説明

ポリ(アミド酸―イミド)樹脂

【課題】
発明の目的は、透明性に優れ、化学修飾することが可能であり、且つ、実質的にシロキサン系のアウトガスを発生しない、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂であり、また、該樹脂から誘導されるポリイミド樹脂が優れた柔軟性を持つ、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂を提供することにある。
【解決手段】
特定のテトラカルボン酸二無水物、特定の芳香族ジアミン及び特定のポリオキシアルキレンジアミンの組合せで、共重合反応して得られるポリ(アミド酸―イミド)樹脂を使用すること。
なし。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂に関する。
【背景技術】
【0002】
近年電子機器における耐熱絶縁材料として、ポリイミド樹脂の重要性が益々高まっている。ポリイミド樹脂は優れた耐熱性のみならず、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、優れた機械的性質などの特性を併せ持つことから、フレキシブルプリント配線回路(FPC)用基板、テープオートメーションボンディング(TAB)用基材、チップオンフィルム(COF)用基材、半導体素子の保護膜、集積回路の層間絶縁膜等、様々な用途に現在広く利用されている。
【0003】
従来公知のポリイミド樹脂は、分子鎖が剛直なため、耐熱性は優れるものの、柔軟性に欠け、屈曲性に劣る傾向が見られた。これらの性能を改善する目的で、ジアミン成分として、ポリシロキサンジアミンを原料とした溶剤可溶なポリイミド樹脂が提案されている(特許文献1〜4)。しかし、このポリイミド樹脂においては柔軟性の向上や低吸湿率化が認められるものの、高温下で、多量のシロキサン系アウトガスが発生する等の問題点を有している。シロキサン系アウトガスは、ポリイミド樹脂被膜に欠陥を与えたり、ポリイミド樹脂と基材との密着性を低下させる原因となる。更に基板等の半導体部品の殆どはシリコン系無機材料であり、シロキサン系アウトガスは、これらと親和性が高く容易に反応し、半導体としての信頼性を低下させる原因となるため好ましくない。
【0004】
また、ポリオキシアルキレン鎖を含むブロック共重合ポリイミド樹脂が、柔軟性、熱安定性に比較的優れた熱可塑性エラストマーとして提案されている(特許文献5)。しかしながら、該熱可塑性エラストマーは、ガラス転移温度(Tg)が約−80℃と低く、ゴムの代替用途としては使用可能ではあるが、電気・電子材料分野や光学材料分野等の耐熱性を要求される材料としては、満足できるものではなかった。
【0005】
一方、近年、ポリイミド樹脂膜の微細パターン形成行程を大幅に短縮する、感光性ポリイミド樹脂(あるいはその前駆体)の研究開発が活発に行われているが、柔軟性、高透明性等を併せ持つポリイミド樹脂に対して更に感光性も付与できれば、上記産業分野において極めて有益な材料を提供することができる。
【0006】
更に、最近では環境への配慮から、有機溶媒で現像を行うネガ型に比べ、アルカリ水溶液現像のポジ型感光性ポリイミド樹脂前駆体の重要性が高まりつつある。
【0007】
アルカリに可溶なポリイミド樹脂前駆体(ポリアミド酸)を用いればポジ型微細パターンを形成することは原理的に可能である。しかしながら、ポリアミド酸は、半導体レジスト用アルカリ現像液として一般に用いられるテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液及び水酸化ナトリウム水溶液等に対して溶解度が高すぎるため、溶解抑制剤の添加効果が不十分であり、多くの場合鮮明なパターン形成が困難である。これはポリアミド酸中のカルボキシル基が、解離しやすい(pKa値が低い)ことによる。このため、ポリアミド酸の構造になんらかの化学修飾を施し、アルカリ水溶液に対する溶解性を制御する必要がある。
【0008】
ポリアミド酸の溶解度制御の他に重要な点として、ポリアミド酸膜の透明性が挙げられる。高圧水銀灯のi線(365nm)で露光する場合、この波長における膜の透過率が十分高くないとポリアミド酸自身に照射光が遮蔽されて感光剤に光が到達しにくいため、露光に長時間要したり、極端な場合は感光剤の光反応が妨害されて、パターン形成不能になる。
【0009】
一般に多用されている全芳香族ポリイミド樹脂は紫外領域から可視光領域にかけて強い電子吸収遷移を有するためフィルムの透明性が極端に低いという特性を有している。これは、ポリイミド鎖における芳香族基を通じた分子内共役及び分子内・分子間電荷移動相互作用によるものである(非特許文献1)。
【0010】
この対応策として、テトラカルボン酸二無水物成分及びジアミン成分のいずれか一方若しくは両方を非芳香族モノマーとすることが提案されている(特許文献6)。この方法により、前記分子内共役及び電荷移動相互作用が妨げられるので、紫外領域から可視光領域におけるポリイミド樹脂の透明性の向上が期待される。
工業的に入手可能な非芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
しかしながら、これらモノマーはそれらのポリアミド酸の重合反応性が低いので、高分子量のポリイミド樹脂が得られにくい傾向がある。そのために、機械的強度が十分に得られない虞がある。
【0011】
他方、非芳香族ジアミンとして脂環式ジアミンを用いた場合には、当該ポリイミド樹脂前駆体は、そのポリアミド酸の生成初期段階で、先にアミン塩を形成して反応溶媒に対する溶解度が低下する。その為に、仕込みモル比に誤差が生じて、ポリアミド酸の重合度が上がりにくくなる。その結果、高分子量のポリイミド樹脂が得られにくくなる。又、そのままポリアミド酸の重合反応を続けても、反応溶媒に対するアミン塩の溶解度は低いので反応時間が長時間要し、生産性や再現性の低下を招くことがある。
例えば、ピロメリット酸二無水物とトランス−1,4−ジアミノシクロヘキサンからポリイミド樹脂前駆体を製造する場合、極めて強固なアミン塩を形成するのでポリイミド樹脂前駆体(ポリアミド酸)は全く生成しない。
このような現象は、脂環式ジアミンの塩基性が芳香族ジアミンの塩基性に比べて極めて高いことに起因し、脂環式ジアミンを用いた高分子量のポリイミド樹脂の製造の困難さに繋がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平5−331285号公報
【特許文献2】特開平9−40777号公報
【特許文献3】特開平10−218993号公報
【特許文献4】特開2000−103848号公報
【特許文献5】特開平5−262875号公報
【特許文献6】特開2000−204245号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Prog. Polym. Sci., 26, 259(2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、透明性に優れ、化学修飾することが可能であり、且つ、実質的にシロキサン系のアウトガスを発生しないポリイミド樹脂前駆体であるポリ(アミド酸―イミド)樹脂であり、また、該樹脂から誘導されるポリイミド樹脂が優れた柔軟性を持つ、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は、上記の課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のテトラカルボン酸二無水物と、特定の芳香族ジアミン及びポリオキシアルキレンジアミンとのポリ(アミド酸―イミド)樹脂が、透明性に優れ、化学修飾することが可能であり、且つ、実質的にシロキサン系のアウトガスを発生せず、また、該樹脂から誘導されるポリイミド樹脂が優れた柔軟性を併せ持つことを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明は、以下の項目を提供するものである。
【0017】
[項1]
反応溶媒存在下、下記一般式(1)で表せられるテトラカルボン酸二無水物(A)、下記一般式(2)で表される芳香族ジアミン(B)及び下記一般式(3)で表されるポリオキシアルキレンジアミン(C)とを、
(A)成分100に対して、(B)と(C)成分の合計が80〜125の範囲の仕込みモル比で共重合反応して得られるポリ(アミド酸−イミド)樹脂。
一般式(1)
【化1】

