】
第1層が多層フィルムの外層である、請求項7の物品。
【請求項9】
第1層が多層フィルムの内層である、請求項7の物品。
【請求項10】
第2層が多層フィルムの内層である、請求項7の物品。
【請求項11】
多層フィルムであり、第3層が多層フィルムの外層である、請求項4から6のいずれかの物品。
【請求項12】
多層フィルムが、100℃において少なくとも1つの方向に少なくとも約10%の自由収縮を有する、請求項7から11のいずれかの物品。
【請求項13】
多層フィルムの全体の密度が約1g/cc未満である、請求項12の物品。
【請求項14】
多層フィルムの全体の密度が約1g/ccを超える、請求項12の物品。
【請求項15】
多層フィルムが、最大で約30%のヘーズを有する、請求項7から14のいずれかの物品。
【請求項16】
シートである、請求項1から6のいずれかの物品。
【請求項17】
トレイである、請求項1から6のいずれかの物品。
【請求項18】
第2層の選択されたコポリマーがエチレン/不飽和エステルコポリマーを含み、エチレン/不飽和エステルコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量が、第2層の重量に対して、少なくとも約35wt%、または少なくとも約39wt%、または少なくとも約40wt%、または少なくとも約43wt%、または少なくとも約50wt%である、請求項1から17のいずれかの物品。
【請求項19】
エチレン/不飽和エステルコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量が、第2層の重量に対して、最大で約80wt%、または最大で約75wt%、または最大で約70wt%である、請求項18の物品。
【請求項20】
エチレン/不飽和エステルコポリマーが、無水物で変性されたエチレン/不飽和エステルコポリマーを含む、請求項18または19の物品。
【請求項21】
エチレン/不飽和エステルコポリマーが、4から12個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸のビニルエステルコモノマーを含む、請求項18から20のいずれかの物品。
【請求項22】
脂肪族カルボン酸のビニルエステルコモノマーがビニルアセテートコモノマーを含む、請求項21の物品。
【請求項23】
エチレン/不飽和エステルコポリマーが、4から12個の炭素原子、好ましくは4から8個の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートコモノマーを含む、請求項18から20のいずれかの物品。
【請求項24】
アルキル(メタ)アクリレートコモノマーが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、および2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、および2−エチルヘキシルメタクリレートの1種以上から選択されるコモノマーを含む、請求項23の物品。
【請求項25】
第2層の選択されたコポリマーがエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーを含み、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量が、第2層の重量に対して、少なくとも約30wt%、または少なくとも約32wt%、または少なくとも約35wt%、または少なくとも約40wt%である、請求項1から17のいずれかの物品。
【請求項26】
エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量が、第2層の重量に対して最大で約75wt%である、請求項25の物品。
【請求項27】
エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーが、無水物で変性されたエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーを含む、請求項25または26の物品。
【請求項28】
エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーが、エチレン/グリシジルメタクリレートコポリマー、エチレン/メチルアクリレート/グリシジルアクリレートコポリマー、エチレン/メチルメタクリレート/グリシジルアクリレートコポリマー、エチレン/エチルアクリレート/グリシジルアクリレートコポリマー、エチレン/エチルメタクリレート/グリシジルアクリレートコポリマー、エチレン/ブチルアクリレート/グリシジルアクリレートコポリマー、エチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート/グリシジルアクリレートコポリマー、エチレン/メチルメタクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマー、エチレン/エチルアクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマー、エチレン/エチルメタクリレート/グルシジルメタクリレートコポリマー、エチレン/ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマー、およびエチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマーから選択される1種以上のポリマーを含む、請求項25から27のいずれかの物品。
【請求項29】
エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートコポリマーが、エチレン/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマーを含む、請求項25から27のいずれかの物品。