[式中、R及びRは同一又は異なって、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。]
一般式(2)
【化2】

[式中、Mは―O―、―SO―、―C(CH―、―C(CF―から選ばれる二価の基を表し、同一であっても異なっていてもよい。nは、1〜5の整数を表す。]
一般式(3)
【化3】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。X及びZは、それぞれエチレン基又はプロピレン基を表す。Yは、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基を表す。a、b及びcは、同一又は異なって、それぞれ0〜50の整数を表し、且つ、a+b+cの合計が2〜50の整数である。]
【0018】
[項2]
テトラカルボン酸二無水物(A)、芳香族ジアミン(B)及びポリオキシアルキレンジアミン(C)とを、共重合反応して得られるポリ(アミド酸−イミド)樹脂であって、
全仕込みモル比が、前記(A)成分100に対して、(B)成分と(C)成分の合計が80〜125の範囲であり、且つ、
反応溶媒存在下、(A)成分100、(B)成分15〜90及び(C)成分0〜25の範囲の仕込みモル比でイミド化共重合反応する工程(I)、及び
工程(I)で得られた反応溶液に、工程(I)の(A)成分に対して、(B)成分0〜25及び(C)成分10〜85の範囲の仕込みモル比でアミド化共重合反応する工程(II)、
を具備する項1に記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂。
【0019】
[項3]
(B)成分と(C)成分のモル比が、(B):(C)=15:85〜90:10の範囲である、項1又は2に記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂。
【0020】
[項4]
数平均分子量が3,000〜100,000、重量平均分子量が6,000〜200,000であり、且つ、酸価が5〜250mgKOH/gである、項1〜3のいずれかに記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂。
【0021】
[項5]
項1〜4のいずれかに記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂及び有機溶剤を含有するポリ(アミド酸−イミド)ワニス。
【0022】
[項6]
項1〜4のいずれかに記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂及び感光剤を含有する、又は項5に記載のポリ(アミド酸−イミド)ワニス及び感光剤を含有する感光性樹脂組成物(又はポジ型感光性樹脂組成物)。
【0023】
[項7]
感光剤が、ジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、芳香族N‐オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル及びナフトキノンジアジドスルホン酸エステルからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の感光剤である項6に記載の感光性樹脂組成物(又はポジ型感光性樹脂組成物)。
【0024】
[項8]
感光剤が、ポリ(アミド酸−イミド)樹脂100重量部に対して、1〜100重量部を含有する項6又は7に記載の感光性樹脂組成物(又はポジ型感光性樹脂組成物)。
【0025】
[項9]
反応溶媒存在下、下記一般式(1)で表せられるテトラカルボン酸二無水物(A)、下記一般式(2)で表される芳香族ジアミン(B)及び下記一般式(3)で表されるポリオキシアルキレンジアミン(C)とを、共重合反応して得られるポリ(アミド酸−イミド)樹脂の製造方法であって、
全仕込みモル比が、前記(A)成分100に対して、(B)成分と(C)成分の合計が80〜125の範囲の仕込みモル比であり、且つ、
(A)成分100、(B)成分15〜90及び(C)成分0〜25の範囲の仕込みモル比でイミド化重合反応する工程(I)、及び
工程(I)で得られた反応溶液に、工程(I)の(A)成分に対して、(B)成分0〜25及び(C)成分10〜85の範囲の仕込みモル比でアミド化重合反応する工程(II)、
を具備するポリ(アミド酸−イミド)樹脂の製造方法。
一般式(1)
【化4】

[式中、R及びRは同一又は異なって、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。]
一般式(2)
【化5】

[式中、Mは―O―、―SO―、―C(CH―、―C(CF―から選ばれる二価の基を表し、同一であっても異なっていてもよい。nは、1〜5の整数を表す。]
一般式(3)
【化6】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。X及びZは、それぞれエチレン基又はプロピレン基を表す。Yは、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基を表す。a、b及びcは、同一又は異なって、それぞれ0〜50の整数を表し、且つ、a+b+cの合計が2〜50の整数である。]
【0026】
[項10]
(B)成分と(C)成分のモル比が、(B):(C)=15:85〜90:10の範囲である、項9に記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂の製造方法。
【0027】
[項11]
数平均分子量が3,000〜100,000、重量平均分子量が6,000〜200,000であり、且つ、酸価が5〜250mgKOH/gである、項9又は10に記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂の製造方法。
【0028】
[項12]
項1〜4のいずれかに記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂を感光性樹脂用途のために使用する方法。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、透明性に優れ、化学修飾することが可能であり、且つ、実質的にシロキサン系のアウトガスを発生しないポリイミド樹脂前駆体であるポリ(アミド酸−イミド)樹脂を得ることができ、該ポリ(アミド酸−イミド)樹脂から誘導されるポリイミド樹脂は、優れた柔軟性を有している。さらに、該ポリ(アミド酸−イミド)樹脂を用いて、アルカリ現像が可能で、その硬化物(膜又はフィルム)は柔軟性に優れ、微細パターン形成能を有する硬化物を形成できるポジ型感光性樹脂組成物を提供することができ、特に、半導体素子の保護膜、液晶配向膜、集積回路の層間絶縁膜など様々な電子デバイスに利用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<ポリ(アミド酸−イミド)樹脂>
本発明に係るポリ(アミド酸−イミド)樹脂は、反応溶媒存在下、一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物(A)、一般式(2)で表される芳香族ジアミン(B)及び一般式(3)で表されるポリオキシアルキレンジアミン(C)とを、(A)成分100に対して、(B)と(C)成分の合計が80〜125の範囲の仕込みモル比で共重合反応を行うことにより得られる。
【0031】
(テトラカルボン酸二無水物:(A)成分)
本発明に係るポリ(アミド酸−イミド)樹脂の構成成分である一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物(A)は、特に制限はなく市販品や従来公知の製造方法により得られるものが使用できる。
【0032】
具体的には、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−4−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−7−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物が挙げられる。また、市販品としては、例えば新日本理化社製の「リカシッド TDA−100(製品名)」(4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物)が挙げられる。
【0033】
また、テトラカルボン酸二無水物は、本発明の効果を妨げない範囲で、該テトラカルボン酸二無水物の一部を他のテトラカルボン酸二無水物に置き換えて使用することができる。他のテトラカルボン酸二無水物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物、脂肪族テトラカルボン酸二無水物又は、脂環式テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
【0034】
具体的に例示すると、芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、1,2−エチレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,3−プロピレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−テトラメチレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,5−ペンタメチレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサメチレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,3−フェニレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−フェニレンビス(アンヒドロトリメリテート)等が例示される。
【0035】
また、脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸二無水物等が例示される。
【0036】
また、脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクテン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等が例示される。
【0037】
上記の他のテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種以上を混合して当該共重合反応に供することができる。
【0038】
テトラカルボン酸二無水物の一部を上記の他のテトラカルボン酸二無水物に置き換えて使用する場合には、その使用量は全テトラカルボン酸二無水物のモル数に対して、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下、特に1モル%以下が推奨される。
【0039】
本明細書及び特許請求の範囲において、(A)成分は「テトラカルボン酸二無水物」の形態で記載しているが、それらの代わりに以下に示す各種誘導体をイミド化反応に供することができる。例えば、前記テトラカルボン酸二無水物の誘導体であるテトラカルボン酸、そのテトラカルボン酸の酸塩化物、そのテトラカルボン酸と炭素数1〜4の低級アルコールとのエステル等が挙げられる。
【0040】
(芳香族ジアミン:(B)成分)
本発明に係るポリ(アミド酸−イミド)樹脂の構成成分である一般式(2)で表される芳香族ジアミン(B)は、特に制限はなく市販品や従来公知の製造方法により得られるものが使用できる。
【0041】
一般式(2)で表される芳香族ジアミンの中で好ましいものとして、Mが、―O―、―C(CH―、―C(CF―から選ばれる二価の基を表し、同一であっても異なっていてもよく、且つ、nが、1〜3の整数であるものであり、さらに好ましくは、Mが、―O―を表し、且つ、nが、1又は2であるものであるものが推奨される。
【0042】
具体的には、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3―ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン等が例示される。これらの中でも、柔軟性と透明性のバランスに特に優れる点から、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3―ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンが推奨される。
【0043】
上記の芳香族ジアミンは、単独で又は2種類以上を混合して、共重合反応に供することができる。
【0044】
(ポリオキシアルキレンジアミン:(C)成分)
本発明に係るポリ(アミド酸−イミド)樹脂の構成成分である一般式(3)で表されるポリオキシアルキレンジアミン(C)は、特に制限はなく市販品や従来公知の製造方法により得られるものが使用できる。
【0045】
ポリオキシアルキレンジアミンの中で好ましいものとして、Rが水素でXがエチレン基及びaが2〜50且つb、cが0のジアミン、Rがメチル基でXがプロピレン基及びaが2〜50且つb、cが0のジアミン、Rがメチル基、Xがプロピレン基でYがエチレン基及びa+bが2〜50且つcが0のジアミン、Rが水素、Xがエチレン基でZがテトラメチレン基及びa+bが2〜50且つcが0のジアミン、Rがメチル基、Xがプロピレン基でZがテトラメチレン基及びa+bが2〜50且つcが0のジアミン、Rが水素、X、Zがエチレン基でYがトリメチレン基及びa+b+cが2〜50のジアミン、Rが水素、X,Zがエチレン基でYがテトラメチレン基及びa+b+cが2〜50のジアミン、Rがメチル基、X、Zがプロピレン基でYがエチレン基及びa+b+cが2〜50のジアミン、Rがメチル基、X、Zがプロピレン基でYがテトラメチレン基及びa+b+cが2〜50のジアミンが推奨される。
【0046】