【請求項30】
第2層の選択されたコポリマーが、第2層の重量に対して、最大で約73wt%のスチレンコモノマー含量、または最大で約60wt%のスチレンコモノマー含量、または最大で約40wt%のスチレンコモノマー含量を有するスチレン系ブロックコポリマーを、第2層の重量に対して少なくとも約30wt%含む、請求項1から17のいずれかの物品。
【請求項31】
スチレン系ブロックコポリマーが、第2層の重量に対して、少なくとも約10wt%のスチレンコモノマー含量、または少なくとも約20wt%のスチレンコモノマー含量を有する、請求項30の物品。
【請求項32】
スチレン系ブロックコポリマーがスチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマーを含む、請求項30または31の物品。
【請求項33】
スチレン系ブロックコポリマーがスチレン/エチレン−ブチレン/スチレンブロックコポリマーを含む、請求項30または31の物品。
【請求項34】
スチレン系ブロックコポリマーが変性スチレンブロックコポリマーを含む、請求項30または31の物品。
【請求項35】
請求項12から14のいずれかの多層フィルムを含む収縮チューブ。
【請求項36】
多層フィルムが第3層を備え、第3層が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、およびポリアミドから選択される1種以上のポリマーを、第3層の重量の少なくとも約50%含む、請求項35の収縮チューブ。
【請求項37】
請求項35または36の収縮チューブを、容器を囲むように置くステップ、および
収縮チューブを収縮させて収縮チューブを容器に沿うようにするステップ
を含む、容器にラベルを被せる方法。
【請求項38】
ポリ乳酸を含む第1層;
第1層に直接隣接する第2層であり、エチレン/不飽和エステルコポリマーを含み、ここで、エチレン/不飽和エステルコポリマーの不飽和エステルコモノマー含量は、エチレン/不飽和エステルコポリマーの重量に対して、少なくとも約20wt%、または少なくとも約22wt%、または少なくとも約23wt%、または少なくとも約25wt%、または少なくとも約27wt%、または少なくとも約30wt%、または少なくとも約32wt%、または少なくとも約33wt%である第2層;および
第2層に直接隣接する第3層;
を備えるフィルムを含む収縮チューブであり、
第3層が、第3層の重量に対して、約50wt%未満のポリ乳酸、もしくは約80wt%未満のポリ乳酸を含むか、または、ポリ乳酸を本質的に含まず;ならびに
フィルムが100℃において少なくとも1つの方向に少なくとも約10%の自由収縮を有する収縮チューブ。
【請求項39】
第1層が、第1層の重量に対して少なくとも約50wt%のポリ乳酸を含み;また
第2層が第2層の重量に対して少なくとも約40wt%のエチレン/不飽和エステルコポリマーを含む、
請求項38の収縮チューブ。
【請求項40】
第3層が、第3層の重量に対して、少なくとも約50wt%のポリオレフィン、または少なくとも約80wt%のポリオレフィンを含む、請求項38または39の収縮チューブ。
【請求項41】
第3層が、第3層の重量に対して少なくとも約50wt%のポリエステル、ポリアミド、またはポリエステルを含む、請求項38または39の収縮チューブ。
【請求項42】
エチレン/不飽和エステルコポリマーがエチレン/ビニルアセテートである、請求項38から41のいずれかの収縮チューブ。
【請求項43】
エチレン/不飽和エステルコポリマーが、エチレン/メチルアクリレート、エチレン/メチルメタクリレート、エチレン/エチルアクリレート、エチレン/エチルメタクリレート、エチレン/ブチルアクリレート、およびエチレン/2−エチルヘキシルメタクリレートの1種以上から選択される、請求項38から41のいずれかの収縮チューブ。
【請求項44】
エチレン/不飽和エステルコポリマーが、エチレン/グリシジルアクリレート、エチレン/グリシジルメタクリレート、エチレン/メチルアクリレート/グリシジルアクリレート、エチレン/メチルメタクリレート/グリシジルアクリレート、エチレン/エチルアクリレート/グリシジルアクリレート、エチレン/エチルメタクリレート/グリシジルアクリレート、エチレン/ブチルアクリレート/グリシジルアクリレート、エチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート/グリシジルアクリレート、エチレン/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレート、エチレン/メチルメタクリレート/グリシジルメタクリレート、エチレン/エチルアクリレート/グルシジルメタクリレート、エチレン/エチルメタクリレート/グルシジルメタクリレート、エチレン/ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレート、およびエチレン/2−エチルヘキシルメタクリレート/グリシジルメタクリレートの1種以上から選択される、請求項38から41の収縮チューブ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−535236(P2009−535236A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507772(P2009−507772)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/009994
【国際公開番号】WO2007/127233
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(500256772)クライオバック・インコーポレイテツド (25)
【Fターム(参考)】