また、より好ましいものとして、Rが水素でXがエチレン基及びaが5〜40且つb、cが0のジアミン、Rがメチル基でXがプロピレン基及びaが5〜40且つb、cが0のジアミン、Rがメチル基、Xがプロピレン基でYがエチレン基及びa+bが5〜40且つcが0のジアミン、Rが水素、Xがエチレン基でYがテトラメチレン基及びa+bが5〜40且つcが0のジアミン、Rがメチル基、Xがプロピレン基でYがテトラメチレン基及びa+bが5〜40且つcが0のジアミン、Rが水素、Xがエチレン基でYがトリメチレン基及びa+b+cが5〜40のジアミン、Rが水素、Xがエチレン基でYがテトラメチレン基及びa+b+cが5〜40のジアミン、Rがメチル基、X、Zがプロピレン基でYがエチレン基及びa+b+cが5〜40のジアミン、Rがメチル基、X、Zがプロピレン基でYがテトラメチレン基及びa+b+cが5〜40のジアミンが推奨される。
【0047】
さらに好ましいものとして、Rが水素でXがエチレン基及びaが10〜30且つb、cが0のジアミン、Rがメチル基でXがプロピレン基及びaが10〜35且つb、cが0のジアミン、Rがメチル基、Xがプロピレン基でYがエチレン基及びa+bが10〜30且つcが0のジアミン、Rが水素、Xがエチレン基でYがテトラメチレン基及びa+bが10〜30且つcが0のジアミン、Rがメチル基、Xがプロピレン基でYがテトラメチレン基及びa+bが10〜30且つcが0のジアミン、Rが水素、X、Zがエチレン基でYがトリメチレン基及びa+b+cが10〜30のジアミン、Rが水素、X、Zがエチレン基でYがテトラメチレン基及びa+b+cが10〜30のジアミン、Rがメチル基、X、Zがプロピレン基でYがエチレン基及びa+b+cが10〜30のジアミン、Rがメチル基、X、Zがプロピレン基でYがテトラメチレン基及びa+b+cが10〜30のジアミンが推奨される。
【0048】
このようなポリオキシアルキレンジアミンの市販品としては、ハンツマン社製のジェファーミンシリーズが例示される。具体的には、ジェファーミンD−230[R:メチル基、X:プロピレン基、a=2〜3、b=c=0]、ジェファーミンD−400[R:メチル基、X:プロピレン基、a=5〜6、b=c=0]、ジェファーミンD−2000[R:メチル基、X:プロピレン基、a=33、b=c=0]、ジェファーミンHK−511(XTJ−511)[R:メチル基、X,Z:プロピレン基、Y:エチレン基、a+c=1.2、b=2.0]、ジェファーミンXTJ−500(ED−600)[R:メチル基、X,Z:プロピレン基、Y:エチレン基、a+c=3.6、b=9.0]、ジェファーミンXTJ−501(ED−900)[R:メチル基、X,Z:プロピレン基、Y:エチレン基、a+c=6.0、b=12.5]、ジェファーミンXTJ−502(ED−2003)[R:メチル基、X,Z:プロピレン基、Y:エチレン基、a+c=6.0、b=39]、ジェファーミンXTJ−504(EDR−148)[R:水素原子、Y:エチレン基、a=2、b=c=0]、ジェファーミンXTJ−533[R:メチル基、X,Z:プロピレン基、Y:ブチレン基、a+c=23.0、b=11.0]、ジェファーミンXTJ−536[R:メチル基、X,Z:プロピレン基、Y:ブチレン基、a+c=16.0、b=17.0]、ジェファーミンXTJ−542[R:メチル基、X,Z:プロピレン基、Y:テトラメチレン基、a+c=5.0、b=9.0]などが挙げられる。この中でも、ジェファーミンD−400、ジェファーミンD−2000、ジェファーミンXTJ−500(ED−600)、ジェファーミンXTJ−501(ED−900)ジェファーミンXTJ−502(ED−2003)、ジェファーミンXTJ−533、ジェファーミンXTJ−536、ジェファーミンXTJ−542が好ましく、特に、ジェファーミンD−2000、ジェファーミンXTJ−501(ED−900)ジェファーミンXTJ−502(ED−2003)、ジェファーミンXTJ−542、ジェファーミンXTJ−533、ジェファーミンXTJ−536が推奨される。
【0049】
上記のポリオキシアルキレンジアミンは単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0050】
本発明に係る各成分のモル比は、一般式(1)で表されるテトラカルボン酸二無水物(A)、一般式(2)で表される芳香族ジアミン(B)及び一般式(3)で表されるポリオキシアルキレンジアミン(C)とを、(A)成分100に対して、(B)と(C)成分の合計が80〜125の範囲の仕込みモル比であり、好ましくは、90〜110の範囲であり、特に、95〜105の範囲が推奨される。この範囲で得られる本発明のポリ(アミド酸−イミド)樹脂は、該樹脂から誘導されるポリイミド樹脂の機械物性に優れるものとなる。
【0051】
また、芳香族ジアミン(B)とポリオキシアルキレンジアミン(C)とのモル比が、好ましくは(B):(C)=15:85〜90:10の範囲であり、より好ましくは、(B):(C)=15:85〜70:30の範囲、特に(B):(C)=15:85〜60:40の範囲が推奨される。この範囲で得られるポリ(アミド酸−イミド)樹脂は、透明性に優れる。
【0052】
上記の芳香族ジアミン及びポリオキシアルキレンジアミンは、本発明の効果を損ねない範囲で、他のジアミンを用いることができる。
【0053】
例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス(3−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジアミノ−3,3’5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’5,5’−テトラプロピルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、等の芳香族ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4、4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルプロパン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−メチル−2,4−ペンタンジアミン、2,2-ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン又は脂環骨格を含む脂環式ジアミンが挙げられる。
【0054】
上記の他のジアミンは、単独で又は2種以上を混合して当該共重合反応に供することができる。
【0055】
これらの他のジアミンを用いる場合、その使用量は、全ジアミンの好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下、特に1モル%以下の範囲で共重合反応に供することが好ましい。
【0056】
また、芳香族ジアミン及びポリオキシアルキレンジアミンは、反応性向上のためにアミノ基をイソシアネート基に変換した化合物若しくはシリル化した化合物についても本発明の効果を奏する限り、使用することができる。
【0057】
<共重合反応>
共重合反応の反応方法は、目的のポリ(アミド酸−イミド)樹脂が製造できれば特に制限はなく、公知の反応方法を使用することができる。
【0058】
反応方法としては、一段工程反応方法と二段階工程反応方法が例示される。
【0059】
一段工程反応方法の具体例としては、反応溶媒とテトラカルボン酸二無水物(A)成分、芳香族ジアミン(B)成分及びポリオキシアルキレンジアミン(C)成分とを、(A)成分100に対して、(B)成分と(C)成分の合計が80〜125の範囲の仕込みモル比を反応器に仕込み、室温〜80℃で0.5〜30時間撹拌した後、イミド化重合反応の反応温度で所定の酸価になるまで反応を行う方法が例示される。
【0060】
二段階工程反応方法の具体例としては、[例i]工程(I):所定量の(A)成分、(B)成分及び反応溶媒を反応器に仕込み、室温〜80℃で0.5〜30時間撹拌した後、イミド化重合反応の反応温度でイミド化重合反応を行い、室温以下まで冷却する。工程(II):工程(I)で得られた反応溶液に、所定量の(C)成分を仕込み、0〜80℃で0.5〜30時間アミド化重合反応を行う方法、[例ii]工程(I):所定量の(A)成分、所定量又は所定量の一部の(B)成分、所定量の一部の(C)成分及び反応溶媒を反応器に仕込み、室温〜80℃で0.5〜30時間撹拌した後、イミド化重合反応の反応温度でイミド化重合反応を行い、室温以下まで冷却する。工程(II):工程(I)で得られた反応溶液に、残りの(B)成分と(C)成分を仕込み、0〜80℃で0.5〜30時間アミド化重合反応を行う方法、等が例示される。
【0061】
二段階工程反応方法の仕込みモル比としては、全仕込みモル比が(A)成分100に対して、(B)成分と(C)成分の合計が80〜125の範囲の仕込みモル比であり、且つ、工程(I)の仕込みモル比が、(A)成分100、(B)成分15〜90及び(C)成分0〜25の範囲の仕込みモル比でイミド化重合反応することが好ましく、より好ましくは、(B)成分20〜80及び(C)成分0〜20の範囲、さらに好ましくは、(B)成分25〜70及び(C)成分0〜15の範囲の仕込みモル比でイミド化重合反応することが推奨される。また、工程(II)の仕込みモル比は、工程(I)の(A)成分に対して、(B)成分0〜25及び(C)成分10〜85の範囲の仕込みモル比でアミド化重合反応することが好ましく、より好ましくは(B)成分0〜20及び(C)成分20〜80の範囲、さらに好ましくは、(B)成分0〜15及び(C)成分30〜70の範囲の仕込みモル比でアミド化重合反応することが推奨される。
【0062】
上記製造方法のうち二段階工程反応方法の反応方法が推奨される。
【0063】
イミド化重合反応の反応温度は、通常120〜250℃、好ましくは160〜190℃が推奨される。
【0064】
イミド化重合反応の反応時間は、基質の種類、仕込み比率、基質濃度などにもよるが、 生成水の留出開始後、通常2〜10時間程度が好ましい。反応時間が短すぎる場合には、イミド化率が低くなる傾向が認められる。反応時間が長すぎる場合には、部分的に熱架橋反応を起こして反応系が増粘したりゲル状物が副生したり、また、反応溶媒の熱劣化により反応系が着色することがある。
【0065】
イミド化重合反応ではディーンスターク装置などを用いて、製造時に生成する水を除去しながら反応を行うことが好ましい。このような操作を行うことで、重合度及びイミド化率をより上昇させることができる。このとき、効率よく生成水を除去する目的で水と同伴する液体又はガス体を使用することが推奨される。その同伴する液体又はガス体は、一般に還流液、共沸剤、同伴剤或いは同伴ガス等と称されるものである。
【0066】
還流液としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン及びこれらの混合物などが挙げられる。これらの還流液は、通常反応溶媒に対して5〜25重量%使用される。添加時期は、特に制限はなく、反応溶媒を仕込む時から反応系に加えてもよく、またイミド化重合反応の直前に加えてもよい。
【0067】
また、二段階工程反応方法の工程(II)のアミド化重合反応の反応温度は、0〜80℃が好ましく、より好ましくは、10〜60℃、特に20〜50℃が推奨される。
【0068】
反応系内は、その反応系の着色防止及び安全性の観点から、不活性ガス雰囲気下とすることが望ましい。通常、不活性ガスで反応系内を置換し、反応中は不活性ガスを流通させておく方法が使用される。不活性ガスとしては、窒素、アルゴンなどが例示される。
【0069】
(反応溶媒)
本発明に係る共重合反応で使用される反応溶媒は、共重合反応を阻害せず、生成するポリ(アミド酸−イミド)樹脂を溶解できるものであれば何れの反応溶媒でも良い。
【0070】
上記有機溶媒としては、非プロトン性極性溶媒が好適に用いられ、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、メチルプロピレングリコールアセテート、メチルエチレングリコールアセテート、ブチルプロピレングリコールアセテート、安息香酸メチル、安息香酸エチル、イソホロン、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジエテチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が例示され、これらは単独で又は混合系として用いることもできる。これらのうち特に、重合性、粘度安定性の点からN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、トリエチレングリコールジメチルエーテルが好ましい。
【0071】
反応溶媒の使用量としては、生成するポリ(アミド酸−イミド)樹脂を溶解できる量であれば良い。具体的なポリ(アミド酸−イミド)樹脂の濃度としては、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜45重量%、さらに好ましくは15〜40重量%となるように調整することが推奨される。
【0072】
反応溶媒は、本発明に係るポリ(アミド酸−イミド)ワニスを構成する有機溶剤と同一でも異なってもよいが、溶媒置換の作業等の煩雑さを考慮すると同一であることが好ましい。
【0073】
その他本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲において、耐熱性や接着性向上、分子量制御等を目的に1官能の酸無水物やアミン等のエンドキャップ剤を併用することができる。該エンドキャップ剤の具体例としては、酸無水物としては無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、1−メチルノルボルナン−2、3−ジカルボン酸無水物、5−メチルノルボルナン―2、3−ジカルボン酸部水物、ノルボルナン―2、3−ジカルボン酸無水物など、アミンとしてはアニリン、メチルアニリン、アリルアミン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
【0074】
本発明のポリ(アミド酸−イミド)樹脂の分子量には特に制限がないが、溶剤溶解性、機械的強度、熱特性のバランスに優れる点で、数平均分子量としては、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは4,000〜50,000、特に好ましくは5,000〜35,000の範囲が推奨され、重量平均分子量としては、6,000〜200,000が好ましく、より好ましくは8,000〜100,000、特に好ましくは10,000〜50,000の範囲が推奨される。この範囲は、特に成形体を与えることができる程度の重合度を有している範囲である。尚、分子量は、後述の実施例の項に記載の方法で測定される値である。
【0075】
また、本発明のポリ(アミド酸−イミド)樹脂の多分散度には特に制限がないが、溶剤溶解性、機械的強度、基板との密着性のバランスに優れる点で、多分散度としては、1.0〜20が好ましく、より好ましくは1.2〜15、特に好ましくは1.5〜10の範囲が推奨される。
【0076】
本発明のポリ(アミド酸―イミド)樹脂のカルボキシル基含有量の指標として、溶剤溶解性と熱安定性のバランスの点から、酸価は5〜250mgKOH/gが好ましく、より好ましくは30〜150mgKOH/gの範囲が推奨される。尚、酸価は、後述の実施例の項に記載の方法で測定される値である。
【0077】
本発明のポリ(アミド酸―イミド)樹脂は、数平均分子量が3,000〜100,000、重量平均分子量が6,000〜200,000であり、且つ、酸価が5〜250mgKOH/gが好ましく、より好ましくは、数平均分子量が4,000〜50,000、重量平均分子量が8,000〜100,000であり、且つ、酸価が30〜150mgKOH/gであり、特に、数平均分子量が5,000〜35,000、重量平均分子量が10,000〜50,000であり、且つ、酸価が30〜150mgKOH/gの範囲が推奨される。
【0078】
本発明のポリ(アミド酸―イミド)樹脂の透明性としては、膜厚20μmの365nm(i線)における透過率は、50%以上が好ましく、より好ましくは65%以上が推奨される。この範囲は、特に優れた透明性を有している範囲である。尚、透過率は、後述の実施例の項に記載の方法で測定される値である。
【0079】
本発明のポリ(アミド酸−イミド)樹脂は、最終的にはポリイミド樹脂として使用されることから、ポリイミド樹脂としての性能も重要になる。ポリイミド樹脂として必要な性能としては、柔軟性及び使用条件下での耐熱性が必要とされる。その評価方法としてはガラス転移温度(Tg)で評価することができる。ガラス転移温度としては、柔軟性及び耐熱性のバランスに優れる点から35〜120℃の範囲が好ましく、より好ましくは40〜110℃の範囲であり、特に、50〜100℃の範囲が推奨される。Tgが35℃より低い場合には、ポリイミド樹脂の使用条件下での耐熱性に問題が生じる可能性が高く、Tgが120℃より高い場合には、柔軟性に劣る傾向が見られ好ましくない。尚、Tgは、後述の実施例の項に記載の方法で測定される値である。
【0080】
<ポリ(アミド酸−イミド)ワニス>
本発明のポリ(アミド酸−イミド)ワニスは、本ポリ(アミド酸−イミド)樹脂と有機溶剤とを含有することを特徴とするものである。
【0081】
ポリ(アミド酸−イミド)ワニスの調製方法としては、(i)共重合反応で得られたポリ(アミド酸−イミド)樹脂の反応溶媒溶液をそのままポリ(アミド酸−イミド)ワニスとする方法、(ii)共重合反応で得られたポリ(アミド酸−イミド)樹脂の反応溶媒溶液からポリ(アミド酸−イミド)樹脂を単離し、次いで所望の有機溶剤に単離したポリ(アミド酸−イミド)樹脂を溶解させてポリ(アミド酸−イミド)ワニスを得る方法などが例示される。
【0082】
ポリ(アミド酸−イミド)ワニスの溶液粘度は、0.1〜50Pa・sが好ましく、より好ましくは0.5〜20Pa・s(測定条件;B型粘度計、樹脂濃度30重量%,25℃)の範囲であることが推奨される。該粘度は、ワニスの製造時に適宜調整することが望ましい。
【0083】
ポリ(アミド酸−イミド)ワニス中のポリ(アミド酸−イミド)樹脂の濃度としては、5〜50重量%が好ましく、より好ましくは10〜45重量%、さらに好ましくは15〜40重量%となるように調整することが推奨される。
【0084】
有機溶剤は、本発明に係るポリイミド樹脂を溶解させることができる有機溶剤であれば特に限定されないが、具体的には上記の反応溶媒として例示したものが挙げられる。その中でも特に、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、トリエチレングリコールジメチルエーテルが推奨される。
【0085】
<感光性樹脂組成物>
本発明の感光性樹脂組成物は、上記ポリ(アミド酸−イミド)樹脂又はポリ(アミド酸−イミド)ワニスに、感光剤(光酸発生剤)を配合して得られる。
【0086】
本発明に用いられる感光剤は、光により酸を発生する化合物であれば特に限定されないが、具体的には、ジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、芳香族N‐オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルなどが用いられる。このような化合物は必要に応じて2種類以上併用したり、他の増感剤と組合せて使用することができる。
【0087】
なかでも、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル等のジアゾナフトキノン系感光剤が好ましく、特に、1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する以下の化合物が推奨される。
【0088】
【化7】

[式中、Qは水素原子又は以下に示す化合物であり、同時に水素原子となることはない。]
【0089】
【化8】

【0090】
感光剤の配合量は、感光時の感度、解像度を良好とするために、前記ポリ(アミド酸−イミド)樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量部、5〜50重量部が好ましく、10〜30重量部がより好ましい。その配合量が1重量部未満だと露光時の感度が不十分となり、照射量を増やす必要がある。一方、100重量部を越えると感度が大幅に低下するだけでなく、フィルムの機械的強度が著しく低下する。更にイミド化後の膜減り等の問題が発生し好ましくない。
【0091】
(ポジ型パターンの製造方法)
本発明の感光性樹脂組成物を用いるパターンの製造方法としては、例えば、感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し、乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理してポジ型のポリイミド膜のパターンを形成することが挙げられる。
【0092】
半導体デバイスに適用する場合を例に説明する。まず、このポジ型感光性樹脂組成物をスピンコーターあるいはバーコーターを用いて銅、シリコンあるいはガラス等の基板上に塗布、遮光下40〜100℃で0.1〜3時間温風乾燥して、膜厚1〜5μmの感光性ポリ(アミド酸−イミド)樹脂膜を得る。上記製膜工程は100℃以下、好ましくは80℃以下で行うことが好ましい。この温度を超えるとジアゾナフトキノン系感光剤が熱分解し易く好ましくない。
【0093】
上記塗膜中に含まれる残留溶媒を除去するために、80〜100℃で1〜30分間プリベイクしてもよいが、塗膜を1〜5分間水中に浸漬することも効果的である。残留溶媒は現像時の膜の膨潤やパターンの崩れを招く恐れがあり、鮮明なパターンを得るためには十分除去しておくことが好ましい。
【0094】
次に、残留溶媒を除去した塗膜にフォトマスクを介して高圧水銀灯のi線を室温で10秒〜1時間照射する。i線の他にg線、X線、電子線、紫外線、可視光線などが使用できるが、200nm〜500nmの波長のものが好ましい。次に、0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%のアルカリ水溶液を用いて室温で10秒〜10分間現像して照射部を溶解除去し、更に純水でリンス洗浄する。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミンなどの一級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの二級アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミンなどの三級アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の四級アンモニウム塩などのアルカリ水溶液、および、これに水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。
【0095】
現像方式としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が用いられる。これによって、基板上には所望するポジ型パターンが形成される。
【0096】
さらに、この塗膜を、例えば、150〜430℃、好ましくは200〜400、特に250〜350℃で熱処理を行うことによって、ポリ(アミド酸−イミド)樹脂がイミド化され、膜特性に優れたポリイミド膜が形成される。この熱処理条件としては、空気下、真空下又は不活性ガス雰囲気下で行うことができるが、特に、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
【0097】
イミド化反応は脱水環化試薬を用いて化学的に行うこともできる。即ちピリジンあるいはトリエチルアミンの如き塩基性触媒を含む無水酢酸中に、基板上に形成されたポリ(アミド酸−イミド)樹脂膜を室温で1分〜数時間浸漬する方法によってもポリイミド膜を得ることができる。
【0098】
こうして得られた前記ポリイミド膜は、優れた柔軟性を有している。
【0099】
本発明の感光性樹脂組成物は、いずれも従来のポジ型感光性樹脂組成物が使用されてきたのと同様の分野において利用できる。具体的には、半導体装置や多層配線板などの絶縁膜として電子部品に使用することができる。
【0100】
上記感光性樹脂組成物には、使用目的やその使用用途に応じて、適宜、従来公知の酸化防止剤、末端封止剤、フィラー、シランカップリング剤、光重合開始剤および増感剤等の添加剤を本発明の効果を損なわない程度で配合してもよい。
【0101】
(他の成分)
本発明のポリ(アミド酸−イミド)樹脂には、更なる物性の向上等の目的のために添加物を添加してもよい。例えば、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂などの高分子化合物、難燃剤、消泡剤、酸化防止剤等が例示される。
【0102】
酸化防止剤としては、従来公知の酸化防止剤が特に制限なく使用できる。係る酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系酸化防止剤等が例示され、この中でもフェノール酸化防止剤が好ましく、特に炭素数6〜100、より好ましくは炭素数10〜80のフェノール系酸化防止剤は、ポリ(アミド酸−イミド)樹脂及び該樹脂から誘導されるポリイミド樹脂に、優れた耐熱性(長期加熱後の弾性率の保持率)を与える点で好ましい。このようなフェノール系化合物の具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、1,4−ジヒドロキシアントラキノン、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,4−ジベンゾイルレゾルシノール、4−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキシベンゾフェノン、α−トコフェロール、ビス[2−(2−ヒドロキシ−5−メチル−3−tert−ブチルベンジル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェニル]テレフタレート、トリエチレングリコールビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が挙げられる。この中でも、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、ビス[2−(2−ヒドロキシ−5−メチル−3−tert−ブチルベンジル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェニル]テレフタレート、トリエチレングリコールビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
【0103】
係る酸化防止剤は、1種で又は2種以上を混合して用いることができる。酸化防止剤を使用する場合、その添加量はポリ(アミド酸―イミド)樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の範囲が例示される。
【0104】
本発明のポリ(アミド酸−イミド)樹脂には、必要に応じて、カルボキシル基を修飾して、塩型の錯体、アミド結合、または、エステル結合を介して、感光性基を導入することができる。
【0105】
感光性基は、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、イソシアナトエチルメタクリレート、1−イソシアナトカルボニルスチレン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等の重合可能な二重結合を有するモノマーに由来するものであることが好ましい。
【0106】
本発明のポリ(アミド酸−イミド)樹脂は、透明性に優れ、また、該ポリ(アミド酸−イミド)樹脂をポリイミド樹脂にした場合、優れた柔軟性を持つことから、感光性樹脂用途のために使用する方法することができる。
【0107】
かくして本発明によれば、透明性に優れ、化学修飾することが可能であり、且つ、実質的にシロキサン系のアウトガスを発生しない、ポリ(アミド酸−イミド)樹脂を得ることができ、該ポリ(アミド酸−イミド)樹脂から誘導されるポリイミド樹脂は、優れた柔軟性を有している。さらに、該ポリ(アミド酸−イミド)樹脂を用いて、アルカリ現像が可能で、その硬化物(膜又はフィルム)は柔軟性に優れ、微細パターン形成能を有する硬化物を形成できる感光性樹脂組成物を提供することができ、特に、半導体素子の保護膜、液晶配向膜、集積回路の層間絶縁膜など様々な電子デバイスに利用可能である。
【実施例】
【0108】
以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、実施例や比較例中の化合物の略号、及び各特性の測定は以下の通りである。
【0109】
(1)化合物の略号
[(A)成分]
TDA:4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物(新日本理化社製「リカシッドTDA−100」)
[(B)成分]
BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)(和歌山精化工業社製「BAPP」)
APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(三井化学社製「APB−N」)
[(C)成分]
XTJ542:上記一般式(3)において、Rがメチル基、X、Zがプロピレン基でYがテトラメチレン基及びa+c=5.0、b=9.0のジアミン(ハンツマン社製「ジェファーミンXTJ−542」)全アミン価(mgKOH/g)109.8
XTJ504:上記一般式(3)において、Rが水素原子、Xエチレン基及びa=2、b=c=0のジアミン(ハンツマン社製「ジェファーミンXTJ−504」)
XTJ501:上記一般式(3)において、Rがメチル基、X、Zがプロピレン基でYがエチレン基及びa+c=6.0、b=12.5のジアミン(ハンツマン社製「ジェファーミンXTJ−501」)全アミン価(mgKOH/g)118.47
D2000:上記一般式(3)において、Rがメチル基、Xがプロピレン基及びa=33、b=c=0のジアミン(ハンツマン社製「ジェファーミンD−2000」)全アミン価(mgKOH/g)56.37
なお、全アミン価は、日本油化学協会制定「基準油脂分析試験法」により求めた。
[(D)成分]
TMEG:1,2−エチレンビス(アンヒドロトリメリテート)(新日本理化社製「リカシッドTMEG−100」)
ODPA:4,4’−オキシジフタル酸無水物(マナック社製「ODPA」)
[反応溶媒]
GBL:γ−ブチロラクトン
【0110】
(2)ポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液(ワニス)中の樹脂濃度
ポリ(アミド酸―イミド)樹脂の濃度(重量%)は、次の方法に従って求めた。
ポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液(ワニス)10mgを精秤し(小数点以下第2位まで)、TG−DTA装置(セイコーインスツルメント社製 装置名;EXSTAR6000、TG−DTA6200)にセットし、下記の測定条件下で、250℃における重量を測定した。得られた測定値を用いて、下記の計算式(1)に従って算出した。
測定条件;
昇温速度:5℃/分
流通窒素量:100ml/分
測定開始温度:30℃
(計算式)
ポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液(ワニス)中の樹脂濃度
=(W1/W0)×100 (1)
W1:250℃における測定サンプルの重量(g)
W0:測定開始前の測定サンプルの重量(g)
【0111】
(3)酸価
JISK0070(1992年)に準拠し、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液約1gを精秤した。あらかじめ調整した、0.1N−水酸化カリウムエタノール溶液で中和したGBL/エタノール=1/1(wt%)30mlで希釈し、フェノールフタレインを指示薬に、0.1N−水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し酸価を測定し、使用したポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液(ワニス)中の樹脂濃度を用いて、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂純分に酸価を換算した。
【0112】
(4)分子量
ポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液(ワニス)約1gをジメチルホルムアミド約30mlで希釈して、分子量測定用の試料溶液を作製した。該試料溶液について、ゲルパーミエーションクロマトクラフィー(GPC)を用いて以下の条件で、ポリエチレンオキサイド換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求めた。
装置:島津製作所 RID−6A
カラム:ShodexGPC AD802−S、AD803−S、AD−804S及びAD805S
カラム温度:40℃
溶離液:(10mmol/L−臭化リチウム+10mmol/L−リン酸)/ジメチルホルムアミド
流速:1.0mL/min
検出器:RI
【0113】
(5)光透過率
ポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液をPET基板にキャストし常圧下100℃、30分間乾燥して基板から剥離し得られる成形体(20μm)を紫外可視分光光度計UV−2550(島津製作所製)を用いて、365nmにおける光透過率(%)を測定した。
光透過率が高い程、透明性が良好であることを意味する。
【0114】
(6)ガラス転移温度(Tg)(℃)
ポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液をガラス基板にキャストし常圧下100℃で30分間、150℃で30分、250℃で1時間、熱イミド化反応を行って、ポリイミド樹脂を得た。該ポリイミド樹脂のガラス転移温度(℃)は、動的粘弾性測定装置を用いて以下の条件で、貯蔵弾性率E’と損失弾性率E’’の比(E’’/E’)で表される損失正接tanδを測定し、得られたtanδの極大値をガラス転移温度(Tg)(℃)とした。
装置:ユーピーエム社製 RHEOGEL−E4000
測定条件:引っ張りモード
波形:正弦波
振動数:10Hz
昇温速度:5℃/分
なお、ポリイミド樹脂は、ガラス転移温度が低い程、柔軟性が良好であることを意味する。
【0115】
(7)ポジ型感光性評価
ポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液に、ジアゾナフトキノン系感光剤として、2,3,4−トリス(1−オキソ−2−ジアゾナフトキノン−5−スルフォキシ)ベンゾフェノンを、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂100重量部に対して30重量部になるように添加し、溶解させた。これをシランカップリング剤(信越シリコーン社製「KBE−903」)で表面処理したシリコンウエハ上に塗布し、60℃で2時間、熱風乾燥機中で乾燥させて、膜厚4〜5μmの感光性フィルムを得た。これを100℃で10分間プリベイク後、フォトマスクを介し、落射式高圧水銀ランプのi線を干渉フィルターを通して5分間照射した。照射光強度は3mW/cmである。これを炭酸水素ナトリウム1.0重量%水溶液にて25℃で1〜6分間現像を行い、水でリンス後、60℃で数分乾燥した。真空中150℃で30分間、更に250℃で1時間、段階的に昇温して熱イミド化を行った。
ポジ型感光性評価は、線幅20μmのパターンを目視で確認した。
◎:鮮明なパターンが得られた
○:パターンが得られた
△:一部パターンが不鮮明又は一部パターンが欠けたところが認められる
×:パターンが形成されない
◎及び○が実用レベルである。
【0116】
[実施例1]
窒素導入管、撹拌機、留出口、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、GBL 160g、エチルシクロヘキサン 50g、(A)成分として、TDA 48.3g(0.161mol)、(B)成分として、BAPP 32.4g(0.079mol)、C)成分として、XTJ542 81.7g(0.079mol)を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら、180℃まで昇温した。生成水を系外に留去させながらイミド化反応を1時間行い、理論生成水の半分である2.8gの生成水を留去した後に反応を止め、GBLを加えて、樹脂濃度を35.5%に調整し、本発明のポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液を得た。表1に、GBL溶液中の樹脂濃度、得られたポリ(アミド酸―イミド)樹脂の酸価、数平均分子量、重量平均分子量、多分散度、光透過率、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂をポリイミド樹脂とした場合のガラス転移温度及びポジ型感光性評価結果を表1に示した。
【0117】
このポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液を用いて、100℃、30分常圧下で乾燥し赤外線吸収スペクトル分析を行った。その結果、1715cm−1、1780cm−1にイミド環に由来するカルボニル基の特性吸収を確認し、アミド酸に由来するアミド基1640cm−1、1540cm−1の特定吸収を確認した。
【0118】
[実施例2]
窒素導入管、撹拌機、留出口、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、GBL 160g、エチルシクロヘキサン 50g、(A)成分として、TDA 48.3g(0.161mol)、(B)成分として、BAPP 32.4g(0.079mol)を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら、180℃まで昇温した。生成水を系外に留去させながらイミド化反応を4時間行い、エチルシクロヘキサンを留去しながら、さらに180℃で1時間反応し、エチルシクロヘキサンの留去がなくなることを確認後に反応を終了した(工程(I))。次いで、この反応溶液を30℃まで冷却し、(C)成分として、XTJ542 81.7g(0.079mol)を加え、GBLを80g加えて5時間反応し、GBLを加えて、樹脂濃度を35.5%に調整し、本発明のポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液を得た(工程(II))。表1に、GBL溶液中の樹脂濃度、得られたポリ(アミド酸―イミド)樹脂の酸価、数平均分子量、重量平均分子量、多分散度、光透過率、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂をポリイミド樹脂とした場合のガラス転移温度及びポジ型感光性評価結果を表1に示した。
【0119】
このポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液を用いて、100℃、30分常圧下で乾燥し赤外線吸収スペクトル分析を行った。その結果、1715cm−1、1780cm−1にイミド環に由来するカルボニル基の特性吸収を確認し、アミド酸に由来するアミド基1640cm−1、1540cm−1の特定吸収を確認した。
【0120】
[実施例3〜10]
使用した(B)成分と(C)成分を表1に記載の仕込みモルにした以外は実施例2と同様に行い、本発明のポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液を得た。表1に、GBL溶液中の樹脂濃度、得られたポリ(アミド酸―イミド)樹脂の酸価、数平均分子量、重量平均分子量、多分散度、光透過率、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂をポリイミド樹脂とした場合のガラス転移温度及びポジ型感光性評価結果を表1に示した。
【0121】
[比較例1]
TDAの代わりにTMEGを表2に記載の仕込みモルで使用した以外は、実施例2と同様に行い、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液を得た。表2に、GBL溶液中の樹脂濃度、得られたポリ(アミド酸―イミド)樹脂の酸価、数平均分子量、重量平均分子量、多分散度、光透過率、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂をポリイミド樹脂とした場合のガラス転移温度及びポジ型感光性評価結果を表2に示した。
【0122】
このポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液を用いて、100℃、30分常圧下で乾燥し赤外線吸収スペクトル分析を行った。その結果、1715cm−1、1780cm−1にイミド環に由来するカルボニル基の特性吸収を確認し、アミド酸に由来するアミド基1640cm−1、1540cm−1の特定吸収を確認した。
【0123】
[比較例2]
TDAの代わりにODPAを表2に記載の仕込みモルで使用した以外は、実施例7と同様に行い、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂のGBL溶液を得た。表2に、GBL溶液中の樹脂濃度、得られたポリ(アミド酸―イミド)樹脂の酸価、数平均分子量、重量平均分子量、多分散度、光透過率、ポリ(アミド酸―イミド)樹脂をポリイミド樹脂とした場合のガラス転移温度及びポジ型感光性評価結果を表2に示した。
【0124】
【表1】

【0125】
【表2】

【0126】
表1から、本実施例のポリ(アミド酸―イミド)樹脂の365nmにおける光透過率が65%以上であることから、透明性に優れることは明らかである。
【0127】
また、本実施例のポリ(アミド酸−イミド)樹脂から誘導されるポリイミド樹脂は、耐熱性の指標であるガラス転移温度が35℃以上であり、柔軟性の指標であるガラス転移温度が120℃以下であることから、耐熱性と柔軟性に優れることは明らかである。
【0128】
さらに、ポジ型感光性評価の結果、実用レベルのパターンが得られることがわかる。
【0129】
他方、比較例1では、実施例1のテトラカルボン酸二無水物であるTDAの代わりにTMEGを用いたポリ(アミド酸−イミド)樹脂の光透過率は11%と良好な透明性を示さない。また、該ポリ(アミド酸−イミド)樹脂から誘導されるポリイミド樹脂は、耐熱性の指標であるガラス転移温度が25℃以下であり、耐熱性が劣り、さらに、ポジ型感光性評価の結果、パターンを形成しない。
【0130】
比較例2では、テトラカルボン酸二無水物としてODPAを用いたポリ(アミド酸−イミド)樹脂では、光透過率が8%と良好な透明性を示さないことがわかる。また、ポジ型感光性評価の結果、パターンを形成しない。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明によれば、透明性に優れ、化学修飾することが可能であり、且つ、実質的にシロキサン系のアウトガスを発生しない、ポリ(アミド酸−イミド)樹脂が得られ、また、該樹脂から誘導されるポリイミド樹脂が優れた柔軟性を持つことから、半導体素子の保護膜、液晶配向膜、集積回路の層間絶縁膜など様々な電子デバイスに利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応溶媒存在下、下記一般式(1)で表せられるテトラカルボン酸二無水物(A)、下記一般式(2)で表される芳香族ジアミン(B)及び下記一般式(3)で表されるポリオキシアルキレンジアミン(C)とを、
(A)成分100に対して、(B)成分と(C)成分の合計が80〜125の範囲の仕込みモル比で共重合反応して得られるポリ(アミド酸−イミド)樹脂。
一般式(1)
【化1】

[式中、R及びRは同一又は異なって、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。]
一般式(2)
【化2】

[式中、Mは―O―、―SO―、―C(CH―、―C(CF―から選ばれる二価の基を表し、同一であっても異なっていてもよい。nは、1〜5の整数を表す。]
一般式(3)
【化3】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。X及びZは、それぞれエチレン基又はプロピレン基を表す。Yは、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基を表す。a、b及びcは、同一又は異なって、それぞれ0〜50の整数を表し、且つ、a+b+cの合計が2〜50の整数である。]
【請求項2】
テトラカルボン酸二無水物(A)、芳香族ジアミン(B)及びポリオキシアルキレンジアミン(C)とを、共重合反応して得られるポリ(アミド酸−イミド)樹脂であって、
全仕込みモル比が、前記(A)成分100に対して、(B)成分と(C)成分の合計が80〜125の範囲のであり、且つ、
反応溶媒存在下、(A)成分100、(B)成分15〜90及び(C)成分0〜25の範囲の仕込みモル比でイミド化共重合反応する工程(I)、及び
工程(I)で得られた反応溶液に、工程(I)の(A)成分に対して、(B)成分0〜25及び(C)成分10〜85の範囲の仕込みモル比でアミド化共重合反応する工程(II)、
を具備する請求項1に記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂。
【請求項3】
(B)成分と(C)成分のモル比が、(B):(C)=15:85〜90:10の範囲である、請求項1又は2に記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂。
【請求項4】
数平均分子量が3,000〜100,000、重量平均分子量が6,000〜200,000であり、且つ、酸価が5〜250mgKOH/gである、請求項1〜3のいずれかに記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂及び有機溶剤を含有するポリ(アミド酸−イミド)ワニス。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂及び感光剤を含有する、又は請求項5に記載のポリ(アミド酸−イミド)ワニス及び感光剤を含有する感光性樹脂組成物。
【請求項7】
反応溶媒存在下、下記一般式(1)で表せられるテトラカルボン酸二無水物(A)、下記一般式(2)で表される芳香族ジアミン(B)及び下記一般式(3)で表されるポリオキシアルキレンジアミン(C)とを、共重合反応して得られるポリ(アミド酸−イミド)樹脂の製造方法であって、
全仕込みモル比が、前記(A)成分100に対して、(B)成分と(C)成分の合計が80〜125の範囲であり、且つ、
(A)成分100、(B)成分15〜90及び(C)成分0〜25の範囲の仕込みモル比でイミド化重合反応する工程(I)、及び
工程(I)で得られた反応溶液に、工程(I)の(A)成分に対して、(B)成分0〜25及び(C)成分を10〜85の範囲の仕込みモル比でアミド化重合反応する工程(II)、
を具備するポリ(アミド酸−イミド)樹脂の製造方法。
一般式(1)
【化4】

[式中、R及びRは同一又は異なって、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。]
一般式(2)
【化5】

[式中、Mは―O―、―SO―、―C(CH―、―C(CF―から選ばれる二価の基を表し、同一であっても異なっていてもよい。nは、1〜5の整数を表す。]
一般式(3)
【化6】

[式中、Rは水素原子又はメチル基を表す。X及びZは、それぞれエチレン基又はプロピレン基を表す。Yは、炭素数2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基を表す。a、b及びcは、同一又は異なって、それぞれ0〜50の整数を表し、且つ、a+b+cの合計が2〜50の整数である。]
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載のポリ(アミド酸−イミド)樹脂を感光性樹脂用途のために使用する方法。

【公開番号】特開2010−196041(P2010−196041A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13901(P2010−13901)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000191250)新日本理化株式会社 (90)
【Fターム(参考)】